JP2012524130A - 双峰性逆エマルジョンポリマー - Google Patents

双峰性逆エマルジョンポリマー Download PDF

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Abstract

本発明は、異なる分子量および異なる陽イオン活性の両方を有する新規かつ安定な双峰性陽イオン性逆エマルジョンポリマー(W/O)であって、水性相中、低分子量ポリマーの存在下における高分子量の陽イオン性ポリマーの「系内」乳化重合により調製されたものに関する。低分子量陽イオン性ポリマーは、溶液中における予備重合で生成される。この新規かつ安定な陽イオン性油中水型エマルジョンは、容易に転移可能であり、製紙における凝集剤、脱水助剤および歩留向上剤として有用である。

Description

本発明は、凝集剤、脱水(水切れ)助剤および歩留向上剤として有用である油中水型ポリマー分散物に関する。
従来の乳化重合では、一般に、連続水相中に微細に分散されている油相が関与する(水中油型のポリマー分散)。
逆相乳化重合では、連続油相内に分散された水相中で水溶性ポリマーが生成する(油中水型のポリマー分散)。形成されるポリマーは、分散された水滴中に残留し、エマルジョンの粘度に著しく影響することはない。その生成物は、高い平均分子量を有するが、低粘度を示すポリマーを含有する。このことは、通常のエマルジョンに優る利点をもたらすだけでなく、乾燥製品を形成するための優れた利点も提供する。それは、逆エマルジョン(inverse emulsion)が低粘度であって取扱い易く、また極めて濃度が高いために輸送が容易になり得るからである。逆エマルジョンは、適切な量の水で希釈して、乳化をこわすことが容易に可能である。油中水型ポリマー分散物の水分含量が比較的高い場合には、油中水型エマルジョン(w/o)を水中油型エマルジョン(o/w)に反転させるために、少量の水しか必要とされない。逆エマルジョンでは小さな水滴中にポリマーが形成されており、既に溶液となっているので、ポリマーは容易に水中に分散し、それによって劇的に粘度が増加する。
逆エマルジョンを水性系中に分散させると、水量が突然増加する。これが原因で、ポリマーのコイルがほどけて、その結果、エマルジョンは大幅に希釈されるが、系の粘度は大幅に増加する。例えば、1mlの油中水型エマルジョンを、50mlの水中に注ぐと(希釈倍率50)、得られた水中油型エマルジョンの粘度は、例えば3倍に増加する。
水溶性ホモポリマーおよび水溶性コポリマーを含有する油中水型ポリマー分散物は、今日既に広く使用されている。例えば、特に、主に石炭、アルミニウムおよび石油の原料抽出における、水および工程水処理または排水処理における固形分の沈降における凝集剤として、あるいは製糖業または製紙における補助剤として使用されている。
紙の製造において、抄紙用完成紙料、すなわち、通常95重量%を超える水分含量を有するセルロース系繊維の水性スラリーが抄紙されて、典型的には5重量%未満の水分含量を有する紙シート(平判)となる。したがって、抄紙のうちの脱水および保持の局面が、製造の効率およびコストに重要である。
沈降による脱水は、その比較的低いコストのため好ましい水切り(搾水)方法である。重力水切り後、脱水のためのさらなる方法、例えば、真空、加圧、フェルトブランケット吸取り、および圧搾、蒸発などが使用される。実際の工程において、このような方法の組合せを使用して、所望の水分含量までシートを脱水または乾燥する。重力水切りは、最初に用いられる脱水方法であり、かつ最も安価でもあるため、この水切り工程の効率向上は、他の方法によって除去する必要がある水量を減少させ、したがって脱水の全体的効率を向上させ、そのコストを低減させるであろう。
抄造したシートからの水切れの速度を増加させ、かつシート上に保持される微細繊維および填料の量を増加させる試みにおいて、種々の化学的添加剤が利用されている。水性懸濁物において液相からの固相の分離を最適化するため、凝集剤および水切れ助剤が広範に使用されている。高分子量水溶性ポリマーの使用は、紙の製造における有意義な改良である。これらの高分子量ポリマーは、凝集剤として作用し、大きなフロックを形成し、これがシート上に沈積する。それらは、シートの脱水も助ける。
これらの高分子量水溶性ポリマーは、例えば、油中水型ポリマー分散物(w/o)または水中水型ポリマー分散物(w/w)として、使用できる。
紙は、繊維、填料ならびに他の機能的および工程添加剤の複合混合物である。これらの添加剤は、シート中に組み込まれて、強度、サイジング、不透明度などの所望される性状をもたらす。保持計画は、いかなる現代のウエットエンド化学管理方式でも本質的な部分である。それは、シート抄造時に、これらの工程および機能的添加剤をシート内に保持することにより、確実に所望のシート性状が満たされるだけでなく、良好なコスト管理が確保されるからである。保持計画は、単一成分の製品による計画から、ウエットエンド全体にわたって複数の添加点で添加される多成分からなる複合計画までの範囲にわたるものであってよい。
高い灰分および微細繊維の保持をもたらすが、地合い、水切れおよび機械操業性に悪影響を及ぼさない保持計画の設計は、優れた保持計画の証しであり、この課題を満たすことが、多くの研究開発作業の焦点となっている。今日まで、凝結剤、デンプン、凝集剤および微粒子(シリカ、ベントナイトなど)からなる様々な多成分計画が、これらの成果を発揮する能力を実証しているが、コストおよび複雑さがそれらの有用性の制約になっている。
例えば、US 5,292,800は、エマルジョンの油相が50重量%以上の植物または動物由来の油からなる、水溶性または水膨潤性ポリマーの油中水型エマルジョンを開示している。この油中水型ポリマーエマルジョンは、紙、板紙およびボール紙の製造における歩留向上剤および水切れ助剤として使用することができる。
US 6,117,938は、水性相が、高分子量であり水溶性陽イオン構造を有するポリマーと、線状であるかまたは低い構造度を有する高分子量水溶性陽イオン性ポリマーとのブレンドを含む、油中水型ポリマーエマルジョンを開示している。このポリマーブレンドは、製紙において見出されるものなどのセルロース系懸濁物の水切りに有用である。
EP-A 0262945は、異なるタイプの水溶性ポリマーの均一なブレンドの形成であって、モノマー性出発材料から一方のポリマーを、他方のポリマーの溶液中で重合させることによって形成させることによる、均一なブレンドの形成について開示している。ポリアミンポリマーと水溶性ポリアミンとのブレンドであって、適切なアミノまたはハロゲン化合物を、しばしばジメチルアミンと一緒に、エピクロルヒドリンと重合させることによって製造されるものは、紙のサイジングに特に価値がある。
US 2004/0034145は、ポリマーAと、少なくとも1種のポリマー分散剤Bとを含有する水中水型ポリマー分散物の製造方法であって、水溶性分散剤Bを含有する水性相中に分散されたモノマーを、ラジカル重合に供することによる方法を開示している。得られる水中水型ポリマー分散物は、抄紙において優れた保持剤および水切り助剤である。
WO 02/083743およびUS 2005/0183837は、第1の水溶性ポリマーと、その第1の水溶性ポリマーの存在下で重合して第2の水溶性ポリマーを形成する1種または複数種種の水溶性モノマーとが含まれる水溶性介在複合体(interjacent complex)を開示している。この介在複合体は、紙の製造に使用することができる。この介在複合体は、抄紙機上の適切な位置で添加されて、シートの抄造、および抄造したシートの脱水の促進を助ける。
EP 819651は、(i)水溶性非イオン性モノマー、陽イオン性コモノマー、および陽イオン性ポリマーの水溶液を形成させる工程、(ii)十分な量の炭化水素油中でこの水溶液を乳化させて、油中水型エマルジョンを形成させる工程、および(iii)これらのモノマーを重合させる工程によって調製されるスラッジ脱水用組成物を開示している。
EP 807646は、液体の放出される量を確実に低減し、かつ液体の拡散性を確実に高めることができる、吸水剤樹脂の調製方法を開示している。この調製方法において、吸水剤樹脂は、水溶性のエチレン性不飽和モノマーの重合によって調製される。この水溶性のエチレン性不飽和モノマーの重合は、水溶性のエチレン性不飽和モノマーの重合から得られる吸水剤樹脂の吸水速度と異なる吸水速度を有する吸水剤樹脂の存在下で行うことができる。好ましい方式において、重合は、逆相懸濁重合法によって行われる。
US 2002/188040は、第1の水溶性ポリマーと、第1の水溶性ポリマーの存在下で重合させて第2の水溶性ポリマーを形成する1種または複数種の水溶性モノマーとが含まれる、水溶性介在複合体を開示している。この水溶性介在複合体は、不溶性ポリマー粒子を含まない水中溶液を形成する。この介在複合体は、廃水スラッジにその有効な量を添加することによって、廃水スラッジ処理に使用することができる。この介在複合体は、抄紙機上の適切な位置でパルプまたは形成シートに、その有効な量を添加することによって、抄紙においても使用することもできる。この介在複合体は、その有効量を水性媒質に添加して、所望の粘度、レオロジーまたは流動曲線特性をもたらすことにより、水性系におけるレオロジー調整剤としてさらに使用することができる。
US 5,292,800 US 6,117,938 EP-A 0262945 US 2004/0034145 WO 02/083743 US 2005/0183837 EP 819651 EP 807646 US 2002/188040
W.C.Griffin、Journal of the Society of the Cosmetic Chemist、1(1950)、311 Paul C.Hiemenz、Polymer Chemistry、Marcel Dekker New York、1984年、7.2章
パルプまたは紙製造の効率を高めるために、新たな保持剤および脱水(水切れ)助剤を開発する、継続した必要性が存在している。
驚くべきことに、油中水型ポリマー分散物の調製方法であって、
(a)
- 水と、
- 油状物質と、
- 油中水型乳化剤と、
- 1種または複数種の陽イオン性モノマー(好ましくは(アルク)アクリル酸誘導体)および1種または複数種の非イオン性モノマー(好ましくはラジカル重合可能なエチレン性不飽和非イオン性モノマー)を含むモノマー混合物に由来する第1の陽イオン性ポリマーであって、陽イオン性モノマーの含量がモノマーの総重量に基づいて最高で95重量%までである第1の陽イオン性ポリマーと、
- ラジカル重合可能な陽イオン性モノマー、好ましくはラジカル重合可能な陽イオン性(アルク)アクリル酸誘導体と
を含み、
- 場合により、1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを含んでいてもよい、油中水型モノマー分散物を調製する工程;ならびに
(b)ラジカル重合可能な陽イオン性モノマー(好ましくは(アルク)アクリル酸誘導体)、および、場合によって存在していてもよい1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを、ラジカル重合させて、第2の陽イオン性ポリマーを得る工程
を含む方法によって、改良された保持および脱水(水切れ)特性を示す油中水型ポリマー分散物が得られることが見出された。
第1の陽イオン性ポリマーを含む油中水型モノマー分散物中における、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマー、好ましくはラジカル重合可能な陽イオン性(アルク)アクリル酸誘導体の系内での重合(in situ polymerization)は、混合物中に2種の異なる陽イオン性ポリマー、すなわち第1の陽イオン性ポリマーならびに第2の陽イオン性ポリマーを生じさせる。この逆エマルジョン技術は、水中水型分散技術(w/w)と比較して、凝集剤のより高い活性な濃度およびより高い分子量を達成する方法を提供する。
この型の油中水型ポリマー分散物は、第1の陽イオン性ポリマーが存在しない状態でモノマーを重合させ、かつその後その第1の陽イオン性ポリマーを添加することによっては得ることができず、その重合反応の際に第1の陽イオン性ポリマーの存在を必要とする。
さもないと、異なった性状を示す異なった生成物が得られる。特に、一方では、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよび任意選択の1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを別個に重合させる工程によって得られる油中水型分散物に、第1の陽イオン性ポリマーの水性分散物を添加する場合には、第1の陽イオン性ポリマーの水性分散物中に含まれる水分が、得られる混合物の水分含量を増加させる。典型的には、この追加的水分が、油中水型ポリマー分散物(w/o)を水中油型ポリマー分散物(o/w)に変換し、それにより劇的にその粘度を増加させ、あるいは少なくとも塊または粒状物の形成をもたらす。他方では、第1の陽イオン性ポリマーを粉末で(すなわち、水:油比に影響を及ぼさないように水分が存在しない状態で)添加する場合には、この第1の陽イオン性ポリマーを油中水型ポリマー分散物の水相中に溶解することはほとんど不可能である。
本発明による油中水型ポリマー分散物の水分含量は、十分にバランスがとれている。一方では、この水分含量は、安定な条件下で重合を可能にするために十分高い。すなわち、重合中の水分含量が低すぎると、熱の放散が不十分となり、いくつかの問題を生じる。他方では、この水分含量は、輸送のためのコストを低く保ち、また油中水型(w/o)から水中油型(o/w)への自発的反転を防止するために十分に低い。
