上気道の検査及び挿管を可能とするビデオに基づく挿管喉頭鏡及びシステムのいくつかの実施例を下記に示す。このシステムは患者の声門を見て、患者の喉頭蓋を移動させ、声門開口を観察し、声門及び/または声門開口やその周辺領域を含む患者の上気道の構造のビデオ画像を、喉頭鏡ユーザによって観察可能なビデオモニタへ送るように構成された、ビデオ喉頭鏡の実施形態にかかる。気管内チューブ(ETT)は、患者の口腔内に配置される。患者のGAに対する気管内チューブの位置は、ビデオモニタに示された画像から観察される。モニタに示されたビデオ画像に基づいて、ETTは、ETTのルーメン内にある付属の探り針によって、患者の声門の開口を通って気管へ進められる。
喉頭鏡の実施形態は実質的に透明でその中にビデオバトンが挿入される使い捨てのハウジングまたはシースを含む。ビデオバトンは、喉頭鏡のブレードの後ろ側に配された光学ウィンドウに対して末端(遠位)側にもたらされるビデオカメラと光源を含む。ビデオバトンによって取得された画像は喉頭鏡ユーザによって観察可能なビデオモニタへ送られる。ブレードは、患者の溝[vallecula]と係合することによって喉頭蓋を移動させ、あるいはその代わりに喉頭蓋を直接持ち上げ、声門開口を見せるために用いられる。探り針を備えるETTは、直接視の下で口に挿入され、ETTの先が喉頭鏡のブレードの末端側部分及び声門開口の基部(近位)において、またはその近くで、ビデオモニタの画像に示されるまで、前進させられる。そして、モニタを観察しながら、探り針が取り除かれるとともに、ETTは声門開口を通って患者の気管内に前に進められる。
観察可能なディスプレイモニタによって、支障のない、リアルタイムの、またはライブの映像がすぐに得られる、特定の構成によって、改善された挿管速度及び挿管の精度が達成される。ビデオ喉頭鏡の構造によって、リアルタイムで喉頭鏡を移動し、ETTが声門開口を通って前進する直前に、ビデオ喉頭鏡に基づいてETTの先端を声門開口に最適に揃えるといった目標の補助を提供する。ビデオ喉頭鏡は、ディスプレイモニタに喉頭、声帯、及び喉頭エリアのはっきりした直接の映像を供給し、声門開口に向かうあるいは声門開口を通るETTの軌道を制御する手段を提供する。
喉頭鏡は、ハンドル、ビデオカメラによって視覚化される声門開口を見せるために声門に係合するように構成されたブレード、及び喉頭鏡ブレードの後ろ側に配されるとともに末端側に接続される照明ユニット、を含む。ビデオに基づく喉頭鏡の実施形態は、殺菌及び再利用可能な材料で構成され、あるいは選択的に、除去可能なビデオカメラや内部チャンバに配された照明部材を収容する使い捨て可能な部分を含んで、構成される。除去可能なビデオカメラ及び照明部材は、内部チャンバ内に十分に密閉され、水分または流体がビデオカメラ及び照明部材の内部の光学式の電子機器に至らないようになっている。また他の実施形態では、使い捨て可能な喉頭鏡アダプターまたはシースが、取り外しできないカメラが装着された喉頭鏡に対して、取り外し可能に取り付け可能に構成され、殺菌された表面を清潔にし、ビデオに基づく喉頭鏡の洗浄あるいは汚染除去手順を行う必要のない再利用を可能にするかもしれない。
下記に示される例示的な実施形態は、ビデオカメラユニットを取り外し可能に収容するように構成される喉頭鏡ハウジングまたはシースを有する装置含む。喉頭鏡シースはハンドル及びブレードを内部チャンバに備える。内部チャンバは挿入可能なビデオカメラユニットを収容するように構成され、ビデオユニットは内部チャンバ内に固定される。ビデオユニットはビデオカメラ及びレンズビュー内における解剖範囲を照らす光源を含む。
保持具またはタブはハンドル部分に近いチャンバの内壁に配され、ビデオカメラの表面に対して取り外し可能に係合し、ビデオカメラユニットのレンズ部分は光学的にクリアなウィンドウの内側に配置され得る。チャンバは、ビデオカメラユニットを収容し、保持具とビデオユニットの表面また構造との係合によりビデオユニットのレンズをウィンドウの内側の近くにあるいは対向させて固定して配置するように、設計される。ビデオカメラ喉頭鏡のハウジングまたはシースの他の例示的な実施形態は、ハンドル、ブレード及び内部チャンバなどのノンウィンドウ部分が、透明、半透明、または不透明であるかもしれない。さらに他の実施形態では、ウィンドウがカメラのフォーカスレンズにもなる。いくつかの実施形態では、保持具は例えばテーパ構造または対するハンドルの構成に対して偏心構造に構成され、ビデオバトンの末端端部及びカメラをウィンドウに対してしっかりと押し、それによってカメラとウィンドウとの間の空気及び/または水分の存在を最小とする。空間及び水分の存在はカメラのくもりの原因となる。加えて、ウィンドウがフォーカスレンズでもある場合にはカメラのレンズに対する配置が画質にとって重要となる。
