JP2013001943A - スパッタリング装置 - Google Patents

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勇 與五沢
Junya Kiyota
淳也 清田
Makoto Arai
新井  真
Takaomi Kurata
敬臣 倉田
Shigemitsu Sato
重光 佐藤
Tetsuhiro Ono
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Abstract

【課題】ターゲット下方空間へのスパッタ粒子の飛散やプラズマの回り込み等を防止するといった機能を損なうことなく、ターゲットの外周縁部まで効率よく侵食領域とできてターゲットの利用効率が一層向上したスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】スパッタ室1aで基板Wと共に配置されるターゲット3〜3のスパッタ面3a側を上として、ターゲットの下側に配置されてこのターゲットの上方にトンネル状の漏洩磁場M1,M2を形成する磁石ユニット4〜4と、ターゲットの長手方向をX方向、このX方向に直交する方向をY方向とし、磁石ユニットをX方向及びY方向の少なくとも1方向にターゲットに対して相対移動させる移動手段6とを備える。ターゲットの外周縁部から所定の隙間を存してターゲットの周囲を囲うように配置される、電気的に絶縁されたフローティングシールド5を更に有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリング装置に関し、より詳しくは、ターゲットの利用効率を向上されたものに関する。
マグネトロン方式のスパッタリング(以下、「スパッタ」という)装置は、処理すべき基板に対向配置されるターゲットと、このターゲットの基板と対向する側を上として、ターゲットの下側に配置されてこのターゲット上方にトンネル状の漏洩磁場を形成する磁石ユニットとを有する。そして、ターゲットに負の電位を持った直流電力または交流電力を印加してターゲットをスパッタする際、上記漏洩磁場にてターゲット前方で電離した電子及びスパッタリングによって生じた二次電子を捕捉してターゲット上方での電子密度を高め、これらの電子と真空チャンバ内に導入される希ガスのガス分子との衝突確率を高めることでプラズマ密度を高めている。このスパッタ装置によれば、例えば処理基板の著しい温度上昇を伴うことなく成膜速度を向上できる等の利点があり、近年では、薄膜トランジスタのチャンネル層やバリア膜たる酸化シリコン膜(金属酸化物膜)の成膜にも利用されている。
ターゲットとして平面視略矩形のものを用いる場合を例に説明すると、磁石ユニットとしては、ターゲットに平行に配置される平面視略矩形の支持板(ヨーク)上面中央に、その長手方向に沿って線状に中央磁石を配置すると共に、この中央磁石の周囲を囲うように支持板上面の周縁全体に亘ってターゲット側の極性が異なる周辺磁石を配置して構成したものが例えば特許文献1で知られている。
このような磁石ユニットを用いると、漏洩磁場の垂直成分が0となる位置を通るレーストラック状にプラズマが発生するようになり、その下側でターゲットが集中的に侵食され(つまり、ターゲットが優先的にスパッタされる領域となる)、ターゲットの利用効率が低くなるという問題が生じる。このため、例えば、ターゲットの長手方向(X方向)に直交するターゲットの幅方向(Y方向)に、磁石ユニットを往復動させてトンネル状の漏洩磁場の位置を変え、ターゲットを均一に侵食させることが従来から行われている(例えば特許文献2参照)。
ところで、ターゲットの周囲には、ターゲット下方空間へのスパッタ粒子の飛散やプラズマの回り込み等を防止するために、当該ターゲットが臨む開口を備えたアース接地の金属製シールドを配置することが一般的である。このようにターゲットの周囲を囲うようにアースシールドを配置した場合、磁石ユニットを往復動するときにアースシールド上方空間までプラズマが存するように往復動のストロークを設定すると、異常放電が誘発され易く、良好な成膜が阻害される要因となり得る。このため、ターゲットのY方向の対辺間距離より短いストロークで磁石ユニットを往復動させながらスパッタリングすることが通常である。然し、このようにストロークを設定すると、ターゲットの外周縁部がスパッタリングされない非侵食領域となり、ターゲットの利用効率の更なる改善を制限することになる。しかも、反応性スパッタリング等により金属酸化物膜を形成するような場合に、絶縁物たる金属酸化物膜がターゲットの非侵食領域に付着、堆積し、異常放電を誘発する虞も生じる。
特開平7−34244号公報 特開2005−290550号公報
