JP2012524134A - 1−ブテンから成るポリマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

1−ブテンホモポリマー類又は1−ブテン/アルファオレフィンコポリマー類の製造法であり、ここで、アルファオレフィン類は、エチレン、プロピレン若しくは式CH=CHZ(式中、ZはC−C20アルキル基である)のアルファオレフィンから選択し、1−ブテン若しくは1−ブテンと1種以上のアルファオレフィンとを、触媒系の存在下、重合条件下で接触させることを含み、前記触媒系は、(a)MgClに担持させたTi化合物及び内部供与体化合物を含む固体成分;(b)アルキルアルミニウム助触媒;及び(c)外部供与体として、式(I)(式中、R、R、R及びRは互いに等しいか異なり、水素原子、又はC−C20炭化水素基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良く;あるいは2個のR、R、R及びRが結合してC−C20飽和若しくは不飽和環を形成できる)の化合物、を含む。

Description

本発明は、エラストマー特性を示し、チタンマグネシウム及び特定種類の外部供与体を含有する触媒系を使用することによる1−ブテン系ポリマーの製造法に関する。
低アイソタクチック性及びエラストマー挙動を示す一定のブテン−1(コ)ポリマー類は当業界で公知である。これらのポリマー類は、プラスチック材料のシール強度、可撓性及び軟質性のような特定の特性を調節するために、その他のポリオレフィン類、又はポリマー製品とブレンドする成分として使用できる。特にこれらのブテン−1(コ)ポリマー類は、ルーフ用ボード、ロード表面材料、及びシール用組成物の製造における添加剤として、又はオイル粘度改善剤として使用できる。これらの目的に使用されるために、重要な特性は、良好な加工性、可塑性とエラストマー性との間の適切な折り合いであり、そして、ポリマーの結晶性画分と非晶質性画分との間の良好なバランスからもたらされる。
WO2006/042815号公報は、(A)Ti化合物及び内部電子供与体化合物を含みMgClに担持されている触媒成分;(B)アルキルアルミニウム化合物を使用し、ただし、該触媒の立体規則性能力を向上させないように外部電子供与体を使用しないことにより、1−ブテン系ポリマーの特徴を改良することを試みている。
しかし、出願人は、特定種類の外部供与体を使用することにより、WO2006/042815号公報で得られるものより低い立体特異性を示す1−ブテン系ポリマーを得ることが可能であることを見出した。これは、チタン系触媒における外部供与体はポリマーの立体特異性を向上させるのに使用されるのに対し、本発明では外部供与体を使用することにより、立体特異性を低下させることができるので、完全に予期できない。
WO91/00875号公報は、プロピレン及び1−ブテンを重合するために外部供与体無しで内部供与体としてベラトロール又はその誘導体を使用する4価チタンハロゲン化物に基づく触媒系に関する。しかし、その触媒活性は非常に低いと思われる。出願人は、外部供与体として類似の化合物を使用するとき、1−ブテンエラストマーポリマーを良好な収率で得ることができることを見出した。内部供与体の代わりに外部供与体としてこの化合物を使用することにより、異なる内部供与体を使用して触媒の特性を精密に調整できると同時に、外部供与体を制御することにより、アイソタクチック性を低くすることができる。
したがって、本出願の目的は、1−ブテンホモポリマー類又は1−ブテン/アルファオレフィンコポリマー類の製造法にあり、ここで、アルファオレフィン類は、エチレン、プロピレン若しくは式CH=CHZ(式中、ZはC−C20アルキル基である)のアルファオレフィンから選択し、1−ブテン若しくは1−ブテンと1種以上のアルファオレフィンとを、触媒系の存在下、重合条件下で接触させることを含み、前記触媒系は、
(a)MgClに担持させたTi化合物及び内部供与体化合物を含む固体成分;
(b)アルキルアルミニウム助触媒;及び
(c)外部供与体として、式(I):
Figure 2012524134
