JP2013008618A - 基板用コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】相手側端子に接続される内導体端子20と、内導体端子20の外周を覆う本体筒部41を有する外導体端子40と、内導体端子20と外導体端子40との間に配される誘電体30と、外導体端子40を内部に収容して回路基板に固定されるコネクタハウジング60とを備えた基板用コネクタ10であって、内導体端子20には、本体筒部41から後方に露出され、下方に延びて回路基板に接続される内導体リード部24が設けられており、外導体端子40には、本体筒部41から下方に延びて回路基板に接続される外導体リード部42が設けられており、外導体リード部42には、内導体リード部24の側縁に対向して配される壁部47が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、内導体端子の高周波特性が低下することを抑制すると共に、外導体端子の形状を簡素化することを目的とする。
また、外導体端子に蓋部を設ける必要がなく、蓋部を曲げ加工することで内導体端子の背面側を蓋部によって塞ぐといった作業が発生しないため、外導体端子の形状を簡素化できると共に、外導体端子の組み付け作業性を向上させることができる。
また、内導体リード部の側縁に誘電体を介することなく壁部を対向して配しているので、誘電体を無くした分だけ外導体リード部が大型化することを抑制することができる。
前記外導体リード部には、前記筒部から前記回路基板側に延びる外導体垂下部が形成されており、前記内導体リード部には、前記筒部側から前記回路基板側に延びる内導体垂下部が形成されており、前記壁部は、前記外導体垂下部に設けられ、前記内導体垂下部よりも前後に延びて形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、壁部が内導体垂下部よりも前後に延びて形成されているので、壁部が内導体垂下部の側縁にのみ配されているものに比べて、内導体リード部のインピーダンスが大きくなることを抑制し、VSWRをより小さくすることができる。
このような構成によると、壁部が内導体垂下部の側縁を幅方向両側から囲った状態となるので、壁部が内導体垂下部の一側面に配されるものに比べて、内導体リード部のVSWRを更に小さくすることができる。
このような構成によると、内導体垂下部における幅方向の断面積を大きくすることで、内導体リード部のインピーダンスが大きなることを抑制することができる。また、内導体リード部が外導体端子から露出されることで、内導体端子のインピーダンスが大きくなる前に、拡幅部によって予めインピーダンスを小さくしておくことで、内導体リード部におけるインピーダンスが大きくなることを抑制することができる。すなわち、内導体端子のインピーダンスを同軸ケーブルの特性インピーダンスに近付けることで、内導体垂下部が幅広に形成されていないものや拡幅部が形成されていないものに比べて、VSWRを小さくすることができる。
一般に、内導体端子などの伝送線路を流れる信号の反射及び挿入損失は、インピーダンスの急激な変化により発生する。その点、このような構成によると、内導体垂下部に内導体垂下部が延びる方向に幅狭となる傾斜面が設けられているとともに、内導体垂下部の角部が丸みを帯びた鈍角に形成されていることから、内導体垂下部が延びる方向に対する内導体垂下部の断面形状を緩やかにすることができる。これにより、角部が丸みを帯びずに直角に形成され、かつ、傾斜面が形成されていないものに比べて、信号の反射及び挿入損失を小さくすることができる。すなわち、VSWRを小さくすることができる。
このような構成によると、上方から専用治具を配することで、内導体端子を押圧し、内導体端子を外導体端子の筒部に誘電体を介して圧入することができる。これにより、内導体リード部が上方に臨んでいないものに比べて、上方から専用治具を配して内導体端子を押圧することができる。
このような構成によると、壁部が他の部材などと接触するなどして損傷したり、壁部が変形して内導体リード部と壁部とが接触してショートしたりすることを保護壁によって防ぐことができる。
本発明の実施形態について図1乃至図13を参照して説明する。
本実施形態は、同軸ケーブルの端末に設けられた図示しない相手側コネクタと、電気機器などの図示しない回路基板とを接続する基板用コネクタ10である。
また、壁部47の幅方向両側には、保護壁65が配された形態となっている。これにより、壁部47に他の部材などが接触して損傷したり、壁部47が変形して内導体リード部24と壁部47とが接触してショートしたりすることを保護壁65によって防ぐことができるようなっている。