喉頭鏡のハウジングまたはシースは、シングルユーズ用の材料で構成され使い捨て可能に構成され、あるいは洗浄、汚染除去、及び/または殺菌処理がしやすい材料で構成されることにより再利用可能であり、あるいは使い捨て可能なシースの内側部分に配されたロックタブによって取り外し可能に固定される他の挿入可能なビデオ喉頭鏡とのマルチユーズ用に、構成される。
ビデオ喉頭鏡は、透明または不透明な使い捨て可能なシースに固定され、患者の口内に挿入され、透明または不透明な使い捨て可能なシースの光学的にクリアなポートを通って、クリアなカメラビューを提供し、気管内の手順が行われることを許容するかもしれない。透明または不透明な使い捨て可能なシースは殺菌可能であり、特定の患者に一度のみ使用されるかもしれない。バトン型のビデオ喉頭鏡は取り外し可能で、患者から取り除かれた後に使い捨て可能なシースから除去可能であって、他の患者への挿入のために他の殺菌可能で使い捨て可能なシースに再び挿入されるように、構成されてもよい。変形として、再利用可能なシースに、臨床検査が完了した後に、高度消毒が行われてもよい。他の実施形態において、挿入されたビデオバトンをシースの内部チャンバから除去あるいは取り外す際に脆弱なタブが破壊されてシースのチャンバ内の固定用に利用することができなくなるような脆弱な構造の保持具あるいはタブの構築により、シースの意図的なシングルユーズを強化することができる。
記述された実施形態は、カメラレンズを接触して収容する光学的にクリアな観察ウィンドウを有し透明または不透明な使い捨て可能なシースに、挿入可能であって、再利用可能な、ビデオ喉頭鏡を包含する。再利用可能なビデオ喉頭鏡は、透明または不透明な使い捨て可能なシース内に配されたロックタブと相補的な形状のビデオ喉頭鏡の柱及び突起によって、取り外し可能に固定されるように構成される。透明または不透明な使い捨て可能なシース内に固定されたビデオ喉頭鏡は、患者の口内に挿入されて、透明または不透明な使い捨て可能なシースの光学的にクリアなポートを通って、クリアなカメラビューを提供し、気管内の手順が行われることを許容するかもしれない。透明または不透明な使い捨て可能なシースは事前に殺菌され、特定の患者へ一度のみ使用されてもよい。バトン型のビデオ喉頭鏡は使い捨て可能なシースから取り外し可能で除去可能に構成され、患者から取り除かれ、別の患者への挿入のための他の殺菌された使い捨て可能なシースに再挿入されるように構成される。再利用可能なビデオ喉頭鏡バトンは、一連の臨床検査が完了した後に、高度消毒が行われてもよい。
ここに示される他の実施形態は、ハンドルと、光学的にクリアなウィンドウを有するブレード、ハンドル及びカメラを収容するように構成されたチャンバ、及びビデオ喉頭鏡ハンドルの少なくとも一つの表面に係合するように構成されたロックタブ、を有する透明なシースと、を備えるビデオ喉頭鏡を有するビデオ喉頭鏡システムを含む。この構成により、ビデオ喉頭鏡がシースまたはスタットのチャンバに挿入され、ロックタブが少なくとも一つの表面に係合することによってチャンバ内にビデオ喉頭鏡が嵌合して、カメラがスライド可能に運ばれてクリアウィンドウに当接することを提供する。他の実施形態では、少なくとも一つのロックタブとして、喉頭鏡ハンドルの少なくとも一つの面に係合可能な接続テーパ楔を含む。バトン型のビデオ喉頭鏡は、使用後に使い捨て可能なシースから取り外し可能であって、除去可能であり、異なる患者に適用するために他の無菌の使い捨て可能なシースにすぐに挿入できる。
ビデオバトンのカメラは、声門開口からある距離において角度のある視覚及び広角視を許容するのに有効なカメラの配置を提供するために、使い捨て可能なシースのブレードの中間近くの角度位置に配置されるCCDまたはCMOSの構造を含んでもよい。
