JP2013000835A - ワイヤソー用ワイヤ - Google Patents

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Hiroshi Izumida
寛 泉田
Norio Ekusa
紀男 江草
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Abstract

【課題】ワイヤソー用ワイヤについて、溝付きロール等を通過させる工程を経ることなく、その表面の砥粒保持能力を向上させる。
【解決手段】発明にかかるワイヤソー用ワイヤを、表面に亜鉛と鉄の合金めっき層12を形成した鋼線11を伸線し、その伸線と同時にその合金めっき層12に意図的に割れ12aを生じさせることで得る。製造中の伸線工程時に砥粒gがはまり込み可能な表面の割れ12aが同時に形成されるため、凹凸形成のために溝付きロール等を通過させる必要がなくなる。そのため、手間やコストを削減できるとともに、機械的強度の低下を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤソーに用いられるワイヤに関する。
シリコンインゴットからシリコンウェハを切り出す作業など、硬質材料の切断作業に用いられる切断装置として、ワイヤソーが知られている。
ワイヤソーは、複数のロール間に多数のワイヤソー用ワイヤを巻き回し、そのロールの回転によりワイヤを高速で走行させ、その走行するワイヤにシリコンインゴットなどの被切断材料を押し付けることで、切断加工をおこなうしくみとなっている。
ここでワイヤ自身は切断能力に乏しいため、上記作業の際には、走行するワイヤに向けて砥粒を供給することになっている。
したがって切断作業の際には、ワイヤに随伴して被切断材料の内部にまで引き込まれる砥粒の量が多いほど、切断の効率が向上することになる。
そのため、切断の効率を向上させる方策の一つとして、ワイヤが砥粒を表面上に保持する能力を向上させることが考えられる。
このことから、特許文献1に記載されているように、ワイヤの製造工程において、そのワイヤを微細な溝が多数形成された溝付きロール間に通すことで、表面に微細な凹凸を形成することがおこなわれている。供給された砥粒は表面の凹凸にはまり込むため、ワイヤの砥粒保持能力が向上することになる。
特許第3923965号公報
しかし、ワイヤを溝付きロール間に通過させるとなると、製造工程がひとつ増えるため、手間やコストの観点から好ましくない。また、ロールの押圧によってワイヤの機械的強度が低下するおそれもある。
そこで、本発明の解決すべき課題は、ワイヤソー用ワイヤについて、溝付きロール等を通過させる工程を経ることなく、その表面の砥粒保持能力を向上させることである。
上記した課題を解決するため、本発明のワイヤソー用ワイヤは、表面に亜鉛と鉄の合金めっき層を形成した鋼線を伸線し、その伸線と同時に合金めっき層に砥粒がはまり込み可能な割れを生じさせることで得られるものとしたのである。
ここで合金めっき層は、そのビッカース硬さが100〜120(hv)であるのが好ましい。
本発明のワイヤソー用ワイヤは、製造中の伸線工程時に砥粒をはまり込み可能な表面の割れが同時に形成されるため、凹凸形成のために溝付きロール等を通過させる必要がなくなる。そのため、手間やコストを削減できるとともに、機械的強度の低下を防止できる。
亜鉛と鉄の合金めっき層はそのビッカース硬さが100〜120(hv)程度であるため、従来のワイヤソー用ワイヤで汎用されている亜鉛と銅の合金めっき層(ブラスめっき層)のビッカース硬さが80(hv)以下であるのと比較して、非常に硬度が高い。
したがって、ワイヤソーでの切断作業時における合金めっき層の摩耗が従来よりも少なく、めっき層の摩耗にともなう被切断材料への影響や摩耗屑の廃棄スラリーへの混入を抑えることができる。
実施形態のワイヤソー用ワイヤの合金めっき層に砥粒が保持される様子を示す模式図 実施形態のワイヤソー用ワイヤの製造工程全体の概要を示す流れ図 実施形態のワイヤソー用ワイヤの製造工程におけるめっき工程を示す模式図 実施形態のワイヤソー用ワイヤの製造工程における最終伸線工程を示す模式図 実施形態のワイヤソー用ワイヤの製造工程における伸直工程を示す模式図
