JP2013002461A - クラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチディスクが摩耗してもクラッチペダル位置を適正に調整する。
【解決手段】クラッチペダルの操作力をクラッチ機構に伝達するクラッチレリーズ機構4として、複数の嵌合溝51及び嵌合突起61によって互いに嵌合する第1部材5及び第2部材6を備えさせる。第2部材6に、傾斜部83を有するストッパ8を取り付ける。レリーズフォーク27に対して付勢力を付与しているスプリング9の一端をストッパ8の傾斜部83に当接させる。クラッチディスクの摩耗に伴うレリーズフォーク27の変位に応じてスプリング9の付勢力が大きくなっていき、前記傾斜部83での分力によって第2部材6を下方に移動させて第1部材5との噛み合いを解除させる。これにより嵌合溝51と嵌合突起61との噛み合い位置を変更し、クラッチペダルの位置を変化させることなく、クラッチディスクの摩耗量に応じてレリーズフォーク27の回動位置を変更する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車の動力伝達系などに適用されるクラッチ装置に係る。特に、本発明は、摩擦材に摩耗が生じた場合であってもクラッチペダルの位置を適正に維持するための機構の改良に関する。
従来より、手動変速機を搭載した自動車におけるエンジンと変速機との間に設けられたクラッチ装置としてケーブル式のものが知られている(例えば特許文献1や特許文献2を参照)。
この種のクラッチ装置は、エンジンのクランクシャフトに回転一体に取り付けられたフライホイールと、ダイヤフラムスプリングによってフライホイール側への押圧力が付与されたプレッシャプレートと、これらフライホイールとプレッシャプレートとの間に介在され且つ変速機の入力軸に回転一体に設けられたクラッチディスク(摩擦材)とを備えている。また、ダイヤフラムスプリングにおける変速機側の内周端部にはレリーズベアリングが当接されており、このレリーズベアリングには、クラッチペダルに対しクラッチケーブルを介して連繋されたレリーズフォークが当接している。
そして、運転者によるクラッチペダルの踏み込み操作が行われると、その操作力がクラッチケーブルを介してレリーズフォークに伝達され、このレリーズフォークが、レリーズベアリングを介してダイヤフラムスプリングの内周端部に対して押圧力を与える。これにより、プレッシャプレートへの押圧力(ダイヤフラムスプリングの外周端部がプレッシャプレートに与えている押圧力)が解除され、プレッシャプレートとフライホイールとの間でのクラッチディスクの挟持状態を解除して変速機への動力伝達が行われない状態(クラッチ解放状態)となる。一方、運転者によるクラッチペダルの踏み込み解除操作が行われると、前記ダイヤフラムスプリングの内周端部に対する押圧力(レリーズベアリングからの押圧力)が解除されることになり、ダイヤフラムスプリングの外周端部がプレッシャプレートを押圧し、その押圧力によりプレッシャプレートとフライホイールとの間でクラッチディスクを挟持することでエンジンから変速機への動力伝達が可能な状態(クラッチ継合状態)となる。
実開昭60−69815号公報 実開昭58−25827号公報
ところで、前述したようなケーブル式のクラッチ装置においてクラッチディスクに摩耗が生じ、その摩耗量が大きくなっていくと、前記ダイヤフラムスプリングの外周端部が、このクラッチディスクの摩耗量に相当する量だけフライホイール側へ移動する。このダイヤフラムスプリングは、その半径方向の中間部がリングによって支持され、このリングがダイヤフラムスプリングの回動支点(外周端部がフライホイール側に向かって移動する回動支点)となっている。このため、前記クラッチディスクの摩耗に伴ってダイヤフラムスプリングの外周端部がフライホイール側へ移動した場合、このダイヤフラムスプリングの内周端部がフライホイール側とは反対側(変速機側)に移動することになる。このダイヤフラムスプリングの内周端部にはレリーズベアリングが当接されているため、ダイヤフラムスプリングの内周端部の移動に伴ってレリーズベアリングが後退移動する(変速機側に移動する)ことになり、それに連動するレリーズフォークの回動によってクラッチペダルの位置が変化してしまうことになる。つまり、クラッチペダルの位置が踏み込み解除方向側(運転者に向かう方向側)に変位してしまうことになる。
このような状況では、踏み込みが解除された状態でのクラッチペダルの位置(以下、「クラッチペダルの戻り位置」と呼ぶ場合もある)が適正な位置からずれてしまい、例えばクラッチペダルの位置(クラッチOFFスイッチ等のセンサによって検出されるクラッチペダルの位置)に応じてエンジン制御等を行う場合には、最適な制御ができなくなる可能性がある。
例えば車両の停車に伴ってエンジンを停止する所謂アイドリングストップ制御を行う車両では、クラッチペダルの位置に応じてエンジンの始動制御を行うようにしている。具体的にこの制御では、エンジン停止状態からクラッチペダルが踏み込まれ、このクラッチペダルが所定位置に達した時点でエンジンを始動させるようにしている。ところが、前述した如くクラッチディスクの摩耗に伴ってクラッチペダルの戻り位置がずれている場合(運転者に向かう方向側に変位している場合)、クラッチ装置の解放動作に対するエンジン始動タイミングに遅れを生じてしまい、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
また、車両走行中にクラッチペダルが踏み込まれてエンジン負荷が軽減されることに伴うエンジンの吹け上がり(エンジン回転数の上昇)を防止するために、クラッチペダルが所定位置まで踏み込まれた際に燃料噴射を停止(フューエルカット)するものにあっては、クラッチ装置の解放動作に対するフューエルカットの開始タイミングに遅れが生じてしまい、一時的にエンジンが吹け上がり、燃料消費率の改善効果を十分に得ることができなくなる可能性がある。
これらの課題を回避するために、クラッチディスクに摩耗が生じてもクラッチペダルの戻り位置が適正位置から変化しないようにクラッチペダルの位置を強制的に規制(運転者に向かう方向側への戻り位置を規制)することが考えられる。ところが、ケーブル式クラッチ装置の場合、前記レリーズフォークがクラッチケーブルによってクラッチペダルに連繋されているため、クラッチペダルの位置を規制すると、レリーズフォークの回動位置やレリーズベアリングの位置も規制されることになる。その結果、クラッチディスクの摩耗に追従するダイヤフラムスプリングの回動量(ダイヤフラムスプリングの外周端部によってプレッシャプレートを押圧するために必要な回動量)も規制されることになる。つまり、ダイヤフラムスプリングを回動させてプレッシャプレートをクラッチディスクに向けて移動させることができなくなり、プレッシャプレートのクラッチディスクに対する押圧力が不足してしまうことになる。その結果、これらプレッシャプレートとクラッチディスクとの間や、フライホイールとクラッチディスクとの間に継続的にスリップが生じた状態で車両が走行してしまう可能性がある。
