JP2012531018A - 電解液組成物及びその製造方法並びに使用方法 - Google Patents

電解液組成物及びその製造方法並びに使用方法 Download PDF

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Abstract

リチウムイオン電池のような電池において用いるのに好適な電解液組成物を開示する。本電解液組成物は官能化金属酸化物粒子を含む。幾つかの態様においては、本組成物は溶媒又はスキャベンジャーを存在させることを用いる。また、電解液組成物の製造方法及び使用方法も開示する。また、電解液組成物を含む製造品も開示する。
【選択図】図7

Description

[0001]本発明は、リチウムイオン電池のような電池において用いるのに好適な電解液組成物に関する。本発明は更に、電池において用いるのに好適な電解液組成物の製造方法及び使用方法に関する。本発明は更に、ここで記載する電解液組成物を含む製造品(例えば電池)に関する。
[0002]米国特許5,965,299(以下、‘299特許)においては、「複合電解液」中の一成分として表面変性ヒュームドシリカを用いることが開示されている。‘299特許の開示されている複合電解液は、(i)その表面から伸長する重合性基を有するヒュームドシリカ粒子、(ii)解離性リチウム塩、並びに(iii)ヒュームドシリカ粒子及び解離性リチウム塩を含むバルク媒体を含む。ヒュームドシリカ粒子の重合性基を重合して、バルク媒体内に架橋した三次元ネットワークを形成する。例えば‘299特許の3欄28〜42行を参照。
[0003]‘299特許の複合電解液のようなポリマー又はゲル状の電解液は、通常は増加した電解液粘度を示し、このために電解液のイオン拡散係数が低下する。与えられた電解液の粘度が増加することによってLiイオン電池におけるLiデンドライト成長の寸法が制限され、このために電解液とLi電極の間の表面領域相互作用がより低くなり、Li/電解液界面におけるインピーダンスが減少すると考えられる。
[0004]以下の利益:(1)向上した電解液組成物を通るイオンの拡散性/伝導性、並びに充放電サイクルの間の不可逆性及びサイクル数に対する容量低下の減少、(2)電解液組成物内での成分の安定な分散及び更には分配、並びに(3)配合の容易性(例えば、‘299特許の複合電解液を形成するために必要な重合工程のような処理工程を必要としない電解液組成物の形成方法)の少なくとも1つを与える新規な電解液組成物を開発する努力が継続されている。
米国特許5,965,299
[0005]本発明は、(1)非常に優れたイオン伝導性、及び充放電サイクルの間の減少した不可逆性、及びサイクル数に対する減少した容量低下、(2)電解液組成物内での成分の安定な分散及び更には分配、並びに(3)簡単な分散工程による製造の容易性を与える電解液組成物を見出したことに関連するものである。電解液組成物は種々の用途において用いることができるが、電気化学セル、電池、及びキャパシターにおいて特に有用である。
[0006]したがって、本発明は電解液組成物に関する。1つの具体的な態様においては、電解液組成物は、官能化金属酸化物粒子;少なくとも1種類のイオン対;及び少なくとも1種類の溶媒;を含み、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオンは、それぞれ独立して少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって分配されている。通常は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオン対は、それぞれ独立して少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって均一に分配されている。
[0007]他の具体的な態様においては、電解液組成物は、官能化金属酸化物粒子;少なくとも1種類のイオン対;及び少なくとも1種類の溶媒;を含み、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオン対は、それぞれ独立して少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって分配されており、官能化金属酸化物粒子は、官能化金属酸化物粒子の外表面の少なくとも一部に共有結合してそれから伸長する1以上の官能基を含み、1以上の官能基は、
−M(R)(R’)
(式中、Mは金属又はメタロイドを含み;それぞれのRは、独立して、(i)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルキル基、(ii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルケニル基、或いは(iii)置換又は非置換のアリール基を含み;それぞれのR’は、独立して、(i)水素、(ii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルキル基、(iii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルケニル基、或いは(iv)置換又は非置換のアリール基を含み;x=0、1、2、又は3であり;y=0、1、2、又は3であり;そして(x+y)=1、2、又は3である)
を含む。一態様においては、有機置換基はM−O結合を介して金属酸化物粒子に結合している。
[0008]更なる具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、官能化金属酸化物粒子を電解液組成物の重量を基準として少なくとも約10重量%の量で存在させた場合に非弾性である電解液組成物に関する。
[0009]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、分散液の形態である電解液組成物に関する。
[0010]更なる具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、金属酸化物粒子によって電解液中の不純物が捕捉される電解液組成物に関する。これによって、電池のような幾つかのデバイスにおける電解液の性能が向上する。
[0011]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として約2重量%以下の量で存在する電解液組成物に関する。
[0012]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子、少なくとも1種類の溶媒、及び少なくとも1種類のスキャベンジャーを含む電解液組成物に関する。
[0013]本発明はまた、電解液組成物の製造方法にも関する。1つの具体的な態様においては、電解液組成物の製造方法は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオン対を少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって分散させることを含む。本発明の電解液組成物の製造方法は、分散工程の後に、所定の電解液組成物を形成するために例えば重合工程及び/又は加熱若しくは冷却工程のような更なる工程を必要としない。
[0014]本発明は更に、本発明の電解液組成物を使用する方法に関する。1つの具体的な態様においては、本発明の電解液組成物を使用する方法は、電解液組成物をハウジング内に封入することを含む。ハウジングは電池の外側ケースであってよく、更に正極、負極、及びハウジング内に配置されており、電解液組成物と接触している少なくとも1つのセパレーターを含ませることができる。
[0015]更なる具体的な態様においては、本発明は、少なくとも1種類の第1の溶媒中に官能化金属酸化物粒子を有する分散液を形成し;分散液に少なくとも1種類の第2の溶媒を加え;そして、分散液から第1の溶媒を除去する;ことを含む、電解液組成物の製造方法に関する。
[0016]本発明は更に、本発明の電解液組成物を含む製造品に関する。1つの具体的な態様においては、製造品は電池(例えば一次又は二次)を含む。他の具体的な態様においては、製造品はキャパシターを含む。
[0017]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含む電解液組成物を有し、電解液中の金属酸化物粒子によって充放電サイクルの間の不可逆性及びサイクル数に対する容量低下が減少している電池に関する。
[0018]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含む電解液組成物を有し、電解液中の金属酸化物粒子によって、電池を60℃においてサイクル運転した際の電池の放電容量が金属酸化物粒子を含まない電解液組成物と比べて向上している電池に関する。
[0019]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子、少なくとも1種類の溶媒、及び少なくとも1種類のスキャベンジャーを含む電解液組成物を有し、電解液中の少なくとも1種類のスキャベンジャーによって60℃における電池の導電度安定性がスキャベンジャーを含まない電解液組成物と比べて増加している電池に関する。
[0020]本発明のこれら及び他の特徴及び有利性は、開示されている態様の以下の詳細な記載及び特許請求の範囲を検討した後に明らかになるであろう。
