以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「星」、「赤7(図2においては黒塗りの7)」、「白7(図2においては白抜きの7)」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33と、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。
また、前面扉の各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図3参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域および透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域を除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51は、複数の画素がマトリックス状に形成された液晶パネルの間に液晶素子を封入して構成されるもので、液晶ドライバ(図示略)から出力される駆動信号により各画素の電圧を制御することで液晶素子の配向状態を変化させることにより光の透過率を変化させる。
液晶表示器51の各画素は、その背面側のバックライトの白色光およびリールLED55の白色光(但し、図柄の部分では図柄の色に応じて白色光でなくなる場合がある)のうちで液晶素子の配向状態に応じてR(赤)、G(緑)およびB(青)の光を透過させカラー画像を表示させる。
各画素は、RGBのそれぞれについて32階調の表示を行なう。各画素のRGBの値を(R,G,B)として表すが、(0,0,0)であればバックライトの白色光またはリールLED55の白色光が透過せずに黒色の表示となるが、(31,31,31)であれば、透明の表示になってリール2L、2C、2Rに描かれた図柄の部分はその色、それ以外の部分は白色の表示になる。(0,0,0)と(31,31,31)以外のRGB値では、それぞれの値が大きくなるに従って赤、緑、青の色味が強くなる。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態(初期遊技状態ともいう)、RT(リプレイタイム)1〜6においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、既に行なわれた遊技に関する遊技履歴データの閲覧や初期化、演出モードを選択する際に操作される選択スイッチ56および決定スイッチ57、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33、リールLED55からなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ29、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインある。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、RT1〜RT6においては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5の全てが有効となり、レギュラーボーナスにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1、L2のみが有効となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン(以下有効ラインと呼ぶ)上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、の表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、複数の有効ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、いずれかの有効ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、の表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
また、各リールにおける図柄の変動が開始してから所定の自動停止時間(たとえば、1分等)が経過したときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されたか否かに関わらず、リール2L、2C、2Rのうち回転中のリールを所定の順番(右、中、左)で停止して図柄が停止表示される。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
特に、本実施の形態のスロットマシンにおいては、電源基板100で生成された電圧を各部に供給する電源ラインのうち、少なくとも後述するサブ制御部91(CPU91a)および後述する表示制御回路92に電圧を供給する電源ラインと、液晶表示器51に搭載された後述する液晶駆動回路215に電圧を供給する電源ラインと、後述するLED駆動回路93に電圧を供給する電源ラインと、後述するリールLED55に電圧を供給する電源ラインと、がそれぞれ電気的に独立して配線されている。
なお、電気的に独立して配線するとは、同一ケーブルもしくは同一基板上に配線されている場合でも、これらの配線ラインが電気的に非接触状態で設けられていることである。
また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出(たとえば、所定電圧以下になったか否か判定)したときに、電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する回路である。メイン制御部41は、特に図示はしないが、割込入力端子を備えており、この割込入力端子に電圧低下信号が入力されることで外部割込が発生し、メイン制御部41のCPU41aは外部割込に応じて電断割込処理を実行する。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7(図5参照)にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。演出中継基板80は、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板80は、この状態を調べることによって遊技制御基板40や演出制御基板90を調べなくても、遊技制御基板40のメイン制御部41に不正な信号(特に演出制御基板90に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板90には、前述した選択スイッチ56、決定スイッチ57が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、演出制御基板90に接続されたスイッチ類の検出を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、電断割込処理(サブ)を除く他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、電断割込処理(サブ)を除く他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
図4は、演出制御基板90に搭載された表示制御回路92の構成を示すブロック図である。図示するように、表示制御回路92には、VDP(Video Display Processor)141と、CGROM(Character Generator ROM)142とが含まれている。VDP14
1は、液晶表示器51にて画像表示を行なうための高速描画機能や表示出力機能などを有しており、サブ制御部91からの指令に従った画像処理を実行する。CGROM142は、液晶表示器51に演出として表示される画像の要素データや動画像データ(演出データ)を記憶する。
VDP141は、ホストインタフェース151と、転送制御回路152と、CGROMインタフェース153と、描画回路154と、一時記憶メモリ155と、フレームバッファメモリ156と、表示回路157と、動画像用デコーダ158とを備えている。
ホストインタフェース151は、サブ制御部91との間で各種データをやりとりするためのアドレス入力端子やデータ入出力端子などを含んで構成されている。転送制御回路152は、サブ制御部91からの指令に基づき、CGROM142から読み出された演出データを一時記憶メモリ155の演出データ領域に転送する制御を行なう。CGROMインタフェース153は、CGROM142に記憶されている演出データを読み出すためのアドレス出力端子やデータ入力端子を含んで構成されている。
描画回路154は、一時記憶メモリ155の演出データ領域に記憶された演出データに基づいて液晶表示器51に表示させる画像の画像データを作成するための描画処理を実行する。一時記憶メモリ155は、たとえば、VRAM(Video RAM)などにより構成され、CGROM142から読み出された演出データを記憶する演出データ領域を備えている。また、一時記憶メモリ155には、サブ制御部91からの指令に基づいて、演出モードを示す情報、或いは透過領域にリール透過オブジェクトを設定する旨の情報や透過領域を半透過にする旨の情報なども記憶される。
フレームバッファメモリ156は、たとえば一時記憶メモリ155とは異なるVRAMなどを用いて構成され、描画回路154による描画処理により作成される画像の画像データを記憶する。フレームバッファメモリ156は、2フレーム分のものがあり、1フレーム期間毎に画像データの書き込み用と読み出し用とが切り替えられる。表示回路157は、フレームバッファメモリ156(読み出し用)から読み出した画像データを階調データとし、同期信号を付加した画像信号を液晶表示器51の液晶ドライバに出力する。動画像用デコーダ158は、CGROM142から演出データとして動画像データを読み出した場合に、これをデコードする回路である。
次に、遊技制御基板40のRAM41cの構成について説明する。図5は、RAM41cの記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM41cには、重要ワーク41c−1、一般ワーク41c−2、特別ワーク41c−3、設定値ワーク41c−4、非保存ワーク41c−5、スタック領域41c−6、パリティ格納領域41c−7、および未使用領域41c−8を含む複数の記憶領域が設けられている。
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク41c−4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域である。パリティ格納領域41c−7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。また、RAM41cは、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
一般ワーク41c−2は、各ゲームの終了時においてクリアされる領域であり、小役、リプレイの当選フラグと入賞フラグ設定領域は、ここに設けられている。特別ワーク41c−3は、1ゲームごとに後述する払出処理においてクリアされることはなく、後述するビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグの設定領域は、ここに設けられている。
スタック領域41c−6は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、ゲームの進行に応じて、データが格納されていないすなわち使用されていない未使用スタック領域と、データが格納されている使用中スタック領域とから構成される。スタック領域41c−6は、RAM41cの領域のうち、予め定められた開始アドレスから最終アドレスまでに対応する領域が割り当てられている。そして、使用中スタック領域は、スタック領域41c−6の開始アドレスからデータが実際に格納された格納アドレスまでに対応する領域をいう。格納アドレスは、データが格納される毎に変化するアドレスである。未使用スタック領域は、格納アドレスの次のアドレスからスタック領域41c−6の最終アドレスまでに対応する領域をいう。スタック領域41c−6の未使用スタック領域は、後述するようにゲーム毎(たとえば、ゲーム開始時)にクリアされる領域である。
未使用領域41c−8は、ゲームの進行に応じて更新されるデータの読み出しおよび書き込みが行なわれることなく、使用することが定義されていない領域であり、後述するようにゲーム毎(たとえば、ゲーム開始時)においてクリアされる領域である。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定4から更に操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれかへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)を単にビッグボーナスという場合もある。また、ビッグボーナスをBBと示す場合があり、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。
図6は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類、可変表示装置2における図柄の組合せ、ボーナスの終了条件、および次のゲームから移行されるRTの種類を説明する図である。本実施の形態におけるRTの種類としては、再遊技役に当選する確率が各々異なるRT1〜RT6が設けられている。なお、RT1〜RT6に制御されている遊技状態を単にRTという場合もある。
ビッグボーナス(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が入賞すると、遊技状態がそれぞれビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に移行する。
ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)においては、当該ビッグボーナス(1)または当該ビッグボーナス(2)が終了するまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にある間は、それぞれビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始されるときにレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定されていないときに、繰返しレギュラーボーナス中フラグをON状態に設定される。
ビッグボーナス(1)は、遊技者に払い出したメダルの枚数が270枚以上になったことを条件として終了する。一方、ビッグボーナス(2)は、遊技者に払い出したメダルの枚数が270枚以上になったことを条件として終了する。
ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(2)に内部当選してから、該当選したビッグボーナスが入賞するまでの間、RT6に遊技状態が制御される。
また、ビッグボーナス(1)の終了後は、当選したときの遊技状態に関わらず、所定の終了条件が成立するまでRT1に遊技状態が制御される。ビッグボーナス(1)終了後のRT1の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選すること、別のRTに移行されること、後述する3択役A〜Cのいずれかに入賞すること、またはRT1に制御されてから5000回ゲームが行なわれることにより成立する。なお、5000回ゲームが行なわれるまでに、多くの場合は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選するか、別のRTに移行されるか、3択役A〜Cのいずれかに入賞する。このため、一旦RT1に制御されると、実質的に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選するか、別のRTに移行されるか、3択役A〜Cのいずれかに入賞するまで当該RT1に制御される。
また、ビッグボーナス(2)の終了後は、当選したときの遊技状態に関わらず、所定の終了条件が成立するまでRT2に遊技状態が制御される。ビッグボーナス(2)終了後のRT2の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選すること、別のRTに移行されること、3択役A〜Cのいずれかに入賞すること、またはRT2に制御されてから5000回ゲームが行なわれることにより成立する。なお、5000回ゲームが行なわれるまでに、多くの場合は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選するか、別のRTに移行されるか、3択役A〜Cのいずれかに入賞する。このため、一旦RT2に制御されると、実質的に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選するか、別のRTに移行されるか、3択役A〜Cのいずれかに入賞するまで当該RT2に制御される。
また、ビッグボーナス(1)が入賞したとき、ビッグボーナス(2)が入賞したとき、ビッグボーナス(1)が終了した後、およびビッグボーナス(2)が終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナス(1)が終了したとき、およびビッグボーナス(2)が終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
レギュラーボーナスは、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「白7−白7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナスが入賞すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。
レギュラーボーナス入賞したときには、遊技者に払い出したメダルの枚数が70枚以上になるまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
レギュラーボーナスに内部当選してから、該当選したレギュラーボーナスが入賞するまでの間、RT6に遊技状態が制御される。また、レギュラーボーナスの終了後は、所定の終了条件が成立するまでRT3に遊技状態が制御される。レギュラーボーナス終了後のRT3の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選すること、別のRTに移行されること、3択役A〜Cのいずれかに入賞すること、またはRT3に制御されてから5000ゲームが行なわれることにより成立する。なお、5000回ゲームが行なわれるまでに、多くの場合は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選するか、別のRTに移行されるか、3択役A〜Cのいずれかに入賞する。このため、一旦RT3に制御されると、実質的に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選するか、別のRTに移行されるまで当該RT3に制御されるか、3択役A〜Cのいずれかに入賞する。
また、レギュラーボーナスが入賞したとき、およびレギュラーボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にレギュラーボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。
後述する内部抽選においてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスを構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。もっとも、これらの役に当選しているが適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、後述するチャンス目(入賞の観点で言うと、はずれ)が導出されることがある。
一方、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、後述するチェリー、メロン、および3択役A〜C以外の、ブドウ、リプレイ(1)〜(3)が後述する内部抽選において当選したときには、これらの役を構成する図柄が、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されているため、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず入賞可能なものとなっている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール2Lについていずれかの入賞ラインに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。左のリール2Lの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。後述する内部抽選においてチェリーに当選していても、ストップスイッチ8Lをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。チェリーを構成するリール2Lの図柄が、リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
メロンは、いずれかの入賞ラインに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において12枚のメダルが払い出される。
ブドウは、いずれかの入賞ラインに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において10枚のメダルが払い出される。
3択役Aは、いずれかの入賞ラインに「赤7−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において1枚のメダルが払い出される。3択役Bは、いずれかの入賞ラインに「白7−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において1枚のメダルが払い出される。3択役Cは、いずれかの入賞ラインに「BAR−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態およびRT中において1枚のメダルが払い出される。
後述する内部抽選において3択役A〜Cのいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。3択役A〜Cを構成するリール2Lの図柄(「赤7」、「白7」、「BAR」)が、リール2Lにおいて7コマ以内に配置されていないためである。よって、3択役A〜Cは、各々、入賞可能とする適正なタイミング以外で操作することにより、入賞を回避することができる役ともいえる。3択役A〜Cのいずれかに当選しているが適正なタイミングで操作されなかったために入賞しなかった場合には、チャンス目が導出されることがある。
遊技状態がRT1〜RT3のいずれかであるときにおいて、3択役A〜Cのいずれかに入賞した後は、各々、規定のゲーム数が残っていてもRTを終了して初期遊技状態に制御される。
なお、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A〜Cは、ビッグボーナス中およびレギュラーボーナス中において入賞することにより、15枚のメダルが払い出される。
リプレイ(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「ブドウ−バナナ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ラインのいずれかに「ブドウ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
前述したように、リプレイ(1)〜(3)は、原則として(自動停止させた場合を除く)、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したタイミングに関わらず、入賞可能なものとなっている。
リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
リプレイ(2)入賞後は、所定の終了条件が成立するまでRT4に遊技状態が制御される。リプレイ(2)入賞後のRT4の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選すること、またはRT4に制御されてから5000回ゲームが行なわれることにより成立する。なお、5000回ゲームが行なわれるまでに、多くの場合は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選する。このため、一旦RT4に制御されると、実質的に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選するまで当該RT4に制御される。
リプレイ(3)入賞後は、所定の終了条件が成立するまでRT5に遊技状態が制御される。リプレイ(3)入賞後のRT5の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選すること、またはRT5に制御されてから1回ゲームが行なわれることにより成立する。
なお、RT4およびRT5のいずれかに遊技状態が制御されているときに、リプレイ(2)またはリプレイ(3)が入賞した場合であっても、入賞したリプレイの種類に対応するRTに移行(またはRTに制御されるゲーム回数が更新)されない。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞(入賞表示結果の導出)を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
前述したROM41bには、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられる当選役テーブルが予め格納されている。当選役テーブルの登録内容は、予め定められた役を示すものとなる。各ゲームにおいて抽選対象となる役が参照される。本実施の形態における当選役テーブルは、ROM41bに格納されており、所定の役が抽選対象として読み出される。
具体的に、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナス以外の状態であるときに、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+3択役A、ビッグボーナス(1)+3択役B、ビッグボーナス(1)+3択役C、ビッグボーナス(2)+3択役A、ビッグボーナス(2)+3択役B、ビッグボーナス(2)+3択役C、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A、3択役B、3択役C、リプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(3)が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。なお、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。たとえば、ビッグボーナス(1)+3択役Aと表記されている場合は、内部抽選においてビッグボーナス(1)と3択役Aとが同時に抽選対象役として読み出されることを示す。本実施の形態における、ビッグボーナス(1)およびビッグボーナス(1)は、各々、3択役A〜C各々と抽選対象役として同時に読出されて、重複して当選し得る。また、当選役テーブルは、遊技状態がレギュラーボーナスであるときに、チェリー、メロン、ブドウ、3択役A、3択役B、および3択役Cを順番に抽選対象役として読み出されるように構成されている。
なお、当選役テーブルは、遊技状態に関わらず、抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成されたものであってもよい。この場合、遊技状態がレギュラーボーナスであるときに、ビッグボーナス(1)等の特別役や、リプレイ(1)等の再遊技役が抽選対象役として読み出された場合であっても、抽選しない、または抽選を行なって当選した場合であっても当選フラグを設定しないように構成してもよい。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM41cに設定される。判定値数は、ROM41bに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。各役の判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
図7は、遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。この判定値数は、開発用の機種ではRAM41cに、量産機種ではROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている記憶領域に格納されている。
図7(a)は、遊技状態が初期遊技状態であるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1のときに、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であるときに「60」が、ビッグボーナス(2)であるときに「60」が、レギュラーボーナスであるときに「120」が、ビッグボーナス(1)+3択役Aであるときに「20」が、ビッグボーナス(1)+3択役Bであるときに「10」が、ビッグボーナス(1)+3択役Cであるときに「15」が、ビッグボーナス(2)+3択役Aであるときに「10」が、ビッグボーナス(2)+3択役Bであるときに「20」が、ビッグボーナス(2)+3択役Cであるときに「15」が、チェリーであるときに「700」が、メロンであるときに「5000」が、ブドウであるときに「4000」が、3択役Aであるときに「1000」が、3択役Bであるときに「1000」が、3択役Cであるときに「1000」が、リプレイ(1)であるときに「7900」が、リプレイ(2)であるときに「100」が、リプレイ(3)であるときに「100」が、判定値数として取得される。図7(a)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。
図7(a)に示すように、設定値として設定されている値が大きいほど、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの内部抽選において取得される判定値数が大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
図7(b)〜(g)は、遊技状態がRTであるときであって、リプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。なお、遊技状態がRTであるときの、リプレイ(1)〜(3)以外の入賞役の内部抽選において取得される判定値数は、図7(a)で示した判定値数と同様である。すなわち、遊技状態がRTであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数は、図7(a)で示したリプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数を、図7(b)〜(g)で示すリプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数に置き換えたものとなる。
図7(b)は、遊技状態がビッグボーナス(1)が終了した後に制御されるRT1であるときであって、リプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「42000」が、リプレイ(2)またはリプレイ(3)であるときに「0」が、判定値数として取得される。
図7(c)は、遊技状態がビッグボーナス(2)が終了した後に制御されるRT2であるときであって、リプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「40000」が、リプレイ(2)またはリプレイ(3)であるときに「0」が、判定値数として取得される。
図7(d)は、遊技状態がレギュラーボーナスが終了した後に制御されるRT3であるときであって、リプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「38500」が、リプレイ(2)またはリプレイ(3)であるときに「0」が、判定値数として取得される。
図7(e)は、遊技状態がリプレイ(2)に入賞した後に制御されるRT4であるときであって、リプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「38000」が、リプレイ(2)であるときに「100」が、リプレイ(3)であるときに「100」が、判定値数として取得される。
図7(f)は、遊技状態がリプレイ(3)に入賞した後に制御されるRT5であるときであって、リプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「7901」が、リプレイ(2)であるときに「1」が、リプレイ(3)であるときに「1」が、判定値数として取得される。
