JP2013001522A - 紙送りローラ - Google Patents

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俊裕 田村
Munehiro Nishimoto
宗宏 西本
Toshiyuki Hirai
利幸 平井
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Abstract

【課題】熱可塑性エラストマからなるローラ本体を備え、なおかつ前記ローラ本体とシャフトとを接着によらずに十分強固に固定して空転トルクをこれまでよりも向上できる紙送りローラを提供する。
【解決手段】外周面2からの凹入深さDが外径dの1/6以上である凹部3を備えたシャフト1と、通孔6の内周面7からの突出高さHが前記凹入深さDの50〜100%である凸部8を備えるとともに、通孔6の内径dが前記外径d1よりも小さいローラ本体4とを、前記外径dと内径dとの差に基づく締め代、および前記凹部3と凸部8との嵌め合わせにより互いに直接に固定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば静電式複写機や各種プリンタ等において紙送りに用いられる紙送りローラに関するものである。
例えば静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、インクジェットプリンタ、自動現金預払機(ATM)等の機器類における紙送り機構には、各種の紙送りローラが組み込まれている。前記紙送りローラとしては、紙(プラスチックフィルム等を含む。以下同様。)と接触しながら回転して摩擦によって紙を搬送する、例えば給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。
紙送りローラは、例えばエンジニアリングプラスチック等の硬質樹脂や、あるいは金属等からなる円柱状のシャフトと、前記シャフトが挿通される通孔を有し、紙と直接に接触して紙送りの機能を担うローラ本体とを、前記シャフトを中心として一体回転できるように互いに固定して構成するのが一般的である。
前記シャフトとローラ本体とを、従来は、例えば接着剤によって接着して互いに固定したり(特許文献1)、通孔の内径をシャフトの外径よりも小さく設定して、両径の差に基づく締め代によって互いに固定したり(特許文献2)、前記締め代に加えて、さらにシャフトの外周面、およびローラ本体の通孔の内周面をそれぞれローレット加工して前記両面に形成された微小な凹凸を互いに嵌め合わせることで前記固定を補強したり(特許文献3)するのが一般的であった。
特許第4253249号公報 特許第3386341号公報 実開平5−49753号公報
しかし、シャフトとローラ本体とを接着剤によって接着するのは困難である。すなわち、シャフトの外径とローラ本体の通孔の内径とは、基本的に互いに一致させるか、あるいは前記のように締め代を考慮して内径を外径よりも小さくするのが一般的であるため、シャフトの外周面と通孔の内周面との間に接着剤を介在させること自体が困難である。
例えば外周面に接着剤を塗布したシャフトを通孔に挿入する場合、大部分の接着剤は、ローラ本体の通孔の入口付近でこそげ取られてしまうため、十分な接着力を得ることができない。
のみならず、はみ出した接着剤がシャフトやローラ本体の外周面を汚染したりし易い他、接着剤とその塗布工程が必要となる分、紙送りローラの製造に使用する材料、および製造工程が増加するといった問題もある。
そこで特許文献1においては、前記シャフトとローラ本体とを接着剤を介して確実に固定するべく、接着剤がこそげ取られるのを防止しながらシャフトをローラ本体に挿入するための挿入装置、および挿入方法について検討されているが、接着剤とその塗布工程、さらには前記挿入装置が必要となる分、紙送りローラの製造に使用する材料、および製造工程が増加することには変わりはない。
一方、締め代による固定や、あるいは締め代+ローレット加工による固定では、接着剤による接着のような問題は生じない。
しかし近時、ローラ本体を、例えばリサイクルを容易にするため、従来のゴムの架橋物からなるものに代えて、熱可塑性エラストマによって形成することが検討されており、その場合、前記締め代のみによる固定では、ローラ本体とシャフトとを十分強固に固定することができない。そして、シャフトとローラ本体とが空転を生じない最大のトルク、すなわち空転トルクが、該当する紙送りローラにおいて必要とする設定値に達しない場合を生じるという問題がある。
この原因は、熱可塑性エラストマのゴム弾性が、ゴムの架橋物ほどには大きくないことにある。例えば同じ締め代を設定した場合、シャフトをローラ本体の通孔に圧入した際にローラ本体に発生するシャフトの締め付け力は、熱可塑性エラストマの場合、ゴムの架橋物に比べて小さくなる傾向がある。そのため、空転トルクが所定値に達しない場合を生じる。
特に、例えばφ6程度のシャフト径の細い紙送りローラでは、シャフトの外周面とローラ本体の通孔の内周面との接触面積が小さいため、空転トルクが小さくなる傾向が大きい。
締め代に加えて、さらにシャフトの外周面、およびローラ本体の通孔の内周面をそれぞれローレット加工して前記両面に形成された、例えばその高低差が0.5mm未満程度の微小な凹凸を互いに嵌め合わせれば、前記空転トルクをある程度は向上することができる。
