JP2012532847A - 金属ナノ粒子、その調製および使用 - Google Patents

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    • A61N2005/1098Enhancing the effect of the particle by an injected agent or implanted device

Abstract

本願は、標的の細胞、組織または器官を混乱、改変または破壊するための健康領域、特に、ヒト健康に用いることができる活性化ナノ粒子に関する。それは、特に、電離放射線に曝露された場合にかなり効果的な治療効果を生成できるナノ粒子に関する。本発明のナノ粒子は、最大サイズとして、約80〜105nmに含まれるサイズを有し、好ましくは金属が少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属ナノ粒子である。また、本発明は、先に定義されたナノ粒子の集団を含む医薬組成物、ならびにそれらの使用に関する。

Description

本願は、標的の細胞、組織または器官を混乱、改変または破壊するための健康領域、特に、ヒト健康に用いることができる活性化ナノ粒子に関する。より詳細には、本願は、X線、γ線、放射性同位体および/または電子ビームのごとき電離放射線に曝露された場合に驚くべき効果的な治療効果を生成できるナノ粒子に関する。本発明のナノ粒子は、最大サイズとして約80〜約105nmに含まれるサイズを有し、金属が好ましくは少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属ナノ粒子である。また、本発明は、先に定義されたナノ粒子の集団を含む医薬組成物、ならびにそれらの使用に関する。
X線、ガンマ線、UV放射線、レーザー光線、マイクロ波、電子ビームならびに、例えば、ニュートロンおよびプロトンの粒子線のごとき種々の形態の放射線を用いて、癌関連問題を処理している。いくつかの該放射線は、放射線感受性の分子と組み合わせてかかる適用に用いられている。電磁気および電離放射線は、実際に細胞のDNA分子を特に破壊でき、それによって、細胞を死滅させるおよび/または該細胞が増殖および分裂するのを防止する。この効果は、主としてフリーラジカル生成を担うイオン化後に放射した電子および/または高エネルギー光子によって特に創製された間接的損傷による。
「電離放射線」なる用語は、原子または分子をイオン化できる高エネルギーの粒子または波をいう。イオン化能は、個々の粒子または波のエネルギーに依存するが、それらの数には依存しない。個々の粒子または波が不十分にエネルギー的であるならば、非常におびただしい粒子または波は、最も一般的な状況において、イオン化を引き起こさないであろう。典型的な電離放射線は放射であり、そのエネルギーは2KeVを超える。
金ナノ粒子(GNP)による放射線増感は、放射線療法の改善のために有望なアプローチであることが確認された。米国第6,955,639号(Hainfeldら)は、金属の、特に金のナノ粒子を用いて、X線照射効果を増強する方法を記載し、その金属コアのサイズ(直径)は、体内分布の理由のために、好ましくは0.8〜20nm、より好ましくは0.8〜3nmの範囲にある。Heroldら(Int. J. Rad. Biol. 76 (2000) 1357)は、小さなサイズ(約2nm)の金ナノ粒子が腫瘍塊の全体にわたってより均質に分散するであろうことを示す。Chithraniら (Nano Lett. 6 (2006) 662; Nano Lett. 7 (2007) 1542)は、Hela細胞中の50nmの直径GNPの優先的な浸透および蓄積を示した。Changら (Cancer Sci. 99 (2008) 1479)は、黒色腫腫瘍を持つハツカネズミモデルにおいて、25Gy〜6MeVの電子ビームの単一線量と同時の13nmの直径のGNPは、対照群における腫瘍塊のより明らかな低下に導くことを示した。Zhangら (Biomed Microdevices (2009), 11:925-933)は、in silico(Monte carlo 刺激モデル)データを提供し、金ナノ粒子が放射線の有効線量を増強できることを確認するが、かかる線量増強に対するナノ粒子サイズの影響を試験していない。この文書は、放射線治療の文脈においてHainfeldの1.9nmの直径ナノ粒子をいう(第930頁、右欄を参照)が、特にヒトにおいて、生物システムの線量増強因子の量を正確に定量する助けとなり得る結果を提供しない(Montenegroら, J. Phys. Chem. A. 2009, 113, 12364-12369: “Monte Carlo Simulations and Atomic Calculations for Auger Processes in Biomedical Nanotheranostics”を参照)。
本発明者らは、本願明細書において、驚くべきことには、ナノ粒子が電離放射線に曝露される場合、該ナノ粒子が本明細書に記載した先行技術に記載されたナノ粒子よりも、in vitro、ex vivoおよびin vivoにて、標的細胞のより効果的な混乱、変質または破壊を達成できる強力なナノ粒子を提供する。本発明のナノ粒子は、有利には、最大サイズとして、約80nm〜約105nmに含まれるサイズを有する金属ナノ粒子であり、その粒子は、好ましくは少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属で調製される。本明細書に記載されたナノ粒子の有利な特性は、本発明とは対照的に、線量増強因子を増加させるために小さなサイズの金ナノ粒子の使用を示唆する当該技術分野から推定されなかった [特に、金ナノ粒子濃度の影響を明らかにする、Brunら (Colloids and Surfaces B: interfaces, 72 (2009) 128-134: “Parameters governing gold nanoparticle X-ray radiosensitization”)参照]。 Brunらの図4(B)に示される結果は、特に、所与の金濃度について、金ナノ粒子のサイズが減少する場合に線量増強因子が増加すことを明らかにする(金含量は、因子3による金ナノ粒子半径で変化する)。所与の金属濃度および所与の電離放射線吸収能力については、本明細書に記載した金属ナノ粒子は、好ましくは約80nm〜約105nmにある典型的な金属ナノ粒子のサイズが、より小さなサイズのナノ粒子と比較した場合、特に、60nm以下のサイズのナノ粒子と比較した場合に、治療効力(標的細胞破損を生成する能力)の増加を担う。細胞レベルの所与の金属濃度および等価なX線減衰については、本明細書に記載した金属ナノ粒子は、細胞を死滅するおよび/またはそれらの分裂を防止するためのより強い能力を示す。
本明細書に記載したナノ粒子によって示されるもう一つの特徴は、電離放射線に曝露された場合に、標的細胞に接触する場合の治療効果を生成するそれらの能力である。換言すれば、照射下で観察された治療効力は、ナノ粒子の細胞取込みを必要としない。かかる特性は初めて本明細書に記載される。実際には、今までは、標的細胞取込みは当該技術分野において、ナノ粒子が、照射下の効果的な細胞の致死損傷を生成できることが必要とされると信じられてきた(例えば、Kongら (Small 4 (2008) 1537)参照)。かくして、本発明は、約1から20nm、多くとも60nmの直径を持つナノ粒子の(50nmのナノ粒子につき特におよび長期にわたり注目する)医学的適用に関して、主として生物学的適合性、生物分散および細胞取込みの理由のために、当業者を使用に導くすべての先行技術の先入観に反する(例えば、Chithraniら (2006)およびChangら (2008)参照)。
本発明のナノ粒子は、さらに、完全な放射線治療処置プロトコールの文脈において、最小までの、対象に投与される金属量における低下ならびにナノ粒子投与工程数における低下を可能にし、それにより、対象によるそれらの寛容を助ける。
