JP2012522713A - ガラス物品 - Google Patents

Abstract

【課題】 インクの接着性を改善したガラス物品（１）を提供する。
【解決手段】 このガラス物品（１）は、（ｉ）ガラス板（２）、（ｉｉ）前記ガラス板の少なくとも一部の上に設けられた接着層（３）、及び（ｉｉｉ）前記接着層の少なくとも一部の上に設けられた、像を形成するインク層（４）を含む。本発明によれば、接着層（３）はアクリル樹脂を含むことを特徴とする。
【選択図】 図１

Description

本発明は、像を形成するインク層を含むガラス物品に関する。

像を形成するように、インクを基板上に直接付着するとき、人は一般的に、特に湿気露出後に接着問題に遭遇する。実際、付着されたインクは、（ｉ）ふくれ、（ｉｉ）はがれ及び／または（ｉｉｉ）基板上のその初期位置からの移動（「にじみ効果」として知られる）のような望ましくない現象を示すことが多い。これらの問題は、特に選ばれた基板が金属、木材、セラミック、プラスチックまたはガラスのような半孔質または無孔質であるときに発生する。

基板上、特にガラス上のインクの接着を強化する二つの主な方法が従来技術で既に知られている。

第一の方法は、インク配合を変更することに相当する。幾つかの代替法が知られているが主なものは、インク組成中に接着促進剤として作用する添加物の使用にある。その関係では、ＷＯ２００６／１３８６５０Ａ１は、ガラス基板をインクジェット印刷するための特別なインク配合を開示する。その場合、ガラス上のインク接着は、有機ポリマーを含む特別なインク組成により改善される。接着促進剤もまた、添加されることができ、さらに接着を強化する。かかる周知の接着促進剤は、例えばシランである。それにもかかわらず、それが組成物の全体的安定性に影響を及ぼすかもしれないため、かかる化合物を導入するときには特に注意すべきである。この理由のため、それらはときにはインクの実施直前に添加される必要があり、従って追加の処理工程をもたらす。

基板上へのインク接着を改善するための第二の方法は、インクと基板自身の間のシランプライマーの介在に相当する。実際問題として、シランによる基板の前処理が続く被覆の良好な接着を確保するために役立つことが長い間業界で知られている。この解決策は、例えばガラスの特別な場合にＷＯ２００６／１３８６５０で引用されている。他の前被覆物質がまた、一般的に基板上のインク接着を改善するために開示されている。それらは、多孔性シリカ被覆、ゼラチン被覆、またはカルバメートまたはアンモニウム塩を含む被覆のいずれかに相当する。

既知の解決策では、ガラス上で使用されるとき、特にふくれ、はがれ及び／またはにじみのような望ましくない影響が拡大される湿潤状態下で使用されるとき、インクの接着は不満足であり続ける。

本発明は、特に従来技術の欠点を解決することを目的とする。より詳細には、少なくとも一つの実施態様による本発明の目的は、ガラス物品上へのインクの接着を改善する方法を提供することである。

少なくとも一つの実施態様による本発明の別の目的は、ガラス基板及びインクと同時に相性が良くかつ湿潤状態に長時間露出されたときであってもインクの改善された接着を与える解決策を提供することである。

少なくとも一つの実施態様による本発明の別の目的は、配合を改変することなく伝統的なインクを使用すること、並びにそれをガラス基板上に付着するための伝統的な方法を使用することを可能にすることである。

少なくとも一つの実施態様による本発明の別の目的は、簡単かつ費用効果的であるかかる解決策を提供することである。

特別な実施態様によれば、本発明は：
ａ）ガラス板；
ｂ）前記ガラス板の少なくとも一部の上に設けられかつアクリル樹脂を含む接着層；
ｃ）前記接着層の少なくとも一部の上に設けられた、像を形成するインク層；
を含むガラス物品に関する。

別の特別な実施態様によれば、本発明は、ガラス板を含むガラス物品の上に像を形成するための方法に関し、前記方法は次の工程：
ａ）前記ガラス板の少なくとも一部の上にアクリル樹脂を含む接着層を付着する；
ｂ）像を形成するインク層を前記接着層の少なくとも一部の上に付着する；
を含む。

