JP2012511728A - 二重グレーチング横方向シアリング波面センサ - Google Patents

二重グレーチング横方向シアリング波面センサ Download PDF

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Abstract

検査物体によって形成された波面を有するビームを第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に同時に回折して1度回折されたビームを得るステップと、前記1度回折されたビームを直交する方向に同時に回折して2度回折されたビームを得るステップと、前記2度回折されたビームの少なくとも2つの次数の回折光を各方向において重ね合わせて、前記第1の方向へ横方向シアリングされた波面の複数のコピー及び前記第2の方向へ横方向シアリングされた波面の複数のコピーにより形成される干渉パターンを検出器に形成するステップと、前記干渉パターンに基づいて前記波面に関する情報を決定するステップとを含む方法を開示する。

Description

本発明は、波面センサ及び波面測定技術に関し、特に横方向シアリング波面センサ及び横方向シアリング波面測定方法に関する。
波面センサとは、検出器上にて、検査面からの、二以上の波面を重ね合わせることによって干渉パターン(インターフェログラムともいう)を測定するセンサである。これらの波面は、位相差がエンコードされたインターフェログラムを形成する。
他方、光学的な表面形状測定装置においては、インターフェログラムは、一般に検査面及び別の基準面からの照明波面の同時反射により形成される。多種の光学的表面形状測定装置があるものの、少なくとも一部のものにおいては、共通の光源からの光が2つのビームにスプリットされ、一方は基準面に向けられ、他方が検査面に向けられる。そしてこれらのビームは、干渉計の結像素子によって、再合成され検出器に向けられる。特定の構成(例えば、周知のフィゾー型構成)においては、光源から検出器までのすべての光学素子は、検査面を除いて、検査波面及び基準波面の双方に対して共通の光路上に配置される。このようにして、各素子の光学的欠陥に起因する信号の殆どが打ち消し合い、高精度の基準面(又は既知の形状)が用いられれば、検査面の高精度測定が実現される。
対照的に、波面センサにおいては、「形状」を測定するための波面のみが利用される。波面の「形状」とは、規定の平面、例えば検出器平面、における電磁波の位相分布として定義される。当初から欠落しているのは、2ビーム干渉を確立するために必要なコヒーレントな波面である。シアリング干渉においては、測定されるべき波面について二以上の複製が作成されて重ね合わされる。シアリングは、多種の手法によって行うことができる。例えば、回転シアリングにおいては、波面のコピーは相互に回転される。ラジアルシアリングにおいては、重ね合わせ前に、コピーは、その大きさが可変的に変更される。反転シアリングにおいては、コピーは相互に反転される。横方向シアリングにおいては、重ね合わせ前に、コピーは、横方向にずらされる。
一般に、波面センサは、ビーム内の異なる箇所において検出器で測定された位相差を用いて、原初の波面(すなわち、検査物体によって形成された波面)を再構築する。この作業は数学的に困難であることもあり、すべての構成について解が保証されているとは限らない。
横方向シアリング干渉においては、波面を再構築するためには、相互に独立な2つのシアリング(ずらし)方向からの位相差が与えられるべきものと考えられている。例えば、非特許文献1においてC. Elster等は、空間周波数f=1/s(ここにおいて、sはシアリング距離)の場合においては、検出されるインターフェログラムの測定される空間周波数の伝達関数はゼロとなることを示している。しかし、波面がゼルニケ係数の集合によって記述されるのならば、2つの直交するシアリング方向が用いられる限りにおいては、上述のような空間周波数に関する制約が課されるとは考えられない。
C. Elster et al., Appl. Opt. 38, no. 23, (1999), p. 5024−5031。 Principles of Optics, Born and Wolf, Sixth Corrected Edition, Cambridge University Press, 1993, pp. 464−468。
同時に2つのシアリングインターフェログラムを記録するために、空間キャリア周波数手法を用いて、x及びy方向における同時の横方向シアリングに基づく、高速かつロバストな波面測定を可能にする光学配列並びに方法が開示されている。この手法は、所与のダイナミックレンジに対して測定不確実性の低減を提供し、従来の波面測定方法(Hartmann−Shack手法)に比して高い空間解像度を提供することができる。
波面がゼルニケ関数との関係で評価される場合においては、2つのシアリングインターフェログラムからの位相再構築は、計算的に非常に効率化することができる。ゼルニケ関数は、波面収差を記述するための周知な手法である(例えば、非特許文献2を参照されたい)。
一般的には、第1の態様において、本発明は方法に関し、該方法は、検査物体によって形成された波面を有するビームを第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向へ同時に回折させて1度回折されたビームを形成し、前記1度回折されたビームを直交する方向に同時に回折させ2度回折されたビームを形成し、前記2度回折されたビームの少なくとも2つの次数の回折光を各方向において重ね合わせて、前記第1の方向へ横方向シアリングされた波面の複数のコピー及び前記第2の方向へ横方向シアリングされた波面の複数のコピーにより形成される干渉パターンを検出器に形成し、前記干渉パターンに基づいて前記波面に関する情報を決定することを特徴とする。
上述の方法の実施は、後述の事項の1以上を含むことができる。例えば、前記1度回折されたビームを同時に回折させることにより干渉パターンにキャリアフリンジを導入することができる。前記キャリアフリンジは、前記1度回折されたビームを同時に、前記第1及び前記第2の方向をゼロではない角度αだけ回転させた互いに直交する方向において回折させることによって導入することができる。前記1度回折されたビームは、第1のグレーチングによって形成でき、前記2度回折されたビームは、第2のグレーチングによって形成することができる。複数の次数の回折光の前記重ね合わせは、前記第1及び前記第2のグレーチングから等距離にある表面を検出器上に結像させることを含む。前記第1及び前記第2のグレーチングは2次元において周期的であることができる。
一部の実施形態においては、本方法は、検出器における回折次数の数を減少させるために、前記2度回折されたビームを空間的にフィルタすることを含む。
前記情報は、前記検出器によって取得された干渉パターンの単一のイメージフレームに基づいて決定することができる。本方法は、干渉パターンの追加のイメージフレームを取得すること及び、これら各々の追加のイメージフレームに対して波面に関する情報を決定することを含むことができる。
特定の実施形態においては、本方法は、ビームを回折させる前にビームをコリメートすることを含む。
波面に関する情報は、波面収差に関する情報を含むことができる。前記波面に関する情報は、波面のゼルニケ係数を含むことができる。
検査物体は、集束光学素子とすることができる。例えば、一部の実施形態においては、検査物体は光学記録媒体用の光学ピックアップとする。検査物体は、ブルーレイ(登録商標)・プレイヤの光学ピックアップとすることができる。
一部の実施形態においては、前記情報は少なくとも2つの波長に関して取得される。例えば、前記少なくとも2つの波長は、405nmと650nmを含むことができる。
前記波面に関する情報の決定は、検出器を用いて複数の箇所における干渉パターンの強度を測定すること、第1及び第2の方向におけるシアリングによる干渉パターンへの影響を分離するために測定された強度から導出されたデータに畳み込みカーネルを適用すること、及び、分離された影響に基づいて情報を決定すること、を含むことができる。干渉パターンの前記強度は、シアリングされた波面のコピー間の位相差に基づく情報を含むことができる。干渉パターンの前記強度は、微分されたゼルニケ面に比例することがある。前記情報の決定は、畳み込みカーネルを適用した後に、キャリア位相修正データを提供するために、キャリア位相をデータから減算することを含むことができる。前記情報の決定は、第1及び第2の各々の方向において微分されたゼルニケ面を計算すること及び波面を記述する一組のゼルニケ係数を取得するために、前記キャリア位相修正データを前記微分されたゼルニケ面と乗算することを含むことができる。
