以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、ベクトルにおいて矢印を考慮して起点から終点に向かう進みが「向き」と表現され、ベクトルにおいて矢印を考慮せずに起点と終点とを結ぶ線上の往来が「方向」と表現される。また、以下の説明では、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
<複合機10の外観>
図1を用いて、本発明の実施形態を備える複合機10の外観について説明する。図1に示されるように、本発明のインクジェット記録装置の一例である複合機10は、概ね薄型の直方体に形成されている。インクジェット記録方式のプリンタ部11が、複合機10の下部に設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
プリンタ部11は筐体14を有する。上下方向7及び左右方向9に拡がる前壁15が、筐体14の前側に形成されている。開口13が、前壁15の概ね中央部に形成されている。給紙トレイ20及び排紙トレイ21が、開口13から前後方向に挿抜可能である。所望のサイズの用紙Pが給紙トレイ20に載置される。また、前壁15の上方には表示部18が配置されており、当該表示部18は複合機10の状態が表示される。
複合機10は、筐体14の上部に、カバー12(本発明のカバーの一例)が設けられる。カバー12は、複合機10の後端部において上下方向7において回動可能に軸支されており、ユーザがカバー12を開閉できるように構成されている。また、複合機10にはカバー12の開閉を検知する開閉センサ19(図8参照、本発明の検知手段の一例)が備えられている。ユーザがカバー12を上方に回動するようにして、カバー12を空けることで、プリンタ部11にアクセスすることが可能であり、プリンタ部11内の清掃や、例えば紙詰まりが発生した用紙Pを取り除くことが可能である。また、カバー12は、その閉姿勢において少なくとも後述するプラテン34を覆う。
複合機10は、パーソナルコンピュータ(以下PCと称する)などの外部機器と接続可能であり、PCによって複合機10が有する各種機能が実行される。また、複合機10は複合機10本体のみで各種機能を実行する。この場合、前壁15の上方に表示部18(本発明の報知手段の一例)と共に設けられる操作パネル16をユーザによって操作されることで、複合機10が当該複合機10本体のみで各種機能を実行する。
<プリンタ部11の内部構造>
次に図2乃至図5を用いて、プリンタ部11の内部構造について説明する。図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙トレイ20に載置される用紙Pを搬送路23へ給送する給送部17と、給送部17によって給紙された用紙Pを記録部24に搬送する搬送ローラ対54と、搬送ローラ対54によって搬送された用紙Pに画像を記録するインクジェット記録方式の記録部24と、記録部24によって記録された用紙Pを排紙トレイ21に排紙する排紙ローラ対と55、を備えている。
<給送部17>
図2に示されるように、給紙トレイ20の上側には、給送部17が設けられている。給送部17は、給紙ローラ25、給紙アーム26、及び駆動伝達機構27を備えている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に接離可能に上下動する給紙アーム26の端部で軸支されている。給紙ローラ25は、複数のギアが噛合されてなる駆動伝達機構27によって、給紙モータ76(図8参照)の駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上の用紙Pに圧接して、その状態で回転する。これにより、積載された用紙Pが、以下で説明される搬送路23へ給送される。
<給紙トレイ20>
以下に図2及び図3を用いて、給紙トレイ20について説明する。給紙トレイ20は、用紙Pが載置される載置板22と、載置板22の左右方向9の両側に設けられる一対のガイド板101と、回転可能なギア102、ガイド板101から左右方向9に延びると共に、ギア102と噛合うカムを有したカム部103と、排紙トレイ21と、を備えている。ガイド板101は、載置板22上に左右方向9の両側に一対として用意され、上方へと立設した状態で設けられる。ギア102は、載置板22の左右方向9において中央部分に配置されている。さらにガイド板101には、カム部103が左右方向9において延びるようにして設けられており、それぞれのカム部103は、ギア102と噛合うように櫛状の歯が設けられている。
ユーザによって、一対のガイド板101が左右方向9に操作させられると、一対のカム部103の櫛状の歯が移動すると共に、ギア102が回転する。この一対のカム部103の移動と、ギア102の回転とが協働することによって、一対のガイド板101間の距離が左右方向9の中央を基準として、左右方向9に沿って、大きくなったり小さくなったりする。これにより、用紙Pの左右方向9の大きさに応じて、一対のガイド板101を操作することで、画像が記録される用紙Pが中央位置にセットされる。
給紙トレイ20の前側上方には、排紙トレイ21が配置されている。排紙トレイ21は、記録部24によって記録された用紙Pを受ける。
<搬送路23>
図2に示されるように、搬送路23は、給紙トレイ20の後側の端部から上方且つプリンタ部11の前側へ曲がって、プリンタ部11の背面側(後側)から正面側(前側)へ延出されている。さらに、搬送路23は、搬送ローラ対54による挟持位置、記録部24の下側、及び排紙ローラ対55による挟持位置を通過して排紙トレイ21へ通じている。給紙トレイ20から給送された用紙Pは、搬送路23により下方から上方へUターンするように案内されて記録部24に至る。用紙Pは、記録部24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排紙される。搬送路23は、記録部24などが配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド部材29及び内側ガイド部材28によって形成されている。
<搬送ローラ対54、及び排紙ローラ対55>
以下、用紙Pが、搬送路23に沿って搬送される向き(図2に破線の矢印で示される向き)を、搬送向き5として説明が行われる。
図2に示されるように、記録部24よりも搬送向き5の上流側には、搬送路23に対して上側に配置された搬送ローラ47と搬送路23に対して下側に配置されたピンチローラ48とを有する搬送ローラ対54(本発明の搬送手段の一例)が設けられている。記録部24よりも搬送向き5の下流側には、搬送路23に対して下側に配置された排紙ローラ49と搬送路23に対して上側に配置された拍車50とを有する排紙ローラ対55(本発明の搬送手段の一例)が設けられている。排紙ローラ対55よりも搬送向き5の下流側には、排紙トレイ21が配置されている。つまり、排紙トレイ21は、記録部24よりも搬送向き5の下流側に設けられている。また、排紙ローラ対55は、搬送路23における記録部24及び排紙トレイ21の間に設けられている。
図5に示されるように搬送ローラ47は、当該搬送ローラ47の左右方向9の一端に連結された搬送モータ59から駆動力が伝達されて回転駆動される。排紙ローラ49は、搬送ローラ47より中間ギア57及びベルト58を介して駆動伝達されて回転駆動される。したがって、排紙ローラ49の回転駆動は搬送ローラ47の回転駆動に依存している。
そして、搬送ローラ47が正転駆動(図2における反時計回りに駆動)されることで、給紙トレイ20から給送された用紙Pは、搬送ローラ対54により狭持されて、搬送向き5へ搬送される。排紙ローラ49が正転駆動(図2における時計回りに駆動)されることで、記録部24による画像記録済みの用紙Pは、排紙ローラ対55により狭持されて、搬送向き5へ搬送される。つまり、用紙Pは、排紙ローラ対55によって、排紙トレイ21へ排紙される。
<ロータリーエンコーダ68>
図2及び図5に示されるように、搬送ローラ47の一端側には、当該搬送ローラ47の回転量を検出するロータリーエンコーダ68が設けられている。ロータリーエンコーダ68は、搬送ローラ47と同軸に設けられて搬送ローラ47と共に回転するエンコーダディスク51と光学センサ60とからなる。エンコーダディスク51には、その円周方向に一定間隔で光を透過する透過部と光を透過しない非透過部とが等ピッチで交互に配置されたパターンが形成されている。搬送ローラ47と共にエンコーダディスク51が回転すると、光学センサ60によってエンコーダディスク51のパターンが検出される毎にパルス信号が生成される。パルス信号は制御部90(図8参照)へと出力される。ロータリーエンコーダ68によって、搬送ローラ47の回転量が検出され、この検出結果に従って搬送ローラ47及び排紙ローラ49の回転駆動が制御される。
<記録部24>
図2に示されるように、記録部24は、本実施形態において、いわゆるインクジェット方式によって用紙Pに画像を記録するものであり、下側に記録ヘッド30を搭載して主走査方向(図2の紙面に垂直な方向、つまり左右方向9)へ往復移動するキャリッジ31(本発明のキャリッジの一例)を備えている。さらに、記録ヘッド30の下側には、搬送ローラ対54によって搬送される用紙Pを支持するプラテン34を備えている。
図4に示されるように、記録ヘッド30は、インクタンク46からインクチューブ33を通じて、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色インクが供給される。そして、インクタンク46には、シアン色のインクが充填されているシアンカートリッジ32C、マゼンダ色のインクが充填されているマゼンタインクカートリッジ32M、イエロー色のインクが充填されているイエローカートリッジ32Y、ブラック色のインクが充填されているブラックカートリッジ32K、等の各色インクカートリッジ32が装着されており、各色インクカートリッジ32からインクタンク46へとインクが供給される。