別の特別な実施態様によれば、本発明は、ガラス板の少なくとも一部の上へのインクの接着を促進するための、アクリル樹脂を含む層の使用に関する。

本発明によれば、接着層としてアクリル系層を使用することは、湿潤状態下でのガラス板上へのインクの良好な接着を提供する。本発明者らは、驚くべきことに、インクとガラス基板の間に介在されている塗料の結合剤として伝統的に使用されるアクリル樹脂を含む層がインクの接着を著しく改善することを見出した。

本発明の他の特徴及び利点は、簡単な例示及び非限定的な例として及び添付された図面として与えられた少なくとも一つの好適な実施態様の以下の説明を読むとより明らかになるであろう。

図１は、本発明によるガラス物品の拡大断面図である。

図２は、図１の実施態様の変形例である。

図３は、本発明によるガラス物品上に像を形成するための方法の概略図である。

図１に示されるように、本発明によるガラス物品（１）は、ガラス板（２）、前記ガラス板（２）の少なくとも一部の上に設けられた接着層（３）、及び前記接着層（３）の少なくとも一部の上に設けられたインク層（４）を含む。

ガラス板（２）はソーダ石灰ガラスから作られることができる。ソーダ石灰ガラスにより、重量％で表わされた次の組成を持つガラスが意味される：
ＳｉＯ_２ ６０〜７５％
Ｎａ_２Ｏ １０〜２０％
ＣａＯ ０〜１６％
Ｋ_２Ｏ ０〜１０％
ＭｇＯ ０〜１０％
Ａｌ_２Ｏ_３ ０〜５％
ＢａＯ ０〜２％
さらに、二つの条件を持つ：
合計１０〜２０％のアルカリ土類酸化物（ＢａＯ＋ＣａＯ＋ＭｇＯ）、
合計１０〜２０％のアルカリ性酸化物（Ｎａ_２Ｏ＋Ｋ_２Ｏ）。

着色剤（Ｆｅ_２Ｏ_３，ＦｅＯ，ＣｏＯ，Ｎｄ_２Ｏ_３，…）、レドックス成分（ＮａＮＯ_３，Ｎａ_２ＳＯ_４，コークス…）等のような微量添加物をガラス組成中に非常に少ない割合で存在させることができる。

本発明によるガラス板（２）はフロートガラスであることができる。それは０．５〜１５ｍｍの厚さを持つことができる。ガラス板（２）は透明または超透明ガラスから作られることができる。それはまた、熱的に強化されることができる。

本発明によれば、ガラス物品（１）は、アクリル樹脂、すなわちアクリル酸またはメタクリル酸の一つ以上のアルキルエステルのポリマーまたはコポリマーを含む接着層（３）によりその表面の少なくとも一部の上に覆われたガラス板（２）を含む。本発明による接着層は好ましくは５０〜９０重量％のアクリル樹脂を含む。より好ましくは、それは６０〜８０重量％のアクリル樹脂を含む。本発明によるアクリル樹脂は好ましくはメタクリル樹脂である。

接着層（３）はさらに、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含むことができる。この特別な組成物は、湿潤状態下でのガラス板上へのインクのさらに改善された接着を提供可能にする。メラミン樹脂により、メラミンとホルムアルデヒドの重合から作られた物質が意味される。本発明によるメラミン樹脂は、塗料ベースまたは結合剤として伝統的に使用されるいずれかのメラミン樹脂である。接着層（３）は好ましくは５〜３５重量％のメラミン樹脂を含む。より好ましくは、それは１０〜２５重量％のメラミン樹脂を含む。エポキシ樹脂により、エポキシドポリマーが意味される。本発明によるエポキシ樹脂は、塗料ベースまたはプライマーとして伝統的に使用されるいずれかのエポキシ樹脂である。本発明による接着層は好ましくは５〜３５重量％のエポキシ樹脂を含む。より好ましくは、それは１０〜２５重量％のエポキシ樹脂を含む。