尚、特許文献1に開示されているものは、クラッチディスクに摩耗が生じた場合に、手作業によってケーブル長さを調整するものであり、その作業が煩雑である。また、特許文献2に開示されているものは、クラッチペダルにセクタを取り付けるとともに、このセクタに形成された歯に噛み合う歯を有するポールを設け、このポールに対し、インテークマニホールドの吸入負圧の作用によって進退移動可能とされたピストンを当接させることで、セクタとポールとの噛み合い位置を変化させることによりクラッチディスクの摩耗量を吸収するようにしている。しかしながら、この特許文献2のものは構成が複雑であって、製造コストの高騰化及び組み立て作業の煩雑化を招いてしまうため好ましくない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クラッチディスクが摩耗してもクラッチペダルの位置を適正に維持することが可能なクラッチ装置を簡素な構成で提供することにある。
−発明の概要−
前記の目的を達成するために講じられた本発明の概要は、クラッチペダルの操作力をクラッチ機構に伝達するクラッチレリーズ機構として、回動方向での相対的な噛み合い位置が所定回動角度毎に変更可能な2部材を備えさせる。また、クラッチ機構のフォーク部材に対してクラッチ解放側への付勢力を付与しているスプリングの付勢力が、摩擦材の摩耗に伴うフォーク部材の変位に応じて大きくなっていくことを利用し、このスプリングの付勢力を、前記2部材の噛み合いを解除させる方向の力として作用させ、摩擦材の摩耗量が所定量に達した際に、これら2部材の噛み合いを解除させ、これら2部材の回動方向での相対的な噛み合い位置を変更させる。これにより、クラッチペダルの位置(前記クラッチペダルの戻り位置)を変化させることなく、摩擦材の摩耗量に応じてフォーク部材の回動位置を変更するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、クラッチ操作力が伝達されることで回動し、その回動力をクラッチ機構のフォーク部材に伝達することによりクラッチ機構の解放動作を行わせるクラッチレリーズ機構を備えたクラッチ装置を前提とする。このクラッチ装置に対し、前記クラッチレリーズ機構に、第1部材、第2部材、第3部材、ストッパ、スプリングを備えさせている。前記第1部材は、前記クラッチ操作力が伝達されて回動する。前記第2部材は、この第1部材に対し、相対的な回動位置が異なる複数の相対回動位置で嵌合可能とされ、この嵌合状態において第1部材と一体的に回動する。前記第3部材は、この第2部材の回動力を前記フォーク部材に伝達する。前記ストッパは、一端が前記第2部材に取り付けられると共に傾斜部を有する。前記スプリングは、一端が前記ストッパの傾斜部に当接し、他端が前記フォーク部材に係止すると共に、前記クラッチ機構の摩擦材の摩耗に伴って発生する前記フォーク部材の回動位置の変化によって前記ストッパの傾斜部に対する押圧力が増大するよう配設されている。
より具体的には、前記クラッチ機構の摩擦材の摩耗に伴う前記フォーク部材の回動位置の変化によって増大する前記ストッパの傾斜部に対するスプリングの押圧力が、第1部材に対して第2部材を後退させることでこれら部材同士の嵌合を解除する方向に作用する構成としている。
運転者によるクラッチペダルの踏み込み操作などによってクラッチ操作力が与えられると、その操作力によって第1部材、第2部材及び第3部材が回動し、その回動力がフォーク部材に伝達されることによってクラッチ機構の解放動作が行われる。そして、クラッチ機構の摩擦材に摩耗が発生すると、その摩耗量に応じてフォーク部材の回動位置が変化する。例えば、クラッチ機構に備えられたダイヤフラムスプリングが摩擦材の摩耗量に応じて回動することで、このダイヤフラムスプリングに押圧力を与えている前記フォーク部材の回動位置が変化する。このようにフォーク部材の回動位置が変化することに伴い、前記スプリングに対して捩り方向の荷重が作用し、このスプリングの一端によるストッパに対する押圧力が増大していく。つまり、摩擦材の摩耗量が大きくなるに従って、ストッパに対するスプリングの押圧力が増大していく。この押圧力はストッパの傾斜部に作用しているので、その押圧力の分力が第2部材の軸線に沿って第1部材から離間する方向、つまり、第2部材と第1部材との嵌合状態を解除する方向に作用する。そして、摩擦材の摩耗量が所定量に達するなどして各部材同士の嵌合状態が解除されると、前記スプリングの付勢力によって第2部材が第1部材に対して回動し、この第2部材が第1部材に対して、相対的な回動位置が異なる(嵌合状態が解除される前の相対的な回動位置に対して異なる)他の相対回動位置で嵌合することになる。このため、第2部材、第3部材及びフォーク部材の回動位置が摩擦材の摩耗量に応じた位置となり、クラッチ機構側(例えばレリーズベアリング側)対するフォーク部材の位置をこの摩耗量に応じて適正化しながらも、第1部材の回動位置としては摩擦材の摩耗量の影響を殆ど受けないことになり、その結果、クラッチペダルの位置(前記クラッチペダルの戻り位置)が適正に維持されることになる。
前記第1部材と第2部材との嵌合構造として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、前記第1部材及び第2部材のうち一方の部材に、周方向に亘って複数の嵌合溝を形成すると共に、他方の部材に、前記嵌合溝に嵌合可能な嵌合突起を形成する。そして、前記クラッチ機構の摩擦材の摩耗に伴う前記フォーク部材の回動位置の変化によって前記ストッパの傾斜部に対するスプリングからの押圧力が増大することにより、前記第2部材が第1部材から後退して前記嵌合突起が嵌合溝から離脱することで、前記第2部材が第1部材に対して相対的な回動が可能となって、前記嵌合突起と嵌合溝との噛み合い位置が変更され前記フォーク部材の位置が前記摩擦材の摩耗に応じて変更される構成としている。