(式中、R、R、R及びRは互いに等しいか異なり、水素原子、又はC−C20炭化水素基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良く;あるいは2個のR、R、R及びRが結合してフェニルやナフチル環のような、C−C20、好ましくは、C−C10飽和若しくは不飽和環を形成でき、当該環はC−C10炭化水素基で置換でき、好ましくは、R、R、R及びRは水素原子又は線状若しくは分枝状、C−C20−アルキル、C−C20−アリール、C−C20−アルキルアリール若しくはC−C20−アリールアルキル基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良く;あるいは2個のR、R、R及びRが結合して、C−C10飽和若しくは不飽和環を形成できる。)の化合物
を含む。
活性形態の二塩化マグネシウムが、好ましくは担体として使用される。活性形態の二塩化マグネシウムがチグラー・ナッタ触媒のための担体として特に適していることが特許文献から周知である。特に、米国特許第4,298,718号及び同第4,495,338号各明細書は、チグラー・ナッタ触媒におけるこれらの化合物の使用を第1に記載する。これらの特許から、オレフィン類の重合用触媒成分中の担体若しくは助担体として使用される活性形態の二ハロゲン化マグネシウムがX線スペクトルにより特性化され、当該X線スペクトルにおいて、非活性ハロゲン化物のスペクトルに現れる最強回折線の強度が消失し、ハロにより置換され、その最大強度が、より強い回折線のそれに関するより低い角度に向けて置換される。
本発明の触媒成分に使用する好適なチタン化合物はTiCl及びTiClであり;さらに、式Ti(OR)n−y(式中、nはチタンの価数であり、Xはハロゲン、好ましくは、塩素であり、yは1及びnの間の数であり、Rは1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基である)のTi−ハロアルコラート類も使用できる。
内部電子供与体化合物は、好ましくは、エステルから選択され、さらに好ましくは、モノカルボン酸、例えば、安息香酸のアルキルエステル、シクロアルキルエステル若しくはアリールエステルから選択され、又はポリカルボン酸、例えば、フタル酸やコハク酸等のアルキルエステル、シクロアルキルエステル若しくはアリールエステルから選択され、前記アルキル、シクロアルキル若しくはアリール基は1〜18個の炭素原子を有する。好適な内部供与体は、フタル酸のC−C20−アルキルエステル類であり、可能であれば置換できる。特に好適なものは、C−C線状もしくは分岐状アルキルエステル類である。特定の例は、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−ペンチル、フタル酸ジ−i−ペンチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸エチル−イソブチル、フタル酸エチル−n−ブチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジ−イソブチル等である。一般に、内部電子供与体化合物を、MgClに関して、0.01〜1、好ましくは、0.05〜0.5のモル比で使用する。
固体触媒成分の製造は、数種の方法により行うことができる。好適な方法では、固体触媒成分を、式Ti(OR)n−y(式中、nはチタンの価数であり、yは1及びnの間の数である)のチタン化合物、好ましくは、TiClと、式MgCl・pROH(式中、pは0.1〜6、好ましくは、2〜3.5の数であり、Rは1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基である)のアダクトから誘導される塩化マグネシウムと、を反応させることにより製造できる。アダクトは、アダクトと混和しない不活性炭化水素の存在下で、アダクトの溶融温度(100〜130℃)で撹拌条件下操作する、アルコールと塩化マグネシウムとを混合することにより、球体に適切に製造できる。次いで、エマルジョンを急冷し、それにより、球体粒子の形態のアダクトの凝固をもたらす。この手順にしたがって調製した球体アダクトの例は、米国特許第4,399,054号及び同第4,4,69,648号各明細書に記載されている。こうして得たアダクトはTi化合物と直接反応することができ、又は予め熱制御(80〜130℃)した脱アルコール化に付して、アダクトを得るようにすることができ、ここで、アルコールのモル数は、一般に3より低く、好ましくは、0.1〜2.5である。Ti化合物との反応は、冷TiCl(概ね0℃)中にアダクトを懸濁させ(脱アルコール化した又はそのまま)ることにより行うことができ;得られる混合物を80〜130℃に加熱し、この温度に0.5〜2時間維持する。TiClでの処理は1度以上行うことができる。内部電子供与体化合物をTiClでの処理の間加えることができる。電子供与体化合物での処理は1度以上繰り返すことができる。