前記干渉パターンの少なくとも一部分は、第1の方向にシアリングされた少なくとも1組の波面並びに第2の方向にシアリングされた少なくとも1組の波面の影響を含むことができる。前記情報の決定は、前記干渉パターンへの第1及び第2の方向におけるシアリングによる影響を分離するために、前記干渉パターンの測定された強度の値から導出されたデータに畳み込みカーネルを適用することを含むことができる。
前記情報の決定は、前記干渉パターンに基づくデータに微分されたゼルニケ面を適合させることを含むことができる。
一般的には、別の態様において、本発明は装置に関し、該装置は、第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向において周期的であり、かつ、検査物体により形成された波面を含む前記検査物体からのビームを前記第1及び前記第2の方向において回折するように光軸上に配置された第1のグレーチング、直交する2つの方向において周期的であり、かつ、前記第1のグレーチングからの1度回折されたビームを受け取り、前記1度回折されたビームを前記2つの直交する方向において回折するように配置された第2のグレーチング、前記第1及び前記第2の方向において前記2度回折されたビームの少なくとも2つの次数の回折光を受けて、前記第1の方向において横方向にシアリングされた前記波面の複数のコピー及び前記第2の方向において横方向にシアリングされた前記波面の複数のコピーにより形成される干渉パターンを形成するように配置された検出器、並びに前記検出器と通信して前記干渉パターンに基づいて前記波面についての情報を決定する電子プロセッサとを備えることを特徴とする。
前記装置の実施態様は、前記第1の態様に関する方法を実施するように構成できるが、後述する1以上の特徴をも含むができる。例えば、第2グレーチングの直交する方向は、前記第1及び前記第2の方向に対してゼロでない角度αだけ回転させることができる。前記電子プロセッサは、回転角αに関する前記干渉パターン中のキャリアフリンジに基づいて前記波面に関する情報を決定するように構成されることができる。
一部の実施形態においては、第2のグレーチングは前記第1及び前記第2の方向に対して45°±αの角度だけ回転させることができ、ここにてαは20°以下の角度である。第1のグレーチングは第1の周期を有することができ、第2のグレーチングは前記第1の周期と√2倍だけ異なる第2の周期を持つことができる。
グレーチングの少なくとも1つは、位相グレーチングとすることができる。これに代えて又はこれに加えて、グレーチングの少なくとも1つは振幅グレーチングとすることができる。
グレーチングの少なくとも1つは、市松模様状グレーチングパターンを有する。
第1及び第2のグレーチングは、共通の基板の対向表面上に形成することができる。
一部の実施形態において、前記装置は、第2のグレーチングと検出器との間に光学系を有することができ、該光学系は第1及び第2のグレーチング間の表面を検出器上に結像するように構成される。光学系は、検出器側においてテレセントリックとすることができる。光学系は、テレスコープを含むことができる。光学系は、検出器における回折次数の数を減少させるように構成された空間フィルタを含むことができる。
特定の実施形態において前記装置は、検査物体と第1のグレーチングとの間において光軸上に配置された光学系を含むことができる。光学系は、検査物体の開口数より大きな値の開口数を有することができる。
検出器は複数の要素を持つ検出器(多要素検出器)とすることができる。
1以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び後述の説明において言及される。本発明の他の特徴及び利点は詳細な説明、図面及び特許請求の範囲により明らかなものとなる。異なる図面であっても、同様の参照符号は同様の要素を表す。
1(a)は、検査物体からの波面を解析するのに用いられるシステムの実施形態の概略図である。1(b)は、検査物体からの波面を特徴付けるために用いられる波面解析装置の実施形態の概略図である。 2つのグレーチングを備える解析装置によって如何にして検査物体からの波面の複数のコピーが発生させられて重ね合わせられるかを説明する概略図である。 3(a)は、直交する2つの方向において周期的な市松模様状パターンを有するグレーチングを例示する概略図である。3(b)は、正方形状の格子上に配置された一連の円からなる2次元グレーチングのさらなる例を示す概略図である。 4(a)は、x及びyの両方向において同時に横方向シアリングして得られるインターフェログラムを示す概略図である。4(b)は、球面収差を有する波面をシアリングすることによって形成されるインターフェログラムの強度パターンとしてシミュレートされたものである。 5(a)は、重ね合わされた2つの1次元グレーチングにより発生したモアレ干渉パターンの解析を示す概略図である。5(b)は、ピクセル間隔がpix.である多要素検出器のピクセルの小さな部分集合を示す概略図である。 空間フィルタの例を示す概略図である。 波面解析装置を用いて測定されたインターフェログラムに関して行われる情報処理のフローチャートである。 関連情報をユーザが入力できるようにするための、マスクエディタのグラフィカルユーザインターフェースである。 9(a)及び9(b)は、2つの方向のシアリングのためのデータマスクの例である。 10(a)及び10(b)は、2つの異なる方向のキャリアフリンジにより導入されるデータチルト平面の例である。 11(a)はG(1)へのGu(1)寄与を示し、11(b)はG(1)へのGv寄与を示し、G(1)はゼルニケ次数2、チルトxに対応する。11(c)はG(2)へのGu(2)寄与を示し、11(d)はG(2)へのGv(2)寄与を示し、G(2)はゼルニケ次数3、チルトyに対応する。11(e)はG(3)へのGu(3)寄与を示し、11(f)はG(3)へのGv(3)寄与を示し、G(3)はゼルニケ次数4、デフォーカスに対応する。11(g)はG(4)へのGu(4)寄与を示し、11(h)はG(4)へのGv(4)寄与を示し、G(4)はゼルニケ次数5、非点収差Xに対応する。11(i)はG(5)へのGu(5)寄与を示し、11(j)はG(5)へのGv(5)寄与を示し、G(5)はゼルニケ次数6、非点収差Yに対応する。11(k)はG(6)へのGu(6)寄与を示し、11(l)はG(6)へのGv(6)寄与を示し、G(6)はゼルニケ次数7、コマ収差Xに対応する。11(m)はG(7)へのGu(7)寄与を示し、11(n)はG(7)へのGv(7)寄与を示し、G(7)はゼルニケ次数8、コマ収差Yに対応する。11(o)はG(8)へのGu(8)寄与を示し、11(p)はG(8)へのGv(8)寄与を示し、G(8)はゼルニケ次数9、球面収差(第3次)に対応する。11(q)はG(9)へのGu(9)寄与を示し、11(r)はG(9)へのGv(9)寄与を示し、G(9)はゼルニケ次数10、トレフォイル収差Xに対応する。11(s)はG(10)へのGu(10)寄与を示し、11(t)はG(10)へのGv(10)寄与を示し、G(10)はゼルニケ次数11、トレフォイル収差Yに対応する。11(u)はG(11)へのGu(11)寄与を示し、11(v)はG(11)へのGv(11)寄与を示し、G(11)はゼルニケ12、二次的非点収差Xに対応する。11(w)はG(12)へのGu(12)寄与を示し、11(x)はG(12)へのGv(12)寄与を示し、G(12)はゼルニケ次数13、二次的非点収差Yに対応する。 12(a)はG(13)へのGu(13)寄与を示し、12(b)はG(13)へのGv(13)寄与を示し、G(13)はゼルニケ次数14、二次的コマ収差Xに対応する。12(c)はG(14)へのGu(14)寄与を示し、12(d)はG(14)へのGv(14)寄与を示し、G(14)はゼルニケ次数15、二次的コマ収差Yに対応する。12(e)はG(15)へのGu(15)寄与を示し、12(f)はG(15)へのGu(15)寄与を示し、G(15)はゼルニケ次数16、二次的球面収差(第5次)に対応する。12(g)はG(16)へのGu(16)寄与を示し、12(h)はG(16)へのGv(16)寄与を示し、G(16)はゼルニケ次数17、テトラフォイル収差Xに対応する。