JP2012531400A - 少なくとも2つのα3ドメインを含むHLA−Gの多量体ポリペプチド及び医薬としてのその使用 - Google Patents

少なくとも2つのα3ドメインを含むHLA−Gの多量体ポリペプチド及び医薬としてのその使用 Download PDF

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Abstract

多量体ポリペプチド及び医薬としてのその使用; HLA-G抗原のα3ペプチドを含む多量体及びこのような多量体の製造方法、HLA-G抗原のα3ペプチドを含む医薬組成物並びに臓器/組織拒絶を含む様々な疾患を治療するためのその使用。前記多量体は、少なくとも2つの単量体を含み、各々の単量体が式X1-X2(式中X1はシステインアミノ酸を含むペプチドリンカーを表し、X2はHLA-Gのα3ドメインを表す)のペプチドP1からなる群において選択される。
【選択図】なし

Description

本発明は、多量体ポリペプチド及び医薬としてのその使用に関する。本発明は、より具体的には、HLA-G抗原のα3ドメインを含む多量体に関する。本発明はまた、このような多量体の製造方法、HLA-G抗原のα3ドメインを含む医薬組成物並びに臓器/組織拒絶を含む様々な疾患を治療するためのその使用に関する。
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)抗原は、3つの主要なクラス、すなわちクラスI抗原、クラスII抗原(HLA-DP、HLA-DQ及びHLA-DR)及びクラスIII抗原に分類される。
クラスI抗原は、古典的な抗原である、β2ミクログロブリンと会合する3つの球状領域(α1、α2及びα3)を示すHLA-A、HLA-B及びHLA-C並びに非古典的な抗原であるHLA-E、HLA-F及びHLA-Gを含む。
HLA-Gは、正常なヒト胎盤の絨毛外栄養膜細胞、胸腺上皮細胞及び角膜により発現される非古典的なHLAクラスI分子である。 HLA-G抗原は、胎盤の細胞栄養層細胞により本質的に発現され、免疫調節物質として機能し、胎児を母体の免疫系から(母体により拒絶されないように)保護する。HLA-G遺伝子の配列は、 [1,2]に記載されており、4396塩基対を含む。この遺伝子は、8つのエキソン、7つのイントロン及び3'側非翻訳末端部から構成される。これらは、以下のドメイン:エキソン1;シグナル配列、エキソン2;α1細胞外ドメイン、エキソン3;α2細胞外ドメイン、エキソン4;α3細胞外ドメイン、エキソン5;膜貫通領域、エキソン6;細胞質ドメインI、エキソン7;(非翻訳の)細胞質ドメインII、エキソン8;(非翻訳の)細胞質ドメインIII及び3'側非翻訳領域にそれぞれ対応する。
HLA-Gの7つのアイソフォームが同定されており、そのうち4つが膜結合型(HLA-G1、HLA-G2、HLA-G3及びHLA-G4)及び3つが可溶型(HLA-G5、HLA-G6及びHLA-G7)である(総説として、[3]を参照されたい)。
成熟HLA-G1タンパク質のアイソフォームは、3つの細胞外ドメイン(α1、α2及びα3)、膜貫通領域及び細胞質ドメインを含む。
HLA-G2タンパク質のアイソフォームは、α2ドメインを含まない。すなわちα1及びα3ドメインが直接結合し、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインが続く。
HLA-G3タンパク質のアイソフォームは、α2及びα3の両方を欠く。すなわち、該アイソフォームは、膜貫通ドメインに直接結合したα1ドメイン及び細胞質ドメインを含む。
HLA-G4タンパク質のアイソフォームは、α3ドメインを欠く。すなわち、該アイソフォームは、α1ドメイン、α2ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを含む。
可溶型HLA-Gのアイソフォームは全て、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを欠く。より具体的には:
HLA-G5タンパク質のアイソフォームは、α1、α2及びα3ドメイン並びに(転写産物のスプライシング及びRNA成熟化の後にイントロン4を保持する結果として)イントロン4によりコードされる21アミノ酸残基の余剰なC末端ペプチド配列を含む。
HLA-G6タンパク質のアイソフォームは、α2のないHLA-G5に相当する。すなわち、HLA-G6は、α1及びα3ドメイン並びに(転写産物のスプライシング及びRNA成熟化の後にイントロン4を保持する結果として)イントロン4によりコードされる21アミノ酸残基の余剰なC末端ペプチド配列を含む。
HLA-G7タンパク質のアイソフォームは、α1ドメインのみ及び(転写産物のスプライシング及びRNA成熟化の後にイントロン2を保持する結果として)イントロン2によりコードされる2つのさらなるC末端アミノ酸残基を含む。
これらのアイソフォームは全て、[4,5,6]及び欧州特許出願EP 0 677 582に記載されている。