本発明は、上記点に鑑み、ターゲット下方空間へのスパッタ粒子の飛散やプラズマの回り込み等を防止するといった機能を損なうことなく、ターゲットの外周縁部まで効率よく侵食領域とできてターゲットの利用効率が一層向上したスパッタリング装置を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のスパッタリング装置は、スパッタ室で処理すべき基板と共に配置されるターゲットのスパッタ面側を上として、ターゲットの下側に配置されてこのターゲットの上方にトンネル状の漏洩磁場を形成する磁石ユニットと、ターゲットの長手方向をX方向、このX方向に直交するターゲットの幅方向をY方向とし、磁石ユニットを所定の起点から、X方向及びY方向の少なくとも1方向にターゲットに対して相対移動させて前記起点に戻すことを繰り返す移動手段と、を備え、前記ターゲットの外周縁部から所定の隙間を存してターゲットの周囲を囲うように配置される、電気的に絶縁されたフローティングシールドを更に有することを特徴とする。
本発明によれば、ターゲットの周囲に所定の隙間を存してフローティングシールドを設けているため、ターゲット下方空間へのスパッタ粒子の飛散やプラズマの回り込み等を防止するといった機能は損なわれない。そして、フローティングシールドが電気的に絶縁されているため、このフローティングシールドの上方空間までプラズマが存するように、磁石ユニットの往復動のストロークを設定しても、異常放電の誘発が抑制されることが判明した。これにより、ターゲットの外周縁部までスパッタリングされる侵食領域にでき、ターゲットの利用効率を一層向上させることができる。その上、ターゲットの外周縁部まで侵食領域となることで、反応性スパッタリングにて金属酸化物膜を形成するような場合でも、金属酸化物膜の堆積に伴う異常放電が誘発されるといった不具合は生じない。
本発明において、前記フローティングシールドが金属製であるような場合には、スパッタ室を画成する真空チャンバの壁面に絶縁体を介して取り付ければよい。これにより、簡単な構成でフローティングシールドを電気的に絶縁することが実現できる。この場合、絶縁体としては、例えば、絶縁性のフッ素樹脂やエポキシ樹脂等を用いることができ、また、真空チャンバの「壁面」には、当該壁面に取付具を介してフローティングシールドを係止するような場合も含む。他方、前記フローティングシールドは、アルミナ製またはアルミ製の母材表面をアルミナ膜で覆ってなるものを用いることができる。
なお、本発明は、例えば、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパッタリング装置であって、同一形状を有するターゲットの複数枚が所定間隔で並設され、この並設されたターゲットのうち、対をなすものに交流電源からの出力が夫々接続されることを特徴とするものにおいて、前記ターゲット毎にその周囲を囲うようにフローティングシールドが配置されるものに適している。
本発明のスパッタ装置の構成を説明する模式断面図。 図1のII−II線に沿った断面図。 発明実験及び比較実験の測定結果を示すグラフ。 発明実験の他の測定結果を示すグラフ。 発明実験及び比較実験での膜厚分布を測定したときの結果を示すグラフ。
以下、図面を参照して、同一形状を有するこのターゲットの複数枚をスパッタ室内に所定間隔で並設し、この並設されたターゲットのうち、対をなすものに交流電力を投入して各ターゲットをスパッタすると共にスパッタ室内に酸素ガスを導入して、ガラス基板等の処理すべき基板に、ターゲット材からなる金属膜や反応性スパッタにより金属酸化物膜を成膜するものを例に本発明の実施形態のスパッタ装置SMを説明する。
図1に示すように、マグネトロン方式のスパッタ装置SMはスパッタ室1aを画成する真空チャンバ1を備える。真空チャンバ1の壁面に、排気口11が開設され、この排気口11には、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプなどの真空排気手段Pに通じる排気管12が接続され、スパッタ室1a内を真空引きして所定の真空度に保持できる。また、真空チャンバ1の壁面に、ガス導入手段2が設けられている。ガス導入手段2は、マスフローコントローラ21a、21bを介設したガス管22a、22bを通じて図外のガス源に連通し、アルゴン等の希ガスからなるスパッタガスや反応性スパッタの際に用いる反応ガスが一定の流量で導入できるようになっている。なお、反応ガスとしては、基板W上に成膜しようする薄膜の組成に応じて、酸素、窒素、炭素、水素を含むガス、オゾン、水若しくは過酸化水素またはこれらの混合ガスなどが用いられる。以下においては、スパッタ室1aにて後述のターゲットと基板Wとが対向し、ターゲットから基板に向かう方向を「上」とし、基板Wからターゲットに向かう方向を「下」として説明する(図1参照)。
