JP2012526739A - ウイルス性肝炎の治療のための非晶質シリビニン - Google Patents

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Abstract

本発明は、高い放出率および改善された吸収性またはバイオアベイラビリティーを有する、マリアアザミ果実エキスから誘導された非晶質シリビニン(またはその同義語:シリビン(silybinまたはsilibin))の調製のための方法に関し、特に肝移植を受けようとしているまたはそれを受けた患者における肝疾患の治療または予防のため、好ましくはウイルス性肝炎、例えばB型またはC型肝炎の治療のための非晶質シリビニンの使用に関する。その非晶質シリビニンは経口投与用に適合されていることが好ましい。

Description

本発明は、高い放出率(release rate)および改善された吸収性またはバイオアベイラビリティーを有する、マリアアザミ果実エキスから誘導された非晶質シリビニン(またはその同義語:シリビン(silybinまたはsilibin))の調製のための方法に関し、特に肝移植を受けようとしているまたはそれを受けた患者における肝疾患の治療または予防のため、好ましくはウイルス性肝炎、例えばB型またはC型肝炎の治療のための非晶質シリビニンの使用に関する。非晶質シリビニンは経口投与用に適合されていることが好ましい。
マリアアザミ(シリバム・マリアナム(Silybum marianum)またはカルドウス・マリアヌス(Carduus marianus))は、特に南西ヨーロッパおよび中央ヨーロッパ(オーストリア、ハンガリー)で栽培される植物であり、これは、ユーラシア、北アメリカ、南アメリカおよびオーストラリアに帰化されてきている。生産地域は中国においてもみられる。
シリマリンは、それから冠毛を除去したシリバム・マリアナム(L.)ガエルトネリ(Silybum marianum(L.)Gaertneri)(アステラセアエ科(Fam.Asteraceaea))の乾燥した完熟果実中に含まれ、最小で1.5%のシリマリン含量を有する(ヨーロッパ薬局方(以下:Ph.Eur.)、2007)。古代から、マリアアザミから作られたチンキ剤(通常アルコール抽出物)が知られている。単離されたシリマリンは特に適している(例えば、ドイツ特許第1923983号、同第1767666号(Madaus))。様々な形態の肝臓および胆嚢の機能障害の治療および予防におけるマリアアザミ(種子または果実)の効能が知られている。
シリマリンはフラボノリグナン、すなわちポリヒドロキシフェニルクロマノンの複合体であり、1960年代に初めて植物から単離された(Dissertation、Janiak Bernhard、1960年6月、Berlin University of Applied Sciences(DE 2020407)、Pelter A.、Hansel R.、Tetrahedron Letters、25、1968年。
シリビニン{3,5,7-トリヒドロキシ-2-(3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b][1,4]-ジオキシン-6-イル)クロマン-4-オン;またはPh.Eur.による(2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシ-2-[(2R,3R)-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾ-ジオキシン-6-イル]-2,3-ジヒドロ-4H-1-ベンゾピラン-4-オン}は、マリアアザミ(シリバム・マリアナム・ガエルトネリ)から抽出されたシリマリンおよび主要フラボノリグナンの主要な構成成分である。
シリビニンは以下の構造:
Figure 2012526739
を有している。
文献によればジアステレオマーのシリビニンAとシリビニンBが識別されている:
Figure 2012526739
シリマリンの主要な構成成分であるシリビニンは通常、シリビンAとシリビンBの約50:50混合物で存在する。シリマリンの他の構成成分には、イソシリビニン(イソシリビンAおよびイソシリビンB)、シリジアニン(シリジアニン(silydianin))、シリクリスチン(シリクリスチン(silycristin))、イソシリクリスチン、タキシフォリンならびにデヒドロシリビン、3-デソキシシリクリスチン、デソキシシリジアニン(シリモニン(silymonin))、シリアドリン(silyadrin)、シリビノム(silybinom)、シリエルミン(silyermin)およびネオシリメリンを含む公知の二次成分などの他のものが含まれる。主要構成成分は、4つのフラボノリグナン、すなわちシリビニン、シリジアニンおよびシリクリスチンならびにイソシリビニンである。これらのフラボノリグナン構造において、タキシフォリンは、コニフェリルアルコールと結合している。シリビニンの単離方法は従来技術により公知である(例えば、米国特許第4,871,763号;D.Y.-W.Leeら、J.Nat.Prod.2003年、66、1171〜1174頁)。
マリアアザミの果実は通常抽出物を調製するために使用される。そうしたマリアアザミからの抽出物およびそれらを調製するための方法は、例えばドイツ特許第1923982号、同第2914330号(Madaus)に開示されているように、従来技術においてこれまで記載されている。
とりわけ、抽出剤である酢酸エチルを用いて植物薬から得られ、適用できるPh.Eur.にしたがって標準化されたマリアアザミ果実の乾燥抽出物(カルドゥイ・マリアエ・フルクト・シクム抽出物(Extr.cardui mariae fruct.siccum))も知られている。
乾燥抽出物について記載されている要件は、好ましくは30〜65重量%のシリマリン含量であり(他の含量範囲も可能である)、シリマリン部分は以下の割合、すなわち:40〜65重量%:シリビニンAおよびB(ジアステレオマー混合物、C25H22OH10 Mw482.4)、10〜20重量%:イソシリビニンAおよびB(ジアステレオマー混合物、C25H22OH10 Mw482.4)ならびに20〜45重量%:シリダニンおよびシリクリスチン(C25H22OH10 Mw482.4)を含む。
抽出物の調製のため、通常原料(この場合、植物薬)を脱脂し、抽出し、ろ過し、濃縮して精製する。前記連続抽出のために、酢酸エチル/エタノール/アセトン/メタノール(場合によって水性形態で)または上記参照の溶媒との水性混合物を使用し、通常ろ過を実施し、続いて濃縮を実施する。次いで、エタノールおよびヘキサンを用いて精製を実施して(さらに脱脂し)、上記した含量のシリマリンを得る。そうした組成物は、30%〜約40%のシリマリン放出率を可能にする(Ph.Eur.5.7;2.9.3(01/2006:20903、例えばバスケットまたはパドル法を用いて修正して)にしたがって測定する)。
しかし、天然抽出物中のシリマリン、好ましくはシリビニンの放出率を増大させる高い必要性がある。
シリビニンは親油性であり、したがって水性液体には非常に難溶性である。フラボノリグナン、特にシリビニンは水にほとんど溶けないかまたは全く溶けないことは知られている(純粋なシリマリンの溶解度はpH6.9で約0.08g/lである)。こうした溶解特性のため、フラボノリグナン、特にシリビニンの放出率、および実際のヒトまたは哺乳動物の体内でのそのバイオアベイラビリティーまたは吸収性は不十分である。
放出率を高めるため、例えばポリアルコール、アミノ糖またはエステルを用いてフラボノリグナンを誘導化するため、あるいは、シクロデキストリンなどの包接化合物(欧州特許第0422497B1号(Madaus))を用いるかまたは複合体化合物、例えばホスファチジルコリンを用いて複合体化する試みがなされてきている。しかし、そうした複合体はあらゆる点で十分ではなく、リン脂質複合体またはシクロデキストリン包接錯体などの可溶化複合体の存在を必要とすることなくシリビニンを含み、同時に、シリビニンの十分なバイオアベイラビリティーを提供し、それによって、経口投与でのウイルス性肝炎の治療に必要とされる比較的高い血漿レベルを達成できる医薬品が必要とされている。
1-ビニル-2-ピロリドン、マンニトールなどの担体物質を使用することによって、放出率を増大させることができることも従来技術で公知である(欧州特許第0722918B1号、米国特許第5,906,991号(Madaus))。さらに、ポリソルベート(テンシド)などの湿潤剤が必要である。欧州特許第1021198B1号(Madaus)は、PEGの使用によるシリマリン共沈物を開示している。極性シリビニンエステルは、例えば、ドイツ連邦共和国においてLegalon(登録商標)SILの商品名で輸液として市販されている。
しかし、参照したこれらの方法はすべて、投薬を一層困難にし、正確に定義されていない副作用を有する可能性のある夾雑物をもたらし得る欠点を有している。
L.Yu、Advanced Drug Delivery Reviews、2001年、48、27〜42頁は、非晶質の薬剤固体、その調製、特性評価および安定化に関係している。
WO2009/080006は、高い放出率および改善された再吸収性を有するマリアアザミ抽出物、特にフラボノリグナン製剤の製造方法、ならびに特に肝疾患の治療および予防のためのその使用に関係している。
米国特許第4871763号は、シリバム・マリアナムの果実からの実質的に純粋なシリビニンの調製のための方法、ならびに肝臓疾患の治療のためのそれを含む医薬組成物を提供している。
英国特許第2167414号は、やけどによる損傷、肝臓損傷または菌類による中毒を治療するための医薬組成物に有用なシリビニン誘導体を開示している。
ドイツ特許第1923983号 ドイツ特許第1767666号 米国特許第4,871,763号 ドイツ特許第1923982号 ドイツ特許第2914330号 欧州特許第0422497B1号 欧州特許第0722918B1号 米国特許第5,906,991号 欧州特許第1021198B1号 WO2009/080006 英国特許第2167414号 米国特許第4764508号
Dissertation、Janiak Bernhard、1960年6月、Berlin University of Applied Sciences(DE 2020407) Pelter A.、Hansel R.、Tetrahedron Letters、25、1968年 D.Y.-W.Leeら、J.Nat.Prod.2003年、66、1171〜1174頁 L.Yu、Advanced Drug Delivery Reviews、2001年、48、27〜42頁 U.P.Neumann、M.Biermer、D.Eurich、P.Neuhaus、T.Berg、「Successful prevention of hepatitis C virus (HCV) liver graft reinfection by silibinin mono-therapy」、Journal of Hepatology、2010年 T.Dingら、「Determination of active component in silymarin by RP-LC and LC/MS」、J.Pharm.Biomed.Anal.2001年、26(1)、155〜161頁 N.-C.Kimら、Org.Biomol.Chem.、2003年、1、1684〜9頁 K.H.Bauerら、Lehrbuch der Pharmazeutischen Techno-logie [Textbook of Pharmaceutical Technology]、WVG Stuttgart 1999年 H.P.Fiedler、Lexikon der Hilfstoffe fur Pharmazie、Kosmetik und angrenzende Gebiete [Encyclopedia of excipients for pharmacy、cosmetics and related areas]、Editio Cantor Aulendorf、2001年 K.H.Bauerら、Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie [Textbook of Pharmaceutical Technology]、6th edition、WVG Stuttgart、1999年 A Federico、Gut.2006年、55(6)、901〜2頁
本発明の目的は、改善されたバイオアベイラビリティーを有するシリビニンを提供することである。
さらに、ウイルス性肝炎、特にB型およびC型肝炎を治療するために、特に経口投与に適合された医薬品が必要である。その医薬品は、リン脂質複合体またはシクロデキストリン包接錯体などの可溶化複合体の存在を必要とすることなく十分に高いバイオアベイラビリティーを有する親油性薬物シリビニンを提供するべきである。
したがって、従来技術の医薬品と比較して利点を有するウイルス性肝炎、特にB型またはC型肝炎を治療するための特に経口投与用の医薬品を利用できるようにすることも本発明の目的である。可能であれば、その医薬品は、副作用がないかまたは僅かしかなく、例えば、PEGインターフェロン/リバビリンでの従来の併用治療に十分応答しないC型肝炎の患者および/または肝移植を受けようとしているまたはそれを受けた(以前に)C型肝炎の患者に有効であるべきである。さらに、その医薬品は、高いバイオアベイラビリティーで顕著な抗ウイルス特性を有し、したがって持続的にウイルス負荷を低減させるものであるべきである。さらに、その医薬品は、リン脂質複合体またはシクロデキストリン包接錯体などの可溶化複合体の存在を必要とすることなく、比較的高い投薬量でバイオアベイラビリティーをもつ高度に親油性のシリビニンを提供するべきである。
この目的は本特許請求の主題によって達成される。
本発明の第1の態様は、シリビニンが任意のマリアアザミ抽出物の混合物中で治療的に最も活性な化合物であるという事実に基づいて、シリビニンを得るための方法に関する。
その目的は、以下の工程、すなわち:
A.)植物薬、すなわち天然由来の植物および種子中に含まれるシリビニンをそれぞれ、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは50〜70℃で、適度の極性を有する溶媒(好ましくは2デバイ未満の双極子モーメントを有する溶媒、例えば酢酸エチル、エタノール、メタノール、任意選択で水性部分を含む)で抽出する工程と、
B.)分離し、好ましくはろ過する工程と、
C.)好ましくは真空下、60℃未満、好ましくは40℃未満の温度で撹拌しながら濃縮し、任意選択で熱水で洗浄する工程と、
D.)好ましくは130〜180g/lの水分含量に調節した、好ましくは2未満の双極子モーメントを有するエタノールまたは類似の極性溶媒、好ましくはプロトン性溶媒と混合し、次いでヘキサンまたは類似の極性溶媒と混合し、好ましくは真空下で濃縮し、ヘキサン相を除去する工程と、
E.)好ましくは65℃未満で濃縮する工程と、
F.)分離し、好ましくはろ過する工程と、
G.)固相を、好ましくは130〜180g/lの水分含量に調節した、好ましくは2未満の双極子モーメントを有するエタノールまたは類似の極性溶媒、好ましくはプロトン性溶媒と混合する工程と、
H.)少なくとも1つの吸着剤、好ましくは活性炭を加える工程と、
I.)好ましくは80℃未満、より好ましくは50〜60℃で分離し、好ましくはろ過し、濃縮し、結晶化させる工程と、
J.)分離し、好ましくはろ過し、必要なら、シリビニンを95重量%超の含量に濃縮するために工程G、I、J.)を繰り返す工程と、
K.)任意選択でろ過、洗浄、好ましくは真空下で乾燥し、必要なら、これらの工程を繰り返し;任意選択で粉末状にする工程と、
L.)無水アルコール、好ましくはエタノールと混合し、好ましくは乾燥物質に対して2〜12重量%の濃度に調節し、任意選択で撹拌し、還流させ、冷却し、ろ過する工程と;
M.)乾燥し、任意選択で粉末状にし、ミリングし、後乾燥し、均質化し;
a)好ましくは180℃〜200℃の入口温度、好ましくは80℃〜120℃の出口温度で大気型乾燥機(atmosphere dryer)(噴霧乾燥機)に供給して、好ましくは約5%のエタノール含量と好ましくは1%未満の水分含量を有する乾燥粉末を得る工程;または
b)最大で20%の乾燥残留物まで濃縮し、次いで真空下、好ましくは80℃未満、より好ましくは50〜60℃で、反応器中で直接乾燥して乾燥粉末を得る工程と
を含む非晶質シリビニンを得るかつ/またはそれを濃縮するための上記の方法によって解決される。
乾燥生成物は、必要に応じて、最大で80℃、最大で40ミリバールの圧力で後乾燥することが好ましい。
驚くべきことに、工程L.)は、新規な非晶質シリビニンが得られるという事実によって、シリビニン放出率(溶解度)の著しい増大をもたらす。単離または濃縮すれば、本発明によるシリビニンのより少ない投薬量が達成され、バイオアベイラビリティーまたは吸収性が増大するので、これは特に有利である。従来技術では添加物、補助剤、担体物質および湿潤剤を用いてしか達成されなかった品質が得られることも有利である。