接着層（３）は赤外線下で硬化可能であることができる。

有利には、接着層は透明である。「透明」により、層の向うにある像が明確に見えるように光を透過する性質を持つ層を意図される。像を形成するためにガラス板上にインクが付着されるとき、前記ガラス板は、絵を保護するために一枚のガラスまたはプラスチック板を展示することの多い伝統的な額縁のような、像のための保護手段として作用することができるだろう。その場合、接着層は、像を担持する側とは反対の側からガラス板を通して像を観察することができるために理想的な照明条件下で実際に見ることができないものでなければならない。従って、本発明はさらに、ガラス板上へのインクの改善された接着を可能にするため及び像を担持する側とは反対の側からガラス板を通してインクにより形成された像の観察を同時に可能にするための解決策を提供する。

接着層（３）は、１〜２００マイクロメーターで変わる厚さを持つことができる。

接着層（３）は、業界で知られているいずれかの方法によりガラス板上に付着される。接着層（３）のための付着工程の非限定例は、ローラー被覆工程、バー被覆工程、カーテン被覆工程、噴霧工程またはフロー工程である。

ガラス物品は、ガラス板（２）と接着層（３）の間にシランプライマーを含むことができる。シランプライマーは、ガラス板（２）と接着層（３）の間のより良好な接着を可能にし、従って全体の積み重ね：ガラス／接着層／インクに対し良好な安定性を与える。この特別な実施態様によれば、本発明の方法はさらに、接着層を付着する前にガラス板上にシランプライマーを付着する追加の工程を含む。シランプライマーは業界で知られたいずれかの方法により付着されることができる。業界で一般的に知られているシランがこの実施態様で使用される。

有利には、接着層は紫外線阻止剤を含む。紫外線阻止剤により、紫外線を吸収することを可能にする添加物が意味される。太陽により放射された紫外線は、インクの色劣化に寄与する主要な因子の一つである。従って、かかる紫外線阻止剤の存在はこの望ましくない影響を避けるかまたは限定することを可能にする。紫外線阻止剤は周知のＴＩＮＵＶＩＮ（登録商標）のようなベンゾトリアゾール誘導体であることができる。

本発明によれば、ガラス物品（１）は、ガラス板（２）、接着層（３）、及び前記接着層（３）の少なくとも一部の上に設けられたインク層（４）を含む。インクにより、担体（流体相）及び着色剤（顔料及び／または染料）を含む媒体を意図される。担体は、有機溶剤、水、ポリマー、及び潤滑剤、可溶化剤及び界面活性剤のような添加物を含むことができる。

インク層（４）を形成するために有機溶剤系インクが使用されることができる。かかるタイプのインクは溶剤蒸発により物理的に乾燥する。かかるインクのための伝統的溶剤はアルコール、アセトン、アセテート及びグリコールエーテルである。

インク層（４）を形成するために水系インクが使用されることができる。これらのインクは、それらが乾燥するときに殆どの水を蒸発させ、従ってそれらは溶剤系インクに比べて環境、安全及び毒性の観点から好ましい。

インク層（４）を形成するためにＵＶ（紫外線）硬化性インクが使用されることができる。これらのインクは強烈なＵＶ線下で乾燥するように硬化されなければならない。溶剤系インクに比べて、ＵＶ硬化性インクは、空気中に放出される溶剤の量を減らす。それらの主要な利点は、それらの迅速硬化／乾燥時間であり、それらは高速印刷工程でそれらの適合性をもたらす。ＵＶ硬化性インクはＵＶ重合性物質、着色剤及び光開始剤を含む。ＵＶ重合性物質は主としてオリゴマー及び／またはモノマーから形成される。着色剤はＵＶ処理に耐えるいずれかのタイプの顔料、染料等である。それらは液体または固体形態（粉末）であることができる。異なる顔料及び／または染料の混合物が使用されることができる。光開始剤は、光重合を開始するＵＶ線の波長に応じて選択される。異なる光開始剤の混合物が使用されることができる。ＵＶ硬化性インク組成物はまた、希釈剤（またはシンナー剤）、光活性剤及び／または湿潤剤を含むことができる。