12(i)はG(17)へのGu(17)寄与を示し、12(j)はG(17)へのGv(17)寄与を示し、G(17)はゼルニケ次数18、テトラフォイル収差Yに対応する。12(k)はG(18)へのGu(18)寄与を示し、12(l)はG(18)へのGv(18)寄与を示し、G(18)はゼルニケ次数19、二次的トレフォイル収差Xに対応する。12(m)はG(19)へのGu(19)寄与を示し、12(n)はG(19)へのGv(19)寄与を示し、G(19)はゼルニケ次数20、二次的トレフォイル収差に対応する。12(o)はG(20)へのGu(20)寄与を示し、12(p)はG(20)へのGv(20)寄与を示し、G(20)はゼルニケ次数21、3次的非点収差Xに対応する。12(q)はG(21)へのGu(21)寄与を示し、12(r)はG(21)へのGv(21)寄与を示し、G(21)はゼルニケ次数22、3次的非点収差Yに対応する。12(s)はG(22)へのGu(22)寄与を示し、12(t)はG(22)へのGv(22)寄与を示し、G(22)はゼルニケ次数23、3次的コマ収差Xに対応する。12(u)はG(23)へのGu(23)寄与を示し、12(v)はG(23)へのGv(23)寄与を示し、G(23)はゼルニケ次数24、3次的コマ収差Yに対応する。12(w)はG(24)へのGu(24)寄与を示し、12(x)はG(24)へのGv(24)寄与を示し、G(24)はゼルニケ次数25、3次的球面収差(第7次)に対応する。 13(a)−(d)は、Z5xと畳み込まれたu−シア、N5xと畳み込まれたu−シア、左右反転されたZ5x(Z5y)と畳み込まれたv−シア、左右反転されたN5x(N5y)と畳み込まれたv−シア、それぞれの強度イメージである。 14(a)及び14(b)はそれぞれ、u−シア及びv−シアによって得られる中間位相像の例を示す。 15(a)及び15(b)はそれぞれ、アンラップされて、適切なシアマスクでマスクされて、ピストン項を減じられた、u−シア及びv−シアの位相マップを示す。 16(a)は、得られた結果をゼルニケ面の形で表示したものである。16(b)は、得られた結果をゼルニケ係数のバープロットとして表示したものである。 17(a)は、波面分析装置のさらなる実施形態の概略図である。17(b)は、統合測定システムのさらなる実施形態の概略図である。 18(a)は、検査物体に光を伝達するためのファイバ使用光源を備える分析装置の概略図である。 18(b)は、波面分析装置のための2つグレーチングの相対的大きさと向きを示す概略図である。 溶融石英で作られた市松模様状のグレーチングの回折次数ごとの強度を示すグラフであり、当該市松模様状の構造の「黒色」の区画は500nmから600nmの間の光との関係では、高さをh=592nmとされる。 20(a)は位相グレーチングの実部を示す。20(b)及び20(c)はそれぞれ、グレーチングからの距離が0.1663mmであるときの位相グレーチングの実部及び虚部を示す。20(d)は、グレーチングから0.1663mmの距離にあるときに、グレーチングにより発生される強度パターンを示す。 20(a)−20(d)における両方のグレーチングを経た後の強度を示す。 可視光域(およそ400nmから700nmまで)における干渉パターンの視認可能性を示す。 4つの開口部を有し、そのうちの2つがダイクロイックフィルタで覆われる空間フィルタを示し、対角線上の2つの開口部は第2のダイクロイックフィルタを備える。
図1への参照の下、検査物体102(例えば、レンズ)からの波面を分析するためのシステムは、波面分析装置100、光源198(例えば、レーザー)及び照明光学系199を有する。作動中においては、照明光学系199は、検査物体102を光源198からの光で照明する。光路は、ビーム103として示されている。検査物体102を通った光は、波面分析装置100に当たり、ビーム103をシアリングすることにより検出器上にてインターフェログラムを発生させる。波面分析装置100と通信する電子プロセッサ170が波面分析装置100からの信号を受信して、検査物体102により生成された波面に関する情報を、前記信号に基づいて決定する。
図1(b)は、検査物体102からの波面101を特徴付けるために用いられる波面分析装置100の実施形態を示す。参照の便宜のために、デカルト座標系が示されている。波面分析装置100は、光学係130、分析ユニット140、テレスコープ150、検出器160を有し、これらはすべて光軸104上に配置することができ、前記光軸104はz軸に平行である。検出器160は、電子プロセッサ170に接続されている。後に詳述されるように、2つの直交する方向で横方向にシアリングされた波面101の複数のコピーを重ね合わせることによって、波面分析装置100は検出器160上に干渉パターンを形成する。電子プロセッサ170は波面101に関する情報を(ひいては検査物体102に関する情報も)、検出器160によって検出された干渉パターンに基づいて決定する。
図1(b)において示されるように、波面101は、ビーム103が検査物体102によって点120に集束されることにより、検査物体102から収束する。
光学系130は、収束されたビームが分析ユニット140に当たる前に当該ビームをコリメートする光学素子131(例えば、1以上のレンズ)を含む。光学系130は(例えば、ビーム103のケラレを防ぐために)検査物体102よりも高い開口数を有することができる。光学系130はまた、射出瞳106を光学系130の後方の像空間に (106にある射出瞳開口の境界を通る球として) 結像する。図1は、分析装置100を通過する光を表す2つの光線110及び111も示し、これらは射出瞳106においてy軸方向に距離s(105と称す)だけ隔てられた波面101上の2つの相異なる場所に対応する。
分析ユニット140は、z軸上において距離dだけ隔てられた第1の回折グレーチングの141及び第2の回折グレーチング142を有する。両方の回折グレーチングは2次元において周期性を有し、2つの方向に(例えば、x及びyの方向に)入射光を複数の回折次数に回折する。2度回折されたビームは、レンズ151及び152を有するテレスコープ150中を伝播する。テレスコープ150は、分析ユニット内のグレーチング141及びグレーチング142の中間に配置された焦点面145を検出器160に結像するように配置されている。したがって、テレスコープ150は、平面145における波面101のコピーを検出器160に結像する。このため、測定されるべき波面が存在する平面は平面145である。結果として、分析装置100は、x及びy方向の両方向において検出器160上に同時にシアリングインターフェログラムを生成し、、これから電子プロセッサ170は波面に関する情報を決定することができる。
テレスコープ150は、レンズ151及び152の間、具体的にはレンズ151の焦点面、に配置された空間フィルタ155も有する。空間フィルタ155は、検出器160にリレーされるべき解析ユニットからの所望の回折次数を選択する。一部の実施形態においては、空間フィルタ155は、光軸104から或る距離156隔てられた1以上の開口部を含むことができ、これにより光軸からの距離が同じ光のみを検出器160へと通し、残余の光は遮断される。空間フィルタ155の距離156は、開口部における光が検出器160に干渉パターンを形成すべき所望の回折次数に対応するように選定される。検出器160は多要素検出器(例えば、CCD又はCMOSデバイス)であり、検出器のそれぞれの要素(即ち、ピクセル)で光の強度を測定することによってインターフェログラムを捉える。
図2を参照するに、グレーチング141及び142による波面の横方向シアリングは例示されている光線110及び111とグレーチングとの相互作用を考慮することにより理解することができる。ここでは、グレーチング141においての光線111に関して+1、0及び−1の回折次数が示されているが、光線111に関しての非ゼロ回折次数及び光線110に関しての高次回折次数は示されていない。回折次数ゼロの光線は光軸104に平行である。さらに、y方向においての回折のみ示されているが、光線はx方向においても回折されることとなる。