球状触媒成分の製造は、例えば、欧州特許出願EP−A−395083号、同EP−A−553805号、同EP−A−553806号、同EP−A−601525号及びWO98/44001号各公報に記載されている。前記方法にしたがって得られる固体触媒成分は、(B.E.T.法により)概して、20〜500m/g、好ましくは、50〜400m/gの表面積、及び(B.E.T.法により)0.2cm/g以上、好ましくは、0.2〜0.6cm/gの総多孔度を示す。10,000Åまでの半径を持つ孔のため多孔度(Hg法)は、概して、0.3〜1.5cm/g、好ましくは、0.45〜1cm/gの範囲である。
アルキル−Al化合物(b)は、好ましくは、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム化合物中から選択する。当該アルキル−Al化合物(b)は、トリアルキルアルミニウム類と、AlEtClやAlEtClのようなアルキルアルミニウムハロゲン化物類、アルキルアルミニウムヒドリド類又はアルキルアルミニウムセスキクロリド類との混合物も使用できる。
外部供与体(C)は、好ましくは、式(Ia)及び(Ib)からなる化合物から選択される。
Figure 2012524134
式中、R及びRは水素原子又は線状若しくは分枝状C−C20−アルキル基である。
Figure 2012524134
式中、R、R、R、R、R及びRは互いに等しいか異なり、水素原子又はC−C10炭化水素基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良い。好ましくは、R、R、R、R、R及びRは水素原子又は線状若しくは分枝状、C−C10−アルキル、C−C12−アリール、C−C12−アルキルアリール若しくはC−C12−アリールアルキル基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良い。より好ましくは、R、R、R、R、R及びRは水素原子である。
外部電子供与体化合物(C)は、有機アルミニウム化合物と前記電子供与体化合物との間のモル比(Al/ED)が2より高いモル比を与えるような量で供給する。該モル比は、好ましくは、4〜1000、より好ましくは、10〜200、さらにより好ましくは、20〜150である。
予備重合工程で前記触媒を予備重合することもできる。当該予備重合は、液(スラリー若しくは溶液)中で、又は気相中で、概して100℃未満の温度、好ましくは、20〜70℃の温度で行うことができる。予備重合工程は、少量のモノマーと、固体触媒成分1g当たり0.5〜2000g、好ましくは、5〜500g、より好ましくは、10〜100gの量のポリマーを選るのに必要な時間にわたって行う。
重合プロセスは、公知の技術、例えば、稀釈剤として液状不活性炭化水素を使用するスラリー重合、あるいは、例えば、反応媒体として液状ブテン−1を使用する溶液重合、にしたがって行うことができる。さらに、1基以上の流動床反応器又は攪拌床反応器中で操作する、気相中で重合プロセスを行うことも可能である。反応媒体として液状ブテン−1中で行う重合が非常に好適である。