驚くべきことに、本発明の方法で得られるシリビニンの非晶質度は非常に高く、一般に90重量%よりずっと高くなることがわかった。非晶質純度が90%より低い(すなわち、結晶性シリビニンの含量が10%を超える)場合、それが短期間で結晶化する傾向があるため非晶質状態の安定性が損なわれるので、これは特に有利である。貯蔵により非晶質シリビニンが結晶化した場合、結晶性材料はもはや溶解性でなくなり、したがってバイオアベイラビリティーが欠けてくるので、有効期間は短くなってくる。製品安定性にチャレンジする結晶性シリビニンの最小含有量に関する予備的試験は、相対湿度に応じて、約10〜約20%の範囲内の値を示している。
本出願に添付される図面を以下に示す:
結晶性シリビニン標準品の図である。 非晶質シリビニン標準品の図である。 結晶性シリビニン標準品のDSCを示す図である。 非晶質シリビニン標準品のDSCを示す図である。 非晶質シリビニン標準品中に10、25、35、50、60、75および100%の結晶性シリビニン標準品の混合物のDSCを示す図である。 ZnOのXRPDスペクトルを示す図である。 XRPD定量的評価のための基準ピークを示す図である。 標準品混合物1〜8のXRPDスペクトルを示す図である。 定量的XRPD較正ダイアグラムを示す図である。 非晶質シリビニン中に0.25%結晶性シリビニンのXRPDスペクトルを示す図である。 非晶質シリビニン中に0.50%結晶性シリビニンのXRPDスペクトルを示す図である。 非晶質シリビニン中に1.0%結晶性シリビニンのXRPDスペクトルを示す図である。 非晶質シリビニンの代表的ロットについてのXRPDスペクトルを示す図である。 LおよびMの工程なしでの方法によって得られたシリビニンの代表的ロットについてのXRPDスペクトルを示す図である。 4、25および40℃で2カ月間貯蔵した後の純粋な非晶質シリビニンのXRPDスペクトルを示す図である。 スタート時および25℃で2カ月間貯蔵した後の10%結晶性-非晶質シリビニン混合物のXRPDスペクトルを示す図である。
本発明は、マリアアザミ抽出物から得られるまたは誘導される新規な非晶質シリビニンそれ自体に関する。
本発明による方法の工程A.)において、シリビニンを、適度の極性を有する溶媒(例えば、酢酸エチル、エタノール、メタノール、場合によって水性部分を含む)で、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは50〜70℃で抽出する。
出発原料は好ましくはマリアアザミまたはその一部、例えば果実である。当業者は、シリビニンの放出を容易にし加速するために、抽出する前に出発原料を粉末状にするのが有益であり得ることを知っている。したがって抽出前に、出発原料、好ましくはマリアアザミ果実を、好ましくは前処理する、好ましくは機械的に予め脱脂する。好ましくは、マリアアザミ果実を、例えば、1cmのふるいにかけ、次いで磁気選別機を用いることによって異物および金属屑から機械的に分離する。次いでマリアアザミ果実を好ましくは、例えば複数のローラーを備えたミルでミリングする。周囲温度で、少なくとも50バール、例えば65バールの圧力で破砕および圧搾をかけることが好ましい。続いて、一部脱脂したマリアアザミ果実を好ましくは、スクリューコンベヤー上で40〜50℃の温度に加温する。この好ましい方法の工程の収率は変動し、果実の種類および油分に依存する。
続いて、好ましくは予め脱脂した薬物(シリビニン)を好ましくはパーコレーターに導入し、好ましくは62℃および66℃の投入温度で、適度な極性を有する溶媒、好ましくは酢酸エチルで抽出する。抽出は連続方式で実施することが好ましい。抽出すると、マリアアザミ果実中に含まれる水が時間とともに、抽出溶媒酢酸エチルの水分含量を高める。最大水分含量は35g/lを超えないものとすることが好ましく、必要に応じて、酢酸エチルを用いて調節を実施することができる。水分含量は、カールフィッシャー滴定法(方法:Ph.Eur.2.5.32-水分微量測定)で測定することができる。
工程A.)は通常、純粋なシリビニンは得られず、むしろ、出発原料中に当初から含まれているシリビニンを含む構成成分の複雑な混合物が得られる。前記複雑な混合物、すなわち工程A.)で得られた中間生成物を続いて工程B.)にかける。工程A.)は通常、出発原料および溶媒を含む不均一系をもたらし、一方、その中にシリビニンが溶解している出発原料の一部の構成成分は、溶媒中に少なくとも部分的に溶解している(抽出物)。
本発明による方法の工程B.)では、工程A.)で得られた中間生成物を、好ましくは固体から好ましくはろ過により分離する。すなわち、工程B.)では液相を固体残留物から分離する。残留薬物粒子を除去するために、得られたミセラを好ましくはGAFフィルター(25〜50μm)でろ過する。得られたミセラは透明であることが好ましい(目視管理)。次いで液相、すなわち抽出物を工程C.)にかける。
本発明による方法の工程C.)では、工程B.)で得られた中間生成物を、好ましくは真空下で撹拌しながら60℃未満、好ましくは40℃未満の温度で濃縮し、任意選択で熱水で洗浄する。好ましい実施形態では、全部またはほぼ全部の溶媒を濃縮により除去する。できるだけ多くの酢酸エチル、水溶性不純物およびマリアアザミ油を除去するために、プレ濃縮物を、水を入れた容器中で撹拌しながら真空下、≦40℃の温度で濃縮することが好ましい。反応器中で形成された相を、好ましくはデカントして分離する。熱水による洗浄を実施する場合、これを、例えばフィルターまたはガラスフリットで実施することができる。残留物から水溶解物を除去するために洗浄を実施することができる。沈殿物は過剰の熱水で洗浄することが好ましい。水の入口温度は好ましくは70〜80℃である。過剰の水は好ましくは吸引する。
本発明による方法の工程D.)では、工程C.)で得られた中間生成物、すなわち洗浄残留物を、好ましくは130〜180g/lの水分含量に調節したエタノールまたは類似の極性溶媒と混合し、次いでヘキサンまたは類似の極性溶媒と混合し、好ましくは真空下で濃縮し、ヘキサン相を除去する。
第1の工程では、好ましくは8〜100g/lの乾燥残留物を有する溶液を、得られたケーキを含有物の溶解度にしたがってエタノールまたは類似の極性溶媒(好ましくは水分含量130〜180g/l)に溶解して調製する。次いで、好ましくは加温して還流させる。溶液が得られたら直ちに<30℃に冷却することが好ましい。所望の水分含量(カールフィッシャー滴定法、方法:Ph.Eur.2.5.32-水分微量測定)に達するように、溶液を水または溶媒(例えば、エタノール)で調節することが好ましい。
第2の工程では、溶媒溶液(例えば、エタノール溶液)を好ましくはヘキサンで脱脂する。したがって、エタノール溶液を好ましくは最初にヘキサンで飽和させ、続いて未溶解成分を除去するために、好ましくはチャンバー分離器を通して遠心分離にかけ、プレートフィルターでろ過する。脱脂は、向流型パーティションカラム中でヘキサンを用いて実施することが好ましい。エタノール溶液を好ましくは5μmバグフィルターでろ過する。ヘキサンを、好ましくはヘキサン相から留去させる。油性残留物は好ましくは廃棄する。
本発明による方法の工程E.)では、工程D.)で得られた中間生成物を、好ましくは65℃未満の温度で濃縮する。ろ過したエタノール相を、反応器中で撹拌しながら真空下、最大で65℃の温度で、35〜45%の乾燥残留物が得られるまで濃縮することが好ましい。
本発明による方法の工程F.)では、工程E.)で得られた中間生成物を分離し、好ましくはろ過する。濃縮物を、加圧式メンブレンフィルターでろ過することが好ましい。2つの相、すなわち、ペースト状ろ液と液体がある。ペーストを次の工程で使用する。
本発明による方法の工程G.)では、工程F.)で得られた中間生成物、すなわち固相(ペースト)を、好ましくは130〜180g/lの水分含量に調節したエタノールまたは類似の極性溶媒と混合する。そのペーストをエタノール(水分含量130〜180g/l)に溶解することによって、5〜10g/lの乾燥残留物を有する溶液を調製することが好ましい。
本発明による方法の工程H.)では、少なくとも1つの吸着剤、好ましくは活性炭を、工程G.)で得られた中間生成物に加える。ペーストを溶解した後、乾燥物質ベースで計算して約2%の活性炭をこの溶液に加え、良好な混合が得られるように液体を還流させることが好ましい。
本発明による方法の工程I.)では、工程H.)で得られた中間生成物を分離し、好ましくは80℃未満、より好ましくは50〜60℃で好ましくはろ過し、濃縮し結晶化させる。好ましくは、生成物をプレートフィルターで50〜60℃の間の温度でろ過し、濃縮にかける。好ましくは、濃縮温度は、35〜45%の乾燥残留物が得られるまで真空下で≦65℃であり、次いで濃縮物を好ましくは≦3℃に冷却し、好ましくは結晶化させる。
本発明による方法の工程J.)では、工程I.)で得られた中間生成物を分離し、好ましくはろ過し、シリビニンを、95重量%を超える含量に濃縮するために、必要に応じて、工程G、I、J.)を繰り返す。好ましくは、生成物を冷却した後、固体を残留液体から分離するために加圧式メンブレンフィルターにかける。次いで、シリビニンの含量を測定するためにサンプルを取ることができる。この含量が<95%であり、イソシリビニン、シリジアニンおよびシリクリスチンの合計量が>1%であった場合、≧95%のシリビニン含量および≦1%のイソシリビニン、シリジアニンおよびシリクリスチンの合計量が得られるまで、この工程を、好ましくは活性炭を添加することなくポイントG.)まで戻す。測定は、Ph.Eur.にしたがって逆相液体クロマトグラフ法を用いて実施することができる。
本発明による方法の工程K.)では、工程J.)で得られた中間生成物を、任意選択でろ過、洗浄し、好ましくは真空下で乾燥し、必要に応じて、これらの工程を繰り返し、これを粉末状にする。好ましくは、この物質を冷水で洗浄する。好ましくは、生成物の乾燥は、真空乾燥機中、好ましくは70〜1ミリバールの圧力下、最大で≦80℃の乾燥機ジャケット温度で実施する。乾燥抽出物を、好ましくは1mmふるいを通して予備破砕する。
本発明による方法の工程L.)では、工程K.)で得られた中間生成物を無水アルコール、好ましくはエタノールと混合し、任意選択で撹拌し、還流させ、冷却し、真空下、好ましくは80℃未満、より好ましくは50〜60℃で濃縮する。好ましくは、2%〜10%の乾燥残留物が得られるまで、予備破砕したシリビニンを≧99.5%(V/V)のエタノールに溶解する。溶液を、撹拌を備えた反応器中で好ましくは還流するまで加温し、好ましくは直ちに約40℃に冷却する。冷却に続いて、生成物を好ましくはプレートフィルターでろ過し、別の反応器中にゆっくりと導入し、そこで、好ましくは、シロップ状濃縮物が得られるまで、真空下、≦65℃で撹拌しながら濃縮する。
好ましい実施形態では、工程L.)を、残留水/エタノール含量が、25重量%、22.5重量%、20重量%、17.5重量%、15重量%以下または12.5重量%以下になるまで実施する。他の好ましい実施形態では、工程L.)を、残留水/エタノール含量が、10重量%、9.5重量%、9.0重量%、8.5重量%、8.0重量%、7.5重量%、7.0重量%、6.5重量%、6.0重量%、5.5重量%、5.0重量%、4.5重量%、4.0重量%、3.5重量%、3.0重量%以下または2.5重量%以下になるまで実施する。他のさらに好ましい実施形態では、工程L.)を、残留水/エタノール含量が、2.4重量%、2.3重量%、2.2重量%、2.1重量%、2.0重量%、1.9重量%、1.8重量%、1.7重量%、1.6重量%、1.5重量%、1.4重量%、1.3重量%、1.2重量%、1.1重量%、1.0重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%以下または0.1重量%以下になるまで実施する。
本発明による方法の工程M.)では、工程L.)で得られた中間生成物を乾燥し、任意選択で粉末状にし、ミリングし、均質化する。好ましくは、この物質の最終乾燥を、真空乾燥機中、好ましくは70〜1ミリバール(好ましくは≦80℃の乾燥機ジャケット温度)で実施するか、または噴霧乾燥機(例えば、入口温度=200℃、出口温度100〜150℃)で実施する。乾燥抽出物は好ましくは2mmふるいを通して予備破砕する。次いで、生成物を好ましくは窒素を供給しながらピンミルで摩砕して微粉末を得る。最後に、ミリングした生成物を、好ましくはコーン型装置中で例えば2時間混合する。
非晶質シリビニンを濃縮するまたは単離するために、工程G.、I.、J.)を繰り返すことができる。ここで、シリビニンは、好ましくは1つまたは複数の吸着剤(工程H.)を参照されたい。例えば活性炭など)によって、95%(重量)超、好ましくは100%(重量)の含量で濃縮される/得られるまたは単離される。これを以下「本発明によるシリビニン」とする。
したがって、本発明は、95%(重量)超、99%(重量)超、99.5%(重量)超、99.9%(重量)および100%の純度を有する新規な非晶質シリビニンに関する。本発明は、他のシリマリン成分を実質的に含まない非晶質シリビニンに関する。
他の好ましい実施形態では、本発明は、非晶質の改変体から本質的になる新規な非晶質シリビニンであって、非晶質でない部分または結晶性部分が、20%未満、好ましくは10%未満、特に好ましくは7%未満、さらには5%以下である非晶質シリビニンに関する。
さらに、本発明は、好ましくは15〜85重量%、特に30〜65重量%のシリマリン含量を有する抽出物から得ることができ、上記したような他のシリマリン成分が本発明の方法により除去されている、好ましくは80%以上、例えば少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%のシリビニン放出率を有する精製した非晶質シリビニンにさらに関する。
工程L.)における「無水アルコール」という用語は、好ましくは例えば99%、さらには99.5%の純度などのC1〜C4アルコール、特に好ましくはエタノールを含む。
本発明の範囲内では、「シリマリン」は、(少なくとも)4つの物質、シリビニン、シリジアニン、シリクリスチンおよびイソシリビニンを様々な濃度で含む物質の混合物を指す。これらの物質の互いの比および混合物中での追加の物質の存在は重要ではない。しかし、これらの物質がPh.Eur.の要件に適合することが好ましい。
「80%以上のシリビニン放出率」は、非晶質シリビニンが水溶液中に少なくとも80%溶解できることを意味する(Ph.Eur.による標準)。
これは有利には改善された吸収性およびバイオアベイラビリティーをもたらす。
本発明の他の態様は、本発明による方法によって得られる非晶質シリビニンに関する。好ましい実施形態では、これは、本発明による医薬組成物および本発明による医薬品剤形中にそれぞれ含まれる非晶質シリビニンである。
好ましくは、本発明による方法によって得られる非晶質シリビニンは、少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも96重量%、さらにより好ましくは少なくとも97重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%、特に少なくとも99重量%の非晶質度を有する。言い換えれば、本発明による方法によって得られる非晶質生成物は、好ましくは、せいぜい5重量%、より好ましくはせいぜい4重量%、さらにより好ましくはせいぜい3重量%、最も好ましくはせいぜい2重量%、特にせいぜい1重量%の量の結晶性シリビニン含量を有する。非晶質度を判定するのに適した方法、例えば定量的XRPDは当業者によって十分認識されている。
本発明による方法は、非晶質シリビニンの調製を対象とする。本発明による方法は、適切な構成要素から非晶質シリビニンを調製する合成化学的方法ではなく、できるだけ高い純度で出発原料(好ましくはマリアアザミ果実)中にすでに含まれている薬物シリビニンを提供し、それを非晶質状態に転換させることを目指す物理的分離手順である。
天然資源からの抽出物は通常完全に純粋(100.00%)ではないことは当業者に認識されている。むしろ、個々の精製工程の効率に応じて、少量の不純物が、最終生成物中になお存在し得る。この関連で、本発明による方法は、その抽出物が非晶質状態で提供され高い含量のシリビニンを含む、マリアアザミ果実からの抽出物の調製を対象としているとみなすことができる。
本発明による方法によって得られる非晶質シリビニンは、例えば、それが、異なる含量のそうした不純物を有しかつ/またはより良好な放出率を有するという点で、従来技術で知られている他の非晶質シリビニン調製物と区別される。D.Y-W.Leeら、J.Nat.Prod.2003年、66、1171〜4頁は、得られた物質の非晶質度について触れていない。実際、抽出と単離の両方において、またシリビニンについてのX線回折構造決定の結果において、それは単斜晶系の結晶と規定されており、非晶質とは規定されていない。