グレーチング142においては、1度回折された光線110の回折次数+1、0、−1の回折光は、2度回折された光を得るために、それぞれは再度回折される。図2は、光線110の1度回折された回折次数が+1及び−1である回折光のさらに回折された回折次数+1、0、−1の回折光を示す。1度回折された光線110の回折次数0の回折光のさらに回折された非ゼロ回折次数は示されていない。グレーチング142により回折された後の、光線111の回折次数+1、0、−1の回折光もまた示されている。
図2に示されるように、2度回折された光のうち、図示された2つの場合における光のみが、グレーチング142からの回折と重なり合う光路に向けられる。これらの場合は、グレーチング141において0次に回折し、次にグレーチング142において+1次に回折する光線111の部分((0,+1)と表記される)であり、この部分はグレーチング141において+1次に回折し、次にグレーチング142において0次に回折する光線110の部分 ((+1,0)と表記される)と重複する。括弧内の第1の数字がグレーチング141におけるビームの回折次数を表し、第2の数字がグレーチング142におけるビームの回折次数を表す。(+1,0)と(0,+1)との組合せは、どのような強度が回折次数0及び回折次数1に回折されたかとは無関係に(両方のグレーチングを通過した)2度回折された光線が自動的に等しい強度を持つこととなる、という利点を有する。結果として、これら2つの光線によって生じる干渉パターンのコントラストは、理論上においては、最適である。
グレーチング間の間隔dにより、横方向シアs(105と表記)を有する波面101の各光線は、開口155によって選別することができる。各光線は検査波面上の横方向シアにより一旦は隔離されるものの、2つのグレーチングでの回折によって各光線は共通の光路上のものとなる。両方のグレーチングが2次元において周期的であることから、これらの構造によりビーム103は4つの光線に分割される(即ち、x方向に2つの光線及びy方向に2つの光線に分割される)こととなる。この光学系は逆方向にみることもでき、検出器160に到達する4つの光線は、検査物体102の射出瞳の横方向における相異なる場所へ辿ることができる
一般に、多種の異なるグレーチング141及び142を用いることができる。2つのグレーチングは同じ(例えば、同一)とすることができ、又は異なるものとすることができる。例えば、一部の実施態様において、グレーチング141は位相グレーチングであり、グレーチング142は振幅グレーチングである。
一部の実施態様においては、グレーチング141及び/又は142は市松模様を有するグレーチングであり、これは例えば図3(a)に示されている。この例との関係においては、グレーチングはx方向においては周期Uを有しており、y方向においては周期Vを有している。図3(a)においては、UはVに等しいものとして表されているが、これら2つの周期は異なることもできる。このグレーチングは、寸法をt及びsとする単位格子により構成されている。
図3(b)においてグレーチングのさらなる例が示されている。ここでは、グレーチングは、正方形の格子上に配列された一連の円からなる。円の半径はrであり、隣接する円同士は距離1で離されている。
一部の実施態様においては、等しい強度の2つの回折次数(例えば+1及び0等)のみが発生されるように、各グレーチングの単位格子は構成される。例えば、第1次への回折を増大させるためにブレーズされた位相グレーチング等を用いることができる。このようなグレーチングの「単位格子」は、厳密な波動伝播を活用するプログラムによって設計することができ、また、第ゼロ次及び第1次の振幅をバランスさせ、他のすべての次数を抑制するために、最適化ルーチンを適用することができる。典型的には、極度にアスペクト比の高い構造が用いられ、グレーチングの回折効率が波長の変化に極めて敏感になることがある。
他の実施態様も可能である。例えば、回折次数+1、0及び−1の回折次数に対して等しい強度を供給する又は回折次数+1及び−1の回折次数のみに対して等しく強度を供給するグレーチングを用いることができる。図3(a)及び図3(b)においては、回折次数+1及び−1のみについて、等しい強度をもたらすグレーチング構造の例が示されている。例えば、これらのグレーチングが、暗色として表されている部分と明色で表されている部分との間に高さλ/2の位相ステップを有する位相グレーチングとして作られており、かつ、グレーチングのこれら2つの異なる部分の面積が各「単位格子」において等しいならば、0次は抑制することができ、+1及び−1の次の各々は強度の40%以上を占めることができる。
シアの量は、グレーチング141及び142を隔てる距離dを変化させることにより調節することができる。d=0の場合においては、シアはゼロであり、dが増大するにつれ、波面はよりシアされていく。一般に、シアの量は測定を行うのに用いられる光の波長及びグレーチングの周期(即ちグレーチング周期)にも依存する。
一般に、測定することのできる波面の収差の大きさはシア量に依存する。典型的には、シアが小さい程に測定することのできる収差は大きくなる。一部の実施態様においては波面アナライザにより与えられるシアの量は可変とすることができる。例えば、特定の実施態様においてはシステムを極度に広範囲にわたって、例えばシア0.25%乃至25%にわたって、調整することができる。
キャリアフリンジ
グレーチング141及び142はz軸の周りを、相互間で角度α回転される。結果として、検出器160上のインターフェログラムのフリンジパターンは、空間キャリアフリンジを含む。図面4(a)及び4(b)を参照するに、x,y座標系とキャリアフリンジは多要素検出器のピクセルの行及び列の対角方向に向いている。図4(a)においては、波面のコピーが4つ示されており、x軸方向に相互にシアされた2つのコピー(G1及びG2)及びy軸方向に相互にシアされた2つのコピー(K1及びK2)が示されている。x方向シアのキャリアフリンジはx軸に平行であり、y方向シアのキャリアフリンジはy方向に平行である。x方向における相対シア量はuであり、y方向における相対シア量はvである。図4(b)は、測定波面が球面収差を示す2つ以上の波を含む場合に検出器160においてシミュレートされる強度パターンを示し、当該収差は強度パターンにキャリア周波数のコマ状の歪みとして発現する。
一般に、キャリアフリンジの数はグレーチングの周期及び回転角αの関数であり、一般にグレーチング141及び142間の距離d及び測定に用いられる(1以上の)光の波長とは独立である。典型的には、αは1°から20°(例えば5°以上、10°以上、18°以下、15°以下等)の範囲にある。検出器160におけるこれらのキャリアフリンジの密度は位相測定がどのように行われるのかに関係する。
一部の実施態様においては、直接測定干渉法(Direct Measurement Interferometry, DMI)が用いられる。DMI法のさらなる説明は、例えば米国特許第5,361,312号及びD. Malacara et al.による「Interferogram Analysis for Optical Testing」(Marcel Dekker, Inc., (1998))の第8.2.6章 「Spatial Carrier Phase Shifting Method」(空間キャリア位相シフト法)において見つけることができ、前者は参照により本件に取り込まれる。DMI法では、フリンジパターンの位相を計算するのに用いられるアークタンジェント関数のための「分子」(サイン)及び「分母」(コサイン)得るために、測定された干渉パターンを既定のカーネルで畳み込む。
特定の実施態様においては、この方法は両方の方向において(即ち多要素検出器の行及び列に沿って)、1つのキャリアフリンジあたり4つのピクセルを用いる。換言すれば対角フリンジは、行方向又は列方向において、4ピクセルごとに、1フリンジ周期刻みで増加する。これは、行の方向において1ピクセルあたり+(1/2)π及び列方向において+(1/2)πのキャリア位相に相当する(ここで、1周期は2πである)。
図5(a)及び5(b)を参照するに、4ピクセルによる手法は、1次元グレーチングを重ね合わせることによるモアレフリンジを考慮することによって理解することができる。このようなパターンは、図5(a)において描かれており、ここでは、隣接するモアレフリンジは距離Cだけ離れており、当該Cはグレーチング周期Λ及び2つのグレーチング間の回転角αに依存する。図5(a)から、次の関係式が導かれる。
Figure 2012511728
Figure 2012511728
