JPH11229131A - 成膜用スパッタ装置 - Google Patents

成膜用スパッタ装置

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JPH11229131A
JPH11229131A JP10050034A JP5003498A JPH11229131A JP H11229131 A JPH11229131 A JP H11229131A JP 10050034 A JP10050034 A JP 10050034A JP 5003498 A JP5003498 A JP 5003498A JP H11229131 A JPH11229131 A JP H11229131A
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JP
Japan
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target
film
same material
backing plate
shield
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JP10050034A
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English (en)
Inventor
Takayuki Akiyama
貴之 秋山
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体膜物質からなり且つ紫外光領域で使用
される光学薄膜を成膜する場合、光学薄膜への不純物の
混入を低減して、これに起因する紫外吸収を著しく抑制
した成膜用スパッタ装置を提供すること。 【解決手段】 グラウンドシールド7をターゲット5と
同じ材質で形成するか、または、グラウンドシールド7
の表面にターゲット5と同じ材質のプレートを設けてい
る。また、バッキングプレート6をターゲット5と同じ
材質で形成するか、または、バッキングプレート6の表
面にターゲット5と同じ材質のプレートを設けている。
さらに、プラズマシールド8をターゲット5と同じ材質
で形成するか、または、プラズマシールド8の表面にタ
ーゲット5と同じ材質のプレートを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体膜物質から
なり且つ紫外光領域で使用される光学薄膜を成膜する場
合、光学薄膜への不純物の混入を低減して、これに起因
する紫外吸収を著しく抑制した成膜用スパッタ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、図4及び図5に示すように、AC
デュアルカソードスパッタリング装置では、アルミニウ
ム製のターゲット1が、電極を兼ねる無酸素銅製のバッ
キングプレート2に載置され、このターゲット1の周囲
に、バッキングプレート2をスパッタから保護するため
のステンレス製のグラウンドシールド3が電気的に接地
して配置され、さらに、ステンレス製のプラズマシール
ド4がこれらを囲うようにして設けられている。
【0003】ところで、誘電体膜物質からなり且つ20
0nmから400nmの範囲の紫外光領域で使用される
光学薄膜をスパッタリング法により成膜しているが、こ
のような光学薄膜では、紫外吸収が生起されるといった
ことがあり、この紫外吸収がこの光学薄膜を搭載した光
学機器の性能を低下させ問題となっている。
【0004】この紫外吸収の原因の一つとしては、一般
に酸化不足と言われる膜の化学量論性の欠如が考えられ
るが、この化学量論性の欠如は、後述するように、紫外
吸収への影響が少なく、紫外吸収の主原因とは考え難か
った。
【0005】この紫外吸収の主原因としては、不純物の
光学薄膜への混入が考えられている。可視光領域では、
光学薄膜に混入された不純物が微量であっても、全く問
題にならないが、紫外光領域では、微量な不純物が非常
に大きな紫外吸収をもたらすと考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような不純物が光
学薄膜に混入するメカニズムは、以下のように推察され
る。
【0007】上述したように、ターゲット1がアルミニ
ウム製であるのに対し、グラウンドシールド3とプラズ
マシールド4とは、ステンレス製であり、ターゲット1
とは異なった材質から形成されている。また、これらグ
ラウンドシールド3とプラズマシールド4とは、電気的
に接地されているため、通常、スパッタされることはな
い。
【0008】通常、スパッタリングの際には、スパッタ
ガスイオンがアルミニウム製のターゲット1に衝突して
スパッタすることにより、飛び出した粒子が基板上に堆
積し、アルミニウムの薄膜が基板上に形成されている。
【0009】しかし、数ミリトールという比較的高い圧
力のもとで行われるスパッタリングの際には、ターゲッ
ト1に向けて加速されたスパッタガスイオンが、イオン
化されていないスパッタガスと比較的高い確率で衝突
し、この衝突により、スパッタガスイオンは、ターゲッ
ト1に向かわずに、グラウンドシールド3とプラズマシ
ールド4とに衝突してこれらをスパッタすることがあ