ところが、ローラ本体を熱可塑性エラストマによって形成した場合には、ゴムの架橋物からなるものに比べて、前記凹凸による、空転トルクを向上する効果は不十分である。
すなわち、熱可塑性エラストマからなる通孔の内周面の微小な凹凸は、紙送りローラにトルクが加わった際に破壊されたり、あるいはシャフトの外周面の凹凸との嵌め合わせが解除されたりしやすく、これらの問題が生じるとローラ本体をシャフトに固定できなくなって空転を生じてしまうため、空転トルクの向上効果が十分に得られない。
本発明の目的は、熱可塑性エラストマからなるローラ本体を備え、なおかつ前記ローラ本体とシャフトとを接着によらずに十分強固に固定して空転トルクをこれまでよりも向上できる紙送りローラを提供することにある。
本発明は、シャフトと、前記シャフトが挿通される通孔を有する、熱可塑性エラストマからなるローラ本体とを備えた紙送りローラであって、
前記シャフトは、その外周面が円筒状に形成されているとともに、前記外周面の、軸方向の少なくとも一部の、周方向の少なくとも2箇所に、前記外周面から径方向内方へ凹入させた凹部を有しており、
前記ローラ本体は、前記通孔の内周面が円筒状に形成されているとともに、前記通孔の内径dが前記シャフトの外径dよりも小さく設定され、かつ前記内周面の、前記凹部に対応する位置に、前記内周面から径方向内方へ突出させた、前記凹部と嵌め合わされる凸部を有しており、
前記シャフトの凹部の、前記外周面からの径方向内方への凹入深さDは、前記シャフトの外径dの1/6以上で、かつ前記ローラ本体の凸部の、前記内周面からの径方向内方への突出高さHは、前記凹部の凹入深さDの50%以上、100%以下であって、
前記シャフトとローラ本体とは、前記シャフトの外径dとローラ本体の通孔の内径dとの差に基づく締め代、および前記凹部と凸部との嵌め合わせにより互いに直接に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、シャフトに前記所定の凹入深さDを有する凹部を設けるとともに、ローラ本体には前記所定の突出高さHを有する凸部を設けており、前記凹部および凸部は、いずれも従来のローレット加工による凹凸に比べて十分に大きいため、紙送りローラにトルクが加わった際に、熱可塑性エラストマからなるローラ本体の凸部が簡単に破壊されたり、あるいはシャフトの外周面の凹部との嵌め合わせが簡単に解除されたりすることがない。
そのため前記凹部および凸部の嵌め合わせ、ならびにシャフトの外径dと通孔の内径dとの差に基づく締め代によって、シャフトとローラ本体とを、接着によらず互いに直接に固定して、空転トルクをこれまでよりも向上することができる。
なお本発明において、凹部の凹入深さDが前記範囲内に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち凹入深さDがシャフトの外径dの1/6未満では、前記外径dにもよるが、前記凹部に嵌め合わされる凸部が小さくなって、紙送りローラにトルクが加わった際に破壊されたり、凹部との嵌め合わせが解除されたりし易くなる。そのため空転トルクを向上する効果が十分に得られない場合を生じる。
また本発明において、凸部の突出高さHが前記範囲内に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、凸部の突出高さHが凹部の凹入深さDの50%未満では、前記凹入深さDにもよるが、凸部が小さくなって、紙送りローラにトルクが加わった際に破壊されたり、凹部との嵌め合わせが解除されたりし易くなる。そのため空転トルクを向上する効果が十分に得られない場合を生じる。
一方、凸部の突出高さHが凹部の凹入深さDの100%を超える場合には、前記凸部を凹部に嵌め合わせた際に、凸部の、凹部に対する余剰の高さ分によってローラ本体が径方向外方に拡張するように変形されやすくなる。そのため、締め代に基づく両者の固定が不十分になって、却って、空転トルクを向上する効果が十分に得られない場合を生じる。
前記本発明において、シャフトの外径dとローラ本体の通孔の内径dとから、式(1):
Figure 2013001522
で求められる締め代は3%以上であるのが好ましく、20%以下であるのが好ましい。
締め代が前記範囲未満では、当該締め代に基づく両者の固定が不十分になって、空転トルクを向上する効果が十分に得られない場合を生じるおそれがある。
一方、締め代が前記範囲を超える場合には、シャフトをローラ本体の通孔に圧入できなかったり、圧入できたとしても、締め代分のゴム体積の不均一な移動によって、ローラ本体の外観が悪くなったりするおそれがある。
本発明によれば、熱可塑性エラストマからなるローラ本体を備え、なおかつ前記ローラ本体とシャフトとを接着によらずに十分強固に固定して空転トルクをこれまでよりも向上できる紙送りローラを提供することができる。
本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例を構成するシャフトの外観を示す斜視図である。 図1のシャフトのうち凹部を設けた領域を拡大した断面図である。 図1のシャフトとともに紙送りローラを構成するローラ本体の外観を示す斜視図である。 図3のローラ本体のうち通孔の部分を拡大した側面図である。 前記通孔のうち凸部を形成した領域をさらに拡大した側面図である。 本発明の紙送りローラの、実施の形態の他の例を構成するシャフトの外観を示す斜視図である。 図6のシャフトのうち凹部を設けた領域を拡大した断面図である。 図6のシャフトとともに紙送りローラを構成するローラ本体の外観を示す斜視図である。 図8のローラ本体のうち通孔の部分を拡大した側面図である。