本発明はさらに、本発明による非晶質シリビニンを含む医薬品または肝臓および胆嚢の機能障害、特に中毒性肝障害(脂肪肝、アルコール)、肝臓症、例えばキノコ中毒、急性肝不全、肝臓の壊死、肝ジストロフィー、肝硬変、肝線維症、肝腫大および脂肪肝変性、肝不全および肝炎、好ましくはウイルス性肝炎、特にB型もしくはC型肝炎の治療および予防のためのその使用に関する。
驚くべきことに、シリビニンおよびその薬学的に許容される塩は、炎症性、ウイルス性肝疾患、好ましくはウイルス性肝炎、特にC型肝炎の治療に適した実質的に非晶質改変体で提供することができるようである。経口投与の経路は、例えば初回通過代謝などに関して非経口的投与の経路とは実質的に異なるが、治療有効投薬量のシリビニンを、非晶質シリビニンの経口投与により提供できるようである。
シリビニンは、顕著な初回通過効果を示すことが知られている。
初回通過効果(初回通過代謝またはプレシステミック代謝としても知られている)は、それによって、体循環に至る前に薬物の濃度が著しく低下する薬物代謝の現象である。肝臓および腸壁と一般に関係するのは、吸収の過程で失われる薬物の割合である。薬物が飲み込まれた後、それは消化器系で吸収され、肝門脈系に入る。それは、門脈を通して治療標的である臓器の肝臓に送り込まれ、次いで身体の残りの部分に到達する。肝臓は多くの薬物を代謝し、時には、肝臓から循環系の残りの部分には少量の活性薬物しか現れない程度まで代謝する。それらが薬物の体循環中への直接的な吸収を可能にするので、経直腸、静脈内、筋肉内および舌下などの他の投与経路では初回通過効果が避けられる。
しかし、驚くべきことに、広範な初回通過代謝にかけられても、非晶質シリビニンのバイオアベイラビリティーは、比較的高い投薬量の経口投与によって、重い副作用を引き起こすことなくウイルス性肝炎に対して効果的な血漿レベルを提供するのに十分高いようである。
さらに、驚くべきことに、本質的に純粋な形態の本質的に非晶質のシリビニンは、特定の方法によってマリアアザミ抽出物から得ることができ、さらに精製または濃縮することなく、医薬組成物および剤形へ直接加工することができることがわかった。
したがって、例えば、C型肝炎のための現在の標準的治療法を代表するPEGインターフェロン/リバビリンなどの免疫調節/抗ウイルス併用治療に応答しないC型肝炎患者(すなわち、いわゆる「非応答者」)、ならびに肝移植患者において、ウイルス負荷の有意な低減を非晶質シリビニンの投与、好ましくは経口投与によって達成することができる。さらに、非晶質シリビニンで前治療することによって、続くインターフェロンおよびリバビリンの投与に対する患者の応答が改善されるようである。
さらに、驚くべきことに、シリビニンの投与によって、肝移植を受けようとしているまたはそれを受けた患者において、ウイルス性肝炎の再感染を首尾よく予防することができることがわかった。この関連で、U.P.Neumann、M.Biermer、D.Eurich、P.Neuhaus、T.Berg、「Successful prevention of hepatitis C virus (HCV) liver graft reinfection by silibinin mono-therapy」、Journal of Hepatology、2010年は、シリビニンの投与による、同所肝移植(OLT)後のHCV再感染の最初の成功裡での予防を報告している。
そうした移植患者は、肝移植後の免疫応答を抑えるために他の医薬品を取る必要があるのでこれは特に重要である。その望ましくない副作用のため、前記した他の医薬品は、そうした患者を、従来のC型肝炎治療に対して、さらに耐えられなくかつその影響を受けにくくする。しかし、驚くべきことに、シリビニンの悪影響が非常に弱くほとんどないので、それを、移植した肝臓のウイルス再感染を予防するのに十分な用量でそうした患者に投与できることが今回わかった。
本発明の他の態様は、非晶質シリビニンを含む医薬組成物に関する。その医薬組成物は好ましくは固体である。
本明細書の目的のため、「非晶質」は好ましくは結晶性でないことを意味する。当業者によって、シリビニンの非晶質改変体をシリビニンの結晶性改変体から識別するのに適した分析方法、例えばX線回折は十分に認識されている。
好ましくは、非晶質シリビニンはナノ粒子の形態で存在しない。好ましくは、非晶質シリビニン粒子の平均粒径は、ミクロ粒子をナノ粒子から識別する限界より大きい。ナノ粒子は、一般的に面倒なその製造方法のため不利であるというだけではなく、むしろ、ナノ粒子はそれ自体のナノ粒子サイズに基づく有害な影響を有することがある。したがって、本発明によれば、ナノ粒子を避けることが好ましい。
本明細書の目的のため、「シリビニン」は好ましくは遊離化合物ならびにその薬理学的に許容される塩を指す。したがって、「非晶質シリビニン」は、非晶質の遊離シリビニンならびにシリビニンの非晶質塩を指すものとする。好ましくは、シリビニンは、その遊離形態すなわち塩ではない形態で存在する。
さらに、本明細書の目的のため、「シリビニン」という用語は、好ましくは、そのすべての立体異性体、例えばシリビニンAおよびシリビニンBならびにその薬理学的に許容される塩を含むシリビニンに関する。しかし、シリビニンエステルなどのシリビニン誘導体は好ましくは、「シリビニン」という用語に包含されない。
好ましい実施形態では、シリビニンAは任意の相対重量比、例えば50±5:50±5でシリビニンBと混合される。しかし、好ましい実施形態では、シリビニンAのジアステレオマー過剰率は、少なくとも50%de、より好ましくは少なくとも75%de、さらにより好ましくは少なくとも90%de、さらにより好ましくは少なくとも95%de、最も好ましくは少なくとも98%de、特に少なくとも99%deである。他の好ましい実施形態では、ジアステレオマー過剰のシリビニンBは、少なくとも50%de、より好ましくは少なくとも75%de、さらにより好ましくは少なくとも90%de、さらにより好ましくは少なくとも95%de、最も好ましくは少なくとも98%de、特に少なくとも99%deである。
好ましい実施形態では、医薬組成物中の非晶質シリビニンの含量は、その中に含まれるシリビニンの合計重量に対して少なくとも80重量%である。したがって、例えば医薬組成物が87重量%の非晶質シリビニンを含む場合、その残りの13重量%は結晶性シリビニンとなる。好ましくは、医薬組成物中の非晶質シリビニンの含量は、その中に含まれるシリビニンの合計重量に対して少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらにより好ましくは少なくとも92重量%、さらにより好ましくは少なくとも94重量%、最も好ましくは少なくとも96重量%、特に少なくとも98重量%である。特に好ましい実施形態では、医薬組成物中に含まれるシリビニンの合計量は、実質的に純粋な非晶質シリビニン、すなわち100重量%非晶質シリビニンであり、結晶性シリビニンは事実上全く存在しない。
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、シリジアニンおよび/またはシリクリスチンおよび/またはイソシリビニンを本質的に含まない。したがって、本発明による医薬組成物は、シリマリン、すなわち、かなり多くの異なる化合物を含むマリアアザミ抽出物を含む組成物から識別されることになる。
好ましくは、本発明による医薬組成物は、シリビニンの他には、シリマリンの他の構成成分も非晶質または結晶性改変体も含まない。
シリマリンのこれらの他の構成成分も生理学的効果(例えば、副作用を引き起こす可能性がある)を有するが、ウイルス性肝炎の治療に関して、シリビニン(またはその類似物)は、特にウイルス量を低減させるのに最も効果的であるようである。したがって、シリマリン、すなわちシリビニン、シリジアニン、シリクリスチン、イソシリビニンおよび他の構成成分の混合物を投与する場合、特定の量のシリビニンを提供するためには、シリマリンの全用量を比較的多くしなければならない。例えば、シリマリンが、例えば42重量%のシリビニンを含む場合、125mgのシリマリンを投与しても約52mgのシリビニンおよびやはり生理学的効果を有する(しかし望ましい効果ではない)約73mgの他の化合物が提供されるだけである。望ましくない副作用のリスクは生理学的に非晶質のシリビニンの用量とともに増大する。したがって、望ましくない副作用のプロファイルに関する限り、52mgの実質的に純粋なシリビニンの投与は、42重量%のシリビニン含量を有する125mgのシリマリンの投与より優れている(T.Dingら、「Determination of active component in silymarin by RP-LC and LC/MS」、J.Pharm.Biomed.Anal.2001年、26(1)、155〜161頁を参照されたい)。
シリビニン(シリビン)、シリジアニン(silidianin)(シリジアニン(silydianin))、シリクリスチン(silicristin)(シリクリスチン(silycristin))およびイソシリビニン(isosilibinin)(イソシリビン(isosilybin))の構造をここで以下に示す。D.Y.-W.Leeら、J.Nat.Prod.2003年、66、1171〜4頁;N.-C.Kimら、Org.Biomol.Chem.、2003年、1、1684〜9頁を参照されたい):
Figure 2012526739
本発明はさらに、本発明によるシリビニンを含む本発明による医薬品を含む薬剤処方物に関する。したがって、本発明は、そうした医薬品または薬物の調製およびその医学的用途に関する。
本発明によるシリビニンは、投薬単位の医薬製剤の形態で提供することができる。これは、その製剤が、個別的に割り当てられた形態、例えば、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸薬、坐剤、ペレット剤、薬用キャンデー、バッカル錠、トローチ剤、シロップ剤、サシェ剤およびアンプル剤で存在できることを意味し、その非晶質シリビニン含量は、単一用量の一部分または複数の単一用量に相当し得る。投薬単位は、例えば、1、2、3もしくは4単一用量または単一用量の1/2、1/3もしくは1/4を含むことができる。単一用量は、1回の投与で施され、かつ一般に全1日用量または1日用量の1/2、1/3もしくは1/4に相当する非晶質シリビニン量を含むことが好ましい。
本発明の他の態様は、本発明による医薬組成物を含む経口投与に適合された固体医薬品剤形に関する。
本発明による医薬組成物の関連で記載されている好ましい実施形態は本発明による医薬品剤形にも適用される。したがって以下ではこれを繰り返さない。
本明細書の目的のため、「医薬品剤形」という用語は、好ましくは「医薬品」、「医薬(medication)」、「投薬形態」または「投薬単位」という用語と同義である。例えば、経口投与用の医薬品が例えば錠剤の形態に関する場合、この錠剤は、特定の治療スキームまたはレジメンにおける各投与時間のための非晶質シリビニンの用量を含む投与する投薬単位であることが好ましい。投薬単位が単一錠剤を含む場合、その投薬単位は投薬形態に対応する。しかし、それぞれのケースで部分用量だけしか含まないが治療スキームにおける各投与時間のための全体として非晶質シリビニンの全用量を含む複数の投薬形態、例えば複数の錠剤に、投薬単位を分割することもできる(次いで、投薬単位のこれらの錠剤は本質的に同時投与を目的とする)。
好ましい実施形態では、医薬品剤形を経口投与用に処方する。好ましくは、その医薬品剤形は、錠剤、カプセル剤、糖衣錠剤、ペレット剤、顆粒剤、粒状薬剤(granulate)、ミクロ粒子剤、ナノ粒子剤およびサシェ剤からなる群から選択される経口投与形態である。
経口経路で薬物を投与する場合、経口剤形からの薬物のバイオアベイラビリティーが確実に十分高くなるようにしなければならない。シリビニンに関する限り、従来の処方物のバイオアベイラビリティーはかなり劣っており、これが本発明によって解決される基本的な問題の1つである。この関連で、制限因子はシリビニンの顕著な親油性である。驚くべきことに、シリビニンを非晶質改変体として提供すると、シリビニンを、シクロデキストリンまたはリン脂質などのシリビニンと相互作用する添加剤と共処方する必要なく、この制限を克服することができるようである。
特に好ましい実施形態では、本発明は、経口投与用に処方され、本質的にシリジアニンおよび/またはシリクリスチンおよび/またはイソシリビニンを含まない、ウイルス性肝炎、好ましくはB型またはC型肝炎の治療用の医薬品剤形の製造のための非晶質シリビニンの使用に関する。
経口投与用に適した適切な固体剤形(経口投与形態)は当業者に公知である。この関連で、例えばK.H.Bauerら、Lehrbuch der Pharmazeutischen Techno-logie [Textbook of Pharmaceutical Technology]、WVG Stuttgart 1999年を全体として参照することができる。
経口剤形は、錠剤、粉剤、ペレット剤、顆粒剤、糖衣錠剤、発泡性粉剤、発泡性顆粒剤、発泡性錠剤、凍結乾燥剤およびカプセル剤からなる群から選択されることが好ましい。特に好ましくは、経口剤形は錠剤、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤または粉剤であり、特に好ましくは錠剤である。
経口剤形用の処方物のための適切な添加剤は当業者に公知である。この関連で、例えばH.P.Fiedler、Lexikon der Hilfstoffe fur Pharmazie、Kosmetik und angrenzende Gebiete [Encyclopedia of excipients for pharmacy、cosmetics and related areas]、Editio Cantor Aulendorf、2001年を参照することができる。
非毒性で不活性な薬学的に適した担体物質は、すべてのタイプの固体、半固体または液体賦形剤、フィラーおよび処方用補助剤を意味することを理解されたい。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸薬、顆粒剤、坐剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤および乳剤は好ましい薬剤処方物として挙げられる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸薬および顆粒剤は、非晶質シリビニンまたは物質を、a)フィラーおよび増量剤、例えばデンプン類、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシ-メチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンおよびポリビニルピロリドン、c)保湿剤、例えばグリセリン、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウムおよび炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第四アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセリンモノステアレート、h)吸着剤、例えばカオリンおよびベントナイト、ならびにi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよび固体ポリエチレングリコールまたはa)〜i)に示した物質の混合物など慣用的な担体物質に加えて含むことができる。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸薬および顆粒剤は、任意選択で乳白剤を含む慣用的なコーティングおよびシェルを用いて提供することができ、任意選択で遅延した形で、腸管中または好ましくはその特定の部分だけで非晶質のシリビニンまたは物質を送達するようにした組成物であって、例えばポリマー物質およびワックスを封入化合物として使用できる組成物を有することもできる。
非晶質のシリビニンまたは物質は、任意選択で上記の担体物質の1つまたは複数を用いて、ミクロ粒子およびナノ粒子を含むマイクロカプセル化した形態で存在することもできる。
非晶質のシリビニンまたは物質に加えて、坐剤は、慣用的な水溶性または不水溶性の担体物質、例えばポリエチレングリコール、油脂、例えばココアバターおよび高級エステル(例えば、C14アルコールとC16脂肪酸の)またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
非晶質のシリビニンまたは物質に加えて、液剤および乳剤は、溶媒、可溶化剤および乳化剤などの慣用的な担体物質を含むことができる。
非晶質のシリビニンまたは物質に加えて、懸濁剤は、液体賦形剤などの慣用的な担体物質を含むことができる。好ましい処方物形態は、染料、防腐剤ならびに芳香および味覚の増進添加物、例えばペパーミント油およびユーカリ油ならびに甘味剤、例えばサッカリンも含むことができる。