本願は、標的の細胞、組織または器官を混乱、改変または破壊するための健康領域、特に、ヒト健康に用いることができる活性化ナノ粒子に関する。より詳細には、本願は、X線、γ線、放射性同位体および/または電子ビームのごとき電離放射線に曝露された場合に驚くべき効果的な治療効果を生成できるナノ粒子に関する。本発明のナノ粒子は、最大サイズとして約80〜約105nmに含まれるサイズを有し、金属が好ましくは少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属ナノ粒子である。また、本発明は、先に定義されたナノ粒子の集団を含む医薬組成物、ならびにそれらの使用に関する。
本発明者らは、好ましくは少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属から調製され、ナノ粒子の最大サイズが、約80nm〜約105nmに含まれるナノ粒子を用いて、驚くべきことに増大した効力を持って、標的細胞、組織または器官、特に、本明細書において良性の細胞または組織として定義された異常細胞または組織、あるいは体内の表面的または深部の前癌状態のもしくは悪性の細胞(癌細胞)または組織(腫瘍)のごとき疾患細胞または組織を混乱、改変または破壊することが可能であることを今や発見した。
適切な条件下でそれ自体によって有害ではなく、安全に使用できるナノ粒子を提供し、動物、より好ましくは哺乳動物、さらにより好ましくはヒトにおける標的細胞を機能的に混乱、改変または破壊することが本発明の有利さである。ナノ粒子の所望の治療効果は実際には厳密にそれらのイオン化に依存し、該イオン化は、当業者により、質および量の点から、それ自体を有利に制御する電離放射線源により生成し、標的化、すなわち、局在化した方法で用いる。本発明は、実際には、該細胞が、特に、X線、ガンマ線(γ線)、放射性同位体、イオンビームおよび/または電子ビームのごとき電離放射線に曝露される場合に、in vitro、ex vivoおよびin vivoにて細胞での混乱、改変または破壊を誘導できるナノ粒子を記載する。本明細書に記載したナノ粒子は、ナノ粒子が標的細胞により内部移行することを必要とすることなく、入射する放射線と直接的に相互作用でき、驚くべきことには効果的な治療効果を生成できる。
本発明によるナノ粒子は、生物学的適合性コーティングで覆うことができ、本明細書にさらに後記した生理学的流体中のナノ粒子安定性を好ましくは助ける。
本ナノ粒子は、適当で好ましいならば、例えば、生物学的組織または細胞を特異的な標的とできる表面成分を用いる標的方法において用いることができる。しかしながら、それらは、標的分子が、標的細胞または組織に集中することは必要としない。強化した浸透および保持(「EPR」)効果は、実際には、ナノ粒子の静脈内経路(1つの可能な投与経路)による注射後の所与の時間後の腫瘍塊中への受動的蓄積を担う。腫瘍血管が正常な毛細管とは全く異なり、それらの脈管の「漏れやすさ」が、正常組織において通常でないナノ粒子の選択的管外溢出を促進することが実際には観察されている。有効な腫瘍リンパ排液の不足は、浸透するナノ粒子のクリアランスを防止し、それらの蓄積を促進する。かくして、本ナノ粒子は、静脈内投与後の原発性腫瘍および転移性腫瘍を成功裡に標的とできる。また、本ナノ粒子は、腫瘍内または動脈内経路を介して有利に投与できる。
したがって、本発明によるナノ粒子またはかかる粒子の集団を用いて、標的の細胞、組織または器官を改変または破壊することが、本発明の目的である。
本明細書に開示した特定の具体例は、標的哺乳動物細胞が電離放射線に曝露される場合に、該標的哺乳動物細胞を混乱、改変または破壊することを目的とする医薬組成物を調製するための金属ナノ粒子の集団の使用ならびに対応する処置方法に関し、ナノ粒子は、少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属で調製され、集団のナノ粒子の平均最大サイズは約80〜105nmである。
本発明による生成物、特に、癌の処置に用いるナノ粒子および金属ナノ粒子の集団が、特に、本明細書に開示される。
もう一つの具体例は、医薬組成物に基づき、特に、全記載から明らかなごとく、標的細胞が電離放射線に曝露される場合の哺乳動物における該標的細胞を混乱、改変、または破壊することを目的とする医薬組成物に基づき、該医薬組成物は、本明細書に定義のごとく金属ナノ粒子の集団および医薬上許容される担体または賦形剤を含み、ここに、そのナノ粒子は、少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属から調製され、集団のナノ粒子の平均最大サイズが約80〜105nmである。
もう一つの具体例は、動物が電離放射線、特に、本明細書に定義された電離放射線に曝露される場合の該動物における癌を予防または治療するまたは癌症状を緩和するための本発明によるナノ粒子、金属ナノ粒子の集団または組成物の使用に関する。
本開示は、特に、対象への本発明による金属ナノ粒子、金属ナノ粒子の集団またはかかるナノ粒子の集団を含む組成物を投与し、次いで、該対象を放射線、特に電離放射線に曝露することにより、対象における癌を予防または治療するか、または癌症状を緩和する方法を包含し、対象は、動物、特に哺乳動物、好ましくはヒトである。
もう一つの態様において、本開示は、生成物を用いるための指示を提供する表示通知と一緒に、1以上の本明細書に記載した生成物、すなわち、ナノ粒子および組成物を含むキットを提供する。
図1Aは、表1に記載した金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す(実施例1を参照)。 図1Bは、表1に記載した金ナノ粒子(GNP)のサイズ分布を示す。 調製した金ナノ粒子の結晶構造が、電子回折によって決定される。図2Aは、参照ナノ粒子(Cubic Face Center構造を持つ金ナノ粒子を透過型電子顕微鏡のカメラ定数(Lλ)を確立するための参照として用いる)および実施例1からの金ナノ粒子(GNP)の電子回折パターンを示す。図2Bは、(実施例1からの)金ナノ粒子の指数化を報告し、電子回折パターンは金ナノ粒子のCubic Face Center (CFC)構造を示す。 電子回折パターンの指数化は下記工程よりなる: 1)参照の電子回折パターンからカメラ定数を確立し、 2)実施例1からの金ナノ粒子の電子回折パターンのリング直径(D1、D2、...、Dn)を測定し、 3)表示dhkl = L*λ/ (Dn/2)を用いてdhklを計算し、 4)存在する構造データベースを用いて、各リングを指数化する。
図3Aは、15nm(実施例1からの金−15)の粒子サイズを持つ金ナノ粒子についての細胞レベルでの金の不存在(陰性対照)または、12μM、20μMおよび130μMの存在下、200kVpのX線エネルギービームで照射したHT29結腸癌細胞を用いるクローン原性生存アッセイを示す。照射線量は0(照射なし)〜4Gyで変化する。 HT29での陰性対照:四角ドット HT29 12μMでの金−15ナノ粒子:クロスドット HT29 20μMでの金−15ナノ粒子:三角ドット HT29 130μMでの金−15ナノ粒子:丸ドット 図3Bは、80nm(実施例1からの金−80)の粒子サイズを持つ金ナノ粒子についての細胞レベルでの金の不存在(陰性対照)または、17μM、52μMおよび119μMの存在下、200kVpのX線エネルギービームで照射したHT29結腸癌細胞を用いるクローン原性生存アッセイを示す。照射線量は0(照射なし)〜4Gyで変化する。 HT29での陰性対照:四角ドット HT29 17μMでの金−80ナノ粒子:クロスドット HT29 52μMでの金−80ナノ粒子:三角ドット HT29 119μMでの金−80ナノ粒子:丸ドット
標的細胞当たりの金濃度として本明細書に同定した細胞レベルでの同様の金濃度についての線量増強因子(DEF)に対する金ナノ粒子サイズの効果。 図4A 細胞レベルでの金(Au)濃度をμMで示す。 20μM未満の金濃度([Au]<20μM):クロスドット 20μM〜83μMの金濃度(20μM≦[Au]≦83μM):ダイアモンドドット 95μM〜148μMの金濃度(95μM≦[Au]≦148μM):四角ドット 400μMの金濃度([Au]=400μM):三角形ドット 図4B 標的細胞当たりの金(Au)濃度を以下の通り表示する: 細胞:Au=1:X(Xはナノモルで示す) 細胞:Au≦1:15×10−5:クロスドット 1:20×10−5≦細胞:Au≦1:45×10−5:ダイアモンドドット 1:60×10−5≦細胞:Au≦1:110×10−5:四角ドット 細胞:Au=1:182×10−5:三角形ドット