図7(g)は、遊技状態がボーナスに内部当選したときに制御される制御されるRT6であるときであって、リプレイ(1)〜(3)の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイ(1)であるときに「20000」が、リプレイ(2)であるときに「100」が、リプレイ(3)であるときに「100」が、判定値数として取得される。
図7(a)〜図7(g)で示したように、リプレイ(1)〜(3)のいずれかが当選する確率が、初期遊技状態であるときに(7900+100+100)/65536≒12.359%となり、RT1であるときに(42000)/65536≒64.08%となり、RT2であるときに(40000)/65536≒61.03%となり、RT3であるときに(38500)/65536≒58.74%となり、RT4であるときに(38000+100+100)/65536≒58.288%となり、RT5であるときに(7901+1+1)/65536≒12.059%となり、RT6であるときに(20000+100+100)/65536≒30.822%となるように判定値数が設定されている。このように、リプレイ(1)〜(3)のいずれかが当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもRT1〜RT6のときの方が高くなるように判定値数が設定されている。このため、RT1〜RT6は、初期遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
また、特にRT1〜RT4は、他の遊技状態であるときと比較して、極端にリプレイ(1)に当選しやすい状態となる。このため、RT1〜RT4は、他の遊技状態と比較して、リプレイ(1)に当選する確率が高い点において、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。なお、ボーナスの終了後に制御されるRT1〜RT3は、リプレイ(2)の入賞により制御されるRT4よりも、リプレイ(1)に当選する確率が高い点において、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
また、RT1〜RT3については、そのうちいずれに制御されているかによっても、リプレイ(1)に当選する確率が異なる。具体的に、リプレイ(1)に当選する確率は、RT1中であるときに40000/65536≒61.03%であり、RT2中であるときに38000/65536≒57.98%であり、RT3中であるときに36000/65536≒54.93%である。このように、制御されているRTの種類によって、そのRTに制御されている間にリプレイ(1)に当選する確率が異なる。本実施の形態においては、RT1〜RT3のうち、リプレイ(1)に当選する確率に着目した場合、RT1、RT2、RT3の順番で遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
また、入賞することによりRT1〜RT3を終了させる3択役A〜Cは、それぞれ、(1000/65536)≒1.525%の確率で当選する。遊技状態がRT1〜RT3のいずれかであるときにおいて、3択役A〜Cのいずれかに入賞した後は、各々、規定のゲーム数が残っていてもRTを終了して初期遊技状態に制御される。
図7(h)は、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役がメロンであるときに「300」が、チェリーであるときに「6200」が、ブドウであるときに「54100」が、3択役A〜Cのいずれかであるときにそれぞれ「1640」が、判定値として取得される。このように、小役が当選する確率は、初期遊技状態であるときよりもレギュラーボーナスのときの方が高くなるように判定値数が設定されている。このため、レギュラーボーナスは、初期遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
なお、前述したように当選役テーブルを遊技状態に関わらず抽選対象役として同じ入賞役が読み出されるように構成した場合には、遊技状態がレギュラーボーナスであるときの内部抽選において、内部抽選の対象役がメロンであるときに「300」が、チェリーであるときに「6200」が、ブドウであるときに「54100」が、3択役A〜Cのいずれかであるときにそれぞれ「1640」が、判定値として取得され、該内部抽選の対象役がこれら小役以外の特別役および再遊技役のときに判定値数が取得されないように構成してもよい。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。CPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
図8は、ROM41bに格納されたテーブルインデックスを示す図である。図示するように、テーブルインデックスには、内部当選状況別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。
内部当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。ここで、テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左、中リール2L、2Cが停止しているか、左、右リール2L、2Rが停止しているか、中、右リール2C、2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、リール2L、2C、2Rの内のいずれかが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。
テーブル作成用データには、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されている。それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスは、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて特定でき、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
また、引込コマ数データは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。リールモータ32L、32C、32Rには、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図2参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
停止制御テーブルは、前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される。停止制御テーブルには、0〜20の領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されている。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリール2L、2C、2Rが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを作成する。
また、リール2L、2C、2Rのうちのいずれか1つが停止したとき、またはいずれか2つが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、テーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の内部当選状況、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、内部当選状況、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。
また、テーブルインデックスには、はずれの場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、はずれの場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。
また、テーブルインデックスには、特別役と小役が同時に当選した場合や、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ブドウなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲ではずして停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)など)に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
なお、リプレイ(1)〜(3)のうちいずれかに当選している場合においては、すべてのリールの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して当選しているリプレイを構成する図柄を表示結果として特定する引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、すべてのリールの停止制御が行なわれる。リプレイ(2)またはリプレイ(3)が当選している場合、左リール2Lおよび中リール2Cの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して「ブドウ−バナナ」の組合せが表示結果として特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成される。このため、リプレイ(2)またはリプレイ(3)が当選している場合に左リールおよび中リールを停止させると、入賞ライン上に「ブドウ−バナナ」が導出され、右リールの表示結果に応じてリプレイ(2)またはリプレイ(3)に入賞し得るダブルテンパイ状態になる。
次に、チャンス目について説明する。本実施の形態におけるチャンス目とは、いずれかのボーナス(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス)が当選しているとき、または3択役A〜Cのいずれかが当選しているときに導出されうる表示態様であり、本実施の形態では、左リールの表示結果として17〜19番図柄の「メロン・赤7・バナナ」が停止しいずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様、左リールの表示結果として10〜12番図柄の「バナナ・白7・ブドウ」が停止しいずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様、左リールの表示結果として3〜5番図柄の「ブドウ・BAR・メロン」が停止しいずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様、右リールの表示結果として17〜19番図柄の「星・赤7・星」が停止しいずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様をチャンス目として適用している。
本実施の形態では、いずれかのボーナスに当選している場合、または3択役A〜Cのいずれかが当選している場合に、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行なわれた順番に関わらず、チャンス目を導出させることが可能に制御されるが、特定の条件を満たす順番(たとえば、左、中、右)で各リールの停止操作が行なわれたことを条件にチャンス目を導出できるようにしてもよい。
ここで、チャンス目を導出させる際のリールの停止制御を説明する。たとえば、いずれの役も当選していない場合(ハズレ)においては、左リール2Lの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して3〜5番図柄の「ブドウ・BAR・メロン」、10〜12番図柄の「バナナ・白7・ブドウ」、17〜19番図柄の「メロン・赤7・バナナ」のチャンス目を構成する表示結果以外の表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。また、右リール2Rの停止制御テーブルとして、全ての領域番号に対して17〜19番図柄の「星・赤7・星」のチャンス目を構成する表示結果以外の表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。このため、いずれの役も当選していない場合(ハズレ)においては、いずれのタイミングで左リール2Lおよび右リール2Rの停止操作が検出された場合にも、チャンス目を構成する表示結果が導出されることがない。
ボーナス、3択役A〜Cのうちいずれかが当選している場合においては、左リール2Lの停止制御テーブルとして、領域番号13〜17に対して17〜19番図柄の「メロン・赤7・バナナ」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められ、領域番号6〜10に対して10〜12番図柄の「バナナ・白7・ブドウ」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められ、領域番号0〜3および20に対して3〜5番図柄の「ブドウ・BAR・メロン」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。このため、ボーナス、3択役A〜Cのうちいずれかが当選している場合においては、左リール2Lの領域番号0〜3、6〜10、13〜17、20の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が検出された場合に、チャンス目を構成する表示結果が導出される。
なお、中リール2Cおよび右リール2Rの表示結果が既に導出されており左リール2Lを最後に停止させる場合であって、中リール2Cおよび右リール2Rに導出されている表示結果との組合せにおいて左リール2Lにチャンス目を構成する表示結果が導出されると入賞ライン上に当選していない役が入賞してしまう場合には、チャンス目以外の表示結果であって当選していない役が入賞することがない表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。
ボーナス、3択役A〜Cが当選している場合であって、当該当選している役を入賞させることができない場合(たとえば他のリールにおいて既に導出されている図柄の組合せから当選している役を構成する図柄の組合せになり得ない場合等)においては、右リール2Rの停止制御テーブルとして、領域番号13〜17に対して17〜19番図柄の「星・赤7・星」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。このため、ボーナス、3択役A〜Cが当選している場合であって、当該当選している役を入賞させることができない場合においては、右リール2Rの領域番号13〜17の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が検出された場合に、チャンス目を構成する表示結果が導出される。
なお、左リール2Lおよび中リールの表示結果が既に導出されており右リール2Rを最後に停止させる場合であって、左リール2Lおよび中リール2Cに導出されている表示結果との組合せにおいて右リール2Rに17〜19番図柄の「星・赤7・星」の表示結果が導出されると入賞ライン上に当選していない役が入賞してしまう場合には、17〜19番図柄の「星・赤7・星」以外の表示結果であって当選していない役が入賞することがない表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。
これにより、いずれかのボーナスが当選しているとき、3択役A〜Cのいずれかが当選しているときに、当選していない役が入賞してしまうことを防止しつつ、チャンス目を導出可能な停止制御テーブルに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
遊技制御基板40の側においては、前述したように内部抽選が行なわれ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で独自の演出が行なわれる。このような演出を行なうためには、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板40から演出制御基板90に送信される。
遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、当選状況通知コマンド、リール回転コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定開始コマンド、初期化コマンドが含まれている。遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
当選状況通知コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行なわれる毎に送信される。
入賞情報コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、RT中であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)およびRTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定開始コマンドは、設定変更モードの開始を示すコマンドであり、設定開始時、すなわち設定変更モードに移行した時点で送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
演出制御基板90のCPU91aは、このように遊技制御基板40のCPU41aから送られてくるコマンドに基づいて、後述するように、各種の演出を行なうものとしている。
なお、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できないので、ROM91bにはリール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。
演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、後述する連続演出の残りゲーム数を示す連続カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、および当選状況通知コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、表示制御回路92に出力する指令に基づいて液晶表示器51に画像を表示することによる演出として、通常遊技状態中およびRT中においてチャンス目が成立したこと、RT4中にいずれの入賞も発生しなかったこと、またはRT4の残りゲーム数が3ゲームとなったことを契機に複数ゲームに亘って実行される連続演出がある。連続演出の終了した後、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の有無に基づいて実行される大当たり演出またはハズレ演出がある。
また、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあるときにそれぞれ実行されるボーナス中演出がある。さらに、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに入賞したときに実行されるボーナス入賞演出や、ビッグボーナスが終了したときに実行されるボーナス終了演出がある。また、遊技状態がRT1〜RT3のいずれかにあるときにそれぞれ実行されるチャンスゾーン演出、RT中演出がある。また、遊技状態がRT1〜RT3のいずれかにあるときに、小役または再遊技役の当選に関わる遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出がある。これらの演出の実行態様は、演出モードによって異なるものとなる。
ここで、ボーナス入賞演出のうちレギュラーボーナスの入賞時に実行されるボーナス入賞演出は、レギュラーボーナスに入賞したとき(すなわち、全てのリールが停止したとき)から開始され、次のゲームのために賭数を設定したときに終了させられる。また、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞時に実行されるボーナス入賞演出は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したとき(すなわち、全てのリールが停止したとき)から開始され、演出待ち時間(この間は賭数の設定が禁止される)が経過するまでの範囲内で終了される。また、ボーナス終了演出は、ビッグボーナスが終了した後、演出待ち時間(この間は賭数の設定が禁止される)が経過するまでの範囲内で終了される。いずれにしても、次のゲームのために賭数を設定するか、それよりも前に終了するので、ゲームが開始されるよりも先に終了するものとなっている。また、大当たり演出またはハズレ演出は、3ゲーム分の連続演出を行なった後のゲームのために賭数を設定したときに開始されるが、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されると終了させられる。
また、ナビ演出は、RT1〜RT3に制御されており、かつ小役または再遊技役のいずれかに当選していることを条件として、抽選により実行するか否かおよびその種類が決定される。ナビ演出は、抽選により実行すると決定されたゲームが開始されたときに開始され、所定条件が成立したとき(たとえば、所定時間経過したとき、当該ゲームが終了したとき)に終了される。
これに対して連続演出、ボーナス中演出、チャンスゾーン演出またはRT中演出は、複数ゲームの期間を跨いで継続して実行されるため、実際に実行される期間は全てのリールが停止してから次にスタートスイッチ7が操作された次のゲームが開始されるまでの期間も含めて継続的に実行されるものとなっている。
また、演出制御基板90のCPU91aは、遊技者の選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作に基づいてRAM91cに記憶された所定の遊技履歴を液晶表示器51に表示させる履歴表示演出を行なうものとしている。履歴表示演出は、単に遊技履歴を情報として表示するだけではなく、CPU91aは、さらに所定期間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行なわれていないときに(ただし、リール2L、2C、2Rの回転開始から停止までのゲーム中である場合を除く)、液晶表示器51において所定のデモ演出を行なうものとしている。履歴表示演出もデモ演出も、リール2L、2C、2Rの回転が停止しているゲーム中でない期間において行なわれる。
連続演出は、3ゲームの期間に亘って継続して行なわれる。ただし、連続演出の終了前にボーナス入賞した場合には、その時点で連続演出は強制終了させられる。特にRT4中にいずれの入賞も発生しなかったゲームの次のゲーム、またはRT4の残りゲーム数が3ゲームとなったゲームから開始した連続演出が行なわれている期間は、遊技状態がRT4に制御されており、かなり高い確率でリプレイ(1)に当選する(取りこぼしなくリプレイ(1)が入賞する)ので、連続演出中にボーナス入賞してしまうことは少ない。
連続演出は、連続演出が開始するゲームの開始時において演出モードとボーナス当選しているか否かに従って選択された演出パターンに従って行なわれる。
連続演出における個々のゲーム間の演出では、いずれもボーナス当選しているかどうかが確定的に分かる情報は報知されないが、3ゲーム分を総合すれば、ボーナス当選しているかどうかが分かる場合はある。3ゲーム分の連続演出が終了した後の大当たり演出またはハズレ演出では、ボーナス当選しているかどうかが確定的に分かる情報が報知される。
ボーナス中演出は、ビッグボーナス中のボーナス中演出とレギュラーボーナス中のボーナス中演出がある。特にビッグボーナス中のボーナス中演出では、図9に示すように各リールの中段領域に跨って「BONUS GAME」と描かれた帯状の画像が表示されるようになっている。ビッグボーナス中は、常にレギュラーボーナスに制御されるとともに、レギュラーボーナスでは有効な入賞ラインがL1およびL2、すなわち各リールの上段領域を跨ぐ入賞ラインと下段領域に跨る入賞ラインに制限され、全てのリールについて中段領域に停止した図柄は入賞判定の対象とならないため、各リールの中段領域に跨って帯状の画像が表示されることで、レギュラーボーナス中に有効となる入賞ラインが認識しやすくなるとともに、レギュラーボーナス中においては入賞判定の対象とならないリール前面の領域を利用して画像を表示する演出が行なわれるため、インパクトのある演出を実現できるうえに、入賞判定の対象となる図柄の視認を妨げることがないようになっている。
ボーナス入賞演出は、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスが入賞したときに実行され、これら入賞が発生した次のゲームのために賭数を設定したときに前述したボーナス中演出が開始される。
チャンスゾーン演出は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの終了後、すなわちRT1〜RT3のいずれかが開始するゲームのために賭数が設定されたときに開始され、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスが入賞するか、3択役A〜Cのうちいずれかに入賞するか、規定ゲーム数に到達することで終了する。
RT中演出は、リプレイ(2)が入賞した次のゲーム、すなわちRT4が開始するゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときに開始され、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスが入賞するか、規定ゲーム数に到達することで終了する。
これらの演出は、表示制御回路92に演出データの書込指令や演出の開始指令、終了指令などを出力することにより、表示制御回路92のVDP141により制御されて実行される。VDP141は、演出データの書込指令を受け取ると、該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込む。演出の開始指令を受け取ると、一時記憶メモリ155の演出データ領域に演出データが書き込まれていれば、演出の終了指令を受け取るまでの各フレーム期間において、1フレーム毎に描画回路154により書き込まれている演出データに対応した画像データをフレームバッファメモリ156に展開して、表示回路157により液晶表示器51に出力させるものとしている。
このようなVDP141の制御により液晶表示器51に演出用の画像を表示させるためのデータは、演出データとして予めCGROM142に格納されている。これらの演出データは、演出モード毎に用意されており、サブ制御部91からの書込指令に基づいて一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる演出データは、そのときの演出モードに対応したものとなる。また、履歴表示演出の演出データもデモ演出の演出データも予めCGROM142に格納されている。
連続演出(ハズレ)1〜m、連続演出(大当たり)1〜n、大当たり演出、ハズレ演出、ビッグボーナス中演出、レギュラーボーナス中演出、ビッグボーナス入賞演出、レギュラーボーナス入賞演出、ビッグボーナス終了演出の演出データが、モード1とモード2のそれぞれの演出モードに対して用意され、CGROM142に格納されている。また、デモ演出の演出データと履歴表示演出の演出データとが用意され、CGROM142に格納されている。
ここで、連続演出(ハズレ)1〜mの演出データは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)およびレギュラーボーナスのいずれにも当選していない状態で選択されるパターン毎に用意された連続演出の演出データである。連続演出(大当たり)1〜nの演出データは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)およびレギュラーボーナスのいずかに当選している状態で選択されるパターン毎に用意された連続演出の演出データである。
連続演出(ハズレ)1〜mの演出データ、連続演出(大当たり)1〜nの演出データは、複数ゲームの期間に亘って継続して実行される演出であるため、比較的データ量が大きなものとなっている。ビッグボーナス中演出およびレギュラーボーナス中演出の演出データも、ボーナス中演出が複数ゲームの期間に亘って継続して実行される演出であるため、比較的データ量が大きなものとなっている。
もっとも、液晶表示器51は、リール2L、2C、2Rの前面側の透過領域に亘っても設けられているので、この透過領域に表示される画像の状態によってはリール2L、2C、2Rに描かれている図柄の視認性が損なわれ、ゲームの進行に影響が生じてしまう場合もある。そこで、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rの全てが回転停止するまでは透過領域のうち少なくとも入賞判定の対象となる入賞判定領域を非表示(すなわち、透過領域(入賞判定領域)の各画素のRGB値を(31,31,31)として完全透過状態とする)にする。
リール2L、2C、2Rの全てが回転を停止すると、液晶表示器51において演出が開始されるものの、透過領域(入賞判定領域)の各画素は、本来表示される画像よりも透過度が高い(すなわち、RGB値が(31,31,31)に近い)半透過状態に制御され、透過領域(入賞判定領域)を含む領域で画像が表示されていても、透過領域(入賞判定領域)の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄を視認できるようにしている。ただし、リール2L、2C、の表示結果に応じて小役が入賞し、これに応じてメダルが払い出される場合には、メダルの払い出し中は入賞した役を確実に確認できるようにするために透過領域(入賞判定領域)は非表示にされたままで、メダルの払い出しを完了してから透過領域(入賞判定領域)の画像が半透過状態に制御されるものとなる。
液晶表示器51に表示される画像の画像データは、各フレーム期間においてフレームバッファメモリ156(書き込み用)に展開されるが、フレームバッファメモリ156に画像データを書き込む際に、前面側のオブジェクトの画像データが残るようにZバッファ法を用いている。スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rの全ての停止まで(ただし、メダルの払い出しを伴う場合には払い出し完了まで)の期間において、透過領域(入賞判定領域)に対応する位置の最前面に透過領域オブジェクトが設定されるものとなっている。
透過領域オブジェクトは、RGB値を(31,31,31)とする完全に透明のオブジェクトであり、各フレーム期間で最優先でフレームバッファメモリ156への画像データの書き込みの処理が行なわれるものとなっている。透過領域オブジェクトの画像データの書き込みにより、透過領域(入賞判定領域)に対応する部分のZバッファに書き込まれているZ値は最前面の値を示す最小値となるので、演出データに応じた動画像や静止画像の画像データが透過領域(入賞判定領域)に対応する部分には書き込まれることがない。
また、透過領域(入賞判定領域)を半透過状態とするための手法としては、白加算処理と半透明処理の2通りの方法があり、そのいずれかを適用することができる。演出データの種類の違いや、本来透過領域(入賞判定領域)以外の領域とともに一体的に表示される画像の状態に応じて、白加算処理と半透明処理の何れを実行するかを使い分けるものとしてもよい。ここで、本来の画像データにおけるRGB値を(Rs,Gs,Bs)とし、半透過状態にする処理を経た後の画像データにおけるRGB値を(Rd,Gd,Bd)で表すものとする。
白加算処理を行なう場合、透過領域(入賞判定領域)の画像データにおけるRGB値は、次のようにして算出される。
Rd=Rs+16(if Rd>31 then Rd=31)
Gd=Gs+16(if Gd>31 then Gd=31)
Bd=Bs+16(if Bd>31 then Bd=31)
半透明処理を行なう場合、透過領域(入賞判定領域)の画像データにおけるRGB値は、次のようにして算出される(ただし、αは、半透明度を表すα値のことである)。
Rd=16*α+Rs*(1−α)
Gd=16*α+Gs*(1−α)
Bd=16*α+Bs*(1−α)
図10は、液晶表示器51に表示される演出の画像の表示態様を説明する図である。図10(a)は、リール2L、2C、2Rの前面側に当たる透過領域(入賞判定領域)を非表示にも半透過にもしなかった場合の例を示す。デモ演出や履歴表示演出は、この状態で行なわれるが、図に示されるように、透過領域(入賞判定領域)に表示される画像(特に透過度の低い色の濃い画像が表示される場合)によっては、透過領域(入賞判定領域)の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄がほとんど視認できなくなってしまう。
図10(b)は、リール2L、2C、2Rの前面側にある透過領域(入賞判定領域)を非表示にした場合の例を示す。スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまで(メダルの払い出しがある場合は払い出しを完了するまで)に演出が行なわれる場合は、この状態で画像の表示が行なわれる。ここでは、図に示されるように、透過領域(入賞判定領域)には画像が表示されずに透過領域(入賞判定領域)の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄が完全に透過して遊技者に視認されることとなる。