[0021]図1は、25℃において4.2〜2.8Vの範囲でC/2でサイクル運転した、1M−LiPF EC−DMC溶媒系中の種々の重量:体積比の官能化コロイダルシリカ粒子を用いる実施例3の具体的なLi−LiCoOコイン電池の充放電容量:サイクル数を図示する。 [0022]図2は、データを差し込みとしてフィッティングするための等価回路による、実施例2の試料電解液7を用いる具体的なLi−LiCoOコイン電池の100サイクル後の充電状態(3.99V)又は放電状態(3.11V)のインピーダンスナイキストプロット(100kHz〜0.1Hz)を図示する。 [0023]図3は、実施例3の具体的なコイン電池のサイクル運転後における完全充電状態のインピーダンスナイキストプロットを図示する。 [0024]図4は、図3に示すナイキストプロットのデータフィッティングから得られる具体的なサイクル運転したコイン電池のRe及びR1値を図示する。 [0025]図5は、実施例3において形成された具体的なプラスチック電池のRagone放電出力特性プロット(discharge rate capability plots)を図示する。 [0026]図6は、実施例3において形成された具体的なプラスチック電池のサイクル運転前のEISナイキストプロットを図示する。 [0027]図7は、図6に示す具体的なプラスチック電池のナイキストプロットをフィッティングするために用いた等価回路を図示する。 [0028]図8は、実施例3において形成された具体的なグラファイト−LiCoOプラスチック電池に関する初回充電不可逆容量:電解液の官能化コロイダルシリカ含量を図示する。 [0029]図9は、実施例3において形成された具体的なグラファイト−LiCoOプラスチック電池に関するサイクル運転後のEISナイキストプロットを図示する。 [0030]図10は、25℃、次に60℃においてサイクル運転した実施例4において形成された具体的なグラファイト−LiCoOプラスチック電池に関する容量:サイクル数を図示する。 [0031]図11は、25℃、次に60℃においてサイクル運転した実施例5において形成された具体的なグラファイト−LiCoOプラスチック電池に関する容量:サイクル数を図示する。 [0032]図12は、種々の添加剤を有する1M−LiPFを有する具体的なエチレンカーボネートジメチルカーボネート電解液に関する60℃におけるイオン伝導度:時間を図示する。
[0033]本発明の原理の理解を促進するために、以下において本発明の特定の態様を説明し、特定の用語を用いて特定の態様を説明する。しかしながら、特定の用語を用いることによって本発明の範囲を限定する意図はないことが理解されるであろう。議論される本発明の原理の変更、更なる修正、及びかかる更なる適用は、本発明が属する技術の当業者が通常的に想到するものであると考えられる。
[0034]本明細書及び特許請求の範囲において用いる単数形「a」、「and」、及び「the」は、記載が他に明確に示さない限り複数の指示物を包含することに注意すべきである。而して、例えば「酸化物(an oxide)」という記載は複数のかかる酸化物を包含し、「酸化物(oxide)」という記載は1種類以上の酸化物及び当業者に公知のその均等物などの記載を包含する。
[0035]例えば本発明の幾つかの態様の説明において用いる組成物中の成分の量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、回収率又は収率、流速、及び同様の値、並びにそれらの範囲を修飾する「約」は、例えば通常の測定及び取り扱い手順を通して;これらの手順における偶然のエラーを通して;方法を行うために用いる成分における差を通して起こる可能性のある数量の変動;並びに同様の近似考慮事項を指す。「約」という用語はまた、特定の初期濃度を有する配合物又は混合物の熟成によって相違する量、並びに特定の初期濃度を有する配合物又は混合物の混合又は処理によって相違する量も包含する。「約」という用語によって修飾されているかどうかにかかわらず、特許請求の範囲はこれらの量の均等範囲を包含する。
[0036]「粒子」という用語は、例えばコロイド粒子を形成するための溶液重合法、例えば溶融粒子を形成するための連続火炎加水分解法、及び例えば沈殿粒子を形成するための沈殿法など(しかしながらこれらに限定されない)の任意の公知の方法によって形成される多孔質又は非多孔質の粒子を指す。粒子は、金属酸化物、硫化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩等から構成することができるが、好ましくは金属酸化物である。粒子は、鎖状、棒状、又はラス形状などの種々の異なる対称、非対称、又は不規則形状であってよい。粒子はアモルファス又は結晶質等をはじめとする異なる構造を有していてよい。粒子は、異なる組成、寸法、形状、又は物理的構造を含むか、或いは異なる表面処理の他は同じであってよい粒子の混合物を含んでいてよい。好ましくは、金属酸化物粒子はアモルファスである。
[0037]ここで用いる「金属酸化物」とは、金属がカチオンであり酸化物がアニオンである二元酸素化合物として定義される。金属にはメタロイドも包含することができる。金属としては、周期律表上のホウ素からポロニウムへ引かれる対角線の左側の元素が挙げられる。メタロイド又は半金属としては、この線上にある元素が挙げられる。金属酸化物の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等、及びこれらの混合物が挙げられる。
[0038]「コロイド状金属酸化物粒子」という用語は、ケイ酸ナトリウム溶液の酸性化によってSi(OH)を生成させ、これを次に塩基性条件(例えばpH>7.0)下で重合してアモルファスの非多孔質シリカ粒子を形成する、Si原子置換工程(例えば、一部のSi原子をAl又は他の原子で置換して得られる粒子の全表面電荷を変化させる)を行うか又は行わない多段階プロセスによって形成されるアモルファスの非多孔質金属粒子を指す。
[0039]「官能化金属酸化物粒子」という用語は、1以上の疎水性反応物質を金属酸化物粒子の外表面に沿って配置している−OH基に共有結合させる表面変性にかけた金属酸化物粒子を指す。
[0040]「置換アルキル基」という用語は、1以上の置換基のそれぞれが、炭素及び水素以外の1以上の原子を単独(例えばFのようなハロゲン)か或いは炭素(例えばシアノ基)及び/又は水素原子(例えばヒドロキシル基又はカルボン酸基)と組み合わせて含む一価の基を含む、その上に1以上の置換基を有するアルキル基を指す。
[0041]「置換アルケニル基」という用語は、(i)1以上のC−C二重結合、及び(ii)その上の1以上の置換基を有し、1以上の置換基のそれぞれが炭素及び水素以外の1以上の原子を単独か或いは炭素及び/又は水素原子と組み合わせて含む一価の基を含むアルケニル基を指す。
[0042]「置換アリール基」という用語は、環構造中に(即ち環構造中の炭素原子のみで)5〜10個の炭素原子から構成され、環構造中の炭素原子が金属原子に直接結合しており、環構造がその上に1以上の置換基を有し、1以上の置換基のそれぞれが1以上の原子を含む一価の基(例えば、Fのようなハロゲン、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、又はカルボン酸基)を含む芳香環構造を指す。
[0043]「非弾性」という用語は、粘性係数が弾性係数よりも大きいような液体(例えば非ニュートン挙動を呈する)として定義され、これに対して「ゲル」は反対のものである(Journal of Electrochemical Society 154, A1140-1145 (2007)において言及されている)。
[0044]「電解液」という用語は、導電性の媒体として振る舞う自由イオンを含む任意の物質として定義される。
[0045]「分散液」という用語は、2種類(又はそれ以上)の物質が均一に混合されて1つが他のものの全体にわたって非常に微細に混合している系として定義される。
[0040]「安定な分散液」という用語は、粒子が凝集又は凝塊しないで分散液から分離していない分散液として定義される。
[0046]「独立して分配」という用語は、混合物中の別個の(即ち互いに対して化学的又は物理的に結合していない)2以上の成分として定義される。
[0047]「スキャベンジャー」という用語は、電解液組成物における脱水及び酸中和を促進させる化合物として定義される。
[0048]「弱塩基性」という用語は、LiPFの分解から形成されるPFのような電解液成分の反応性を弱くするか又は減少させることができる化合物として定義される。
[0049]本発明は、(i)官能化金属酸化物粒子、及び(ii)全体にわたって分散している少なくとも1種類のイオン対、(iii)少なくとも1種類の溶媒を含む電解液組成物に関する。本発明は更に、電解液組成物の製造方法、及び電解液組成物を使用する方法に関する。本発明は更に、電解液組成物を含む製造品に関する。
[0050]以下に具体的な電解液組成物及び電解液組成物成分の説明を与える。
I.電解液組成物:
[0051]本発明の電解液組成物には、複数の個々の成分を含ませることができる。複数の個々の成分及び複数の個々の成分の組合せの記載を以下に与える。更に、本発明の電解液組成物は種々の形態で存在させることができる。複数のタイプの電解液組成物の記載も以下に与える。