《紙送りローラ》
〈シャフト〉
図1は、本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例を構成するシャフトの外観を示す斜視図である。図2は、前記図1のシャフトのうち凹部を設けた領域を拡大した断面図である。
図1、図2を参照して、シャフト1は、例えばエンジニアリングプラスチック等の硬質樹脂や金属によって、円柱状に一体に形成され、前記シャフト1の外周面2は、その全長に亘って円筒状に形成されている。
前記外周面2の、軸方向の一部の、周方向の4箇所には、前記外周面2から径方向内方へ凹入させて凹部3が形成されている。
前記4つの凹部3は、前記周方向に等間隔に設けられている。すなわち4つの凹部3は、シャフト1の中心軸Sを中心として、各々周方向に90°ずつ回転させた位置に形成されている。
個々の凹部3の内面は、それぞれシャフト1の軸方向と平行で、かつ互いに直交する二平面3aと、前記シャフトの軸方向、および前記二平面3aとそれぞれ直交する互いに平行な二平面3bとで構成されている。
周方向に隣り合う凹部3の、互いに近接した二平面3aは、互いに平行でかつ互いに背向させて設けられている。また周方向に隣り合う凹部3の、互いに離間した二平面3aは同一平面上に設けられている。
さらに、それぞれの凹部3を構成する互いに直交する二平面3aは、軸方向と直交方向の幅が互いに等しくされている。また前記幅は、4つの凹部3の各平面3aでいずれも等しくされている。
シャフト1の中心軸Sから、前記二平面3aの交線3cを通って前記シャフト1の外周面2に達する直線上の、前記直線と交線3cとの交点から前記外周面2までの距離が、凹部3の、前記外周面2からの径方向内方への凹入深さDとされている。前記凹入深さDは、各凹部3の、シャフト1の軸方向の全長に亘って等しくされている。また前記凹入深さDは、4つの凹部3でいずれも等しくされている。
前記凹入深さDは、シャフト1の外径dの1/6以上である必要がある。
凹入深さDがシャフトの外径dの1/6未満では、前記外径dにもよるが、前記凹部に嵌め合わされる凸部が小さくなって、紙送りローラにトルクが加わった際に破壊されたり、凹部との嵌め合わせが解除されたりし易くなる。そのため空転トルクを向上する効果が十分に得られない場合を生じる。
なお凹入深さDは、前記範囲内でもシャフト1の外径dの1/2以下であるのが好ましい。凹入深さDが外径dの1/2以上では、シャフト1の、凹部3を形成した部分の強度が不十分になるおそれがある。
それぞれの凹部3の、軸方向の一端側の各平面3bは同一平面上に設けられており、また軸方向の他端側の各平面3bも同一平面上に設けられている。これにより各凹部3は、シャフト1の外周面2の、軸方向の同一位置に配設されている。また各凹部3は、軸方向の長さが等しくされている。
〈ローラ本体〉
図3は、前記シャフトとともに紙送りローラを構成するローラ本体の外観を示す斜視図である。図4は、前記図3のローラ本体のうち通孔の部分を拡大した側面図である。図5は、前記通孔のうち凸部を形成した領域をさらに拡大した側面図である。
図3〜図5を参照して、ローラ本体4は、全体が熱可塑性エラストマによって一体に形成されている。
紙との接触面であるローラ本体4の外周面5は円筒状に形成されている。
ローラ本体4の中心には、シャフト1が挿通される通孔6が形成されている。前記通孔6の内周面7は、円筒状に形成されている。前記外周面5と内周面7とは、ローラ本体4の中心軸Sを中心として同心状に設けられている。
通孔6の内周面7の内径dは、シャフト1の外径dよりも小さく設定されている。これにより、シャフト1を前記通孔6に圧入した際に、両径の差に基づいて締め代を生じさせる、すなわちローラ本体4にシャフト1の締め付け力を発生させることができる。
前記シャフトの外径dと前記ローラ本体の通孔の内径dとから、式(1):
Figure 2013001522
で求められる締め代は任意に設定することができる。
ただし前記締め代は3%以上、中でも5%、好ましくは10%以上、特に15%以上であるのが好ましく、20%以下、特に18%以下であるのが好ましい。
締め代が前記範囲未満では、当該締め代に基づく両者の固定が不十分になって、空転トルクを向上する効果が十分に得られない場合を生じるおそれがある。
一方、締め代が前記範囲を超える場合には、シャフトをローラ本体の通孔に圧入できなかったり、圧入できたとしても、締め代分のゴム体積の不均一な移動によって、ローラ本体の外観が悪くなったりするおそれがある。
前記内周面7の、周方向の4箇所には、当該内周面7から径方向内方へ突出させて凸部8が形成されている。
前記4つの凸部8は、シャフト1の凹部3に対応させて、前記内周面7の周方向に等間隔に設けられている。すなわち4つの凸部8は、ローラ本体4の中心軸Sを中心として、各々周方向に90°ずつ回転させた位置に形成されている。
ローラ本体4は、その軸方向の長さが、シャフト1の凹部3の、軸方向の長さと等しくされている。また凸部8は、前記ローラ本体4の軸方向の全長に亘って形成されており、同様にその軸方向の長さが、シャフト1の凹部3の、軸方向の長さと等しくされている。