る。
【0010】このような場合、これらグラウンドシール
ド3とプラズマシールド4とは、上記のように、ターゲ
ット1の材質とは異なるステンレス製であり、スパッタ
により飛び出した粒子は、基板上に堆積されるが、ステ
ンレスからなる粒子であることから、基板上のアルミニ
ウムの薄膜に、ステンレスの不純物が混入されるといっ
たことがある。
【0011】このようにして基板上の薄膜に混入された
不純物が、上記のように、紫外吸収を招来することか
ら、このように作られた光学薄膜を搭載した光学機器の
性能を低下させ問題となっている。
【0012】本発明は、上述しような事情に鑑みてなさ
れたものであり、誘電体膜物質からなり且つ紫外光領域
で使用される光学薄膜を成膜する場合、光学薄膜への不
純物の混入を低減して、これに起因する紫外吸収を著し
く抑制した成膜用スパッタ装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的達成のため、
本発明の請求項1に係る成膜用スパッタ装置は、電極を
兼ねるバッキングプレートにターゲットを載置して、こ
のターゲットの周囲に、バッキングプレートをスパッタ
から保護するためのグラウンドシールドを電気的に接地
して設け、前記ターゲットにスパッタガスイオンを衝突
させてスパッタし、飛び出した粒子を基板上に堆積して
薄膜を基板上に成膜するための成膜用スパッタ装置にお
いて、前記グラウンドシールドを前記ターゲットと同じ
材質で形成するか、または、前記グラウンドシールドの
表面に前記ターゲットと同じ材質のプレートを設けたこ
とを特徴とする。
【0014】また、請求項2に係る成膜用スパッタ装置
は、前記バッキングプレートを前記ターゲットと同じ材
質で形成するか、または、前記バッキングプレートの表
面に前記ターゲットと同じ材質のプレートを設けたこと
を特徴とする。
【0015】さらに、請求項3に係る成膜用スパッタ装
置は、前記バッキングプレートを囲うようにして設けら
れたプラズマシールドを前記ターゲットと同じ材質で形
成するか、または、前記プラズマシールドの表面に前記
ターゲットと同じ材質のプレートを設けたことを特徴と
する。
【0016】成膜用スパッタ装置では、ターゲット以外
のものがスパッタされる場合、グラウンドシールドは、
ターゲットに一番近い場所に位置しプラズマにも曝され
ているため、一番スパッタされ易く、次いでスパッタさ
れやすいのはバッキングプレートとプラズマシールドで
ある。
【0017】請求項1によれば、グラウンドシールドを
ターゲットと同じ材質で形成するか、または、グラウン
ドシールドの表面にターゲットと同じ材質のプレートを
設けているため、スパッタガスイオンがこのグラウンド
シールドまたはその表面に設けたプレートに衝突してス
パッタすることがあったとしても、飛び出した粒子は、
ターゲットの材質と同じ材質のものであることから、基
板上にも、ターゲットの材質と同じ材質のものが堆積す
るため、基板上の薄膜への不純物の混入を著しく低減で
きる。従って、不純物の混入に起因する紫外吸収の問題
を抑制して、光学機器の性能低下の問題を回避すること
ができる。
【0018】請求項2によれば、バッキングプレートを
ターゲットと同じ材質で形成するか、または、バッキン
グプレートの表面にターゲットと同じ材質のプレートを
設けているため、スパッタガスイオンがこのバッキング
プレートまたはその表面に設けたプレートに衝突してス
パッタすることがあったとしても、基板上にも、ターゲ
ットの材質と同じ材質のものが堆積するため、基板上の
薄膜への不純物の混入を著しく低減できる。
【0019】請求項3によれば、プラズマシールドをタ
ーゲットと同じ材質で形成するか、または、プラズマシ
ールドの表面にターゲットと同じ材質のプレートを設け
ているため、スパッタガスイオンがこのプラズマシール
ドまたはプレートに衝突してスパッタすることがあった
としても、基板上にも、ターゲットの材質と同じ材質の
ものが堆積するため、基板上の薄膜への不純物の混入を
著しく低減できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
成膜用スパッタ装置を図面を参照しつつ説明する。
【0021】図1は、本発明の実施の形態に係るACデ
ュアルカソードスパッタリング装置の断面図であり、図
2は、図1に示したACデュアルカソードスパッタリン
グ装置の平面図である。
【0022】本実施の形態に係るACデュアルカソード
スパッタリング装置では、アルミニウム製のターゲット
5が、電極を兼ねるバッキングプレート6に載置され、
このターゲット5の周囲に、バッキングプレート6をス
パッタから保護するためのグラウンドシールド7が電気
的に接地して配置され、さらに、プラズマシールド8が
これらを囲うようにして設けられている。この装置によ
るスパッタリングの際には、スパッタガスイオンがアル
ミニウム製のターゲット5に衝突してスパッタし、この
スパッタにより飛び出した粒子が基板上に堆積され、ア
ルミニウムの薄膜が基板上に形成されている。
【0023】本実施の形態では、第1には、グラウンド
シールド7がターゲット5と同じ材質であるアルミニウ
ムから形成されている。