本発明による油中水型ポリマー分散物の組成を模式的に示す図である。 従来のエマルジョンと比較した、本発明による油中水型ポリマー分散物(二重(W/O)エマルジョン)で達成される微細繊維および灰分保持を示すグラフである。 従来のエマルジョンと比較した、本発明による油中水型ポリマー分散物(二重(W/O)エマルジョン)で達成される水切れ性を示すグラフである。 本発明による油中水型ポリマー分散物(二重(W/O)エマルジョン)による、灰分保持の相乗作用的向上を示すグラフである。 本発明による油中水型ポリマー分散物(二重(W/O)エマルジョン)により達成された填料効率の向上を示すグラフである。一定期間にわたって、填料および保持向上剤の添加量に依存する紙の灰分含量を観察した。
本発明の第1の態様は、油中水型ポリマー分散物の調製方法であって、
(a)水と;油状物質と;油中水型乳化剤と;1種または複数種の陽イオン性モノマーおよび1種または複数種の非イオン性モノマーを含むモノマー混合物に由来する第1の陽イオン性ポリマーであって、陽イオン性モノマーの含量がモノマーの総重量に基づいて最大で95重量%である、陽イオン性ポリマーと;ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーと;場合により、1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーとを含む油中水型モノマー分散物を調製する工程;ならびに
(b)ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよび、場合により存在していてもよい1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを、ラジカル重合させて、それにより第2の陽イオン性ポリマーを得る工程
を含む方法に関する。
用語「油中水型分散物」は、当技術分野で十分受け入れられている。通常、この用語は、連続相が油であり、また不連続相が水であり、不連続水相が連続油相中に分散されている分散物(エマルジョン)を指す。本発明による「油中水型モノマー分散物」は、少なくとも水、油状物質、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマー、油中水型乳化剤、第1の陽イオン性ポリマーを含み、場合によって1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを含むことが好ましい。同様に、本発明による「油中水型ポリマー分散物」は、少なくとも水、油状物質、油中水型乳化剤、第1の陽イオン性ポリマー、ならびに、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよび場合により含まれていても良い1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーのラジカル重合によって得られる第2の陽イオン性ポリマーを含むことが好ましい。それぞれの上記の成分は、本明細書において以後、より完全に記述され、また定義されるであろう。
本明細書の目的の場合、用語「水溶性」は、周囲温度の純水中における少なくとも10gl-1の、より好ましくは少なくとも25gl-1の、より一層好ましくは少なくとも50gl-1の、さらにより好ましくは少なくとも100gl-1の、最も好ましくは少なくとも250gl-1の、またとりわけ少なくとも500gl-1の溶解度を指すことが好ましい。
本明細書の目的の場合、用語「第2の陽イオン性ポリマー」は、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーを含み、場合により1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを含んでいてもよい油中水型モノマー分散物が、第1の陽イオン性ポリマーの存在下で重合する、系内の重合反応によって得られるポリマーを指す。
ラジカル重合可能な陽イオン性モノマー〔好ましくはラジカル重合可能な陽イオン性(アルク)アクリル酸誘導体〕と、場合によって存在していてもよい1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーとのラジカル重合の際に、第1の陽イオン性ポリマーが存在することが、得られる油中水型ポリマー分散物の特性のために不可欠である点が強調されるべきである。第1の陽イオン性ポリマーが存在しない状態で、これらのモノマーを重合させ、重合後第1の陽イオン性ポリマーを添加することによっては、同じ油中水型ポリマー分散物を得ることはできない。第1の陽イオン性ポリマーは、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマー〔好ましくはラジカル重合可能な陽イオン性(アルク)アクリル酸誘導体〕および場合により存在していてもよい1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーから第2の陽イオン性ポリマーが重合される、油中水型分散物の一部である。
しかし、得られる第1の陽イオン性ポリマーおよび第2の陽イオン性ポリマーの双峰性ポリマー系の内部構造は、第1の陽イオン性ポリマーと、第2の陽イオン性ポリマーのモノマーと同一のモノマーから別個に得られたポリマーとを、単に混合するだけでは、再現することができない(実験の部分を参照されたい)。驚くべきことに、第1の陽イオン性ポリマーと第2の陽イオン性ポリマーとの間には相乗作用が存在することが見出されており、この相乗作用は、第1の陽イオン性ポリマーの存在下において第2の陽イオン性ポリマーが重合された場合には極めて顕著であるが、第1の陽イオン性ポリマーと第2の陽イオン性ポリマーとが別個に合成され、その後組み合わされた場合には、この相乗作用は再現することができない。
この状況をさらに、図1において説明する。図1は、不透明な液体が入っているビーカー1を示している。ビーカー1の小部分2を拡大した部分は、この不透明な液体内で、連続油相中に水滴3が分散され、第1の陽イオン性ポリマー4および第2の陽イオン性ポリマー5を含有していることを示している。
本発明による油中水型モノマー分散物は、水、好ましくは脱イオン水を含む。水分含量は、0.01〜99.99重量%まで変動し得る。水分含量は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて10〜90重量%、より好ましくは15〜85重量%、より一層好ましくは20〜80重量%、さらにより好ましくは25〜75重量%、最も好ましくは30〜70重量%、とりわけ35〜65重量%の範囲内にあることが好ましい。好ましい実施形態において、水分含量は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて30〜50重量%、より好ましくは32〜48重量%、より一層好ましくは34〜46重量%、さらにより好ましくは36〜44重量%、最も好ましくは38〜42重量%、とりわけ39〜41重量%の範囲内にある。
本発明による油中水型モノマー分散物はさらに、1種または複数種の油状物質を含む。この油状物質は、水と実質的に不混和性の不活性有機液体(油相)であることが好ましい。この点に関して、「水と実質的に不混和性」とは、周囲温度の純水中における純粋な油状物質の溶解度が、好ましくは10mgl-1未満、より好ましくは1.0mgl-1未満、より一層好ましくは0.1mgl-1未満、さらにより好ましくは0.01mgl-1未満、最も好ましくは1.0 10-3mgl-1未満、とりわけ1.0 10-4mgl-1未満であることを意味する。用語「不活性」とは、油状物質がそれ自体、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和官能基を好ましくは含有しないことを意味する。
油状物質の含量は、0.01〜99.99重量%まで変動し得る。油状物質の含量は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて0.1〜60重量%、より好ましくは1.0〜55重量%、より一層好ましくは2.5〜50重量%、さらにより好ましくは5.0〜45重量%、最も好ましくは10〜40重量%、とりわけ15〜35重量%の範囲内にあることが好ましい。好ましい実施形態において、油状物質の含量は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて14〜34重量%、より好ましくは16〜32重量%、より一層好ましくは18〜30重量%、さらにより好ましくは20〜28重量%、最も好ましくは22〜26重量%、とりわけ23〜25重量%の範囲内にある。
油状物質は、実質的に純粋な化合物であっても、種々の化合物の混合物であってもよい。油状物質は、ラジカル重合反応に干渉しない任意の不活性脂肪族および/または芳香族疎水性液体であってよい。このような疎水性液体の例には、ベンゼン、キシレン、トルエン、鉱油、パラフィン、イソパラフィン油、ケロシン、ナフサ、ワックス、植物油など、およびこれらの混合物が含まれる。油状物質は、好ましくは炭素原子6〜30個、より好ましくは炭素原子8〜24個、より一層好ましくは炭素原子10〜22個、最も好ましくは炭素原子12〜20個、とりわけ炭素原子14〜18個を含有する直鎖、環状および/または分岐状の炭化水素であることが好ましい。この炭化水素は脂肪族であることが好ましい。油状物質は、1.0gml-1未満、より好ましくは0.9gml-1未満、より一層好ましくは0.85gml-1未満、最も好ましくは0.83gml-1未満、とりわけ0.82gml-1未満の密度を有することが好ましい。油状物質は、-150℃〜50℃、より好ましくは-120℃〜20℃、より一層好ましくは-100℃〜0℃、最も好ましくは-90℃〜-50℃、とりわけ-80℃〜-60℃の範囲内の流動点(凝固点)を有することが好ましい。
好ましい実施形態において、油状物質は、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカンおよびエイコサンからなる群から選択される1種または複数種の脂肪族炭化水素を含み、ヘキサデカンが特に好ましい。適切な油状物質は、好ましくは芳香族化合物を含まず、また最大でC15炭化水素2重量%、少なくともC16炭化水素約60重量%、また最大でC17炭化水素約40重量%を含むことが好ましいC15〜C20炭化水素の混合物である。
他の好ましい実施形態において、油状物質は、植物または動物由来の油、例えば、純粋なまたは混合物としてのモノ-、ジ-およびトリグリセリドなど、例えば、天然生成物の油性抽出物の形態におけるもの、例えば、オリーブ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヒマシ油、ゴマ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ナタネ油、アマニ油、アーモンド油、ナタネ油、ベニバナ油およびそれらの抽残液、例えば、それらの水素化もしくは部分水素化生成物および/またはそれらのエステル、特にメチルおよびエチルエステルを含む。油状物質は、脂肪族炭化水素と植物油との混合物も含むことができる。
さらに他の好ましい実施形態において、油状物質は、脂肪酸エステルを含む。直鎖飽和脂肪酸のエステル、特に、アルコールとの炭素原子11個超のアルキル鎖長を有する脂肪酸、好ましくはラウリン、ミリスチン、パルミチン、ステアリンおよびオレイン酸のエステルが、特に好ましく使用される。脂肪酸エステルは、単独で、または好ましくは炭化水素もしくは炭化水素の混合物と組み合わせて使用される。
本発明による油中水型モノマー分散物はさらに、1種または複数種の油中水型乳化剤を含む。乳化剤は、エマルジョンを安定化する物質であり、しばしば界面活性剤である。油中水型乳化剤は、2〜9、より好ましくは3〜8、より一層好ましくは3.5〜7.5、最も好ましくは4〜7、とりわけ4.0〜6.5の範囲内のHLB(親水性親油性比)値を有することが好ましい(HLB値の定義については、W.C.Griffin、Journal of the Society of the Cosmetic Chemist、1(1950)、311を参照されたい。)。油中水型乳化剤の含量は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて0.01〜25重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、より一層好ましくは0.5〜5.0重量%、さらにより好ましくは1.0〜4.0重量%、最も好ましくは1.5〜3.5重量%、とりわけ1.8〜3.0重量%の範囲内であることが好ましい。油状物質対油中水型乳化剤の相対的重量比は、30:1〜2:1、より好ましくは25:1〜3:1、最も好ましくは20:1〜4:1、とりわけ15:1〜5:1の範囲内にあることが好ましい。