各凸部8は、ローラ本体4の中心軸Sに対向する先端面が曲面とされた断面略半円状に形成されている。各凸部8の周方向の幅、先端曲面の半径、および内周面7からの径方向内方への突出高さHは、いずれもローラ本体4の軸方向の全長に亘って等しくされている。またこれらの寸法は、4つの凸部8でいずれも等しくされている。
ローラ本体4の中心軸Sから通孔6の内周面7に達する直線上の、前記直線と凸部8の先端面との交点から前記内周面7までの距離が、凸部8の、前記内周面7からの径方向内方への突出高さHとされている。
前記突出高さHは、凹部3の凹入深さDの50%以上、100%以下である必要がある。
突出高さHが凹部の凹入深さDの50%未満では、前記凹入深さDにもよるが、凸部が小さくなって、紙送りローラにトルクが加わった際に破壊されたり、凹部との嵌め合わせが解除されたりし易くなる。そのため空転トルクを向上する効果が十分に得られない場合を生じる。
一方、突出高さHが凹部の凹入深さDの100%を超える場合には、前記凸部を凹部に嵌め合わせた際に、凸部の、凹部に対する余剰の高さ分によってローラ本体が径方向外方に拡張するように変形されやすくなる。そのため、締め代に基づく両者の固定が不十分になって、却って、空転トルクを向上する効果が十分に得られない場合を生じる。
〈熱可塑性エラストマ〉
ローラ本体4は、種々の熱可塑性エラストマによって形成することができる。
前記熱可塑性エラストマとしては、例えば、マトリクス樹脂としてのスチレン系熱可塑性エラストマ、およびポリプロピレン中で、ジエン系ゴム、およびエチレン−プロピレン−ジエンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の架橋性ゴムを動的架橋させた熱可塑性エラストマ組成物等が挙げられる。
(スチレン系熱可塑性エラストマ)
スチレン系熱可塑性エラストマとしては、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマが好ましい。
前記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマは、水素添加によって二重結合が飽和されているため低硬度で柔軟性に優れる上、耐久性にも優れている。そのためローラ本体4の、ひいては紙送りローラの耐久性を向上できる。
また、前記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマは二重結合を含まないため、架橋性ゴムを動的架橋させる際に前記架橋を阻害するおそれがない上、自身は架橋されないため、動的架橋後の熱可塑性エラストマ組成物、ひいてはローラ本体4に所望の可塑性と柔軟性とを付与できる。
前記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/プロピレン共重合体(SEP)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、およびスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)からなる群より選ばれた少なくとも1種のスチレン系熱可塑性エラストマの水素添加物が好ましい。特にSEEPSの水素添加物が好ましい。
(ポリプロピレン)
ポリプロピレンとしては、少なくともプロピレンを繰り返し単位として含む任意のポリマ、すなわちプロピレンのホモポリマや、前記プロピレンとエチレン、ブテン−1等とのコポリマなどがいずれも使用可能である。
前記ポリプロピレンは、特に水素添加スチレン系熱可塑性エラストマとの併用系において、熱可塑性エラストマ組成物の成形時等の加工性を向上する働きをする。
(架橋性ゴム)
架橋性ゴムのうちジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、およびアクロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等の1種または2種以上が挙げられる。
またエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)としては、繰り返し単位としてエチレン、プロピレン、およびジエンを少なくとも含む三元以上の共重合ゴムがいずれも使用可能である。
前記架橋性ゴムとしては、前記ジエン系ゴム、およびEPDMのうち、特にEPDMが好ましい。前記EPDMは、主鎖が飽和炭化水素からなり二重結合を含まないため、例えば静電式複写機やレーザープリンタの機内等で、高濃度オゾン雰囲気、紫外線を含む光照射等の環境下に長時間曝されても主鎖の切断が起こりにくい。そのためローラ本体4の、ひいては紙送りローラの耐オゾン性、耐紫外線性、耐熱性等を向上できる。
前記架橋性ゴムを動的架橋させるためには、前記各成分にさらに架橋剤(加硫剤)を加えて、加熱下で混練すればよい。これにより、架橋性ゴムがマトリクス樹脂中に微細分散した状態で架橋される。
(架橋性ゴムの架橋剤)
架橋剤としては、架橋性ゴムを架橋反応させることができる種々の架橋剤が使用可能である。前記架橋剤としては、特に樹脂架橋剤が好ましい。
樹脂架橋剤は、加熱によって架橋性ゴムに架橋反応を起こさせることができる合成樹脂であり、通常の硫黄架橋系(硫黄と加硫促進剤等との併用系)のようにブルームを生じない上、架橋性ゴムの架橋後の圧縮永久ひずみや機械的特性の低下を小さくでき、耐久性を向上できるといった利点を有している。