この構成によれば、摩擦材の摩耗に伴って第2部材が第1部材から離脱した場合、第1部材または第2部材に形成されている複数の嵌合溝の周方向のピッチ分だけ、第2部材が第1部材に対して相対的に回動し、その回動位置において嵌合突起と嵌合溝とが噛み合って第1部材から第2部材へのクラッチ操作力の伝達が可能な状態となる。この動作が、摩擦材の摩耗量が所定量(第2部材が第1部材から離脱する量)に達する度に繰り返されることになり、摩擦材の摩耗量に応じたフォーク部材の位置調整動作と、摩擦材が摩耗してもクラッチペダルの位置(クラッチペダルの戻り位置)を適正に維持する動作とが継続して行われることになる。
前記嵌合突起の具体的な形状及び嵌合突起が嵌合溝から離脱する際の動作として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、前記第2部材が第1部材から後退した際に、前記嵌合溝の解放側端縁に当接可能な傾斜部を嵌合突起に設けておき、前記第2部材が第1部材から後退し、前記嵌合溝の解放側端縁に嵌合突起の傾斜部が当接した状態で、前記第1部材にクラッチ操作力が伝達された場合に、前記嵌合溝の解放側端縁が嵌合突起の傾斜部に沿って相対移動することにより前記第2部材が第1部材から更に後退移動して嵌合突起が嵌合溝から離脱する構成としている。
この構成により、嵌合溝の解放側端縁に嵌合突起の傾斜部が当接する位置まで第2部材が第1部材から後退した場合には、次回のクラッチ操作(クラッチ操作力が発生する操作)が行われることで、そのクラッチ操作力の分力が第2部材の後退方向に作用し、嵌合溝から嵌合突起が離脱する。これにより、第2部材が第1部材に対して、相対的な回動位置が異なる他の相対回動位置で嵌合することになる。このため、第2部材が第1部材から離脱するタイミングを、クラッチ操作が行われた時に設定することが可能となり、この離脱動作を安定的に得ることができる。
また、嵌合溝の解放側端縁が嵌合突起の傾斜部に沿って相対移動することにより第2部材を第1部材から後退させる分力(クラッチ操作力の分力)を発生させ、この分力によって第2部材を第1部材から離脱させているため、摩擦材の摩耗に伴うフォーク部材の回動量が未だ嵌合溝から嵌合突起を離脱させる量に達していなくても、クラッチ操作力を利用して離脱動作を実行させることができる。このため、摩擦材の摩耗によりフォーク部材の回動量が大きくなってクラッチペダルの位置(クラッチペダルの戻り位置)に大きな影響を与えてしまう状態となる前に、第2部材を第1部材から離脱させて摩擦材の摩耗量に応じたフォーク部材の位置調整動作を行うことができる。このため、クラッチペダルの戻り位置が継続的に適正に維持されることになる。
前記第3部材とフォーク部材との係合状態として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、前記第3部材とフォーク部材とをスプライン結合させ、このスプライン結合部分に、第3部材とフォーク部材との回動方向での相対変位を可能とするガタを設ける。そして、この回動方向のガタ寸法を、前記第2部材が第1部材から後退し、前記嵌合溝の解放側端縁に嵌合突起の傾斜部が当接した状態となるまで、第3部材とフォーク部材との回動方向での相対変位を可能とする寸法に設定している。
前記クラッチ機構の摩擦材の摩耗に伴うフォーク部材の回動量が大きくなっていくに従ってフォーク部材は第3部材に対して回動していく。そして、これら両者のスプライン結合部分のガタが詰まった場合には、フォーク部材の回動に伴って第3部材も回動してしまうことになる。本解決手段では、前記嵌合溝の解放側端縁に嵌合突起の傾斜部が当接した状態となるまで、第3部材とフォーク部材との回動方向での相対変位を可能とするようにガタ寸法が設定されているため、フォーク部材の回動に伴って第3部材が回動してしまう状況となる前に前述した動作によって第2部材が第1部材から離脱し、摩擦材の摩耗量に応じたフォーク部材の位置調整動作が行われる。このため、摩擦材の摩耗に伴うクラッチペダルの戻り位置の変位は生じないことになり、このクラッチペダルの戻り位置が継続的に適正に維持される。
本発明では、クラッチ機構の摩擦材の摩耗に伴って発生するフォーク部材の回動位置の変化によって発生する押圧力が、摩擦材の摩耗量が大きくなるに従って増大していくことを利用し、その押圧力によってクラッチレリーズ機構の2部材の嵌合を解除して摩擦材の摩耗量がクラッチペダルの戻り位置に影響を与えないようにしている。このため、フォーク部材の位置を摩擦材の摩耗量に応じて適正化しながらも、クラッチペダルの戻り位置を適正に維持することができる。
実施形態に係るクラッチ装置に備えられたクラッチレリーズ機構及びその周辺部を示す正面図である。 図1におけるII矢視図である。 クラッチ装置の概略構成を示す図である。 クラッチレリーズ機構を示す正面図である。 クラッチディスクの摩耗量が小さい状態でのクラッチレリーズ機構を示す側面図である。 図6(a)は第1部材に形成されている嵌合溝の形状を示す図であり、図6(b)は第2部材に形成されている嵌合突起の形状を示す図である。 クラッチディスクの摩耗量が大きくなっていくことに伴う第3部材とレリーズフォークとのスプライン結合部分のガタの変化を示す図である。 クラッチディスクの摩耗に伴う第1部材に対する第2部材の相対位置の変化を示す図である。 クラッチディスクの摩耗量が大きくなった状態でのクラッチレリーズ機構を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に搭載されたケーブル式クラッチ装置に本発明を適用した場合について説明する。
−クラッチ装置の全体構成−
図1は、本実施形態に係るクラッチ装置1に備えられたクラッチレリーズ機構4及びその周辺部を示す正面図(エンジン側からクラッチレリーズ機構4を見た図)である。また、図2は、図1におけるII矢視図である。これら図1及び図2では、クラッチケーシングC1及び変速機ケーシングC2をそれぞれ仮想線で示しており、図1では、このクラッチケーシングC1の一部(上部)を破断している。また、図3は、クラッチ装置1の概略構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、クラッチ装置1は、クラッチケーシングC1の内部に収容されている。クラッチケーシングC1の上部にはクラッチレリーズフォークレバー32が回動自在に取り付けられている。このクラッチレリーズフォークレバー32には、クラッチケーブル31を介してクラッチペダル3が接続されている(図2を参照)。また、クラッチレリーズフォークレバー32の回動軸心とクラッチレリーズ機構4の回動軸心とは一致しており、このクラッチレリーズフォークレバー32が回動した場合の回動力はクラッチレリーズ機構4に伝達されるようになっている。これにより、クラッチペダル3の踏み込み操作が行われた際(図2における紙面奥側に踏み込まれた際)、その操作力(クラッチケーブル31をクラッチペダル3側に引っ張る操作力)がクラッチケーブル31を介してクラッチレリーズフォークレバー32に伝達され、このクラッチレリーズフォークレバー32の回動(図2における反時計回り方向の回動)に伴ってクラッチレリーズ機構4が作動することで、後述するクラッチ機構2(図3を参照)の解放動作が行われるようになっている。また、前記クラッチケーシングC1の上部に取り付けられたブラケット11と前記クラッチレリーズフォークレバー32との間にはリターンスプリング12が架け渡されており、クラッチペダル3の踏み込み操作が解除されると、このリターンスプリング12の付勢力によってクラッチレリーズフォークレバー32が初期位置(図2に示す位置)に戻り、それに伴ってクラッチ機構2の継合動作が行われるようになっている。このクラッチ機構2の解放・継合動作については後述する。