[0052]1つの具体的な態様においては、電解液組成物は、官能化金属酸化物粒子;少なくとも1種類のイオン対;及び少なくとも1種類の溶媒;を含み;官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオン対は、それぞれ独立して少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって分配されている。通常は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオン対は、それぞれ独立して少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって均一に分配されている。即ち、少なくとも1種類のイオン対は官能化金属酸化物粒子と物理的又は化学的に結合していない(即ち、これらは互いに別個である)。
A.電解液組成物成分:
[0053]本発明の電解液組成物には以下の成分の1以上を含ませることができる。
I.官能化金属酸化物粒子:
[0054]本発明の電解液組成物は官能化金属酸化物粒子を含む。本発明において用いるのに好適な官能化金属酸化物粒子としては、任意の表面変性金属酸化物粒子が挙げられる。通常は、官能化金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面に共有結合してそれから伸長する1以上の疎水性官能基を有する金属酸化物粒子を含む。
[0055]幾つかの具体的な態様においては、官能化金属酸化物粒子は、官能化金属酸化物粒子の外表面の少なくとも一部に共有結合してそれから伸長する1以上の官能基を含み、かかる1以上の官能基は、
−M(R)(R’)
(式中、Mは金属又はメタロイドを含み;それぞれのRは、独立して、(i)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルキル基、(ii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルケニル基、或いは(iii)置換又は非置換のアリール基を含み;それぞれのR’は、独立して、(i)水素、(ii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルキル基、(iii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルケニル基、或いは(iv)置換又は非置換のアリール基を含み;x=0、1、2、又は3であり;y=0、1、2、又は3であり;そして(x+y)=1、2、又は3である)
を含む。一態様においては、有機置換基はM−O結合を介して金属酸化物粒子に結合している。
[0056]任意の上記記載の具体的な官能化金属酸化物粒子においては、R及び/又はR’の1以上は1以上の置換基で置換されていてよい。R及び/又はR’基上の好適な置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基、シアノ基、アミノ基、カルボニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、ニトロ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、又はこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基及びアルケニル基に関する具体的な置換基としては、−F、−OH、−CN、及び−COOHが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基に関する具体的な置換基としては、アルキル基、−F、−OH、−CN、及び−COOHが挙げられるが、これらに限定されない。
[0057]幾つかの具体的な態様においては、具体的な官能化金属酸化物粒子は、官能化金属酸化物粒子の外表面の少なくとも一部に共有結合してこれから伸長する1以上の官能基を含み、かかる1以上の官能基は、
−M(R)(R’)
(式中、Mは金属又はメタロイドを含み;それぞれのRは、独立して、(i)分岐又は非分岐のC〜Cアルキル基、(ii)少なくとも1つのフルオロ、アミノ、又はグリシドキシ置換基によって置換されている分岐又は非分岐のC〜Cアルキル基、(iii)分岐又は非分岐のC〜Cアルケニル基、(iv)少なくとも1つのフルオロ、アミノ、又はグリシドキシ置換基によって置換されている分岐又は非分岐のC〜Cアルケニル基、(v)フェニル基、又は(vi)少なくとも1つのフルオロ置換基によって置換されているフェニル基を含み;それぞれのR’は、独立して、(i)水素、(ii)分岐又は非分岐のC〜Cアルキル基、(iii)少なくとも1つのフルオロ、アミノ、又はグリシドキシ置換基によって置換されている分岐又は非分岐のC〜Cアルキル基、(iv)分岐又は非分岐のC〜Cアルケニル基、(v)少なくとも1つのフルオロ、アミノ、又はグリシドキシ置換基によって置換されている分岐又は非分岐のC〜Cアルケニル基、(vi)フェニル基、又は(vii)少なくとも1つのフルオロ置換基によって置換されているフェニル基を含み;x=0、1、2、又は3であり;y=0、1、2、又は3であり;そして(x+y)=1、2、又は3である)
を含む。一態様においては、有機置換基はM−O結合を介して金属酸化物粒子に結合している。
[0058]官能化金属酸化物粒子は、通常は約100nm未満の平均粒径を有する。ここで用いる「平均粒径」という用語は、一組の粒子内のそれぞれの粒子の最大寸法の平均値を指す。幾つかの具体的な態様においては、官能化金属酸化物粒子は約1.0〜約80nmの範囲の平均粒径を有する。他の具体的な態様においては、官能化金属酸化物粒子は約5.0〜約50.0nmの範囲の平均粒径を有する。
[0059]官能化金属酸化物粒子は、通常は約1.0〜約100nmの粒径範囲を有する。ここで用いる「粒径」という用語は、一組の粒子内のそれぞれの粒子の最大寸法を指す。幾つかの具体的な態様においては、官能化金属酸化物粒子は約5.0〜約80.0nmの粒径範囲を有する。他の具体的な態様においては、官能化金属酸化物粒子は約5.0〜約50.0nmの粒径範囲を有する。
[0060]官能化金属酸化物粒子は、通常は、電解液組成物の全重量を基準として0重量%より多く約50.0重量%以下の量で、与えられた本発明の電解液組成物中に存在する。幾つかの具体的な態様においては、電解液組成物は約1.0重量%〜約42.5重量%の範囲の量の1種類以上の官能化金属酸化物粒子を含む。他の具体的な態様においては、電解液組成物は約3.0重量%〜約30.0重量%の範囲の量の1種類以上の官能化金属酸化物粒子を含む。他の具体的な態様においては、電解液組成物は、電解液組成物の全重量を基準として約5.0重量%〜約12.0重量%の範囲の量の1種類以上の官能化金属酸化物粒子を含む。更なる態様においては、官能化金属酸化物粒子は、電解液組成物の全重量を基準として少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30重量%で約50重量%以下の量で電解液中に存在させることができる。
[0061]複数の商業的に入手できる金属酸化物粒子を、本発明において用いる官能化金属酸化物粒子を形成するための出発物質として用いることができる。本発明において出発物質として用いるのに好適な商業的に入手できる金属酸化物粒子としては、W. R. Grace & Co.-Conn.からLUDOX(登録商標) TMAコロイダルシリカ粒子の商品名で商業的に入手できるコロイダルシリカ粒子が挙げられるが、これに限定されない。他のコロイド粒子としては、例えば、米国特許4,731,264及び6846435、並びにヨーロッパ特許公報1757663(これらの全ての主題は参照として本明細書中に包含する)に記載されているもののような、物質の分散液を形成する能力に応じて官能化してもしなくてもよいアルミナ粒子のような任意の金属酸化物を挙げることができる。
[0062]更なる具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、金属酸化物粒子によって電解液中の不純物が捕捉される電解液組成物に関する。HF、HO等のような電解液中で形成される幾つかの不純物は、電池のような種々のデバイスにおける電解液の最終的な電気的性能に悪影響を与える可能性がある。本態様においては、官能化金属酸化物粒子によって不純物を吸着して、放電出力特性及び向上したサイクル寿命のような向上した性能を有するデバイスを提供することができる。例えば、不可逆容量を99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、又はそれ以下低下させることができる。
2.イオン:
[0063]本発明の電解液組成物はまた少なくとも1種類のイオン対も含む。好適なイオン対としては、リチウム塩、有機アミンと有機酸との塩が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の幾つかの望ましい態様においては、本発明の電解液組成物はリチウムイオンを含む。
[0064]本発明の電解液組成物がリチウムイオンを含む場合には、リチウムイオンは1種類以上のリチウム塩から解離させることができる。好適なリチウム塩としては、リチウムヘキサフルオロホスフェート、リチウムイミド、リチウムペルフルオロスルホンイミド(LiTFSI)、リチウムトリフラート、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウム、リチウムトリフルオロカーボネート、硝酸リチウム、チオシアン酸リチウム、ヘキサフルオロヒ酸リチウム、リチウムメチド、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
