JP2012520058A - NaVを発現する細胞株とその使用方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書においては、電位依存性ナトリウムイオンチャネル(NaV)を発現する細胞及び細胞株及びこの細胞及び細胞株の使用方法が開示される。NaVを発現する細胞及び細胞株は細胞を使用したアッセイ、例えばハイスループットスクリーニングアッセイにおいて有用である。

Description

NaVと呼ばれる電位依存性ナトリウムイオンチャネルファミリーは、大きく、かつ複雑な分子であり、脳を含む中枢神経系、末梢神経系、及び心筋を含む筋肉において発現する。このファミリーに含まれる全てのメンバーは、癲癇、筋麻痺及び痛みを含む様々な状態を管理するための重要な臨床標的である。NaVチャネルは1つのアルファサブユニットと1以上のベータサブユニットを含む、細胞膜に埋め込まれたタンパク質である。アルファサブユニットをコードする10の遺伝子とベータサブユニットをコードする4つの遺伝子が同定されている(例えばCatterall et al.,Pharmacol Rev. 55:575〜578(2003);Isom,Neuroscientist,7:42〜54(2001)を参照のこと)。アルファサブユニットはイオンポアを形成し、そして選択的なナトリウムの流入並びに電位依存性活性化及び不活性化に関与していると考えられている(例えばLiu et al.,Assay Drug Dev Tech,4(1):37〜48(2006)を参照のこと)。いくつかのアルファサブユニットの発現レベルと生物物理学的な特徴をベータサブユニットが調節することが示されている(Liu et al.,上記)。アルファ及びベータサブユニットの両方は、異なる組織において異なって発現する(同上)。
NaVファミリーのメンバーを特異的に標的とした新規及び改良された治療法の発見は、細胞を用いたシステムの欠如、特にNaVの調節因子をハイスループット式に同定及び試験するための細胞を用いたシステムの欠如によって妨げられてきた。結合アッセイのみを提供する無細胞系とは対照的に、細胞を用いたシステムは化合物に対する機能的アッセイを提供するために、創薬及び検証に好ましい。さらに、細胞を用いたシステムは、同時に細胞毒性を試験するという利点を有する。本発明はこの要求に応えるものである。
我々は、機能的なNaV及び様々な組み合わせのNaVのサブユニットを含む、多様な形態のNaVを発現する、新規で有用な細胞及び細胞株を見いだした。これらの細胞及び細胞株は細胞を用いたアッセイ、特にNaVの機能を試験するための、及びNaV調節因子をスクリーニングするためのハイスループットアッセイにおいて有用である。
従って、本発明は、細胞又は安定してNaVを発現するように改変された(変化した)細胞株に関し、これらの細胞又は細胞株のアッセイにおけるZ’ファクターは、少なくとも0.5である。いくつかの実施形態においては、Z’ファクターは少なくとも0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、又は0.85になる可能性がある。本発明の細胞及び細胞株は選択圧のない培養中で生育する(例えば維持される)可能性があり、そして選択圧がないにも関わらず、少なくとも15日、30日、45日、60日、75日、100日、120日、又は150日の間、NaVを発現し続ける可能性がある。いくつかの実施形態においては、選択圧なしに生育している細胞又は細胞株が、少なくとも15日、30日、45日、60日、75日、100日、120日、又は150日の間、一定のレベルのNaVを発現する。
いくつかの実施形態においては、本発明の細胞及び細胞株において発現するNaVは、1つのアルファサブユニットと1つのベータサブユニットを含み、さらに任意にさらなる別のベータサブユニットを含む場合もある。いくつかの実施形態においては、NaVは、導入されたサブユニットをコードする核酸によって発現する少なくとも1つのサブユニットを含み、及び/又は遺伝子の活性化によって活性化された内生の遺伝子によって発現する少なくとも1つのNaVサブユニットを含む。いくつかの実施形態においては、NaVは天然の、例えばポリペプチドタグを含まないものである。
本発明の細胞又は細胞株は真核細胞(例えば哺乳類細胞)であってもよく、さらに任意に内生的にはNAVを発現しない(又は遺伝子活性化の例においては、遺伝子活性化の前にはNAVを内生的に発現しない)。細胞は初代又は不死化細胞であってもよく、及び例えば霊長類(例えばヒト又はサル)、齧歯類(例えばマウス、ラット、又はハムスター)、又は昆虫(例えばショウジョウバエ)由来の細胞であってもよい。
本発明の細胞及び細胞株で発現するNaVは、2つ、3つ、又は4つのサブユニットを含んでいてもよい。NaVはヒトのNaVであってもよい。NaVはアルファ1、アルファ2、アルファ3、アルファ4、アルファ5、アルファ7、アルファ8、アルファ9、アルファ10、又はアルファ11サブユニットを含んでいてもよい。NaVは、ベータ1サブユニット、ベータ2サブユニット、ベータ3サブユニット、又はベータ4サブユニットからなる群よりそれぞれ独立して選択される、1つ、2つ、又はそれ以上のベータサブユニットを含んでいてもよい。NaVが1以上のベータサブユニットを有する場合、このベータサブユニットは同じであっても異なっていてもよい。NaVタンパク質中のサブユニットは同じ又は異なる種由来のものであってもよい。
さらなる実施形態においては、NaVアルファサブユニットは、
配列番号20に示されるアミノ酸配列を有するアルファ1サブユニット;
配列番号21に示されるアミノ酸配列を有するアルファ2サブユニット;
配列番号22に示されるアミノ酸配列を有するアルファ3サブユニット;
配列番号23に示されるアミノ酸配列を有するアルファ4サブユニット;
配列番号24に示されるアミノ酸配列を有するアルファ5サブユニット;
配列番号25に示されるアミノ酸配列を有するアルファ7サブユニット;
配列番号26に示されるアミノ酸配列を有するアルファ8サブユニット;
配列番号27に示されるアミノ酸配列を有するアルファ9サブユニット;
配列番号28に示されるアミノ酸配列を有するアルファ10サブユニット;
配列番号29に示されるアミノ酸配列を有するアルファ11サブユニット;
配列番号20〜29のいずれか1つと配列が少なくとも95%同一である、又は実質的に同一であり、電位依存性イオンチャネルを形成することができるポリペプチド;及び
配列番号20〜29のいずれか1つの対立遺伝子変異体であるポリペプチド、からなる群より選択される。
さらなる実施形態においては、NaVアルファサブユニットは、配列番号6〜15;配列番号6〜15のいずれか1つにストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列;配列番号6〜15のいずれか1つと配列が少なくとも95%同一な又は実質的に同一な核酸配列、及び配列番号6〜15のいずれか1つの対立遺伝子変異体である核酸配列、からなる群より選択される核酸配列によってコードされる。
いくつかの実施形態においては、NaVベータサブユニットは、
配列番号30に示されるアミノ酸配列を有するベータ1サブユニット;
配列番号31に示されるアミノ酸配列を有するベータ2サブユニット;
配列番号32に示されるアミノ酸配列を有するベータ3サブユニット;
配列番号33に示されるアミノ酸配列を有するベータ4サブユニット;
配列番号30〜33のいずれか1つと配列が少なくとも95%同一又は実質的に同一であり、電位依存性イオンチャネルを調節する可能性があるポリペプチド;及び
配列番号30〜33のいずれか1つの対立遺伝子変異体であるポリペプチド、からなる群より選択される。
さらなる実施形態においては、ベータサブユニットは、配列番号16〜19;配列番号16〜19のいずれか1つとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸;配列番号16〜19のいずれか1つと配列が少なくとも同一な又は実質的に同一な核酸;及び配列番号16〜19のいずれか1つの対立遺伝子変異体であるヌクレオチドからなる群より個別に選択される核酸配列によってコードされる。。
NaVの一例は、ヒトNaVアルファ9サブユニット、ヒトベータ1サブユニット、及びヒトベータ2サブユニットを含んでいてもよい。ヒトアルファ9サブユニットは、(1)配列番号27に示されるアミノ酸配列;又は(2)配列番号13に示される核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、を含んでいてもよい。ヒトベータ1サブユニットは、(1)配列番号30によって示されるアミノ酸配列、又は(2)配列番号16に示される核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、を含んでいてもよい。ヒトベータ2サブユニットは、(1)配列番号31に示されるアミノ酸配列、又は(2)配列番号17に示される核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、を含んでいてもよい。いくつかの実施形態においては、天然のNaVは、配列番号27に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;配列番号30に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;及び配列番号31に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、を含んでいてもよい。
さらに本発明は、異なる又は同じ形態のNaVを発現する、本発明の細胞又は細胞株のコレクションを提供する。このコレクションは、制御タンパク質を発現する細胞をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態においては、並行処理及び正確なアッセイの読み出しを可能にするために、コレクション中の細胞又は細胞株の生理的特性(例えば、細胞型、代謝、細胞継代(齢)、成長速度、細胞培養表面への付着、Z’ファクター、NaVの発現レベル)が一致するように同調させる。この同調は、例えば細胞及び細胞株を、例えば自動化によって達成可能な同一の条件で発生及び生育させることによって達成することができる。
本発明はさらに、本発明の細胞、細胞株、又は細胞(株)コレクションを試験化合物と接触させる工程;及び、試験化合物と接触していない細胞と比較して、試験化合物がNaV調節因子であることを示す細胞中のNaV機能の変化を検出する工程を含む、NaV調節因子の同定法を提供する。試験化合物は、小分子、ポリペプチド、ペプチド、又は抗体若しくはその抗原結合部位であってもよい。試験化合物は化合物のライブラリー中にあってもよい。ライブラリーは、小分子ライブラリー、組み合わせライブラリー、ペプチドライブラリー、又は抗体ライブラリーであってもよい。本方法においては、検出工程は、膜電位アッセイ、電気生理的アッセイ、結合アッセイなどから選択されてもよく、またこの方法はハイスループット法において実施されてもよい。
さらに本発明は、(a)NaVをコードするmRNAを発現している複数の細胞を準備する工程;(b)個別の培養管に細胞をそれぞれ分散させ、これにより、複数の別個の細胞培養を準備する工程;(c)それぞれの別個の細胞培養における条件が実質的に同一であることを特徴とする自動化された細胞培養法を用いて、一連の所望の培養条件下で細胞を培養する工程(この培養期間においては別個の細胞培養当たりの細胞数は均一化され、及び別個の細胞培養は同じスケジュールで継代される);(d)別個の細胞培養におけるNaVの発現を測定するためのアッセイを少なくとも2回行う工程;及び(e)2回のアッセイの両方において一定のレベルでNaVを発現する別個の細胞培養を同定し、その結果により前記細胞を得る工程を含む方法によって作成した、長期間、一定のレベルでNaVを安定して発現するように改変された細胞を提供する。
安定にNaV1.7を発現する細胞株における、異種ヒトNaV1.7α、β1、及びβ2サブユニットの相対的な発現を図示する棒グラフである。発現レベルを定量RT−PCRで試験し、そして対照のGAPDH遺伝子の発現レベルに合わせて標準化した。(+)のレーンは逆転写酵素を添加した場合の反応を示し、そして(−)のレーンは逆転写酵素を添加しない場合の反応を示す。 補助的なβサブユニットによる、NaV1.7αサブユニット発現の制御を示す。比較RT−PCRにより、3つ全てのNaV1.7サブユニットを共に導入した場合には、薬剤選択的細胞におけるαサブユニットの発現が、αサブユニットのみを導入した細胞と比較して増加していることが示された。 図3A〜Cは、作出した3つ全てのNaV1.7サブユニットを安定に発現する細胞株における、NaV1.7に対する特徴的な反応を表す電気生理学的データを示す。図3Aは、20msの−80mVから+50mVの脱分極パルスに反応したナトリウムの流れを示す。図3Bは、最大時のナトリウムチャネルの流れよって生じた電流電圧の関係(I−V)を示す。図3Cは、ナトリウムチャネルの不活化グラフを示す。 既知の2つのNaV活性化剤であるベラトリジン及びサソリ毒に対し、3つ全てのNaV1.7サブユニットを安定に発現する細胞は反応したが、対照細胞は反応しなかったことを示す。この反応は機能的な膜電位の細胞を用いたアッセイによって測定した。 NaV1.7を安定に発現する細胞における、試験化合物に反応した活性化を示す。図5Aは、クローンC44(3つ全てのNaV1.7サブユニットを発現する細胞)を試験化合物C18及びK21に曝露した場合の活性化反応を図示する。図5Bは、クローン60(NaV1.7アルファサブユニットのみを発現する細胞)では同じ試験化合物への反応が完全に阻害されたことを図示する。%対照は、2つのクローンの緩衝液のみ(すなわち試験化合物を添加しない)に対する反応と比較して算出した。
別段の指定のない限り、本明細書において使用される全ての技術的及び科学的な用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記載された方法及び材料と同様又は等価なものもまた本発明の実施又は試験において使用することができるが、方法及び材料の一例を下記に記載する。本明細書において言及された全ての出版物及びその他の文献は、引用することによりその全文が組み込まれる。不一致がある場合には、定義を含めて本明細書が優先される。数多くの書類が本明細書中に引用されるが、この引用は、これら書類のいずれもが当該分野における一般的で基本的な知識の一部分を形成するという承認を規定しない。本明細書及び請求項を通じて、「含む」という語、又は「含む」若しくは「含んでいる」などのその変形が、示された整数又は整数の群を包含するが、その他のいずれの整数又は整数の群を排除しないことを意味することを理解されたい。材料、方法、及び実施例は説明するためだけのものであり、本発明を限定することを意図しない。
本発明をより容易に理解できるようにするために、始めに特定の用語を定義する。さらなる定義は明細書を通じて示される。
本明細書で使用される場合、「天然の」タンパク質(例えばイオンチャネルタンパク質)という用語は、付加された又は挿入された異種アミノ酸配列を有さないタンパク質を意味する。本明細書で使用される場合、例えば「天然のNaV」は、ポリペプチドレベルで発現するタグ配列を有さないNaVタンパク質を含む。いくつかの実施形態においては、天然のNaVは、サブユニットが完全で正確に配置された天然に生じるNaVの全てのサブユニットを含む。
「安定な」又は「安定して発現する」という用語は、「安定した発現」及び「一過性の発現」という用語が当業者によって理解されるように、本発明の細胞及び細胞株を一過性の発現を有する細胞から区別するために用いられる。
「細胞株」又は「クローン細胞株」という用語は、その細胞集団の全てが単一の細胞由来であることを意味する。本明細書で使用される場合、細胞株はインビトロでの細胞培養において維持され、そしてクローン細胞の貯蔵物を確立するためにその一部が凍結されてもよい。
「ストリンジェントな条件」又は「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という用語は、核酸試料に1つ以上の核酸プローブをハイブリダイズさせるための、並びに試料中の標的核酸に特異的に結合していないプローブを洗浄するための温度及び塩条件を記述する。ストリンジェントな条件は当業者に周知であり、かつ、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,N.Y.(1989),6.3.1〜6.3.6において見ることができる。水性及び非水性の方法が文献に記載されており、このいずれをも用いることができる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例としては、6XSSC中、約45℃でハイブリダイゼーションを行い、その後0.2XSSC、0.1%SDS中、60℃で少なくとも1回洗浄を行うことが挙げられる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の別の例としては、6XSSC中、約45℃でハイブリダイゼーションを行い、その後0.2XSSC、0.1%SDS中、65℃で少なくとも1回洗浄することが挙げられる。ストリンジェントな条件には、0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS中、65℃でハイブリダイゼーションを行い、その後少なくとも1回洗浄することが含まれる。
アミノ酸及び/又は核酸配列に関連した「パーセント同一な」又は「パーセントの同一性」という句は、少なくとも2つの異なる配列間の相同性を意味する。この同一性のパーセンテージは例えばAltshul et al.((1990)J. Mol. Biol.,215:403〜410)によって記載されたBasic Local Alignment Tool(BLAST);Needlemanらのアルゴリズム((1970) J. Mol. Biol.,48:444〜453);又はMeyersらのアルゴリズム((1988)Comput. Appl. Biosci.,4:11〜17)などの標準的な整列アルゴリズムによって決定することができる。一連のパラメーターは、ギャップペナルティが12、ギャップ伸張ペナルティが4、及びフレームシフトギャップペナルティが5のBlosum62スコア付けマトリックスになり得る。2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間の同一性のパーセンテージはまた、ALIGNprogram(version2.0)に組み込まれたE. Meyers and W. Millerのアルゴリズム((1989)CABIOS,4:11〜17)により、PAM120残基重量表、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を用いて決定することができる。同一性のパーセンテージは、通常類似した長さの配列を比較することによって算出される。タンパク質解析ソフトウェアは、様々な置換、欠損、及び保存的アミノ酸置換を含むその他の修飾に割り付けられた相同性を測定することによって、類似した配列を一致させる。例えばGCGは、生物の異なる種由来の相同なポリペプチド又は野生型タンパク質とその変異体などの近似したポリペプチド間の配列相同性又は配列同一性を決定するためのデフォルトのパラメーターと共に用いることができる、「Gap」及び「Bestfit」などのプログラムを含む。例えばGCG Version6.1を参照のこと。ポリペプチド配列もまた、GCG Version6.1中のプログラムであるFASTAを用いて、デフォルトの又は推奨されるパラメーターを用いて比較することができる。FASTA(例えばFASTA2及びFASTA3)は、クエリー及び検索配列の間において最も重複している領域のアライメント及び配列同一性のパーセンテージを提供する(Pearson,Methods Enzymol.183:63〜98(1990);Pearson,Methods Mol. Biol.132:185〜219(2000))。相同性を比較するポリペプチド配列の長さは、通常少なくとも約16アミノ酸残基であり、通常少なくとも約20残基、より一般的には少なくとも約24残基、典型的には少なくとも約28残基、及び好ましくは約35残基より長い。
「実質的に示されたように」、「実質的に同一な」又は「実質的に相同な」という句は、示された配列と比較して、関連したアミノ酸又はヌクレオチド配列が同一である、又は(保存的アミノ酸置換を介した)ごく僅かな差を有することを意味する。ごく僅かな差には、特定の領域の50アミノ酸中に1つ又は2つの置換があるような、少数のアミノ酸変化が含まれる。
NaV「調節因子」は、NaVの生物学的活性、例えばNaVを介したイオン伝導を変化させる化合物を意味する。NaV調節因子は、NaV又はNaVサブユニットの全て、又はその特定の部分集合において作用する可能性がある。調節因子には、アゴニスト(増強剤又は活性化剤)及びアンタゴニスト(阻害剤又は遮断薬)が含まれるがこれらには限定されない。NaVアゴニストはNaVの生物学的活性を上昇させる化合物を意味する。NaVアンタゴニストはNaVの生物学的活性を低下させる化合物を意味する。
「機能的なNaV」は、天然に生じる又は内生的に発現するNaVの生物学的活性を1つ以上有するNaVを意味する。NaVの生物学的活性には、電位依存性のナトリウム伝導が含まれるがこれには限定されず、そしてリドカイン及びテトロドトキシン(TTX)の阻害などの薬理学的反応を介して評価することができる。NaVに対して薬理学的に活性であり、そのため導入されたNaVの機能を評価するために使用することができるその他の化合物には、ベラトリジン及びサソリ又はその他の様々な毒などのチャネルを開いた状態に保持する化合物である、ナトリウムチャネル開口薬がある。
「異種」又は「導入された」NaVサブユニットは、宿主細胞に導入されたポリヌクレオチド、又はその発現が転写制御エレメントなどの外部から導入された因子によって活性化される(例えば遺伝子活性化技術によって)内生のNaVをコードする配列によってコードされる、NaVサブユニットを意味する。「異種NaV」は、1つ以上の異種NaVサブユニットを含んでいるNaVを意味する。
