文書が間違って印刷され、画像処理装置の停止に至らないことがある。この種類の印刷エラーが、文書の出力の障害に、さらにはまったく出力しないことに至ることがある。画像処理装置がそのような不完全なジョブの後にキューから印刷ジョブを継続したとき、そのようなエラーはマシン回復可能エラーまたは非致命的エラーと呼ばれる。そのような不完全なジョブには、いくつかの原因が、たとえば文書のソースファイルの誤ったページフォーマット、画像処理装置のエラー回復動作による余分のページ、画像処理装置のセンサの範囲外の値、または画像処理装置のメモリ不足問題があり得る。特に、ユーザの介入なしに多くの文書を印刷するとき、マシン回復可能エラーが発生することがあり、ジョブが間違って印刷されるが、それにもかかわらずジョブは出力モジュールにより受け取られ完了されることを引き起こすことがある。不完全なジョブに引き続き、不完全なジョブの不完全な出力が出力モジュールの中で、印刷される文書すべての間にあるようにジョブが印刷される。
オペレータの介入によってだけ処理されることができるエラーが発生することがある。そのようなエラーは、オペレータ回復可能エラーを呼ばれる。オペレータ回復可能エラーの一例が、画像処理装置での紙詰まりである。このとき、オペレータは画像処理装置の扉を開けて、紙を取り除き、扉を再び閉めるなどしなければならない。オペレータが出力モジュールで文書に干渉しなかった場合、紙詰まりを引き起こした印刷ジョブは完了しており、印刷ジョブの出力は画像処理装置の出力モジュールにスタックされたが、それにもかかわらず印刷ジョブの出力が、欠陥を含んでいることがある。
この応用で説明されるジョブの処理は、ジョブをキューから連続して画像処理装置に印刷させることを対象とする。印刷ジョブが完了されることができない、あるいはマシン回復可能エラーまたはオペレータ回復可能エラーの場合にジョブの異常終了が発生した場合、画像処理装置は停止するのではなく、キューの中の次の印刷ジョブを継続する。以下、マシン回復可能エラーおよびオペレータ回復可能エラーは、両方とも回復可能エラーと呼ばれる。
米国特許出願公開第2003/112452号明細書が、画像処理装置により生成されるイベントログファイルを開示していることが留意される。プリンタへの印刷ジョブの伝達エラー、および印刷可能ファイルを破損させる変換エラーが記録され、装置での一般的なエラーメッセージ、および装置の処理の停止をもたらす。ジョブは実行されず、出力を生成しない。イベントログはまた、画像処理装置のプリンタ機能によるエラーを含む。印刷ジョブにではなく、ユーザにより選択されるプリンタ機能に関係のある情報、たとえばコレータ(collator)またはステープラ(stapler)のようなプリンタの機械構成要素の使用が追跡される。そのようなイベントログから、印刷機能エラーによるスタックされた出力での不完全なページの位置は、明らかではない。さらに、そのようなイベントログは、種々の種類の多数のエントリを含み、出力スタック中で不正確に印刷された可能性があるシートに関係のある情報を抽出することは困難である、または少なくとも多くの時間を必要とする。
ジョブの異常終了が、ユーザにより期待された出力で印刷ジョブが画像処理装置により翻訳されないことであり得る。時々、ユーザファイルが、破損している、または画像処理装置によりサポートされていないフォーマットであることがある。このとき、画像処理装置は、印刷ジョブの入力を正しく処理することができない、または印刷ジョブの画像データの処理中に問題に行き当たる。このことが、印刷されるべき文書の欠けたページをもたらす、または出力をまったくもたらさない、換言すれば、文書のすべてのページが欠けているがことがある。一部の状況では追加のページが印刷されることがある。これは、たとえば、画像処理装置が不完全なページを検出し、画像処理装置に不完全なページのエラーを含まない余分なページを不完全なページに続いて印刷するように起動するエラー回復機構を提供される場合に言えることがある。
ユーザが、1つのジョブまたは複数のジョブを画像処理装置に送信する。ユーザは、すべてのジョブが処理された後に画像処理装置まで近寄り、画像処理装置に着くことができる。次に、ユーザはユーザインタフェースを見て、画像処理装置により発生させられたイベントロギングを詳細に調べることができる。ユーザは、ロギングから、複数の印刷ジョブを処理している間に、何らかのエラーが発生したと結論づけることができるが、どのジョブがエラーの原因であるか、どのジョブがうまく完了さられなかったか、および/またはどのジョブが異常終了で完了されたかを即座に判断することができない。不完全なジョブ出力は、複数のジョブの印刷された文書のスタックの中にしばしば覆い隠される。時々、画像処理装置は、不完全なジョブに対して別個の出力モジュールを提供され、このとき、ユーザは不完全な出力を求めてこの別個の出力モジュールをチェックすることができる。しかしながら、画像処理装置がそのような別個の出力モジュールを提供されない場合、不完全な出力は通常の出力モジュールで見つけ出すことが困難なことがある。このことは、大部分の幅の広い判のプリンタがそのような別個の出力モジュールを提供されないので、幅の広い判の文書を印刷する際に特に言える。