図5Aは、金ナノ粒子サイズ≧80nmについての閾値効果を示す。細胞レベルでの金濃度は20μM〜83μMであった。標的細胞当たりの対応する金濃度は、20×10−5ナノモル〜45×10−5ナノモルであった。 2つの線形傾向曲線はそれぞれの勾配値間の有意差で確立される:15nm〜60nm間のサイズを持つ金ナノ粒子は、0.0033の勾配を持つ線形傾向曲線を示す。80nm〜105nmのサイズを持つ金ナノ粒子は、0.0384の勾配を持つ線形傾向曲線を示す。2つの該曲線によって明らかにされた勾配比は、約10である。DEFを考慮する場合に観察された閾値効果は、該サイズが約80nm以上である場合の金属ナノ粒子サイズによって引き起こされる。 図5Bは、金ナノ粒子サイズ≧80nmについての閾値効果を示す。細胞レベルでの金濃度は、95μM〜148μMであった。標的細胞当たりの対応する金濃度は、60×10−5ナノモル〜110×10−5ナノモルであった。 2つの線形傾向曲線はそれぞれの勾配値間の有意差で確立される:15nm〜60nm間のサイズを持つ金ナノ粒子は、0.0025の勾配を持つ線形傾向曲線を示す。80nm〜105nmのサイズを持つ金ナノ粒子は、0.0865の勾配を持つ線形傾向曲線を示す。2つの該曲線によって明らかにされた勾配比は、約30である。DEFを考慮する場合に観察された閾値効果は、該サイズが約80nm以上である場合の金属ナノ粒子サイズによって引き起こされる。
図6Aは、実施例1、表1に記載した各金ナノ粒子の金濃度の関数としてX線の減衰を示す。 金−15についての[Au](g/l)の関数としてのHU値:ダイアモンドドット 金−30についての[Au](g/l)の関数としてのHU値:四角ドット 金−60についての[Au](g/l)の関数としてのHU値:三角ドット 金−80についての[Au](g/l)の関数としてのHU値:クロスドット 金−105についての[Au](g/l)の関数としてのHU値:+ドット 図6Bは、X線減衰に対する金ナノ粒子サイズの影響を示す。各サイズの金ナノ粒子の勾配は図6Aから得、金ナノ粒子サイズの関数として報告した。 図7Aおよび7B: 図7Aは、5分間未満金ナノ粒子(実施例1からの金−60)で培養したHT29細胞の4Gy照射(SF4)下の生存率を示す。 図7Bは、約12時間金ナノ粒子(実施例1からの金−60)で培養したHT29細胞の4Gy照射(SF4)下の生存率を示す。
金属、好ましくは少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属で調製され、かつ最大サイズとして約80〜105nmのサイズを有するナノ粒子が、動物中の異常な細胞、組織または器官を混乱、改変または破壊することを目的とする局所照射の治療効果を実質的に増強できることが、驚くべきことに本発明者らによって見出された。
放射線効力の強力な増強は、本発明による金属ナノ粒子を用いて、初めて観察できる(例えば、図4A、4B、5Aおよび5B参照)。
本発明の精神において、「ナノ粒子」なる用語は、ナノメートル範囲のサイズを持つ生成物、特に、合成生成物をいう。
本発明の文脈において、サイズなる用語は、ナノ粒子の金属コアの最大寸法をいう。典型的には、最大寸法は、円形もしくは球状の形状のナノ粒子の直径であるか、または卵形もしくは楕円形の形状のナノ粒子の最長の長さである。ナノ粒子の形状は、例えば、円形、平坦、球状、細長い、卵形または楕円形等であることができる。形状は製造方法によって決定または制御でき、所望の適用により当業者によって適合できる。粒子の形状がそれらの「生物学的適合性」に影響しかねないので、かなり均質な形状を有する粒子が好ましい。かくして、薬物動態学的理由のために、実質的に形状において球状、円形または卵形であるナノ粒子が好ましい。特に、球状または円形の形状が好ましい。
実験部分によって示されるように、有利には、本発明による最大サイズのナノ粒子は、約70nm〜約130nm、有利には約75もしくは80nm〜約105nm、好ましくは約75nm〜約95nm、あるいは約80nm〜約90もしくは95nmに含まれる。本発明者らは、驚くべきことに、初めて標的細胞、例えば、腫瘍細胞へのナノ粒子浸透が、該細胞を混乱、改変または破壊するために、本発明の文脈において必要とされないことを示す。実際には、標的細胞に対する等価な効果は、ナノ粒子が標的細胞によって組み込まれたか、または該細胞と接触、特に、外部接触している双方の条件において本発明者らによって観察された。
本発明者らは、標的哺乳動物細胞が電離放射線に曝露される場合に該細胞を撹乱、混乱、改変または破壊することを目的とする医薬組成物を調製するための本明細書に示した金属ナノ粒子またはかかる金属ナノ粒子の集団の使用を記載する。該集団において、ナノ粒子は金属で調製され、その金属は、好ましくは少なくとも25の原子番号(Z)を有する。有利には、集団のナノ粒子の平均最大サイズは約70nm〜約130nm、有利には約75もしくは80nm〜約105nm、好ましくは約75nm〜約95nmまたは約80nm〜約90もしくは95nmである。
先に参照されるナノ粒子の典型的な集団において、当該技術分野の方法(さらに後記される)によって得られたナノ粒子によって構成され、ここに、その集団のナノ粒子の平均最大サイズは約80nm〜約105nmであり、集団のナノ粒子の最大サイズは約60nm〜155nmに含まれ、典型的には、60、65、70、75もしくは80から、105、110、130、140、150もしくは155nmまでである。
換言すれば、集団の95%(2δ)はナノ粒子で調製され、その最大サイズは、約60nm〜約155nmであるか、または集団の68%(1δ)はナノ粒子で調製され、その最大サイズは、約70nm〜約130nmである。
本発明による金属ナノ粒子は金属で調製され、該金属は、好ましくは少なくとも25の原子番号、有利には、少なくとも40または50の原子番号、より好ましくは、少なくとも60または70の原子番号を有する。かかる金属は、金(Au−Z=79)、銀(Ag−Z=47)、白金(Pt−Z=78)、パラジウム(Pd−Z=46)、スズ(Sn−Z=50)、タンタル(Ta−Z=73)、イッテルビウム(Yb−Z=70)、ジルコニウム(Zr−Z=40)、ハフニウム(Hf−Z=72)、テルビウム(Tb−Z=65)、ツリウム(Tm−Z=69)、セリウム(セリウム−Z=58)、ジスプロシウム(Dy−Z=66)、エルビウム(Er−Z=68)、ユウロピウム(Eu−Z=63)、ホルミウム(Ho−Z=67)、鉄(Fe−Z=26)、ランタン(la−Z=57)、ネオジム(Nd−Z=60)、プラセオジム(Pr−Z=59)およびその混合物から選択し得る。金属は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)および鉄(Fe)から好ましくは選択される。
原子番号(プロトン数としても知られる)は、原子核で判明したプロトン数である。それは、記号Zによって伝統的に表される。原子番号はユニークに化学元素を同定する。中性電荷の原子において、原子番号は電子数に等しい。Zはナノ粒子の入射する放射吸収能力に関与する。
本発明の好ましい実施例において、金属ナノ粒子は金で調製される。
また、本発明において、特定のナノ粒子またはナノ粒子の特定の集団において先に同定された金属の混合物が可能である。