第一の観点においては、本発明は、細胞(例えば単離された細胞、クローン細胞、又はクローン細胞の混合物)及び、1つ以上の異種(導入された)NaVサブユニット(例えば天然のNaVサブユニット)を(例えば安定して)発現する細胞株を提供する。細胞及び細胞株は、NaVサブユニットを構成的に発現してもよい。細胞及び細胞株はベラトリジン及びサソリ毒などのチャネル開口薬、又は膜電位の変化によって調節されてもよい。細胞又は細胞株は1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の異種NaVサブユニット(1つのアルファサブユニット及び2つの型のベータサブユニット)を発現してもよい。関連した実施形態においては、細胞又は細胞株は機能的な異種NaVを安定して発現する。本発明のNaV細胞及び細胞株は、標準的な方法によって作成された細胞及び細胞株と比較して増強された特性を有する。例えば、NaV細胞及び細胞株は増強された発現の安定性(抗生物質などの選択圧を含まない培養において維持されば場合でさえも)を有し、及び細胞を用いたアッセイにおける高いZ’値を有する。本発明の細胞及び細胞株は検出可能な信号対雑音比、例えば1:1より高い信号対雑音比を提供する。本発明の細胞及び細胞株は、膜電位アッセイなどのハイスループットアッセイにおいて使用した場合、当該分野における代表的なアッセイだと考えられるがハイスループット法において実施するには非常に大きな労働力を必要とするアッセイ(例えば電気生理学的アッセイ)による結果と一致する結果を生じる、信頼性のある測定値を提供する。
様々な実施形態においては、本発明の細胞又は細胞株は、一定のレベルのNaVを少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200日間又は200日以上発現し、ここで一定の発現とは、発現レベルが、継続した細胞培養の2から4日間にわたって1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%9%又は10%;継続した細胞培養の5から15日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%又は12%;継続した細胞培養の16から20日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%又は20%;継続した細胞培養の21から30日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%;継続した細胞培養の30から40日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%又は30%;継続した細胞培養の41から45日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%又は30%;継続した細胞培養の45から50日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%又は30%;継続した細胞培養の45から50日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%又は35%;継続した細胞培養の50から55日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%又は30%;継続した細胞培養の50から55日間にわたって2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%又は35%;継続した細胞培養の55から75日間にわたって1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%又は40%;継続した細胞培養の75日から100日にわたって1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%又は45%;継続した細胞培養の101日から125日にわたって1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%又は45%;継続した細胞培養の126日から150日にわたって1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%又は45%;継続した細胞培養の151日から175日にわたって1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%又は45%;継続した細胞培養の176日から200日にわたっ1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%又は45%;又は継続した細胞培養の200日間以上において1%、2%、3%、4%、5%、6%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%又は45%、よりも多様でないことを意味する。
NaVは、ラット、マウス、ウサギ、ヤギ、イヌ、ウシ、ブタ又は霊長類のいずれの哺乳類由来であってもよい。アルファサブユニット及びそれぞれのベータサブユニットは同じ又は異なる種由来であってもよい。好ましい実施形態においては、NaVは、ヒトNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、及びNaV1.9を含む、ヒトNaVである。
様々な実施形態においては、NaVアルファサブユニットは、いずれのヒトNaVアルファサブユニットを含む、いずれのNaVアルファサブユニットであってもよい。従って、いくつかの実施形態においては、本発明の細胞は、NaVアルファ1(SCN1A)(配列番号20);NaVアルファ2(SCN2A)(配列番号21);NaVアルファ3(SCN3A)(配列番号22);NaVアルファ4(SCN4A)(配列番号23);NaVアルファ5(SCN5A)(配列番号24);NaVアルファ7(SCN7A)(配列番号25)(アルファ6及びアルファ7サブユニットは同義である);NaVアルファ8(SCN8A)(配列番号26);NaVアルファ9(SCN9A)(配列番号27);NaVアルファ10(SCN10A)(配列番号28);又はNaVアルファ11(SCN11A)(配列番号29)をコードする核酸を含む可能性がある。いくつかの実施形態においては、NaVアルファサブユニットをコードする核酸は、配列番号6〜15からなる群より選択される。
NaVアルファサブユニットのいずれか1つは共に導入されてもよく、又は順次導入されてもよく、及び本発明の細胞を生成するためにいずれの1以上のNaVベータサブユニットと共に発現されてもよい。いくつかの実施形態においては、細胞は、ヒトNaVベータサブユニット、例えばヒトNaVベータ1サブユニット(SCN1B)(配列番号30)、ヒトNaVベータ2サブユニット(SCN2B)(配列番号31)、ヒトNaVベータ3サブユニット(SCN3B)(配列番号32)及びヒトNaVベータ4サブユニット(SCN4B)(配列番号33)を安定して発現する。いくつかの実施形態においては、NaVベータサブユニットは、配列番号16〜19からなる群より選択される核酸によってコードされる。いくつかの実施形態においては、細胞は、ヒトNaVアルファ9/SCN9Aサブユニット、ヒトNaVベータ1/SCN1Bサブユニット及びヒトNaVベータ2/SCN2Bサブユニットをコードする核酸を用いて3度形質転換され、そしてこれらを発現する。いくつかの実施形態においては、導入されるNaVサブユニットをコードする2つ以上の配列が、同じベクター中に配置される。別の実施形態においては、それぞれのサブユニットをコードする配列は異なるベクター中に配置される。
いくつかの実施形態においては、本発明の細胞及び細胞株はアルファ1〜11のいずれか1つより選択され、導入されたアルファサブユニット、及びベータ1〜4のいずれか1つより選択され、導入されたベータサブユニットを、下記の表中で「+」で表されるそれぞれの組み合わせにおいて発現する。
Figure 2012520058
これらの細胞及び細胞株は、ベータ1〜4のいずれか1つよりそれぞれ独立して選択され、導入された1以上のベータサブユニットをさらに発現することができる。いくつかの実施形態においては、本発明の細胞及び細胞株は上記の表に示されたようなアルファ及びベータの組み合わせを含むNaVチャネルを発現し、そしてさらなる実施形態においては、これらの細胞株におけるNaVチャネルは、ベータ1〜4のいずれか1つより選択される1以上のベータサブユニットをさらに含む。
NaVサブユニットをコードする核酸はゲノムDNA又はcDNAであってよい。いくつかの実施形態においては、NaVサブユニットをコードする核酸は、アミノ酸置換を生じ得る1以上の置換、挿入、又は欠損を含む。本発明の範囲内の修飾を含むNaVサブユニットは、少なくとも1つの生物学的特性、例えばベラトリジンなどのイオンチャネル開口薬、並びにリドカイン及びテトロドトキシン(TTX)などのサソリやその他の毒及びチャネル遮断薬に反応して電位依存性ナトリウムチャネルとして機能する、又は電位依存性ナトリウムチャネルを調節するその機能を保持する。従って、本明細書において開示された配列と実質的に同一な(例えば少なくとも配列が約85%同一)又は相同の(例えば少なくとも配列が約85%相同な)核酸配列もまた本発明に包含される。いくつかの実施形態においては、配列同一性は約85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを超えるものである可能性がある。また、実質的な同一性又は相同性は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件(例えば高いストリンジェントハイブリダイゼーション条件)下で核酸断片が参照配列の相補鎖にハイブリダイズする場合に存在する。
いくつかの実施形態においては、ヌクレオチドの変異がアミノ酸置換を含む場合、天然のアミノ酸は保存又は非保存置換によって置き換えられてもよい。いくつかの実施形態においては、本来のポリペプチド配列と修飾されたポリペプチド配列との間の配列同一性は少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれを超える可能性がある。当業者は、保存的アミノ酸置換においてはアミノ酸側鎖の構造及び/又は化学的特性が類似であり、及びその置換が野生型配列の構造的な特徴を実質的に変化させない置換であることを理解するだろう。変異を含む核酸を用いる実施形態においては、変異はランダム変異又は部位特異的変異であってよい。
保存的な修飾は、修飾されていないNaV受容体と類似の機能及び化学的特徴を有するNaV受容体を産生するだろう。「保存的アミノ酸置換」とは、その置換において、アミノ酸残基が類似の化学的特性(例えば電荷又は疎水性)を有し、側鎖(R基)をもつ別のアミノ酸残基によって置換されるものである。通常、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能特性を実質的に変化させない。2つ以上のアミノ酸配列が、保存置換によってそれぞれ異なる場合、配列同一性のパーセンテージ又は類似性の度合いは、置換の保存的な性質により上方に調整される。この調整手段は当業者において周知である。例えばPearson,Methods Mol. Biol.243:307〜31(1994)を参照のこと。
類似の化学的特性を有する側鎖をもつアミノ酸群の例としては、1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシン;2)脂肪族−水酸基側鎖:セリン及びトレオニン;3)アミド含有側鎖:アスパラギン及びグルタミン;4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン;5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、及びヒスチジン;6)酸性側鎖:アスパラギン酸及びグルタミン酸;並びに7)硫黄含有側鎖:システイン及びメチオニンがある。好ましい保存的アミノ酸置換のグループは:バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、グルタミン酸−アスパラギン酸、及びアスパラギン−グルタミンである。また、保存的な置換は、Gonnet et al.,Science 256:1443〜45(1992)において開示されたPAM250対数尤度マトリックスにおいて正の値を有する任意の変化である。「中程度に保存的な」置換は、PAM250対数尤度マトリックスにおいて負でない値を有する任意の変化である。
いくつかの実施形態においては、NaVサブユニットをコードする核酸配列はエピトープタグをさらに含む。それらのタグは、例えば黄色蛍光タンパク質(YFP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、6x−HIS(配列番号35)、myc、FLAG、又は血球凝集素(HA)、Sタグ、チオレドキシン、自家蛍光タンパク質、GST、V5、TAP、CBP、BCCP、マルトース結合タンパク質タグ、Nusタグ、Softag 1、Softag 3、Strepタグ、又は前述のタグの変異体をコードしてもよい。タグは、発現レベル、細胞内局在、タンパク質−タンパク質相互作用、NaV又はそのサブユニットの制御及び機能を決定するためのマーカーとして使用される場合もある。タグはタンパク質の精製及び分画を促進するために使用される場合もある。これらの及びその他のタグ配列は当業者において周知であり、典型的には発現タンパク質産物中に組み込まれてもよく、そしてしばしば抗体又はタンパク質の存在を示すために使用され得るロバストな抗体又はタンパク質検出試薬の性能に基づいて選択される。しかしながら、本明細書において記載されるタグ配列は、アミノ酸レベルにおいて修飾するために用いられ得る配列、タグを有するRNAによってコードされるタンパク質産物、又は相当する抗体又はタンパク質検出試薬の使用を介してその後行われる任意のそれら修飾タンパク質産物の検出を補助する配列のみを意味するものではない。例えば、「分子指標」として使用されるRNAタグの使用に関する以下の議論を参照のこと。
本発明の細胞株を作出するために使用される宿主細胞は、1つ以上の内生NaVタンパク質を発現していてもよく、又は1つ以上のいずれのNaVタンパク質の発現を欠失していてもよい。宿主細胞は、初代、胚、又は胚幹細胞を含む幹細胞であってもよい。宿主細胞はまた、不死化細胞であってもよい。宿主細胞は中胚葉、外肺葉、若しくは内胚葉層からの初代又は不死化細胞由来であってもよい。宿主細胞は、内皮、表皮、間葉、神経、腎臓、肝臓、造血、又は免疫細胞であってもよい。例えば宿主細胞は、腸陰窩又は絨毛細胞、クララ細胞、結腸細胞、腸管細胞、杯細胞、腸管クロム親和細胞、腸管内分泌細胞であってもよい。宿主細胞は、真核、原核、哺乳類、ヒト、霊長類、ウシ、ブタ、ネコ、齧歯類、有袋類、ネズミ又はその他の細胞であってもよい。宿主細胞はまた、酵母、昆虫、真菌、植物、下等な真核生物及び原核生物などの非哺乳類であってもよい。それら宿主細胞は、細胞が標的と相互作用することによって発現産物が欠如する可能性がより高くなる場合のある、試験における様々なバックグラウンドを生じる可能性がある。好ましい実施形態においては、宿主細胞は哺乳類細胞である。本発明の細胞株様に使用され得る宿主細胞の例としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、確立されたニューロン細胞株、褐色細胞腫、神経芽細胞腫繊維芽細胞、横紋筋肉腫、後根神経節細胞、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、ヒーラ(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)、MRC−5(ATCC CCL 171)、L−細胞、HEK−293(ATCC CRL1573)、PC12(ATCC CRL−1721)、HEK293T(ATCC CRL−11268)、RBL(ATCC CRL−1378)、SH−SY5Y(ATCC CRL−2266)、MDCK(ATCC CCL−34)、SJ−RH30(ATCC CRL−2061)、HepG2(ATCC HB−8065)、ND7/23(ECACC 92090903)、CHO(ECACC 85050302)、ベロ(ATCC CCL 81)、Caco−2(ATCC HTB 37)、K562(ATCC CCL 243)、ジャーカット(ATCC TIB−152)、Per.C6(Crucell、 Leiden、 The Netherlands)、Huvec(ATCC ヒト初代PCS 100〜010、マウスCRL 2514、CRL 2515、CRL 2516)、HuH−7D12(ECACC 01042712)、293(ATCC CRL 10852)、A549(ATCC CCL 185)、IMR−90(ATCC CCL 186)、MCF−7(ATC HTB−22)、U−2 OS(ATCC HTB−96)、T84(ATCC CCL 248)、又はいずれの確立した(極性のある又は極性のない)細胞株、若しくは、The American Type Culture Collection(ATCC、10801 University Blvd. Manassas、 Va. 20110〜2209 USA)若しくはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC、Salisbury Wiltshire SP4 0JG England)などのリポジトリから入手可能ないずれの細胞株が挙げられるがこれらには限定されない。宿主細胞型の選択によっては、既知の又は知られていない異なる補助的な因子が、標的と相互作用し得る又は標的の機能若しくは発現を変化させ得ることを当業者は理解するだろう。
1つの実施形態においては、宿主細胞は、その後トランスジェニック動物を作出するための基礎として使用される胚幹細胞である。少なくとも1つのNaVサブユニットと、好ましくは機能的な異種NaV受容体を安定に発現する胚幹細胞を生物に直接移植してもよく、又はそれらの核をその他の受容細胞に転移させ、その後これらを成長及び発達をインビトロで試験するために移植してもよい。胚幹細胞をまた、トランスジェニック動物を作出するために使用してもよい。
当業者によって理解されるように、宿主細胞と共に使用することに適しているいずれのベクターを、NaVアルファ又はベータサブユニットをコードしている核酸を宿主細胞に導入するために使用することもできる。アルファ及びそれぞれのベータサブユニットを含むベクターは、同じ型であっても異なる型であってもよい。NaVサブユニットをコードする核酸を宿主細胞に導入するために使用され得るベクターの例としては、プラスミド、レトロウイルス及びレンチウイルスを含むウイルス、コスミド、人工染色体が挙げられるがこれらには限定されず、並びに、例えばpFN11A(BIND)Flexi(登録商標)、pGL4.31、pFC14A(HaloTag(登録商標)7)CMV Flexi(登録商標)、pFC14K(HaloTag(登録商標)7)CMV Flexi(登録商標)、pFN24A(HaloTag(登録商標)7)CMVd3 Flexi(登録商標)、pFN24K(HaloTag(登録商標)7)CMVd3 Flexi(登録商標)、HaloTag(商標)pHT2、pACT、pAdVAntage(商標)、pALTER(登録商標)−MAX、pBIND、pCAT(登録商標)3−Basic、pCAT(登録商標)3−Control、pCAT(登録商標)3−Enhancer、pCAT(登録商標)3−Promoter、pCI、pCMVTNT(商標)、pG5luc、pSI、p標的(商標)、pTNT(商標)、pF12ARMFlexi(登録商標)、pF12KRMFlexi(登録商標)、pRegneo、pYES2/GS、pAd/CMV/V5−DESTGateway(登録商標)ベクター、pAd/PL−DEST(商標)Gateway(登録商標)ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)27ベクター、Gateway(登録商標)pEF−DEST51ベクター、Gateway(登録商標)pcDNA(商標)−DEST47ベクター、pCMV/Bsdベクター、pEF6/HisA、B、&C、pcDNA(商標)6.2−DEST、pLenti6/TR、pLP−AcGFP1−C、pLPS−AcGFP1−N、pLP−IRESneo、pLP−TRE2、pLP−RevTRE、pLP−LNCX、pLP−CMV−HA、pLP−CMV−Myc、pLP−RetroQ、pLP−CMVneo、pCMV−Script、pcDNA3.1Hygro、pcDNA3.1neo、pcDNA3.1puro、pSV2neo、pIRES puro、及びpSV2 zeoが含まれる場合もある。いくつかの実施形態においては、ベクターは、構成的又は条件付きプロモーターなどの発現制御配列を含む。当業者はそれらの配列を選択することができるだろう。例えば好適なプロモーターには、CMV、TK、SV40及びEF−1αが含まれるがこれらには限定されない。いくつかの実施形態においては、プロモーターは、誘導可能、温度により制御される、組織特異的、抑制可能、熱ショック、発生的、細胞株齢特異的、原核及び/又は真核発現可能な、又は一過性のプロモーターであり、又は、非修飾、変異を受けた、ランダム化された、シャッフルされた、前述した1以上の任意の配列の組み合わせ若しくは組換えである。NaVサブユニットをコードする核酸は構成的に発現することが好ましい。
いくつかの実施形態においては、ベクターは選択マーカー又は薬剤耐性遺伝子を欠損している。その他の実施形態においては、ベクターは任意に、薬剤又は抗生物質耐性を付与するタンパク質など、選択マーカーをコードする核酸を含む。異なるNaVサブユニットをコードする配列に対するそれぞれのベクターは、同じ若しくは異なる薬剤耐性、又はその他の選択マーカーを含んでいてもよい。1つ以上の薬剤耐性マーカーが同じである場合、同時選抜は薬剤のレベルを上げることによって達成され得る。好適なマーカーは当業者に周知であり、ネオマイシン/G418、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、ゼオシン、メトトレキサート及びブラストシジンのいずれか1つに対する耐性を付与する遺伝子を含むがこれらには限定されない。薬剤選抜(又はその他の好適な選択マーカーを使用した選抜)が必要とされる工程でない場合にも、所望される場合には、形質転換した構築物に薬剤耐性を付与するように設計することで、安定に形質転換された細胞の割合を上げるために薬剤選抜を使用することができる。シグナル伝達プローブを用いて選抜を行う場合には、形質転換の後、あまりにもすぐに選抜を実施した場合に、安定してではなく一過的に形質転換されたいくつかの陽性細胞を生じる場合がある。しかしながらこのことは、十分に細胞を継代すること、一過的に形質転換された細胞、導入されたDNAを発現していない安定な統合細胞、又はシグナル伝達プローブによって効果的に検出できない可能性のあるRNAを生成する細胞を希釈することによって、最小限にすることができる。
