JP2013005765A - 液体中のatp測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、液体成分が持つ透過性や色やpHといった固有値を補正して、ATPを測定するATP測定方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のATP測定方法は、液体である試料中のATP量を測定する方法であって、前記試料中に含まれる微生物の細胞外に存在するATPを消去(S102)した後、前記試料中に含まれる微生物の細胞内に存在するATPを抽出する(S103)工程と、既知量のATPを含むATP標準液を所定の比率で添加した後、発光試薬を添加し、第一の発光量を測定する(S104)工程と、前記ATP標準液よりもATP量が少ないブランク液を所定の比率で添加した後、発光試薬を添加し、第二の発光量を測定する(S105)工程と、前記第一の発光量および前記第二の発光量に基づいて、前記試料中のATP量を算出する(S106)工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のATP測定方法は、液体である試料中のATP量を測定する方法であって、前記試料中に含まれる微生物の細胞外に存在するATPを消去(S102)した後、前記試料中に含まれる微生物の細胞内に存在するATPを抽出する(S103)工程と、既知量のATPを含むATP標準液を所定の比率で添加した後、発光試薬を添加し、第一の発光量を測定する(S104)工程と、前記ATP標準液よりもATP量が少ないブランク液を所定の比率で添加した後、発光試薬を添加し、第二の発光量を測定する(S105)工程と、前記第一の発光量および前記第二の発光量に基づいて、前記試料中のATP量を算出する(S106)工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体中のATP測定方法に関する。
従来、サンプル中の微生物の計数方法としては、微生物から抽出したATP(アデノシン三リン酸)を定量することで微生物を間接的に計数する、いわゆるATP測定法が知られている。このAPT測定法は、サンプルに含まれる微生物にATP抽出試薬を接触させることで微生物に内在するATPを抽出し、このATPに発光試薬を反応させた際の発光量に応じて微生物を計数する方法である。
このATP測定法は、水の衛生管理にも利用され(例えば、特許文献1参照)、茶系飲料中の微生物の測定にも利用されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、液体中の微生物を計数する場合、液体成分が持つ(原料由来の)透過性や色やpH(potential Hydrogen、power of Hydrogen)が、ATPの測定に影響を与える(阻害する)ため、正確に測定できないという問題点があった。
そこで、特許文献2には、茶系飲料と特定の緩衝液を混合し処理することで、微生物を破壊することなく茶系飲料中の原料由来ATPを抽出、遊離させ、後のATP消去剤との反応によるATP消去工程の効率を高めるだけでなく、化学発光を低減し、茶系飲料中の微生物由来ATPを測定する方法が開示されている。
そこで、特許文献2には、茶系飲料と特定の緩衝液を混合し処理することで、微生物を破壊することなく茶系飲料中の原料由来ATPを抽出、遊離させ、後のATP消去剤との反応によるATP消去工程の効率を高めるだけでなく、化学発光を低減し、茶系飲料中の微生物由来ATPを測定する方法が開示されている。
特許文献2おいて開示される測定方法は、アルカリ性の緩衝液であるATP消去前処理試薬によって、茶系飲料中成分に含まれる没食子酸やポリフェノール化学発光を生じさせることにより、後の工程で化学発光を生じにくくさせている(段落0020)。しかしながら、このATP消去前処理試薬と反応しない成分が含まれていた場合、バックグランド発光を十分に低減することはできない。
そこで、本発明は、液体成分が持つ透過性や色やpHといった固有値を補正して、ATPを測定するATP測定方法を提供することを課題とする。
本発明のATP測定方法は、液体である試料中のATP量を測定する方法であって、前記試料に、ATP消去試薬を添加して前記試料中に含まれる微生物の細胞外に存在するATPを消去した後、ATP抽出試薬を添加して前記試料中に含まれる微生物の細胞内に存在するATPを抽出する工程と、前記ATP消去試薬および前記ATP抽出試薬を添加した試料へ、既知量のATPを含むATP標準液を所定の比率で添加した後、発光試薬を添加し、第一の発光量を測定する工程と、前記ATP消去試薬および前記ATP抽出試薬を添加した試料へ、前記ATP標準液よりもATP量が少ないブランク液を前記所定の比率で添加した後、発光試薬を添加し、第二の発光量を測定する工程と、前記第一の発光量および前記第二の発光量に基づいて、前記試料中のATP量を算出する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、液体成分が持つ透過性や色やpHといった固有値を補正して、ATPを測定するATP測定方法を提供することが可能になる。