以前の研究により、HLA-Gタンパク質が、増殖性Tリンパ球細胞応答、細胞毒性Tリンパ球媒介性細胞溶解及びNK細胞媒介性細胞溶解のような同種異系の(allogeneic)応答を阻害できることが示されている[7,8,9]。より最近の研究によれば、HLA-Gが制御性T細胞の分化を誘導できることも示されており、制御性T細胞は、次いで同種異系の応答自体を抑制でき、同種異系移植片の寛容に加担することが知られている[10,11]。この広範な抑制機能のために、HLA-Gが移植片により発現されるか又は患者の血漿において可溶性分子として検出されるかに拘らず、HLA-Gの発現は、同種異系移植片のより良い受容と相関することが示されている[12,13,14]。結果として、HLA-Gに基づく手法が、同種異系又は異種の臓器/組織移植における移植片拒絶を治療するために提案されている。HLA-Gタンパク質はまた、癌 (EP1054688)、炎症性疾患(EP1189627)及び、より広くは、免疫関連疾患の治療にも提案されている。HLA-Gタンパク質を特異的なリガンドに融合させ、HLA-Gを特定の細胞又は組織に標的化させることも提案されている(WO2007/091078)。しかしながら、このような標的化融合物が活性であることを示す結果又は実験データが提供されていないことに留意すべきである。
HLA-Gは、3つの主要な受容体:ILT2/LILRB1/CD85j、ILT4/LILRB2/CD85d及びKIR2DL4に結合することが示されている。ILT2は、T細胞、B細胞、NK細胞、単球及び樹状細胞によって主に発現される。ILT4は、骨髄細胞、すなわち主に単球及び樹状細胞によってのみ発現される。KIR2DL4は、脱落膜NK細胞及び末梢NK細胞の小サブセットによって主に発現される。抑制性受容体の広範な発現パターンのために、HLA-Gは、抗ウイルス免疫、自己免疫反応、抗腫瘍免疫、炎症性疾患及び移植の拒絶を担う免疫反応の全てのエフェクターについて、その免疫寛容誘発機能を発揮し得る。
KIR2DL4は、HLA-Gに特異的な受容体である。KIR2DL4は、HLA-Gのα1ドメイン、より具体的にはHLA-Gに特徴的である残基Met76及びGln79にドッキングする[15]。これら2つの残基が、KIR2DL4を介するHLA-Gの抑制機能に決定的であること、及びこれらを変異させることがKIR2DL4を発現するNK細胞のHLA-Gによる細胞溶解活性の阻害をインビトロで妨害することがさらに示された。HLA-Gに対するその特異性にも拘らず、KIR2DL4は、主に脱落膜NK細胞に限定されるその発現のために、そしてインビトロ及びインビボにおいて、ILTがHLA-Gのα3ドメインとの相互作用を介して重要な役割を果たすことが示されたために、妊娠に関係する場合を除いては、HLA-Gの抑制機能に意義深い役割を果たさないようである。HLA-Gのα1ドメインが、KIR2DL4又は別の未知の受容体を介して、HLA-Gの機能に直接的な役割を果たすことはあり得るが、現在までに入手可能な証拠は、そのα3ドメインとILT2及びILT4分子との相互作用により完全にではなくとも主に媒介されるHLA-Gの免疫寛容誘発機能を指す。
ILT2及びILT4は、HLA-Gに特異的な受容体ではなく、その他のHLAクラスI分子にそのα3 ドメインを介して結合できることが示された[16,17,18]。ILT分子に結合するHLAクラスIドメインの能力は、よく記載されている。ILT2は、特に、HLAクラスI分子に「全てではなくともほとんど」結合することが報告されている。
しかしながら、HLA-Gは、Shiroishiら[19]の表1に説明されるように、ILT2及びILT4に最も高親和性のリガンドである。
よって、ILT2及びILT4は、古典的なHLAクラスI分子よりもHLA-Gに強く結合する([20,21]を参照されたい)。
その他のHLA クラスI分子と比較してより強いこのHLA-GのILT結合能力は、古典的なHLAクラスI分子だけでなく腫瘍細胞の表面のHLA-Gが、細胞溶解エフェクターのILT2及び/又はILT4受容体を十分な強度をもって拘束でき、これらエフェクターの機能をブロックし、したがって腫瘍細胞を免疫による破壊から保護するという事実によって具体的に詳説される[22]。
ILT2及びILT4は、同一のHLA-G構造に結合しない[21]。事実、ILT2は、β2ミクログロブリン(β2m)と会合したHLA-G構造のみを認識するが、ILT4は、β2mと会合したHLA-G重鎖及びβ2mから遊離したHLA-G重鎖の両方を認識する能力を有する[21,23]。しかし、ILT4は、明らかに、β2mと会合したHLA-G重鎖よりもβ2mから遊離した重鎖によく結合する。
HLA-G抗原は、2つのHLA-G 分子のα1ドメインの42位システイン残基間の分子間ジスルフィドブリッジの形成の結果として、インビボにおいて二量体のコンホメーションを採るようである [20、23及び25; WO2007/011044]。
HLA-G二量体の構造は、Shiroishiら[20]に記載されている。2つの野生型HLA-G分子は、非対称性ユニットとして存在する;各々の単量体は、対称性のパートナーに、Cys42-Cys42ジスルフィドブリッジを介して、2倍の結晶軸に沿って共有結合的に付加している。完全長のHLA-G1タンパク質は、β2ミクログロブリン(β2m)と会合したH鎖及び古典的なMHCクラスI構造に類似する9マーペプチドから構成される。HLA-G二量体の受容体結合部位は、対応する単量体のものよりも接近可能であるので、二量体は、単量体よりも高い親和性及び遅い解離定数を有すると提唱されている。しかしながら、どのコンホメーションが医薬としての目的のために最も活性であるか、どのアイソフォームが最も効果的であるか、又はどのようにして適切なHLA-G二量体若しくはオリゴマーが産生され得るかは明らかでない。
前述のことから、HLA-Gの優れた抑制機能が、以下に起因することが理解される:
1. その他のHLAクラスI分子よりも良いILT結合能力を付与するそのα3ドメインのユニークな配列。HLA-Gのα3ドメインのこのユニークな配列は、Shiroishiら[21]の図3から理解されるように、より大きく、より疎水性で、かつより強いILT結合領域の創造をもたらす。
2. 二量体化するそのユニークな能力。HLA-Gの二量体化は、2つのHLA-G分子の42位(α1ドメイン)のシステイン間のジスルフィドブリッジの創造を介して起こり(Gonen-Grossら[24]の図8を参照されたい)、HLA-Gの機能に決定的である。事実、42位のシステインを欠き、二量体を形成しない変異型HLA-G分子は、抑制機能も欠くことが示された[24]。Shiroishiら[20]の図4は、ジスルフィドで結合したHLA-G二量体の構造を提供する。
よって、HLA-Gの抑制機能についてのデータを要約すると、HLA-Gの抑制機能は、HLA-Gのユニークなα3ドメインを介する、HLA-G二量体のILT分子への結合によって主に働く。しかしながら、ILT4/HLA-G複合体の構造[21]は、ILT4が、ILT2と比較してより顕著に明らかな主要組織適合遺伝子複合体クラスI(MHCI)結合認識を示し、β2mよりもα3ドメインに多く結合することを明らかにする。
細胞系によるHLA-Gの産生は、冗長であり得る。事実、完全なHLA-G1/G5分子は、β2m及び9マーペプチドと非共有結合的に会合した、HLA-Gの完全な重鎖(α1、α2及びα3ドメイン)の三分子複合体である。このような構築物の機能は十分に安定しているが、その構造の複雑さが原因で、製造は困難であり、精製にはリスクを伴い、安定性に乏しい。
本発明者らは、合成により得ることができるHLA-Gのα3 ドメインのみを含む小さなペプチドの多量体が、機能的であり、より純粋であり、したがってより安定であり、(産生に生物学的物質を必要としないために)生物学的流体からの抽出又は特定のコントロールのいずれも必要としないので産生がより容易であり、したがって、GMPに従ってバイオハザードのリスクが低減されること(GMPは、本明細書に挙げられるバイオハザードの観点から、安全な基準を有するので)を、今回予期せぬことに見出した。
よって、本発明は、少なくとも2つの単量体を含み、各々の単量体が式X1-X2(式中X1はシステインアミノ酸を含む可撓性のペプチドリンカーを表し、X2はHLA-Gのα3ドメイン(又はα3ペプチド)を表す)のペプチドP1(以下、α3単量体ともいう)からなる群において選択されることを特徴とする多量体又は多量体ポリペプチドに関する。
したがって、本発明の多量体は、α3単量体を排他的に含む式P1-P1の二量体及び式(P1)nの多量体を含む。
以下の多量体もまた、本発明に含まれる:
全ての単量体が同一である、α3単量体(n個のP1単量体)のホモ多量体;
α3単量体のヘテロ多量体(n個のP1単量体、ここで種々の単量体のα3ドメインが異なる)、nが2〜1000の間又はさらに多くを含む整数である。
本発明による多量体は、したがって、二量体及び3、4、5、6、7又はさらに多くのP1単量体を含む分子を含む。本発明による多量体は、100まで、500まで、1000まで又はさらに多くのP1単量体を含んでいてもよい。
本発明者らは、少なくとも2つのα3単量体(α3ポリペプチドともいう)を含む多量体が、インビボにおける移植片拒絶を効果的に抑制することを予期しないことに示した。より具体的には、本発明者らは、α3 単量体が、多量体に正確に組み立てられるときに、効果的なインビボ免疫寛容、より具体的には移植片拒絶を誘導する能力を有することを、驚くべきことに見出した。
HLA-G抗原は、免疫調節物質として機能し、胎児を母体の免疫系から保護する。膜結合型又は可溶型のいずれかである、HLA-Gの様々なアイソフォームが報告されている。これらアイソフォームは、α1、α2及びα3と呼ばれる細胞外球状領域、膜貫通ドメイン並びに細胞質ドメインから選択される、識別可能な機能的ドメインを含む。HLA-Gのあるアイソフォーム(例えば成熟HLA-G1)の生物学的活性及び作用機序が詳細に報告されているが、各々のドメイン、特に可溶型の免疫調節活性への相対的貢献は、詳細に研究されていない。
この関係において、上記で明記したように、HLA-G抗原の抑制活性が、ILT抑制性受容体ILT2又はILT4への結合により媒介されることが詳細に報告されている。より具体的には、このような結合は、HLA-Gのα3ドメインを介して生じると提唱されている(Shiroishiら、[21])。
本発明者らは、今回、HLA-Gのα3ドメインだけを含むα3ポリペプチドが、インビボにおける移植片拒絶から保護できるか、又はインビトロにおけるアロ増殖(alloproliferation)を阻害できることを観察した。
得られた結果は、本発明による多量体が、インビボにおいて高い免疫調節活性を示し、したがって、免疫関連疾患の治療、特に患者における望まれないか又は有害な免疫応答の軽減のための効果的な医薬に相当することを示す。得られた結果は、より具体的には、本発明の多量体が、プラシーボ又は少なくとも2つの単量体を含み、各々の単量体が、N末端からC末端にHLA-Gのα1ドメイン及びHLA-Gのα3ドメイン(α1ドメインが常にN末端部にあるとしても、以下α3-α1単量体又はα1-α3単量体と区別せずに呼ぶ)を含むペプチドからなるα1-α3多量体と比較して、インビボにおける移植片の生存の100%又はさらに多くの増加を誘導できることを示す。
事実、本発明のα3多量体は、可溶型HLA-G6アイソフォーム、非可撓性のペプチドリンカーを含むα3多量体又はα1-α3多量体と比較して、著しくより効果的である。
