JP2012532169A - 錠剤を製造するための組成物およびその調製方法 - Google Patents

錠剤を製造するための組成物およびその調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、錠剤を製造するための組成物の製造方法および前記方法によって得られた組成物に関する。この組成物は、改善された打錠特性ならびに改善された錠剤特性の両方を導く直接圧縮可能な組成物である。

Description

本発明は、錠剤を製造するための組成物の調製方法およびそれによって得られた組成物に関する。この組成物は、改善された打錠特性および改善された錠剤特性の両方をもたらす直接圧縮可能な組成物である。
直接圧縮(DC)は、活性化合物を保護する簡単、迅速、安価および柔軟な錠剤製造方法である。しかし、様々な理由のため、錠剤の配合に使用できる成分全てが、この方法での使用に適しているとは限らない。
例えば、粉状のリン酸水素カルシウム2水和物は、流動特性が劣っており、圧縮性が乏しいので、特殊な添加物または処置無しには通常、直接打錠で錠剤ビヒクルとして使用することはできない。
しかし、一方では、直接圧縮は費用上の理由のため錠剤製造のために通常使用されている。しかし、他方では、直接圧縮は、配合物中における成分の不適合を回避するため、またリン酸水素カルシウム2水和物から圧縮錠剤を配合するために使用される。
しかし、一般的に、特に物理的に改変されたリン酸水素カルシウム2水和物のみが、この方法における使用に適している。しかし、脆性材料の特性のため、これらの材料の圧縮性は多くの配合物に適さないことが多い。さらに、これらのDCリン酸水素カルシウム2水和物から製造された圧縮錠剤は、とりわけ水性媒体中におけるリン酸水素カルシウム2水和物の溶解性が低いため、場合によっては崩壊時間が不十分である。DCリン酸水素カルシウム2水和物はまた、砂状で縁が鋭い粒子構造をしており、溶解性が乏しいため感覚刺激の欠点を有し、このことは経口で崩壊する投与形態でのその使用が制限されることを意味する。さらに、これらの材料の脆性はしばしば、打錠鋳型における排出力(ejection force)を高めると共に圧縮鋳型の摩耗を増大させるだけでなく、機械への負担を高めるので、休止時間をとり、交換を行うことが必要となる。
したがって、本発明の目的は、問題の多い活性化合物および補助物をある方法で直接圧縮することによって錠剤に変換することもできる方法を提供することである。本発明の他の目的は、対応する活性化合物および補助物から、簡単な方法で錠剤を得るために加圧できる、易流動性で容易に圧縮可能な組成物を調製することからなる。
本発明の目的自体は、錠剤配合物の主要な構成要素を巧みに組み合わせ、かつ/または物理的に改変することによって、容易に打錠できない配合成分を添加しても、直接圧縮が可能な、易流動性で、容易に圧縮可能な組成物を調製することによって実現する。具体的には、添加された様々な成分の特性は、これらのDC材料を簡単に加工することができ、これらの材料が生理学的および化学的に不活性で、可能な押圧が最低であっても、非常に良好な錠剤硬度を有し、同時に適度に速やかな崩壊時間を有する錠剤に変換できるように利用される。
したがって、本発明は、リン酸水素カルシウム2水和物および柔軟な打錠補助物からなることを特徴とする、錠剤を製造するための直接圧縮可能な組成物に関する。
錠剤を製造するためのこの直接圧縮可能な組成物は、具体的には、リン酸水素カルシウム2水和物および少なくとも1種のポリオールからなる。
特に好ましくは、この組成物は、リン酸水素カルシウム2水和物、ならびにマンニトール、ソルビトール、キシリトールおよびエリスリトールの群から選択される少なくとも1種のポリオールからなる。特に好ましくは、この組成物は、リン酸水素カルシウム2水和物、ならびにポリオールであるマンニトールおよびソルビトールを含む。
錠剤を製造するために、予めリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールを50:40:10から85:10:5の範囲の重量比で共噴霧造粒するならば、直接圧縮可能な組成物のために良好な特性が得られる。
錠剤を製造するためにこの直接圧縮可能な組成物を調製するため、リン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールを互いに60:30:10から70:20:10の範囲の重量比で一緒にすると、特に良好な特性が明らかに認められた。
本明細書で記載したような直接圧縮可能な組成物は、29から42°の範囲、特に29から35°、特に好ましくは29から30°の範囲の流入角(flow angle)を有することが際立っており、打錠中に打錠機の型に個々に計量するため、または機械でサシェに充填するために適している。
本発明による直接圧縮可能な組成物は、かさ密度が0.55〜0.75g/mlの範囲で、タップ密度が0.73〜0.90g/mlの範囲である。粉状の直接圧縮可能な組成物のこれらの特性と共に、粒径分布は、50から100μmの範囲が8から47重量%、100から200μmの範囲が30から68重量%、200から315μmの範囲が6から44重量%、および315〜500μmの範囲が0.6から12重量%であり、<50μmの粒径画分の重量比が7重量%以下であり、>500μmの粒径画分が4重量%以下である。この組成物は高いカルシウム含量、11から20重量%の範囲が有利である。本発明による組成物を押圧20kNで圧縮すると、硬度>250Nと共に排出力<210N、破砕性<0.12%、崩壊時間<735秒を有する錠剤が得られる。特に、押圧20kNで圧縮した後、硬度>300Nを有する圧縮錠剤が得られ、排出力<110N、破砕性<0.06%、崩壊時間<620秒である。本発明による組成物を押圧30kNで圧縮すると、硬度>430Nを有する圧縮錠剤が得られ、排出力<130N、破砕性が最大0.08%および崩壊時間<480秒である。したがって、本発明はまた、このように特徴付けられた直接圧縮可能な組成物を含み、固形または圧縮物の形態である組成物または配合物に関する。この種の組成物または配合物は、1種または複数種の均一に分布した、水不溶性添加物および/または水溶性添加物を含んでもよい。これらの添加物は、好ましくは医薬活性化合物、植物抽出物、甘味料、色素、クエン酸、ビタミンおよび微量元素の群から選択される。さらに、本発明によるこのような組成物または配合物は、鎮痛剤の群からの1種または複数種の医薬活性化合物を含むことができるが、特に、アセサルフェームK、アスパルテーム(登録商標)、サッカリン、シクラメート、スクラロースおよびネオヘスペリジンDCの群から選択される1種または複数種の甘味料も含むことができる。