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」と呼ぶ)を、図等を参照しながら詳細に説明する。また、本実施形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1および図2を参照して、ATP測定方法を説明する。ここでは、サンプル液(試料)として、例えば、飲料(緑茶や烏龍茶や紅茶等の茶系飲料、清涼飲料等)や医薬品(点滴液、注射液等)を想定して説明する。
(ATP標準液の発光量測定)
まず、既知量のATPを含む溶液(以下、ATP標準液という)を調製する。そして、調製したATP標準液に発光試薬を添加し、発光量を測定する(図1のS101)。発光試薬としては、例えば、ルシフェラーゼ・ルシフェリン試薬が挙げられる。なお、ATP標準液は、測定を阻害する物質等が含まれていないものとする。
まず、既知量のATPを含む溶液(以下、ATP標準液という)を調製する。そして、調製したATP標準液に発光試薬を添加し、発光量を測定する(図1のS101)。発光試薬としては、例えば、ルシフェラーゼ・ルシフェリン試薬が挙げられる。なお、ATP標準液は、測定を阻害する物質等が含まれていないものとする。
この発光量は、ATP量と相関関係があることは公知である。発光量とATP量との相関関係を、図2に示す。図2(a)は、ATP標準液のATP量をsとし、発光量をSとすることを示す。図2(b)の縦軸は発光量を、横軸はATP量を示す。前記のように、ATP標準液に含まれるATP量は既知であるため、横軸の位置(s)が特定できる。そして、図1のS101において測定したATP標準液の発光量(S)を縦軸にとると、図2(b)に示す「●」の位置が特定できる。この「●」から、検量線(1)を特定することができる。なお、この検量線(1)の傾きAを、換算係数Aと呼ぶ。この換算係数Aは、発光量からATP量を求めるための係数である。
(サンプル液中の阻害物質消去)
次に、サンプルとなる液体にATP消去試薬を添加し、溶液1を調整する。ATP消去試薬としては、例えば、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、及び、アデノシントリホスファターゼ、アデノシンリン酸デアミナーゼからなる群より選ばれる少なくとも一種が用いられる。このように、サンプル液にATP消去試薬を添加することで、サンプル液中に含まれる微生物の細胞外に存在するATP(阻害物質)が消去される(S102)。そして、阻害物質を消去することで、微生物の細胞内に存在するATPの測定が可能となる。
次に、サンプルとなる液体にATP消去試薬を添加し、溶液1を調整する。ATP消去試薬としては、例えば、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、及び、アデノシントリホスファターゼ、アデノシンリン酸デアミナーゼからなる群より選ばれる少なくとも一種が用いられる。このように、サンプル液にATP消去試薬を添加することで、サンプル液中に含まれる微生物の細胞外に存在するATP(阻害物質)が消去される(S102)。そして、阻害物質を消去することで、微生物の細胞内に存在するATPの測定が可能となる。
(サンプル液中のATP抽出)
次に、溶液1にATP抽出試薬を添加し、溶液2を調整する。ATP抽出試薬としては、例えば、界面活性剤、トリクロロ酢酸(TCA)、トリス緩衝液、エタノール、プロテアーゼ活性を有する溶菌酵素等を含むものが使用される。このように、溶液1にATP抽出試薬を添加することで、溶液1(サンプル液)中に含まれる微生物の細胞膜が溶解され、内在するATPが抽出される(S103)。そして、抽出されたATPと発光試薬とを反応させることが可能となる。
次に、溶液1にATP抽出試薬を添加し、溶液2を調整する。ATP抽出試薬としては、例えば、界面活性剤、トリクロロ酢酸(TCA)、トリス緩衝液、エタノール、プロテアーゼ活性を有する溶菌酵素等を含むものが使用される。このように、溶液1にATP抽出試薬を添加することで、溶液1(サンプル液)中に含まれる微生物の細胞膜が溶解され、内在するATPが抽出される(S103)。そして、抽出されたATPと発光試薬とを反応させることが可能となる。
(サンプル液+ATP標準液の発光量測定)