本発明によるシリビニンを含む医薬品の投与は任意の形態で実施することができる。投薬体制は毎日、例えば1回、2回、3回であってよい。
錠剤は、例えば非晶質シリビニンを公知の添加剤、例えば不活性賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤および/またはデポー効果を得るための薬剤と混合することによって得ることができる。錠剤は複数の層からなっていてもよい。挙げてきた媒体の他に、錠剤は添加物を含むこともできる。さらに、錠剤化用に流動促進剤を追加的に用いることができる。
医薬品剤形は、非晶質シリビニンを、即時または制御された形で放出することができる。
制御された形で放出を行わせる場合、その放出は、好ましくは遅延された形で行う。本発明によれば、遅延された放出は好ましくは、非晶質シリビニンが、長期の治療作用を目的として遅い速度で比較的長期にわたって放出される放出プロファイルを意味すると理解されたい。これは特に経口投与の場合に達成される。本発明による「少なくとも部分的に遅延された放出で」という表現は、その中に含まれる非晶質シリビニンの改変された放出を確実にする任意の医薬品剤形を含む。医薬品剤形は、放出速度または放出の部位を選択的に改変させるために、特定のプロセスにより特殊な添加剤を用いて、またはその両方の可能性を組み合わせて作製される、好ましくはコーティングした剤形もしくはコーティングしていない剤形である。放出の時間的な過程に関して、本発明による医薬品剤形の場合、以下のタイプ、すなわち:遅延放出(延長放出)、反復作用放出、長期放出および持続放出が含まれる。さらなる詳細に関しては、例えばK.H.Bauerら、Lehrbuch der Pharmazeutischen Technologie [Textbook of Pharmaceutical Technology]、6th edition、WVG Stuttgart、1999年を参照することができる。
活性化合物の制御放出のための適切な手段は当業者に公知である。医薬品剤形が経口剤形、例えば錠剤である場合、遅延放出は、例えば非晶質シリビニンを、ポリマーマトリックス中に埋め込むかかつ/または膜を用いて経口剤形をフィルムコーティングすることによって達成することができる。
本発明によれば、制御放出挙動を有する固体、半固体または液体医薬品剤形を用いることができる。例えば経口浸透圧系(OROS)、コーティング錠剤、マトリックス錠剤、多層錠剤、被覆付き(jacketed)錠剤、被覆付き糖衣錠剤、拡散ペレット剤、吸着剤およびデポー型軟質ゼラチンカプセル剤などの固体医薬品剤形が好ましい。活性化合物の制御放出性を有する経口医薬品剤形は特に好ましくはコーティング錠剤、被覆付き錠剤またはマトリックス錠剤、特に好ましくはマトリックス錠剤である。
活性化合物の制御放出性を有する医薬品剤形は、溶解した、懸濁したかつ/または固体状の非晶質または結晶形態で非晶質シリビニンを含むことができる。
活性化合物の制御放出性を有する本発明による医薬品剤形の製造のために、非晶質シリビニンを、様々な粒径、例えば、摩砕していないもしくは摩砕した形態または微粒化した形態で用いることができる。しかし、非晶質シリビニンは、ナノ粒子の形態では存在しないことが好ましい。
活性化合物の制御放出性を有する医薬品剤形では、非晶質シリビニンは、例えばペレット剤、顆粒剤、マイクロカプセル剤、錠剤、押出成形剤または拡散制御膜でコーティングされた結晶などの非晶質シリビニン含有粒子の形態で存在することが好ましい。
これらの拡散制御型の医薬品剤形は、多粒子型(multiparticulate)、すなわち、それらが好ましくは、例えば、任意選択で慣用的な添加剤および媒体と一緒に非晶質シリビニンと慣用的な結合剤および増粘剤の混合物が塗布され、次いで拡散ラッカー、可塑剤および他の添加剤でコーティングされているニュートラルペレット剤などの非常に多数のコーティングされたコアからなるものであることが好ましい。本発明による拡散制御型の医薬品剤形は、さらに、例えば造粒法、回転造粒法、流動床凝集法、錠剤化法、湿潤押出法または溶融押出法(任意選択で球形化法を用いて)によって作製され、可塑剤および他の添加剤を含み得る拡散ラッカーでコーティングされた非晶質シリビニンを含む均一なコアからなることができる。
非晶質シリビニンを含む粒子は、pHを調節し、それによって、放出媒体のpHに対する非晶質シリビニン放出の依存性を低減させるのに寄与する、例えば酸または緩衝物質などの添加剤を含むことができる。
拡散制御膜は、そのpH依存的な溶解性のため様々なpHでの膜の浸透性に影響を及ぼし、したがって非晶質シリビニンの放出のpH依存性を最小にするのに寄与する他の添加剤をさらに含むことができる。
さらに、非晶質シリビニンの制御放出性を有する医薬品剤形は、膜を通って液体が浸透すると著しく膨潤し、膨潤および体積の膨張の結果としてコーティングを引き裂いて開かせる1つまたは複数の膨潤性の添加剤を含むコーティングした剤形であってよい。コーティングを引き裂いて開かせた結果として、医薬品剤形からの薬剤の放出を可能にする(パルス放出)。
上記のコーティングした拡散制御型またはパルス状医薬品剤形は、直接、薬剤の形態を変えないまま使用することができる。しかし、それらを、任意選択で添加剤を加え、さらに処理して最終的な剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、サシェ剤)にすることもできる。所望の放出プロファイルを得るために、コーティングした様々な粒子を薬剤形態で互いに混合することもでき、最初の用量の投与を、例えば、迅速に放出される粒子、例えばコーティングされていないペレット剤、顆粒剤または粉剤と組み合わせることによって行うことができる。
マトリックス中に非晶質シリビニンを含む処方物も、使用できる制御放出性を有する医薬品剤形である。これらのマトリックス処方物は、拡散および/または浸食によって非晶質シリビニンを放出する。好ましくは、これらの医薬品剤形は、例えばカプセル化できる1つの錠剤または複数の錠剤の形態で存在する。錠剤を、コーティングまたはラッカー塗布する(lacquer)ことができる。そうした医薬品剤形は、例えば構成成分を混合し直接錠剤化することによって、または乾式もしくは湿式造粒、それに続く錠剤化によって製造する。
使用するマトリックス形成剤は、水溶性、水膨潤性または不水溶性の物質であってよい。好ましくは、医薬品剤形は1つまたは複数の水膨潤性ポリマーを含む。
さらに、不水溶性物質を、構造形成剤(structure-forming agent)として使用することができる。医薬品剤形はさらに慣用的な錠剤化用添加剤を含むことができる。
さらに、マトリックスのpHを制御する物質をマトリックス中に混ぜ込むことができる。そうしたpH改変添加剤の添加によって、かつ/または、pHの増大を伴って溶解する、またはマトリックスから溶出させ、したがってマトリックスの空隙率または浸透性を増大させる、かつ/またはマトリックスの浸食を促進する物質の添加によって、本発明のこれらの好ましい実施形態は、ほとんどpHに依存しない放出を達成することができる。
非晶質シリビニンを含むマトリックスは、その放出が、特別な形状およびマトリックス表面によって影響を受ける特別な幾何学的形態で存在してもよい。マトリックス表面および放出表面は、例えば、圧縮して特別な形状(format)を得る(例えば、輪状の錠剤)ことによって、かつ/またはサブ領域のコーティングまたは多層プレスによる障壁層の塗布によって制御することができる。
異なる放出特性を有する処方物を好ましくは組み合わせて、薬剤形態を多層錠剤または被覆-コア型錠剤で得ることができる。例えば、急速放出層を含む多層錠剤または急速に放出する被膜を有する被覆-コア型錠剤によって、非晶質シリビニンの高い初期放出を有する本発明による制御放出が達成され、急速放出コアを有する被覆-コア型錠剤によって、終盤加速型放出(end-accelerated release)を達成することができる。
非晶質シリビニンの制御放出性を有する他の医薬品剤形は、溶融加工によって、1つまたは複数の生理学的に許容される添加剤からなるマトリックス中に非晶質シリビニンが混ぜ込まれている剤形である。これらの「溶融押出物」からの非晶質シリビニンの放出は、拡散および/または浸食によって起こる。好ましくは、非晶質シリビニンの制御放出性を有するこれらの処方物は、顆粒剤、ペレット剤または錠剤の形態で存在する。溶融押出によって得られる形態、特にペレット剤および顆粒剤は、例えば、任意選択で他の薬剤用に慣用的な添加剤を加えてカプセル化または錠剤化することによって、他の薬剤形態が得られるように加工することができる。さらに、例えばマトリックス錠剤などの他の医薬品剤形の製造のために、本発明による溶融押出物を摩砕し、続いてこの粉末状にした形態で用いることができる。他の加工は、医薬品剤形を得るために、例えば遅延放出および急速放出粒子などの異なる薬剤放出を有する処方物を組み合わせることも含む。
溶融押出物および/または溶融押出物から得られる薬剤形態は、コーティングまたはラッカー塗布することができる。溶融押出物は好ましくは、非晶質シリビニンを少なくとも1つの易融性の生理学的に許容される添加剤(担体)および任意選択の他の慣用的な追加の薬剤用物質と混合し、50〜250℃、好ましくは60〜200℃の範囲の温度で溶融させ、射出成形または押出および成形することによって作製される。この過程で、成分の混合は、溶融の前かまたは溶融の間に行うことができ、また、その成分の一部を溶融させ、他の構成成分をこの溶融物に加える。媒体、非晶質シリビニンおよび任意選択で存在する追加の物質の混合物は、熱可塑的に変形可能であり、したがって押し出すことができる。多くの方法がそれ自体、混合物の成形のための方法、例えば高温造粒法、低温造粒法、カレンダ加工法、押出法およびなおも塑性ストランドの変形法または丸め加工法(rounding)を示唆している。
非晶質シリビニン、担体および任意選択の可塑剤に加えて、押出可能な混合物は、さらに他の薬剤用に慣用的な追加の物質、例えば滑沢剤および離型剤、流動促進剤および流動剤(flow agent)、フィラーおよび吸着剤、安定剤、フリーラジカル捕捉剤、錯化剤、酸化防止剤、光安定剤、噴射剤、界面活性剤、防腐剤、着色剤、甘味剤ならびに香味剤を含むことができる。
非晶質シリビニンの制御放出性を有する医薬品剤形は、pH調節特性および/またはpH依存的溶解性を有する添加剤を含む溶融押出物であってもよい。これらの添加剤(例えば、すでに上記した酸、塩基、緩衝物質および腸溶性ポリマー)によって、非晶質シリビニン放出のpH依存性を最小化することができる。
溶融押出物の製造において、非晶質シリビニンが分子的に分散した形態でマトリックス中に存在する「固溶体」の形成を行うことができる。
非晶質シリビニンの制御放出性を有する医薬品剤形は、浸透圧薬剤放出系であってもよい。原理上は、この種の浸透圧系は従来技術で公知である。ここで、薬剤形態からの薬剤放出は一般に推進力として浸透圧をもとにする。
好ましくは、医薬品剤形は、1日1回(q.d.)、1日2回(b.i.d.)、1日3回(t.i.d.)または1日4回の投与のために処方される。
好ましい実施形態では、インビトロの条件下で1時間後、当初含まれていた非晶質シリビニンの少なくとも75重量%が医薬品剤形から放出されていた。インビトロでの非晶質シリビニンの放出を判定するための適切な条件は当業者に公知である。この関連で、例えばヨーロッパ薬局方を参照することができる。好ましくは、放出の判定は、回転翼型撹拌装置の助けを受けて、人工的な胃液(緩衝pH1.2)または人工的な腸液(緩衝pH7.6)中で実施する。放出される非晶質シリビニンの量は、例えばHPLCおよびUV検出の支援を受けて分析することができる。
好ましい実施形態では、経口剤形は即時放出剤形である。すなわち非晶質シリビニンがそれから急速に放出され、それによって胃腸管中での薬物の急速な出現がもたらされる。好ましい実施形態では、経口剤形の投与後30分間で、当初含まれていた非晶質シリビニンの少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%が経口剤形から放出されていた。
他の好ましい実施形態では、インビトロの条件下で1時間後、当初含まれていた非晶質シリビニの0.5〜75重量%が医薬品剤形から放出されていた。
好ましい放出プロファイルA1〜A8を以下の表にまとめる:
Figure 2012526739
好ましい実施形態では、医薬品剤形は、非晶質シリビニンをシクロデキストリンおよび/またはリン脂質と一緒に含む。
シリビニンおよびシクロデキストリンを含む薬剤処方物は、従来技術で公知である(例えば、欧州特許第422497号を参照されたい)。好ましくは、シリビニンはシクロデキストリンと包接錯体を形成する。好ましいシクロデキストリンは、α-、β-およびγ-シクロデキストリン、そのO-C1〜C4-アルキルおよびヒドロキシ-C1〜C4-アルキル誘導体である。
シリビニンおよびリン脂質を含む薬剤処方物は同様に従来技術で公知である(米国特許第4764508号を参照されたい)。好ましくは、シリビニンは、リン脂質と複合体を形成する。好ましいリン脂質はホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルセリンである。好ましいシリビニンリン脂質複合体はビタミンE(α-トコフェロール)を追加的に含む三重複合体である。この種の複合体は従来技術で「SPV複合体」として公知である(A Federico、Gut.2006年、55(6)、901〜2頁を参照されたい)。
非晶質シリビニンに加えて、医薬品剤形は1つまたは複数のテルペンを含むことができる。テルペンの作用によって、吸収要件と吸収過程の両方、したがって吸収を全体として改善することができる。テルペンは、純物質またはこれらの純物質の混合物もしくは誘導体の形態の天然由来または合成由来のエーテル油および/またはそのテルペノイド構成成分であってよい。エーテル油の中では、特にタイム油、ユーカリ油、松葉油、ティーツリー油、カヤプト油、カルダモン油、ペパーミント油、セージ油およびローズマリー油、好ましくはタイム油を挙げることができる。やはりテルペノイド物質に含めることになる物質としてのテルペンについては、特にヘミテルペン、例えばイソプレン、チグリン酸、アンゲリカ酸、イソ吉草酸;非環状モノテルペン、例えば2,6-ジメチルオクタン、α-ミルセン、(E)-p-オシメン、ペリレン、リナロール、ゲラニアール、(S)-(+)シトロネラルならびに単環式モノテルペン、例えばシクロ-プロパンモノテルペンおよびシクロブタンモノテルペン、例えば菊酸またはジュニオノン、シクロペンタンモノテルペン、例えばイリドイドもしくはネペタラクトンまたは(-)-セコロガニンおよび(-)-オレウロペイン、シクロヘキサンモノテルペン、例えばo-メンタン、シス-もしくはトランス-p-メンタン、(R)-(+)-リモネン、テルピネオール、(-)-メントール、(+)-ペリラアルデヒド、(-)-メントンまたは(+)-カルボン、二環式モノテルペン、例えば酸素橋かけ型テルペンの1,4-シネオール、1,8-シネオールまたはアスカリドールを含むモノテルペン;二環式シクロプロパンのカランおよびツジャン、二環式シクロブタンのピナン、ならびにビシクロヘプタンのカンファンおよびフェンカン;セスキ-テルペン、例えばファメサン(famesane)、ビサボラン、ゲルマクラン、エレマン、フムランを挙げることができる。特に好ましいテルペンは、チモール、メントール、シネオール、ボルネオール、カルボン、リモネンおよびピネンであり、一般に好ましくはチモールである。
その医薬品剤形は非晶質シリビニンを含む。シリビニンはシリマリンの構成成分である。非晶質シリビニンの他に、医薬品剤形は、シリマリンの他の構成成分を含まないことが好ましい。さらに、医薬品剤形は、シリビニンと相互に作用する、例えばシリビニンと複合体を形成する薬剤用添加剤、例えばシクロデキストリンまたはリン脂質を含まないことが好ましい。
好ましくは、イソシリビニン、シリジアニン、シリクリスチン、タキシフォリン、イソシリクリスチン、シリモニン(silimonin)、シランドリン(silandrin)、シリヘルミン(silihermin)およびネオシリヘルミンからなる群から選択される物質の1つまたは複数は、医薬品剤形中に含まれない、すなわち、好ましくはその医薬品剤形は本質的に上記物質の少なくとも1つをも含まない。この関連で、「本質的に〜を含まない」ということは、関連する物質の残留含量が、医薬品剤形の合計重量に対して好ましくは2.0重量%未満、より好ましくは1.0重量%未満、さらにより好ましくは0.5重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満、特に0.05重量%未満であることを意味する。これらの物質の残留含量を測定するための分析方法は当業者に公知であり、例えばHPLCがある。