これらの多量体は、したがって、このような疾患及びその他の免疫関連疾患、例えば乾癬又はアトピー性皮膚炎のような炎症性疾患又は自己免疫を治療するための非常に価値ある医薬の候補に相当する。
本発明によれば:
‐ペプチドP1はまた、X2のC末端及び/又はN末端部に、20未満、より好ましくは15未満及び最も好ましくは10未満又は5未満の、天然のHLA-Gアイソフォームのα3ドメインの側部にあるさらなるアミノ酸を含んでいてもよい。
‐可撓性のペプチドリンカーX1は少なくとも10〜30アミノ酸を含み、そのN末端部に、好ましくはN末端から1位、2位、3位又は4位にシステインを含む(例えば、リンカーL1がアミノ酸1-12に相当し、N末端から2位にシステインが存在する配列番号3を参照されたい);それは、より可撓性を得るために、より長くてもよい(100アミノ酸まで)。前記可撓性のペプチドリンカーは、グリシン、セリン及びスレオニンアミノ酸残基を本質的に含む;より好ましくは、それは、グリシン及びセリンアミノ酸残基を本質的に含む。
‐α3ドメイン又はペプチドを含むX2は、HLA-G抗原のα3ドメイン又はその機能的フラグメントのアミノ酸配列を含み、その他のHLA-G ドメインを本質的に欠いているペプチドを指す。より好ましくは、α3ペプチドは、HLA-G抗原のα3ドメインのアミノ酸配列を含む。本発明の多量体においては、全てのα3単量体が同一のアミノ酸配列を有することが好ましい。しかしながら、種々の配列のα3ペプチドが、本発明の多量体において存在することも意図される。
‐HLA-Gのα3ドメインは、エキソン4によりコードされ、配列番号6のヒトHLA-Gのアミノ酸207-298に相当する。
‐HLA-Gのα1ドメインは、エキソン2によりコードされ、配列番号6のヒトHLA-Gのアミノ酸25-114に相当する。
‐「機能的フラグメント」は、インビボにおける移植片免疫寛容及び/又はインビトロにおけるアロ増殖の阻害を誘導する能力を保持するフラグメントを指す。より好ましくは、α3ペプチドのいずれかの機能的フラグメントは、α3ドメインの少なくとも20、より好ましくは少なくとも30、少なくとも40又は少なくとも50の連続アミノ酸を含む。
代表的な実施態様において、機能的フラグメントは、α3ドメインの少なくとも60の連続アミノ酸を含む。該フラグメントの機能は、実施例に開示されるようにして確かめられ得る。特に、該機能は、フラグメントの多量体を調製し、該多量体を動物モデルに臓器/組織移植の前に投与し、移植片生存率を確かめることにより確認され得る。多量体がプラシーボと比較して50%まで移植片の生存期間を延長させる場合、フラグメントは機能的であると考えられてよい。
‐α1及びα3ドメインのアミノ酸配列は、Geraghtyら[1]又はEllisら[2]の公開から直接得ることができる。これらの配列はまた、オンラインでも利用可能である(例えば、HLA-G についてGenebank numbers: first cloning of genomic sequence: Geraghtyら、PNAS 1987: PubMed ID : 3480534, GeneID: 3135 ; First cloning of HLA-G1 cDNA: Ellis ら、Journal of Immunology 1990. PubMed ID : 2295808を参照されたい)。
さらに、HLA-G5、HLA-G6及びHLA-G7の配列は、US5,856,442、US6,291,659、FR2,810,047又はPaulら、Hum. Immunol 2000; 61: 1138からも利用可能であり、これらからα1及びα3ドメインの配列を直接得ることができる。
‐HLA-G抗原の天然の変異型が、例えば多形現象の結果として存在することが理解されるべきであり、本出願に含まれる。また、特定の(例えば、1〜10の間、好ましくは1〜5まで、より好ましくは1、2、3、4又は5の)アミノ酸置換又は挿入を含む上記配列の変異型もまた、本発明に含まれる。
用語「多量体」(又は多量体ポリペプチド)は、上記に定義される(すなわち、ジスルフィドブリッジ又は担体を介して結合するα3単量体)少なくとも2つのP1単量体(P1-P1)を含む分子(又は組成物又は生成物)を指す。
特定の実施態様においては、α3ペプチドは、成熟HLA-G抗原のアミノ酸183-274又はその機能的フラグメントから本質的になる。
α1ペプチドは、成熟HLA-G抗原のアミノ酸1-90又はその機能的フラグメントから本質的になる。
好ましいα3ペプチドの配列は、配列番号1に提供される。
α1ペプチドの配列は、配列番号2に提供される。
好ましいα3単量体の配列は、配列番号3に与えられている(α3-L1)。リンカーL1は、1-12位に相当し、2位にシステインを含む;13位及び14位は、α2ドメインの2つのアミノ酸に相当する(α2が115-206位に相当するHLA-Gに相当する配列番号6を参照されたい)。15-106位はα3ドメインに相当し、107-108位は膜貫通ドメインの2つのアミノ酸に相当する; HLA Gの全ての親水性尾部が挿入され得る。ILT分子と主に接触する残基は、前記配列番号3の27位及び29位である。
α3単量体の別の配列は、配列番号5に与えられている。リンカーL2は1-18位に相当し、1位にシステインを含む;19位及び20位は、α2ドメインの2つのアミノ酸に相当する(α2が115-206位に相当するHLA-Gに相当する配列番号6を参照されたい)。21-111位はα3ドメインに相当し、112-113位は膜貫通ドメインの2つのアミノ酸に相当する。