図1は取り外し可能なビデオバトン30を収容するように構成された殺菌可能なシース12を備える喉頭鏡10の実質的側面図であって、部分的に斜視を示す図である。ビデオバトン30は殺菌可能なシース12の内部に配置可能であって、取り外し可能に固定できる。ビデオバトン30は非可撓性のハンドル33と、ハンドル33から延びる可撓ケーブル34と、ビデオカメラと、ケーブル34から延びてビデオバトン30の先端に配置される照明部材35と、を含む。ハンドル33の基端側から延びるのは電力及びビデオのケーブル38であって、後の図24A及び26に示されるアナログまたはデジタルのビデオモニタ610に接続可能である。ビデオバトン30は独立した殺菌可能なシース12によってマルチユーズに用いられ、個別のシース12は患者の事象にシングルユーズの用途で使われる。殺菌可能なシース12は透明または不透明であって、チャンバ24を形成するシースハンドル13を含む。チャンバ24はビデオバトン30と同様の形状で僅かに大きく構成される。シース12は湾曲した頂部20を有する2つの凹形のV型受け台18を含んでいる。図5に示すように、V型受け台18は互いに正反対の位置に対向して配置されている。湾曲した頂部20とV型受け台18の開口との間には側部固定またはロックタブ22が配置されている。ロックタブ22は殺菌可能なシース12の内側面に備わっている。
シース12は基端にチャンバ24を備えている。チャンバ24はビデオバトン30を収容するために開口している。前側の部分は基部側ブレード部分14と末端側ブレード部分16を備えている。声帯を持ち上げ、あるいは患者の溝Vに係合して、声帯EPIの声帯開口GAを見えるようにするための、末端側ブレード部分は、先端部19を終端としている。シース12の後ろ側にはウィンドウ17が配され、ビデオバトン30のビデオカメラ及び照明部材35は、ビデオウィンドウ17を終端とし、挿入時には末端側に向かって案内される。
V型受け台18は凸形状であって湾曲した頂部20を有する。拡大図に示されるように、ロックタブ22は2つの接続楔面22A,22Bを含む。楔面22AはV型受け台18の開口部分に対面し、楔面22BはV型受け台18の湾曲した頂部20に対面する。ビデオバトン30は、バトンハンドル33と、ケーブル34と、カメラ35と、バトンハンドル33の対向する側部に配置される実質的円形の側柱36と、ビデオカメラ及び照明部材35と後に図24A、図26に示すテレビまたはコンピュータモニタなどのような表示機器との間で光学的情報信号を送るための電線管38と、を含む。側柱36はロックタブ22に取り外し可能に係合して、ビデオバトン30をシース12内に固定するとともに、患者内で喉頭鏡の手順を行った後にすぐに取りはずせるようになっている。
使い捨て用に意図されて包装され、取り外し可能に固定可能なビデオバトン30が透明なシース12から取り外された後に廃棄される殺菌可能なシース12は、再利用可能な実施形態において、病原体を破壊するために洗浄及び汚染除去が行われてもよく、あるいはオートクレーブや他の滅菌プロセスによって、病原性または非病原性の組織体を破壊してもよい。再滅菌プロセスはオートクレーブスチーム処理、オートクレーブスチーム及び酸あるいは他の化学煙霧の混合物、ガンマ線照射プロセス及び例えばエチレンオキシド滅菌などの化学殺菌プロセス、を含んでもよい。状況によって、殺菌可能なシース12には、病原体を破壊するために、乾熱に基づく、湿熱に基づく、あるいは化学薬品に基づく、汚染除去処理が行われてもよい。
図2は取り外し可能なビデオバトン30の、殺菌可能なシース12の開口24への挿入時を示している。その中でバトンの側柱36は、側部固定タブ22に摺動可能に係合し、側部固定タブ22の楔22Aの傾斜面を越えて中間地点を通過しているところが示されている。ビデオ及び照明部材35は光学的に透明なビデオウィンドウ17に向かって不完全に移動した状態であって、まだ接していない状態が示される。
図3はビデオバトン30のシース12のチャンバ24への挿入移動完了を示す。その中で、バトンの側柱36はタブ22の楔22A及び22Bの傾斜面を越えて移動し、V型受け台18の湾曲した頂部及び側部固定タブあるいはロック22の内側斜面22Bに保持される。カメラ35は光学ウィンドウ17に当接する。
図4は、図3に示されるバトンの側柱36及びシースの側部のロックタブ22の拡大を示す。ここで側柱36は小さい方の楔面22Bと受け台18の湾曲した頂部20に係合し、喉頭鏡手順においてスタットまたはシース12の中にあるビデオバトン30をしっかり保持する。
図5は、シース12のV型受け台18に完全に係合して固定されるビデオバトン30が備えられたシースのチャンバ24を示す。ロックタブ22はビデオバトン30の側柱36に完全に係合している。
