JP2013003617A - 部材割付システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】予め求めた初期実行可能解の目的関数の値を最大値とし、原材料の使用枚数について緩和された制約条件式0≦xi≦1を設定してシンプレックス演算処理をする。その結果得られた目的関数の値を最小値として、その範囲の目的関数の値をとる原材料の使用枚数の組合せを列挙する。その後、原材料の使用枚数の組合せを固定した制約条件でシンプレックス演算処理を実行し、得られた複数の非整数解を所定の評価式で評価する。初期実行可能解を面材固有のFF法により求め、探索の結果をFF法に当てはめて、板取りと切断順を出力する。
【選択図】図1
Description
〈構成1〉
それぞれ所定の長方形のm枚の製品を、それぞれ所定の長方形のk種類の原材料から切り出すときに必要な各種類の原材料の枚数を求め、各原材料に割り付ける製品の組合せを最適化するものであって、
求められているm枚の製品の横長データと縦長データの入力を受け付けて、製品の横長を要素とするm次の製品横長ベクトルwpと、製品の縦長を要素とするm次の製品縦長ベクトルhpと、製品の面積を要素とするm次の製品面積ベクトルspと、製品要求数量を要素とする製品要求数量ベクトルbとを生成して、記憶装置に記憶させる製品設定手段と、
用意されたk種類の長方形の原材料データの入力を受け付けて、原材料の横長を要素とするk次の原材料横長ベクトルwmと、原材料の縦長を要素とするk次の原材料縦長ベクトルhmと、原材料の面積を要素とするk次の原材料面積ベクトルsmと、原材料の種類番号を要素とするk次の原材料番号ベクトルnmとを生成し、記憶装置に記憶させる原材料設定手段と、
割付け製品の面積は原材料面積ベクトルsmの要素のうちのいずれかの原材料の面積S以下であるとする第1評価条件(sp,aj)(内積)≦Sと、隣接する製品が重ならないとする第2評価条件wpi+wpj≦wmlまたはhpi+hpj≦hmlと、
割付パターンベクトルajが予め定めた割付け方法で割付け可能であるとする第3評価条件とを含む、2次元モデル条件を生成して、記憶装置に記憶させる2次元モデル条件生成手段と、
求められている前記m枚の製品の製品横長データと製品縦長データとを用意された前記k種類の原材料の原材料横長データと原材料縦長データと比較して、
前記第1評価条件と第2評価条件と第3評価条件とを含む2次元モデル条件を満たす、1枚または複数枚の製品を経済的に割り付けることができる原材料と製品の関係を示す、m次の割付パターンベクトルajを列挙する割付パターンベクトル生成手段と、
前記割付パターンベクトル生成手段の生成した割付パターンベクトルを並べた割付パターン行列Aを生成して、記憶装置に記憶させる割付パターン行列生成手段と、
k種類の原材料から任意に選択したn枚の原材料に対して、それぞれm枚の製品のうちのいずれかの製品を割り付けたとき、選択したn枚の原材料の使用枚数を表すために、要素がxiのn次の使用枚数ベクトルxを定義し、
前記n枚の原材料それぞれに対応するn次の費用係数ベクトルfと前記使用枚数ベクトルxの積の総和を示す目的関数を生成して、記憶装置に記憶させる目的関数生成手段と、
前記割付パターン行列Aから選択されたn個の割付パターンで切り出した各製品数は、それぞれ求められている各製品の数量以上でなければならないとする第1制約条件式Ax≧bと緩和された第3制約条件式0≦xi≦1を生成して、記憶装置に記憶させる制約条件生成手段と、
前記予め定めた割付け方法で求められた初期実行可能解の入力を受け付けて、記憶装置に記憶する初期設定手段と、
前記初期実行可能解と前記目的関数と前記制約条件式の入力を受け付けて、シンプレックス演算処理を実行するシンプレックス演算手段と、
前記シンプレックス演算手段処理により、xiの値が0または1のいずれかであって、それ以外のものを含まない解のときは、その解を最適解として面材割付データを出力し、それ以外の場合には、前記初期実行可能解の目的関数の値を最大値とし、前期シンプレックス演算処理の結果得られた目的関数の値を最小値として、その範囲の目的関数の値をとる原材料の使用枚数の組合せを列挙し、その中から目的関数が前記最小値に近いものを選択して、前記制約条件生成手段に対して、どの種類の原材料を何枚選択して割付けに使用するかを定める、原材料使用行列Cと原材料の使用枚数ベクトルの積が原材料使用予定数量ベクトルdと等しいとする第2制約条件式Cx=dの生成を依頼し、前記第1制約条件式と前記第2制約条件式と前記第3制約条件式の制約条件下で、シンプレックス演算手段に演算処理を依頼し、その後得られたシンプレックス演算処理により、xiの値が0または1のいずれかであって、それ以外のものを含まない解のときは、その解を最適解として面材割付データを出力し、それ以外の場合には、列挙された前記原材料の使用枚数の組合せの中から、目的関数の値が前記最小値に近い次の候補を選択して、前記制約条件生成手段に対して、新たな第2制約条件式Cx=dの生成を依頼し、この新たな制約条件下で、シンプレックス演算手段に演算処理を依頼するという動作を繰り返すように制御する探索制御手段を備えたことを特徴とする部材割付システム。
構成1に記載の部材割付システムにおいて、前記第1制約条件式と第3制約条件式の制約条件の下で、または前記第1制約条件式と前記第2制約条件式と前記第3制約条件式の下で、前記シンプレックス演算処理を実行し、非整数解を伴う実行可能解が得られたときであって、複数の解が存在するとき、予め定めた判定手段で、別の解を求めるシンプレックス演算処理を繰り返すことを特徴とする部材割付システム。
構成2に記載の部材割付システムにおいて、前記予め定めた判定手段は、前記xiが前記制約条件を満たしながら0から1までの間の数値をとり、評価式Σf(xi)の値の最大値が一定値になる関数であるとき、後から得られた非整数解による前記評価式の値が先に得られた非整数解による前記評価式の値に比べて増加していれば、判定基準を満たすと判定する手段であることを特徴とする部材割付システム。
構成2に記載の部材割付システムにおいて、前記予め定めた判定手段は、前記xiが前記制約条件を満たしながら0から1までの間の数値をとり、評価式Σf(xi)の値の最小値が一定値になる関数であるとき、後から得られた非整数解による前記評価式の値が先に得られた非整数解による前記評価式の値に比べて減少していれば、判定基準を満たすと判定する手段であることを特徴とする部材割付システム。
構成3乃至4に記載の部材割付システムにおいて、順次得られた非整数解による前記評価式の値を焼き鈍し法を用いて比較をする判定基準により判定することを特徴とする部材割付システム。
