以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
方法段階及びシステム成分は、図面での従来のシンボルによって表現され、特定詳細のみが本発明の理解において適切なものとして観察されなければならない。また、当該技術分野における通常の知識を持つ者には自明なことについては詳細な説明は開示しないことができる。本発明において、第1、第2、及びその他の関連用語は、エンティティ間の実際関係又は順序を必ずしも暗示するものではなく、一つのエンティティと他のエンティティとを区分するために使用され得る。
本発明は、低速データ固定ビットレート応用、高速データ固定ビットレート応用と可変データ速度の高いビットレート応用などの多様なタイプのトラフィックが存在するチャンネルアクセスメカニズム方式の処理方法を提供する。このようなチャンネルアクセスメカニズムは、同時に医療用と非医療用のようなボディエリアネットワーク応用のための無線チャンネル共有を可能なようにする。これら各々の可変的な応用に対する要件はかなり異なり、それによって単一チャンネルアクセスメカニズムを設計することは容易ではない一方、本発明は、このようなチャンネルアクセス構造に対する統合アクセス法を提供する。
上記した場合とは別個に、ある医学アプリケーションは高信頼を要求し、そのため、チャンネルアクセスメカニズムは、データ受信損失などによるエラーを伝達しなければならない無線データのエラー復旧を助ける。
また、このような装置カテゴリに対する確認された他の要求は、医学アプリケーションに関する緊急医学シナリオをサポートするためのものである。電力消耗及び応答タイミングを減少するためのより速い応答を可能にする効果的で、一層迅速にウェイクアップ構造を統合する場合もある。
本発明は、無線パーソナルエリアネットワークに対するチャンネルアクセスメカニズム用低電力設計を考慮する。但し、上記メディアアクセス制御によると、次の設計が提供される。
第1に、ディスジョイントなトラフィックシナリオの異なるセットを処理する統合メディアアクセス制御メカニズムが提供される。第2に、バッテリー使用を効果的な方法で低減させるメディアアクセス制御メカニズムの低電力ベースの動作が提供される。第3に、緊急信号のデバイスからスーパーバイザー又はコーディネータ装置への速い伝送用として確認された緊急データ伝送メカニズムが提供される。第4に、上記デバイスがスリープ状態で電力節約モードとして動作する場合にこれらデバイスのより速い再動作が提供される。第5に、多重ピコネットが動作し、有用な物理チャンネルを共同に共有する場合の共存メカニズムが提供される。
本発明の実施形態では、帯域幅のようなリソースは、緊急サービス用として提供されず、緊急データ伝送用受信器無線周波数は上記デバイスに知られておらず、リソースは緊急メッセージ伝送用として提供されないことを前提とする。また、本発明の実施形態では、ウェイクアップメカニズムを提案し、固定したポーリング時間を達成するためのメカニズムを提案する。
本発明は、ボディエリアネットワーク(BAN)アプリケーション用の緻密で電力が効果的なメディアアクセス制御に対する特定の要求事項に集中することによって特別に設計される。
このような本発明を説明するに先立ち、本発明で使用されるBANについて簡略に説明する。
BANは、標準化された比較的新たな概念である。ブルートゥースSIG、Zigbee(登録商標) Alliance内のBAN標準を生成するために進行中であるが、この標準は、よく設定されて非常に多くの数のデバイスで統合されている。ブルートゥースSIG及びZigbee Allianceのような従来の標準は、身体に着用可能なBANノードを用いる単一モデルに関連した様相を要求した。現在、IEEE802.15は、BAN標準化を可能にする新たなメカニズムを要求している。この新たな標準化は、人体に特効のあるチャンネル条件に作用する物理階層(PHY)及びメディアアクセス制御階層を開発することに重点を置いている。
したがって、MAC用として開示されたアイデアは、特定の物理階層設計とは関係なく別途に電力消耗、より速い緊急動作、電力効果的なウェイクアップメカニズム、及びエラー復旧メカニズムのような態様を特に考慮して設計される。このアイデアの唯一性は、物理階層がディスジョイントされる場合にチャンネルアクセスメカニズムを統合する方法を解決することに基づく。
MAC階層での電力消耗を減少させることは、形態因子及び上記デバイスに有用なバッテリーバックアップを考慮した設計基準である。BANアプリケーションは、医学、非医学、及び娯楽アプリケーションに至る範囲を有するが、この設計は、上記アプリケーションをアドレッシングする一般的な方法を統合する方法で考慮する。緊急データが処理される必要があるとき、BANアプリケーションの重大な生命側面が考慮される場合があるので、本発明ではこのような緊急データの処理が提供される。
無線チャンネルは、エラーが発生しやすく信頼できない。医学シナリオを含むことを考慮したBANにおいては、エラーを処理したり減少させたりする改善した方法が特に重要である。本発明の実施形態は、エラーを処理または減少するように独特に設計された方法を開示する。
ポーリングベースのMACは、IEEE802.11PCFモード及びIEEE802.16のような異なる標準に提供されている。しかしながら、後続するIEEE802.15.6標準の主な要求事項は、電力を保存し、遅延及び信頼性の要求をなすものである。電力-制限ネックワーク用設計パラダイムが異なる。主要設計目的は、電力消耗を減少する同時に異なるトラフィックのサービス品質(QoS)の要求事項を満たすことにある。電力最適化ポーリングメカニズムがIEEE802.15TG6のような電力制限ネットワークに関する本発明に提案される。本発明により提案される方法は、次のような方式から従来技術とは異なる。
第1に、多重送受信器がチャンネルアクセスメカニズムを時間共有し、チャンネルアクセスメカニズムがポーリングメカニズムの単一MACアーキテクチャであるということが異なる。
第2に、IEEE802.11及びIEEE802.16標準装置とは異なり、IEEE802.15 TG6-BAN装置は、特定の一つのアプリケーションに特定のトラフィックを発生する。IEEE802.15 TG6でのアプリケーション特定装置は、データ伝送動作を完了した後に直ちにスリープし、次のデータ伝送時間前にアクティブされる。このような特性は、IEEE802.15 TG6の装置が電力を保存する同時にQoS要求事項を満たすということが異なる。
第3に、従来の自動再送要求(ARQ)又はエラー復旧メカニズムにおいて、上記デバイスは、紛失したデータを再伝送するために、従来のようにリソース確保及び通知過程を一定の遅延時間で展開することなく、データを紛失した直後にすぐポーリングメッセージを通じて再伝送できる。
新たな受信器-駆動ARQメカニズムは、次の制限を有するネットワーク用に発展する必要がある。このような制限としては、衝突は、電力消耗及び非対称チャンネル感知によって望ましくないとの制限があり、デバイスは、MICSのような特定帯域の使用に対する連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)規則及び規定によってデータ伝送を開始できないとの制限がある。
第4に、本発明は、受信器はスリープモードにあり、送信器に公知されていないチャンネルでデューティ循環し、受信器はアクティブモードにあり、送信器が受信器の動作チャンネルに関する情報を有していない場合に緊急データの特定QoS要求事項を処理するということが異なる。
第5に、従来の解決策ではインプラント通信システムにおける多重ウェイクアップの問題が解決できなかった。従来の単一インプラント装置のウェイクアップメカニズムは、複数回反復して多重インプラント装置をウェイクアップする。しかしながら、これはインプラント装置に対する過度なウェイクアップ待ち時間(latency)及び高信号オーバーヘッドをもたらす可能性がある。最悪のウェイクアップ待ち時間を減少する方式として、多重インプラント装置及び外部コーディネータで構成されたシステム用多重インプラント装置をウェイクアップするための方法が提案される。また、インバンドウェイクアップ解決策は、単一電波及び低コストであるという長所を有する。
第6に、共存メカニズムは、多重ピコネットの同時動作のために提案されるという点が従来技術と異なる。ここで、共存メカニズムは、ピコネットが2次ユーザー用であり、LBT(対話以前の聴取)又は適応型周波数可変(AFA)機能+LBTがチャンネルを所有するように要求され、最終デバイスが通信を始めることができず、伝送電力が制限され、チャンネル感知が非同期的である場合を前提とする。
第7に、電力効果ポーリングメカニズムは異なるクラスのトラフィックの多様なセットのQoS要求事項を満たすように提案される。この場合、デバイスの一つのクラスは、次のような制限を有する。LBT又はAFT+LBTはチャンネルを所有するように要求され、最終デバイスは通信を始めることができず、伝送電力は制限され、チャンネル感知は非対称的な制限を有する。ここで、異なるクラスのデバイスは、低くかつ一定の到着率を有し、一方で高くかつ一定の到着率を有し、あるいは高くかつ可変到着率の特性を有する。
本発明は、相互に異なる分離されたトラフィック状況セットを処理する一体型メディアアクセス制御を提供する。さらに、本発明は、メディアアクセス制御メカニズムのポールベースの動作中に電力消耗を最適化する方法及びシステムを提供する。加えて、本発明は、電力が効率的で、コストが効率的な方式で所望する応用信頼度を達成するようにポールベースのエラー復旧メカニズムを提供する。
本発明は、ボディエリアネットワークにおける医療用インプラント装置に対するインバンドウェイクアップ方法を提供する。また、本発明は、ボディエリアネットワークにおいて優先順位に基づいてインプラント装置のために医学的な緊急事態と医療状況を処理する方法を提供する。さらに、本発明は、ポールベースの最低水準の電力チャンネルに接続すると同時に医療用インプラント通信において複数のBANを動作する方法を提供する。
第1の方法
本発明は、低速データ固定ビットレート応用、高速データ固定ビットレート応用、及び可変データ速度の高いビットレート応用のような多様なタイプのトラフィックが存在するチャンネルアクセスメカニズム方式を処理する方法を提供する。このようなチャンネルアクセスメカニズムは、同時に医療用と非医療用などのボディエリアネットワーク応用のための無線チャンネル共有を可能にする。このようなそれぞれの可変的な応用に対する要件は、相当に異なり、それによって単一チャンネルアクセスメカニズムを設計することが容易ではない。
応用要件を満たすために、IEEE802.15 TGS-BANは、スタートポロジあるいは拡張したスタートポロジで動作できる。本発明は、スタートポロジに基づき、提案された解決策は、将来に拡張されるスタートポロジに拡張するカテゴリを有する。
図1に示すように、本発明のスタートポロジにおいて通信セッションは、終端装置(end device)とBANコーディネータとの間で設定される。BANは、本発明の実施形態をサポートする使用例として考えられる。BANの焦点は、2つの方式、すなわちインプラント通信及ボディ通信に広く分類される。インプラント通信は、医学応用サービスをサポートし、ボディ通信は医学及び非医学応用サービスをサポートする。
人体表面通信(以下、“ボディ通信”と称する)の場合、コーディネータとデバイス両方は、このような通信を開始または終了し、その上、コーディネータは一つのデバイスから他のデバイスへデータをルーティングすることができる。BANトラフィックは、主にアップストリームトラフィックによりサポートされる。ここで、終端装置(人体に付着されるセンサ)は、データを生成してコーディネータに送信する。しかしながら、コーディネータは、要求時及び必要時に任意の応用特定データを終端装置に送信することができる。
本発明では、図1のように比較的単純で信頼性のある規格のためにトポロジをスター(Star)型又は拡張スター(Extended Star)型で構成すると仮定する。通信セッションは、BANコーディネータと終端装置との間に構成される。
図1に基づいて本発明は、医療又はエンターテインメントサービスのためのBANの個人単位の通信サービスのための運用方案を提示する。また、電力消費最適化のためのポールベースのリソース接続方法を提案し、電力とコストの効率的なポールベースのエラー訂正方法を提案する。また、このようなリソース接続方法を考慮して、人体内のインプラント医療装備のための同一帯域ウェイクアップ方法と応急信号を処理する方法と複数のBANピコネットを同時に運用する方法に対して提案する。
図2は、WBAN装置に対するアーキテクチャを示す。IEEE802.15 TG6装置は、PHY1 20又はPHY2 22を含み、あるいはPHY1 20とPHY2 22両方ともを含むことがあり、信号の送信と受信のための送受信器を含む。PHY1送受信器はインプラント通信に適合した周波数帯域で動作し、PHY2送受信器はボディ通信に適合した周波数帯域で動作する。IEEE802.15 TG6装置は、すべての種類のデータ伝送のために選択された周波数帯域のチャンネルに接続するようにMAC階層24とLLC階層26を含む。
BANは、単数又は複数のPHYをサポートできる。可能なPHYは、MICS、ISM、UWBなどがあり、複数のPHYを使用する場合には通常に帯域が異なるが、応用の要求に応じて同一の帯域で必要な場合もある。
インプラント通信帯域及びボディ通信帯域を通したデータ伝送をサポートし、インプラント通信及びボディ通信の機能的要求事項を満たす必要のある単一MACを設計することが好ましい。図2に、2個の異なる物理送受信器の構造を有するデバイスにおける単一MACアーキテクチャを示す。
このネットワークは、<表1>に示すような異なるセットのQoS要求事項を有する5つの方式のトラフィックを発生する。
MACの機能的な説明は、次のようである。ボディエリアネットワークに対して提案されたMACは、同時にこれらすべての利点を使用するための衝突ベース及び非衝突チャンネルアクセスメカニズムの混合である。タイムラインは、複数のスーパーフレームに分割され、ここで、各スーパーフレームは、衝突ベース及び非衝突アクセスメカニズムのための部分で構成される。本発明は、特にポールベース及び非衝突チャンネルアクセスに関連する。衝突ベースの接続の細部内容は、MACプロトコルの完結性のために提供される。
図3乃至図5には、スーパーフレーム構造を示す。スーパーフレームでコーディネータにより設定される時間間隔は、ネットワーク装置に対する多様なチャンネルアクセス方法を容易に遂行するように複数の部分に分けられる。スーパーフレーム持続期間(SD)は、ネットワークに接続されたすべてのデバイスに対する通信要件を満たすようにコーディネータによって決定される。スーパーフレームは、すべての部分を含む一般的なスーパーフレームの構造を示す図3のように、4個の主要部分に分けられる。
以下、図3乃至図5を参照して、ポールベースのリソースアクセス及びエラー訂正方法について説明する。
本発明では、コンテンションベース(contention based)のリソースアクセス方法とコンテンションフリー(contention free)リソースアクセス方法が一つのスーパーフレームに一緒にある場合を仮定し、2つのアクセス方法の順序及びコンテンションフリー区間でのポールベースの方法を主要に提案する。
図3を参照すると、ポール期間(Poll Period:PP)は、ポーリングメカニズム及びそのデバイスのために使用されるポーリング方式によって各デバイスにポーリングすることで、ネットワークに対するポールベースのチャンネルアクセスを提供するようにコーディネータにより使用される。この期間は、主にコーディネータから及びコーディネータへのデータフレームの伝送のために使用される。スーパーフレームでPPのサイズは、デバイスの個数及び各デバイスに割り当てられた時間間隔(割り当て間隔)に依存する。そのサイズは、利用されるポーリングメカニズムに基づいてこのようなサブフレームにわたって変化し、あるいは変化しない。すなわち、PPは、ポールベースのリソースアクセスのための区間であり、その長さは、接続されたデバイスの数字や要求データ伝送レートに応じてコーディネータにより決定され得る。
拡張したポール期間(Extended Poll Period:EPP)は、パケット中断、パケット到達率での可変性及び注文式トラフィックによってデバイス/コーディネータにより要求される付加的なデータ伝送及び再伝送を処理するのに使用される。すなわち、このようなEPPは、PP区間で伝送エラーが発生するときに再伝送をサポートするか、あるいは定期的でないデータが発生する場合、追加伝送のために使用される。
EPPでの割り当て間隔は、予めスケジューリングされず、フレームの付加的なデータ伝送及び/又は再伝送のためにデバイスに対するサブフレームのポール期間にリアルタイムでスケジューリングされる。スーパーフレームでEPPの実際長さは、サブフレームにわたって固定されていない。これは、デバイスとチャンネル条件の動的要求に基づく。スーパーフレームごとにEPPのサイズは、0からSD-PP-minCAP-IPまで変わることができる。
コンテンションアクセス期間(Contention Access Period:CAP)は、コーディネータへ及びコーディネータからのデータ/制御/管理フレームの伝送のために使用される。この部分で含まれるチャンネルアクセスメカニズムは、コンテンションベースであり、ここで、デバイスは、優先的にデータ伝送以前にチャンネルを獲得するために競争する。必要でないと、CAPは省略可能である。CAPの長さは、スーパーフレームにわたって動的である。現在、(可能な場合に)CAPの持続期間は、minCAP乃至SD-ポール期間-EPP-IPに変化することができる。