ＵＶ硬化性インクを実施する本発明の方法は、インクを紫外線に露出することによりインクを硬化する追加の工程を含む。この硬化工程はインク付着に連続して実行されることができる。好ましくは、硬化工程は実際にはインク付着と同時に実施される。硬化工程はまた、繰り返されることができる。

ＵＶ硬化性インクが本発明のガラス物品に付着されるとき、ＵＶ硬化性インク層は硬化工程に連続して形成される。

インクは業界で知られたいずれかの方法により接着層上に付着されることができる。インク層のための付着工程の非限定例はインクジェット、レーザー印刷またはスクリーン印刷である。

好適な実施態様では、インクはインクジェットにより付着される。インクジェット技術の利点は、それらの静かな作業、それらの高品質着色像を作る能力、及びそれらの高付着速度である。本発明の環境内では、インクジェットが特に適している。なぜならそれはガラス板のような硬く、広くかつ厚い基板上へのインク付着を可能にするからである。

インクジェット法は周知の印刷方法であり、そこでは液体または溶融された固体インクが液滴として一つまたは複数の印刷ヘッド、例えばノズルまたはスリットから噴射または噴出される。本発明で使用されるインクジェット技術は、液滴の送出のために知られた二つの主要モード：連続モード及びドロップオンディマンドモード（また圧電モードと呼ばれる）、から選ばれる。連続モードでは、インクは印刷ヘッドにより連続的に噴出される。ドロップオンディマンドモードでは、液滴は電力パルスにより要求されるとき不連続的に発射される。これらの技術は十分に確立されており、さらに説明されないであろう。当業者は、これらのモードの一つを選ぶとき、希望の結果を得るためにインクの性質及び付着条件を適合させる方法を知るであろう。

図２に示されるように、ガラス物品（１′）は、ガラス板（２）、接着層（３）、前記接着層（３）上に設けられたインク層（４）、及びアクリル樹脂を含みかつ前記インク層（４）上に設けられた上部層（５）を含む。この上部層（５）は、像を担持するガラス物品の表面の機械的耐久性を高めるために使用され、従ってそれを引っ掻き傷から保護する。さらに、この上部層（５）はインク層に対する良好な接着を持つ。

この特別な実施態様によれば、本発明の方法は、前記インク層上に、アクリル樹脂を含む上部層を付着する追加の工程を含む。

前記上部層（５）のアクリル樹脂は、接着層（３）のために使用されたものと同一のものまたは異なるものであることができる。

この実施態様によるガラス物品はまた、インク層（４）と前記上部層（５）の間にシランプライマーを含むことができる。シランプライマーは、上部層（５）とインク層（４）の間のより良好な接着を可能にし、従って全体の積み重ね：ガラス／接着層／インク／上部層；に対し良好な安定性を与える。この実施態様によれば、本発明の方法はさらに、シランプライマーをインク層と上部層の間に付着する追加の工程を含む。業界で一般的に知られているシランがこの実施態様で使用される。

上部層（５）は透明であることができる。これに代えて、上部層（５）は着色剤（顔料及び／または染料）を含むことができる。上部層（５）の不透明のため、かかる実施態様は、像を担持する側とは反対の側から見るときにインク層により形成された像のより良好な美的表現を提供する。好ましくは、この実施態様の上部層（５）は白色顔料を含む。

上部層（５）は赤外線下で硬化可能であることができる。

上部層（５）は業界で知られたいずれかの方法により付着される。上部層のための付着工程の非限定例はローラー被覆またはカーテン被覆工程、噴霧工程またはフロー工程である。