図2に示されるように、記録ヘッド30の下面には、各色のインクに対応する複数のノズル310が形成されている。一色のノズル310は、前後方向8に沿って一列に整列されており、各色インク毎に対応するように、一色のノズル310の前後方向8に沿う列がキャリッジ31の主走査方向(図2の紙面に垂直な方向、つまり左右方向9)に並べられている。
記録ヘッド30は、その下面に設けられたノズル310から、各色のインクを微小なインク滴として吐出する。そして、キャリッジ31が左右方向9へ往復移動することにより、記録ヘッド30が用紙Pに対して走査され、プラテン34上を搬送される用紙Pに画像が記録される。
図4及び図5に示されるように、記録部24には、一対の平板上のガイドレール35、36が前後方向8に所定の間隔を空けて配置されており、これら一対のガイドレール35、36は左右方向9に沿って延びている。キャリッジ31は、これら一対のガイドレール35、36を跨ぐようにして、ガイドレール35、36上を摺動して往復移動される。
図4に示されるように、ガイドレール36の上面には、ベルト駆動機構38が配置されている。ベルト駆動機構38は、ガイドレール36の左右方向9の一端部に設けられた駆動プーリ39と他端部に設けられた従動プーリ40と、これら各プーリ39、40を張架すると共に内側に歯を備える無端環状のタイミングベルト41と、を備えている。駆動プーリ39の軸には、キャリッジモータ73(図8参照)から駆動力が入力され、駆動プーリ39の回転によりタイミングベルト41が周運動する。タイミングベルト41は、キャリッジ31に固着されている。したがって、キャリッジ31の往復移動はタイミングベルト41が周運動によって実現される。
<リニアエンコーダ69>
図4及び図5に示されるように、ガイドレール36には、エンコーダストリップ42が配置されており、左右方向9に一定間隔で光を透過する透過部と光を透過しない非透過部とが等ピッチで交互に配置されたパターンが形成されている。そして、キャリッジ31に備えられる不図示の光学センサが、エンコーダストリップ42に形成されるパターンに光を照射することで、エンコーダストリップ42のパターンを検出する。そしてパターンが検出される毎にパルス信号が生成される。パルス信号は制御部90(図8参照)へと出力される。これら、エンコーダストリップ42とキャリッジ31に備えられる不図示の光学センサからなるリニアエンコーダ69によって、キャリッジ31が往復移動する際の左右方向9の位置が検出され、この検出結果に従ってキャリッジ31の主走査方向の移動が制御される。制御部90は、キャリッジ31の主走査方向の位置を、リニアエンコーダ69によってカウントされるカウント値を用いて、検出及び決定する。
なお、本実施形態の複合機10のリニアエンコーダ69が有する具体的な分解能は150dpiであり、0.17mmである。また、リニアエンコーダ69の分解能は、150dpiよりも大きく設定されてもいいし、小さく設定されてもいいことは言うまでも無い。
<プラテン34>
図2、図4乃至図7に示されるように、記録ヘッド30の下側(図4においては、紙面垂直方向)には、プラテン34(本発明のプラテンの一例)が配置されている。またプラテン34は、キャリッジ31の往復移動範囲のうち、搬送される用紙Pが通過し得る部分に配置されていると共に、プラテン34の左右方向9の大きさは、給紙トレイ20に載置可能な最大の用紙Pの幅よりも大きく、搬送される用紙Pの両端はプラテン34の上を通過する。
以下、図6を用いてプラテン34について説明する。プラテン34は前後方向8において、インクが吐出されない非吐出部80と、複数のノズル310の下側(図6において紙面垂直方向)において対向する被吐出部85とが備えられており、さらに非吐出部80と被吐出部85とを前後方向8に沿って亘るようにして設けられるリブ81(本発明の突起部の一例)と、が備えられている。
非吐出部80には、水平面部82と、前後方向8で前側に行くにつれてノズル310から下側に離間(図6の紙面垂直方向)するように傾斜する傾斜面83と、が備えられている。傾斜面83の直上には、キャリッジ31に設けられるメディアセンサ52(図6において点線参照)が配置されている。メディアセンサ52は、傾斜面83の直上を通過すると、発光素子によって発光された光が乱反射される。これにより、プラテン34を搬送される用紙Pと、プラテン34との受光量がより鮮明になって異なるようになり、正確に用紙Pの両端位置を検出することができる。メディアセンサ52による用紙Pの検出については後述する。
リブ81の上面は、プラテン34において、ノズル310に対して最も近接している。したがって、プラテン34に搬送される用紙Pの下面は、リブ81によって支持される。またリブ81は、前後方向8に沿って延出されると共に、左右方向9に沿って所定の間隔を空けて複数設けられている。
また、各リブ81は、プラテン34の左右方向9における中心線C(図6の一点鎖線参照)から、左側へ及び右側への間隔が等間隔となるように設けられている。例えば、リブ81Aとリブ81Bは、それぞれ、左右方向9における中心線Cから、左側へ及び右側への間隔がX(mm)となるように設けられている(図6の二点鎖線参照)。そして、中心線Cにおいて左右方向9において等間隔で対向する各リブ81同士の間隔は、搬送される定形用紙の左右方向9の幅よりも小さい間隔で設けられている。例えば、リブ81Aとリブ81Bとの間隔2Xは、定形用紙であるA4用紙の左右方向9の幅(図6の二点鎖線参照)よりも小さい間隔である。
具体的には、リブ81Aとリブ81Bとの間隔2Xは、定形用紙であるA4用紙の左右方向9の幅よりも、5.2mm小さい。したがって、リブ81AからA4用紙の左端への距離及びリブ81BからA4用紙の右端への距離は2.6mmに設定されている。これは、本実施形態の複合機10は、給送部17によって給送される用紙Pの左右方向9の誤差が±1.8mmであり、最大誤差の1.8mmに左右方向9に用紙Pがずれてしまっても、リブ81Aとリブ81BとがA4用紙を支持することが可能である。また、これら具体的な距離は、任意であり、さらに給送部17によって給送されるA4用紙の左右方向9の誤差に対して、リブ81Aとリブ81BがA4用紙を支持することが可能な範囲で適宜変更可能である。
さらに、それぞれのリブ81の左右方向9における位置、及びプラテン34の左右方向9における中心線Cの位置は、予め制御部90内のROM92(図8参照)に記憶されており、具体的には、リニアエンコーダ69によってカウントされるカウント値として記憶されている。
被吐出部85には、平面部86と、前側へ行くにつれて下側(図6において紙面垂直方向)へと傾斜する複数の傾斜溝87と、複数の傾斜溝87の前側端部と合流し、被吐出部85の左右方向9のほぼ全域に亘って延出する横溝88と、が備えられている。また、被吐出部85の下側(図6において紙面垂直方向)には、インク滴を吸収する不図示の吸収体が配置されており、横溝88は、吸収体と繋がるように下側(図6において紙面垂直方向)に貫通している。傾斜溝87は前後方向8に沿って延出されると共に、左右方向9に沿って所定の間隔を空けて複数設けられている。
被吐出部85に、インク滴が吐出されると、まず平面部86又は傾斜溝87にインク滴が着弾される。平面部86に着弾されたインク滴は、傾斜溝87へと移動される。傾斜溝87に着弾又は移動されたインク滴は、傾斜溝87の傾斜に従って、傾斜溝87の前側端部と合流する横溝88に移動される。そして、横溝88は被吐出部85の下側(図6において紙面垂直方向)に配置される吸収体と繋がるようにして貫通しているので、横溝88に移動されたインク滴は、横溝88を通過して、吸収体に吸収される。このようにして、プラテン34の被吐出部85に吐出されたインク滴は、平面部86、傾斜溝87、及び横溝88に残ることなく、吸収体に吸収される。
<メディアセンサ52>
図2及び図4に示されるように、キャリッジ31の後側には、搬送される用紙Pの有無及び用紙Pの左右方向9の両端位置を検出可能な、メディアセンサ52(本発明の光学手段の一例)が備えられている。メディアセンサ52は、発光ダイオードなどの発光素子と、フォトトランジスタなどの受光素子によって構成されている。発光素子から発せられた光は、プラテン34上に搬送された記録媒体に照射される一方、プラテン34上まで記録媒体が搬送されていない場合にはプラテン34に照射される。そして、用紙P又はプラテン34に照射された光は反射され、その反射光を受光素子が受光しその受光量に応じた出力を行う。これにより、メディアセンサ52と対向する位置に用紙Pが存在しているか、及び用紙Pがメディアセンサ52と対向している時の用紙Pの左右方向9の両側端位置を検出することができる。
次に、メディアセンサ52による用紙Pの左右方向9の両端位置を検出することについて図7を用いて説明する。なお、図7では説明を簡略化するために搬送ローラ対54及び排紙ローラ対55は省略した。
図7に示されるように、前後方向8においてメディアセンサ52は、その下側(図7において紙面垂直方向)において、傾斜面83と対向するように配置されている。メディアセンサ52の下側と対向する位置に用紙Pが搬送されると、メディアセンサ52の発光素子が、傾斜面83又は用紙Pに向けて発光しながらキャリッジ31が位置A1から位置A2までの間を移動されることで、メディアセンサ52の受光素子はプラテン34の上面及び用紙Pからの反射光を受光する。ここで、プラテン34の上面を黒色などの反射率の低い色にしておくことによって、用紙Pの反射光による受光素子の受光量と、プラテン34の上面からの反射光による受光素子の受光量とが、それぞれ異なる量になる。
キャリッジ31が移動されて、メディアセンサ52が用紙Pの一側端T1を通過すると、メディアセンサ52の受光量が、プラテン34からの反射光による量から用紙Pからの反射光による量へと変動する。キャリッジ31がさらに移動されて、メディアセンサ52が用紙Pの他側端T2を通過すると、メディアセンサ52の受光量が、用紙Pからの反射光による量からプラテン34からの反射光による量へと変動する。