図10(c)は、透過領域3L、3C、3Rの前面側にある透過領域(入賞判定領域)を半透過にした場合の例を示す。リール2L、2C、2Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出された後(ただし、メダルの払い出しがある場合は払い出しを完了した後)に次のゲームでスタートスイッチ7が操作されるまでには、この状態で画像の表示が行なわれる。ここでは、図に示されるように、透過領域(入賞判定領域)を含む液晶表示器51の全領域で一体的に画像の表示による演出が行なわれるものの、透過領域(入賞判定領域)の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄がある程度透過して視認することができるようになる。
サブ制御部91の制御により実行される演出のうちで、LED駆動回路93に出力する指令に基づいてリールLED55の点灯状態を変化させることによる演出として、入賞演出がある。
入賞演出は、原則としていずれかの役が有効ラインに揃ったときに、有効ラインに揃った役の構成図柄に対応するリールLED55を点滅させることで入賞した役を報知する演出である。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク41c−4に格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図11は、遊技制御基板40のCPU41aが実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板40のリセット回路49からリセット信号が入力されてメイン制御部41が起動されたときに行なわれる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時およびメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM41cへのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ37がONでなければ、RAM41cに記憶されているデータのうちパリティ格納領域41c−7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域41c−7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、本実施の形態では、RAMパリティによるRAM41cが正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行なわれるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、図13に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM41cに格納されているデータが正常であるので、スタック領域41c−6に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除して(ステップS108)、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ37がONの状態であれば、スタック領域41c−6のうち使用中スタック領域を除いてRAM41cに格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク41c−4以外は0、設定値ワーク41c−4は0に書き換える)し(ステップS109)、割込禁止を解除して(ステップS110)、図12に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図12は、CPU41aがステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更フラグをRAM41cの所定の領域に設定し(ステップS201)、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク41c−4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、リセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203においてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が5であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が5でなければ、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が5であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38およびスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク41c−4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ37がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更フラグを消去する(ステップS210)。ステップS210において設定変更フラグが消去されて初期化条件が成立した後に、遊技状態を初期遊技状態に設定し(ステップS211)、図11のフローチャートに復帰すると、初期遊技状態での遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図13は、遊技制御基板40のCPU41aが実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ペイアウト表示器13を制御してRAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行なわないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをペイアウト表示器13に表示させた後、いずれの処理も行なわないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行なわれない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、メイン制御部41が起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、メイン制御部41を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、設定変更処理が行なわれてリセット/設定スイッチ38の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図14は、遊技制御基板40のCPU41aが1ゲーム毎に行なうゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう(ステップS401)。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。なお、BET処理の詳細については後述する。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう(ステップS402)。抽選処理では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる(ステップS403)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33(3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されること、または自動停止時間が経過したことにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。リール2L、2C、2Rの回転開始時、および回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。なお、リール回転処理の詳細については後述する。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる(ステップS404)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる(ステップS405)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行なわれる。なお、払出処理では、特別ワーク41c−3に格納されるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグは、次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS401のBET処理について詳しく説明する。図15、図13は、CPU41aがステップS401で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。BET処理では、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアする(ステップS501)。次に、前回のゲームのリプレイ入賞に基づくリプレイゲーム中フラグがRAM41cに設定されているかどうかにより、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS502)。
当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1だけ加算し(ステップS503)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS504)。また、これによってBETカウンタの値が規定数(レギュラーボーナス中にリプレイは抽選されないため、S502でYESの場合は3)であるかどうかを判定する(ステップS505)。BETカウンタの値が規定数に達するまで、ステップS503、S504の処理を繰り返して行ない、BETカウンタの値が規定数に達すると、スタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS506)。スタートスイッチ7の操作が検出されると、図14のフローチャートに復帰する。
当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS507)。BETカウンタの値が規定数であれば、RAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS508)。クレジットカウンタの値が50であれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS509)。そして、ステップS511の処理に進む。BETカウンタの値が規定数でない場合、またはクレジットカウンタの値が50でない場合には、流路切替ソレノイド30をONの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側としてメダルの投入が可能な状態とする(ステップS510)。そして、ステップS511の処理に進む。
クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0の場合、または精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、投入メダルセンサ31により投入メダルの通過が検出されたかどうかを判定する(ステップS514)。投入メダルの通過が検出されていれば、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS515)。BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS516)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS517)。そして、ステップS507の処理に戻る。
BETカウンタの値が規定数であれば、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS518)。クレジットカウンタの値が50であれば、そのままステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が50でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ加算する(ステップS519)。
投入メダルの通過が検出されてない場合には、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)であるか否かを判定する(ステップS520)。BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS521)。スタートスイッチ7の操作が検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する。また、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10の操作を無効とする(ステップS522)。そして、BET処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS523)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS507の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ、1枚BETスイッチ5により1枚BETスイッチ5の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS524)。1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、MAXBETスイッチ6によりMAXBETスイッチ6の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS525)。MAXBETスイッチ6の操作も検出されていなければ、ステップS507の処理に戻る。
1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS526)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS527)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS528)。そして、ステップS507の処理に戻る。
MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS529)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS530)、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS531)、現在のBETカウンタの値を示すBETコマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS532)。ここで、BETカウンタの値が規定数(すなわち、1または3)になったかどうかを判定する(ステップS533)。BETカウンタの値が規定数であれば、ステップS507の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数でなければ、ステップS529の処理に戻る。ステップS529でクレジットカウンタの値が0であると判定されると、ステップS507の処理に戻る。
次に、ステップS513の精算処理について詳しく説明する。図17は、CPU41aがステップS513で実行する精算処理を詳細に示すフローチャートである。精算処理では、流路切替ソレノイド30をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS601)。また、ホッパーモータ34をONの状態として駆動させる(ステップS602)。
次に、BET数を精算するのか否かを判定する(ステップS603)。すなわち、BETカウンタの値が0であるか否かが判定され、0でないときにBET数を精算すると判定し、0であるときにBET数を精算しないと判定される。
BET数を精算すると判定したときには、BETカウンタの値を1だけ減算し(ステップS609)、BETカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS610)。ステップS610においてBETカウンタの値が0でないと判定されたときには、ステップS609へ移行され、BETカウンタの値が0であると判定されたときには、ステップS611へ移行される。
一方、BET数を精算しないと判定したときには、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS604)。クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには、メダルを払い出すことなくそのまま精算処理を終了する。一方、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときには、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS606)、クレジットカウンタの値が0になったか否かを判定する(ステップS607)。ステップS607においてクレジットカウンタの値が0になっていないと判定されたときには、ステップS606へ移行され、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには、ステップS611へ移行される。
ステップS611においては、ホッパーモータ34をOFFの状態として駆動を停止させる。そして、精算処理を終了して、元の処理に復帰する。
次に、上記したステップS402の抽選処理について詳しく説明する。図18は、CPU41aがステップS402で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、今回のゲームで設定されたBET数(賭数)を読み出す(ステップS701)。次に、読み出した賭数が規定枚数(たとえば、1または3)であるかどうかを判定する(ステップS702)。読み出した賭数が規定枚数でないときには、RAM異常エラーとなり、図13に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。読み出した賭数が規定枚数であるときには、ステップS703の処理に進む。
ステップS703では、RAM41cの設定値ワーク41c−4に記憶されている設定値を読み出す。ここで、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上4以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS704)。読み出した設定値が1以上4以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図13に示したRAM異常エラー処理を行なうものとする。
読み出した設定値が1以上4以下の範囲にあれば、前述した当選役テーブルに登録されている抽選対象役のうち遊技状態に応じた抽選対象役を順番に読み出す(ステップS705)。次に、読み出した抽選対象の役について役別テーブルに登録されている共通フラグの設定状況を参照し(ステップS706)、共通フラグがON状態であるか否かを判定する(ステップS707)。
共通フラグがON状態であれば、読み出した抽選対象役について遊技状態に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS708)。そして、ステップS710の処理に進む。共通フラグがON状態でなければ、RAM41cに設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について遊技状態および設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS709)。そして、ステップS710の処理に進む。
ステップS710では、ステップS708またはS709で取得した判定値数をRAM41cの判定領域に記憶された内部抽選用の乱数(乱数発生回路42から抽出された乱数、乱数発生回路42から抽出された乱数をソフトウェアにより所定の手順で加工された乱数、ステップS710において加算された乱数等を含む)の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。そして、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS711)。
オーバーフローが生じていない場合には、抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(ステップS712)。未だ処理対象としていない役があれば、ステップS705の処理に戻り、当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、ステップS721の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、ステップS720に移行する。ステップS720においては、ステップS705で読出した抽選対象役の当選フラグをON状態に設定する。抽選対象役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、およびレギュラーボーナスのうちいずれかであった場合には、RT1〜RT5に制御されていることおよび制御されているRTの残りゲーム回数を示すRT1〜RT5カウンタの値が設定されている場合には0に初期化して、RT6に制御されていることを示すRT6カウンタの値を1にセットしてRT6に遊技状態を制御される。なお、各種フラグおよび各種カウンタの値は、RAM41cの所定領域において記憶・更新される。
ステップS721では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。そして、抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS403のリール回転処理について詳しく説明する。図19は、CPU41aがステップS403で実行するリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(たとえば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS801)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定してその計時を新たに開始する(ステップS802a)とともに、自動停止時間(たとえば、1分等)を新たに設定してその計時を新たに開始する(ステップS802b)。なお、ウェイトタイムおよび自動停止時間は、RAM41cの所定領域において記憶された値を所定間隔で減算更新することにより計時される。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(ステップS803)。ここで、リール2L、2C、2Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS804)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(ステップS805)、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(ステップS806a)。これにより、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる。
次に、ゲーム開始から自動停止時間が経過したか否かを判定し(ステップS806b)、自動停止時間が経過していなければ、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(ステップS807)。いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS808)。リール回転エラーが発生していなければ、ステップS806bに戻る。
また、ステップS808においてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS809)、自動停止時間の更新を中断することにより計時を一時停止し(ステップS810a)、所定のエラー処理に移行する(ステップS810b)。これに伴い、リール2L、2C、2Rの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、自動停止時間の更新を再開することにより一時停止を解除し計時を再開するとともに(ステップS810c)、再びステップS803に戻り、リール2L、2C、2Rの回転が再開する。
ステップS807においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合には、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ(32L、32C、32Rのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置)を取得し、該当するリールの停止制御テーブルを参照して引込コマ数を特定して、停止位置を停止リールに対応するワークに設定する(ステップS811)。ここで、停止されるリールの種類および該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する(ステップS812)。その後、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(ステップS813)。
そして、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止すると、リール2L、2C、2Rの全てが停止したか否かを判定し(ステップS814)、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していなければ、ステップS805に戻る。全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
ステップS806bにおいて自動停止時間が経過したと判定されたときには、ステップS830以降の処理において、回転中のリールが一つずつ停止される。このように、自動停止時間が経過したことを条件として、回転中のリールを停止させる制御を、自動停止制御という。ステップS830において、回転中のリールが2以上であると判定されたときには、右リール2R、中リール2C、左リール2Lの優先順で、対応する1リール毎に現在のタイミングで停止操作があったものとして、停止操作位置がセット(取得)される(S834)。すなわち、右リール2Rを含むリールが回転しているときには、右リール2Rの停止操作位置を取得する。右リール2Rのみが停止しているときには、中リール2Cの停止操作位置を取得する。そして、前述したステップS811へ移行し、該当するリールの停止制御テーブルを参照して引込コマ数を特定して、停止位置を停止リールに対応するワークに設定する。
ステップS830において、回転中のリールが2以上でないと判定されたとき、すなわち最終停止であると判定されたときには、回転中のリールについて、既に停止中の他のリールの停止位置に対して、入賞を発生させないはずれ図柄の組合せとなる停止位置が検索される(ステップS831)。入賞を発生させない停止位置としては、現在のリールの位置から回転方向に最も近い位置が検索される。ステップS832においては、現在の回転位置がステップS831で検索された停止位置であるか否かが判定される。そして、ステップS832において現在の回転位置が停止位置であると判定されたときには、停止位置として現在の回転位置を停止リールに対応するワークに設定され(ステップS833)、ステップS812に移行する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始してから自動停止時間が経過したときに、右リール2R、中リール2C、左リール2Lの順番で、回転中のリールを停止させる自動停止制御が行なわれる。すなわち全てのリールが回転中の場合には、右、中、左の順番で停止させる制御を行ない、いずれかのリールが既に停止している場合には、未だ回転中のリールを右、左、中の順番で優先的に停止させる制御を行なう。
また、自動停止制御では、最終停止リールを除き、停止操作がなされた場合と同様にステップS805で作成された停止制御テーブルのうち該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。また、自動停止制御では、最終停止リールについて、いずれの役も発生させない最も近い停止位置でリールを停止させる制御を行なう。
このように、自動停止制御によってリールが停止した場合には、内部抽選でいずれかの役が当選しているか否かに関わらず、入賞役がいずれの入賞ライン上にも揃わないように制御されることとなる。また、最終停止リールについては、停止制御テーブルに基づく停止制御ではなく、いずれの役も入賞ライン上に揃わない引込コマ数のうち最も少ない引込コマ数に基づいて当該リールの停止制御が行なわれる。
なお、自動停止時間が経過するまでに入賞役が確定している場合(たとえば、左リールにチェリーが停止している場合)、ステップS831では、当該入賞役(チェリー)以外の役を発生させない停止位置が検索され、該検索された位置でリールを停止させる制御が行なわれる。
なお、CPU41aは、一度自動停止制御が開始すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の検出を無効化し、その後全てのリールが停止するまで有効化しないように制御してもよい。
なお、ステップS831においては、入賞を発生させないはずれ図柄の組合せとなり、かつ前述したチャンス目を停止できる状態であってもチャンス目以外の図柄の組合せとなる停止位置を検索するようにしてもよい。これにより、自動停止制御が行なわれたときには、チャンス目が停止することを防止することができる。また、逆に、ステップS831においては、入賞を発生させないはずれ図柄の組合せとなり、かつ前述したチャンス目を停止できる状態であるときにチャンス目の図柄の組合せとなる停止位置を検索するようにしてもよい。これにより、自動停止制御が行なわれたときには、チャンス目が停止される機会を増やすことができる。
次に、上記したステップS404の入賞判定処理について詳しく説明する。図20は、CPU41aがステップS404で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS901)。次に、当該読み出した役の図柄組合せが5本の入賞ラインL1〜L5のうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS902)。
当該役の図柄組合せが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM41cに設定して(ステップS903)、ステップS904の処理に進む。当該役の図柄組合せが揃っていなければ、そのままステップS904の処理に進む。ステップS904では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS901の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM41cにリプレイ(1)〜リプレイ(3)のいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS905)。