図6は使い捨ての殺菌可能なシース52を有するビデオ喉頭鏡システム50の実質的側面図を示し、シース52はカメラ55を備える取り外し可能なビデオバトン70を収容するとともに、ビデオバトンの側部突起76と後リップ78がシース52の内側支持部72及び後ろ側ロックタブ80にそれぞれ係合して固定されるように構成される。殺菌可能なシース52はビデオバトン70が挿入固定可能なチャンバ44を含む。殺菌可能なシース52は透明または不透明である。カメラ55は透明なシース52の光学的に透明なウィンドウ57に当接可能に接近するようにもたらされる。バトン70のハンドル73はシースのハンドルのチャンバ53を塞ぐように構成されていてもよい。
図7は実質的にビデオ喉頭鏡システム50の後ろ側の透視図を示し、チャンバ44を示している。チャンバ44においてシース縁79に連続するバトンハンドルチャンバ53の壁には内側支持部72が配置され、後側のロックタブ80がシース縁79上に搭載され、それぞれバトンハンドル73の突起76と後リップ78に係合する。
図8は図6の取り外し可能なビデオバトン70の殺菌可能なシース52内への挿入時の後ろ側の透視図を示す。ここでロックタブ80はまだバトン70の基部側のリップ78に当接可能に係合してはいない。
図9は、図6の取り外し可能なビデオバトン70の殺菌可能なシース52内への挿入時における、一部分の側面図を示す。ここでロックタブ80はまだバトン70の基部側のリップ78には係合していない。同様に、バトン30の突起76もまだシース52の側支持部72に対して当接可能に係合してはいない。この側面視において、バトン30の突起76はシース52の側支持部72と相補的なカーブ形状を有するのが示され、その中で側支持部72は中央のカップ状の凹部74を有し、それはバトン70の側支持部72から延びる凸形状の半円球またはセンタリングピン77を収容する。
図10は、図6の殺菌可能なシース72に挿入されて固定された取り外し可能なビデオバトン70の後方透視図を示す。ここでシース52のタブ80はバトン70のエッジまたはリップ78を囲むように曲げられてしっかりと保持するようになっている。
図11は図6の殺菌可能なシース52に挿入され固定された取り外し可能なビデオバトン70の部分の側方の透視図を示す。ここでバトン70のエッジ78を囲んでしっかり保持するように曲げられたシース52のタブ80、及びシース52の側支持部72は、エッジ78またはリップ76の表面とバトン70のセンタリングピン77にそれぞれ係合する。
図12A−Gは、図1に示されるシース12の実施形態12Aの構造の平面及び断面を示す。上、下、左、右、透視、前及び断面の図が示され、あるシースハンドル13の構造における末端のブレード部分16Aの異なる方位が表される。シース12Aはビデオバトン30が占めるチャンバ24を含む。ハンドル13は基部のブレード部分14及び末端のブレード部分16上に、密閉シールを用いて成型される。シース12Aは、実質上、ウィンドウ17の領域において、フラッシュ、突き出たゲートマーク、傷、しみ、気泡あるいは溶接線無しに製造される。また、シース12Aは実質的に、指紋、グリース、汚れ、あるいは他の汚染がない。特定の実施例では、シース12Aは再研磨や再利用の樹脂ではないオリジナルの樹脂材料を含んでもよい。樹脂成型プロセスは離型剤を使用せず、LEXAN HPS1のためのSabic/GE プラスチック処理ガイドに従う。28mm,22.7mm,19.6mm,8.0mm,38.1mm,15mm,及び2mm径は図12Dに例示される。同様に119.7mm,22.7mm,31.5mm,8.6mm及び4.17mm径は図12Gに例示される。
図13A−Gは、図1に示されるシース12の他の実施例12Bの構造の平面及び断面を示す。上、下、左、右、透視、前及び断面視の図が示され、あるシースハンドル13の構造における末端側のブレード部分16Bの異なる方位が表される。シース12Bはビデオバトンが占めるチャンバ24を含む。シース12Bの製造プロセスは実質的に図12A−Gのシース12Aと同様である。径はこれらの図に例として示される。
図14A−Eは図6に示されるシース52の実施例52Aの構造の平面及び断面を示す。上、下、左、右、透視及び前からの図が示され、あるハンドル53の構造における舌ブレード56Aの異なる方位が表される。シース52Aはビデオバトン70が占めるチャンバ44を含む。ハンドル53は基部のブレード部分14及び末端のブレード部分16に密閉シールを用いて超音波溶接される。シース52Aは実質的に、ウィンドウ57の領域において、フラッシュ、突き出たゲートマーク、傷、しみ、気泡あるいは超音波溶接線なしに製造される。また、シース52Aは実質的に指紋、グリース、汚れ、あるいは他の汚染がない。シース52Aの特定の実施例はオリジナルであって、再研磨や再利用樹脂ではない樹脂材料を含んでもよい。樹脂成型プロセスはK−樹脂SBC KRO3のためのシェブロンフィリップス[Chevron Phillips]・プラスチック加工ガイドに従う。シース52Aの他の特定の実施形態は離型剤を使用せずに製造される。ブレース61,62は光学ウィンドウ57の下縁にわたりフランジ59を固定する。これらの図に示される方位は例示である。