次に、溶液2にATP標準液を添加し、溶液3を調整する。そして、調製した溶液3に発光試薬を添加し、発光量を測定する(S104)。このように、溶液2(サンプル液)にATP標準液を添加することで、溶液3全体のATP量が増加し、発光試薬を添加した際の発光量も増加することになる。これにより、サンプル液中の微生物が微量であっても、測定装置の感度を上回る発光量が得られ、発光量の測定が可能となる。なお、ATP標準液の添加量は、発光量を測定する機器が測定可能な範囲で、添加する。ここでは、サンプル液の量をaとし、ATP標準液の添加量をbとする。
次に、溶液2にATP標準液を添加し、溶液3を調整する。そして、調製した溶液3に発光試薬を添加し、発光量を測定する(S104)。このように、溶液2(サンプル液)にATP標準液を添加することで、溶液3全体のATP量が増加し、発光試薬を添加した際の発光量も増加することになる。これにより、サンプル液中の微生物が微量であっても、測定装置の感度を上回る発光量が得られ、発光量の測定が可能となる。なお、ATP標準液の添加量は、発光量を測定する機器が測定可能な範囲で、添加する。ここでは、サンプル液の量をaとし、ATP標準液の添加量をbとする。
(サンプル液+ブランク液の発光量測定)
次に、溶液2にブランク液を添加し、溶液4を調整する。また、ブランク液の添加量は、溶液4が溶液3と同じ希釈率になるように、添加する。ここでは、サンプル液の量をaとし、ブランク液の添加量をbとする。なお、ブランク液とは、ATP標準液よりもATPを含まない溶液(ATPの含有量既知)のことをいい、好ましくはATPがゼロの溶液がよい。ブランク液は、市販の、ATPフリーの水、DNA(Deoxyribonucleic acid)フリーの水、タンパク質フリーの水を用いることができる。
そして、調製した溶液4に発光試薬を添加し、発光量を測定する(S105)。このように、溶液2(サンプル液)に、S104で添加したATP標準液と同量のブランク液を添加することで、溶液3と同じ条件(液量比が同一等)で発光量を測定することが可能となる。
次に、溶液2にブランク液を添加し、溶液4を調整する。また、ブランク液の添加量は、溶液4が溶液3と同じ希釈率になるように、添加する。ここでは、サンプル液の量をaとし、ブランク液の添加量をbとする。なお、ブランク液とは、ATP標準液よりもATPを含まない溶液(ATPの含有量既知)のことをいい、好ましくはATPがゼロの溶液がよい。ブランク液は、市販の、ATPフリーの水、DNA(Deoxyribonucleic acid)フリーの水、タンパク質フリーの水を用いることができる。
そして、調製した溶液4に発光試薬を添加し、発光量を測定する(S105)。このように、溶液2(サンプル液)に、S104で添加したATP標準液と同量のブランク液を添加することで、溶液3と同じ条件(液量比が同一等)で発光量を測定することが可能となる。
(換算係数Bの算出、サンプル液中のATP量の算出)
次に、溶液3および溶液4の、発光量およびATP量の差異に基づいて、換算係数Bを算出する。この換算係数Bは、発光量からATP量を求めるための係数である。換算係数Bを算出する手順について、図3を参照して説明する。
次に、溶液3および溶液4の、発光量およびATP量の差異に基づいて、換算係数Bを算出する。この換算係数Bは、発光量からATP量を求めるための係数である。換算係数Bを算出する手順について、図3を参照して説明する。
図3(a)は、図3(b)に示すプロット各点のATP量、発光量、液量比を示す。図3(b)の縦軸は発光量を、横軸はATP量を示す。図1のS104において測定した溶液3(サンプル液+ATP標準液)の発光量をYとし、溶液3に含まれるATP量をx+sとする。また、図1のS105において測定した溶液4(サンプル液+ブランク液)の発光量をXとし、溶液4に含まれるATP量をxとする。溶液3および溶液4の、発光量の差異とATP量の差異とに基づいて、検量線の傾きを算出し、検量線(2)を特定することができる。なお、この検量線(2)の傾きBを、換算係数Bと呼ぶ。
また、前記のようにサンプル液は、飲料や医薬品であるため、原料由来の透過性や色やpHが、発光量に影響を与える。そのため、換算係数Bを溶液3および溶液4の発光量に基づいて算出することで、原料由来の透過性や色やpHによる影響を考慮(補正)した換算係数を求めることが可能となる。そして、この換算係数Bに基づいて、サンプル液中のATP量を求めることが可能となる(S106)。
(測定の妥当性評価)
次に、測定の妥当性を評価する(S107)。前記のように、ATP測定法は従来から利用されており、このATP測定法によって微生物を計数する微生物計数装置も知られている。そこで、本実施形態のATP測定方法を、微生物計数装置において実施する場合、算出した換算係数Bやサンプル液中のATP量が、微生物計数装置が測定可能な範囲内であるか否か、すなわち、測定の妥当性があるか否かを検討することが好ましい。