以下、クラッチ装置1の概略構成及び基本動作について説明する。
図3に示すように、クラッチ装置1は、クラッチ機構2と、クラッチペダル3と、クラッチレリーズ機構4とを備えている。
クラッチ機構2は、エンジン出力軸(駆動源の出力軸)としてのクランクシャフトCSと、手動変速機(図示省略)のインプットシャフト(入力軸)ISとの間に介在するように配設され、クランクシャフトCSからインプットシャフトISへの駆動力を伝達・遮断したり、その駆動力の伝達状態を変更する。
具体的に、クラッチ機構2の入力軸であるクランクシャフトCSには、フライホイール21及びクラッチカバー22が一体回転可能に取り付けられている。一方、クラッチ機構2の出力軸である前記インプットシャフトISには、クラッチディスク23がスプライン結合されている。このため、クラッチディスク23は、インプットシャフトISと一体回転しつつ、軸方向(図3の左右方向)に沿ってスライド可能となっている。クラッチディスク23とクラッチカバー22との間には、プレッシャプレート24及びダイヤフラムスプリング25が配設されている。このプレッシャプレート24は、ダイヤフラムスプリング25の外周端部に当接され、このダイヤフラムスプリング25によってフライホイール21側へ付勢されている。ダイヤフラムスプリング25は、その半径方向の中間部がリング25aによって支持され、このリング25aがダイヤフラムスプリング25の回動支点(プレッシャプレート24側に向かって回動する支点)となっている。このため、ダイヤフラムスプリング25の外周端部がプレッシャプレート24側(図3における左側)に移動する場合、このダイヤフラムスプリング25の内周端部はプレッシャプレート24側とは反対側(変速機側;図3における右側)に移動することになる。
また、インプットシャフトISには、レリーズベアリング26が軸方向に沿ってスライド可能に装着されている。このレリーズベアリング26の近傍にはレリーズフォーク27が配設されており、このレリーズフォーク27は前記クラッチレリーズ機構4によって支持されている。このレリーズフォーク27は、図1にも示すように、クラッチレリーズ機構4に支持されるスリーブ部27aと、このスリーブ部27aからレリーズベアリング26の背面(変速機側の面)に向けて延びるフォーク部27bとを備えており、このフォーク部27bがレリーズベアリング26の背面に当接している。そして、クラッチペダル3の踏み込み操作や踏み込み解除操作に連動するクラッチレリーズ機構4の作動に伴ってレリーズフォーク27が回動する(前記スリーブ部27aを回動中心として回動する)。具体的には、クラッチペダル3の踏み込み操作によってレリーズフォーク27がレリーズベアリング26側(図1における紙面手前側、図3における左側)に移動し、クラッチペダル3の踏み込み解除操作によってレリーズフォーク27がレリーズベアリング26側とは反対側(図1における紙面奥側、図3における右側)に移動することになる。このレリーズベアリング26の移動に伴ってクラッチ機構2の継合・解放動作が行われるようになっている。
クラッチペダル3は、ペダルレバー33の下端部に踏み込み部であるペダル部34が一体形成されていると共に、上端部にクラッチケーブル31が接続されている。そして、車室内とエンジンルーム内とを区画するダッシュパネルDPに取り付けられた図示しないクラッチペダルブラケットによってペダルレバー33の中間位置が水平軸回りに回動自在に支持されている。ペダルレバー33には、図示しないペダルリターンスプリングによって手前側(運転者側)に向かう回動方向への付勢力が付与されている。このペダルリターンスプリングの付勢力に抗して運転者がペダル部34の踏み込み操作を行うことにより(図3における矢印Aを参照)、クラッチ機構2の解放動作が行われるようになっている。また、運転者がペダル部34の踏み込み操作を解除することにより、クラッチ機構2の継合動作が行われるようになっている。
また、前記ペダルレバー33に近接してクラッチスイッチ35が配設されている。このクラッチスイッチ35は、クラッチペダル3の踏み込み位置が所定位置に達したことを検出する。つまり、運転者がクラッチペダル3の踏み込み操作を開始してクラッチペダル3の踏み込み位置が所定位置に達した時点で、クラッチスイッチ35はON信号を発信し、運転者がクラッチペダル3の踏み込み解除操作を開始してクラッチペダル3の踏み込み解除位置が所定位置に達した時点で、クラッチスイッチ35はON信号の発信を停止する。
このクラッチスイッチ35の出力信号は、各種エンジン制御に利用される。例えば、車両の停車に伴ってエンジンを停止する所謂アイドリングストップ制御を行う場合には、エンジン停止状態からクラッチペダル3が踏み込まれ、このクラッチペダル3が所定位置に達した時点でクラッチスイッチ35がON信号を発信し、それに連動してエンジンを始動させるようにしている。
また、車両走行中にクラッチペダル3が踏み込まれてエンジン負荷が軽減されることに伴うエンジンの吹け上がり(エンジン回転数の上昇)を防止すための燃料噴射停止(フューエルカット)制御を行う場合には、クラッチペダル3が所定位置まで踏み込まれた時点でクラッチスイッチ35がON信号を発信し、それに連動して燃料噴射を停止するようにしている。
クラッチ装置1では、クラッチペダル3の踏み込み操作に応じてレリーズフォーク27が作動されることによって、クラッチ機構2の継合・解放動作が行われるようになっている。この場合、クラッチペダル3の踏み込み操作量に応じてクラッチ機構2のクラッチ継合力(クラッチ伝達容量)が変更される。