本発明はまた、錠剤を製造するためのこれらの直接圧縮可能な組成物の調製方法であって、水中にリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールを重量比50:40:10から85:10:5の範囲、好ましくは重量比60:30:10から70:20:10の範囲で含み、固形物4部が水4部に溶解または懸濁している溶液または懸濁液に、バッチ式または流動層造粒機で連続的に共噴霧造粒法を行う方法に関する。
脆性のリン酸水素カルシウム2水和物と比較的柔軟性のある材料、例えば、ポリオールなどを組み合わせることによって、著しく改善された錠剤品質がもたらされることが実験によって示され、このことは一方ではかなり改善された圧縮性から、他方では、迅速な錠剤崩壊時間の錠剤が同時に得られることから明らかである。具体的には、同様に改善された生成物は、粉状のリン酸水素カルシウム2水和物約50〜85重量%、マンニトール約10〜30重量%およびソルビトール約5〜15重量%からなる組み合わせから得ることができることが発見された。特に、共噴霧造粒法は、流動挙動、圧縮性、崩壊特性およびその他の医薬配合物特性に関して最適である直接打錠法のための生成物を生じる。本発明による材料の加工特性は、例えば、直接打錠可能な個々の成分を使用しても、単純な物理的混合物によって可能であろう加工特性よりも著しく良好である。さらに、これらの共噴霧生成物の医薬配合物特性は、一定量のソルビトールを添加することによってのみ改善されることが発見された。
さらに、上記の3種類の構成要素の比は、改善された押圧/硬度または硬度/崩壊時間プロファイルを得るために、最適な範囲内に維持されなければならない。具体的には、重量比がリン酸水素カルシウム2水和物体対マンニトール対ソルビトールの比をベースにして約60:30:10と70:20:10の間の範囲内である場合、改善された特性が得られることが発見された。この範囲において、対応する組成物は、特に改善された押圧/硬度または硬度/崩壊時間プロファイルを生じる。この組成物は明らかに、ポリオールの柔軟性とリン酸水素カルシウム2水和物の脆性の間の比が釣り合っており、非常に良好な加圧特性を生じる。
得られた材料によって、製剤者は、直接打錠特性に関して最適である生成物を得、この生成物を用いて、それ自体は打錠可能性が乏しい活性化合物にもこの簡単な打錠法を行うことができるようになる。さらに、そのカルシウムおよびリン酸の含量が高いことは、カルシウムおよびリンが富化された圧縮錠剤を配合するため、例えば、栄養補助食品用の咀嚼型錠剤において、この生成物が興味深いことを意味する。本来不快な砂状の口当たりを有し、実質的に不溶性であるこの材料は、超微粒子状リン酸水素カルシウム2水和物が極めて微細な分布を有するため、甘くて清涼感のあるポリオールのマトリクス中において非常に良好な感覚特性を生じるので、これを使用することはまた特に適切である。
したがって、本発明は、リン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールの共噴霧造粒によって得られる改善された特性を有する、リン酸水素カルシウム2水和物をベースにした直接圧縮可能な打錠組成物または打錠補助物を提供する。
錠剤の製造のために本発明によって構成された対応する補助物は、リン酸水素カルシウム2水和物/マンニトール/ソルビトールからなり、共噴霧造粒によって得られ、直接圧縮可能な打錠組成物の調製のために使用することができる。
リン酸水素カルシウム2水和物の感覚特性から結論づけることができるように、2種類の水溶性ポリオールであるマンニトールおよびソルビトールを含むマトリクス中では、中性pHで水に実質的に不溶性であるリン酸水素カルシウム2水和物の非常に均一な分布が得られる。この均一な分布は、流動層において水性溶液または懸濁液から全成分を共噴霧造粒することによって実現することができる。
快い感覚特性(口当たり)の他に、直接圧縮の特性はまた、こうして有利に改善することができる。
このことに関連して、リン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールからなる本発明による共噴霧造粒組成物は、いくつかの予期せぬ利点を示す:
1.錠剤を得るための圧縮中の特性の改善:
錠剤を得るためにリン酸水素カルシウム2水和物およびマンニトールを圧縮すると通常、いくつかの難点が伴う可能性があるが、3種類の成分の組み合わせであるリン酸水素カルシウム2水和物/マンニトール/ソルビトールは、直接圧縮中、特に予め一定の混合比の成分に互いに共噴霧造粒を行うと、非常に良好な特性を有する。この方法で得られた生成物はその後、改善された特性を有する錠剤に変換することができる。
− 3種類の成分、リン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールを互いに50:40:10と85:15:5の間の範囲、特に60:30:10と70:20:10の間の範囲の比で共噴霧造粒する場合、特に良好な押圧/硬度比が見出される。これらの混合比は明らかに、圧縮のためのリン酸水素カルシウム2水和物の脆性およびマンニトール/ソルビトールの可塑性の組み合わせの加圧中の最適な比を表す。実験では、特にリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールを互いに60:30:10または70:20:10の混合比で共噴霧した対応する生成物によって、特に良好な特性が示された。
高い比率のリン酸水素カルシウム2水和物を共噴霧中に使用する組成物または共噴霧のためのポリオールであるマンニトールもしくはソルビトールの比率が高い組成物は、圧縮性が悪い。しかし、2種類のポリオールのうち1種類のみをリン酸水素カルシウム2水和物と一緒に組成物中で共噴霧しても、圧縮性の減少が生じる。
− 市販の直接圧縮可能な(DC)リン酸水素カルシウム2水和物と比較して、3成分の組み合わせ、具体的には直接圧縮中の混合比が60:30:10または70:20:10である2種類の好ましい3成分の組み合わせの特性は著しく改善されている。しかし、それ自体非常に容易に直接圧縮可能な市販のDCリン酸水素カルシウム2水和物およびDCマンニトールグレード(Parteck M 200)およびDCソルビトール(Parteck SI 150)の70:20:10の比からなる物理的混合物と比較しても、著しく改善された特性は明らかである。