ここで、キャリッジ31が往復移動する際の左右方向9の位置はリニアエンコーダ69によって検出されているので、受光量が変動した位置をリニアエンコーダ69によって検出されるキャリッジ31の位置と対応させて、プラテン34上を搬送される用紙Pの位置を検出する。このように、メディアセンサ52の受光素子の受光量の変動によって用紙Pの両側端位置が検出される。なお、用紙Pの両側端位置を決定する際は、リニアエンコーダ69によってカウントされるカウント値によってなされる。また、例えば用紙Pの左端又は右端の位置のみをカウント値で決定しておき、その後、用紙Pの左端又は右端の位置を、先に決定された用紙Pの左端または右端の位置から用紙Pの左右方向9の長さを増減して、算出した後に、決定しても良い。
<シート検知部110>
図2に示されるように、プリンタ部11は、搬送路23を搬送される用紙Pを検知するシート検知部110を備えている。シート検知部110は、搬送路23において、搬送ローラ対54よりも搬送向き5の上流側に設けられている。シート検知部110は、例えば、検出子112A、112Bを有する回転体112と、発光素子(例えば発光ダイオード)及び当該発光素子から発光された光を受光する受光素子(例えばフォトトランジスタ)を有するフォトインタラプタ等の光学センサ111とにより構成されている。回転体112は、支軸113を中心に回転可能に設けられている。検出子112Aは支軸113から搬送路23に突出している。回転体112に外力が加えられていない状態で、検出子112Bは、光学センサ111の発光素子から受光素子に至る光路に進入して、当該光路を通る光を遮断している。回転体112が用紙Pの先端に押されることによって回転すると、検出子112Bは当該光路から外れて、当該光路に光が通る。
<電気構成>
次に図8を参照して、複合機10の電気構成について説明する。図8は、複合機10の制御部90による電気的構成を示すブロック図である。制御部90は、複合機10の全体動作を制御するものであるが、スキャナ部12及び、記録部24の制御についての詳細な説明は省略する。
図8に示されるように、制御部90は、バス95を介して、ASIC98に接続されている。ASIC98には、各部、具体的にはモータ71、73、75を駆動する駆動回路96、ロータリーエンコーダ68、リニアエンコーダ69、及びメディアセンサ52が接続されている。駆動回路96には、給紙用モータ71、及びキャリッジモータ73、及び搬送用モータ75を駆動させるための各ドライバが設けられており、給紙用モータ71、及びキャリッジモータ73、及び搬送用モータ75は上記各ドライバによって独立制御される。制御部90は、ASIC98を介して駆動回路96を駆動したり、ロータリーエンコーダ68、リニアエンコーダ69、メディアセンサ52、開閉センサ19の動作を制御する。
制御部90は、CPU91、ROM92、RAM93、EEPROM94から構成されている。CPU91は、ROM92やRAM93に記憶されている所定値やプログラムに従って、複合機10が有している各種機能の制御や、ASIC98と接続された各部を制御するものである。
ROM92には、CPU91が複合機10の各種動作を制御するためのプログラムを格納している。ROM92には例えば、図9乃至図13に表されるようなフローチャートで示す処理を実行するプログラムを含む各種制御プログラムや、それら各種プログラムをCPU91上で実行する上で必要なデータ等を格納している。
RAM93には、CPU91が各種プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域として用いられる。RAM93には、第1両側端メモリ93A、第2両側端メモリ93B、第3両側端メモリ93C、第1はみ出し領域メモリ93D、第2はみ出し領域メモリ93E、画像データメモリ93F、及び汚れフラグメモリ93Gの各種の記憶領域が割り当てられる。
第1両側端メモリ93Aには、用紙Pに対してメディアセンサ52によって現在決定された左右方向9の両側端位置が記憶される記憶領域である。第2両側端メモリ93Bには、用紙Pに対してメディアセンサ52によって前回決定された左右方向9の両側端位置が記憶される記憶領域である。第2両側端メモリ93Bに用紙Pの両側端位置が記憶される際は、用紙Pの現在の両側端位置が第1両側端位置メモリ93Aに記憶されると、それまで第1両側端位置メモリ93Aに記憶されていた用紙Pの両側端位置が第2両側端メモリ93Bに移動されて記憶される。第3両側端メモリ93Cには、第1両側端メモリ93Aと第2両側端メモリ93Bとに記憶される用紙Pの両側端位置に基づいて算出される用紙Pの推定の両側端位置、具体的には現在検知された用紙Pが搬送手段によって0.1インチ(本発明の一回の搬送量の一例)だけ1回搬送される場合の推定の左右方向9の両側端位置、が記憶される。なお、メディアセンサ52によって両端位置が決定されるのは、5回の搬送、つまり、0.5インチ搬送(本発明の所定量の一例)された毎に行われる。
ここで、推定の用紙Pの両側端位置の算出について説明する。第1両側端メモリ93AにX1、第2両側端位置メモリにX2が記憶されているとする。X1、X2は、メディアセンサ52によって決定された用紙の両側端位置の左右方向9における座標である。また、メディアセンサ52によって両端位置が決定されるのは、0.5インチ毎に搬送された場合であり、1回の搬送は0.1インチなので、これら用紙Pの両側端位置X1、X2によって、第3両側端メモリに記憶されるX3は、X1+0.2×(X1−X2)として算出される。
第1はみ出し領域メモリ93D及び第2はみ出し領域メモリ93Eには、用紙Pの縁部に余白を設けずに画像を記録する縁無し印刷時に、用紙Pの両側端から越える(つまり、左右方向9において用紙外にはみ出す)領域が記憶される記憶領域である。具体的には、このはみ出し領域は、例えば、用紙P外でのインク吐出開始位置から用紙の一側端までの領域、用紙P外でのインク吐出終了位置から用紙の他側端までの区間の領域であり、この2つの領域がリニアエンコーダ69のエンコーダカウント値として記憶される。
はみ出し領域は、用紙Pの両側端毎に設定される共に、設定されたはみ出し領域が第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される。そして第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶されるはみ出し領域に従って、インクが吐出されることで、ふちなし印刷が実現される。はみ出し領域は左右方向9において所定の範囲(縁無し印刷における画質が保証できる範囲)までで縮小が可能である。本実施形態では、具体的には、はみ出し領域は0.17mm〜1.0mmの範囲であって、リニアエンコーダ69の分解能である0.17mmずつの単位で設定が可能である。
なお、第1はみ出し領域メモリ93Dには、第1両側端メモリ93Aに記憶される用紙Pの両側端位置に基づいて設定されるはみ出し領域が記憶され、第2はみ出し領域メモリ93Eには、第3両側端メモリ93Cに記憶される用紙Pの両側端位置に基づいて設定されるはみ出し領域が記憶される。また、第1はみ出し領域メモリ93D及び第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶されるはみ出し領域は、はみ出し領域内にリブ81があるか否かの判断として使用されるが、具体的には、用紙P外のインク吐出開始位置から用紙Pの左端までのエンコーダカウント値内に、及び用紙Pの右端から用紙P外のインク吐出終了位置までのエンコーダカウント値内に、ROM92内に記憶されるリブ81のエンコーダカウント値が存在するか否かの判断をする。
画像データメモリ93Fは、キャリッジ31が走査するとともに記録ヘッド30がインクを吐出する際の画像データが記憶される。この画像データは、1画素当たり8bitのデータ(1byte)が格納される。8bitのデータは、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色毎の2bit毎に、吐出せず、第1液滴を吐出、第1液滴よりも大きい第2液滴を吐出、第2液滴よりも大きい第3液滴を吐出、といった情報が格納されている。また、これら8bitのデータは、1つのブロック内に、4つ格納されている。したがって、1つのアドレスを示すブロック内には、32bitのデータ(4byte)が格納されており、つまり4画素分のデータが格納されている。そして、この1つのブロックが複数個用意されており、複数のブロックが複数のアドレス毎に管理された状態で記憶されている。
したがって、用紙Pに画像が記録される際は、画像データメモリ93Fに記憶される画像データにしたがって、具体的には、読み出されるアドレスに格納される1つのブロックが示す32bitのデータを基にして、キャリッジ31が走査されると共に、記録ヘッド30を駆動して各色のインクが吐出される。縁無し印刷を行う場合は、画像データメモリ93Fは、用紙Pの左右方向9の大きさと、用紙Pの各両側端に設定されるはみ出し領域の左右方向9の大きさとによって構成される画像データが記憶される。はみ出し領域を小さくしたり、大きくしたりする時は、読み出すアドレスの範囲を小さくしたり、大きくしたりすることで実現される。
汚れフラグメモリ93G(本発明の第1記憶手段、第2記憶手段の一例)は、第1情報(本発明の第1情報の一例)と、第2情報とが選択的に記憶される。例えば、プラテン34のリブ81が汚れる可能性があると判断された場合に、第1情報を記憶する。まリブ81が汚れる可能性が無いと判断された場合には第2情報を記憶する。本実施形態においては汚れフラグメモリ93Gに第1情報が記憶されることを、汚れフラグメモリ93GにONが記憶されることとする。ここで、プラテン34のリブ81が汚れた可能性があるときとは、後述する本実施形態において、最小のはみ出し領域D0内に、プラテン34のリブ81が含まれるときである。
EEPROM94には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
<実施形態の動作>
次に本実施形態の複合機10による縁無し印刷の動作について、図9乃至図13を用いて説明する。縁無し印刷とは、用紙Pの縁部に余白を設けずに画像を記録することを指し、この場合のインク吐出領域は、用紙Pの左右方向9の大きさと、用紙Pの左右方向9の大きさからはみ出るはみ出し領域とから構成される。本実施形態の複合機10は、はみ出し領域にリブ81が含まれる場合について、各種制御を行うものである。