具体的には、クラッチペダル3の踏み込み操作量が大きくなり、その操作力がクラッチケーブル31及びクラッチレリーズ機構4を介してレリーズフォーク27に伝達されることにより、このレリーズフォーク27が回動され、レリーズベアリング26がフライホイール21側へ押される。さらに、同方向へのレリーズベアリング26の移動により、ダイヤフラムスプリング25の内周端部が同方向へ弾性変形する。これに伴い、ダイヤフラムスプリング25は、前記リング25aを回動中心として回動し、その外周端部がプレッシャプレート24から後退することにより、このプレッシャプレート24への付勢力が弱まる。このため、プレッシャプレート24、クラッチディスク23、及び、フライホイール21が滑りながら継合される半クラッチ状態となる。そして、さらに、前記付勢力が弱まると、プレッシャプレート24、クラッチディスク23、及び、フライホイール21が離間されて、クラッチ機構2が解放状態になる。これにより、エンジンから手動変速機への動力伝達が遮断される。この場合、クラッチペダル3の踏み込み操作量が所定量を超えると、クラッチ機構2が完全に切り離される完全解放状態(クラッチ伝達容量が0%の状態)になる。
一方、クラッチペダル3の踏み込み操作量が小さくなると、レリーズフォーク27が回動し、レリーズベアリング26がフライホイール21から離間される側へ移動される。これに伴い、ダイヤフラムスプリング25は、前記リング25aを回動中心として回動し、その外周端部がプレッシャプレート24に向けて前進することにより、このプレッシャプレート24への付勢力が増大していく。このとき、プレッシャプレート24とクラッチディスク23との間、及び、クラッチディスク23とフライホイール21との間でそれぞれ摩擦力、すなわちクラッチ継合力が発生する。このクラッチ継合力が大きくなると、クラッチ機構2が継合され、プレッシャプレート24、クラッチディスク23、及び、フライホイール21が一体となって回転する。これにより、エンジンと手動変速機とが直結される。この場合、クラッチペダル3の踏み込み操作量が所定量を下回ると、クラッチ機構が完全に継合される完全継合状態(クラッチ伝達容量が100%の状態)になる。
−クラッチレリーズ機構−
次に、本実施形態の特徴部分であるクラッチレリーズ機構4について具体的に説明する。
図4はクラッチレリーズ機構4を示す正面図(エンジン側から見た図)であり、図5は図4において矢印V方向から見たクラッチレリーズ機構4の側面図である。この図4及び図5に示すように、クラッチレリーズ機構4は、第1部材5、第2部材6、第3部材7、ストッパ8、スプリング9を備えている。
前記第1部材5には前記クラッチレリーズフォークレバー32の一端が接続されており、第3部材7には前記レリーズフォーク27のスリーブ部27aが嵌合されている。このため、クラッチペダル3の踏み込み操作に応じてクラッチレリーズフォークレバー32が回動した場合、その操作力(クラッチレリーズフォークレバー32の回動力)が第1部材5、第2部材6、第3部材7を順に伝達され、レリーズフォーク27が作動する(スリーブ部27aを回動中心として回動することによりフォーク部27bがレリーズベアリング26を押圧する方向(図4における紙面手前側)に作動する)ようになっている。以下、このクラッチレリーズ機構4を構成する各部材について説明する。
第1部材5は、円筒形状または円柱形状の部材であって、その軸心を回動中心として回動自在となるように前記クラッチケーシングC1によって支持されている。また、この第1部材5の軸心方向の一端部(上端部)には前述した如くクラッチレリーズフォークレバー32の一端が回動一体に接続されている。
また、この第1部材5の軸心方向の他端部(下端部)の端縁には、その周方向に亘って複数(例えば8個)の嵌合溝51,51,…が形成されている。これら嵌合溝51,51,…は、互いに同一形状となっていると共に第1部材5の周方向に等間隔(等ピッチ)で形成されている。また、この嵌合溝51の形状としては、図6(a)に示すように、第1部材5の下端縁から上方に延びる第1縦辺52、この第1縦辺52の上端縁から斜め上方に延びる傾斜辺53、この傾斜辺53の上端縁から水平方向に延びる水平辺54、この水平辺54の端縁から第1部材5の下端縁に向けて下方に延びる第2縦辺55を有している。各辺52〜55の長さ寸法は任意に設定可能である。また、前記傾斜辺53の傾斜方向としては、前記クラッチペダル3の踏み込み操作に伴ってクラッチレリーズ機構4が回動する方向(クラッチ機構2を解放側に作動させる方向:図4及び図6(a)にあっては矢印Bで示す第1部材5の回動方向)に向けて斜め上方に向かう方向となっている。この傾斜辺53の傾斜角度は任意に設定可能である。本実施形態では約45°に設定されている。以下、この矢印Bで示す回動方向を「クラッチ解放側回動方向」と呼び、この矢印Bとは反対方向の回動方向を「クラッチ継合側回動方向」と呼ぶこととする。
第2部材6は、円筒形状の部材であって、その内部に中心孔6aが形成されている。また、この第2部材6は、その軸心(前記第1部材5と同一の軸心)を回動軸心として回動自在となるように前記クラッチケーシングC1によって支持されている。
また、この第2部材6の軸心方向の一端部(上端部)の端縁には、その周方向に亘って複数の嵌合突起61,61,…が形成されている。これら嵌合突起61,61,…は、前記第1部材5に形成されている嵌合溝51,51,…に嵌合可能となっている。つまり、これら嵌合突起61,61,…それぞれの形状及び第2部材6の周方向における各嵌合突起61,61,…の形成位置の間隔(ピッチ)は、前記第1部材5に形成されている嵌合溝51,51,…それぞれの形状及び第1部材5の周方向における各嵌合溝51,51,…の形成位置の間隔に一致している。つまり、この嵌合突起61は、図6(b)に示すように、第2部材6の上端縁から上方に延びる第1縦辺62、この第1縦辺62の上端縁から斜め上方に延びる傾斜辺63、この傾斜辺63の上端縁から水平方向に延びる水平辺64、この水平辺64の端縁から第2部材6の端縁に向けて下方に延びる第2縦辺65を有している。このため、この第2部材6の各嵌合突起61,61,…それぞれが第1部材5の各嵌合溝51,51,…に嵌合されている場合には、これら第1部材5と第2部材6とは相対回転不能(回転一体)に組み付けられている(図4及び図5に示す状態を参照)。つまり、クラッチレリーズフォークレバー32の回動力が第1部材5から第2部材6に伝達されるようになっている。尚、後述するように第2部材6が下方へ移動されることで、各嵌合溝51,51,…それぞれに対する各嵌合突起61,61,…の嵌合が解除された場合には、第1部材5に対する第2部材6の相対的な回動が可能となる。