α1-α3単量体の配列は、配列番号4に与えられている。配列番号4の1-90位はα1ドメインに相当する;配列番号4の91-182位はα3ドメインに相当し、183-184位は膜貫通ドメインの2つのアミノ酸に相当する; HLA Gの全ての親水性尾部が挿入され得る。Cys42は二量体化に用いられる。ILT分子と主に接触する残基は103位及び105位である。
本発明の多量体においては、様々な単量体が種々の様式、例えば、限定されないが、(特に二量体について)ジスルフィドブリッジ或いはスペーサー基及び/又は担体を介して結合していてもよい。
本発明の好ましい実施態様においては、上記に定義されるα3単量体は、共有結合的に又は親和性相互作用を介して結合している。
本発明の多量体の具体的な例は、P1-P1二量体である。
この関係において、本発明は、ジスルフィドブリッジを介して結合する配列番号3の2つの単量体P1を有するα3二量体に関する。より具体的には、2つのα3ペプチドは、リンカーX1のN末端部に存在するシステイン残基間のジスルフィドブリッジを介して結合している。
さらに具体的な実施態様においては、α3単量体は、スペーサー又は担体を介して結合している。具体的な実施態様においては、単量体は担体に結合しており、それによって多量体を産生する。担体は、種々の性質を有し得る。それは好ましくは生体適合性であり、最も好ましくは生物学的に不活性である。担体は、例えばアルブミン(例えばヒト血清アルブミン)のようなタンパク質又は不活性な固体担体のような分子であり得る。単量体は、種々のタイプのカップリング反応、例えば親和性相互作用又は官能基の使用により担体に結合していてもよい。親和性相互作用は、担体をα3又はα1ペプチドに結合するリガンド(例えば、抗体又はそのフラグメント)でコートすることにより得られてもよい。親和性相互作用はまた、α3単量体及び担体のそれぞれに、結合ペア(例えば、アビジン及びビオチン)の一方を加えることにより得られてもよい。カップリングはまた、マレイミドのような二官能基などを介して得られてもよい。さらに、多量体は、担体に結合し、さらに分子間ジスルフィドブリッジに加担する単量体を含んでいてもよいことに留意すべきである。
具体的な実施態様においては、本発明の多量体は、担体に結合した2つ又はそれより多いα3単量体を含む分子である。
本発明の多量体は、様々な技術によって製造することができる。上記に論じたように、単量体は、種々のカップリング技術、例えば共有結合(例えばジスルフィドブリッジ、二官能基など)又は親和性反応によりカップリングされ得る。
ジスルフィド結合を介する上記に定義されるα3単量体P1の多量体の製造のために:
第1の工程において、(ペプチドリンカーX1により提供される)SH側基(lateral SH group)を含む2つのα3単量体P1を、溶液中で、ジスルフィド結合の形成を許容する条件下に接触させる;第2の工程において、好ましくは、二量体又は多量体を分離する。多量体は、例えばその分子量に基づいて、例えば(PAGEのような)ゲル電気泳動により単量体から分離してもよい。適切な多量体の形成はまた、アリコートのサンプルについてこのような方法を用いて、溶液中に存在する多量体の相対量を測定するために確かめてもよく、必要であれば、反応条件を調整してもよい。ジスルフィド結合の形成を許容する条件は、例えば2〜24時間10〜30℃の温度を含む。
α1-α3多量体は、同一の条件において、化学合成により得られるα1-α3単量体から得られてもよい。
担体の使用による多量体の調製のために、単量体を、典型的には、担体の存在下に、担体への単量体の付加を許容する条件下でインキュベートし、好ましくは、多量体を分離する。担体は、例えば固体担体であり得る。担体はまた、血清アルブミンのようなタンパク質であり得る。単量体と担体との間の相互作用を容易にするために、担体は、単量体と相互作用できる反応基を含み、より機能的にされていてもよい。例として、担体は、α1又はα3ペプチドのリガンド、例えば抗体又はそのフラグメント(例えばFabフラグメント、CDRフラグメント、ScFvなど)又は化学的カップリング試薬(例えばマレイミド)でコートされていてもよい。或いは、担体は、α1ポリペプチドのリガンドに結合できる反応物質によって、より機能的にされていてもよい。例として、担体は、抗ヒトIgG Fcフラグメントでコートされていてもよく、リガンドは、HLA-G1抗原を指向するヒトポリクローナルIgGであり得る。このような場合、単量体、担体及びリガンドは、単量体のビーズへの適正な結合を許容するために、共にインキュベートされ得る。
本発明のα3多量体は、当該技術においてそれ自体公知の技術、例えば組換え技術、酵素技術又は人工合成、好ましくはMerrifield合成のような人工合成により産生され得る。
好ましい実施態様においては、α3ペプチドX2及びα3単量体P1は、化学技術及びシンセサイザーを用いる人工合成により産生される。
α3多量体は、天然アミノ酸又は非天然若しくは改変アミノ酸残基のいずれかを含んでいてもよい。それらは、L及び/又はDのコンホメーションにあり得る。ペプチドは、アミン結合及び/又は改変ペプチド模倣結合のいずれかを含んでいてもよい。また、ペプチドは、例えば側基(lateral group)の化学的又は物理的改変により、末端部を保護及び/又は改変されていてもよい。
さらなる実施態様においては、担体及び単量体は、改変され、交差反応グループ(例えばアビジン及びビオチン)を含んでいてもよい。このような場合、担体及び単量体のインキュベーションは、担体の多量体化を引き起こす。