このようなCAPは、一般的なコンテンション区間と同一の方式で、データ伝送以外に制御/管理フレームの伝送に使用される。本発明においては、CAP区間の長さは、EOP(End of Poll)メッセージによってコーディネータから終端装置に通知され、EPP区間の変動に従って減少できるが、最小限にminCAPより減少することはできない。したがって、CAP区間の長さは、minCAPから[SD-PP-EPP-IP]までスーパーフレームごとに変わることができる。
非アクティブ期間(Inactive Period)は、スーパーフレームが有することができる選択的な非活性部分である。非アクティブ期間で、コーディネータは、低電力モードに進入したり、共存する他のネットワークとのチャンネル帯域幅の共有のために非アクティブ期間を使用したりすることができる。
PP、EPP、CAPの各区間は、アクティブ期間に属し、コーディネータがリソースアクセスのための動作を遂行する区間である。これに比べて、非アクティブ期間は、コーディネータが低電力のために受信状態のみにあるか、あるいはスリープ状態に転換する区間であり、ピコネット間の共存のための干渉回避用途として使用することもある。
ポール終了(EoP)メッセージは、特殊なフレームマーカーとして図6に示すようである。ポール終了(EoP)は、EPPとCAP及びIPの持続期間を広告するようにPPの完了以後にコーディネータによって送信される。
このようなEoPメッセージは、PPが完了する時点に伝送され、基本的にCAP、IP区間の長さに関して通知し、必要な場合にはEPP区間の長さに関しても通知する。CAP、EPP、IP区間の位置などは、‘frame specification’に表示することができる。
以下、図4及び図5を参照して、固定長さ、可変長スーパーフレーム、及びスーパーフレームのない構造(No Superframe Structure)概念を説明する。
コーディネータは、終端装置の接続の際に、該当終端装置の要求データ伝送レートとトラフィック種類などを受信してスーパーフレームを運用する場合に、終端装置の情報を考慮してPPとEPP運用方法を変更できる。図4及び図5は、各々電力制約デバイスとQoS要求デバイスを相互に異なる運用方法で対応する方法を示す。
図4及び図5に示すように、スーパーフレームは、各々固定したスーパーフレーム持続期間と可変スーパーフレーム持続期間で構造化される。スーパーフレームのサイズは、固定又は可変することができる。固定スーパーフレームは、確定的または周期的なパケット生成を有する電力制約型装置で有用である。図4の固定スーパーフレームは、デバイスに確定的なスリープスケジュールとウェイクアップスケジュールを提供する。
図4でPP区間を使用する終端装置はポール割り当て区間に周期的にウェイクアップ/スリープを遂行して接続を行う。EOPメッセージの伝送時点からCAP区間の終了までスーパーフレームごとに一定であっても、PP区間でエラーが発生し、あるいは追加伝送が必要な終端に対してEOPメッセージ以後にEPP区間で処理するので、EPP区間とCAP区間は変動性により変更される。このような運用方法では、特定の終端装置のための割り当て区間は周期性を有するため、終端装置がポールに合わせて正確にウェイクアップすると、電力減少の効果が得られる。
一方、図5の可変スーパーフレームは、非確定的であり、突然に複数のパケットが一度に到達するトラフィックを応用するデバイスからのデータ伝送をサポートするのに有用である。一般的に、非医療用応用は、厳格なQoS(遅延及びジッタリング)要件を有する。可変スーパーフレームの場合にEPPは要求されず、これは、可変性と再伝送がスーパーフレームサイズの変化により処理されるためである。図5では、PP区間でエラーが発生した終端装置に対してEOPメッセージ以後まで待機せずに直ちに処理するので、PP区間の変動によってEOPメッセージの伝送時点が変更され、それによって全体スーパーフレーム区間の長さSDも変わることができる。したがって、このような運用方法ではエラーに対する再伝送が終端装置別に直ちに遂行されるので、伝送遅延やジッタ(jitter)を防止して信頼性を保証することができる。
また、CAPと非アクティブ期間なしにスーパーフレームで可変PPのみが存在することが可能である。図5のような運用において、EOPを伝送しなければCAP区間も使用されず、但しPP区間のみによって運用されるスーパーフレームのない構造も可能である。コーディネータと終端装置との間の送受信は、全的にポールにより行われ、制御/管理に関連した部分は、時々コーディネータがEOPを伝送して通知するCAP区間を通じてなされる。
この特殊な場合において、コーディネータにより定義されたようなスーパーフレームの構造はない。図5は、スーパーフレーム構造のない可変PPを示す。コーディネータは、EOPを周期的に送信しないように決定でき、一定のネットワーク動作を容易にするために時々等価放送メッセージを送信できる。
ポールベースのチャンネルアクセスメカニズムの場合に、デバイスに対するチャンネルアクセスを許容するために、コーディネータは、特定デバイスに向けるポールメッセージを送信する。本発明の一実施形態によるポールメッセージの例示的なフォーマットは、図7に示すようである。図7を参照すると、‘オンタイム(on time)’70は、1ビットのフィールドであり、固定スーパーフレームで終端装置との時間同期化(device clock synchronization)のために有用に使用するフィールドである。‘ウィンドウサイズ(window size)’72は、終端装置に許容されるデータ容量をデータフレームの数で示すフィールドである。
単一ポールメッセージを受信した場合に、デバイスは、データパケットを送信せず、あるいは一つのデータパケットを送信し、もしくは複数のデータパケットを送信することができる。ポールメッセージを受信した以後に、デバイスが送信できるパケットの個数は、コーディネータによってポールメッセージを通じて伝達される。送信するデータがない場合に、デバイスは、ポールメッセージに応答してNULL_DATAをコーディネータに再送信する。デバイスの応用要件に従って3つのタイプのポーリングメカニズムが使用される。これらタイプは、スケジュールされたポーリング(Scheduled poll access)、遅延されたポーリング(Delayed poll access)、及びスケジュールされないポーリング(Unscheduled poll access)である。
まず、スケジュールされたポールアクセス方式のポーリングメカニズムは、次のようである。このメカニズムは、特に確定的なサービス品質を要求する高度の電力制約型装置で有用である。ボディエリアネットワーク(BAN)における大部分の医療応用は、このようなカテゴリに属する。このメカニズムは、電力の低減と同時に、負荷が高い場合に高いスループットを達成するためにデバイスが確定的でスケジュールされた方式で容易にスリープ状態にする。
デバイスとコーディネータは、後述するスケジュールされたポールアクセスを利用する。
スケジュールされたポールアクセスでは、図8に示すように、ポール割り当て間隔(Polled allocation interval)でのみ送受信が可能であり、アップリンク、ダウンリンク、及び双方向の伝送が可能である。終端装置は、周期ごとに反復されるポール割り当て間隔の開始に合わせて目覚めて同期化手順を経る。
各デバイスには、コーディネータによって時間間隔の‘割り当て間隔’が割り当てられる。このようなデバイスとコーディネータは、割り当て期間のみで相互に通信できる。割り当て間隔は、追加的にスロットに細部分割され、整数個数のスロットのみを有することができる。ポール割り当て間隔は、アップリンク、ダウンリンク、又は双方向リンクとして使用される。デバイスは、ビーコン期間ごとで又は複数のビーコン期間ごとでの同一の割り当てスロットに該当する一つ以上のスケジュールされたポール割り当て間隔を有することができる。デバイスは、コーディネータへフレームを送信し、あるいはコーディネータからフレームを受信するように割り当て間隔の開始部でウェイクアップする。スケジュールされたポールアクセス装置は、同期化のためにビーコンフレームの聴取が要求されない。同期情報は、ポールフレームを通じてデバイスに提供される。
図8を参照すると、コーディネータは、ポーリングされたデバイスによる伝送のために許容されたフレーム個数を示す、デバイスの割り当て間隔の開始部でこのデバイスに設定された‘オンタイム’70のビットを有するポールメッセージ80を送信する。ポールメッセージを正確に受信するために、デバイスは、この割り当て間隔以前にウェイクアップしなければならない。ポールメッセージを成功的に受信した場合に、デバイスは、最大特定個数までのデータフレーム82,84,86をコーディネータに送信できる。図8において、許容されたフレーム個数が3であり、データフレームの個数が3であるポールメッセージの受信後に、デバイスが3個のデータフレームを送信する場合を例示している。このような割り当て間隔を超えてデバイスからのフレーム伝送又はデバイスへのフレーム伝送が開始されない。コーディネータとデバイスとの間のフレーム処理が割り当て間隔内で完了した場合に、コーディネータは、デバイスが直ちにスリープモードに進行するように、図7でのウィンドウサイズ72の値が0を有するポールメッセージを送信するように選択することができる。
コーディネータは、ポーリングされたデバイスから任意のフレームを受信しなくなった以後にオフセット値を持っているポールメッセージを再伝送し、このようなオフセット値は、デバイスの割り当て間隔の開始部からの遅延を表示する。ポールメッセージを受信した場合に、デバイスは、データフレームの承認のために任意のACKポリシー(無-ACK、即時-ACK、後続-ACK、又はブロック-ACK)を選択できる。デバイスの同一の割り当て間隔または後続割り当て間隔で新たなポール又はポール+ACKメッセージを受信した以後にデバイスからの追加的なデータ伝送が可能である。現在デバイスとの割り当て間隔完了以後にコーディネータは、後続してスケジュールされるデバイスとのフレーム処理を開始する。
このようなスケジュールされたポール接続割り当て間隔では、送信するより多くのデータを有する場合、デバイスは、データ/制御/管理フレームの‘追加のビット(more bit)’を通じてコーディネータに表示することができる。コーディネータは、直ちに、あるいは以後のスーパーフレームで追加的なフレーム伝送のための割り当てを許容するようにポールメッセージを送信できる。ここで、ポールメッセージはタイムオフセット値を含み、タイムオフセットは追加的なフレーム伝送のための割り当て間隔の許容時間を示す。
上記したようにポールメッセージを受信した終端装置は、ウィンドウサイズの値に基づいて可能な送信フレームの数を確認し、まずアップリンク伝送を始める。一つのポールメッセージに対する伝送が完了したとき、まだ割り当て区間が終了せず、かつ終端装置がデータフレームに‘追加のデータ’ビットがセットされていると判断した場合に、コーディネータは、データフレームに対する確認(ACK)メッセージとポールメッセージをともに送信しつつ、追加的な可能送信フレームの数をウィンドウサイズフィールドに知らせる。
終端装置がこれ以上アップリンク伝送するデータがない場合には、最後のアップリングデータフレームに‘追加のデータ’ビットをセットせずに送信する。これを受信したコーディネータは、ダウンリンクトラフィックがある場合、確認メッセージを送り、続いてダウンリンクデータフレームを終端装置に送信する。終端装置は、ウィンドウサイズが0でない場合には、確認メッセージを送信した後に待機し、0である場合には確認メッセージを送信した後にスリープ状態に転換する。
スケジュールされたポール割り当ての開始である場合、一つ以上の新たなスケジュールされたポール割り当てを獲得するために、デバイスは、到達率、接続待ち時間、及び応用の信頼度因子を特定することによって、コーディネータに接続要求フレームを送信する。
一つのデバイスからの接続要請に対して、スケジュールされたポール割り当てを許容するために、コーディネータは、デバイスに接続割り当てフレームで応答する。このフレームは、デバイス別割り当て間隔が相互に重ならないように、間隔開始と間隔終了フィールドに相互に異なる値を有する。
複数のデバイスからの接続要請に対して、コーディネータは、グループ割り当てフレームを通じて複数のデバイスに対するスケジュールされたポール割り当てを許容でき、このようなフレームでデバイス別割り当て間隔が相互に重ならないように、間隔開始フィールドと間隔終了フィールドに相互に異なる値を有する。
スケジュールされたポールの割り当てを使用する場合を説明すると、次のようである。接続割り当てフレームを成功的に送信した場合に、コーディネータは、デバイスが一つ以上のフレーム処理を開始するように、このようなデバイスにポールの送信を開始し、あるいはデバイスに許容された対応ポール割り当て間隔でコーディネータがデバイスとのフレーム処理を開始することができる。このデバイスは、ポールメッセージを受信するまでフレーム処理を開始しない。
受信器、デバイス、又はコーディネータは、送信器によって送信されるフレームを受信し、割り当て間隔で適切なフレームを戻す準備ができている。デバイス又はコーディネータは、現在フレームの完了後に後続フレームpTIFSを送信する。2個のフレーム間のpTIFS時間は、デバイスによってフレームと一部の付加的なターンアラウンドタイム(turnaround time)を処理するのに要求される時間である。このようなデバイスとコーディネータは、適切なターンアラウンドタイムを考慮する場合にフレーム処理が(必要な場合、承認フレームを含む)スケジュールされた割り当て間隔内で維持されることを保証する。
スケジュールされたポール割り当ての修正である場合、デバイスは、新たな要件を特定する異なる接続要求フレームを送信することによって既存のスケジュールされたポール割り当てを修正できる。コーディネータがデバイスに送信した最後の接続割り当てフレームに関して、デバイスからのその応答接続割り当てフレームで設定された変更表示フィールドを考慮することを除き、コーディネータは、この要求を新たな要求と同じ形式で取扱う。特に、コーディネータが修正を拒否して既存の割り当てを維持する場合には、0に設定された変更表示フィールドで接続割り当てフレームに応答し、他のフィールドは、デバイスに送信された最後の接続割り当てフレームに含まれた個別値に維持される。
コーディネータは、自らデバイスのスケジュールされたポール割り当てを修正できる。これは、このような割り当てに対する新たな割り当てを特定する要求されていない接続割り当てフレーム(Unsolicited Connection Assignment Frame)をデバイスに送信し、同一のデバイスに送信した最後の接続割り当てフレームに関してこのフレームで変更表示フィールドを設定することによってなされる。
コーディネータは、このようなデバイスの割り当てに対する新たな割り当てを特定する要求されないグループ接続割り当てフレームを送信し、同一セットのデバイスに送信された最後のグループ接続割り当てフレームに関してこのフレームで変更表示フィールドを設定することによって、自ら複数のデバイスのスケジュールされたポール割り当てを修正できる。
スケジュールされたポール割り当ての中断である場合、デバイス又はコーディネータは、割り当ての最後の有限個数の割り当て間隔で任意のフレームを受信するのに失敗した以後に中断された既存のスケジュールされたポール割り当てを処理する。後続して、コーディネータは、このような中断されたスケジュールされたポール割り当てを再生できる。
デバイスとコーディネータは、(スケジュールされたポール割り当て開始)セクションで特定した新たなスケジュールされたポール割り当て過程を始めるにつれて、以前セクションで紛失したスケジュールされたポール割り当てを復旧し、あるいは代替して割り当てることができる。
このようなデバイスのコーディネータとのスケジュールされたすべてのポール割り当てが中断された以後に、デバイス又はコーディネータは中断したこれらの接続を処理する。
スケジュールされたポール割り当ての終了である場合、デバイスは、このような割り当てを識別する割り当てIDフィールド及び0に設定された最小間隔長さと0に設定された最小割り当て長さフィールドとともに割り当て要求フィールドを含む修正された接続要求フレームを送信することによって、スケジュールされたポール割り当てをいつでも終了できる。
コーディネータは、このような割り当てを識別する割り当てIDフィールドと0に設定された間隔開始と0に設定された間隔終了フィールドとともに割り当て指定フィールドを含む修正された接続指定フレームをデバイスに送信することによって、デバイスの任意のスケジュールされたポール割り当てを任意の時間に可能な場所で終了でき、あるいは終了してはならない。
フィールド値を0に設定して特定メッセージの性格を定義する方法は、一つの特定の方式に制限されない。
デバイス又はコーディネータは、これらの接続を終了するための、すなわちデバイスのアドレスID、起床計画、及びコーディネータとのスケジュールされたポール割り当てを解除するための接続解除フレームを送信できる。