リプレイ入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS906)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、RAM41cにおいて、ビッグボーナス(1)中フラグをON状態に設定すると共に、ビッグボーナス(1)当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cに設定されているRT6カウンタの値を初期化し、残り払出枚数を示すボーナスカウンタ(Bカウンタ)の値を270に設定する(ステップS907)。なお、ステップS907においては、さらに、ビッグボーナス(1)入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。また、ビッグボーナス(1)中フラグがON状態に設定されている期間は、レギュラーボーナスに制御される。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS908)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、RAM41cにおいて、ビッグボーナス(2)中フラグをON状態に設定すると共に、ビッグボーナス(2)当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cに設定されているRT6カウンタの値を初期化し、残り払出枚数を示すボーナスカウンタの値を270に設定する(ステップS909)。なお、ステップS909においては、さらに、ビッグボーナス(2)入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。また、ビッグボーナス(2)中フラグがON状態に設定されている期間は、レギュラーボーナスに制御される。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM41cにレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS910)。レギュラーボーナス入賞していれば、RAM41cにおいて、レギュラーボーナス中フラグをON状態に設定すると共に、レギュラーボーナス当選フラグをOFF状態に設定する。また、RAM41cに設定されているRT6カウンタの値を初期化し、残り払出枚数を示すボーナスカウンタの値を70に設定する(ステップS911)。なお、ステップS911においては、さらに、レギュラーボーナス入賞後にフリーズ状態に制御するための、ボーナス入賞時演出待ち時間を設定する。そして、ステップS913の処理に進む。レギュラーボーナス入賞していなければ、ステップS913の処理に進む。
ステップS905においてリプレイ(1)〜リプレイ(3)のいずれかに入賞していれば、ステップS912でRAM41cにおいてリプレイゲーム中フラグをON状態に設定することによりリプレイゲームを設定する。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS913の処理に進む。
ステップS913では、RAM41cにおいてON状態に設定されている入賞フラグ(但しはずれの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、および当該入賞に伴って払出されるメダルの枚数を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS405の払出処理について詳しく説明する。図21は、CPU41aがステップS405で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、まず、RAM41cにおいてON状態に設定されている入賞フラグを読み出し(ステップS1001)、ステップS1002に移行される。ステップS1002においては、ステップS1001において読み出された入賞フラグが、ブドウ、メロン、チェリー、および3択役A〜Cのうちいずれかの小役の入賞フラグであるか否かを判定することにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS1002)。小役入賞していなければ、そのままステップS1009の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルの払い出し、またはクレジット加算され(ステップS1003)、払出数がカウントされる(ステップS1004)。ステップS1004においてカウントされた払出数は、RAM41cにおいて記憶される。そして、ステップS1009の処理に進む。
ここで、ステップS1002で小役入賞していないと判定されるか、ステップS1004で払出数がカウントされることで、1ゲームが終了したものと判定されることとなる。すなわち、小役入賞していた場合には、メダルの払い出しが終了し払出数がカウントされた時点でゲームの終了と判定されるが、小役入賞していないときには、メダルの払い出しをせずに全リールの回転が停止された時点でゲームの終了と判定されるのと同じことになる。
ステップS1009では、RAM41cにボーナス中フラグがON状態に設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナス中(ここではビッグボーナスに当選したゲームを除く)であるか否かを判定する。現在の遊技状態がビッグボーナス中でなければ、ステップS1011へ移行する。
ステップS1011においては、RT1カウンタ〜RT5カウンタのうちすべての値が0であるか否か、すなわち、RT1〜RT5のいずれにも制御されていないかが判定される。RT1カウンタ〜RT5カウンタのうちいずれかの値が0でない、すなわちRT1〜RT5のいずれかに制御されていると判定されたときには、対応するRTカウンタの値を1だけ減算しステップS1005へ移行する。RT1カウンタ〜RT5カウンタのうちすべての値が0である、すなわちRT中でないと判定されたときには、そのままステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、現在の遊技状態がRT4〜RT6中であるか、すなわちリプレイ(2)またはリプレイ(3)が入賞することによりRT4またはRT5に制御可能な遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1005において現在の遊技状態がRT4〜RT6のいずれかである、すなわちRT4またはRT5に制御可能な遊技状態でないと判定されたときには、ステップS1023へ移行される。一方、ステップS1005において現在の遊技状態がRT4〜RT6のいずれでもない、すなわちRT4またはRT5に制御可能な遊技状態であると判定されたときには、ステップS1006へ移行される。
ステップS1006では、リプレイ(2)に入賞したか否かが判定される。リプレイ(2)に入賞したと判定されたときには、ステップS1007において、前述したRTカウンタの値を初期化した後、RT4カウンタの値に5000を設定し、ステップS1023へ移行される。一方、リプレイ(2)に入賞したと判定されなかったときには、ステップS1008において、リプレイ(3)に入賞したか否かが判定される。リプレイ(3)に入賞していないと判定されたときには、ステップS1008bへ移行される。リプレイ(3)に入賞していると判定されたときには、前述したRTカウンタの値を初期化した後、RT5カウンタの値に1を設定し、ステップS1023へ移行される。
ステップS1008bにおいては、3択役A〜Cのうちいずれかが入賞したか否かが判定される。3択役A〜Cのうちいずれかが入賞したときには、ステップS1008cにおいてRT1〜RT3カウンタの値が設定されている場合には0に初期化してRTを終了させて、ステップS1023へ移行される。3択役A〜Cのうちいずれかが入賞していなかったときにはそのままステップS1023へ移行される。
一方、ステップS1009において現在の遊技状態がビッグボーナス中であると判定されたときには、RAM41cのボーナスカウンタの値からステップS1004においてカウントされた払出数を差引いた値を、ボーナスカウンタの値として更新し、払出数のカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1010)。ステップS1013へ移行する。なお、ステップS1010では、RAM41cのカウンタを用いて、当該ボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントする。
ステップS1013においては、ボーナスカウンタの値が0であるか否かが判定される。すなわち、ボーナスに対応して予め定められた払出枚数分のメダルが払い出されたか否かが判定される。ボーナスカウンタの値が0でないと判定されたときには、ステップS1023へ移行される。一方、ボーナスカウンタの値が0であると判定されたときには、ビッグボーナス(1)中であるか否かが判定される(ステップS1014)。ビッグボーナス(1)中であると判定されたときには、ビッグボーナス(1)中フラグをOFF状態に設定し、ビッグボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1015)。なお、ステップS1015においては、さらに、ビッグボーナス(1)の終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。そして、ステップS1016では、RT1カウンタの値に5000を設定し、ステップS1023へ移行される。ステップS1014においてビッグボーナス(1)中でないと判定されたときには、ステップS1017へ移行される。
ステップS1017では、ビッグボーナス(2)中であるか否かが判定される。ビッグボーナス(2)中であると判定されたときには、ビッグボーナス(2)中フラグをOFF状態に設定し、ビッグボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化する(ステップS1018)。なお、ステップS1018においては、さらに、ビッグボーナス(2)の終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。そして、ステップS1019では、RT2カウンタの値に5000を設定し、ステップS1023へ移行される。ステップS1017においてビッグボーナス(2)中でないと判定されたときには、ステップS1020へ移行される。
ステップS1020では、レギュラーボーナス中フラグをOFF状態に設定し、レギュラーボーナスにおけるゲーム数および入賞数をカウントするためのカウンタの値をクリアして初期化する。なお、ステップS1020においては、さらに、レギュラーボーナスの終了後にフリーズ状態に制御するための、エンディング演出待ち時間を設定する。そして、ステップS1021では、RT3カウンタの値に5000を設定し、ステップS1023へ移行される。
ステップS1023においては、RAM41cにおけるビッグボーナス(1)中フラグ、ビッグボーナス(2)中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、およびRTカウンタに基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1023)。そして、払出処理を終了して、図14のフローチャートに復帰し、1ゲームの処理が終了する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のCPU41aは、初期遊技状態、RT1〜RT6、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行なっている。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91のCPU91aが実行する各種制御内容を、図22〜図34に基づいて以下に説明する。
演出制御基板90では、電源基板100から電源電圧の供給を受けると、サブ制御部91が起動する。図22は、サブ制御部91のCPU91aが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、まず、所定の演出初期設定処理を実行する(Ss1)。演出初期設定処理の詳細については後述する。
演出初期設定処理を終了すると、たとえばサブ制御部91の内部状態などといった演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行する(Ss2)。演出制御復旧処理の詳細についても後述する。
演出制御復旧処理を実行した後には、割込禁止としてから(Ss3)、演出側乱数値更新処理を実行して(Ss4)、割り込みを許可する(Ss5)という、一連の処理を繰り返して実行する。Ss4にて実行される演出側乱数値更新処理は、演出制御基板90の側で用いられる乱数値の全部または一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
図23は、図22のSs1においてサブ制御部91のCPU91aが実行する演出初期設定処理を詳細に示すフローチャートである。演出初期設定処理では、まず、割込禁止に設定し(Ss101)、割り込みモードの設定を行なう(Ss102)。
次に、スタックポインタの指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行なう(Ss103)。また、サブ制御部91における内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(Ss104)。そして、サブ制御部91における内蔵周辺回路であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)を行なう(Ss105)。その後、RAM91cをアクセス可能に設定する(Ss106)。
この後、たとえば、VDP141に所定の初期化信号を送信してから、VDP141の内蔵レジスタにセットするための初期設定データを送信するなどといったVDP141の初期設定を行なう(Ss107)。これにより、VDP141では、サブ制御部91から受信した初期化信号や初期化データなどに基づき、たとえば、一時記憶メモリ155やフレームバッファメモリ156の記憶内容を初期化したり、転送制御回路152や描画回路154或いは動画像用デコーダ158などにより実行中の処理や初期化を中断したり、液晶表示器51の表示画面に対応したフレームバッファメモリ156における記憶領域の割り当てを行なって表示領域を設定したり、液晶表示器51における表示画像の更新周期を設定すると行なった各種設定動作のうちの少なくとも1つを実行する。
次に、たとえばROM91bに記憶されている乱数初期設定データに基づき乱数回路134の動作設定を行なうなど演出制御基板90の側で用いられる乱数値を生成するための設定を行なう(Ss108)。さらに、たとえばROM91bに記憶されている割り込み初期設定データに基づきリセット/割込コントローラの設定やCTCのレジスタ設定を行なうことなどにより割り込みの設定を行なう(Ss109)。これにより、サブ制御部91では、所定時間(たとえば、2ミリ秒)毎に演出動作を制御するためのタイマ割込が発生することになる。そして、演出初期設定処理を終了する。
図24は、図22のSs2においてサブ制御部91のCPU91aが実行する演出制御復旧処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM91cのデータチェックを行ない、チェック結果が正常であるか否かを判定する(Ss201)。ここでの処理では、たとえば、RAM91cの所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとRAM91cの演出制御バッファ設定部に設けられた演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。演出チェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。この演出チェックサムバッファは、バックアップ電源によってバックアップされるRAM91cのバックアップ領域に含まれており、電力供給が停止した場合でも、所定期間は演出チェックサムバッファの内容が保存されることとなる。算出されたチェックサムと演出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとの比較結果が不一致であれば、チェック結果が正常でないと判断される。
RAM91cのデータのチェック結果が正常である場合には、RAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグがONとなっているか否かを判定する(Ss202)。演出バックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、演出制御フラグ設定部に設定される。そして、この演出バックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でもバックアップフラグの状態は保存されることとなる。
演出バックアップフラグがONであるときには、演出バックアップフラグをクリアしてOFF状態とし(Ss203)、その後にサブ制御部91の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行なう(Ss204)。たとえば、ROM91bに格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時テーブルの内容を順次RAM91c内の作業領域に設定する。ここで、RAM91cの作業領域がバックアップ電源によってバックアップされている場合には、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていればよい。続いて、バックアップ電源によりバックアップされるRAM91cのバックアップ領域から、制御状態を復旧させるための演出バックアップ用データを読み出し、その読み出しデータに応じてCPU91aの内蔵レジスタやRAM91cの作業領域の設定を、サブ制御部91が再起動される以前の状態に復旧させる。
この後、ステップSs204での設定に基づき、たとえばVDP141に復旧後の状態に応じた表示制御指令を送信することなどにより、VDP141における各種制御の再開設定を行なう(Ss205)。そして、演出制御復旧処理を終了する。なお、Ss205の処理を実行した後には、たとえば、Ss204における制御状態の復帰によりプログラムカウンタに設定された対比値に対応する処理に復帰するようにすればよい。
また、Ss201でRAM91cのデータのチェック結果が異常である場合や、Ss202で演出バックアップフラグがOFFである場合には、RAM91cの初期化を行なう(Ss206)。RAM91cの初期化に続いて、サブ制御部91の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行なう(Ss207)。そして、演出制御復旧処理を終了する。
また、サブ制御部91では、Ss109での割り込みの設定によって所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされる。図25は、タイマ割込フラグがON状態にセットされたことに応答して、サブ制御部91のCPU91aが実行する演出制御割り込み処理を示すフローチャートである。
演出制御割り込み処理では、まず、タイマ割込フラグをクリアしてOFF状態とし(Ss301)、内部レジスタの内容を退避する(Ss302)。次に、詳細を後述する演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップを行なう(Ss303)。そして、I/Oポート91dに含まれる所定の出力ポートに初期化信号をON状態とするための制御データをセットすることなどにより、リセット回路95をクリアする(Ss304)。
次に、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し(Ss305)、さらに詳細を後述する演出制御処理を実行する(Ss306)。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51への画像の表示などによる各種演出が行なわれる。次に、演出側乱数値更新処理が行なわれて、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新される(Ss307)。その後、Ss302で退避したレジスタの内容を復帰させてから(Ss308)、演出制御割り込み処理を終了する。
図26は、図25のSs303においてサブ制御部91のCPU91aが実行する演出バックアップ処理を詳細に示すフローチャートである。演出バックアップ処理においては、RAM91cの所定領域における記憶データなどを用いて、演出バックアップ用のデータの設定を行なう(Ss401)。ここで、たとえばRAM91cの演出フラグ設定部に設けられた各種フラグの値やRAM91cの演出制御タイマ設定部に設けられた各種タイマの値によりサブ制御部91での制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況が特定できるのであれば、これらのフラグやタイマの値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。また、たとえばCPU91aの内蔵レジスタ(たとえば、プログラムカウンタ)の格納値などからサブ制御部91の制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況が特定できるのであれば、こうした内蔵レジスタの格納値を示すデータにより、演出バックアップ用データを構成すればよい。或いは、フラグやタイマの値を示すデータと内蔵レジスタの格納値を示すデータとを組合せることにより、演出バックアップデータを構成してもよい。その他にも、サブ制御部91での制御状態や表示制御回路92での各種処理の進行状況を特定して再起動後に復旧可能とする任意のデータが、演出バックアップ用データに含まれていてもよい。
次に、たとえばRAM91cの所定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出することなどにより、チェックデータを作成する(Ss402)。そして、RAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられた演出バックアップフラグをON状態にセットして(Ss403)、演出バックアップ処理を終了する。なお、RAM91cの一部がバックアップ電源によってバックアップされる場合には、Ss401にて作成した演出バックアップ用データや、Ss402で作成したチェックデータ、Ss403でON状態に設定した演出バックアップフラグを示すデータなどを、演出バックアップ処理の終了時にRAM91cのバックアップ領域に記憶させるようにすればよい。
図27〜図31は、図25のSs306においてサブ制御部91のCPU91aが実行する演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。なお、この演出制御処理は、何れの手順で実行されて終了する場合であっても、2ミリ秒未満の時間内で終了する。つまり、演出制御処理の実行中に重ねて演出制御割り込みが発生してしまうことはない。
演出制御処理では、CPU91aは、Ss305のコマンド解析処理の結果、演出制御基板40から何らかのコマンドを受信していたかどうかを判定する(Ss501)。何らのコマンドも受信していないと判定した場合には、RAM91cにデモ無効フラグが設定されているかどうかを判定する(Ss509)。
デモ無効フラグは、後述するようにスタートレバー7の操作からリール2L、2C、2Rに表示結果が導出されるまで(メダルの払い出しがある場合は、払い出しの完了まで)の狭義のゲーム中である場合、或いはゲーム中でなくても連続演出、もしくはボーナス中演出が実行されている場合に設定されているものとなる。デモ無効フラグが設定されていれば、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作も無効であり、デモ演出だけでなく、演出モードの切り替えや履歴表示演出も行なうことなく、そのまま演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
デモ無効フラグが設定されていなければ、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作が検出され、遊技者によって演出モードの切り替えが指示されたかどうかを判定する(Ss510)。演出モードの切り替えが指示されていた場合には、表示制御回路92に演出モードの切替指令を出力する(Ss511)。これにより、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出モード領域に記憶されている演出モードが現在のモードとは異なるモード(たとえば、現在の演出モードがモード1であれば、モード2)に更新される。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
演出モードの切り替えが指示されていない場合には、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作が検出され、遊技者によって履歴表示演出の実行が指示されたかどうかを判定する(Ss512)。履歴表示演出の実行が指示された場合には、RAM91cに履歴表示演出を行なっている旨を示す履歴表示フラグを設定する(Ss513)。さらに、RAM91cに記憶されている遊技履歴とともに履歴表示演出の演出データの書き込み指令を表示制御回路92に出力する(Ss514)。これにより、表示制御回路92においてCGROM142から履歴表示演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。そして、Ss518の処理に進む。
Ss512で履歴表示演出の実行が指示されていない場合には、CPU91aの内部タイマが所定時間の経過を計時したかどうかを判定する(Ss515)。所定時間の経過を計時していなければ、そのまま演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。所定時間の経過を計時していれば、RAM91cにデモ演出を行なっている旨を示すデモ演出フラグを設定する(Ss516)。さらに、デモ演出の演出データの書き込み指令を表示制御回路92に出力する(Ss517)。これにより、表示制御回路92においてCGROM142からデモ演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。そして、Ss518の処理に進む。
Ss518では、表示制御回路92に透過領域(入賞判定領域)の表示指令を出力する。これにより、表示制御回路92の一時記憶メモリ155に透過領域オブジェクトを設定しない旨の情報が記憶され、最前面に透過領域オブジェクトがないことからデモ演出または履歴表示演出が行なわれる場合には、リール2L、2C、2Rの透過領域(入賞判定領域)にも透過度を高めないまま画像が表示されることとなる。さらに、表示制御回路92に演出の開始指令を出力する(Ss519)。これにより、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれているデモ演出または履歴表示演出の演出データに対応した画像が透過領域(入賞判定領域)を含む液晶表示器51の全領域において行なわれるものとなる。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
Ss501で何らかのコマンドを受信していたと判定した場合には、CPU91aの内部タイマによる計時を改めて0から開始させる(Ss502)。次に、RAM91cにデモ演出フラグが設定されているかどうかにより、デモ演出が実行中であるかを判定する(Ss503)。デモ演出が実行中であれば、まずRAM91cのデモ演出フラグを消去し(Ss504)、演出の終了指令とともにデモ演出の演出データの消去指令を表示制御回路92に出力する(Ss505)。これにより、デモ演出が終了するとともに、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域からデモ演出の演出データが削除される。そして、Ss520の処理に進む。
デモ演出が実行中でなければ、RAM91cに履歴表示演出フラグが設定されているかどうかにより、履歴表示演出が実行中であるかを判定する(Ss506)。履歴表示演出が実行中であれば、まずRAM91cの履歴表示演出フラグを消去し(Ss507)、演出の終了指令とともに履歴演出の演出データの消去指令を表示制御回路92に出力する(Ss508)。これにより、履歴表示演出が終了するとともに、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域から履歴表示演出の演出データが削除される。そして、Ss520の処理に進む。
Ss520では、Ss305のコマンド解析処理の結果により受信していたコマンドの種類が何であるかを判定する。受信したコマンドの種類がBETコマンドであった場合には、RAM91cの連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(Ss521)。
Ss521で連続カウンタの値が0であった場合には、RAM91cにボーナス入賞演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(Ss528)。ボーナス入賞演出中フラグが設定されていれば、ここでボーナス入賞演出を終了させることとなるので、ボーナス入賞演出中フラグをRAM91cから消去する(Ss529)。また、前回のゲームでビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに入賞して液晶表示器51にてボーナス入賞演出が依然として行なわれているので、ここで演出の終了指令とともにボーナス入賞演出の演出データの消去指令を表示制御回路92に出力する(Ss530)。これにより、ボーナス入賞演出が終了するとともに、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域からボーナス入賞演出の演出データが削除される。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
ボーナス入賞演出中フラグが設定されていなければ、RAM91cに保存されている遊技状態に基づいて前のゲームでRT1〜RT3のうちいずれかが終了したか否かを判定する(Ss531)。前のゲームでRT1〜RT3のうちいずれかが終了していれば、ここでチャンスゾーン演出を終了させることとなるので、RAM91cに設定されているチャンスゾーン演出中フラグを消去する(Ss532)。また、チャンスゾーン演出は依然行なわれているので、ここで演出の終了指令とともにチャンスゾーン演出の演出データの消去指令を表示制御回路92に出力する(Ss533)。これにより、チャンスゾーン演出が終了するとともに、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域からチャンスゾーン演出の演出データが削除される。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
Ss531で前のゲームでRT1〜RT3のうちいずれも終了していなければ、RAM91cにボーナス終了演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(Ss539)。ボーナス終了演出中フラグが設定されていなければ、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。一方、ボーナス終了演出中フラグが設定されていれば、ここでボーナス終了演出を終了させた後、チャンスゾーン演出を開始することとなるので、ボーナス入賞終了中フラグをRAM91cから消去するとともに、チャンスゾーン演出中フラグをRAM91cに設定する(Ss541)。
次に、表示制御回路92にボーナス終了演出の演出データの消去指令とともにチャンスゾーン演出の演出データの書き込み指令を出力する(Ss542)。これにより、表示制御回路92においてボーナス終了演出が終了するとともに、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域からボーナス終了演出の演出データが削除された後、CGROM142からチャンスゾーン演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。さらに、表示制御回路92に演出の開始指令を出力する(Ss543)。これにより、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれているチャンスゾーン演出の演出データに対応した画像が透過領域(入賞判定領域)を含む液晶表示器51の全領域において行なわれるものとなる。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
Ss521で連続カウンタの値が0でなければ、未だ連続演出の実行中であるので、ここで連続カウンタの値を1だけ減算する(Ss546)。この減算の結果、連続カウンタの値が0になったかどうかを改めて判定する(Ss547)。連続カウンタの値が未だ0にならなかったならば、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。連続カウンタの値が0になったならば、表示制御回路92に演出の終了指令を出力する(Ss548)。これにより、表示制御回路92は、連続演出の演出データに基づく画像データの生成を停止し、液晶表示器51で行なわれていた連続演出が終了する。
その後、前回のゲームでRAM91cに保存した当選状況がいずれかの特別役に当選していることを示しているかどうかを判定する(Ss549)。ここで、前回のゲームでの当選状況が特別役に当選していることを示していても、特別役に入賞していれば連続カウンタの値が0となるので、Ss549の処理が行なわれる場合は、特別役の当選フラグが持ち越されている状態である。
Ss549で前回のゲームの当選状況が特別役に当選していることを示していれば、表示制御回路92に大当たり演出の演出データの書き込み指令を出力する(Ss550)。これにより、表示制御回路92においてCGROM142から大当たり演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。大当たり演出の演出データが書き込まれたことで、連続演出の演出データは消去される(少なくとも連続演出の演出データのうちの先頭のデータが消されるので、一部のデータが残っていたとしても認識不能となる)。