内導体端子20を通過する高周波信号は、内導体端子20内において信号の一部が反射され、内導体端子20内での反射が大きいほど、信号ロスが大きい。内導体端子20を高周波信号が通過するときに反射される信号の度合いは、電圧定在波比(VSWR)として表され、VSWRが大きいほど、内導体端子20内での反射が大きく、信号ロスが大きいとされている。また、VSWRは、以下に示す式により表される。
VSWR=(1+|Γ|)/(1−|Γ|)
Γ=(Z−Z0)/(Z+Z0)
この式において、Γは電圧反射係数、Zは内導体端子20のインピーダンス、Z0は同軸ケーブルの特性インピーダンスである。
上記の式では、内導体端子20のインピーダンスが同軸ケーブルの特性インピーダンスと完全に一致する(信号の反射が0となる)ことが理想とされ、Z=Z0のとき、VSWRは1となる。実際にはインピーダンスZを特性インピーダンスZ0に完全に一致させることはできないため(信号の反射を0にすることはできない)、VSWRは1を超える値となる。すなわち、高周波特性を向上させるには、内導体端子のVSWRを1に近付けることが重要となる。
ところが、本実施形態では、壁部47を内導体リード部24の側縁に対向して配し、内導体リード部24の側縁を壁部47によって幅方向両側から囲むことで、内導体リード部24のインピーダンスZを同軸ケーブルの特性インピーダンスZ0に近付けることができる。これにより、内導体端子20のVSWRが大きくなることを抑制することができる。
また、本実施形態によると、外導体端子40に蓋部を設ける必要がないため、外導体端子40の構造を簡素化できると共に、蓋部を曲げ加工して内導体端子20の後方を蓋部によって塞ぐ作業も必要ないため、外導体端子40の組み付け作業性を向上させることができる。
さらに、本実施形態によると、壁部47を内導体垂下部27の幅方向両側に配しているので、壁部47が内導体垂下部27の一側面に配されるものに比べて、内導体リード部24をより多く囲むことができる。
すなわち、本実施形態によると、内導体垂下部27を幅広にすると共に、拡幅部23を設けたことで、内導体端子20のインピーダンスを同軸ケーブルの特性インピーダンスに近付けることができ、VSWRが大きくなることを更に抑制することができる。
更に、拡幅部23の前端部も後方から前方に向かって角型圧入部22に近づくように傾斜して形成するとともに、拡幅部23における前端角部23Aも丸みを帯びた鈍角に形成することで、拡幅部23が延びる方向(前後方向)に対する拡幅部23の断面形状を緩やかにしている。これにより、角部が丸みを帯びずに直角に形成され、かつ、傾斜面29が形成されていないものに比べて、内導体端子20内を通過する信号の反射や挿入損失が大きくなることを抑制することができる。すなわち、VSWR及び挿入損失が大きくなることを抑制することができる。
本発明の実施例について図14及び図15を参照して説明する。
本実施例は、内導体端子20のVSWRと周波数との関係を図14に示し、内導体端子20の挿入損失と周波数との関係を図15に示している。
図14に示したグラフにおいて、X軸は内導体端子20内を通過する信号の周波数(GHz)を表したものであり、Y軸は各周波数における内導体端子20のVSWRを表したものである。
図14のグラフには、本実施形態の内導体端子20と、内導体端子20とは形状の異なる比較用内導体端子とのVSWRの測定結果が示されている。ここで、比較用内導体端子とは、本実施形態の外導体端子40の外導体垂下部45に壁部47と傾斜面29とが形成されておらず、かつ、拡幅部23の前端部が傾斜状に形成されていないものである。また、比較用内導体端子の内導体垂下部及び拡幅部の角部は、丸みを帯びていない直角に形成されている。
グラフ内の実線αは本実施形態における内導体端子20のVSWRを示し、破線βは比較用内導体端子のVSWRを示している。
ここで、両者の内導体端子のVSWRを比較すると、0.6GHz以降の周波数帯では本実施形態の内導体端子20のVSWR(実線α)が、比較用内導体端子のVSWR(破線β)に比べて小さくなっている。このように、本実施形態によると、壁部47を設けたことで、内導体リード部24のインピーダンスを小さくし、内導体端子20のVSWRを小さくすることができる。
図15に示したグラフにおいて、X軸は内導体端子20内を通過する信号の周波数(GHz)を表したものであり、Y軸は各周波数における内導体端子20の挿入損失(dB)の大きさを表したものである。
図15のグラフには、図14と同様に、本実施形態の内導体端子20と、内導体端子20とは形状の異なる比較用内導体端子とのVSWRの測定結果が示されている。グラフ内の実線αは本実施形態における内導体端子20の挿入損失を示し、破線βは比較用内導体端子の挿入損失を示している。