適切な油中水型乳化剤は、当業者に知られている。アニオン性、陽イオン性、両性イオン性または非イオン性界面活性剤を、油中水型乳化剤として使用でき、非イオン性界面活性剤が好ましい。油中水型乳化剤の例には、グリシジルエーテルの多価アルコールとのアルコキシル化反応生成物;モノ-、ジ-およびポリグリセロールの脂肪酸エステル、例えばモノオレエート、ジオレエート、モノステアレート、ジステアレートおよびパルミテートステアレートなど;ソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレートおよびソルビタントリステアレートなど;ペンタエリトリトールの脂肪酸エステル、例えばペンタエリトリチルモノミリステート、ペンタエリトリチルモノパルミテートまたはペンタエリトリチルジパルミテートなど;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、例えばモノオレエートなど;ポリエチレングリコールマンニトール脂肪酸エステル、例えばモノオレエートおよびトリオレエートなど;グルコース脂肪酸エステル、例えばグルコースモノオレエートおよびグルコースモノステアレートなど;トリメチロールプロパンジステアレート;イソプロピルアミドのオレイン酸との反応生成物;グリセロールソルビタン脂肪酸エステル;アルカノールアミド、ヘキサデシルフタル酸ナトリウムおよびデシルフタル酸ナトリウムが含まれる。油中水型乳化剤は、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選択されることが好ましい。
好ましい実施形態において、本発明による油中水型モノマー分散物はさらに、第2の乳化剤を含む。第2の乳化剤は、6〜17、より好ましくは7〜16、より一層好ましくは8〜15、最も好ましくは9〜14、とりわけ10〜13の範囲内のHLB(親水性親油性比)値を有することが好ましい。第2の乳化剤の含量は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて0.005〜25重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、より一層好ましくは0.05〜5.0重量%、さらにより好ましくは0.1〜2.0重量%、最も好ましくは0.3〜1.5重量%、とりわけ0.5〜1.0重量%の範囲内にあることが好ましい。
第2の乳化剤の例には、エトキシル化アルコール、例えば脂肪酸アルコールエトキシレートなど;マンニトールの脂肪酸エステル、例えばマンニチルモノラウレートまたはマンニチルモノパルミテートなど;エトキシル化アルキルアミン;およびアルキルフェノールエトキシレートが含まれる。
本発明による油中水型モノマー分散物はさらに、1種または複数種の非イオン性モノマーを含むモノマー混合物に由来する第1の陽イオン性ポリマーを含む。本油中水型モノマー分散物は、さらに多くの、例えば2種または3種の異なる陽イオン性ポリマーを含むことができる。第1の陽イオン性ポリマーの元となる全てのモノマーの総重量に対する、陽イオン性モノマーの重量%単位の含量は、第1の陽イオン性ポリマーの陽イオン性(cationicity)(+FCP)に相当する。陽イオン性モノマーの含量(陽イオン性)は、モノマーの総重量に基づいて、最高で95重量%まで、好ましくは最高で90重量%まで、より好ましくは最高で85重量%まで、より一層好ましくは最高で80重量%まで、さらにより好ましくは最高で75重量%まで、最も好ましく最高で70重量%まで、とりわけ最高で70重量%までである。
好ましい実施形態において、陽イオン性モノマーの含量(陽イオン性、+FCP)は、モノマーの総重量に基づいて30±20重量%、より好ましくは30±15重量%、より一層好ましくは30±10重量%、最も好ましくは30±5重量%である。他の好ましい実施形態において、陽イオン性モノマーの含量(陽イオン性、+FCP)は、モノマーの総重量に基づいて40±30重量%、より好ましくは40±25重量%、より一層好ましくは40±20重量%、さらにより好ましくは40±15重量%、最も好ましくは40±10重量%、とりわけ40±5重量%である。さらに他の好ましい実施形態において、陽イオン性モノマーの含量(陽イオン性、+FCP)は、モノマーの総重量に基づいて50±30重量%、より好ましくは50±25重量%、より一層好ましくは50±20重量%、さらにより好ましくは50±15重量%、最も好ましくは50±10重量%、とりわけ50±5重量%である。なおさらに他の好ましい実施形態において、陽イオン性モノマーの含量(陽イオン性、+FCP)は、モノマーの総重量に基づいて60±20重量%、より好ましくは60±15重量%、より一層好ましくは60±10重量%、最も好ましくは60±5重量%である。
第1の陽イオン性ポリマーは、水溶性または水膨潤性であることが好ましい。第1の陽イオン性ポリマーの含量(CFCP)は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜12重量%、より一層好ましくは0.5〜10重量%、さらにより好ましくは1.0〜9.0重量%、最も好ましくは3.0〜8.0重量%、とりわけ4.5〜6.5重量%の範囲内にあることが好ましい。
好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーの含量(CFCP)は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて8±6重量%、より好ましくは8±5重量%、より一層好ましくは8±4重量%、さらにより好ましくは8±3重量%、最も好ましくは8±2重量%、とりわけ8±1重量%である。他の好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーの含量(CFCP)は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて7±6重量%、より好ましくは7±5重量%、より一層好ましくは7±4重量%、さらにより好ましくは7±3重量%、最も好ましくは7±2重量%、とりわけ7±1重量%である。さらに他の好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーの含量(CFCP)は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて6±5重量%、より好ましくは6±4重量%、より一層好ましくは6±3重量%、最も好ましくは6±2重量%、とりわけ6±1重量%である。さらに他の好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーの含量(CFCP)は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて5±4重量%、より好ましくは5±3重量%、最も好ましくは5±2重量%、とりわけ5±1重量%である。
第1の陽イオン性ポリマーは、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より一層好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%、とりわけ少なくとも99.9%の重合度を示すことが好ましい。
第1の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量Mwは、50,000〜1,500,000gモル-1、より好ましくは75,000〜1,250,000gモル-1、より一層好ましくは100,000〜1,000,000gモル-1、さらにより好ましくは120,000〜750,000gモル-1、最も好ましくは140,000〜400,000gモル-1、とりわけ150,000〜200,000gモル-1の範囲内にあることが好ましい。好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量Mwは、75,000〜350,000gモル-1の範囲内にある。
第1の陽イオン性ポリマーの分子量分散度Mw/Mnは、1.0〜4.0、より好ましくは1.5〜3.5、とりわけ1.8〜3.2の範囲内にあることが好ましい。
第1の陽イオン性ポリマーは、100〜850mPas、より好ましくは150〜800mPas、より一層好ましくは200〜750mPas、さらにより好ましくは250〜700mPas、最も好ましくは300〜650mPas、とりわけ350〜600mPasの範囲内の生成物粘度(スピンドル1/10rpm、20℃、RVT DV-2粘度計)を有することが好ましい。
第1の陽イオン性ポリマーは、好ましくはラジカル重合によって、少なくとも1種の陽イオン性モノマーおよび少なくとも1種の非イオン性モノマーに由来するコポリマーである。
この点に関して、「に由来する」とは、第1の陽イオン性ポリマーのポリマー主鎖が反復単位を含むこと、すなわち、反復単位が第1の陽イオン性ポリマーのポリマー主鎖に組み込まれ、この反復単位が、重合反応の過程で、対応するモノマーから形成されることを意味する。例えば、第1の陽イオン性ポリマーが、塩化メチルにより四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DIMAPA quat.)に由来する場合、下記の反復単位が、ポリマー主鎖に組み込まれる:
第1の陽イオン性ポリマーは、1種または複数種の陽イオン性モノマーに、より好ましくは単一の陽イオン性モノマーに由来することが好ましい。
好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーは、1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和陽イオン性モノマーに由来する。第1の陽イオン性ポリマーは、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、アルケニルトリアルキルアンモニウムハライドおよびジアルケニルジアルキルアンモニウムハライドからなる群から選択される、1種または複数種のラジカル重合可能な陽イオン性モノマーに由来することが好ましい。上述の陽イオン性モノマーは、炭素原子6〜25個、より好ましくは炭素原子7〜20個、最も好ましくは炭素原子7〜15個、とりわけ炭素原子8〜12個を含むことが好ましい。
第1の陽イオン性ポリマーは、
- 30〜95重量%の、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、アルケニルトリアルキルアンモニウムハライドおよび/またはジアルケニルジアルキルアンモニウムハライドと、
- 5〜70重量%の、非イオンモノマー、好ましくは(アルク)アクリルアミドと
に由来する(合成/重合される)ことが好ましい。
好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーは、陽イオン性モノマーであるジアルケニルジアルキルアンモニウムハライド、好ましくはジアリルジメチルアンモニウムハライド(DADMAC)に由来する。
他の好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーは、ビニルホルムアミドもしくはビニルアミンまたはそれらの誘導体、例えばメチル基で四級化されたビニルアミンなど(例えば、CH=CH-N(CH3)3 +Cl-)に由来する。
さらに他の好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーは、(アルク)アクリル酸誘導体に由来する。この点に関して、用語「(アルク)アクリル((alk)acrylic))」は、アクリルおよびアルカクリル(alkacrylic)を指し、例えばアクリルおよびメタクリル(methacrylic)を包含する。好ましい実施形態において、「(アルク)アクリル」は「(メタ)アクリル」である。用語「誘導体」は、適切な反応条件下で、できれば活性化後に(アルク)アクリル酸と反応することが可能な他の化合物、例えばアルキルアルコール、アルキルチオールおよびアルキルアミンなどとの(アルク)アクリル酸の反応生成物を指す。(アルク)アクリル酸と反応することが可能な前記化合物は、所与の反応条件下で(アルク)アクリル酸と反応することがそれ自体可能ではないさらなる官能基、例えば、アリール部分、ヘテロアリール部分、ハロゲン残基、ヒドロキシル残基、カルボキシル残基、第三級アミン残基、第四級化アンモニウム残基などを有することができる。好ましいラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、陽イオン性のラジカル重合可能な(アルク)アクリル酸エステル、(アルク)アクリル酸チオエステルおよび(アルク)アクリル酸アミドである。
好ましい陽イオン性モノマーは、一般式(I)による(アルク)アクリル酸誘導体である:
上式において、
R1は、直鎖または分岐C1〜8アルキレン、好ましくはエチレン、プロピレン、ブチレンまたはペンチレンであり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、好ましくはメチル、エチルまたはプロピル; C5〜C10アリール、好ましくはフェニル; またはC6〜C16アリールアルキル、好ましくはベンジルであり、
AはO、NHまたはNR6(式中、R6はC1〜C6アルキルである)、好ましくはNHであり、また
Xはハロゲン、疑似ハロゲン、アルキルカルボキシレートまたはアルキルサルフェート、好ましくは塩素である。
R3、R4およびR5は、同一であることが好ましい。好ましい実施形態において、AはOまたはNHであり、R1はエチレンまたはプロピレンであり、R2は水素またはメチルであり、またR3、R4およびR5はメチルである。一般式(I)による陽イオン性モノマーは、塩化メチルにより四級化されたジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(ADAME quat.)などのエステル(A=O)であってよい。しかし、一般式(I)によるモノマーはアミド(A=NH)、特に塩化メチルにより四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DIMAPA quat.)であることが好ましい。