さらに、低い比表面積(SSA)を有するナノ粒子は、周辺環境とのそれらの相互作用を限定するために好ましい。比表面積(SSA)は、質量単位当たりの合計表面積(m/g)を測定する、固体の材料特性である。SSAは、ナノ粒子生物システム界面に影響する重要な因子であるようであり;等しい質量線量ベースでは、動物において投与された場合、微粒子を行うよりも、超微粒子が炎症のごときより多くの副作用を引き起こすことが報告されている(例えば、Nelら(Nature Materials 8 (2009) 543参照)。最大サイズが約80〜105nmである金属ナノ粒子は、後記に説明されるごとくSSAに関して特に有利である。本発明の目的で、ナノ粒子の比表面積は、例えば、約1m/g〜50m/gに含まれる。優先的には、比表面積は、2m/g〜20m/gに含まれる。球状ナノ粒子の比表面積は、以下の方程式(SSA=3000/(d×r))[式中、dは金属ナノ粒子の密度であり、rは、そのナノ粒子の半径である]を用いて見積もることもできる。したがって、15、30、60、80および100nmの粒子サイズを持つ球状金ナノ粒子は、19.32の金ナノ粒子密度では、各々、20.7、10.3、5.2、3.9および3.1m/gの比表面積を発生するであろう。15、30、60、80および100nmの粒子サイズを持つ球状鉄ナノ粒子は、7.87の鉄ナノ粒子密度では、各々、50.8、25.4、12.7、9.5および7.6m/gの比表面積を発生するであろう。
本発明者らは、本明細書において、本発明によるナノ粒子の驚くべき効率が、主としてそれらのサイズによることを開示する。実際には、サイズが少なくとも80nmであるナノ粒子が、電離放射線に曝露された場合に、より小さなサイズのナノ粒子、特に、60nm以下のナノ粒子であるものよりも標的細胞により多くの損傷を生成できる。したがって、本発明者らは、本明細書において、電離放射線下の細胞混乱に対するナノ粒子サイズの基本的でかつ直接的な影響を強調し、本明細書に記載したサイズは、該サイズが80nmの閾値に達し、好ましくはこれを超える場合に、哺乳動物における治療適用に有利であることを強調する(実験部分を参照)。本明細書に同定されたサイズ範囲におけるナノ粒子サイズが最大であると、細胞損傷を生成するそれらの能力がより効果的になる。この機序の可能な説明は、良好または異なる方法での捕捉エネルギー(電離放射線)を送達するためのナノ粒子の能力によることができた。実施例2および3において、金ナノ粒子サイズの影響と照射下のナノ粒子によって引き起こされた治療効果に対する金濃度の影響を区別するために、in vitroアッセイは、すべて、ユニークな調整可能なパラメーターとして金ナノ粒子サイズを用いて本発明者らによって行われた。本発明者らによって得られた実験結果は、治療効力(細胞を死滅および/または細胞が分裂するのを防止する能力)の増幅に対する(一定の金属濃度についての)ナノ粒子サイズの驚くべき影響を明らかにした。電離放射線下の効果的な治療効果を生成するために、ナノ粒子サイズ≧80nmを持つ金属ナノ粒子の使用は、約60nm以下のナノ粒子サイズを持つ金属ナノ粒子を用いた場合に必要とされる標的細胞当たりの金属濃度より、約2〜7倍、特に、4〜7倍または2〜5倍低い標的細胞当たりの金属濃度を必要とする(GNPに関する実施例2および3を参照)。したがって、同様の治療効率を持つ患者に投与され、有害な副作用の低下に関連した金属量のかなりで有利な低下は、本発明の結果、今や可能である。
さらに、本発明は、特に、放射線療法処置の文脈において、典型的には、クリニックで今まで行われた照射の複数分割プロトコールの間に、投与工程数のかなりの低下を可能とする。実際には、本特許出願に記載したナノ粒子は、腫瘍組織中のそれらの保持に有利であるように十分に大きい。金属のより大きなナノ粒子サイズの実質的に減少した標的組織クリアランスは、文献において観察されている(CHANGら Cancer Sci. 99 (2008) 1479; Hainfeldら, Phys. Med. Biol 49 (2004) N309)。
電離放射線の必要な線量は、好ましくは、in vitroで行われた適用について、約0.05グレイ〜約16グレイ、好ましくは約0.05グレイ〜約6グレイに含まれた線量である。線量は、行われた適用、特に、局所的、ex vivoまたはin vivoにつき、約0.05を超えて、約16グレイ未満または30グレイ未満の間に含まれる。合計電離放射線は、本実施によりヒトにおいて約1.5グレイから約85グレイの範囲である。また、約40グレイのさらなる照射上昇は、本実施によりヒトにおいて提供し得る。
送達される合計放射線量は、単回線量、分割線量、超分割線量等のごとき所与の以下の異なるスケジュールであることができる。
本明細書に記載した照射されるナノ粒子は、実験セクションに示したごとく、より小さなサイズの照射されたナノ粒子を用いて得られた効力と比較した場合に、明瞭な治療効果の改善を提供する。
本発明によるナノ粒子は、有利には生物学的適合であり、すなわち、それらは安全に、動物有機体、典型的には哺乳動物、特にヒトに投与して、それらの治療効果を提供できる。該生物学的適合性は、例えば、粒子を構成する金属の性質、および/または所望によるコーティングによって確保できる。
本発明による好ましいナノ粒子は、投与経路にかかわらず生物学的適合性コーティングで覆われる。本発明のナノ粒子が静脈内(IV)経路を介して対象に投与される場合、かかる生物学的適合性コーティングは、前記のEPR結果の文脈において、ナノ粒子の生物分散を最適化するのに特に有利である。ナノ粒子の十分な生物学的適合性コーティングは、いずれかの認識要素(マクロファージ、オプソニン等)との粒子表面の相互作用を回避するために、特に、IVの文脈において好ましい。「十分なコーティング」は、粒子の表面で少なくとも完全な単層を創製できる生物学的適合性分子の非常に高密度の存在を意味する。該コーティングは、ナノ粒子のいわゆる「ステルス(stealth)効果」を担う。生物学的適合性コーティングは、(ナノ粒子が調製される選択された金属に依存して)特に、生理学的流体(血液、血漿、血清等)、医薬投与に必要とされるいずれかの等張媒体または生理学的媒体、例えば、グルコース(5%)および/またはNaCl(0.9%)を含む媒体のごとき生物学的適合性懸濁液中のナノ粒子の安定性を可能とするかまたはそれに有利である。かかる生物学的適合性コーティングは、表面処理剤でナノ粒子を処理することにより得られる。
安定性は、生物学的適合性懸濁液中の金属ナノ粒子の生物学的適合性懸濁液中の動的光散乱によって、または濾過前および/または0.22μMフィルターでの濾過後のICP−MSの定量化により確認し得る。
有利には、該コーティングは、(例えば、スペーサー分子、生物学的適合性ポリマー、標的化剤、タンパク質等で)in vivoでの粒子の完全性を保存し、その生物学的適合性を確実にするかまたは改善し、その所望による機能化を促進する。さらに実際には、本発明による特定のナノ粒子は、生物学的な組織または細胞を特異的標的とできる表面成分を含む。かかる表面成分は、好ましくは、標的細胞に存在する認識要素とのナノ粒子相互作用を可能にする標的化剤である。かかる標的化剤は、一旦ナノ粒子が腫瘍に蓄積されれば、作用できる。標的化剤の立体構造が標的とのその相互作用を担うので、該標的化剤の密度は注意深く制御されるべきである。その高密度は、実際には、標的化剤の立体構造、結果として、標的細胞によるその認識を撹乱することができる(例えば、J A Reddyら Gene therapy 9 (2002) 1542; Ketan B. Ghaghadaら Journal of Controlled Release 104 (2005) 113)を参照)。加えて、高い標的化剤密度は、脈管構造において循環中に網内系(Reticulo Endothelial System (RES))によるナノ粒子クリアランスに有利であり得る。
生物学的適合性コーティングは、いずれかの非晶質または結晶構造からなることができる。
一般的には、コーティングは生物分解性でなくともまたは生物分解性であってもよい。双方のオプションは本発明の目的で用いることができる。生物分解性でないコーティングの例は、シリカ、アルミナ、糖(例えば、アガロース)、リン酸塩、シラン、チオール、双性イオン化合物、脂質、飽和炭素ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド)および無機ポリマー、網状であるかまたはないか、改変されるかされないか(例えば、ポリメタクリレートまたはポリスチレン)、ならびにその組合せよりなる群から選択される1以上の材料または表面処理剤である。