一方、遅延されたポールアクセス方式のポーリングメカニズムは、次のようである。このメカニズムは、非常に厳格なサービス品質を要求する高度の電力制約型デバイスでないデバイスにおいて特に有用である。姿勢検出と遊びなどのBANでの一部非医療応用は、このカテゴリに属する。しかしながら、高度の電力制約型でなく、遅延と信頼性の観点で高いサービス品質を要求する医療装置は、このメカニズムを使用できる。このメカニズムは、デバイスがより少なく確定的で、スケジュールされた方式でスリープさせ、これによってスケジュールされた接続より多い電力を消耗させるが、フレーム損失による再伝送をデバイス別に迅速に処理できるため、スケジュールされた接続より良好な遅延性能を達成できる。
デバイスとコーディネータは後述するように、遅延されたポール接続を利用する。
図9は、遅延されたポール接続を示す。この接続方法は、電力要求条件が高い終端装置よりはQoS要求条件が高い終端装置に適する。すなわち、遅延や信頼性の側面で利得を獲得するためのものである。スケジュールされたポール接続の場合、伝送エラーが発生すると、今回のスーパーフレームでは機会がなく、次のスーパーフレームまで待機しなければならない。しかしながら、遅延されたポール接続の場合、データフレーム伝送に失敗してコーディネータが次のポールメッセージを送信する場合に、最初に設定された割り当て区間に関係なく継続して終端装置にポールを送って伝送可能であることを知らせる。すなわち、ポールメッセージ内のウィンドウサイズを1以上に伝送する。
図9において、i番目の終端装置は、再伝送が直ちになされてj番目の終端装置の元来割り当て区間を用いて再伝送に成功し、続けて待っているj番目の終端装置にポールメッセージを送って伝送過程を継続する様子を示す。
このとき、j番目の終端装置は、先のi番目の終端装置の遅延が発生する場合、ウェイクアップ状態でポールメッセージが受信されなくても受信状態で待機すべきであるが、自身の割り当て区間の開始から最大D期間だけは待機させる。コーディネータもこの期間を知っているので、D期間が過ぎると、ポールを追加に送信せずにすぐ次の終端装置のためのポールを送信する。D期間は、接続要求及び指定フレーム(connection request/assignment frame)過程で定められる。
遅延されたポール接続間隔は、スーパーフレームでスケジュールされたポール接続間隔以後に現れなければならない。デバイスは、ビーコン期間ごとで、あるいは複数のビーコン期間ごとでの同一の割り当てスロットに該当する一つ以上の遅延されたポール割り当て間隔を有することができる。デバイスは、データフレームを送信するために割り当て間隔の開始部で起床する。遅延されたポール接続装置は、スケジュールされたデバイスと同様に同期化のためにビーコンフレームを聴取するように要求されない。
スケジュールされたポール接続とは違い、デバイスからのまたはデバイスへのフレーム伝送は、デバイスの割り当て間隔を超えて開始できる。アップリンクデータ伝送の場合、コーディネータは、デバイスの割り当て間隔開始部以後にD持続期間内でデバイスにポールメッセージを送信でき、ポーリングされたデバイスによる送信のために許容されたフレーム個数を表示する。デバイスは、ハブからのポールメッセージを受信するために割り当て間隔の開始部で起床する。ポールフレームを成功的に受信した場合に、デバイスは、ハブに最大特定の個数までのデータフレームを送信できる。
コーディネータは、デバイスの割り当て間隔の開始部以後にD持続期間を超えてデバイスにポーリングしない。割り当て間隔の開始部からD間隔以内にポールメッセージが受信されないと、デバイスは、スリープモードに進行する。コーディネータは、連続して遅延された接続装置をスケジュールし、スーパーフレームの遅延されたポール接続間隔は一つのビーコン期間から他のビーコン期間に変わることができる。
スーパーフレームにおいて、遅延された接続間隔以後にEoPメッセージと衝突接続期間が続き、スーパーフレームでのEoPメッセージの外形は、このスーパーフレームで発生した実際の遅延接続間隔に基づく。遅延された接続間隔直後のスーパーフレームでのCAPの長さは、このスーパーフレームで発生した実際遅延されたポール接続間隔の持続期間に基づき、CAPの長さは、常にminCAPと一致するか、あるいはこれより大きくなるという制約を有する。
遅延されたポール割り当ての開始である場合、一つ以上の新たな遅延されたポール割り当てを獲得するために、デバイスは、このようにポーリングされた割り当てを遂行するように許容された場合にコーディネータに接続要求フレームを送信する。これは、到達率と接続待ち時間及び信頼性因子の要件を特定することでなされる。遅延されたポーリング割り当てを許容するために、コーディネータは、デバイスに接続指定フレームで応答する。
複数のデバイスからの接続要求において、コーディネータは、グループ割り当てフレームを通じて複数のデバイスに遅延されたポール割り当てを許容でき、このフレームでデバイス別割り当て間隔が相互に重複しないように、各デバイスの間隔開始と間隔終了のフィールドに割り当てられた相互に異なる値を有する。
遅延されたポール割り当てを用いる場合に、接続指定フレームを成功的に送信したときに、図9に示すように、コーディネータは、このようなデバイスが一つ以上のフレーム処理を開始するようにデバイスにポールメッセージを送信し始めたり、あるいはデバイスに許容された対応するポーリング割り当て間隔(Polled allocation interval)でコーディネータがデバイスとのフレーム処理を開始したりできる。デバイスは、ポールメッセージを受信するまでフレーム処理を開始しない。
受信器、デバイス、又はハブは、送信器によって送信されたフレームを受信し、割り当て間隔の間に適切なフレームを戻す準備をする。
遅延されたポール割り当てを修正する場合、デバイスは、新たな要件を特定する他の接続要求フレームを送信することによって既存の遅延されたポール割り当てを修正できる。このデバイスに送信された最後の接続指定フレームに関して、その対応する接続指定フレームで変更表示フィールドを設定することを除き、コーディネータは、このような要請を新たな要請として処理する。特に、コーディネータが修正を拒否して既存の割り当てを維持する場合に、0に設定された変更表示フィールドで接続割り当てフレームに応答し、他のフィールドはデバイスに送信された最後の接続指定フレームに含まれた個別値に維持される。
コーディネータは、このような割り当てに対する新たな指定を特定する要求されていない接続指定フレームをデバイスに送信し、同一のデバイスに送信された最後の接続指定フレームに関してこのフレームで変更表示フィールドを設定することによって、自らデバイスの遅延されたポール割り当てを修正できる。
コーディネータは、デバイスのこのような割り当てに対する新たな指定を特定する要求されていないグループ接続指定フレームを送信し、同一のデバイスセットに送信された最後のグループ接続指定フレームに関して、このフレームで変更表示フィールドを設定することによって、自ら複数のデバイスの遅延されたポール割り当てを修正できる。
遅延されたポール割り当てを中断する場合、デバイスまたはコーディネータは、割り当ての最後のmDelayedPollAllocationAborted割り当て間隔で、任意のフレームの受信を失敗した以後に中断された既存の遅延されたポール割り当てを処理する。次に、コーディネータは、中断されたこの遅延されたポール割り当てを再生することができる。
デバイスとコーディネータは、(遅延されたポール割り当ての開始)セクションで特定した新たな遅延されたポール割り当て過程を始めることによって以前セクションで紛失された割り当てを復帰又は代替して割り当てることができる。コーディネータとのデバイスのすべての遅延されたポール割り当てが中断された以後に、デバイス又はコーディネータは、中断されたこれらの接続を処理する。
遅延されたポール割り当てを終了する場合、デバイスは、いつでも遅延されたポール割り当てを終了することが可能である。これは、割り当てを識別する割り当てIDフィールド、0に設定された最小間隔長さ及び最小割り当て長さフィールド、及び割り当て要求フィールドを含む修正された接続要求フレームを送信することによってなされる。
コーディネータは、このような割り当てを識別する割り当てIDフィールド、0に設定された間隔開始と間隔終了フィールド、及び割り当て指定フィールドを含む修正された接続指定フレームをデバイスに送信し、それによってデバイスの任意の遅延されたポール割り当てを任意の時間に可能な場所で終了し、あるいは終了してはいけない。
デバイスやコーディネータは、これらの接続を終了するために、すなわちデバイスのアドレスID、起床計画、及びハブとの遅延されたポール割り当てを無効にするために接続解除フレームを送信できる。
スケジュールされないポールアクセスである場合、デバイスとコーディネータは、後述されるようにスケジュールされないポールアクセスを利用する。
スケジュールされないポールアクセスのために、コーディネータは、予め割り当て区間を指定しない。コーディネータは、ウィンドウサイズ値を用いて割り当てを所望するデータフレームの数を指定して伝送を要求したり、ウィンドウサイズ値のうち最大値を用いて終端装置バッファに持っているすべてのフレームの伝送を要求したりすることができる。スケジュールされないポールアクセスでは、終端装置が、常にアクティブ状態であると仮定する。
コーディネータは、スケジュールされないポール接続装置に任意の事前割り当て間隔を割り当てない。コーディネータはデバイスにポールメッセージを送信し、このポールメッセージはウィンドウサイズ72の値を有する。デバイスは、ウィンドウサイズ72によってそのウィンドウサイズ値までの単一又は複数のデータフレームを送信する。ウィンドウサイズ値のうち特定値、例えばOxFFによってデバイスはバッファに格納されているフレームを送信し、あるいはバッファが全く空けるまで送信する。
デバイスは、このようなデバイスに向けるポールメッセージを受信するようにアクティブ状態で留まるべきである。コーディネータは、スケジュールされないポールアクセスへのポーリングのためにデバイス順序を定める。コーディネータは、現在デバイスとの処理を完了した以後に順序リストでの次のデバイスとのフレーム処理を開始する。デバイスは、到達率と接続待ち時間及び信頼度因子を特定することによって、スケジュールされないポールアクセスのためにコーディネータに接続要求フレームを送信する。接続を許可するために、コーディネータは、デバイスに接続指定フレームで応答する。
接続指定フレームを成功的に送信したときに、コーディネータは、デバイスが一つ以上のフレーム処理を開始するようにデバイスにポールの送信を開始し、あるいはデバイスとのフレーム処理を開始することができる。デバイスは、ポールメッセージを受信するまでフレーム処理を開始しない。受信器、デバイス又はハブは、送信器によって送信されたフレームを受信し、スケジュールされないポール接続の間に適切なフレームを戻すことを準備する。デバイス又はコーディネータは、現在フレームの終了以後に後続フレームpTIFSを送信する。コーディネータは、最後の有限個数のポールサイクルで任意のフレームの受信に失敗した後に中断された接続を処理する。デバイスまたはコーディネータは、このような接続を終了させる接続解除フレームを送信できる。
以下、ポーリング方式に対して説明し、ここでは多様なポーリング方式又はMACスケジューリングを詳細に説明する。コーディネータは、ポールサイクルで定義されるように循環式ですべてのデバイスとのデータ処理活動を一つずつ完了する。コーディネータがデバイスに第1のポールメッセージを送信して後続装置に転換する区間でコーディネータとデバイスとの間のセッションが定義される。セッションで、コーディネータは、単一又は複数のポールメッセージを送信するに従ってデバイスからデータを収集し、後続装置に移動できる。相異なる条件に基づいて、コーディネータは、後続装置に移動できる。相異なる条件は、デバイスに送信するこれ以上のデータがない場合、割り当てられた間隔が満了した場合、デバイスが既にポーリング方式によって特定するような最大許容されたデータフレームを送信した場合、最大ポール再試行が消耗された場合、又は異なるデバイスで緊急状況が発生した場合を含む。
スーパーフレーム構造の場合に、デバイスは、i番目(i>0)のスーパーフレームごとでポーリングされるように選択でき、コーディネータは、スーパーフレームごとでデバイスにポーリングする必要がなくなる。
コーディネータは、単一ポールメッセージ又は複数のポールメッセージを送信することによってデバイスから要求されるデータパケットを収集できる。ポールメッセージの受信時にデバイスが送信できるパケットの個数は、ポールメッセージ自体を通じて通信される。セッションでデバイスが送信できるパケットの量は、デバイスで使用されるポーリング方式により定義される。下記の事項は、サポートされるポーリング方式である。図10は、相異なる方式によるポールベースのデータ伝送を示し、コーディネータが終端装置にポールスケジューリングを遂行することにおいて、各々単一ポーリング(Single polling)、制限されたポーリング(Limited polling)、消耗されたポーリング(Exhausted polling)の動作を示す。
図10に示す単一データポーリングの場合、ポーリング周期ごとに終端装置に一つのポールを伝送し、これに対して終端装置は、一つのデータフレームを伝送する。データフレーム内には、pktSeqNumberのようにフレームパケットの順序を認識させる値が入っている。この値で再伝送されたパケットであるか、あるいは新たに伝送されたパケットであるかを区分できる。このポーリング方式で、コーディネータは、デバイスとのセッションで単一データを収集しなければならない。デバイスからデータを収集するために、コーディネータは、デバイスにポールメッセージを送信する。デバイスは、このようなメッセージを受信したときに単一データフレームのみを送信できる。図7のポールメッセージにおけるpktSeqNumber74は、シーケンス番号を有するフレームを含む以前のすべてのデータフレームがコーディネータから成功的に受信されたことを表示する。送信されたデータフレームは、以前に送信されたパケットの再送信となり、あるいは新たなパケット送信はポールメッセージで特定したpktSeqNumber74に基づく。ポールベースのチャンネルアクセスと関連したエラー復旧メカニズムは、以後のセクションで詳細化される。このポーリング方式は、特に確定的なパケット生成のあるデバイスで適合し、低い待ち時間要件を有する。単一データのみが収集されることを必要とするため、このポーリング方式は、固定したスーパーフレーム構造を有する、スケジュールされ遅延されたポーリング接続方法で主に適合する。
図10の制限されたデータポーリングである場合、ポールを受信してデータフレームを送るときには、コーディネータによって定められた可能なデータフレーム数まで送ることができる。このようなポーリング方式で、コーディネータは、デバイスとのセッションで複数であり、かつ制限されたデータを収集しなければならない。デバイスからデータを収集するために、コーディネータは、デバイスにポールメッセージを送信する。デバイスは、このメッセージを受信したときにコーディネータによって許可されたデータフレームの数より小さな場合に、バッファに格納されているパケットの個数までのデータフレームを送信できる。図7のポールメッセージのpktSeqNumber74は、このシーケンス番号を有するフレームを含む以前のすべてのデータフレームがコーディネータから成功的に受信されたことを表す。送信されたデータフレームは、以前に送信されたパケットの再伝送となり、あるいは新たなパケット送信はメッセージに特定したpktSeqNumber74に依存する。複数のデータの確定的な個数が収集されなければならないため、このポーリング方式は、固定したスーパーフレーム構造を有するスケジュールされ遅延されたポーリング接続方法で主に適合する。
図10の消耗されたデータポーリングである場合、終端装置バッファに入っているフレームをすべて送信することができる。この単一ポーリングと制限されたポーリングは、固定スーパーフレームでスケジュールされたポール接続又は遅延されたポール接続で決定的トラフィックのためにサービスする場合に適合に運用される。消費されたポーリングは、可変スーパーフレームやスーパーフレームのない構造で可変トラフィックのためにサービスするときに適合に運用される。また、固定スーパーフレームで決定的トラフィックと可変トラフィックが共存するときにも適合に運用される。このようなポーリング方式で、コーディネータは、デバイスとのセッションで無制限のデータを収集できる。デバイスからデータを収集するために、コーディネータは、デバイスにポールメッセージを送信する。デバイスは、ポールメッセージのウィンドウサイズのフィールドで特定したように複数のデータフレームを送信できる。図7のポールメッセージのpktSeqNumber74は、このシーケンス番号を有するフレームを含む以前のすべてのデータフレームがコーディネータから成功的に受信されたことを表す。送信されたデータフレームは、以前に送信されたパケットの再送信又は新たなパケット送信はメッセージで特定したpktSeqNumber74に基づく。このポーリング方式は、確定的でなく、バーストパケットの到達があるトラフィックで特に適合する。セッションでデバイスが送信できるパケットの個数は確定的でないため、このポーリング方式は、可変でありかつスーパーフレーム構造のないスケジュールされない接続方法で主に適合する。このポーリング方式は、確定的であり、非確定的なトラフィック特性を有するデバイスが共に存在するときに固定したスーパーフレーム構造で適用可能である。
一方、ランダム接続メカニズムは、コーディネータによって定義されたスーパーフレーム構造の衝突接続期間(CAP)で実行される。これは、主にデバイスとコーディネータとの間のネットワーク管理-関連プロトコルメッセージの交換で使用され、QoS応用では使用されない。搬送波感知がチャンネルモデル全部とPHYにわたって信頼性がないため、搬送波感知以外の任意の衝突決定変形物が採択され得る。