図5(b)は、ピクセル間隔がpixである多要素検出器(例えばCCD検出器等)のピクセルの小さな部分集合を示す。ピクセル内の数は、2つのグレーチングを互いに角度αだけ回転させることにより導入される周期Cを有するキャリアフリンジの相対位相のモジュロ360度を示す。隣接するピクセルの90°の位相増分(行及び列の双方において)は、表1(後述参照)の畳み込みカーネルに適応している。
図5(b)から、キャリアフリンジの周期C(モアレフリンジの間隔)とピクセル間隔pixは次の関係にある:
Figure 2012511728
グレーチングと検出器との間において波面の1:1イメージングがなされていると仮定すると、x及びCを、方程式(1)、(2)及び(3)から消去することにより、グレーチング141及び142の回転角αと、マトリックス検出器のピクセル間隔pixと、グレーチングのグレーチング周期Λとの関係が導出される:
Figure 2012511728
また、αは、グレーチング周期Λ及び検出器のピクセル間隔pixが与えられることによって、取得することができる:
Figure 2012511728
方程式(1)から(4)においては、どの量も、用いられる光の波長λには依存しない、即ちこの構成はアクロマティックである。
キャリア干渉フリンジを導出することのできる別の方法が以下に示される。後述の説明は、(簡単のために)1次元グレーチングの場合に関して提供されるが、この分析は容易に、2次元の場合におけるx及びy座標にそれぞれ独立に適用して拡張することもできる。
図2を再び参照するに、1次の回折光線の回折角度γは、
Figure 2012511728
である。
横方向シアの量は、
Figure 2012511728
により与えられる。
検出器160におけるシアの量は、分析装置と検出器との間のテレスコープの結像特性を考慮することによって決定することができる。例えば、図1(b)において示されているように、グレーチング141及び142に入射する光束は、レンズ151及び152を有するテレスコープ150によって結像される。これらのレンズがそれぞれ焦点距離をf及びfとする場合においては、検出器160におけるシアは、
Figure 2012511728
により決定されることができる。
グレーチング前の直径Bの光束は同等のサイズ変化を受けて、シアの相対的な量σ(2次元の場合においては、u,vとして表される)はテレスコープ150によって不変に維持される。
Figure 2012511728
Figure 2012511728
焦点距離がfである、テレスコープ150のレンズ151の背後における第1次回折の横方向距離は、
Figure 2012511728
で表される。
角度αだけ相互回転されたグレーチング141及び142からの2つの焦点の相互距離aは(図6を参照)、
Figure 2012511728
で表される。
これらの2つの光源はレンズ152によってコリメートされて、レンズ152の背後において2つの傾斜した波面となり、検出器160上に投射される。検出器160上において、2つのコヒーレントな干渉平面波によってインターフェログラムが形成される。干渉フリンジの間隔Cは、平面波の波長及び平面波間の角度に依存する。この角度β及び間隔Cは、
Figure 2012511728
Figure 2012511728
として算出することができる。
方程式(13)に方程式(5)、(10)、(11)及び(12)を代入することによって、Cは、
Figure 2012511728
として求めることができる。
方程式(3)を用いて、Λ及びαはともに、
Figure 2012511728
Figure 2012511728
として求めることができる。
方程式(15)はモアレフリンジを用いる第1のアプローチを正当化する。方程式(16)からグレーチング周期Λが選ばれれば、単にグレーチング141及び142を互いに角度αだけ回転させることによって、ピクセル間隔がpixである所与の検出器のためにキャリアフリンジを調節することができることが明白である。相対シアσを追加的に調整するには、グレーチング141及び142間の距離dを変更することができる。
NxMピクセル(N<M)の長方形検出器及びpixのピクセル間隔を与えられ、検出器160上に無シア波面を、当該無シア波面の直径Bdtが検出器160の小さい方の寸法に等しくなるように結像する条件が与えられる場合、
Figure 2012511728
となる。
式(6)、(7)、(9)及びσを用いて、相対シア並びにグレーチング141及び142間の間隔dを求めることができる。
Figure 2012511728
先述されたように、空間フィルタ155は、特定の光(例えばインターフェログラムを形成するのに必要な光)のみの通過を許し、検出器においてノイズに貢献する光を遮断する、1以上のアパチュアを有することができる。図6は、2つのアパチュア501及び502を有する空間フィルタ155の例を示す。各アパチュアは、半径方向の寸法Dを有し、並びにテレスコープ150内に空間フィルタ155が配置されたときの光軸104からの半径方向における距離eを有し、光線K1、K2、G1及びG2の通過を許す。距離eは、上述の方程式(10)によって与えられる。また、K1、K2、G1及びG2は、図4(a)における検出器160におけるシアされた波面に対応する。アパチュア501及び502は、検出器160でインターフェログラムを形成する目的において望まれていない回折次数の光を遮断する材料片に形成される。
データ処理
シアリングインターフェログラムの位相情報は、検出器160においてキャプチャされたインターフェログラムの画像に基づいて、電子プロセッサ170により決定される。一部の実施態様においては、位相情報は検出器160から生じるビデオフィードからリアルタイムに取得される。
一般に、検出器160において検出されたインターフェログラムの画像から波面情報を抽出するのに、多様なアルゴリズムを用いることができる。一部の実施態様においては、プロセッサ170により実行されるアルゴリズムは、2つの部分を有するものと考えることができる。すなわち、予備計算が行われその結果が(例えば、電子プロセッサ170によりアクセスすることのできるメモリ内に)格納される「静的」部分と、検出器160からのフィードによって更新されるリアルタイムの「パイプライン」部分である。このようなアルゴリズムの例のフローチャートが、図7に示されている。波面アナライザが2次元グレーチングについても機能することから、一般に両方の次元に対して計算は行われる。
「静的」部分は、次のステップを含む。最初に、検出器上のインターフェログラムの中心座標、インターフェログラムの半径、及びシア(全てピクセル単位)が、マスクエディタに入力される(ステップ701)。例示的なマスクエディタのユーザインターフェースが、図8に示されている。2つの直交する方向におけるシアのためのデータマスク行列を計算するのに、このデータは用いられる(ステップ704)。uシア及びvシアのための例示的データマスクが、図9(a)及び9(b)にそれぞれ示されている。マスクエディタからのデータは、2つの直交する方向におけるシアに関してチルト平面を計算するのにも用いられる(ステップ702)。計算されたチルト平面は、キャリア周波数によってもたらされる人工的に導入されたチルトに起因する、測定されたu位相及びv位相から減算される。uシア及びvシアに関する例示的なチルト平面データが図10(a)及び10(b)にそれぞれ示されている。
別のステップ(ステップ703)においては、xy座標系が45°回転された相対シアu及びvは、次の関係を用いて決定される。まず、グレーチングの実効ピッチ(effective grating pitch)がグレーチングピッチ(grating pitch)から次のように求められる。
Figure 2012511728
次に、絶対シア(Absolute shear)が実効ピッチ(effective grating pitch)、グレーチング間の間隔d、及び測定が行われている光の波長λに基づいて決定される。
Figure 2012511728
最後に、相対シア値(Relative shear)が絶対シア(Absolute shear)及びビームの直径(Beam diameter at gratings)から決定されることができる。
Figure 2012511728
すべてのパラメータは、同じ単位(例えば、ミリメートル単位)で測定され、相対シアu及びvは無次元の量であることに注意されたい。
