JP2012530918A - 質量分析における機能点検および変動補償 - Google Patents

質量分析における機能点検および変動補償 Download PDF

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Abstract

本発明は、質量分析計(5)の機能を点検する方法、および質量分析でのイオン収量の変動を補償する方法に関し、クロマトグラフ分離システム(1,2)の溶出液を質量分析計(5)に供給するステップと、別個のターゲット検体溶液を、既知の濃度で一定の流量で、溶出液と連続的に混合させるステップと、この混合物を質量分析計(5)に投入し、混合物についての検出器信号を発生するステップと、ターゲット検体の統合ライン(6)および質量スペクトルグラフのピーク(7)を含む質量スペクトルグラフを取得するステップ(統合ラインは、溶出液の質量スペクトル分析にとって基礎となる、持続するバックグランド信号)と、ターゲット検体の統合ライン(6)の上方にある、統合した質量スペクトルグラフのピーク領域(A)および、ピーク統合ライン(6)から垂直な下降ラインによって、ターゲット検体の統合ピーク領域(A)の下方に見つかる領域(B)を取得することによって、質量スペクトルグラフを評価するステップと、決定した質量スペクトルグラフ領域(A)(B)から、数学的関係を形成するステップとを含む。

Description

(関連特許出願)
本件特許出願は、2009年6月25日付第1ドイツ出願DE 10 2009 030 395.2号の優先権を主張するものであり、その全体内容が引用および参照表現により本願の中に含まれるべきである。
本発明は、独立請求項1の前文に係る質量分析計の機能を点検する方法、請求項2の前文に係る質量分析計での変動を補償する方法、および請求項12の前文に係る質量分析計のためのこの機能点検および補償方法を実施するための装置に関する。
それは、定量化学分析の分野での発明に関する。生物医学的分析の分野から一実施形態が提供される。
クロマトグラフ、特に、クロマトグラフ質量分析の分析方法が、ライフサイエンスの分野、特に、臨床検査室診断、食品および環境分析で極めて重要である。その場合、血漿、血清、血液または尿などの生物学的サンプルが最初に調整され(例えば、タンパク質除去)、そして、クロマトグラフ(例えば、GC=ガスクロマトグラフ、LC=液体クロマトグラフ、HPLC=高圧または高速液体クロマトグラフ)によって分離される。そして、クロマトグラフ的に分別されたサンプルは、質量分析計の検出器に連続的に供給される。
大気圧イオン化を用いた質量分析計(例えば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)MS/MS)の場合、ターゲット検体は、検出のためにイオン化される。しかしながら、このイオン化は、個々のターゲット検体だけでなく、サンプルマトリクスからの大量の別の物質も検出する。従って、いずれの大気圧イオン化も極めて複雑な物理化学的現象を示し、複数の分子間相互作用を想定する必要がある。これは、特に「イオン化抑制」および「イオン化促進」の現象として表現される。サンプルマトリクスの成分は、多くの場合、より詳細には特定できず、個々のターゲット検体とともにイオン源の中に時間的に溶出し、ターゲット検体のイオン収量(ion yield)の減少および増加の両方をもたらす。同様に、イオン源およびイオン光学系の一部への堆積(帯電)は、システムのイオン化効率が一連の分析中にドリフトまたは時間経過とともに検出器信号の変動(いわゆる波打ち)を頻繁に示すという結果をもたらすこともある。
通常、較正サンプル(既知の検体濃度を持つ)がサンプル系列において分析され、較正サンプルに続いて「未知のサンプル」または「未知物」が定量化され、そして点検が行われる。こうした系列内で測定系列内のターゲット検体に関するイオン収量のドリフトが存在する場合、あるいは、イオン化特性が較正サンプルおよび未知物とは異なる場合、未知物の不正な測定結果が結論になることになる。
イオン収量の個々の変調効果を補償するためには、内部標準と称される物質が用いられる。これらの関連物質は、個々のターゲット検体にとって分子構造が可能な限り類似している必要がある。理想的には、ターゲット検体の安定した同位体標識された分子(例えば、4つの水素原子が重水素で交換されているコルチゾール分子)が、液体クロマトグラフ−タンデム式質量分析計(LC−MS/MS)を用いてコルチゾールを測定するための内部標準として適切である。較正サンプルや制御サンプルおよび未知物の分析系列において、正確に同じ量の個々の内部標準が、全サンプル(較正、制御および未知物)にサンプル処理の初期において追加される。その結果、ターゲット検体と内部標準との濃度比が各サンプルごとに出力され、その比はサンプル処理の途中で変化しない。質量分析サンプルの走行(run)において、ターゲット検体(例えば、MS/MS技術における衝突誘起によるイオン遷移)および内部標準の信号が交互に、または質量スペクトルグラフと同時に記録される。従って、2つの独立した質量スペクトルグラフが同じサンプル走行に記録される。
例えば、UV検出など、あまり特異的でない検出方法の場合、内部標準は、ターゲット検体とは異なる時刻で溶出するように選択する必要がある。この場合、2つのピーク領域が質量スペクトルグラフ中で決定される(検体および内部標準)。評価を定量化する目的で、内部標準および検体のピークの領域が決定される(所定の保持時間で)。ターゲット検体のピーク領域と内部標準のピーク領域との比は、個々の分析の応答として知られている。較正および定量化が、この応答(即ち、ピーク面積比)に基づいて実施される。この内部標準化の原理の結果として、サンプル間のイオン収量の変動が少なくとも部分的に平坦化される。しかしながら、このための前提条件は、ターゲット検体および内部標準のイオン化の挙動が、変調効果(「帯電」、マトリクス成分など)によって極めて類似した方法で影響されることである。
一方、定量化のための較正サンプルの使用が、調製および分析のための追加のコストをもたらす。他方では、こうした較正サンプルは、検体(未知物)の未知の濃度を持つサンプルの定性分析について直接的な証拠を提供しない。
上述のような、所定量の内部標準のサンプル自体への追加の代替として(同じ記録または同時記録された独立した記録における、質量スペクトル分析での2つの質量スペクトルピークの発生)、最近、基準液(reference solution)をクロマトグラフユニットの溶出液に連続的に混合して、イオン収量の変動補償を可能にする方法が記述されている(文献:Stahnke H, Reemtsma T, Alder L "Compensation of matrix effects by postcolumn infusion of a monitor substance in multiresidue analyses with LC-MS/MS" Anal. Chem. 2009, 81: 2185-92)。基準物質の信号レベルが周期的に(ターゲット検体の質量移動軌跡と交互に)記録される。この基準信号は、信号発生に影響を与える要因に関して測定値の補償のための複雑なデータ処理プロセスの支援とともに使用される。
上記文献による方法は、ターゲット検体と同じではないモニタ物質を使用する。ターゲット検体および基準物質は、これらのイオン化挙動に関して互いに相違しているため、この手法は、主として分析的に干渉傾向がある。適切な基準物質の研究は、挑戦的なものである。それは、ターゲット検体として、全ての環境下で同様な信号出力の変調を受ける物質を見つける必要があるためである。多くのターゲット検体にとって、この目的に適した物質は見つけられないことを想定する必要がある。さらに、周期的に記録した基準信号およびターゲット検体のピーク領域についての複雑な評価が要求され、即ち、最初に記録した質量スペクトルグラフからの評価および定量化が直接に可能でなく、または少なくとも干渉傾向がある。
こうして、いずれの場合も、検出境界を推定するために、検出器は常に正しく機能し、最適条件にあることが想定される。これらの2つの文献では、1つ又は複数のターゲット検体を参照して、質量分析システムによるこれらの正しい取得を点検するための分子の量の定量分析が開示されていない。
本発明の目的は、質量分析計または質量スペクトル分析の機能の点検を可能にし、及び/又は、イオン収量の変動補償を可能にする装置および方法を提供することである。
この目的は、質量分析計の機能を点検するテスト方法を提案する第1態様に従って達成される。本発明に係るテスト方法は、下記の作業ステップを含むことを特徴とする。
(a)クロマトグラフ分離システムの溶出液(eluate)および、既知の濃度を有するターゲット検体溶液を混合させるステップ。
(b)ステップ(a)で得られた混合物を、信号を出力する少なくとも1つの検出器を備えた質量分析計に投入するステップ。
(c)検出器信号に基づいて、質量スペクトルグラフを取得するステップ。その質量スペクトルグラフは、ターゲット検体の統合ラインおよび質量スペクトルグラフのピークを含む。
(d)ターゲット検体の統合ラインの上方にある、統合した質量スペクトルグラフのピーク領域Aおよび、ピーク統合ラインから垂直な下降ラインによって、ターゲット検体の統合ピーク領域Aの下方に見つかる領域Bを取得することによって、質量スペクトルグラフを評価するステップ。
(e)決定した質量スペクトルグラフ領域A,Bから、数学的関係を形成するステップ。