また樹脂架橋剤によれば、硫黄架橋系に比べて架橋時間を短くできる。そのため、例えば熱可塑性エラストマ組成物のもとになる各成分を押出機内で加熱しながら混練して架橋性ゴムを動的架橋させる際に、前記押出機内に滞留している短い時間内で架橋反応を十分に進行させることができる。
樹脂架橋剤としては、フェノール樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等の1種または2種以上が挙げられ、特にフェノール樹脂が好ましい。
またフェノール樹脂としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノールもしくはレゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドもしくはフルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂のアルデヒドユニットに少なくとも一個のハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹脂を用いることもできる。
特にベンゼンのオルト位またはパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールとホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、架橋性ゴムとの相溶性に優れるとともに反応性に富み、架橋反応の開始時間を比較的早くできるため好ましい。
アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基としては炭素数が1〜10のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基が好ましい。またアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン化物も好適に用いられる。
さらに硫化−p−tert−ブチルフェノールとアルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノール樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂架橋剤として使用可能である。
(その他)
熱可塑性エラストマ組成物には、さらに必要に応じて、カーボンブラック、等の充てん剤や、オイル等の軟化剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、気泡防止剤等の添加剤を、任意の割合で配合してもよい。
〈紙送りローラ〉
前記ローラ本体4の通孔6にシャフト1を圧入して、前記シャフト1の各凹部3に、ローラ本体4の凸部8を嵌め合わせると、紙送りローラが構成される。
圧入に際しては、前記圧入を容易にするため、ローラ本体4を、例えばエタノール等に浸して膨潤、軟化させた状態とするのが好ましい。
前記紙送りローラにおいては、シャフト1に前記所定の凹入深さDを有する凹部3を設けるとともに、ローラ本体4には前記所定の突出高さHを有する凸部8を設けており、前記凹部3および凸部8は、いずれも従来のローレット加工による凹凸に比べて十分に大きいため、紙送りローラにトルクが加わった際に、熱可塑性エラストマからなるローラ本体4の凸部8が簡単に破壊されたり、あるいはシャフト1の凹部3との嵌め合わせが簡単に解除されたりすることがない。
そのため前記凹部3および凸部8の嵌め合わせ、ならびにシャフト1の外径dと通孔6の内径dとの差に基づく締め代によって、シャフト1とローラ本体4とを、接着によらず互いに直接に固定して、空転トルクをこれまでよりも向上することができる。
《紙送りローラの他の例》
〈シャフト〉
図6は、本発明の紙送りローラの、実施の形態の他の例を構成するシャフトの外観を示す斜視図である。図7は、前記図6のシャフトのうち凹部を設けた領域を拡大した断面図である。
図6、図7を参照して、シャフト1は、例えばエンジニアリングプラスチック等の硬質樹脂や金属によって、円柱状に一体に形成され、前記シャフト1の外周面2は、その全長に亘って円筒状に形成されている。
前記外周面2の、軸方向の一部の、周方向の2箇所には、前記外周面2から径方向内方へ凹入させて凹部3が形成されている。
前記2つの凹部3は、前記周方向に等間隔に設けられている。すなわち2つの凹部3は、シャフト1の中心軸Sを中心として、各々周方向に180°ずつ回転させた位置に形成されている。
個々の凹部3は、それぞれシャフト1の軸方向と平行な一平面3dと、前記シャフトの軸方向、および前記一平面3dとそれぞれ直交する互いに平行な二平面3eとで構成されている。
2つの凹部3の、それぞれの平面3dは、互いに平行でかつ互いに背向させて設けられている。また両平面3dは、軸方向と直交方向の幅が互いに等しくされている。
シャフト1の中心軸Sから、前記平面3dと直交して前記シャフト1の外周面2に達する直線上の、前記直線と平面3dとの交点から前記外周面2までの距離が、凹部3の、前記外周面2からの径方向内方への凹入深さDとされている。前記凹入深さDは、各凹部3の、シャフト1の軸方向の全長に亘って等しくされている。また前記凹入深さDは、2つの凹部で互いに等しくされている。