スパッタ室1aの底部には、マグネトロンスパッタ電極Cが配置されている。マグネトロンスパッタ電極Cは、スパッタ室1aを臨むように設けられた略直方体(平面視矩形)の4枚のターゲット3〜3と、各ターゲットの下方に設けられた磁石ユニット4〜4とを備える。以下においては、ターゲット3〜3の長手方向をX方向、このX方向に直交するターゲット3〜3の幅方向をY方向(図1中、左右方向)として説明する。なお、ターゲット3〜3の個数は上記に限定されるものではなく、また、ターゲットとしては、Si、Al及びその合金、MoやITOなど処理基板S上に成膜しようとする薄膜の組成に応じて公知の方法で作製したものを用いることができる。
各ターゲット3〜3は、スパッタリングによる成膜中、当該ターゲット3〜3を冷却する銅製のバッキングプレート31にインジウムやスズなどのボンディング材を介して接合されている。そして、バッキングプレート31にターゲット3〜3を接合し、ターゲット3〜3を上側とした状態で真空シール兼用の絶縁体32を介してスパッタ室1a内に設けられる。この場合、ターゲット3〜3の上面が、成膜時に後述のスパッタガスのイオンでスパッタリングされるスパッタ面3aを構成する。また、各ターゲット3〜3は、図2に示すように、スパッタ室1a内においてY方向に等間隔で、かつ、未使用時のスパッタ面3aが、基板Wに平行な同一平面内に位置するように配置され、更に、並設した各スパッタ面3aの総面積が基板Wの外形寸法より大きくなるように各ターゲットの形状が設計されている。
スパッタ室1a内にターゲット3〜3を配置した後、各ターゲット3〜3のスパッタ面3aの周囲には、ターゲット3〜3が臨むように当該ターゲット3〜3の輪郭に対応した中央開口51を備えた板状のシールド5が夫々配置される。各シールド5は、例えばアルミニウム製で同一形状を有し、また、その中央開口51は、各シールド5を各ターゲット3〜3の周囲に配置したとき、ターゲット3〜3の外周縁部と中央開口51の内縁部との間に、ターゲット3〜3の全周に亘って所定の隙間D(例えば、2〜3mmの範囲)が形成されるように(つまり、放電に必要な電子の助走距離より短く)設計され、ターゲット3〜3下方空間へのスパッタ粒子の飛散やプラズマの回り込み等を防止する役割を果たす(図2参照)。また、並設したターゲット3〜3のうち相互に隣接する2枚のターゲット3と3並びに3と3を夫々対とし、対をなすターゲット3〜3には、交流電源Eからの出力Eoが夫々接続されている。そして、成膜時に、交流電源Eから所定周波数(例えば、1kHz〜100kHz)の交流電力が対をなすターゲット3〜3に夫々投入される。
各バッキングプレート31の下方(スパッタ室1aの外側)に夫々配置された磁石ユニット4〜4は同一形態を有し、一の磁石ユニット4を例に説明すると、磁石ユニット4は、バッキングプレート31に平行に設けられ、磁石の吸着力を増幅する磁性材料製の平板から構成される支持板41(ヨーク)を備える。支持板41上には、この支持板41の長手方向にのびる中心線上に位置させて配置した中央磁石42と、この中央磁石42の周囲を囲うように、支持板の上面外周に沿って環状に配置した周辺磁石43とがターゲット側の極性をかえて設けられている。この場合、例えば、中央磁石の同磁化に換算したときの体積をその周囲を囲う周辺磁石43の同磁化に換算したときの体積の和(周辺磁石:中心磁石:周辺磁石=1:2:1(図1参照))程度になるように設計される。これにより、各ターゲット3〜3の上方で釣り合ったトンネル状の漏洩磁場M1、M2が夫々形成される。なお、中央磁石42及び周辺磁石43は、ネオジム磁石等の公知のものであり、これらの中央磁石及び周辺磁石は一体ものでも、または、所定体積の磁石片を複数列設して構成してもよい。
支持板41は、その外形寸法がターゲットの輪郭より一回り小さく形成され、各支持板41を介して各磁石ユニット4〜4が移動手段6に連結されている。移動手段6は、各支持板41の下面に夫々垂設したナット部材41aに螺合する送りねじ61と、この送りねじ61を正逆方向に回転駆動するモータ62とを備える。そして、送りねじ61を回転駆動すると、その回転方向に応じて各磁石ユニット4〜4が一体にY方向で同一平面上を所定速度かつ一定のストロークSで往復動する。また、送りねじ61は、ベース板63上に設けられ、X方向でターゲット3〜3の長手方向全長に亘って水平にのびる左右一対のレール部材64R、64Lに摺動自在に係合し、図示省略の駆動モータを備えたスライダ65R,65Lで保持されている。そして、両スライダ65R、65Lを同期してX方向に移動させると、各磁石ユニット4〜4が一体にX方向で同一平面上を所定速度かつ一定のストロークで往復動する。これにより、各磁石ユニット4〜4が、所定の起点から、磁石ユニット4〜4がその直上に位置するターゲット3〜3に対して相対移動されて前記起点に戻されることが繰り返される。