(f)数学的関係について閾値を決定するステップ。これは、質量スペクトル分析の許容品質の上側境界または下側境界を指定する。
(g)数学的関係と、決定した閾値の少なくとも1つとの比較に基づいて、質量スペクトル分析を許容または拒絶するステップ。
この目的は、質量分析でのイオン収量変動の補償する方法を提案する第2態様に従って達成される。本発明に係る補償方法は、下記の作業ステップを含むことを特徴とする。
(a)クロマトグラフ分離システムの溶出液および、既知の濃度を有するターゲット検体溶液を混合させるステップ。
(b)ステップ(a)で得られた混合物を、信号を出力する少なくとも1つの検出器を備えた質量分析計に投入するステップ。
(c)検出器信号に基づいて、質量スペクトルグラフを取得するステップ。その質量スペクトルグラフは、ターゲット検体の統合ラインおよび質量スペクトルグラフのピークを含む。
(d)ターゲット検体の統合ラインの上方にある、統合した質量スペクトルグラフのピーク領域Aおよび、ピーク統合ラインから垂直な下降ラインによって、ターゲット検体の統合ピーク領域Aの下方に見つかる領域Bを取得することによって、質量スペクトルグラフを評価するステップ。
(e)決定した質量スペクトルグラフ領域A,Bから、数学的関係を形成するステップ。
(f)検出器でのイオン収量の変動を補償するために、質量スペクトルグラフを評価するステップ。
この目的は、テスト方法及び/又は補償方法を実施するための装置を提案する更なる態様に従って達成される。本発明に係る装置は、下記の構成を備えることを特徴とする。
(a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ

(b)質量分析計の上流側に配置可能なT字部品。T字部品は、T字部品を質量分析計と接続するための第1接続部と、T字部品をポンプと接続するための第2接続部と、クロマトグラフ分離システムから溶出液を導入するための第3接続部とを備える。
(c)必要に応じて、フロー検出器。
この目的は、テスト方法及び/又は補償方法を実施するための装置を提案する更なる態様に従って達成される。本発明に係る装置は、下記の構成を備えることを特徴とする。
(a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ

(b)質量分析計の上流側に配置可能な供給ユニット。供給ユニットは、供給ユニットを質量分析計の上流側に配置された真空チャンバと接続するための第1接続部と、クロマトグラフ分離システムから溶出液を導入するための第2接続部を備えた第1投入導管と、供給ユニットをポンプと接続するための第3接続部とを備える。
(c)必要に応じて、フロー検出器。
この目的は、テスト方法及び/又は補償方法を実施するための装置を提案する更なる態様に従って達成される。本発明に係る装置は、下記の構成を備えることを特徴とする。
(a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ

(b)質量分析計の上流側に配置可能な混合ユニット。混合ユニットは、混合ユニットを質量分析計と接続するための第1接続部と、クロマトグラフ分離システムから溶出液を導入するための第2接続部を備えた第1投入導管と、混合ユニットをポンプと接続するための第3接続部とを備える。
(c)必要に応じて、フロー検出器。
追加の好ましい又は発明性の特徴が従属請求項から提供される。商A/B、B/A、A−B/AもしくはA/B、または差分log(A)−log(B)、または個々の逆数の形成が、ステップ(e)での数学的関係として好ましい。商A/Bの形成が、ステップ(e)での数学的関係として特に好ましい。
本発明は、概略的な図面および測定結果を参照してより詳細に説明する。説明した実施形態は、例として理解するためだけのものであり、本発明の範囲を限定しない。
ターゲット検体をクロマトグラフ分離システムの溶出液と混合するための(PCI(permanent post column infusion))システムの第1構成。 ターゲット検体をクロマトグラフ分離システムの溶出液と混合するための(PCI)システムの第2構成。 ターゲット検体をクロマトグラフ分離システムの溶出液と混合するための(PCI)システムの第3構成であり、質量分析計の上流側に減圧チャンバを備える。 ターゲット検体をクロマトグラフ分離システムの溶出液と混合するための(PCI)システムの第4構成。 説明した発明に係る評価用の質量スペクトルグラフ。これにより、クロマトグラフ分離システムの溶出液へのターゲット検体の連続追加によるベースライン上昇が存在するようになる。 図2に係る図示した技術的構成および説明した質量スペクトル評価方法を基礎とした、タクロリムス(tacrolimus)測定用の較正関数。
システム構成および質量スペクトル評価方法の組合せが、ターゲット検体の溶液を使用するだけで、質量分析法の内部標準化を実施するのが可能になることを見出した。
このシステム構成は、図1〜図4に示すように、ターゲット検体を、基準液としてのクロマトグラフ分離システムの溶出液と一定の流量で混合するために使用できる。代替として、ターゲット検体(定組成溶離(isocratic elution)を用いたクロマトグラフ法)は、クロマトグラフシステムの移動相(mobile phase)で溶解した状態で存在できる。
説明した構成によって、ターゲット検体は連続的な流量で検出器に供給されることが確保される。これにより質量分析計において連続的な「バックグランド」信号が出力される。ベースラインは、このプロセスで上昇し、実際の質量スペクトル分析の基礎となる、いわゆる「ベースライン・オフセット」が存在する。
本発明に係るテスト方法は、質量分析計の機能または性能(=性能または応答)を点検するために使用できる。本発明に係るテスト方法は、質量スペクトルグラフでのベースライン上昇に基づいており、これは個々のターゲット検体に関する個々の検出器の信号発生での変動の補償のためにも使用できる。
好ましくは、質量分析計の機能または性能の点検は、ターゲット検体溶液を基礎として、実際のサンプル分析の前または後で行う。既知の検体及び/又は未知の検体および既知のターゲット検体のサンプル混合物の同時分析は特に好ましく、その結果、現在の品質声明を各分析ごとに行うことができる。これは、ターゲット検体の分離溶液がクロマトグラフ分離システムの溶出液に連続的に混合されることで達成され、この混合物だけが質量分析計5の検出器5’に到達することになる。
この混合のいろいろな可能性について以下説明する。
クロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液へのターゲット検体の混合は、ポンプ4を用いてT字部品3を経由して行うことができる(図1参照)。このポンプ4が充分な貯蔵空間を有する場合(例えば、大きなシリンダ空間を持つピストンポンプの場合)、追加の貯蔵部4bはターゲット検体溶液にとって必要ではない。しかしながら、ターゲット検体溶液をT字部品3へ運ぶために蠕動(peristaltic)ポンプを使用する場合(貯蔵空間を有していない)、こうした貯蔵部4bの接続が必然となる。
ターゲット検体溶液を運ぶために高精度のシリンジポンプ4を使用する場合、三方弁4cが、T字部品3、貯蔵部4bおよびシリンジポンプ4の3つの接続間に好ましく配置される。機能点検または変動補償での使用に適したポンプが、圧電ポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプ(例えば、公知のLCポンプ)、蠕動ポンプを含むグループから好ましく選択される。こうしたポンプが、当業者にとって周知である(例えば、文献EP 0 956 449 B1の圧電ポンプ)。
本発明の更なる実施形態によれば、二重ノズル(米国特許第6465776B1号から知られている)または供給ユニット10(図3参照)を用いた、クロマトグラフ分離システムの溶出液とターゲット検体の分離溶液との同時投入がある。前記供給ユニット10は、互いに完全に分離した2つの投入導管8,9を備えており、一方の投入導管は、クロマトグラフ分離システム1,2の溶出液で充填され、他方の投入導管は、ポンプ4のターゲット検体溶液で充填される。この方法は、減圧チャンバ12を必要とし、これは質量分析計の上流側に設けられ、供給ユニット10と質量分析計5の間に配置される。ターゲット検体とクロマトグラフ分離システム1,2の溶出液との混合(二重矢印の記号で示す)は、前記上流真空チャンバ12においてのみ生ずる。この場合も、混合物のみが質量分析計5の検出器5’に到達する。四重極(quadrupole)イオンガイド(ここでは図示していないが、米国特許第6465776B1号から知られている)が、真空チャンバ12と質量分析計5との間に好ましく配置され、これにより個々の流体サンプルが、質量分析計に到達する前に、平行な軌跡で移送できる。
本発明の更なる実施形態によれば、混合ノズル(図4参照)を用いた、クロマトグラフ分離システム1,2の溶出液とターゲット検体溶液との同時投入がある。図3とは対照的に、この混合ユニット11は、互いに部分的に分離した2つの投入導管8,9を備えており、一方の投入導管は、クロマトグラフ分離システム1,2の溶出液で充填され、他方の投入導管には、ポンプ4からターゲット検体溶液が供給される。両方の投入導管が混合ユニット11の内部で互いに連結して、その結果、質量分析計の上流側に設けられる減圧チャンバを省略できる。この場合も、混合物のみが質量分析計5の検出器5’に到達する。