構成5に記載の部材割付システムにおいて、非整数解であって局所最適解を通過した場合に、評価式の値がいったん減少してから増加に転じる状態にあるときに前記判定基準を満たすと判定することを特徴とする部材割付システム。
構成1乃至6のいずれかに記載の部材割付システムにおいて、前記探索制御手段は、前記シンプレックス演算手段に演算処理を依頼するという動作の繰り返し回数に上限を設けたことを特徴とする部材割付システム。
構成1乃至7のいずれかに記載の部材割付システムにおいて、前記予め定めた割付け方法は、製品を横長の大きいものから順に配列し、原材料を横長の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法で割付けを実行する処理か、製品を縦長の大きいものから順に配列し、原材料を縦長の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法で割付けを実行する処理か、もしくは、製品を面積の大きいものから順に配列し、原材料を面積の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法で割付けを実行する処理のいずれかであることを特徴とする部材割付システム。
構成1乃至8に記載の部材割付システムから出力される部材割り付けデータを受け入れて、前記m枚の製品を、順次供給される前記k種類の原材料から切り出すプレカット装置を備えたことを特徴とする部材加工装置。
構成9に記載の部材加工装置において、前記2次元モデル条件を満たすかどうかの判定処理において、前記予め定めた割付け方法で割付け可能かどうかの判定結果を記憶装置に記憶しておき、前記判定結果を使用して、全ての原材料について、製品の割付け位置と原材料の切断位置と切断順とを含む、カッティング手順データを生成して出力することを特徴とする部材加工装置。
コンピュータを、構成1乃至8に記載の各手段として機能させる部材割付プログラム。
コンピュータを、構成1乃至8に記載の各手段として機能させる部材割付プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
それぞれ所定の長方形のm枚の製品を、それぞれ所定の長方形のk種類の原材料から切り出すときに必要な各種類の原材料の枚数を求め、各原材料に割り付ける製品の組合せを最適化する方法であって、
製品設定手段が、求められているm枚の製品の横長データと縦長データの入力を受け付けて、製品の横長を要素とするm次の製品横長ベクトルwpと、製品の縦長を要素とするm次の製品縦長ベクトルhpと、製品の面積を要素とするm次の製品面積ベクトルspと、製品要求数量を要素とする製品要求数量ベクトルbとを生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
原材料設定手段が、用意されたk種類の長方形の原材料データの入力を受け付けて、原材料の横長を要素とするk次の原材料横長ベクトルwmと、原材料の縦長を要素とするk次の原材料縦長ベクトルhmと、原材料の面積を要素とするk次の原材料面積ベクトルsmと、原材料の種類番号を要素とするk次の原材料番号ベクトルnmとを生成し、記憶装置に記憶させるステップと、
2次元モデル条件生成手段が、割付け製品の面積は
割付け製品の面積は原材料面積ベクトルsmの要素のうちのいずれかの原材料の面積S以下であるとする第1評価条件(sp,aj)(内積)≦Sと、隣接する製品が重ならないとする第2評価条件
wpi+wpj≦wml または
hpi+hpj≦hmlと、
割付パターンベクトルajが予め定めた割付け方法で割付け可能であるとする第3評価条件とを含む、2次元モデル条件を生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
割付パターンベクトル生成手段が、求められている前記m枚の製品の製品横長データと製品縦長データとを用意された前記k種類の原材料の原材料横長データと原材料縦長データと比較して、1枚または複数枚の製品を経済的に割り付けることができる原材料と製品の関係を示す、m次の割付パターンベクトルajを列挙するステップと、
割付パターン行列生成手段が、前記割付パターンベクトル生成手段の生成した割付パターンベクトルを並べた割付パターン行列Aを生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
目的関数生成手段が、k種類の原材料から任意に選択したn枚の原材料に対して、それぞれm枚の製品のうちのいずれかの製品を割り付けたとき、選択したn枚の原材料の使用枚数を表すために、要素がxiのn次の使用枚数ベクトルxを定義し、
前記n枚の原材料それぞれに対応するn次の費用係数ベクトルfと前記使用枚数ベクトルxの積の総和を示す目的関数を生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
制約条件生成手段が、前記割付パターン行列Aから選択されたn個の割付パターンで切り出した各製品数は、それぞれ求められている各製品の数量以上でなければならないとする第1制約条件式Ax≧bと緩和された第3制約条件式0≦xi≦1を生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
初期設定手段が、前記予め定めた割付け方法で求められた初期実行可能解の入力を受け付けて、記憶装置に記憶するステップと、
シンプレックス演算手段が、前記初期実行可能解と前記目的関数と前記制約条件式の入力を受け付けて、シンプレックス演算処理を実行するステップと、
探索制御手段が、前記シンプレックス演算手段処理により、xiの値が0または1のいずれかであって、それ以外のものを含まない解のときは、その解を最適解として面材割付データを出力し、それ以外の場合には、前記初期実行可能解の目的関数の値を最大値とし、前期シンプレックス演算処理の結果得られた目的関数の値を最小値として、その範囲の目的関数の値をとる原材料の使用枚数の組合せを列挙し、その中から目的関数が前記最小値に近いものを選択して、前記制約条件生成手段に対して、どの種類の原材料を何枚選択して割付けに使用するかを定める、原材料使用行列Cと原材料の使用枚数ベクトルの積が原材料使用予定数量ベクトルdと等しいとする第2制約条件式Cx=dの生成を依頼し、前記第1制約条件式と前記第2制約条件式と前記第3制約条件式の制約条件下で、シンプレックス演算手段に演算処理を依頼し、その後得られたシンプレックス演算処理により、xiの値が0または1のいずれかであって、それ以外のものを含まない解のときは、その解を最適解として面材割付データを出力し、それ以外の場合には、列挙された前記原材料の使用枚数の組合せの中から、目的関数の値が前記最小値に近い次の候補を選択して、前記制約条件生成手段に対して、新たな第2制約条件式Cx=dの生成を依頼し、この新たな制約条件下で、シンプレックス演算手段に演算処理を依頼するという動作を繰り返すように制御するステップを含むことを特徴とする部材割付方法。