また、チャンネル時間分割の場合、チャンネル時間ユニットは、シンボル持続期間により特徴される。シンボル持続期間の絶対値は、PHYに基づく。上述したすべての接続メカニズムは、スロットシステムと非スロットシステム両方を用いて実現することができる。スロットシステムにおいて、時間は、同一個数のスロット(複数のシンボル持続期間)に分割され、すべてのフレーム伝送は、スロット境界の開始部から始まらなければならない。その反面、非スロットシステムにおいて、チャンネル時間は表示されず、フレーム伝送は任意のチャンネル時間で許容される。
以下、図11を参照してデバイスクロック同期化の場合について説明する。コーディネータとの進行されるデータ処理がない場合に、電力制約型装置、特に医療用装置は、電力低減のために大部分の時間をスリープモードにある傾向がある。この装置は、コーディネータによって送信されたポールメッセージを受信するようにコーディネータとこれらのスリープと起床スケジュールを同期化しなければならない。ポールベースの接続でポーリングされる場合に、デバイスは、データの送信のみが可能であるため、データ伝送のための同期化は要求されない。加えて、電力低減を必要としないデバイスは、全く同期化要件を有しない。同期化要件は、固定したスーパーフレームのみに適用可能である。可変スーパーフレームの場合、後続ポールタイムは固定されず、デバイスは常に目覚めていなければならない。デバイスのポーリングレートは、コーディネータによって設定されたポーリングサイクルの倍数であり得る。
固定スーパーフレームでの終端装置は、コーディネータにより定められたポーリング周期に従ってポールメッセージを聞いてデータ送受信を行なう。終端装置は、一度ウェイクアップしたときに一つの割り当て区間内で連続して複数のポールメッセージに対して順次に受信することができるが、その中で最も前に送られるポールメッセージにオンタイムビットがセットされている。この場合のみに、受信されたポールメッセージに含まれた時間値(timestamp)のような同期化情報を同期化補正に使用し、それ以外にオンタイムビットがセットされていないポールメッセージを受信した場合には反映しない。ダウンリンクトラフィックの場合には、オンタイムビットがセットされている実際のデータに先立ってコーディネータがNULL_POLLメッセージを送信できる。例えば、セットされているとは、オンタイムビットの値が1であり、セットされていないということは、その値が0であることを意味する。
図7のポールメッセージの“オンタイム”70のビットは、デバイスに割り当て間隔の開始を通知するのに使用される。加えて、ポールメッセージは、定刻に送信されない場合に時間値を含むことができる。デバイスは、後続ポール時間を計算して後続ポールメッセージを正確に受信するようにコーディネータと同期化できる。オンタイムビットが設定されない場合には、デバイスは、同期化のために受信されたポールメッセージを使用しない。デバイスは、後続ポールメッセージを受信するために、後続してスケジュールされたポール時間以前に起床しなければならない。デバイスが起床すべきスケジュールされたポール時間以前の持続期間、すなわち保護時間は同期化のために‘オンタイム’ビットが設定された最後のポールメッセージの受信以後にコーディネータに関してデバイスで発生可能な最大クロックスキュー(clock skew)に基づく。2個のオンタイムポールメッセージ110,112間の持続期間は、同期化持続期間(Synchronization duration)と呼ばれる。ダウンリンクトラフィックの場合に、コーディネータは、装置同期化のために‘オンタイム’ビットに設定された実際データ以前にNULL_POLLメッセージを送信できる。図11は、固定したスーパーフレーム構造を有するポールベースの接続で装置同期化を説明する。
以下、図12を参照してエラー復旧の場合について説明する。
信頼性のあるパケット伝送を提供するために、標準は、2種類のエラー復旧メカニズムを提供し、ポールベースのエラー復旧とARQ(Automatic Repeat Request)がある。ポールベースのチャンネルアクセスでアップストリームトラフィックにだけ適用可能なポールベースのエラー復旧(コーディネータによって駆動される)及びアップストリームとダウンストリームトラフィックすべてに適用可能な自動再送要求(送信器によって駆動される)である。ARQは、一般的なエラー訂正方法であり、アップ/ダウンリンクトラフィックに対して適用可能である。但し、ARQベースのエラー復旧は、パケット確認の付加的な送信によって電力及び帯域幅で効率的でないため、高度の電力制約型装置のためにポールベースのエラー復旧が提供される。本発明で提案するポールベースのエラー復旧方法は、終端からコーディネータに送られるアップリンクトラフィックのみに対して適用する。
さらに、図12のように、データパケット又は確認(ACK)が紛失された場合にARQメカニズムは、データパケットの再伝送を要求する。ポールベースの接続は、再送信されたパケットとポールメッセージが衝突を引き起こさない場合には、コーディネータから受信された応答がないと、パケットの再伝送を許容しない。この状況は、図12に示されており、ポール接続に適合したエラー復旧過程が必要であることを示すフロー図である。デバイス2は、アップリンクデータフレームに対するACKが受信されないとき、割り当て区間内で再伝送を試みるようになると、次のデバイス3のためのポールメッセージと衝突が発生する可能性がある。
図12は、低データレートアプリケーション用エラー復旧メカニズムの動作を説明するフローを示す。
低データレートアプリケーションの大部分は、伝送する一つのパケットを含み、一方、高データレートアプリケーションは、ポーリング時に伝送する多重パケットを含むことができる。従来のエラー復旧メカニズムにおいて、確認(ACK)メッセージが規定された時間内に受信されないと、デバイスは、データを再伝送する。しかしながら、ポールメッセージとデータメッセージとの間で衝突が発生できるように、デバイスがポールメッセージを受信した後のみに伝送できるポーリングベースのチャンネルアクセスメカニズムでは可能でないことがある。
図12及び図13に示すように、すべてのデータパケットの受信が成功すると、コーディネータは確認メッセージを伝送する。
すべてのデータパケット又はポールメッセージを紛失すると、コーディネータは、データとポールメッセージとの間の衝突が回避されることに対してポールメッセージを再伝送する。
確認メッセージが紛失されると、コーディネータは、次のデバイスがポールメッセージを受信した以後又はタイムアウト後にスリープモードに進入する。
図13は、高データレートアプリケーション用エラー復旧メカニズムの動作について説明するフロー図である。図13に示すように、一部のデータが紛失されると、そのデバイスにポールメッセージを再伝送して紛失された一部のデータを受信することができる。
確認メッセージ及び次のポールメッセージは結合できず、より小さい数及び/又はより小さいサイズのパケットが伝送される場合に、個別確認メッセージが電力消耗を節約するのに助けになる。
以下、図14及び図15を参照してポールベースのエラー復旧方式について説明する。
ポールベースのエラー復旧メカニズムは、ポールベースのチャンネルアクセスメカニズムの一体化した部分でなく、デバイスからのパケット受信に応答してコーディネータによって送信される個別的な確認を要求しない。このようなエラー復旧は、コーディネータによって駆動され、アップストリームトラフィックのみに適用可能である。下記のセクションでは単一データ伝送とブロックデータ伝送それぞれの場合でポールベースのエラー復旧を詳細に説明する。下記では単一データ伝送での他の種類のパケット損失を処理するためにエラー復旧について、詳細に説明する。図14と図15では、単一データ伝送とブロックデータ伝送のためのポールベースのエラー復旧を証明する。
本発明では、ポール接続を使用するアップリンクトラフィックに対しては、下記のようにエラー復旧過程を定義した。このような方法は、追加的なACKメッセージの送受信がないため、ARQ方法より一層電力効率的な効果が得られる。ポールベースのエラー復旧過程は、単一ポールエラー復旧とブロックポールエラー復旧、ビットマップポールエラー復旧がある。単一ポールエラー復旧は、図14に示すようである。まず、図14を参照して、単一_POLLメッセージの送信、受信、及び再伝送を説明すれば、次のようである。
コーディネータは、図7の‘pktSeqNumber’74の番号と共にデバイスにSINGLE_POLLメッセージ130を送信し、‘pktSeqNumber’74の番号は‘pktSeqNumber’74に隣接したシーケンス番号を有するパケットをデバイスに送信するように要求する役割を果たす。SINGLE_POLLメッセージ130を受信したときに、デバイスは、SINGLE_POLLメッセージ130で特定する‘pktSeqNumber’74に隣接したシーケンス番号で単一データ132を送信する。デバイスは、‘pktSeqNumber’の次の数に該当するデータフレームを伝送する。このとき、再伝送のためにバッファに持っている‘pktSeqNumber’までのデータは捨てる。
デバイスは、SINGLE_POLLメッセージ130で特定したシーケンス番号までバッファから送信されたすべてのパケットを中断させることができる。ポーリング装置からコーディネータが任意の伝送を検出せず、あるいは受信データにエラーが発生した場合に、コーディネータは、下記の例外的な場合にSINGLE_POLLメッセージ134を再伝送する。このような例外的な場合には、データ処理がスケジュールされた接続において残りの割り当て間隔内で完了することができるが、同一の‘pktSeqNumber’74を有するSINGLE_POLLメッセージ134が後続ポールサイクルで送信される場合、SINGLE_POLLメッセージ134の再伝送がこのようなmaxPollreTransmission値に到達しない場合及びポール期間がスーパーフレーム内部で延長されなくてminCAPのみが残る場合がある。
すなわち、ポールメッセージを再伝送する場合は、スケジュールされたポール接続の場合に決定されている割り当て区間内で再伝送が可能な場合、予想される再伝送区間を除いて残っているポール可能区間がminCAP区間をこれ以上縮めない場合に可能である。そうでない場合、次のポール周期で現在のpktSeqNumを伝送して再伝送を試みる。再伝送は、maxPollreTransmissionのような最大再伝送値に制限される。
以下、図15を参照してBLOCK_POLL送信、受信、及び再伝送を説明すると、次のようである。ブロックポールエラー復旧方法は、図15のようにポールメッセージにウィンドウサイズ値で複数の可能なデータフレーム数を知らせることを除けば、単一ポールエラー復旧方法と同様である。
コーディネータは、‘pktSeqNum’74の番号と‘ウィンドウサイズ’72と共にデバイスにBLOCK_POLLメッセージ140を送信し、‘ウィンドウサイズ’72は、‘pktSeqNum’74に隣接したシーケンス番号から始まってウィンドウサイズによって特定した複数のデータパケットを送信するようにデバイスに要求する役割をする。
BLOCK_POLLメッセージ140を受信したときに、デバイスは、特定した‘pktSeqNum’74に隣接したシーケンス番号で、このメッセージのウィンドウサイズ74のフィールドで特定されていることと同じ数のデータ142,144を送信する。
デバイスは、BLOCK_POLLメッセージ140でバッファから特定したシーケンス番号まで送信されたすべてのパケットを中断させることができる。
コーディネータがBLOCK_POLLメッセージ145の伝送後にポーリング装置から如何なるコーディネータ伝送も検出しない場合、コーディネータは、下記の場合にだけ同一であり、あるいは減少したウィンドウサイズでBLOCK_POLLメッセージ146を再伝送する。
このような場合には、複数のパケットに対するデータ処理は、スケジュールされた接続の場合に残りの割り当て間隔内で完了することができる。一方、同一の‘pktSeqNum’番号を有するBLOCK_POLLメッセージ147は、後続ポールサイクルでデバイスに送信される場合、POLLメッセージの再伝送がmaxPollreTransmission値に到達しない場合及びポール期間がスーパーフレーム内部で延長されずにminCAPだけが残る場合が該当する。
次に、図15を参照してBITMAP_POLL送信及び再伝送について説明する。このブロックポールエラー復旧方法は、ブロックポールを送ったときに複数のデータフレームに対して部分的なエラーが発生すると、ビットマップ形式で部分エラーに関する情報をポールメッセージに載せて送る方法である。コーディネータがBLOCK_POLLメッセージに応答してデバイスからパケットの部分個数を受信し、デバイスから受信された最後のパケットが‘追加のビット(more bit)’リセットと共に受信されない場合にだけ、このようなコーディネータは、デバイスにBITMAP_POLLメッセージ148を送信する。BITMAP_POLLメッセージは、再伝送されるパケットの‘pktSeqNum’74、‘ウィンドウサイズ’72、及びビットマップを特定する。
ポーリング装置からコーディネータが任意の伝送を検出しない場合、コーディネータは、下記の場合にだけ同一であり、あるいは減少したウィンドウサイズでBITMAP_POLLメッセージを再伝送する。
このような場合には、複数のパケットに対するデータ処理は、スケジュールされた接続の場合に残りの割り当て間隔内で完了することができるが、その反面、同一の‘pktSeqNum’番号を有するBITMAP_POLLメッセージが後続ポールサイクルでデバイスに送信される場合、POLLメッセージの再伝送がmaxPollreTransmission値に到達しない場合及びポール期間がスーパーフレーム内部で延長されずにminCAPのみが残る場合が該当する。
また、エラー復旧方式としては、自動再送要求(ARQ)ベースのエラー復旧方式もある。
ARQベースのエラー復旧は、アップストリームとダウンストリームトラフィックのみに適用可能である。中止及び待機ARQメカニズムは、直ちに確認のある単一データ伝送で使用され、選択的な反復ARQは、成功的な伝送のビットマップを特定する遅延された確認があるブロックデータ伝送で使用される。
第2の方法
メディアアクセス制御(MAC)階層は、いかなる衝突なしに共有通信媒体を用いて相互に通信可能なデバイス間にチャンネルアクセスメカニズムを提供することを担当する。相異なるタイプのデータトラフィック(オーディオ、ビデオ、及びファイル伝送など)は、その下部のチャンネルアクセスメカニズムからの相互に異なるタイプのQoSを要求する。無線通信は、遠隔医療システムで新たな時代を開き、多様な医療用センサによってキャプチャされた患者の医療情報は、無線媒体を通じて送信可能である。これは、多くのバルクワイヤー問題を緩和させ、患者の移動量を増加させ、患者に対する遠隔監視を容易にした。信頼性のある医療通信を提供するための任務は無線媒体の場合により難しくなるが、これは、無線通信システムが有線媒体でよりエラーに一層敏感なためである。
緊急処理業務は、遠隔医療システムで最も重要な要件のうちの一つである。以前の研究業務の中で大部分は、緊急データトラフィックを伝統的なQoS応用と類似したものとして考慮する。しかしながら、緊急メッセージは、音声ストリーミングとマルチメディアトラフィックなどの周期的で、伝統的なQoS応用に比べて非常にエラーの高い特性を持っている。まず、緊急状況は、極めてまれな状況であり、数ヶ月/数年に一度発生できる。そうして、緊急トラフィックのために事前予約されたリソースは、ネットワークリソースの消耗をもたらすことができる。第2に、緊急状況がまれに発生するが、このような種類のデータは、遅延を受け入れることが難しい。このデータは、可能な限り速く伝送されなければならない。したがって、緊急データは、ネットワークリソースの動的利用可能性により遅延され、あるいは拒否されてはいけない。第3に、緊急状況が発生する場合にはネットワーク(コーディネータ)は動作しない可能性がある。
本発明で提案されたメカニズムは、終端装置(医療用センサノード)と、このようなデバイスからのセンサデータの収集を担当する単一コーディネータとからなるスタートポロジを考慮する。図16は、スタートポロジと医療用センサノードでの緊急状況の発生に対する例示図である。コーディネータが動作するか否か(スケジュールされた周期的な医療データの収集によって忙しい状況)に関係なくノードは、いつでも(例えば、心臓拍動数の不均一、高い血糖レベル)緊急状況を検出できる。緊急データは、適切な時期に、そして信頼性よくコーディネータに伝達されなければならない。
下記の問題点は、本発明で提案する方法によって解決される。
緊急イベントは、一週ぶりに、一ヶ月以内に又は1年以内に発生できる。この場合に、デバイス(センサノード)とコーディネータ(データ収集器)との間でいかなる同期化も仮定することができない。
緊急イベントがデバイスで発生する場合にコーディネータが動作しないことがある。さらに、共存する他のネットワークが動作可能であり、これらのデータ/制御メッセージは緊急トラフィックと干渉できる。
複数のネットワークが相互共存しなければならないため、チャンネルは、緊急トラフィックのために固定することができない。固定したチャンネルは、緊急イベントが発生する間に干渉を有することがある。