本発明によるガラス板はまた、接着層及びインク層を担持する表面とは反対の表面上を機能層により被覆されることができる。例えば、それは反射防止または防眩層により被覆されることができる。かかる種類の層は、光透過を増やし及び／またはガラス板の目ざわりな不愉快な光反射を減らすことにより、像を担持する側とは反対の側から見るときの像の美的表現を改善することを可能にする。反射防止特性はまた、本発明によるガラス物品では像を担持する側とは反対のガラス板の側の酸処理または腐食により発生されることができる。

本発明は、述べられた実施態様に限定されないが、実施態様の組み合わせ及び／または代替例も包含する。

本発明は、決してその範囲を限定しようとすることなく、本発明をより良く説明することを目的として実施例により以下に説明されるであろう。

実施例１（本発明による）：
本発明によるガラス物品が以下のように調製された：

ソーダ石灰ガラスの透明ガラス板（４ｍｍ厚、５０ｃｍ×５０ｃｍ）が通常の方法で洗浄された。それは２％Ｓｉｌｑｕｅｓｔ（登録商標）Ａ−１１２０（Ｇｅｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ）シラン水溶液を噴霧することにより前処理された。乾燥後、ガラス板はバーコーターを用いて接着層により被覆された。接着層は８０％のメチルメタクリル酸樹脂、１０％のメラミン−ホルムアルデヒド、１０％のビスフェノール−Ａエポキシ樹脂を含む透明なＩＲ硬化性組成物であった。接着層は実験室の据え付けの赤外オーブン内で１５０℃で１５分間乾燥された。乾燥された接着層の厚さは約４０μｍであった。

接着層を持つガラス板は続いて、ＵＶ硬化性インク層を付着するため、従って着色像を形成するための基板として使用された。インク付着は６０インチ／秒の印刷速度及び１００％のＵＶパワー入力を用いて、Ｖｕｔｅｋ ＰｒｅｓｓＶｕ（登録商標）３２０ＵＶ硬化プリンターによりｖｉｔｒｏｐｈａｎｙモード（鏡で見たときに逆の像）でデジタルインクジェット印刷により実施された。

得られたガラス物品の湿潤環境雰囲気での挙動を評価しかつガラス物品の腐食に対する保護のどのような欠点も指摘するために凝縮試験が使用される。この試験の全詳細は標準規格ＤＩＮ５００１７に述べられている。ここで使用された条件は：９８％相対湿度、４０℃の温度、２０日間である。アクリル接着層及び／またはインクのふくれ、すなわち局所的はがれは試験後に見られるべきでない。

上述のように得られたガラス物品は、２０日の凝縮試験後に、ふくれ、はがれ、またはにじみ現象を示さず、ガラス板上のインクの接着並びに全体の積み重ねの安定性が優れていることを示す。

実施例２（本発明による）：
本発明によるガラス物品が、平坦なソーダ石灰フロートガラス板がラインに沿ってローラーコンベアにより運ばれている製造ラインで製造された。

透明なガラス板がまず通常の方法で洗浄され、カーテンコーターを用いて接着層により被覆された。接着層は、７０％のメチルメタクリル樹脂、１６％のメラミン−ホルムアルデヒド、１２％のビスフェノールＡエポキシ樹脂、及び２％のＴｉｎｕｖｉｎ（登録商標）５２３６（ＣＩＢＡ）を含む透明なＩＲ硬化性組成物であった。接着層は次いで実験室の据え付けの赤外オーブン内で１５０℃で６分間乾燥された。乾燥した接着層の厚さは約３０μｍであった。

接着層を持つガラス板は続いて、ＵＶ硬化性インク層を付着するため、従って着色像を形成するための基板として使用された。インク付着は４０インチ／秒の印刷速度及び１００％のＵＶパワー入力を用いて、Ｖｕｔｅｋ ＰｒｅｓｓＶｕ（登録商標）３２０ＵＶ硬化プリンターによりｖｉｔｒｏｐｈａｎｙモード（鏡で見たときに逆の像）でデジタルインクジェット印刷により実施され、かつ硬化のために二度通過させられた。