シリマリンの個々の構成成分はその化学的および物理的特性が異なっており、シリマリンの薬理学的活性に非常に様々な度合いで寄与するため、シリビニンまたはその誘導体および/または塩をシリマリンの唯一すなわち独自の構成成分として投与することが有利であることがわかった。このような仕方で、効能と患者のコンプライアンスの両方が改善できるようである。
さらに、驚くべきことに、シリマリンの様々な構成成分の認容性は互いに異なっており、シリビンは、シリマリンより(すなわち、シリビニン以外に他の化合物を含む混合物より)認容性があり、特に毒性がより少ないことがわかった。
好ましい実施形態では、その医薬品剤形は非晶質シリビニンを、好ましくは少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mgまたは少なくとも200mg;より好ましくは少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、少なくとも300mg、少なくとも325mg、少なくとも350mg、少なくとも375mgまたは少なくとも400mg;さらにより好ましくは少なくとも425mg、少なくとも450mg、少なくとも475mg、少なくとも500mg、少なくとも525mg、少なくとも550mg、少なくとも575mgまたは少なくとも600mg;最も好ましくは少なくとも625mg、少なくとも650mg、少なくとも675mg、少なくとも700mg、少なくとも725mg、少なくとも750mg、少なくとも775mgまたは少なくとも800mg;特に少なくとも825mg、少なくとも850mg、少なくとも875mg、少なくとも900mg、少なくとも925mg、少なくとも950mg、少なくとも975mgまたは少なくとも1000mgの用量で含む。
他の好ましい実施形態では、その医薬品剤形は非晶質シリビニンを、好ましくは少なくとも1050mg、少なくとも1100mg、少なくとも1150mg、少なくとも1200mgまたは少なくとも1250mg;より好ましくは少なくとも1300mg、少なくとも1350mg、少なくとも1400mgまたは少なくとも1450mg;さらにより好ましくは少なくとも1500mg、少なくとも1550mg、少なくとも1600mg、少なくとも1650mgまたは少なくとも1700mg;最も好ましくは少なくとも1750mg、少なくとも1800mg、少なくとも1850mg、少なくとも1900mg、少なくとも1950mgまたは少なくとも2000mgの用量で含む。
単一の医薬品剤形中に組み込まれている場合に対象が飲み込むのに投薬量が多すぎる場合、当業者は、対応する用量を、次いで同時投与に適合するようになされた2つ以上の医薬品剤形に組み込まれた2つ以上の下位部分(sub-portion)に分割することができることを十分理解されていよう。
医薬品剤形は、その非晶質シリビニンを、患者の体重に対して、好ましくは少なくとも1.0mg/kg、より好ましくは少なくとも2.5mg/kg、さらにより好ましくは少なくとも5.0mg/kg、最も好ましくは少なくとも7.5mg/kg、特に少なくとも10mg/kg、少なくとも12.5mg/kg、少なくとも15mg/kg、少なくとも17.5mg/kg、少なくとも20mg/kg、少なくとも22.5mg/kg、少なくとも25mg/kg、少なくとも27.5mg/kgまたは少なくとも30mg/kgの用量で含む。好ましくは、前記用量は1日用量である。したがって、医薬品剤形が、例えば1日2回の投与のために適合されている場合、それぞれの1日用量は同一量からなる2つの部分に分割される。同様に、医薬品剤形が、例えば1日3回の投与のために適合されている場合、それぞれの1日用量は同一量からなる3つの部分に分割される。
好ましい実施形態では、非晶質シリビニンの1日用量は、少なくとも5、より好ましくは少なくとも10、さらにより好ましくは少なくとも15、最も好ましくは少なくとも20mg/kg体重である。
好ましい実施形態では、非晶質シリビニンの1日用量は20mg/kg体重である。したがって、医薬品剤形が1日1回の投与のために適合されている場合、それは好ましくは、70kgの体重を有する患者に対してその非晶質シリビニンの全量、例えば1400mgの非晶質シリビニンを含む。医薬品剤形が1日2回の投与のために適合されている場合、それは好ましくは、70kgの体重を有する患者に対してその非晶質シリビニンの量の半量、例えば700mgの非晶質シリビニンを含む。医薬品剤形が1日3回の投与のために適合されている場合、それは好ましくは、70kgの体重を有する患者に対してその非晶質シリビニンの量の1/3、例えば467mgの非晶質シリビニンを含む。医薬品剤形が1日4回の投与のために適合されている場合、それは好ましくは、70kgの体重を有する患者に対して非晶質シリビニンの量の1/4、例えば350mgの非晶質シリビニンを含む。
好ましい実施形態では、医薬品剤形は、1日1回、1日2回、1日3回または1日4回の投与のために、処方された仕方で医薬品剤形を投与する場合に投与される非晶質シリビニンの全1日用量が少なくとも300mg、少なくとも325mg、少なくとも350mg、少なくとも375mgまたは少なくとも400mg;より好ましくは少なくとも425mg、少なくとも450mg、少なくとも475mg、少なくとも500mg、少なくとも525mg、少なくとも550mg、少なくとも575mgまたは少なくとも600mg;さらにより好ましくは少なくとも625mg、少なくとも650mg、少なくとも675mg、少なくとも700mg、少なくとも725mg、少なくとも750mg、少なくとも775mgまたは少なくとも800mg;さらにより好ましくは少なくとも825mg、少なくとも850mg、少なくとも875mg、少なくとも900mg、少なくとも925mg、少なくとも950mg、少なくとも975mgまたは少なくとも1000mg;最も好ましくは少なくとも1050mg、少なくとも1100mg、少なくとも1150mg、少なくとも1200mgまたは少なくとも1250mg;特に少なくとも1300mg、少なくとも1350mg、少なくとも1400mg、少なくとも1450mgまたは少なくとも1500mgの量となるように適合される。
他の好ましい実施形態では、医薬品剤形は、1日1回、1日2回、1日3回または1日4回の投与のために、処方された仕方で医薬品剤形を投与する場合に投与される非晶質シリビニンの全1日用量が、少なくとも1000mg、少なくとも1050mg、少なくとも1100mg、少なくとも1150mgまたは少なくとも1200mg;より好ましくは少なくとも1250mg、少なくとも1300mg、少なくとも1350mg、少なくとも1400mg、少なくとも1450mg、少なくとも1500mg、少なくとも1550mgまたは少なくとも1600mg;さらにより好ましくは少なくとも1650mg、少なくとも1700mg、少なくとも1750mg、少なくとも1800mg、少なくとも1850mg、少なくとも1900mg、少なくとも1950mgまたは少なくとも2000mg;さらにより好ましくは少なくとも2050mg、少なくとも2100mg、少なくとも2150mg、少なくとも2200mg、少なくとも2250mg、少なくとも2300mg、少なくとも2350mgまたは少なくとも2400mg;最も好ましくは少なくとも2450mg、少なくとも2500mg、少なくとも2550mg、少なくとも2600mgまたは少なくとも2650mg;特に少なくとも2700mg、少なくとも2750mg、少なくとも2800mg、少なくとも2850mg、少なくとも2900mg、少なくとも2950mgまたは少なくとも3000mgの量となるように適合される。
好ましい実施形態では、単一の経口投与の後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも5000ng/mLまたは少なくとも6000ng/mL、より好ましくは少なくとも7000ng/mLまたは少なくとも8000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも9000ng/mLまたは少なくとも10,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも11,000ng/mLまたは少なくとも12,000ng/mL、最も好ましくは少なくとも13,000ng/mLまたは少なくとも14,000ng/mL、特に少なくとも15,000ng/mLまたは少なくとも16,000ng/mLの遊離シリビニン(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない、シリビニンA+シリビニンB)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
好ましい実施形態では、単一の経口投与の後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも1000ng/mLまたは少なくとも1500ng/mL、より好ましくは少なくとも2000ng/mLまたは少なくとも2500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも3000ng/mLまたは少なくとも4000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも5000ng/mLまたは少なくとも6000ng/mL、最も好ましくは少なくとも7000ng/mLまたは少なくとも8000ng/mL、特に少なくとも9000ng/mLまたは少なくとも10,000ng/mLの遊離シリビニンA(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
好ましい実施形態では、単一の経口投与の後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも1250ng/mLまたは少なくとも1500ng/mL、より好ましくは少なくとも1750ng/mLまたは少なくとも2000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも2250ng/mLまたは少なくとも2500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも2750ng/mLまたは少なくとも3000ng/mL、最も好ましくは少なくとも3250ng/mLまたは少なくとも3500ng/mL、特に少なくとも3750ng/mLまたは少なくとも4000ng/mLの遊離シリビニンB(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
好ましい実施形態では、単一の経口投与の後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも5000ng/h/mLまたは少なくとも6000ng/h/mL、より好ましくは少なくとも7000ng/h/mLまたは少なくとも8000ng/h/mL、さらにより好ましくは少なくとも9000ng/h/mLまたは少なくとも10,000ng/h/mL、さらにより好ましくは少なくとも11,000ng/h/mLまたは少なくとも12,000ng/h/mL、最も好ましくは少なくとも13,000ng/h/mLまたは少なくとも14,000ng/h/mL、特に少なくとも15,000ng/h/mLまたは少なくとも16,000ng/h/mLの遊離シリビニン(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない、シリビニンA+シリビニンB)についての曲線下面積AUCtを提供する。
好ましい実施形態では、単一の経口投与の後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも3000ng/h/mLまたは少なくとも4000ng/h/mL、より好ましくは少なくとも5000ng/h/mLまたは少なくとも6000ng/h/mL、さらにより好ましくは少なくとも7000ng/h/mLまたは少なくとも8000ng/h/mL、さらにより好ましくは少なくとも9000ng/h/mLまたは少なくとも10,000ng/h/mL、最も好ましくは少なくとも11,000ng/h/mLまたは少なくとも12,000ng/h/mL、特に少なくとも13,000ng/h/mLまたは少なくとも14,000ng/h/mLの遊離シリビニンA(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての曲線下面積AUCtを提供する。
好ましい実施形態では、単一の経口投与の後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも1000ng/h/mLまたは少なくとも1200ng/h/mL、より好ましくは少なくとも1400ng/h/mLまたは少なくとも1600ng/h/mL、さらにより好ましくは少なくとも1800ng/h/mLまたは少なくとも2000ng/h/mL、さらにより好ましくは少なくとも2500ng/h/mLまたは少なくとも3000ng/h/mL、最も好ましくは少なくとも3500ng/h/mLまたは少なくとも4000ng/h/mL、特に少なくとも4500ng/h/mLまたは少なくとも5000ng/h/mLの遊離シリビニンB(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての曲線下面積AUCtを提供する。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて通常の経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも150ng/mL、より好ましくは少なくとも170ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも180ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも190ng/mL、最も好ましくは少なくとも200ng/mL、特に少なくとも210ng/mLの遊離シリビニン(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない、シリビニンA+シリビニンB)についての平均血清濃度Cavを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも7000ng/mL、より好ましくは少なくとも8000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも8500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも9000ng/mL、最も好ましくは少なくとも9500ng/mL、特に少なくとも9750ng/mLの合計シリビニン(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの、シリビニンA+シリビニンB)についての平均血清濃度Cavを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも25,000ng/mL、より好ましくは少なくとも30,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも35,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも40,000ng/mL、最も好ましくは少なくとも45,000ng/mL、特に少なくとも47,500ng/mLの合計シリビニン(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの、シリビニンA+シリビニンB)についての平均血清濃度Cavを提供する。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも110ng/mL、より好ましくは少なくとも130ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも150ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも155ng/mL、最も好ましくは少なくとも160ng/mL、特に少なくとも165ng/mLの遊離シリビニンA(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての平均血清濃度Cavを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも2000ng/mL、より好ましくは少なくとも2500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも2750ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも3000ng/mL、最も好ましくは少なくとも3250ng/mL、特に少なくとも3500ng/mLの合計シリビニンA(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての平均血清濃度Cavを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも10,000ng/mL、より好ましくは少なくとも15,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも20,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも22,500ng/mL、最も好ましくは少なくとも25,000ng/mL、特に少なくとも27,500ng/mLの合計シリビニンA(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての平均血清濃度Cavを提供する。