2.高い硬度範囲でも圧縮錠剤の崩壊時間は短い(迅速である)
リン酸水素カルシウム2水和物を少なくとも50重量%および最大85重量%含む3成分の組み合わせを、高い錠剤硬度で、崩壊促進成分(崩壊剤)を添加せずに同時に共噴霧すると、より高い押圧で機械的混合物を加圧することによって得られた同じ錠剤硬度の組成物と比較して、崩壊時間が短くなる。しかし、共噴霧造粒組成物中のリン酸水素カルシウム含量がさらに増加すると、このような2水和物のさらなる添加によって崩壊の遅延が引き起こされる。
− リン酸水素カルシウム2水和物:マンニトール:ソルビトール比が60:30:10または70:20:10を有する2種類の好ましい組成物は、かなり広範囲の錠剤硬度にわたって短い崩壊時間を示し、正確に言えば、錠剤にするために加圧された市販のDCリン酸水素カルシウム2水和物よりも、またはDCマンニトールグレード(Parteck M 200)およびDCソルビトール(Parteck SI 150)の対応する加圧された物理的混合物よりも比較的顕著に短い崩壊時間を示す。
3.得られた錠剤の機械的安定性
顆粒または錠剤の形態の医薬配合物の機械的安定性は、特に破砕性に関して評価する。破砕性とは、機械的負荷下での錠剤の機械的摩損を重量パーセントで測定したものである。錠剤に製造から最終消費までの物理的負荷を与える。したがって、可能な限り少ない損害で、発生した衝撃に錠剤が耐えるように、錠剤を開発しなければならない。
したがって、試験する錠剤がこれらの負荷を耐える方法を確立するため、およびさらなる加工(例えば、コーティング、糖コーティング、包装)に関する結論を導き出すことを可能にするために、破砕性または摩損性の試験を実施する。これらの試験では、錠剤をRoche錠剤粉砕機(friabilator)または摩損ドラムで反復移動させる原理にしたがって試験する。これらの試験条件、例えば、試料の数、回転数および試験速度は、薬局方で定義されている。摩損は、機械的負荷によって錠剤が損失する量と定義される。
破砕性を測定するために、設計の異なる様々な機器が市販されている。ERWEKA TDR 100試験機は、ERWEKA摩損性/破砕性試験機(abrasion/friability tester)およびSartorius分析用天秤を含む半自動組み合わせシステムである。このシステムは、ERWEKA摩損性/破砕性試験機(Erweka Apparatebau、Heusenstamm)によって操作される。
その他の機器は、
モデルTAP No.43651破砕性試験機、Erweka Apparatebau、Heusenstamm
Arzneimittelwerk Dresden、Dresden製の摩損性試験機、
錠剤粉砕機モデルPTF 1、Pharmatest、
Roche錠剤粉砕機、J.Engelsmann AG、Ludwigshafen/Rhein
である。
試験する錠剤の破砕性は、これらの機器で、Ph. Eur. Supplement 2001またはPh. Eur. 6編、本編2008の「2.9.7 非被膜錠剤の破砕性(Friability of uncoated tablets)」に記載されたような方法で試験する。
評価するために、無塵錠剤の一定数を仕切りの付いたドラムで一定時間一定速度で回転することができる。その後、無塵錠剤の質量損失をパーセントで測定する。
本発明の実験では、加圧によって製造した錠剤の破砕性はPh. Eur. 6編、本編2008、2.9.7に記載されたように、Roche粉砕機で錠剤の摩損を調べることによって測定した。それぞれの場合において、機器の回転速度を25+/−1分−1にして100回の回転を実施した。
様々な押圧で錠剤に変換したリン酸水素カルシウム2水和物:マンニトール:ソルビトール比70:20:10の共噴霧組成物の破砕性は、DCリン酸水素カルシウム2水和物を単独で使用した錠剤の場合よりも著しく低いことが測定によって示された。さらに、本発明によるこれらの錠剤では、「キャッピング」が認められなかった。リン酸水素カルシウム2水和物:マンニトール:ソルビトールの重量比が50:40:10と85:10:5の間の範囲、特に60:30:10と70:20:10の間の範囲の共噴霧造粒組成物で、比較的改善された結果が認められた。特に良好な結果が、60:30:10と70:20:10の間の範囲の比の組成物で見出された。これらの改善された特性のおかげで、本発明の組成物は、圧縮錠剤をさらに加工する間、例えば、包装機械またはコーティング装置において非常に安全に扱うことが可能で、患者がブリスター包装から取り出すときに安全に扱うことができる。
4.低い排出力、すなわち、パンチ型および打錠機の保護
本発明による組成物は、破砕性が低いだけでなく、打錠中の改善された特性も明らかである。具体的には、試験した押圧全てにおいて、本発明によるリン酸水素カルシウム2水和物/マンニトール/ソルビトール組成物の打錠で必要な排出力は、最小限である。具体的には、70:20:10の比のリン酸水素カルシウム2水和物/マンニトール/ソルビトール組成物で最小限の排出力が見出される。これは、この運転中の圧縮鋳型および圧縮機の最適な保護が、この種の3成分組み合わせ組成物の打錠で実現することを意味している。
本発明による組成物を打錠中に使用すると、これらが打錠機のパンチにも型にもパンチと型の間にも付着しない。本発明による組成物はまた、パンチおよび型に集積する傾向がなく、したがってパンチと型の間にも摩擦を引き起こさない。したがって、本発明の組成物は打錠型から低圧で排出することができる。
本発明による組成物は、継続的に安定した方法で長期間、対応する打錠機で、いわゆる機械の不調を起こすことなく、工業的に加工することができる。
簡単に言うと、本発明による重量比のリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールの共噴霧造粒による錠剤を製造するための前駆物質を調製することによって、リン酸水素カルシウム含量が高く、栄養補助食品として食品で、または医薬品調製物、具体的には粉末サシェ、圧縮錠剤またはカプセルの形態で、カルシウムおよびリンを富化するために使用することもできる組成物がもたらされる。さらに、調製した材料の流入角はさらなる加工に最適で、29から42°の範囲、特に29から35°、特に好ましくは29から30°の範囲である。したがって、この材料は、例えば、打錠中または機械によるサシェ充填のために打錠機の型に個々に計量するために極めて適している。