前記凹入深さDは、シャフト1の外径dの1/6以上である必要がある。また前記凹入深さDは、前記外径dの1/2以下であるのが好ましい。これらの理由は先に説明したとおりである。
それぞれの凹部3の、軸方向の一端側の二平面3eは同一平面上に設けられており、また軸方向の他端側の二平面3eも同一平面上に設けられている。これにより両凹部3は、シャフト1の外周面2の、軸方向の同一位置に配設されている。また両凹部3は、軸方向の長さが等しくされている。
〈ローラ本体〉
図8は、前記シャフトとともに紙送りローラを構成するローラ本体の外観を示す斜視図である。図9は、前記図8のローラ本体のうち通孔の部分を拡大した側面図である。
図8、図9を参照して、ローラ本体4は、全体が熱可塑性エラストマによって一体に形成されている。
紙との接触面であるローラ本体4の外周面5は円筒状に形成されている。
ローラ本体4の中心には、シャフト1が挿通される通孔6が形成されている。前記通孔6の内周面7は、円筒tを、前記円筒tの軸方向と平行で、かつ互いに平行な二平面pで区切った断面長孔状に形成されている。前記外周面5と、内周面7を構成する円筒tとは、ローラ本体4の中心軸Sを中心として同心状に設けられている。
内周面7のうち円筒tの内径dは、シャフト1の外径dよりも小さく設定されている。これにより、シャフト1を前記通孔6に圧入した際に、両径の差に基づいて締め代を生じさせる、すなわちローラ本体4にシャフト1の締め付け力を発生させることができる。
前記シャフトの外径dと前記ローラ本体の通孔の内径dとから、先の式(1)で求められる締め代は3%以上、中でも5%、好ましくは10%以上、特に15%以上であるのが好ましく、20%以下、特に18%以下であるのが好ましい。これらの理由は先に説明したとおりである。
前記内周面7のうち、円筒tを平面pで区切った2つの領域が、前記内周面7から径方向内方へ突出させた凸部8とされている。
前記2つの凸部8は、シャフト1の凹部3に対応させて、前記内周面7の周方向に等間隔に設けられている。すなわち2つの凸部8は、ローラ本体4の中心軸Sを中心として、各々周方向に180°ずつ回転させた位置に形成されている。
ローラ本体4は、その軸方向の長さが、シャフト1の凹部3の、軸方向の長さと等しくされている。また凸部8は、前記ローラ本体4の軸方向の全長に亘って形成されており、同様にその軸方向の長さが、シャフト1の凹部3の、軸方向の長さと等しくされている。
各凸部8の、内周面7からの径方向内方への突出高さHは、ローラ本体4の軸方向の全長に亘って等しくされている。また突出高さHは、2つの凸部8でともに等しくされている。
ローラ本体4の中心軸Sから通孔6の内周面7に達する直線上の、前記直線と平面pとの交点から前記内周面7までの距離が、凸部8の、前記内周面7からの径方向内方への突出高さHとされている。
前記突出高さHは、凹部3の凹入深さDの50%以上、100%以下である必要がある。これらの理由は、先に説明したとおりである。
〈熱可塑性エラストマ〉
ローラ本体4は、先に説明した、マトリクス樹脂としてのスチレン系熱可塑性エラストマ、およびポリプロピレン中で、ジエン系ゴム、およびエチレン−プロピレン−ジエンゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種の架橋性ゴムを動的架橋させたもの等の、種々の熱可塑性エラストマによって形成することができる。
〈紙送りローラ〉
前記ローラ本体4の通孔6にシャフト1を圧入して、前記シャフト1の各凹部3に、ローラ本体4の凸部8を嵌め合わせる、すなわち凹部3の平面3dと、通孔6の内周面7のうち平面pとを互いに接触させると、紙送りローラが構成される。
圧入に際しては、前記圧入を容易にするため、ローラ本体4を、例えばエタノール等に浸して膨潤、軟化させた状態とするのが好ましい。
前記紙送りローラにおいては、シャフト1に前記所定の凹入深さDを有する凹部3を設けるとともに、ローラ本体4には前記所定の突出高さHを有する凸部8を設けており、前記凹部3および凸部8は、いずれも従来のローレット加工による凹凸に比べて十分に大きいため、紙送りローラにトルクが加わった際に、熱可塑性エラストマからなるローラ本体4の凸部8が簡単に破壊されたり、あるいはシャフト1の凹部3との嵌め合わせが簡単に解除されたりすることがない。
そのため前記凹部3および凸部8の嵌め合わせ、ならびにシャフト1の外径dと通孔6の内径dとの差に基づく締め代によって、シャフト1とローラ本体4とを、接着によらず互いに直接に固定して、空転トルクをこれまでよりも向上することができる。
なお本発明の構成は、以上で説明した各図の例のものには限定されない。
例えばシャフト1の凹部3、およびローラ本体4の凸部8は2箇所以上設けられていれば良い。シャフト1とローラ本体4とを、周方向にできるだけ均等に固定することを考慮すると、2箇所以上の凹部3は周方向に等間隔に設けるのが好ましいが、等間隔でなくても構わない。
シャフト1の凹部3は、前記シャフト1の略全長に亘って形成してもよい。またローラ本体4の凸部8は、前記ローラ本体4の全長の一部にのみ形成してもよい。
凹部3、および凸部8は、互いに嵌め合わせることができる種々の形状に形成することができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を施すことができる。