第3部材7は、略円柱状の部材であって、その外径寸法は前記第2部材6の内部に形成されている中心孔6aの内径寸法に略一致している。また、第2部材6の中心孔6aの内周面、及び、この中心孔6aに挿入される第3部材7の上端部分にはそれぞれスプラインが形成されており、これら両者は互いにスプライン結合されている。これにより、第2部材6と第3部材7とは回動一体となっており、且つ第3部材7に対して第2部材6はその軸心に沿う方向に移動自在(第1部材5に対して後退する下方への移動が自在)となっている。
また、第3部材7の長手方向の中間部には、前記レリーズフォーク27のスリーブ部27aが装着されるレリーズフォーク装着部71が設けられている。このレリーズフォーク装着部71の外周面には図5(この図5ではレリーズフォーク27のスリーブ部27aを断面で示している)に示すようにスプライン72が形成されている。一方、レリーズフォーク27のスリーブ部27aの内周面にもスプライン28が形成されており、これらスプライン72,28同士の嵌合により、レリーズフォーク27と第3部材7とは回動一体に組み付けられている。また、これらレリーズフォーク27のスリーブ部27a及び第3部材7のレリーズフォーク装着部71の各スプライン28,72同士の間には周方向に僅かなガタが設けられており、このガタの寸法分だけレリーズフォークのスリーブ部27aと第3部材7のレリーズフォーク装着部71とは相対的な回動が自在となっている。図7はレリーズフォーク27のスリーブ部27aと第3部材7のレリーズフォーク装着部71の各スプライン28,72同士の間のガタの状態を示している。前記ガタが設けられていることによって、図7(a)に示す相対回動位置から図7(c)に示す相対回動位置までの間で、レリーズフォーク27のスリーブ部27aと第3部材7のレリーズフォーク装着部71とは相対的な回動が自在となっている。このガタ寸法(レリーズフォークのスリーブ部27aと第3部材7のレリーズフォーク装着部71との相対的な回動が可能となる寸法;図7(a)における寸法t1)については後述する。
ストッパ8は、金属製の線材が屈曲されて形成されている。このストッパ8の上端部は水平方向に延びる水平部81となっている。前記第2部材6の側面には、ストッパ8を構成している線材の外径寸法に略一致し且つ水平方向に延びる係止孔66(図4を参照)が形成されている。ストッパ8の水平部81は、この第2部材6の係止孔66に挿入されている。これにより、ストッパ8の上端部は第2部材6の側面に係止されている。
このストッパ8は、前記水平部81の外側端から斜め下方(下側に向かってクラッチ継合側回動方向に傾斜する方向)に延びる第1傾斜部82、この第1傾斜部82の下端から、この第1傾斜部82の傾斜方向とは逆方向の斜め下方(下側に向かってクラッチ解放側回動方向に傾斜する方向)に延びる第2傾斜部83、この第2傾斜部83の下端に連続して設けられた環状部84を備えている。この第2傾斜部83の傾斜角度は適宜設定される。本実施形態では鉛直方向に対して約25°に設定されている。この値はこれに限定されるものではない。
また、前記環状部84は、その内径寸法が前記第3部材7の外径寸法に略一致しており、この第3部材7が挿入(圧入)されることで、この第3部材7に一体的に組み付けられている。 スプリング(捩りコイルばね)9は、前記第3部材7の外周囲であって、前記ストッパ8の環状部84の上側に配設されている。また、このスプリング9の一端は前記レリーズフォーク27のフォーク部27bに係止されたフォーク係止部91となっている一方、他端は前記ストッパ8の第2傾斜部83に当接されたストッパ当接部92となっている。
より具体的に、前記スプリング9のフォーク係止部91は、レリーズフォーク27のフォーク部27bの背面側(変速機側)に係止し、このレリーズフォーク27のフォーク部27bに対してダイヤフラムスプリング25側に向かう付勢力を付与するようになっている。このため、前記クラッチディスク23に摩耗が生じてダイヤフラムスプリング25の内周端部が後退移動(変速機側に向けて移動)し、それに伴ってレリーズフォーク27が後退移動する状況になると、レリーズフォーク27のフォーク部27bからスプリング9のフォーク係止部91に対して変速機側に向かう付勢力(図4における紙面奥側及び図5における右側に向かう付勢力)が大きくなる。その結果、スプリング9が、その巻き付き方向(捩り方向)に弾性変形させられることで、このスプリング9の付勢力(捩り方向の付勢力)も大きくなっていくことになる。
一方、前記スプリング9のストッパ当接部92は、ストッパ8の第2傾斜部83に対して、そのクラッチ解放側回動方向から当接している。このため、前記クラッチディスク23に摩耗が生じ前記スプリング9の付勢力(捩り方向の付勢力)が大きくなっていくと、スプリング9のストッパ8に対する付勢力(図5におけるF1)が大きくなっていき、これに伴って、その下向きの分力(図5におけるF2)も大きくなっていく。このストッパ8に作用する下向きの分力F2は、このストッパ8の水平部81が第2部材6の係止孔66に挿入されていることにより、この第2部材6を下側に移動させる付勢力として作用する。つまり、第2部材6に形成されている嵌合突起61,61,…を、第1部材5に形成されている嵌合溝51,51,…から離脱させる方向の付勢力として作用することになる。
−クラッチレリーズ機構の動作−
次に、前述の如く構成されたクラッチレリーズ機構4の基本動作(クラッチ機構2の継合・解放を行うための動作)について説明する。
クラッチディスク23に摩耗が生じていない場合や、その摩耗量が比較的少ない場合には、前記スプリング9の付勢力(捩り方向の付勢力)が小さいため、第2部材6を下側に移動させる付勢力も小さくなっている。このため、前記第1部材5に形成されている各嵌合溝51,51,…それぞれに、第2部材6に形成されている各嵌合突起61,61,…が嵌合され、これら第1部材5と第2部材6が回動一体となっている。
この状態で運転者によるクラッチペダル3の踏み込み操作が行われると、その操作力がクラッチケーブル31及びクラッチレリーズフォークレバー32を介してクラッチレリーズ機構4に伝達される。これにより、第1部材5、第2部材6、第3部材7が一体的に回動し、レリーズフォーク27のスリーブ部27a及び第3部材7のレリーズフォーク装着部71の各スプライン28,72同士の間に設けられているガタが詰まる量だけ第3部材7が回動すると、その回動力がレリーズフォーク27に伝達され、レリーズフォーク27がスリーブ部27aを回動中心として回動する(図4においてスリーブ部27aが紙面手前側に移動するようにレリーズフォーク27が回動する)。この回動によりレリーズフォーク27のフォーク部27bがレリーズベアリング26を押圧する方向に作動することで前述したクラッチ解放動作によってクラッチ機構2が解放される。