一般式(I)による陽イオン性モノマーとして、アルキルまたはアルキレン基中にC原子1〜3個を有する、プロトン化または四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたはジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、より好ましくは、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよび/またはジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル四級化アンモニウム塩を用いることが好ましい。ジメチルアミノエチルアクリレートおよびジメチルアミノプロピルアクリルアミドが特に好ましい。
鉱酸もしくは有機酸で中和された形態の、または四級化された形態の塩基性モノマーを使用することができ、このような四級化は、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、塩化メチル、塩化エチルまたは塩化ベンジルを使用して行うことが好ましい。好ましい実施形態において、塩化メチルまたは塩化ベンジルで四級化されたモノマーを使用する。
第1の陽イオン性ポリマーは、コポリマー(またはターポリマー)である。第1の陽イオン性ポリマーは、少なくとも1種の非イオン性モノマーと組み合わせた少なくとも1種の陽イオン性モノマーに由来する。適切な非イオン性モノマーには、一般式(II)の化合物が含まれる:
上式において、
R7は水素またはメチルを表し、また
R8およびR9は、互いに独立に、水素、C原子1〜5個を有するアルキルまたはヒドロキシアルキルを表す。
一般式(II)による非イオン性モノマーの例には、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、もしくはN,N-置換(メタ)アクリルアミド、例えば、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピルアクリルアミドなど、またはN-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが含まれる。
さらなる適切な非イオン性モノマーには、一般式(III)の両親媒性化合物が含まれる:
上式において、
R10は、水素またはメチルを表し、
R11は、炭素原子2〜6個を有するアルキレンを表し、
R12は、水素、アルキル、アリール、または炭素原子8〜32個を有するアラルキルを表し、
Bは、OまたはNR13(ここでR13は、炭素原子1〜4個を有するアルキルを表す。)を表し、
nは、整数1〜50、好ましくは1〜20を表す。
一般式(III)の両親媒性化合物の例には、(メタ)アクリル酸と、脂肪アルコールによりエーテル化したポリエチレングリコール(エチレンオキシド単位10〜50個)との反応生成物、または(メタ)アクリルアミドによる対応する反応生成物が含まれる。
なおさらに適切な非イオン性モノマーには、スチレン、酢酸ビニル、ビニルホルムアミドおよびそれらの誘導体が含まれる。
第1の陽イオン性ポリマーは、天然ものであっても、半合成のもの(すなわち化学修飾された天然ポリマー)であってもよい。例として、陽イオン性マルトデキストリン、デキストラン、シクロデキストリン、ペプチドなどのポリアミドなどが含まれる。
油中水型モノマー分散物は、第1の陽イオン性ポリマーと組み合わせて、さらなる水溶性分散剤成分を含有することができる。これらの場合において、第1の陽イオン性ポリマーと、前記さらなる水溶性分散剤成と分の重量比は、1:0.01〜1:0.5、好ましくは1:0.01〜1:0.3の範囲内にあることが好ましい。例として、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、デンプン、デンプン誘導体、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルスクシンイミド、ポリビニル-2-メチルスクシンイミド、ポリビニル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、ポリビニル-2-メチルイミダゾリンおよび/またはそれらの、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の塩および/または(メタ)アクリルアミド化合物とのそれぞれのコポリマーを、さらなる水溶性分散剤成分として挙げることができる。
本発明による油中水型モノマー分散物はさらに、1種または複数種のラジカル重合可能な陽イオン性モノマーを含む。このラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、(アルク)アクリル酸誘導体であることが好ましい。
このラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、水溶性であることが好ましい。このラジカル重合可能な陽イオン性モノマーの含量は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて0.1〜30重量%、より好ましくは0.5〜25重量%、より一層好ましくは1.0〜20重量%、さらにより好ましくは2.5〜17.5重量%、最も好ましくは5.0〜15重量%、とりわけ7.0〜9.0重量%の範囲内にあることが好ましい。
ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、第1の陽イオン性ポリマーの元となる陽イオン性モノマーに関連して上述した任意の陽イオン性モノマーであってよい。例えば、適切なラジカル重合可能な陽イオン性モノマーには、ビニルホルムアミドもしくはビニルアミンまたはその誘導体、例えばメチル基で四級化されたビニルアミンなど(例えば、CH=CH-N(CH3)3 +Cl-)が含まれる。
好ましい実施形態において、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライドおよび(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライドからなる群から選択される。上述の陽イオン性モノマーは、炭素原子6〜25個、より好ましくは炭素原子7〜20個、最も好ましくは炭素原子7〜15個、とりわけ炭素原子8〜12個を含むことが好ましい。
ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、好ましくは、上記において定義した一般式(I)によるモノマーである。一般式(I)によるラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、アミド(A=NH)、例えば塩化メチルにより四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DIMAPA quat.)であってよい。しかし、一般式(I)によるラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、エステル(A=O)、特に塩化メチルにより四級化されたジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(ADAME quat.)であることが好ましい。
第1の陽イオン性ポリマーが、(アルク)アクリル酸誘導体にも由来する場合、前記(アルク)アクリル酸誘導体は、油中水型モノマー分散物中に含有されるラジカル重合可能な陽イオン性モノマーと異なっていても同一であってもよい。両モノマーが互いに異なり、したがって第2の陽イオン性ポリマーの反復単位が、第1の陽イオン性ポリマーの反復単位と異なることが好ましい。こうして、第1の陽イオン性ポリマーと第2の陽イオン性ポリマーとが互いに異なり、できれば前記の差異が、異なる分子量および/または化学構造、ならびに異なるモノマー組成および/またはモノマー比率などの物理的差異をもたらすことが好ましい。
本発明による油中水型モノマー分散物はさらに、1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを含むことが好ましい。このような態様のもとで、本発明による方法の工程(b)においてもたらされる第2の陽イオン性ポリマーはホモポリマーではなく、コポリマーまたは例えばターポリマーである。エチレン性不飽和コモノマーは水溶性であり、好ましくは非イオン性であることが好ましい。1種または複数種のエチレン性不飽和コモノマーの含量は、油中水型モノマー分散物の総重量に基づいて1.0〜90重量%、より好ましくは2.5〜75重量%、より一層好ましくは5〜60重量%、さらにより好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは20〜40重量%、とりわけ25〜35重量%の範囲内にあることが好ましい。
適切なエチレン性不飽和コモノマーには、上記において定義した一般式(II)の化合物および一般式(III)の両親媒性化合物が含まれる。1種または複数種のエチレン性不飽和コモノマーは、(アルク)アクリルアミド、より好ましくはアクリルアミドを含むことが好ましい。
好ましい実施形態において、本油中水型モノマー分散物が、1種または複数種のエチレン性不飽和コモノマーを含有する場合、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーの含量は、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよびラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーの合計量に基づいて0.1〜50モル%、より好ましくは1.0〜40モル%、より一層好ましくは2.0〜30モル%、さらにより好ましくは3.0〜20モル%、最も好ましくは5.0〜15モル%、とりわけ8.0〜12モル%の範囲内にある。
好ましい実施形態において、本油中水型モノマー分散物は、陽イオン性のラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよび1種または複数種の非イオン性エチレン性不飽和コモノマーを含む。陽イオン性のラジカル重合可能な陽イオン性モノマーの含量(得られた第2の陽イオン性ポリマーの陽イオン性、+SCPに対応する)は、陽イオン性のラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよび非イオン性ラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーの合計量に基づいて、すなわち好ましくは得られる第2の陽イオン性ポリマーの総重量に基づいて0.1〜75重量%、より好ましくは1.0〜65重量%、より一層好ましくは2.0〜55重量%、さらにより好ましくは5.0〜45重量%、最も好ましくは10〜40重量%、とりわけ15〜35重量%の範囲内にある。
好ましい実施形態において、重量%単位の第2の陽イオン性ポリマーの陽イオン性(+SCP)は、第2の陽イオン性ポリマーの総重量に基づいて40±30重量%、より好ましくは40±25重量%、より一層好ましくは40±20重量%、さらにより好ましくは40±15重量%、最も好ましくは40±10重量%、とりわけ40±5重量%である。他の好ましい実施形態において、重量%単位の第2の陽イオン性ポリマーの陽イオン性(+SCP)は、第2の陽イオン性ポリマーの総重量に基づいて50±30重量%、より好ましくは50±25重量%、より一層好ましくは50±20重量%、さらにより好ましくは50±15重量%、最も好ましくは50±10重量%、とりわけ50±5重量%である。さらに他の好ましい実施形態において、重量%単位の第2の陽イオン性ポリマーの陽イオン性(+SCP)は、第2の陽イオン性ポリマーの総重量に基づいて60±30重量%、より好ましくは60±25重量%、より一層好ましくは60±20重量%、さらにより好ましくは60±15重量%、最も好ましくは60±10重量%、とりわけ60±5重量%である。
ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーr1のラジカル反応性比、およびラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーr2のラジカル反応性比は、それぞれ0.01〜100、より好ましくは0.02〜50、より一層好ましくは0.05〜20、最も好ましくは0.1〜10、とりわけ0.2〜5の範囲内にあることが好ましい。この文脈において、r1は、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーのラジカルを包含する2つの伝搬定数(propagation constant)の比として定義される。この比は常に、ラジカルに付加される同一の型のモノマーについての伝搬定数(k11)を、コモノマーの付加についての伝搬定数(k12)に対して比較する;すなわちr1=k11/k12。同様にr2=k22/k21。さらなる細部については、例えば、Paul C.Hiemenz、Polymer Chemistry、Marcel Dekker New York、1984年、7.2章を参照することができる。
本発明による油中水型モノマー分散物の特に好ましい実施形態において、