緊急イベントは、非常にまれに起き、数ヶ月/数年に一度発生できる。したがって、事前予約されたリソースは、リソースの相当な消耗をもたらし、これは、緊急イベントが発生しないときに定期的な医療トラフィックの性能を低下させる。
緊急トラフィックは、制限されたリソースにより或いは大部分のリソースが使用される場合に拒否されてはいけない。
緊急データは、緊急応用要件の待ち時間内で通信されるべきである。
以下、図16のようなBANシステムにおいて、終端装置、特にインプラント型終端装置の場合に応急メッセージを処理する方法について説明する。応急メッセージは、非常にまれに発生するトラフィック類型であり、そのため、応急メッセージのためのリソースを予め割り当てることは大きな浪費を引き起こす。しかしながら、予めリソースを割り当てない状態で、応急メッセージを伝送しようとすれば、遅延が発生せざるを得ない。
下記の問題点は、本発明で提案された方法により解決される。
本発明では、緊急トラフィックのために任意のリソース(タイムスロットまたは周波数チャンネル)を予約しない。緊急アラームは、コーディネータが動作せず、あるいは他の共存ネットワークが動作する場合にも受信及び検出され得る。残りのノードによって大部分の帯域幅が既に使用されている場合にも、高速の信頼性ある緊急データの伝送が必要である。複数のネットワークが共存する場合にも、緊急状況における信頼性のある検出が要求される。
本発明における応急状況処理をする方法によれば、予めリソースを確保することでなく、他の一般データを伝送する終端装置のためのリソースを使用するので、リソースが浪費されず、コーディネータが一般の終端装置を処理している中にも応急状況処理が遅延なしに可能である。もちろん、コーディネータが但し受信状態にあるときには当然に処理が可能である。コーディネータが、スリープ状態切り替えが必要な場合に、応急サービスが必要であれば、ウェイクアップ装置が別途に付着されなければならない。
緊急イベントは、図16のネットワークにおける任意の終端装置で発生できる。例えば、心臓拍動調節装置は、心拍動数での不規則性を外部コーディネータに送ることを所望することがある。MACプロトコルは、緊急サービスの要求事項を充足させるための緊急メッセージ処理メカニズムをサポートすべきである。緊急処理メカニズムは、緊急データの速く、信頼性のある配達を許容し、コーディネータだけでなく最終装置での電力消耗を低減させる接続機構をまず持たなければならない。
従来の解決策では緊急メッセージの伝送を処理するための方法を提案したが、この場合に、受信器は、一部の可能な緊急メッセージを受信するためにすべての時間でアクティブされ、送信器及び受信器が同一のチャンネルで動作すると仮定する。
この仮定は、電力が制限された低デューティサイクル装置を有するネットワーク用には有効でないことがある。この場合、デバイスは、データセッションの完了後に電力を保存するようにスリープする。また、一部の周波数帯域(例えば、MICS)で、ネットワーク制御器は、ネックワーク動作用チャンネルを選択するようにLBTを遂行する。この制御器は、各ネットワーク動作用のことなるチャンネルを選択することができる。したがって、本発明の実施形態では、上記したシナリオで緊急データ伝送を扱う。
緊急イベントが発生する場合、このような場合には、2つの可能性のある場合がある。このような可能性がある場合には、ピコネットが動作中である場合、すなわちコーディネータがアクティブ状態である場合、及びピコネットが非動作中である場合、すなわちコーディネータがスリープ状態である場合がある。これを、図17及び図18を参照して説明する。
図17と図18は、コーディネータが各々動作したり動作しない場合に医療用センサ、すなわち終端装置160からコーディネータ162への緊急メッセージの送信と受信に対する概略図を示す。緊急アラームメッセージ164を受信したとき、コーディネータ162が動作する場合に確認(ACK)メッセージ166を終端装置160に送信する。このようにリソースの割り当てがなかった終端装置160が緊急アラームメッセージをコーディネータ162に送った後に、確認メッセージを受信すると応急状況処理過程に進行する。
一方、図18のようにコーディネータ162が動作しないときにはエネルギー検出器170のみが維持される(細部事項は、下記に説明される)。コーディネータ162がスリープ状態にある場合には、エネルギー検出器170は、ウェイクアップ装置として使用される。
エネルギー検出器170はデューティサイクル状態であり、処理部172はオフ状態である。緊急アラームメッセージ164によってエネルギーを検出した場合、このようなエネルギー検出器170は、受信器172の処理部174をトリガーリングした後、コーディネータ162は、確認メッセージ166を終端装置160に送信する。処理部174は、緊急アラームメッセージを受信した以後にオンされる。コーディネータ162が動作しないときに(完全な受信器回路でない)エネルギー検出器170のみがオンに維持される状況は、コーディネータ162の端部での電力消耗を大きく低減させる。
以下、センサ側である終端装置での動作について、図19を参照して説明する。
緊急状況が発生した場合に、終端装置160は、コーディネータ162状態(動作又は非動作)に関係なく目覚めており、あるいはスリープ状態にある。本発明で提案された発明は、後者の場合を包括する。(デバイスが目覚めている)前者の場合に関する緊急処理は、下部のチャンネルアクセスメカニズムによって処理でき、本発明の範疇内にはない。図19は、緊急状況が発生した場合に終端装置によって遂行される動作シーケンスを示すフローチャートである。ここで、終端装置は、コーディネータからポールメッセージを受信した後に割り当て区間にデータを伝送するポール方式で動作するが、緊急イベント検出の際には能動的に緊急データを伝達しなければならないので、次のように動作することが好ましい。
下記の内容は、その手順である。
まず、終端装置160は、ステップ180で緊急イベントを検出すると、ステップ181で緊急アラームメッセージを伝送するためのチャンネルを設定する。具体的に、終端装置160は、最高優先順位の周波数チャンネルを選択する。チャンネルを選択する方法としては、装置がサポート可能なチャンネル又はコーディネータによって知られているチャンネルの中で任意に又は最適の一つを選択するなどの方法があり、本発明は、これに限定されない。但し、チャンネルの優先順位化は、下記で説明される。
その後に、終端装置160は、ステップ182で、選択されたチャンネルでコーディネータ162に緊急イベントの発生を知らせるメッセージを送信する。
終端装置160は、ステップ183でアラームメッセージを送信した以後に予め定められた時間でコーディネータ162からの確認(ACK)メッセージを待機する。
終端装置160は、ステップ184で確認メッセージが受信された場合に、ステップ187で緊急イベントによる動作を遂行する。すなわち、応急状況動作を遂行し、例えば、確認メッセージを通じてコーディネータ162により伝送された命令に従って行動する。それにより、コーディネータ162からの後続メッセージを待機し、あるいは直ちに緊急イベントに関連した緊急データを単数又は複数個送信する。
ステップ184で所定の時間内に確認メッセージが受信されないと、ステップ185に進行して最大再試行回数(Max retries)が遂行されたか否かを判定する。最大再試行回数に到達しない場合には、ステップ182に戻り、コーディネータ162から選択されたチャンネルで確認メッセージが受信されるまでアラームメッセージの伝送を反復する。
以前のチャンネルで、コーディネータ162から確認メッセージが受信されない場合に、アラームメッセージを送信するために最大再試行回数に到達すれば、ステップ186で他のチャンネルを選択する。それにより、終端装置160は、チャンネルセットから優先順位の順に新たなチャンネルを選択し、コーディネータ162から確認メッセージが受信されるまでアラームメッセージの伝送を反復する。すなわち、コーディネータが使用するチャンネルを検索する。
すべてのチャンネルが消耗された場合に、終端装置160は、コーディネータ162からの確認メッセージが受信されるまで、有限回数の時間で前述したすべての動作を遂行する。
終端装置160は、コーディネータ162からの応答がないと、障害を宣言して動作を中断する。
上記したように確認メッセージが受信されないと、再びアラームメッセージを送り、このアラームメッセージに対する確認メッセージを更に待機するなどの上記ステップを反復する。この手順で、最大再試行の回数を越えると、このチャンネルを除いて残りの可能なチャンネルと同様に一つのチャンネルを選択し、上記した動作を反復する。
以下、図20乃至図22を参照してコーディネータ側の動作について説明する。
緊急状況が発生した場合に、コーディネータ162は、動作中であり(データ伝送で他のノードによって忙しい状況)動作しないことがある。コーディネータ162が動作する場合に、強制化した衝突によって最大再試行が満了した場合に緊急状況が検出される。これについて、下記に細部的に説明する。コーディネータ162が動作しない場合に、そのエネルギー検出器170は、完全な受信器回路の代りにオン状態に維持される。追加的な電力最適化のために、エネルギー検出器170のデューティサイクルが許容されて緊急メッセージが要求される信頼度で検出されることを保証する。上述したように、コーディネータ162は、固定チャンネルでデューティサイクルされないが、これは、複数のネットワークが利用可能なチャンネル内で共存しなければならず、またネットワークが同一の周波数帯域での異なる技術と共存しなければならないためである。緊急イベントが発生する場合に、一部チャンネルは、他の技術からの干渉を経験することが可能である。この場合に、緊急データは、これらチャンネルを介して信頼性良く送信されない。したがって、緊急イベントに対する個別チャンネルは固定しない。常にコーディネータ162は、最高の優先順位を有するチャンネルでデューティサイクルを試みる(チャンネルの優先順位化は下記で論議される)。このような技法は、緊急イベントを検出するための有効時間を相当に減少させる。
図20は、デューティサイクルの間にしきい値を超えるエネルギーの検出時にコーディネータ162により遂行される動作シーケンスを示すフローチャートである。図20は、本発明の一実施形態によるコーディネータ162がスリープ状態である場合の緊急動作を遂行する場合を例示する。
まず、コーディネータ162は、ステップ190で、信号すなわちエネルギーが検出されるか否かを判定し、あるいは、内部タイマ時間が満了したか否かを判定する。
ステップ191及びステップ194のように1次的な干渉又は2次的な干渉によってエネルギーが検出されると、ステップ192乃至ステップ196のようにチャンネルスキャニングを遂行し、他の高い優先順位の無干渉チャンネルを選択する。コーディネータ162は、エネルギー検出器170で一定以上のエネルギーが検出されると、1次的な干渉又は2次的な干渉を避けるためにチャンネルスキャニングを通じて最も干渉が少ないチャンネルを検索する。
このような途中で、ステップ197で、緊急アラームメッセージが受信されると、ステップ198で、終端装置160に確認メッセージを送信し、ステップ199で緊急イベントを処理する。
内部タイマが満了すると、現在チャンネル以外の高い優先順位の無干渉チャンネルを探し、このチャンネルに対するデューティサイクルを始める。これと異なり、利用可能な場合には現在チャンネルで続ける。
図21は、本発明の他の実施形態によるコーディネータ162がスリープ状態である場合の緊急動作を遂行する場合を示す。
図21を参照すると、コーディネータ162は、ステップ191aで信号を検出すれば、ステップ192aで緊急アラームメッセージの受信であるか否かを判定する。緊急アラームメッセージでない場合には、ステップ193aで、内部タイマが満了したか否かを判定する。内部タイマが満了しないと、動作を反復し、それともステップ194aで検出されたエネルギーがしきい値以上であるか否かを判定する。
このとき、しきい値以上であると、ステップ195a及びステップ196aに進行してLBT遂行後に他のチャンネルを選択するなどチャンネルスキャニングを遂行する。ステップ192aで、緊急アラームメッセージが受信された場合、ステップ197a及びステップ198aでの動作は、図20のステップ197及びステップ198での動作と同一である。以下、コーディネータが動作しない場合の緊急状況処理手順については、図23を参照して説明する。
デバイスは、アラームメッセージをコーディネータに伝送して緊急イベントの発生を示す。デバイスは、チャンネル内のアラームメッセージを伝送した後にコーディネータからの確認メッセージを待機する。以前チャンネルでコーディネータから確認メッセージが受信されない場合、デバイスは、セットからの新たなチャンネルを選択してアラームメッセージを伝送する。確認メッセージがコーディネータから受信されるまで、デバイスは、アラームメッセージの伝送を反復する。
図23を参照して、コーディネータが動作しない場合にセンサノードでの緊急状況の高速の信頼性ある処理のためにインプラント装置(以下、センサノード)とコーディネータによって共に遂行される完全な動作セットについて説明する。図23は、コーディネータが動作しない場合、そしてインプラント装置212で緊急イベントが発生したときに一部無干渉チャンネルで(干渉により必ず最高優先順位チャンネルとなる必要はない)デューティサイクルとなるときの例示的な状況に対する動作シーケンスを示す。センサノード212は、このようなセンサノード212とコーディネータとの間で事前交渉された最高優先順位チャンネルで緊急アラームメッセージを送信し始める。毎度緊急アラームメッセージを送信した以後に、センサノード212は、確認(ACK)メッセージを待機する。有限期間内で確認メッセージが受信されないと、緊急アラームメッセージを再送信する。
応急状況が発生したセンサノード212は、両端間の予め定められたチャンネルリストに基づいて良いチャンネルから順次に選択して連続する緊急アラームメッセージを送信する。連続的な緊急アラームメッセージ間の間隔は、コーディネータからのACKを受信できる程度の間隔を置く。コーディネータは、デューティサイクルリングをしているため、所定時点で目覚めてアラームメッセージを受信すると、応急状況管理ステップに進行するようになる。この過程では、センサノード212が、まずデータを送信し、そうでなければコーディネータの命令を待機する動作が可能である。
センサノード212が正確にコーディネータによってデューティサイクリングするチャンネルに到達したときに緊急アラームメッセージ214を送信した場合、コーディネータ210は、ウェイクアップして緊急アラームメッセージを受信して確認メッセージ216で応答する。チャンネル当たりこのようなセンサノード212により送信された緊急アラームメッセージの最大個数は、コーディネータのデューティサイクルパーセンテージ、信頼度、及び緊急状況に対する遅延要件に依存する。確認メッセージがセンサノード212により受信されると、センサノード212は、コーディネータ210からの後続命令を待機し、確認メッセージによって指示されたように直ちに緊急データを送信し、あるいはセンサノード212とコーディネータ210両方に通知されている緊急状況プロファイルに基づく。緊急アラームメッセージの検出以後の緊急処理に対する追加的なシーケンスは、応用依存的であり、本発明の範囲から逸脱する。
上記したように、コーディネータは、スリープ状態であり、このスリープ状態で無干渉チャンネルでデューティサイクリングする。コーディネータは、デバイスからの少なくとも一つのアラームメッセージを受信する方式でデューティサイクリングする。アラームメッセージを検出した場合、コーディネータは、スリープ状態からアクティブ状態(緊急状態)にスイッチングし、確認メッセージを送信して緊急データを処理する。
以下、図24及び図25を参照して、強制化した衝突を用いてコーディネータが動作するときの緊急状況処理過程について説明する。
次に、センサノードで緊急状況が発生するときにコーディネータが一部無干渉チャンネルで、あるいはより少ない干渉チャンネルで動作するときの緊急状況で高速の信頼性ある処理のためにセンサノードとコーディネータによって共に遂行される完全な動作セットを説明する。図24及び図25は、コーディネータが動作する場合に各々アイドルモードやビジーモード(busy mode)にある場合に例示的な状況に対する動作シーケンスを示す。例示的な図面は、コーディネータが動作する場合にポーリングベースのメカニズムを用いて無線通信チャンネルの接続を制御する緊急状況処理を示す。しかしながら、強制化した衝突での同一の方法は、任意のチャンネルアクセスメカニズムに対して適用可能である。
センサノードによって遂行される動作シーケンスは、コーディネータが動作しない場合の以前状態と同一である。これは、コーディネータが動作しているか、あるいは動作しないかをセンサノードが優先的に発見すべきことでないためである。センサノードは、このようなセンサノードとコーディネータとの間で事前交渉された最高優先順位でチャンネルに緊急アラームメッセージを送信し始める。この場合に、2つの状況が発生できる。
図24に示すように、コーディネータ210がアイドル部分220にある場合に、緊急アラームメッセージ222がコーディネータ210によって正確に受信することができる。これと異なり、図25に示すように、コーディネータ210がアイドル部分230にある場合、このような緊急アラームメッセージが受信されると、その緊急アラームメッセージは、インプラント装置213などの動作ネットワークの異なるデータ/管理パケットと衝突する。コーディネータ210がアイドル部分232にあり、緊急アラームメッセージ234を受信した場合に、これは、以前に説明したようにセンサノード212に確認メッセージ236を送る。一方、コーディネータ210がビジー部分237にある場合には緊急アラームメッセージは、他の管理又はデータパケットと衝突するようになる。したがって、コーディネータ210は、センサノード212により送信された緊急アラームメッセージ239を成功的に受信しない。