重合は、通常、20〜120℃、好ましくは、40〜90℃の温度で行う。重合は、分子量調整剤の濃度、コモノマー濃度、外部電子供与体濃度、温度、圧力等について同一条件又は異なる反応条件下で作用できる一以上の反応器中で行うことができる。二以上の反応器を使用する場合、カスケード方式であることができ、この場合、第一反応器からもたらされるモノマー/触媒/ポリマー反応混合物は連続して供給される。あるいは、平行設定では、それぞれの供給装置を備える二以上の反応器が独立して作用し、これらの反応器からもたらされるモノマー/触媒/ポリマー反応混合物を一緒に集め、最終部分に向ける。異なる条件下の少なくとも二基の反応器を作用させることにより、二基の反応器中で、異なる平均分子量及び/又は異なる立体特異性を有するブテン−1(コ)ポリマーの製造をもたらすことができる。さらに、異なる条件下で二基以上の反応器中における作用は、様々な重合段階が、最終ポリマーの特性を適切に調整するように適切に調節できる利点を有する。この技法は、非常に多量のキシレン可溶性画分を有する製品を製造しようとするときに採用できる。事実、この製品は、ペレット化のような一定の作用の間問題を与え得る。出願人は、一連の二基の反応器中で異なる含量のキシレン可溶性画分を有する二種類のポリマーを生成することが、同量の最終キシレン不溶性画分を有する唯一の重合段階から誘導される製品よりもより良好な加工性である最終ポリマーをもたらすことに注目した。これは、例えば、触媒がより立体特異性であることを可能にする少量の外部供与体を選択した一以上の反応器中でのみ使用することにより為すことができる。二段階重合から得られる(コ)ポリマーは、単一設定の重合条件により得られるコポリマーと同じ用途を有することができる。
本発明のプロセスでは、非常に低いアイソタクチック性を有するポリマー、すなわちmmmmペンタドが、10%〜50%、好ましくは、10%〜27%、より好ましくは、10%〜24%からなり、25℃におけるキシレン不溶性画分が低値で、良好なエラストマー特性を得ることが可能である。さらに、得られるポリマーは、4,1挿入ブテン単位を示さない。
本発明のプロセスでは1−ブテンホモポリマー類及び1−ブテン/アルファオレフィンコポリマー類を得ることが可能であり、ここで、アルファオレフィン類が、エチレン、プロピレン又は式CH=CHZ(式中、ZはC−C20アルキル基である)から選択され、式CH=CHZのアルファオレフィン類の例は、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4,6−ジメチル−1−ヘプタン、1−デセン、1−ドデセンである。好ましくは、1−ブテンホモポリマー、1−ブテン/エチレン、1−ブテン/プロピレン又は1−ブテン/ヘキサンである。
本発明では、コポリマーという用語は、コモノマー含量が50モル%未満であることを意味する。好ましくは、本発明のプロセスを用いて得られる1−ブテンコポリマー類中のコモノマーの量は0.1〜20モル%;好ましくは1〜15モル%;さらに好ましくは、2〜10モル%の範囲である。
上述したように、本発明のコポリマーは多くの用途に使用するのに適している。慣例として、これらの用途の多くについて、関連専門家は、別のポリマー成分、添加剤(例えば、安定剤、抗酸化剤、防食剤、成核剤、加工助剤、オイル等)並びに特定の特性を与えうる有機及び無機充填剤を添加することができるが、これらは本発明の要旨から逸脱しない。
ポリマー特性化
13 CNMR分析
13CNMRスペクトルを120℃の二重水素化1,1,2,2−テトラクロロ−エタン中のポリマー溶液(8〜12重量%)について測定した。90°パルス、パルス間15秒遅延及びH−13Cカップリングを除去するためにCPD(WALTZ65_64pl)を使用して120℃においてフーリエ変換モードの100.61MHzで操作するBruker DPX−400スペクトロメーターを用いて13CNMRスペクトルを得た。60ppm(0−60ppm)のスペクトルウインドウを使用して32Kデータ点において約1500〜2000トランジエントを貯蔵した。
ブテン/プロピレンコポリマー類中のコモノマー含量
ジアド分布([P]=[PP]+0.5[PB])からプロピレン含量を得た。式中、PP=A/Σ、BP=B/Σ、BB=C/Σとして計算する。ここで、A、B、Cは、13CNMRスペクトル中の関連ピーク領域の積分であり(アイソタクチックBBBBBペンタドの分枝中のCH炭素による27.73ppmにおけるピークを内部標準として使用する)、Σ=A+B+Cである。スペクトル領域の割り当ては、H.N.Cheng,Journal of Polymer Science,Polymer Physics Edition,21,573(1983)にしたがって行い、表Aに報告する。
Figure 2012524134
13 CNMRによるmmmm%決定