[0065]本発明の電解液組成物がリチウムイオン(又はリチウム塩から解離されるイオン)以外の1種類以上のイオンを含む場合には、かかるイオンは1種類以上の非リチウム塩から解離させることができる。好適な非リチウム塩としては、米国特許公開US2009/0021893(その全ての主題は参照として本明細書中に包含する)に示されている有機アミン塩のような有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。
[0066]通常は、それぞれのタイプのイオン(例えばリチウムイオン)は、電解液組成物の全重量を基準として約1.0重量%以下の量で本発明の電解液組成物中に存在する。幾つかの具体的な態様においては、それぞれのタイプのイオン(例えばリチウムイオン)は、電解液組成物の全重量を基準として約0.1〜約0.8重量%の範囲の量で本発明の電解液組成物中に存在する。他の具体的な態様においては、それぞれのタイプのイオン(例えばリチウムイオン)は、電解液組成物の全重量を基準として約0.2〜約0.5重量%の範囲の量で本発明の電解液組成物中に存在する。
[0067]複数の商業的に入手できる塩を本発明において用いることができる。本発明において用いるのに好適な商業的に入手できる塩としては、Novolyte Technologies(Independence, Ohio)からPurolyte(登録商標)の商品名で商業的に入手できるリチウム及び非リチウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
3.溶媒:
[0068]本発明の電解液組成物は1種類以上の溶媒を更に含む。溶媒としては、非水性、非プロトン性、及び極性の有機化合物の混合物を挙げることができる。一般に、溶媒としては、カーボネート、カルボキシレート、エーテル、ラクトン、スルホン、ホスフェート、及びニトリルを挙げることができる。好適な溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ポリエチレンオキシド、イオン性液体、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ここで有用なカーボネート溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートのような環式カーボネート、及びジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルプロピルカーボネートのような線状カーボネートが挙げられるが、これらに限定されない。有用なカルボキシレート溶媒としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。有用なエーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。有用なラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、4−メチル−γ−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、及びδ−バレロラクトンが挙げられるが、これらに限定されない。有用なホスフェートとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフェート、リン酸トリプロピル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリトリル、メチルエチレンホスフェート、及びエチルエチレンホスフェートが挙げられるが、これらに限定されない。有用なスルホンとしては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホンのような非フッ素化スルホン、メチルトリフルオロメチルスルホン、エチルトリフルオロメチルスルホン、メチルペンタフルオロエチルスルホン、エチルペンタフルオロエチルスルホンのような部分フッ素化スルホン、及びジ(トリフルオロメチル)スルホン、ジ(ペンタフルオロエチル)スルホン、トリフルオロメチルペンタフルオロエチルスルホン、トリフルオロメチルノナフルオロブチルスルホン、ペンタフルオロエチルノナフルオロブチルスルホンのような全フッ素化スルホンが挙げられるが、これらに限定されない。有用なニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びブチロニトリルが挙げられるが、これらに限定されない。これらの溶媒の2以上を混合物で用いることができる。それらが非水性且つ非プロトン性であり、塩を溶解することができる限りにおいては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、及びN,N−ジメチルトリフルオロアセトアミドのような他の溶媒を用いることができる。本発明の幾つかの具体的な態様においては、本発明の電解液組成物はエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合物のような複数の溶媒の混合物を含む。
[0069]本発明の電解液組成物が複数の溶媒の混合物を含む場合には、それぞれの溶媒は複数の溶媒の合計重量を基準として0重量%より多く約99重量%までの範囲の量で存在させることができる。例えば、溶媒A及びBはそれぞれ0重量%より多く約99重量%までの範囲の量で存在させることができ、Aの重量%とBの重量%の合計は溶媒の100重量%に等しい。通常は、溶媒A及びBが存在する場合には、溶媒A及びBのそれぞれは約10.0重量%〜約90.0重量%の範囲の量で存在し、Aの重量%とBの重量%の合計は溶媒の100重量%に等しい。更に、溶媒A、B、及びCが存在する場合には、溶媒A、B、及びCのそれぞれは通常は約10.0重量%〜約80.0重量%の範囲の量で存在し、Aの重量%、Bの重量%、及びCの重量%の合計は溶媒の100重量%に等しい。
[0070]通常は、1種類以上の溶媒は、組み合わせて、電解液組成物の全重量を基準として40.0重量%より多い量で本発明の電解液組成物中に存在する。幾つかの具体的な態様においては、1種類以上の溶媒は、組み合わせて、電解液組成物の全重量を基準として約50.0〜約97.0重量%の範囲の量で本発明の電解液組成物中に存在する。他の具体的な態様においては、1種類以上の溶媒は、組み合わせて、電解液組成物の全重量を基準として約88.0〜約95.0重量%の範囲の量で本発明の電解液組成物中に存在する。
[0071]複数の商業的に入手できる溶媒を本発明において用いることができる。本発明において用いるのに好適な商業的に入手できる溶媒としては、Novolyte Technologies (Independence, Ohio)から商業的に入手できるPurolyte(登録商標)溶媒が挙げられるが、これに限定されない。
4.随意的な添加剤:
[0072]本発明の電解液組成物には、1種類以上の添加剤を更に含ませることができる。好適な随意的な添加剤としては、米国特許公開US20090017386に記載されているもの、例えばスルトン(例えば、1,3−プロパンスルトン及び1,4−ブタンスルトン)、及び/又は雰囲気温度よりも高い温度で電池を充放電する際の電解質溶液の気体生成を抑止又は減少させる酸性無水物(例えばコハク酸無水物)、及び/又は電池の過充電を抑止するための芳香族化合物(例えばビフェニル及びシクロヘキシルベンゼン)が挙げられるが、これらに限定されない。
B.電解液組成物の形態:
[0073]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、分散液の形態の電解液組成物に関する。
[0074]本発明の電解液組成物は以下の形態の1以上を有することができる。
1.液体:
[0075]通常は、本発明の電解液組成物は、それぞれ独立して液体マトリクス(例えば1種類以上の溶媒)の全体にわたって分配されている1以上のタイプの官能化金属酸化物粒子及び1以上のタイプのイオンを有する液体マトリクスを含む。幾つかの具体的な態様においては、1以上のタイプの官能化金属酸化物粒子及び1以上のタイプのイオンは、それぞれ独立して液体マトリクス(例えば1種類以上の溶媒)の全体にわたって均一に分配されている。
[0076]更なる具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として少なくとも約10重量%の量で存在する場合に非弾性である電解液組成物に関する。本発明の1つの有利性は、電解液をゲル化させることなく(例えば電解液が非弾性で維持される)電解液に相当量の官能化金属酸化物粒子を加えることができることである。例えば、官能化金属酸化物粒子は、電解液をゲル化させることなく、電解液組成物の全重量を基準として少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30重量%で約50重量%以下の量で電解液中に存在させることができる。
[0077]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、分散液の形態の電解液組成物に関する。例えば、電解液は、官能化金属酸化物粒子と混合した際に、少なくとも数年間以下又は約3〜約6年間の長期間、沈殿物が形成しないように分散させることができる(即ち安定な分散液)。これによって長期間安定な液体電解液が与えられる。