共噴霧造粒を実施するために、様々な成分の水溶液または懸濁液を予め調製する。50%(50%(w/w))溶液または懸濁液を使用することが好ましく、パーセントのデータはそれぞれの重量パーセントを示す。乾燥した物質は、脱塩水に溶解または懸濁する。共噴霧造粒を実施するために、ポリオールであるマンニトールおよびソルビトールに対するリン酸水素カルシウム2水和物の量比は、所望する重量比が共噴霧物質中の本発明による互いに対する比で生じるように、溶液中で調節する。噴霧溶液を調製するために、予め計算した脱塩水の量を最初にバッチ容器に導入する。ポリオールであるソルビトールおよびマンニトールを完全に溶解するまで水中で20〜25℃で撹拌する。リン酸水素カルシウム2水和物を、同様に撹拌しながらこの透明な溶液に導入し、白色の懸濁物は、形成したいかなる凝集体も崩壊するまで撹拌する。この溶液/懸濁液を常時撹拌しながら共噴霧造粒法で噴霧する。
ポリオールマトリクス中で可能な最も均一な分布のリン酸水素カルシウム2水和物を得るために、開始顆粒を最初にバッチ法で製造することができ(予備噴霧)、その後、1回または複数回の共噴霧造粒法(本噴霧)について、それぞれの場合において、開始顆粒の少量を最初に流動層に導入するために使用することができる。この方法で、ポリオールマトリクス中の不均一に分布したリン酸水素カルシウムの比率を無視できる比率まで低下し続けることができる。
使用した開始顆粒が、予備噴霧から取り出された所望する組成物の共噴霧材料を含み、最初に流動層に誘導できるならば、もちろん非常に簡単である。次に、この噴霧は、以下の例で記載した通り本噴霧のために実施する。
連続調製は、例えば、アルファ−またはベータ−マンニトールを調製するために、明細書EP 1 453 781 A1、EP 1 319 644 A1およびWO 00/76650 A1で記載されたのと類似の方法で実施する。具体的には、本発明による組成物の連続調製は、粉末をリサイクルし生成物を連続除去し、得られた生成物の平均粒径が流動層での気流によって管理される流動層造粒機で実施する。
この共噴霧造粒法は、2種類の水溶性ポリオールであるマンニトールおよびソルビトールを含むマトリクス中において、中性pHで水に実質的に不溶性であるリン酸水素カルシウム2水和物の非常に均一な分布を生じる。この均一な分布は、流動層において水溶液または懸濁液からの全成分の共噴霧造粒法によって生じる。快い感覚特性(口当たり)を有する生成物の他に、非常に良好な直接圧縮特性を有する生成物もこの方法で得られる。
共噴霧造粒法の原理および装置の設計は、特許明細書EP 1 453 781(ベータ−マンニトール)およびEP 1 319 644(アルファ−マンニトール)およびWO 00/76650から入手することができる。
所望する粒径は、方法のパラメータ、噴霧圧、噴霧量、粉末のリサイクル量、熱気流および熱気温度の変更によって生成することができる。必要ならば、粒径の限定はまた、排出時に篩いで分級することによって実施することができる。粗い粒子は、ファン型粉砕機(grinding fan)によって粉砕した後、噴霧システムにリサイクルすることができる。
原則として、本発明による組成物は、アルファ−およびベータ−マンニトールの調製については明細書EP 1 453 781 A1、EP 1 319 644 A1またはWO 00/76650 A1で記載されたのと類似の方法で調製する。より正確には、共噴霧造粒は、溶液または懸濁液の噴霧を2部品ノズルによって実施し、そのノズルを介してリサイクルされた粉末を同時に噴霧領域に輸送する、粉末をリサイクルする流動層造粒機で実施する。
この目的のために、2部品ノズルの噴霧圧は、2〜4バールの範囲、好ましくは2.5〜3.5バールの範囲に設定するべきである。2部品ノズルに供給される高温ガスの量は、最高約1.5〜3m/(懸濁物hkg)が約80〜110℃の温度で送られるように制御するべきである。
粉末リサイクルは、固形物リサイクルが0.2〜2.0kgの固形物/(懸濁物hkg)の範囲、好ましくは0.5〜1.5kgの固形物/(溶液hkg)の範囲で生じるように、設定するべきである。この方法は、固形物リサイクルが0.5〜1.0kg/(溶液hkg)範囲であるならば、特に好ましい。
この方法を実施するために、予め加温した空気を装置に送らなければならない。良好な結果は、装置に送られる空気が45〜120℃の範囲の温度まで予め加温されていれば実現する。本発明による方法では、送られる空気が65〜110℃の範囲の温度であることが好ましい。送り込まれた空気の温度が70〜100℃の範囲である場合、良好な打錠特性を有する共噴霧造粒リン酸水素カルシウム/マンニトール/ソルビトールの形成のために特に有利である。供給される送気量は、本発明では1時間当たり1000〜2000m/m、特に1時間当たり1200〜1700m/mが装置に送り込まれるように制御するべきである。
その他のパラメータセットと組み合わせて、装置内の気流が、排気温度が30〜50℃の範囲で安定し、形成された生成物の温度が50℃までの同じ範囲の温度で安定するように導かれるならば、好ましい方法条件である。
さらに、流動層に存在する粉末の量が層量50〜150kg/層のmで安定するように、方法条件を制御することが好ましいことが明らかになった。層量は80〜120kg/層のmの範囲であると特に好ましい。
流動層から粉末を取り出すこと、また配合中に形成された超微粉末画分をリサイクルすることの両方によって、すなわち、製造した生成物を包装する間に篩い分けすることによって粒径を均一化することによって、標的とする粉末をリサイクルさせることで、所望する粒径分布に関してこの方法を管理することが可能になる。
EP 1 453 781 A1またはEP 1 319 644 A1に記載されたように、流動層造粒機を使用する限り、リサイクル前に比較的大きな粒子断面を有する粉末を噴霧造粒装置のファン型粉砕機で粉砕することも可能である。
共噴霧造粒法における特殊な調製手順では、かさ密度が0.55〜0.75g/mlの範囲で、タップ密度が0.73〜0.90g/mlの範囲である直接圧縮可能な組成物が得られる。これらの特性は、50から100μmの範囲が8から47重量%、100から200μmの範囲が30から68重量%、200から315μmの範囲が6から44重量%、315〜500μmの範囲が0.6から12重量%であり、<50μmの粒径画分の重量比が7重量%以下で、>500μmの粒径画分の重量比が4重量%以下である粒径分布と組み合わされる。共噴霧造粒中の共噴霧ポリオールの重量比に応じて、組成物のカルシウム含量は11から20重量%の範囲である。