分枝メチレン炭素領域中のペンタド信号の割り当てを、Carbon−13 NMRSpectral Assignment of Five Polyolefins Determined from the Chemical Shift Calculation and the Polymerization Mechanism,T.Asakura and others,Macromolecules 1991,24 2334−2340にしたがって行った。表1で報告するmmmm%は、100(Immmm)/(Itot)として計算される。
4,1挿入ブテン単位の決定
ブテンホモポリマー類又はブテン/プロピレンコポリマー類のいずれか中の4,1ブテン単位の欠如を、V.Busico,R.Cipullo,A.Borriello,Macromol.Rapid.Commun.16,269,(1995)にしたがう割り当て、−H(CHCH)−(CHH(CHCH)−シーケンス中のCH炭素による37.3ppmのピークを探す上述実験条件を使用して13C−NMR分光学により証明した。
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によるMWD決定
総ての試料について分子量パラメーター及び分子量分布を、Waters GPCV 2000装置を使用して測定した。当該装置は,4本のPLgel Olexis混合ゲル(Polymer Laboratories)カラムセット及びIR4赤外検出器(PolymerChar)を備えた。カラムの寸法は300×7.5mmであり、粒径は13μmだった。使用した移動相は1−2−4−トリクロロベンゼン(TCB)であり、流速は1.0mL/分に維持した。総ての測定を150℃で行った。TCB中の溶液濃度は0.1g/dLであり、分解を防止するために0.1g/Lの2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。GPC算出について、Polymer Labratoriesにより供給された10ポリスチレン(PS)標準品(580〜8500000範囲のピーク分子量)を使用して,万能補正曲線を得た。実験データを補間し、関連較正曲線を得るために三次多項適合度を使用した。データ収集及びプロセシングをEmpower(Waters)を使用して行った。Mark−Houwink関係を使用して分子量分布及び関連平均分子量を決定した:K値は、PS及びPBそれぞれについてKPS=1.21×10−4dL/g及びKPB=1.78×10−4dL/gであり、一方、Mark−Houwink指数はPSについてα=0.706及びPBについてα=0.725を使用した。
ブテン/エチレンコポリマーについて、データ評価に関する限り、各試料について、分子量の全範囲において組成が一定であると推定し、Mark−Houwink関係のK値は下記に報告するように線形結合を使用して算出した:
Figure 2012524134
(式中、KEBはコポリマーの定数であり、KPE(4.06×10−4dL/g)及びKPB(1.78×10−4dL/g)はポリエチレン及びポリブテンの定数であり、χ及びχはエチレン及びブテンの重量%含量である)。Mark−Houwink指数α=0.725を、総てのブテン/エチレンコポリマーにそれらの組成物において独立して使用した。ブテンプロペンコポリマーについて、PP及びPBは非常に類似するKを有するので、訂正は行わず、PBのK値及びα値を使用してコポリマーをまとめた。
温度特性
ポリマーの融点(T)及び溶融エンタルピー(ΔH)を、標準法にしたがって、Perkin Elmer DSC−7示差走査熱量計(D.S.C.)により測定した。重合より得られ、秤量した試料(5〜7mg)をアルミニウムパン中に密閉し、10℃/分の昇温速度で180℃に加熱した。5分間試料を180℃に維持し、結晶の総てを完全に溶融させ、次いで、10℃/分の降温速度で20℃に冷却した。20℃に2分間放置した後、試料を10℃/分の昇温速度で180℃に2度目の加熱をした。試料の低結晶性のため、表4で報告する値は第1加熱走査の曲線であり;溶融温度(T)はピークの温度より得、溶融エンタルピー(ΔH)はピークの面積より測定した。
キシレン不溶性画分の決定