ることができる。
図の部材割付システム10は、コンピュータ12にインストールされたコンピュータプログラムにより動作する。このシステムは、例えば、コンピュータ12に対してネットワーク14を介して接続された端末装置16により利用される。端末装置16は、例えば、面材をプレカットするプレカット工場に設けられている。部材割付システム10は、この端末装置16からプレカットのための条件データを受け付けて、計算処理を実行してその結果を返す。端末装置16は、返された部材割付データを使用して、プレカット装置17を制御する。プレカット装置17には、例えば、特許文献3に記載されたとおりのものを使用することができる。
部材割付システム10の具体的な機能を説明する前に、部材割付システム10のハードウエアを説明する。図のように、コンピュータ12の本体ケース3中に収められた内部バス110には、CPU(中央処理装置)111と、ROM(リードオンリメモリ)112と、RAM(ランダムアクセスメモリ)113と、HDD(ハードディスク)114と、入出力インタフェース115と、ネットワークインタフェース116とが接続されている。入出力インタフェース115には、ディスプレイ3とキーボード4とマウス5とが接続されている。ネットワークインタフェース116には、ネットワーク14を介して、端末装置16が接続されている。以上のハードウェアは一般的によく知られたパーソナルコンピュータに備えられているものと変わらない。端末装置16は、プレカット装置17の部材選択供給装置120に、部材割付データを53(図1)を供給する。これにより、指定された原材料が部材切断装置121に供給され、指定された割付パターンで切断される。切断された製品は製品搬送装置122により搬送され排出される。
この図を参照しながら、演算処理に使用するパラメータの定義と、上記の各コンピュータプログラムの機能を説明する。
[製品長ベクトル]
生産されるべき製品の数量をm枚とする。
製品長を例えば、単位m(メートル)で表現する。
m次の製品横長ベクトルwp(行ベクトル)を下記のように定義する。
wp=(wp1,wp2,…,wpm)
m次の製品縦長ベクトルhp(行ベクトル)を下記のように定義する。
hp=(hp1,hp2,…,hpm)
m次の製品面積ベクトルsp(行ベクトル)を下記のように定義する。
sp=(sp1,sp2,…,spm)
なお、spi=wpi×hpi(i=1,2,…,m)である。
数量mの製品の生産が要求されているとき、製品要求数量ベクトルbを、下記のように定義する。なお、この実施例では、計算を単純化するために、全てbi=1として説明をする。実際には、biは任意の正の整数でよい。
b=(b1,b2,…,bm)T
(上付きTは転置を表す。即ち、bは列ベクトルである。以下も同様)
図3の例では数量m=7で、b=(1,1,1,1,1,1,1)Tである。
製品設定手段21は、求められているm枚の製品について、横長データと縦長データの入力を受け付けて、製品横長ベクトルwpと製品縦長ベクトルhpと製品面積ベクトルspと、製品要求数量を要素とする製品要求数量ベクトルb42を生成して、記憶装置40に記憶させる。
原材料はk種類ある。原材料の縦横寸法を、例えば、単位m(メートル)で表現する。
k次の原材料横長ベクトルwm(行ベクトル)を下記のように定義する。
wm=(wm1,wm2,…,wmk)
k次の原材料縦長ベクトルhm(行ベクトル)を下記のように定義する。
hm=(hm1,hm2,…,hmk)
k次の原材料面積ベクトルsm(行ベクトル)を下記のように定義する。
sm=(sm1,sm2,…,smk)
なお、smi=wmi×hmi(i=1,2,…,k)である。
k次の原材料番号ベクトルnm(行ベクトル)を下記のように定義する。
nm=(1,2,…,k) このi番目の要素「i」は横長がwmi、縦長がhmi、面積がsmiの原材料番号を表す。
原材料設定手段22は、用意されたk種類の原材料について、横長データと縦長データの入力を受け付けて、k次の原材料横長ベクトルwmとk次の原材料縦長ベクトルhmとk次の原材料面積ベクトルsmとk次の原材料番号ベクトルnmを生成し、記憶装置40に記憶させる。
原材料使用予定数量ベクトルd45(列ベクトル)は、実行可能なある解に対して、k種類の長さの材料がそれぞれ何枚ずつ使用されるかを示す。これを下記のように定義する。
d=(d1,d2,…,dk)T
例えば、図3はk=3で、原材料を、それぞれ1枚、2枚、1枚と、合計4枚使用する場合には、
d=(d1,d2,d3)T=(1,2,1)Tである。
原材料使用予定数量ベクトルd45は、後で説明する第3制約条件式で使用される。
k種類の原材料から任意に選択したn枚の原材料に対して、それぞれm枚の製品のうちのいずれかの製品を割り付ける。このとき、選択したn枚の原材料の使用枚数を表すn次の使用枚数ベクトルxを、下記のように定義する。なお、k種類の原材料からn枚の原材料を選択するとき、同一の原材料を2度以上重複して選択して構わない。
x=(x1,x2,…,xn)T
なお、計算を単純化するために、製品要求数量ベクトルbの要素を全てbi=1としたので、m次の使用枚数ベクトルxの各要素xiは0≦xi≦1となり、部材割付の結果として意味を持つのは、xiが0または1の場合である。
上記の原材料使用予定数量ベクトルが、d=(d1,d2,d3)のときには、例えば、原材料を(wm1,wm2,wm2,wm3)と列挙する。これら4枚の原材料に対して、それぞれ求められている製品を割り付ける。このとき、最初のwm1に対してx1、2番目のwm2に対してx2、3番目のwm2に対してx3、4番目のwm3に対してx4を設定する。図の例では、x1=x2=x3=x4=1である。選択される原材料と選択されない原材料とを列挙したとき、選択される原材料に設定されるxiの値は1である。選択されない原材料に設定されるxiの値は0である。使用枚数ベクトルxは制約条件式で使用される。
いずれか1枚の原材料から、数量mの製品のうちのいずれかを切り出すように割り付けたデータを、m次の割付パターンベクトルaj(列ベクトル)で表す。これを下記のように定義する。