【0024】従って、ターゲット5に向けて加速された
スパッタガスイオンが、イオン化されていないスパッタ
ガスと衝突し、ターゲット5に向かわずに、グラウンド
シールド7に衝突してスパッタすることがあったとして
も、スパッタにより飛び出した粒子は、ターゲットの材
質と同じ材質のアルミニウムであることから、基板上に
も、ターゲットの材質と同じアルミニウムの粒子が堆積
する。そのため、不純物の混入を著しく低減でき、基板
上の薄膜への不純物の混入に起因する紫外吸収の問題を
抑制でき、光学機器の性能低下の問題を回避することが
できる。
【0025】なお、グラウンドシールド7をターゲット
5と同じ材質により形成することが困難な場合は、従来
のグラウンドシールド3の表面にターゲット5と同じ材
質のプレート(図示略)が設けられていてもよい。
【0026】また、本実施の形態では、第2には、バッ
キングプレート6がターゲット5と同じ材質であるアル
ミニウムから形成されている。
【0027】従って、ターゲット5に向けて加速された
スパッタガスイオンがバッキングプレート6に衝突して
スパッタすることがあったとしても、スパッタにより飛
び出した粒子は、ターゲットの材質と同じ材質のアルミ
ニウムであることから、基板上にも、ターゲットの材質
と同じアルミニウムの粒子が堆積する。そのため、不純
物の混入を著しく低減でき、基板上の薄膜への不純物の
混入に起因する紫外吸収の問題を抑制できる。
【0028】なお、バッキングプレート6をターゲット
5と同じ材質により形成することが困難な場合は、従来
のバッキングプレート2の表面にターゲット5と同じ材
質のプレート(図示略)が設けられていてもよい。
【0029】さらに、本実施の形態では、第3には、プ
ラズマシールド8がターゲット5と同じ材質であるアル
ミニウムから形成されている。
【0030】従って、スパッタガスイオンがプラズマシ
ールド8に衝突してスパッタすることがあったとして
も、スパッタにより飛び出した粒子は、ターゲットの材
質と同じ材質のアルミニウムであることから、基板上に
も、ターゲットの材質と同じアルミニウムの粒子が堆積
するため、不純物の混入を著しく低減でき、これに起因
する紫外吸収の問題を抑制できる。
【0031】なお、プラズマシールド8をターゲット5
と同じ材質により形成することが困難な場合は、従来の
プラズマシールド4の表面にターゲット5と同じ材質の
プレート(図示略)が設けられていてもよい。
【0032】このように、ターゲット5以外のものがス
パッタされる場合、グラウンドシールド7は、ターゲッ
ト5に一番近い場所に位置しプラズマにも曝されている
ため、一番スパッタされ易く、次いでスパッタされやす
いのはバッキングプレート6とプラズマシールド8であ
るが、本実施の形態では、これらグラウンドシールド
7、バッキングプレート6、及びプラズマシールド8が
順次、ターゲット5と同じ材質であるアルミニウムから
形成されているため、基板上の薄膜への不純物の混入を
著しく低減でき、不純物の混入に起因する紫外吸収の問
題を抑制でき、光学機器の性能低下の問題を回避するこ
とができる。
【0033】
【実施例】(実施例及び比較例共通)200nmから4
00nmの範囲の紫外光領域で使われる酸化物薄膜物質
として、HfO2、ZrO2、Al23、およびSiO2
がある。これらの膜物質をACデュアルカソードスパッ
タリング法を用いて金属ターゲットから成膜した。AC
デュアルカソードスパッタリング法は成膜速度が大き
く、近年盛んに用いられている手法である。
【0034】上記の紫外光領域で使用するHfO2膜、
ZrO2膜、およびAl23膜をACデュアルカソード
スパッタリング法で成膜した。それらの中で、ここでは
Al23膜の成膜例を述べる。
【0035】スパッタガスはアルゴンであり、反応ガス
に酸素を用いた。成膜時の成膜圧力は3ミリトールであ
った。そのうち、スパッタガスであるアルゴンの分圧は
2ミリトール、反応ガスである酸素の分圧は1ミリトー
ルであった。これらの分圧はマスフローコントローラー
で流量コントロールをして一定に保った。酸素の分圧が
スパッタ中常に1ミリトールに保たれるため、ターゲッ
トの表面には酸化物が形成され、それをスパッタした。
これは、酸化物モードスパッタとして知られている。ま
た、スパッタのパワーは2kWであった。基板は石英基
板を用いた。基板加熱は特に行わなかった。
【0036】(比較例)比較例で使用したACデュアル
カソードスパッタリング装置を図4及び図5に示す。タ
ーゲット1はAlであった。バッキングプレート2は無
酸素銅であった。バッキングプレート2を保護する為の
接地電位のグラウンドシールド3はステンレス製であっ
た。また、スパッタ装置上部に形成されたプラズマを囲
むプラズマシールド4もステンレス製であった。
【0037】上記手法で、Al23膜を約10λの厚さ
で成膜した。ここで、λは400nmである。この膜を
200nmから400nmの範囲で測定したところ、図
3に示す分光透過率特性11が得られた。図3には、石
英基板それ自体の透過率特性9も示した。基板の透過率
とAl23膜のλ/2の偶数倍の位置での透過率の差が
吸収量となる。この吸収量から計算によって得られた2
50nmでの減衰係数の値は、比較例においては、0.