さらに、表示制御回路92に演出の開始指令を出力する(Ss551)。ここでは、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域に大当たり演出の演出データが記憶されており、透過領域オブジェクトは設定されていないので、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)を含む領域で大当たり演出が行なわれるものとなる(ただし、透過領域(入賞判定領域)を半透過にする旨の情報が記憶されているので、透過領域(入賞判定領域)では半透過)。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
前回のゲームの当選状況がいずれの特別役の当選も示していなければ、表示制御回路92にハズレ演出の演出データの書き込み指令を出力する(Ss552)。これにより、表示制御回路92においてCGROM142からハズレ演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。ハズレ演出の演出データが書き込まれたことで、連続演出の演出データは消去される(少なくとも連続演出の演出データのうちの先頭のデータが消されるので、一部のデータが残っていたとしても認識不能となる)。
さらに、表示制御回路92に演出の開始指令を出力する(Ss553)。ここでは、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域にハズレ演出の演出データが記憶されており、透過領域オブジェクトは設定されていないので、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)を含む領域でハズレ演出が行なわれるものとなる(ただし、透過領域(入賞判定領域)を半透過にする旨の情報が記憶されているので、透過領域(入賞判定領域)では半透過)。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
受信したコマンドの種類が当選状況通知コマンドであった場合には、まず、該当選状況通知コマンドが示す当選状況をRAM91cに保存する(Ss554)。次に、表示制御回路92に演出終了指令を出力する(Ss555)。これにより、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域に何らかの演出データが設定されたままとなっていても、ゲームの開始タイミングで送信された当選状況通知コマンドの受信により当該演出が一旦終了することとなる。
次に、表示制御回路92に透過領域(入賞判定領域)の透過指令を出力する(Ss556)。これにより、表示制御回路92の一時記憶メモリ155に透過領域オブジェクトを設定する旨の情報が記憶され、各フレーム期間において最優先で処理される透過領域オブジェクトが最前面に設定されることから、液晶表示器51に演出モードに応じた画像が表示される場合にも透過領域(入賞判定領域)の部分には何も表示されずに液晶表示器51の背面にあるリール2L、3C、3Rの図柄が完全に透過して遊技者に示されることとなる。また、表示制御回路92に演出モードに応じた画像の表示指令を出力する(Ss557)。これにより、一時記憶メモリ155の演出モード領域に記憶されている演出モードに応じた画像が液晶表示器51(ただし、透過領域(入賞判定領域)を除く)に表示される。
次に、前回のゲームで保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームの遊技状態)を参照して、今回のゲームの遊技状態がRT1〜RT3のいずれかであるか否かを判定し(Ss557a)、今回のゲームの遊技状態がRT1〜RT3のいずれでもなければ、Ss558の処理に移行する。今回のゲームの遊技状態がRT1〜RT3のいずれかであれば、Ss554において保存した当選状態を参照して、今回の当選が小役および再遊技役のうちいずれかであるか否かを判定する(Ss557b)。小役および再遊技役のうちいずれでもなければ、Ss557gの処理に移行する。
当選状況が小役および再遊技役のうちいずれかであると判定されたときには、小役または再遊技役の当選に関わる遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出を実行するか決定し、ナビ演出を実行する処理が行なわれる。まず、条件成立後テーブルをルックアップするかまたは条件成立前テーブルをルックアップするかを特定するための報知カウンタの値が0であるか否かを判定する(Ss557c)。これにより、所定期間が経過しているか否かが判定される。報知カウンタの値が0であると判定されたときには、条件成立後テーブルをルックアップしてナビ演出を抽選する処理を行ない(Ss557d)、Ss557fの処理に移行する。一方、報知カウンタの値が0でないと判定されたときには、条件成立前テーブルをルックアップしてナビ演出を抽選する処理を行ない(Ss557e)、Ss557fの処理に移行する。
ここで、条件成立後テーブルおよび条件成立前テーブルについて説明する。図30は、条件成立後テーブルおよび条件成立前テーブルについて説明するための図である。条件成立後テーブルおよび条件成立前テーブルは、ROM91bに予め記憶されている。
条件成立後テーブルおよび条件成立前テーブルは、予め定められた割合に従って、ナビ演出を行なうか否か、およびナビ演出の種類をいずれにするかを抽選して決定するために用いるテーブルである。ナビ演出の種類としては、「当選役報知演出」と「小役・再遊技役当選報知演出」とが設けられている。
「当選役報知演出」がナビ演出として抽選されたときには、Ss554で保存された当選状況から特定される当選役そのものを特定するための情報を報知する演出が行なわれる。当選役そのものを特定するための情報を報知する演出とは、たとえば、小役として3択役A〜3択役Cのいずれかに当選しているときには当選している3択役の種類を特定するための情報を報知する演出(たとえば、3択役Aであれば、3択役Aを想起させる画像(「赤7−ブドウ−ブドウ」画像、組合せを構成する「赤7」画像、「赤7」を想起させるために赤色にした背景画像、3択役Aに予め対応付けられたキャラクタ画像等)を表示すること)をいい、チェリー、メロン、ブドウに当選しているときにも当選している小役の種類を特定するための情報を報知する演出(たとえば、メロンであれば、メロンを想起させる画像(「メロン−メロン−メロン」画像、組合せを構成する「メロン」画像、「メロン」を想起させるために薄緑色にした背景画像、メロンに予め対応付けられたキャラクタ画像等)を表示すること)をいう。また、再遊技役のリプレイ(1)〜(3)のいずれかに当選しているときには当選しているリプレイの種類を報知する演出をいう。
また、「小役・再遊技役当選報知演出」がナビ演出として抽選されたときには、Ss554で保存された当選状況から特定される当選役が小役であるか再遊技役であるかを特定するための情報を報知するための演出が行なわれる。小役・再遊技役当選報知演出とは、たとえば3択役A〜C、チェリー、メロン、ブドウのうちいずれかに当選しているときには小役に当選していることを特定するための情報を報知する演出(たとえば、小役を想起させる画像(たとえば、「小役」といった画像、小役に予め対応付けられたキャラクタ画像)を表示すること等)をいい、リプレイ(1)〜リプレイ(3)のうちいずれかに当選しているときには再遊技役に当選していることを特定するための情報を報知する演出(たとえば、再遊技役を想起させる画像(たとえば、「リプレイ」といった画像、リプレイに予め対応付けられたキャラクタ画像)を表示すること等)をいう。よって、小役・再遊技役当選報知演出が行なわれたときには、小役に当選していることまたは再遊技役に当選していることが報知される。
これにより、ナビ演出が実行されたときの方が実行されないときよりも、遊技の興趣を向上させやすい。たとえば、小役・再遊技役当選報知演出として再遊技役に当選していることが報知された場合には、リプレイ(2)が当選しており入賞させることによりRT4に制御されるかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる反面、リプレイ(3)が当選しており入賞させることによりRT5に制御されるかもしれないといった緊張感を遊技者に抱かせることができる。また、小役・再遊技役当選報知演出として小役に当選していることが報知された場合、3択役A〜Cが当選しており入賞させることによりRT1〜RT3が終了するかもしれないといった緊張感を遊技者に抱かせることができる。
また、ナビ演出の種類として「当選役報知演出」が実行されたときには、当選している役そのものを認識することができるため、「小役・再遊技役当選報知演出」が実行されたときよりも遊技者にとってより有利度合いが高い。たとえば、当選役報知演出として3択役Aに当選していることを報知する演出の場合には、遊技者がストップスイッチ8Lを3択役Aが入賞しないタイミングで操作して3択役Aに入賞することを防止することができる。同様に、当選役報知演出として3択役Bまたは3択役Cに当選していることを報知する演出の場合には、遊技者がストップスイッチ8Lを当選している3択役が入賞しないタイミングで操作して当該3択役に入賞することを防止することができる。これにより、確実に3択役A〜Cのいずれかに当選しているときであっても、これらの入賞役に入賞させることを回避し、RT1〜RT3を継続させることができる。なお、仮に自動停止させて3択役A〜Cの入賞を回避してRT1〜RT3を継続させたとしても、その反面、後述するように、報知カウンタの値に50が加算されるため、その後報知カウンタの値が0になるまでSs557cにおける判断では、NOと判断されて条件成立前テーブルがルックアップされるという遊技者にとって不利益を被ることになる。
これに対して、小役・再遊技役当選報知演出として小役に当選していることを報知する演出の場合には、3択役A〜C、チェリー、メロン、ブドウのうちいずれに当選しているか認識できないために、自動停止させると不利益を被ることおよびチェリー、メロン、ブドウのいずれかが当選していたときに当該小役を取りこぼすこと等を考慮して自動停止させずに、3択役A〜Cに入賞することが生じ得る。このため、ナビ演出の種類として「当選役報知演出」が実行されたときには、当選している役そのものを認識することができるため、「小役・再遊技役当選報知演出」が実行されたときよりも遊技者にとってより有利度合いが高いといえる。
条件成立後テーブルがルックアップされた場合には、ランダムに更新される乱数から抽出した値等に基づき、90%の割合で「当選役報知演出」が、5%の割合で「小役・再遊技役当選報知演出」が、5%の割合で「演出なし」が、各々抽選されるように振り分けられる。条件成立前テーブルがルックアップされた場合には、ランダムに更新される乱数から抽出した値等に基づき、20%の割合で「小役・再遊技役当選報知演出」、80%の割合で「演出なし」が、各々抽選されるように振り分けられる。このように本実施の形態においては、条件成立後テーブルがルックアップされている場合には、極めて高い割合で当選役報知演出が実行される。これに対し、条件成立前テーブルがルックアップされているときには、当選役報知演出が行なわれることなく、極めて高い割合で演出なしが選択される。
このように、報知カウンタの値が0であるときにルックアップされる条件成立後テーブルは、報知カウンタの値が設定されているときにルックアップされる条件成立前テーブルよりも、高い割合で遊技の興趣を向上させやすいナビ演出を行なうと設定され、かつ、高い割合でナビ演出の種類として遊技者にとって有利度合いが高い「当選役報知演出」が決定される。このため、報知カウンタの値が0であるときの方が、報知カウンタの値が0でないときよりも、遊技の興趣を向上させやすく、かつ遊技者にとっての有利度合いを高めることができる。
図29に戻り、Ss557fにおいては、報知カウンタの値、Ss554で保存された当選状況に基づく当選役、およびSs557dまたはSs557eにおいて抽選された結果に応じたナビ演出を開始させることとなるので、表示制御回路92に対応するナビ演出の演出データの書込指令を出力する。これにより、表示制御回路92においてCGROM142からナビ演出の演出データが読出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。
なお、報知カウンタの値に応じて、態様(大きさ、色、模様等)が異なるナビ演出の演出データが読み出される。たとえば、報知カウンタの値が、1〜10のとき、11〜20のとき、21〜30のとき、…といったように、段階的に区切られた範囲のうちどの範囲に属するかに応じて態様を異ならせてもよい。これにより、ナビ演出の態様から、報知カウンタの値が0になるまでの残り回数がどの程度あるのかを視覚的に遊技者に認識させることができる。Ss557gにおいては、報知カウンタに1以上の値が設定されている場合には、1減算する処理を行ないSs558の処理に移行する。
Ss558では、前回のゲームで保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームの遊技状態)を参照して、今回のゲームの遊技状態がRT4であるか否かを判定する。今回のゲームの遊技状態がRT4でなければ、前回のゲームで保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームの遊技状態)を参照して、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあるかどうかを判定する(Ss559)。今回のゲームの遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスのいずれでもなければ、前回のゲームで保存したリール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せに基づいてチャンス目が停止したか否かを判定する(Ss560)。チャンス目が停止していなければ、そのまま演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
今回のゲームの遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであれば、RAM91cにボーナス中演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(Ss561)。ボーナス中演出中フラグが設定されていれば、そのまま演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
ボーナス中演出中フラグが未だ設定されていなければ、前回のゲームでビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに入賞し、今回のゲームから遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスになるということであり、新たにボーナス中演出を開始させることとなるので、RAM91cにボーナス中演出中フラグを設定する(Ss562)。
次に、表示制御回路92にボーナス中演出の演出データの書き込み指令を出力する(Ss563)。これにより、表示制御回路92においてCGROM142からボーナス中演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。さらに、ボーナス中演出が行なわれている間はデモ演出や履歴表示演出を行なわないものとするので、RAM91cにデモ無効フラグを設定する(Ss564)。さらに表示制御回路92に演出の開始指令を出力する(Ss565)。ここでは、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域にボーナス中演出の演出データが記憶されており、透過領域オブジェクトが設定されているので、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)を除く領域でボーナス中演出が行なわれるものとなる。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
Ss558で遊技状態がRT4であれば、RAM91cにRT中演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(Ss566)。RT中演出中フラグが設定されていなければ、前回のゲームでリプレイ(2)に入賞し、今回のゲームから遊技状態がRT4になるということであり、新たにRT中演出を開始させることとなるので、RAM91cにRT中演出中フラグを設定する(Ss567)。
次に、表示制御回路92にRT中演出の演出データの書き込み指令を出力する(Ss568)。これにより、表示制御回路92においてCGROM142からRT中演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。さらに表示制御回路92に演出の開始指令を出力する(Ss569)。ここでは、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域にRT中演出の演出データが記憶されており、透過領域オブジェクトが設定されているので、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)を除く領域でRT中演出が行なわれるものとなる。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
Ss566でRAM91cにRT中演出中フラグが設定されていなければ、RT4の残りゲーム数が3かどうかを判定する(Ss570)。RT4の残りゲーム数が3でなければ、前回のゲームで保存した入賞の有無を示す情報を参照して、前のゲームでいずれの役も入賞していないか否かを判定する(Ss571)。前回のゲームでいずれかの役が入賞していれば、そのまま演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
Ss560で前のゲームでチャンス目が停止している場合、Ss570でRT4の残りゲーム数が3の場合、またはSs571で前のゲームでいずれの役も入賞していない場合には、ソフトウェア乱数機能により乱数を抽出し、抽出した乱数の値と、RAM91cに保存した当選状況がいずれかの特別役の当選を示しているかどうかに応じて連続演出の演出パターンを選択する(Ss578)。さらに、RAM91cの連続カウンタに初期値として3をセットする(Ss579)。
次に、表示制御回路92に連続演出の選択した演出パターンに対応した演出データの書き込み指令を出力する(Ss580)。これにより、表示制御回路92においてCGROM142から選択した演出パターンに対応した連続演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。さらに、連続演出が行なわれている間はデモ演出や履歴表示演出を行なわないものとするので、RAM91cにデモ無効フラグを設定する(Ss581)。さらに、表示制御回路92に演出の開始指令を出力する(Ss582)。ここでは、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域に連続演出の演出データが記憶されており、透過領域オブジェクトが設定されているので、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)を除く領域で連続演出が行なわれるものとなる。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
受信したコマンドの種類がリール回転コマンドであった場合には、図19のs802bと同様に、自動停止時間(たとえば、1分等)を新たに設定してその計時を新たに開始し(Ss554a)、演出制御処理を終了し図25の演出制御割込処理に復帰する。なお、自動停止時間は、RAM91cの所定領域において記憶された値を所定間隔で減算更新することにより計時される。
受信したコマンドの種類がリール停止コマンド(最終停止を示すリール停止コマンド)であった場合には、まず、Ss554aにおいて設定された自動停止時間が経過したか否かを判定し(Ss554b)、自動停止時間が経過している場合にはRT1〜RT3のうちいずれかに制御されているか否かを判定する(Ss554c)。RT1〜RT3のうちいずれかであると判定されたときには、自動停止させることにより3択役A〜Cに入賞することを回避させて当該RTを継続させた可能性があるため、前述した報知カウンタの値に50を加算する(Ss554d)。これにより、報知カウンタの値が0になっていた場合でも、再度報知カウンタの値が50に設定されるため、Ss557eにおいて遊技者にとって不利な条件成立前テーブルがルックアップされてナビ演出の抽選が行なわれることとなる。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割込処理に復帰する。なお、Ss554bにおいて自動停止時間が経過していないと判定されたとき、またはSs554cにおいてRT1〜RT3のうちいずれでもないと判定されたときには、そのまま演出制御処理を終了し図25の演出制御割込処理に復帰する。
受信したコマンドの種類が入賞情報コマンドであった場合には、表示制御回路92に演出モードに応じた画像の非表示指令を出力する(Ss583)。これにより、液晶表示器51に表示されていた演出モードに応じた画像が表示消去される。その後、受信した入賞情報コマンドが特別役の入賞、すなわちビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの入賞を示しているかどうかを判定する(Ss584)。特別役のいずれの入賞も示していなければ、遊技状態がボーナス中であるか否かを判定する(Ss584a)。ボーナス中であると判定されたときには、チェリー入賞であるか否かを判定する(Ss584b)。チェリー入賞であると判定されたときには、ボーナス終了時にセットする報知カウンタの値を決定するためのチェリー入賞カウンタの値に1加算し、後述するSs589の処理に移行する。本実施の形態においては、ボーナス中にチェリー入賞した回数に応じて報知カウンタの値が決定される。一方、ボーナス中でないと判定されたとき、またはチェリー入賞でないと判定されたときには、そのままSs589の処理に移行する。
一方、Ss584において特別役の入賞を示していれば、RAM91cの連続カウンタの値が0となっているかどうかを判定する(Ss585)。連続カウンタの値が0となっていれば、そのままSs587の処理に進む。連続カウンタの値が0となっていなければ、ここで連続演出を強制終了させるので、RAM91cの連続カウンタの値を0にクリアする(Ss586)。そして、Ss587の処理に進む。
Ss587では、RAM91cにボーナス入賞演出中フラグを設定する。次に、表示制御回路92にボーナス入賞演出の演出データの書き込み指令を出力する(Ss588)。これにより、表示制御回路92においてCGROM142からボーナス入賞演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。ボーナス入賞演出の演出データが書き込まれたことで、大当たり演出や連続演出の演出データが書き込まれていた場合であっても、演出データ領域から消去される(少なくとも連続演出の演出データのうちの先頭のデータが消されるので、一部のデータが残っていたとしても認識不能となる)。そして、Ss589の処理に進む。
Ss589では、表示制御回路92に演出の開始指令を出力する。これにより、一時記憶メモリ155の演出データ領域に何らかの演出データが書き込まれていれば、書き込まれた演出データに応じた演出が液晶表示器51にて開始されるものとなる。もっとも、ここでは未だ透過領域オブジェクトが設定されているので、液晶表示器51のうちの透過領域(入賞判定領域)を除く領域に演出の画像が表示されることとなる。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
受信したコマンドの種類が遊技状態コマンドであった場合には、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)をRAM91cに保存する(Ss590)。次に、表示制御回路92に透過領域(入賞判定領域)を半透過にする旨の指令を出力する(Ss591)。これにより、表示制御回路92の一時記憶メモリ155に透過領域オブジェクトを設定しない旨の情報と、これとともに透過領域(入賞判定領域)を半透過にする旨の情報が記憶される。
一時記憶メモリ155に透過領域(入賞判定領域)を半透過にする旨の情報が記憶されたことにより、液晶表示器51のうちの透過領域(入賞判定領域)に対応する画素のRGB値が、上記したような白加算処理または半透明処理によって白色(すなわち、(31,31,31))に近い値に変換される。たとえば、RGB値が(0,22,10)の画素に対しては、白加算処理が行なわれるとRGB値が(16,32,26)となり、半透明処理が行なわれるとRGB値が(8,27,21)となる(α値が50%の場合)。
次に、ここで受信した遊技状態コマンドが次のゲームで適用される遊技状態が初期遊技状態およびRT1〜RT6のうちいずれかを示しているかどうかを判定する(Ss592)。初期遊技状態およびRT1〜RT6のうちいずれでもないことを示していれば、そのまま演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
初期遊技状態およびRT1〜RT6のうちいずれかであることを示していれば、RAM91cにボーナス中演出中フラグが設定されているかどうかを判定する(Ss593)。ボーナス中演出データが設定されていなければ、そのままSs597の処理に進む。
ボーナス中演出データが設定されていれば、今回のゲームでビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが終了したこととなるので、ボーナス中演出もこれで終了させられることとなり、RAM91cに設定されているボーナス中演出中フラグを消去する(Ss594)。
次に、表示制御回路92に演出終了指令とともにボーナス終了演出の演出データの書き込み指令を出力する(Ss595)。これにより、ボーナス中演出が終了するとともに、表示制御回路92においてCGROM142からボーナス終了演出の演出データが読み出され、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込まれる。ボーナス終了演出の演出データが書き込まれたことで、ボーナス中演出の演出データは消去される(少なくともボーナス中演出の演出データのうちの先頭のデータが消されるので、一部のデータが残っていたとしても認識不能となる)。
さらに、報知カウンタの値に設定する報知開始ゲーム数を特定するための報知開始ゲーム数特定用テーブルをルックアップして、終了したボーナスの種類およびSs584cで更新されたチェリー入賞カウンタの値に基づき、報知カウンタの値を設定する(Ss595a)。
ここで、報知開始ゲーム数特定用テーブルについて説明する。図32は、報知開始ゲーム数特定用テーブルを説明するための図である。報知開始ゲーム数は、終了したボーナスの種類およびボーナス中に更新されるチェリー入賞カウンタの値に基づき一の値が特定される。
ビッグボーナス(1)が終了したときには、チェリー入賞カウンタの値が「0」であるときに「50」が、「1」であるときに「45」が、「2」であるときに「40」が、「3」であるときに「35」が、「4」以上であるときに「30」が、各々報知開始ゲーム数として特定される。
ビッグボーナス(2)が終了したときには、チェリー入賞カウンタの値が「0」であるときに「70」が、「1」であるときに「63」が、「2」であるときに「56」が、「3」であるときに「49」が、「4」以上であるときに「42」が、各々報知開始ゲーム数として特定される。
レギュラーボーナスが終了したときには、チェリー入賞カウンタの値が「0」であるときに「100」が、「1」であるときに「90」が、「2」であるときに「80」が、「3」であるときに「70」が、「4」以上であるときに「60」が、各々報知開始ゲーム数として特定される。
本実施の形態における報知開始ゲーム数特定用テーブルがルックアップされたときには、チェリー入賞カウンタの値が同じである場合には、発生したボーナスがビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの順に遊技者にとって有利な値が報知開始ゲーム数として特定されるように設定されている。また、チェリー入賞カウンタの値が大きいほど、遊技者にとって有利な値が報知開始ゲーム数として特定されるように設定されている。これにより、発生したボーナスの種類およびボーナス中のチェリー入賞に対し期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図31に戻り、Ss584cで更新されたチェリー入賞カウンタの値に0を設定する(Ss595b)。さらに、表示制御回路92に演出の開始指令を出力する(Ss596)。ここでは、表示制御回路92の一時記憶メモリ155の演出データ領域にボーナス終了演出の演出データが記憶されており、透過領域オブジェクトは設定されないものの透過領域(入賞判定領域)を半透過にする旨の情報が記憶されているので、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)を含む領域でボーナス終了演出が行なわれるものとなる。そして、Ss597の処理に進む。
Ss597では、連続演出中である場合を除き、次のゲームが開始されるまでにデモ演出や履歴表示演出を行なうことができるように、RAM91cに設定されているデモ無効フラグを消去する。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(Ss598)。ここでの処理については、本発明と関係がないので、詳細な説明を省略する。そして、演出制御処理を終了して、図25の演出制御割り込み処理に復帰する。
図33は、動画像の表示中の期間において演出制御割り込み処理中に実行される動画像表示中処理を示すフローチャートである。CPU91aは、まず、動画像の演出データを用いて再生される画像が1フレーム目の画像であるか否かを判定する(Ss601)。ここで、演出制御タイマ値などから動画像ファイルを新たに読み出すのか継続して読み出すのかを特定し、新たに読み出す場合には1フレームの画像であると判定する。
1フレーム目の画像であると判定された場合には、動画像読み出しポインタの値を読み出し対象となる動画像ファイルに対応した読み出しアドレスに設定することなどといった動画像再生用に設けられたレジスタの初期設定を行なう(Ss602)。これに対して、1フレーム目の画像でないと判定された場合には、前回の動画像表示中処理が終了するときに、後述するSs608の処理で退避されたレジスタの内容を復帰させる(Ss610)。
その後、動画像デコード開始指令を表示制御回路92に出力する(Ss603)。また、RAM91cの演出制御タイマ設定部に設けられたイベント割り込み待ちタイマを初期化して、経過時間の計測をスタートさせる(Ss604)。次に、RAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられたイベント割り込みフラグがONとなったか否かを判定する(Ss605)。ここで、イベント割り込みフラグは、VDP141にて1フレーム分の画像に対応した画像データの再生が完了したときに、動画像用デコーダにてイベント割り込みが発生したことに対応してON状態にセットされる。
イベント割り込みフラグがONである場合には、イベント割り込みフラグをクリアしてOFF状態とした後(Ss606)、たとえば1つの動画像の演出データのうちの最終フレームのデコードが完了したか否かを判定する(Ss607)。最終フレームのデコードが完了していないと判定された場合には、レジスタの内容を退避する(Ss608)。そして、Ss609の処理に進む。最終フレームのデコードが完了したと判定された場合には、そのままSs609の処理に進む。Ss609では、動画像デコードNOP指令を表示制御回路92に出力して、動画像表示中処理を終了する。
Ss605でイベント割り込みフラグがOFFである場合には、イベント割り込み待ちタイマにおけるタイマ値であるイベント割り込み待ちタイマ値を1加算するなどして更新する(Ss611)。そして、更新後のイベント割り込み待ちタイマ値が所定の制限時間判定値に達したか否かを判定する(Ss612)。制限時間値に達していなければ、Ss605の処理に戻る。制限時間値に達した場合には、所定のループ処理に入り、サブ制御部91が再起動されるまで待機する。
図34は、サブ制御部91が備えるリセット/割込コントローラにより実行されるリセット/割り込み制御処理を示すフローチャートである。リセット/割り込み制御処理において、リセット/割込コントローラは、たとえばI/Oポート91dに含まれる入力ポートにおける所定の入力端子からサブ制御部91のリセット端子を介してリセット回路95により伝送されるリセット信号を取り込み、そのリセット信号がON状態となっているかどうかを判定する(Ss701)。
リセット信号がON状態である場合には、所定のリセットON判定時間が経過したかを判定する(Ss702)。ここで、リセット/割込コントローラは、Ss701にて最初にリセット信号がON状態であると判定されてからの経過時間を計測し、計測された経過時間がリセットON判定時間に達したか否かを判定すればよい。この場合、Ss701で続けてリセット信号がON状態であると判定される期間では、経過時間の計測が継続される。これに対して、一旦リセット信号がOFF状態であると判定されたことにより、経過時間の計測動作を初期化すればよい。リセットON判定時間が経過したと判定された場合には、サブ制御部91のリセットを発生させて、サブ制御部91を再起動させる(Ss703)。