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、実施形態のワイヤソー用ワイヤ10は、伸線された鋼線11と、鋼線11の表面に形成された亜鉛と鉄の合金めっき層12と、からなる。
また図示のように、合金めっき層12の表面には、小さな多数の割れ12aが生じている。したがって、このワイヤソー用ワイヤ10を用いた切断作業時に砥粒gを供給すると、図示のように割れ12aにその砥粒gがはまり込むようになっており、ワイヤの砥粒保持能力が向上している。
このワイヤソー用ワイヤ10の径は、特に限定されないが一般的には0.04〜0.20mm程度である。
実施形態のワイヤソー用ワイヤ10は、たとえば図2のように、汎用されている鋼線11を準備し、一次伸線工程S1、パテンティング工程S2、めっき工程S3、仕上げ伸線工程S4、伸直工程S5を経ることで作製される。
鋼線11の種類は特に限定されないが、炭素含有量が0.80質量%以上の高炭素線材が例示できる。
一次伸線工程S1、パテンティング工程S2については、従来と同様であるため詳細を省略し、めっき工程S3、仕上げ伸線工程S4、伸直工程S5について以下に詳述する。
なお、伸直工程S5については、コスト等を勘案して省略することも可能である。
実施形態のワイヤソー用ワイヤ10においては、そのめっき工程S3時には、従来汎用されているブラスめっき(黄銅めっき)に代えて、溶融亜鉛めっきが施される。
具体的にはめっき工程S3には、図3に示すようなめっき装置20を用いる。
このめっき装置20は、加熱溶融した液体亜鉛21aが収納された浴槽21と、浴槽21内に回転可能に支持された送りローラ22と、送りローラ22の送り方向の下流側で浴槽21の開口付近に配置されたスクレーパ23と、を備える。ここで、スクレーパ23は、セラミックロープ等を巻き回してなるコイル体である。
一次伸線工程S1、パテンティング工程S2を経た鋼線11は、図3のように、めっき工程S3において、めっき装置20中の送りローラ22により、まず浴槽21内に引き込まれ、ついでスクレーパ23を通って浴槽21外へと送り出される。
鋼線11は浴槽21内に引き込まれた時点で液体亜鉛21aに漬けられ(いわゆるどぶ漬け)、その表面に液体亜鉛21aが付着し、めっきが施されることとなる。
めっきは、その外層側は亜鉛単体からなる亜鉛めっき層13として構成されるが、その内層側では、液体亜鉛21aが高温であることから鋼線表面の鉄分と化学反応が生じている。したがって、内層側は、亜鉛と鉄の合金めっき層12として形成されることになる。
内側の合金めっき層12と外側の亜鉛めっき層13が施された鋼線11は、つぎにスクレーパ23に向かうが、ここでコイル状のスクレーパ23の内径は、鋼線11と合金めっき層12との合計径とほぼ等しいかまたはやや小さくなっている。
このため、鋼線11がスクレーパ23を通過する際には、外層側の亜鉛めっき層13はすべてスクレーパ23によりしごき落とされ、内層側の合金めっき層12のみが残存することになる。
めっき工程S3を経て、表面に合金めっき層12を備える鋼線11は、図4のように最終伸線工程S4において、ダイス30に通されて伸線される。
伸線時には、図4(b)のように、合金めっき層12に多数の小さな割れ12aが意図的に生じるように、その引張り力等を調整しておくものとする。
減面率について見れば、約20%以上であれば、割れ12aが発生し、約40%以上であれば、割れ12aの大きさが、砥粒gがはまり込むのに好適なものとなる。
できあがったワイヤソー用ワイヤ10による砥粒gの保持能力を好適なものとするためには、めっき工程S3において合金めっき層12の厚みを0.5〜2μmとし、最終伸線工程S4において割れ12aの深さを合金めっき層12の厚みと同じかやや小さくし、かつ割れ12aのピッチを1〜4μmとするのが好ましい。