一方、運転者によるクラッチペダル3の踏み込み操作が解除されると、クラッチケーブル31に与えられていた操作力が解除されることになり、前記リターンスプリング12の付勢力によってクラッチレリーズフォークレバー32が初期位置(図2に示す位置)に戻り、それに伴って第1部材5、第2部材6、第3部材7が一体的に回動し、レリーズフォーク27がそのスリーブ部27aを回動中心として回動する(図4においてスリーブ部27aが紙面奥側に移動するようにレリーズフォーク27が回動する)。この回動によりレリーズフォーク27のフォーク部27bによるレリーズベアリング26への押圧力が解除され、前述したクラッチ継合動作によってクラッチ機構2が継合される。
−クラッチディスク摩耗時の動作−
次に、本実施形態の特徴とする動作であるクラッチディスク摩耗時の動作について説明する。
クラッチディスク23に摩耗が生じた場合、その摩耗量が大きくなっていくに従い、ダイヤフラムスプリング25の外周端部が、このクラッチディスク23の摩耗量に相当する量だけフライホイール21側へ移動する。このダイヤフラムスプリング25は、前述した如く、その半径方向の中間部がリング25aによって支持され、このリング25aがダイヤフラムスプリング25の回動支点となっている。このため、前記クラッチディスク23の摩耗に伴ってダイヤフラムスプリング25の外周端部がフライホイール21側へ移動した場合、このダイヤフラムスプリング25の内周端部がフライホイール21側とは反対側(変速機側)に移動することになる。このダイヤフラムスプリング25の内周端部の移動に伴ってレリーズベアリング26が後退移動する(変速機側に移動する)ことになる。
このようにしてレリーズベアリング26が後退移動すると、レリーズフォーク27のフォーク部27bによってスプリング9のフォーク係止部91に押圧力が作用し(図4における紙面奥側への押圧力が作用し)、この押圧力が、スプリング9の巻き付き側(スプリング9の捩り方向の付勢力が大きくなる側)に作用することになる。そして、このスプリング9の付勢力は、前記ストッパ8の第2傾斜部83に作用する(図5における矢印F1を参照)。この場合、スプリング9の付勢力はストッパ8の第2傾斜部83に対して水平方向に作用するが、この第2傾斜部83は傾斜しているため、その分力が下方に向かう力(図5における矢印F2を参照)として発生する。つまり、第2部材6を下方に移動させる力として発生することになる。そして、この第2部材6を下方に移動させる力F2は、クラッチディスク23の摩耗量が大きくなるに従って増大していく。
このクラッチディスク23の摩耗量が大きくなって第2部材6を下方に移動させる力F2が大きくなると、図8(a)に示すような第1部材5の嵌合溝51と第2部材6の嵌合突起61との嵌合状態から、図8(b)に示すように、嵌合突起61が嵌合溝51から抜け出る方向に第2部材6が下方に移動していく。
そして、クラッチディスク23の摩耗量が更に大きくなると、図8(c)に示すように、嵌合突起61の傾斜辺63に、嵌合溝51の第1縦辺52の下端縁が当接する状態となる。具体的には、前記スプリング9の付勢力(捩り方向の付勢力)が第2部材6に対してクラッチ継合側回動方向に作用しているため、嵌合突起61が嵌合溝51から抜け出る方向に第2部材6が下方移動した場合、第2部材6が僅かにその回動方向へ回動することで(図8(c)における矢印Cを参照)、嵌合突起61の傾斜辺63に、嵌合溝51の第1縦辺52の下端縁が当接することになる。この状態でのクラッチレリーズ機構4の状態を図9に示している。
このように、クラッチディスク23の摩耗量が大きくなることに伴う第2部材6の下方移動は、前記レリーズフォーク27のスリーブ部27a及び第3部材7のレリーズフォーク装着部71の各スプライン28,72同士の間に設けられているガタが詰まるまで、つまり、レリーズフォーク27のスリーブ部27a及び第3部材7のレリーズフォーク装着部71の各スプライン28,72の相対位置が図7(a)に示す状態から図7(c)に示す状態となるまで行われる。そして、このガタ寸法t1(図7(a)を参照)は、図8(c)に示すように、第2部材6の下方移動によって嵌合突起61の傾斜辺63に嵌合溝51の第1縦辺52の下端縁が当接する状態となるまで、レリーズフォーク27のスリーブ部27aと第3部材7のレリーズフォーク装着部71との相対的な回動が可能となる寸法に設定されている。
この状態で、運転者によりクラッチペダル3の踏み込み操作が行われ、クラッチ操作力が発生すると、その操作力が第1部材5に伝達され、この第1部材5が図8(c)の矢印D方向に移動する。この移動によって、第2部材6を第1部材5から後退させる分力F2’が前記傾斜辺63に発生し、この分力F2’によって第2部材6が更に下方へ移動し、第1部材5から離脱されることになる。
この第1部材5からの離脱によって第2部材6は、前記スプリング9の付勢力がクラッチ継合側回動方向に作用していることにより、このクラッチ継合側回動方向に回動し(図8(d)を参照)、嵌合突起61が嵌合溝51(図8(a)の状態で嵌合していた嵌合溝51に隣り合う(図8(d)において左側に隣り合う)嵌合溝51)に対向した時点で、その嵌合溝51に嵌り込むことになる(図8(e)を参照)。この第2部材6の第1部材5へ向かう上方への移動は、前記ストッパ8の復元力により得られる。このようにして、第2部材6が第1部材5に対して、相対的な回動位置が異なる(嵌合状態が解除される前の相対的な回動位置に対して異なる)他の相対回動位置で嵌合することになる。これにより、レリーズフォーク27のスリーブ部27aの位置は、前記クラッチ操作力が付与されていない状態で、前記クラッチディスク23の摩耗量に応じて後退した位置(変速機側の位置)に変位されることになり、前記ダイヤフラムスプリング25の内周端部の移動(変速機側への移動)を許容することで、このダイヤフラムスプリング25の外周端部のプレッシャプレート24側への移動を可能にする。
このため、クラッチディスク23の摩耗量に応じてダイヤフラムスプリング25を回動させてプレッシャプレート24をクラッチディスク23に向けて移動させることができ、プレッシャプレート24のクラッチディスク23に対する押圧力を十分に確保できる。その結果、これらプレッシャプレート24とクラッチディスク23との間や、フライホイール21とクラッチディスク23との間で継続的にスリップが生じてしまうといった状態を回避することができる。