- 油状物質は、炭素原子6〜30個を含有する脂肪族炭化水素であり、
- 第1の陽イオン性ポリマーは、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライドを含む1種または複数種のモノマーに由来し、
- ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーは、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライドであり、かつ/あるいは
- ラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーは、(アルク)アクリルアミドを含む。
本発明による方法の工程(a)では、水、油状物質、油中水型乳化剤、第1の陽イオン性ポリマー、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマー、および場合により含まれていてもよい1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを含む油中水型モノマー分散物を調製する。
油中水型モノマー分散物の調製は、当業者に知られている。それらの成分は、同時にまたは順次添加することができる。水性相および油相は、互いに別個に調製され、その後、油中水型モノマー分散物をもたらすように組み合わせることが好ましい。
それらの成分は、従来の手段によって、例えば、液体を注入または滴下する工程によって、粉末を配合する工程などによって添加することができる。
水性相は、水、第1の陽イオン性ポリマー、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよび、存在する場合には、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーの均一な溶液を含むことが好ましい。水性相と油相を組み合わせる前に、キレート剤、緩衝剤(酸および/または塩基)、分枝剤、架橋剤、連鎖移動剤などのさらなる成分を、水性相に添加することができる。
適切な分枝剤、架橋剤および連鎖移動剤は、当業者に知られている。しかし、分枝剤、架橋剤または連鎖移動剤を添加しないことが好ましい。
水性相のpHは、1.0〜5.0、より好ましくは1.5〜4.5、より一層好ましくは2.0〜4.0、最も好ましくは2.5〜3.5の範囲内の値に調節されることが好ましい。pH値は、それぞれ適切な酸および塩基によって、調節できる。好ましい酸は、ギ酸、酢酸、塩酸および硫酸などの有機酸および鉱酸である。
油相は、油状物質および油中水型乳化剤の均一な溶液を含むことが好ましい。水性相と油相を組み合わせる前に、さらなるアニオン、陽イオン、両性イオンもしくは非イオン表面活性剤またはポリマー乳化剤などのさらなる成分を油相に添加することができる。
水性相は、例えば高速ミキサー、ホモジナイザーなどによって行うことができる激しい撹拌下で、油相に添加することが好ましい。
原則として、油中水型モノマー分散物を本発明による方法の工程(a)において調製する場合、それぞれの成分の全量を最初に存在させる必要はない。別法として、重合の初めに、第1の陽イオン性ポリマー中に1種もしくは複数種のモノマー溶液を完全にもしくは部分的に分散させ、残りの1種もしくは複数種のモノマー溶液を、計量した部分として、または全体の重合過程にわたって分配した連続的供給物として添加する工程を行うことができる。例えば、特定の成分のある部分、例えばラジカル重合可能な陽イオン性モノマーの70重量%だけを、最初に工程(a)において使用し、その後、できればステップ(b)の過程内で、前記特定の成分の残部、例えばラジカル重合可能な陽イオン性モノマーの残った30重量%を使用することができる。
本発明による方法の工程(a)において油中水型モノマー分散物を調製した後で、工程(b)において、ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよび場合によって存在させてもよい1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを、ラジカル重合させ、それにより第2の陽イオン性ポリマーを生成させる。
ステップ(b)は、逆相乳化重合として、例えば、油中水型エマルジョン中で行うことが好ましい。この逆相乳化重合方法では、得られる逆ポリマーエマルジョンは、第2の陽イオン性ポリマーを含有する分散した水性相と、不活性な油状物質で構成される連続油相とを含有する。
当業者は、油中水型モノマー分散物をラジカル重合させる方法を知っている。典型的には、工程(b)による重合反応は、1種または複数種の従来の重合開始剤の存在下で行う。
例えば、ラジカルは、単結合のホモリシスまたはレドックス反応を、熱的または光化学的に誘発すると、生成し得る。
適切な水溶性開始剤の例には、例えば2,2'-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス-(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、4,4'-アゾビス-(4-シアノペンタン酸)、または過硫酸アンモニウム/硫酸第二鉄などのレドックス系が含まれる。油溶性開始剤には、例えば、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウリルもしくは過酸化tert-ブチル、またはアゾ化合物、例えば2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2'-アゾビスイソブチレートおよび2,2'-アゾビス-(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)などが含まれる。これらの開始剤は、個別または組合せのいずれかで、また一般に油中水型モノマー分散物の総重量の約0.005〜0.5重量%の量で使用することができる。当業者は、基本的に、得られたポリマー生成物の性状、例えばその平均分子量を改変するために、開始剤の量および型を修正するやり方を知っている。
ラジカル開始剤として、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル)、2,2'-アゾビス-(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライドなどのアゾ化合物、または好ましくは過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素を、場合によって還元剤、例えばアミンもしくは亜硫酸ナトリウムと組み合わせて使用することが好ましい。開始剤の量は、重合されるモノマーに対して、一般に10-3〜1.0重量%、好ましくは10-2〜0.1重量%の範囲である。開始剤は重合の初めに全部添加することができ、あるいは一部だけ添加し、その後残った量を重合の全過程にわたって配分することもできる。好ましい実施形態において、アゾ開始剤によって重合を開始させ、最高温度に達した後、レドックス開始剤系により継続させて、残留モノマーの含量を減少させる。
他の有利な実施形態では、発熱性重合反応が終わると直ぐに、すなわち一般に温度極大に達した後で、レドックス開始剤をその後添加することによって残留モノマーの含量をさらに減少させる。
本発明の他の有利な実施形態では、モノマーおよび第1の陽イオン性ポリマーの両方を、重合の間、重合反応器中に配分する。一般に、一部分、例えばモノマーおよび第1の陽イオン性ポリマーの10〜20%を、最初に導入する。重合が開始した後、上述した配分を行い、場合によって重合開始剤のさらなる配分を伴わせる。
さらに、重合中および/または重合の後に、油および/または水を除去することも、また場合によってさらなるポリマーを添加することも可能である。しかし、蒸発はむしろエネルギーを消費するので、油中水型モノマー分散物中の水および油状物質の含量を最適化し、重合後、存在する場合には少量だけを蒸発させるようにすることが好ましい。
重合温度は、一般に0〜120℃、好ましくは30〜90℃、より好ましくは50〜70℃である。重合温度は、使用する開始剤の分解動力学に基づいて選択することができる。重合は、系が不活性ガスでパージされ、不活性ガス雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で重合するような形で行うことが好ましい。重合による転化率または重合の終了は、残留モノマーの含量を測定することによって容易に検出することができる。この目的のための方法は、当業者によく知られている。
重合は、断熱的に行っても等温的に行ってもよい。
重合時間は、2分の1時間という短時間を用いることもできるが、当技術分野で従来使用される重合時間と同じく、一般に0.5〜3時間、好ましくは1〜2.5時間である。しかし、より短時間にわたってより急速に重合させる試みには、熱を除去する問題が伴う。この点に関しては、重合媒質を十分にかき混ぜるか、あるいは重合の間激しく撹拌することが大いに好ましい。
重合のために使用する設備は、水中油型または油中水型乳化重合に使用されるものなどの単なる標準的反応器であってよい。
重合の後、反応混合物を冷却し、その後場合によって、さらなる添加剤、例えば塩または酸などを、好ましくは撹拌しながら分散物に添加することが有利であり得る。
残留モノマー含量を減少させるため、重合過程の間、温度を上げることも可能である。別法として、重合の間および重合の終わりに、さらなる開始剤および/または残留モノマー破壊剤(destructors)を使用することも可能である。
本発明の意味する範囲内における残留モノマー破壊剤は、重合可能なモノマーを、本発明の意味する範囲内においてもはや重合可能ではなく、それらがもはやモノマーではなくなるように、化学反応によって改変する物質である。モノマー中に存在する二重結合と反応する物質および/またはより広範な重合を開始させることができる物質を、この目的のために使用することができる。二重結合と反応する残留モノマー破壊剤として、還元剤、好ましくはVI未満の酸化数を有する硫黄に由来する酸および酸の中性塩の群からの物質(好ましくは、亜ジチオン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムもしくは二亜硫酸ナトリウム)、および/または硫化水素基を有する物質(好ましくは硫化水素ナトリウム)、またはチオールの群からの化合物(好ましくはメルカプトエタノール、ドデシルメルカプタン)、チオプロピオン酸もしくはチオプロピオン酸の塩またはチオプロパンスルホン酸もしくはチオプロパンスルホン酸の塩、および/またはアミンの群からの物質(好ましくは低揮発性を有するアミンの群からの物質、好ましくはジイソプロパノールアミンもしくはアミノエチルエタノールアミン)、および/または、ブンテ(Bunte)塩、ホルムアミジンスルフィン酸、二酸化硫黄、二酸化硫黄の水性および有機溶液、ヒドロキシルアンモニウムサルフェートまたは、チオ尿素を含む群からの物質を使用することができる。
本油中水型ポリマー分散物は、最高で5,000ppmまで、より好ましくは最高で2,500ppmまで、より一層好ましくは最高で1,000ppmまで、さらにより好ましくは最高で800ppmまで、最も好ましくは最高で600ppmまで、またとりわけ最高で400ppmまでのラジカル重合可能な陽イオン性モノマーの残留含量を有することが好ましい。好ましい実施形態において、本油中水型ポリマー分散物は、最高で200ppmまで、より好ましくは最高で100ppmまで、より一層好ましくは最高で75ppmまで、さらにより好ましくは最高で50ppmまで、最も好ましくは最高で30ppmまで、とりわけ最高で20ppmまでのラジカル重合可能な陽イオン性モノマーの残留含量を有する。
本油中水型ポリマー分散物は、最高で5,000ppmまで、より好ましくは最高で2,500ppmまで、より一層好ましくは最高で1,000ppmまで、さらにより好ましくは最高で800ppmまで、最も好ましくは最高で600ppmまで、とりわけ最高で400ppmまでのラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーの残留含量を有することが好ましい。
本発明による方法の工程(b)では、油中水型モノマー分散物を油中水型ポリマー分散物に変換させる。
工程(b)における重合反応後および/または重合反応の間に、溶媒の含量を減らすために、得られた油中水型ポリマー分散物を蒸留することができる。
好ましい実施形態において、本発明による方法は、
(a)
- 水と、
- 油状物質と、
- 油中水型乳化剤と、
- 75,000〜350,000g/モルの重量平均分子量Mwを有する第1の陽イオン性ポリマーであって、モノマーの総重量に基づいて
30〜95重量%の、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、アルケニルトリアルキルアンモニウムハライドおよび/またはジアルケニルジアルキルアンモニウムハライド、ならびに
5〜70重量%の、非イオン性エチレン性不飽和コモノマー、好ましくはアクリルアミド
から合成される第1の陽イオン性ポリマーと、
- モノマー混合物であって、モノマーの総重量に基づいて
1〜99重量%、好ましくは1〜60重量%の(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、アルケニルトリアルキルアンモニウムハライドおよび/またはジアルケニルジアルキルアンモニウムハライド、ならびに