006程度であった。
【0038】なお、参考のため、化学量論性の欠如につ
いても考察した。スパッタ中でも反応ガスである酸素の
分圧は1ミリトールに保たれた。また、成膜は、金属タ
ーゲット表面上に形成された酸化物をスパッタする酸化
物モードで行われた。以上から、成膜中には金属Alを
酸化するのに十分な酸素が存在したことは確かであると
考えた。さらに、スパッタ中に、反応ガスである酸素の
分圧を変化させて同様に成膜したが、吸収量に変化は無
かった。これらから、形成された膜が化学量論性欠如に
よる大きな紫外吸収を持つとは考えにくく、化学量論性
の欠如が紫外吸収の主原因とは考えにくかった。
【0039】(実施例)本発明では、上記のように、グ
ラウンドシールド等をターゲットと同じ材質で形成し
て、光学薄膜への不純物の混入を防止して、紫外吸収の
問題を抑制しているが、この実施例では、本発明の完成
に至るプロセスをまじえて説明する。
【0040】本発明者は、薄膜中への不純物混入による
吸収を考えてみた。不純物の出所は、バッキングプレー
ト、グラウンドシールド、及びプラズマシールドを考え
た。こらら全ては、ターゲット材のAlとは違った金属
で作られていた。また、これらの表面が均一にスパッタ
されていることは考えにくい。しかし、使用したスパッ
タ装置固有の構成のため、ある一部がスパッタされてい
る可能性があると考えた。
【0041】上記の疑った部品のどこがスパッタされて
いるかを特定することは難しかった。そこで、これらの
部品がスパッタされても膜中の不純物にならないよう
に、Alで作ってしまうことを考えて実施した。
【0042】図1と図2に改良したACデュアルカソー
ドスパッタリング装置を示す。ターゲット5はAlであ
った。バッキングプレート6はアルミニウム製であっ
た。実際は、アルミニウム材を削り出してターゲットと
バッキングプレートが一体化したターゲットを用いた。
バッキングプレート6を保護する為の接地電位のグラウ
ンドシールド7はアルミニウム製であった。また、スパ
ッタ装置上部に設置したプラズマを囲むプラズマシール
ド8もアルミニウム製であった。
【0043】改良したスパッタ装置を用いて、Al23
膜を約10λの厚さで再び成膜した。ここで、λは40
0nmである。この膜を200nmから400nmの範
囲で測定したところ、図3に示す分光透過率特性10が
得られた。図3には、基板それ自体の透過率特性9と従
来のスパッタ装置で成膜したAl23膜の透過率特性1
1も示した。本発明のスパッタ装置で成膜したAl23
膜の紫外吸収が著しく低減したことを確認した。具体的
には、計算に依って得た250nmでの減衰係数は、比
較例では、0.006程度であったのに対し、0.00
1程度であり、紫外吸収が著しく低減された。
【0044】さらに、本発明者は、バッキングプレー
ト、グラウンドシールド、及びプラズマシールドを替え
たことにより減衰係数の低減が実現できたので、それら
がAl23膜の吸収に与える影響の大小を調べた。
【0045】まず、プラズマシールドのみステンレス製
のものに戻し、同様の成膜実験を行った。得られたAl
23膜を測定し、分光特性が少し下がったことを確認し
た。この膜の250nmでの減衰係数は0.001程度
であり、減衰係数に与える影響は非常に小さかった。以
上から、プラズマシールドの材質の変更は、紫外吸収を
減らす効果は有るが、その影響は非常に小さいことが判
明した。
【0046】次に、グラウンドシールドをステンレス製
のものに戻し、同様の成膜実験を行った。得られたAl
23膜を測定したところ、分光特性が大幅に下がった。
この膜の250nmでの減衰係数は0.006程度であ
り、グランドシールドの材質の変更は、紫外吸収を減ら
すことに対する影響が非常に大きいことが判明した。
【0047】グラウンドシールドをステンレス製のもの
に戻したスパッタ装置で成膜した膜の減衰係数が、従来
のスパッタ装置で成膜した膜の減衰係数とほぼ同じであ
ることから、無酸素銅バッキングプレートの影響は非常
に小さいものであろうことは容易に推測できた。しか
し、無酸素銅のバッキングプレートを持つターゲットに
取り替え、確認の成膜実験を行った。得られたAl23
膜を測定し、分光特性が少し下がったことを確認した。
この膜の250nmでの減衰係数は0.006程度であ
り、減衰係数に与える影響はプラズマシールドと同様に
非常に小さかった。これから、バッキングプレートの材