はみ出し領域とは、上述したように、用紙P外のインク吐出開始位置から用紙Pの左端までのエンコーダのカウント値、及び用紙Pの右端から用紙P外のインク吐出終了位置までのエンコーダのカウント値である。
<図12、図13のS55、S70においてNOと判断される時>
<<定形用紙P1を用いる時>>
以下に、定形用紙(以下用紙P1と称する)が斜行せずに縁無し印刷されるときについて、図9乃至図13及び図14(A)を用いて説明する。なお、斜行とは図13及び図14のS55、S70においてNOと判断される場合のことを示す。用紙Pの斜行とは具体的に、第1両側端メモリ93Aに記憶される用紙Pの両側端位置と、第2両側端メモリ93Bに記憶される用紙Pの両側端位置とが、リニアエンコーダ69の分解能(0.17mm)よりも大きい場合を示す。また、定形用紙とは、複合機10内に予め記憶されている用紙のことを示す。また、図14(A)は、斜行していない用紙P1に縁無し印刷を行う際の、用紙P1、リブ81、及びはみ出し領域の相対位置を示した図である。
図9に示されるように、まず、外部に接続されたPCや、操作パネル16を操作することによって、縁無し印刷処理が開始されると、制御部90は、RAMの各メモリ93A乃至93Eを初期化する(ステップ1、以下ステップをSと省略する。)。そして、制御部90が給紙用モータ71を駆動して、給送部17によって給紙トレイ20に載置される用紙P1を記録部24に向かって給送する(S2)と共に、用紙P1がメディアセンサ52によって検知可能な位置である頭出し位置まで、給送する頭出しが行われる(S3)。具体的には、図7に示されるように、用紙P1の前端が、記録ヘッド30と対向する位置まで給送される。頭出し位置まで用紙が給送されると、メディアセンサ52によってプラテン34上での用紙の有無の検知を行う(S4)。なお、この用紙の有無の検知は、頭出し位置に用紙P1が給送される前に、メディアセンサ52が給送される用紙P1が通過し得る位置に存在するように、キャリッジ31を前もって走査させておく。メディアセンサ52による検知で制御部90によって、用紙P1が無いと判断されると(S5においてNO)、表示部18にエラーの表示(S16)を行い、当該縁無し印刷を終了する。
制御部90によって、用紙P1が有ると判断されると(S5においてYES)、制御部90は、頭出し位置における用紙P1の左右方向9の両側端を横切るようにして、キャリッジ31を走査させるとともに、メディアセンサ52を制御して用紙P1の両側端位置の決定を行う用紙両側端決定を行う(S6、本発明の両端決定手段の一例である)。このとき、決定された用紙の両側端位置は、第1両側端メモリ93Aに記憶される。次に、頭出し位置における用紙P1の左右方向9の中心位置を特定する(S7)。
そして制御部90は、用紙P1にインクを吐出する際のインクの吐出開始位置と、インクの吐出終了位置との中心を、特定された用紙P1の中心位置に合わせる(S8)。これにより、インクの吐出開始位置と、インクの吐出終了位置が決定される。その後、制御部90は、決定された用紙P1の両側端位置に基づいて、左右方向9の最大のはみ出し領域D(本発明の第1領域、第2領域の一例)を設定し、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶する(S9、本発明の第1領域設定手段、第2領域設定手段の一例)。なお、最大のはみ出し領域Dは、用紙Pの左右方向9において両側端側にそれぞれ1mm確保される。
次に、制御部90は、印刷前のはみ出し領域設定処理(S10)に移行する。はみ出し領域設定処理が開始されると、まず、制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された左側の最大のはみ出し領域D(本発明の第1領域の一例)内にリブ81があるか否かの判断をする(S20、本発明の第1判断手段の一例)。具体的には、用紙P1外のインク吐出開始位置から用紙P1の左端までのエンコーダカウント値内に、ROM92内に記憶されるリブ81のエンコーダカウント値が存在するか否かの判断をする。本実施形態においては、図14(A)に示されるように、制御部90は設定された左側の最大のはみ出し領域D(点線で囲まれた領域)内にはリブが存在しないと判断する(S21においてNO)。
次に、制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された右側の最大のはみ出し領域D(本発明の第2領域の一例)内にリブ81があるか否かの判断をする(S24、本発明の第2領判断手段の一例)。具体的には、用紙の右端から用紙P1外のインク吐出終了位置までのエンコーダカウント値内に、ROM92内に記憶されるリブ81のエンコーダカウント値が存在するか否かの判断をする。本実施形態においては、図14(A)に示されるように、制御部90は設定された右側の最大のはみ出し領域D(点線で囲まれた領域)内にはリブが存在しないと判断する(S24においてNO)。
そして制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される両側の最大のはみ出し領域Dより、インク吐出開始位置及びインク吐出終了位置を決定する(S29)。次に、決定されたインクの吐出開始位置からインクの吐出終了位置までの距離分をインクを吐出するように、制御部90が、画像データメモリ93Fに記憶される画像データを読み出すアドレスの範囲を指定する(S30)。次に、印刷中処理(S15、図11参照)に移行する。なお、S29と、S30とが本発明の吐出領域設定手段の一例である。
図11に示されるように、印刷中処理が開始されると、まず制御部90は、S29で決定されたインク吐出開始位置とインク吐出終了位置、及びS30で指定された画像データを読み出す際のアドレスの範囲に従って、キャリッジ31を走査させると共に、記録ヘッド30からインクを吐出させる(S40、本発明の制御手段の一例である)。次に、制御部90は、前回の用紙両側端決定から一定距離(具体的には0.5インチ)以上搬送していないか否かの判断をする(S41)。制御部90によって一定距離以上搬送されていないと判断されたら(S41においてYES)、制御部90は搬送ローラ対54及び排紙ローラ対55を駆動して、用紙P1を搬送(S43)し、制御部90によって用紙1枚分の印刷が終了していないと判断される場合は(S44においてNO)、再びS40に戻る。このとき、搬送ローラ対54及び排紙ローラ対55による用紙の搬送量は、一定距離(0.5インチ)よりも小さく例えば、0.1インチである。S40、S41、S43、及びS44の処理が繰り返され、制御部90が、用紙の両側端決定から一定距離以上搬送されたと判断すると(S41においてNO)、印刷中の用紙の両側端決定を行う印刷中の用紙両側端決定処理を開始する(S42、図12及び図13参照)。
図12に示されるように、印刷中の用紙両側端決定処理が開始されると、制御部90は、メディアセンサ52によって印刷中の用紙両側端決定を行うとともに、決定された用紙両側端位置を第1両側端メモリ93Aに記憶する(S50)。このとき、制御部90によって、第1両側端メモリ93Aに記憶されていた前回の決定時の用紙の両側端位置は、第2両側端メモリ93Bに移動され、記憶される。そして、S50において決定された用紙の両側端位置に基づいて、制御部90によって最大の両側のはみ出し領域Dが設定される(S51)。
制御部90は、第1両側端メモリ93Aと第2両側端メモリ93Bに記憶される前回と今回との用紙の両側端位置から、用紙の斜行の傾向を特定する(S52)。その後、制御部90は、特定された用紙の斜行の傾向から、現在決定された用紙P1の位置から0.1インチだけ搬送された場合の、用紙P1の推定の両側端位置を算出し、算出された推定の両側端位置を第3両側端メモリに93Cに記憶させる(S53)。そして、第3両側端メモリ93Cに記憶される推定の両側端位置に基づいて、推定の両側の最大のはみ出し領域Dを設定し、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶させる(S54)。推定の両側の最大のはみ出し領域Dは、具体的には、推定のインク吐出開始位置から推定の用紙P1の右端までのエンコーダカウント値、及び推定の用紙P1の左端から推定のインク吐出終了位置までのエンコーダカウント値である。
さらに、制御部90は第2両側端メモリ93Bに記憶される今回決定された用紙P1の左端位置と、第3両側端メモリ93Cに記憶される推定の用紙P1の左端位置と、がずれるか否かを判断する(S55)。
なお、用紙P1が、給紙トレイ20の一対のガイド板101を定型用紙の左右方向9の長さと同じ間隔となるよう正しく操作された状態で載置されて給送されると、用紙P1は、斜行せずに記録部24に給送される。よって、用紙P1は給紙トレイ20からの給送時及び記録部24での搬送時においても、斜行しないので、第2両側端メモリ93Bと第3両側端メモリ93Cとに記憶される用紙P1の両側端位置は一致しており(リニアエンコーダ69の分解能以下内で左右方向9にずれている場合についても両側端は一致しているとする)、制御部90は、S55においてはNOと判断する。制御部90が、S57においてNOと判断すると、制御部90は、前回決定した際に、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された最大の左側のはみ出し領域Dをそのまま使用する(S63)。
次に、図13に示されるように、制御部90は第2両側端メモリ93Bに記憶される今回決定された用紙P1の右端位置と、第3両側端メモリ93Cとに記憶される推定の用紙P1の右端位置と、がずれるか否かを判断する(S70)。
なお、本実施形態1においては、用紙P1は給紙トレイ20からの給送時及び記録部24での搬送時においても、斜行しないので、第2両側端メモリ93Bと第3両側端メモリ93Cとに記憶される用紙P1の両側端位置は一致しており、(リニアエンコーダ69の分解能以下内で左右方向9にずれている場合についても両側端は一致しているとする)、制御部90は、S55においてはNOと判断する。制御部90が、S70においてNOと判断すると、制御部90は、前回決定した際に、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された最大の右側のはみ出し領域Dを使用する(S78)。