1〜99重量%、好ましくは40〜99重量%の、非イオン性エチレン性不飽和コモノマー、好ましくはアクリルアミド
のモノマー混合物と
を含有する油中水型モノマー分散物を調製する工程;および
(b)ラジカル開始剤を添加して、これらのモノマー混合物のラジカル重合を行わせる工程
を含む。
本発明のさらなる態様は、油中水型ポリマー分散物であって、水、油状物質、乳化剤、第1の陽イオン性ポリマー、および第2の陽イオン性ポリマーを含み、上述の方法によって得ることができるポリマー分散物に関する。
本発明による油中水型ポリマー分散物は、比較的低い陽イオン性を有する第1の陽イオン性ポリマーの比較的低い含量によって特徴付けられる。したがって、本油中水型ポリマー分散物全体の陽イオン性への、第1の陽イオン性ポリマーの寄与は比較的低い。
本発明による油中水型ポリマー分散物が、優れた凝集剤であることが、驚くべきことに見出されている。例えば、本発明による油中水型ポリマー分散物は、従来の組成物と比較して、紙製造において、より良好な灰分の保持性能ならびにより短い滞留時間を示す。
本発明による油中水型ポリマー分散物は、油中水型ポリマー懸濁液もしくは油中水型ポリマーエマルジョンまたはこれらの混合物であることができる。
好ましくは、油中水型モノマー分散物の油状物質、水、第1の陽イオン性ポリマー、油中水型乳化剤に関する、かつ/あるいはさらなる成分についての好ましい実施形態(含量、相対的比率、化学的特性など)が、本発明による油中水型ポリマー分散物にも当てはまる。
特に好ましい実施形態において、第1の陽イオン性ポリマーの陽イオン性:+FCP(第1の陽イオン性ポリマーの総重量に基づく、重量%単位の陽イオン性モノマーの含量)、第1の陽イオン性ポリマーの含量:CFCP(ポリマー分散物の総重量に基づく、重量%単位の)、第2の陽イオン性ポリマーの陽イオン性:+SCP(第2の陽イオン性ポリマーの総重量に基づく、重量%単位の陽イオン性モノマーの含量)、および第2の陽イオン性ポリマーの含量:CSCP(ポリマー分散物の総重量に基づく、重量%単位の)は、下記の必要条件を満たす:
Xについての好ましい範囲R1〜R10を、以下の表1に要約する:
本発明による油中水型ポリマー分散物は、原則として、自己反転性であり、すなわち、エマルジョンを水に注入すると相反転が起こり、分散物中に存在するポリマーが水中に溶解する。しかし、この相反転は、湿潤剤(=反転促進剤)を添加することによって促進することができる。これらの湿潤剤は、油中水型ポリマー分散物に添加することができ、あるいは分散物が投入される水に添加することができる。
湿潤剤は、7〜16、より好ましくは8〜15、より一層好ましくは9〜14、最も好ましくは9.5〜13.5、とりわけ10〜13の範囲内のHLB(親水性-親油性比)値を有することが好ましい。湿潤剤の含量は、油中水型ポリマー分散物の総重量に基づいて0.005〜25重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、より一層好ましくは0.1〜7.5重量%、さらにより好ましくは0.5〜5.0重量%、最も好ましくは1.0〜4.0重量%、とりわけ1.5〜3.5重量%であることが好ましい。
油中水型ポリマー分散物を反転させるのに好ましい湿潤剤は、5〜20の間のエトキシル化度を有するエトキシル化アルキルフェノール、または5〜20の間のエトキシル化度を有する炭素原子10〜22個のエトキシレート脂肪アルコールである。油中水型ポリマー分散物は、9を超え、好ましくは少なくとも10のHLB値を有する湿潤剤を、全分散物に基づいて10重量%まで含有することができる。10を超えるHLB値を有する適切な湿潤剤の例は、エトキシル化アルキルフェノール、アルキル基が炭素原子3個以上のものであるスルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル、炭素原子10〜22個の脂肪酸に由来する石鹸、および炭素原子10〜26個のアルキル-またはアルケニル硫酸塩のアルカリ金属塩である。エトキシル化脂肪族アルコールおよびエトキシル化アミンも適している。重合それ自体において湿潤剤を使用すると、特に微細分割された油中水型ポリマー分散物を得ることができる。
特に好ましい実施形態では、重合中に油中水型モノマー分散物中に存在させることができる第2の乳化剤の化学的特性は、重合後に油中水型ポリマー分散物に添加する湿潤剤と全く同じである。
好ましい実施形態では、油中水型ポリマー分散物の組成は、ラジカル重合を受ける油中水型モノマー分散物の組成に対応しており、すなわち、モノマーは重合しているが、全ての他の不活性成分は全く同じ量で存在する。他のそれほど好ましくない実施形態では、重合反応の後で溶媒(水および/または油状物質)が一部蒸発される。
本発明による油中水型ポリマー分散物は、5.0〜45重量%、より好ましくは10〜40重量%、より一層好ましくは15〜35重量%、さらにより好ましくは20〜30重量%、最も好ましくは22〜29重量%、とりわけ24〜28重量%の範囲内の水分含量を有することが好ましい。
特に好ましい実施形態では、本発明による油中水型ポリマー分散物の水分含量は、油中水型ポリマー分散物が水中油型ポリマー分散物に反転する限界に近い。油中水型ポリマー分散物の総重量に基づいて、少なくとも100重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、より一層好ましくは少なくとも50重量%、さらにより好ましくは少なくとも30重量%、最も好ましくは少なくとも20重量%、とりわけ少なくとも10重量%の水を添加すると、自己反転が起こることが好ましい。
本発明による油中水型ポリマー分散物の好ましい実施形態では、第2の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量Mwは、第1の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量Mwよりも高い。当業者は、第2の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量の測定の仕方、および、例えば、開始剤濃度の調節、連鎖移動剤の添加などによって重量平均分子量に影響を与える方法を知っている。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(好ましくはプルラン標準に対し溶離液として1.5%ギ酸を使用)によって、あるいはレオロジー測定によって測定することが好ましい。
第2の陽イオン性ポリマーは、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より一層好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは少なくとも99.5%、とりわけ少なくとも99.9%の重合度を示すことが好ましい。
第2の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量は、少なくとも1,000,000gモル-1、より好ましくは少なくとも1,250,000gモル-1、より一層好ましくは少なくとも1,500,000gモル-1、さらにより好ましくは少なくとも1,750,000gモル-1、最も好ましくは少なくとも2,000,000gモル-1、とりわけ少なくとも2,500,000gモル-1であることが好ましい。
第2の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量は、正確に同一の条件下で、しかしいかなる油状物質も存在しない状態(逆相乳化重合とは異なる溶液重合)で得られる重量平均分子量よりも高いことが好ましい。
第2の陽イオン性ポリマーの分子量分散度Mw/Mnは、1.0〜4.0、より好ましくは1.5〜3.5、とりわけ1.8〜3.2の範囲内にあることが好ましい。
第2の陽イオン性ポリマーの含量(CSCP)は、油中水型ポリマー分散物の総重量に基づいて1.0〜90重量%、より好ましくは5.0〜80重量%、より一層好ましくは15〜65重量%、さらにより好ましくは25〜60重量%、最も好ましくは30〜55重量%、とりわけ35〜50重量%の範囲内にあることが好ましい。
第2の陽イオン性ポリマーの第1の陽イオン性ポリマーに対する相対的重量比は、50:1〜0.1:1、より好ましくは30:1〜0.5:1、より一層好ましくは20:1〜1:1、さらにより好ましくは10:1〜2:1、最も好ましくは8:1〜5:1、とりわけ7:1〜6:1の範囲内にあることが好ましい。
第2の陽イオン性ポリマーおよび第1の陽イオン性ポリマーを含む、油中水型ポリマー分散物中に存在するポリマー混合物の重量平均分子量Mwは、GPC方法により測定して、1.5 106g/モルを超える範囲内にあることが好ましい。
第2の陽イオン性ポリマーは、水溶性または水膨潤性であることが好ましい。
本発明による油中水型ポリマー分散物は、
- 1重量%の水性分散物において、3,000〜20,000mPas、より好ましくは4,000〜18,000mPas、より一層好ましくは5,000〜16,000mPas、最も好ましくは6,000〜14,000mPas、とりわけ7,000〜9,000mPasの範囲内の溶液粘度(ブルックフィールドによる)、および/または
- 少なくとも750mPas、より好ましくは少なくとも1,000mPas、より一層好ましくは少なくとも1,250mPas、最も好ましくは少なくとも1,500mPas、とりわけ少なくとも1,750mPasの塩粘度
を有することが好ましい。
本発明による油中水型ポリマー分散物の好ましい実施形態A〜Dは、ここに以下のtable(表2)中に要約される:
実施形態A〜Dの好ましい変形形態1〜6を、以下の表3に要約する:
上表において、全ての百分率は、油中水型ポリマー分散物の総重量に基づく。
油中水型ポリマー分散物の好ましい成分、およびそれぞれのそれらの含量は、実施形態A〜Dの、変形形態1〜6との次の組合せからもたらされる: A1、A2、A3、A4、A5、A6、B1、B2、B3、B4、B5、B6、C1、C2、C3、C4、C5、C6、D1、D2、D3、D4、D5およびD6。例えば、「C4」は、実施形態Cの、変形形態4との組合せ、すなわち、25〜75重量%の水、5.0〜45重量%の少なくとも1種の脂肪族炭化水素、3.0〜9.0重量%の、HLB値3〜8を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、6.0〜13重量%の少なくとも1種の、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライド由来の第1の陽イオン性ポリマー、ならびにa) 2.5〜17.5重量%の、少なくとも1種の(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、およびb) 10〜50重量%の、少なくとも1種の(アルク)アクリルアミドに由来する少なくとも1種の第2の陽イオン性ポリマーを含有し、ここで、全ての百分率は、油中水型ポリマー分散物の総重量に基づく油中水型ポリマー分散物を意味する。
本発明による油中水型ポリマー分散物は液体であることが好ましい。粉末と比較すると、液体分散物はより添加し易い。粉末は通常、高価な調合設備を必要とする。
本発明による油中水型ポリマー分散物の全ポリマー含量は、油中水型ポリマー分散物の総重量に基づいて、少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、より一層好ましくは少なくとも35重量%、さらにより好ましくは少なくとも40重量%、最も好ましくは40重量%〜65重量%、とりわけ45重量%〜50重量%の範囲内であることが好ましい。
本発明による油中水型ポリマー分散物の特に好ましい実施形態において、ポリマー全体の含量の、油状物質全体の含量に対する相対的重量比は、10:1〜0.1:1、より好ましくは8:1〜0.5:1、より一層好ましくは6:1〜0.75:1、さらにより好ましくは4:1〜1:1、最も好ましくは3:1〜1:1、とりわけ2.5:1〜1.5:1の範囲内である。
場合によって、本発明による油中水型ポリマー分散物は、例えば、水溶性または油溶性酸および/または塩の形態における、さらなる従来の成分を含有できる。それぞれ全分散物に対して酸は、0.1〜3重量%の量で、また塩は0.1〜3重量%の量で存在することが好ましく、また酸および塩は一緒になって、分散物の総重量に対して最高で5重量%まで、好ましくは最高で4重量%までの量で存在することが好ましい。
前記さらなる従来の成分は、重合前、重合の間、または重合後に添加することができる。
水溶性有機酸および/または無機酸が存在していてよい。より具体的には、適切な有機水溶性酸は、有機カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、好ましくは脂肪族または芳香族モノ-、ジ-、ポリカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸、好ましくは酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、特に好ましくはクエン酸、アジピン酸および/または安息香酸である。適切な無機酸は、水溶性鉱酸、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸および/またはリン酸である。極めて特に好ましいのは、クエン酸、アジピン酸、安息香酸、塩酸、硫酸および/またはリン酸である。
