JP2013001699A - ピリジン−n−オキシド類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オキソ酸水和物およびリン酸の存在下、ピリジン類を過酸化物と反応させるピリジン−N−オキシド類の製造方法。オキソ酸水和物(M)とリン酸(P)のモル比はM/P=0.1〜10であることが好ましく、オキソ酸水和物はタングステン酸であることが好ましい。ピリジン類としては2−クロロピリジンが好ましい。
【選択図】なし
Description
原料として用いるピリジン類としては、ピリジン;2−置換ピリジン、3−置換ピリジン、4−置換ピリジンなどの1つの置換基を有するピリジン;2,3−置換ピリジン、2,5−置換ピリジン、2,6−置換ピリジン、3,4−置換ピリジン、3,5−置換ピリジンなどの2つの置換基を有するピリジン;2,4,6−置換ピリジン、2,3,5−置換ピリジンなどの3つの置換基を有するピリジンなどが挙げられ、なかでも、反応性や得られるピリジン−N−オキシド類の用途において、1の置換基を有するピリジン、特に2−置換ピリジンが好ましい。
置換基としてのハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子などが挙げられ、好ましくは塩素原子である。
アルキル基としては、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜12、好ましくは炭素数6〜10のアリール基、例えばフェニル基が挙げられる。
原料ピリジン類に反応させる過酸化物としては、過酸化水素、過酢酸等の過酸が挙げられるが、なかでも経済性、汎用性の点で過酸化水素が好ましい。
過酸化水素水は工業的に入手可能なものでよく、通常30〜70重量%、好ましくは30〜35重量%の濃度で提供されている。
触媒として用いるオキソ酸水和物としては特に制限はないが、好ましくは、タングステン酸、モリブデン酸が挙げられ、なかでもタングステン酸が触媒活性の点で好ましい。
助触媒としてオキソ酸水和物と併用されるリン酸の使用量は、ピリジン類1モルに対して、通常0.01〜1.0モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。リン酸の使用量が多すぎると触媒回収の負荷が増し、少なすぎると反応収率が低下する。
本発明において、ピリジン類、過酸化物、オキソ酸水和物及びリン酸の反応系への添加順序は特に制限はないが、ピリジン類、オキソ酸水和物及びリン酸を水に混合した溶液に、過酸化物を添加して反応させる方法が挙げられる。なお、水は使用してもしなくてもよい。
反応に水を使用する場合、水は、ピリジン類に対する重量比で、通常0.01〜1、好ましくは0.01〜0.1の割合で使用される。水の使用量が多すぎると反応速度が低下する。
反応時間は、通常1〜50時間、好ましくは5〜40時間、より好ましくは5〜20時間である。
タングステン酸(H2WO4):和光純薬工業(株)製
酸化バナジウム(V2O5):和光純薬工業(株)製
タングストリン酸(12タングスト(VI)リン酸n水和物:H3(PW12O40)・nH2O):和光純薬工業(株)製
リン酸(H3PO4):和光純薬工業(株)製
硝酸(HNO3):和光純薬工業(株)製
硫酸(H2SO4):和光純薬工業(株)製
なお、後掲の表1には、反応途中の原料とN−オキシド体(表1中、「NO体」と略記する。)のA%が記載されているが、これは、反応開始から2時間後、6時間後などの反応途中に、反応液をパスツールピペットで採取して測定サンプルとし、上記の方法によりA%を求めたものである。
2−クロロピリジン5.97g(0.052mol)とタングステン酸0.67g(0.0027mol)とリン酸0.018g(0.0016mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で10時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。この反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、2−クロロピリジン−N−オキシドを99.9A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
2−クロロピリジン5.97g(0.052mol)とタングステン酸0.67g(0.0027mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で16時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。この反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、2−クロロピリジン−N−オキシドを96.3A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
2−クロロピリジン5.97g(0.052mol)とタングステン酸0.67g(0.0027mol)と硝酸0.17g(0.0027mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で14時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。この反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、2−クロロピリジン−N−オキシドを98.5A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
2−クロロピリジン5.97g(0.052mol)とタングステン酸0.67g(0.0027mol)と硫酸0.86g(0.0086mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で10時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。この反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、2−クロロピリジン−N−オキシドを95.4A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
2−クロロピリジン5.97g(0.052mol)と酸化バナジウム0.49g(0.0027mol)とリン酸0.018g(0.0016mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で10時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。この反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、2−クロロピリジン−N−オキシドを5.0A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
2−クロロピリジン5.97g(0.052mol)とタングストリン酸0.65g(0.0027mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で6時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。この反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、2−クロロピリジン−N−オキシドを15.9A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
ピリジン4.16g(0.052mol)とタングステン酸0.67g(0.0027mol)とリン酸0.018g(0.0016mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で10時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。この反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、ピリジン−N−オキシドを98.8A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
ピリジン4.16g(0.052mol)とタングステン酸0.67g(0.0027mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で10時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、ピリジン−N−オキシドを92.8A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
2−メチルピリジン4.90g(0.052mol)とタングステン酸0.67g(0.0027mol)とリン酸0.018g(0.0016mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で10時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、2−メチルピリジン−N−オキシドを99.4A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
2−メチルピリジン4.90g(0.052mol)とタングステン酸0.67g(0.0027mol)を水1.25gに加え、攪拌しながら60℃に昇温した。ついで、35重量%過酸化水素水6.14g(0.063mol)を30分かけて滴下した。滴下後60℃で10時間反応を行った。反応終了後、塩化カルシウム0.63g(0.00567mol)を加え、28重量%水酸化ナトリウム水溶液で反応液のpHを10〜11に調整した。反応液を30℃まで冷却した後に触媒のカルシウム塩を濾別し、濾液をHPLCで分析したところ、2−メチルピリジン−N−オキシドを90.5A%含んでいた。結果をまとめて表1に示す。
Claims (6)
- オキソ酸水和物およびリン酸の存在下、ピリジン類を過酸化物と反応させることを特徴とするピリジン−N−オキシド類の製造方法。
- オキソ酸水和物(M)とリン酸(P)のモル比が、M/P=0.1〜10であることを特徴とする請求項1に記載のピリジン−N−オキシド類の製造方法。
- オキソ酸水和物がタングステン酸であることを特徴とする請求項1または2に記載のピリジン−N−オキシド類の製造方法。
- 一般式(1)におけるRがハロゲン原子であることを特徴とする請求項4に記載のピリジン−N−オキシド類の製造方法。
- ピリジン類が2−クロロピリジンであることを特徴とする請求項5に記載のピリジン−N−オキシド類の製造方法。
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JP2011137395A JP2013001699A (ja) | 2011-06-21 | 2011-06-21 | ピリジン−n−オキシド類の製造方法 |
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WO2023199939A1 (ja) * | 2022-04-13 | 2023-10-19 | 花王株式会社 | 組成物 |
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