本発明による直接圧縮可能な組成物の打錠特性を調べると、本発明による組成物は押力20kNで圧縮でき、硬度>250Nと共に排出力<210N、破砕性<0.12%、崩壊時間<735秒の錠剤が得られることが示された。特に、硬度>300Nの加圧した錠剤は、押力20kNで圧縮した後得られると共に、排出力<110N、破砕性<0.06%および崩壊時間<620秒である。対照的に、本発明による組成物を押力30kNで圧縮すると、圧縮錠剤は硬度>430Nと共に排出力<130N、破砕性が最大0.08%および崩壊時間<480秒を有する。
本発明によれば、本発明による直接圧縮可能な組成物は、固形または圧縮物の形態の組成物または配合物に導入することができる。製薬に利用できる組成物または配合物として、この組成物は同様に、1種または複数種の均一に分布した、水不溶性添加物および/または水溶性添加物を含んでもよい。均一な分布は、打錠または包装を実施するいずれかの前に、直接圧縮可能な組成物と予め徹底的に混合することによって生じ得る。しかし、均一な分布はまた、適切な条件下で一緒に共噴霧造粒することによって実現することができる。水溶性または水不溶性の添加物は、具体的には、医薬活性化合物、植物抽出物、甘味料、色素、クエン酸、ビタミンおよび微量元素の群から選択される。これらの添加物は、組成物の個々の成分の組み合わせの中で安定であり、保持され得るように選択される。具体的には、本発明によるこのような組成物または配合物は、鎮痛剤の群の1種または複数種の医薬活性化合物を含んでもよく、しかし、さらに、口当たりを改善するために、アセサルフェームK、アスパルテーム(登録商標)、サッカリン、シクラメート、スクラロースおよびネオヘスペリジンDCから選択された1種または複数種の甘味料を含んでもよい。
理解を深め、かつ本発明を例示するために、本発明の保護範囲内の例を以下に挙げる。これらの例はまた、考えられる変形を例示するのに役立つ。しかし、記載された本発明の原理は全般的に有効であるため、これらの例は本出願の保護範囲をこれら例のみに限定させるのには適さない。
不明瞭なことがある場合、本明細書で本発明の開示した内容の一部として見なされる、文書内で引用された参考文献および特許明細書も、理解を深めるために使用するべきである。
以下の例および説明において、ならびに特許請求の範囲において記載された温度は常に℃である。特に記載しない限り、含量データは重量%または重量比で示される。
記載した例およびまた残りの説明の両方において、組成物中に存在する成分量は常に、組成物全体をベースにして最大100重量%またはモル%でのみ添加され、示されたパーセント範囲からより高い値が生じ得る場合でも、これを超えることはできないことは、当業者にはさらに言うまでもない。特に示さない限り、%データは容量データで示される比を除き、重量%と見なされる。

本発明による共噴霧造粒を実施するために、物質特性の特徴付けに以下の機器および方法を使用する。
1.かさ密度:DIN EN ISO60:1999(ドイツ版)に準拠
− 表のデータは「g/ml」。
2.タップ密度:DIN EN ISO787−11:1995(ドイツ版)に準拠
− 表のデータは「g/ml」。
3.安息角(angle of repose):DIN ISO4324:1983(ドイツ版)に準拠
− 表のデータは「度」。
4.ハウスナー比(Housner factor):EPh. Eur. 第6版、本編2008、2.9.36項「圧縮度およびハウスナー比(Compressibility index and Hausner factor)」に従って計算。
5.圧縮度:EPh. Eur. 第6版、本編2008、2.9.36項「圧縮度およびハウスナー比(Compressibility index and Hausner factor)」に従って計算
− 表のデータは「%」。
6.打錠試験:打錠特性を試験する材料492.5gをParteck LUB MST(植物性ステアリン酸マグネシウム)EMPROVE exp Ph.EUR.、BP、JP、NF、FCC、Art.No.1.00663(Merck KGaA、ドイツ)と混合する;ステアリン酸マグネシウムは、事前に250μmの篩いに通過させ、実験タンブルミキサー(tumble mixer)(Turbula、Willy A.Bachofen、スイス)中の密封ステンレス鋼製容器(容量:約2l、高さ:約19.5cm、直径:約 12cm、外径)内で5分間混合する。錠剤500mg(11mmパンチ、円形、平板、斜面あり)を得るための圧縮は、Hottinger Baldwin Messtechnik−HBM(ドイツ)製のCatman 5.0解析システムを有するKorsch EK0−DMS偏心打錠機(Korsch、ドイツ)で実施する。
押圧(名目上の設定:5+/−1、10+/−1、20+/−2および30k+/−2kN、例では効果的に測定された実際の値を示す)に応じて、加圧データおよび医薬配合物特性を評価するため、少なくとも100錠の錠剤を製造する。
7.錠剤硬度、直径、および高さの測定:Erweka TBH30MD;Erweka(ドイツ);押圧当たり20錠の錠剤について測定した平均データ。
8.錠剤摩損度:破砕性試験機、Erweka(ドイツ);rPh. Eur. 第6版、本編2008、2.9.7.「非被膜錠剤の破砕性(Friability of uncoated tables)」に準拠した機器パラメータおよび測定性能。
9.錠剤重量:20錠の重量の平均値;天秤:Mettler AT201、Mettler(ドイツ)。
10.錠剤崩壊度:Biomation(ドイツ)製の4連式自動(disi4 automated)崩壊試験機;媒体:37℃の脱塩水;Ph. Eur. 第6版「錠剤およびカプセル剤の崩壊時間(Disintegration time of tablets and capsules)」に準拠した機器パラメータおよび性能。
11.Retsch(ドイツ)製のRetsch AS 200コントロール「g」篩い振とう機による乾式篩い分けで粒径を測定:物質量:40g+/−2g;篩い時間:30分、振幅:1mm;間隔:5秒;使用した篩い挿入物の直径:200mm;篩いの大きさ:1000、710、500、315、200、100、50および32μm;「試料重量の重量%」として表に示した篩い分け画分当たりの分布量。