アンモニウム、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属塩、好ましくはアンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよび/またはマグネシウム塩は、水溶性塩として使用することができる。このような塩は、無機酸または有機酸の塩、好ましくは有機カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸または鉱酸の塩であってよい。水溶性塩は、脂肪族もしくは芳香族モノ-、ジ-、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸の塩、好ましくは酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸もしくは安息香酸の塩、または硫酸、塩酸もしくはリン酸の塩であることが好ましい。水溶性塩として塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムおよび/または硫酸ナトリウムを使用することが極めて特に好ましい。しかし、塩は、追加添加しないことが好ましい。
これらの塩は、重合前、重合の間、または重合後に添加することができ、重合は、水溶性塩の存在下で行うことが好ましい。
その上、本発明による油中水型ポリマー分散物は、水溶性多官能性アルコールおよび/またはその脂肪アミンとの反応生成物を、第1の陽イオン性ポリマーに対して30重量%まで、好ましくは15重量%まで、より好ましくは10重量%までの量で含有していてよい。より具体的には、本文脈において適切なものは、ポリアルキレングリコール(好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)、分子量50〜50,000、好ましくは1,500〜30,000を有するプロピレン/エチレンオキシドのブロックコポリマー、低分子量多官能性アルコール(例えばグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリトリトール)、および/または多官能性水溶性アルコールとしてのソルビトール、および/または、これらの水溶性多官能性アルコールと、アルキルもしくはアルキレン残基においてC6〜C22を有する脂肪アミンとの反応生成物である。
前記水溶性多官能性アルコールおよび/またはその脂肪アミンとの反応生成物は、重合前、重合の間、または重合後に添加することができる。
本発明による油中水型ポリマー分散物は、アメリカ紙パルプ技術協会(TAPPI)の標準試験方法、すなわちT261pm-79方法(すなわち、ブリットジャー(Britt Jar)方法)による、少なくとも35%または少なくとも37.5%、より好ましくは少なくとも40%または少なくとも42.5%、より一層好ましくは少なくとも45%または少なくとも47.5%、さらにより好ましくは少なくとも50%または少なくとも52.5%、最も好ましくは少なくとも55%または少なくとも57.5%、とりわけ少なくとも60%または少なくとも62.5%の保持効果を示すことが好ましい。好ましい実施形態において、試験条件は、適用例A-3におけるように修正される。
本発明による油中水型ポリマー分散物は、従来の油中水型ポリマー分散物に優る下記のいくつかの利点を有する、例えば:
- 油中水型ポリマー分散物にとりわけ改良されたレオロジー特性を付与する、高分子量を有する第2の陽イオン性ポリマーを得ることができること;
- 油中水型ポリマー分散物の本質的な特性を著しく悪化せずに、第1の陽イオン性ポリマーおよび/または第2の陽イオン性ポリマーにおけるイオン性モノマー対非イオン性モノマーのモル比を広い範囲内で変動させることができること;
- 第1の陽イオン性ポリマーの化学的性質が、第2の陽イオン性ポリマーの化学的性質から実質的に独立していること;および
- 重合工程を複雑化せずに分枝剤、架橋剤および他の重合補助剤を組み込むことができること。
本発明による油中水型ポリマー分散物は、固/液分離工程における添加剤、例えば、紙における保持、または下水処理場における汚泥の脱水における添加剤として有用である。これらの油中水型ポリマー分散物は、特に紙の保持および脱水における灰分保持に関して、改良された適用性能を示す。本発明により得ることができる油中水型ポリマー分散物は、抄紙における優れた補助剤であるという予期されない利点を有しており、抄紙における保持剤および脱水剤として特に有用である。
本発明のさらなる態様は、好ましくは紙の製造における凝集剤(凝集薬剤)としての、好ましくは歩留向上剤および/または水切れ助剤としての、本発明による油中水型ポリマー分散物の使用に関する。
本発明のさらなる態様は、紙、板紙またはボール紙の製造方法であって、(ii)本発明による油中水型ポリマー分散物を水性セルロース系懸濁液に添加する工程を含む方法に関する。この方法はさらに、(i)さらなるポリマーを、このセルロース系懸濁液に添加する工程を含むことが好ましく、その際、工程(i)は工程(ii)の前に行うことが好ましい。
紙の製造方法は、セルロース系懸濁液を形成させる工程と、懸濁液を凝集させる工程と、場合によって懸濁液に機械的せん断力を加え、また場合によって懸濁液を再凝集させる工程と、スクリーン上で懸濁液から水切りして、シート(平判)に抄く工程と、次いでシートを乾燥する工程とを含むことが好ましく、その際、懸濁液は、本発明による油中水型ポリマー分散物を導入することによって凝集および/または再凝集させる。
本発明による油中水型ポリマー分散物は、驚くべきことに、改良された保持性能を有し、それにも拘らず良好な水切れ性および地合い性能が維持される点で、改良された性能をもたらすことが明らかとなった。本油中水型ポリマー分散物は、セルロース系抄紙用紙料のセルロース系繊維および他の成分を、より効率的に凝集させ、保持の向上を促進する。
本発明による紙の製造方法において、本油中水型ポリマー分散物は、セルロース系懸濁液を凝集させ次いで再凝集させる多成分凝集剤系の一部として添加することができることが好ましいが、本油中水型ポリマー分散物は、抄紙工程における唯一の処理剤として抄紙用紙料に添加することができる。
本発明の一態様において、セルロース系懸濁液は、本油中水型ポリマー分散物(凝集剤)によって凝集された後、セルロース系懸濁液は、本油中水型ポリマー分散物(再凝集剤)のさらなる添加によって再凝集されるか、あるいは別法として、他の凝集材料(再凝集剤)によって再凝集される。場合によって、形成されたフロックは、再凝集される前に、例えば、機械的せん断力を加える工程によって分解される。これは、例えば、凝集したセルロース系懸濁液を、遠心スクリーン(centri-screen)またはファンポンプなどの1つまたは複数のせん断装置に通す工程であってよい。
本発明における代替的形態では、セルロース系懸濁液は、凝集材料(凝集剤)を導入する工程によって凝集され、このセルロース系懸濁液が、本油中水型ポリマー分散物(再凝集剤)を導入する工程によって再凝集される。場合によって、再凝集の前にフロックを分解する。
セルロース系懸濁液は、凝集剤を、任意の適切な添加点で懸濁液に投入することによって凝集させることができる。この地点は、例えば、1つのポンプ工程の前、または遠心スクリーンの前であってよく、または遠心スクリーンの後であってもよい。次いで、セルロース系懸濁液を、それが凝集した後、任意の適切な点で再凝集させることができる。凝集剤および再凝集剤は、極めて接近して、例えば、これらの添加の間に全くせん断工程を入れないで添加することができる。凝集剤の添加と再凝集剤の添加を分ける、少なくとも1つのせん断工程(洗浄工程、ポンプ工程および混合工程から選択される)が存在することが好ましい。せん断工程、例えばファンポンプまたは遠心スクリーンの前に、凝集剤を適用する場合、そのせん断力工程の後で、再凝集剤を添加することが望ましい。この添加は、せん断工程の直後、またはより通常には、さらに後であってよい。したがって、凝集剤を、ファンポンプよりも前に添加することができ、再凝集剤を、遠心スクリーンの後で添加することができる。
したがって、油中水型ポリマー分散物を、凝集剤および/または再凝集剤として添加する。
本油中水型ポリマー分散物は、紙料に、固形分含量に基づいて5〜5,000ppm、より好ましくは50〜2,500ppm、最も好ましくは200〜1,000ppmの添加量で添加することができる。
本油中水型ポリマー分散物は、多成分凝集剤系の一部として抄紙工程において使用される場合、凝集剤および/または再凝集剤として添加することができる。本発明の好ましい一態様では、多成分凝集剤系は、本油中水型ポリマー分散物および異なる凝集材料を含む。この凝集材料は、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー質マイクロビーズ、微粒状未蒸解多糖および無機材料からなる群の任意のものであってよい。適切な凝集材料には、シリカ質材料、ミョウバン、クロルヒドロキシアルミニウム(aluminium chloro hydrate)およびポリ塩化アルミニウムなどの無機材料が含まれる。
凝集材料が水溶性ポリマーである場合、任意の適切な水溶性ポリマー、例えば、生体ポリマー、例えば非イオン性、陽イオン性、アニオン性および両性のデンプンまたは他の多糖などであってよい。凝集材料は、任意の適切な陽イオン性、アニオン性、両性および非イオン性の合成水溶性ポリマーであってもよい。
凝集材料は、アニオン性微粒子状組成物の形態にあるシリカ質材料であってよい。シリカ質材料には、シリカ系粒子、コロイドシリカ、シリカミクロゲル、シリカゾル、シリカゲル、ポリケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、ポリアルミノケイ酸塩、ポリホウケイ酸塩、ゼオライトおよび粘土が含まれる。粘土は膨潤性粘土が好ましく、例えばこれは典型的にはベントナイト型粘土であってよい。好ましい粘土は水中膨潤性であり、天然に水膨潤性である粘土、または、例えばイオン交換により改質されてそれらが水膨潤性となり得る粘土が含まれる。適切な水膨潤性粘土には、しばしばヘクトライト、スメクタイト、モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ホルマイト、アタパルジャイトおよびセピオライトと呼ばれる粘土が含まれるが、それらに限定されない。
別法として、凝集材料は、ポリケイ酸塩およびポリアルミノケイ酸塩から選択されるコロイド状シリカである。コロイド状シリカには、1,000m2/gを超える表面積のポリ微粒子性ポリケイ酸ミクロゲル、例えば、水溶性ポリ微粒子性ポリアルミノケイ酸塩ミクロゲルまたはアルミネートポリケイ酸が含まれる。さらに凝集材料は、コロイド状ケイ酸であってよい。
凝集材料は、コロイド状ホウケイ酸塩であってもよい。コロイド状ホウケイ酸塩は、アルカリ金属ケイ酸塩の希釈水溶液を、陽イオン交換樹脂と接触させて、ケイ酸を生成させる工程、および、次いで、アルカリ金属ホウ酸塩の希釈水溶液をアルカリ金属水酸化物と一緒に混合して、B2O3 0.01〜30%を含有し、7〜10.5のpHを有する水溶液を形成させることによりヒール(heel)を形成させる工程によって調製することができる。
セルロース系紙料懸濁液は、填料を含むことができる。填料は、任意の従来使用されている填料材料であってよい。例えば、填料は、カオリンなどの粘土であってよく、あるいは、填料は、炭酸カルシウムであってよく、これは微粉砕炭酸カルシウムまたは特に沈降性炭酸カルシウムであってよく、あるいは填料材料として二酸化チタンを使用することが好ましい。他の填料材料の例には、合成ポリマー質填料(filles)も含まれる。抄紙用紙料は、任意の適切な量の填料を含むことができる。一般に、セルロース系懸濁液は、少なくとも5重量%の填料材料を含む。典型的には、填料の量は、最高で40%までかまたはそれ以上、好ましくは填料10重量%〜40重量%である。
本油中水型ポリマー分散物と一緒に使用する凝集材料は、水溶性エチレン性不飽和モノマーまたはモノマーブレンドから形成されるアニオン性、非イオン性、陽イオン性、または両性の分岐水溶性ポリマーであってよい。例えば、分岐水溶性ポリマーは、a)1.5dl/gを超える固有粘度、および/または約2.0mPa.sを超える塩性ブルックフィールド粘度を示し得る。
別法として、本油中水型ポリマー分散物と一緒に使用する凝集材料には、架橋したアニオン性または両性のポリマー質ミクロ粒子が含まれる。
特に好ましい方法は、凝集剤として本油中水型ポリマー分散物を含み、次いで再凝集剤としてアニオン性凝集材料を含む多成分凝集系を用いる。アニオン性凝集材料には、ミクロ微粒子性シリカ、ポリケイ酸塩などのシリカ質材料、アニオン性ポリマー質マイクロビーズ、ならびに、線状および分岐水溶性ポリマーの両方を含む水溶性アニオン性ポリマーが含まれる。
本発明による紙の製造方法は、少なくとも15g/m2、より好ましくは少なくとも20g/m2、より一層好ましくは少なくとも25g/m2、さらにより好ましくは少なくとも30g/m2、最も好ましくは少なくとも35g/m2、とりわけ少なくとも40g/m2の坪量を有する紙の製造向けであることが好ましい。
紙の製造方法の特に好ましい実施形態では、さらなるポリマーを、好ましくは本油中水型ポリマー分散物を投入する前に、セルロース系懸濁液に添加する。すなわち、前記さらなるポリマーの供給点は、本油中水型ポリマー分散物の供給点に対して、抄紙機上の「上流(upstream)」に位置することが好ましい。さらなるポリマーの供給点は、例えば、1つのポンプ工程の前、または遠心スクリーンの前であってよい。さらなるポリマーおよび本油中水型ポリマー分散物を、極めて接近させて、例えば、これらの添加の間にせん断力工程を全く入れないで添加してもよい。