下記のことが一般に適用され、T字部品3または供給ユニット10または混合ユニット11、および別個のポンプ4による、ターゲット検体とクロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液との混合が、アイソクラチック(isocratic)法またはグラジエント(gradient)法において使用できる。
本発明の代替の実施形態によれば、ターゲット検体は、追加のポンプ4を必要とせずに、検体クロマトグラフシステム1,2の移動相に溶解可能である。これは、アイソクラチッククロマトグラフ分析の場合に可能である。
検体溶液(未知物なし)を用いてのみ、機能テストを実施することも可能である。
さらに、関連した制御システムを備えたフロー検出器13を、分離カラム2とT字部品3との間(図1と図2参照)、または分離カラム2と供給ユニット10もしくは混合ユニット11との間(図3と図4参照)に配置できる。クロマトグラフ分離システム1,2の通過するサンプルまたは溶出液が、このフロー検出器13の支援とともに連続的に分析される。T字部品3または供給ユニット10もしくは混合ユニット11へのターゲット検体の投入は、フロー検出器13への興味のあるサンプルの到着を決定するときに開始できる。興味のあるサンプルの終わりを決定するとき、ターゲット検体の投入を停止できる。時間ウインドウ14が、ターゲット検体投入の開始と終わりによって、質量スペクトルグラフの実行時間内に規定される(図5参照)。この時間ウインドウ14は、とても大きいことが好ましく、具体的には、予想した検体に対応した検出器信号が取り込まれる、質量スペクトルグラフの実行時間の興味のある部分をカバーするようにする。
ターゲット検体の検出器制御による供給の結果として、本発明に係るテスト方法または補償方法を実施するのに必要な、しばしば極めて高価なターゲット検体の量をかなり低減できる。これは、テスト方法または補償方法を実施するための装置が好ましいためであり、個々の制御を備えたフロー検出器13を備えており、フロー検出器13は、クロマトグラフ分離システム1,2とT字部品3との間、またはクロマトグラフ分離システム1,2と供給ユニット10もしくは混合ユニット11との間に、クロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液の光学分析のために配置される。特に好ましいフロー検出器13は、走査検出器(例えば、UV−VIS−NIR検出器)、屈折検出器、または蛍光検出器である。質量スペクトルグラフの実行時間より短い時間ウインドウ14の間に、一定の流量でのターゲット検体の連続供給は、テスト方法または補償方法を実施する本発明に係る装置の、図1〜図4に示す全ての実施形態において行うことができる。
ターゲット検体のこの供給は、前述のターゲット検体の検出器制御による供給の代替として、またはそれと組合せで、時間管理した方法でも行うことができる。これは、サンプル内に含まれる類似の多量の物質が質量分析計において分析されれば、特に有利であり、特に簡単な方法で実施できる。
好ましくは、ターゲット検体は、クロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液とともに混合場所に到達し、これは、ターゲット検体供給の際に、クロマトグラフ分離システム1,2からの興味のあるイベントがこの混合場所に到達する時間の少し前である。テスト方法または補償方法を実施するための装置の選択した実施形態に依存して、この混合場所は、T字部品3の内部に(図1と図2参照)、続いて供給ユニット10(図3の真空チャンバ12参照)もしくは混合ユニット11の内部に(図4参照)配置できる。
これらの前提条件でターゲット検体の供給のために充分な時間が利用できることを確保するために、その時間は、好ましくは延長され、クロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液がフロー検出器13から、選択した混合場所に到達するのに必要とされる。このシステムで一定流量の場合、フロー検出器13と、T字部品3の内部、続いて供給ユニット10もしくは混合ユニット11の内部での混合場所との間の経路の延長は、この指示の簡単な解決法を示している。こうした経路延長部15は、例えば、キャピラリ(HPLCキャピラリと同様)を用いて達成され、例えば、フロー検出器13とT字部品3の間に配置される。より大きい経路延長部15が必要である場合、キャピラリの巻き上げが可能である(図1参照)。代替及び/又は追加として、T字部品3の個々の入口突出部(inlet limb)は、延長してもよく、または、経路を延長する迷路(labyrinth)(不図示)を備えてもよい。
ターゲット検体の供給のためのポンプ4は、フロー検出器13で興味あるイベントを検出した場合、こうした装置において適時の動作に入ることができる。経路延長部15は、時間管理したターゲット検体供給においても好都合に使用可能である。
得られた質量スペクトルグラフの評価について、より詳細に説明する。
これらの質量スペクトルグラフの評価において、ターゲット検体のピーク領域A(実際の質量分析プロセスによって発生する)は、ベースポイント認識および面積計測の確立した方法によって取り込まれる。さらに、個々のピークの下方にある「ベース」(即ち、四角形の領域B)が取り込まれる(図5参照)。個々の分析の「応答」は、好ましくは、ピーク面積Aと、ピーク7の下方にある四角形のピーク面積Bの商として計算される。この領域Bは、ピーク7の統合ライン6、質量スペクトルグラフのベースラインおよび、ピーク統合ライン6の端部からベースラインに降りる下降ラインによって形成される(図5参照、領域A,B)。
ターゲット検体に関するイオン化効率が、検体ピーク7の溶出期間内で減少または増加した場合、記録したピーク領域Aの減少または増加が得られる。同様に、ピークの下方にあるベースの領域Bでの減少または増加も得られる。その結果、2つの面積の商A/Bは、瞬間的なイオン収量から独立するようになる。従って、この方法は、イオン収量の変動を相殺するのに適しており、分析前にサンプルに添加された内部標準物質を識別するためにも応用される。サンプルおよび溶出液での検体濃度が既知である場合、2つの面積の商A/B、または他の数学的関係、例えば、これらの面積の二乗の商A/B、または面積A,Bについて前述した他の数学的関係により、分析の品質宣言が作成できる。
説明した方法は、先行技術に対して関連した驚異の利点を提供するものであり、この目的のために内部標準化のための別個の物質を必要とすることなく、クロマトグラフおよび、特に質量スペクトル分析方法を発展させる可能性が提供されるからである。即ち、モニタ物質(移動相に添加、またはフローに追加されたポストカラム)は、説明した方法での個々のターゲット検体と同一である。
サンプル調製の範囲内での内部標準の添加を用いた内部標準化の従来の方法と比べて、サンプル調製時の労力低減が達成される。定量化のために、ただ1つの質量トラックを検体ごとに記録する必要がある質量スペクトル法の場合、更なる利点がある(特に、Stahnke et alによる方法と比較して)。ターゲット検体が移動相に溶解したシステム構成を使用した場合(ここで記載したように)、Stahnke et alによる方法に比べて、追加の機器品目を必要としないという関連する利点がある。
その信号伝達性質についてターゲット検体と極めて類似した基準物質の研究は、今日まで個々の方法の開発において関連する挑戦を示していた。即ち、適切な基準物質が見つからない場合、特定の質量スペクトル法の開発がしばしば全て失敗することになる。従って、本発明は、化学分析における定量的なクロマトグラフ/質量スペクトル分析法の応用可能性をかなり改善するものである。
この方法の機能的な成績は、一実施形態をベースとして、人間全血サンプルからの免疫抑制剤タクロリムス(tracrolimus)の測定により実証する。この目的のために、タンパク質沈殿の後、治療濃度の範囲内で4つの較正サンプルを使用した。これらの沈殿物は、LC−MS/MSを用いて分析した(この方法の説明:Michael et al. 2008 "Instrument-specific matrix effects of calibration materials in the LC-MS/MS analysis of tacrolimus" Clin. Chem. 54: 1406-8)。タクロリムスの溶液(100μg/l、メタノール/水、1/1)を、分析カラムと質量分析システムとの間の液体フローの中にT字部品を経由して5μl/分の流量で注入した。
図5は、その実行期間全体に渡って記録した質量スペクトルグラフを示す。これによると、タクロリムスに特有の質量移送が検出されている(母(mother)イオン821.5m/q、生成物イオン768.5m/q)。領域Aは、ピーク領域である。領域Bは、ピーク下方にあるベース領域であり、これは連続的なタクロリムス注入によって生じている。面積A,Bは、アナログ信号およびデジタル信号の両方、あるいは質量分析計の検出器のデータから計算可能である。
図6は、この質量スペクトル評価を基礎として用意した較正関数を示す。較正用サンプルの既知の検体濃度をX軸にとった。Y軸は、個々の応答を面A/面Bのピーク面積比として示す。ピーク面積応答と較正用濃度との間で直線的な関係が得られる。説明した原理を基礎として、このシリーズで分析した品質管理サンプルが、5.2μg/lの濃度内で製造者によって指定されたターゲット範囲内で見つかった。
質量分析でのイオン収量の変動を補償する方法について、特に好ましい実施形態は、下記の特徴を備える。