本発明の別の観点においては、本発明の細胞及び細胞株はNaV又はNaVサブユニットを安定して発現する。安定した発現を同定するためには、細胞株におけるそれぞれのNaVサブユニットの発現を時間経過を追って測定し、そして発現レベルを比較する。安定な細胞株は、時間経過を通じて実質的に同じレベル(例えば、ばらつきがわずか40%、30%、20%、15%、10%、5%、又は2%程度)でNaVサブユニットを発現し続けるだろう。本発明のいくつかの観点においては、時間経過は、少なくとも1週間、2週間、3週間、若しくは4週間;又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、若しくは9カ月間、又は少なくともその範囲のいずれかの長さの期間になる可能性がある。発現しているそれぞれのNaVサブユニットの絶対的な及び/又は相対的な量を決定するためのqRT−PCR及びエンドポイントRT−PCRなど、又はそのほかの任意の標準的なタンパク質発現解析法によって、単離した細胞をさらに特徴付けることができる。
本発明の細胞及び細胞株は、それらのZ’ファクターによって明らかなように、高い再現性のあるアッセイを提供するさらに有利な特性を有する。Zhang JH,Chung TD,Oldenburg KR「A Simple Statistical Parameter for Use in Evaluation and Validation of High Throughput Screening Assays.」J.Biomol.Screen.1999;4(2):67〜73を参照のこと。Z’値が、細胞又は細胞株が調節因子に一定して反応するであろう度合いを反映することから、Z’値は細胞又は細胞株の質に関係する。Z’は、マルチウェルプレート全体にわたって、参照化合物に対する機能的な反応のシグナル対ノイズ幅及びシグナルのばらつき(すなわちウェル間の)を考慮する統計的な計算である。Z’は、ポジティブコントロールを含むマルチウェルプレート及びネガティブコントロールを含むマルチウェルプレートから得られたデータを用いて算出される。ポジティブコントロール及びネガティブコントロールの標準偏差の和に3を乗じた数値と、それらの平均の差との比を1から引いた値がZ’ファクターを示す。従って、下記の式となる。
Z’ファクター=1−((3σpositive control+3σnegative control)/(μpositive control−μnegative control))
理論的には、Z’ファクターの最大は1.0であり、これは、ばらつきがなく、かつ、変動幅に制限がない理想的なアッセイを示すものである。本明細書で使用される場合、「高Z’」は、Z’ファクターのZ’が少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.75若しくは少なくとも0.8、又は0.6と1.0の間の任意の小数であることを意味する。0よりも小さいスコアは、それがポジティブ及びネガティブコントロールの間に重複があることを示すことから望ましくない。業界では、単純な細胞を用いたアッセイにおいては、0.3までのZ’スコアが下限に近いと考えられ、0.3から0.5の間のZ’スコアが許容範囲であると考えられ、そして0.5以上のZ’が非常に良いと考えられている。無細胞又は生物化学的アッセイはより高いZ’スコアに達する可能性があるが、細胞を用いたシステムは複雑であることから、細胞を用いたシステムでのZ’スコアはより低くなる傾向にある。
当業者は、歴史的にみて、一本鎖タンパク質を発現する細胞を使用した、細胞を用いたアッセイにおいては典型的には0.5から0.6を超えるZ’を達成しないことを認めるだろう。それらの細胞をアッセイにおいて使用することは、結果を再現できないことから、信頼性がない。一方本発明の細胞及び細胞株は、アッセイにおいて高いZ’値を有し、かつ、一定の結果を有利に生じる。本発明のNaV細胞及び細胞株は、通常それらが少なくとも0.7のZ’ファクターを有するため、ハイスループットスクリーニング(HTS)コンパチブルアッセイの基礎を提供する。本発明のいくつかの観点においては、細胞及び細胞株は少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、又は少なくとも0.8のZ’を生じる。本発明のその他の観点においては、本発明の細胞及び細胞株は、複数回の継代の間、例えば5から20の間のいずれの整数を含む5〜20回の継代の間維持される、少なくとも0.7、少なくとも0.75又は少なくとも0.8のZ’を生じる。本発明のいくつかの観点においては、細胞及び細胞株は、1、2、3、4若しくは5週間、又は2、3、4、5、6、7、8若しくは9カ月間、及びそれらの範囲間のいずれの期間の間維持される、少なくとも0.7、少なくとも0.75若しくは少なくとも0.8のZ’を生じる。
また本発明によると、天然に生じるNaVヘテロマルチマー(非天然に生じる、アルファ及びベータサブユニットの組み合わせ又はアルファ若しくはベータサブユニットのみを発現する細胞株とは異なり)の組換え型を発現する細胞及び細胞株のNaV機能、例えばナトリウムイオン伝導を特徴付けることができる。いくつかの実施形態においては、本発明の細胞及び細胞株は、導入されたイオンチャネルの「生理学的に関連のある」活性を表示する。本明細書で使用される場合、「生理学的に関連のある」は、例えば調節因子に反応して、天然に生じる同じ型のチャネル、例えば同じ組み合わせのアルファ及びベータサブユニットを有する天然に生じる受容体と実質的に同じ様式で作用する導入されたイオンチャネルを発現する細胞又は細胞株の特性を意味する。本発明の細胞及び細胞株は好ましくは、NaV活性化剤としてナトリウムを用いる膜電位アッセイ、電気生理学的アッセイ、及び結合又はパニングアッセイなどの好適なアッセイにおいて、通常内生の(天然の)NaVを発現する細胞(例えば初代細胞)と同程度の機能を示す。それらの比較は細胞又は細胞株の生理学的関連を決定するために用いられる。
本発明の別の観点においては、本発明の細胞を用いて同定された調節因子を、機能を確認するためのさらなるアッセイにおいて使用することができる。本発明の細胞及び細胞株さらに有利な特性は、最初のスクリーニングにおいて同定された調節因子が、膜電位アッセイ又は電気生理学的アッセイなどの二次的な機能アッセイにおいても機能することである。当業者が認めるように、最初のスクリーニングアッセイにおいて同定された化合物は、典型的には、二次的な機能アッセイにおいて機能する誘導体又はアナログを得るために、コンビナトリアルケミストリー、医薬品化学又は合成化学などによって修飾する必要がある。しかしながら、本発明の細胞及び細胞株の高い生理学的関連により、これらを用いて同定した化合物はそのような「粗」同調を必要としない。
いくつかの実施形態においては、本発明の細胞及び細胞株はNaV調節因子に対する高い感受性を有する。本発明の細胞及び細胞株は、NaVに対してEC50又はIC50の値の生理学的範囲を有する調節因子に反応する。本明細書で使用される場合、EC50は、細胞又は細胞株において半値活性化反応を誘導するのに必要とされる、化合物又は基質の濃度を意味する。本明細書で使用される場合、IC50は、細胞又は細胞株において半値阻害反応を誘導するのに必要とされる、化合物又は基質の濃度を意味する。EC50及びIC50の値は、当該分野において周知の技術、例えばNaVを発現する細胞株の反応に対する化合物又は基質の濃度に関連する用量反応曲線を用いて決定することができる。例えば、本発明の細胞株におけるテトロドトキシン(TTX)に対するIC50は約1〜100nM、例えば1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、又は90nMである。
いくつかの実施形態においては、安定性、生理学的関連、アッセイにおける再現性(Z’)、又は生理学的なEC50若しくはIC50値などの本発明の細胞及び細胞株の特性は、特定の培養条件下で達成できる。いくつかの実施形態においては、培養条件は標準化され、かつ、例えば自動化による変更なしに、厳密に維持される。培養条件には、その条件下で細胞又は細胞株が生育できるいずれの好適な条件、及び当該分野において知られるいずれの好適な条件が含まれていてもよい。様々な培養条件は、NaV、又はその変異体若しくは対立遺伝子変異体における有利な生物学的特性を生じる可能性がある。
その他の実施形態においては、安定性、生理学的関連、アッセイにおける再現性(Z’)、又は生理学的なEC50若しくはIC50値などの所望の特性を有する本発明の細胞及び細胞株、を1か月以内に得ることができる。例えば、細胞又は細胞株を2、3、4、5、若しくは6日間以内、又は1、2、3若しくは4週間以内、又はその範囲内のいずれの長さの期間で得ることができる。
本細胞及び細胞株をコレクション又はパネル、1つの型のNaVを発現するそれぞれの細胞セット又は細胞株[例えばアルファ及びベータサブユニット若しくはサブユニットの変異体(例えば変異体、断片、若しくはスプライスされた変異体)の様々な組み合わせからなるNaV(例えば二量体、三量体など)、又はアルファ若しくはベータサブユニットのみの単量体若しくは多量体]、において使用することができる。コレクションには例えば、2つ以上の前述したNaV受容体を発現する細胞株が含まれてもよい。いくつかの実施形態においては、コレクション又はパネルは、同一のNaVを発現する又は制御タンパク質を発現するメンバーをさらに含んでもよい。
例えば薬剤スクリーニングのための細胞又は細胞株のコレクション又はパネルを産生した場合、コレクション又はパネル中の細胞又は細胞株を、1つ以上の選択的生理学的特性に関しては同じ(実質的に同じであることを含む)になるように、同調させる可能性がある。この文脈における「同じ生理学的特性」は、選択的生理学的特性が、コレクション又はパネル中のメンバー間において十分に類似し、そのため細胞コレクション又はパネルが薬剤スクリーニングアッセイにおいて信頼できる結果、例えば細胞固有のばらつきよりも、異なる型のNaVを発現する細胞における試験化合物の異なる生物学的活性による、例えば薬剤スクリーニングアッセイおける読み出しのばらつきを生じることを意味する。例えば、細胞又は細胞株を、同じ成長速度、すなわち細胞コレクション又はパネル中のメンバー間において1、2、3、4、又は5時間を超える差のない成長速度を有するように同調させる可能性がある。このことは、例えば細胞を成長速度によって5、6、7、8、9、又は10のグループに分類し、そして同じ分類グループ由来の細胞を用いてパネルを作出することによって達成される。細胞の成長速度を決定する方法は当該分野において周知である。パネル中の細胞又は細胞株を、同じZ’ファクター(例えば差が0.1以内のZ’ファクター)、NaV発現レベル(例えば5%、10%、15%、20%、25%、又は30%を超える差のないNaV発現レベル)、組織培養表面への付着などを有するように同調させる可能性がある。同調した細胞及び細胞株は、選択的生理学的特性を維持するように、例えば自動化並列処理によって達成される同一の条件下で生育させることができる。
本発明の同調した細胞パネルは、例えばNaVへの定義された活性を有する調節因子(例えばアゴニスト又はアンタゴニスト)の同定;異なる型のNaVにわたる化合物活性の分析;1つの型のNaVにのみ活性な調節因子の同定;及びNaVのサブセットのみに活性な調節因子の同定に用いることができる。本発明の同調した細胞パネルはハイスループットスクリーニングを可能にする。完了するまでに数ヶ月を要したスクリーニングを、今では数週間以内で完了させることができる。
本発明の細胞及び細胞株を作出するためには、例えば米国特許第6、692、965号及び国際公開第2005/079462号に記載された技術を用いる事ができる。これら両方の文献は、参照することによりその全文が本明細書に組み込まれる。この技術は、所望される任意の数のクローン(数百から数千のクローン)である、何百万もの細胞のリアルタイムの評価を提供する。フローサイトメトリーによる細胞分類(例えばFACS機械を用いた)又は磁気を用いた細胞分類(例えばMACS機械を用いた)などの細胞分類技術を用いて、培養容器(96ウェル培養プレートなど)中の1つのウェル当たりに1つの細胞が自動的に、高い統計的信頼度で入れられる。この技術の速度及び自動化は多重遺伝子組換え細胞株の単離を容易にすることができる。
この技術を用い、分子指標又は蛍光性プローブとも称されるシグナル伝達プローブを使用して、それぞれのNaVサブユニットに対するRNA配列を検出することができる。いくつかの実施形態においては、NaVサブユニットをコードする配列を含有するベクターは、RNAタグ配列をコードするさらなる配列を有する。「タグ配列」は、発現されるRNA又はシグナル伝達プローブによって検出されるRNAの一部分である核酸配列を意味する。シグナル伝達プローブは、上述したペプチド及びタンパク質タグをコードするRNAを含む、タグをして使用される可能性のある様々なRNA配列のいずれかを検出し得る。タグ配列に相補する一部分を含むようにプローブを設計することにより、シグナル伝達プローブがタグに対するものになる可能性もある。タグ配列がNaV転写産物と共に転写されるプラスミドの3’非翻訳領域で、及びシグナル伝達プローブが結合する標的配列を含む可能性がある。産生されるタンパク質にタグを付加することが望まれるかどうかに依存して、タグ配列が遺伝子のメッセージにおけるタンパク質をコードする部分にインフレーム、又はインフレームでなくなる場合がある。従って、シグナル伝達プローブによる検出においては、タグ配列が翻訳される必要はない。タグ配列は、シグナル伝達プローブがそれぞれの標的にハイブリダイズする、同じ又は異なる複数の標的配列を含んでいてもよい。タグ配列は目的とする遺伝子をコードするRNAの中に局在してもよく、又はタグ配列は5’−若しくは3’−非翻訳領域中に局在してもよい。タグ配列は二次構造を有するRNAであってもよい。この構造は、3アーム連結構造である可能性がある。いくつかの実施形態においては、シグナル伝達プローブはNaVサブユニットをコードする配列中の配列を検出する。
NaVサブユニットをコードする配列、任意にタグ配列をコードする配列、及び任意に選択マーカーをコードする核酸、を含む核酸は、周知の方法によって選択された宿主細胞に導入される可能性がある。その方法には形質転換、ウイルスを用いた送達、タンパク質若しくはペプチドを介した挿入、共沈法、脂質を用いた送達試薬(リポフェクション)、サイトフェクション(cytofection)、リポポリアミン(lipopolyamine)を用いた送達、デンドリマー送達試薬、エレクトロポレーション又は機械的な送達が含まれるがこれらには限定されない。形質転換試薬の例としては、GENEPORTER、GENEPORTER2、LIPOFECTAMINE、LIPOFECTAMINE2000、OLIGOFECTAMINE、TRANSFAST、TRANSFECTAM、GENESHUTTLE、TROJENE、GENESILENCER、X−TREMEGENE、PERFECTIN、CYTOFECTIN、SIPORT、UNIFECTOR、FUGENE 6、FUGENE HD、TFX−10、TFX−20、TFX−50、SIFECTOR、TRANSIT−LT1、TRANSIT−LT2、TRANSIT−EXPRESS、IFECT、RNAISHUTTLE、METAFECTENE、LYOVEC、LIPOTAXI、GENEERASER、GENEJUICE、CYTOPURE、JETSI、JETPEI、MEGAFECTIN、POLYFECT、TRANSMESSANGER、RNAiFECT、SUPERFECT、EFFECTENE、TF−PEI−KIT、CLONFECTIN、及びMETAFECTINEが挙げられる。
DNA構築物の細胞への導入及びその後の薬剤選抜(使用する場合)、又は続く上述の遺伝子活性化の後、それぞれが異なるタグ配列を標的とし、かつ、異なって標識されている分子指標(例えば蛍光性プローブ)が細胞に導入される場合があり、そしてそれらのシグナルに陽性な細胞を単離するためにフローサイトメトリー細胞分別機が用いられる場合がある(複数回の細胞分別が実施される場合がある)。1つの実施形態においては、フローサイトメトリー細胞分別機はFACS機械である。MACS(磁気を用いた細胞分類)又はレーザーが使用可能な解析及び処理を用いた陰性細胞のレーザーでの除去もまた使用可能である。ハイスループットスクリーニングに適合するものを含めた、その他の蛍光プレートリーダーもまた使用可能である。シグナル陽性細胞は、それらのゲノム中に少なくとも1コピーの導入されたNaV配列を取り込んでおり、及び融合した可能性がある。1以上のNaVサブユニットが導入された細胞が同定される。一例として、NaVサブユニット配列が細胞中の異なる位置のゲノム中に融合される場合がある。NaVサブユニットをコードする導入された遺伝子の発現レベルはコピー数又は融合部位に基づいて多様になる可能性がある。さらに、導入された遺伝子がエピソームである又は遺伝子活性化によって生じる、1以上のNaVサブユニットを含む細胞が得られる可能性もある。
本発明において有用なシグナル伝達プローブは当該分野において周知であり、そして通常は標的配列に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチドであり、そしてシグナル放出システムは、プローブが標的配列に結合しない場合にはいずれのシグナルも放出しないように準備されており、かつ、シグナルはプローブが標的配列に結合した場合に放出される。制限のない例として、シグナル伝達プローブは、消光剤と蛍光色素分子が共に、結合していないプローブ中に取り込まれるように、プローブ中に位置する蛍光色素分子と消光剤を含んでいてもよい。プローブと標的配列との間の結合に際しては、消光剤と蛍光色素分子が離れ、シグナルの放出を生じる。例えば国際公開第2005/079462号には、本細胞及び細胞株の産生において使用可能な、数多くのシグナル伝達プローブが記載されている。前述の核酸を細胞に導入するための方法は、シグナル伝達プローブを導入するためにも使用可能である。
タグ配列が使用される場合、それぞれのNaVサブユニットのベクターは、同じまたは異なるタグ配列を含んでもよい。タグ配列が同じであっても又は異なっていても、それぞれのサブユニットの発現を個別に検出できるように、シグナル伝達プローブは異なる色の蛍光色素分子などの異なるシグナル放出体を含む場合がある。例としては、NaVアルファサブユニットmRNAを特異的に検出するシグナル伝達プローブが赤色の蛍光色素分子を含み、第一のNaVベータサブユニットを検出するプローブは緑色の蛍光色素分子を含み、そして、第二のNaVベータサブユニットを検出するプローブが青色の蛍光色素分子を含む場合がある。当業者は、3重に形質転換した細胞においてシグナル伝達プローブを用いて3つのサブユニットの発現を別々に検出するその他の手段を理解するだろう。
1つの実施形態においては、シグナル伝達プローブは、NaVサブユニットをコードするRNAの一部分またはその5’若しくは3’非翻訳領域のいずれかに相補するように設計される。目的のRNAのメッセンジャーを認識するように設計されたプローブが、誤って内生的に発現する標的配列を検出できる場合でさえも、形質転換細胞によって産生される目的の配列の割合と比較して、内生的に発現する標的配列の割合は細胞分別機が2つの細胞型を識別することができる程度である。
導入されたNaVサブユニットの発現レベルは細胞株毎に多様になる可能性がある。細胞株における発現レベルは、DNAメチル化などのエピジェネティックな変化並びに遺伝子抑制及び導入遺伝子のコピーの欠失によって、時間とともに減少する可能性がある。これらの変化の原因としては、例えば、細胞に取り込まれた導入遺伝子のコピー数、ゲノムにおける導入遺伝子が組み込まれた部位、及びゲノムに組み込まれた後の導入遺伝子の完全性などの様々な因子が考えられる。発現レベルの評価には、FACSを用いることができる。所望のレベルで導入されたNaVサブユニットを発現する細胞を、例えばFACSによって単離することができる。例えば、細胞が最初に単離された任意の1つ以上のRNAに対してまだ陽性であるか、及びどの程度陽性であるかを決定するために、先に生成した細胞又は細胞株にシグナル伝達プローブを再度使用することもできる。
3つ全てのNaVサブユニットを発現する細胞を単離した場合、所望の全てのサブユニットを安定して発現しているかを確認するために、それらを十分な長さの期間培養する場合がある。本発明の別の実施形態においては、細胞分別及び単一細胞の単離の前又は後に接着細胞を懸濁状態に適応させる場合がある。その他の実施形態においては、単離した細胞を個別に生育させてもよく、又は細胞集団を生じさせるためにプールしてもよい。また、単一の又は多重の細胞株を個別に生育させてプールしてもよい。細胞株のプールが所望の活性を産生する、又は所望の特性を有する場合、この効果を有する細胞株又は細胞株のセットを同定するまで、この細胞株をさらに分画する場合もある。プールしている細胞又は細胞株は、それぞれ個別に維持するための必要条件なしに、数多くの細胞株の維持を容易にする可能性がある。従って、細胞又は細胞株のプールにおいては陽性の細胞が濃縮される可能性がある。濃縮されたプールは、所望の特性または活性に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は100%陽性である可能性がある。
さらなる観点においては、本発明は、本発明の細胞及び細胞株の生産方法を提供する。1つの実施形態においては、この方法は、a)NaVをコードするmRNAを発現している複数の細胞を準備する工程;b)個々の細胞を個別の培養ベッセル中に分散させ、それにより、複数の別々の細胞培養を準備する工程;c)それぞれの別個の細胞培養における条件が実質的に同一なことを特徴とする自動化された細胞培養法を用いて、一連の所望の培養条件下で細胞を培養する工程(この培養期間中、それぞれの別個の細胞培養における細胞数は均一化され、及び別個の培養は同じスケジュールで継代される);d)少なくとも1つのNaVタンパク質の所望の特徴(例えば安定な発現)について、少なくとも2回、別個の細胞培養をアッセイする工程;及びe)2回のアッセイの両方において所望の特徴を有する、別個の細胞培養を同定する工程を含む。
この方法に従って、細胞を一連の所望の条件下で培養する。条件はいずれの所望の条件であってよい。一連の培養条件にどの指標が含まれるかを当業者は理解するだろう。例えば、培養条件には、培地(基礎となる培地(DMEM、MEM、RPMI、血清を含まない、血清を含む、完全に化学的に同定された、動物由来の成分を含まない)、一価及び二価イオン(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)濃度、さらに添加される成分(アミノ酸、抗生物質、グルタミン、グルコース又はその他の炭素源、HEPES、チャネル遮断薬、その他の標的の調節因子、ビタミン、微量元素、重金属、補因子、増殖因子、抗アポトーシス試薬)、新しい又は馴化培地、HEPESを含む、pH、特定の栄養素が枯渇した又は制限された(アミノ酸、炭素源))、分割/継代する前に細胞が達してもよい密集度のレベル、支持細胞層、又はガンマ線を照射した細胞、CO2、3成分ガス系(酸素、窒素、二酸化炭素)、湿度、温度、静置若しくはシェーカー上など当業者に周知の条件が含まれるがこれらには限定されない。