質の変更は、紫外吸収を減らす効果は有るが、その影響
は非常に小さいことが判明した。無酸素銅バッキングプ
レートはターゲットに一番近いところにあるのにもかか
わらず影響が非常に少ないのは、図1と図2からも解る
とおり、グラウンドシールドがバッキングプレートをほ
とんど全て覆っているためと考えた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1によれ
ば、グラウンドシールドをターゲットと同じ材質で形成
するか、または、グラウンドシールドの表面にターゲッ
トと同じ材質のプレートを設けているため、スパッタガ
スイオンがこのグラウンドシールドまたはその表面に設
けたプレートに衝突してスパッタすることがあったとし
ても、飛び出した粒子は、ターゲットの材質と同じ材質
のものであることから、基板上にも、ターゲットの材質
と同じ材質のものが堆積するため、基板上の薄膜への不
純物の混入を著しく低減できる。従って、不純物の混入
に起因する紫外吸収の問題を抑制して、光学機器の性能
低下の問題を回避することができる。
【0049】請求項2によれば、バッキングプレートを
ターゲットと同じ材質で形成するか、または、バッキン
グプレートの表面にターゲットと同じ材質のプレートを
設けているため、スパッタガスイオンがこのバッキング
プレートまたはその表面に設けたプレートに衝突してス
パッタすることがあったとしても、基板上にも、ターゲ
ットの材質と同じ材質のものが堆積するため、基板上の
薄膜への不純物の混入を著しく低減できる。
【0050】請求項3によれば、プラズマシールドをタ
ーゲットと同じ材質で形成するか、または、プラズマシ
ールドの表面にターゲットと同じ材質のプレートを設け
ているため、スパッタガスイオンがこのプラズマシール
ドまたはプレートに衝突してスパッタすることがあった
としても、基板上にも、ターゲットの材質と同じ材質の
ものが堆積するため、基板上の薄膜への不純物の混入を
著しく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るACデュアルカソー
ドスパッタリング装置の断面図である。
【図2】図1に示したACデュアルカソードスパッタリ
ング装置の平面図である。
【図3】本発明と従来とに係る分光特性を示すグラフで
ある。
【図4】従来に係るACデュアルカソードスパッタリン
グ装置の断面図である。
【図5】図4に示したACデュアルカソードスパッタリ
ング装置の平面図である。
【符号の説明】
5 アルミニウム製のターゲット 6 アルミニウム製のバッキングプレート 7 アルミニウム製のグラウンドシールド 8 アルミニウム製のプラズマシールド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を兼ねるバッキングプレートにター
    ゲットを載置して、このターゲットの周囲に、バッキン
    グプレートをスパッタから保護するためのグラウンドシ
    ールドを電気的に接地して設け、前記ターゲットにスパ
    ッタガスイオンを衝突させてスパッタし、飛び出した粒
    子を基板上に堆積して薄膜を基板上に成膜するための成
    膜用スパッタ装置において、 前記グラウンドシールドを前記ターゲットと同じ材質で
    形成するか、または、前記グラウンドシールドの表面に
    前記ターゲットと同じ材質のプレートを設けたことを特
    徴とする成膜用スパッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記バッキングプレートを前記ターゲッ
    トと同じ材質で形成するか、または、前記バッキングプ
    レートの表面に前記ターゲットと同じ材質のプレートを
    設けたことを特徴とする請求項1に記載の成膜用スパッ
    タ装置。
  3. 【請求項3】 前記バッキングプレートを囲うようにし
    て設けられたプラズマシールドを前記ターゲットと同じ
    材質で形成するか、または、前記プラズマシールドの表
    面に前記ターゲットと同じ材質のプレートを設けたこと
    を特徴とする請求項2に記載の成膜用スパッタ装置。
JP10050034A 1998-02-17 1998-02-17 成膜用スパッタ装置 Withdrawn JPH11229131A (ja)

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