クロマトグラフ分析を定量化する際、信号発生ユニットでの変動を補償する差分(differentiated)クロマトグラフ分析方法は、信号発生ユニット(検出器)には、測定のターゲット検体の純粋の溶液が一連の分析中に連続的かつ一定の流量で供給されることを特徴とする。
さらに、こうしたクロマトグラフ分析方法は、好ましくは、バックグランド信号が、この方法でクロマトグラフ(=ベースライン評価、オフセット)において発生することを特徴とする。
さらに、こうしたクロマトグラフ分析方法は、好ましくは、ターゲット検体がクロマトグラフシステム(定組成溶離を用いた方法で)の移動相に溶解するようにして、ターゲット検体の連続供給が達成されことを特徴とし、あるいは、ターゲット検体の溶液が、基準物質として、連続的かつ一定の流量で、T字部品および第2ポンプユニットによって、分析分離カラムから末端へフローの中に混合されることを特徴とする。
さらに、こうしたクロマトグラフ分析方法は、好ましくは、クロマトグラフで達成されるベースライン上昇が、個々のターゲット検体に関する個々の検出器の信号発生の変動を補償するために利用されることを特徴とする。
さらに、こうしたクロマトグラフ分析方法は、好ましくは、ターゲット検体のピークの統合ラインの下方にある四角形が評価されることを特徴とする。
最後に、こうしたクロマトグラフ分析方法は、特に、ターゲット検体を定量化するために、評価方法において、ターゲット検体の統合したクロマトグラフピークの下方にあるピーク統合ラインからの垂直な下降ラインによって見つかる領域は、ターゲット検体を定量化する目的のために、ターゲット検体の統合ラインの上方にある統合ピーク領域との関係と関連付けられることを特徴とする。
図示し説明した実施形態の有用な組合せは、本発明の範囲に属する。
1 HPLCポンプ
2 分離カラム(1と2で、クロマトグラフ分離システム)
3 T字部品
4 ポンプ
4b 貯蔵部
4c 三方弁
5 質量分析計
5’ 符号5の信号発生検出器
6 統合ライン
7 質量スペクトルピーク
8 第1分離投入導管
9 第2分離投入導管
10 供給ユニット
11 混合ユニット
12 真空チャンバ
13 フロー検出器
14 時間ウインドウ
15 経路延長部
A ターゲット検体のピーク領域(統合ライン6の上方)
B 垂直下降ラインによる、符号7の統合ラインの下方にある領域(ベースライン上昇時)
(関連特許出願)
本件特許出願は、2009年6月25日付イツ優先権出願DE 10 2009 030 395.2号の優先権を主張するものであり、その全体内容が引用および参照表現により本願の中に含まれるべきである。
本発明は、量分析計の機能を点検する方法、量分析計での変動を補償する方法、および量分析計のためのこの機能点検および補償方法を実施するための装置に関する。
それは、定量化学分析の分野での発明に関する。生物医学的分析の分野から一実施形態が提供される。
クロマトグラフ、特に、クロマトグラフ質量分析の分析方法が、ライフサイエンスの分野、特に、臨床検査室診断、食品および環境分析で極めて重要である。その場合、血漿、血清、血液または尿などの生物学的サンプルが最初に調整され(例えば、タンパク質除去)、そして、クロマトグラフ(例えば、GC=ガスクロマトグラフ、LC=液体クロマトグラフ、HPLC=高圧または高速液体クロマトグラフ)によって分離される。そして、クロマトグラフ的に分別されたサンプルは、質量分析計の検出器に連続的に供給される。
大気圧イオン化を用いた質量分析計(例えば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)MS/MS)の場合、ターゲット検体は、検出のためにイオン化される。しかしながら、このイオン化は、個々のターゲット検体だけでなく、サンプルマトリクスからの大量の別の物質も検出する。従って、いずれの大気圧イオン化も極めて複雑な物理化学的現象を示し、複数の分子間相互作用を想定する必要がある。これは、特に「イオン化抑制」および「イオン化促進」の現象として表現される。サンプルマトリクスの成分は、多くの場合、より詳細には特定できず、個々のターゲット検体とともにイオン源の中に時間的に溶出し、ターゲット検体のイオン収量(ion yield)の減少および増加の両方をもたらす。同様に、イオン源およびイオン光学系の一部への堆積(帯電)は、システムのイオン化効率が一連の分析中にドリフトまたは時間経過とともに検出器信号の変動(いわゆる波打ち)を頻繁に示すという結果をもたらすこともある。
通常、較正サンプル(既知の検体濃度を持つ)がサンプル系列において分析され、較正サンプルに続いて「未知のサンプル」または「未知物」が定量化され、そして点検が行われる。こうした系列内で測定系列内のターゲット検体に関するイオン収量のドリフトが存在する場合、あるいは、イオン化特性が較正サンプルおよび未知物とは異なる場合、未知物の不正な測定結果が結論になることになる。
イオン収量の個々の変調効果を補償するためには、内部標準と称される物質が用いられる。これらの関連物質は、個々のターゲット検体にとって分子構造が可能な限り類似している必要がある。理想的には、ターゲット検体の安定した同位体標識された分子(例えば、4つの水素原子が重水素で交換されているコルチゾール分子)が、液体クロマトグラフ−タンデム式質量分析計(LC−MS/MS)を用いてコルチゾールを測定するための内部標準として適切である。較正サンプルや制御サンプルおよび未知物の分析系列において、正確に同じ量の個々の内部標準が、全サンプル(較正、制御および未知物)にサンプル処理の初期において追加される。その結果、ターゲット検体と内部標準との濃度比が各サンプルごとに出力され、その比はサンプル処理の途中で変化しない。質量分析サンプルの走行(run)において、ターゲット検体(例えば、MS/MS技術における衝突誘起によるイオン遷移)および内部標準の信号が交互に、または質量スペクトルグラフと同時に記録される。従って、2つの独立した質量スペクトルグラフが同じサンプル走行に記録される。
例えば、UV検出など、あまり特異的でない検出方法の場合、内部標準は、ターゲット検体とは異なる時刻で溶出するように選択する必要がある。この場合、2つのピーク領域が質量スペクトルグラフ中で決定される(検体および内部標準)。評価を定量化する目的で、内部標準および検体のピークの領域が決定される(所定の保持時間で)。ターゲット検体のピーク領域と内部標準のピーク領域との比は、個々の分析の応答として知られている。較正および定量化が、この応答(即ち、ピーク面積比)に基づいて実施される。この内部標準化の原理の結果として、サンプル間のイオン収量の変動が少なくとも部分的に平坦化される。しかしながら、このための前提条件は、ターゲット検体および内部標準のイオン化の挙動が、変調効果(「帯電」、マトリクス成分など)によって極めて類似した方法で影響されることである。
一方、定量化のための較正サンプルの使用が、調製および分析のための追加のコストをもたらす。他方では、こうした較正サンプルは、検体(未知物)の未知の濃度を持つサンプルの定性分析について直接的な証拠を提供しない。
上述のような、所定量の内部標準のサンプル自体への追加の代替として(同じ記録または同時記録された独立した記録における、質量スペクトル分析での2つの質量スペクトルピークの発生)、最近、基準液(reference solution)をクロマトグラフユニットの溶出液に連続的に混合して、イオン収量の変動補償を可能にする方法が記述されている(文献:Stahnke H, Reemtsma T, Alder L "Compensation of matrix effects by postcolumn infusion of a monitor substance in multiresidue analyses with LC-MS/MS" Anal. Chem. 2009, 81: 2185-92)。基準物質の信号レベルが周期的に(ターゲット検体の質量移動軌跡と交互に)記録される。この基準信号は、信号発生に影響を与える要因に関して測定値の補償のための複雑なデータ処理方法の支援とともに使用される。
上記文献による方法は、ターゲット検体と同じではないモニタ物質を使用する。ターゲット検体および基準物質は、これらのイオン化挙動に関して互いに相違しているため、この手法は、主として分析的に干渉傾向がある。適切な基準物質の研究は、挑戦的なものである。それは、ターゲット検体として、全ての環境下で同様な信号出力の変調を受ける物質を見つける必要があるためである。多くのターゲット検体にとって、この目的に適した物質は見つけられないことを想定する必要がある。さらに、周期的に記録した基準信号およびターゲット検体のピーク領域についての複雑な評価が要求され、即ち、最初に記録した質量スペクトルグラフからの評価および定量化が直接に可能でなく、または少なくとも干渉傾向がある。
文献("Introduction To Mass Spectrometry" (Watson & Sparkmann 2007, 4th Edition of John Wiley & Sons Ltd., pages 131-135 and pages 618-622))から、分子(m/z)の質量/電荷比およびこれらの正しい取得(capture)を常に参照する較正が知られている。ある範囲(イオン化方法としてMALDIを使用した場合)についての質量の較正を、質量スペクトルグラフの取得中に「内部較正」として適用してもよい。こうして検出した分子の分子質量が正しく取得されたかが分析される(測定したm/zと比較したときに予想されるm/z)。文献("How Counting Statistics Controls Detection Limits and Peak Precision" (Gedke, Application Note PerkinElmer Instruments, cited in the Internet on July 20, 2001, pages 1-15))は、詳細に、そして種々の数学モデルを採用することによって、測定したスペクトルコースの性質および重要性に対するバックグランド信号の影響を検討している。