培養条件は、標準的に、又は特定の所望の細胞の利用によって選択される可能性がある。本発明は、特定の所望の利用に最適な細胞及び細胞株を有利に提供する。すなわち、特定の所望の利用への条件かで細胞を培養する本発明の実施形態においては、所望の特徴を有する細胞が所望の利用への条件下で選択される。例としては、細胞が付着することが所望される、プレート上でのアッセイに細胞用いられる場合、アッセイの条件下で付着を示す細胞が選択され得る。同様に、細胞をタンパク質産生に使用する場合、タンパク質産生に適した条件で細胞を培養し、そしてその利用において有利な特性を有する細胞を選択することができる。
いくつかの実施形態においては、この方法は、別個の細胞培養における成長速度を測定するさらなる工程を含む。成長速度は、当業者に周知の様々な技術的手段のいずれを用いて決定され得る。それらの技術には、ATP、細胞密集度、光散乱、吸光度(例えばDNAにはOD260が用いられる)、の測定が含まれるがこれらには限定されない。細胞が選択された培養条件外に置かれる時間を最小限にする手段を用いて成長速度を決定することが好ましい。
いくつかの実施形態においては、細胞密集度を測定し、その密集度の値から成長速度を算出する。いくつかの実施形態においては、信頼性を向上させるために、細胞密集度の測定に先立ち、細胞を分散させ、かつ、凝集を除去する。細胞を個別に分散させる手段は周知であり、例えば、測定する培養に分散試薬を添加することによって達成することができる。分散剤は周知であり、かつ、容易に入手可能である。分散剤には、トリプシンなどの酵素的分散剤、及びEDTAを用いた分散剤が含まれるがこれらには限定されない。HAMILTON VECTORなどの成長速度を算出するための市販されているソフトウェアを用いて、密集度のデータから成長速度を算出することができる。自動化された顕微的プレートリーダーを用いるなどの、自動化密集度測定は特に有用である。密集度を測定するプレートリーダーは市販されており、それらにはCLONE SELECT IMAGER(Genetix)が含まれるがこれには限定されない。典型的には、成長速度を算出する前に、少なくとも2回の細胞密集度の測定が行われる。成長速度の決定に用いられる密集度の値の数値は、標準的な又は培養に適したいずれの値になってもよい。例えば、1週間、2週間、3週間などの任意の期間にわたって、所望の頻度で密集度を複数回測定する場合がある。
成長速度が既知の場合、この方法に従って、成長速度の類似性によって複数の別個の細胞培養をいくつかの群に分類する。成長速度瓶によって培養を分類することにより、同じ群の培養を同時に操作することができ、それによって、培養間の多様性を減少させる別のレベルの標準化を提供することができる。例えば、瓶中の培養を同時に継代することができること、同時に所望の試薬で処理することができること、などである。さらに、機能分析の結果は、典型的にはアッセイウェル中の細胞密度に依存する。個々のクローンの真の比較は、それらを同じ密度で播種し、かつ、試験することによってのみ達成される。特定の成長速度コホートに分類することは、ハイスループット法においてクローンの機能的な特徴付けを可能にする、クローンの特定の密度での播種を可能にする。
それぞれの群における成長速度の範囲は、適切ないずれの範囲になる可能性がある。細胞を同時に継代できる、かつ、細胞数の頻繁は再均一化を避けることのできる成長速度を選択することが、特に有用である。狭い分類においては、成長速度の群は非常に狭い範囲、例えばそれぞれの平均倍加時間が1時間以内であること、を含むことができる。しかしこの方法によると、それぞれの範囲は最大2時間、最大3時間、最大4時間、最大5時間、若しくは最大10時間、又はさらにそれを超える範囲であってもよい。いくつかの培養における細胞数がその他の培養よりも早く増加するように、瓶における成長速度が異なる場合、再均一化の必要性が生じる。瓶中の全ての培養における条件を実質的に同一に維持するために、瓶の細胞数を再均一化するために細胞を定期的に除去することが必要である。成長速度がより異なる場合には、より頻繁に再均一化することが必要とされる。
工程d)においては、細胞及び細胞株は任意の生理学的特性を試験され、そしてその特性に基づいて選択され得る。任意の生理学的特性には、ゲノムによってコードされる細胞内プロセスにおける変化;ゲノムによって制御される細胞内プロセスにおける変化;染色体活性のパターンにおける変化;染色体抑制のパターンにおける変化;遺伝子抑制のパターンにおける変化;遺伝子活性化のパターン又は効果における変化;遺伝子発現のパターン又は効果における変化;RNA発現にのパターン又は効果における変化;RNAi発現のパターン又は効果における変化;RNAプロセッシングのパターン又は効果における変化;RNA輸送のパターン又は効果における変化;タンパク質翻訳のパターン又は効果における変化;タンパク質折りたたみのパターン又は効果における変化;タンパク質の配置パターン又は効果における変化;タンパク質修飾のパターン又は効果における変化;タンパク質輸送のパターン又は効果における変化;成長速度によって変化する、細胞表面への膜タンパク質の輸送のパターン又は効果における変化;細胞サイズの変化;細胞形状の変化;細胞形態における変化;%でのRNA含量の変化;%でのタンパク質含量の変化;%での水分含量の変化;%での脂質含量の変化;リボソーム含量の変化;ミトコンドリア含量の変化;ER量の変化;原形質膜表面積の変化;細胞体積の変化;原形質膜の脂質組成における変化;核膜の脂質組成における変化;原形質膜のタンパク質組成における変化;核膜のタンパク質組成における変化;分泌小胞の数の変化;リソソームの数の変化;液胞の数の変化;タンパク質生産、タンパク質分泌、タンパク質折りたたみ、タンパク質配置、タンパク質修飾、タンパク質の酵素的修飾、タンパク質グリコシル化、タンパク質リン酸化、タンパク質脱リン酸化、代謝産物生合成、脂質生合成、DNA合成、RNA合成、タンパク質合成、栄養素の吸収、細胞成長、有糸分裂、減数分裂、細胞分裂、脱分化するための、幹細胞へ導入するための、多能性細胞へ導入するための、全能性細胞へ導入するための、任意の組織型(すなわち、肝臓、肺、皮膚、筋肉、膵臓、脳、精巣、卵巣、血液、免疫系、神経系、骨、心血管系、中枢神経系、胃腸管、胃、甲状腺、舌、胆嚢、腎臓、鼻、眼、爪、頭髪、味蕾)の幹細胞へ導入するための、分化した任意の細胞型(すなわち、筋肉、心筋、ニューロン、皮膚、膵臓、血液、免疫、赤血球、白血球、キラーT細胞、腸内分泌細胞、味、分泌細胞、腎臓、上皮細胞、内皮細胞、核酸配列の導入に使用することができる動物またはヒトの既に挙げた任意の細胞型もまた含む)に導入するための、DNAを取り込むための、小分子を取り込むための、蛍光性プローブを取り込むための、RNAを取り込むための、固体表面に付着するための、血清を含まない条件に適応するための、血清を含まない懸濁条件に適応するための、大規模細胞培養に適応するための、大規模細胞培養に用いるための、創薬において使用するための、ハイスループットスクリーニングにおいて使用するための、細胞を用いた機能分析において使用するための、膜電位アッセイにおいて使用するための、レポーター細胞を用いたアッセイにおいて使用するための、ELISA試験において使用するための、インビトロアッセイにおいて使用するための、インビボでの適用において使用するための、二次的な試験において使用するための、化合物試験において使用するための、結合アッセイにおいて使用するための、パニングアッセイにおいて使用するための、抗体パニングアッセイにおいて使用するための、画像解析において使用するための、顕微鏡画像解析において使用するための、マルチウェルプレートにおいて使用するための、自動化細胞培養に適応させるための、小型自動化細胞培養に適応させるための、大規模自動化細胞培養に適応させるための、マルチウェル(6、12、24、48、96、384、1536又はそれより高い密度の)プレートにおける細胞培養に適応させるための、細胞チップにおいて使用するための、スライド上で使用するための、スライドグラス上で使用するための、スライド又はスライドグラス上のマイクロアレイ用の、生物学的生産において使用するための、及び研究用試薬の生産において使用するための、細胞の容量若しくは能力における変化、が含まれるがこれらには限定されない。
本発明の細胞及び細胞株及び/又は本発明の同調したパネルの特徴付けに用いることができる試験には、アミノ酸解析、DNAシークエンス、タンパク質シークエンス、NMR、タンパク質輸送の試験、核原形質輸送の試験、タンパク質の細胞内局在の試験、核酸の細胞内局在の試験、顕微鏡的解析、超顕微鏡的解析、蛍光顕微鏡、電子顕微鏡、共焦点顕微鏡、レーザーアブレーション技術、細胞数の計測及び透析が含まれるがこれらには限定されない。当業者は、上に挙げた任意の試験の利用方法を理解するだろう。
成長速度の測定の前に細胞又は細胞株が個別の培養に分散される限りにおいて、本方法によって、細胞をいずれの細胞培養の形式において培養することができる。例えば、便宜的には、最初は所望の条件下で細胞をプールしておき、その後個々の細胞を1ウェル又は1ベッセル当たり1細胞になるように分離することができる。いずれの都合のよい数のウェルを有するマルチウェル組織培養プレート中で細胞を培養することができる。それらのプレートは容易に業者から入手可能であり、当業者においては周知である。いくつかの例においては、好ましくは、細胞はバイアル又はその他の任意の適した形式中で培養される可能性がある。様々な形式が当業者に知られており、そして容易に業者から入手できる。
成長速度を測定する工程を含む実施形態においては、成長速度の測定に先立って、細胞が培養条件に適応するのに十分な期間、細胞を培養する。当業者においては理解されるように、その期間は細胞型、選択された条件、培養形式によって多様になり、かつ、1日から数日、1週間以上のいずれの長さの期間になってもよい。
好ましくは、複数の別個の細胞培養におけるそれぞれの個別の培養は、標準化された維持スケジュールを含む、以下で議論された実質的に同一な条件で維持される。本発明の別の有利な特徴は、一連の所望の特性、それが非常に稀少であったとしても、を有する細胞が同定できるように、同時に数多くの個別の培養を維持できることである。それら及びその他の理由から、本発明では、それぞれのウェルにおいて条件が実質的に同一になるように、自動化された細胞培養を用いて複数の別個の細胞培養を培養する。自動化された細胞培養は、手動での細胞培養に不随する避けることのできないばらつきを防ぐ。
本発明の方法においては、いずれの自動化細胞培養システムをも使用してもよい。数多くの自動化細胞培養システムが市販されており、また当業者に周知である。いくつかの実施形態においては、自動化されたシステムはロボットによるシステムである。好ましくは、システムは、それぞれ独立して動くチャネル、マルチチャネルヘッド(例えば96の先端を有するヘッド)及びグリッパー又はチェリーピッキング(良いものだけを選択する)アーム並びに処理中の無菌性を維持するためのHEPAフィルター装置を含む。ピペッター中のチャネルの数は培養の形式に適したものである必要がある。標準的なピペッターは、例えば、96又は384のチャネルを有する。それらのシステムは周知であり、かつ、市販されている。例えば、MICROLABSTAR(商標)装置(Hamilton)を本発明の方法において使用しても良い。自動化されたシステムは、様々な所望の細胞培養の作業を行うことができる。それらの作業は当業者に周知である。それらには培地の除去、培地の交換、試薬の添加、細胞の洗浄、洗浄液の除去、分散剤の添加、培養ベッセルからの細胞の除去、培養ベッセルへの細胞の添加、などが含まれるがこれらには限定されない。
本発明の細胞又は細胞株の生産はいずれの数の別個の細胞培養を含んでもよい。しかしながら、本発明によってもたらされる利点は、細胞の数が多くなるほど増加する。理論的には、本発明で扱うことのできる細胞又は別個の細胞培養の数の上限はない。本発明によれば、別個の細胞培養の数は2つ以上であってよく、より有利には、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上、例えば少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも48、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも96、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも384、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも10,000、少なくとも100,000、少なくとも500,000又はそれ以上の別個の細胞培養となる。
所望の特性(例えば適切なレベルで所望のRNAを発現している)を有する細胞集団の混合からの単離及び再単離の容易性は、薬剤選択圧のない、又は薬剤選択圧が最小限下での細胞株の維持を可能にする。選択圧は、所望の配列又は特性を有する細胞を選択するために細胞培養に適用され、通常は、目的のポリペプチドの発現と相当する選択剤または圧への耐性を細胞に付与する選択マーカーの発現とを関連させることによって達成される。抗生物質での選択には、抗生物質(例えばピューロマイシン、ネオマイシン、G418、ハイグロマイシン、ブレオマイシンなど)の使用が含まれるがこれらは限定されない。非抗生物質での選択には、栄養枯渇の使用、選択温度への暴露、変異原性条件への暴露及び、蛍光マーカーの発現、ここで選択マーカーは例えばグルタミン合成酵素、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、ウアバイン、チミジンキナーゼ(TK)、ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)又はGFPなどの蛍光タンパク質であってもよい、が含まれるがこれらには限定されない。本発明のこの観点においては、培養における細胞に、これらの選択工程は適用されない。いくつかの好ましい実施形態においては、本発明の細胞及び細胞株はいずれの選択圧のない培養中で維持される。さらなる実施形態においては、細胞及び細胞株はいずれの抗生物質も含まずに維持される。本明細書で使用される場合、細胞の維持とは、例えば細胞分別を介してNaVの発現を指標に細胞を選択したあとに、細胞を培養することを意味する。維持は、細胞分別に先立って、選択薬剤(例えば抗生物質)中で細胞を生育させるさらなる工程、ここで細胞内に導入された薬剤選択マーカーは混合された集団において安定な形質転換体を濃縮することを可能にする、を意味しない。
薬剤を含まない細胞の維持は数多くの利点を提供する。導入遺伝子の有無に関わらず、選択が薬剤耐性遺伝子を取り込んだ細胞の生存に依存するために、例えば薬剤耐性細胞は、必ずしも共に導入された目的の導入遺伝子を適切なレベルでは発現しない。さらに、選択薬はしばしば変異原性であり、又はそうでなくても細胞の生理を干渉し、細胞を用いたアッセイにおいて偏った結果を生じる。例えば、選択薬はアポトーシスへの感受性を低下させ(Robinson et al.,Biochemistry,36(37):11169〜11178 (1997))、DNA修復及び薬剤代謝を上昇させ(Deffie et al., Cancer Res.48(13):3595〜3602(1988))、細胞のpHを上昇させ(Thiebaut et al.,J Histochem Cytochem.38(5):685〜690(1990);Roepe et al.,Biochemistry.32(41):11042〜11056(1993);Simon et al.,Proc Natl Acad Sci USA.91(3):1128〜1132(1994))、リソソーム及びエンドソームのpHを低下させ(Schindler et al.,Biochemistry.35(9):2811〜2817(1996);Altan et al.,J Exp Med.187(10):1583〜1598(1998))、原形質膜の電位を低下させ(Roepe et al.,Biochemistry.32(41):11042〜11056(1993))、塩化物(Gill et al.,Cell.71(1):23〜32(1992))及びATP(Abraham et al.,Proc Natl Acad Sci USA.90(1):312〜316(1993))の原形質膜伝導を上昇させ、及び小胞輸送率を上昇させる(Altan et al.,Proc Natl Acad Sci USA.96(8):4432〜4437(1999))可能性がある。一般的に使用される非抗生物質選択マーカーであるGFPは、特定の細胞においては細胞死を誘導する可能性がある(Hanazono et al.,Hum Gene Ther.8(11):1313〜1319(1997))。従って、本発明の細胞及び細胞株は選択薬又はマーカーによって引き起こされるいずれの人工物を含まないスクリーニングアッセイを可能にする。いくつかの好ましい実施形態においては、濃縮された細胞集団を用いて分別を開始しなくとも所望の特性を有する細胞が単離されるように、細胞を細胞分別の前又は後に抗生物質などの選択薬を含まない培養においては培養しない。
別の観点においては、本発明は、本発明の細胞及び細胞株に使用方法を提供する。本発明の細胞及び細胞株は、機能的なNaVサブユニット又は完全なNaVイオンチャネルが必要とされるいずれの適用においても用いることができる。細胞及び細胞株は、例えば、細胞を用いたインビトロアッセイ若しくは例えばNaV調節因子のスクリーニングなどの、細胞が動物(例えば非ヒト哺乳類)に組み込まれた場合のインビボアッセイ;結晶学及び結合試験のためのタンパク質生産;並びに化合物の選択性と投与、受容体/化合物結合動態と安定性、及び細胞生理(例えば電気生理学的、タンパク質輸送、タンパク質折りたたみ、及びタンパク質制御)における受容体発現の効果の調査において用いられ得る。本細胞及び細胞株は、特定のNaVサブユニットの機能を試験するためのノックダウン試験においてもまた用いられ得る。
アルファ及びベータサブユニットの様々な組み合わせ(例えば天然に生じるヘテロ三量体又は非天然に生じるヘテロ三量体)を発現する細胞株を、特定のNaVに特異的な、NaVの特定のサブユニット、又はNaVサブユニットの特定の組み合わせのものを含むNaV調節因子を同定するために、及び個別のサブユニットの活性についての情報を得るために別個に又はコレクションとして共に用いることができる。本発明は、特定の修飾された形体に特異的な調節因子の使用方法をもまた提供する。それらの情報は、NaVが天然に生じる修飾された形体かどうかを決定するために有用となる可能性がある。本細胞及び細胞株の使用は、異なる形体のNaVが異なるNaVの病理に関与しているのかどうかの決定を補助する可能性があり、そして特に標的とされているNaV関連病理における疾患又は組織特異的NaV調節因子の選抜を可能にする。
本明細書で使用される場合、「調節因子」は、少なくとも1つのNaVサブユニットに関する調節活性を有する、いずれの基質又は化合物をも含む。調節因子は、部分的アゴニスト若しくはアンタゴニスト、選択的アゴニスト若しくはアンタゴニスト及び逆作動薬を含むNaVアゴニスト(増強剤若しくは活性化剤)又はアンタゴニスト(阻害剤若しくは遮断薬)であってもよく、及びアロステリックな調節因子であってもよい。基質又は化合物は、それらの調節活性がたとえ異なる条件又は濃度下では変化するとしても、調節因子である。本発明のいくつかの観点においては、調節因子はイオンチャネルの選択性を変化させる。例えば、調節因子はどのイオンがイオンチャネルを通過できるかに影響を及ぼす可能性がある。
NaV調節因子を同定するために、NaVが機能すると予測される条件下で本発明の細胞株を試験化合物に曝露し、適切な対照と比較して、例えば試験化合物と接触させていない細胞株からの細胞と比較して、NaV活性における統計学的に有意な変化(例えばp<0.05)を検出することができる。それとはまた別に又は加えて、既知のアゴニスト又はアンタゴニストを用いたポジティブ及び/又はネガティブコントロール、異なる組み合わせのNaVサブユニットを発現している細胞を用いてもよい。いくつかの実施形態においては、検出される及び/又は測定されるNaV活性は、膜脱分極、膜電位における変化、又はそれら膜の変化によって生じる蛍光である。
いくつかの実施形態においては、本発明の1以上の細胞株は複数の試験化合物、例えば試験化合物のライブラリーに曝露される。1つ以上の調節因子を同定するために、本発明の細胞株を用いて試験化合物のライブラリーをスクリーニングすることができる。試験化合物は小分子、ポリペプチド、ペプチド、ペプチド模倣剤、抗体又はその抗原結合部位を含む化学的部分であってもよい。抗体の場合、それらは非ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全なヒト抗体であってよい。抗体は、重及び軽鎖又は抗原結合部位(抗体断片(例えばFab及びFab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、dAbなど)、単一のサブユニット抗体(scFv)、単一ドメイン抗体、重若しくは軽鎖の全て若しくは1つの抗原結合部位を含む)の完全な相補を含む完全抗体であってもよい。
いくつかの実施形態においては、試験化合物に暴露する前に、例えば、哺乳類又はその他の動物の酵素、植物の酵素、細菌の酵素、タンパク質修飾酵素及び脂質修飾酵素、並びに口腔、胃腸管、胃若しくは唾液の酵素を含む、酵素用いた前処理によって細胞を改変する場合がある。それらの酵素には、例えばキナーゼ、プロテアーゼ、フォスファターゼ、グリコシダーゼ、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ハイドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼなどが含まれる可能性がある。例えばいくつかの実施形態においては、トリプシン又はフューリンなどの少なくとも1つのタンパク質分解酵素によって細胞を前処理する。それとはまた別に、細胞をまず最初に試験化合物に暴露し、その後、処理することによってNaVの修飾を変化する化合物を同定するために、処理する場合もある。
いくつかの実施形態においては、NaV調節活性を指標にして、大規模な化合物コレクションの細胞を用いた機能的なハイスループットスクリーニング(HTS)、例えば96、384、1536又はそれよりも高い密度のウェルを用いた形式の、を実施する。HTSスクリーニングによって得られた当たりを、続いて機能を確認するためのさらなるアッセイ(例えば、その化学構造の決定、活性及び特異性を最適化するための構造的に関連した化合物の試験、及び動物モデルにおけるさらなる試験)において試験する。いくつかの実施形態においては、ヒトの疾患及び状態の治療におけるそれらの有用性を評価するために、調節因子の治療上の可能性を動物モデルにおいて試験する。ヒトの疾患及び状態には癲癇、周期性四肢麻痺、心疾患、CNS疾患、運動失調、及び痛み(慢性又は急性)、痛みを感じる機能の低下が含まれるがこれらには限定されない。例としては、痛みを低下させる又は除去する鎮痛剤として使用するためのNaV1.7アンタゴニストを同定するために、本発明のヒトNaV1.7を発現する細胞株を用いることができる。