Ss701でリセット信号がOFF状態である場合や、Ss702でリセットON判定時間が経過していない場合には、演出制御基板40から送信されたコマンドを受信したことによるコマンド受信割り込みが発生したか否かを判定する(Ss704)。このとき、コマンド受信割り込みが発生していれば、たとえば、RAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられたコマンド受信割り込みフラグをON状態にセットする(Ss705)。
コマンド受信割り込みが発生していない場合には、たとえば、所定のCTCがタイムアウトしたことによるタイマ割込が発生したか否かを判定する(Ss706)。このとき、タイマ割込が発生していれば、たとえばRAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込フラグをON状態にセットする(Ss707)。
タイマ割込が発生していないと判定された場合には、VDP141からのイベント割り込み信号がON状態となったか否かを判定することにより、イベント割り込みが発生したか否かを判定する(Ss708)。イベント割り込みが発生していれば、たとえばRAM91cの演出制御フラグ設定部に設けられたイベント割り込みフラグをON状態にセットする(Ss709)。
イベント割り込みが発生していないと判定された場合には、その他の割り込みが発生したか否かを判定する(Ss710)。このとき、何らかの割り込みが発生していれば、発生した割り込みに対応して所定の割り込みフラグをON状態にセットする等と行なった予め定められた処理を実行する(Ss711)。Ss710にてその他の割り込みも発生していないと判定された場合や、Ss711の処理を終了した後には、Ss701の処理に戻る。
なお、VDP141においてホストインタフェース151を介してサブ制御部91から演出データの書き込み指令が入力されると、転送制御回路152は、該指令に応じた演出データをCGROMインタフェース153を介してCGROM142から読み込み、一時記憶メモリ155の演出データ領域に書き込む。これまで書き込まれていた演出データは、認識不能となって実質的に消去される。演出データの消去指令が入力されると、一時記憶メモリ155の演出データ領域に記憶された演出データを消去する(ただし、データとして認識不能になればよい)。
また、ホストインタフェース151を介してサブ制御部91から演出モードの切替指令が入力されると、一時記憶メモリ155に記憶されている演出モードが切り替えられる。サブ制御部91から透過領域(入賞判定領域)の表示指令、非表示指令、透過指令が入力されると、それぞれの指令に応じた情報を一時記憶メモリ155に記憶させる。
描画回路154は、演出の開始指令が入力されてから終了指令が入力されるまでの各フレーム期間において、一時記憶メモリ155に記憶されている演出データに基づいて(動画像を表示する期間においては、さらに動画像用デコーダ158が動画像デコード指令により動画像をデコードすることにより)、画像データをフレームバッファメモリ156(書き込み用)に展開する。
ここで、動画像用デコーダ158は、サブ制御部91からの動画像デコード指令を受け取ると、CGROM142から一時記憶メモリ155の演出データ領域に転送された演出データから1フレーム分の画像を示すピクチャデータを読み出す。ピクチャデータは、動画像を構成する演出データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。読み出すべきピクチャデータは、動画像読み出しポインタの値によって示される。動画像用デコーダ158は、読み出したピクチャデータをデコードし、一時記憶メモリ155に設けられた複数のピクチャバッファのうちのピクチャバッファポインタの値によって示されるものに記憶させる。
その後、動画像読み出しポインタの値とピクチャバッファポインタの値を更新し、さらにホストインタフェース151を介して演出制御用マイクロコンピュータに対してイベント割り込み信号を出力する。その後、イベント割り込み信号の出力期間の間だけ該イベント割り込み信号を出力させた状態のまま待機し、イベント割り込み信号の出力期間が終了すると、サブ制御部91からの動画像デコード指令に対応した動画像のデコード処理を終了する。
このように動画像用デコーダ158は、1フレーム分のピクチャデータのデコードが完了する度にイベント割り込み信号をサブ制御部91に対して出力するようにしている。たとえば、ピクチャデータのデコードの処理に障害が発生した場合のようにピクチャデータのデコードが完了しない場合には、イベント割り込み信号が出力されないこととなる。サブ制御部91では、VDP141(動画像用デコーダ158)からイベント割り込み信号が出力されずにイベント割り込み待ちタイマ値が制限時間判定値に達すると、図33に示したループ処理に入ることとなる。すると、演出制御割り込み処理が実行されなくなるので、サブ制御部91が再起動されることになる。
また、表示回路157は、読み出しように切り替えられたフレームバッファメモリ156(すなわち、前回のフレーム期間で画像データの書き込まれた)から画像データを読み出し、所定の同期信号を付加して液晶表示器51の液晶ドライバに出力するものとなる。なお、液晶表示器51の液晶ドライバは、表示回路157から画像信号が入力されていない場合には、画像を非表示とする駆動信号を液晶表示器51の各画素に出力するものとすることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態において、図6で示したように、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスのいずれかが終了した後に、RT1〜RT3のうち終了したボーナスに応じた種類のRTに制御される。RT1〜RT3の終了条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの特別役に当選すること、または各々のRTに制御されてから5000回ゲームが行なわれることにより成立するが、内部抽選される3択役A〜Cのいずれかに入賞することによっても成立する。3択役A〜Cのうちいずれかが入賞したときには、RT1〜RT3よりも遊技者にとって不利な初期遊技状態に制御される。
また、RT1〜RT3に制御されているときには、図29で説明したように、小役または再遊技役の当選に関わる情報を報知するナビ演出の抽選が行なわれ、当選したときに実行される。ナビ演出が実行された場合には、RT1〜RT3を終了させるような3択役A〜Cに当選しているか否かに関する情報が報知され、これらの役に入賞することを効率的に回避することが可能となるため、遊技者にとって有利な情報といえる。また、図30で説明したように、ナビ演出が行なわれる確率は、報知カウンタの値が0でないときよりも0であるときの方が高くなるように設定されている。これにより、RT1〜RT3に制御されているときには、3択役A〜Cが入賞しないことに対して遊技者を注目させることができる。また、RT1〜RT3に制御されているときには、3択役A〜Cが入賞しないことを期待させつつ、ナビ演出がより高い確率で実行されるように報知カウンタの値が0になるまでのゲームに対して遊技者を注目させることができる。このため、RT1〜RT3に継続して制御されるか否かに対し興趣を添えることができる。その結果、RT1〜RT3に制御されてから行なわれる各ゲームの興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態における報知開始ゲーム数は、図31および図32で説明したように、終了したボーナスの種類および当該ボーナス中にチェリー入賞した回数に応じて、複数種類の回数から一の回数が特定される。これにより、ボーナスの種類およびチェリー入賞回数に対して遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図29のSs557fで説明したように、ナビ演出が実行される場合の態様(大きさ、色、模様等)が、報知カウンタの値に応じて異なせることができる。これにより、ナビ演出の態様に応じて、報知カウンタの値が0になるまでの残り回数がどの程度あるのかを視覚的に遊技者に認識させることができるとともに、遊技者の期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した実施の形態における3択役A〜Cに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。このように、RT1〜RT3を終了させることとなる役が入賞したときの払出枚数は、1ゲームに対して設定可能な最大賭数(3枚)を設定するために必要な大きさ以下である。これにより、RT1〜RT3に制御されているときに、3択役A〜Cの入賞を回避させて当該RT1〜RT3を継続させるようにした場合であっても、払出枚数の面において遊技者が被る不利益およびスロットマシンの払い出し率に及ぼす影響を極力低減させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、内部抽選によりいずれかのボーナス、3択役A〜Cのいずれかが当選している場合において、内部抽選によりいずれの役も当選していない場合(ハズレ)には導出されることのない、チャンス目を構成する左リール2Lの「メロン・赤7・バナナ」、「バナナ・白7・ブドウ」、「ブドウ・BAR・メロン」、右リール2Rの「星・赤7・星」を導出させることが可能となる。このため、チャンス目を構成する表示結果が導出されることにより、ボーナスが当選していることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、内部抽選によりいずれの役も当選していない場合(ハズレ)、すなわち通常時の大半を占める状態では、チャンス目を構成する表示結果が導出されることがなく、内部抽選によりいずれかのボーナスが当選している場合以外では、3択役A〜Cのいずれかが当選することによりチャンス目を導出させることが可能となる。このため、複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれる場合でも、遊技者の技量などの影響を受けることなく、適度な割合でチャンス目を導出させることが可能となる。
(6) 前述した実施の形態においては、ステップSs560およびSs578〜Ss582で示したように、ボーナス中以外の遊技状態であるときに、チャンス目が導出されたことを契機に連続演出が実行される。すなわちボーナスに当選している可能性があるチャンス目の導出に関連して連続演出が実行されるので、チャンス目が導出されたことおよび連続演出が開始されることの双方によってボーナスに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、連続演出の実行途上においては、1ゲームが終了してもデモ無効フラグを消去せず、また、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作も無効化したままにしている。つまり、デモ演出の演出データや履歴表示演出の演出データのCGROM142からの読み出しと実行演出データ領域への書き込みが禁止されているので、実行中の連続演出の演出データがデモ演出や履歴表示演出の演出データによって上書きされて実行演出データ領域から消去されてしまうことがない。消去されることがないから、改めて連続演出やボーナス中演出の演出データをCGROM142から読み出して、実行演出データ領域に書き込まなければならないということも生じない。
このため、現在の遊技の進行状況とは直接的には関係しないデモ演出や履歴表示演出を実行するために、データ量の大きい連続演出の演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込む処理のオーバーヘッドが重複して生じることがなくなる。連続演出またはボーナス中演出の実行途上においては選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作も無効化したままにしているので、演出モードが切り替えられることがなく、演出モードが異なるだけで同じ状況に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込まなければならないというオーバーヘッドが生じるのも防ぐことができる。なお、ボーナス中演出の実行途上においても、1ゲームが終了してもデモ無効フラグを消去せず、また、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作も無効化したままにしているため、同様の効果を奏する。
また、連続演出およびボーナス中演出等を行なうための処理を演出制御基板90側において行なっているため、遊技制御基板40側において当該処理を行なう制御負担を演出制御基板90側に分担でき、遊技制御基板40側の制御負担を軽減することができる。
また、RT4においては、終了まで残り3ゲームとなったことを契機としても連続演出が実行されるようになっており、RT4中に特別役が当選したことに対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、特にRT4中の連続演出では、特別役を狙って停止操作を行なっても、リプレイ(1)が非常に高確率で当選しているうえに、リプレイ(1)が揃う制御が特別役が揃う制御よりも優先されるため、特別役に当選しているか否かを判別することが困難となり、連続演出が終了するまでの間、特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に持続させることができるので、連続演出を一層興趣の高いものとすることができる。
(7) 前述した実施の形態におけるスロットマシン1では、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなるので、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(たとえばリール制御の振分抽選など)などにより更に選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
また、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルが選択されるので、遊技状態および内部当選状態が同一であり、かつ停止済みのリールの停止位置(停止図柄)が同一の場合であっても、停止済みのリールの停止操作位置が異なる場合には、異なる停止制御テーブルが適用されることがあるため、リールの表示結果をより多彩なものにできる。
(8) 前述した実施の形態においては、リプレイ(2)に入賞したときにRT4に、リプレイ(3)に入賞したときにRT5にそれぞれ制御される。一方、リプレイ(1)に入賞したときには、メダルやクレジットを使用することなく次のゲームを行なうことが、RTに制御されるなど遊技状態の変化を伴うことがない。このため、リプレイ(1)に入賞後もRT1〜RT3への制御が継続されるため、リプレイ(2)に入賞することに対する期待感を引き続き遊技者に抱かせることができる。
(9) 前述した実施の形態におけるリプレイ(2)およびリプレイ(3)は、当選している場合に左リールおよび中リールを停止させると、入賞ライン上に「ブドウ−バナナ」が導出され、右リールの表示結果に応じてリプレイ(2)またはリプレイ(3)のいずれかに入賞し得るダブルテンパイ状態になる。このため、リプレイ(2)およびリプレイ(3)が当選している場合であって右リールを最後に停止させる場合には、当該最終停止までリプレイ(2)およびリプレイ(3)のいずれもが発生し得る状態にすることができる。これにより、右リールを最後に停止させる場合には、当該最終停止までリプレイ(2)に入賞してRT4に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(10) 前述した実施の形態においては、図19で説明したように、自動停止させるときであって、第1停止または第2停止させるときには、停止操作がなされた場合と同様にステップS805で作成された停止制御テーブルのうち該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、対応するリールの回転を停止させる制御を行ない、最終停止させるときにだけ、いずれの役も発生させない最も近い停止位置でリールの回転を停止させる制御を行なう。このため、可変表示装置2の表示結果を停止操作により導出させる場合と自動停止により導出させる場合とで、第1停止または第2停止までのリール制御を共通化することができる。
(11) 前述した実施の形態においては、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシン1により自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行なわれるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行なわれることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
(12) 前述した実施の形態においては、内部抽選において抽選対象の役に当選とするか否かを決定する際に、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値が適正な値(1〜4の範囲の値)でなければ、デフォルトの設定値(たとえば、設定1)に基づく確率で当選とするか否かを決定するのではなく、この場合にもRAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。賭数が適正な値でないときも、同様にRAM異常エラー状態に制御される。すなわち内部抽選において抽選対象となる役に当選とするか否かの決定を適正に行なうことができない場合も、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値に基づいて改めてゲームが行なわれることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
(13) また、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時やメイン制御部41が暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。これらの状態から復旧してメイン制御部41が起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判断を行なうようになっているので、RAM41cに記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行なうことができる。すなわち、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行なわずに済み、メイン制御部41の負荷を軽減させることができる。
(14) 前述した実施の形態においては、特に電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力により実行される電断割込処理において、RAM41cに記憶されているデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7にセットし、次回起動時において、その際に計算して得られたRAMパリティをパリティ格納領域41c−7に格納されていたRAMパリティと比較して、RAM41cのデータが正常であるか否かを判定している。このように電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力時と起動時のRAMパリティを比較するのみでRAM41cのデータが正常か否かを判定できるので、当該判定を正確かつ簡便に行なうことができる。
(15) 前述した実施の形態においては、RAM41cのデータに異常が生じて、ゲームの進行が不能化された場合には、ゲームの進行が不能化された状態を解除する条件となる設定値の変更操作が有効となる設定変更モード(設定変更処理)へ移行することに伴って、RAM41cに記憶されているデータが初期化される。このため、RAM41cのデータに異常が生じたことに伴うデータの初期化と設定値の選択・設定に伴うデータの初期化とを1度で行なうことができるので、無駄な処理を省くことができる。
さらに、メイン制御部41の起動時には、RAM41cのデータが正常であるか否かを判定する前に、設定キースイッチ37がONの状態であるか否かを判定し、その時点で設定キースイッチ37がONの状態であると判定した場合には、RAM41cのデータが正常であるか否かの判定は行なわずに、設定変更モードに移行する。こうしてRAM41cのデータが正常であるか否かの判定を行なわずに新たに設定値が選択・設定されることにより、無駄な処理を省くことができるようになる。
(16) 前述した実施の形態においては、メイン制御部41のRAM41cにおけるスタック領域41c−6のうち未使用スタック領域および未使用領域41c−8が1ゲーム毎に初期化されるので、スタック領域41c−6のうち未使用スタック領域および未使用領域41c−8等のRAM41cの未使用の領域を利用して不正プログラムを格納させても、当該不正プログラムが常駐してしまうことを防止できる。
(17) 前述した実施の形態においては、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)が作動している間は、常にレギュラーボーナスに制御されることにより、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)中においてメダルを最も速く増加させることができるので、従来のようにJACIN入賞に伴いレギュラーボーナスが作動するよりもビッグボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。
また、特に、前述した実施の形態におけるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のように、たとえば、レギュラーボーナスへの移行回数でビッグボーナスが終了することなく、ビッグボーナス中のメダルの払出総数が規定値(たとえば、270枚以上)に到達することで終了条件が成立する場合には、ボーナス中の純増枚数を高めることができるので、さらにビッグボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。
(18) 前述した実施の形態においては、遊技状態毎に役別テーブルに登録されている各抽選対象役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と遊技状態が同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行なっていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行なった結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM41bに記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行なうことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行なうことができる。なお、実際の当選判定を行なう前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
(19) 前述した実施の形態では、スタートスイッチ7の操作によりゲームが開始してからリール2L、2C、2Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまで、さらに当該表示結果に応じてメダルが払い出される場合にはメダルの払い出しを完了するまでは、透過領域オブジェクトが設定されて、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)が非表示(完全な透過状態)に設定される。つまり、リール2L、2C、2Rが回転している間は、液晶表示器51に表示される画像によってリール2L、2C、2R、特に入賞判定の対象となる領域の視認性が確保されることとなり、ゲームの進行に影響を与えることがない。また、リール2L、2C、2Rの全てが回転停止した後でも、メダルの払い出しがある場合にはこれを完了するまでは透過領域(入賞判定領域)が非表示に設定される。このため、メダルの払い出しを生じさせることとなった小役の入賞を確実に把握することが可能になる。
さらに、リール2L、2C、2Rの全てが回転停止した後には液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)と透過領域(入賞判定領域)以外の領域で一体的な画像で演出が行なわれるものとなるが、リール2L、2C、2Rの全てが回転停止した後であっても透過領域(入賞判定領域)は半透過状態に設定される(ただし、メダルの払い出しがあるときには、メダルの払い出しを完了してから半透過状態に設定される)。透過領域(入賞判定領域)が半透過状態になるとは言っても、透過領域(入賞判定領域)と透過領域(入賞判定領域)以外の領域に一体的に画像を表示して演出を行なうことができるので、可変表示装置2よりもさらに大きな液晶表示器51の大画面を生かしたダイナミックな演出を行なうことができる。メダルの払い出しがある場合には透過領域(入賞判定領域)にまで画像が表示されるのはメダルの払い出しを完了してからであるが、メダルの払い出しがあるか否かに関わらずリール2L、2C、2Rの全てが回転停止すれば液晶表示器51において画像の表示による演出が開始されることとなる。このように演出の開始タイミングを統一することができるため、演出の開始タイミングの制御を簡易なものとすることができ、また、遊技者にとっても液晶表示器51において画像の表示による演出が開始される契機が分かり易くなる。
また、本来の演出の画像の色が濃い(すなわち、透過度が低い)ときであっても、透過領域における画像の色は薄い(すなわち、透過度が高い)ものとなるので、背後にあるリール2L、2C、2Rに停止して表示されている図柄に対して一定の視認性を確保することができる。図柄の視認性を確保することができることから、可変表示装置2の表示結果としてリーチ目、チャンス目或いはハズレ目といった特別役の当選の有無に関連した表示結果を確認することができ、スロットマシン本来の遊技性を損なわない。
スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rの全てが回転開始するまで(ただし、メダルの払い出しがある場合は払い出し完了まで)は、透過領域(入賞判定領域)が非表示に設定されるが、そのための処理として透過領域(入賞判定領域)の範囲に対応した透過領域オブジェクトを設定するものとしている。ここで、各フレーム期間において液晶表示器51に表示する画像の画像データをフレームバッファメモリ156に書き込む場合に、透過領域オブジェクトは最先に処理されるものとなっている。このため、仮に1フレーム期間の間に何らかの問題が生じて画像データの描画が正常に行なえないことがあったとしても、透過領域(入賞判定領域)は必ず非表示に設定される。このため、リール2L、2C、2Rの回転が継続している間は、リール2L、2C、2Rに描かれた図柄の視認性を担保することができる。
また、スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rの全てが回転開始するまで(ただし、メダルの払い出しがある場合は払い出し完了まで)に透過領域オブジェクトを設定して、透過領域(入賞判定領域)を非表示にするのは、どのような遊技状態で行なわれるゲームであるかに関わらずに必ず行なわれる制御となっている。このため、スロットマシン1の遊技状態がどのようになっていても、リール2L、2C、2Rの回転が継続している間は、リール2L、2C、2Rに描かれた図柄の視認性を担保することができる。
さらに、液晶表示器51の液晶ドライバは、VDP141から画像信号が供給されないときには、液晶パネルの各画素の駆動信号として透明の画像に対応した駆動信号を出力するので、仮にサブ制御部91や表示制御回路92の故障があった場合でも、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)の部分の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄の視認性を担保することができる。
一方、リール2L、2C、2Rの全てが回転停止して液晶表示器51に画像が表示されることとなっても、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)に含まれる各画素のRGB値は、白加算処理または半透明処理が施されることによって、本来の画像のRGB値よりも高くなり、透過性が高くなる。このため、透過領域(入賞判定領域)と、透過領域(入賞判定領域)以外の領域を含む広い領域で全体としてダイナミックな演出を行なうことが可能になるとともに、リール2L、2C、2Rに描かれた図柄の視認性を高くすることができる。
ここで行なわれる白加算処理や半透明処理は、四則演算だけの比較的単純な計算だけで済むものであるので、透過領域に含まれる画素のRGB値を高くするための計算に処理負荷が大きくならない。さらに、演出データや画像の表示状態によって白加算処理か半透明処理かを選択して適用できるようにすることで、透過領域(入賞判定領域)以外の領域に表示される画像との一体性と、透過領域(入賞判定領域)の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれた図柄の視認性とのバランスを図ることができる(図柄の視認性の確保に重点を置くなら白加算処理の方が優れ、画像の一体性に重点を置くなら半透明処理の方が優れる)。
また、現在の遊技の進行状況を示す演出ではないが、スタートスイッチ7の操作から可変表示装置2の表示結果の導出までのゲーム中の期間ではないゲームとゲームの間の期間において、所定期間に亘って遊技操作が行なわれていないとデモ演出が実行され、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作によって履歴表示演出の実行を遊技者が指示すると履歴表示演出が実行される。さらに、このゲームとゲームの間の期間において選択スイッチ56および決定スイッチ57を操作するとによって演出モードを切り替えることができる。
これらのデモ演出や履歴表示演出が行なわれる場合は、透過領域オブジェクトは設定されず、また、透過領域(入賞判定領域)が半透過状態ともされない。つまり、デモ演出や履歴表示演出は、液晶表示器51のうちで透過領域(入賞判定領域)も透過領域(入賞判定領域)以外の領域も同じ状態で画像が表示されるものとなる。もっとも、これらのデモ演出や履歴表示演出が行なわれる場合には、遊技者によって遊技が進行されておらず(単にゲームからゲームに移行する間にインターバルだけという訳でもない)、リール2L、2C、2Rに描かれた図柄の視認性が全く問題とならない。このようにリール2L、2C、2Rに描かれた図柄の視認性が全く問題とならないところでは、透過領域(入賞判定領域)を非表示にも半透過にもしないことで、液晶表示器51の全体の領域を使って一体性のある演出をダイナミックに行なうことができるようになる。
上記した演出の画像を表示するための液晶表示器51を構成する液晶パネルには、表面光沢処理が施されている。このような液晶パネルでは、ノングレア処理を施した液晶パネルに比べて背面から照射される光も散乱させずに(すなわち、ノングレア処理を施した液晶パネルに比べて高い透過性で)、遊技者の目に届くこととなる。このため、リール2L、2C、2Rに描かれた図柄の視認性をより高めることができるものとなる。
さらに、液晶表示器51の背面から照射される光というのは、透過領域ではリール2L、2C、2Rの内部に設けられたリールLED55の光、透過領域以外の領域では液晶表示器51内のバックライトの光ということとになる。ここで、リールLED55に動作電力を供給する電源回路と液晶表示器51内のバックライトに動作電力を供給する電源回路とは、別系統となっているため、リールLED55とバックライトとの共倒れによって液晶表示器51の背面から光(反射光を除く)が全く照射されなくなってしまうことがほとんど起こり得なくなるので、液晶表示器51に表示される画像が視認できなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、サブ制御部91が備えるリセット/割込コントローラによりVDP141からのイベント割り込み信号がON状態になることによりイベント割り込みの発生が検出される。CPU91aは、リセット/割込コントローラによりイベント割り込みの発生が検出されずにイベント割り込み待ちタイマ値が制限時間判定値に発生すると、所定のループ処理に入り、タイマ割込の発生に対応する演出制御割り込み処理を開始させないようにする。そして、リセット回路95がクリアされないためにタイムアウトが発生し、サブ制御部91のリセット端子にON状態のリセット信号が入力され、サブ制御部91にリセットを発生させて再起動させる。この場合には、スロットマシン1への電力供給が開始された場合と同様に、ステップS401の演出初期設定処理が実行され、VDP141の初期設定が行なわれることとなる。このため、サブ制御部91の側でVDP141におけるイベント割り込みの発生が検出されずに予め定められた待機期間が経過した場合に、専用の処理を実行することなくVDP141の初期設定を行なうことができ、プログラム容量の増大や複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復帰させることができる。