形成された多量体(すなわち、担体及びα3単量体の複合体)は、遠心分離、沈殿、電磁気分離などを含む、当該技術においてそれ自体公知の様々な技術を用いて単離することができる。
本発明の多量体の具体的な例は:
- ジスルフィドブリッジを介して結合した配列番号3のα3単量体の多量体;
- マイクロビーズのような担体に結合した配列番号3のα3単量体の多量体
である。
実施例において述べられるように、これらの多量体は、インビボにおける移植片免疫寛容を促進できる。
さらに、配列番号3のα3単量体の二量体はまた、本発明の具体物の代表例でもある。本発明は、事実、二量体が移植片拒絶を治療するための相当なインビボ活性を有し、非常に活性な多量体を調製するのに用いられ得ることを示す。
本発明はまた、上記に定義されるか又は上記に開示される方法によって得ることができる多量体と、好ましくは、少なくとも1つの医薬的に許容されるビヒクル又は担体とを含む医薬組成物に関する。
本発明のさらなる物は、配列番号3の2つの単量体と、好ましくは、少なくとも1つの医薬的に許容されるビヒクル又は担体とを有するα3二量体を含む医薬組成物である。
好適なビヒクル又は担体は、任意の医薬的に許容されるビヒクル、例えば緩衝剤、安定化剤、希釈剤、塩、防腐剤、乳化剤、甘味料などを含む。ビヒクルは、一般に、等張性の水性又は非水性溶液を含み、公知の技術に従って調製され得る。好適な溶液は、緩衝化された溶質、例えばリン酸緩衝溶液、クロリド溶液、リンガー液などを含む。調製される医薬組成物は、一般に、注入可能な組成物、好ましくは液体の注入可能な組成物の形態にあるが、その他の形態、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤なども同様に意図され得る。本発明による組成物は、多数の種々の経路、例えば全身、非経口、経口、直腸内、鼻内又は膣内経路により投与され得る。それらは、好ましくは、注入、例えば静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内又は皮下注入により投与される。経皮投与もまた意図される。具体的な投与量は、熟練した技術者が、病状、患者、治療期間、その他の活性成分の存在などに依存して調整できる。一般には、組成物は、10 ng〜100 mg、より好ましくは1μg〜50 mg、より一層好ましくは100μg〜50 mgの多量体の単回用量を含む。本発明の組成物は、好ましくは、有効量、すなわち経時的に疾患の進行を少なくとも軽減するか又は予防するのに十分な量で投与される。この関係において、本発明の組成物は、好ましくは、患者における有害であるか又は望まれない免疫応答の軽減を許容する量で用いられる。
多量体ポリペプチドは、HLA-Gの完全な機能を模倣できる免疫寛容誘発物質として用いることができる。これら化合物の主要な治療用途は、同種異系移植片に免疫寛容を誘導し、維持するための移植であるが、自己免疫疾患又は炎症性疾患であってもよく、自己免疫応答及び炎症を阻止し、或いは自己免疫寛容を再確立する。このようなポリペプチドの利点は、原核又は真核生物を必要とする古典的な製造方法よりも比較的簡易で、安価で、より制御されており、安全な調製/精製プロトコルであることであり、実施例において定義されるHLA-G6アイソフォーム又はコントロールペプチド[(α3-L2)x2及び(α1-α3)x2]よりも著しく活性である。
上述のように、本発明の多量体は、強い免疫調節活性を有し、異常な又は望まれない免疫応答に関連する様々な疾患状態を治療するのに用いられ得る。より具体的には、本発明の多量体は、特に臓器若しくは組織拒絶、炎症性疾患又は自己免疫疾患のような免疫関連疾患を治療するのに好適である。それらは、インビボにおける同種異系移植片拒絶を十分に抑制できる。
本発明はまた、移植片拒絶を治療するための上記に定義される多量体又は組成物に関する。
本発明はさらに、上記に定義される組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、患者における移植片拒絶を治療する方法に関する。
用語 治療する とは、例えば、受け入れる患者における移植片免疫寛容の促進を意味する。治療は、移植の前、間及び/又は後に行うことができ、存在する免疫抑制物質への代替療法として用いられてもよいし、又は実際の免疫抑制物質との併用療法として用いられてもよい。本発明は、同種異系、半同種異系(semi-allogenic)又は異種移植に適用可能であり、心臓、皮膚、腎臓、肝臓、肺、肝臓−腎臓などを含む固体組織、液体組織又は細胞を含むが、これらに限定されない如何なるタイプの移植臓器又は組織について用いられてもよい。
本発明はまた、改良が、移植の前、間及び/又は後に上記に定義される組成物の有効量を患者に投与する工程を含む、患者に臓器又は組織を移植するための改良された方法に関する。
本発明はさらに、移植の前、間及び/又は後に上記に定義される組成物の有効量を患者に投与する工程を含む、患者における移植片免疫寛容を促進する方法に関する。
本発明はさらに、移植の前、間及び/又は後に上記に定義される組成物の有効量を患者に投与する工程を含む、患者における移植片拒絶を軽減する方法に関する。
好ましい実施態様においては、組成物は、患者に少なくとも2回投与される。事実、本出願において示される結果は、反復される投与が、さらに増大した恩恵、例えばさらに顕著に増大したインビボにおける移植片免疫寛容をもたらすことを証明する。