本発明のこれら及びその他の実施形態を、以下の限定されない実施例においてさらに説明する。
実施例
実施例1
NaV1.7ヘテロ三量体を安定して発現する細胞株の作出
発現コンストラクトの作出
pCMV−SCRIPT(Stratagene)及びこれに含まれるCMV及びSV40真核プロモーター;SV40及びHSV−TKポリアデニル化配列;複数のクローニング部位;コザック配列;並びにネオマイシン/カナマイシン耐性カセット(又はアンピシリン、ハイグロマイシン、ピューロマイシン、ゼオシン耐性カセット)などの目的の遺伝子の転写及び翻訳に必要な様々な要素に基づいて、最新式のクローニングを可能にするプラスミド発現ベクターをクローニングした。
細胞株の作出
ヒトNaV1.7αサブユニット(配列番号13)をコードするプラスミド、ヒトNaV1.7β1サブユニット(配列番号16)をコードするプラスミド及びヒトNaV1.7β2サブユニット(配列番号17)をコードするプラスミドの3つの別個のプラスミドを、標準的な方法を用いて293T細胞に共に導入した(核酸を宿主細胞に導入するために用いられ得る試薬の例にはLIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE、Metafectine又はFECTURIN(商標)が挙げられるがこれらには限定されない)。
本発明の細胞又は細胞株の作出においては、薬剤を用いた選抜は任意選択であるが、1つのプラスミドにつき1つの薬剤耐性マーカーを組み込んだ。この配列はCMVプロモーターの制御下にあった。シグナル伝達プローブによる検出のための標的配列をコードする非翻訳配列もまた、薬剤耐性マーカーをコードする配列と共に存在した。用いられた標的配列は、標的配列1(配列番号1)、標的配列2(配列番号2)及び標的配列3(配列番号3)であった。この実施例においては、NaV1.7αサブユニット遺伝子含有ベクターには標的配列1(配列番号1)を、NaV1.7β1サブユニット遺伝子含有ベクターには標的配列2(配列番号2)を、及びNaV1.7β2サブユニット遺伝子含有ベクターには標的配列3(配列番号3)を含めた。
形質転換細胞をDMEM−FBS培地中で2日間、その後抗生物質を含むDMEM−FBS培地中で10日間生育させた。抗生物質を含む期間においては、ピューロマイシン(0.1μg/ml)、ハイグロマイシン(100μg/ml)、及びゼオシン(200μg/ml)の抗生物質を培地に添加した。
抗生物質を使用した濃縮の後、選択された期間中は安定でなかった発現に要する時間を落ち着かせるために、細胞を抗生物質による選択のない条件で6〜18回継代した。
細胞を回収し、シグナル伝達プローブ(配列番号4、5、34)を用いて標準的な方法で形質転換した。(核酸を宿主細胞に導入するために使用され得る薬剤の例としては、LIPOFECTAMINE(商標)、LIPOFECTAMINE(商標)2000、OLIGOFECTAMINE(商標)、TFX(商標)試薬、FUGENE(登録商標)6、DOTAP/DOPE、Metafectine又はFECTURIN(商標)が挙げられるがこれらには限定されない。)
シグナル伝達プローブ1(配列番号4)は標的配列1(配列番号1)に結合し;シグナル伝達プローブ2(配列番号5)は標的配列2(配列番号2)に結合し;及びシグナル伝達プローブ3(配列番号34)は標的配列3(配列番号3)に結合した。細胞をその後分離し、解析のために回収し、そして蛍光活性化細胞分別器を用いて分類した
シグナル伝達プローブによって検出される標的配列
以下の配列はNaV1.7サブユニット導入遺伝子のために用いられた。
標的配列1
5’−GTTCTTAAGGCACAGGAACTGGGAC−3’(配列番号1)(NaV1.7αサブユニット)
標的配列2
5’−GAAGTTAACCCTGTCgttctgcgac−3’(配列番号2)(NaV1.7β1サブユニット)
標的配列3
5’−GTTCTATAGGGTCTGCTTGTCGCTC−3’(配列番号3)(NaV1.7β2サブユニット)
シグナル伝達プローブ
100μMのストックとして提供された。
シグナル伝達プローブ1−このプローブは標的配列1に結合する。
5’−Cy5GCCAGTCCCAGTTCCTGTGCCTTAAGAACCTCGCBHQ3クエンチ−3’(配列番号4)
シグナル伝達プローブ2−このプローブは標的配列2に結合する。
5’−Cy5.5CGAGTCGCAGAACGACAGGGTTAACTTCCTCGCBHQ3クエンチ−3’(配列番号5)
シグナル伝達プローブ3−このプローブは標的配列3に結合する。
5’−FamCGAGAGCGACAAGCAGACCCTATAGAACCTCGCBHQ1クエンチ−3’(配列番号34)
シグナル伝達プローブ1及び2中のBHQ3はBHQ2又は金粒子に置き換えることができる。シグナル伝達プローブ3中のBHQ1はBHQ2、金粒子、又はDABCYLに置き換えることができる。
加えて、特定の実施例においては、Cy5と類似のスペクトル特性を有するQuasar(登録商標)Dye(BioSearch)を用いたプローブを使用した。いくつかの実施例においては、DNAプローブよりも、5−MedCと2−aminodAとのミクスマープローブを用いた。
バックグラウンドよりも蛍光を発している細胞をゲーティングし、規定したゲートに落ちた細胞を直接96ウェルプレートに単離するために、標準的な解析法を用いた。1つのウェルに単一の細胞が沈殿するように、フローサイトメトリーを用いて細胞分別を操作した。選別の後、細胞を薬剤を含まない培地に広げた。以下のゲーティング段階を用いた。
ゲーティングの一致→一重ゲート→ゲーティングの確認→FAM対Cy5:生存細胞の0.1〜1.0%プロットにおけるゲーティングの分類
数多くの細胞を得るために、上述の工程を繰り返した。上述の工程を独立して少なくとも4回行った。また、それぞれの回において、工程中に含まれる細胞継代及び単離を少なくとも2回行った。
プレートをMicrolabstar自動分注システム(HamiltonRobotics)に移動した。細胞を新しい完全成長培地(DMEM/10%FBS)の1:1混合物中で5〜7日間、その後、100単位/mlのペニシリンと0.1mg/mlのストレプトマイシンを添加した馴化成長培地で2〜3日間インキュベートした。その後、凝集を最小限にするために細胞をトリプシン処理によって分散させ、そして新しい96ウェルプレートに移動した。クローンを分散した後、ウェル中の密集度を決定するためにプレートの画像を取得した(Genetix)。プレート全体にわたって信頼性のある画像を取得するために、それぞれのプレートに焦点を合わせた。70%を超えると報告された密集度は信頼性がない。密集度を、毎日3回9日間にわたって(すなわち分散の後、1日から10日の間)測定し、そして成長速度の算出に用いた。
工程7における分散工程の後、10〜11日間の成長速度により、細胞を瓶に分類した(コホートのように、独立してグループ分けし、配置した)。以降の操作のために、瓶をそれぞれ独立して回収し、個々の96ウェルプレート中に入れた。いくつかの成長瓶は1つ以上の96ウェルプレートに入れられた。瓶は、成長速度の拡散の検討及び細胞集団の総数が高いパーセンテージの細胞集団をまとめることによって算出した。工程5に記載した分類の繰り返しによって、5〜9日の成長瓶は1〜4日のものとは区別して使用した。さらに、繰り返しに依存して、それぞれの瓶は成長速度又は倍加時間が8〜14.4時間である集団に相当した。
細胞の倍加時間は1日未満から2週間以上になる可能性がある。同時に成長速度によって適正に瓶に分類できる最も差のあるクローンを処理するためには、それぞれの瓶当たり、倍加時間が0.25から0.7日である、3〜9の瓶を用いることが好ましい。当業者は、瓶の厳密性及び瓶の数を特定の状況に応じて調整可能なこと、及び瓶の厳密性及び数を細胞が細胞周期に同調した場合には、さらに調節可能なことを理解するだろう。
プレートを抗生物質を含まないDMEM−10%FBS培地中で、標準的かつ固定した条件(加湿、37°C、5%CO2)下でインキュベートした。細胞のプレートを、4セットの標的プレートにするために分割した。最初のセットの4つの複製になるように、これら4セットのプレートには全ての成長瓶の全てのプレートが含まれた。最大3の標的プレートセットを凍結保存し(工程10に記載)、そして残りのセットを拡大して、継代及び希望アッセイ実験用に、さらなる複製プレートを作成した。以降のプレートの複製には、別個の、かつ、独立した培養試薬、インキュベーター、担当者、及び二酸化炭素源を用いた。適正な生産及び全ての組織培養試薬の品質を確認するために、品質管理工程を設けた:1つの決められたフード内において、決められた担当者が使用のために準備された培地のそれぞれのボトルにそれぞれの構成要素を加えるようにし、その間1つの構成要素のみがフード内にあり、2番目の担当者がミスを防ぐために監視した。液体操作のための条件は、ウェル間の状態二次感染を除くように設定した。全ての工程において新しいチップを用い、又はストリンジェントなチップ洗浄プロトコールを用いた。正確な用量の移動、効果的な細胞操作、洗浄工程、ピペット操作の速度及び位置、細胞を分散させるためのピペット操作の回数、並びにプレートに対する相対的なチップの位置において液体操作条件を設定した。
3セットのプレートを−70〜−80°Cで凍結した。それぞれのセットにおけるプレートの最初の密集度は70〜80%に達する場合があった。培地を吸引し、90%FBSと5%〜10%のDMSOを添加した。プレートをパラフィルムで密閉し、1〜5cmの発泡体でそれぞれを個別に覆い、その後−80°Cの冷凍庫に保存した。
残りのセットのプレートは工程9に記載したように維持した。培地の除去、細胞洗浄、トリプシンの添加とインキュベーション、クエンチ、及び細胞分散工程を含む全ての細胞分割は自動液体分注装置を用いて行った。いくつかのアッセイにおける細胞を播種する工程においては、トリプシンよりも、細胞分離用緩衝液(例えばCDB、Invitrogen又はCellStripper、CellGro)を用いて細胞を分離した。
全ての細胞集団における同調性及び細胞の均一化、並びに培養条件を制御した。成長速度の僅かな差が原因のプレート間の差は、2〜8回の継代毎の定期的な標準化によって制御した。細胞集団から分離したものは検出し次第除去した。
細胞のインビトロでの増殖を可能にするように、細胞をこれらの条件下で3〜8週間維持した。この期間の間に、サイズ、形態、脆弱性、トリプシン処理又は分離への反応、分離後の丸さ/平均円形度、生存率(パーセンテージ)、微小密集度への傾向、又は培養プレート表面への付着などのその他の細胞維持の観点を観察した。
機能基準を用いて細胞集団を試験した。膜電位アッセイキット(MolecularDevices/MDS)を製造業者による使用方法に従って用いた。複数の異なる密度、96又は384ウェルの、プレート中で細胞を試験し、反応を解析した。細胞をプレートに播種した後の様々な時点、例えば播種後12〜48時間、において試験を行った。反応の差のアッセイを行うために、異なる密度での播種もまた用いた。
3〜9週間の範囲の規定された期間の間、最も一定して反応した細胞を同定するために、低い及びより高い継代回数で行った実験から得られた機能的反応を比較した。期間経過の間に変化した、その他の細胞の特徴もまた記録した。
生存率が高く、安定で、そして機能的な細胞株を生産するのに最も適当な細胞集団を決定するために、機能及びその他の基準を満たした細胞集団のさらなる評価を行った。選択した細胞集団をより大きな組織培養ベッセルに拡大し、上述した特徴付けの工程をこれらの条件下で続け、又は繰り返した。この時点では、一定で信頼性のある継代を行うために、異なる細胞密度での播種;継代の時間;培養ディッシュ(サイズ/形状及びコーティング);流動性の最適化;細胞分離の最適化(例えば型、用いる体積、及び期間の長さ);及び洗浄工程などのさらなる工程を加えた。温度の差もまた均一化のために用いた(すなわち30°C対37°C)。
加えて、それぞれの継代において、細胞の生存性を決定した。操作的介入を増加させ、細胞を近くから観察し、そしてモニターした。所望の特性を保持する細胞株の同定及び最終的な選択を補助するために、この情報を用いた。一定した成長、適切な付着、及び機能的反応を示す最終的な細胞株及び予備の細胞株を選択した。
最終的な細胞株及び予備の細胞株に相当する、上述の継代した回数が少ない凍結したプレートを37℃で溶解し、DMEM−10%FBSを用いて2回洗浄し、そして湿潤、37°C/5%CO2条件でインキュベートした。この細胞をその後、2〜3週間の期間をかけて拡大した。最終的な細胞株及び予備の細胞株それぞれにつき、15〜20本のバイアルからなる細胞バンクを構築した。
細胞株が生存可能であり、安定であり、かつ、機能的であるかを確認するために、以下の工程もまた実施した。細胞バンク由来の少なくとも1本のバイアルを溶解し、培養中に拡大した。それらが本来選択されたものと同じ特徴を満たすがどうかを決定するために、得られた細胞を試験した。
実施例2
NaV1.7を安定して発現する細胞株における、異種NaV1.7サブユニットの相対的な発現の解析
作成したNaV1.7を安定して発現する細胞株における、異種ヒトNaV1.7α、β1、及びβ2サブユニットの相対的な発現を決定するために、定量的RT−PCR(qRT−PCR)を用いた。RNA抽出用キット(RNeasy Mini Kit、Qiagen)を用いて、1〜3x106の哺乳類細胞からトータルRNAを精製した。DNアーゼ処理プロトコール(TURBO DNA−free Kit、Ambion)に厳密に従って、DNアーゼ処理を行った。逆転写酵素キット(SuperScript III、Invitrogen)を用い、20μL反応液中に1μgのDNAを含まないトータルRNAと250ngのランダムプライマー(Invitrogen)を加えてファーストストランドcDNA合成を行った。逆転写酵素を含まない試料とRNAを含まない試料をこの反応におけるネガティブコントロールとして用いた。25°C5分、50°C60分の条件でサーマルサイクラー(Mastercycler、Eppendorf)を用いて合成を行い、反応の停止は70°Cに15分間置くことにより行った。
遺伝子発現解析用には、標的配列(配列番号1〜3)に特異的にアニーリングするqRT−PCR(MGB TaqMan probes、Applied Biosystems)用のプライマー及びプローブを設計した。試料の標準化のためには、対照(グリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(GAPDH))及びPre−Developed Assay reagents(TaqMaN、Applied Biosystems)を用いた。ネガティブコントロール及びポジティブコントロール(プラスミドDNA)を含め、50μL液中に40ngのcDNA加えた反応を、3セット準備した。発現している3つのNaV1.7サブユニットそれぞれの相対量を決定した。図1に示されるように,3つ全てのサブユニットが、作成したNaV1.7を安定して発現する細胞株において成功裏に発現した。
実施例3
電気生理学的アッセイを用いた、天然のNaV機能に対するNaV1.7を安定して発現する細胞株の機能解析
自動化パッチクランプシステムを用いて、作成したNaV1.7α、β1、及びβ2サブユニットを発現する安定なHEK293T細胞株からのナトリウム伝導を記録した。以下に示したプロトコールは、QPatch、Sophion又はPatchliner、Nanionシステムにおいてもまた使用することができる。細胞外のリンガー液には140mM NaCl、4.7mM KCl、2.6mM MgCl2、11mM グルコース及び5mM HEPESが含まれ、室温におけるpHは7.4だった。細胞内のリンガー液には120mM CsF、20mM Cs−EGTA、1mM CaCl2、1mM MgCl2、及び10mM HEPESが含まれ、pHは7.2であった。実験は室温において行った。
NaV1.7α、β1、及びβ2サブユニットを安定して発現する細胞を、実施例1に記載したような標準的な培養プロトコールで培養した。細胞を回収し、パッチに関わる質又は能力には有意な変化を生じない状態で、撹拌を続けながら4時間まで懸濁液中に保存した。標準的なパッチプレートを用いて電気生理学的実験(ホールセル)を行った。パッチクランプの孔(微小なチップ中の孔)は直径が約1μmであり、〜2MΩの抵抗をもつ。−100mVの電位を保持するように、膜電位が固定される。
電流電圧関係及びHEK293T細胞中で安定に発現する電位依存性ヒトNaV1.7ナトリウムチャネルの不活性化特性を図3A〜Cに示した。図3Aは、−80mVから+50mVでの20msの脱分極パルスに反応した、ナトリウムの流入を示す。保持電位は−100mVであった。図3Bは、最大のナトリウムチャネル流入での、生じた電流電圧(I−V)関係を示す。活性化閾値は−35mV(活性化の中間点、Va=−24.9mV+/−3.7mV)、及び最大の流入振幅を−10mVで得た。図3Cは、ナトリウムチャネルの不活性化グラフを示す。膜電位を−100mVの保持電位に固定し、続いて1000msのために−110mVから+10mVまでの範囲の調節電位に転換し、そして最終的に流入を0mVまで工程毎に測定した。得られた流入振幅は、不活性化状態におけるナトリウムチャネルの画分を表す。−85mV未満のよりマイナスの電位では、チャネルは主に閉じた状態であり、−50mVより高い電位ではチャネルは主に不活性な状態である。カーブはボルツマン分布を示し、これにより、定常状態不活性化におけるV1/2は−74mVになると予測した。作出したNaV1.7を安定して発現する細胞株における電流電圧プロファイルは、既に報告されている電流電圧プロファイル(Va=−28.0mV±1.1mV;V1/2=−71.3mV±0.8mV)(Sheets et al.、J Physiol. 581(Pt3):1019〜1031.(2007))と一致した。
実施例4
膜電位アッセイを用いた、天然のNaV機能に対するNaV1.7を安定して発現する細胞株の機能解析
作成したNaV1.7α、β1、及びβ2サブユニットを発現する安定した細胞を、標準的な条件下で、10%ウシ胎仔血清、グルタミン及びHEPESを加えたダルベッコ改変イーグル培地を用いて維持した。アッセイを行う前日に、例えばCDB(GIBCO)又はcell−stripper(Mediatech)などの細胞分離緩衝液を用いて保存プレートから細胞を回収し、そして増殖培地を加えた384ウェルプレートに、1ウェル当たり10,000〜25,000個の細胞を播種した。アッセイプレートを、37°Cの細胞培養インキュベーター中、5%CO2条件下で22〜24時間維持した。その後アッセイプレートから培地を除去し、そしてロードバッファー(137mM NaCl、5mM KCl、1.25mM CaCl2、25mM HEPES、10mM グルコース)で希釈した青色蛍光膜電位色素(Molecular Devices Inc.)を加えた。細胞を青色蛍光膜電位色素と共に1時間、37℃でインキュベートした。アッセイプレートをその後、ハイスループット蛍光プレートリーダー(Hamamastu FDSS)にセットした。この蛍光プレートリーダーは、セルプレートの画像における細胞の蛍光を1秒に1回測定し、そしてそのデータを相対的な蛍光単位として表示する。
図4は、緩衝液及びチャネル活性化剤(すなわちベラトリジン及びサソリ毒(SV))への添加に対する安定なNaV1.7を発現する細胞及び対照細胞(すなわちHEK293T親細胞)の反応におけるアッセイの結果を示す。最初の添加工程(図4における添加1)では、試験化合物を含まない緩衝液のみを添加した。必要に応じて、試験化合物をこの工程で添加する場合もある。第二の添加工程において、ナトリウムチャネル活性化剤であるベラトリジン及びサソリ毒をアッセイバッファーを用いて所望の濃度に希釈し(すなわち25μMベラトリジン及び5〜25μg/mlサソリ毒)、そして384ウェルポリプロピレンプレート中に添加した。結合すると、ベラトリジン及びサソリ毒タンパク質は、活性化及び不活性化動態の変更を含む、作用の組み合わせを介して電位依存性ナトリウムチャネルの活性を変化させる。安定なNaV1.7を発現する細胞において生じたナトリウムチャネルの活性化が細胞の膜電位を変化させ、そして蛍光シグナルが上昇する。NaV1.7イオンチャネルにおける試験化合物の相対的な能力を解析するためには、上述の機能的アッセイもまた用いることができる。
実施例5
NaV1.7アルファサブユニットのベータサブユニットによる制御の解析
アルファサブユニット遺伝子発現のベータサブユニットによる制御
それぞれのプラスミドDNA又はα及びコントロールプラスミドのモル比を操作することにより、様々な比率のα及びβサブユニットを発現する(例えばα:β1:β2=1:1:1)ようにHEK293T細胞プールを改変した。薬剤選択の後、異なる6つの細胞プールにおけるサブユニットの発現を、実施例2に記載したようにqRT−PCRを用いて評価した。比較qRT−PCRによって、αサブユニットとコントロールプラスミドのみを形質転換した場合(図2、右列)と比較して、3つ全てのヒトNaV1.7サブユニット(すなわちα、β1、及びβ2)を共に形質転換した場合に(図2、左列)、薬剤選抜した細胞において検出されるαサブユニットの発現の上昇が見られた。βサブユニット転写産物の存在がαサブユニットの遺伝子発現に影響を及ぼすことは、機能解析における生理学的な関連には、3つ全てのNaV1.7サブユニットが共に発現することが重要であることを示している。
ベータサブユニットによる薬理学特性の制御
3つ全てのNaV1.7サブユニット(すなわちα、β1、及びβ2)を安定して共に発現している細胞、及びNaV1.7αサブユニットのみを安定して発現しているコントロール細胞の、試験化合物への反応を測定するためには細胞を用いた膜電位アッセイを用いた。実施例4のプロトコールに実質的に従って行った膜電位アッセイによって、2つの化合物(図5)(すなわちC18及びK21)を試験した。具体的には、この実施例においては試験化合物を最初の添加工程において添加した。
図5に示されるように、C18及びK21はクローンC44の反応を促進し(NaV1.7α、β1、及びβ2サブユニットを発現する、図5A)、クローン60の反応を阻害した(NaV1.7αサブユニットのみを発現する、図5B)。2種類の試験化合物に対する2つそれぞれのクローンのアッセイにおける反応を、緩衝液のみへの反応を用いて標準化した。