aj=(a1j,a2j,…,amj)T (j=1,2,…,n)
即ち、m次のベクトルがn個ある。
例えば、、下記に、図3(c)の例における割付パターンベクトルを示す。なお、図3(c)の図は下式とは整合していない。
wm1にwp2とwp6をそれぞれ1枚割付けたとすると、
(0,1,0,0,0,1,0)T
wm2にwp1を1枚割付けたとすると
(1,0,0,0,0,0,0)T
wm2にwp3とwp5をそれぞれ1枚割付けたとすると、
(0,0,1,0,1,0,0)T
wm3にwp4とwp7をそれぞれ1枚割付けたとすると、
(0,0,0,1,0,0,1)T
(sp,aj)≦S (j=1,2,…,n)・・(1式)
Sは、(1式)と(2式)を満たすsmi の最小値である。但し(i=1,2,…,k)
即ち、(1式)は、割付け製品の面積は原材料の面積以下であるという条件式である。
wpi+wpj =〈wml or hpi+hpj=〈hml ・・・(2式)
但し(i=1,2,…,m)(j=1,2,…,m)(l=1,2,…,k)
即ち、同一原材料に隣接して割付けられた製品は互いに重なり合わないという条件式である。
なお、(1式)の左辺の(sp,aj)は、選択された原材料に割り付けられた、1枚の製品もしくは複数枚の製品面積の総和である。割付パターンベクトルajを生成するときには、割り付けることができる最小面積の原材料が選択される。実加工では、矩を出すためのハナ切り長、刃物厚が考慮されるが、ここでは無視する。
図の例は、実行可能解に相当する一組の割付パターンベクトルを列挙した。シンプレックス法で最適解を求めるための準備として、必要に応じてシンプレックス演算処理の結果に基づき、割付パターンベクトルを列挙する。
k種類の原材料から任意に選択したn枚の原材料に対して、それぞれm枚の製品のうちのいずれかの製品を割り付けるときには、上記の割付パターンベクトルをn個並べる。ajをn個並べたm×n次の割付パターン行列を下記に定義する。これを図3(d)に示す。
A=(aij) (i=1,2,…,m、j=1,2,…,n)
割付パターン行列生成手段25は、割付パターンベクトル生成手段24の生成した割付パターンベクトル46aをn個並べたm×n次の割付パターン行列を生成し、記憶装置40に記憶させる。
割付パターン行列Aと使用枚数ベクトルxとの積は、選択された各原材料から、それぞれ該当する割り付けパターンで切り出した製品数になる。従って、割付パターン行列Aから選択された原材料から該当する割り付けパターンで切り出した各製品数は、それぞれ求められている各製品の数量以上でなければならない。求められている各製品の数量は、製品要求数量ベクトルbに相当する。従って、少なくとも、下式を満足しないと、必要な数の製品が得られない。
Σaij・xj≧bi (j=1,2,・・・,n)(i=1,2,・・・,m)
図3の例では、生産された製品数も必要な製品数も7であって、等号が成立する。
制約条件生成手段26は、割付パターン行列Aから選択された原材料から該当する割り付けパターンで切り出した各製品数は、それぞれ求められている各製品の数量以上であるとする第1制約条件式を生成して、記憶装置40に記憶させる。
k種類の原材料のうちのどの原材料を使用するかを示す、k次の原材料使用ベクトルcjを次のように定義する。これを図3(e)に示す。
cj=(c1j,c2j,…,ckj)T (j=1,2,…,n)
但し、c1j,c2j,…,ckjはいずれも、0または1である。
上記のように、k種類の原材料から選択したn枚の原材料を表すのに、原材料使用行列Cを用いる。これをcjをn個並べたk×n次の行列で定義する。
C=(cij)(i=1,2,…,k、j=1,2,…,n)
c1=(1、0、0)T
c2=(0,1,0)T
c3=(0,1,0)T
c4=(0,0,1)T
割付パターン行列生成手段25は、各割付パターンで、k種類の原材料のうちのどの原材料を使用するかを示す原材料使用ベクトルcjを列挙した、k×n次の原材料使用行列Cを生成して、記憶装置に記憶させる。
なお、cjはk種類の原材料のうちの一つを指定するベクトルだから、下式を満足する。
Σcij=1(i=1,2,…,k)(j=1,2,…,n)
k個の数字のうち1個だけが1で他は全て0ということである。
また、原材料は、割付けできる最小のものが選択される。
従って、下式の条件が満足されなければならない。
Σcij・xj=di(i=1,2,…,k)(j=1,2,…,n)
この制約条件式は、Cx=dと表す。
これは、どの原材料を何枚選択して実際の割付に使用するかを定める。
制約条件生成手段26は、割付パターン行列生成手段25が生成した原材料使用行列Cと原材料の使用枚数ベクトルxの積が、原材料使用予定数量ベクトルdと等しいとする第2制約条件式を生成して、記憶装置に記憶させる。
上記の使用枚数ベクトルxの各要素xiは0または1である。列挙された多数の割付パターンベクトルの中のいずれを選択するかどうかを決める意味をもつからである。従って、下式のような制約条件式が成立する。
xi∈{0,1}
なお、この実施例では、この制約条件を緩和する。即ち、0≦xi≦1という制約条件式を設定する。
制約条件生成手段は、使用枚数ベクトルxの各要素xiが0≦xi≦1である旨を示す第3制約条件式を生成して、記憶装置に記憶させる。
2次元モデルを対象にすることから、新たな条件を設定する。割付け製品の面積は原材料の面積S以下である。これを第1評価条件(sp,aj)(内積)≦Sとする。隣接する製品は重ならない。これを第2評価条件wpi+wpj≦wmi または hpi+hpj≦hmiとする。割付パターンベクトルajが予め定めた割付け方法で割付け可能でなければならない。これを第3評価条件とする。2次元モデル条件生成手段31は、これらの2次元モデル条件63を生成して、記憶装置40に記憶させる。予め定めた割付け方法とは、例えば、特許文献3や特許文献4に示した方法、あるいはFirst Fit法である。予め定めた割付け方法で割付けできなければ、最終的にカッティング手順データ54を生成できないから、実行可能解としない。
k種類の原材料ごとに、価格だけでなく、運搬費、保管費、加工賃等が異なる。計算に含めるべき全ての費用要素をn次の費用係数ベクトルfに含め、下記のように定義する。
f=(f1,f2,…,fn)
費用係数ベクトルfは選択されたn種類の原材料にのみ適用されるから、n次のベクトルになっている。なお、計算の便宜上、f1,f2,…,fnは、費用換算してしまい、単位を円とする。従って、目的関数値が小さいほど、少ないコストで製品を得ることができる。