また、サブ制御部91では、タイマ割込の発生に対応して演出制御割り込み処理を実行した場合には、その中で演出バックアップ処理を実行し、演出バックアップ用データをRAM91cのバックアップ領域に設定して記憶させる。そして、サブ制御部91の再起動に対応して演出制御復旧処理を実行した場合には、RAM91cのバックアップ領域に記憶されている演出バックアップ用データにより、サブ制御部91の制御状態を再起動される以前の状態に復旧させる。これにより、サブ制御部91の側でVDP141におけるイベント割り込みの発生が検出されずに予め定められた待機時間が経過した場合に、途中となっていた表示動作を再起動後に続きから実行することができ、異常な表示状態からの適切な復旧が可能になる。また、サブ制御部91が再起動される場合に、制御状態を復旧させるための特別な制御を行なう必要がないので、処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
(20) 前述した実施の形態においては、当選することによりチャンス目が導出可能となる入賞役のうち、3択役A〜Cを構成する図柄の組合せは、各々、中リール2Cおよび右リール2Rの図柄がブドウである点で共通し、左リール2Lの図柄が異なる例について説明した。左リール2Lの図柄は、3択役Aが赤7であり、3択役Bが白7であり、3択役CがBARである。左リール2Lの赤7とBARとの間、BARと白7との間、白7と赤7との間には、各々、図2に示すように図柄が6個配置されている。このため、3択役A〜Cを構成する左リール2Lの図柄は、7図柄の範囲内に配置されていない。これにより、3択役A〜Cを構成する左リール2Lの図柄は、他の3択役を同時に狙える停止操作位置が存在しない位置に配置された図柄の組合せから構成されている。このため、熟練度の高い遊技者であっても、3択役A〜Cのうちいずれかを取りこぼすことのないタイミングで停止操作を行なった場合には、必ず他の3択役を取りこぼすこととなる。よって、熟練度の高い遊技者であっても、3択役A〜Cを取りこぼさずに遊技を行なうことが不可能となり、意図的にチャンス目を出現させないことができないようにすることができる。その結果、チャンス目の導出される割合が極端に低くなるようなことがないので、あらゆる熟練度の遊技者に対してもボーナスの発生に対する期待感を効果的に高めることができる。
また、3択役A〜Cは、各々、当選確率も同じであり、かつ入賞時のメダルの払出枚数も同じなので、3択役A〜Cのうちいずれかの組合せのみを狙ってリールの停止操作を行なうメリットが少なく、結果として3択役A〜Cのうちいずれかの組合せを狙って停止操作を行なう意欲を軽減できるため、様々な位置で停止操作が行なわれる可能性が高くなり、表示結果を多彩なものとすることができる。
なお、取りこぼした際にチャンス目が導出されうる第1の終了入賞表示結果および第2の終了入賞表示結果として、当選確率も同じであり、かつ入賞時のメダルの払出枚数も同じ、3択役A〜Cを適用しているが、少なくとも役を構成する図柄が同時に狙えないように配置され、かつ取りこぼしが生じる複数の小役を適用したものであればよく、各々の当選確率や払出枚数が異なる複数の小役を適用してもよい。また、この場合には、当選確率と払出枚数を乗算した値が近似することが好ましく、このようにすることで、一の組合せのみを狙ってリールの停止操作を行なうメリットが少なく、結果として一方の組合せを狙って停止操作を行なう意欲を軽減できるため、様々な位置で停止操作が行なわれる可能性が高くなり、表示結果を多彩なものとすることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
(1) 前述した実施の形態における所定期間が経過しているか否かに関わる報知カウンタの値は、図29のSs557gで示したように、ゲームが行なわれる毎に1ずつ減算される例について説明した。しかし、報知カウンタの値は、ゲームが行なわれる毎に減算されるものに限らず、次のタイミングで減算されるものであってもよい。たとえば、報知カウンタの値を、小役や再遊技役等の所定の入賞役に入賞または当選したときに減算するように構成してもよい。また、報知カウンタの値を、終了入賞表示結果(たとえば、3択役A〜C)に当選して、該終了入賞表示結果が入賞しなかったときに減算するように構成してもよい。また、報知カウンタの値を、所定のはずれ図柄の組合せが停止したときに減算するように構成してもよい。また、報知カウンタの値を、チャンス目が停止したときに減算するように構成してもよい。また、報知カウンタの値を、予め決定(ゲーム毎にランダムに決定)された停止操作順序でリールが停止されたときに減算するように構成してもよい。
報知カウンタの値を減算するタイミングとしては、以上説明した複数種類のタイミングから任意に選択したタイミングを採用してもよい。たとえば、複数種類のタイミングからボーナスの種類に応じて決定されるタイミングを採用してもよい。また、複数種類のタイミングから抽選により決定されるタイミングを採用してもよい。これにより、報知カウンタの値を減算するタイミングのバリエーションを増やすことができ、RT1〜RT3に制御されてから行なわれる各ゲームの興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図30で説明したように、当選役報知演出が選択される確率が、条件成立後テーブルがルックアップされたときに90%、条件成立前テーブルがルックアップされたときに0%である例について説明した。しかし、当選役報知演出が選択される確率は、このような確率に限るものではなく、条件成立前テーブルがルックアップされたときよりも、条件成立後テーブルがルックアップされたときの方が高く設定されているものであればよい。たとえば、条件成立後テーブルがルックアップされたときには、当選役報知演出が100%の確率で選択されるものであってもよい。また、条件成立後テーブルがルックアップされたときであっても、当選役報知演出が選択されるもの(たとえば10%の確率で選択されるもの)であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、ナビ演出として、当選役報知演出および小役・再遊技役当選報知演出を例に説明した。しかし、ナビ演出としては、これに限るものではない。たとえば、当選役報知演出と同じ態様で、当選している役と異なる種類の役を報知する偽当選役報知演出を行なうように構成してもよい。偽当選役報知演出は、条件成立前テーブルがルックアップされたとき(たとえば10%)よりも、条件成立後テーブルがルックアップされたときの方が低い確率(たとえば0%)で選択されるように構成してもよい。これにより、たとえば、報知された役が入賞しないように停止操作を行なった場合でも、3択役A〜Cのいずれかに入賞してしまい、RT1〜RT3が終了し得るため、演出に意外性を持たせることができ遊技の興趣を向上させることができる。
また、3択役A〜C、チェリー、メロン、ブドウのうちいずれかに当選しているときには、小役・再遊技役当選報知演出として、3択役A〜C、チェリー、メロン、ブドウのうちいずれかに当選していることを報知する例について説明した。しかし、3択役A〜Cのうちいずれかに当選しているときには、小役・再遊技役当選報知演出として、3択役A〜Cのうちいずれかに当選していることを報知し、チェリー、メロン、ブドウのうちいずれかに当選しているときには、小役・再遊技役当選報知演出として、チェリー、メロン、ブドウのうちいずれかに当選していることを報知するように構成してもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、図29のSs557fにおいて、報知カウンタの値に応じて異なる態様(大きさ、色、模様等)でナビ演出を実行することにより、ナビ演出の態様から報知カウンタの値が0になるまでの残り回数がどの程度あるのかを視覚的に遊技者に認識させることができる例について説明した。しかし、報知カウンタの値が0になるまでの残り回数がどの程度あるのかについては、ナビ演出の態様で報知するものに限るものではない。たとえば、報知カウンタの値がセットされているときには、常時当該報知カウンタの値に応じて残り回数を報知するものであってもよく、ナビ演出が実行されるゲームにおいて報知カウンタの値に応じて残り回数を報知するものであってもよい。これにより、遊技者は、ナビ演出から報知される情報および残り回数に基づいて、報知された役の入賞を回避すべきか否かを検討することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図32で説明したように、終了したボーナスの種類およびボーナス中のチェリー入賞回数に基づき、報知カウンタの値に設定する報知開始ゲーム数を特定する例について説明した。しかし、報知開始ゲーム数は、終了したボーナスの種類のみに基づき特定されるものであってもよい。
また、報知開始ゲーム数は、ボーナス中の遊技の進行状況や当選フラグの成立の仕方に基づき特定されるものであってもよい。たとえば、報知開始ゲーム数は、特定図柄(たとえば、所定の入賞役を構成する図柄の組合せ、または所定のはずれ図柄の組合せ等)が停止した回数に基づき特定されるものであってもよい。また、報知開始ゲーム数は、ボーナス中に、所定の入賞役に当選した回数に基づき特定されるものであってもよい。
また、報知開始ゲーム数は、抽選により決定される値であってもよい。たとえば、ボーナスが終了した後、最初のゲームについて賭数が設定されたとき(1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されたとき、または投入メダルセンサ31によりメダルが検出されたとき)に、乱数を用いてランダムに報知開始ゲーム数を決定するように構成してもよい。
(6−1) 前述した実施の形態のスロットマシン1においては、図1で示したように5本の入賞ラインL1〜L5が設けられている例について説明した。しかし、入賞ラインと異なり、入賞図柄の組合せを判定する対象とはならない仮想入賞ラインを設けてもよい。たとえば、入賞ラインL1〜L4と、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された仮想入賞ラインLv(前述した実施の形態においては図1に示す入賞ラインL5)とが設けられているものであってもよい。この場合、ステップS902においては、読み出した役の図柄組合せが仮想入賞ラインLvを除く4本の入賞ラインL1〜L4のうちのいずれかに揃っているかどうかが判定される。
このように構成した場合に、入賞ラインL1〜L4において入賞が発生したときに、仮想入賞ラインLvにおいて所定の図柄組合せが導出されるように構成してもよい。
たとえば、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)を構成する入賞図柄の組合せが複数の入賞ラインのうち入賞ラインL2またはL4に揃ってブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが入賞した際に、左リール2Lの下段に導出されているブドウが領域番号7、20に配置されたブドウである場合には、左リール2Lの中段に領域番号0、8のチェリーが導出される。このとき、仮想入賞ラインLv上に所定の図柄組合せとして「チェリー−any−any」の組合せを停止させることになる。これにより、入賞ライン上に揃えばチェリーが入賞することとなる「チェリー−any−any」の組合せが仮想入賞ラインLv上に揃ったことで、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが入賞したように見せることが可能となり、「チェリー−any−any」の組合せが揃った際に、その揃ったラインが入賞ラインであるか、仮想入賞ラインLvであるか、によって異なる入賞(入賞ラインに揃えばチェリー、仮想入賞ラインLvに揃えばブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれか)が発生したように見せることが可能となるため、入賞発生時におけるリール2L、2C、2Rの表示態様に意外性を持たせることができ、興趣の高いものとすることができる。
このようなリール制御は、次のように行なわれる。たとえば、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが当選している場合であって入賞ラインL2またはL4にブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうち当選している役を入賞させることが可能な場合(たとえば、すべてのリールが回転している場合)に、左リール2Lの停止制御テーブルとして、領域番号18〜20に対して20、0、1番図柄の「ブドウ・チェリー・星」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、領域番号4〜7に対して7〜9番図柄の「ブドウ・チェリー・星」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、右リール2Rの停止制御が行なわれる。このため、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが当選している場合であって入賞ラインL2またはL4にブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうち当選している役を入賞させることが可能な場合に、左リール2Lの領域番号18〜20または4〜7の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が検出されると、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうち当選している役が入賞するとともに「チェリー」が仮想入賞ラインLvに導出される。
一方、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれも当選していない場合または当選している場合であっても入賞ラインL2またはL4にブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうち当選している役を入賞させることが不可能な場合(たとえば、入賞ラインL2またはL4に星等が導出されている場合等)、左リール2Lの停止制御テーブルとして、すべての領域番号に対して20、0、1番図柄の「ブドウ・チェリー・星」および7〜9番図柄の「ブドウ・チェリー・星」以外の表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。このため、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれも当選していない場合または当選している場合であっても入賞ラインL2またはL4にブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうち当選している役を入賞させることが不可能な場合に、「チェリー」以外の図柄が仮想入賞ラインLvに導出される。
(6−2) (6−1)のように構成した場合、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)に加えて、ボーナス、3択役A〜Cのうちいずれかに当選しているときにも、所定の図柄組合せが仮想入賞ラインLvに導出されるように構成してもよい。
たとえば、ボーナス、3択役A〜Cのうちいずれかが当選している場合、左リール2Lの停止制御テーブルとして、領域番号18〜20または4〜7に対して7〜9番図柄または20、0、1番図柄の「ブドウ・チェリー・星」のチャンス目を構成する表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。このため、ボーナス、3択役A〜Cのうちいずれかが当選している場合にも、左リール2Lの領域番号18〜20または4〜7の図柄が下段に位置するタイミングで停止操作が検出された場合に、「チェリー」が仮想入賞ラインLvに導出される。なお、ボーナス、3択役A〜Cのうちいずれかが当選している場合であっても、既に停止しているリールの図柄との組合せで、7〜9番図柄または20、0、1番図柄の「ブドウ・チェリー・星」を導出させると、当選していない役の入賞が発生する場合には、当該役の入賞が発生しない表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。
一方、ボーナス、3択役A〜Cのうちいずれもが当選していない場合、左リール2Lの停止制御テーブルとして、すべての領域番号に対して7〜9番図柄または20、0、1番図柄の「ブドウ・チェリー・星」以外の表示結果が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、左リール2Lの停止制御が行なわれる。このため、ボーナス、3択役A〜Cのうちいずれもが当選していない場合に、「チェリー」以外の図柄が仮想入賞ラインLvに導出される。
このため、「チェリー」を仮想入賞ラインLvに導出することによって、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)が入賞した旨またはボーナスに当選している可能性がある旨を遊技者に対して報知することができる。このため、入賞ラインL1〜L4に導出される図柄の組合せだけでなく、仮想入賞ラインLvに導出される図柄の組合せに遊技者の注意を引くことができる。その結果、入賞ラインL1〜L4でもない仮想入賞ラインLv上の図柄の組合せから、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが入賞した旨が報知されることにより意外性を持たせることができるとともに、ボーナスの発生に対する期待感を効果的に高めることができ、興趣の高いものとすることができる。
(6−3) (6−1)および(6−2)のように構成した場合の変形例について説明する。
仮想入賞ラインLvにおいて導出させる所定の図柄組合せは、左リールのみで役が構成される「チェリー」に限らず、たとえば、同一の図柄の組合せ(たとえば、「BAR−BAR−BAR」など)、または予め定められた図柄の組合せ(たとえば、「赤7−白7−BAR」など)を揃えることが可能な配列を適用し、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかの組合せが揃った際およびボーナスに当選している場合に、仮想入賞ラインLv上に、同一の図柄の組合せ、または予め定められた図柄の組合せが揃うようにしてもよい。
また、たとえば、「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが仮想入賞ラインLv上に揃ったときに、有効ライン上に揃う図柄の組合せを、有効ライン上に「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに付与されるメダル枚数と同一のメダル枚数の付与を伴う小役として定めるとともに、「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが仮想入賞ラインLv上に揃ったときに、実際には有効ライン上に小役が揃って入賞し、これに伴い仮想入賞ラインLv上に「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ってベルが入賞したように見せるようにしてもよい。
さらに、有効ラインに揃った際に入賞の対象となる図柄に近似するが、入賞の対象とならない疑似図柄をリール上に配置し、入賞の対象となる図柄と疑似図柄との組合せが仮想入賞ラインLv上に揃ったときに、有効ライン上に揃う図柄の組合せを入賞図柄の組合せとして定め、入賞の対象となる図柄と疑似図柄との組合せが仮想入賞ラインLv上に揃ったときに、実際には有効ライン上に入賞図柄の組合せが揃って入賞し、これに伴い仮想入賞ラインLv上に入賞の対象となる図柄と疑似図柄との組合せが揃って入賞したように見せるようにしてもよい。
また、水平に並ぶ図柄の組合せに対して仮想入賞ラインLvを割り当てているため、仮想入賞ラインLv上に並んだ図柄の組合せが、斜めに並ぶ図柄の組合せ、すなわち斜めの有効ラインに並んだ図柄の組合せよりも分かりやすく、仮想入賞ラインLv上に並んだ図柄の組合せに対して遊技者の注目を向けることができる。
また、入賞した際に、仮想入賞ラインLv上に「チェリー−any−any」が揃うこととなるブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)の組合せとして、リール毎に異なる図柄の組合せを採用してもよい。これにより、入賞ライン上に揃ったことが認識しづらい組合せであるため、有効ラインに揃ったブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)の組合せではなく、仮想入賞ラインLvに停止した図柄の組合せ「チェリー−any−any」を際だたせることが可能となり、「チェリー−any−any」の組合せが仮想入賞ラインLv上に停止したことに対して遊技者の注目を向けることができる。
また、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)を構成する入賞図柄の組合せが有効ラインに揃って、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)が入賞した際に、仮想入賞ラインLv上に「チェリー−any−any」が揃っている場合には、実際にブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが揃った入賞ラインに停止している図柄に対応するリールLED55を点滅せず、仮想入賞ラインLvに停止した図柄の組合せ「チェリー−any−any」に対応するリールLED55を点滅させることで仮想入賞ラインLvに停止した図柄の組合せを強調して報知するようにしてもよい。有効ラインに揃ったブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)の組合せではなく、仮想入賞ラインLvに停止した図柄の組合せ「チェリー−any−any」を際だたせることが可能となり、「チェリー−any−any」の組合せが仮想入賞ラインLv上に停止したことに対して遊技者の注目を向けることができる。
なお、入賞ラインや仮想入賞ラインに揃った役の構成図柄に対応するリールLED55を点滅させることで入賞した役を報知するようになっているが、液晶表示器51における対応する領域にエフェクト(特殊効果)をかけることによって入賞した役を報知するようにしてもよい。
また、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)を構成する入賞図柄の組合せ、すなわち異なる複数種類の役が有効ラインに揃って、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが入賞した際に、仮想入賞ラインLv上に共通の「チェリー−any−any」の組合せを停止させることが可能となっており、異なる入賞が発生した場合でも、仮想入賞ラインLv上には共通の図柄の組合せが停止することとなるため、同じ「チェリー−any−any」の組合せが、仮想入賞ラインLvに停止した場合でも、実際に発生した入賞によって付与される価値が異なることとなるので、ゲームの結果に意外性を持たせることができる。
また、いずれのボーナスも当選していない状態でブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが当選し、かつ「チェリー−any−any」の組合せが仮想入賞ラインLvに揃う場合には、必ずブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3)のうちいずれかが有効ラインに揃ってしまうのに対して、ボーナスが当選し、かつ「チェリー−any−any」の組合せが仮想入賞ラインLvに揃う場合には、有効ラインにいずれの役も揃うことがなく、仮想入賞ラインLvに「チェリー−any−any」の組合せが揃って、かついずれの入賞も発生しないことで、ボーナスに当選していることが示唆されるため、「チェリー−any−any」の組合せが仮想入賞ラインLvに揃うことによってボーナスの当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
(7) 前述した実施の形態におけるRT1〜RT3は、制御される規定ゲーム数が共通(5000ゲーム)である例について説明した。しかし、これに限らず、RT1〜RT3は、RTの種類に応じたゲーム数を規定ゲーム数(たとえば、RT1の規定ゲーム数は5000ゲーム、RT2の規定ゲーム数は3000ゲーム、RT3の規定ゲーム数は100ゲーム等)として設定されているものであってもよい。
(8) 前述した実施の形態におけるRT1〜RT3においては、リプレイ(3)に当選しない例について説明した。しかし、これに限らず、RT1〜RT3に制御されているときであっても、リプレイ(3)に入賞可能となるように判定値数を設定し、RT1〜RT3がリプレイ(3)入賞によっても終了するように構成してもよい。これにより、RT1〜RT3のいずれかに制御されているときに、リプレイ(3)に入賞することにより、RT1〜RT3よりも遊技者にとって不利な遊技状態であるRT5に制御される。また、終了したボーナスの種類に応じて、リプレイ(3)が入賞して遊技者にとって不利なRT5に制御される確率を異ならせるようにRT1〜RT3におけるリプレイ(3)の判定値数を設定してもよい。なお、このように構成した場合、前述したナビ演出によって、リプレイ(3)に当選しているか否かに関する情報が報知された場合には、RT1〜RT3を終了させる役に入賞することを効率的に回避することが可能となる。
以上のように、有利遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態として初期遊技状態やRT5を例にして説明した。しかし、不利な遊技状態は、たとえば、所定の入賞役(たとえば、再遊技役のリプレイ(1)、小役のブドウ等)に入賞(当選を含む)する確率が有利遊技状態のときよりも低い遊技状態であってもよい。また、不利な遊技状態は、所定の有利開始条件が成立(たとえば、リプレイ(2)入賞)しても有利な遊技状態(たとえば、RT4)へ制御しない遊技状態であってもよい。また、不利な遊技状態は、規定ゲーム数が有利遊技状態の規定ゲーム数(5000ゲーム)よりも小さく(1ゲーム)、かつ規定ゲーム数が消化されたときに初期遊技状態に制御される遊技状態であってもよい。
さらに、前述した実施の形態におけるRT1〜RT3に制御されているときであっても、リプレイ(2)に入賞可能となるように判定値数を設定し、RT1〜RT3がリプレイ(2)入賞によっても終了するように構成してもよい。この場合、RT1〜RT3のいずれであるかに応じて、リプレイ(2)に当選する確率およびリプレイ(3)に当選する確率が異なる(リプレイ(2)に当選する確率およびリプレイ(3)に当選する確率の少なくともいずれか一方が異なるものを含む)ように構成してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利なRT4が開始した後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかのボーナスが当選した場合には、RT4が終了し、RT6に制御される例について説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利なRT4が開始した後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかのボーナスが当選した場合であっても、RT4を終了させず、ボーナスが入賞したときまたはボーナスが入賞せずに規定ゲーム数に到達したときにRT4を終了させるように構成してもよい。これにより、ボーナスが当選してもその当選したボーナスを入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRT4を消化することが可能となり、遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。また、ボーナスの当選フラグは、該ボーナスが入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、RT4が規定ゲーム数に到達することによって終了した後に、その間に当選したボーナスを入賞させることが可能となるので、RT4の終了時にボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
(10) 前述した実施の形態では、ビッグボーナス中のボーナス中演出として、各リールの中段領域に跨って「BONUS GAME」と描かれた帯状の画像が表示されるようになっている。一方、ビッグボーナス中は、常にレギュラーボーナスに制御されるとともに、レギュラーボーナスでは有効な入賞ラインがL1およびL2、すなわち各リールの上段領域を跨ぐ入賞ラインと下段領域に跨る入賞ラインに制限され、全てのリールについて中段領域に停止した図柄は入賞判定の対象とならないため、各リールの中段領域に跨って帯状の画像が表示されることで、レギュラーボーナス中に有効となる入賞ラインが認識しやすくなるとともに、レギュラーボーナス中においては入賞判定の対象とならないリール前面の領域を利用して画像を表示する演出が行なわれるため、インパクトのある演出を実現できるうえに、入賞判定の対象となる図柄の視認を妨げることがなく、ゲームの進行に影響を与えることがないようになっている。
なお、入賞判定の対象とならないリールの前面領域を用いて演出を行なう例としてボーナス中演出を例示したが、その他の演出に用いてもよい。たとえば、図35に示すように、中段に並ぶ図柄の組合せ(入賞ラインL)のみを入賞判定の対象とし、たとえば、特別役やRTの移行役の組合せとして、これらの役が入賞ラインLに揃った際に、仮想入賞ラインLvに「赤7−赤7−赤7」が揃うリール配列として、リールが停止して仮想入賞ラインLvに「赤7」が停止するごとに、停止した「赤7」の図柄の前面領域にエフェクト(特殊効果)をかける画像を表示するようにしてもよく、このようにすることで、「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃う際の演出をインパクトのあるものにできる。この場合でも、実際に入賞判定の対象となる領域以外で画像が表示されるので、インパクトのある演出を実現できるうえに、入賞判定の対象となる図柄の視認を妨げることがなく、ゲームの進行に影響を与えることがない。
また、上記の例と同様に、中段に並ぶ図柄の組合せ(入賞ラインL)のみを入賞判定の対象とし、特別役やRTの移行役の組合せとして、これらの役が入賞ラインLに揃った際に、仮想入賞ラインLvに「赤7−赤7−赤7」が揃うリール配列として、図36に示すように、リールの回転している状態では、仮想入賞ラインLvの領域に非透過画像などを表示して視認できない状態または視認しづらい状態とするとともに、全てのリールが停止した後、仮想入賞ラインLvの領域を透過画像に切り替えることで、全てのリールが停止するまで仮想入賞ラインLv上の図柄の組合せを見えない状態とし、全てが停止した後に仮想入賞ラインLv上に「赤7−赤7−赤7」が揃っていることを初めて認識できるようにしてもよく、このようにした場合でも、「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃う際の演出をインパクトのあるものにできるとともに、実際に入賞判定の対象となる領域以外で画像が表示されるので、インパクトのある演出を実現できるうえに、入賞判定の対象となる図柄の視認を妨げることがなく、ゲームの進行に影響を与えることがない。
(11) 前述した実施の形態においては、特別遊技状態としてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスを例にして説明した。しかし、特別遊技状態としてはこれらに限るものでない。特別遊技状態としては、たとえば、所定のストップボタンの操作から対応するリールの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮されるチャレンジボーナスであってもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、RT1〜RT3を有利遊技状態として説明した。しかし、有利遊技状態は、RTに限るものでない。たとえば、有利遊技状態は、内部抽選において所定の入賞役が当選した場合にその旨をランプ等により告知するAT(Assist Time)であってもよい。また、有利遊技状態は、1種類の遊技状態に限るものでな
い。
(13) 上記の実施の形態では、設定値の変更を行なう際には、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。もっとも、RAM41cのデータを初期化するためには、設定値の変更を行なう際にさらに別個の初期化操作(たとえば、設定キースイッチ37をON状態として電源を投入する際に、さらにデータクリアリセット/設定スイッチ38も操作する)を行なうことが必要になるものとしてもよい。RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できるようにしてもよい。具体的には、図11のステップS103においてYESと判断された後、さらに、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、ステップS109の処理に進めるように構成してもよい。