大抵の場合、たとえば、印刷が無人で行われるとき、印刷された文書の数が多くなることがあり、そのことが画像処理装置の出力モジュールに大量の文書をもたらす。たとえば、オペレータの介入の可能性がまったくない、印刷が停止しなかった一晩中の印刷では、オペレータは朝、印刷された文書のスタックを見つけ出すであろう。文書が、本明細書において上記で説明されるように不完全にまたは過剰に印刷されたかどうかを明らかにするために、文書のスタックを一見することでは十分ではない。オペレータは文書を1枚ずつ見る、またはログファイルを調べてみなければならず、いずれの作業の方法もかなり重荷となる。
本発明の目的は、上述の問題が解決される、画像処理装置上で文書を処理するための方法を提供することである。
この目的は、制御ユニットが出力チェックリストを維持するように構成されること、および方法が、処理の自動停止に至るのではなく、印刷された出力に不完全なページを引き起こす可能性が高い回復可能エラーが印刷ジョブの処理中に発生する場合、出力スタック中の失敗した可能性があるページについてオペレータに助言するために、出力スタック中にエントリを自動的に生成するステップをさらに含むことを特徴とする前提部分による方法により達成される。
出力チェックリスト中の各エントリは、印刷ジョブに関係する。印刷ジョブが、画像処理装置により印刷される1つまたは複数の文書を含むことがある。印刷ジョブと出力チェックリストエントリとのこの結合が、異常に完了された印刷ジョブを判定することを容易にする。異常終了の場合、印刷ジョブのページが欠けていることも、過剰なこともあり、換言すれば、印刷されたデータはユーザの期待と一致しないことがある。画像処理装置は、たとえば回復動作またはロールの終わりの状況の結果として、ユーザにより期待されなかったページを生成することがある。ロールの終わりの状況では、最後の完全な画像が印刷された後に完全な画像が印刷されることができない紙の切れ端が残されることが発生することがある。第2のロールが、依然として印刷されるべき文書の画像の印刷を引き継ぐ場合、紙の切れ端は文書の完全なページの間に存在する。
無人印刷が大量の文書をもたらした場合、不完全なまたは過剰な文書を含むことがある。このことは山積みの外側から直接見えない。本解決策は、ユーザが出力チェックリストを調べてみることにより、山積みから不完全なまたは過剰な文書を見つけ出すことができるようにする。出力チェックリストにエントリがない場合、山積みの文書の中にそのようなジョブがないことをユーザが知る。
画像処理装置は回復可能エラーを伴う印刷ジョブを印刷した場合がまれであると期待されるが、これらの場合はユーザに最も不快を引き起こさない方法で扱われる必要がある。これらの問題の予想は、たとえば画像処理装置により処理されることができないまたは印刷されることができないジョブを提出することを防止することにより、できるだけ早期に行われる。問題が予想されるとき、ユーザは、そのことを知り、自分の文書を印刷する前に適切な処置をとることができる。しかしながら、本発明は、予想が可能でない状況で使用される。その場合、上記で説明されるような出力チェックリストは、回復可能エラーを発生させた印刷ジョブに関係のあるエントリを直接追跡するのに役立つ。エントリは、印刷ジョブに関係のあるエラー記述を含む。不完全な印刷ジョブの文書ファイルが、ワークステーションの記憶手段に移動されることができる。オペレータまたはユーザは、エラー記述を分析し、同じエラーを防止する処置をとり、印刷ジョブをワークステーションの記憶手段から画像処理装置に再び送信することを決定することができる。
本発明の方法の一実施形態では、方法は、出力チェックリストにエントリが生成されたときに画像処理装置によりワークステーションに通知を送信するステップを含む。不完全な印刷ジョブが発生した場合、出力チェックリストが更新されたことをユーザが通知される。不完全な印刷ジョブはまれであるので、新しい不完全な印刷ジョブのエントリが出力チェックリストに生成された場合だけ、画像処理装置のユーザは、出力チェックリストを見る必要を感じることができる。作業のそのような方法を容易にするために、エントリが出力チェックリストに追加された場合だけ、ユーザは通知される。通知は、ユーザのワークステーション上のポップアップメッセージ、またはユーザのメールボックスの特殊なメールにより形成されることができる。ユーザまたはオペレータが、不完全な印刷ジョブを処理するのを忘れないことを確実にするために、どのイベントが通知を引き起こしたかをチェックするために、ユーザが出力チェックリストを開いた後だけ通知が消えるように通知が構成されることができる。通知は、出力チェックリストの変化が発生したときに直ちに存在することができる。大抵通知は、たとえば、印刷ジョブのバッチが一晩中印刷された後に、ユーザのワークステーションでのユーザのログインと結合される。
本発明の方法の一実施形態では、方法は、ユーザにより通知を選択し、操作するステップを含む。ユーザによる操作後、出力チェックリストがユーザのワークステーションに示される。ユーザは出力チェックリストを分析し、適切な処置をとることができる。