生物分解性コーティングの例は、例えば、改変されたかされていない、天然か天然でない生物分子および生物学的分子ポリマー;改変されたかされていない、天然の形状であるかないかよりなる群から選択される1以上の材料または表面処置剤である。生物学的ポリマーは、リン脂質、糖類、オリゴ糖または多糖、ポリ硫酸化されているかいない、例えば、デキストランであり得る。前記の材料、化合物または表面処理剤は、単独または組み合わせて、混合または集合、複合体かそうでなく、共有結合かそうでなく、所望により他の化合物と組み合わせて用いることができる。さらに、前記の材料のいずれか1つを用いることができ、該材料は、天然に水溶性または脂質可溶性であるか、または人工的に改変して、水溶性または脂質可溶性になる。
生物学的適合性コーティングは、無機剤、有機剤およびその混合物よりなる群において選択される化合物を好ましくは含むか、またはそれで調製される。
適切な無機剤は、酸化物、水酸化物およびオキシ水酸化物よりなる群から選択され得る。無機剤は、例えば、ケイ素、アルミニウム、カルシウムおよび/またはマグネシウムを含み得る。かかる剤を用いて、生物学的媒体との該ナノ粒子の相互作用を調節するために正または負のいずれにもナノ粒子を帯電できる。例えば、マグネシウム、カルシウムよりなる群から選択される無機剤は、pH7にて正電荷をナノ粒子の表面にもたらすであろう。例えば、ケイ素を用いて、pH7にて負電荷をナノ粒子の表面にもたらすであろう。
適切な有機剤は、本発明によるナノ粒子と相互作用できる官能基、および該ナノ粒子に生物学的適合性を与える官能基を含むいずれか剤であり得る。ナノ粒子と相互作用できる官能基を含む剤は、例えば、カルボン酸(R−COO)、シラン(R−Si(OR))、ホスホン官能基(R−PO(OH))、リン酸官能基(R−O−PO(OH))またはチオール官能基(R−SH)であり得る。本発明によるナノ粒子に生物学的適合性を与えることができる官能基を含んでいる剤は、立体的官能基および/または静電的官能基を有し得る。立体的な官能基を持つかかる剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド(ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド))、ポリカルバミド、デキストラン、キシラン、セルロース、コラーゲンのごとき生体高分子または多糖、ならびにポリスルホベタインのごとき双性イオン化合物等よりなる群から選択され得る。正の静電的官能基を持つ剤は、アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリリシンまたは2−アミノエタンチオールのごときアミンであり得る。負の静電的官能基を持つ剤は、リン酸(例えば、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸等)、カルボン酸(例えば、クエン酸またはジカルボン酸、特に、コハク酸)およびチオール(例えば、メルカプトコハク酸のごときカルボキシ末端チオール)よりなる群から選択され得る。
また、コーティングは、生物学的組織または細胞の特異的標的化ができる表面成分のごとき、注目するいずれかの分子が粒子の表面に結合するのを可能とする異なる官能基(またはリンカーセグメント)を含むことができる。
本発明によるナノ粒子の代表例は、金で調製されたナノ粒子である。加えて、金ナノ粒子は、生物学的適合性コーティングとして、ポリエチレングリコールチオール(PEG−SH)、チオグルコースのごときチオール化合物、またはクエン酸塩のごときカルボン酸化合物で調製されたコーティングを含むことができる。
本発明によるナノ粒子のもう一つの例は、生物学的適合性コーティングとして、ポリエチレン、アミンまたはカルボキシルから選択された少なくとも1つの官能基を担うチオール剤で調製されたコーティング、あるいはクエン酸塩よりなるコーティングを含む金で調製されたナノ粒子である。
本ナノ粒子は、調製するのが容易であるという長所を与える。金属ナノ粒子を製造方法は、実際に当該技術分野においてよく知られている(例えば、Brian L. Cushingら (Chem. Rev. 104 (2004) 3893を参照)。典型的には、金属ナノ粒子は、水溶液または非水溶液中の金属元素の析出によって得られ、該析出は、金属カチオンの化学的低下を含む。金属ナノ粒子の生成のもう一つの可能な方法は、放射線支援の低下を介する。
本発明のもう一つの目的は、本明細書で前記に定義された金属ナノ粒子または金属ナノ粒子の集団の製造方法に関し、これは以下を含む:
−本明細書に同定された金属元素、好ましくは、25に等しいか、またはそれを超える原子番号(Z)を有する金属元素を提供し、
−還元剤の存在下、媒体中の該金属元素の析出により該金属元素から金属ナノ粒子を調製し、次いで、所望により、
−錯化剤を媒体に添加し(錯化剤は、還元剤の添加前、添加中または添加後に添加する)、還元剤および錯化剤は、所望により同一化合物であり、次いで、所望により、
−前記の表面処理剤を用いてナノ粒子を覆う。
本発明に典型的に用いる媒体は、水溶液、アルコール溶液等から選択され得る。典型的に用いる還元剤は、クエン酸塩、アスコルビン酸、2−メルカプトコハク酸から選択し得る。典型的に用いる錯化剤は、クエン酸塩、2−メルカプトコハク酸のごときチオール等から選択し得る。
コーティング工程は、有利には、先に定義された表面処理剤に接触してナノ粒子を配置することにある。
特定の具体例において、ナノ粒子の集団の製造方法は、好ましくは順番に以下の工程を含む:
a)先駆物質として、本明細書に同定された金属元素、好ましくは、25に等しいかまたは25を超える原子番号(Z)を有する金属元素を提供し、
b)好ましくは、先駆物質および/または還元化合物の濃度および/または温度を調節することによって、還元化合物の存在下で先に定義された極性媒体中の工程a)の先駆物質を析出させ、
c)所望により、析出工程b)に先立って、その間または後に、極性媒体中の錯化剤を添加し、その錯化剤および還元剤は所望により同一化合物であり、
d)所望により、工程b)またはc)の終わりに得た懸濁液を洗浄して、いずれの不純物、還元剤および/または錯化剤も除去し、
e)所望により、工程d)の終わりに得られた懸濁液を濃縮し、次いで
f)所望により、ナノ粒子を覆う。
前記の集団は、対象に投与される前に製剤工程にさらに提出し得る。
特定の実施例において、金属で調製される、本発明によるナノ粒子の製造方法は、好ましくは、順番に以下の工程を含む:
a)還元剤(クエン酸塩のごとき)の存在下、水溶液中で塩化金先駆物質(特に、HAuClまたはKAuClのごとき)の溶液を析出させ、ここに、温度は、50℃〜100℃に含まれ、
b)所望により、得られた金属ナノ粒子懸濁液を洗浄して、いずれの不純物も除去し、
c)所望により、このように得られた金属ナノ粒子懸濁液を濃縮し、
d)所望により、先に定義された表面処理剤に接触して該金属ナノ粒子を配置することにより、該金属ナノ粒子を覆う。
本発明のもう一つの目的は、本明細書に前記に定義されたナノ粒子を含む、および/または本明細書に記載した方法によって得ることができるいずれかの組成物に基づく。必須ではないが、本発明の組成物中の粒子は、前記のかなり均質の形状を有利には有する。
高濃度の金属元素(例えば、300g/l)を含む生物学的適合性懸濁液は、本明細書に記載された方法で得ることができる。
本発明の特定の目的は、本明細書に前記に定義されたナノ粒子、および所望により、医薬上許容される賦形剤またはビヒクルを含む医薬組成物に関する。
組成物は、固体、液体(懸濁液中の粒子)、エアロゾル、ゲル、ペースト等の形態であることができる。好ましい組成物は、注射製剤の形状、好ましくは液体形態である。
用いる賦形剤またはビヒクルは、例えば、生理食塩溶液、等張溶液、無菌溶液、緩衝溶液等のごとき、この種の適用のいずれかの古典的担体であることができる。また、それらは、安定化剤、甘味剤、界面活性剤等を含むことができる。それらは、医薬製剤の公知技術を用いて、例えば、アンプル、エアロゾル、ボトル、錠剤、カプセル剤として製剤化される。