《実施例1》
〈シャフト1〉
熱可塑性ポリエステル樹脂〔デュポン(株)製のライナイト(登録商標)19045〕を円柱状に成形し、切削加工して、図1、図2に示す形状を有するシャフト1を作製した。
軸方向の長さは50mm、外径dは6mm、凹部3の凹入深さDは1.23mm、凹部3の軸方向の長さは10mmとした。前記凹部3の凹入深さDは、外径dの1/4.9であった。
〈ローラ本体4〉
(熱可塑性エラストマ組成物の調製)
架橋性ゴムとしての2種のEPDM〔住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)EPDM670F、および同EPDM〕505A〕をペレット化したものに、
* 水素添加スチレン系熱可塑性エラストマ〔SEEPSの水素添加物、(株)クラレ製のセプトン(登録商標)4077〕、
* ポリプロピレン〔日本ポリプロ(株)製のノバテック(登録商標)PP BC6〕、
* 軟化剤としてのパラフィンオイル〔出光興産(株)製のダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW−380〕、
* 樹脂架橋剤〔臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合体、3質量%ハロゲン付加、田岡化学工業(株)製のタッキロール(登録商標)250−III〕、
* 樹脂架橋剤〔アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合体、非ハロゲン付加、田岡化学工業(株)製のタッキロール201〕、
* 充填剤としてのカーボンブラック〔東海カーボン(株)製の商品名シースト3〕、および
* 架橋促進助剤としての酸化亜鉛〔三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種〕
を加えて、タンブラーを用いてドライブレンドした。
次いで前記ブレンド物を、2軸押出機〔(株)アイペック製のHTM38〕のスクリュー部内で、回転数200rpm、設定温度200℃で加熱しながら混練して架橋性ゴムを動的架橋させながらノズル先端から押し出し、連続的に所定の長さにカットしてペレット化した。
(ローラ本体4の作製)
前記熱可塑性エラストマ組成物のペレットを、50t射出成形機〔住友重機械工業(株)製〕を用いて、樹脂温200℃で射出成形したのち回転カット機を用いて軸方向の長さが10mmとなるようにカットして、図3〜図5に示す形状を有するローラ本体4を作製した。
軸方向の長さは10mm、外径は16mm、通孔6の内径dは5mm、凸部8の突出高さHは0.62mm、凸部8の軸方向の長さは10mmとした。前記凸部8の突出高さHは、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.23mm)の50%であった。またシャフト1の外径d(=6mm)と、通孔6の内径d(=5mm)とから、式(1)で求められる締め代は16.7%であった。
〈紙送りローラの製造〉
前記ローラ本体4をエタノールに浸したのち、その通孔6にシャフト1を圧入して、前記シャフト1の各凹部3に、ローラ本体4の凸部8を嵌め合わせることで、紙送りローラを製造した。
《実施例2》
ローラ本体4の、凸部8の突出高さHを0.86mm、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.23mm)の70%としたこと以外は実施例1と同様にしてローラ本体を作製し、紙送りローラを製造した。
《実施例3》
ローラ本体4の、凸部8の突出高さHを1.23mm、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.23mm)の100%としたこと以外は実施例1と同様にしてローラ本体を作製し、紙送りローラを製造した。
《比較例1》
ローラ本体4の、凸部8の突出高さHを0.25mm、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.23mm)の20%としたこと以外は実施例1と同様にしてローラ本体を作製し、紙送りローラを製造した。
《比較例2》
ローラ本体4の、凸部8の突出高さHを1.48mm、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.23mm)の120%としたこと以外は実施例1と同様にしてローラ本体を作製し、紙送りローラを製造した。
《空転トルク測定》
前記実施例、比較例で製造した紙送りローラのシャフト1をトルクゲージ〔(株)東日製作所製のBTG90CN−S〕に固定した状態で、前記トルクゲージとローラ本体4とを、シャフト1の中心軸Sを中心として互いに逆方向に、回転速度30rpmでねじった際に、前記シャフト1とローラ本体4との固定が解除されて空転が発生するまでに測定された最大のトルクを、空転トルクとして求めた。そして空転トルクが30cN・m以上であったものを合格(○)、それ未満であったものを不合格(×)として評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2013001522
表1より、シャフト1の凹部3の凹入深さDが前記シャフト1の外径dの1/6以上で、かつローラ本体4の凸部8の突出高さHが前記凹部3の凹入深さDの50%以上、100%以下であるとき、前記ローラ本体4とシャフト1とを接着によらずに十分強固に固定して空転トルクを向上できることが判った。