こうして、いずれの場合も、検出境界を推定するために、検出器は常に正しく機能し、最適条件にあることが想定される。これらの2つの文献では、1つ又は複数のターゲット検体を参照して、質量分析システムによるこれらの正しい取得を点検するための分子の量の定量分析が開示されていない。
本発明の目的は、質量分析計または質量スペクトル分析の機能の点検を可能にし、及び/又は、イオン収量の変動補償を可能にする装置および方法を提供することである。
この目的は、質量分析計の機能を点検するテスト方法を提案する第1態様に従って達成される。本発明に係るテスト方法は、下記の作業ステップを含むことを特徴とする。
(a)クロマトグラフ分離システムの溶出液(eluate)を質量分析計に供給するステップ。
(b)別個のターゲット検体溶液を、質量分析計に供給されるクロマトグラフ分離システムの溶出液と連続混合させるステップ。別個のターゲット検体溶液は、既知の濃度を有し、一定の流量(flow rate)で混合される。
(c)ステップ()で得られた混合物を、信号を出力する少なくとも1つの検出器を備えた質量分析計に投入し、ステップ(b)で得られた混合物についての検出器信号を発生するステップ。
(d)ステップ(c)で発生した検出器信号に基づいて、質量スペクトルグラフを取得するステップ。その質量スペクトルグラフは、ターゲット検体の統合ラインおよび質量スペクトルグラフのピークを含み、この統合ラインは、持続するバックグランド信号であり、溶出液の質量スペクトル分析にとって基礎となる
(e)ターゲット検体の統合ラインの上方にある、統合した質量スペクトルグラフのピーク領域Aおよび、ピーク統合ラインから垂直な下降ラインによって、ターゲット検体の統合ピーク領域Aの下方に見つかる領域Bを取得することによって、ステップ(d)で得られた質量スペクトルグラフを評価するステップ。
(f)ステップ(e)で評価し、決定した質量スペクトルグラフ領域A,Bから、数学的関係を形成するステップ。
(g)ステップ(f)で形成した数学的関係について閾値を決定するステップ。この閾値は、質量スペクトル分析の許容品質の上側境界または下側境界を指定する。
(h)ステップ(f)で形成した数学的関係と、ステップ(g)で決定した閾との比較に基づいて、サンプルの質量スペクトル分析を許容または拒絶するステップ。
この目的は、質量分析でのイオン収量変動の補償する方法を提案する第2態様に従って達成される。本発明に係る補償方法は、下記の作業ステップを含むことを特徴とする。
(a)クロマトグラフ分離システムの溶出液を質量分析計に供給するステップ。
(b)別個のターゲット検体溶液を、質量分析計に供給されるクロマトグラフ分離システムの溶出液と連続混合させるステップ。別個のターゲット検体溶液は、既知の濃度を有し、一定の流量で混合される。
(c)ステップ()で得られた混合物を、信号を出力する少なくとも1つの検出器を備えた質量分析計に投入し、ステップ(b)で得られた混合物についての検出器信号を発生するステップ。
(d)ステップ(c)で発生した検出器信号に基づいて、質量スペクトルグラフを取得するステップ。その質量スペクトルグラフは、ターゲット検体の統合ラインおよび質量スペクトルのピークを含み、この統合ラインは、持続するバックグランド信号であり、溶出液の質量スペクトル分析にとって基礎となる
(e)ターゲット検体の統合ラインの上方にある、統合した質量スペクトルグラフのピーク領域Aおよび、ピーク統合ラインから垂直な下降ラインによって、ターゲット検体の統合ピーク領域Aの下方に見つかる領域Bを取得することによって、ステップ(d)で得られた質量スペクトルグラフを評価するステップ。
(f)ステップ(e)で評価し、決定した質量スペクトルグラフ領域A,Bから、数学的関係を形成するステップ。
(g)検出器でのイオン収量の変動を補償するために、質量スペクトルグラフを評価するステップ。
この目的は、テスト方法及び/又は補償方法を実施するための装置を提案する更なる態様に従って達成される。本発明に係る装置は、下記の構成を備えることを特徴とする。
(a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ

(b)質量分析計の上流側に配置されたT字部品。T字部品は、T字部品を質量分析計と接続するための第1接続部と、T字部品をポンプと接続するための第2接続部と、クロマトグラフ分離システムから溶出液を導入するための第3接続部とを備える。
(c)必要に応じて、フロー検出器。
この目的は、テスト方法及び/又は補償方法を実施するための装置を提案する更なる態様に従って達成される。本発明に係る装置は、下記の構成を備えることを特徴とする。
(a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ

(b)質量分析計の上流側に配置された供給ユニット。供給ユニットは、供給ユニットを質量分析計の上流側に配置された真空チャンバと接続するための第1接続部と、クロマトグラフ分離システムから溶出液を導入するための第2接続部を備えた第1投入導管と、供給ユニットをポンプと接続するための第3接続部とを備える。
(c)必要に応じて、フロー検出器。
この目的は、テスト方法及び/又は補償方法を実施するための装置を提案する更なる態様に従って達成される。本発明に係る装置は、下記の構成を備えることを特徴とする。
(a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ

(b)質量分析計の上流側に配置された混合ユニット。混合ユニットは、混合ユニットを質量分析計と接続するための第1接続部と、クロマトグラフ分離システムから溶出液を導入するための第2接続部を備えた第1投入導管と、混合ユニットをポンプと接続するための第3接続部とを備える。
(c)必要に応じて、フロー検出器。
追加の好ましい及び/又は発明性の特徴が従属請求項から提供される。こうして商A/B、B/A、A−B/AもしくはA/B、または差分log(A)−log(B)、または個々の逆数の形成が、ステップ(e)での数学的関係として好ましい。各々の場合、商A/Bの形成が、ステップ()での数学的関係として特に好ましい。
本発明は、概略的な図面および測定結果を参照してより詳細に説明する。説明した実施形態は、例として理解するためだけのものであり、本発明の範囲を限定しない。
ターゲット検体をクロマトグラフ分離システムの溶出液と混合するための(PCI(permanent post column infusion))システムの第1構成。 ターゲット検体をクロマトグラフ分離システムの溶出液と混合するための(PCI)システムの第2構成。 ターゲット検体をクロマトグラフ分離システムの溶出液と混合するための(PCI)システムの第3構成であり、質量分析計の上流側に減圧チャンバを備える。 ターゲット検体をクロマトグラフ分離システムの溶出液と混合するための(PCI)システムの第4構成。 説明した発明に係る評価用の質量スペクトルグラフ。これにより、クロマトグラフ分離システムの溶出液へのターゲット検体の連続追加によるベースライン上昇が存在するようになる。 図2に係る図示した技術的構成および説明した質量スペクトル評価方法を基礎とした、タクロリムス(tacrolimus)測定用の較正関数。
システム構成および質量スペクトル評価方法の組合せが、ターゲット検体の溶液を使用するだけで、質量分析法の内部標準化を実施するのが可能になることを見出した。
このシステム構成は、図1〜図4に示すように、ターゲット検体を、基準液としてのクロマトグラフ分離システムの溶出液と一定の流量で混合するために使用できる。代替として、ターゲット検体(定組成溶離(isocratic elution)を用いたクロマトグラフ法)は、クロマトグラフシステムの移動相(mobile phase)で溶解した状態で存在できる。
説明した構成によって、ターゲット検体は連続的な流量で検出器に供給されることが確保される。これにより質量分析計において連続的な「バックグランド」信号が出力される。ベースラインは、このプロセスで上昇し、実際の質量スペクトル分析の基礎となる、いわゆる「ベースライン・オフセット」が存在する。
本発明に係るテスト方法は、質量分析計の機能または性能(=性能または応答)を点検するために使用できる。本発明に係るテスト方法は、質量スペクトルグラフでのベースライン上昇に基づいており、これは個々のターゲット検体に関する個々の検出器の信号発生での変動の補償のためにも使用できる。
好ましくは、質量分析計の機能または性能の点検は、ターゲット検体溶液を基礎として、実際のサンプル分析の前または後で行う。既知の検体及び/又は未知の検体および既知のターゲット検体のサンプル混合物の同時分析は特に好ましく、その結果、現在の品質声明を各分析ごとに行うことができる。これは、ターゲット検体の分離溶液がクロマトグラフ分離システムの溶出液に連続的に混合されることで達成され、この混合物だけが質量分析計5の検出器5’に到達することになる。
この混合のいろいろな可能性について以下説明する。
クロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液へのターゲット検体の混合は、ポンプ4を用いてT字部品3を経由して行うことができる(図1参照)。このポンプ4が充分な貯蔵空間を有する場合(例えば、大きなシリンダ空間を持つピストンポンプの場合)、追加の貯蔵部4bはターゲット検体溶液にとって必要ではない。しかしながら、ターゲット検体溶液をT字部品3へ運ぶために蠕動(peristaltic)ポンプを使用する場合(貯蔵空間を有していない)、こうした貯蔵部4bの接続が必然となる。
ターゲット検体溶液を運ぶために高精度のシリンジポンプ4を使用する場合、三方弁4cが、T字部品3、貯蔵部4bおよびシリンジポンプ4の3つの接続間に好ましく配置される。機能点検または変動補償での使用に適したポンプが、圧電ポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプ(例えば、公知のLCポンプ)、蠕動ポンプを含むグループから好ましく選択される。こうしたポンプが、当業者にとって周知である(例えば、文献EP 0 956 449 B1の圧電ポンプ)。
本発明の更なる実施形態によれば、二重ノズル(米国特許第6465776B1号から知られている)または供給ユニット10(図3参照)を用いた、クロマトグラフ分離システムの溶出液とターゲット検体の分離溶液との同時投入がある。前記供給ユニット10は、互いに完全に分離した2つの投入導管8,9を備えており、一方の投入導管は、クロマトグラフ分離システム1,2の溶出液で充填され、他方の投入導管は、ポンプ4のターゲット検体溶液で充填される。この方法は、減圧チャンバ12を必要とし、これは質量分析計の上流側に設けられ、供給ユニット10と質量分析計5の間に配置される。ターゲット検体とクロマトグラフ分離システム1,2の溶出液との混合(二重矢印の記号で示す)は、前記上流真空チャンバ12においてのみ生ずる。この場合も、混合物のみが質量分析計5の検出器5’に到達する。四重極(quadrupole)イオンガイド(ここでは図示していないが、米国特許第6465776B1号から知られている)が、真空チャンバ12と質量分析計5との間に好ましく配置され、これにより個々の流体サンプルが、質量分析計に到達する前に、平行な軌跡で移送できる。
本発明の更なる実施形態によれば、混合ノズル(図4参照)を用いた、クロマトグラフ分離システム1,2の溶出液とターゲット検体溶液との同時投入がある。図3とは対照的に、この混合ユニット11は、互いに部分的に分離した2つの投入導管8,9を備えており、一方の投入導管は、クロマトグラフ分離システム1,2の溶出液で充填され、他方の投入導管には、ポンプ4からターゲット検体溶液が供給される。両方の投入導管が混合ユニット11の内部で互いに連結して、その結果、質量分析計の上流側に設けられる減圧チャンバを省略できる。この場合も、混合物のみが質量分析計5の検出器5’に到達する。
下記のことが一般に適用され、T字部品3または供給ユニット10または混合ユニット11、および別個のポンプ4による、ターゲット検体とクロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液との混合が、アイソクラチック(isocratic)法またはグラジエント(gradient)法において使用できる。
本発明の代替の実施形態によれば、ターゲット検体は、追加のポンプ4を必要とせずに、検体クロマトグラフシステム1,2の移動相に溶解可能である。これは、アイソクラチッククロマトグラフ分析の場合に可能である。
検体溶液(未知物なし)を用いてのみ、機能テストを実施することも可能である。
さらに、関連した制御システムを備えたフロー検出器13を、分離カラム2とT字部品3との間(図1と図2参照)、または分離カラム2と供給ユニット10もしくは混合ユニット11との間(図3と図4参照)に配置できる。クロマトグラフ分離システム1,2の通過するサンプルまたは溶出液が、このフロー検出器13の支援とともに連続的に分析される。T字部品3または供給ユニット10もしくは混合ユニット11へのターゲット検体の投入は、フロー検出器13への興味のあるサンプルの到着を決定するときに開始できる。興味のあるサンプルの終わりを決定するとき、ターゲット検体の投入を停止できる。時間ウインドウ14が、ターゲット検体投入の開始と終わりによって、質量スペクトルグラフの実行時間内に規定される(図5参照)。この時間ウインドウ14は、とても大きいことが好ましく、具体的には、予想した検体に対応した検出器信号が取り込まれる、質量スペクトルグラフの実行時間の興味のある部分をカバーするようにする。
ターゲット検体の検出器制御による供給の結果として、本発明に係るテスト方法または補償方法を実施するのに必要な、しばしば極めて高価なターゲット検体の量をかなり低減できる。これは、テスト方法または補償方法を実施するための装置が好ましいためであり、個々の制御を備えたフロー検出器13を備えており、フロー検出器13は、クロマトグラフ分離システム1,2とT字部品3との間、またはクロマトグラフ分離システム1,2と供給ユニット10もしくは混合ユニット11との間に、クロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液の光学分析のために配置される。特に好ましいフロー検出器13は、走査検出器(例えば、UV−VIS−NIR検出器)、屈折検出器、または蛍光検出器である。質量スペクトルグラフの実行時間より短い時間ウインドウ14の間に、一定の流量でのターゲット検体の連続供給は、テスト方法または補償方法を実施する本発明に係る装置の、図1〜図4に示す全ての実施形態において行うことができる。
ターゲット検体のこの供給は、前述のターゲット検体の検出器制御による供給の代替として、またはそれと組合せで、時間管理した方法でも行うことができる。これは、サンプル内に含まれる類似の多量の物質が質量分析計において分析されれば、特に有利であり、特に簡単な方法で実施できる。
好ましくは、ターゲット検体は、クロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液とともに混合場所に到達し、これは、ターゲット検体供給の際に、クロマトグラフ分離システム1,2からの興味のあるイベントがこの混合場所に到達する時間の少し前である。テスト方法または補償方法を実施するための装置の選択した実施形態に依存して、この混合場所は、T字部品3の内部に(図1と図2参照)、続いて供給ユニット10(図3の真空チャンバ12参照)もしくは混合ユニット11の内部に(図4参照)配置できる。
これらの前提条件でターゲット検体の供給のために充分な時間が利用できることを確保するために、その時間は、好ましくは延長され、クロマトグラフ分離システム1,2からの溶出液がフロー検出器13から、選択した混合場所に到達するのに必要とされる。このシステムで一定流量の場合、フロー検出器13と、T字部品3の内部、続いて供給ユニット10もしくは混合ユニット11の内部での混合場所との間の経路の延長は、この指示の簡単な解決法を示している。こうした経路延長部15は、例えば、キャピラリ(HPLCキャピラリと同様)を用いて達成され、例えば、フロー検出器13とT字部品3の間に配置される。より大きい経路延長部15が必要である場合、キャピラリの巻き上げが可能である(図1参照)。代替及び/又は追加として、T字部品3の個々の入口突出部(inlet limb)は、延長してもよく、または、経路を延長する迷路(labyrinth)(不図示)を備えてもよい。
ターゲット検体の供給のためのポンプ4は、フロー検出器13で興味あるイベントを検出した場合、こうした装置において適時の動作に入ることができる。経路延長部15は、時間管理したターゲット検体供給においても好都合に使用可能である。
得られた質量スペクトルグラフの評価について、より詳細に説明する。
これらの質量スペクトルグラフの評価において、ターゲット検体のピーク領域A(実際の質量分析プロセスによって発生する)は、ベースポイント認識および面積計測の確立した方法によって取り込まれる。さらに、個々のピークの下方にある「ベース」(即ち、四角形の領域B)が取り込まれる(図5参照)。個々の分析の「応答」は、好ましくは、ピーク面積Aと、ピーク7の下方にある四角形のピーク面積Bの商として計算される。この領域Bは、ピーク7の統合ライン6、質量スペクトルグラフのベースラインおよび、ピーク統合ライン6の端部からベースラインに降りる下降ラインによって形成される(図5参照、領域A,B)。
ターゲット検体に関するイオン化効率が、検体ピーク7の溶出期間内で減少または増加した場合、記録したピーク領域Aの減少または増加が得られる。同様に、ピークの下方にあるベースの領域Bでの減少または増加も得られる。その結果、2つの面積の商A/Bは、瞬間的なイオン収量から独立するようになる。従って、この方法は、イオン収量の変動を相殺するのに適しており、分析前にサンプルに添加された内部標準物質を識別するためにも応用される。サンプルおよび溶出液での検体濃度が既知である場合、2つの面積の商A/B、または他の数学的関係、例えば、これらの面積の二乗の商A/B、または面積A,Bについて前述した他の数学的関係により、分析の品質宣言が作成できる。
説明した方法は、先行技術に対して関連した驚異の利点を提供するものであり、この目的のために内部標準化のための別個の物質を必要とすることなく、クロマトグラフおよび、特に質量スペクトル分析方法を発展させる可能性が提供されるからである。即ち、モニタ物質(移動相に添加、またはフローに追加されたポストカラム)は、説明した方法での個々のターゲット検体と同一である。