[0078]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含み、官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として約2重量%以下の量で存在する電解液組成物に関する。例えば、官能化金属酸化物粒子は、電解液組成物の全重量を基準として約2重量%以下の量乃至0重量%より多い量、又は更には電解液組成物の重量を基準として約1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1重量%以下の量で存在させることができる。これによって、シリカを有しない電解液組成物よりも向上した60℃での運転における安定性を有する電解液が与えられる。いかなる特定の理論にも縛られないが、シリカの表面に結合しているヒドロキシル基によって、例えばLiPFの分解のような電解液成分の分解のための源が与えられると考えられる。
[0079]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子、少なくとも1種類の溶媒、及び少なくとも1種類のスキャベンジャーを含む電解液組成物に関する。1つの具体的な態様においては、スキャベンジャーによって、水、水酸化物、酸、ハロゲン化水素、又はこれらの組合せなどの電解液の性能に悪影響を与える成分が電解液組成物から除去される。1つの具体的な態様においては、スキャベンジャーには、シラザン、アミド、アミン、ホスファイト、ホスフィド、これらの誘導体、又はこれらの組合せなど(しかしながらこれらに限定されない)の、電解液成分(例えばPF)の反応性を減少させることができる少なくとも1種類の弱塩基性化合物を含ませることができる。
[0080]更なる具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を有する電解液組成物を有し、電解液中の金属酸化物粒子によって、60℃において電池をサイクル運転した際の電池の放電容量が金属酸化物粒子を含まない電解液組成物と比べて向上している電池に関する。他の具体的な態様においては、官能化金属酸化物粒子によって、電池の放電容量が、金属酸化物粒子を含まない電解液組成物と比べて4サイクル後で少なくとも約10%、又は8サイクル後で少なくとも約20%、又は12サイクル後で少なくとも約25%、又は16サイクル後で少なくとも約30%増加する。1つの具体的な態様においては、官能化金属酸化物粒子は、電解液組成物の全重量を基準として約2重量%以下の量乃至0重量%より多い量、又は更には電解液組成物の重量を基準として約1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1重量%以下の量で存在させることができる。
[0081]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子、少なくとも1種類の溶媒、及び少なくとも1種類のスキャベンジャーを有する電解液組成物を有し、電解液中の少なくとも1種類のスキャベンジャーによって電池の導電度安定性がスキャベンジャーを含まない電解液組成物と比較して増加している電池に関する。更なる具体的な態様においては、スキャベンジャーによって、電池の導電度が、4時間後で少なくとも約10%、又は8時間後で少なくとも約20%、又は12時間後で少なくとも約25%、又は16時間後で少なくとも約30%増加する。
2.ゲル:
[0082]それぞれの成分の量及びタイプによって、本発明の電解液組成物には、それぞれがゲルマトリクス(例えば1種類以上の溶媒)の全体にわたって分配されており、望ましくはゲル(例えば1種類以上の溶媒)の全体にわたって均一に分配されている1以上のタイプの官能化金属酸化物粒子及び1以上のタイプのイオンを有するゲルマトリクスを含ませることもできる。幾つかの具体的な態様においては、本発明の電解液組成物は、例えば1以上のタイプの官能化金属酸化物粒子の全含量が電解液組成物の全重量の約40〜約50重量%(又はそれ以上)に近接する場合にゲルマトリクスを含む。
II.電解液組成物の製造方法:
[0083]本発明は更に電解液組成物の製造方法に関する。本発明の1つの利益は、電解液組成物の製造方法の簡単さである。1つの具体的な態様においては、電解液組成物の製造方法は、1以上のタイプの官能化金属酸化物粒子及び1以上のタイプのイオンを少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって分散させることを含む。分散工程には、1以上のタイプの官能化金属酸化物粒子及び1種類以上の塩(例えばリチウム塩)を少なくとも1種類の溶媒に加え、1以上のタイプの官能化金属酸化物粒子及び1種類以上の塩を少なくとも1種類の溶媒とブレンドして、少なくとも1種類の溶媒中の官能化金属酸化物粒子及びイオンの安定な分散液を形成することを含ませることができる。
[0084]通常は、本発明の電解液組成物の製造方法は、上記に記載のもの以外の工程を必要としない。例えば、本発明の電解液組成物の製造方法は、重合工程、加熱又は冷却工程、或いは他の組成物処理工程(例えば、UV放射線、開始剤、架橋剤等への曝露)を必要としない。
[0085]幾つかの態様においては、電解液組成物の製造方法によって、最小量の水、通常は約100、90、80、70、60、50、40、30ppm未満(又は約20ppm未満、又は約10ppm未満、又は約5ppm未満)の水を含む電解液組成物が得られる。
[0086]更なる具体的な態様においては、本発明は、少なくとも1種類の第1の溶媒中に官能化金属酸化物粒子を有する分散液を形成し;分散液に少なくとも1種類の第2の溶媒を加え;そして、分散液から第1の溶媒を除去する;ことを含む電解液組成物の製造方法に関する。例えば、第1の溶媒は水又はアルコール或いはこれらの混合物であってよく、第2の溶媒は電池において用いられる非水性溶媒であってよい。第1の溶媒は蒸留などによって除去することができる。通常は1000ppm未満が分散液中に残留し、500ppm、200ppm、100ppm、90ppm、80ppm、70ppm、60ppm、50ppm、40ppm、30ppm、20ppm、又は更には10ppm未満が分散液中に残留する。
III.用途/使用:
[0087]本発明は更に電解液組成物を使用する方法に関する。本発明の電解液組成物を使用する方法には、与えられた電解液組成物を製造品中に導入することを含ませることができる。1つの具体的な態様においては、本発明の電解液組成物を使用する方法は、(i)ハウジング、及び(ii)ハウジング内に配置されているここで記載する任意の電解液組成物を含む製造品を形成することを含む。
[0088]幾つかの望ましい態様においては、製造品は、(i)ハウジング、及び(ii)ハウジング内に配置されているここで記載する任意の電解液組成物を含む電気化学セル又は電池を含む。幾つかの具体的な態様においては、製造品は充電池を含む。他の具体的な態様においては、製造品は充電不能(即ち使い捨て)の電池を含む。他の具体的な態様においては、製造品はキャパシターを含む。
[0089]製造品が電気化学セル又は電池を含む場合には、製造品に、正極、負極、及び正極と負極の間に配置されている少なくとも1つのセパレーターを更に含ませることができる。正極、負極、及び1つ又は複数のセパレーターには、正極、負極、及びセパレーターとして用いるのに好適な任意の公知の材料を含ませることができる。例えば、好適な正極としては、MnO、V、CuO、TiS、V13、FeS、LiNO、LiCoO、LiMn、LiNi0.330.33Mn0.33、有機イオウ化合物、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な負極としては、グラファイト、Li、LiTi12、全体で陰電荷を有するポリマー、スズベースのガラス酸化物、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なセパレーターとしては、ヒュームドシリカを有する微多孔質ポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)膜又は微多孔質ポリオレフィンセパレーターのような微多孔質ポリマー膜が挙げられるが、これらに限定されない。
[0090]幾つかの具体的な態様においては、電気化学セル又は電池は、ここで記載する任意の電解液組成物をグラファイト及びLiCoO電極と組み合わせて含む。他の具体的な態様においては、電気化学セル又は電池は、ここで記載する任意の電解液組成物をLi及びLiCoO電極と組み合わせて含む。
[0091]幾つかの具体的な態様においては、電気化学セル又は電池はここで記載する任意の電解液組成物を、ここで記載する任意の正極、負極、及びセパレーター、(i)正極、(ii)負極、及び(iii)少なくとも1つのセパレーターの少なくとも1つと組み合わせて含む。
[0092]他の具体的な態様においては、本発明は、官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類の溶媒を含む電解液組成物を有し、電解液中の金属酸化物粒子によって充放電サイクル間の不可逆性及びサイクル数に対する容量減少が低下している電池に関する。