図15A−Eは図6に示されるシース52の他の実施形態52Bの構造の平面及び断面を示す。上、下、左、右、透視及び前からの図が示され、あるハンドル53の構造における末端のブレード部分56Bの異なる方位が表される。シース52Bはビデオバトン70が占めるチャンバ44を含む。シース52Bの製造方法は実質的に図14AーEのシース52Aの製造方法と同じである。これらの図に示される方位は例示である。
図16A−Dは、ビデオ喉頭鏡システム100の実質的側面及び透視図のシリーズを示す。ビデオ喉頭鏡システム100は取り外し可能なビデオバトンを収容するように構成された使い捨ての不透明な殺菌可能なシースを有する。図1に示されるシース12の他の実施形態のV型受け台18Cのエッジから延びて配置される対向する側部固定タブ190に係合可能なビデオバトンの側柱によって、ビデオバトンは固定される。光源40及びカメラレンズ41はビデオカメラ及び照明部材35の一部として示される。
図17A−Cはビデオ喉頭鏡システム200のシースの実質的な透視図及び部分断面図のシリーズを示す。ビデオ喉頭鏡システム200は、図2に示される透明なシースの変形実施形態としての不透明なシースを有する。V型受け台18Cの円形突起柱36と楔面22Bとの係合は図17Cの断面図に示される。
図18A−Cは、図6に示されるシースの変形実施形態として使い捨て用の不透明で殺菌可能なシースを有する、ビデオ喉頭鏡システム300の実質的側方の透視図を示す。シースは取り外し可能なビデオバトン70を収容するように構成され、ビデオバトン70の側部突起と後リップがそれぞれ内側の側支持部と縁79に配置された側方ロックタブ80に係合して、ビデオバトン70が固定される。側方のロックタブ80Aは図6のシース52に示される後方ロックタブ80から約90度である。喉頭鏡シース300はビデオバトン70が占めるチャンバ44を含む。光源40及びカメラレンズ41はカメラ55の一部として示される。
図19A−Cは図1に示される透明なシース12の変形実施形態としての使い捨て用の不透明な殺菌可能シース52を有する、ビデオ喉頭鏡システム400の実質的側方の透視図を示す。不透明なシース52は取り外し可能なビデオバトンを収容するように構成される。ビデオバトンは、側支持部72に係合可能なビデオバトンの側柱によって固定され、シース52のタブ80との係合によって安定配置されている。ビデオバトン70が内部を占領するチャンバ44が示される。
図20A−Bは患者の口における喉頭鏡50の配置と前進を示す。喉頭鏡50において、ビデオバトン70はシース52内に、取り外し可能に配置されて固定される。喉頭鏡10,50,52A,52B,100,200,300,及び400を含む他の喉頭鏡シースビデオバトンの実施形態も同様に患者の口に挿入され前進され得る。喉頭鏡5〜400は患者内に配置され、シース10〜53の先端によってそれぞれ溝Vに係合し、それぞれの先端を溝Vに対して押すことによって喉頭蓋EPIを持ち上げ、それによって声門開口GAを見せる。代わりに、末端のブレード部分16,16B,56,56B,及び58の前部の表面は喉頭蓋EPIを直接持ち上げて、声門開口GAをビデオカメラ及び照明部材35のレンズの視界に見せるようにするかもしれない。
下記図21及び22は喉頭鏡10の側方透視図を示す。喉頭鏡10は断面で示される患者内に挿入される。その中で、溝Vの係合によって喉頭蓋EPIが上にスウィングし、あるいは喉頭蓋EPIを直接持ち上げることにより、声門開口GAが見える状態になっている。喉頭鏡シース12の前部部分は舌TNの表面に接している。気管Tの下には食道ESOが見える。
図21は喉頭蓋EPIを上に移動して声門開口GAを見せるためのビデオバトン30が装備された喉頭鏡12シース10の末端19による溝Vの係合を示す。通常、喉頭蓋EPIは声門開口GAを見えなくしている。末端19は溝Vを押圧し、舌骨−喉頭蓋帯を緊張させ、喉頭蓋を上方に引張り、下記図25−27に示される探り針500の操作によって、下記図23に示すETT512の通路に声門開口を見せ、声門開口と他の解剖領域はビデオカメラの光源及び光源部材35によって、照らされる(点線)。