計算された相対シアを用いて、アルゴリズムは、ウェイト付け行列Gを決定する(ステップ705)。ウェイト付け行列Gは、ゼルニケ係数を直接的に取得するために、畳み込まれたイメージに後で乗算される行列である(後述の説明を参照)。行列Gにおいては、瞳の再マッピングも含まれている。瞳再マッピングは、検査物体の球面状の波面の、平坦な検出器(結像平面)への結像を補正するために用いられる。マスクエディタからの射出瞳の直径、並びに3つのルジャンドル係数a1、a3、a5は、行列Gにおいて瞳の再マッピングに用いられる。
ウェイト付け行列Gは、2つのシアされた波面の各ゼルニケ係数に関して、ピクセル毎実効ウェイトを持つように、計算される。2つのシアされた波面は検査波面101内に含まれる差分に関する情報を提供するので、ゼルニケ適合を直接適用することはできない。代わりに、各ゼルニケ係数に対応するゼルニケ面は+u及び−uだけx方向に横シフトされ(x及びyは、−1から+1までの標準化された座標であること並びにu及びvは相対シア値として与えられることにも注意)、結果として得られる有限差分表面は今度はx、y、及びuの関数として算出される。同じことは、vシア方向に関しても行われ、結果として、二組目のゼルニケ差分関数群が得られ、今度はx、y、及びvの座標で表現されることになる。これにより、二組の関数群、即ちゼルニケ関数のx及びy方向における(有限な)微分関数、が得られる。これにより、マスクエリア内(2つの円G1及びG2又はK1及びK2が重なる、図4(a)の斜線領域を参照)のすべてのピクセルについて、u方向においてシアされた波面の測定された高さの差分に関して一つの方程式を、並びにv方向においてシアされた波面の測定された高さの差分に関して一つの方程式を、対応するゼルニケ関数の微分を用いることにより、それぞれ定立することができ、これによって連立方程式を確立することができる。総数としては、2つのシアされたマスクの各マスク内のピクセルの数だけの方程式を得ることになる。波面の測定された差分をゼルニケ関数の計算された差分に適合させることにより、潜在する元の波面への測定値の積分演算が間接的に行われることになり、同時にゼルニケ適合が行われる。
一組の多項式群に測定結果を「適合」させる一般的な数学的な手続は、行列式として、
Figure 2012511728
と表現することができる。
方程式(22)においては、変数は次の通りである:すなわち、wは未知の係数の列ベクトルであり、n個のゼルニケ多項式が用いられる場合には(n−1)個の未知の係数が生じ、最初のゼルニケ多項式は定数であり、x及びyに関するこの多項式の導関数は共にゼロである。したがって、この係数は、典型的にはシアリング法によって測定されることはできないものであるが、その値は特段の意味を有するものではない。bは2m個の要素を含む列ベクトルであり、即ちuシアに関するマスク内の(標準化された)座標x,yを有するすべてのピクセルについてのm個の測定、及び、vシアに関するマスク内のすべてのピクセルについてのさらなるm個の測定を含む。Aは、2m個の行及びn個の列を有する行列であり:与えられたuシア値に関して、標準化された座標の対のすべてについて、uに関するゼルニケ差分関数を計算することができる。同じことがvシア及びvに関連するゼルニケ差分関数についても言えるる。
このような適合手続の一般解は、
Figure 2012511728
と表現される。
この方程式においては、ベクトルbによってキャプチャされる測定の結果を知らずに、行列Gを計算することができる。Gは、測定値の取得される場所のピクセルの標準化された座標とuシア及びvシアに関するゼルニケ微分関数の値とから算出することができる。したがって、Gは予め算出しておくことができ、これにより適合手続全体を加速することができる。
Gは(適合手続のために用いられるn個のゼルニケ関数の係数に関する)n個の行及び2m個の列を有する行列であって、最初のm個の列はuシアされた波面の測定のためのものであり、次のm個の列はvシアされた波面の測定のためのものである。したがって、Gを2つの行列に分割することができ、これらはGu及びGvと呼ばれる。測定値自体との乗算の「ウェイト」として機能する、Gu内の1つの行のm個の数値を、図4(a)のG1、G2の重複エリア内の測定されたピクセルとして配置すること、並びにGvの同じ行のm個の数値を、図4(a)のK1、K2の重複エリア内の関連するピクセルとして配置することによって、測定されたシア波面に乗算されるウェイトを含む2組の2次元行列が得られる。これらのウェイトの例は、図11(a)乃至図12(x)において示されている。これらの関数は、u及びv方向におけるゼルニケ関数の有限差分に一見類似し、すなわち、xが(xーu)で置換され、続いて(x+u)で置換され、得られた2つの関数が減算されたものとなる。vについても同様にされる。
各ピクセルにおいてウェイトを、同じ座標で取得された測定値に乗じ、このような積の総和を取ることによりゼルニケ多項式の係数が得られる。
アルゴリズムの静的部分は、後で使用するために、取得されたライブイメージに対して1組の畳み込みカーネルをセットアップすることをも含む(ステップ705)。畳み込みカーネルは、各ピクセル位置(または、複数のピクセルからの強度データがビニングされる組み合わされたピクセル位置)においてインターフェログラム内にエンコードされている位相を抽出するのに用いられる。波面収差は、検出されたインターフェログラム内のキャリアフリンジを、空間的に変調する。4つの相違なるカーネルを用いることにより、インターフェログラムのフリンジパターンにエンコードされた位相内容は、個別に抽出することができる。xシア位相を抽出するのに2つのカーネルが用いられ、さらなる2つのカーネルがyシア位相を抽出するのに用いられる。5x5要素を有するこのようなカーネルの例が下記の表1に示されている。これらのカーネルは、キャリアの位相増分が、x方向においてピクセル毎に90°であり、y方向においてもピクセル毎に90°である場合に好適である。さらに、これらカーネルは、x方向及びy方向における局所的位相変化の大きな偏差を別々に又は共同して吸収できるように設計されている。このことは、x、y及び斜め(即ちx及びyの組み合わせ)方向をそれぞれ独立に調べることによって分析することができる。Z5yの列の和を計算すると:
Figure 2012511728
が得られ、N5yの列の和を計算すると
Figure 2012511728
が得られる。
これらは、時間位相シフトアプローチのためのものとして知られている公式であり、このアプローチは、位相ステップのデチューニングにより誘起される位相エラーを調べる場合に、90°の設計ステップに関しては重複度3のゼロを生じるので、典型的には位相ステップのデチューニングに高度に鈍感である。対称性により、2つのカーネルにおける行の和に関しても同様である。x及びy方向におけるステップサイズの総合効果を調べるには、対角線を調べるべきである。ここで、要素の和は:
Figure 2012511728
Figure 2012511728
であり、また両方を2で割ると(位相を取得するためにアークタンジェントを計算する際に、両方のカーネルに共通の因数を除外することができる):
Figure 2012511728
Figure 2012511728
となる。
これらの数値を時間位相シフト公式として採用すると、1998年8月31日にFuturoscope, Poitiers, Franceで開催されたIUTAM Symposium on Advanced Optical Methods and Applications in Solid Mechanicsで発表されたKuchel, M.F.によって著された「Precise and Robust Phase Measurement Algorithms」(Alexis Lagarde編、Kluwer Academic Publishersによって Dordrecht, Boston, Londonにおいて2000年に出版)のpp. 371−384において述べられているように、90°において重複度5のゼロが得られる。したがって、完成された2次元カーネルは、3つのすべての方向におけるフリンジの周波数の変化に比較的寛容であることができる。カーネルZ5x及びN5xは、実質的には、z5y及びN5yと同じであるが、uシア及びvシア(他の対角線方向)に対するキャリア周波数の他の向きのため、水平方向においてミラーされている。
Figure 2012511728