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも20ng/mL、より好ましくは少なくとも25ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも30ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも35ng/mL、最も好ましくは少なくとも38ng/mL、特に少なくとも40ng/mLの遊離シリビニンB(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての平均血清濃度Cavを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも4500ng/mL、より好ましくは少なくとも5000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも5500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも5750ng/mL、最も好ましくは少なくとも6000ng/mL、特に少なくとも6250ng/mLの合計シリビニンB(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての平均血清濃度Cavを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも7,500ng/mL、より好ましくは少なくとも10,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも12,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも14,000ng/mL、最も好ましくは少なくとも16,000ng/mL、特に少なくとも18,000ng/mLの合計シリビニンB(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての平均血清濃度Cavを提供する。
当業者は、遊離シリビニンAおよびBならびに合計シリビニンAおよびBそれぞれについてのCavの測定の方法を十分理解されていよう。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも300ng/mL、より好ましくは少なくとも325ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも350ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも375ng/mL、最も好ましくは少なくとも400ng/mL、特に少なくとも425ng/mLの遊離シリビニン(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない、シリビニンA+シリビニンB)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも12,500ng/mL、より好ましくは少なくとも14,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも15,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも16,000ng/mL、最も好ましくは少なくとも16,500ng/mL、特に少なくとも16,750ng/mLの合計シリビニン(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの、シリビニンA+シリビニンB)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも100,000ng/mL、より好ましくは少なくとも110,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも120,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも130,000ng/mL、最も好ましくは少なくとも140,000ng/mL、特に少なくとも150,000ng/mLの合計シリビニン(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの、シリビニンA+シリビニンB)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも150ng/mL、より好ましくは少なくとも200ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも225ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも250ng/mL、最も好ましくは少なくとも275ng/mL、特に少なくとも300ng/mLの遊離シリビニンA(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも3000ng/mL、より好ましくは少なくとも3500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも4000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも4500ng/mL、最も好ましくは少なくとも5000ng/mL、特に少なくとも5500ng/mLの合計シリビニンA(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも60,000ng/mL、より好ましくは少なくとも70,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも80,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも85,000ng/mL、最も好ましくは少なくとも90,000ng/mL、特に少なくとも95,000ng/mLの合計シリビニンA(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも60ng/mL、より好ましくは少なくとも70ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも80ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも90ng/mL、最も好ましくは少なくとも100ng/mL、特に少なくとも110ng/mLの遊離シリビニンB(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも6000ng/mL、より好ましくは少なくとも7000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも8000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも9000ng/mL、最も好ましくは少なくとも10,000ng/mL、特に少なくとも11,000ng/mLの合計シリビニンB(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも20,000ng/mL、より好ましくは少なくとも30,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも40,000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも50,000ng/mL、最も好ましくは少なくとも65,000ng/mL、特に少なくとも70,000ng/mLの合計シリビニンB(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての最大血清濃度Cmaxを提供する。
当業者は、遊離シリビニンAおよびBならびに合計シリビニンAおよびBそれぞれについてのCmaxの測定の方法を十分理解されていよう。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも30ng/mL、より好ましくは少なくとも35ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも40ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも45ng/mL、最も好ましくは少なくとも55ng/mL、特に少なくとも60ng/mLの遊離シリビニン(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない、シリビニンA+シリビニンB)についての最少血清濃度Cminを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも4000ng/mL、より好ましくは少なくとも4250ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも4500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも4750ng/mL、最も好ましくは少なくとも5000ng/mL、特に少なくとも5250ng/mLの合計シリビニン(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの、シリビニンA+シリビニンB)についての最少血清濃度Cminを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも5000ng/mL、より好ましくは少なくとも5500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも6000ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも6500ng/mL、最も好ましくは少なくとも7000ng/mL、特に少なくとも7500ng/mLの合計シリビニン(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの、シリビニンA+シリビニンB)についての最少血清濃度Cminを提供する。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも30ng/mL、より好ましくは少なくとも35ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも40ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも45ng/mL、最も好ましくは少なくとも50ng/mL、特に少なくとも50ng/mLの遊離シリビニンA(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての最少血清濃度Cminを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも1250ng/mL、より好ましくは少なくとも1500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも1600ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも1700ng/mL、最も好ましくは少なくとも1800ng/mL、特に少なくとも1900ng/mLの合計シリビニンA(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての最少血清濃度Cminを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも3000ng/mL、より好ましくは少なくとも3250ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも3500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも3800ng/mL、最も好ましくは少なくとも4000ng/mL、特に少なくとも4200ng/mLの合計シリビニンA(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての最少血清濃度Cminを提供する。
好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも0.5ng/mL、より好ましくは少なくとも1.0ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも1.5ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも2.0ng/mL、最も好ましくは少なくとも2.5ng/mL、特に少なくとも3ng/mLの遊離シリビニンB(遊離=代謝されてもまた血漿タンパク質と結合してもいない)についての最少血清濃度Cminを提供する。
他の好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも2000ng/mL、より好ましくは少なくとも2250ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも2500ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも2750ng/mL、最も好ましくは少なくとも3000ng/mL、特に少なくとも3250ng/mLの合計シリビニンB(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての最少血清濃度Cminを提供する。
他のさらに好ましい実施形態では、処方された仕方で、例えば1日1回、1日2回または1日3回少なくとも7日間続けて連続経口投与した後、本発明による医薬品剤形は、少なくとも3000ng/mL、より好ましくは少なくとも3100ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも3200ng/mL、さらにより好ましくは少なくとも3300ng/mL、最も好ましくは少なくとも3400ng/mL、特に少なくとも3500ng/mLの合計シリビニンB(合計=遊離+代謝したもの+血漿タンパク質と結合したもの)についての最少血清濃度Cminを提供する。
当業者は、遊離シリビニンAおよびBならびに合計シリビニンAおよびBそれぞれについてのCminの測定の方法を十分理解されていよう。
本発明の好ましい実施形態では、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形は、補助療法、好ましくはインターフェロン/リボバリン(以下参照)などの免疫調節/抗ウイルス併用治療に適合される。
本発明の他の態様は、ウイルス性肝炎の治療用の上記固体医薬品剤形の製造のための非晶質シリビニンの使用に関する。
本発明は、好ましくは経口投与によって、ウイルス性肝炎、特にB型またはC型肝炎、好ましくは慢性または急性のC型肝炎ウイルス感染症を治療するための好ましくはウイルス増殖抑止性または抗ウイルス性、より好ましくはウイルス量を減少させる医薬品の製造のための非晶質シリビニンの使用に関する。
本発明による医薬品剤形および本発明による医薬組成物に関連して上記した好ましい実施形態も、それぞれ、本発明のこの態様に適用される。したがって以下ではこれを繰り返さない。
好ましい実施形態では、本発明は、ウイルス性肝炎、好ましくはB型またはC型肝炎の治療のための、シリジアニンもかつ/またはシリクリスチンもかつ/またはイソシリビニンも本質的に含まない医薬品剤形の製造のための非晶質シリビニンの使用に関する。
本発明による好ましい実施形態では、ウイルス性肝炎、特にB型またはC型肝炎の治療は、ウイルス負荷(ウイルス量)を減少させることによって実施する。非晶質シリビニンは、B型またはC型肝炎患者のウイルス量を減少させることができるようである。