この計算では、k種類の原材料から任意に選択したn枚の原材料に対して、それぞれm枚の製品のうちのいずれかの製品を割り付ける。このとき、目的関数値が小さいほど少ないコストで製品を得ることができる。そこで、選択したn枚の原材料にかかる費用の総和を示す目的関数を下記のように定義する。
Min Σfi・xi
目的関数生成手段28は、選択したn枚の当該原材料にかかる費用の総和を示す目的関数を生成して、記憶装置に記憶させる。
シンプレックス法による演算処理を実行するために、目的関数と制約条件を次のように定義する。
Min Σfi・xi
subject to Ax≧b
Cx=d
0≦xi≦1
第2番目の式は、制約条件生成手段により生成された第1制約条件式である。
第3番目の式は、制約条件生成手段により生成された第2制約条件式である。
第4番目の式は、制約条件生成手段により生成された第3制約条件式である。
目的関数は、選択したn枚の当該原材料にかかる費用の総和を示す。
第1制約条件式は、割付パターン行列Aと使用枚数ベクトルxと製品要求数量ベクトルbの関係を示す。
第2制約条件式は、原材料使用行列Cと原材料の使用枚数ベクトルxと原材料使用予定数量ベクトルdの関係を示す。
第3制約条件式は、xiが0以上1以下であることを示す。
これらの図を用いて、上記のシステムを制御するコンピュータプログラムの実施例を説明する。
ステップS11では、原材料設定手段22が原材料データの受け付けをする。端末装置16から、使用される全ての原材料データの入力を受け付けて、原材料ベクトル43に対応するデータを生成し、記憶装置40に記憶させる。即ち、原材料の横長を要素とするk次の原材料横長ベクトルwmと、原材料の縦長を要素とするk次の原材料縦長ベクトルhmと、原材料の面積を要素とするk次の原材料面積ベクトルsmと、原材料の種類番号を要素とするk次の原材料番号ベクトルnmとを生成し、記憶装置40に記憶させる。ステップS12では、製品設定手段21が、製品に関するデータの入力受け付けをする。端末装置16から、求められているm枚の製品の横長データと縦長データの入力を受け付けて、製品の横長を要素とするm次の製品横長ベクトルwpと、製品の縦長を要素とするm次の製品縦長ベクトルhpと、製品の面積を要素とするm次の製品面積ベクトルspと、製品要求数量を要素とする製品要求数量ベクトルbとを生成して、記憶装置40に記憶させる。
2次元モデル条件を満たすと判定された 初期実行可能解44の入力を受け付ける。その結果は 記憶装置40に記憶される。ステップS14では、割付パターンベクトル生成手段24が、割付パターンベクトルの生成をする。割付パターンベクトルは、記憶装置40に記憶される。続いて、ステップS15で、割付パターン行列生成手段25が割付パターン行列46の生成をして、記憶装置40に記憶させる。次に、ステップS16で、制約条件生成手段26が、第1制約条件式48、第2制約条件式49、第3制約条件式50を生成して、記憶装置40に記憶させる。
このフローチャートの動作は、探索制御手段30が制御し、シンプレックス演算処理手段29が実行する。まず、ステップS31で、初期実行可能解から、目的関数の最大値の設定をする。次に、ステップS32では、図4のステップS20の演算処理結果から、目的関数の最小値を設定する。次にステップS33で、設定された目的関数値の範囲で、原材料の組合せリストの生成をする。その結果を目的関数値の小さいものから並べて記憶装置40に記憶させる。ステップS34では、組合せリストの中から、目的関数値が最小のものを選択する。さらに、ステップS35では、制約条件生成手段26に依頼をして、後で説明するように制約条件の設定をする。
(原材料データ)
例えば、用意された原材料は5種類で、原材料名をGG1〜GG5とする。
(製品データ)
求められている製品は7枚で、その製品名をSS1〜SS7とする。
図6は、割付パターンベクトルの説明図である。
図の最も左側の上から下に向かう縦1列に、上記の7種類の製品名が列挙されている。また、最も上段の左から右に向かう横1列に、原材料名が列挙されている。各原材料名の下の縦一列が、それぞれ割付パターンベクトルである。例えば、原材料名GG1ものには、製品名がSS2のものを1枚割り付けることができるとする。例えば、原材料名がGG2のものには、製品名がSS3とSS6のものを各1枚割り付けることができるとする。この表には、この要領で、7枚の製品の寸法と5種類の原材料の寸法とを比較して、1枚または複数枚の製品を経済的に割り付けることができる原材料と製品との関係を示す7次の割付パターンベクトルを列挙する。ここで、x1〜x5は初期実行可能解から得られた割付パターンベクトルである。以下は、特許文献1に記載したとおりの手順で、この表を展開し、原材料の使用枚数ベクトルxを求める。
説明を簡略化するために、費用係数ベクトルfの各要素を原材料面積と一致させる。
すなわち、面積の数値をそのまま円と読み替える。
図6の原材料名の部分を原材料の面積で表示すると、それらの数値は費用係数ベクトルfの要素である。従って、最初のシンプレックス演算処理で、初期値として入力する実行可能解の目的関数Σ(fi・xi)の値は、x1〜x5の使用原材料の面積の総和である。以下の計算ではこれを改善する解を求めるのだから、目的関数値の上限値をこのとき求めた総和に定める。
なお、2次元モデルについては、使用する原材料と各原材料から切り出す製品を特定したデータだけをプレカット装置に送っても、そのままではプレカット制御できない。初期実行可能解を求めるときにした、2次元モデル条件を満たすかどうかの判定処理において、予め定めた割付け方法で割付け可能かどうかの判定をした。この判定では、具体的に製品の割付け位置と原材料の切断位置と切断順とを確認する。その結果が記憶装置40に記憶されている。
予め定めた割付け方法は、例えば、製品を横長の大きいものから順に配列し、原材料を横長の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法(FF法)で割付けを実行する。その後、製品を縦長の大きいものから順に配列し、原材料を縦長の大きいものから順に配列して、同様にファーストフィット法で割付けを実行し、さらに、製品を面積の大きいものから順に配列し、原材料を面積の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法で割付けを実行する。この全てを実行して、最適な割付け方法を見付ければよい。
図8と図9は、FF法による原材料種類が複数の面材の割付処理動作フローチャートである。