配列表

標的配列1

5’−GTTCTTAAGGCACAGGAACTGGGAC−3’(配列番号1)


標的配列2

5’−GAAGTTAACCCTGTCgttctgcgac−3’(配列番号2)


標的配列3

5’−GTTCTATAGGGTCTGCTTGTCGCTC−3’(配列番号3)


シグナル伝達プローブ1(標的1に結合する)

5’−Cy5GCCAGTCCCAGTTCCTGTGCCTTAAGAACCTCGCBHQ2クエンチ−3’(配列番号4)


シグナル伝達プローブ2−(標的2に結合する)

5’−Cy5.5GCGAGTCGCAGAACGACAGGGTTAACTTCCTCGCBHQ2クエンチ−3’(配列番号5)


ホモ サピエンス(H.s.)SCN1A


atggagcaaacagtgcttgtaccaccaggacctgacagcttcaacttcttcaccagagaatctcttgcggctattgaaagacgcattgcagaagaaaaggcaaagaatcccaaaccagacaaaaaagatgacgacgaaaatggcccaaagccaaatagtgacttggaagctggaaagaaccttccatttatttatggagacattcctccagagatggtgtcagagcccctggaggacctggacccctactatatcaataagaaaacttttatagtattgaataaagggaaggccatcttccggttcagtgccacctctgccctgtacattttaactcccttcaatcctcttaggaaaatagctattaagattttggtacattcattattcagcatgctaattatgtgcactattttgacaaactgtgtgtttatgacaatgagtaaccctcctgattggacaaagaatgtagaatacaccttcacaggaatatatacttttgaatcacttataaaaattattgcaaggggattctgtttagaagattttactttccttcgggatccatggaactggctcgatttcactgtcattacatttgcgtacgtcacagagtttgtggacctgggcaatgtctcggcattgagaacattcagagttctccgagcattgaagacgatttcagtcattccaggcctgaaaaccattgtgggagccctgatccagtctgtgaagaagctctcagatgtaatgatcctgactgtgttctgtctgagcgtatttgctctaattgggctgcagctgttcatgggcaacctgaggaataaatgtatacaatggcctcccaccaatgcttccttggaggaacatagtatagaaaagaatataactgtgaattataatggtacacttataaatgaaactgtctttgagtttgactggaagtcatatattcaagattcaagatatcattatttcctggagggttttttagatgcactactatgtggaaatagctctgatgcaggccaatgtccagagggatatatgtgtgtgaaagctggtagaaatcccaattatggctacacaagctttgataccttcagttgggcttttttgtccttgtttcgactaatgactcaggacttctgggaaaatctttatcaactgacattacgtgctgctgggaaaacgtacatgatattttttgtattggtcattttcttgggctcattctacctaataaatttgatcctggctgtggtggccatggcctacgaggaacagaatcaggccaccttggaagaagcagaacagaaagaggccgaatttcagcagatgattgaacagcttaaaaagcaacaggaggcagctcagcaggcagcaacggcaactgcctcagaacattccagagagcccagtgcagcaggcaggctctcagacagctcatctgaagcctctaagttgagttccaagagtgctaaggaaagaagaaatcggaggaagaaaagaaaacagaaagagcagtctggtggggaagagaaagatgaggatgaattccaaaaatctgaatctgaggacagcatcaggaggaaaggttttcgcttctccattgaagggaaccgattgacatatgaaaagaggtactcctccccacaccagtctttgttgagcatccgtggctccctattttcaccaaggcgaaatagcagaacaagccttttcagctttagagggcgagcaaaggatgtgggatctgagaacgacttcgcagatgatgagcacagcacctttgaggataacgagagccgtagagattccttgtttgtgccccgacgacacggagagagacgcaacagcaacctgagtcagaccagtaggtcatcccggatgctggcagtgtttccagcgaatgggaagatgcacagcactgtggattgcaatggtgtggtttccttggttggtggaccttcagttcctacatcgcctgttggacagcttctgccagagggaacaaccactgaaactgaaatgagaaagagaaggtcaagttctttccacgtttccatggactttctagaagatccttcccaaaggcaacgagcaatgagtatagccagcattctaacaaatacagtagaagaacttgaagaatccaggcagaaatgcccaccctgttggtataaattttccaacatattcttaatctgggactgttctccatattggttaaaagtgaaacatgttgtcaacctggttgtgatggacccatttgttgacctggccatcaccatctgtattgtcttaaatactcttttcatggccatggagcactatccaatgacggaccatttcaataatgtgcttacagtaggaaacttggttttcactgggatctttacagcagaaatgtttctgaaaattattgccatggatccttactattatttccaagaaggctggaatatctttgacggttttattgtgacgcttagcctggtagaacttggactcgccaatgtggaaggattatctgttctccgttcatttcgattgctgcgagttttcaagttggcaaaatcttggccaacgttaaatatgctaataaagatcatcggcaattccgtgggggctctgggaaatttaaccctcgtcttggccatcatcgtcttcatttttgccgtggtcggcatgcagctctttggtaaaagctacaaagattgtgtctgcaagatcgccagtgattgtcaactcccacgctggcacatgaatgacttcttccactccttcctgattgtgttccgcgtgctgtgtggggagtggatagagaccatgtgggactgtatggaggttgctggtcaagccatgtgccttactgtcttcatgatggtcatggtgattggaaacctagtggtcctgaatctctttctggccttgcttctgagctcatttagtgcagacaaccttgcagccactgatgatgataatgaaatgaataatctccaaattgctgtggataggatgcacaaaggagtagcttatgtgaaaagaaaaatatatgaatttattcaacagtccttcattaggaaacaaaagattttagatgaaattaaaccacttgatgatctaaacaacaagaaagacagttgtatgtccaatcatacagcagaaattgggaaagatcttgactatcttaaagatgtaaatggaactacaagtggtataggaactggcagcagtgttgaaaaatacattattgatgaaagtgattacatgtcattcataaacaaccccagtcttactgtgactgtaccaattgctgtaggagaatctgactttgaaaatttaaacacggaagactttagtagtgaatcggatctggaagaaagcaaagagaaactgaatgaaagcagtagctcatcagaaggtagcactgtggacatcggcgcacctgtagaagaacagcccgtagtggaacctgaagaaactcttgaaccagaagcttgtttcactgaaggctgtgtacaaagattcaagtgttgtcaaatcaatgtggaagaaggcagaggaaaacaatggtggaacctgagaaggacgtgtttccgaatagttgaacataactggtttgagaccttcattgttttcatgattctccttagtagtggtgctctggcatttgaagatatatatattgatcagcgaaagacgattaagacgatgttggaatatgctgacaaggttttcacttacattttcattctggaaatgcttctaaaatgggtggcatatggctatcaaacatatttcaccaatgcctggtgttggctggacttcttaattgttgatgtttcattggtcagtttaacagcaaatgccttgggttactcagaacttggagccatcaaatctctcaggacactaagagctctgagacctctaagagccttatctcgatttgaagggatgagggtggttgtgaatgcccttttaggagcaattccatccatcatgaatgtgcttctggtttgtcttatattctggctaattttcagcatcatgggcgtaaatttgtttgctggcaaattctaccactgtattaacaccacaactggtgacaggtttgacatcgaagacgtgaataatcatactgattgcctaaaactaatagaaagaaatgagactgctcgatggaaaaatgtgaaagtaaactttgataatgtaggatttgggtatctctctttgcttcaagttgccacattcaaaggatggatggatataatgtatgcagcagttgattccagaaatgtggaactccagcctaagtatgaagaaagtctgtacatgtatctttactttgttattttcatcatctttgggtccttcttcaccttgaacctgtttattggtgtcatcatagataatttcaaccagcagaaaaagaagtttggaggtcaagacatctttatgacagaagaacagaagaaatactataatgcaatgaaaaaattaggatcgaaaaaaccgcaaaagcctatacctcgaccaggaaacaaatttcaaggaatggtctttgacttcgtaaccagacaagtttttgacataagcatcatgattctcatctgtcttaacatggtcacaatgatggtggaaacagatgaccagagtgaatatgtgactaccattttgtcacgcatcaatctggtgttcattgtgctatttactggagagtgtgtactgaaactcatctctctacgccattattattttaccattggatggaatatttttgattttgtggttgtcattctctccattgtaggtatgtttcttgccgagctgatagaaaagtatttcgtgtcccctaccctgttccgagtgatccgtcttgctaggattggccgaatcctacgtctgatcaaaggagcaaaggggatccgcacgctgctctttgctttgatgatgtcccttcctgcgttgtttaacatcggcctcctactctt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H.s.SCN2A