有利には、標的細胞当たりの投与される金属濃度は、約10−7ナノモル(細胞:[金属]=1:10−7(ナノモル))〜約5×10−1ナノモル(細胞:[金属]=1:5×10−1(ナノモル))にある。より好ましくは、標的細胞当たりの金属濃度は、約10−6ナノモル(細胞:[金属]=1:10−6(ナノモル))〜約2×10−1ナノモル(細胞:[金属]=1:2×10−1(ナノモル))にある。さらにより好ましくは、標的細胞当たりの金属濃度は、約10−6ナノモル(細胞:[金属]=1:10−6(ナノモル))〜約10−3ナノモル(細胞:[金属]=1:10−3(ナノモル))、または約10−6ナノモル(細胞:[金属]=1:10−6(ナノモル))〜約10−4ナノモル(細胞:[金属]=1:10−4(ナノモル))にある。
本明細書に記載した組成物において、金属の適切または望ましい濃度は、特に、哺乳動物腫瘍細胞のごとき標的哺乳動物細胞のグラム当たり、金属の約1mg〜約100mgに含まれ、典型的には、標的哺乳動物細胞のグラム当たり、金属の約1mgまたは5mg〜約50mgに含まれる。
一般的に、液体形態における組成物は、0.01g/l〜300g/lの金属、好ましくは少なくとも1g/l、5g/l、10g/l、20g/l、40g/l、60g/l、80g/l、100g/l、150g/l、200g/lまたは250g/lの金属を含む。金属定量化は、理想的にはICP−MSによって行われる。
前記の同定された金属濃度は、患者対象、選択された投与経路、標的細胞の性質等に依存して変化し、当業者により容易に調節できる。
本発明のナノ粒子、ナノ粒子の集団および組成物は、多数の分野、特に、ヒトまたは獣医学医薬において用いることができる生成物である。標的細胞、組織または器官を改変、破壊するために本明細書に記載された生成物を用いることが、本発明の目的である。
電離放射線のエネルギーに依存して、粒子は、細胞および/または組織の撹乱、またはその破壊を可能にできる。
従って、本発明の特定の目的は、該細胞を放射線、特に、電離放射線に曝露した場合、動物における標的細胞を改変、破壊することを目的とする医薬組成物を調製するための本発明による金属ナノ粒子またはナノ粒子の集団の使用、ならびにその対応する治療方法に基づいている。
さらに、医薬組成物は、癌を処置することを目的とする本明細書に記載したナノ粒子およびナノ粒子の集団から区別されるさらなる治療化合物を含むことができる。
本発明のもう一つの特定の目的は、in vitro、ex vivoまたはin vivoでの標的細胞の撹乱、溶解、アポトーシスまたは破壊を誘導または引き起こす方法に基づいており、それは、ナノ粒子が細胞、特に、標的細胞と相互作用するのを可能とするのに十分な時間の間に、該細胞と本願明細書に前記のごとき1以上のナノ粒子とを接触させ、次いで、該細胞を放射線に曝露させることを含み、ここに、適当な放射線は、電離放射線、好ましくは、X線、γ線、放射性同位体および/または電子ビームであり、該曝露は、該標的細胞の撹乱、溶解、アポトーシスまたは破壊を誘導または引き起こす。
標的細胞は、いずれかの病理学的細胞、すなわち、病理学的機序に関与する細胞、例えば、腫瘍細胞、狭窄(stenosing)細胞(繊維芽細胞/平滑筋細胞)または免疫細胞(病理学的細胞クローン)のごとき増殖細胞であることができる。好ましい適用は、悪性細胞または組織の処置(例えば、破壊または機能的改変)に基づく。この点について、本発明の特定の目的は、(先に定義された)電離放射線と組み合わせて用いた場合に、特に癌の治療を目的とする医薬組成物の製造方法につき、本明細書の前記に定義されたナノ粒子またはかかるナノ粒子の集団の使用に基づいている。さらに、本開示は、該細胞が放射線、特に、先に定義された電離放射線に曝露された場合に、動物における癌を予防または治療するか、または癌の症状を緩和するための本明細書に記載された組成物、ナノ粒子またはナノ粒子の集団の使用を包含する。
本発明のもう一つの特定の目的は、in vitro、ex vivoまたはin vivoでの標的細胞、特に、癌細胞の撹乱、溶解または破壊を誘導または引き起こす方法に基づいており、それは、粒子が細胞、特に、標的細胞と相互作用するのを可能とするのに十分な時間の間に、標的細胞と本願明細書に前記のごとき1以上のナノ粒子とを接触させ、次いで、該細胞を放射線、特に先に定義された電離放射線に曝露させることを含み、該曝露は、該細胞の撹乱、溶解または破壊を誘導または引き起こす。
本発明のもう一つの目的は、対象または患者において、障害、特に癌を予防または治療する、または障害の症状を緩和する方法に関し、それは、ナノ粒子が、異常細胞、特に癌細胞と相互作用(接触)する条件下で、本明細書に前記に定義されたナノ粒子、ナノ粒子の集団または組成物を障害に苦しむ患者に投与し、引き続いて、該対象を電離放射線に曝露することにより対象を治療し、かかる放射線は、患者の異常細胞の改変、混乱または機能的破壊に導き、それにより癌を予防または治療することを含む。
古典的な癌管理は、系統的に複数様式の治療の併用を意味する(例えば、放射線療法および化学療法の組合せ)。放射線療法の文脈において、電離放射線に提示された本明細書に記載したナノ粒子は、異なる癌治療プロトコールと関連して用いることができる。かかるプロトコールは、手術、放射線手術、化学療法よりなる群から選択でき、処置は、癌を処置することを目的とする細胞増殖抑制剤(群)、細胞毒性剤(群)、標的治療、ワクチンおよび他の生物学生成物または無機生成物を含む。
さらに、驚くべきことには、本明細書に記載したナノ粒子は、観察された効力の増加で、放射線療法の文脈において単独で用いることができる。
本発明を用いて、特に、上皮、神経外胚葉または間葉の起原の血液学的腫瘍または悪性腫瘍、ならびに固形腫瘍のごときいずれのタイプの悪性腫瘍も処置できる。加えて、ナノ粒子を用いて、放射線治療を古典的に用いるおよび/または示す前癌病変または特定の良性疾患を処置することができる。
本発明は、治療の文脈において、原発腫瘍、または二次浸潤、局所領域または遠隔転移にならびに、予防法の文脈において、黒色腫、肺癌、腎臓癌、乳癌等からの観察された浸潤(転移)のごとき二次的な悪性中枢神経系関与を回避するために適用できる。
ナノ粒子は、抗癌性治療期間の間のいずれの時点でも用いることができる。それらは、例えば、腫瘍免疫賦活剤(癌切除術のための外科的処置前)、または免疫賦活剤(手術後)として投与できる。
また、ナノ粒子は、外科的に除くことができない進行した腫瘍に用いることができる。
本明細書に説明のごとく、照射は、放射線療法のいずれかの現在利用可能なシステムを用いて、1以上の場合で、粒子の投与後のいずれの時点でも適用できる。
本明細書に記載したナノ粒子は、特に、放射線療法が古典的処置である癌を処置するために用いることを意図される。かかる癌は、AIDS、黒色腫に関連した悪性新生物を含めた皮膚癌; 脳、幹脳、小脳、脳下垂体、脊柱管、眼および眼窩を含めた中枢神経系腫瘍;頭部および頸部腫瘍;肺癌;乳癌;肝臓および肝胆道管癌、結腸、直腸および肛門癌、胃、膵臓、食道癌のごとき胃腸腫瘍;前立腺、精巣、陰茎および尿道癌のごとき男性尿生殖器腫瘍;子宮頚部、子宮内膜、卵巣、卵管、膣および外陰部癌のごとき婦人科腫瘍;副腎および後腹膜腫瘍;局在性に拘わらない骨および軟組織の肉腫;リンパ腫;骨髄腫;白血病;ならびにウィルム腫瘍、神経芽細胞腫、中枢神経系腫瘍、ユーイング肉腫等のごとき小児科腫瘍よりなる群から選択し得る。
粒子は、照射の大きな範囲の合計線量内で活性化できる。量およびスケジュール(単回線量または細分または超細分されたプロトコール等の文脈での照射の設計および送達)をいずれかの疾患/解剖部位/疾病ステージの患者設定/患者年齢(小児、成人、高齢患者)につき規定でき、いずれかの特定の状況につきケアの標準を構成する。
照射は、放射線療法のいずれの現在利用可能なシステムを用いても、1以上の場合にナノ粒子の投与後のいずれの時点でも適用できる。ナノ粒子は、局所(特に、腫瘍内(IT))、皮下、静脈内(IV)、皮膚内、動脈内、気道(吸入)、腹腔内、筋肉内および経口経路(per os))のごとき異なる経路によって投与できる。さらに、ナノ粒子は、腫瘍摘出後の腫瘍床の実質腔のごとき腔内で投与できる。
適切な場合には、反復注射剤または投与を行うことができる。
「処置」なる用語は、異常機能を修正する、疾患を予防する、病理学的兆候を改善する、例えば、異常組織、特に、腫瘍のサイズまたは増殖における低下、該サイズまたは増殖の制御、異常な細胞または組織の抑制または破壊、疾患進行の遅延、癌進行の遅延を含む疾患安定化、転移形成における低下、疾患の退行または完全な寛解(例えば、癌の文脈において)等を行ういずれの行為も示す。