上記したように、コーディネータがアクティブ状態である場合、デバイスからの多重アラームメッセージは、コーディネータデータでの強制衝突を生成し、コーディネータがチャンネルを聞いてデバイスからのアラームメッセージを受信するようにする。強制衝突後にアラームメッセージを受信した場合、受信器は、デバイスから発生した緊急メッセージを処理する。
この場合に、コーディネータにおける動作を説明するために、図22を参照する。本発明では、センサノードでの可能な緊急イベントを検出するための最大再試行の満了と強制化した衝突の組み合わせを使用する。
まず、コーディネータ210は、図24のようなアイドル部分220にある場合にはステップ200で緊急アラームメッセージを正確に受信できる。これと異なり、図23のようにセンサノード212からの緊急アラームメッセージの連続した送信239は、複数のポール又はデータパケット(強制化した衝突)と衝突する場合、コーディネータ210の側ではステップ201で最大再試行満了状況をトリガーリングする。このようにコーディネータ210は、衝突感知をすると、センサノード212から緊急アラームメッセージが伝達される中であると判断して緊急アラームメッセージを待機する。
それによって、ステップ201で、最大再試行の満了時にコーディネータ210は、自身の正常動作を中止し、ステップ202でセンサノードからの可能な緊急アラームメッセージを待機する。言い換えれば、コーディネータ210は、最大再試行の回数を定めておき、連続したデータ伝送エラーによって最大再試行回数までデータが伝送されないと、緊急アラームメッセージを待機する。
コーディネータ210は、ステップ203で、特定時間の期間内で緊急アラームメッセージを受信する場合、ステップ204で現在までのMAC状態を保存した後にステップ205に進行し、センサノード212に確認メッセージを戻す。その後に、コーディネータ210は、ステップ206で緊急イベントを処理した後に、ステップ207でMAC状態を再開する。そうでないと、必要な動作(例えば、その理由を発見し、新たなチャンネルを選択する)を遂行してMACプロトコルによって特定した最大再試行の満了を処理する。コーディネータが動作しないと、他の共存ネットワークが動作する場合に、強制化した衝突の事柄が作用する。この場合、緊急アラームメッセージは、他のネットワークの管理又はデータパケットと衝突し、これらとの強制化した衝突によって自分の動作が強制的に中断される。それによって、緊急アラームメッセージは、意図したネットワークのコーディネータによって正確に受信することができる。
一方、コーディネータでのチャンネルの優先順位化を説明すると、次のようである。
図20で前述したように、センサノードは、所定のチャンネル順序で緊急アラームメッセージを送信する。非動作状態にある場合に、コーディネータは、常に最高優先順位の無干渉チャンネル上でデューティサイクルを試みる。チャンネルでデューティサイクリングする間に、コーディネータは、内部タイマの助けで周期的に高い優先順位の無干渉チャンネルを検索する。大部分の時間でコーディネータは、最高優先順位のチャンネルを聴取するようになり、それによって緊急状況が発生したときに緊急アラームメッセージは低い待ち時間で検出される。チャンネル優先順位順序は、固定されていない。コーディネータは、ランダムに任意のチャンネル優先順位順序を選択し、これをセンサノードと通信できる。相互に異なるネットワークでの優先順位順序のランダム化は、共存ネットワークにおける同時的な緊急アラームメッセージ間の衝突を防止する。
第3の方法
上記方法は、血糖センサと人体の外部プログラマ/データ収集器(コーディネータ)などのインプラント可能な医療用装置の間に医療用無線通信を着想することに関連する。本発明で提案された方法は、外部プログラマによるインプラント装置の起床を可能にする。コーディネータは、インプラント装置との通信セッションを始めるためにインプラント装置を起床すべきである。提案されたインバンド起床メカニズムは、電力効率的でかつ信頼性のあり、高速でFCCにより定義されたMICS医療用インプラント通信の規約に従う。心臓ベースメーカーなどのインプラント可能な医療用装置は、一般的に無線周波数遠隔検針リンクを通じて外部プログラマ又はデータ収集器と呼ばれる装置とデータを通信する性能を有する。このような外部プログラマ又はデータ収集器の用途は、インプラントされた医療用装置の動作パラメータをプログラムし、インプラント可能な装置から医療用センサデータを収集するものである。
インプラント可能装置は、特に電力観点でリソース制約的である。これらは、エネルギー源としてエネルギー収穫技法又は制限された電力供給源を有する超薄膜バッテリーを使用することができる。さらに、一旦デバイスがインプラントされると、バッテリーは、その寿命の間には変わらない。インプラント可能装置の寿命は、数時間から数年に達する。インプラント可能装置は、エネルギー制限によって常にオン状態に維持することができない。このような制約は、デバイスと外部プログラマとの間で要求される通信がないときにインプラント装置が大部分の時間でスリープモードとなるように指示する。
この場合に、外部プログラマ/データ収集器がインプラント装置の一部パラメータの設定を所望するか、インプラント装置からの一部センサデータの収集を所望する場合に、外部プログラマなどは、まずデバイスをウェイクアップし、以後に通信セッションを設定する。単一の外部プログラマ/データ収集器は、スタートポロジの複数のインプラント装置と通信するように存在する。ここで、ウェイクアップは、インプラント装置がコーディネータにより選択された同一のチャンネルで聴取することに従って通信セッションを始めることを明確にすることを意味する。MICS規約によると、コーディネータは、通信セッションを開始するようにチャンネルを獲得する以前にLBT(対話以前の聴取)を遂行しなければならない。コーディネータは、連続した通信セッション間の十分に長い距離に対して以前の通信に使用されるチャンネルに関係なくすべての利用可能なチャンネルの中で任意のチャンネルを得ることができる。特定チャンネルを獲得する確率は、同等であると仮定される。
ウェイクアップメカニズムとしてインプラント可能装置と外部プログラマのアンテナとの間の誘導結合(非RF方法)の利用は、その短距離適用範囲(例えば、数インチ)によって非常に制約的である。本発明は、インプラントされた装置の電力要件を減少させ、ウェイクアップ待ち時間を減少してウェイクアップ段階の信頼度を増加させる方式でインバンド(起床とデータ通信に対して同一のRF)ウェイクアップメカニズムを提案することで、このような問題を解消しようとする。
下記の問題は、本発明による方法により解決される。
多くの電力を消耗するアイドル聴取及び盗聴を避けるために、インプラント装置は、デバイスの寿命を増加させるようにできるだけ長くスリープするように要求される。スリープするインプラントされた装置との通信セッションを始めるために、電力効率的で、あまり複雑でなく、高速のウェイクアップメカニズムが要求される。アウトオブバンドウェイクアップ解決策は、付加的な送受信器回路を要求することによって、複雑度とシステムコストを増加させ、リソース制約的なインプラント装置に適合しない。したがって、インバンド起床メカニズムが要求される。
非RFウェイクアップメカニズムは、(数インチ)範囲で制限される。
複数のインプラント装置の場合に、一つずつのウェイクアップは、容認できない待ち時間と高電力消耗をもたらし、それによって複数のウェイクアップメカニズム(同時に複数の装置を起床させる)が要求される。
ウェイクアップのための個別チャンネルは、FCCガイドラインに従って任意のエンティティによる動作に対して固定されていない。
デューティサイクルの間に、インプラント装置は、通信セッションの他の装置のデータ伝送からの干渉を受信できる。これは、付加的にデバイスの所望しない電力消耗を招くことができる。
したがって、本発明は、MICS帯域でウェイクアップを実現する方法について開示する。MICS帯域を使用する移植型医療機器のための通信は、MICS規制事項と実現的な制約を持っている。MICS規制によると、コーディネータは、通信セッションを始めるためにチャンネルを確保する前に常にLBT(Listen Before Talk)をすべきである。また、同じ帯域で同一のRFを使用することがセンサのような環境では追加的な技術的コスト負担がなくて容易である。
図26は、インプラント装置とのデータ通信任務を遂行するためにコーディネータによって遂行される一般的な動作シーケンスを示す。インプラント装置との通信セッションを始めるために、コーディネータは、対話以前の聴取(LBT)240を遂行し、他のインプラントネットワーク又は優先的なユーザー(割り当てスペクトルの免許を有するユーザー)がチャンネルで既に存在しないことを確証することによって、優先的に無干渉チャンネルを選択しなければならない。
利用可能な無干渉チャンネルがない場合に、これは、適合した共存メカニズムを用いて他のネットワークと共存するように試みる(242)。初期の2ステップ(チャンネルと共存の選択)は、本発明の範囲外である。成功的なチャンネル選択(244)以後に、コーディネータは、通信セッションの開始を所望するデバイスをウェイクアップ(246)しなければならない。その後に、セッション通信(248)を遂行した後、セッションを終了する(250)。本発明で提案されたメカニズムは、スタートポロジネットワークを考慮するが、このネットワークには、終端ノード(インプラントされたデバイス)とデバイスからのセンサデータの収集及び/又はデバイスに対するパラメータの設定を担当する単一コーディネータがある。
図27は、相互に異なる状態を有する医療用インプラントセンサノードとスタートポロジの例示図である。
図27に示すように、インプラント装置は、3個の状態、すなわちアクティブ(active)、スリープ(sleep)、又は冬眠(deep sleep)状態のうちいずれか一つとなり得る。
アクティブ状態の場合、デバイスは、既に目覚めており、コーディネータとのデータ通信に関連している。データ通信セッション内の巨視的なレベルでのスリープ及びウェイクアップは、チャンネルアクセスメカニズムを担当し、これは本発明の範囲外である。本発明において、アクティブ状態と呼ばれる場合には、デバイスが既に目覚めており、コーディネータによってデバイスをウェイクアップすることを必要としないことを意味する。
スリープ状態の場合、デバイスは、ウェイクアップ信号を受信するために低電力モードでデューティサイクリングする(大部分の受信器回路は、ウェイクアップ検出器を除いてスイッチオフされている)。
冬眠状態の場合、インプラント装置の送受信器は、全くオフ状態となり、デバイスの内部タイマのみが自体ウェイクアップを容易にするように実行される。
図28は、3個のすべての状態間の転移を示す。
冬眠モードの場合に大部分の時間で、コーディネータは、通信セッションの周期的なスケジューリング又はインプラント装置との通信セッションのための後続予想時間を決定することが可能である。例えば、毎日特定した時間で血糖レベルのサンプリングが可能である。この場合、コーディネータは、インプラント装置が冬眠状態(完全な送受信器回路がスイッチオフされた状態)に進入し、後続の予想された/スケジュールされた通信セッション以前にデューティサイクルを始めるように指示できる。冬眠モードは、インプラントセンサ装置で常に選好されるものである。しかしながら、外部プログラマ/データ収集器(コーディネータ)の頻繁な介入を要求するタイプの応用も選択的でなければならない。
ウェイクアップメカニズムの場合、既に論議されたように、ウェイクアップのためのチャンネルは固定されていない。スリープ状態ではウェイクアップ信号を正確に受信するために、インプラント装置のエネルギー検出器は、図29に示すように、周期的な方式ですべての利用可能な周波数チャンネルを一つずつデューティサイクリングする。エネルギー検出器を有するインプラント装置は、特定周期によってチャンネルf1からfnまで受信状態ONと受信状態OFFを交互にデューティサイクルリングをするようになる。
デューティサイクルの間のRx_ONとRx_OFF時間の実際比率は、待ち時間、システムの信頼性、及び電力消耗の要件に基づく。Rx_OFFに対するRx_ONの比率の増加は、ウェイクアップ待ち時間を減少させ、信頼度と電力消耗を増加させる。
図30を参照すると、コーディネータは、特定チャンネルで連続的なウェイクアップ信号を送信し、チャンネルを変えつつデューティサイクルリングした終端装置がこれを受信すると、データセッションが始まる。コーディネータは、ウェイクアップ信号を送るとき、接続されている終端装置に対して知っているアドレス値を受信として送り、接続されていない終端装置に対してはデバイスアドレスを受信として送る。デバイスアドレスは、普通IEEEアドレスが代表的である。
単一装置ウェイクアップメカニズムの場合、コーディネータは、後述するようにインプラント装置をウェイクアップするためにこのメカニズムを利用する。
ユニキャストウェイクアップメカニズムは、そのアドレスがコーディネータに知られているインプラント装置をウェイクアップするために使用される。これは、コーディネータによって装置に割り当てられる装置MACアドレス又は比較的小さな論理アドレスとなり得る。
ウェイクアップ過程が始まる場合に、コーディネータは、インプラント装置にウェイクアップメッセージを送信する。これは、即時確認、着信先アドレスとしてのインプラントノードのアドレス、セッション開始時間、及び概略のセッション期間を要求することであり、以後にインプラント装置からの確認を待機する。ウェイクアップメッセージの1ビットサイズの‘タイプ’フィールドは、単一及び複数のウェイクアップ(ロック)メッセージの間で区別するのに使用され得る。
‘タイプ’ビットがリセットされると、メッセージは、単一ウェイクアップメッセージとして考慮される。概念的にヘッダーで利用可能な任意のビットが‘タイプ’ビットとして使用可能であることによって、追加的なビット要件を節減できる。例えば、ヘッダーで存在するより多いデータビットがDATAフレームのみに適用されるため、これは、ウェイクアップとマルチキャストウェイクアップ(ロック)メッセージ間に区分するためのウェイクアップメッセージのための‘タイプ’フィールドとして利用され得る。
公知のIEEEアドレスを有し、接続されていないデバイスをウェイクアップするために、コーディネータは、即時-ACKに設定されたACKポリシー、ウェイクアップフレームペイロードでの受信器アドレスとしてIEEEアドレス、セッション期間、及びこのようなフレームペイロードでセッションを始める時間を有するノードにウェイクアップフレームを送信し、以後ノードからのACKフレームを待機する。
接続された装置をウェイクアップするために、コーディネータは、即時ACKに設定されたACKポリシーを有し、受信器IDとして接続されたIDとセッション期間及びこのフレームペイロードでセッションを始める時間を有するノードにウェイクアップフレームを送信し、以後ノードからのACKフレームを待機する。ウェイクアップメッセージペイロードの内容は、図34に示す。図34に示すように、ウェイクアップメッセージは、受信先アドレス、発信先アドレス、セッション開始時間オフセット、及びセッション長を含む。
有限期間(ウェイクアップメッセージを処理し、ACKで応答するためにインプラント装置によって要求される時間)で確認を検出するのに失敗した場合、これは、他のウェイクアップフレームをデバイスに送信する。コーディネータは、ノードからACKフレームを受信するまでウェイクアップフレームを送信するが、最大回数の連続するウェイクアップフレームが送信される。最大値は、非セッション状態でのインプラント装置のデューティサイクルに依存する。複数のウェイクアップフレームの送信は、デューティサイクルの間にデバイスが少なくても一つのウェイクアップフレームを受信することを保証する。非セッション状態でのインプラント装置のデューティサイクルは、ウェイクアップ待ち時間、信頼性、及びインプラント装置の電力消耗要件に基づく。
非セッション状態にある場合のインプラント装置は、利用可能なすべてのチャンネルに対して一つずつ周期的な方式でデューティサイクリングする。ウェイクアップメッセージを成功的に受信したときに、インプラント装置は、コーディネータに確認を送信する。ACKメッセージの伝送以後に、インプラント装置は、スリープ状態に戻り、ウェイクアップメッセージでのセッション開始時間により定義された時間にウェイクアップを遂行できる。これは、長い間にポールメッセージを待たないようにすることで、インプラント装置の電力を相当に低減させる。ウェイクアップ過程を終了した以後に、コーディネータは、インプラント装置に対するポール割り当てを許容するポールメッセージを送信して自身のデータフレーム処理を開始できる。