12.カルシウム含量測定:Na EDTA溶液を使用した錯滴定および電位差による表示または色による表示。この方法の原理は、例えば、G.Jander,K.F.Jahr,H.KnollG. Jander、K. F. Jahr、H. Knoll「Massanalyse - Theorie und Praxis der klassischen und der elektrochemischen Titrierverfahren」(体積分析−古典的および電気化学的滴定法の理論および実践(Theory and Practice of Classical and Electrochemical Titration Methods))、出版元Walter de Gruyter、ISBN 3 11 005934 7などの技術文献、または滴定および指示電極製造元、例えば、Mettler−Toledo GmbH社、ドイツまたはMetrohm社、スイスの出願文書に記載されている。
滴定前に、試料(試料重量約0.2g、正確に計量)を少量の脱塩水でスラリーにして、25%塩酸5mlを使用して溶解する。0.1mol/lチトリプレックス(III)溶液(Art.No.1.08431;MERCK KGaA、ドイツ)20.00mlを計量して、混合物を脱塩水70mlに溶解し、緩衝液錠剤(Art.No.1.08430、MERCK KGaA、ドイツ)を添加し、緩衝液錠剤が溶解した後、撹拌しながらアンモニア緩衝溶液pH10〜11(Art.No.1.09478、MERCK KGaA、ドイツ)の約10mlを使用してpHを10〜11に調節する。混合物をその後、硫酸亜鉛溶液(0.1mol/l)で電位差測定によって逆滴定する。カルシウム含量は、チトリプレックス(III)0.1mol/l溶液の消費量から化学量論的に計算することができる。
本発明による組成物を調製するための原材料
賦形剤として使用するために適したリン酸水素カルシウム2水和物、超微粒子粉末
EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、BP、USP、FCC、E 341(Art.No.1.02146、Merck KGaA、ドイツ)
粒径:99%<63μm、湿式分散機を備えたレーザー回折によって測定
機器/方法:Malvernマスターサイザー2000、Hydro2000 S湿式モジュール、直接添加
評価モデル:汎用
媒体:脱塩水、
屈折率:中程度1.33(MIEパラメータ)、フラウンホーファ、
撹拌速度:2000rpm、
超音波:100%、
吸光度:10〜20%、
測定期間:7500ms、
技術マニュアルおよび製造元の明細書による性能
賦形剤として使用するために適したD(−)−マンニトール
EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、BP、USP、JP、FCC、E 321(Art.No.1.05980、Merck KGaA、ドイツ)
賦形剤として使用するために適したParteck(登録商標)SI400(ソルビトール)
EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、BP、NF、E 420(Art.No.1.03140、Merck KGaA、ドイツ)
脱塩水
比較物質:
賦形剤として使用するために適したParteck(登録商標)M200(マンニトール)
EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、BP、JP、USP、E 421(Art.No.1.00419、Merck KGaA、ドイツ)
賦形剤として使用するために適したParteck(登録商標)SI150(ソルビトール)
EMPROVE(登録商標)exp Ph.Eur.、BP、JP、NF、E 420(Art.No.1.03583、Merck KGaA、ドイツ)
Emcompress(登録商標)Premium2塩基性リン酸カルシウム2水和物(dibasic calcium phosphate dihydrate)、USP、リン酸水素カルシウム2水和物(calcium hydrogenphosphate dihydrate)、Ph.Eur.2塩基性リン酸カルシウム(dibasic calcium phosphate)、JP(JRS PHARMA GmbH&Co.KG、ドイツ)、バッチ番号:A71345A
DI−CAFOS 2リン酸カルシウム2水和物粗粉末、USP、FCC、Ph.Eur.、JP、E 341(生成物番号:C92−14、Chemische Fabrik Budenheim KG、ドイツ)
物質番号:00000809、バッチ番号:B09094A
DI−TAB(登録商標)2リン酸カルシウム2水和物、未粉砕USP、FCC、EP、E 341(Innophos Inc.、USA;Univar GmbH、Essen、ドイツより購入)バッチ7016
共噴霧造粒の一般的性能
水4部および固形物4部の溶液または懸濁液であって、固形物が粉状リン酸水素カルシウム2水和物6〜7部、マンニトール2〜3部およびソルビトール1部からなり、または固形物の粉状開始材料であるリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールの比が、調製する組成物の所望する比である溶液または懸濁液に流動層造粒機で造粒法(バッチ式または連続式)を行う。特に連続法の使用においても、造粒機内への付着作用を防御するために、一部の固形物のリサイクルを採用してもよい。規定の粒径分布またはかさ密度およびタップ密度を有する生成物は、任意選択でその後篩い分け工程を行うことによって得ることができる。
噴霧溶液または噴霧懸濁液の調製
噴霧溶液および懸濁液は全て、乾燥物質の重量および脱塩水の重量をベースにして、50%溶液または懸濁液として調製した。リン酸水素カルシウム2水和物のポリオールに対する比は、表1に示したように、所望する最終生成物の所望する組成物から得られる。
ポリオールは、バッチ容器に最初に導入した水中において20〜25℃で完全に溶解するまで撹拌する。リン酸水素カルシウム2水和物は、同様に撹拌してこの透明な溶液に導入し、白色の懸濁物は形成したいかなる凝集体も崩壊するまで撹拌する。この溶液/懸濁液を連続撹拌しながら噴霧する。
共噴霧造粒のための開始材料の調製
装置を始動するために、初期量の層を共噴霧造粒工程に通過させることが必要である。この開始層は2種類の方法で生成することができる。
1.噴霧工程の開始時に、本発明によって既に共噴霧された材料から保持した材料を装置に充填する
または
2.調製するために定性または定量した組成物の所望する成分の物理的混合物、すなわち、粉状リン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールを装置に充填する。共噴霧造粒方法は、記載された通りに実施するが、出口で材料を取り出さない。代わりに、本発明による安定な方法および生成物組成物が実現するまで、ファン型粉砕機によって方法に全材料をリサイクルする。その後、粒径分布の確立は、連続法で記載したように、生成物を除去することによって開始する。