そして制御部90は、第1はみ出し領域メモリに記憶される両側の最大のはみ出し領域Dより、インク吐出開始位置及びインク吐出終了位置を決定する(S78)。次に、決定されたインクの吐出開始位置からインクの吐出終了位置までの距離分をインクを吐出するように、制御部90が、画像データメモリ93Fに記憶される画像データを読み出すアドレスの範囲を指定する(S79)し、印刷中の用紙両側端決定処理が終了する。
印刷中の用紙両側端決定処理が終了すると、用紙P1を搬送する(S43)。用紙1枚分の印刷が終了していない場合は(S44においてNO)、S78で決定されたインク吐出開始位置とインク吐出終了位置、及びS79で指定された画像データを読み出す際のアドレスの範囲に従って、制御部90がキャリッジ31を走査させると共に、記録ヘッド30からインクを吐出させる(S40)。そして、用紙1枚分の印刷が終了するまで、上述したS40乃至S44のうち任意の処理を繰り返し、制御部90によって用紙1枚分の印刷が終了したと判断されたら(S44においてYES)、制御部90は、排紙トレイ21上に用紙を排紙し(S45)、印刷中処理を終了し、図9に示されるフローチャートのS12に進む。
S12においては、制御部90は、汚れフラグメモリ93GにONが記憶されているか否かを判断する。制御部90が、汚れフラグメモリ93GにONが記憶されていないと判断すると(S12においてNO)、次に、制御部90は、次頁の印刷が有るか否かを判断する(S15)。制御部90が、次頁の印刷が有ると判断したら(S20においてNO)、再びS1に戻り、次頁の用紙Pに対する縁無し印刷処理が開始される。制御部90が、次頁の印刷が無いと判断したら(S15においてYES)、縁無し印刷処理を終了する。
<<定形外用紙P2を用いる時>>
以下に、定形外用紙(以下用紙P2と称する)が斜行せずにふちなし印刷されるときについて、図9乃至図13及び図14(B)を用いて説明する。また、定形外用紙とは、複合機10内に予め記憶されていない用紙のことを示す。また、図14(B)は、斜行していない用紙P2に縁無し印刷を行う際の、用紙P2、リブ81、及びはみ出し領域の相対位置を示した図である。
図9に示されるように、外部に接続されたPCや、操作パネル16を操作することによって、縁無し印刷処理が開始されると、制御部90は、RAMの各メモリ93A乃至93Eを初期化する(S1)。S1乃至S9の処理は、上述した定形用紙P1が斜行せずに縁無し印刷される場合と同様であるので省略する。
S9の処理が終了すると、次に制御部90は、印刷前のはみ出し領域設定処理(S10)に移行する。はみ出し領域設定処理が開始されると、まず、制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された左側の最大のはみ出し領域D内にリブ81があるか否かの判断をする(S20)。図14(B)に示されるような用紙P2が給送されると、点線で囲まれた左側の最大のはみ出し領域Dに、リブ81が存在している。したがって、当該用紙P2をふちなし印刷する時は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される左側の最大のはみ出し領域Dに基づいて、制御部90は、左側の最大のはみ出し領域Dにリブ81が有ると判断する(S20においてYES)。なお、左側の最大のはみ出し領域Dは、用紙Pの左右方向9において左側に1mm確保される。
次に、左側の最小のはみ出し領域D0内(本発明の第5領域の一例である)より、制御部90は、左側の最小のはみ出し領域D0にリブ81があるか否かの判断をする(S21)。縁無し印刷の画質を十分保証するために、通常は、左側の最大のはみ出し領域Dとしてその左右方向9の大きさは1mmに設定されるが、画質が保証できるのであれば、はみ出し領域Dを0.17mm(最小のはみ出し領域D0)にまで削減することが可能である。なお、図14(B)に示されるように、一点鎖線で囲まれた領域D0が最小のはみ出し領域である。用紙P2が給送された場合は、図14(B)に示されるように、左側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が存在しない。したがって、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される左側の最大のはみ出し領域Dから設定される左側の最小のはみ出し領域D0おいてNO)。
左側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が無いと判断されると(S21においてNO)、制御部90は、左側のはみ出し領域がリブ81を回避できる領域D1(本発明の第3領域の一例)まで、用紙P2の左端に最隣接するリブ81が回避できる左側のはみ出し領域D1を再設定し、再設定された右側のはみ出し領域D1を第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶させる(S23、本発明の第3領域設定手段の一例である)。具体的には、リブ81を回避できる左側のはみ出し領域D1、つまりインク吐出開始位置のエンコーダカウント値は、用紙P2の左端から、さらに左側に0.17mm以上から1.0mmよりも小さい値の間の位置で設定される。また、リブを回避できるはみ出し領域D1は、リニアエンコーダ69の分解能の単位(具体的には150dpi、0.17mm、本発明の第5距離の一例)毎で設定可能である。なお、図14(B)において、実線で囲まれた領域が再設定されたリブ81を回避できるはみ出し領域D1である。また、リブ81回避できる左側のはみ出し領域D1は、リニアエンコーダ69の分解能の単位毎の最大値で設定される。
次に、制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された右側の最大のはみ出し領域D内にリブ81があるか否かの判断をする(S24)。図14(B)に示されるような用紙P2が給送されると、点線で囲まれた右側の最大のはみ出し領域Dに、リブ81が存在している。したがって、当該用紙P2をふちなし印刷する時は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される最大の右側のはみ出し領域Dに基づいて、制御部90は、右側の最大のはみ出し領域Dにリブ81が有ると判断する(S24においてYES)。なお、右側の最大のはみ出し領域Dは、用紙Pの左右方向9において右側に1mm程度確保される。
次に、右側の最小のはみ出し領域D0(本発明の第5領域の一例である)内にリブが有るか否かの判断をする(S25)。縁無し印刷の画質を十分保証するために、通常は、右側の最大のはみ出し領域Dとしてその左右方向9の大きさは1mmに設定されるが、画質が保証できるのであれば、はみ出し領域Dを0.17mm(最小のはみ出し領域D0)にまで削減することが可能である。なお、図14(B)に示されるように、一点鎖線で囲まれた領域D0が最小のはみ出し領域である。用紙P2が給送された場合は、図14(B)に示されるように、右側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が存在しない。したがって、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される右側の最大のはみ出し領域から設定される右側の最小のはみ出し領域D0より、制御部90は、右側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が無いと判断する(S25においてNO)。
右側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が無いと判断されると(S25においてNO)、制御部90は、右側のはみ出し最隣接するリブ81が回避できる右側のはみ出し領域D1を再設定し、再設定された右側のはみ出し領域D1を第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶させる(S27、本発明の第4領域設定手段の一例である)。具体的には、リブ81を回避できる右側のはみ出し領域D1、つまりインク吐出終了位置のエンコーダカウント値は、用紙P2の右端から、さらに右側に0.17mm以上から1.0mmよりも小さい値の間の位置で設定される。なお、図14(B)において、実線で囲まれた領域が再設定されたリブ81を回避できるはみ出し領域D1である。また、リブ81回避できる右側のはみ出し領域D1は、リニアエンコーダ69の分解能の単位毎の最大値で設定される。
そして制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される再設定されたリブ81を回避できる両側のはみ出し領域D1より、インク吐出開始位置及びインク吐出終了位置を決定する(S29)。次に、決定されたインクの吐出開始位置からインクの吐出終了位置までの距離分をインクを吐出するように、制御部90が、画像データメモリ93Fに記憶される画像データを読み出すアドレスの範囲を指定する(S30)。次に、印刷中処理(S11、図11参照)に移行する。
印刷中処理(S11)、及び、印刷処理中の印刷中の用紙両側端決定処理(S42)、図12のフローチャートで示されるS50乃至S55、及びS63、又は、図13のフローチャートで示されるS70、及びS77乃至S79は上述した用紙P1が斜行せずにふちなし印刷される場合と同様であるので、省略する。
また、印刷中処理(S11)が終了し、図9のフローチャートに示されるS12、及びS15の処理についても、上述した用紙P1が斜行せずに縁無し印刷される場合と同様であるので、省略する。
<<定形外用紙P3を用いる場合>>
以下に、定形外用紙(以下用紙P3と称する)が斜行せずにリブが汚れて縁無し印刷されるときについて、図9乃至図13及び図14(C)を用いて説明する。また、図14(C)は、斜行していない用紙P3に縁無し印刷を行う際の、用紙P3、リブ81、及びはみ出し領域の相対位置を示した図である。