本発明による方法の一実施形態では、方法は、回復可能エラーを引き起こした印刷ジョブの文書を記憶して印をつけるステップを含む。文書の記憶は、エントリが出力チェックリストに追加される直前、および追加された直後に行われることができる。記憶は、画像処理装置内の記憶手段上で、または関係のあるユーザのワークステーション内の記憶手段上で行われることができる。同様に、上述される以外の文書が記憶される場合、回復可能エラーを引き起こした印刷ジョブの文書とその他の文書を区別するために、回復可能エラーを引き起こした印刷ジョブの文書は、印をつけられることができる。
本発明による方法の一実施形態では、方法は、出力チェックリストをワークステーション上に示すステップを含む。出力チェックリストの各エントリは、選択可能である。ユーザにより出力チェックリストを開いた後、ユーザは出力チェックリストのエントリを分析することができ、分析されたエントリに対応して印刷ジョブの不完全な文書をユーザが適合させなければならないと結論を下すことができる。次に、ユーザはエントリを選択し、操作し、ワークステーションまたは画像処理装置の記憶手段に存在する対応する印刷ジョブの少なくとも1つの文書が、ナビゲートされ、示される。これは、ユーザが、出力チェックリストのエントリで報告されたエラーを克服するために不完全な印刷ジョブを即座に適合させ、適合された印刷ジョブを画像処理装置に再び送信することができるので、有利である。マルチ文書印刷ジョブの場合、適合された文書だけを画像処理装置に再び送信することが、さらにより効果的となり得る。
一実施形態によれば、出力チェックリストは遠隔で呼び出す(callable)ことができる。ユーザが画像処理装置から遠隔でワークステーション上で作業している場合、ユーザが画像処理装置の出力チェックリストをこのワークステーション上で見ることを望むことをユーザが示すことができる。オペレータは、出力チェックリストを見て、回復可能エラーを引き起こした印刷ジョブを判定する。印刷ジョブが、印刷される複数の文書を含む場合、ユーザは、どの文書が印刷ジョブの出力に欠けているかを、または不完全な文書のどのページが欠けているかさえ判定することができる。次に、オペレータは、欠けている文書および/または欠けているページを、たとえば異なる方法でユーザの机から再び印刷することができる。欠けている文書および/またはページをうまく印刷した後、ユーザは、印刷されたジョブのすでに印刷された文書のスタックに、文書の欠けているページを追加することができる。
一実施形態によれば、方法は、画像処理装置のユーザインタフェースを介して出力チェックリストを示すステップを含む。前の実施形態で説明されたのと正確に同じ手順が、印刷ジョブの不完全な文書を完了させるためにとられることができる。
一実施形態によれば、方法は、出力チェックリストのエントリを選択するステップを含む。エントリを選択した後、別の操作、たとえばエントリを編集することおよびエントリを取り除くことが、このエントリに対して行われることができる。
一実施形態によれば、方法は出力チェックリストのエントリを取り除くステップを含む。印刷ジョブによるエラーが、出力チェックリストの1つまたは複数のエントリを分析した後に実行されるオペレータの操作により回復されることができる。次に、これらのエントリは出力チェックリストから取り除かれることができる。そうすることにより、出力チェックリストは、まだ注意を払われていない不完全な印刷ジョブだけを含み、常に短いリストとなる。
一実施形態によれば、方法は、出力チェックリストでエントリを生成した後の所定の時間に出力チェックリストのエントリを自動的に取り除くステップを含む。
一実施形態によれば、方法は、出力チェックリストでエントリを生成した後の所定の時間に出力チェックリストのエントリを自動的に取り除くステップを含む。
本発明はまた、印刷ジョブを印刷するための画像処理装置に関し、画像処理装置は、印刷ジョブの出力を受け取るための出力モジュールと、処理される印刷ジョブのキューを維持するように構成される制御ユニットと、印刷ジョブの回復可能エラーを検出するための検出手段とを含み、制御ユニットが、処理の自動停止に至るのではなく、印刷された出力に失敗したページを引き起こす可能性が高い回復可能エラーが印刷ジョブの処理中に発生したとき、出力スタック中の失敗した可能性のあるページについてオペレータに助言するために、自動的にそれぞれ生成されるエントリを含む出力チェックリストを維持するように構成されることを特徴とする。
一実施形態によれば、画像処理装置は、出力チェックリストにエントリが生成されたとき、画像処理装置によりネットワークを介してワークステーションに通知を送信するための送信手段を含む。
一実施形態によれば、画像処理装置は、出力チェックリストが示されるユーザインタフェースを含む。
一実施形態によれば、出力スタック中の印刷ジョブの失敗した可能性があるページの場合に、印刷ジョブの文書を記憶して印をつけるための画像処理装置記憶手段。印をつけることは、記憶手段でフラグを用いて実行されることができる。フラグは、文書が印をつけられたかどうかを示すいくつかのバイトを含む、記憶手段内のメモリ領域でもよい。
本発明は図1から図8と併せて実施形態を参照することにより説明される。