該当する手順を例示するために、以下に生成物Eと称する共噴霧組成物の調製を行う例を記載する。共噴霧造粒のために使用することができる開始材料を得るために、予備噴霧によって適切な前駆物質を調製し、その後、この前駆物質を実際の共噴霧造粒、本噴霧のために流動層造粒機に最初に導入することができる:
1.予備噴霧:マンニトール0.20kgおよびソルビトール0.25kgを20〜25℃で脱塩水2.20kgに撹拌しながら溶解する。その後、リン酸水素カルシウム2水和物1.75kgを撹拌しながら透明な溶液に懸濁する。
例えば、WO 00/76650 A1に記載されたように、またはGlatt(GPCG5、Glatt、ドイツ)によって販売されたように、マンニトール粉末0.3kgを最初に流動層造粒機に導入し、流動化する。記載した噴霧懸濁液は、この流動層上に噴霧する。
この共噴霧造粒を実施するには、GPCG5流動層造粒機を操作するために以下の設定を実施する:
送気フラップ:約20%(約225m/h)、
排気フラップ:約25%、
送気温度:約70℃、
ノズル:上下1.2mmの2部品ノズル、
上部ノズル位置、噴霧圧3.5bar、
噴霧速度:0.02kg/分から0.12kg/分に増加させる、
排気温度設定:約40℃。
噴霧が完了したら、得られた材料は、流動層で、生成物温度が50℃まで上昇するように送気温度を設定して、さらに約10から20分間乾燥させる。
2.本噴霧:マンニトール0.50kgおよびソルビトール0.25kgを脱塩水2.50kgに撹拌しながら添加する。リン酸水素カルシウム2水和物1.75kgをこの方法で得られた透明な溶液に添加する。形成したあらゆる凝集体を破壊するために、形成した懸濁液をさらに約1時間撹拌する。
予備噴霧の0.5kgを最初に流動層造粒機(GPCG5)に導入し、懸濁液を、予備噴霧の調製に関して前述したように噴霧する。
この最初の本噴霧に続いてさらに複数回噴霧し、それぞれの噴霧では、各噴霧のために前の噴霧の小部分、例えば、前述のように0.5kgを最初に流動層に誘導する。この方法で、生成物中の「非共噴霧」内容物が継続的に減少する。
生成物の完全な乾燥は、錯滴定によるカルシウムの測定(工程内検査)によって検査する。同時に、この測定によって、リン酸水素カルシウム2水和物の任意の「過剰乾燥」、すなわち、結晶水のあらゆる損失を認識することも可能である。
実験結果
様々な実験によって実現した結果を以下の表1〜5に示す。
表1は、リン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールの様々な重量比の試験組成物を示す。
表2は、試験組成物について測定した物理的データを含む。
表4は、市販の直接圧縮可能なリン酸水素カルシウム2水和物ならびにDCリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールを打錠した機械的混合物の対応する物理的データを示す。
表3は、試験組成物の打錠データ、押力、錠剤硬度、破砕性、崩壊時間、排出力を示す。表5は、例EおよびDのリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールの特に好ましい共噴霧造粒の組み合わせのデータと比較した市販のDCリン酸水素カルシウム2水和物の対応する打錠データを示す。
図1は、調べた共噴霧リン酸水素カルシウム2水和物組成物の押力/硬度プロファイルの比較を示す。このプロファイルから、錠剤を得るために、押圧を増加させて、少量のマンニトール/ソルビトール(例H)を添加して共噴霧造粒したリン酸水素カルシウム2水和物を加圧すると、錠剤の硬度は約50と100Nの間でのみ変化することがわかる。しかし、リン酸水素カルシウム2水和物70重量%およびマンニトール30重量%を含む共噴霧組成物を、同じ条件下で押圧を増加させて打錠すると、約50と220Nの間の硬度を有する生成物が得られる。調べたその他の組成物では、同じ条件下でさらに著しく高い硬度を有する錠剤が得られる。具体的には、リン酸水素カルシウム2水和物:マンニトール:ソルビトールの重量比が60:30:10または70:20:10の組成物で、特に高い硬度が実現する。
図3に示したように、本発明による組成物と市販の直接打錠可能なリン酸水素カルシウム2水和物グレードを比較すると、具体的にはリン酸水素カルシウム2水和物:マンニトール:ソルビトールの重量比が60:30:10または70:20:10である組成物では、同じ押力で非常に高い錠剤硬度が実現することが示される。しかし、これはまた、組成物AおよびBと図1および3の純粋な物質との比較で示したように、リン酸水素カルシウム2水和物をポリオールであるマンニトールまたはソルビトールの少なくとも1種と共噴霧した組成物に適用される。これは、DCリン酸水素カルシウム2水和物、DCマンニトールおよびDCソルビトールの物理的混合物と比較すると特に驚異的である。これらは、様々な押圧で打錠した純粋な物質と比較すると比較的わずかにのみ増加した錠剤硬度を表す。
錠剤硬度が上昇しているにもかかわらず、本発明による組成物に対応する錠剤は、図2および図4での図示で非常によくわかるように、純粋な物質と比較して崩壊時間が非常に短い。リン酸水素カルシウム2水和物90重量%ならびにマンニトールおよびソルビトールそれぞれ5重量%からなる打錠した組成物は、硬度が47と89Nの間に増加しているものの崩壊時間が3600秒超と非常に長く延長している一方、本発明による組成物は、硬度が342Nのリン酸水素カルシウム2水和物70重量%およびソルビトール30重量%からなる組成物およびリン酸水素カルシウム2水和物85重量%およびマンニトール10重量%およびソルビトール5重量%からなる組成物の崩壊時間が900から1160秒であることを除けば、硬度が増加しているにもかかわらず、崩壊時間はほんの約300秒から750秒の範囲内である。
図4によってされるように、DCリン酸水素カルシウム2水和物、DCマンニトールおよびDCソルビトールの物理的混合物から作製された錠剤の崩壊時間は硬度が増加すると共に増加しているが、本発明による組成物の崩壊時間の変化は、硬度が増加しても比較的少ないか、または特に好ましい組成物DおよびEの場合では実質的に一定のままである。市販のリン酸水素カルシウム2水和物グレードから作製された錠剤の崩壊時間はまた、硬度が増加してもほとんど一定のままであるが、元々数倍上で、すなわち、本発明による組成物から製造した錠剤の崩壊時間は300から1160秒の範囲であるが、市販のリン酸水素カルシウム2水和物グレードの錠剤は3600秒より長い崩壊時間を示す。