実際に投与される組成物の量は、状態又は治療されるべき状態、投与される組成物そのもの、年齢、体重、及び個々の患者の応答、患者の症状の重篤度及び選択される投与経路を含む関連する状況に鑑みて、医師により決定され、適合されるものであることが理解されるべきである。したがって、上記の投与量の範囲は、本明細書中の教示の概括的な案内及びサポートを提供することを意図しているが、本発明の範囲を限定することを意図しない。
上記の規定のほかに、本発明はまた、以下の記載から理解されるその他の規定も含み、これは、本発明を実施した実施例について、及び添付される図面についても言及するものである。
(α3)x2 ポリペプチドの3Dモデル。A:二量体化されたポリペプチドのモデル。各々の単量体は、異なった灰色である。二量体化を許容する、人工的に導入された遊離システインを球で示す。B:完全なHLA-G分子の構造とα3ペプチドの構造との重ね合わせ。(β2ミクログロブリン及びペプチドを含む)HLA-Gの完全な分子を細い線で示す。α3ペプチドを3Dリボンレンダリングで示す。HLA-Gのα3ドメイン及びα3 ペプチドの構造が重ね合わせられている。 ILT4分子への(α3)x2 ポリペプチドの結合の3Dモデル。(α3)x2二量体の片方だけを示す。 種々の二量体のHLA-G受容体ILT2、ILT4、KIR2DL4への結合:(α3-L1)x2:L1が特定のリンカーX1を表す、本発明によるP1-P1二量体;(α3-L2)x2:コントロールペプチド;(α3-α1)x2:コントロールペプチド。垂直バーの右側に位置するピークは、示された受容体による認識を示す。 細胞毒性結果。 種々のペプチドのインビトロにおけるTリンパ球のアロ増殖への効果:(α3-L1)x2:L1が特定のリンカーX1を表す、本発明によるP1-P1二量体;(α3-L2)x2:コントロールペプチド;(α1-α3)x2:コントロールペプチド。棒グラフ:コントロールを指標とした増殖、SEMをエラーバーとして記録する。%阻害:ペプチドにより媒介される阻害の程度を表す。 (α3-L1)x2及び(α3-L2)x2二量体の概括的な構造。 α3-L1及びα3-L2単量体の構造スキーム。 (α3-α1)x2二量体の概括的な構造。
実施例1:配列番号1〜5のペプチドの調製
配列番号1〜5のペプチドは、ペプチドシンセサイザーを用いて合成した。
種々の二量体を産生した:
- (α3-L1)x2 (配列番号3)、ここで、L1は、本発明による、すなわち主にグリシン及びセリンアミノ酸残基を含む、可撓性のペプチドリンカーに相当する;
- (α3-L2)x2 (配列番号5)、ここで、L2は、前記配列番号5のアミノ酸1-18に相当し、HLA-G(配列番号6を参照されたい)のα1アミノ酸残基42-30(N末端からC末端まで)に由来する;
- α1-α3単量体に相当する配列番号4に相当する(α1-α3)x2。
図6、7及び8は、合成されたペプチドの概括的な構造を示す。
実施例2:ジスルフィド結合を介するα3及びα3-α1二量体
1) α3二量体
配列番号3又は配列番号5のα3単量体を化学的に合成した。単量体をまず合成し、次いでα3ドメインの2つのシステイン(配列番号3のシステイン35及び91、配列番号5のシステイン41及び97)間にジスルフィド結合を生成させることによってリフォールドした。次いで二量体化を、2つの単量体のリンカーX1のシステイン(配列番号3のシステイン2、配列番号5のシステイン1)間にジスルフィドブリッジを生成させることによって行った。合成された生成物の純度を質量分析により確かめた。
α3多量体の可視化は、電気泳動分離によって達成した。サンプルを(β-メルカプトエタノールのない)非還元条件においてLaemmli緩衝液の存在下に加熱することにより変性させ、次いで12%SDS-PAGEにおける電気泳動による移動によって分離した。二量体の存在を次いでクマシーブルーによる着色後に可視化した。
配列番号3の二量体の三次元モデルを図1に示す。計算モデル化に基づけば、この構造は、HLA-G受容体ILT4に結合できる (図2に示す;図3も参照されたい)。
2) α1-α3二量体
配列番号4のα1-α3単量体を化学的に合成した。単量体をまず合成し、次いでα3ドメインの2つのシステイン(配列番号4のシステイン111及び167)間にジスルフィド結合を生成させることによってリフォールドした。次いで二量体化を、2つの単量体のα1ドメインの2つのシステイン(配列番号4のシステイン42)間にジスルフィドブリッジを生成させることによって行った。合成された生成物の純度を質量分析により確かめた。
α3多量体の可視化は、電気泳動分離によって達成した。サンプルを(β-メルカプトエタノールのない)非還元条件においてLaemmli緩衝液の存在下に加熱することにより変性させ、次いで12%SDS-PAGEにおける電気泳動による移動によって分離した。二量体の存在を次いでクマシーブルーによる着色後に可視化した。
α1+α3ポリペプチドの配列を配列番号4に示す。
実施例3: 受容体結合アッセイ
HLA-G受容体ILT2、ILT4及びKIR2DL4への結合を評価するために、実施例2に従って得られた12μgの二量体で、製造者の推奨に従って、Bio-Plex-COOHポリスチレンビーズ(Bio-Rad)を共有結合的にコートした。ビーズを次いで1x Luminexアッセイ緩衝液(Interchim)に、50μl当たり2000ビーズの濃度に再懸濁した。ヒトIgG(ILT2-Fc、ILT4-Fc、R&D Biosystems)のFc部位に融合した組換え受容体を、次いで2μg/mlで加えた。200μlの1x PBS, 0.05% Tweenで2回洗浄した後、ビーズ及び受容体を次いで90分間暗中にて振盪機でインキュベートした。ビーズを次いで2μg/mlのフィコエリスリン標識ヤギ抗ヒトIgG抗体(Sigma)を含む50μlのPBS Luminexアッセイ緩衝液に、30分間暗中にて回転振盪機で再懸濁した。ビーズを次いで200μlの1x PBS, 0.05% Tweenで2回洗浄し、300μlの1xPBSに再懸濁した。