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H.s.SCN3A

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H.s.SCN10A

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H.s.SCN2A

maqsvlvppgpdsfrfftreslaaieqriaeekakrpkqerkdeddengpkpnsdleagkslpfiygdippemvsvpledldpyyinkktfivlnkgkaisrfsatpalyiltpfnpirklaikilvhslfnmlimctiltncvfmtmsnppdwtknveytftgiytfeslikilargfcledftflrdpwnwldftvitfayvtefvdlgnvsalrtfrvlralktisvipglktivgaliqsvkklsdvmiltvfclsvfaliglqlfmgnlrnkclqwppdnssfeinitsffnnsldgngttfnrtvsifnwdeyiedkshfyflegqndallcgnssdagqcpegyicvkagrnpnygytsfdtfswaflslfrlmtqdfwenlyqltlraagktymiffvlviflgsfylinlilavvamayeeqnqatleeaeqkeaefqqmleqlkkqqeeaqaaaaaasaesrdfsgaggigvfsesssvasklssksekelknrrkkkkqkeqsgeeekndrvrksesedsirrkgfrfslegsrltyekrfssphqsllsirgslfsprrnsraslfsfrgrakdigsendfaddehstfedndsrrdslfvphrhgerrhsnvsqasrasrvlpilpmngkmhsavdcngvvslvggpstltsagqllpegttteteirkrrsssyhvsmdlledptsrqramsiasiltntmeeleesrqkcppcwykfanmcliwdcckpwlkvkhlvnlvvmdpfvdlaiticivlntlfmamehypmteqfssvlsvgnlvftgiftaemflkiiamdpyyyfqegwnifdgfivslslmelglanveglsvlrsfrllrvfklakswptlnmlikiignsvgalgnltlvlaiivfifavvgmqlfgksykecvckisndcelprwhmhdffhsflivfrvlcgewietmwdcmevagqtmcltvfmmvmvignlvvlnlflalllssfssdnlaatdddnemnnlqiavgrmqkgidfvkrkirefiqkafvrkqkaldeikpledlnnkkdscisnhttieigkdlnylkdgngttsgigssvekyvvdesdymsfinnpsltvtvpiavgesdfenlnteefssesdmeeskeklnatsssegstvdigapaegeqpevepeeslepeacftedcvrkfkccqisieegkgklwwnlrktcykivehnwfetfivfmillssgalafediyieqrktiktmleyadkvftyifilemllkwvaygfqvyftnawcwldflivdvslvsltanalgyselgaikslrtlralrplralsrfegmrvvvnallgaipsimnvllvclifwlifsimgvnlfagkfyhcinyttgemfdvsvvnnyseckaliesnqtarwknvkvnfdnvglgylsllqvatfkgwmdimyaavdsrnvelqpkyednlymylyfvifiifgsfftlnlfigviidnfnqqkkkfggqdifmteeqkkyynamkklgskkpqkpiprpankfqgmvfdfvtkqvfdisimiliclnmvtmmvetddqsqemtnilywinlvfivlftgecvlklislryyyftigwnifdfvvvilsivgmflaeliekyfvsptlfrvirlarigrilrlikgakgirtllfalmmslpalfniglllflvmfiyaifgmsnfayvkrevgiddmfnfetfgnsmiclfqittsagwdgllapilnsgppdcdpdkdhpgssvkgdcgnpsvgifffvsyiiisflvvvnmyiavilenfsvateesaeplseddfemfyevwekfdpdatqfiefaklsdfadaldpplliakpnkvqliamdlpmvsgdrihcldilfaftkrvlgesgemdalriqmeerfmasnpskvsyepitttlkrkqeevsaiiiqrayrryllkqkvkkvssiykkdkgkecdgtpikedtlidklnenstpektdmtpsttsppsydsvtkpekekfekdksekedkgkdireskk(配列番号21)


H.s.SCN3A

maqallvppgpesfrlftreslaaiekraaeekakkpkkeqdnddenkpkpnsdleagknlpfiygdippemvsepledldpyyinkktfivmnkgkaifrfsatsalyiltplnpvrkiaikilvhslfsmlimctiltncvfmtlsnppdwtknveytftgiytfeslikilargfcledftflrdpwnwldfsvivmayvtefvdlgnvsalrtfrvlralktisvipglktivgaliqsvkklsdvmiltvfclsvfaliglqlfmgnlrnkclqwppsdsafetnttsyfngtmdsngtfvnvtmstfnwkdyigddshfyvldgqkdpllcgngsdagqcpegyicvkagrnpnygytsfdtfswaflslfrlmtqdywenlyqltlraagktymiffvlviflgsfylvnlilavvamayeeqnqatleeaeqkeaefqqmleqlkkqqeeaqavaaasaasrdfsgigglgellessseasklssksakewrnrrkkrrqrehlegnnkgerdsfpksesedsvkrssflfsmdgnrltsdkkfcsphqsllsirgslfsprrnsktsifsfrgrakdvgsendfaddehstfedsesrrdslfvphrhgerrnsnvsqasmssrmvpglpangkmhstvdcngvvslvggpsaltsptgqlppegtttetevrkrrlssyqismemledssgrqravsiasiltntmeeleesrqkcppcwyrfanvfliwdccdawlkvkhlvnlivmdpfvdlaiticivlntlfmamehypmteqfssvltvgnlvftgiftaemvlkiiamdpyyyfqegwnifdgiivslslmelglsnveglsvlrsfrllrvfklakswptlnmlikiignsvgalgnltlvlaiivfifavvgmqlfgksykecvckinddctlprwhmndffhsflivfrvlcgewietmwdcmevagqtmclivfmlvmvignlvvlnlflalllssfssdnlaatdddnemnnlqiavgrmqkgidyvknkmrecfqkaffrkpkvieihegnkidscmsnntgieiskelnylrdgngttsgvgtgssvekyvidendymsfinnpsltvtvpiavgesdfenlnteefsseseleeskeklnatsssegstvdvvlpregeqaetepeedlkpeacftegcikkfpfcqvsteegkgkiwwnlrktcysivehnwfetfivfmillssgalafediyieqrktiktmleyadkvftyifilemllkwvaygfqtyftnawcwldflivdvslvslvanalgyselgaikslrtlralrplralsrfegmrvvvnalvgaipsimnvllvclifwlifsimgvnlfagkfyhcvnmttgnmfdisdvnnlsdcqalgkqarwknvkvnfdnvgagylallqvatfkgwmdimyaavdsrdvklqpvyeenlymylyfvifiifgsfftlnlfigviidnfnqqkkkfggqdifmteeqkkyynamkklgskkpqkpiprpankfqgmvfdfvtrqvfdisimiliclnmvtmmvetddqgkymtlvlsrinlvfivlftgefvlklvslrhyyftigwnifdfvvvilsivgmflaemiekyfvsptlfrvirlarigrilrlikgakgirtllfalmmslpalfniglllflvmfiyaifgmsnfayvkkeagiddmfnfetfgnsmiclfqittsagwdgllapilnsappdcdpdtihpgssvkgdcgnpsvgifffvsyiiisflvvvnmyiavilenfsvateesaeplseddfemfyevwekfdpdatqfiefsklsdfaaaldpplliakpnkvqliamdlpmvsgdrihcldilfaftkrvlgesgemdalriqmedrfmasnpskvsyepitttlkrkqeevsaaiiqrnfrcyllkqrlknissnynkeaikgridlpikqdmiidklngnstpektdgsssttsppsydsvtkpdkekfekdkpekeskgkevrenqk(配列番号22)


H.s.SCN4A

marpslctlvplgpeclrpftreslaaieqraveeearlqrnkqmeieeperkprsdleagknlpmiygdpppevigipledldpyysnkktfivlnkgkaifrfsatpalyllspfsvvrrgaikvlihalfsmfimitiltncvfmtmsdpppwsknveytftgiytfeslikilargfcvddftflrdpwnwldfsvimmayltefvdlgnisalrtfrvlralktitvipglktivgaliqsvkklsdvmiltvfclsvfalvglqlfmgnlrqkcvrwpppfndtnttwysndtwygndtwygnemwygndswyandtwnshaswatndtfdwdayisdegnfyflegsndallcgnssdaghcpegyeciktgrnpnygytsydtfswaflalfrlmtqdywenlfqltlraagktymiffvviiflgsfylinlilavvamayaeqneatlaedkekeeefqqmlekfkkhqeelekakaaqaleggeadgdpahgkdcngsldtsqgekgaprqsssgdsgisdameeleeahqkcppwwykcahkvliwnccapwlkfkniihlivmdpfvdlgiticivlntlfmamehypmtehfdnvltvgnlvftgiftaemvlkliamdpyeyfqqgwnifdsiivtlslvelglanvqglsvlrsfrllrvfklakswptlnmlikiignsvgalgnltlvlaiivfifavvgmqlfgksykecvckialdcnlprwhmhdffhsflivfrilcgewietmwdcmevagqamcltvflmvmvignlvvlnlflalllssfsadslaasdedgemnnlqiaigriklgigfakafllgllhgkilspkdimlslgeadgageageagetapedekkeppeedlkkdnhilnhmgladgppssleldhlnfinnpyltiqvpiaseesdlempteeetdtfsepedskkppqplydgnssvcstadykppeedpeeqaeenpegeqpeecfteacvqrwpclyvdisqgrgkkwwtlrracfkivehnwfetfivfmillssgalafediyieqrrvirtileyadkvftyifimemllkwvaygfkvyftnawcwldflivdvsiislvanwlgyselgpikslrtlralrplralsrfegmrvvvnallgaipsimnvllvclifwlifsimgvnlfagkfyycintttserfdisevnnkseceslmhtgqvrwlnvkvnydnvglgylsllqvatfkgwmdimyaavdsrekeeqpqyevnlymylyfvifiifgsfftlnlfigviidnfnqqkkklggkdifmteeqkkyynamkklgskkpqkpiprpqnkiqgmvydlvtkqafditimiliclnmvtmmvetdnqsqlkvdilyninmifiiiftgecvlkmlalrqyyftvgwnifdfvvvilsivglalsdliqkyfvsptlfrvirlarigrvlrlirgakgirtllfalmmslpalfniglllflvmfiysifgmsnfayvkkesgiddmfnfetfgnsiiclfeittsagwdgllnpilnsgppdcdpnlenpgtsvkgdcgnpsigicffcsyiiisflivvnmyiaiilenfnvateesseplgeddfemfyetwekfdpdatqfiaysrlsdfvdtlqeplriakpnkiklitldlpmvpgdkihcldilfaltkevlgdsgemdalkqtmeekfmaanpskvsyepitttlkrkheevcaikiqrayrrhllqrsmkqasymyrhshdgsgddapekegllantmskmyghengnssspspeekgeagdagptmglmpispsdtawppapppgqtvrpgvkeslv(配列番号23)


H.s.SCN5A

manfllprgtssfrrftreslaaiekrmaekqargsttlqesreglpeeeaprpqldlqaskklpdlygnppqeligepledldpfystqktfivlnkgktifrfsatnalyvlspfhpirraavkilvhslfnmlimctiltncvfmaqhdpppwtkyveytftaiytfeslvkilargfclhaftflrdpwnwldfsviimayttefvdlgnvsalrtfrvlralktisvisglktivgaliqsvkkladvmvltvfclsvfaliglqlfmgnlrhkcvrnftalngtngsveadglvwesldlylsdpenyllkngtsdvllcgnssdagtcpegyrclkagenpdhgytsfdsfawaflalfrlmtqdcwerlyqqtlrsagkiymiffmlviflgsfylvnlilavvamayeeqnqatiaeteekekrfqeamemlkkehealtirgvdtvsrsslemsplapvnsherrskrrkrmssgteecgedrlpksdsedgpramnhlsltrglsrtsmkprssrgsiftfrrrdlgseadfaddenstageseshhtsllvpwplrrtsaqgqpspgtsapghalhgkknstvdcngvvsllgagdpeatspgshllrpvmlehppdtttpseepggpqmltsqapcvdgfeepgarqralsavsvltsaleeleesrhkcppcwnrlaqryliweccplwmsikqgvklvvmdpftdltitmcivlntlfmalehynmtsefeemlqvgnlvftgiftaemtfkiialdpyyyfqqgwnifdsiivilslmelglsrmsnlsvlrsfrllrvfklakswptlntlikiignsvgalgnltlvlaiivfifavvgmqlfgknyselrdsdsgllprwhmmdffhafliifrilcgewietmwdcmevsgqslcllvfllvmvignlvvlnlflalllssfsadnltapdedremnnlqlalariqrglrfvkrttwdfccgllrqrpqkpaalaaqgqlpsciatpysppppetekvpptrketrfeegeqpgqgtpgdpepvcvpiavaesdtddqeedeenslgteeesskqqesqpvsggpeappdsrtwsqvsatasseaeasasqadwrqqwkaepqapgcgetpedscsegstadmtntaelleqipdlgqdvkdpedcftegcvrrcpccavdttqapgkvwwrlrktcyhivehswfetfiifmillssgalafediyleerktikvlleyadkmftyvfvlemllkwvaygfkkyftnawcwldflivdvslvslvantlgfaemgpikslrtlralrplralsrfegmrvvvnalvgaipsimnvllvclifwlifsimgvnlfagkfgrcinqtegdlplnytivnnksqceslnltgelywtkvkvnfdnvgagylallqvatfkgwmdimyaavdsrgyeeqpqweynlymyiyfvifiifgsfftlnlfigviidnfnqqkkklggqdifmteeqkkyynamkklgskkpqkpiprplnkyqgfifdivtkqafdvtimfliclnmvtmmvetddqspekinilakinllfvaiftgecivklaalrhyyftnswnifdfvvvilsivgtvlsdiiqkyffsptlfrvirlarigrilrlirgakgirtllfalmmslpalfniglllflvmfiysifgmanfayvkweagiddmfnfqtfansmlclfqittsagwdgllspilntgppycdptlpnsngsrgdcgspavgilffttyiiisflivvnmyiaiilenfsvateesteplseddfdmfyeiwekfdpeatqfieysvlsdfadalseplriakpnqislinmdlpmvsgdrihcmdilfaftkrvlgesgemdalkiqmeekfmaanpskisyepitttlrrkheevsamviqrafrrhllqrslkhasflfrqqagsglseedaperegliayvmsenfsrplgppssssisstsfppsydsvtratsdnlqvrgsdyshsedladfppspdrdresiv(配列番号24)


H.s.SCN7A(occasionallyreferredtoasSCN6A)

mlaspepkglvpftkesfelikqhiakthnedheeedlkptpdlevgkklpfiygnlsqgmvsepledvdpyyykkkntfivlnknrtifrfnaasilctlspfncirrttikvlvhpffqlfilisvlidcvfmsltnlpkwrpvlentllgiytfeilvklfargvwagsfsflgdpwnwldfsvtvfeviiryspldfiptlqtartlrilkiiplnqglkslvgvlihclkqligviiltlfflsifsligmglfmgnlkhkcfrwpqenenetlhnrtgnpyyiretenfyylegeryallcgnrtdagqcpegyvcvkaginpdqgftnfdsfgwalfalfrlmaqdypevlyhqilyasgkvymiffvvvsflfsfymaslflgilamayeeekqrvgeiskkiepkfqqtgkelqegnetdeaktiqiemkkrspistdtsldvledatlrhkeelekskkicplywykfaktfliwncspcwlklkefvhriimapftdlfliiciilnvcfltlehypmskqtntllnignlvfigiftaemifkiiamhpygyfqvgwnifdsmivfhglielclanvagmallrlfrmlrifklgkywptfqilmwslsnswvalkdlvlllftfiffsaafgmklfgknyeefvchidkdcqlprwhmhdffhsflnvfrilcgewvetlwdcmevagqswcipfylmvilignllvlylflalvssfssckdvtaeenneaknlqlavarikkginyvllkilcktqnvpkdtmdhvnevyvkedisdhtlselsntqdflkdkekssgteknatenesqslipspsvsetvpiasgesdienldnkeiqsksgdggskekikqssssecstvdiaiseeeemfyggerskhlkngcrrgsslgqisgaskkgkiwqnirktcckivennwfkcfiglvtllstgtlafediymdqrktikilleyadmiftyifilemllkwmaygfkayfsngwyrldfvvvivfclsligktreelkplismkflrplrvlsqfermkvvvralikttlptlnvflvclmiwlifsimgvdlfagrfyecidptsgerfpssevmnksrcesllfnesmlwenakmnfdnvgngflsllqvatfngwitimnsaidsvavniqphfevniymycyfinfiifgvflplsmlitviidnfnkhkiklggsnifitvkqrkqyrrlkklmyedsqrpvprplnklqgfifdvvtsqafnvivmvlicfqaiammidtdvqslqmsialywinsifvmlytmecilkliafrcfyftiawnifdfmvvifsitglclpmtvgsylvppslvqlillsriihmlrlgkgpkvfhnlmlplmlslpallniilliflvmfiyavfgmynfayvkkeagindvsnfetfgnsmlclfqvaifagwdgmldaifnskwsdcdpdkinpgtqvrgdcgnpsvgifyfvsyiliswliivnmyivvvmeflniaskkknktlseddfrkffqvwkrfdpdrtqyidssklsdfaaaldpplfmakpnkgqlialdlpmavgdrihcldillaftkrvmgqdvrmekvvseiesgfllanpfkitcepitttlkrkqeavsatiiqrayknyrlrrndkntsdihmidgdrdvhatkegayfdkakekspiqsqi(配列番号25)


H.s.SCN8A

maarllappgpdsfkpftpeslanierriaesklkkppkadgshreddedskpkpnsdleagkslpfiygdipqglvavpledfdpyyltqktfvvlnrgktlfrfsatpalyilspfnlirriaikilihsvfsmiimctiltncvfmtfsnppdwsknveytftgiytfeslvkiiargfcidgftflrdpwnwldfsvimmayitefvnlgnvsalrtfrvlralktisvipglktivgaliqsvkklsdvmiltvfclsvfaliglqlfmgnlrnkcvvwpinfnesylengtkgfdweeyinnktnfytvpgmlepllcgnssdagqcpegyqcmkagrnpnygytsfdtfswaflalfrlmtqdywenlyqltlraagktymiffvlvifvgsfylvnlilavvamayeeqnqatleeaeqkeaefkamleqlkkqqeeaqaaamatsagtvsedaieeegeegggsprssseisklssksakerrnrrkkrkqkelsegeekgdpekvfksesedgmrrkafrlpdnrigrkfsimnqsllsipgspflsrhnskssifsfrgpgrfrdpgsenefaddehstveesegrrdslfipirarerrssysgysgysqgsrssrifpslrrsvkrnstvdcngvvsliggpgshiggrllpeatteveikkkgpgsllvsmdqlasygrkdrinsimsvvtntlveeleesqrkcppcwykfantfliwechpywiklkeivnlivmdpfvdlaiticivlntlfmamehhpmtpqfehvlavgnlvftgiftaemflkliamdpyyyfqegwnifdgfivslslmelsladveglsvlrsfrllrvfklakswptlnmlikiignsvgalgnltlvlaiivfifavvgmqlfgksykecvckinqdcelprwhmhdffhsflivfrvlcgewietmwdcmevagqamclivfmmvmvignlvvlnlflalllssfsadnlaatdddgemnnlqisvirikkgvawtklkvhafmqahfkqreadevkpldelyekkancianhtgadihrngdfqkngngttsgigssvekyiidedhmsfinnpnltvrvpiavgesdfenlntedvssesdpegskdklddtsssegstidikpeveevpveqpeeyldpdacftegcvqrfkccqvnieeglgkswwilrktcflivehnwfetfiifmillssgalafediyieqrktirtileyadkvftyifilemllkwtaygfvkfftnawcwldflivavslvslianalgyselgaikslrtlralrplralsrfegmrvvvnalvgaipsimnvllvclifwlifsimgvnlfagkyhycfnetseirfeiedvnnkteceklmegnnteirwknvkinfdnvgagylallqvatfkgwmdimyaavdsrkpdeqpkyedniymyiyfvifiifgsfftlnlfigviidnfnqqkkkfggqdifmteeqkkyynamkklgskkpqkpiprplnkiqgivfdfvtqqafdivimmliclnmvtmmvetdtqskqmenilywinlvfvifftcecvlkmfalrhyyftigwnifdfvvvilsivgmfladiiekyfvsptlfrvirlarigrilrlikgakgirtllfalmmslpalfniglllflvmfifsifgmsnfayvkheagiddmfnfetfgnsmiclfqittsagwdglllpilnrppdcsldkehpgsgfkgdcgnpsvgifffvsyiiisflivvnmyiaiilenfsvateesadplseddfetfyeiwekfdpdatqfieyckladfadalehplrvpkpntieliamdlpmvsgdrihcldilfaftkrvlgdsgeldilrqqmeerfvasnpskvsyepitttlrrkqeevsavvlqrayrghlarrgfickkttsnklenggthrekkestpstaslpsydsvtkpekekqqraeegrrerakrqkevreskc(配列番号26)