ファーストフィット法(FF法)を用いて、面材の割付をする場合には、例えば、図に示すように、面積の広いものから順に割付をする。即ち、まず、最初のステップS11で、原材料を面積降順に並べて読み出し順のリストを作成し記憶装置に格納する。ステップS12では、製品を面積降順に並べて読み出し順のリストを作成し記憶装置に格納する。その後ステップS3からステップS19の処理を繰り返す。
処理を繰り返して、全ての製品をいずれかの材料に割り付ける。これが終了するとステップS20で総歩留の計算をする。こうして、FF法による割付処理が終了する。
まず、ステップ21で製品の読み出し順リストに未割付の製品があるかを判断する。イエスのときはステップS22の処理に移行し、ノーのときは処理を終了し、図8のステップS15へ移行する。 ステップS22では製品を読み出し順リストにしたがって一枚選択する。ステップS23では選択した製品が原材料または残材に割付可能かどうかという判断をする。
最適解を得るために、総当り的に重複をせずすべての割付パターンを自動的に生成することは、例えばバックトラック法を利用すれば可能である。しかしそれでは、
図12に示す25枚の製品を2種類の原材料に割付ける場合を例にしても、その割付パターンの数は組合せ爆発を起こす。
また、シンプレックス演算処理手段29は、制約条件を満たす割付けパターンベクトルの組み合わせを、既知のシンプレックスタブローを使用したピボット演算により、探索する。使用する原材料の組み合わせが一定という制約条件を与えると、シンプレックス演算処理手段29は、割付けパターンベクトルの組み合わせを少しずつ変更しながら、xの値が制約条件を満たす実行可能解を見付ける。このピボット演算の過程で得られる非整数解の出現順に規則性はない。ピボット演算開始時の初期条件が異なると、全く異なる過程でピボット演算が実行され、非整数解の出現順も変わる。最短時間で整数解に到達する最適な初期条件を見付ける方法は無い。運の悪いときには何万回ピボット演算を繰り返しても整数解が得られないことがある。
f(xi)をxiの2乗と定義して、評価式の意味を説明する。この評価式は、複数の非整数解が得られたときに、原材料の使用枚数ベクトルxの要素xiの値の変化を観察するためのものである。即ち、それぞれの解に含まれる全てのxiが整数に近づく方向にピボット演算が進んでいるかを判定することができる。概略的には、次のような理論になる。
図11は、本発明の主要動作のフローチャートである。
この図を用いて、評価式を使用した演算処理の具体的な手順を説明する。まず、図のステップS51では、原材料枚数の組み合わせを選択する。次に、ステップS52で、上記の制約条件式を用いた制約条件の設定をする。ステップS53では、初期条件の設定をする。この初期条件とは、ピボット演算の開始時の条件のことで、例えば、費用係数を全てゼロに設定する。ステップS54でシンプレックス演算処理を起動する。ステップS55では、ピボット演算を実行する。ピボット演算を繰り返してステップS56で、実行可能解の出力をする。ステップS57では、整数解かどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときは最適解であるから処理を終了する。ノーのときはステップS58の処理に移行する。
以下の具体例では、この図に示すように、25枚の製品を割付対象製品とする。
ベクトル表示を簡単にするため、縦長と横長が同一の製品にも、それぞれ別々の製品番号を付した。原材料は、横長は同一で縦長が異なる2種類を用意した。長さは、0.1mm単位で表示した。従って、「8220」は822mmのことである。歩留計算では、原材料の価格は面積に比例するものとした。即ち、歩留が高いほど製品のコストが安価になる。面積値を「円」と読み替えるものとする。
図13と図14のデータを使用して、シンプレックス演算処理手段29によるピボット操作を繰り返す。最初から数えて6149回繰り返して、図15に示すような実行可能解が得られた。即ち、図13と図14に示した割付けパターンベクトルのうちの、「14」「2586」「5392」「7516」「8018」のものを組み合わせると、5枚の材料から25種類の製品をそれぞれ一枚ずつ切り出すことができるという解が得られた。
ピボット操作を最初から数えて256回目に、図16に示すような非整数解が得られた。左側の枠に囲まれたものは、割付けパターンベクトルである。この枠の最上部が、使用枚数ベクトルxの要素である。即ち、0.5とあるのは、該当する原材料を0.5枚使用するということである。これが非整数解である。
図17に示すように、図16の非整数解について目的関数値の計算をすると、その値が「3100000」という結果が得られた。このレベルの値が得られるであろうと予測して、ピボット演算を繰り返し、図17の整数解を得た。その目的関数値の計算結果は、上記と同様の「3100000」であった。演算処理時間の関係で、ピボット演算の繰り返し回数に上限を設けて、この結果を最適値とし、演算処理を終了するとよい。
面材では、部材割付データ53に、切断手順を含めなければならない。この具体例では、始めに、製品を横長の大きいものから順に配列し、原材料を横長の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法で割付けを実行した。また、常にまず原材料の左下隅に製品を割付け、図7で説明したとおり、製品の辺に平行な線で原材料を切断し、残材に残りの製品を割付けるという方法を採用した。従って、上記の最適値を得た割付け結果についても、同様の手順を実行して、全ての製品の切断が可能なとき、カッティング手順データを生成する。カッティング手順データは、NCデータのような形式のものでよい。また、作業手順書は、後で説明する図20以下の板取図を印刷したものが適する。
12 コンピュータ
14 ネットワーク
16 端末装置
20 演算処理装置
21 製品設定手段
22 原材料設定手段
23 初期設定手段
24 割付パターンベクトル生成手段
25 割付パターン行列生成手段
26 制約条件生成手段
27 費用計数係数ベクトル生成手段
28 目的関数生成手段
29 シンプレックス演算処理手段
30 探索制御手段
31 判定手段
32 2次元モデル条件生成手段
40 記憶装置
41 製品ベクトルwp、hp、sp
42 製品要求数量ベクトルb
43 原材料ベクトルwm、hm、sm
44 初期実行可能解
45 原材料使用予定数量ベクトルd
46 割付パターン行列
46a 割付パターンベクトル
47 原材料使用行列C
48 第1制約条件式
49 第2制約条件式
50 第3制約条件式
51 目的関数
52 組合せリスト
53 部材割付データ
54 評価式
55 カッティング手順データ