サンプル調製の範囲内での内部標準の添加を用いた内部標準化の従来の方法と比べて、サンプル調製時の労力低減が達成される。定量化のために、ただ1つの質量トラックを検体ごとに記録する必要がある質量スペクトル法の場合、更なる利点がある(特に、Stahnke et alによる方法と比較して)。ターゲット検体が移動相に溶解したシステム構成を使用した場合(ここで記載したように)、Stahnke et alによる方法に比べて、追加の機器品目を必要としないという関連する利点がある。
その信号伝達性質についてターゲット検体と極めて類似した基準物質の研究は、今日まで個々の方法の開発において関連する挑戦を示していた。即ち、適切な基準物質が見つからない場合、特定の質量スペクトル法の開発がしばしば全て失敗することになる。従って、本発明は、化学分析における定量的なクロマトグラフ/質量スペクトル分析法の応用可能性をかなり改善するものである。
この方法の機能的な成績は、一実施形態をベースとして、人間全血サンプルからの免疫抑制剤タクロリムス(tracrolimus)の測定により実証する。この目的のために、タンパク質沈殿の後、治療濃度の範囲内で4つの較正サンプルを使用した。これらの沈殿物は、LC−MS/MSを用いて分析した(この方法の説明:Michael et al. 2008 "Instrument-specific matrix effects of calibration materials in the LC-MS/MS analysis of tacrolimus" Clin. Chem. 54: 1406-8)。タクロリムスの溶液(100μg/l、メタノール/水、1/1)を、分析カラムと質量分析システムとの間の液体フローの中にT字部品を経由して5μl/分の流量で注入した(図1による)
図5は、その実行期間全体に渡って記録した質量スペクトルグラフを示す。これによると、タクロリムスに特有の質量移送が検出されている(母(mother)イオン821.5m/q、生成物イオン768.5m/q)。領域Aは、ピーク領域である。領域Bは、ピーク下方にあるベース領域であり、これは連続的なタクロリムス注入によって生じている。面積A,Bは、アナログ信号およびデジタル信号の両方、あるいは質量分析計の検出器のデータから計算可能である。
図6は、この質量スペクトル評価を基礎として用意した較正関数を示す。較正用サンプルの既知の検体濃度をX軸にとった。Y軸は、個々の応答を面A/面Bのピーク面積比として示す。ピーク面積応答と較正用濃度との間で直線的な関係が得られる。説明した原理を基礎として、このシリーズで分析した品質管理サンプルが、5.2μg/lの濃度内で製造者によって指定されたターゲット範囲内で見つかった。
質量分析でのイオン収量の変動を補償する方法について、特に好ましい実施形態は、下記の特徴を備える。
クロマトグラフ分析を定量化する際、信号発生ユニットでの変動を補償する差分(differentiated)クロマトグラフ分析方法は、信号発生ユニット(検出器)には、測定のターゲット検体の純粋の溶液が一連の分析中に連続的かつ一定の流量で供給されることを特徴とする。
さらに、こうしたクロマトグラフ分析方法は、好ましくは、バックグランド信号が、この方法でクロマトグラフ(=ベースライン評価、オフセット)において発生することを特徴とする。
さらに、こうしたクロマトグラフ分析方法は、好ましくは、ターゲット検体がクロマトグラフシステム(定組成溶離を用いた方法で)の移動相に溶解するようにして、ターゲット検体の連続供給が達成されことを特徴とし、あるいは、ターゲット検体の溶液が、基準物質として、連続的かつ一定の流量で、T字部品および第2ポンプユニットによって、分析分離カラムから末端へフローの中に混合されることを特徴とする。
さらに、こうしたクロマトグラフ分析方法は、好ましくは、クロマトグラフで達成されるベースライン上昇が、個々のターゲット検体に関する個々の検出器の信号発生の変動を補償するために利用されることを特徴とする。
さらに、こうしたクロマトグラフ分析方法は、好ましくは、ターゲット検体のピークの統合ラインの下方にある四角形が評価されることを特徴とする。
最後に、特に好ましくは、こうしたクロマトグラフ分析方法はターゲット検体を定量化するために、評価方法において、ターゲット検体の統合したクロマトグラフピークの下方にあるピーク統合ラインからの垂直な下降ラインによって見つかる領域は、ターゲット検体を定量化する目的のために、ターゲット検体の統合ラインの上方にある統合ピーク領域との関係と関連付けられることを特徴とする。
図示し説明した実施形態の有用な組合せは、本発明の範囲に属する。
1 HPLCポンプ
2 分離カラム(1と2で、クロマトグラフ分離システム)
3 T字部品
4 ポンプ
4b 貯蔵部
4c 三方弁
5 質量分析計
5’ 符号5の信号発生検出器
6 統合ライン
7 質量スペクトルピーク
8 第1分離投入導管
9 第2分離投入導管
10 供給ユニット
11 混合ユニット
12 真空チャンバ
13 フロー検出器
14 時間ウインドウ
15 経路延長部
A ターゲット検体のピーク領域(統合ライン6の上方)
B 垂直下降ラインによる、符号7の統合ラインの下方にある領域(ベースライン上昇時)

Claims (32)

  1. 質量分析計(5)の機能を点検するテスト方法であって、
    (a)クロマトグラフ分離システム(1,2)の溶出液を質量分析計(5)に供給するステップと、
    (b)別個のターゲット検体溶液を、質量分析計に供給されるクロマトグラフ分離システム(1,2)の溶出液と連続的に混合させるステップであって、別個のターゲット検体溶液は、既知の濃度を有し、一定の流量で混合されるようにしたステップと、
    (c)ステップ(b)で得られた混合物を、信号を出力する少なくとも1つの検出器(5’)を備えた質量分析計(5)に投入し、ステップ(b)で得られた混合物についての検出器信号を発生するステップと、
    (d)ステップ(c)で発生した検出器信号に基づいて、質量スペクトルグラフを取得するステップであって、その質量スペクトルグラフは、ターゲット検体の統合ライン(6)および質量スペクトルグラフのピーク(7)を含み、この統合ラインは、持続するバックグランド信号であり、溶出液の質量スペクトル分析にとって基礎となるようにしたステップと、
    (e)ターゲット検体の統合ライン(6)の上方にある、統合した質量スペクトルグラフのピーク領域(A)および、ピーク統合ライン(6)から垂直な下降ラインによって、ターゲット検体の統合ピーク領域(A)の下方に見つかる領域(B)を取得することによって、ステップ(d)で得られた質量スペクトルグラフを評価するステップと、
    (f)ステップ(e)で評価し、決定した質量スペクトルグラフ領域(A)(B)から、数学的関係を形成するステップと、
    (g)ステップ(f)で形成した数学的関係について閾値を決定するステップであって、この閾値は、質量スペクトル分析の許容品質の境界を指定するようにしたステップと、
    (h)ステップ(f)で形成した数学的関係と、ステップ(g)で決定した閾値との比較に基づいて、サンプルの質量スペクトル分析を許容または拒絶するステップと、
    を含むことを特徴とするテスト方法。
  2. 質量分析でのイオン収量変動の補償する方法であって、
    (a)クロマトグラフ分離システム(1,2)の溶出液を質量分析計(5)に供給するステップと、
    (b)別個のターゲット検体溶液を、質量分析計に供給されるクロマトグラフ分離システムの溶出液と連続的に混合させるステップであって、別個のターゲット検体溶液は、既知の濃度を有し、一定の流量で混合されるようにしたステップと、
    (c)ステップ(b)で得られた混合物を、信号を出力する少なくとも1つの検出器(5’)を備えた質量分析計(5)に投入し、ステップ(b)で得られた混合物についての検出器信号を発生するステップと、
    (d)ステップ(c)で発生した検出器信号に基づいて、質量スペクトルグラフを取得するステップであって、その質量スペクトルグラフは、ターゲット検体の統合ライン(6)および質量スペクトルのピーク(7)を含み、この統合ラインは、持続するバックグランド信号であり、溶出液の質量スペクトル分析にとって基礎となるようにしたステップと、
    (e)ターゲット検体の統合ライン(6)の上方にある、統合した質量スペクトルグラフのピーク領域(A)および、ピーク統合ライン(6)から垂直な下降ラインによって、ターゲット検体の統合ピーク領域(A)の下方に見つかる領域(B)を取得することによって、ステップ(d)で得られた質量スペクトルグラフを評価するステップと、
    (f)ステップ(e)で評価し、決定した質量スペクトルグラフ領域(A)(B)から、数学的関係を形成するステップと、
    (g)検出器(5’)でのイオン収量の変動を補償するために、質量スペクトルグラフを評価するステップと、
    を含むことを特徴とする補償方法。
  3. 数学的関係は、商(A/B)、(B/A)、(A−B/A)もしくは(A/B)、および差分[log(A)−log(B)]、およびその個々の逆数の値を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1記載のテスト方法。
  4. 数学的関係は、商(A/B)で規定されることを特徴とする請求項1記載のテスト方法。
  5. ターゲット検体の連続的供給は、質量スペクトルグラフの実行時間より短い時間ウインドウ(14)の間に、一定の流量で行われることを特徴とする請求項1記載のテスト方法。