図22は喉頭鏡シース12の先端または隆起19により喉頭蓋を直接持ち上げ、喉頭蓋を上方に移動して、声門開口GAを見せるのを示す。喉頭鏡シース12はビデオバトン30をそこに装備している。ビデオカメラ及び照明部材35は、気管Tの内部に配置するための観察及び気管内チューブ(ETT)512の通過のために、声門開口GA領域を照らす(点線)。
図23はETT512の隣に探り針500を示す。ETT512はホースコネクタ514、末端開口516、側部開口518、ガス拡張可能バルーンまたはカフ520、及び、シリンジ(不図示)を受け、ガスまたは空気を、カフ520に水圧接続されたエアチューブ527を通じて送るように構成されたガスポート525を含む。側部開口518は、マーフィーの目としても知られる。ETT512は探り針500の曲がった形にしたがうことによって、声門開口GAに続く軌道にしたがって倣いやすいように湾曲を有しているのが示される。探り針500は、ハンドル502、ハンドルから延びてライナー部分及び曲がった末端部分506を有するとともに末端にボール端508を有するリジッドロッド504を含む。ボール端508は、ETT512のルーメンを通って送られ、端部開口516またはマーフィーの目518の近くに配置される。
図24A及びBは、図5,6、及び10のシース及び喉頭鏡の実施形態50を用い、探り針を介しての、患者の上気道へのETTの配置及び前進を示す。その中で、下記図24Bにより簡単に示すビデオバトン70の基部側のリップ78に、タブ80が係合することにより、シース52内にビデオバトン70が固定される。
図24は患者に配置された喉頭鏡システム600を示す。喉頭鏡システム600は、シースと、患者の上気道に配置されてビデオバトン70からモニタ610へ電力及びビデオケーブル38を介して画像を送る喉頭鏡の実施形態50と、を含む。モニタ610はその上での画像の存在を調整するモニタコントロールパネル624を含む。探り針500によって導かれETT512は喉頭鏡50の近くに配置され、喉頭鏡ユーザの直接視の下、患者の口腔に挿入される。
図24Bは、喉頭鏡50ユーザの直接視の下における、ETT512の患者の中咽頭内への前進を示す。探り針のボール端508が端部開口516の直前にあって、探り針500のカーブした領域506がETT512の管内を占めているのが示される。シース52の固定タブ80はビデオバトン52の基部のリップ78に対して係合している。
図25は患者の上気道の断面図を示す。そこで、探り針500を備えるETT512が喉頭鏡50のブレード部分56に隣接する上気道へ前進するのが示される。ETT512及び基部側のブレードは患者の舌TNに当接する。喉頭鏡50の先端58が患者の喉頭蓋EPIを直接持ち上げ、声門開口GAを見えるようにするのが示される。ビデオカメラ55から発する光線(点線)は、声門開口GA、隣接する声帯VC、気管10、及びすぐ近くの周囲を照らす。そして、下記図26に示すようにETT512が後にカメラビューに十分に前進したとき、それらの画像はモニタ610に送られる。探り針500は、ETTを声門開口GA前のカメラビュー内に配置するために、上気道内に前進させられる。気管Tの下は食道ESOである。喉頭鏡シース52の前部分は舌TNの表面に接する。
図26−29は挿管プロセスのETT512を気管T内に配置するスクリーンショットビューを示す。スクリーンショットビューはカメラ55にとらえられてモニタ610のディスプレイに送られ、ETT512の気管T内への配置及び前進のために喉頭鏡ユーザによって観察される。
図26は、声帯VCを越えて気道Tに入る通路に続く声門開口GA前におけるETT512の配置を表す第1のモニタビュー630を示す。第1のモニタビュー630に示されるように、フランジ59はカメラビューの上部左側にあり、ETT512はカメラビューの下部右側にある。ボール端508はマーフィーの目518の近くに示される。声帯VC、気道T、及び披裂軟骨ARの配置が示される。
図27は、ほぼ同時に行われる探り針500のボール端508の退避動(動作矢印参照)とともに、声門開口GAに向かって入っていくETT512の前進を表す、第2のモニタビュー632を示す。端部開口516が先端に移動して声門開口GAに進入するとき、カフ520は喉頭内へ前進し、端部開口516の手前に隣接するボール端508はユーザに向かって基部側に移動する。