Claims (13)
- それぞれ所定の長方形のm枚の製品を、それぞれ所定の長方形のk種類の原材料から切り出すときに必要な各種類の原材料の枚数を求め、各原材料に割り付ける製品の組合せを最適化するものであって、
求められているm枚の製品の横長データと縦長データの入力を受け付けて、製品の横長を要素とするm次の製品横長ベクトルwpと、製品の縦長を要素とするm次の製品縦長ベクトルhpと、製品の面積を要素とするm次の製品面積ベクトルspと、製品要求数量を要素とする製品要求数量ベクトルbとを生成して、記憶装置に記憶させる製品設定手段と、
用意されたk種類の長方形の原材料データの入力を受け付けて、原材料の横長を要素とするk次の原材料横長ベクトルwmと、原材料の縦長を要素とするk次の原材料縦長ベクトルhmと、原材料の面積を要素とするk次の原材料面積ベクトルsmと、原材料の種類番号を要素とするk次の原材料番号ベクトルnmとを生成し、記憶装置に記憶させる原材料設定手段と、
割付け製品の面積は原材料面積ベクトルsmの要素のうちのいずれかの原材料の面積S以下であるとする第1評価条件(sp,aj)(内積)≦Sと、隣接する製品が重ならないとする第2評価条件
wpi+wpj≦wml または
hpi+hpj≦hml と、
割付パターンベクトルajが予め定めた割付け方法で割付け可能であるとする第3評価条件とを含む、2次元モデル条件を生成して、記憶装置に記憶させる2次元モデル条件生成手段と、
求められている前記m枚の製品の製品横長データと製品縦長データとを用意された前記k種類の原材料の原材料横長データと原材料縦長データと比較して、
前記第1評価条件と第2評価条件と第3評価条件とを含む2次元モデル条件を満たす、1枚または複数枚の製品を経済的に割り付けることができる原材料と製品の関係を示す、m次の割付パターンベクトルajを列挙する割付パターンベクトル生成手段と、
前記割付パターンベクトル生成手段の生成した割付パターンベクトルを並べた割付パターン行列Aを生成して、記憶装置に記憶させる割付パターン行列生成手段と、
k種類の原材料から任意に選択したn枚の原材料に対して、それぞれm枚の製
品のうちのいずれかの製品を割り付けたとき、選択したn枚の原材料の使用枚数を表すために、要素がxiのn次の使用枚数ベクトルxを定義し、
前記n枚の原材料それぞれに対応するn次の費用係数ベクトルfと前記使用枚数ベクトルxの積の総和を示す目的関数を生成して、記憶装置に記憶させる目的関数生成手段と、
前記割付パターン行列Aから選択されたn個の割付パターンで切り出した各製品数は、それぞれ求められている各製品の数量以上でなければならないとする第1制約条件式Ax≧bと緩和された第3制約条件式0≦xi≦1を生成して、記憶装置に記憶させる制約条件生成手段と、
前記予め定めた割付け方法で求められた初期実行可能解の入力を受け付けて、記憶装置に記憶する初期設定手段と、
前記初期実行可能解と前記目的関数と前記制約条件式の入力を受け付けて、シンプレックス演算処理を実行するシンプレックス演算手段と、
前記シンプレックス演算手段処理により、xiの値が0または1のいずれかであって、それ以外のものを含まない解のときは、その解を最適解として面材割付データを出力し、それ以外の場合には、前記初期実行可能解の目的関数の値を最大値とし、前期シンプレックス演算処理の結果得られた目的関数の値を最小値として、その範囲の目的関数の値をとる原材料の使用枚数の組合せを列挙し、その中から目的関数が前記最小値に近いものを選択して、前記制約条件生成手段に対して、どの種類の原材料を何枚選択して割付けに使用するかを定める、原材料使用行列Cと原材料の使用枚数ベクトルの積が原材料使用予定数量ベクトルdと等しいとする第2制約条件式Cx=dの生成を依頼し、前記第1制約条件式と前記第2制約条件式と前記第3制約条件式の制約条件下で、シンプレックス演算手段に演算処理を依頼し、その後得られたシンプレックス演算処理により、xiの値が0または1のいずれかであって、それ以外のものを含まない解のときは、その解を最適解として面材割付データを出力し、それ以外の場合には、列挙された前記原材料の使用枚数の組合せの中から、目的関数の値が前記最小値に近い次の候補を選択して、前記制約条件生成手段に対して、新たな第2制約条件式Cx=dの生成を依頼し、この新たな制約条件下で、シンプレックス演算手段に演算処理を依頼するという動作を繰り返すように制御する探索制御手段を備えたことを特徴とする部材割付システム。 - 請求項1に記載の部材割付システムにおいて、
前記第1制約条件式と第3制約条件式の制約条件の下で、
または前記第1制約条件式と前記第2制約条件式と前記第3制約条件式の下で、
前記シンプレックス演算処理を実行し、非整数解を伴う実行可能解が得られたときであって、複数の解が存在するとき、予め定めた判定手段で、
別の解を求めるシンプレックス演算処理を繰り返すことを特徴とする部材割付システム。 - 請求項2に記載の部材割付システムにおいて、
前記予め定めた判定手段は、前記xiが前記制約条件を満たしながら0から1までの間の数値をとり、評価式Σf(xi)の値の最大値が一定値になる関数であるとき、
後から得られた非整数解による前記評価式の値が先に得られた非整数解による前記評価式の値に比べて増加していれば、判定基準を満たすと判定する手段であることを特徴とする部材割付システム。 - 請求項2に記載の部材割付システムにおいて、
前記予め定めた判定手段は、前記xiが前記制約条件を満たしながら0から1までの間の数値をとり、前記評価式Σf(xi)の値の最小値が一定値になる関数であるとき、
後から得られた非整数解による前記評価式の値が先に得られた非整数解による前記評価式の値に比べて減少していれば、判定基準を満たすと判定する手段であることを特徴とする部材割付システム。 - 請求項3乃至4に記載の部材割付システムにおいて、
順次得られた非整数解による前記評価式の値を焼き鈍し法を用いて比較をする判定基準により判定することを特徴とする部材割付システム。 - 請求項5に記載の部材割付システムにおいて、
非整数解であって局所最適解を通過した場合に、評価式の値がいったん減少してから増加に転じる状態にあるときに前記判定基準を満たすと判定することを特徴とする部材割付システム。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の部材割付システムにおいて、
前記探索制御手段は、前記シンプレックス演算手段に演算処理を依頼するという動作の繰り返し回数に上限を設けたことを特徴とする部材割付システム。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の部材割付システムにおいて、