図9に示されるように、外部に接続されたPCや、操作パネル16を操作することによって、縁無し印刷処理が開始されると、制御部90は、RAMの各メモリ93A乃至93Eを初期化する(S1)。S1乃至S9の処理は、上述した用紙P1が斜行せずに縁無し印刷される場合と同様であるので省略する。
S9の処理が終了すると、次に制御部90は、印刷前のはみ出し領域設定処理(S10)に移行する。はみ出し領域設定処理が開始されると、まず、制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された左側の最大のはみ出し領域D内にリブ81があるか否かの判断をする(S20)。図14(C)に示されるような用紙P3が給送されると、点線で囲まれた左側の最大のはみ出し領域Dに、リブ81が存在している。したがって、当該用紙P3をふちなし印刷する時は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される左側の最大のはみ出し領域Dに基づいて、制御部90は、左側の最大のはみ出し領域Dにリブ81が有ると判断する(S20においてYES)。なお、左側の最大のはみ出し領域Dは、用紙P3の左右方向9において左側に1mm確保される。
S20においてYESと判断すると、次に制御部90は、左側の最小のはみ出し領域D0内にリブが有るか否かの判断をする(S21、本発明の第3判断手段の一例)。なお、図14(C)に示されるように、一点鎖線で囲まれた領域D0が最小のはみ出し領域D0であり、最小のはみ出し領域D0は、用紙P3の左右方向9において左側に0.17mm確保される。用紙P3が給送された場合は、図14(C)に示されるように、最小のはみ出し領域D0にリブ81が存在する。したがって、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される左側の最大のはみ出し領域Dから設定される左側の最小のはみ出し領域D0より、制御部90は、左側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が有ると判断する(S21においてYES)。
この場合、リブ81上にインクが吐出されることになるので、制御部90は、汚れフラグメモリ93GにONを記憶させる(S22)。
S24の処理が終了すると、制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された右側の最大のはみ出し領域D内にリブ81があるか否かの判断をする(S24)。図14(C)に示されるような用紙P3が給送されると、点線で囲まれた右側の最大のはみ出し領域Dに、リブ81が存在している。したがって、当該用紙P3をふちなし印刷する時は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される右側の最大のはみ出し領域Dに基づいて、制御部90は、右側の最大のはみ出し領域Dにリブ81が有ると判断する(S24においてYES)。なお、右側の最大のはみ出し領域Dは、用紙P3の左右方向9において左側に1mm確保される。
次に制御部90は、右側の最小のはみ出し領域D0内にリブが有るか否かの判断をする(S25、本発明の第4判断手段の一例)。なお、図14(C)に示されるように、一点鎖線で囲まれた領域D0が最小のはみ出し領域D0であり、最小のはみ出し領域D0は、用紙P3の左右方向9において右側に0.17mm確保される。用紙P3が給送された場合は、図14(C)に示されるように、最小のはみ出し領域D0にリブ81が存在する。したがって、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される右側の最大のはみ出し領域Dから設定される右側の最小のはみ出し領域D0より、制御部90は、右側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が有ると判断する(S25においてYES)。
次に、制御部90は、汚れフラグメモリ93GにOFFが記憶されているか否かを判断し(S26)、既に汚れフラグメモリ93GはS22においてONが記憶されているので、S26においてはNOと判断する。一方で、例えば、左側の最小のはみ出し領域D0内にはリブ81が存在せず、右側の最小のはみ出し領域D0内にリブ81が存在するような場合は、汚れフラグメモリ93GにはOFFが記憶されているので(S26においてYES)、汚れフラグメモリ93GにONを記憶させる(S28)。
そして制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される両側の最大のはみ出し領域Dよりインク吐出開始位置及びインク吐出終了位置を決定する(S29)。なお、このときの両側のはみ出し領域は、最小のはみ出し領域D0でなく、最大のはみ出し領域Dが選択される。次に、決定されたインクの吐出開始位置からインクの吐出終了位置までの距離分をインクを吐出するように、制御部90が、画像データメモリ93Fに記憶される画像データを読み出すアドレスの範囲を指定する(S30)。次に、印刷中処理(S11、図11参照)に移行する。
印刷中処理(S11)、及び、印刷処理中の印刷中の用紙両側端決定処理(S42)、図12のフローチャートで示されるS50乃至S55、及びS63、又は、図13のフローチャートで示されるS70、及びS77乃至S79は上述した用紙P1が斜行せずにふちなし印刷される場合と同様であるので、省略する。
印刷中処理(S11)が終了すると、次にS12に進む。汚れフラグメモリ93にONが記憶されているので(S12においてYES)、制御部90は、表示部18にリブ81が汚れている可能性がある旨と、清掃を要求する旨を表示させる(S13)。その後、制御部90は、開閉センサ19によってカバー12が開かれたことを検知されない間は(S14においてNO)、制御部90は、表示部18に対する表示を続け、カバー12が開かれたことを検知されたら(S13においてYES)、表示部18に対する表示を停止し、次に、制御部90は、次頁の印刷が有るか否かを判断する(S15)。制御部90が、次頁の印刷があると判断したら(S15においてNO)、再びS1に戻り、次頁の用紙Pに対する縁無し印刷処理が開始される。制御部90が、次頁の印刷が無いと判断したら(S15においてYES)、縁無し印刷処理を終了する。
<図12、図13のS55、S70においてYESと判断される時>
<<定形外用紙P2を用いる場合>>
以下に、用紙P2が斜行した状態で印刷されるときについて、図9乃至図13及び図15を用いて説明する。なお、用紙Pの斜行とは具体的に、第1両側端メモリ93Aに記憶される用紙Pの両側端位置と、第2両側端メモリ93Bに記憶される用紙Pの両側端位置とが、リニアエンコーダ69の分解能(0.17mm)よりも大きい場合を示す。図15は、斜行した用紙P2に縁無し印刷を行う際の、用紙P2、リブ81、及びはみ出し領域の相対位置を示した図である。図15(A)は、最初の用紙両側端決定がされた後の用紙P2の位置を示す図である。図15(B)は、図15(A)の位置にある用紙P2が搬送され、次に用紙両側端決定する時の用紙P2の位置を示す図である。図15(C)は、図15(A)と図15(B)とに示される時の用紙の位置から推定される、図15(B)の位置から一回搬送された時(0.1インチ搬送された時)の用紙P2の位置を示す図である。
図9に示されるように、外部に接続されたPCや、操作パネル16を操作することによって、縁無し印刷処理が開始されると、制御部90は、RAMの各メモリ93A乃至93Eを初期化する(S1)。S1乃至S9の処理は、上述した内容と同様であるので省略する。S9の処理が終了すると、次に制御部90は、印刷前のはみ出し領域設定処理(S10)に移行する。はみ出し領域設定処理が開始されると、まず、制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された左側の最大のはみ出し領域D内にリブ81があるか否かの判断をする(S20)。図15(A)に示されるような用紙P2が斜行した状態で給送されると、点線で囲まれた左側の最大のはみ出し領域Dに、リブ81が存在している。したがって、当該用紙P2を縁無し印刷する時は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される左側の最大のはみ出し領域Dに基づいて、制御部90は、最大のはみ出し領域Dにリブ81が有ると判断する(S20においてYES)。なお、左側の最大のはみ出し領域Dは、用紙P3の左右方向9において左側に1mm確保される。
次に、左側の最小のはみ出し領域D0(図15において一点鎖線で囲まれた領域)内にリブが有るか否かの判断をする(S21)。用紙P2が斜行した状態で給送された場合は、図15(A)に示されるように、用紙P1の左側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が存在しない。したがって、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される左側のはみ出し領域Dから設定される左側の最小のはみ出し領域D0より、制御部90は、左側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が無いと判断する(S21においてNO)。
左側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が無いと判断されると(S21においてNO)、制御部90は、左側のはみ出し領域がリブ81を回避できる領域D1まで、用紙P2の左のはみ出し領域D1(図15において実線で囲まれた領域)を再設定し、再設定された右側のはみ出し領域D1を第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶する(S23)。