分析の「パイプライン」部分につき説明すると、取得された検出器フレームから、ビニングパラメータにおいて定義されているだけ数のピクセルが一緒にビニングされ(ステップ707)、u及びvに関して4つの畳み込まれたイメージを計算するのに、Z5x、N5x、Z5y及びN5yとともに用いられる(ステップ708)。
図13(a)乃至13(d)は、Z5xと畳み込まれたuシア、N5xと畳み込まれたuシア、Z5yと称される左右が反転されたZ5xと畳み込まれたvシア、並びにN5yと称される左右が反転されたN5xと畳み込まれたvシア、それぞれについての強度イメージを示す。畳み込みカーネルZ5x、N5x、Z5y及びN5yは、畳み込み処理前に存在していた市松模様状パターンから対角線フリンジを分離することが、これらの強度イメージから明らかである。
これらのイメージから、v及びuシアの双方に関して、次の関係を用いて中間位相が計算される(ステップ709):
Figure 2012511728
Figure 2012511728
Figure 2012511728
Figure 2012511728
Figure 2012511728
Figure 2012511728
これらの公式においては(ステップ708及び709)、
Figure 2012511728

という記号は、「畳み込み」を意味し、Iはuシア(x座標に沿って生じる)及びvシア(y座標に沿って生じる)に対する合成インターフェログラムの強度を意味する。適切なカーネルとの畳み込みは、x方向又はy方向のどちらかである、畳み込みカーネルの向きによって選択されるシア成分を「分離」する。「atan2」とは、複素数x+iyに適用される変関数の主値を計算する関数:atan2(y,x)を意味する。すなわち、atan2(y,x)=Pr arg(x+iy)=Arg(x+iy)である。カーネルの分離特性は、ZP5u(図13(a))、NP5u(図13(b))、ZP5v(図13(c))及びNP5v(図13(d))を示す、図13(a)乃至13(d)において示されている。これにより、arctan関数を(入力独立変数としてその2つのベクトルとともに)用いることにより位相を容易に計算することができるようになり、その値がモジュロ2π値(arctanは位相をモデュロ2πでのみ供給するから)として計算される前に、uシアの場合においてはチルト位相平面Tuが、vシアの場合においてはチルト位相平面Tvが減算される。これら2つの平面は、グレーチングを互いにα回転させることによって生じたキャリアフリンジによって予め導入されていた、すべての行に関してのピクセル毎のπ/2の位相増分に加えて、すべての列についてのピクセル毎のπ/2の位相増分を補償する。
キャリア周波数によって導入された形式的なチルトもこのステップにおいて減算される。その結果得られる、uシア及びvシアに関する中間位相イメージの例は、図14(a)及び図14(b)においてそれぞれ示されている。
次に、2π位相アンビギュイティを除去するために、中間位相マップがアンラップされ、vシアマスク及びuシアマスクを用いてそれぞれマスクされ、位相の値を所望の範囲にするために定数ピストン項が減算される(ステップ710)。図15(a)及び15(b)は、アンラップされ、適切なシアマスクでマスクされ、ピストン項が減算された、uシア及びvシアそれぞれの位相マップを示す。
ゼルニケ係数は、ステップ710の2つの位相マップから、これらの位相マップを(行列検出器から収集された行列データから配列される)ベクトルとして、u及びv位相の両方に対して行列Gに格納されているウェイト付けベクトルと乗算することによって、計算される。
各ゼルニケ係数を対応する予め計算された行列と乗算して、これらすべての行列の総和を取ることによって、(ステップ701のマスクエディタによって決定される、シアされてない瞳の半径の2倍の大きさの)ゼルニケ面が表示のために準備される。
変調マップは、uに関する畳み込みイメージの総和の平方根ZP5u及びNP5並びに(ZP5v+NP5v1/2として計算される(ステップ711)。uシア及びvシアに関する変調マップは、関心領域を切り出すことによって、ゼルニケ面の大きさに再マップされる。2つの変調マップにおいては、変調閾値以下のピクセルは0にセットされ、他のピクセルのすべては1にセットされる。2つの変調マップは、2つの個々のマップからのすべての「1」は組み合わされた後のマップで「1」となるように、単一のマップに組み合わされる。これは、マップ2(v)のデータとマップ1(u)のインプレース変換とすることができる。換言すれば、これはコンピュータメモリ上で新たな行列の設定を要さない、マップ1とマップ2の加算の結果を得るための変換とすることができ、むしろ最終結果のためにマップ1が用いられない(元の内容が新しい内容で置き換えられる)ものである。
最後に、表示されるべき波面は、ゼルニケ面を変調マップと乗算することにより計算される。結果はユーザに提供される。例えば、図16(a)及び16(b)を参照するに、一部の実施態様においては、結果は、ゼルニケ面(図16(a))として及び/又はゼルニケ係数のバープロット(図16(b))としてユーザに表示することができる。
分析のパイプライン部分は、検出器によって取得された複数の(例えば、すべての)フレームについて反復することができる。全体としての計算は、データの流れが、カメラからの全体画像ではなく、ピクセルを基礎とするように設計することができる。
ゼルニケ係数の絶対的測定
一般に、アナライザは、ゼルニケ係数の値に関して「絶対的」な測定を可能とするように較正することができる。ここにおいて絶対的測定とは、測定されるゼルニケ係数における収差がすべて検査物体に由来する状態の測定をいうのであり、かような測定は、測定された収差に関して、例えば測定装置のコンポーネント又は不完全なアラインメント等からの寄与分を含まない。もっとも、かような測定は、例えば光子ショットノイズ又は検出器ノイズ等の、ランダムな性質の測定誤差を含むことはなおあり得ることに留意されたい。
一部の実施態様においては、較正は、λ/2より小さいスポットサイズの波を発生するために、関心のある検査波面の波長の1λより小さい単一モードファイバ(例えばテンパーされた先端を有するもの)で行われる。この小さな「点」光源は、理論的には、完全な「回折限界」球面波を放ち、波面アナライザ100によってこれが収集される。この球面波面に関するゼルニケ係数の測定は、したがって、検査波面の測定されたゼルニケ係数の、球面波面の値からの偏差に対応する、絶対的測定を決定するための基準を提供する。
較正は、光学系130及びビーム経路上の、グレーチング141及び142を有するアナライザユニット140の前にある、他の光学素子からの貢献を考慮に入れることができる。さらに、バイアスを含まない測定を行うために、テレスコープ150は、ビーム経路上のアナライザユニットの後ろにある。較正用ファイバ先端を用いて測定した再構築された波面は、後の処理のために検査物体を用いて取得されたデータとともに保存される。特に、検査物体102が導入され、射出瞳のイメージの大きさ及び位置が保存される。絶対的なシアの量は、グレーチング間の距離の測定値、既知の波長、及び既知のグレーチングの周期から計算される。そして、ファイバが導入され、検出器160において測定される波面収差の二乗平均平方根(r.m.s.)の総和が最小化されるように、系を(互いにグレーチングを回転させること及び光学系130の前でのファイバの位置を変化させることによって)再構築する。
検査物体102について以前設定された瞳直径は、(マスクの)再構築に用いられ、この場合ファイバの開口数は検査物体102のそれよりも少し高いものとすべきである。さらに、インターフェログラム内においては、CCDのダイナミックレンジを最大限に有効に活用するために、検出器に均質な照明を与えることが好適となることがある。
データ抽出アルゴリズムによって処理できる収差の量は、論理的には、ナイキスト条件の半分に制限される。これは、(キャリアを導入する前においては)両方向(列及び行)において、ピクセル毎に±(1/2)πの位相の増加(又は減少)が可能であることを意味する。実際上は、収差の量は理論上の制限値のおよそ75%に制限するのが有利である。この制限の値はシアされたインターフェログラムの位相に関して課されるものであるため、もともとの波面における収差は、1桁以上大きいもの、例えば同じ数のピクセルを有するCCDを用いる従来のフィゾー配置で測定することができる収差よりもかなり大きいもの、とすることができる。