前記のごとく、イオン化の適切な放射または源は好ましくは電離放射線であり、有利には、X線、γ線、電子ビーム、イオンビームおよび放射性同位体または放射性同位体の照射よりなる群から選択できる。X線はイオン化の特に好ましい源である。
電離放射線は、典型的には、約2KeV〜約25000KeV、特に、約2KeV〜約6000 KeV(LINAC源)、または約2KeV〜約1500KeV(コバルト60源のごとき)のものである。X線源を用いると、特に好ましい電離放射線は、典型的には約50KeV〜約12000KeV、例えば、約50KeV〜約6000KeVである。
一般的におよび非限定的な方法において、以下のX線はナノ粒子を活性化するための異なる場合に適用できる:
−表面的標的組織に特に効果的な50〜150keVのX線;
−6cmの組織厚みに浸透できる200〜500keVのX線(慣用電圧);
−1000keV〜25,000keVのX線(メガ電圧)。例えば、前立腺癌の処置のためのナノ粒子のイオン化は、15,000keVのエネルギーを持つ5集光X線を介して実行できる。
放射性同位体は、別法として、電離放射線源(キュリー療法または近接照射療法と称する)として用いることができる。特に、ヨウ素I125(t1/2=60.1日)、パラディウムPd103(t1/2=17日)、セシウムCs137およびイリジウムIr192を有利に用いることができる。
また、免疫放射線核種(または、免疫放射標識リガンド)を免疫療法の文脈において電離放射線源として用いることができる。免疫放射線核種用の適当な放射性核種は、例えば、131I、186Re、177Luまたは90Yから選択し得る。
また、陽子線のごとき荷電粒子、炭素のごときイオンビーム、特に、高エネルギーイオンビームは、電離放射線源および/または中性子線として用いることができる。
また、電子ビームは、4MeV〜25Mevに含まれるエネルギーを持つ電離放射線源として用い得る。
特定の単色照射源は、金属ナノ粒子の原子の所望のX線吸収端に近いかまたは対応するエネルギーを持つX線を選択的に生成するために用いることができる。
優先的に、電離放射線の源は、線形加速器(LINAC)、コバルト60および近接照射療法源から選択し得る。
「組み合わせて」なる用語は、求められる効果が、本発明のナノ粒子と接触する注目する細胞、組織または器官が、規定された源により活性化される場合に、得られることを示す。しかしながら、粒子および放射線が同時にまたは同一プロトコールにより投与されることは必要ではない。
さらに、本開示は、本明細書に記載したナノ粒子または組成物のいずれかの1以上を含むキットを提供する。典型的には、キットは、本発明による少なくとも1つのナノ粒子またはナノ粒子の集団を含む。また、一般的には、キットは、本発明の医薬組成物の1以上の成分で満たされた1以上の容器を含む。かかる容器に関連して、生成物を用いるための指示を提供する表示通知を本方法によるナノ粒子または、ナノ粒子の集団または組成物を用いるために提供できる。
本発明の他の態様および有利さは、以下の実施例において明らかになり、それは限定のためではなく、例示の目的で与えられる。
実験セクション
実施例1:異なるサイズを持つ金ナノ粒子の合成的および物理化学的特徴付け
金ナノ粒子を水溶液中のクエン酸ナトリウムでの塩化金の還元によって得る。プロトコールは、G. Frens Nature Physical Science 241 (1973) 21を適合させた。典型的な実験において、HAuCl溶液を沸騰まで加熱する。引き続いて、クエン酸ナトリウム溶液を添加する。得られた溶液を、5分間のさらなる期間沸騰下に維持する。ナノ粒子サイズをクエン酸塩−対−金先駆物質比を注意深く変更することにより、15から105nmまでで調節する(表1参照)。次いで、調製した金ナノ粒子懸濁液を30kDaセルロース膜を含む限外濾過装置(Millipore からのAmicon stirred cell model 8400)を用いて濃縮する。得られた懸濁液を薄板フード下の0.22μMカットオッフメンブレンフィルター(Millipore からのPES膜)を介して最終的に濾過し、4℃にて貯蔵する。金含量はICP−MSによって決定し、g/lの[Au]として示す。粒子サイズは、200を超える粒子(図1A)を計数することにより、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて決定し、サイズ測定用の最長のナノ粒子寸法を取る。ヒストグラムを確立し、平均および標準偏差を報告する(図1B)。
Figure 2012532847
結論
表1に記載した金ナノ粒子はすべて、同一合成プロセスにより調製して、同一の表面特徴特性を確実にする。TEM画像は、合成した金ナノ粒子がすべて形状において球状および/または卵形であることを示す。TEM電子回折パターンは、合成した金ナノ粒子がすべてCFC構造を示すことを示す。従って、金ナノ粒子のサイズだけが、先行技術に従うよく特徴付けされた平均粒子サイズおよびサイズ多分散性で変化する。
実施例2:金濃度が細胞レベルに一定である場合のin vitro効力(クローン原性生存アッセイ)に対する金ナノ粒子サイズの効果。
プロトコール
細胞に内部移行するか、または細胞に結合する金ナノ粒子(GNP)(以下、細胞レベルでの金濃度として示す)の放射線応答の増強を調査するために、本発明者らは、後記した特定のクローン原性生存アッセイを用いた:
HT29細胞を20000細胞/cmの密度にて蒔いた。GNPをμM範囲での種々の金濃度で媒体に添加した。1時間〜24時間の培養時間後、細胞上清を除去した。次いで、細胞をPBSで簡単に洗浄し、細胞に非結合または非内部移行のGNPのすべてを除去した。次に、本発明者らは細胞トリプシン化を行ない、血球計算器を用いて、細胞数を計数した。各条件については、本発明者らは、100000細胞/mL〜220000細胞/mLの試料を採取し、さらにICP−MSによる金濃度につき分析した。
細胞レベルの金(Au)濃度(体積当たりの金原子数)をμMにおいて示す。
また、このパラメーターは、標的細胞当たりの金(Au)濃度に関して以下の通り示し得る:
細胞:Au=1:X(ナノモルで示したX):
以下の計算によれば、
細胞=1
金(Au)濃度(μM)×1(mL)
X(ナノモルで示す)=−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1000(mL)×mL当たりの細胞数
(処理条件により300から1000細胞/ウェルの密度にて)他の細胞を蒔いて、クローン原性アッセイを行った。一旦細胞がプレートに付着したならば、それらを照射しない(シャム対照)か、または200kVpのX線装置を用いて、2Gyおよび4Gyの線量で照射した。細胞を増殖させて、12日までコロニーを形成した。次いで、以下の式を用いることによりクローン原性生存画分(SF)を評価するために、コロニーを固定し、クリスタルバイオレットで染色し、計数した(図3Aおよび3Bを参照):
プレーティング効率(PE)は、いずれの照射もなく形成したコロニー数−対−播種した細胞数の比である:
PE=形成したコロニー数×100/播種した細胞数
細胞生存率(SF)は、照射後の生細胞のレベルを示し、対照のPEに標準化する:
SF=処理後に形成したコロニー数/(播種した細胞数PE)
線量増強因子(DEF)は、SF(放射線量単独)/SF(同一放射線量での活性化された金ナノ粒子)の比率として評価する。
Figure 2012532847
Figure 2012532847
Figure 2012532847
Figure 2012532847
Figure 2012532847
表2は、実施例1、表1において合成した各金ナノ粒子についてのHT29癌細胞で培養した異なる標的細胞につき、細胞レベルでの金濃度(μM)[または、標的細胞当たりの金濃度(細胞:Au=1:X(ナノモルで示したX)]を示す。
Figure 2012532847
表3Aは、細胞レベルの金濃度が20μM未満である[または、標的細胞当たりの対応する金濃度が、15×10−5ナノモル未満(細胞:Au≦1:15×10−5ナノモル)である]場合の実施例1に記載した金ナノ粒子の4Gyの照射線量につき得たDEF値を報告する。