以上のスパッタ装置SMによれば、並設した各ターゲット3〜3に対向する、スパッタ室1a上部の所定位置に基板Wがセットされ、この状態でスパッタ室1aが所定圧力まで真空引きされると、ガス導入手段2を介して所定のスパッタガス(及び反応ガス)を導入し、交流電源Eを介して対をなす各ターゲット3〜3に交流電力を夫々投入する。これにより、対をなす2枚のターゲット3と3並びに3と3が夫々アノードとカソードとの役割を果たし、各ターゲット3〜3の上方に、磁場の垂直成分が0となる位置を通るレーストラック状に高密度のプラズマが発生する。そして、プラズマ中のアルゴンイオンによりターゲット3〜3が夫々スパッタされ、当該ターゲット3〜3からのスパッタ粒子が(反応ガスと反応しながら)基板W表面に付着、堆積して所定薄膜が成膜される。スパッタ中、移動手段6により磁石ユニット4〜4を、X方向及びY方向の少なくとも1方向に移動させることで漏洩磁場の位置を変えて、ターゲット3〜3の局所的な侵食が抑制される。
ここで、シールド5を、上記従来例の如く、アース接地した場合、磁石ユニット4〜4を往復動するときにシールド5の上方空間までプラズマが存するように往復動のストロークを設定すると、異常放電が誘発され易く、良好な成膜が阻害される要因となり得る。本実施形態では、真空チャンバ1の底部に夫々立設した絶縁体7でシールド5を夫々保持し、当該シールドを、電気的に絶縁されたフローティングシールド5とした。
以上によれば、ターゲット3〜3下方空間へのスパッタ粒子の飛散やプラズマの回り込み等を防止するといった機能は損なわれることなく、図1に示す如く、周辺磁石43がフローティングシールド5直下に位置し、フローティングシールド5の上方空間までプラズマが存するように、磁石ユニット4〜4の往復動のストロークSを設定しても、異常放電の誘発が抑制されることなく、成膜できる。このため、ターゲット3〜3の外周縁部までスパッタリングされる侵食領域にでき、ターゲット3〜3の利用効率を一層向上させることができる。その上、ターゲット3〜3の外周縁部まで侵食領域となることで、反応性スパッタリングにて金属酸化物膜を形成するような場合でも、金属酸化物膜の堆積に伴う異常放電が誘発されるといった不具合は生じない。
以上の効果を確認するため、図1に示すスパッタリング装置SMを用いて次の実験を行った。ターゲット3〜3としてシリコンを用い、公知の方法で200mm×1310mm×厚さ6mmの平面視略長方形に成形し、バッキングプレート31に接合した。また、磁石ユニット4〜4の支持板41として、130mm×1300mmの外形寸法を有するものを用い、各支持板41上に、ターゲット3〜3の長手方向に沿った棒状の中央磁石52と、支持板51の外周に沿って周辺磁石53とを設けた。このとき、ターゲット3〜3の長手方向の両端から約51mmの位置で磁場の垂直成分が1つのピークP(約210G)がある。
そして、基板Wとして、3100mm×2900mmの外形寸法を有するガラス基板を用い、また、スパッタ条件として、真空排気されているスパッタ室1a内の圧力が0.5Paに保持されるように、マスフローコントローラ21a、21bを制御してスパッタガスであるアルゴンと酸素ガスとをスパッタ室1a内に導入した。ターゲットとガラス基板との間の距離は180mm、ターゲット41への投入電力(交流電圧)は15kWとした。ここで、発明実験としては、ターゲット3〜3の周囲に配置するシールドをアルミニウム製とし、上記実施形態の如く、電気的に絶縁されたフローティングシールド5とし、また、比較実験として、上記従来例の如く、アルミニウム製のシールドをアース接地することとした。
図3は、スパッタによる成膜中に磁石ユニット4〜4をY方向に15mm/secの速度で50mm〜85mmの範囲内の所定ストロークで往復動させ、単位時間(1分)当たりのアーク発生回数を測定した結果を示す。図3中、−□−線が発明実験の結果であり、−○−線が比較実験の結果である。この場合、交流電源E内の検出回路で検出した一対のターゲット3、3への出力電流が、定常出力電流値から所定範囲を超えて変化したとき、アーク検出制御回路によりアーク放電の発生としてカウントすることとした。なお、アーク検知方法は公知のものが利用できるため、ここでは詳細な説明を省略する。これによれば、比較実験のものでは、ストロークが70mmを超えると、アークの発生回数が増加し、放電が安定していないことが判る。それに対して、発明実験では、ストロークが70mmを超えて約80mmまでの範囲で放電が安定していることが判る。