その後、制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶された右側の最大のはみ出し領域D内にリブ81があるか否かの判断をする(S24)。図15(A)に示されるような用紙P2が斜行した状態で給送されると、点線で囲まれた右側の最大のはみ出し領域Dに、リブ81が存在している。したがって、当該用紙P2を縁無し印刷する時は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される右側の最大のはみ出し領域Dに基づいて、制御部90は、最大のはみ出し領域Dにリブ81が有ると判断する(S24においてYES)。なお、右側の最大のはみ出し領域Dは、用紙P3の左右方向9において右側に1mm確保される。
次に、最小のはみ出し領域D0(図15において一点鎖線で囲まれた領域)内にリブが有るか否かの判断をする(S25)。用紙P2が斜行した状態で給送された場合は、図15(A)に示されるように、用紙P1の右側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が存在しない。したがって、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される右側のはみ出し領域Dから設定される右側の最小のはみ出し領域D0より、制御部90は、右側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が無いと判断する(S25においてNO)。
右側の最小のはみ出し領域D0にリブ81が無いと判断されると(S25においてNO)、制御部90は、右側のはみ出し領域がリブ81を回避できる領域D1まで、用紙P2の右側のはみ出し領域D1(図15において実線で囲まれた領域)を再設定し、再設定された右側のはみ出し領域D1を第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶する(S28)。図15(A)に示されるような位置に用紙P2が位置する場合、リブ81を回避できる右側のはみ出し領域D1は、D1=D0(0.17mm)が設定される。
そして制御部90は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される再設定されたリブ81を回避できる両側のはみ出し領域D1より、インク吐出開始位置及びインク吐出終了位置を決定する(S29)。次に、決定されたインクの吐出開始位置からインクの吐出終了位置までの距離分をインクを吐出するように、制御部90が、画像データメモリ93Fに記憶される画像データを読み出すアドレスの範囲を指定する(S30)。次に、印刷中処理(S11、図11参照)に移行する。
印刷中処理(S15)は上述した内容と同様であるので、省略する。印刷中のはみ出し領域設定処理(S42)が開始されると、制御部90は、メディアセンサ52によって印刷中の用紙両側端決定を行うとともに、決定された用紙両側端位置を第1両側端メモリ93Aに記憶する(S50)。このとき、制御部90によって、第1両側端メモリ93Aに記憶されていた前回の決定時の用紙の両側端位置は、第2両側端メモリ93Bに移動され、記憶される。そして、S50において決定された用紙の両側端位置に基づいて、制御部90によって最大の両側のはみ出し領域Dが設定される(S51)。
次に、制御部90は、第1両側端メモリ93Aと第2両側端メモリ93Bに記憶される前回と今回との用紙の両側端位置から、用紙P2の斜行の傾向を特定する(S52)。なお、図15(A)と図15(B)とに示されるように、用紙P2は、第1両側端メモリAと第2両側端メモリ93Bに記憶される前回と今回の用紙の両側端位置は異なるため、用紙は斜行している。具体的には、第1両側端メモリAと第2両側端メモリ93Bに記憶される前回と今回の用紙の両側端位置は、リニアエンコーダ69の分解能(0.17mm)よりも大きく異なっている。その後、制御部90は、特定された用紙の斜行の傾向から、現在決定された用紙P1の位置
から0.1インチだけ搬送された場合の、用紙P1の推定の両側端位置を算出し、算出された推定の両側端位置を第3両側端メモリに93Cに記憶させる(S53)。このときの、推定された位置における用紙P2の位置は図15(C)に示される。なお、S52とS53とが、本発明の算出手段の一例である。
そして、第3両側端メモリ93Cに記憶される推定の両側端位置に基づいて、推定の両側の最大のはみ出し領域Dを設定し、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶させる(S54、本発明の第6領域設定手段、第7領域設定手段の一例)。さらに、制御部90は第2両側端メモリ93Bに記憶される今回決定された用紙P1の左端位置と、第3両側端メモリ93Cに記憶される推定の用紙P1の左端位置と、がずれるか否かを判断する(S55、本発明の第5判断手段の一例)。上述のように用紙P2は斜行された状態で給送されているので、制御部90がずれると判断すると(S55においてYES)、次に制御部90は、第2両側端メモリ93Bに記憶される用紙P2の左端位置と、第3両側端メモリ93Cに記憶される用紙P2の左端位置との間に、リブ81があるが否かの判断がされる(S56)。なお、リブ81の位置はROM92に予め記憶されているので、この処理においては、ROM92に記憶されるリブ81の位置が参照される。
図15(B)、図15(C)に示されるように、各左端位置の間にリブ81は無いので、制御部90は、第2両側端メモリ93Bと、第3両側端メモリ93Cと、ROM92と、に記憶される各エンコーダのカウント値を参照して、リブ81は無いと判断する(S56においてNO)。その後、制御部90は、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される推定の左側の最大のはみ出し領域D(本発明の第6領域の一例)内に、リブ81が有るか否かの判断がされる(S57、本発明の第6判断手段の一例)。図15(C)に示されるように、推定の用紙P2の左側の最大のはみ出し領域D内にリブ81がある。よって、制御部90は、第2はみ出し領域メモリ93Eを参照して、第2はみだし領域メモリ93Eに記憶される左側の最大のはみ出し領域Dにおいてリブ81があると判断(S57においてYES)する。
その後、制御部90は、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される左側の最大のはみ出し領域Dに基づく左側の最小のはみ出し領域D0内(本発明の第10領域の一例)にリブ81があるか否かの判断をする(S59、本発明の第8判断手段の一例)。図15(C)に示されるように、推定の用紙P2の左側の最小のはみ出し領域D0内にリブ81はない。よって、制御部90は、左側の最小のはみ出し領域D0内にリブが無いと判断する(S59においてYES)。
その次に、制御部90は、左側のはみ出し領域がリブ81を回避できる領域まで、用紙P2の左側のはみ出し領域D1(本発明の第8領域の一例)を再設定し、再設定された左側のはみ出し領域D1を第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶する(S61、本発明の第8領域設定手段の一例)。
S61の処理が終了すると、図13に示されるように、次に、制御部90は第2両側端メモリ93Bに記憶される今回決定された用紙P1の右端位置と、第3両側端メモリ93Cに記憶される推定の用紙P1の右端位置と、がずれるか否かを判断する(S70、本発明の第5判断手段の一例)。上述のように用紙P2は斜行した状態で給送されているので、制御部90がずれると判断すると(S70においてYES)、次に、制御部90は、第2両側端メモリ93Bに記憶される用紙P2の右端位置と、第3両側端メモリ93Cに記憶される用紙P2の右端位置との間に、リブ81があるが否かの判断がされる(S71)。
図15(B)、図15(C)に示されるように、各右端位置の間にリブ81は無いので、制御部90は、第2両側端メモリ93Bと、第3両側端メモリ93Cと、ROM92と、に記憶される各エンコーダのカウント値を参照して、リブ81は無いと判断する(S71においてNO)。その後、制御部90は、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される右側の最大のはみ出し領域D(本発明の第7領域の一例)内に、リブ81が有るか否かの判断がされる(S72、本発明の第7判断手段の一例)。図15(C)に示されるように、推定の用紙P2の右側の最大のはみ出し領域D内にリブ81がある。よって、制御部90は、第2はみ出し領域メモリ93Eを参照して、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される右側の最大のはみ出し領域Dにおいてリブ81があると判断(S72においてYES)する。
その後、制御部90は、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される最大のはみ出し領域Dに基づく右側の最小のはみ出し領域D0内(本発明の第10領域の一例)にリブ81があるか否かの判断をする(S74、本発明の第9判断手段の一例)。図15(C)に示されるように、推定の用紙P2の右側の最小のはみ出し領域D0内にリブ81がある。よって、制御部90は、右側の最小のはみ出し領域D0内にリブ81があると判断する(S74においてNO)。
次に、制御部90は、汚れフラグメモリ93Gを参照して、汚れフラグメモリ93GにOFFが記憶されていれば(S73においてNO)、汚れフラグメモリ93GにONを記憶し(S75)、汚れフラグメモリ93GにONが記憶されていれば(S73においてYES)、S78の処理に移る。S78の処理では、制御部90によって、第1はみ出し領域メモリに記憶される両側の最大のはみ出し領域Dより、インク吐出開始位置及びインク吐出終了位置を決定する(S78)。この場合、右側のはみ出し領域は再設定されたリブ81を回避できるはみ出し領域D1を、左側のはみ出し領域は最大のはみ出し領域Dを、基にしてインク吐出開始位置及びインク吐出終了位置が決定される。次に、決定されたインクの吐出開始位置からインクの吐出終了位置までの距離分をインクを吐出するように、制御部90が、画像データメモリ93Fに記憶される画像データを読み出すアドレスの範囲を指定する(S79)し、印刷中の用紙両側端決定処理が終了する。