また、第1部材5の回動位置としてはクラッチディスク23の摩耗量の影響を殆ど受けないことになり、その結果、クラッチペダル3の位置(前記クラッチペダル3の戻り位置)が適正に維持されることになる。その結果、前述したアイドリングストップ制御を行う場合のエンジン始動タイミングやクラッチペダル3が踏み込まれることに連動するフューエルカット動作の開始タイミングに遅れを生じることがなくなり、クラッチペダル3の操作に連動したエンジン制御を適切に実行することができる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、FF車両に搭載されたケーブル式クラッチ装置に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、FR(フロントエンジン・リアドライブ)車両に対しても適用可能である。また、クラッチペダル3の操作力をクラッチレリーズ機構4に伝達する手段としてはケーブルに限定されるものではない。例えば、リンク機構等によってクラッチペダル3の操作力をクラッチレリーズ機構4に伝達するものであってもよい。
また、前記実施形態では、クラッチレリーズ機構4の第1部材5に嵌合溝51,51,…を、第2部材6に嵌合突起61,61,…をそれぞれ形成したが、第2部材6に嵌合溝を形成し、第1部材5に嵌合突起を形成してもよい。
また、前記実施形態では、第1部材5に形成されている嵌合溝51,51,…の個数と、第2部材6に形成されている嵌合突起61,61,…の個数とを一致させるようにしたが、嵌合突起61の個数を嵌合溝51の個数よりも少なく設定してもよい。例えば、嵌合溝51,51,…を複数個形成しておく一方、嵌合突起61を1箇所のみに形成しておき、この一つの嵌合突起61が各嵌合溝51,51,…に亘って順に嵌合していくことによって第1部材5と第2部材6との相対回動位置を変更していく構成である。
更に、前記実施形態では、レリーズフォーク27のスリーブ部27a及び第3部材7のレリーズフォーク装着部71の各スプライン28,72同士の間に設けられているガタの寸法t1としては、第1部材5の嵌合溝51と第2部材6の嵌合突起61との嵌合状態が解除される前にガタ詰まりが生じる寸法として設定されていた。本発明は、これに限らず、第1部材5の嵌合溝51と第2部材6の嵌合突起61との嵌合状態が解除されるまでガタ詰まりが生じないガタ寸法に設定するようにしてもよい。この場合、前記嵌合溝51及び嵌合突起61には傾斜辺53,63が必要なくなる。
本発明は、ケーブル式クラッチ装置においてクラッチディスク摩耗時のクラッチペダル位置調整機構として適用可能である。
1 クラッチ装置
2 クラッチ機構
23 クラッチディスク(摩擦材)
27 レリーズフォーク(フォーク部材)
28 スプライン
27b フォーク部
3 クラッチペダル
4 クラッチレリーズ機構
5 第1部材
51 嵌合溝
6 第2部材
61 嵌合突起
63 傾斜辺(傾斜部)
7 第3部材
72 スプライン
8 ストッパ
83 第2傾斜部
9 スプリング
91 フォーク係止部
92 ストッパ当接部

Claims (5)

  1. クラッチ操作力が伝達されることで回動し、その回動力をクラッチ機構のフォーク部材に伝達することによりクラッチ機構の解放動作を行わせるクラッチレリーズ機構を備えたクラッチ装置において、
    前記クラッチレリーズ機構は、
    前記クラッチ操作力が伝達されて回動する第1部材と、
    この第1部材に対し、相対的な回動位置が異なる複数の相対回動位置で嵌合可能とされ、この嵌合状態において第1部材と一体的に回動する第2部材と、
    この第2部材の回動力を前記フォーク部材に伝達する第3部材と、
    一端が前記第2部材に取り付けられると共に傾斜部を有するストッパと、
    一端が前記ストッパの傾斜部に当接し、他端が前記フォーク部材に係止すると共に、前記クラッチ機構の摩擦材の摩耗に伴って発生する前記フォーク部材の回動位置の変化によって前記ストッパの傾斜部に対する押圧力が増大するよう配設されたスプリングとを備えていることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 請求項1記載のクラッチ装置において、
    前記クラッチ機構の摩擦材の摩耗に伴う前記フォーク部材の回動位置の変化によって増大する前記ストッパの傾斜部に対するスプリングの押圧力は、第1部材に対して第2部材を後退させることでこれら部材同士の嵌合を解除する方向に作用する構成となっていることを特徴とするクラッチ装置。
  3. 請求項1または2記載のクラッチ装置において、
    前記第1部材及び第2部材のうち一方の部材には周方向に亘って複数の嵌合溝が形成されていると共に、他方の部材には前記嵌合溝に嵌合可能な嵌合突起が形成されており、
    前記クラッチ機構の摩擦材の摩耗に伴う前記フォーク部材の回動位置の変化によって前記ストッパの傾斜部に対するスプリングからの押圧力が増大することにより、前記第2部材が第1部材から後退して前記嵌合突起が嵌合溝から離脱することで、前記第2部材が第1部材に対して相対的な回動が可能となって、前記嵌合突起と嵌合溝との噛み合い位置が変更され前記フォーク部材の位置が前記摩擦材の摩耗に応じて変更される構成となっていることを特徴とするクラッチ装置。
  4. 請求項3記載のクラッチ装置において、
    前記嵌合突起には、前記第2部材が第1部材から後退した際に、前記嵌合溝の解放側端縁に当接可能な傾斜部が設けられており、
    前記第2部材が第1部材から後退し、前記嵌合溝の解放側端縁に嵌合突起の傾斜部が当接した状態で、前記第1部材にクラッチ操作力が伝達された場合に、前記嵌合溝の解放側端縁が嵌合突起の傾斜部に沿って相対移動することにより前記第2部材が第1部材から更に後退移動して嵌合突起が嵌合溝から離脱する構成となっていることを特徴とするクラッチ装置。
  5. 請求項4記載のクラッチ装置において、
    前記第3部材とフォーク部材とはスプライン結合されており、このスプライン結合部分には、第3部材とフォーク部材との回動方向での相対変位を可能とするガタが設けられていて、
    この回動方向のガタ寸法は、前記第2部材が第1部材から後退し、前記嵌合溝の解放側端縁に嵌合突起の傾斜部が当接した状態となるまで、第3部材とフォーク部材との回動方向での相対変位を可能とする寸法に設定されていることを特徴とするクラッチ装置。
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CN108644252A (zh) * 2018-07-10 2018-10-12 安徽江淮汽车集团股份有限公司 一种防止离合踏板抖动的分离拨叉结构

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