0℃におけるキシレン不溶性画分(X.I.%)を決定するために、2.5gのポリマーを135℃のキシレン250ml中に撹拌下溶解させ、20分後、溶液を0℃に冷却する。30分後、沈殿したポリマーを濾過し、減圧下80℃で恒量に達するまで乾燥した。
極限粘度[η]
135℃のテトラヒドロナフタリン中で決定した(ASTM2857−70)
物理的機械的試験のための試料調製
重合後、ポリマーを乾燥させ、次いで、0.1%Irganox B215抗酸化剤をミキサー中に加えて安定化させた。冷却後、数個のプラークを200℃の圧縮成形により調製し、冷却後、プラークを2000バールのオートクレーブ中で10分間処理し、次いで、24時間熟成後特性化した。
残留伸び(100%変形)
2mm厚さプラークを使用し、ISO2285(方法A)にしたがった。
引張曲線
2mm厚さプラークを使用し、ISO527−2にしたがった。特に、標本タイプ5Aを使用し、500mm/分の速度を適用した。
ショアA
4mm厚さプラークを使用し、ASTM D224にしたがって測定を行った。
固体触媒成分の製造
窒素でパージした500ml四つ口丸底フラスコ中に、225mlのTiClを0℃で導入した。撹拌しながら、6.8gの微小球MgCl・2.7COH(米国特許第4,399,054号明細書の実施例2に記載の通りに製造したが、10,000rpmの代わりに3,000rpmで操作した)を加えた。
フラスコを40℃に加熱し、4.4ミリモルのジイソブチルフタレートをそれに加えた。温度を100℃に上昇させ、2時間その温度に維持し、次いで、撹拌を停止し、固体生成物を沈降させ、上澄み液をサイホンで除いた。200mlの新たなTiClを加え、得られた混合物を120℃で2時間反応させ、次いで、上澄み液をサイホンで除いた。200mlの新たなTiClを加え、得られた混合物を120℃で2時間反応させ、次いで、上澄み液をサイホンで除き、得られた固体を60℃の無水ヘキサンで6回洗浄し(6×100ml),次いで、真空下乾燥させた。得られた触媒成分は2.8重量%のTi及び12.3重量%のフタレートを含有した。
(実施例1〜7及び比較例1:1−ブテン重合)
4リットルのステンレス鋼製オートクレーブを1時間70℃の窒素流でパージし、3.5ミリモルのAliBu(TiBA,ヘキサン中10重量%溶液)を供給し、次いで、オートクレーブを閉じた。室温で、1.35Kgの液状ブテン−1を供給し、必要のとき、所望量の水素(表1参照)をオートクレーブ中に供給した。最後に,内部温度を74℃に上昇させた。
同時に、上記で調製した20mgの固体触媒成分を、3.5ミリモルのTIBA及び表1に示す0.35ミリモルの外部供与体(ED)を含有する75mlの無水ヘキサン中に懸濁させた。次いで、活性化触媒懸濁液を、窒素加圧を用いてオートクレーブ中に装填し、内部オートクレーブ温度を75℃に設定した。この温度で2時間重合を行った。その後、反応を停止し、未反応1−ブテンをベントし、ポリマーを回収し、真空下6時間70℃で乾燥させた。
重合データ及びポリマー特性を表1に示す。
Figure 2012524134
Figure 2012524134
(実施例8〜9:1−ブテン/エチレン共重合)
4リットルのステンレス鋼製オートクレーブを1時間70℃の窒素流でパージし、3.5ミリモルのAliBu(TiBA,ヘキサン中10重量%溶液)を供給し、次いで、オートクレーブを閉じた。室温で、1.35Kgの液状ブテン−1を4gのエチレンと共に供給した。最後に,内部温度を74℃に上昇させた。
同時に、上記で調製した20mgの固体触媒成分を、3.5ミリモルのTIBA及び0.35ミリモルの3,4−ジメトキシ−トルエンを含有する75mlの無水ヘキサン中に懸濁させた。次いで、活性化触媒懸濁液を、窒素加圧を用いてオートクレーブ中に装填し、内部オートクレーブ温度を75℃に設定した。この温度で2時間重合を行い、内部圧を、連続的にエチレンを供給することにより一定に保った(供給量を表2に示す)。次いで、反応を停止し、未反応モノマー類をベントし、ポリマーを回収し、真空下6時間70℃で乾燥させた。
重合データ及びポリマー特性を表2に示す。
Figure 2012524134
(実施例10:1−ブテン/プロピレン共重合)