前記予め定めた割付け方法は、製品を横長の大きいものから順に配列し、原材料を横長の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法で割付けを実行する処理か、製品を縦長の大きいものから順に配列し、原材料を縦長の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法で割付けを実行する処理か、もしくは、製品を面積の大きいものから順に配列し、原材料を面積の大きいものから順に配列して、ファーストフィット法で割付けを実行する処理のいずれかであることを特徴とする部材割付システム。 - 請求項1乃至8に記載の部材割付システムから出力される部材割り付けデータを受け入れて、前記m枚の製品を、順次供給される前記k種類の原材料から切り出すプレカット装置を備えたことを特徴とする部材加工装置。
- 請求項9に記載の部材加工装置において、
前記2次元モデル条件を満たすかどうかの判定処理において、前記予め定めた割付け方法で割付け可能かどうかの判定結果を記憶装置に記憶しておき、前記判定結果を使用して、全ての原材料について、製品の割付け位置と原材料の切断位置と切断順とを含む、カッティング手順データを生成して出力することを特徴とする部材加工装置。 - コンピュータを、請求項1乃至8に記載の各手段として機能させる部材割付プログラム。
- コンピュータを、請求項1乃至8に記載の各手段として機能させる部材割付プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
- それぞれ所定の長方形のm枚の製品を、それぞれ所定の長方形のk種類の原材料から切り出すときに必要な各種類の原材料の枚数を求め、各原材料に割り付ける製品の組合せを最適化する方法であって、
製品設定手段が、求められているm枚の製品の横長データと縦長データの入力を受け付けて、製品の横長を要素とするm次の製品横長ベクトルwpと、製品の縦長を要素とするm次の製品縦長ベクトルhpと、製品の面積を要素とするm次の製品面積ベクトルspと、製品要求数量を要素とする製品要求数量ベクトルbとを生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
原材料設定手段が、用意されたk種類の長方形の原材料データの入力を受け付けて、原材料の横長を要素とするk次の原材料横長ベクトルwmと、原材料の縦長を要素とするk次の原材料縦長ベクトルhmと、原材料の面積を要素とするk次の原材料面積ベクトルsmと、原材料の種類番号を要素とするk次の原材料番号ベクトルnmとを生成し、記憶装置に記憶させるステップと、
2次元モデル条件生成手段が、割付け製品の面積は
割付け製品の面積は原材料面積ベクトルsmの要素のうちのいずれかの原材料の面積S以下であるとする第1評価条件(sp,aj)(内積)≦Sと、隣接する製品が重ならないとする第2評価条件
wpi+wpj≦wml または
hpi+hpj≦hml と、
割付パターンベクトルajが予め定めた割付け方法で割付け可能であるとする第3評価条件とを含む、2次元モデル条件を生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
割付パターンベクトル生成手段が、求められている前記m枚の製品の製品横長データと製品縦長データとを用意された前記k種類の原材料の原材料横長データと原材料縦長データと比較して、1枚または複数枚の製品を経済的に割り付けることができる原材料と製品の関係を示す、m次の割付パターンベクトルajを列挙するステップと、
割付パターン行列生成手段が、前記割付パターンベクトル生成手段の生成した割付パターンベクトルを並べた割付パターン行列Aを生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
目的関数生成手段が、k種類の原材料から任意に選択したn枚の原材料に対して、それぞれm枚の製品のうちのいずれかの製品を割り付けたとき、選択したn枚の原材料の使用枚数を表すために、要素がxiのn次の使用枚数ベクトルxを定義し、
前記n枚の原材料それぞれに対応するn次の費用係数ベクトルfと前記使用枚数ベクトルxの積の総和を示す目的関数を生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
制約条件生成手段が、前記割付パターン行列Aから選択されたn個の割付パターンで切り出した各製品数は、それぞれ求められている各製品の数量以上でなければならないとする第1制約条件式Ax≧bと緩和された第3制約条件式0≦xi≦1を生成して、記憶装置に記憶させるステップと、
初期設定手段が、前記予め定めた割付け方法で求められた初期実行可能解の入力を受け付けて、記憶装置に記憶するステップと、
シンプレックス演算手段が、前記初期実行可能解と前記目的関数と前記制約条件式の入力を受け付けて、シンプレックス演算処理を実行するステップと、
探索制御手段が、前記シンプレックス演算手段処理により、xiの値が0または1のいずれかであって、それ以外のものを含まない解のときは、その解を最適解として面材割付データを出力し、それ以外の場合には、前記初期実行可能解の目的関数の値を最大値とし、前期シンプレックス演算処理の結果得られた目的関数の値を最小値として、その範囲の目的関数の値をとる原材料の使用枚数の組合せを列挙し、その中から目的関数が前記最小値に近いものを選択して、前記制約条件生成手段に対して、どの種類の原材料を何枚選択して割付けに使用するかを定める、原材料使用行列Cと原材料の使用枚数ベクトルの積が原材料使用予定数量ベクトルdと等しいとする第2制約条件式Cx=dの生成を依頼し、前記第1制約条件式と前記第2制約条件式と前記第3制約条件式の制約条件下で、シンプレックス演算手段に演算処理を依頼し、その後得られたシンプレックス演算処理により、xiの値が0または1のいずれかであって、それ以外のものを含まない解のときは、その解を最適解として面材割付データを出力し、それ以外の場合には、列挙された前記原材料の使用枚数の組合せの中から、目的関数の値が前記最小値に近い次の候補を選択して、前記制約条件生成手段に対して、新たな第2制約条件式Cx=dの生成を依頼し、この新たな制約条件下で、シンプレックス演算手段に演算処理を依頼するという動作を繰り返すように制御するステップを含むことを特徴とする部材割付方法。
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