[0093]本発明を以下の実施例によって更に説明するが、これらはいかなるようにも発明の範囲に対する限定を与えるように解釈すべきではない。むしろ、本解決手段は種々の他の態様、変更、及びその均等物を有することができ、これらは本明細書中の記載を読んだ後は、本発明の精神及び/又は特許請求の範囲から逸脱することなくそれ自体当業者が示唆することができることが明確に理解される。
実施例1:具体的な官能化金属酸化物粒子の形成
[0094]109.3gのLUDOX(登録商標) TMAシリカ、22gの脱イオン(DI)水、及び56.5gの2−プロパノールを、500mLの三つ口ジャケット付きフラスコに加えた。水浴を介してフラスコを65℃に加熱し、オービタルシェーカー上で165rpmにおいて振盪した。65℃において、11.5gのヘキサメチルジシラザンを滴加した。濁った混合物を65℃において30分間振盪し、次に水浴の温度を70℃に上昇させ、混合物を1時間振盪した。次に、水浴の温度を80℃に上昇させ、混合物を3時間還流した。
[0095]混合物を室温に冷却し、次にAdvantec(日本)からの131紙を用いてブフナー漏斗を通して濾過した。得られた粉末を水ですすぎ、次に120℃の真空オーブン内で1時間乾燥した。乾燥した物質を粉砕した後、粉砕した物質を更に150℃において3時間乾燥した。得られた収量は、100nm未満の粒径を有する官能化コロイダルシリカ粒子39.7gであった。
実施例2:具体的な電解液組成物の形成
[0096]ヘリウム充填ボックス内において、実施例1において形成された官能化コロイダルシリカ粒子(FCSiP)を、20ppm未満の含水量を有する1M−LiPFエチレンカーボネート−ジメチルカーボネート混合物中に下表1に示す割合で混合することによって電解液を製造した。
Figure 2012531018
実施例3:具体的な電気化学セルの形成
[0097](i)PVDF−HFP(KYNAR FLEX 2801, Arkema)、(ii)SUPER Pカーボンブラック(Timcal)、(iii)MCMB 25-28グラファイト(Osaka Gas)又はLiCoO(SEIMI CO22)を、(iv)アセトン、及び(v)プロピレンカーボネートと、下表2に示す量を用いて実験用ブレンダー内で混合することによって、Li−イオン電池用電極を製造した。
Figure 2012531018
[0098]自動ドクターブレードシステムを用いてテープの成形を行って、優れたテープの均一性及び電極の再現性を確実にした。正極に関してAcheson EB815処理(National Starch)で被覆したAl有孔ホイル集電器上に125℃において積層した1×1.5inの電極からプラスチック電池を組み立てた。負極は、PVDF−HFP被覆を炭素処理することによって処理したCuグリッド上に積層した。Exxon-Teklonポリプロピレン微多孔質セパレーター上に電極を100℃において積層することによって完全なバイセルを組み立てた。
[0099]プロピレンカーボネート可塑剤を抽出するために積層したセルをエーテル中に30分間浸漬し、次に多層ナイロン/Al/SURLYN(登録商標)ホイル内に被包した。次にアセンブリを120℃の加熱真空室内に一晩配置した。次に、積層体をHe充填グローブボックスに移し、ここでそれぞれの積層体に電解液を充填し、密封した。組み立てられたバイセルは、78.7mAh(4.06mAh/cm)の理論容量、及び1.1の容量適合率(即ち、不動態化層(SEI)の形成に占められるものに対して10%過剰のカソード容量)を有していた。
[0100]1cmの正極ディスク、Liホイル負極、およびWhatmanガラス繊維セパレーターを用いて、グローブボックス内でコイン電池を製造して密封した。
[0101]プラスチック電池及びコイン電池をMaccorシリーズ4000電池サイクラー上で試験した。SI 1287ポテンシオスタットに接続したSolartron SI 1260インピーダンス分析器を用いて、100kHz〜0.1Hzの周波数範囲の20mV振幅AC信号を用いてインピーダンスの測定を行った。ZView(登録商標) 2ソフトウエア(Scribner Associates)を用いて、インピーダンススペクトルを等価回路にフィッティングした。
Li−LiCoO コイン電池に関する試験結果
[0102]実施例2からの試料1、5、6、及び7の電解液を用いて、上記で議論したようにして4つの同じ容量のコイン電池を製造した。試料電解液は、固体ゲルを形成した試料7を除いて全て液体であった。充電前の初期インピーダンス測定値は、シリカ含有物によって電解液の抵抗が増加したことを示した。得られたコイン電池の容量(全てC/2の同じレートでサイクル運転した)は、シリカ含量と共に減少した。より重要なことには、充電容量と放電容量の間の効率も増加し、図1に示すように電解液中に官能化コロイダルシリカを加えるとより低い容量低下が観察された。
[0103]充放電曲線を重ね合わせると、不可逆性の低下が見られた。電池の初期容量損失は不動態化層の形成によって引き起こされ、これは官能化コロイダルシリカによって速やかであり、次に安定になった。シリカを用いないとプロセスがより長くなり、これによって電池が安定になることなく徐々に減退した。サイクル運転後の電池の電気化学インピーダンス測定は、図2に示すようにナイキストプロット上に2つの半円を示した。インピーダンスデータは、図2に示すように差し込みとして示される等価回路と非常に良好にフィッティングすることができた。フィッティングから、Re(電解液及び電極/集電器抵抗)、R1(Li/電解液界面抵抗)、及びR2(正極電荷移動抵抗)の値を求めた。放電状態(3.1V)及び充填状態(3.99V)のコイン電池のインピーダンススペクトルを比較することによって、R1及びR2抵抗の特性を確認した。
[0104]図3に示すように、スペクトルの低周波数部分は充電状態を変化させることによって最も大きく影響を受けた。これは、Liのインターカレーションによってブロッキング電極から非ブロッキング電極に遷移するLiCoO伝導度の変動と合致していた。
[0105]図4に示すように、サイクル運転後の充填状態のコイン電池のインピーダンスナイキストプロットは、官能化コロイダルシリカ含量によって影響を受けた。フィッティングした抵抗値Re及びR1を官能化コロイダルシリカ含量に対してプロットすることによって、2つの明確な傾向が観察された。Re値は官能化コロイダルシリカ含量と共に増加し、これはより多い量の官能化コロイダルシリカを加えることによる粘度の増加によってより低いイオン伝導度が引き起こされることを示していた。図4に示すように、R1は官能化コロイダルシリカ含量と共に減少する反対の傾向を示した。R1はLi/電解液界面に起因していたので、官能化コロイダルシリカはLi/電解液界面抵抗に対する安定化効果を有していた。Liの堆積によってLiデンドライトが形成され、これによってLi電極の表面積が増加して電解液とのその反応性が増加することが公知である。Liデンドライトはまた、Liホイルに結合しないか又は少ししか結合しないようになり、これによってLi負極インピーダンスが増加する可能性がある。電解液の増加した粘度はデンドライト成長の寸法を制限し、これによってLi/電解液界面のインピーダンスがより低くなる可能性がある。また、HFトラップとして機能する官能化コロイダルシリカの不純物捕捉効果によっても、Li/電解液界面のより低いインピーダンスを説明することができる。
グラファイト−LiCoO プラスチック電池に関する試験結果
[0106]実施例2からの試料電解液1〜6を用いて、上記に記載したようにして6つの積層プラスチック電池を製造した。下表3に示すように、8.3及び16.6重量/体積%の官能化コロイダルシリカ含量による初期ESRは純粋な電解液よりも低かった。
Figure 2012531018
[0107]0.5、1、2、及び3Cの放電レートにおいて、出力特性に関するRagone試験を行った。図5に示すように、8.3及び16.6重量/体積%の官能化コロイダルシリカを含む最も低い初期ESRを有する電池は、純粋な電解液を有する電池よりも良好な出力特性を有していた。
[0108]Ragone試験後のインピーダンススペクトルを充電状態でとり、これを図6に示す。データを、図7に示す等価回路とフィッティングした。
[0109]試料電解液中の官能化コロイダルシリカ含量に対する初回充電における電池の不可逆容量をプロットし、これを図8に示す。最小値は試料3(即ち電解液中に16.6重量/体積%の官能化コロイダルシリカ)について見出され、12.9%から7.1%に減少した。HO及びHF不純物の減少はLiイオン電池の初回充電サイクル中の不可逆性の原因であるので、このデータは、適度な官能化コロイダルシリカの量がこれらの不純物を捕捉するために有益であり、これによって初回サイクル中に観察されるより低い不可逆容量が引き起こされることを示唆していた。
[0110]図9に示すように、サイクル運転後の電池のEISナイキストプロットによって、試料電解液2(即ち電解液中に8.3重量/体積%の官能化コロイダルシリカ)を含む電池が最も低いインピーダンスを有していたことが確認された。
総合的な試験結果
[0111]Li−LiCoOコイン電池及びグラファイト−LiCoOプラスチック電池の両方とも、EC−DMC、LiPF1M−液体電解液中にナノサイズの官能化コロイダルシリカを加えることの大きな有益な効果を示した。Li金属を有するコイン電池の場合には、充放電サイクルの間の不可逆性、及びサイクル数に対する容量低下が減少した。また、Li/電解液界面のインピーダンスも低下した。Liイオン電池の場合には、電解液中の16.6重量/体積%の官能化コロイダルシリカによって初期ESR及び初回充電の不可逆容量の減少があった。放電出力特性が向上し、25℃及び60℃のC/2レートのサイクル運転において容量低下はより少なかった。官能化コロイダルシリカナノ粒子は電極の表面に自由に接近することができるので、この効果は、官能化コロイダルシリカによるHO及びHF不純物の捕捉効果及びSEIの化学的特性に対する考えられる効果に起因すると考えられた。