本発明による他の好ましい実施形態では、ウイルス性肝炎、特にB型またはC型肝炎の治療を、肝移植を受けようとしているまたはそれを受けた患者において実施する。ウイルス性肝炎のため肝移植を受けた患者は、新たに移植した肝臓においてウイルス性肝炎を再構築するリスクがある。通常、感染肝臓を外科手術で除去する場合、ウイルスは生命体から完全には除去されず、その生命体に保持された残りのウイルスは、新たに移植した肝臓を再感染させる恐れがある。慢性C型肝炎感染患者では、100%の症例において肝移植後の再感染が起こる。驚くべきことに、非晶質シリビニンはウイルス負荷を低減させることができるようであるので、非晶質シリビニンの投与、好ましくは経口投与によって、肝移植後の再感染のリスクを大幅に低減させることができる。
ウイルス性肝炎の形態は当業者に公知である。
ウイルス性肝炎では、現在のところ、少なくとも6つの異なる形態が明確に知られている。すなわち、A型、B型、C型、D型、E型およびG型肝炎である。これらの感染症の原因有機体は肝指向性ウイルスである。これらは、それぞれの場合異なるウイルスファミリーに属し、DNAまたはRNAゲノムを有している。感染は、食物を介するかまたは精液や血液などの体液の交換によって起こる。疾病経過および疾患の重症度に関して、やはり種々の形態間に差異が認められる。A型およびE型肝炎は基本的には急性型で起こるが、B型、C型およびD型肝炎は、時として、重篤な合併症を伴って慢性過程をもたらす恐れがある。
本明細書の目的のため、「ウイルス性肝炎」という用語は、好ましくはB型およびC型肝炎を含む。
好ましい実施形態では、治療を、これらに限定されないが、遺伝子型HCV1、HCV2、HCV3、HCV4、HCV5およびHCV6からなる群から選択される1つまたは複数のウイルス、好ましくはHCV1のウイルス負荷を低減させることによって実施する。
好ましい実施形態では、本発明は、リバビリン/インターフェロン治療などの慣用的な免疫調節/抗ウイルス併用治療に応答しない患者(「非応答者」)および/またはリバビリン/インターフェロン治療などの慣用的な免疫調節/抗ウイルス併用治療に部分的に応答する患者(「部分応答者」)および/または強い初期応答を示し、次いで治療の間または治療後にウイルス価のリバウンドを示す患者(「再発患者」)および/または肝移植を受けようとしているまたはそれを受けた患者における、ウイルス性肝炎、好ましくはC型肝炎の治療のための好ましくは経口投与用に適合された医薬品の製造のための非晶質シリビニンの使用に関する。
本発明は、非晶質シリビニンによるウイルス性C型肝炎の治療であって、その治療が、リバビリン/インターフェロンによる慣用的な併用治療の後に続く治療にも関する。好ましくは、非晶質シリビニンの投与による治療は、リバビリン/インターフェロン治療が不首尾であった(最初にかまたはある期間治療した後)後に開始する。
リバビリン/インターフェロンの投与による慣用的なC型肝炎治療の関連では、「非応答者」、「部分応答者」および「再発患者」という用語は当業者に公知である。今日、C型肝炎ウイルスのためのペグ化インターフェロン(=「ペグインターフェロン」)+リバビリン治療は、遺伝子1型患者の約半分において首尾よくいっていない。治療の失敗は、無応答(ウイルス価の僅かな減少)かまたは再発(強い初期応答、続く治療の間または治療後におけるウイルス価のリバウンド)によって起こる。
本明細書の目的のため、非応答者は好ましくは、リバビリン/インターフェロン(通常ペグインターフェロンα)を好ましくは12週間投与したとき<2log10IU/ml(すなわち、ファクター100)のウイルス量減少を示さない患者とみなされる。好ましい実施形態では、非応答者は、≦2.1log10IU/mLのウイルス価減少を有し、最低で≧4.62log10IU/mLの絶対力価(absolute titer)を有する。
本明細書の目的のため、部分応答者は好ましくは、12週で≧2log10IU/mlのウイルス量減少、24週で検出可能なHCV RNAを示さない患者とみなされる。
本明細書の目的のため、再発患者は好ましくは、≧2.8log10のウイルス価減少を有し、その絶対力価が一時的に検出限界(2.78log10IU/mL)未満まで低下する患者とみなされる。
本発明の好ましい実施形態では、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形は補助療法、好ましくはインターフェロン/リバビリン(以下を参照)などの免疫調節/抗ウイルス併用治療に適合される。
好ましい実施形態では、非晶質シリビニンに加えて、医薬品剤形は、炎症性肝疾患、特に好ましくはウイルス性肝疾患の治療、特にB型またはC型肝炎の治療に好ましくは適した他の薬剤を含む。
好ましくは、他の薬剤は、肝治療剤、リポトロピクス[A05B];ヌクレオシド、ヌクレオチド、逆転写酵素の排他的阻害剤(exclusive inhibitor)[J05AB];インターフェロン[L03AB]およびHBV(B型肝炎ウイルス)に対するモノクローナル抗体からなる群から選択される。角括弧で示した表記は、好ましくは2007年のドイツ版のATCインデックスに関するものである。
特に好ましくは、他の薬剤は、グルタミン酸アルギニン、シチオロン、エポメジオール、オキソグルタル酸オルニチン、チジアシクアルギニン、ミオイノシトール、メチオニンおよびN-アセチル-メチオニン、コリン、アスパラギン酸オルニチン、シアニダノール、チオプロニン、ベタイン、シアノコバラミン、ロイシン、レブロース、アシクロビル、イドクスウリジン、ビダラビン、リバビリン、ガンシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、シドホビル、ペンシクロビル、バルガンシクロビル、ブリブジン、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンαcon-1、ペグインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンα-2aおよびインターフェロンγ1b(ペグインターフェロン=ペグ化されたインターフェロンからなる群から選択される。
好ましい実施形態では、非晶質シリビニンを用いた患者の治療は、この治療に続く、好ましくは、グルタミン酸アルギニン、シリマリン、シチオロン、エポメジオール、オキソグルタル酸オルニチン、チジアシクアルギニン、ミオイノシトール、メチオニンおよびN-アセチル-メチオニン、コリン、アスパラギン酸オルニチン、シアニダノール、チオプロニン、ベタイン、シアノコバラミン、ロイシン、レブロース、アシクロビル、イドクスウリジン、ビダラビン、リバビリン、ガンシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、シドホビル、ペンシクロビル、バルガンシクロビル、ブリブジン、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンαcon-1、ペグインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンα-2aおよびインターフェロンγ1bからなる群から選択される他の薬剤を用いたウイルス性肝炎、特にB型またはC型肝炎の治療の支援および/または準備のために役に立つ。
したがって、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形を用いたウイルス性肝炎、特にB型またはC型肝炎の治療に続いて、他の医薬品剤形を用いてウイルス性肝炎、特にB型またはC型肝炎の治療を行うことが好ましい。
好ましい実施形態では、医薬品剤形を、逐次治療の構成成分として処方し、医薬品剤形を第一期に最初に経口で投与し、続いて別の医薬品剤形を第二期に投与する。好ましくは、その第一期は、少なくとも2日間、より好ましくは少なくとも3日間、さらにより好ましくは少なくとも4日間、最も好ましくは少なくとも5日間、特に少なくとも6日間を含む。好ましくは、第二期は第一期より多い日数を含む。好ましくは、第二期は、少なくとも2日間、より好ましくは少なくとも3日間、さらにより好ましくは少なくとも4日間、最も好ましくは少なくとも5日間、特に少なくとも6日間を含む。特に好ましい実施形態では、第2の医薬品剤形はリバビリンとペグ化インターフェロンαの組合せを含み、第二期は24〜48週間の期間を含む。
好ましくは、他の医薬品剤形は、グルタミン酸アルギニン、シリマリン、シチオロン、エポメジオール、オキソグルタル酸オルニチン、チジアシクアルギニン、ミオイノシトール、メチオニンおよびN-アセチルメチオニン、コリン、アスパラギン酸オルニチン、シアニダノール、チオプロニン、ベタイン、シアノコバラミン、ロイシン、レブロース、アシクロビル、イドクスウリジン、ビダラビン、リバビリン、ガンシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、シドホビル、ペンシクロビル、バルガンシクロビル、ブリブジン、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンαcon-1、ペグインターフェロンα-2b、ペグインターフェロンα-2a、インターフェロンγ1bおよびHBVに対するモノクローナル抗体からなる群から選択される1つまたは複数の薬剤を含み、特に好ましくはインターフェロンおよび/またはリバビリンおよび/またはシリマリンを含む。他の医薬品剤形がインターフェロンを含む場合、これは好ましくはペグ化インターフェロンα(ペグインターフェロンα-2aまたはペグインターフェロンα-2b)である。
特に好ましい実施形態では、他の医薬品剤形は、イソシリビニン、シリジアニン、シリクリスチン、タキシフォリン、イソシリクリスチン、シリモニン、シランドリン、シリヘルミンおよびネオシリヘルミンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤を含み、より好ましくは、上記に挙げたものから選択される薬剤の1つだけを含む。好ましくは、他の医薬品剤形は、第一期に投与され、好ましくは上記した物質の少なくとも1つ、好ましくはすべてを本質的に含まない、上記の医薬品剤形の関連で定義される非晶質シリビニンを含む。この関連で、「本質的に含まない」という用語は、関係する物質の残留含量が、医薬品剤形の合計重量に対して好ましくは2.0重量%未満、より好ましくは1.0重量%未満、さらにより好ましくは0.5重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満、特に0.05重量%未満であることを意味する。
他の医薬品剤形は、原則として、非経口または経口投与用に処方することができる。本発明によれば、経口投与用に処方することが好ましい。
好ましい実施形態では、本発明による治療レジメンは、互いに連続した2つの期、すなわち第一期および第二期を含む。
好ましくは、第一期で、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形を経口で投与する。しかし、肝臓効果を有する他の医薬品剤形は同時に投与しない。第二期で、好ましくはリバビリンおよび/またはペグ化インターフェロンαを含む他の医薬品剤形を投与する。好ましい実施形態では、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形をやはり第二期に好ましくは経口で投与する。他の好ましい実施形態では、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形は第二期では投与しない。すなわち、前記他の医薬品剤形だけを投与する。
二期型治療レジメンの好ましい実施形態F1〜F15をここで以下の表にまとめる:
Figure 2012526739
他の好ましい実施形態では、本発明による治療レジメンは、互いに連続した3つの期、すなわち第一期、第二期および第三期を含む。好ましくは、第一期で、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形を経口で投与する。しかし、肝臓効果を有する他の医薬品剤形は同時に投与しない。第二期で、好ましくはリバビリンおよび/またはペグ化インターフェロンαを含む他の医薬品剤形を投与し、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形をやはり第二期に好ましくは経口で投与する。好ましくは、第三期で、好ましくはリバビリンおよび/またはペグ化インターフェロンαを含む前記他の医薬品剤形を投与する。しかし、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形は第三期で投与しない。すなわち、前記他の医薬品剤形だけを投与する。
三期型治療レジメンの好ましい実施形態G1〜G15をここで以下の表にまとめる:
Figure 2012526739
他のさらに好ましい実施形態では、本発明による治療レジメンは、互いに連続した3つの期、すなわち第一期、第二期および第三期を含む。好ましくは、第一期で、好ましくはリバビリンおよび/またはペグ化インターフェロンαを含む他の医薬品剤形を投与し、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形は第一期では投与しない。第二期で、好ましくはリバビリンおよび/またはペグ化インターフェロンαを含む前記他の医薬品剤形をさらに投与し、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形もやはり第二期に経口投与(共投与)する。好ましくは、第三期で、好ましくはリバビリンおよび/またはペグ化インターフェロンαを含む前記他の医薬品剤形を投与する。しかし、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形は第三期で投与しない。すなわち、前記他の医薬品剤形だけを投与する。言い換えれば、この好ましい実施形態によれば、好ましくはリバビリンおよび/またはペグ化インターフェロンαを含む前記他の医薬品剤形を連続的に投与し、その中間期(=第二期)に、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形を経口で共投与する。
三期型治療レジメンの好ましい実施形態H1〜H15をここで以下の表にまとめる:
Figure 2012526739
本発明の他の態様は、上記したウイルス性肝炎を治療または予防するための好ましくは経口投与用に適合された上記医薬品剤形に関する。
本発明のさらに他の態様は、非晶質シリビニンを含む少なくとも1つの本発明による医薬品剤形と少なくとも1つの他の医薬品剤形を含むキットに関する。非晶質シリビニンを含む本発明による医薬品剤形と他の医薬品剤形はどちらも上記されており、したがってすべての好ましい実施形態は、本発明によるキットにも同様に適用される。
好ましい実施形態では、そのキットは、逐次治療を実施するために、必要なだけ多くの医薬品剤形(個別投薬単位)を含み、非晶質シリビニンを含む医薬品剤形を最初に第一期で投与し、続いて他の医薬品剤形を第二期で投与する。好ましくは、第一期は少なくとも2日間、より好ましくは少なくとも3日間、さらにより好ましくは少なくとも4日間、最も好ましくは少なくとも5日間、特に少なくとも6日間を含む。好ましくは、第二期は第一期より多い日数を含む。好ましくは、第二期は少なくとも2日間、より好ましくは少なくとも3日間、さらにより好ましくは少なくとも4日間、最も好ましくは少なくとも5日間、特に少なくとも6日間を含む。
特に好ましい実施形態では、本発明は、リバビリン/インターフェロン治療に関係した非応答者、すなわち、リバビリン/インターフェロン治療などの免疫調節/抗ウイルス併用治療に応答しない患者のウイルス性C型肝炎を治療する、経口投与用に処方された医薬品剤形の製造のための非晶質シリビニンの使用に関する。
本発明の他の態様は、ウイルス性肝炎、好ましくはC型肝炎を治療するための好ましくは経口投与用の非晶質シリビニンに関する。本発明の態様の好ましい実施形態は、本発明の他の態様の好ましい実施形態の上記説明から明らかであり、したがって繰り返さない。
本発明の他の態様は、薬学的に有効な量の非晶質シリビニンを、それを必要とする対象に投与、好ましくは経口投与することを含むウイルス性肝炎、好ましくはC型肝炎の治療に関する。本発明の態様の好ましい実施形態は、本発明の他の態様の好ましい実施形態の上記説明から明らかであり、したがって繰り返さない。
以下の実施例によって本発明をさらに例示するが、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本発明の特許請求の範囲の詳細な全説明:
A.-1薬物の予備脱脂