最終伸線工程を経て、合金めっき層12に割れ12aを生じさせた鋼線11は、図5のように伸直工程S5において、伸直装置40を用いることで、曲がり、うねり、スパイラルなどの線癖を矯正される。
これにより、線癖のない、切断作業に用いるのに好適なワイヤソー用ワイヤ10が得られる。
図5のように、伸直装置40は、上流側のロール伸直部41と、下流側の熱伸直部42と、を備え、そのロール伸直部41は多数の矯正ロール群41aからなり、その熱伸直部42は加熱炉42aと冷却帯42bとからなる。
合金めっき層12に割れ12aを生じさせた鋼線11は、ロール伸直部41の矯正ロール群41aの押圧により機械的に線癖が矯正され、熱伸直部42の加熱炉42aと冷却帯42bによる加熱冷却により熱的に線癖が矯正される。
亜鉛と鉄の合金めっき層12は、従来のブラスめっき(亜鉛と銅の合金めっき)と比較して硬度および融点が高いため、ロール伸直部41における矯正ロール群41aの押圧力を大きくし、また熱伸直部42における加熱炉42aの加熱温度を高くすることができる。これによって、線癖矯正の確実性を高められる。
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて、発明の内容を一層明確なものとする。
次の表1に示すような、めっきの方法、めっきの種類、ロール伸直の有無、加熱伸直の有無、に関する各条件のもとで、実施例1〜4のワイヤソー用ワイヤ、比較例1〜3のワイヤソー用ワイヤをそれぞれ作製した。
ここで、ワイヤの径は0.18mmに統一されているものとする。
Figure 2013000835
これら実施例1〜4のワイヤソー用ワイヤ、比較例1〜3のワイヤソー用ワイヤを用いて、直径200mmのシリコン単結晶インゴットを切断する試験をおこなった。
ワイヤの送り速度等、その余の条件は統一されているものとする。その結果を表2に示す。
表2中、○はインゴットの切断表面における凹凸の最大値差が4μm未満であることを、△は同凹凸の最大値差が4μm以上7μm未満であることを、×は同凹凸の最大値差が7μm以上であることを、それぞれ示す。
また、表2中のスライス速度比とは、円柱インゴット(直径約5〜8インチ)を切断する時間から、単位時間当たりの切断インチを求めてこれをスライス速度とし、さらに比較例2、3のワイヤのスライス速度を1と換算した場合の、実施例のワイヤのスライス速度の比較例2、3のワイヤのスライス速度に対する比率を示す。
Figure 2013000835
今回開示された実施形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
10 実施形態のワイヤソー用ワイヤ
11 鋼線(伸線の前後を含む)
12 合金めっき層
13 亜鉛めっき層
20 めっき装置
21 浴槽
21a 液体亜鉛
22 送りローラ
23 スクレーパ
30 ダイス
40 伸直装置
41 ロール伸直部
41a 矯正ロール群
42 熱伸直部
42a 加熱炉
42b 冷却帯
g 砥粒

Claims (4)

  1. 伸線された鋼線と、その鋼線の表面に形成された亜鉛と鉄の合金めっき層と、からなり、
    その合金めっき層は、砥粒がはまり込み可能な割れを有している、ワイヤソー用ワイヤ。
  2. 前記合金めっき層のビッカース硬さが、100〜120(hv)である請求項1に記載のワイヤソー用ワイヤ。
  3. 鋼線に溶融亜鉛めっきを施して、外層の亜鉛めっき層と内層の亜鉛と鉄の合金めっき層を形成する工程と、
    前記鋼線の亜鉛めっき層と合金めっき層のうち、亜鉛めっき層のみを除去する工程と、
    前記亜鉛めっき層が除去された鋼線を伸線し、同時に前記合金めっき層に砥粒がはまり込み可能な割れを生じさせる工程と、を含むワイヤソー用ワイヤの製造方法。
  4. ロール矯正による前記鋼線の伸直工程および加熱による前記鋼線の伸直工程のうち、少なくとも一方をさらに含む請求項3に記載のワイヤソー用ワイヤの製造方法。
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