そして、印刷中の用紙両側端決定処理が終了し、再び図11に示されるS42に戻り、用紙P2を搬送する(S43)。用紙1枚分の印刷が終了していない場合は(S43においてNO)、S78で決定されたインク吐出開始位置とインク吐出終了位置、及びS79で指定された画像データを読み出す際のアドレスの範囲に従って、制御部90がキャリッジ31を走査させると共に、記録ヘッド30からインクを吐出させる(S40)。そして、用紙1枚分の印刷が終了するまで、上述したS40乃至S44のうち任意の処理を繰り返し、制御部90によって用紙1枚分の印刷が終了したと判断されたら(S44においてYES)、排紙トレイ21上に用紙を排紙し(S45)、印刷中処理を終了し、図9に示されるフローチャートのS11に戻り、S12に示す処理に進む。
汚れフラグメモリ93GにONが記憶されている(S12においてYES)ので、制御部90は、表示部18にリブ81が汚れている可能性がある旨と、清掃を要求する旨を表示させる(S13)。その後、制御部90は、開閉センサ19によってカバー12が開かれたことを検知されない間は(S14においてNO)、制御部90は、表示部18に対する表示を続け、カバー12が開かれたことを検知されたら(S14においてYES)、表示部18に対する表示を停止し、次に、制御部90は、次頁が有るか否かを判断する(S15)。制御部90が、次頁の印刷があると判断したら(S15においてNO)、再びS1に戻り、次頁の用紙Pに対する縁無し印刷処理が開始される。制御部90が、次頁の印刷が無いと判断したら(S20においてYES)、縁無し印刷処理を終了する。
なお、第1両側端メモリ93Bに記憶される用紙P2の左端位置と、第3両側端メモリ93Cに記憶される用紙P2の左端位置と、の間にリブ81がある場合(S56)、又は、第2両側端メモリ93Bに記憶される用紙P2の右端位置と、第3両側端メモリ93Cに記憶される用紙P2の右端位置と、の間にリブ81がある場合は(S71)、用紙Pの所定の距離搬送移動した際に最小のはみ出し領域D0内にリブ81があることになる。したがって、制御部90は、汚れフラグメモリ93Gを参照して、汚れフラグメモリ93GにOFFが記憶されていれば(S58、73においてYES)、汚れフラグメモリ93GにONを記憶し(S60、S75)、汚れフラグメモリ93GにONが記憶されていれば(S58においてYES)、S62、S77に進む。このとき、各端のはみ出し領域は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される各側の最大のはみ出し領域Dが使用される。
なおまた、制御部90が、S57において、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される左側の最大のはみ出し領域D内にリブが無いと判断した場合や(S57においてNO)、S72において第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される右側の最大のはみ出し領域D内にリブが無いと判断した場合は(S72)、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される各側の最大のはみ出し領域Dが使用される。
なおまた、S59において、制御部90が、第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される左側の最小のはみ出し領域D0内に、リブ81があると判断された場合は(S59においてNO)、汚れフラグメモリ93Gを参照して、汚れフラグメモリ93GにOFFが記憶されていれば(S58においてNO)、汚れフラグメモリ93GにONを記憶し(S60)、汚れフラグメモリ93GにONが記憶されていれば(S58においてYES)、S62に進む。このとき、左側のはみ出し領域は、第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶される最大のはみ出し領域Dが使用される。
なおまた、S74において、制御部90が第2はみ出し領域メモリ93Eに記憶される右側の最小のはみ出し領域D0内に、リブ81が無いと判断された場合は(S74においてNO)、制御部90は、右側のはみ出し領域がリブ81を回避できる領域まで、用紙P2の右側のはみ出し領域D1(本発明の第9領域の一例)を再設定し、再設定されたはみ出し領域D1を第1はみ出し領域メモリ93Dに記憶させる(S76、本発明の第9領域設定手段の一例)。
<変形例>
本実施形態では、図12で表されるフローチャートのS55、及び図13で表されるフローチャートのS70においては、現在の用紙両側端位置と、現在決定された用紙P1から0.1インチだけ搬送された場合の、用紙P1の推定の用紙両側端位置とが、ずれているとしたが、これに限らない。例えば、S55においては、今回決定された現在の用紙左端位置と、前回決定された前回の用紙左端位置とが、ずれているか否かの判断をする。また、S70においては、今回決定された現在の用紙右端位置と、前回決定された前回の用紙右端位置とが、ずれているか否かの判断をする。
本実施形態では、用紙Pの左右方向9の中心は、プラテン34の左右方向の中心を通過するが、これに限らない。例えば、用紙Pの左端がプラテン34の左端部、又は用紙Pの右端がプラテン34の右端部に合わせて通過されてもよい。
本実施形態では、用紙Pの先端及び後端(前後方向8における両側端)においては、縁無し印刷がされていないが、これに限らず、例えば、用紙Pの先端及び後端においても縁無し印刷がされることは言うまでも無い。
本実施形態では、インクを吐出する記録ヘッド30は、左右方向9に走査されるキャリッジ31に設けられているが、これに限らない。例えば、記録ヘッド30の左右方向9の大きさが、複合機10が印刷可能な最大の用紙Pの左右方向9よりも大きなラインヘッドでもよい。
本実施形態では、用紙の両側端を決定するメディアセンサ52は、左右方向9に走査されるキャリッジ31に設けられているが、これに限らない。例えば、複合機10が印刷可能な最大の用紙Pの左右方向9よりも大きなラインセンサを用いて、用紙の両側端を決定してもよい。
本実施形態では、はみ出し領域を変更する時は、読み出すアドレスの範囲を変更することで実現されるが、これに限らない。例えば、読み出すアドレスの範囲はそのままにしておいて、はみ出し領域を小さくしたい場合は、小さくなる分を各ブロック分に記憶される画素のデータをすべて、吐出せずに書き換えるマスク処理を行っても良い。
本実施形態では、S9及びS54においては、用紙Pの両側端で、同一の最大のはみ出し領域Dを設定したが、これにかぎらず、例えば、用紙Pの左側と、用紙Pの右側とで、最大のはみ出し領域Dを異ならせて設定させてもよい。
本実施形態では、S20において最大のはみ出し領域D内に、リブ81があるか否かの判断をする際に、用紙P外のインク吐出開始位置から用紙Pの左端までのエンコーダカウント値内に、ROM92内に記憶されるリブ81のエンコーダカウント値が存在するか否かの判断をしたが、これに限らない。例えば、用紙Pの左側のエンコーダカウント値と左側のインク吐出開始位置のエンコーダカウント値との間の距離L1と、用紙Pの左側のエンコーダカウント値とリブ81までのエンコーダカウント値との距離L2と、を比較して、L1<L2である場合に、S20においてYESと判断され、L1>L2である場合に、S20においてNOと判断される。これは、S21、S24、S25、57、S59、S72、S74においても同様で、距離の比較で各はみ出し領域内にリブ81があるか否かを判断してもよい。
<本実施形態の作用効果>
本実施形態によれば、用紙Pの両側端部に余白を設けない縁無し印刷をする際に、メディアセンサ52によって決定される用紙Pの両側端位置に基づいて設定される最大のはみ出し領域D内にリブ81がある場合は、はみ出し領域をリブ81を回避できるはみ出し領域D1に再設定する。そして、制御部90は、キャリッジ31と記録ヘッド30とを制御して、リブ81を回避できるはみ出し領域D1と用紙の左右方向9の幅とによって構成されるインク吐出領域内にインクを吐出する。これによって、用紙Pの下面が支持されるリブ81にインクが吐出されることを抑制できるので、後続の用紙に対する裏写りを軽減させることが可能となる。
本実施形態によれば、はみ出し領域D1が最大のはみ出し領域Dよりも小さく、最小のはみ出し領域D0以上の範囲で可変に設定される。したがって、メディアセンサ52によって決定された両端位置に基づいて設定されるはみ出し領域の大きさを、縁無し印刷の画質を保証できると共に、さらに、用紙Pの下面が支持されるリブ81にインクが吐出されることを抑制できるので、後続の用紙に対する裏写りを軽減させることが可能となる。
本実施形態によれば、最小のはみ出し領域D0内にリブ81がある場合は、リブ81が汚れた旨を表示部18に表示させる。さらに、リブ81が汚れた旨を表示させているのをカバー12が開かれるまで続け、後続の用紙Pに対する縁無し印刷を開始させない。これにより、ユーザが表示部18を介してリブ81が汚れたことを確認でき、さらに、カバー12を開けるまで縁無し印刷を再開しないので、リブ81上に吐出されたインクを清掃することができ、後続の用紙に対する裏写りを軽減させることが可能となる。
本実施形態によれば、所定の距離ずつ用紙Pが搬送された場合に、メディアセンサ52によって用紙の両側端位置を決定する。そして、前回決定された際の用紙Pの両側端位置と、現在決定された際の用紙Pの両側端位置と、から、現在決定された用紙Pの位置から次に1回分の搬送量を搬送される際の用紙Pの両側端位置を算出する。次に、前回決定された際の用紙の両側端位置又は次に決定される1回分の搬送量を搬送される際の用紙Pの両側端位置と、現在決定された際の用紙Pの両側端位置とが異なっている場合に、次に1回分の搬送量を搬送される際の用紙Pの両側端位置でのはみ出し領域を用いて、現在決定された際の用紙Pの両側端位置でのはみ出し領域を設定する。よって用紙Pが斜行した状態で搬送されることで、搬送される毎に用紙Pの両側端位置が変化し、はみ出し領域の大きさが変化した場合でも、はみ出し領域を小さくしたり、また、汚れた可能性がある場合は報知するので、後続の用紙に対する裏写りを抑制することができる。