ここで、微生物計数装置が測定可能な範囲とは、微生物計数装置の性能等を考慮し、測定値(測定結果)の信頼性が担保されている範囲をいう。
次に、測定の妥当性を評価する(S107)。前記のように、ATP測定法は従来から利用されており、このATP測定法によって微生物を計数する微生物計数装置も知られている。そこで、本実施形態のATP測定方法を、微生物計数装置において実施する場合、算出した換算係数Bやサンプル液中のATP量が、微生物計数装置が測定可能な範囲内であるか否か、すなわち、測定の妥当性があるか否かを検討することが好ましい。
ここで、微生物計数装置が測定可能な範囲とは、微生物計数装置の性能等を考慮し、測定値(測定結果)の信頼性が担保されている範囲をいう。
図4には、図2(b)で示した検量線(1)と、図3(b)で示した検量線(2)が示されている。原料由来の透過性や色やpHによる影響は、図4に示す検量線(3)(傾き:B1)のように、発光量を増加させる場合も考えられる。また、原料由来の透過性や色やpHによる影響は、図4に示す検量線(4)(傾き:B2)のように、発光量を大幅に減少させる場合も考えられる。さらに、原料由来の透過性や色やpHによる影響は、発光量を大幅に増大させる場合も考えられる(検量線の図示は省略)。
前記のように、ATP標準液には、測定を阻害する物質等が含まれていない。そのため、ATP標準液の測定では、高い精度でATP量を測定することができる。換言すれば、ATP標準液の測定では、ATP量が少なくても、測定可能である。ここで、微生物計数装置がATP標準液を測定可能な範囲の下限を、γa(図4)とする。
一方、サンプル液の測定では、原料由来の透過性や色やpHによる影響がある。そのため、サンプル液の測定では、ATP標準液の測定よりも、精度が低くなる。換言すれば、サンプル液の測定では、ATP量が少ないと、測定不可能である。ここで、微生物計数装置がサンプル液を測定可能な範囲の下限を、γb(図4)とする。
なお、サンプル液の測定において、原料由来の透過性や色やpHによる影響が少ない場合または影響がない場合は、ATP標準液の測定と同様に、ATP量が少なくても測定可能である。
なお、サンプル液の測定において、原料由来の透過性や色やpHによる影響が少ない場合または影響がない場合は、ATP標準液の測定と同様に、ATP量が少なくても測定可能である。
測定の妥当性評価は、このような、微生物計数装置が測定可能な範囲に基づいて、ステップS106(図1)において算出した値が、サンプル液のATP量として妥当であるか否かを評価することにより行われる。図4に示すx2は、微生物計数装置がATP標準液を測定可能な範囲の下限(γa)よりも大きい。仮に、検量線(4)を特定する基となったサンプル液に、測定を阻害する物質等が極めて少ないまたは含まれていない場合は、原料由来の透過性や色やpHによる影響がほとんどないため、x2がサンプル液のATP量として妥当であると評価される。
しかし、当該サンプル液の測定において、原料由来の透過性や色やpHによる影響がある場合は、x2が、微生物計数装置がATP標準液を測定可能な範囲の下限(γa)より大きくても、サンプル液のATP量とするには妥当性に欠けると考えられる。そこで、微生物計数装置がサンプル液を測定可能な範囲の下限(γb)に基づいて、x2をサンプル液のATP量とした場合に妥当性があるか否かを評価する。図4においてx2は、サンプル液を測定可能な範囲の下限(γb)よりも小さいため、x2は、サンプル液のATP量として妥当でないと評価される。
また、測定の妥当性評価は、図4に示す各検量線に基づいて行うこともできる。検量線に基づく妥当性評価は、検量線の傾きにより行うことができる。例えば、ATP標準液から特定した検量線(1)の場合、使用した発光試薬や溶媒等によって、傾きが変化することがある。そこで、微生物計数装置に適した条件において検量線を求め、その傾きを基準値として予め設定しておく。そして、この基準値と検量線(1)の傾きとを比較し、その差異に基づいて評価を行う。差異が大きい場合は、このATP標準液および/または発光試薬を使用した測定は妥当でないと評価される。一方、差異が小さい場合は、このATP標準液および/または発光試薬を使用した測定は妥当であると評価される。なお、この差異の大小を判断する閾値は、予め設定しておく。
そして、妥当であると評価された場合、この検量線(1)に基づいて、サンプル液から特定した検量線(2)〜(4)の妥当性を評価する。前記のように、原料由来の透過性や色やpHの影響によって、サンプル液から特定した検量線は、傾きが変化することがある。そこで、妥当であると評価された検量線(1)の傾きを基準値として、この基準値と検量線(2)〜(4)の傾きとを比較し、その差異に基づいて評価を行う。差異が大きい場合は、このサンプル液は原料由来の透過性や色やpHによる影響が大きいため、その影響を補正できる範囲を超え、測定は妥当でないと評価される。一方、差異が小さい場合は、このサンプル液は原料由来の透過性や色やpHによる影響が補正できる範囲内であり、測定は妥当であると評価される。なお、この差異の大小を判断する閾値は、予め設定しておく。