《実施例4》
〈シャフト1〉
熱可塑性ポリエステル樹脂〔デュポン(株)製のライナイト(登録商標)19045〕を円柱状に成形し、切削加工して、図6、図7に示す形状を有するシャフト1を作製した。
軸方向の長さは50mm、外径dは6mm、凹部3の凹入深さDは1.48mm、凹部3の軸方向の長さは10mmとした。前記凹部3の凹入深さDは、外径dの1/4.1であった。
〈ローラ本体4〉
実施例1で調製したのと同じ熱可塑性エラストマ組成物のペレットを、50t射出成形機〔住友重機械工業(株)製〕を用いて、樹脂温200℃で射出成形したのち回転カット機を用いて軸方向の長さが10mmとなるようにカットして、図8、図9に示す形状を有するローラ本体4を作製した。
軸方向の長さは10mm、外径は16mm、通孔6の内径dは5mm、凸部8の突出高さHは0.74mm、凸部8の軸方向の長さは10mmとした。前記凸部8の突出高さHは、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.48mm)の50%であった。またシャフト1の外径d(=6mm)と、通孔6の内径d(=5mm)とから、式(1)で求められる締め代は16.7%であった。
〈紙送りローラの製造〉
前記ローラ本体4をエタノールに浸したのち、その通孔6にシャフト1を圧入して、前記シャフト1の各凹部3に、ローラ本体4の凸部8を嵌め合わせることで、紙送りローラを製造した。
《実施例5》
ローラ本体4の、凸部8の突出高さHを1.04mm、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.48mm)の70%としたこと以外は実施例4と同様にしてローラ本体を作製し、紙送りローラを製造した。
《実施例6》
ローラ本体4の、凸部8の突出高さHを1.48mm、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.48mm)の100%としたこと以外は実施例4と同様にしてローラ本体を作製し、紙送りローラを製造した。
《比較例3》
ローラ本体4の、凸部8の突出高さHを0.30mm、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.48mm)の20%としたこと以外は実施例4と同様にしてローラ本体を作製し、紙送りローラを製造した。
《比較例4》
ローラ本体4の、凸部8の突出高さHを1.78mm、シャフト1の凹部3の凹入深さD(=1.48mm)の120%としたこと以外は実施例4と同様にしてローラ本体を作製し、紙送りローラを製造した。
《従来例1》
熱可塑性ポリエステル樹脂〔デュポン(株)製のライナイト(登録商標)19045〕からなり、外周面2に凹部3を有しないシャフト1と、実施例1で調製したのと同じ熱可塑性エラストマ組成物からなり、通孔6の内周面7に凸部8を有しないローラ本体4とを組み合わせて紙送りローラを製造した。
前記実施例、比較例、従来例で製造した紙送りローラの空転トルクを前記と同様にして測定した。結果を表2に示す。
Figure 2013001522
表2より、シャフト1の凹部3の凹入深さDが前記シャフト1の外径dの1/6以上で、かつローラ本体4の凸部8の突出高さHが前記凹部3の凹入深さDの50%以上、100%以下であるとき、前記ローラ本体4とシャフト1とを接着によらずに十分強固に固定して空転トルクを向上できることが判った。
1 シャフト
2 外周面
3 凹部
3a 平面
3b 平面
3c 交線
3d 平面
3e 平面
4 ローラ本体
5 外周面
6 通孔
7 内周面
8 凸部
外径
内径
p 平面
中心軸
中心軸
t 円筒

Claims (2)

  1. シャフトと、前記シャフトが挿通される通孔を有する、熱可塑性エラストマからなるローラ本体とを備えた紙送りローラであって、
    前記シャフトは、その外周面が円筒状に形成されているとともに、前記外周面の、軸方向の少なくとも一部の、周方向の少なくとも2箇所に、前記外周面から径方向内方へ凹入させた凹部を有しており、
    前記ローラ本体は、前記通孔の内周面が円筒状に形成されているとともに、前記通孔の内径dが前記シャフトの外径dよりも小さく設定され、かつ前記内周面の、前記凹部に対応する位置に、前記内周面から径方向内方へ突出させた、前記凹部と嵌め合わされる凸部を有しており、
    前記シャフトの凹部の、前記外周面からの径方向内方への凹入深さDは、前記シャフトの外径dの1/6以上で、かつ前記ローラ本体の凸部の、前記内周面からの径方向内方への突出高さHは、前記凹部の凹入深さDの50%以上、100%以下であって、
    前記シャフトとローラ本体とは、前記シャフトの外径dとローラ本体の通孔の内径dとの差に基づく締め代、および前記凹部と凸部との嵌め合わせにより互いに直接に固定されていることを特徴とする紙送りローラ。
  2. 前記シャフトの外径dと前記ローラ本体の通孔の内径dとから、式(1):
    Figure 2013001522
    で求められる締め代は3%以上、20%以下である請求項1に記載の紙送りローラ。
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