ここで、両者の内導体端子の挿入損失を比較すると、1.9GHz帯において、壁部47を設けた場合の挿入損失(実線α)が、壁部47がない場合の挿入損失(破線β)に比べて大幅に小さくなっている。このように、本実施形態では、内導体垂下部27及び拡幅部23の断面変化を緩やかにすることで、角部が丸みを帯びずに直角に形成され、かつ、傾斜面29が形成されていないものに比べて、1.9GHz帯における急激な挿入損失を抑制することができる。
すなわち、本実施形態によると、内導体端子20の高周波特性が低下することを抑制すると共に、外導体端子40の形状を簡素化することができる。また、外導体端子40に蓋部を設ける必要がないため、内導体端子20の後方部分を蓋部によって蓋するといった作業が発生しないことから、外導体端子40の組み付け作業性を向上させることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)上記実施形態では、内導体垂下部27を接続部21よりも幅広に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、内導体垂下部27の板厚を厚くするなどして、内導体垂下部27の幅寸法を接続部21とほぼ同じ幅寸法に構成してもよい。
20:内導体端子
21:接続部
23:拡幅部
24:内導体リード部
27:内導体垂下部
29:傾斜面
30:誘電体
40:外導体端子
41:本体筒部(筒部)
42:外導体リード部
45:外導体垂下部
47:壁部
60:コネクタハウジング
65:保護壁
Claims (7)
- 相手側端子に接続される内導体端子と、前記内導体端子の外周を覆う筒部を有する外導体端子と、前記内導体端子と前記外導体端子との間に配される絶縁材製の誘電体と、前記外導体端子を内部に収容して回路基板に固定されるコネクタハウジングとを備えた基板用コネクタであって、
前記内導体端子には、前記外導体端子の前記筒部から後方に臨んで露出され、前記回路基板側に延びて前記回路基板に接続される内導体リード部が設けられており、
前記外導体端子には、前記筒部から前記回路基板側に延びて前記回路基板に接続される外導体リード部が設けられており、
前記外導体リード部には、前記内導体リード部における前記筒部から前記回路基板までの側縁に対向して配される壁部が形成されていることを特徴とする基板用コネクタ。 - 前記外導体リード部には、前記筒部から前記回路基板側に延びる外導体垂下部が形成されており、
前記内導体リード部には、前記筒部側から前記回路基板側に延びる内導体垂下部が形成されており、
前記壁部は、前記外導体垂下部に設けられ、前記内導体垂下部よりも前後に延びて形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板用コネクタ。 - 前記壁部は、前記内導体垂下部の幅方向両側に配されていることを特徴とする請求項2記載の基板用コネクタ。
- 前記内導体端子は、
相手側端子に接続される接続部と、
前記接続部と前記内導体リード部との間に位置して、前記接続部よりも幅広な拡幅部とを備えて構成されており、
前記内導体垂下部は、前記接続部よりも拡幅して形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項3の何れか一項に記載の基板用コネクタ。 - 前記内導体垂下部の角部は、丸みを帯びた鈍角に形成されており、
前記内導体垂下部の前端部及び後端部には、前記内導体垂下部が延びる方向に前記内導体垂下部が幅狭となる傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の基板用コネクタ。 - 前記内導体端子は、前記誘導体に対して前記内導体リード部が露出された方向から圧入して組み付けるようになっており、
前記誘導体は、前記外導体端子の前記筒部に対して前記内導体リード部が露出された方向から圧入して組み付けるようになっており、
前記内導体リード部は、前記回路基板側とは反対側である上方に臨んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の基板用コネクタ。 - 前記コネクタハウジングには、前記壁部における内導体端子側とは反対側の位置に対向するように配された保護壁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の基板用コネクタ。
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