次に、ストロークを73mmに設定し、発明実験のものにおいて、スパッタリング時の圧力(0.4〜0.6Pa)と投入電力(10〜20kW)とを変化させて放電の安定性を確認した。これによれば、投入電力を上記範囲内で一定とした場合、スパッタ室内の圧力が0.5Paより高い圧力であれば、放電がほぼ安定していることが確認された。
次に、発明実験において、ストロークを73mm、スパッタリング時の圧力を0.5Pa、投入電力を15kWに夫々設定し、発明実験のものにおいて、積算電力が300kWhに達するまでスパッタリングを行った。図4は、積算電力におけるアーク発生回数を測定したときの結果を示す。これによれば、300kWhに達するまで放電が安定した状態でスパッタリングできていることが判る。また、スパッタリング終了後、ターゲット表面を目視で確認したところ、ターゲットのY方向端部まで侵食領域となっていることが確認され、そして、ターゲット下方空間へのスパッタ粒子の回り込みも殆ど見受けられないことが確認された。これにより、本発明を適用すれば、ターゲット3〜3の利用効率が一層向上できることが確認された。また、一枚のガラス基板にシリコン酸化物膜を約250nmの膜厚で成膜し、このときの基板中央でその長さ方向に沿って膜厚を測定し、その分布を得たところ、図5に示すように、膜厚分布は±8.6%であり(図5中、□で表すものp)、シールド5をアース接地した以外発明実験と同条件で成膜した比較実験のもの(図5中、◇で表すもの)とほぼ同等であることも確認された。
以上、本発明の実施形態のマグネトロン式のスパッタ装置SMについて説明したが、本発明は、上記の形態のものに限定されるものではない。上記実施形態では、真空チャンバの底部に絶縁体7を介してフローティングシールド5を配置したものを例に説明したが、ターゲットの周囲に配置されるシールド5が電気的に絶縁されるものであれば、特に制限はない。例えば、フローティングシールドは、アルミナ製またはアルミ製の母材表面をアルミナ膜で覆ってなるものとし、直接真空チャンバ内に取り付ければよい。他方で、金属製のものの場合には、例えば、アースとの間にコンデンサーを接続して電気的に絶縁するような構成を採用することもできる。
また、上記実施形態では、複数枚のターゲットを並設し、対をなすものに交流電源により交流電力を投入するものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、ターゲットは一枚でもよく、また、DC電源にて直流電力を投入するような場合にも本発明は適用し得る。また、円形のターゲットで磁石ユニットがターゲットの中心を回転中心として回動するようにしたものにも本発明は適用し得る。
SM…スパッタリング装置、1a…スパッタ室、3〜3…ターゲット、4〜4…磁石ユニット、5…フローティングシールド、6…移動手段、E…交流電源、M1、M2…漏洩磁場、W…基板。

Claims (4)

  1. スパッタ室で処理すべき基板と共に配置されるターゲットのスパッタ面側を上として、ターゲットの下側に配置されてこのターゲットの上方にトンネル状の漏洩磁場を形成する磁石ユニットと、
    ターゲットの長手方向をX方向、このX方向に直交するターゲットの幅方向をY方向とし、磁石ユニットを所定の起点から、X方向及びY方向の少なくとも1方向にターゲットに対して相対移動させて前記起点に戻すことを繰り返す移動手段と、を備え、
    前記ターゲットの外周縁部から所定の隙間を存してターゲットの周囲を囲うように配置される、電気的に絶縁されたフローティングシールドを更に有することを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 前記フローティングシールドは、スパッタ室を画成する真空チャンバの壁面に絶縁体を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 前記フローティングシールドは、アルミナ製またはアルミ製の母材表面をアルミナ膜で覆ってなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスパッタリング装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパッタリング装置であって、同一形状を有するターゲットの複数枚が所定間隔で並設され、この並設されたターゲットのうち、対をなすものに交流電源からの出力が夫々接続されることを特徴とするものにおいて、
    前記ターゲット毎に、その周囲を囲うように前記フローティングシールドが配置されることを特徴とするスパッタリング装置。


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