(14) 上記の実施の形態では、設定値の変更に伴って、設定値ワーク41c−4の他、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものとなっていた。しかし、このように設定値の変更に伴って、使用中のスタック領域を除いてRAM41cの全てのデータが初期化されるものに限らず、設定値の変更を行なう操作とは別個の初期化操作(たとえば、リセット/設定スイッチ38の操作)を行なうことに伴って、設定値ワーク41c−4と使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータが初期化され、設定値の変更に伴って、設定値ワーク41c−4に新たな設定値が記憶されるものであってもよい。
具体的には、図11のステップS102が行なわれた後、リセット/設定スイッチ38が操作されているか否かを判断するステップを設けて、当該ステップによりリセット/設定スイッチ38が操作されていると判断されたときに、設定値ワーク41c−4と使用中のスタック領域とを除いてRAM41cの全てのデータを初期化する処理を行ない、さらに設定キースイッチ37がON状態となっているか否かを判断する処理を行ない、当該処理により設定キースイッチ37がON状態となっているときにステップS110の処理に進め、設定キースイッチ37がON状態となっていないときに割込禁止を解除する処理を行ない、ゲーム制御処理に進めるように構成してもよい。なお、リセット/設定スイッチ38が操作されていないときにはステップS104の処理に進めるように構成してもよい。これにより、RAM異常エラー状態からは、単なる設定値の変更操作だけではなく初期化操作も行なってRAM41cのデータを初期化することで復帰できる。また、設定値異常を除くRAM異常エラー状態からは、初期化操作のみを行なうことによりRAM41cのデータを初期化することができ復帰できる。
(15) 上記の実施の形態では、リール1周に対して8ステップ毎(1図柄毎)に分割した21の領域(コマ)が定められており、停止制御テーブルとして、それぞれの領域(領域番号)に対応して、引込コマ数(停止位置)が一意的に定められた停止制御テーブル、すなわち1図柄が変動する範囲の領域に対応して停止位置が一意的に定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なっているが、たとえば、1図柄未満の領域毎、たとえば1ステップ、すなわちリールモータを駆動する際の最小単位毎に、引込ステップ数や引込コマ数(停止位置)を一意的に定めた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なってもよく、このようにすることで、リールモータのステップ数単位で停止位置を変化させることが可能となり、停止操作位置に対する停止位置をさらに多様化することができる。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
(16) 上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
(17) 上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行なうものとしてもよい。
(18) 上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、特別役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
(19) 上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜4の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜4のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜4の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、たとえば、設定値1〜2については判定値数が共通、設定値3〜4については判定値数が共通のものとすることもできる。
(20) 上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール2L、2C、2Rを備えるものとし、これらのリール2L、2C、2Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
(21) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(22) 上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスについて、入賞時と終了時との双方で、フリーズ状態に制御する例について説明した。しかし、双方においてフリーズ状態に制御するものに限らず、入賞時にのみフリーズ状態に制御するものであってもよく、また、終了時にのみフリーズ状態に制御するものであってもよい。
(23) 上記の実施の形態では、左リールや右リールに表示結果が導出された時点でチャンス目が成立するわけではなく、全てのリールに表示結果が導出された時点(いずれの入賞役も揃わなかった場合)にチャンス目が成立するようになっていたが、いずれか1つのリールに表示結果が導出された時点で成立するチャンス目を適用してもよい。
(24) 上記の実施の形態では、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出されるまでの間、透過領域(入賞判定領域)については最前面に透過領域オブジェクトを設定することにより画像が表示されないように制御するものとしていた。もっとも、透過領域(入賞判定領域)に画像が表示されないようにする手法はこれに限るものではなく、たとえば、そもそもスタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rの全てが回転停止するまでの期間で液晶表示器51に表示される画像は、少なくとも透過領域(入賞判定領域)の部分の各画素のRGB値が(31,31,31)となっている(つまり、透過領域(入賞判定領域)に画像が表示されない)ものとしてもよい。また、透過領域(入賞判定領域)オブジェクトは、透過色のものを1つだけ用意するのではなく、合成することにより透過色を生成できる複数種類のものから構成されるものとしてもよい。
(25) 上記の実施の形態では、リール2L、2C、2Rの全てが回転停止して可変表示装置2に表示結果が導出された後、スタートスイッチ7が操作されて次のゲームが開始されるまでに演出が行なわれる場合には、透過領域(入賞判定領域)の各画素のRGBデータに白加算処理または半透明処理を施すことにより透過領域(入賞判定領域)を半透過状態にするものとしていた。もっとも、透過領域(入賞判定領域)を半透過状態にする手法は、これらに限るものではない。
たとえば、白加算処理や半透明処理をR値、G値、B値に対して一律に行なうのではなく、特定の色味を強くするようにする(たとえば、青味を強くするためには、白加算処理ではB値への加算値をR値やG値への加算値よりも大きくしたり、半透明処理では半透明処理を行なう際のB値の透明度を低くする)ものとしてもよい。また、半透明処理では、所定の半透明値が設定された前述した実施の形態の透過領域(入賞判定領域)オブジェクトと同様の半透明オブジェクトを設定するものとしてもよい。この場合、半透明オブジェクトも、透過領域(入賞判定領域)オブジェクトと同様に各フレーム期間において最優先で処理されるものとすることができる。
いずれにしても、半透過状態による処理によって元の画像データのRGB値が(Rd,Gd,Bd)である場合に、そのうちのR値、G値またはB値の少なくとも1つをRd,GdまたはBdよりも大きく、31(R値、G値、B値のそれぞれの最大値)以下の値に変えればよい。前述した実施の形態とは異なり、透過色のRGB値が(0,0,0)で表される場合、半透過状態による処理によって元の画像データのRGB値が(Rd,Gd,Bd)である場合に、そのうちのR値、G値またはB値の少なくとも1つをRd,GdまたはBdよりも小さく、0(R値、G値、B値のそれぞれの最小値)以上の値に変えればよい。
また、透過領域(入賞判定領域)のうちの所定のメッシュパターンに対応する画素の画像を透明にする(すなわち、RGB値を(31,31,31)の完全透過状態とする)ものとしてもよい。この場合、透過領域(入賞判定領域)に含まれる画素のうちメッシュパターンに対応した画素ではリール2L、2C、2Rに描かれている画像が完全に透過して遊技者に示されるとともに、透過領域(入賞判定領域)のうちでメッシュパターンに対応しない画素では、本来の演出の画像のRGB値で画像が表示される。これにより、液晶表示器51の透過領域(入賞判定領域)を含む広い領域でダイナミックな演出を行なうことができるようになるとともに、透過領域(入賞判定領域)の背面にあるリール2L、2C、2Rに描かれている図柄の視認性を確保することができる。
なお、この制御を行なう場合、透過領域(入賞判定領域)に対応する範囲でメッシュパターンの形態を有するメッシュパターンオブジェクトを、前述した実施の形態における透過領域(入賞判定領域)オブジェクトと同様に最前面に設定するものとしてもよい。この場合、メッシュパターンオブジェクトも、透過領域(入賞判定領域)オブジェクトと同様に各フレーム期間において最優先で処理されるものとすることができる。また、メッシュパターンによる半透過状態とするための制御も、演出データや表示されている画像の状態に応じて、上記した白加算処理または半透明処理と切り替えて使うこともできる。
(26) 上記の実施の形態では、変表示装置2の表示結果によりメダルの払い出しがある場合には、リール2L、2C、2Rの全てが回転停止した時点で液晶表示器51において画像の表示による演出が開始されるものの、メダルの払い出しを完了するまでは透過領域(入賞判定領域)が非表示とされていた。もっとも、メダルの払い出しの完了を待たずにリール2L、2C、2Rの全てが回転停止した時点で透過領域(入賞判定領域)を含む領域に演出の画像が表示されるものとしてもよい。もっとも、ここでも透過領域(入賞判定領域)の画像を半透過状態にする必要がある。
(27) 上記の実施の形態では、液晶表示器51では静止画の表示を行なう場合を除いて、リール2L、2C、2Rの全てが回転停止してから画像の表示による演出を行なうものとしていたが、これに限るものではない。第3停止時に可変表示装置2の表示結果は確定するので、ここで実質的には可変表示装置2に表示結果が導出されているものと考えて、未だ第3停止リールの停止制御が行なわれている間に画像の表示による演出を開始させるものとしてもよい。
さらに、本発明において、液晶表示器51において画像の表示による演出を開始/終了させるタイミングは、次の条件を満たす限り任意のものとすることができる。スタートスイッチ7を操作によりゲームを開始してからリール2L、2C、2Rの全てが回転停止することにより可変表示装置2に表示結果が導出されるまで(或いは、メダルの払い出しがある場合には払い出しを完了するまで)は、少なくとも透過領域(入賞判定領域)においては画像が表示されない状態とする。
また、リール2L、2C、2Rの全てが回転停止してから(或いは、メダルの払い出しがある場合には払い出しを完了してから)スタートスイッチ7を操作するまでの期間において、透過領域(入賞判定領域)と透過領域(入賞判定領域)以外で一体的な画像を表示しても透過領域(入賞判定領域)を半透過状態とする。もっとも、透過領域(入賞判定領域)を半透過状態とするのは次のゲームの開始となるスタートスイッチ7の操作まで継続する必要はなく、一定期間(たとえば、次のゲームのために賭け数を設定するまで、或いはデモ演出や履歴表示演出が開始されるまで)継続させておけばよい。
(28) 上記の実施の形態では、遊技者が履歴表示演出の実行を指示する操作手段は、演出モードの切り替えを指示する選択スイッチ56および決定スイッチ57で兼用されていたが、選択スイッチ56および決定スイッチ57とは別個の操作手段を設けるものとしてもよい。また、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作によって切り替えられる演出モードは、モード1とモード2の2種類に限るものではなく、3種類以上のモードがあってもよい。この場合は、演出モードの種類毎に連続演出等の演出データを用意し、CGROM142に予め格納しておくものとすればよい。
また、演出モードの違いは、演出に登場するキャラクタの種類や演出に用いられる背景の画像の種類を異なるものとすることに限らない。演出に登場するキャラクタの種類と演出に用いられる背景の種類の一方のみが演出モードによって異なるものとなっていてもよい。たとえば、演出に登場するキャラクタおよび/または演出に用いられる背景の色のみが演出モードによって異なるものとなっていてもよい。また、演出モードの違いは、演出の実行確率や演出の実行態様に違いを生じさせるものとすることもできる。たとえば、モード1では前述した実施の形態のように3ゲームの間継続する連続演出を行なうが、モード2では2ゲームの間だけ継続する連続演出を行なうものとしてもよい。
さらには、演出モードが異なっていても、液晶表示器51に表示される画像は全く同じであるものとしてもよい。スロットマシンにおける演出は、液晶表示器51への画像の表示を行なうだけの単純なものよりも、画像の表示に加えてスピーカ53、54からの音声出力や、リールLED55や演出効果LED52の点灯などを組合せて行なわれているものが多い。従って、たとえば、モード1とモード2とで液晶表示器51に表示される画像は同じであるが、演出のBGM(Back Ground Music)が異なるものとなっていてもよい
。
(29) 上記の実施の形態では、スタートスイッチ7の操作から可変表示装置2への表示結果の導出までのゲーム中以外の期間であっても、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間では、デモ無効フラグを設定し、選択スイッチ56および決定スイッチ57を操作無効にするという積極的な制御を行なうことによって、デモ演出、履歴表示演出および演出モードの切り替えが禁止されるものとなっていた。これに対して、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間に実行されるプログラムで演出モードの書き換えを行なうモジュールを呼び出さないようにして、演出モードの切り替えを禁止することもできる。さらに、デモ演出や履歴表示演出の演出データの書き込みが連続演出の演出データの書き込みとは別のモジュールによって実行される場合には、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間に実行されるプログラムでデモ演出や履歴表示演出の演出データの書き込みを行なうモジュールを呼び出さないようにして、デモ演出や履歴表示演出が実行されるのを禁止することもできる。
(30) 上記の実施の形態では、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間を除いて、可変表示装置2への表示結果の導出(メダルの払い出しがある場合は、払い出し完了)からスタートスイッチ7の操作までのゲームとゲームの間の期間では選択スイッチ56および決定スイッチ57を操作するだけでモード1とモード2との間で演出モードを切り替えることができた。これに対して、このように演出モードの切り替えの手順が単一の操作で実現されるのではなく、まず、第1段階の操作で演出モードの切り替えを行なうための演出モード切替画面を液晶表示器51に表示させ、表示された演出モード切替画面に従って第2段階の操作を行なうことで、演出モードの切り替えを行なうようにしてもよい。
この場合、CGROM133には、演出モード切替画面(演出の一種)を液晶表示器51に表示させるための演出データをさらに格納しておくものとする。また、たとえば、モード1〜3の3種類の演出モードが用意されているものとすると、モード1、モード2と同様の構成でモード3についての連続演出やボーナス中演出の演出データがCGROM133に格納されているものとなる。
そして、可変表示装置2への表示結果の導出からスタートスイッチ7の操作までのゲームとゲームの間の期間で選択スイッチ56および決定スイッチ57が間操作された場合には、サブ制御部91からの指令によりCGROM133から演出モード切替画面の演出データを読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込むものとする。この実行演出データ領域に書き込まれた演出モード切替画面の演出データに従って液晶表示器51に表示された演出モード切替画面に従って停止スイッチ8L、8C、8Rの何れかを操作することで、モード1〜モード3のうちの何れかの演出モードを選択するものとすることができる。
このように演出モードの選択を行なう場合においても、連続演出またはボーナス中演出の実行途中の期間ではデモ無効フラグが設定され、選択スイッチ56および決定スイッチ57の操作が無効になるので、演出モード切替画面の演出データがCGROM133から読み出され、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込まれることがない。演出モード切替画面の演出データが実行演出データ領域に書き込まれることがないために演出モード切替画面が液晶表示器51に表示されないため、停止スイッチ8L、8C、8Rの操作によって演出モードの切り替えを行なうこともできない。
このように演出モード切替画面の演出データのCGROM133からの一時記憶メモリ155の読み出しと実行演出データ領域への書き込みが禁止されているので、連続演出および追加演出の実行中、もしくはボーナス中演出の実行中においては、実行中の連続演出やボーナス中の演出データが演出モード切替画面の演出データによって上書きされて実行演出データ領域から消去されてしまうことがない。消去されることがないから、改めて連続演出やボーナス中演出の演出データをCGROM133から読み出して、実行演出データ領域に書き込まなければならないということも生じない。
このため、現在の遊技の進行状況とは直接的には関係しない演出モード切替画面を表示するために、データ量の大きい連続演出やボーナス中演出の演出データをCGROM133から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込む処理のオーバーヘッドが重複して生じることがなくなる。さらに演出モード切替画面が表示されなければ演出モードの切り替えも不可能なので、演出モードが異なるだけで同じ状況に対応した演出データをCGROM133から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に書き込まなければならないというオーバーヘッドが生じるのを防ぐことができる。
なお、ここで説明した変形例は、演出モードという区切りがなくても、実行され得る演出の種類を上記と同様な二段階の操作で設定する場合にも適用することができる。たとえば、第1の操作で演出種類設定画面を液晶表示器51に表示させ、ここで液晶表示器51に表示された演出種類設定画面に従って実行可能な演出の種類を設定する場合にも、この変形例で示した手法を適用することが可能となる。また、ここで説明した変形例では、演出モードの違いに応じて液晶表示器51に表示される画像に違いがない場合であっても、本発明の効果を奏するものとなる。
(31) 上記の実施の形態では、サブ制御部91からの演出データの書き込み指令に応じて表示制御回路92のVDP141が該指令に対応した演出データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に転送させるものとしていた。そして、液晶表示器51に表示する画像の画像データをフレームバッファメモリ156に展開する際には、実行演出データ領域に転送された演出データを読み出すものとしていた。もっとも、フレームバッファメモリ156への画像データの展開は、演出データのCGROM142から一時記憶メモリ155の実行演出データ領域への転送のための指令とは別の演出開始指令によりなされていた。これに対して、遊技の進行状況に応じて実行される演出として連続演出やボーナス中演出のように複数ゲームの期間に跨って継続的に実施される演出がないのであれば、各演出を開始させる際にCGROM142から一時記憶メモリ155の実行演出データ領域へ演出データを転送させ、そのままフレームバッファメモリ156への画像データの展開を開始させることができ、両者で1回だけCPU91aからVDP141へ指令を出力すればよい。特に演出モードに応じた画像のように表示される頻度が高いものであれば、一時記憶メモリ155に常駐させておけば便利である。
ここで、サブ制御部91および表示制御回路92が電源の立ち上げにより起動されるとき(或いは、リセットにより再起動されるとき)、サブ制御部91のCPU91aは、一時記憶メモリ155に上記した実行演出データ領域を含む各種領域の他に演出モードに応じた画像の要素データを常駐させる領域を確保する指令を出力し、これに基づいて実行演出データ領域の他に常駐データ領域を一時記憶メモリ155に確保させるものとすればよい。また、この指令または続けて出力される他の指令に基づいて、起動時(または再起動時)において演出モードに応じた画像の要素データをCGROM142から一時記憶メモリ155の常駐データ領域に転送させるものとしてもよい。演出モードが切り替えられたときには、切り替え後の演出モードに応じた画像の要素データをCGROM142から読み出し、一時記憶メモリ155の常駐データ領域に上書きして転送させればよい。
このような場合において、たとえば、スタートスイッチ7の操作により演出モードに応じた画像を液晶表示器51に表示させる場合には、CPU91aは、一時記憶メモリ155の常駐データ領域のアドレスとともに画像の表示指令をVDP141に出力し、VDP141は、この表示指令に基づいて一時記憶メモリ155の常駐データ領域から要素データを読み出し、描画回路154等により画像データをフレームバッファメモリ156に展開させるものとすることができる。
一方、演出モードに応じた画像の表示以外の画像の表示による演出を開始させる場合には、CPU91aは、開始させる演出の演出データが記憶されているCGROM142のアドレスとともに演出の開始指令をVDP141に出力し、VDP141は、この開始指令に基づいてCGROM142の当該アドレスから演出データを読み出して一時記憶メモリ155の実行演出データ領域に転送させ、以後自動的に一時記憶メモリ155の実行演出データ領域から演出データを読み出し、描画回路154等により演出の画像データをフレームバッファメモリ156に展開させるものとすることができる。
この場合、遊技の進行状況に応じて実行される各種演出データについては、CGROM142において記憶されているアドレスを指定すれば、一時記憶メモリ155の実行演出データ領域のアドレスを指定しなくても、そのまま当該演出に応じた画像データを生成してフレームバッファメモリ156に展開ことができる。これにより、各記憶装置におけるアドレス管理が容易になり、プログラム設計の負担を軽減することができる。一方、実行頻度が高い演出モードに応じた画像の要素データは、一時記憶メモリ155の常駐データ領域におけるアドレスを指定することで既に一時記憶メモリ155に常駐して記憶されているデータを容易に再利用することができ、また、CGROM142から毎回読み出す必要がなくなるので、制御負担を軽減することができる。
(32) 上記の実施の形態では、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成しているが、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)別の停止制御テーブルを予めROM41bに登録しておき、テーブルインデックスに基づいて、遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、およびリールの停止状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定可能とし、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、テーブルインデックスを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを設定するようにしてもよい。
(33) 上記の実施の形態では、停止操作位置に対する引込コマ数を一意的に定めた複数の停止制御テーブルのうち、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なっているが、停止操作位置に対する停止位置を一意的に定めた複数の停止位置特定テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止位置特定テーブルを参照し、停止操作位置に対応して一意的に特定される停止位置でリールを停止させる制御を行なうようにしてもよい。
また、停止位置に対する停止優先度を定めることにより、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置を一意的に定めた複数の停止優先テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止優先テーブルを参照し、停止操作位置から引込可能範囲(最大5コマ)内にある全ての停止位置の停止優先度を比較し、最も停止優先度の高い停止位置でリールを停止させる制御を行なうようにしてもよい。
また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた引込コマ数を選択し、停止操作が行なわれた際に、選択された引込コマ数の範囲内に対象となる停止位置が位置する場合には、当該停止位置を引き込んで停止させる引込制御を行ない、停止が禁止された停止位置を停止させないように他の停止位置を引き込んで停止させる蹴飛ばし制御(いわゆるコントロール方式の制御)を行なうようにしてもよい。このように引込制御および蹴飛ばし制御を行なうことで、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置が一意的に決まるので、引込制御および蹴飛ばし制御により表示結果を導出させる制御は、停止操作位置に対して停止位置を一意的に特定する制御パターンといえる。
また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行なうものであれば、停止制御テーブルによるリールの停止制御、停止優先テーブルによるリールの停止制御、引込制御および蹴飛ばし制御によるリールの停止制御を併用して行なうものであってもよく、たとえば、最初に停止したリールのみ停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行ない、他のリールについては、引込制御および蹴飛ばし制御によりリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
(34) 上記の実施の形態では、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行なっているが、少なくとも各遊技状態のそれぞれの内部当選状態に対して定められた制御パターンを選択し、その選択した制御パターンに従ってリールの停止制御を行なうものであればよい。
(35) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取り込みを行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34や払出センサ35など、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(36) スロットマシンは、次の構成を備えるものであってもよい。
(36−1) 前記有利遊技状態に制御されているときに前記遊技用価値を用いることなく次のゲームを行なうことが可能な複数種類の再ゲーム入賞表示結果のうち第1の再ゲーム入賞表示結果(リプレイ(2))が発生したことを条件として、前記特別遊技状態と異なり遊技者にとって有利な特殊遊技状態(RT4)に制御する特殊遊技状態制御手段(S1007)と、
前記有利遊技状態に制御されているときに前記複数種類の再ゲーム入賞表示結果のうち第2の再ゲーム入賞表示結果(リプレイ(3))が発生したことを条件として、前記特別遊技状態と異なりかつ前記特殊遊技状態と異なる遊技状態であって前記第1の再ゲーム入賞表示結果が発生しても前記特殊遊技状態へ制御しない不利遊技状態(RT5)に制御する不利遊技状態制御手段(S1008a)とを備え、
前記有利遊技状態制御手段は、前記事前決定手段により前記第1の再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がされる確率および前記事前決定手段により前記第2の再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がされる確率のうち少なくとも一方の確率が異なる複数種類の有利遊技状態のうち、制御された特別遊技状態の種類に応じた有利遊技状態に制御する(S1016、S1019、S1021)。
このような構成によれば、特別遊技状態が終了した後に、第1の再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がされる確率および第2の再ゲーム入賞表示結果の導出を許容する旨の決定がされる確率のうち少なくとも一方の確率が異なる複数種類の有利遊技状態のうち特別遊技状態の種類に応じた有利遊技状態に制御される。これにより、制御される有利遊技状態の種類によって、第1の再ゲーム入賞表示結果が発生して特殊遊技状態に制御される確率および第2の再ゲーム入賞表示結果が発生して不利遊技状態に制御される確率のうち少なくとも一方の確率を異ならせることができる。その結果、制御された特別遊技状態の種類に応じて特殊遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を異ならせてメリハリをつけることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(36−2) 前記遊技状態制御手段は、前記有利遊技状態に制御されているときに前記複数種類の再ゲーム入賞表示結果のうち前記第1および第2の再ゲーム入賞表示結果と異なる通常の再ゲーム入賞表示結果(リプレイ(1))が発生したときには、遊技状態を変化させない(S912の処理が行なわれて、S1007およびS1008aの処理が行なわれない)。
このような構成によれば、有利遊技状態に制御されているときに通常の再ゲーム入賞表示結果が発生したとしても有利遊技状態への制御が継続されるため、その後に第1の再ゲーム入賞表示結果が発生することに対する期待感を引き続き遊技者に抱かせることができる。
(36−3) 前記複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出された時点で、すべての可変表示領域を通る1以上の有効ライン(入賞ラインL1〜L4)とすべての可変表示領域を通る1以上の無効ライン(仮想入賞ラインLv)とを含む複数のラインのうち前記有効ラインに停止した図柄の組合せに基づいて入賞が発生したか否か判定する手段であり、前記有効ラインに所定の入賞表示結果が停止したときに所定入賞(たとえば、いずれかのボーナス(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス)、3択役A〜C、ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3))が発生したことを判定する入賞判定手段(変形例(6−1)におけるステップS902)をさらに備え、
前記導出制御手段は、
前記所定入賞を発生させる場合に、前記有効ラインに前記所定の入賞表示結果(ブドウ、リプレイ(2)、リプレイ(3))が停止し、かつ前記無効ラインに特定の図柄が停止する特定の表示結果(チェリー)を前記可変表示領域に導出させる制御を行なう特殊導出制御手段(変形例(6−1)、(6−2)参照)と、
前記所定入賞を発生させない場合に、前記無効ラインに前記特定の表示結果を前記可変表示領域に導出させる制御を制限する特殊図柄導出制限手段とをさらに含む(変形例(6−1)、(6−2)参照)。
このような構成によれば、特定の表示結果を無効ラインに導出させることにより、所定入賞が発生した旨を、遊技者に対して報知することができる。このため、有効ラインに停止された表示結果だけでなく、無効ラインに停止された表示結果に遊技者の注意を引くことができ意外性を持たせることができ、興趣を向上させることができる。なお、前述した特殊表示結果は、前記無効ラインに特定の図柄が停止する特定の表示結果を含むものであってもよい。これにより、特定の表示結果を無効ラインに導出させることにより、特別表示結果の導出が許容されている可能性がある旨を、遊技者に対して報知することができる。このため、特別表示結果が導出されることに対する期待感を効果的に高めることができ、興趣を向上させることができる。
(37) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。