図28は、カフ520の声門開口GAへの進入とともにETT512の声門開口を通る前進を表す第3のモニタビュー634を示す。
図29は前進したETT512のカフ520が声門開口GAを通過して気道Tに入る前進を表す第4のモニタビュー636を示す。上記図23に示されるように、空気ポート525に接続されたシリンジを介して空気が噴射されエアチューブ527を介してカフ520に送られることで、カフ520が膨らみ、拡張して、気管壁に保持され得る。
システム600は、気管挿管、レーザ手術、生検手順、及び補助装置の通過に採用され得る。下記のアルゴリズムは喉頭鏡10に用いられるが、喉頭鏡10,50,12A,12B,52A,52B,100,200,300,及び400に使用されるために適切に適用されてもよい。気管挿管の手順はシングルまたはダブルのルーメン・チューブを配置するのに適用される場合がある。類似の手順は例えば気道から異物を取り除くのに適用できる。他の喉頭鏡手順は、例えばジェット換気機を操作し、あるいは生検及び(または)患者にレーザ治療を行うために、柔軟な喉頭鏡、ブージーあるいは気管支鏡を導いて、耳鼻喉(ENT)の専門家を案内することを含む。
アルゴリズムは、例えばレーザーメス手術システム、電気外科手術バトン、外科生検器具、外科吸引器、喉頭及び気道の手術の間の声門を越える換気のためのジェット換気システム、胸部構造の外科手術において一般に肺分離に用いられるダブルルーメンの気管内チューブ、柔軟な気管支鏡及び胃カメラ、挿管ブージー装置、経食道のエコープローブ、及び鼻腔胃管、の同時視覚化及び管理のような、気道内及び周辺の手術及び手順に使用される多数のツールの通過と制御を可能にするのに適用される場合がある。
図30は、付属の探り針500を備えるETT512を用いるシングルルーメンチューブの気管内挿管用の挿管アルゴリズム700を示す。その中で喉頭蓋EPIは、直接持ち上げられ、あるいは溝Vの係合により、上方に回動する。プロセスブロック図704の最初に、プロセスブロック708において、シングルルーメンETT512は潤滑化され、探り針500はETTのルーメンに挿入され、探り針のボール端508は端部開口516の近くあるいは側部開口またはマーフィーの目518に隣接して配置される。喉頭鏡10はユーザの左手に保持され、ユーザの直接視によって、患者の口の中に置かれる。続いて、選択的な2つのプロセスによって喉頭蓋が移動させられる。プロセスブロック718において、喉頭蓋EPIは先端19によって持ち上げられ、声門開口GAが見える状態になる。声帯VCの配置はモニタ610に現れる画像を見ているユーザによって観察される。あるいは、プロセスブロック720において、患者の溝Vに対して先端19を押すことによって、喉頭蓋EPIは上にスウィングされ、あるいは上方に移動する。声門開口GA及び声帯VCの配置は、同様にユーザのモニタ610上に表示される画像の観察によって観察される。プロセスブロック722において、ETT512に積まれた探り針500は、直接視の下で、口の中に挿入され、ETT512のシングルルーメン先端がモニタ610に見えるまで、喉頭鏡の近傍に進められる。プロセスブロック724において、適所に喉頭鏡10を保持している間、ETT512はモニタ610上にあるようなカメラビューに前進した。その後、プロセスブロック728において、喉頭鏡10を適所に保持している間、シングルルーメンETT512は先端に向って、声門開口GAを通って、声帯VCを越え、前進した。その一方で、探り針50のボール端508が基部側にユーザに向って退避した。カフ520が声帯VCを越えて気道T内に配置されるように、ETT512は十分に先方に前進させられる。その後、前進したシングルルーメンETT512を適所に保持するとともに、喉頭鏡10を取り除き、アルゴリズム700は完成する。喉頭鏡装置50,12A,12B,52A,52B,100,200,300,及び400を適用することで、アルゴリズム700は同様にシステム600に用いられることができる。
上記実施形態は、上述したビデオベースのシース喉頭鏡装置10,50,12A,12B,52A,52B,100,200,300,及び400と実質的に同様のビデオ可能なグライドスコープ[登録商標]ENT喉頭鏡を含む。喉頭鏡システムに採用される透明または不透明なシースあるいはスタットは、舌を持ち上げるとともに、厳密な殺菌基準の手順になじみやすいHDTVビデオ気管支鏡を供給するように構成されるかもしれない。光源及び補助器具は開口したチャンネルあるいはシースボディの周りを介しフリーハンドで送られる。