受容体によるペプチド認識を指示する蛍光を、EXPO32ソフトウェア(Beckman Coulter)を用いるEpics XLサイトメーター(Beckman Coulter)で行ったフローサイトメトリーにより評価した。
図3は結果を示しており、α3ドメインを含む全てのペプチドが実際にILT4受容体に特異的に結合することを明確に示す。
実施例4:細胞毒性
実施例1の合成(α3-L1)x2二量体の細胞毒性を、200μlウェル中に100,000細胞/mlにて新しく単離された末梢血単核球(PBMC)について、0〜100μg/mlまでの二量体の投与量及び37℃にて0〜24時間の範囲のインキュベーション時間で評価した。毒性は、死細胞におけるトリパンブルー取込み及び生細胞 対 死細胞の比の計算を用いて細胞生存能を分析することにより評価した。
結果(図4)は、前記二量体がPBMCに対して毒性でないことを示す。
実施例5:混合リンパ球反応(Mixed lymphocytes reaction:MLR)
健常なボランティアドナーのヘパリン全血からの末梢血単核球(PBMC)を、Ficoll-histopaque 1077 (Sigma-Aldrich)を用いる濃度勾配遠心分離により得た。PBMCを、レスポンダー又はγ-照射刺激細胞(25 Gy)として用いた。アロ刺激アッセイにおいて合成ペプチドの機能を評価するために、100μl中の105のレスポンダー細胞を100μg/mlの濃度のペプチドと共に6時間インキュベートし、次いで100μl中の105のγ-照射同種異系刺激PBMC(25Gy)と混合し、ウェル当たり200μlの最終体積中の50μg/mlの最終ペプチド濃度を得た。全てのサンプルについて3連(in triplicate)で行い、各々の同種異系の組合せについては、レスポンダー細胞単独、照射刺激細胞単独、自己コントロール及び未処理コントロールを含めた。給湿したインキュベーター中で37℃及び5%CO2にて5日間インキュベーション後、培養物をトリチウム化チミジン(ウェル当たり1μCi、Amersham Biosciences)でパルスした。DNAへの3Hチミジンの組込みを、18時間後にβ-カウンター(Wallac 1450, Amersham Biosciences)で定量した。
図5は結果を示し、本発明によるα3二量体[前記図5における(α3-L1)x2]が、(α3-L2)x2二量体及び(α1-α3)x2 二量体と比較して、Tリンパ球のアロ増殖を著しく阻害することを示す。
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Claims (9)

  1. 少なくとも2つの単量体を含み、各々の単量体が式X1-X2(式中X1はシステインアミノ酸を含む可撓性のペプチドリンカーを表し、X2はHLA-Gのα3ドメインを表す)のペプチドP1からなる群において選択されることを特徴とする多量体。
  2. ペプチドP1が、X2のC末端及び/又はN末端部に20未満、より好ましくは15未満、最も好ましくは10未満又は5未満のさらなるアミノ酸を含み、該アミノ酸が天然HLA-Gアイソフォームのα3ドメインの側部にあることを特徴とする請求項1に記載の多量体。
  3. 前記可撓性のペプチドリンカーX1が、少なくとも10〜30アミノ酸であって最大100のアミノ酸を含み、システインをそのN末端部に、好ましくはN末端から1位、2位、3位又は4位に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の多量体。
  4. 前記可撓性のペプチドリンカーが、グリシン及びセリンアミノ酸残基を本質的に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多量体。
  5. α3単量体が配列番号3に与えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多量体。
  6. リンカーX1のN末端部に存在するシステイン残基間のジスルフィドブリッジを介して結合する配列番号3の2つの単量体を有する、α3二量体の形態にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多量体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多量体と、少なくとも1つの医薬的に許容されるビヒクル又は担体とを含む医薬組成物。
  8. 移植片拒絶を治療するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多量体又は請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 炎症性疾患又は自己免疫疾患を治療するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多量体又は請求項7に記載の医薬組成物。
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