(まとめ)
本実施形態によれば、液体成分が持つ透過性や色やpHといった固有値を補正して、ATP量を測定することが可能となる。また、測定の妥当性を評価することにより、正しいATP量を求めることができるようになるため、測定結果の信頼性が担保される。
本実施形態によれば、液体成分が持つ透過性や色やpHといった固有値を補正して、ATP量を測定することが可能となる。また、測定の妥当性を評価することにより、正しいATP量を求めることができるようになるため、測定結果の信頼性が担保される。
なお、前記した実施形態は、本発明を実施するための好適なものであるが、その実施形式はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更することが可能である。例えば、発光量を測定する順番は、図1に示す順番に限らない。
S101 ATP標準液の発光量測定(第三の発光量を測定)
S102 サンプル液中の阻害物質消去(微生物の細胞外に存在するATPを消去)
S103 サンプル液中の阻害物質消去(微生物の細胞内に存在するATPを抽出)
S104 サンプル液+ATP標準液の発光量測定(第一の発光量を測定)
S105 サンプル液+ブランク液の発光量測定(第二の発光量を測定)
S106 換算係数Bの算出、サンプル液中のATP量の算出(第一の発光量および第二の発光量に基づいて試料中のATP量を算出)
S107 測定の妥当性評価(発光試薬および/またはATP標準液の妥当性評価、試料中のATP量の妥当性評価)
S102 サンプル液中の阻害物質消去(微生物の細胞外に存在するATPを消去)
S103 サンプル液中の阻害物質消去(微生物の細胞内に存在するATPを抽出)
S104 サンプル液+ATP標準液の発光量測定(第一の発光量を測定)
S105 サンプル液+ブランク液の発光量測定(第二の発光量を測定)
S106 換算係数Bの算出、サンプル液中のATP量の算出(第一の発光量および第二の発光量に基づいて試料中のATP量を算出)
S107 測定の妥当性評価(発光試薬および/またはATP標準液の妥当性評価、試料中のATP量の妥当性評価)
Claims (4)
- 液体である試料中のATP量を測定する方法であって、
前記試料に、ATP消去試薬を添加して前記試料中に含まれる微生物の細胞外に存在するATPを消去した後、ATP抽出試薬を添加して前記試料中に含まれる微生物の細胞内に存在するATPを抽出する工程と、
前記ATP消去試薬および前記ATP抽出試薬を添加した試料へ、既知量のATPを含むATP標準液を所定の比率で添加した後、発光試薬を添加し、第一の発光量を測定する工程と、
前記ATP消去試薬および前記ATP抽出試薬を添加した試料へ、前記ATP標準液よりもATP量が少ないブランク液を前記所定の比率で添加した後、発光試薬を添加し、第二の発光量を測定する工程と、
前記第一の発光量および前記第二の発光量に基づいて、前記試料中のATP量を算出する工程と、
を含むことを特徴とするATP測定方法。 - 前記算出した前記試料中のATP量と、測定結果の信頼性が担保される範囲を示す所定の値とを比較し、それらの大小関係に基づいて、前記算出した前記試料中のATP量の妥当性を評価する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のATP測定方法。 - 前記ATP標準液に、発光試薬を添加して第三の発光量を測定する工程と、
前記第三の発光量とATP量との相関関係を示す第一のグラフを特定する工程と、
前記第一のグラフの傾きと、測定に適した条件で特定されたグラフの傾きとを比較し、その差異に基づいて、前記発光試薬および/または前記ATP標準液の妥当性を評価する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のATP測定方法。 - 前記第一の発光量および前記第二の発光量と前記試料へ添加した前記ATP標準液に含まれるATP量との相関関係を示す第二のグラフを特定する工程と、
前記第一のグラフの傾きと、前記第二のグラフの傾きとを比較し、その差異に基づいて、前記算出した前記試料中のATP量の妥当性を評価する工程と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載のATP測定方法。
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