ビデオ可能なグライドスコープ[登録商標]ENT喉頭鏡には、現存の装置に対していくつかの有利な点がある。滅菌されたシースの一度の使用はBSE及び成人のCJVの問題を扱う。それらの管轄での規制によって使い捨て可能なパーツが要求され、患者に直接接触するパーツは再使用されない。上記実施形態のシステムの使い捨て可能なシースの形状及び大きさは、解剖の構造にアクセスするにあたり小さい力で使用されることを許容するため、患者への負傷の可能性を減少させる。その設計はENT外科医に、行われる手順、利用できる装備、個人の好みのニーズに基づく、異なる構造の多様性を許容する。使い捨てのシースルーあるいは透明のプラスティックシースはここに示される多様な実施形態に適用される場合があり、患者における喉頭鏡手順の能率的な実行をもたらす。
他の実施形態はジェット換気のチャンネルまたは管を上記使い捨て可能なシース内に備えるため、ジェット換気の、管のねらいを3〜4mm以内の高精度で定めることが可能になる。これは主治医の麻酔専門医が確信して確立的に安定的に照準を定めることを達成させる。安定的に照準を定めることにより、正圧排出の方向を容易に観察できるようにし、高圧ガスが組織に入らずに、空気を運び気道を換気し、圧力増大を最小化することを確実にする。
グライドスコープ[登録商標]喉頭鏡システムによって、ビデオ可能な喉頭鏡に、気道の手術における気道構造の視覚による確認を伝えることを提供する。変形実施形態はビデオ装置に使い捨てのシェル組立部品のシースを提供し、使い捨ての選択を供給する。その使い捨ての設計方策はビデオシステムの効率的なカバーを提供する。電気的パッケージは洗浄用に完全に浸すことができるとともに、一般的なビデオ喉頭鏡システムの特徴の全てを持つかもしれないため、その追加は医学の現場において追加のトレーニング手順を要求しない。使い捨てのシェル組立部品は、殺菌手順に耐えるために抵抗力や耐性を持つように構成されてもよい。
使い捨てのシェルまたはシースの選択の有用性は、異なるアプリケーションや臨床作業に適する多数のブレードを持つ選択肢の可能性を提供するということである。範囲は肥満、小児、低身長の人、正常な大人、トレーニング設計、及び新生児の設計を含む。したがって、一台のマスタ装置でシェルのサイズは臨床の状況によって選択されてもよい。
他の実施形態は喉頭領域に通過する1または複数のチャネルを含んでもよく、時々異なる機能に専念する多数の補助用のチャネルを持つかもしれない。電気的な組立物は、加熱されるレンズ、発光ダイオード(LED)、点灯アレイ、及び電荷結合素子(CCD)を有するカメラ、あるいは気道の挿管及び診断のためのリアルタイムビデオモニタリング用の相補的な金属酸化膜半導体(CMOS)のデジタルビデオカメラに接続される剛性または柔軟なワイヤリードを備えるかもしれない。
発明の好ましい実施形態が例証され記述された一方、上述するように、発明の精神及び範囲を逸脱しない多くの変更がなされてもよい。したがって、この発明の範囲は好ましい実施形態の記載に限定されない。代わりに、発明の範囲は下記のクレームの記載によって定義されるべきである。
排他的な権利または特権を主張する発明の態様は下記に定義される。
本出願は、2010年3月31日に出願された米国仮特許出願61/319,835番、2009年11月16日に出願された61/261,739番、及び2009年4月14日に出願された61/169,246番、の優先権の利益を主張するとともに、その内容を参照として含む。本出願は、1998年4月1日に出願された米国特許6,142,144番、1998年2月10日に出願された米国仮特許出願60/074,355番、1997年12月7日に出願された60/067,205番、2000年12月6日に出願された米国特許6/543/447番、2007年11月2日に出願された米国特許出願09/704,507番、1998年4月15に出願された09/060,891、2003年1月30日に出願された米国特許6,655,377番、2000年12月6日に出願された米国特許出願09/732,129番、2000年11月2日に出願された09/704,507、2002年1月30日に出願された米国仮特許出願60/352,283番、2000年8月7日に出願された60/223,330、1999年12月6日に出願された60/168,711、1998年2月10日に出願された60/074,355、及び1997年12月1日に出願された60/067,205、のすべての特許及び出願の内容を参照としてここに含む。