図5では、製造した錠剤の硬度を排出力に対してプロットしている。ここでは例として、例DおよびEの組成物から製造した錠剤の硬度および付随する排出力を対応する市販の生成物と比較する。この比較によって、本発明による組成物から作製した錠剤は、硬度が増加しているにもかかわらず、比較的少なく増加した排出力で打錠型から排出することができることが鮮明に示される。対応する比較データはまた、表5に示される。対照的に、比較した市販の生成物に必要な排出力は、錠剤硬度の増加はかなり小さいのに、非常に増加している。したがって、市販の組成物の使用と比較して、本発明による直接圧縮可能な組成物を使用すると打錠機の負荷は非常に少ない。
Figure 2012532169
Figure 2012532169
Figure 2012532169
Figure 2012532169
Figure 2012532169
共噴霧リン酸水素カルシウム2水和物組成物の押力/硬度プロファイルの比較を示すグラフである。 リン酸水素カルシウム2水和物の共噴霧につき、硬度と崩壊時間の関係を示すグラフである。 リン酸水素カルシウム2水和物生成物DおよびE対市販のDCリン酸水素カルシウム2水和物の共噴霧の比較(押圧対硬度)を示すグラフである。 リン酸水素カルシウム2水和物生成物DおよびE対市販のDCリン酸水素カルシウム2水和物の共噴霧の比較(硬度対崩壊時間)を示すグラフである。 リン酸水素カルシウム2水和物生成物DおよびE対市販のDCリン酸水素カルシウム2水和物の共噴霧の比較(硬度/排出力)を示すグラフである。

Claims (19)

  1. リン酸水素カルシウム2水和物および柔軟な打錠補助物からなることを特徴とする、錠剤製造のための直接圧縮可能な組成物。
  2. リン酸水素カルシウム2水和物および少なくとも1種のポリオールからなることを特徴とする、錠剤製造のための請求項1に記載の直接圧縮可能な組成物。
  3. リン酸水素カルシウム2水和物、ならびにマンニトール、ソルビトール、キシリトールおよびエリスリトールの群から選択される少なくとも1種のポリオールからなることを特徴とする、錠剤製造のための請求項1に記載の直接圧縮可能な組成物。
  4. リン酸水素カルシウム2水和物、ならびにマンニトールおよびソルビトールからなることを特徴とする、錠剤製造のための請求項1、2または3に記載の直接圧縮可能な組成物。
  5. リン酸水素カルシウム2水和物:マンニトール:ソルビトールを50:40:10と85:10:5の間の範囲の重量比で含むことを特徴とする、錠剤製造のための請求項4に記載の直接圧縮可能な組成物。
  6. 60:30:10から70:20:10の範囲の重量比のリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールの組み合わせからなることを特徴とする、錠剤製造のための請求項4に記載の直接圧縮可能な組成物。
  7. 流入角が29から42°の範囲、特に29から35°、特に好ましくは29から30°の範囲であることを特徴とする、前記請求項1から6の一項に記載の直接圧縮可能な組成物。
  8. かさ密度が0.55〜0.75g/mlの範囲であり、タップ密度が0.73〜0.90g/mlの範囲であることを特徴とする、前記請求項1から7の一項または複数項に記載の直接圧縮可能な組成物。
  9. 粒径分布が、50から100μmの範囲が8から47重量%、100から200μmの範囲が30から68重量%、200から315μmの範囲が6から44重量%、および315〜500μmの範囲が0.6から12重量%であり、<50μmの粒径画分の重量比が7重量%以下であり、>500μmの粒径画分の重量比が4重量%以下であることを特徴とする、前記請求項1から8の一項または複数項に記載の直接圧縮可能な組成物。
  10. カルシウム含量が11から20重量%の範囲であることを特徴とする、前記請求項1から9の一項または複数項に記載の直接圧縮可能な組成物。
  11. 押圧20kNで圧縮後、硬度>250Nと共に排出力<210N、破砕性<0.12%、崩壊時間<735秒を有する錠剤が得られることを特徴とする、前記請求項1から10の一項または複数項に記載の直接圧縮可能な組成物。
  12. 押圧20kNで圧縮後、硬度>300Nと共に排出力<110N、破砕性<0.06%および崩壊時間<620秒を有する圧縮錠剤が得られることを特徴とする、前記請求項1から10の一項または複数項に記載の直接圧縮可能な組成物。
  13. 押圧30kNで圧縮後、硬度>430Nと共に排出力<130N、破砕性最大0.08%および崩壊時間<480秒を有する圧縮錠剤が得られることを特徴とする、前記請求項1から10の一項または複数項に記載の直接圧縮可能な組成物。
  14. 前記請求項1から13の一項または複数項に記載の直接圧縮可能な組成物を含み、固形物または圧縮物の形態であることを特徴とする、組成物または配合物。
  15. 1種または複数種の均一に分布した、水不溶性添加物および/または水溶性添加物を含むことを特徴とする、請求項14に記載の組成物または配合物。
  16. 医薬活性化合物、植物抽出物、甘味剤、色素、クエン酸、ビタミンおよび微量元素の群から選択される1種または複数種の添加物を含むことを特徴とする、請求項14または15に記載の組成物または配合物。
  17. 鎮痛剤の群の1種または複数種の医薬活性化合物を含むことを特徴とする、請求項14、15または16の一項に記載の組成物または配合物。
  18. アセサルフェームK、アスパルテーム(登録商標)、サッカリン、シクラメート、スクラロースおよびネオヘスペリジンDCの群から選択される1種または複数種の甘味料を含むことを特徴とする、請求項14、15、16または17の一項に記載の組成物または配合物。
  19. 水中にリン酸水素カルシウム2水和物、マンニトールおよびソルビトールを互いに対する重量比50:40:10から85:10:5の範囲で含み、固形物4部が水4部に溶解または懸濁している溶液または懸濁液に、バッチ式または流動層造粒機で連続的に共噴霧造粒法を行うことを特徴とする、前記請求項1から13の一項または複数項に記載の錠剤製造のための直接圧縮可能な組成物の調製方法。
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