得られた印刷されたガラス板は、インク層を担持する表面に２％Ｓｉｌｑｕｅｓｔ（登録商標）Ａ−２１２０（Ｇｅｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ）シラン水溶液を噴霧することにより前処理された。乾燥後、それはコンベアライン上で、カーテンコーターを用いて、アクリル樹脂と白色顔料を含むＩＲ硬化性上部層で被覆された。白色上部層は次いで接着層（実施例２）と同様の方法で乾燥された。乾燥した上部層の厚さは約３０μｍであった。

実施例２から得られたガラス物品は、２０日の凝縮試験後に、ふくれ、はがれ、またはにじみ現象を示さず、ガラス板上のインクの接着並びに全体の積み重ねの安定性が優れていることを示す。

実施例３（比較例）：
ガラス物品が以下のように調製された：

ソーダ石灰ガラスの透明ガラス板（４ｍｍ厚、５０ｃｍ×５０ｃｍ）が通常の方法で洗浄された。それは２％Ｓｉｌｑｕｅｓｔ（登録商標）Ａ−２１２０（Ｇｅｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ）シラン水溶液を噴霧することにより前処理された。乾燥後、ガラス板は続いてＵＶ硬化性インク層を付着するため、従って像を形成するための基板として使用された。インク付着は６０インチ／秒の印刷速度及び１００％のＵＶパワー入力を用いて、Ｖｕｔｅｋ ＰｒｅｓｓＶｕ（登録商標）３２０ＵＶ硬化プリンターによりｖｉｔｒｏｐｈａｎｙモード（鏡で見たときに逆の像）でデジタルインクジェット印刷により実施された。

上述のように得られたガラス物品は、７日の凝縮試験後に、インク層内の「ひび」及びインク層の規則的な領域内のふくれ現象を示し、湿潤状態ではガラス板上のインクの接着が不十分であることを明らかに示す。

Claims (15)

1. ａ）ガラス板（２）；
   ｂ）前記ガラス板（２）の少なくとも一部の上に設けられた接着層（３）；
   ｃ）前記接着層の少なくとも一部の上に設けられた、像を形成するインク層（４）；
   を含むガラス物品において、
   前記接着層（３）がアクリル樹脂を含むことを特徴とするガラス物品。
2. 前記接着層（３）がメラミン樹脂及びエポキシ樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載のガラス物品。
3. 前記接着層（３）が透明であることを特徴とする請求項１または２に記載のガラス物品。
4. 前記物品がガラス板（２）と接着層（３）の間にシランプライマーをさらに含むことを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のガラス物品。
5. インクがＵＶ硬化されるインクであることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載のガラス物品。
6. 前記インク層（４）上に付着されかつアクリル樹脂を含む上部層（５）をさらに含むことを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載のガラス物品。
7. ガラス板を含むガラス物品上に像を形成するための方法であって、前記方法が次の工程：
   ａ）前記ガラス板の少なくとも一部の上に接着層を付着する、
   ｂ）前記接着層の少なくとも一部の上に、像を形成するインク層を付着する、
   を含む方法において、
   前記接着層がアクリル樹脂を含むことを特徴とする方法。
8. 前記接着層がメラミン樹脂及びエポキシ樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項７に記載の方法。
9. 前記接着層が透明であることを特徴とする請求項７または８に記載の方法。
10. 前記方法が、接着層を付着する前に前記ガラス板の上にシランプライマーを付着する追加の工程を含むことを特徴とする請求項７〜９のいずれかに記載の方法。
11. 前記インクがＵＶ硬化性インクであることを特徴とする請求項７〜１０のいずれかに記載の方法。
12. 前記方法が、前記インクを紫外線に露出することにより硬化する追加の工程をさらに含むことを特徴とする請求項１１に記載の方法。
13. インク層を付着することがインクジェットにより実行されることを特徴とする請求項７〜１２のいずれかに記載の方法。
14. 前記方法が、前記インク層上に、アクリル樹脂を含む上部層を付着する追加の工程を含むことを特徴とする請求項７〜１３のいずれかに記載の方法。
15. ガラス板の少なくとも一部の上へのインクの接着を促進するための、アクリル樹脂を含む層の使用。

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