H.s.SCN9A

mamlpppgpqsfvhftkqslalieqriaerkskepkeekkdddeeapkpssdleagkqlpfiygdippgmvsepledldpyyadkktfivlnkgktifrfnatpalymlspfsplrrisikilvhslfsmlimctiltncifmtmnnppdwtknveytftgiytfeslvkilargfcvgeftflrdpwnwldfvvivfayltefvnlgnvsalrtfrvlralktisvipglktivgaliqsvkklsdvmiltvfclsvfaliglqlfmgnlkhkcfrnslennetlesimntleseedfrkyfyylegskdallcgfstdsgqcpegytcvkigrnpdygytsfdtfswaflalfrlmtqdywenlyqqtlraagktymiffvvviflgsfylinlilavvamayeeqnqanieeakqkelefqqmldrlkkeqeeaeaiaaaaaeytsirrsrimglsesssetsklssksakerrnrrkkknqkklssgeekgdaeklsksesedsirrksfhlgveghrrahekrlstpnqsplsirgslfsarrssrtslfsfkgrgrdigsetefaddehsifgdnesrrgslfvphrpqerrssnisqasrsppmlpvngkmhsavdcngvvslvdgrsalmlpngqllpegttnqihkkrrcssyllsedmlndpnlrqramsrasiltntveeleesrqkcppwwyrfahkfliwncspywikfkkciyfivmdpfvdlaiticivlntlfmamehhpmteefknvlaignlvftgifaaemvlkliamdpyeyfqvgwnifdslivtlslvelfladveglsvlrsfrllrvfklakswptlnmlikiignsvgalgnltlvlaiivfifavvgmqlfgksykecvckinddctlprwhmndffhsflivfrvlcgewietmwdcmevagqamclivymmvmvignlvvlnlflalllssfssdnltaieedpdannlqiavtrikkginyvkqtlrefilkafskkpkisreirqaedlntkkenyisnhtlaemskghnflkekdkisgfgssvdkhlmedsdgqsfihnpsltvtvpiapgesdlenmnaeelssdsdseyskvrlnrssssecstvdnplpgegeeaeaepmnsdepeacftdgcvrrfsccqvniesgkgkiwwnirktcykivehswfesfivlmillssgalafediyierkktikiileyadkiftyifilemllkwiaygyktyftnawcwldflivdvslvtlvantlgysdlgpikslrtlralrplralsrfegmrvvvnaligaipsimnvllvclifwlifsimgvnlfagkfyecinttdgsrfpasqvpnrsecfalmnvsqnvrwknlkvnfdnvglgylsllqvatfkgwtiimyaavdsvnvdkqpkyeyslymyiyfvvfiifgsfftlnlfigviidnfnqqkkklggqdifmteeqkkyynamkklgskkpqkpiprpgnkiqgcifdlvtnqafdisimvliclnmvtmmvekegqsqhmtevlywinvvfiilftgecvlklislrhyyftvgwnifdfvvviisivgmfladlietyfvsptlfrvirlarigrilrlvkgakgirtllfalmmslpalfniglllflvmfiyaifgmsnfayvkkedgindmfnfetfgnsmiclfqittsagwdgllapilnskppdcdpkkvhpgssvegdcgnpsvgifyfvsyiiisflvvvnmyiavilenfsvateesteplseddfemfyevwekfdpdatqfiefsklsdfaaaldpplliakpnkvqliamdlpmvsgdrihcldilfaftkrvlgesgemdslrsqmeerfmsanpskvsyepitttlkrkqedvsatviqrayrryrlrqnvknissiyikdgdrdddllnkkdmafdnvnensspektdatssttsppsydsvtkpdkekyeqdrtekedkgkdskeskk(配列番号27)


H.s.SCN10A

mefpigsletnnfrrftpeslveiekqiaakqgtkkarekhreqkdqeekprpqldlkacnqlpkfygelpaeligepledldpfysthrtfmvlnkgrtisrfsatralwlfspfnlirrtaikvsvhswfslfitvtilvncvcmtrtdlpekieyvftviytfealikilargfclneftylrdpwnwldfsvitlayvgtaidlrgisglrtfrvlralktvsvipglkvivgalihsvkkladvtiltifclsvfalvglqlfkgnlknkcvkndmavnettnysshrkpdiyinkrgtsdpllcgngsdsghcpdgyiclktsdnpdfnytsfdsfawaflslfrlmtqdswerlyqqtlrtsgkiymiffvlviflgsfylvnlilavvtmayeeqnqattdeieakekkfqealemlrkeqevlaalgidttslhshngspltsknaserrhrikprvsegstednksprsdpynqrrmsflglasgkrrashgsvfhfrspgrdislpegvtddgvfpgdheshrgslllgggagqqgplprsplpqpsnpdsrhgedehqppptselapgavdvsafdagqkktflsaeyldepfraqramsvvsiitsvleeleeseqkcppcltslsqkyliwdccpmwvklktilfglvtdpfaeltitlcivvntifmamehhgmsptfeamlqignivftifftaemvfkiiafdpyyyfqkkwnifdciivtvsllelgvakkgslsvlrsfrllrvfklakswptlntlikiignsvgalgnltiilaiivfvfalvgkqllgenyrnnrknisaphedwprwhmhdffhsflivfrilcgewienmwacmevgqksiclilfltvmvlgnlvvlnlfialllnsfsadnltapeddgevnnlqvalariqvfghrtkqalcsffsrscpfpqpkaepelvvklplssskaenhiaantargssgglqaprgprdehsdfianptvwvsvpiaegesdlddleddggedaqsfqqevipkgqqeqlqqvercgdhltprspgtgtssedlapslgetwkdesvpqvpaegvddtsssegstvdcldpeeilrkipeladdleepddcftegcirhcpcckldttkspwdvgwqvrktcyrivehswfesfiifmillssgslafedyyldqkptvkalleytdrvftfifvfemllkwvaygfkkyftnawcwldflivnislisltakileysevapikalrtlralrplralsrfegmrvvvdalvgaipsimnvllvclifwlifsimgvnlfagkfwrcinytdgefslvplsivnnksdckiqnstgsffwvnvkvnfdnvamgylallqvatfkgwmdimyaavdsrevnmqpkwednvymylyfvifiifggfftlnlfvgviidnfnqqkkklggqdifmteeqkkyynamkklgskkpqkpiprplnkfqgfvfdivtrqafditimvliclnmitmmvetddqseektkilgkinqffvavftgecvmkmfalrqyyftngwnvfdfivvvlsiaslifsailkslqsyfsptlfrvirlarigrilrliraakgirtllfalmmslpalfniglllflvmfiysifgmssfphvrweagiddmfnfqtfansmlclfqittsagwdgllspilntgppycdpnlpnsngtrgdcgspavgiiffttyiiisflimvnmyiavilenfnvateesteplseddfdmfyetwekfdpeatqfitfsalsdfadtlsgplripkpnrniliqmdlplvpgdkihcldilfaftknvlgesgeldslkanmeekfmatnlskssyepiattlrwkqedisatviqkayrsyvlhrsmalsntpcvpraeeeaaslpdegfvaftanencvlpdksetasatsfppsyesvtrglsdrvnmrtsssiqnedeatsmeliapgp(配列番号28)


H.s.SCN11A

mddrcypvifpdernfrpftsdslaaiekriaiqkekkkskdqtgevpqprpqldlkasrklpklygdipreligkpledldpfyrnhktfmvlnrkrtiyrfsakhalfifgpfnsirslairvsvhslfsmfiigtviincvfmatgpaknsnsnntdiaecvftgiyifealikilargfildefsflrdpwnwldsivigiaivsyipgitikllplrtfrvfralkaisvvsrlkvivgallrsvkklvnviiltffclsifalvgqqlfmgslnlkcisrdcknisnpeaydhcfekkenspefkmcgiwmgnsacsiqyeckhtkinpdynytnfdnfgwsflamfrlmtqdsweklyqqtlrttglysvfffivviflgsfylinltlavvtmayeeqnknvaaeieakekmfqeaqqllkeekealvamgidrssltsletsyftpkkrklfgnkkrksfflresgkdqppgsdsdedcqkkpqlleqtkrlsqnlsldhfdehgdplqrqralsavsiltitmkeqeksqepclpcgenlaskylvwnccpqwlcvkkvlrtvmtdpftelaiticiiintvflamehhkmeasfekmlnignlvftsifiaemclkiialdpyhyfrrgwnifdsivallsfadvmncvlqkrswpflrsfrvlrvfklakswptlntlikiignsvgalgsltvvlvivififsvvgmqlfgrsfnsqkspklcnptgptvsclrhwhmgdfwhsflvvfrilcgewienmwecmqeanassslcvivfilitvigklvvlnlfialllnsfsneerngnlegearktkvqlaldrfrrafcfvrhtlehfchkwcrkqnlpqqkevaggcaaqskdiiplvmemkrgsetqeelgiltsvpktlgvrhdwtwlaplaeeeddvefsgednaqritqpepeqqayelhqenkkptsqrvqsveidmfsedephltiqdprkksdvtsilsecstidlqdgfgwlpemvpkkqperclpkgfgccfpccsvdkrkppwviwwnlrktcyqivkhswfesfiifvillssgalifedvhlenqpkiqellnctdiifthifilemvlkwvafgfgkyftsawccldfiivivsvttlinlmelksfrtlralrplralsqfegmkvvvnaligaipailnvllvclifwlvfcilgvyffsgkfgkcingtdsvinytiitnksqcesgnfswinqkvnfdnvgnaylallqvatfkgwmdiiyaavdstekeqqpefesnslgyiyfvvfiifgsfftlnlfigviidnfnqqqkklggqdifmteeqkkyynamkklgskkpqkpiprplnkcqglvfdivtsqifdiiiisliilnmismmaesynqpkamksildhlnwvfvviftleclikifalrqyyftngwnlfdcvvvllsivstmistlenqehipfpptlfrivrlarigrilrlvraargirtllfalmmslpslfniglllflimfiyailgmnwfskvnpesgiddifnfktfassmlclfqistsagwdsllspmlrskescnsssenchlpgiatsyfvsyiiisflivvnmyiavilenfntateesedplgeddfdifyevwekfdpeatqfikysalsdfadalpeplrvakpnkyqflvmdlpmvsedrlhcmdilfaftarvlggsdgldsmkammeekfmeanplkklyepivtttkrkeeergaaiiqkafrkymmkvtkgdqgdqndlengphsplqtlcngdlssfgvakgkvhcd(配列番号29)


H.s.SCN1B

Mgrllalvvgaalvssacggcvevdseteavygmtfkilcisckrrsetnaetftewtfrqkgteefvkilryenevlqleederfegrvvwngsrgtkdlqdlsifitnvtynhsgdyechvyrllffenyehntsvvkkihievvdkanrdmasivseimmyvlivvltiwlvaemiycykkiaaatetaaqenaseylaitseskenctgvqvae(配列番号30)


H.s.SCN2B

Mhrdawlprpafsltglslffslvppgrsmevtvpatlnvlngsdarlpctfnscytvnhkqfslnwtyqecnncseemflqfrmkiinlklerfqdrvefsgnpskydvsvmlrnvqpedegiyncyimnppdrhrghgkihlqvlmeepperdstvavivgasvggflavvilvlmvvkcvrrkkeqklstddlkteeegktdgegnpddgak(配列番号31)


H.s.SCN3B

Mpafnrlfplaslvliywvsvcfpvcvevpseteavqgnpmklrciscmkreeveattvvewfyrpeggkdfliyeyrnghqevespfqgrlqwngskdlqdvsitvlnvtlndsglytcnvsrefefeahrpfvkttrliplrvteeagedftsvvseimmyillvfltlwlliemiycyrkvskaeeaaqenasdylaipsenkensavpvee(配列番号32)


H.s.SCN4B

Mpgagdggkaparwlgtgllglfllpvtlslevsvgkatdiyavngteillpctfsscfgfedlhfrwtynssdafkiliegtvkneksdpkvtlkdddritlvgstkekmnnisivlrdlefsdtgkytchvknpkennlqhhatiflqvvdrleevdntvtliilavvggvigllilillikkliifilkktrekkkeclvsssgndntenglpgskaeekppskv(配列番号33)


シグナル伝達プローブ3−(標的3に結合する)

5’−FamGCGAGAGCGACAAGCAGACCCTATAGAACCTCGCBHQ1クエンチ−3’(配列番号34)

Claims (34)

  1. アッセイにおいて少なくとも0.5のZ’ファクターを生じる、NaVを安定して発現するように改変された細胞又は細胞株。
  2. 前記Z’ファクターが少なくとも0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、又は0.85である、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  3. 前記細胞又は細胞株が選択圧のない条件で生育する、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  4. 前記細胞又は細胞株が選択圧のない条件で少なくとも15日、30日、45日、60日、75日、100日、120日、又は150日の間NaVを発現する、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  5. 前記細胞又は細胞株が選択圧のない条件で一定のレベルのNaVを、少なくとも15日、30日、45日、60日、75日、100日、120日、又は150日の間発現する、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  6. 前記NaVがアルファサブユニット及びベータサブユニットを含む、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  7. 前記NaVが異なるベータサブユニットをさらに含む、請求項6に記載の細胞又は細胞株。
  8. 前記NaVが、サブユニットをコードする導入された核酸から発現するサブユニットを含む、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  9. 前記NaVが、遺伝子活性化によって活性化された内生の遺伝子から発現するNaVサブユニットを含む、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  10. 前記細胞又は細胞株が、改変に先立って内生NaVを発現しない、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  11. 前記NaVがいずれのポリペプチドタグをも含まない、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  12. 前記細胞又は細胞株が哺乳類である、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  13. 前記NaVが2つ、3つ、又は4つのサブユニットを含む、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  14. 前記NaVがヒトNaVである、請求項1に記載の細胞又は細胞株。
  15. 前記アルファサブユニットがアルファ1、アルファ2、アルファ3、アルファ4、アルファ5、アルファ7、アルファ8、アルファ9、アルファ10、又はアルファ11サブユニットである、請求項6に記載の細胞又は細胞株。
  16. 前記ベータサブユニットがベータ1、ベータ2、ベータ3、又はベータ4サブユニットである、請求項6に記載の細胞又は細胞株。
  17. 前記アルファサブユニットがヒトNaVアルファ9サブユニットである、請求項6に記載の細胞又は細胞株。
  18. 前記ベータサブユニットがヒトベータ1サブユニットである、請求項6又は16に記載の細胞又は細胞株。
  19. 前記NaVがヒトベータ2サブユニットをさらに含む、請求項18に記載の細胞又は細胞株。
  20. 前記細胞又は細胞株が異なる形状のNaVを発現するコレクション中に含まれる、請求項1に記載の細胞又は細胞株のコレクション。
  21. 前記細胞又は細胞株を、並行処理を可能にする同じ生理学的特性を有するように同調させた、請求項20に記載のコレクション。
  22. 前記細胞又は細胞株が全て同じ細胞型である、請求項20に記載のコレクション。
  23. 前記生理学的特性が成長速度である、請求項20に記載のコレクション。
  24. 前記生理学的特性が組織培養表面への付着である、請求項20に記載のコレクション。
  25. 前記生理学的特性がZ’ファクターである、請求項20に記載のコレクション。
  26. 前記生理学的特性がNaVの発現レベルである、請求項20に記載のコレクション。
  27. NaV調節因子を同定する方法であって、前記方法は、
    請求項1〜19のいずれかに記載の細胞又は細胞株、又は請求項20〜26のいずれか1項に記載のコレクションに試験化合物を接触させる工程;及び
    試験化合物に接触していない細胞と比較して、細胞におけるNaV機能の変化を検出する工程を含み、ここで前記機能の変化は該試験化合物がNaV調節因子であることを示す。
  28. 前記試験化合物が小分子、ポリペプチド、ペプチド、又は抗体若しくはその抗原結合部位である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記試験化合物が化合物のライブラリーである、請求項27に記載の方法。
  30. 前記ライブラリーが小分子ライブラリー、組み合わせライブラリー、ペプチドライブラリー又は抗体ライブラリーである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記検出工程が、膜電位アッセイ、電気生理学的アッセイ、及び結合アッセイから選択される、請求項27に記載の方法。
  32. 前記工程がハイスループット法で実施される、請求項27に記載の方法。
  33. 請求項27に記載の方法によって同定された調節因子。
  34. 長期にわたってNaVを一定のレベルで安定して発現するように改変された細胞であり、
    a)NaVをコードするmRNAを発現する複数の細胞を準備する工程;
    b)前記細胞を個別の培養ベッセル中に個々に分散させ、それにより複数の別個の細胞培養を準備する工程;
    c)それぞれの別個の細胞培養における条件が実質的に同一であることを特徴とする自動化された細胞培養法を用いて、一連の所望の培養条件下で細胞を培養する工程(この培養期間においては別個の細胞培養当たりの細胞数は標準化され、及び別個の細胞培養は同じスケジュールで継代される);
    d)NaVの発現を測定するために、別個の細胞培養を少なくとも2回アッセイする工程;及び
    e)2回のアッセイの両方において一定のレベルでNaVを発現する別個の細胞培養を同定し、それにより前記細胞を得る工程、
    を含む方法によって作出された細胞。

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