4リットルのステンレス鋼製オートクレーブを1時間70℃の窒素流でパージし、3.5ミリモルのAliBu(TiBA,ヘキサン中10重量%溶液)を供給し、次いで、オートクレーブを閉じた。室温で、1.35Kgの液状ブテン−1を20gのプロピレンと共に供給し、必要のとき、所望量の水素(表1参照)をオートクレーブ中に供給した。た。最後に,内部温度を74℃に上昇させた。
同時に、上記で調製した20mgの固体触媒成分を、3.5ミリモルのTIBA及び0.35ミリモルの3,4−ジメトキシ−トルエンを含有する75mlの無水ヘキサン中に懸濁させた。次いで、活性化触媒懸濁液を、窒素加圧を用いてオートクレーブ中に装填し、内部オートクレーブ温度を75℃に設定した。この温度で2時間重合を行い、内部圧を連続的にプロピレンを供給することにより一定に保った(供給量を表3に示す)。次いで、反応を停止し、未反応モノマー類をベントし、ポリマーを回収し、真空下6時間70℃で乾燥させた。
重合データ及びポリマー特性を表3に示す。
Figure 2012524134

Claims (8)

  1. 1−ブテンホモポリマー類又は1−ブテン/アルファオレフィンコポリマー類の製造法であり、ここで、アルファオレフィン類は、エチレン、プロピレン若しくは式CH=CHZ(式中、ZはC−C20アルキル基である)のアルファオレフィンから選択し、1−ブテン及び場合により1種以上のアルファオレフィンを、触媒系の存在下、重合条件下で接触させることを含み、前記触媒系は、
    (a)MgClに担持させたTi化合物及び内部供与体化合物を含む固体成分;
    (b)アルキルアルミニウム助触媒;及び
    (c)外部供与体として、式(I):
    Figure 2012524134
    (式中、R、R、R及びRは互いに等しいか異なり、水素原子、又はC−C20炭化水素基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良く;あるいは2個のR、R、R及びRが結合してC−C20飽和若しくは不飽和環を形成でき、当該環はC−C10炭化水素基で置換でき、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良い。)の化合物
    を含む。
  2. 式(I)の化合物において、R、R、R及びRは水素原子又は線状若しくは分枝状、C−C20−アルキル、C−C20−アリール、C−C20−アルキルアリール若しくはC−C20−アリールアルキル基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良く;あるいは2個のR、R、R及びRが結合して、C−C10飽和若しくは不飽和環を形成できる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記外部供与体は、式(Ia)
    Figure 2012524134
    (式中、R及びRは水素原子又は線状若しくは分枝状C−C20−アルキル基である)を有する請求項1に記載の方法。
  4. 前記外部供与体は、式(Ib)
    Figure 2012524134
    (式中、R、R、R、R、R及びRは互いに等しいか異なり、水素原子又はC−C20炭化水素基であり、場合により、元素の周期表の13〜17族に属するヘテロ原子を含有しても良い)を有する請求項1に記載の方法。
  5. 前記内部供与体が、モノカルボン酸(例えば、安息香酸)の、又はポリカルボン酸のアルキルエステル、シクロアルキルエステル若しくはアリールエステルから選択され、前記アルキル、シクロアルキル若しくはアリール基は1〜18個の炭素原子を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 内部供与体がフタル酸のC−C20アルキルエステルであり、フタル酸は置換できる、請求項5に記載の方法。
  7. 外部電子供与体化合物(C)を、2より高い、前記有機アルミニウム化合物及び前記電子供与体化合物間のモル比(Al/ED)を与えるような量で供給する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記有機アルミニウム化合物及び前記電子供与体化合物C間のモル比(Al/ED)が4〜100である、請求項7に記載の方法。
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