非セッション状態でのデューティサイクルの間に、チャンネルでウェイクアップフレームが受信された以後、非意図されたインプラント装置は、ウェイクアップフレームで特定したセッション期間でデューティサイクルのためにこのチャンネルを排除する。デバイスは、セッションが満了した以後に、このチャンネルでデューティサイクルを再開する。非意図された装置がデューティサイクルからこのチャンネルを排除することをコーディネータが所望しない場合に、コーディネータは、セッション期間値を‘0’に設定できる。これは、特にコーディネータが単一装置ウェイクアップメカニズムを用いて複数の装置を一つずつウェイクアップしようとするのに有用である。このような過程の待ち時間が複数の装置ウェイクアップより高いが、その差は、デバイスの個数が最も少ない場合には重要でない。加えて、非セッション状態でのデューティサイクルの間にチャンネルで干渉を受信した以後、非意図されたインプラント装置は、固定された時間でデューティサイクルでチャンネルを除外する。デバイスは、時間が満了した以後にこのチャンネルでデューティサイクルを再開する。
図31に、その一例を示す。チャンネル‘2’でデューティサイクルの間に、デバイスは、自身に対して意図しないウェイクアップ信号を受信し、チャンネル‘2’でのデューティサイクルを中止する。このような方式で、コーディネータがインプラント装置との通信セッションを開始する場合にアクティブセッション部分でないすべての他のデバイスは、通信セッションが設定されたこのチャンネルに関するデューティサイクルを中止し、定期的なデータ通信による盗聴を回避する。同様にも、デバイスが非セッション状態(セッション部分でない)にある間に、自身のピコネットのデータ通信によって干渉を受信する場合に、デバイスは、固定した期間でこのチャンネルに関するデューティサイクルを中止する。
図31では、自身に指定されないウェイクアップ信号を受信したとき、一定時間で該当帯域に対するデューティサイクルリングを遂行しないことで、実際に指定されたデバイスとコーディネータとの間のデータセッションの動作を助ける場合を示す。
たびたびコーディネータがインプラント装置をウェイクアップしようとする場合、他のインプラントノードとのデータ通信セッションが既にアクティブである場合が可能である。上述したように、干渉による盗聴を避けるためにデバイスは、アクティブセッションが動作中であるチャンネルでデューティサイクルを中止する。この場合に、コーディネータは、装置をウェイクアップするために同一のチャンネルを介してウェイクアップ信号を送信しない。さらに、ウェイクアップのためのアクティブセッションが動作する同一のチャンネルをコーディネータが使用する場合に、これは、アクティブセッション部分であるデバイスに対するウェイクアップ信号の盗聴を誘発する。このような問題を避けるために、コーディネータは、新たな無干渉の(FCC規定による)適したチャンネルを選択し、新たに選択されたチャンネルでウェイクアップを遂行する。このような方式で、既にアクティブセッション部分にあるデバイスは、コーディネータによって送信されたウェイクアップ信号を受信せず、これによって盗聴を回避する。図30は、3個のデバイスにおける単一装置ウェイクアップメカニズムの例を示し、ここで、コーディネータは、各デバイスを個別的に一つずつウェイクアップさせる。
マルチキャスト装置ウェイクアップメカニズムの場合、コーディネータは、後述するように、複数のインプラント装置をウェイクアップするためにこのメカニズムを使用する。
以下、図32を参照して、複数のインプラント型終端装置に対するウェイクアップ方法を提案する。図29のように、チャンネルを変えてデューティサイクルリングをした終端装置は、コーディネータがロック段階(Lockup Phase)で特定チャンネルに送信しているロック信号を受信する。これを受信したデバイスは、図35に示すようなウェイクアップフレーム形式でロック信号に含まれているセッション開始時間オフセット値を見てこれを自身のウェイクアップ開始時間として解析し、現在チャンネルでOFF状態で待機してから、該当時間に受信モードをON状態にしてウェイクアップ信号の受信を待機する。ウェイクアップステップでのウェイクアップ信号は、単一ウェイクアップでのメッセージと同一である。
コーディネータは、MICS規定によるMICSチャンネルを選択し、接続されたデバイスをウェイクアップするために選択されたチャンネルを介してウェイクアップメッセージを送信する。接続されたデバイスは、コーディネータによって既に固有の、マルチキャストアドレスが割り当てられた装置である。マルチキャストウェイクアップは、2つの段階、ロック段階及びウェイクアップ又は確認(Confirm)段階を有する。
ロック段階が開始されると、コーディネータは、無-ACKに設定されたACKポリシー及び1に設定されたタイプビット、セッション期間及びフレームペイロードでこのセッションを開始する時間を有する複数の接続されたノードにロックフレーム(マルチキャストウェイクアップフレーム)を送信する。ロックフレームの受信先アドレスは、個別装置のアドレスリスト又は割り当てられた場合にノードグループに対するマルチキャストIDを含むことができる。複数のウェイクアップフレームペイロードの内容は、図35に示す。単一ウェイクアップフレームペイロードは、図34に示すようである。
コーディネータは、任意の接続された装置からの確認(ACK)を期待することなく有限個数のロックフレームを連続して送信する。ロックフレームの個数は、すべての接続された装置が少なくても一つのウェイクアップフレームを受信することを保証する。
単一グループに属する装置をウェイクアップするために、コーディネータは、受信先アドレスとしてマルチキャストIDあるいは放送IDを有するロックフレームを送信する。
ロックフレームを成功的に受信したときに、意図されかつ接続されたデバイスは、自らロックフレームを受信したチャンネルに固定させ、同一チャンネルの確認段階におけるウェイクアップフレームを待機する。意図されかつ接続されたデバイスは、セッションフィールド情報を始める時間を確認ステップを始める時間として解析し、ロック以後にその時間でのみアクティブされる。
‘確認’又は‘ウェイクアップ’段階で、コーディネータは、ウェイクアップフレームを個別の接続されたデバイスに一つずつ所望する任意の順序で送信する。確認段階で送信されたこのようなウェイクアップフレームは、単一装置ウェイクアップで使用されるものと同一であることに注意すべきである。コーディネータは、ウェイクアップフレームを接続されたデバイスに送信し、即時-ACKに設定されたACKポリシーと1に設定されたタイプビット及び接続されたノードのアドレスを有する。ウェイクアップフレームを成功的に受信した場合に、デバイスは、ACKフレームをコーディネータに送信する。デバイスからACKを受信したとき又はデバイスからのACK受信時間の満了時に、コーディネータは、次の順序のデバイスにウェイクアップフレームを送信する。1ラウンドのロック及びウェイクアップステップを完了した以後、コーディネータは、確認段階で確認しないデバイスにロックフレームを送信する。図31は、ロックとウェイクアップ(又は確認)段階の概念を示す。
非セッション状態でのデューティサイクルの間にチャンネルでウェイクアップフレームを受信した以後、非意図された接続された装置は、ウェイクアップフレームで特定したセッション期間でデューティサイクルのためにこのチャンネルを排除する。デバイスは、セッションが満了した以後にこのチャンネルでデューティサイクルを再開する。
図33は、コーディネータが3個の装置を同時にウェイクアップさせる複数の装置ウェイクアップの例を示す。
第4の方法
上記方法は、ポールベースの最低水準の電力チャンネルアクセス及び医療用インプラント通信における複数のBANの同時的な動作と関連する。医療用インプラント通信サービス(MICS)は、インプラントされた医療装置に関連した診断機能又は治療機能のサポートにおいて、データを送信するための最低レベルの電力及び非 承認の移動無線サービスである。MICSは、電磁気無線スペクトルの他のユーザーに干渉を引き起こすことなく、個人及び医療陣が心臓ペースメーカーと心臓除細動器などの最低レベル電力の医療用インプラント装置を使用する。医療用インプラント通信において、基地局(外部プログラマ又はデータ収集器)は、(2〜3メートルの制限された範囲内で)人体表面や人体外部に位置し、一つ以上の医療用としてインプラントされたデバイスは、単一ホップのスターネットワークを形成する。
IEEEは、既に標準化に関して作業している。ボディエリアネットワーク(BAN、IEEE802.15.6)は、人体及び人体の周囲で実行されるすべての無線医療用及び非医療用の応用を標準化するためのものである。MICS帯域(402〜405MHz)は、同一帯域の優先的なユーザー(計測衛星ユーザー)に対する干渉を避けるために帯域使用のための一定の規定と共に医療用インプラント通信のためにFCCにより割り当てられた。このような規約と規定は、インプラント医療用通信のためのチャンネルアクセスメカニズムの設計を伝統的なMAC設計と異にする。
図36は、単一MAC階層及び2個の物理階層を含むネットワークの望ましい例を示す。
任意の通信ネットワークは、異なる方式のトラフィック、例えば、一定のビットレートトラフィック、可変ビットレートトラフィック、ベストエフォートトラフィック、及び各方式のトラフィック下の多重データレートを含むことができる。トラフィック方式とデータレートの組み合わせは、唯一のクラスのトラフィックに達する可能性がある。各クラスのトラフィックは、他のQoS要求事項を有することができる。多様なセットのQoS要求事項を充足させるMACプロトコルを設計することが好ましい。従来の解決策は、異なるクラスのトラフィックの多様なセットのQoS要求事項が得られるMACに存在できる。しかしながら、すべてのトラフィックは、同一の物理階層を有する装置又はシステムから発生すると仮定する。
一方、図36に示すように、本発明は、異なる物理階層を有する装置(移植装置又は人体装置)から発生した多重クラスのトラフィックに関するものである。ここで、異なる物理階層は(例えば、人体に対しては周波数がUWB(3.1乃至10.6GHz)である場合、移植に関しては周波数帯域が医学周波数(401MHz〜406MHz)である)異なる周波数帯域で動作する送受信器を意味する。本発明は、図36に示すようなシナリオを有するネットワークで、多様なセットのQoS要求事項を満たすことができるMACプロトコルを提案する。
図37は、ポーリングサイクルを有する単一MACフレームの望ましい例を示す。
単一MAC及び2個のPHYを有する装置において、MACは、PHY1とPHY2との間で時間を共有する。この設計は、別々のPHY1及びPHY2が同時に通話中でなく、送信器構造(PHY1又はPHY2)の一つが一時にMACにより使用されることを保証する。PHY1及びPHY2の通話中周期は、電力効果ポーリングメカニズムによって処理される
下記の事項は、本発明によって解消/解決される問題である。
メディアアクセス制御(MAC)プロトコルは、医療用インプラント通信に対するMICSの使用を可能にするように要求される。無線通信のための従来のMACプロトコルは、MICS帯域の使用のための異なるQoS要件とFCC規定によってインプラント医療用通信では適合しなかった。
インプラント装置の寿命は、数時間から2〜3年程度であり、これらは、特に電力の観点から見れば大変リソース制約的である。通常の無線ネットワークとは違い、消耗されたバッテリーを充電/交替することが難しく、それによって、インプラント装置寿命の最大化は主な目的となり、他の性能の寸法(例えば、帯域幅利用)を2番目の要件となる。本発明は、スタートポロジインプラントネットワークに対する無衝突ベースの単純で最低水準の電力のメディアアクセス制御プロトコルを提案することで、アイドル聴取、盗聴、パケット衝突、及びパケット制御オーバーヘッドによるエネルギー消耗を最小化しようとする。
医療用インプラント通信は、無線センサネットワークと比較されるが、ここで一つ以上のセンサ(インプラント装置)は、データを感知して基地局ノード(外部プログラマ又はデータ収集器)に送信する。通信パターンの特性は、主に(複数から一つへの)伝送収束であるが、ネットワークのすべてのセンサノード又はセンサノードセットからの収集されたデータが基地局に送信される過程である。無線センサネットワークに対する大部分のMACプロトコルは、複数のホップネットワークトポロジのために設計され、医療用通信における主要関心事である単一のホップスターネットワークのために最適化されなかった。提案されたMACプロトコルの設計は、インプラント医療用通信のトポロジ要件によってカスタマイズ(customize)されるので、単純でかつ電力効率的である。
医療用通信の信頼性は、一般的な無線センサネットワークより高い。したがって、信頼性の要件は、医療用通信のために設計された任意のMACプロトコルによって満たされなければならない重要事項である。現在のFEC及びARQメカニズムの使用は、装置の複雑度及び電力要件を増加させる。提案されたポールベースの無衝突チャンネルアクセスメカニズムは、医療用インプラント衝突で高い信頼性要件をサポートするために内蔵された信頼性メカニズムを提供する。
医療緊急状況は、他の無線ネットワークに対してインプラント通信における区別的な要素の一つである。緊急状況処理は重要であり、これは、高い信頼性で非常に迅速に処理されなければならない。提案されたMACは、医療緊急状況を処理するための高速の信頼性良いチャンネルアクセスメカニズムを提供する。
時々インプラント医療応用は、人体表面の応用と共存可能である。言い換えれば、デュアルインターフェースを有する単一外部プログラマがボディ装置だけでなくインプラントと通信するために存在できる。この場合に、インプラントとボディ通信を同時にサポートするために明瞭な、単一のMACが要求される。一般的に、インプラント医療通信は、ボディ通信より厳格なQoSを要求する。MACは、ボディ通信よりはインプラント通信で優先順位を提供しなければならない。
FCCは、インプラント医療通信に対するMICSチャンネル使用に関して若干の制限を有する。提案されたMACは、インプラント通信のためにFCCによって与えられた規定に対して抗議を提起している。
ボディエリアネットワークに対するIEEE標準(IEEE802.15.6)によると、少なくとも10個の共存するインプラントネットワークは、MACプロトコルによって効率的にサポートされなければならない。10個以下のチャンネルが利用可能なときには、たびたび2個以上のネットワークが同一チャンネルで共存し、帯域幅を共有することが要求され得る。インプラント通信のために提案された共存メカニズムは、複数の共存するインプラントネットワーク間にチャンネルを共有する方法を提供する。
インプラントデータ通信要件は、非常に簡単である。コーディネータは、医療用インプラント装置からの医療感知データを周期的にあるいは要求時に収集しなければならない。コーディネータとインプラント装置との間の通信セッションが活性化されると、一般的なセッションの長さは数ms〜数秒となる。複数の装置からのデータが同時に収集されなければならない場合に、コーディネータは、一つのデータ通信セッションの一部として複数のインプラント装置を選択できる。スタートポロジに対するサポートは、複数のインプラント装置とのデータ通信セッションを容易にするために要求される。図27は、インプラント通信のための例示的なスタートポロジを示す。インプラント装置は、緊急イベントの例外を除き、コーディネータによってウェイクアップされるまでにはアクティブデータセッションの一部でない場合にスリープモードである。図26は、センサデータを得るようにインプラント装置との通信セッションを設定するためにコーディネータによって遂行される提案された動作シーケンスを示す。
通信セッションを始める第1の段階は、利用可能なすべてのチャンネルに関して対話以前の聴取(LBT)を遂行してデータ動作のために無干渉チャンネルを選択する。利用可能な無干渉チャンネルがない場合には、他のインプラントネットワーク(ピコネット)と共存し、これらと帯域幅の共有を試みる。チャンネルを共有するための共存メカニズムは、以後に論議される。成功的なチャンネル選択以後に、コーディネータは、インプラント装置をウェイクアップしなければならない。セッションが設定されると、核心チャンネルアクセスメカニズムは、相互に異なるインプラント装置からのデータ収集を遂行して処理する。データ動作を完了した後、コーディネータはセッションを終了し、デバイスはスリープモードに戻る。
上述したように、衝突ベースのチャンネルアクセスメカニズムは、インプラント通信に適合しないが、これらは電力効率的でなく、MICS帯域に接続するためのFCC規約に従わないためである。さらに、インプラント装置と外部制御器との間の同期化を維持するようにビーコンの周期的な伝送に基づいた無衝突チャンネルアクセスメカニズムも、FCC規約に従わない。
MICS帯域の使用のための一部FCC規約は、下記のようである。
医療用インプラント装置は、医療インプラント制御器からの伝送に応答する場合を除いて医療インプラントの状況、すなわち患者の健康が危険な場合に外部装置により生成された非無線周波数駆動信号を送信しない。
MICS動作のために許可されたチャンネルは、但し共有方式で利用可能であり、任意のエンティティの排他的な使用のために割り当てられない。
通信セッションを開始する以前の5秒以内に、医療用インプラント制御器は、MICSシステム装置が最小チャンネル当たり10msの間占めようとするチャンネルを監視しなければならない(LBT又はLBT+AFA)。
インプラントのためのチャンネルアクセスメカニズムは、次のようである。