前記さらなるポリマーは、構造および/または分子量分布において、本油中水型ポリマー分散物中に存在し、その存在下で系内の重合反応を行う第1の陽イオン性ポリマーと同一であってよい。しかし、前記さらなるポリマーは、本油中水型ポリマー分散物中に存在する第1の陽イオン性ポリマーとは異なることが好ましい。本油中水型ポリマー分散物に関連して上記において記述した第1の陽イオン性ポリマーの好ましい実施形態は、紙の製造方法において追加的に使用されることが好ましい、前記さらなるポリマーにも当てはまる。
このさらなるポリマーは、
- 30〜95重量%の、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、アルケニルトリアルキルアンモニウムハライドおよび/もしくはジアルケニルジアルキルアンモニウムハライド、ならびに5〜70重量%の、非イオン性コモノマー、好ましくはアクリルアミド、または
- エピクロロヒドリンおよびジアルキルアミンの共重合化物
に由来する(から合成される)ことが好ましい。
二重凝集系における凝集剤として、本発明による油中水型ポリマー分散物を用いる場合、それぞれ優れた保持および水切れ性能を、良好な地合いと組み合わせることができることが、驚くべきことに見出されている。通常、保持/水切れ性能と地合い性能とは、互いに相反するものであるが、驚くべきことに本発明による油中水型ポリマー分散物の特性は、両方に関して有利なものである。本油中水型ポリマー分散物により、保持および水切れ性能について十分に確立された尺度である、灰分保持の著しい改良が示される。
本発明による油中水型ポリマー分散物を、第1の陽イオン性ポリマーを含有しない従来の油中水型ポリマー分散物と比較すると、灰分保持値が実質的により良好である。
さらに、本発明による油中水型ポリマー分散物を、油状物質を含有しない従来の油中水型ポリマー分散物と比較すると、灰分保持が実質的に改良されている。
下記の実施例は、本発明をさらに例証するが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1)
[第1の陽イオン性ポリマー(より低い重量平均分子量)の調製]
最初に、343gのDIMAPA quat、215gの水、および412gのアクリルアミドを、2L容器内に計り入れた。硫酸を使用してpH値7に調整した。次いで200rpmで撹拌することによって、このモノマー溶液を、窒素により30分間泡立てた。その後、この水溶液を65℃まで加熱し、このフラスコにメルカプトエタノールおよびVA-044を添加した。t最大に達した後、生成物をさらに12分間撹拌した。次いで、残留モノマーを使い切るため、開始剤のさらなる部分を生成物に供給した。ここで生成物を95℃で2時間撹拌した。その後、最終水性生成物を30℃まで冷却した。
[逆エマルジョン中、第1の陽イオン性ポリマーの存在下での第2の陽イオン性ポリマー(より高い重量平均分子量)の調製]
最初に、水性相を構成した。528gのアクリルアミド(50重量%)、0.7gのVersenex 80、238gのADAME quat(80重量%)、68gの水、0.3gのギ酸(20重量%)、および170gの第1の陽イオン性ポリマーを2Lビーカーに充填した。撹拌しながら硫酸を使用してpHを3に調整した。次いで2Lビーカー内で、33gのZephrym 7053、14gのPlex 3059 L、6gのIntrasol FA 1218/5、247gのパラフィン油および開始剤V-65を混合して有機相を調製した。激しい撹拌下で、水性相を有機相に添加した。その後、この逆エマルジョンを、固定撹拌機、温度計、および蒸留装置を取り付けた2Lガラス反応容器に充填した。ここで逆エマルジョンを真空にした。エアストリッピングした30分後、このエマルジョンを反応温度55℃まで加熱した。負圧下の蒸留物の量は120mlであった。蒸留の後、真空を取り除いた。最高温度に達した後、エマルジョンをさらに15分間撹拌した。再び真空を掛け、容器を40℃まで放冷した。モノマー含量を減らすために、逆エマルジョンに、撹拌しながら2gのパーオキソジ硫酸ナトリウム(25重量%)および11gの重亜硫酸ナトリウム(25重量%)を添加した。数分後、最終生成物に、撹拌しながら30gの活性化剤(Atpol I 4792)を添加した。
上記の条件下で、3種の異なる第2の陽イオン性ポリマーA、B、およびCを、それぞれ合成した:
モノマー:
DIMAPA quat-アクリロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(=ジメチルアミノプロピルアクリレート、四級化されたもの)、
ADAME quat -アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド。
他の成分:
Versenex 80 -キレート化剤、
Plex 3059 L -せん断安定剤、
Intrasol FA 1218/5 -乳化剤、
Zephrym 7053 -乳化剤、
Atpol I 4792 -活性化剤、
VA-044 -開始剤、
V-65 -開始剤。
(実施例2)
高品質の壁紙を製造する工場からの紙料および白水を使用して、実験室試験を行った。図2および3は、この試験の結果を示し、同一の配合量および分子量による従来のエマルジョンポリマーと比較して、本発明による二重ポリマー技術(実施例1による生成物B)による水切れ性および保持の向上を実証している。
(実施例3)
図4は、填料として微粉砕炭酸カルシウム(GCC)を有する標準的再生紙(recycled paper)についての実験室試験における、本発明による二重油中水型ポリマー技術(実施例1による生成物A)の相乗的な利点を例示する。この実験室試験では、従来の低配合量の陽イオン性エマルジョン凝集剤2ポンド/t(1kg/t)(下側の棒)を添加して、灰分保持を記録した。実験を繰り返して、この凝集剤に低分子量ポリマーを添加して補い、改良された灰分保持を観察した(中間の棒)。最終の実験において、両上記成分および添加量を一定に保持したが、2種のポリマーを、低分子量ポリマー(第1の陽イオン性ポリマー)の存在下で高分子量ポリマー(第2の陽イオン性ポリマー)を合成した二重生成物として適用すると、相乗作用利益が観察した(上側の棒)。
(実施例4)
DIP:TMPを75:25の比率で使用するデュオフォーマー抄紙機(duo-former machine)で286,000トン/年(260,000t/a)を生産する新聞巻取紙製造業者は、二重ポリマー(実施例1による生成物B)を利用して、図5において示されるように使用した歩留向上剤の量を低減し、より高い填料効率を達成した。
上記の実施例は、本発明による油中水型ポリマー分散物が、製紙業者により求められる優れた保持の基準を満たすことを実証している。本製品は、灰分保持および水切り性に関して標準的製品よりも、より良好な結果を示している。特に、本二重油中水型エマルジョン(W/O)は、灰分保持を向上させ、より少ない製品消耗をもたらす。

Claims (15)

  1. 油中水型ポリマー分散物の調製方法であって、
    (a)
    水と、
    油状物質と、
    油中水型乳化剤と、
    1種または複数種の陽イオン性モノマーおよび1種または複数種の非イオン性モノマーを含むモノマー混合物に由来する第1の陽イオン性ポリマーであって、陽イオン性モノマーの含量がモノマーの総重量に基づいて最高で95重量%までである、第1の陽イオン性ポリマーと、
    ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーと
    を含み、
    場合により1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマー
    を含んでいてもよい、油中水型モノマー分散物を調製する工程;ならびに
    (b)ラジカル重合可能な前記陽イオン性モノマー、および、前記場合によって存在していてもよい1種または複数種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーを、ラジカル重合させて、第2の陽イオン性ポリマーを得る工程
    を含む方法。
  2. 前記第1の陽イオン性ポリマーが、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、アルケニルトリアルキルアンモニウムハライド、およびジアルケニルジアルキルアンモニウムハライドからなる群から選択される1種または複数種の陽イオン性モノマーを含むモノマー混合物に由来する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の陽イオン性ポリマーが、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピルアクリルアミド、ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、およびスチレンからなる群から選択される1種または複数種の非イオン性モノマーを含むモノマー混合物に由来する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記油状物質が、脂肪族炭化水素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーが、(アルク)アクリル酸誘導体である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記(アルク)アクリル酸誘導体が、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド、アルケニルトリアルキルアンモニウムハライド、およびジアルケニルジアルキルアンモニウムハライドからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記1種または複数種のエチレン性不飽和コモノマーが、(アルク)アクリルアミドを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーの含量が、前記ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーおよび前記ラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーの合計量に基づいて0.1〜50モル%の範囲内にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記油状物質が、炭素原子6〜30個を含有する脂肪族炭化水素であり、かつ/あるいは
    前記第1の陽イオン性ポリマーが、(アルク)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムハライドを含む1種または複数種のモノマーに由来し、かつ/あるいは
    前記ラジカル重合可能な陽イオン性モノマーが、(アルク)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライドであり、かつ/あるいは
    前記ラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーが、アクリルアミドを含む、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 水、油状物質、油中水型乳化剤、第1の陽イオン性ポリマー、および第2の陽イオン性ポリマーを含む油中水型ポリマー分散物であって、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる分散物。
  11. 第2の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量Mwが、第1の陽イオン性ポリマーの重量平均分子量Mwよりも高い、請求項10に記載の油中水型ポリマー分散物。
  12. 重量%単位の第1の陽イオン性ポリマーの陽イオン性:+FCP、重量%単位の第1の陽イオン性ポリマーの含量:CFCP、重量%単位の第2の陽イオン性ポリマーの陽イオン性:+SCP、および重量%単位の第2の陽イオン性ポリマーの含量:CSCPが、下記の必要条件:
    を満たす、請求項10または11に記載の油中水型ポリマー分散物。
  13. 10〜90重量%の水と、
    0.1〜60重量%の少なくとも1種の油状物質と、
    0.1〜25重量%の少なくとも1種の油中水型乳化剤と、
    0.1〜30重量%の少なくとも1種の第1の陽イオン性ポリマーと、
    少なくとも1種の第2の陽イオン性ポリマーであって、
    0.1〜30重量%の少なくとも1種のラジカル重合可能な陽イオン性モノマー、および
    1.0〜90重量%の少なくとも1種のラジカル重合可能なエチレン性不飽和コモノマーに由来する第2の陽イオン性ポリマーと
    を含有する(全ての百分率は、油中水型ポリマー分散物の総重量に基づく)、請求項10から12のいずれか一項に記載の油中水型ポリマー分散物。
  14. 凝集剤としての、請求項10から13のいずれか一項に記載の油中水型ポリマー分散物の使用。
  15. 水性セルロース系懸濁液に、請求項10から13のいずれか一項に記載の油中水型ポリマー分散物を添加する工程を含む、紙、板紙、またはボール紙の製造方法。
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