[0112]官能化コロイダルシリカを少なくとも幾つかの電解液に加えると、特に昇温温度において、初回充電における不可逆容量が減少し、電池の安定性が向上した。Si−F結合の形成によって、HF捕捉剤としてのその役割を説明することができる。予期しなかったことに、これらの有益な効果は、16.6重量/体積%以下の官能化コロイダルシリカの量に関するLiイオン電池(即ち試料3)の場合における出力特性の損失は伴っていなかった。
実施例4:電解液中に8%の官能化コロイダルシリカを含むグラファイト/LiCoO プラスチック電池に関する高温サイクル運転結果
[0113]実施例3と同様にして2つのグラファイト/LiCoO電池を組み立てた。1つの電池(試料7)は純粋な電解液(EC/DMC中の1M−LiPF)を含んでおり、他方(試料8)は電解液に8重量%のコロイダルシリカ分散液を加えた。図10に両方の電池のC/2サイクル運転の比較を示す。25℃における性能は両方の電池に関して同等であったが、温度を60℃に昇温すると、8重量%のシリカを含む電池は速やかに劣化した。これは、大量のシリカによってLiPF電解液が高温において劣化することと合致している。
実施例5:0.2%の官能化コロイダルシリカを含むグラファイト/LiCoO プラスチック電池に関する高温サイクル運転結果
[0114]実施例3と同様にして2つのグラファイト/LiCoO電池を組み立てた。1つの電池(試料9)は純粋な電解液(EC/DMC中の1M−LiPF)を含んでおり、他方(試料10)は電解液に0.2重量%のコロイダルシリカ分散液を加えた。図11に両方の電池のC/2サイクル運転の比較を示す。25℃においては、性能は同等であることが明らかに見ることができる。しかしながら、60℃においては、シリカを含む電池はより少ない劣化しか示さない。
実施例6:スキャベンジャーの効果
[0115]実施例2と同様にして3つの電解液組成物を調製した。第1の電解液組成物(試料11)においては、EC/DMC中の1M−LiPF単独を60℃に加熱し、時間に対する伝導度を観測した。第2の電解液組成物(試料12)においては、EC/DMC中の1M−LiPFを4重量%のコロイダルシリカと混合し、次に60℃に加熱して、時間に対する伝導度を観測した。第3の電解液組成物(試料13)においては、EC/DMC中の1M−LiPFを、5%のHMDS(ヘキサメチルジシラザン)で処理した4重量%のコロイダルシリカと混合し、次に60℃に加熱して、時間に対する伝導度を観測した。図12に結果を示す。伝導度が時間と共に低下することを見ることができ、これは特にシリカを加えることによって(試料12)LiPFが分解することを示す。しかしながら、5%のHMDS(ヘキサメチルジシラザン)をシリカ分散液に加えると(試料13)、伝導度は純粋な電解液(試料11)と同様に安定している。これは、スキャベンジャーをシリカと組み合わせて電池用電解液に加えて、性能を向上させることができることを示す。
[0116]本発明を限られた数の態様によって説明したが、これらの特定の態様は本明細書において他に記載され特許請求されている発明の範囲を限定することを意図するものではない。更なる修正、均等物、及び変更が可能であることは、本明細書中の具体的な態様を検討することにより当業者に明らかである。実施例及び明細書の残りの部分における全ての部及びパーセントは、他に特定しない限り重量基準である。更に、明細書又は特許請求の範囲において示す全ての数値範囲、例えば特性の特定の組、測定値の単位、条件、物理的状態、又は割合を示すものは、明らかに、言及するか又は他の方法で示すかかる範囲内に含まれる全ての数、並びにそのように示されている任意の範囲内の数の任意の部分集合を文字通り含むものであると意図される。例えば、下限R及び上限Rを有する数値範囲が開示されている場合には常に、この範囲内に含まれる任意の数Rが具体的に開示されている。特に、この範囲内の次の数R:R=R+k(R−R)(式中、kは1%の増分で1%〜100%の範囲の変数であり、例えばkは、1%、2%、3%、4%、5%、・・・50%、51%、52%、・・・95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である)が具体的に開示されている。更に、上記で算出されるRの任意の二つの値によって表される任意の数値範囲も、具体的に開示されている。本明細書において示し記載したものに加えて、本発明の任意の修正は、上記の記載及び添付の図面から当業者に明らかとなるであろう。かかる修正は、特許請求の範囲内に包含されると意図される。ここで引用した全ての公報はその全部を参照として本明細書中に包含する。

Claims (64)

  1. 官能化金属酸化物粒子;
    少なくとも1種類のイオン対;及び
    少なくとも1種類の溶媒;
    を含み、
    官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオン対がそれぞれ独立して少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって分配されている電解液組成物。
  2. 官能化金属酸化物粒子が、官能化金属酸化物粒子の外表面の少なくとも一部に共有結合してそれから伸長する1以上の官能基を含み、1以上の官能基が、
    −M(R)(R’)
    (式中、
    Mは金属又はメタロイド原子を含み;それぞれのRは、独立して、(i)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルキル基、(ii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルケニル基、或いは(iii)置換又は非置換のアリール基を含み;
    それぞれのR’は、独立して、(i)水素、(ii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルキル基、(iii)分岐又は非分岐で置換又は非置換のアルケニル基、或いは(iv)置換又は非置換のアリール基を含み;
    x=0、1、2、又は3であり;
    y=0、1、2、又は3であり;そして
    (x+y)=1、2、又は3である)
    を含む、請求項1に記載の電解液組成物。
  3. それぞれのRが、独立して、(i)分岐又は非分岐のC〜Cアルキル基、(ii)少なくとも1つのフルオロ、アミノ、又はグリシドキシ置換基によって置換されている分岐又は非分岐のC〜Cアルキル基、(iii)分岐又は非分岐のC〜Cアルケニル基、(iv)少なくとも1つのフルオロ、アミノ、又はグリシドキシ置換基によって置換されている分岐又は非分岐のC〜Cアルケニル基、(v)フェニル基、又は(vi)少なくとも1つのフルオロ置換基によって置換されているフェニル基を含み;そして
    それぞれのR’が、独立して、(i)水素、(ii)分岐又は非分岐のC〜Cアルキル基、(iii)少なくとも1つのフルオロ、アミノ、又はグリシドキシ置換基によって置換されている分岐又は非分岐のC〜Cアルキル基、(iv)分岐又は非分岐のC〜Cアルケニル基、(v)少なくとも1つのフルオロ、アミノ、又はグリシドキシ置換基によって置換されている分岐又は非分岐のC〜Cアルケニル基、(vi)フェニル基、又は(vii)少なくとも1つのフルオロ置換基によって置換されているフェニル基を含む、請求項2に記載の電解液組成物。
  4. 官能化金属酸化物粒子が、電解液組成物の全重量を基準として0重量%より多く約50重量%までの範囲の量で存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の電解液組成物。
  5. 官能化金属酸化物粒子が、電解液組成物の全重量を基準として約3.0〜約20.0重量%の範囲の量で存在する、請求項1〜4のいずれかに記載の電解液組成物。
  6. 官能化金属酸化物粒子が約100nm未満の平均粒径を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の電解液組成物。
  7. 電解液組成物が液体である、請求項1〜6のいずれかに記載の電解液組成物。
  8. 少なくとも1種類のイオン対がリチウムイオンを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の電解液組成物。
  9. リチウムイオンが、リチウムヘキサフルオロホスフェート、リチウムイミド、リチウムペルフルオロスルホンイミド(LiTFSI)、リチウムトリフラート、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウム、リチウムトリフルオロカーボネート、硝酸リチウム、チオシアン酸リチウム、ヘキサフルオロヒ酸リチウム、リチウムメチド、及びこれらの組合せから選択される1種類以上の塩から解離される、請求項8に記載の電解液組成物。
  10. 少なくとも1種類のイオンが、電解液組成物の全重量を基準として0重量%より多く約1.0重量%までの範囲の量で存在する、請求項1〜9のいずれかに記載の電解液組成物。