Figure 2012532847
表3Bは、細胞レベルの金濃度が20μM〜83μMである[または、標的細胞当たりの対応する金濃度が、20×10−5ナノモル〜45×10−5ナノモル(1:20×10−5ナノモル≦細胞:Au≦1:45×10−5ナノモル)である]場合の実施例1に記載した金ナノ粒子の4Gyの照射線量につき得たDEF値を報告する。
Figure 2012532847
表3Cは、細胞レベルの金濃度が95μM〜148μMである[または、標的細胞当たりの対応する金濃度が、60×10−5ナノモル〜110×10−5ナノモル(1:60×10−5ナノモル≦細胞:Au≦1:110×10−5ナノモル)である]場合の実施例1に記載した金ナノ粒子の4Gyの照射線量につき得たDEF値を報告する。
結論
驚くべきことには、DEF値における閾値を粒子サイズ≧80nmを持つ金ナノ粒子につき観察する(図5Aおよび5Bを参照)。
実施例3:試験した各金ナノ粒子のX線減衰能力が細胞レベルにて一定である場合のin vitro効力に対する金ナノ粒子サイズの効果
プロトコール:X線減衰測定
異なる金濃度([Au]g/lで示す)を持つ金ナノ粒子は、200μLチューブにおいて調製し、特注設計のポリスチレンホルダーに入れた。μCTは陽極電圧を持つGeneral Electric Locus μCTシステム、およびそれぞれ50kVおよび450μAの電流を用いて行った。走査は90μmの等方性解像度モードを用いて行った。注目する円柱状小領域は、各チューブの中心にわたり3D画像に注意深く配置して、金ナノ粒子分散液を含む流体充填チューブの減衰値を測定した。
結論
同様のX線減衰値を15nm〜105nmに含まれたサイズにつき、いずれの金ナノ粒子サイズでも観察する(図6Aおよび6Bを参照)。この結果は、ナノ粒子サイズ≧80nmにつき観察した効力に対する閾値効果を確認する。かかるナノ粒子は、所与の吸収されたX線エネルギーにつき細胞レベルにてより多くの損傷を生成できる(図4Aおよび4Bを参照)。
実施例4:in vitro効力に対する細胞レベルの金ナノ粒子局在化(腫瘍細胞膜および/または細胞取込みとの物理的相互作用)の効果
HT29細胞を適切な細胞数で蒔いて、処置により50〜200コロニー間で形成する。細胞が付着する場合、50μM、100μMまたは400μMの金を5分間(培養なし)または12時間未満の培養時間で添加する。60nmの粒子サイズを持つ金ナノ粒子(実施例1からの金−60)を試験した。細胞を照射しない(シャム対照)、または200kVpのX線装置を用いて、2Gyおよび4Gyの線量で照射した。照射後、細胞を37℃で10〜12日間培養した。クローンを固定し、クリスタルバイオレットで染色し、計数して、クローン原性生存率を見積もった。
図7Aは、金ナノ粒子(実施例1からの金−60)で5分間未満培養した4Gy(SF4)のHT29細胞での生存率を示し、図7Bは、金ナノ粒子(実施例1からの金−60)で約12時間培養した4Gy(SF4)のHT29細胞での生存率を示す。
Figure 2012532847
表4は、5分間未満または12時間の培養時間についての、4Gyでの50μM、100μMおよび400μMの金濃度についての金ナノ粒子(金−60)のDEFを示す。
結論
データは、400μMの金濃度では、細胞の先の照射で、5分間未満培養した金ナノ粒子および12時間培養した金ナノ粒子につき、同様のかなりのDEF値を示す。これらの結果は、金ナノ粒子(GNP)が、GNPが細胞により内部移行されることを必要とすることなく、標的細胞放射線応答を増強することを示す。実際には、当業者により知られるごとく、生物学的媒体中に存在するナノ粒子の約50%の細胞取込みを可能にするのに、2時間が必要である(例えば、Chitraniら, 2006参照)。
金ナノ粒子が癌細胞に接触している場合、それらは、照射下の癌細胞損傷を有利に引き起こすことができる。
実施例1〜4の前記の実験結果は、適切な金属濃度(当業者に明らかなように、腫瘍重量に比例する)が、腫瘍部位に存在する(前記のごとく、金属ナノ粒子細胞取込みは必要ではない)ならば、in vivoにて投与される場合、増強された治療効果を誘導する金属ナノ粒子の能力を強調する。かなり少量の金属は、約60nmの粒子サイズを持つ金属ナノ粒子を用いる場合に必要とされる金属量に比較すると、粒子サイズ≧80nmの金属ナノ粒子を用いる場合に標的細胞当たり必要とされ、金属ナノ粒子が(例えば、放射線療法を介して)電離放射線に曝露される場合に効果的な治療効果を生成する。電離放射線下効果的な治療効果を生成するために、ナノ粒子サイズ≧80nmを持つ金属ナノ粒子の使用は、約60nm以下のナノ粒子サイズを持つ金属ナノ粒子を用いる場合に必要とされる標的細胞当たりの金属濃度より、約2〜7倍、特に、4〜7倍または2〜5倍低い標的細胞当たりの金属濃度を必要とする。
かかる金属ナノ粒子はin vivo使用に有利のようである。
集団のナノ粒子の平均最大サイズが80〜105nmである金属ナノ粒子の集団は、該ナノ粒子が電離放射線に曝露される場合の治療において特に有利である。かかるナノ粒子は、実際には、特に増強された線量増強因子(DEF)を可能にする。閾値効果を、その最大サイズが好ましくは≧80nm、さらにより好ましくは約80nm〜105nmである本明細書に記載したナノ粒子につきin vitroにて観察する。かかるナノ粒子は低減された表面積を示し、改善された生物学的適合性、結果的に、低減された毒性を可能とする。
本明細書に記載した金属ナノ粒子の集団は、低減された腫瘍クリアランスをさらに可能にする。本発明による組成物の単回注射は、今や、クリニックで現在適用される複数分割照射法プロトコールの文脈において必要な治療効果を可能にする。
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Claims (12)

  1. 良性細胞、前悪性細胞および悪性細胞よりなる群から選択される標的哺乳動物細胞が電離放射線に曝露される場合に、該細胞を混乱、改変または破壊することを目的とする医薬組成物を調製するための金属ナノ粒子の集団の使用であって、
    ナノ粒子が、少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属より調製され、その集団のナノ粒子の平均最大サイズが約80〜105nmであり、金属ナノ粒子が、生物学的適合性コーティングで覆われていることを特徴とする該使用。
  2. 金属が、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)より選択される請求項1記載の使用。
  3. 組成物が、標的細胞当たり約10−6ナノモル〜10−3ナノモルの金属を含む請求項2記載の使用。
  4. 金属ナノ粒子が、生物学的な組織または細胞を特異的に標的とできる表面成分を含む請求項1〜3のいずれか1記載の使用。
  5. 金属ナノ粒子が、形状において、実質的に球状または卵形である請求項1〜4のいずれか1記載の使用。
  6. 該電離放射線が、X線、γ線、電子ビームおよび放射性同位体の照射よりなる群から選択される請求項1〜5のいずれか1記載の使用。
  7. 電離放射線が約50KeV〜約12000KeVである請求項6記載の使用。
  8. X線放射が約50KeV〜6000KeVである請求項6記載の使用。
  9. 該悪性細胞が固形腫瘍からの細胞である請求項1〜8のいずれか1記載の使用。
  10. 医薬組成物が、さらに、癌を処置することを目的とする金属ナノ粒子の集団とは異なるさらなる治療化合物を含む請求項1〜9のいずれか1記載の使用。
  11. 該哺乳動物細胞がヒト細胞である請求項1〜10のいずれか1記載の使用。
  12. 金属ナノ粒子の集団および医薬上許容される賦形剤を含む、標的細胞が電離放射線に曝露される場合に哺乳動物における該細胞を改変または破壊することを目的とする医薬組成物であって、
    ナノ粒子は、少なくとも25の原子番号(Z)を有する金属で調製され、集団のナノ粒子の平均最大サイズは約80〜105nmである該医薬組成物。
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