  6. ターゲット検体の連続的供給は、質量分析計(5)の上流側に配置されたT字部品(3)と機能接続されたポンプ(4)によって行われることを特徴とする請求項1記載のテスト方法。
  7. ターゲット検体が、クロマトグラフ分離システム(1,2)の移動相に溶解していることを特徴とする請求項1記載のテスト方法。
  8. ターゲット検体の別個の溶液およびクロマトグラフ分離システム(1,2)の溶出液は、質量スペクトル分析の際に一定の流量で、分離した投入導管(8,9)を経由して供給ユニット(10)、真空チャンバ(12)および質量スペクトル分析に連続的に供給されることを特徴とする請求項1記載のテスト方法。
  9. ターゲット検体の別個の溶液およびクロマトグラフ分離システム(1,2)の溶出液は、質量スペクトル分析の際に一定の流量で、合流する投入導管(8,9)を経由して混合ユニット(11)に連続的に供給され、前記混合ユニットでは互いに混合され、そして、質量スペクトル分析に供給されることを特徴とする請求項1記載のテスト方法。
  10. ターゲット検体の連続的供給は、質量スペクトルグラフの実行時間より短い時間ウインドウ(14)の間に、一定の流量で行われることを特徴とする請求項8記載のテスト方法。
  11. 数学的関係は、商(A/B)、(B/A)、(A−B/A)もしくは(A/B)、および差分[log(A)−log(B)]、およびその個々の逆数の値を含むグループから選択されることを特徴とする請求項2記載の補償方法。
  12. 数学的関係は、商(A/B)で規定されることを特徴とする請求項2記載の補償方法。
  13. ターゲット検体の連続的供給は、質量スペクトルグラフの実行時間より短い時間ウインドウ(14)の間に、一定の流量で行われることを特徴とする請求項1記載の補償方法。
  14. ターゲット検体の連続的供給は、質量分析計(5)の上流側に配置されたT字部品(3)と機能接続されたポンプ(4)によって行われることを特徴とする請求項2記載の補償方法。
  15. ターゲット検体が、クロマトグラフ分離システム(1,2)の移動相に溶解していることを特徴とする請求項2記載の補償方法。
  16. ターゲット検体の別個の溶液およびクロマトグラフ分離システム(1,2)の溶出液は、質量スペクトル分析の際に一定の流量で、分離した投入導管(8,9)を経由して供給ユニット(10)、真空チャンバ(12)および質量スペクトル分析に連続的に供給されることを特徴とする請求項2記載の補償方法。
  17. ターゲット検体の別個の溶液およびクロマトグラフ分離システム(1,2)の溶出液は、質量スペクトル分析の際に一定の流量で、合流する投入導管(8,9)を経由して混合ユニット(11)に連続的に供給され、前記混合ユニットでは互いに混合され、そして、質量スペクトル分析に供給されることを特徴とする請求項2記載の補償方法。
  18. ターゲット検体の連続的供給は、質量スペクトルグラフの実行時間より短い時間ウインドウ(14)の間に、一定の流量で行われることを特徴とする請求項17記載の補償方法。
  19. 請求項1記載のテスト方法を実施するための装置であって、
    (a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ(4)と、
    (b)質量分析計の上流側に配置されたT字部品(3)であって、T字部品(3)を質量分析計(5)と接続するための第1接続部と、T字部品をポンプ(4)と接続するための第2接続部と、クロマトグラフ分離システム(1,2)から溶出液を導入するための第3接続部とを含むT字部品(3)と、
    (c)必要に応じて、フロー検出器(13)とを備えることを特徴とする装置。
  20. 請求項8記載のテスト方法を実施するための装置であって、
    (a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ(4)と、
    (b)質量分析計(5)の上流側に配置された供給ユニット(10)であって、供給ユニット(10)を質量分析計(5)の上流側に配置された真空チャンバ(12)と接続するための第1接続部と、クロマトグラフ分離システム(1,2)から溶出液を導入するための第2接続部を備えた第1投入導管(8)と、供給ユニット(10)をポンプ(4)と接続するための第3接続部とを含むT字部品(3)と、
    (c)必要に応じて、フロー検出器(13)とを備えることを特徴とする装置。
  21. 請求項9記載のテスト方法を実施するための装置であって、
    (a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ(4)と、
    (b)質量分析計(5)の上流側に配置された混合ユニット(11)であって、混合ユニット(11)を質量分析計(5)と接続するための第1接続部と、クロマトグラフ分離システム(1,2)から溶出液を導入するための第2接続部を備えた第1投入導管(8)と、混合ユニット(11)をポンプ(4)と接続するための第3接続部とを含む混合ユニット(11)と、
    (c)必要に応じて、フロー検出器(13)とを備えることを特徴とする装置。
  22. ターゲット検体溶液のための貯蔵部(4b)をさらに備えることを特徴とする請求項19記載の装置。
  23. ポンプ(4)および貯蔵部(4b)と、T字部品(3)または供給ユニット(10)または混合ユニット(11)との間に配置された三方弁(4c)をさらに備えることを特徴とする請求項22記載の装置。
  24. ポンプは、圧電ポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプおよび蠕動ポンプを含むグループから選択されることを特徴とする請求項19記載の装置。
  25. 関連した制御を備えたフロー検出器(13)を備え、
    フロー検出器(13)は、クロマトグラフ分離システム(1,2)とT字部品(3)との間、またはクロマトグラフ分離システム(1,2)と供給ユニット(10)との間、またはクロマトグラフ分離システム(1,2)と混合ユニット11との間に配置され、クロマトグラフ分離システム(1,2)からの溶出液の光学分析のために構成されていることを特徴とする請求項19記載の装置。
  26. 請求項2記載の補償方法を実施するための装置であって、
    (a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ(4)と、
    (b)質量分析計の上流側に配置されたT字部品(3)であって、T字部品(3)を質量分析計(5)と接続するための第1接続部と、T字部品をポンプ(4)と接続するための第2接続部と、クロマトグラフ分離システム(1,2)から溶出液を導入するための第3接続部とを含むT字部品(3)と、
    (c)必要に応じて、フロー検出器(13)とを備えることを特徴とする装置。
  27. 請求項16記載の補償方法を実施するための装置であって、
    (a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ(4)と、
    (b)質量分析計(5)の上流側に配置された供給ユニット(10)であって、供給ユニット(10)を質量分析計(5)の上流側に配置された真空チャンバ(12)と接続するための第1接続部と、クロマトグラフ分離システム(1,2)から溶出液を導入するための第2接続部を備えた第1投入導管(8)と、供給ユニット(10)をポンプ(4)と接続するための第3接続部とを含むT字部品(3)と、
    (c)必要に応じて、フロー検出器(13)とを備えることを特徴とする装置。
  28. 請求項17記載の補償方法を実施するための装置であって、
    (a)既知の濃度のターゲット検体の溶液を搬送するためのポンプ制御を備えたポンプ(4)と、
    (b)質量分析計(5)の上流側に配置された混合ユニット(11)であって、混合ユニット(11)を質量分析計(5)と接続するための第1接続部と、クロマトグラフ分離システム(1,2)から溶出液を導入するための第2接続部を備えた第1投入導管(8)と、混合ユニット(11)をポンプ(4)と接続するための第3接続部とを含む混合ユニット(11)と、
    (c)必要に応じて、フロー検出器(13)とを備えることを特徴とする装置。
  29. ターゲット検体溶液のための貯蔵部(4b)をさらに備えることを特徴とする請求項26記載の装置。
  30. ポンプ(4)および貯蔵部(4b)と、T字部品(3)または供給ユニット(10)または混合ユニット(11)との間に配置された三方弁(4c)をさらに備えることを特徴とする請求項29記載の装置。
  31. ポンプは、圧電ポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプおよび蠕動ポンプを含むグループから選択されることを特徴とする請求項26記載の装置。
  32. 関連した制御を備えたフロー検出器(13)を備え、
    フロー検出器(13)は、クロマトグラフ分離システム(1,2)とT字部品(3)との間、またはクロマトグラフ分離システム(1,2)と供給ユニット(10)との間、またはクロマトグラフ分離システム(1,2)と混合ユニット11との間に配置され、クロマトグラフ分離システム(1,2)からの溶出液の光学分析のために構成されていることを特徴とする請求項26記載の装置。
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