  11. 官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオンが、それぞれ独立して少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって均一に分配されている、請求項1〜10のいずれかに記載の電解液組成物。
  12. 少なくとも1種類の溶媒が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ポリエチレンオキシド、及びこれらの混合物を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の電解液組成物。
  13. 少なくとも1種類の溶媒がエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合物を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の電解液組成物。
  14. 電解液組成物が100ppm未満の水を含む、請求項1〜13のいずれかに記載の電解液組成物。
  15. 金属酸化物が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの混合物を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の電解液組成物。
  16. ハウジング;及び
    ハウジング内に配置されている請求項1〜15のいずれかに記載の電解液組成物;
    を含む製造品。
  17. 製造品が電池である、請求項16に記載の製造品。
  18. 製造品が充電池である、請求項16又は17に記載の製造品。
  19. 製造品が、正極;負極;及び正極と負極の間に配置されている少なくとも1つのセパレーター;を更に含む、請求項16〜18のいずれかに記載の製造品。
  20. 製造品がキャパシターである、請求項16に記載の製造品。
  21. 官能化金属酸化物粒子及び少なくとも1種類のイオンを少なくとも1種類の溶媒の全体にわたって分散させる;
    ことを含み、
    分散工程の後に電解液組成物を形成するための更なる1つ又は複数の工程を必要としない電解液組成物の製造方法。
  22. 官能化金属酸化物粒子;及び
    少なくとも1種類の溶媒;
    を含み、官能化金属酸化物粒子を電解液組成物の重量を基準として少なくとも約10重量%の量で存在させた場合に非弾性である電解液組成物。
  23. 官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として少なくとも約12重量%の量で存在する、請求項22に記載の電解液組成物。
  24. 官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として少なくとも約14重量%の量で存在する、請求項22に記載の電解液組成物。
  25. 官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として少なくとも約15重量%の量で存在する、請求項22に記載の電解液組成物。
  26. 官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として少なくとも約16重量%の量で存在する、請求項22に記載の電解液組成物。
  27. 官能化金属酸化物粒子が約100nm未満の平均粒径を有する、請求項22に記載の電解液組成物。
  28. 溶媒が非水性溶媒である、請求項22に記載の電解液組成物。
  29. 金属酸化物が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの混合物を含む、請求項22に記載の電解液組成物。
  30. 官能化金属酸化物粒子;及び
    少なくとも1種類の溶媒;
    を含み、分散液の形態である電解液組成物。
  31. 分散液が約3〜5年の間安定である、請求項30に記載の電解液組成物。
  32. 官能化金属酸化物粒子が約100nm未満の平均粒径を有する、請求項30に記載の電解液組成物。
  33. 溶媒が非水性溶媒である、請求項30に記載の電解液組成物。
  34. 金属酸化物が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの混合物を含む、請求項30に記載の電解液組成物。
  35. 官能化金属酸化物粒子;及び
    少なくとも1種類の溶媒;
    を含み、金属酸化物粒子によって電解液中の不純物が捕捉される電解液組成物。
  36. 不純物が、水、HF、又は他の不純物を含む、請求項35に記載の電解液組成物。
  37. 官能化金属酸化物粒子が約100nm未満の平均粒径を有する、請求項35に記載の電解液組成物。
  38. 溶媒が非水性溶媒である、請求項35に記載の電解液組成物。
  39. 金属酸化物が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの混合物を含む、請求項35に記載の電解液組成物。
  40. 官能化金属酸化物粒子;及び
    少なくとも1種類の溶媒;
    を含む電解液組成物を有し、電解液中の金属酸化物粒子によって電池の不可逆容量が低下している電池。
  41. 不可逆容量が少なくとも約90%低下している、請求項40に記載の電池。
  42. 官能化金属酸化物粒子が約100nm未満の平均粒径を有する、請求項40に記載の電池。
  43. 溶媒が非水性溶媒である、請求項40に記載の電池。
  44. 金属酸化物が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの混合物を含む、請求項40に記載の電池。
  45. 少なくとも1種類の第1の溶媒中に官能化金属酸化物粒子を有する分散液を形成し;
    分散液に少なくとも1種類の第2の溶媒を加え;そして
    分散液から第1の溶媒を除去する;
    ことを含む、電解液組成物の製造方法。
  46. 第1の溶媒が水性であり、第2の溶媒が非水性である、請求項45に記載の方法。
  47. 官能化金属酸化物粒子が約100nm未満の平均粒径を有する、請求項45に記載の方法。
  48. 除去工程後に第1の溶媒の100ppm未満が分散液中に残留する、請求項45に記載の方法。
  49. 金属酸化物が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの混合物を含む、請求項45に記載の方法。
  50. 官能化金属酸化物粒子;及び
    少なくとも1種類の溶媒;
    を含み、
    官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として約2重量%以下の量で存在する電解液組成物。
  51. 官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として約1重量%以下の量で存在する、請求項50に記載の電解液組成物。
  52. 官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として約0.5重量%以下の量で存在する、請求項50に記載の電解液組成物。
  53. 官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として約0.2重量%以下の量で存在する、請求項50に記載の電解液組成物。
  54. 官能化金属酸化物粒子;
    少なくとも1種類の溶媒;及び
    少なくとも1種類のスキャベンジャー;
    を含む電解液組成物。
  55. スキャベンジャーによって、電解液組成物から水、酸、ハロゲン化水素、又はこれらの組合せが除去されている、請求項54に記載の電解液組成物。
  56. スキャベンジャーが少なくとも1種類の弱塩基性化合物を含む、請求項54に記載の電解液組成物。
  57. スキャベンジャーが、少なくともシラザン、アミド、アミン、ホスファイト、ホスフィド、これらの誘導体、又はこれらの組合せを含む、請求項54に記載の電解液組成物。
  58. 官能化金属酸化物粒子;及び
    少なくとも1種類の溶媒;
    を含む電解液組成物を有し、
    電解液中の金属酸化物粒子によって、電池を60℃においてサイクル運転した際の電池の放電容量が向上している電池。
  59. 4サイクル後の放電容量が少なくとも約10%増加する、請求項57に記載の電池。
  60. 8サイクル後の放電容量が少なくとも約20%増加する、請求項57に記載の電池。
  61. 官能化金属酸化物粒子が電解液組成物の重量を基準として約0.2重量%以下の量の存在する、請求項57に記載の電池。
  62. 官能化金属酸化物粒子;
    少なくとも1種類の溶媒;及び
    少なくとも1種類のスキャベンジャー;
    を含む電解液組成物を有し、電解液中の少なくとも1種類のスキャベンジャーによって、電池を60℃においてサイクル運転した際の電池の導電度安定性がスキャベンジャーを有しない電解液組成物と比べて向上している電池。
  63. 4時間後における電池の導電度が少なくとも約10%増加する、請求項62に記載の電池。
  64. 8時間後における電池の導電度が少なくとも約20%増加する、請求項62に記載の電池。
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