インプラント通信のために提案されたチャンネルアクセスメカニズムは、電力効率的かつ軽量であり、そしてインプラント通信のためのMICS規約に対して抗議を提起する。外部制御器は、自身の電力及びQoS要件とトラフィック特性に基づいて各インプラント装置に対する静的ポールスケジュールを定義する。固定したポーリングスケジュールは、追加的な電力消耗を低減するために。連続的なポール持続期間でインプラント装置のスリープを容易にする。コーディネータは、スケジュールされた時間で装置にポールメッセージを送信する。ポールメッセージを受信した以後に、インプラント装置は、データをコーディネータに送信する。コーディネータは、ACKメッセージを装置に再送信することによって、データ受信を確認する。これら動作シーケンスは、単一データ処理を完了させる。単一処理の成功的な完了以後に、インプラント装置は、スリープ状態に戻り、後続ポールメッセージを受信するようにスケジュールされたポール時間以前にウェイクアップする。スケジュールされたポール時間以前に装置がウェイクアップすべき持続期間は、ポール期間とデバイスのクロック移動に基づく。
複数の装置がアクティブデータ通信セッションの一部である場合に、デバイスは、ラウンドロビン方式でポーリングされる。ラウンドロビンを遂行するためのフレームサイクルは、固定されており、2個の部分から構成される。その構成は、図40に示すように、ポール期間とアイドル期間である。アイドル期間は、エラーと他のインプラントネットワークとの共存を処理するのに使用される。デバイスは、下記の2個の方式のうちの一つを用いてポーリングされ得る。
第1の方式として単一ポールレート方式がある。
この場合に、すべての装置は、このようなすべての装置間の最大パケット到達率に応じてコーディネータによって決定されることと同一のレートでポーリングされる。本方法で、各装置は、フレームサイクルごとにポーリングされる。本方法は、特に大部分の装置が均一なパケット到達率を有するときに有用である。そうでないと、低いデューティサイクル装置(小さいパケット到達率)は、送信するデータがないときにも過度なポーリングを経験するようになる。これは、追加的なポールメッセージの受信によって低いデューティサイクル装置のより多い電力消耗をもたらす。
第2の方式としては差分ポールレート方式がある。
この場合に、デバイスは、これらのパケット到達率に従ってポーリングされる。特定装置に対するポールレートは、常に2の累数であり、フレームサイクルの倍数となる。例えば、フレームサイクル長さがFcであると、ポールレートはFc,2Fc,4Fc,8Fc,…であり得る。高いポーリングレートイを有するデバイスは、常に低いポールレートより先にポーリングされる。このメカニズムは、容易な実現を可能にし、フレームサイクルで2つの装置間の間隔発生を回避させてアイドル期間を最大化する。記憶すべき事項としては、アイドル期間は、同一チャンネルで他のインプラントネットワークの共存を容易にするのに使用される。パケット到達率に従ってデバイスに対する最近接ポーリングレートが選択される。
図37は、差分ポールレートを有するチャンネルアクセスメカニズムを示す。ポールレートFcを有するデバイスはフレームサイクルごとにポーリングされ、ポールレート2Fcを有するデバイスは2個のサイクルごとにポーリングされる(以下省略)。本方法は、追加的なポールメッセージの盗聴によって低いデューティサイクル装置の電力を低減させるように差分パケット到達率を有するデバイスがアクティブデータセッションで存在する場合に有用である。このような図38は、インプラント通信用ポーリングフレーム構造の望ましい例として、PHY1に対するポーリングサイクルを示す。すべてのポーリングサイクルは、ビジー周期及びアイドル周期を含む。デバイスは、ポーリングサイクル中にポーリングされる。デバイスは、このデバイスのデータ到着率に基づいた異なるポーリングレートを有する。例えば、デバイス1は、デバイス2及びデバイス3の2倍の速度を有するようにポーリングされる。より高いポーリングレートを有するデバイスは、ポーリングサイクルでのアイドル時間生成を回避するために、より低いポーリングレートを有するデバイスより先にポーリングされる。これは、上記デバイスでの低電力消耗を助けるデバイスのスリープ又はウェイクアップ計画のさらに優れた管理を助ける。
図39は、ボディ通信用ポーリングフレーム構造の望ましい例であり、PHY2に対するポーリングサイクルを示す。ポーリングサイクルは、ポーリング周期、コンテンション周期、及びアイドル周期を含む。デバイスは、ポーリングサイクル中にポーリングされる。一定のビット率(CBR)を発生するデバイスは、ポーリング周期に固定したポーリング時間を有し、可変ビット率(VBR)トラフィックを発生するデバイスは、ポーリング周期に可変ポーリング時間を有する。固定したポーリング時間は、デバイスでの低電力消費を助ける。このデバイスは、到着率に基づいた伝送持続時間で割り当てられる。ポーリングの際にデバイスは、割り当てられた持続時間の間にデータを伝送できる。このような割り当ては、低電力消耗を助けてアプリケーションのQoSを満たす。
アプリケーションの一部は、高信頼性の要求事項を有する。このようなアプリケーションは、エラー復旧メカニズムを提供するために要求される10-2MACプロトコルだけ高いパケットエラー率を耐えて好ましい信頼性を得ることができる。
電力管理の側面でスーパーフレームにわたったスリープ及びウェイクアップを説明すると、次のようである。
スケジュールされ、遅延されたポーリングチャンネルアクセス方式は、デバイスがこれらの連続したポールの間で容易にスリープする。デバイスがスリープ可能な時間長さは、そのポールレートに基づく。デバイスは、複数のスーパーフレーム以後にポーリングされる場合にスーパーフレームごとでウェイクアップしてはいけない。デバイスがポール期間で目覚めると、これは、他の電力低減オプションでできるだけ速くスリープ状態に戻ることができる。
以下、受信ポールメッセージでの“スリープ”ビットに基づいてデバイスのスリープ状態をスケジュールするフローチャートである図46を参照して説明する。
まず、デバイスは、ステップ450でウェイクアップした後に、ステップ451で、ポールメッセージが受信されると、ステップ452に進行してデータを伝送する。このとき、電力低減オプションは、デバイスが電力を低減するのに柔軟性を提供する。異なるレベルの電力低減オプションは、コーディネータとのデータ処理を完了した以後にできるだけ速くデバイスがスリープ状態に戻るようにする。図45に示すように、4つの異なるレベルがあり、各レベルは、ポールメッセージを通じてコーディネータによって要求されるデータ伝送以後にデバイスがどのくらい速くスリープ状態に戻ることができるかを定義する。
図45の第1のレベルである場合、ステップ453で、受信ポールメッセージで“スリープ”ビットが設定された場合、デバイスは、ステップ454で、コーディネータによるデータパケットの要求された個数を送信した直後にスリープ状態に戻る。
図45の第2のレベルである場合、ステップ453で、“スリープ”ビットが受信ポールメッセージで設定されない場合、デバイスは、コーディネータによるデータパケットの要求された個数を送信した後にスリープ状態に戻るためにコーディネータからのNULL_POLLメッセージを待機できる。ステップ455で、NULL_POLLメッセージが受信されると、スリープ状態に戻ることができる。
図45の第3のレベルである場合、デバイスは、スケジュールされた接続である場合にNULL_POLLメッセージが受信されないと、割り当て間隔が完了するまで待機する。ステップ456で、デバイスは、スケジューリングポーリングを遂行して割り当て間隔が完了するか否かを判定する。それによって、スケジュールされた接続間隔の完了以後にスリープ状態に戻ることができる。
図45の第4のレベルである場合、ステップ456で、割り当て間隔が完了しない場合には、次のデバイスのポールメッセージを待機する。遅延されたポール接続の場合、デバイスは、ステップ457で、後続装置に対するポールメッセージの受信時にステップ454のスリープ状態に戻る。
単一MACにおいて、時々インプラント医療用の応用は、ボディ医療応用と共存できる。言い換えれば、単一外部プログラマは、デュアルPHYインターフェースを通じてボディ装置だけでなくインプラントと通信できる。この場合、明瞭な単一MACは、インプラントとボディ通信を同時にサポートするように要求される。現在のMACの大部分が多数のPHYをサポートするが、同時にサポートすることではない。同時に実行されるインプラントと人体表面両方ともの医療用通信のこの固有な要件は、2個のPHYにわたって実行される単一の明瞭なMAC要件を含む。あいにく、人体内部と人体表面のチャンネルモデル間の差によってインプラントと人体表面の応用両方のための単一PHYを設計することは、いつでも可能ではない。
これを達成するための一つの方法は、単一処理ユニットでの個別PHYにわたって独立的に実行される2個のMACインスタンスを有することである。このような概念は、図41に示されている。この種類の実現は、同時に実行されるMAC複数のインスタンスをサポートするようにハイエンドプロセッサを要求し、それによってシステムの複雑度とコストを増加させる。さらに、大部分の場合にMACとPHYは、単一ハードウェアチップにある。この場合に、ハードウェアで2個のMAC状態を実現することは非常に難しい。ソフトウェア解決策は遅く、2個のMAC状態間にスイッチングするのに付加的な作業マネージャを要求し、それによって環境スイッチングの付加的なオーバーヘッドを招く。
複数のPHYの同時動作を処理するために提案された単一のMAC設計は、2個のPHYの間で時間共有を利用する。図42に示すように、時間共有方式ですべてのPHYを担当する但し一つのMACインスタンスがある。このような接続は、単純であり、MACプロトコルを実行するのに任意のハイエンドプロセッサを要求しない。本方法は、単一ノード(外部制御器)がインプラントとボディ装置に対するリソース割り当てを管理するスタートポロジネットワークにだけ適用される。
提案された単一MAC設計において、インプラント装置には、ボディ装置より高い優先順位が提供される。ボディ装置は、図43に示すようにインプラントフレームサイクルのアイドル期間を利用する。このような接続が帯域幅に効率的でないが、単純で電力効率的な方式でインプラントと人体表面の同時的な動作を許容する。
図43は、単一MACフレーム構造の望ましい例を示す。
ポーリング基盤チャンネルアクセスメカニズムは、T0,T1,T2,T3用に提案され、コンテンションベースのチャンネルアクセスメカニズムはT4用に提案される。単一MACアーキテクチャは、T0,T1,T2,T3,T4用に提案される。
一実施形態によると、本発明は、T0,T1,T2,T3,T4用の単一MACアーキテクチャに関連する。また、一実施形態によれば、本発明は、T0、T1、T2、及びT3用の電力効果ポーリングメカニズムに関連する。また、一実施形態によれば、本発明は、T0,T1,T2,T3用のパケットエラー復旧メカニズムに関連する。また、一実施形態によれば、本発明は、T0及びT1トラフィックを有するネットワークにおける緊急メッセージを処理することに関連する。また、一実施形態によれば、本発明は、T0及びT1トラフィックを有するネットワークでの単一及び多重装置ウェイクアップに関連する。また、一実施形態によれば、本発明は、T0方式のトラフィックを発生する多重ピコネットの共存に関連する。また、一実施形態によれば、本発明は、提案されたポーリングベースのチャンネルアクセスメカニズムによるT0,T1,T2,T3,T4クラスの多様なセットのQoSの遂行に関連する。
コーディネータの単一MAC動作において、インプラントとボディ装置が同時に存在する場合、コーディネータは、すべての(インプラントとボディ)装置に対する単一のスタートポロジネットワークを確立する。ポールサイクルは、次の事項に基づいてデバイスとのデータ処理動作を完了するように定義される。インプラントとボディ装置すべてに対するQoS要件、インプラントとボディに対する装置個数及び各インターフェースに対するPHYデータレートである。
インプラント装置は、人体表面応用に対する優先順位を提供するように優先的にポーリングされる。ボディ装置に対するポール期間は、インプラント応用の動的要件に基づく。パケット損失によるインプラント装置の再伝送は、ボディ装置のポーリングに移動する以前に優先して処理される。インプラントポール期間の完了以後に、コーディネータは、インプラント装置に対する環境情報を低減し、ボディ装置環境を更にローディングしてボディ装置のポーリングを続けるようにし、可逆動作が可能である。
ピコネット共存の場合、ボディエリアネットワーク(BAN)に対するIEEE技術要件によると、少なくとも10個のインプラントピコネットは、制限された6x6x6メートルの立体空間内で共存できる。たびたびMICS帯域(402〜405MHz)の10個のすべてのチャンネルは、優先的なユーザーの存在又は他の雑音源により利用可能でないことがある。この場合に、2個以上のインプラントネットワーク(ピコネット)は、時間共有方式で単一チャンネルで共存することが必要となる。
提案された発明は、同一チャンネルで複数のピコネットの共存をサポートするメカニズムを提供する。提案されたメカニズムの効率性は、トポロジ変化及びピコネット負荷に基づく。下記の事項は、ピコネットを始めて他のネットワークとの共存を試みるために外部制御器によって遂行される動作である。提案されたプロトコルのフローチャートは、図44に示されている。
まず、ステップ430で、外部制御器は、チャンネルを選択する。
ステップ431で、外部制御器は、FCC規約により特定した時間で対話以前の聴取(LBT)を遂行する。以後、ステップ432で、外部制御器は、チャンネルがフリーであるか否かを判定する。チャンネルがフリーしない場合には、外部制御器は、ステップ436で、すべてのチャンネルが消耗されたか否かを判定する。その結果、すべてのチャンネルが消耗されない場合、すなわちチャンネルがビジー状態であれば、外部制御器は、ステップ430に戻り、他のチャンネルを選択して動作を反復する。一方、チャンネルがフリー状態である場合、外部制御器は、ステップ433で、質問メッセージを送信して他のピコネットの存在を確認する。
外部制御器は、ステップ434で、質問メッセージに対する応答が受信されない場合、ステップ439で選択されたチャンネルに関するピコネットを始める。応答が受信されると、外部制御器は、ステップ435で、ピコネット統計を収集して新たなチャンネルを選択する。
外部制御器は、ステップ436で、チャンネルがすべて消耗され、利用可能なフリーチャンネルがない場合に、既存の他のピコネットとの共存を試みる。これに従って、外部制御器は、ステップ437で、他のピコネットと時間共有が可能であるか否かを判定する。他のピコネットと時間共有が可能でない場合には、外部制御器は、ステップ440で最も低いパワーレベルを有するチャンネルを選択する。一方、他のピコネットと時間共有が可能である場合、外部制御器は、ステップ438でチャンネル共有のためにピコネットとメッセージを交換する。
図45は、異なるレベルの電力低減オプションによるスリープ及びウェイクアップスケジュールを示す。図46は、受信ポールメッセージでの“スリープ”ビットに基づいてデバイスのスリープ状態をスケジュールするフローチャートを示す。
本発明の実施形態は、ここに説明された技術を実現するための埋め込み型システムの使用に関するものである。一実施形態によれば、上記技術は、上記した処理器によってメモリに含まれた情報を用いることによって遂行される。このような情報は、格納装置のような他のコンピュータ読み取り可能な媒体から主要メモリに読み取られ得る。情報は、上記処理器で上記した方法を遂行するようにする。
ここに説明された用語“コンピュータが読み取り可能な媒体”は、機械が特定方式で動作するようにデータを提供するのに参加する任意の媒体を意味する。コンピュータシステムを用いて実行される一実施形態において、多様なコンピュータが読み取り可能な媒体は、例えば情報を実行するための処理器に提供する場合に含まれる。このコンピュータが読み取り可能な媒体は、格納媒体である。格納媒体は、非揮発性媒体及び揮発性媒体を含む。非揮発性媒体は、例えばサーバ格納ユニットのような光学又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、動的メモリを含む。このようなすべての媒体は、媒体により搬送される情報が機械で読み取る物理メカニズムによって検出されるように実体的でなければならない。
コンピュータが読み取り可能な媒体の共通形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は他の磁気媒体、CD-ROM、他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔パターンを有する他の物理媒体、RAM、ROM、及びEPROM、フラッシュEPROM、他のメモリチップ、又はカートリッジを含む。
他の実施形態によれば、同軸ケーブル、銅線、バスを備えるワイヤーを有する光ファイバを含む伝送媒体であり得る。また、伝送媒体は、無線電波及びインフラ赤色データ通信中に発生することと、同一の音響又は光電波の形態を有することができる。コンピュータが読み取り可能な媒体の例は、コンピュータが、例えばオンラインソフトウェア、ダウンロードリンク、設置リンク、及びオンラインリンクを読み取ることができるキャリア電波又は他の媒体を含み、これに限定されるものではない。
以上、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲を外れない限り、様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。したがって、本発明の範囲は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。