5,000kgマリアアザミ果実を機械的に予め脱脂する。1cmのふるいにかけ、次いで磁気選別機を用いてマリアアザミ果実を異物および金属屑から機械的に分離する。4個の回転ローラーを備えたミルで破砕と圧搾を、65バールの圧力下、室温で実施する。部分的に脱脂したマリアアザミ果実をスクリューコンベヤー上で40〜50℃に加温する。この製造工程の収率は薬物の種類および油分によって変わってくる。
A.-2.抽出
予め脱脂した薬物をパーコレーターに導入し、62℃〜66℃の投入温度で、酢酸エチルで抽出する。抽出は連続抽出である。プロセス制御:投入温度は62℃〜66℃の間である。方法:温度を1日に3回チェックし(1シフト当たり1回)、バッチ書類に記入する。マリアアザミ果実中に含まれる水分によって、抽出溶媒酢酸エチルの水分含量は時間とともに増大する。最大水分含量は35g/lを超えないものとする。必要な場合、酢酸エチルで調節を行う。プロセス制御:水分含量KF-滴定≦35.0g/l。方法:Ph.Eur.2.5.32-水分微量測定。
B.-1.ろ過/遠心分離
残留薬物粒子を除去するため、得られた抽出物をGAFフィルター(25〜50μm)でろ過する。得られた抽出液は透明である。プロセス制御:透明度(目視管理)。
C.濃縮および精製
酢酸エチル、水溶性不純物およびマリアアザミ油を除去するため、プレ濃縮物を、水を入れた容器中で撹拌しながら真空下、≦40℃の温度で濃縮する。反応器中で形成された相をデカントして分離する。沈殿物を約500lの熱水で洗浄する。水の入口温度は70〜80℃である。過剰の水は吸引する。プロセス制御:濃縮温度≦40℃。
D.-1溶解
8〜100g/lの乾燥残留物を有する溶液を、含有物の溶解度にしたがって得られたケーキをエタノール(水分含量130〜180g/l)に溶解して調製する。次いで、加温して還流させる。溶液が得られたら直ちに<30℃に冷却する。所定の水分含量に達するように、溶液を水またはエタノールで調節する。
プロセス制御:KF-滴定による水分含量:130〜180g/l。方法:Ph.Eur.2.5.32-水分微量測定。プロセス制御:乾燥残留物:8〜100g/l。方法:Ph.Eur.2.8.16-乾燥残留物-チンキ剤:平底皿に、試験する2.0mlの抽出液を導入する。水浴上で乾燥するまで蒸発させ、オーブン中、100℃〜105℃で3時間乾燥する。デシケーター中無水シリカゲル上で冷却し計量する。結果をg/lで算出する。
D.-2脱脂
エタノール溶液をヘキサンで脱脂する。したがって、エタノール溶液を最初にヘキサンで飽和させ、続いて、未溶解成分を除去するために、チャンバー分離器を通して遠心分離にかけ、プレートフィルターでろ過する)。脱脂は、向流型パーティションカラム中でヘキサンを用いて実施する。エタノール溶液を5μmバグフィルターでろ過する。ヘキサンをヘキサン相から留去させる。油性残留物は廃棄する。プロセス制御:透明度(目視管理)。方法:透明度は1日に3回目視で管理する。
E.濃縮
ろ過したエタノール相を反応器中で、真空下、最大で65℃の温度で撹拌しながら、35〜45%の乾燥残留物が得られるまで濃縮する。プロセス制御:濃縮温度≦65℃。
F.ろ過
濃縮物を加圧式メンブレンフィルターでろ過する。2つの相がある:ペースト状ろ液と液体である。ペーストを次の工程で使用する。
G.固体状ろ液(SOLID FILTRATE)の溶解
5〜10g/lの乾燥残留物を有する溶液を、そのペーストをエタノール(水分含量130〜180g/l)に溶解して調製する。プロセス制御:KF-滴定による水分含量:130〜180g/l(D参照)。
H.活性炭の添加
ペーストを溶解した後、乾燥物質ベースで計算して約2%の活性炭をこの溶液に加え、良好な混合が得られるように液体を還流させる。
I.-1加温ろ過
生成物を、プレートフィルターで50〜60℃の温度でろ過して濃縮にかける。
I.-2濃縮および結晶化
濃縮温度は、35〜45%の乾燥残留物が得られるまで真空下で≦65℃であるものとし、次いで、濃縮物を≦3℃に冷却し結晶化させる。
J.ろ過
生成物を冷却した後、固体を残留液体から分離するために加圧式メンブレンフィルターにかける。次いで、シリビニンの含量を知るためにサンプルを取る。この含量が<95%であり、イソシリビニン、シリジアニンおよびシリクリスチンの合計量が>1%であった場合、≧95%のシリビニン含量および≦1%のイソシリビニン、シリジアニンおよびシリクリスチンの合計量が得られるまで、この工程を、活性炭を添加することなくポイントG.固体状ろ液の溶解まで戻す。測定は、Ph.Eurにしたがって逆相液体クロマトグラフ法を用いて実施する。
K.-1.洗浄
この物質を冷水で洗浄する。
K.-2.初期乾燥および予備破砕
生成物の乾燥は、真空乾燥機中、好ましくは70〜1ミリバールの圧力下、最大で≦80℃の乾燥機ジャケット温度で実施する。乾燥抽出物を1mmふるいを通して予備破砕する。
L.-1最終溶解およびろ過。
2%〜12%の乾燥残留物が得られるまで、予備破砕したシリビニンを≧99.5%(V/V)のエタノールに溶解する。溶液を、撹拌を備えた反応器中で還流するまで30分間加温し、直ちに40℃に冷却する。冷却に続いて、生成物をプレートフィルターでろ過する。
M.-1最終乾燥および予備破砕
この物質の最終乾燥を:
a)入口温度180℃〜200℃および出口温度80℃〜120℃で大気型乾燥機(噴霧乾燥機)で実施して、約5%のエタノール含量および1%未満の水分含量を有する乾燥粉末を得るか;または
b)最大で20%の乾燥残留物まで濃縮し、次いで真空下、好ましくは80℃未満、より好ましくは50〜60℃で、反応器中で直接乾燥して乾燥粉末を得る。乾燥抽出物を2mmふるいで予備粉砕にかける。
M.-2ミリング
得られた生成物の3%超が180μmより大きい粒径を有している場合、生成物を、窒素を供給しながらピンミルで摩砕して微細な非晶質状粉末を得る。
M.-3後乾燥
生成物を、必要に応じて、最大で40ミリバールの圧力下、最大80℃で後乾燥して、1%未満の残留エタノール含量および3.5%未満の水分含量を有する乾燥粉末を得る。
M.-3最終均質化
ミリングした生成物をコーン型装置中で2時間混合する。
非晶質シリビニン中の結晶性シリビニン(非晶質度)の判定のための定量的XRPD法
純粋な結晶性シリビニンのサンプルを、エタノールからシリビニンを再結晶化させて調製した。次いで、非晶質相の完全な結晶化を確実にするために、サンプルをエタノール中に再懸濁させ、室温で数時間緩やかに撹拌した。時々、サンプルをXRPDにかけ、2θ:20.7、22.3および24.5°でのピーク下面積を測定した。これらのピークの面積の増加がそれ以上観察されなかったら(XRPDスペクトル)、サンプルをろ過し、乾燥し、以下の実験における結晶性シリビニン標準品として使用した。このサンプルのXRPDスペクトルを図1Aに示す。
非晶質シリビニンのサンプルを、350L/hの空気流、100℃の入口温度、6mL/分のポンプ速度でエタノールに40℃で溶解したシリビニンを噴霧乾燥(Buchi mini 噴霧乾燥機B-290)して得た。完全な非晶質化を確実にするために、得られた非晶質サンプルをボールミル中、30Hzで15分間さらにミリングした。ミリングの前後でXRPDスペクトルの変化は認められなかった。非晶質シリビニンの標準品のXRPDスペクトルを図1Bに示す。
非晶質シリビニンの標準品を、DSC(DSC200 F3 Maia Netzsch;10°/分)でさらに制御した。図2で、結晶性シリビニン標準品(2A)のDSCを非晶質シリビニン標準品(2B)のDSCと比較する。シリビニン非晶質標準品とそれぞれ10%〜100%の結晶性シリビニン標準品の混合物のDSCを図2Cに示す。上記データから、XRPD評価で用いた非晶質シリビニンの標準品は純粋な非晶質であることが明らかである。
定量的XRPD評価のため、ZnO(XRPDスペクトル図3A)を内部標準として使用した。図3Bに示すように、結晶性シリビニン(2θ:20.7、22.3および24.5°)の3つの特性ピークを結晶形態の定量的測定のために選択し、内部標準(IS、ZnO)の2θ:56.6および62.8°でのピークを基準として用いた。
約250mgの8つの混合物を、50mgの内部標準とXmgの結晶性シリビニンおよびYmgの非晶質シリビニンを混合して調製した。ただしX+Y=200mgである。XとYは以下の表に示すように変化させた:
Figure 2012526739
混合物をバイアルに移し、サンプルを均質化するためロータリーシェーカー(FALC F205)を用いて1時間室温で振とうさせた。
可能性のあるサンプルの不均質化(dishomogeneity)と一緒に結晶粉末の晶癖(habit)およびサンプルホルダー上のその位置によって引き起こされる優先的配向による作用を最小限にするため、各サンプルをサンプルホルダー上に置き3回測定した。
XRPDスペクトルを、PANalyticalのX'Pert回折計を用い、取得およびデータ処理のための以下のパラメーターを用いて得た:
波長:Kα1(A°:1.540598)
Kα2(A°:1.544426)
Kα2/Kα1強度比:0.50
入射ビーム路程、半径240mm
X線管:陽極Cu、電圧40kV、電流40mA、型式:PW3373/00 Cu LFF
サンプル運動:スピニング(1s)
走査軸:ゴニオ
走査範囲:19.9970〜65.0004°
刻み幅:0.0167°
ポイント数(N of points):2693
走査方式:連続
計数時間:50.165s
検出器:X'celerator RTMS
PHD(低):39.5%
PHD(高):80.0%
走査モード、有効長2.122°
すべてのデータを、部分最小二乗アルゴリズム(PLS)およびピーク比正規化を用いて、ソフトウェアTQアナリスト8.0.0.254により処理した。
定量的測定には3つの領域を用いた(2θ):
20.16〜21.00
21.76〜22.59
24.02〜24.77
内部標準のための領域(2θ):55.56〜63.87を考慮した。
標準品混合物1〜8のスペクトルを図3Cに示す。
得られたすべてのデータを上記に論じたようにして処理し、計算値と実際値の間に10%を超える差があったため標準品混合物4と5を捨てた。6点についての得られた較正ダイアグラムを図4に示す。相関係数は0.99904であり、二乗平均平方根誤差較正(RMSEC)は1.46であり、リカバリーは95.9〜108%の間であり、再現性はC.V.<4.1%であり、中間精度はC.V.<3.0%である。
非晶質シリビニン中の結晶性シリビニンについては、検出限界(LOD)は0.5%であることがわかり、定量限界(LOQ)は1.0%であることがわかった。
これらのパラメーターは、上記したようにして0.25、0.5および1%の結晶性シリビニンと非晶質シリビニンの混合物を調製し、これを測定して得た。
0.25、0.5および1%の結晶性シリビニンをそれぞれ含む非晶質シリビニンのXRPDスペクトルを図5A、BおよびCに示す。
これらのデータは、この方法が、XRPDの手法を用いて非晶質シリビニン中の1%〜100%の結晶性シリビニンの量を非常に高い精度で定量できることを示している。
本発明の方法で作製された非晶質シリビニン中の結晶性シリビニンのXRPD評価
工程LおよびMを含む本発明の方法にしたがって作製した複数のロットのシリビニンを、実施例2で説明したXRPD法を用いて分析した。
この作製の非晶質シリビニンの代表的XRPDスペクトルを図6に示す。
定量的評価により、非晶質シリビニン中の結晶性シリビニンは5%以下であり、一般に検出不可能かまたは1%未満であることが明らかになった。
30分後のこの生成物の溶解度(HPLC-Ph.Eur.01/2007:2071)は80%超である。逆に、工程LおよびMを実施することなく本発明の方法にしたがって得たシリビニンは、高い化学的純度にも関わらず、主として結晶性(一般に70%超の結晶性)である。工程LおよびMを実施することなく得たシリビニンの代表的XRPDスペクトルを図7に示す。
30分後のこの生成物の溶解度(HPLC-Ph.Eur.01/2007:2071)は80%未満である。
結晶性化合物(XRPD評価)で汚染された非晶質シリビニンの安定性と比較した、本方法によって得られた純粋な非晶質シリビニンの安定性
本発明にしたがって得られたシリビニンサンプルを、単一のポリエチレン袋の中で、60%R.H.下4±2℃、60±5%R.H.下25±2℃および60±5%R.H下40±2℃で2カ月間貯蔵した。その後、サンプルをXRPDで分析した。これらのサンプルについてのXRPDスペクトルを図8Aに示す。それぞれの条件で、純粋な非晶質は安定であることがわかった。
逆に、図8Bにみられるように、単一のポリエチレン袋の中で60±5%R.H.下25±2℃で2カ月間貯蔵した場合、約10%の結晶性シリビニンを含む非晶質シリビニンサンプルの安定性は広範な結晶化をもたらした。

Claims (18)

  1. 非晶質シリビニンを調製するための方法であって、以下の工程、すなわち:
    A.)シリビニンを、適度な極性を有する溶媒で抽出する工程と、
    B.)固体残留物から溶媒相を分離する工程と、
    C.)60℃未満の温度で溶媒相を濃縮する工程と、
    D.)工程C.)で得られた濃縮物を、エタノールまたは極性類似のプロトン性溶媒と混合し、次いでヘキサンと混合し、混合物を濃縮し、ヘキサン相を除去する工程と、
    E.)工程D.)で得られた残留物を濃縮する工程と、
    F.)固相を分離する工程と、
    G.)工程F.)で得られた固相をエタノールまたは極性類似のプロトン性溶媒と混合する工程と、
    H.)活性炭を加える工程と、
    I.)前記活性炭を液相から分離し、その液体を濃縮し、それからシリビニンを結晶化させる工程と、
    J.)工程I.)で得られた結晶を液相から分離し、必要に応じて、シリビニンを95重量%超の含量に濃縮するために工程G.)、I.)、J.)を繰り返す工程と、
    K.)任意選択でろ過、洗浄、乾燥し、必要に応じて、これらの工程を繰り返す工程と、
    L.)工程K.)で得られた物質を無水アルコールと混合し、還流し、冷却して濃縮する工程と、
    M.)得られた非晶質状微粉末を乾燥し、ミリングして均質化する工程と
    を含む、方法。
  2. 工程A.)において、前記適度な極性の溶媒が、酢酸エチル、エタノールおよびメタノールを含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程A.)を40〜80℃の温度で実施する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記温度が50〜70℃である、請求項3に記載の方法。
  5. 工程B.)、F.)、I.)および/またはJ.)における分離をろ過によって達成する、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 工程C.)、D.)および/またはL.)における濃縮および/または工程K.)における乾燥を真空下で実施する、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 工程C.)における濃縮を40℃未満の温度で実施する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 工程D.)および/またはG.)において、エタノールまたは極性類似の溶媒を加え、その水分含量を130〜180g/lに調節する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 工程E.)における濃縮を65℃未満の温度で実施する、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 工程I.)における分離および/または工程L.)における濃縮を80℃未満の温度で実施する、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記温度が50〜60℃の範囲内である、請求項10に記載の方法。
  12. 工程H.)において、少なくとも1つの吸着剤が活性炭である、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 工程L.)において、無水アルコールが無水C1〜C4アルコールである、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記無水C1〜C4アルコールがエタノールである、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の方法によって得られる非晶質シリビニン。
  16. 少なくとも95重量%の非晶質度を有する、請求項15に記載の非晶質シリビニン。
  17. ウイルス性C型肝炎の治療において使用するための、請求項15または16に記載の非晶質シリビニン。
  18. 好ましくは肝移植を受けようとしているまたはそれを受けた患者において、C型肝炎を治療または予防するのに使用するための、好ましくは請求項15または16に記載の非晶質シリビニン。
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