一般に、測定周波数は、検出器160及び電子プロセッサ170の制約の範囲内において任意に変えることができる。測定周波数(毎秒の波面測定回数)を上げるために、多要素検出器のm個の行及びm個の列を、いかなるデータ処理をも行う前に、一緒にビニングしておくことによって、データポイントの数を減らすことができる。しかしながら、ビニング前に多要素検出器上のキャリア周波数もm分の1に減少すべきであり、これによって検出することのできる収差の最大量がm分の1に減少することができる。したがって、計算速度の利得はm倍になる。一部の実施態様においては、合理的なmの値は2又は3となる。
ノイズ低減
波面アナライザ100の信号対ノイズ(S/N)比を向上させるのに多種のアプローチを用いることができる。例えば、図6を参照するに、一部の実施態様においては、フィルタアパチュア501及び502は、検出器における干渉が反対の符号(例えば、(0,+1)及び(+1,0)の組み合わせでなく、むしろ(−1,0)(0,−1)の組み合わせに起因するもの)となるように、図6で示される位置から180°回転されることができる。回転を受けても、テレスコープ150によって導入される収差は影響を受けないものであるべきである。したがって、4つのフィルタホールの配列及び該4ホール配列の前に置かれた回転可能半平面アパチュアを用いることによって、検出器において測定される干渉信号を減算することによって向上したS/N比を有する測定を実現するために、検出器160は回転する半平面アパチュアと同期させることができる。同時に、テレスコープ150によって導入される収差は打ち消し合うはずである。
射出瞳のシアされたイメージを検出器160上に4つ生成するための空間フィルタアパチュア501及び502を通過する光のコヒーレントな性質により、アパチュア501から放出される波面(x+u),(xーu)とアパチュア502から放出される波面(y+v),(yーv)との間の所望の干渉以外にも、(x+u),(y+v)と(x+u),(yーv)との間、並びに(xーu),(y+v)と(xーu),(yーv)との間のクロストークからの寄生的信号も観測される。これらのクロストークは、検出器160によってキャリアフリンジの周波数バンドにまでエリアスダウンされる、高周波パターンを生成することがある。グレーチング141及び142において用いられるグレーチング定数、テレスコープ150の光学的1次特性、ピクセル間隔、行及び列のビニングの量並びにCCD検出器のフィルファクタ、はすべて、どの程度このクロストークが生じるかを決定するファクタである。
特定の実施態様においては、このようなクロストークを減少させるための方策を講じることができる。例えば、フィルタアパチュア501及び502のそれぞれを通過する光線について、直交偏光を行うことによって、シアされたインターフェログラムの再構築された位相においてアーチファクトを生成する、クロストークに起因する追加的ないかなるパターンをも抑制することができる。異なるフィルタホール内の光線間で直交偏光を実現するには、例えば、フィルタホール501および502の前に直線偏光フィルタがマウントされる。フィルタホール501及び502内の偏光子の直線偏光の方向が相互に直交である場合には、これらのホールから放出される波面は、相互にインコヒーレントであり、波面間の干渉を大きく減少させること(例えば完全に防止すること)ができる。この場合には、照明光学系若しくは光源又はコリメータ光学系130において偏光素子を用いることによって、入射ビームは45°に偏光される。
代りに、例えば半波長板と4分の1波長板との組合せをフィルタアパチュア501及び502において用いる等して、1対の右回りに円偏光されたビーム及び1対の左回りに円偏光されたビームを用いることができる。両方の場合において、2つのホールからの光線は、偏光子によって相互にインコヒーレントなものにされ、これによって寄生的な高周波干渉が回避される。
代わりに、或いは、加えて、4つの空間フィルタアパチュア(上述されたような)を用い、一時に一つの90°セクタしか開かない別のアパチュアを空間フィルタ平面の前において回転させることによって、クロストークを予防することができる。この場合には、xシアされたインターフェログラム及びyシアされたインターフェログラムは、順次測定されることになる。
最終波面を補正する手法につき説明すると、光学系を検出器平面から逆向きに検査物体102の射出瞳まで観察すると、観察される波面は、射出瞳の物理的な絞りにおける円形な境界を有する球面形には、完全にならない。これは、検出器平面に結像されるとき、一般に「像面湾曲」と呼ばれる。この湾曲と関連するのは、検出器平面のx,y座標と検査物体102の射出瞳のx,y座標との間の僅かな量の湾曲である。このマッピング関係は、実験的に測定することができ、最終波面を補正するのに用いることができる。例えば、射出瞳を検出器平面に結像する際の湾曲を測定するためには、ファイバの端を高精度x,y,zマウントに置くことができる。この様なx,y,zマウントは典型的には、互いに直交関係にマウントされた3つの精密リニア変位台を含む。ファイバの端が球形射出瞳(図1(b)のレンズ102の参照符号101)があると予想される場所に置かれたとき、検出器上では照明されたファイバ端のイメージが観測され、強度分布の重心を求めるイメージ処理を行うことによってその正確な位置を知ることができる。ファイバの光軸への適切なアラインメントの後に、ファイバ端が常に射出瞳を画定する球上にあるとき、ファイバ端のデカルト座標を求める計算を行うことができる。球上の新たな点についてのx,y,z座標の設定ごとに、スポットの重心を測定することができる。一部の実施態様においては、オブジェクト座標及び像座標を含むテーブルを作成することができ、その関係を数学的に記述するために、多項式(例えば、ルジャンドル多項式)をデータに適合させることができる。この関係を後に先述されたゼルニケ差分関数において用いられる標準化された座標の補正に使用すれば、測定される波面に対する湾曲の影響を自動的に補正することができる。
いくつかある利点の中で特に、開示の手法は、異なる情報を含むが同じピクセルにコード化されている(xシアされた及びyシアされたインターフェログラムに対応する)2つのインターフェログラムを分離することができる。
開示の手法は、測定野全域において、信号対ノイズ比(S/N)、周波数応答、及び変調性に関して均質な特性を有することができる。対照的に、フーリエ変換手法等の従来的手法の多くにおいては、これらの特性はインターフェログラム内の位置によって変化する。特に、開示の手法においては、瞳の縁において「リンギング」又は「ギッブス現象」の発生が少ない又は無いものとなり得る。さらに、開示の手法は、フーリエ変換手法で多用される、窓関数を用いずに実施することができ、したがって、選定される窓関数の特質による影響が結果に生じない。
畳み込みカーネルの周波数特性は、カーネルに対してフーリエ変換を行うことによって調査することができる。カーネルはそれらがカバーするピクセルの個数が非常に限定されるため(例えば、5x5)、カーネルの位相伝達関数は典型的には、広範囲の周波数に亘って高い値を有する。多くの場合、これは後のゼルニケ係数の算出のために十分に高い。さらに、これらのカーネルによって実現することのできる波面の空間解像力は、ゼルニケ係数を適合させるのに用いられる従来の積分のための方法のそれより著しく高い。
さらに、これらのカーネルは、xシア及びyシアに関するインターフェログラムを完全に分離することができるため、クロストークはない。
上述したデータ処理アルゴリズムにおいては、位相アンラッピングの前で、アークタンジェントによる位相の算出の直後に、キャリア位相が固定値として減算される。また、干渉するビームには、グレーチング相互の固定量の回転によって生じる、固定量のチルトがある。これらは総合すると、デフォーカス及び2つの非点収差の係数に対して新たなゼロを与える。固定量のキャリア位相が減算された後は、完全な波面は、両方のシアされた波面にチルトゼロを与えるべきである。したがって、特定の実施態様においては、正しい回転角が適用された場合、グレーチングに入射する波面のフォーカス及び非点収差を絶対的な態様にて測定することができる。
開示の手法は、ゼルニケ係数を低い相対エラーにて決定するのに用いることができる。例えば、交差させたグレーチング、開示の手法、及び再構築アルゴリズム(ゼルニケ関数で始まり、ゼルニケ係数で終わる単一の手続)を用いる波面の完全な生成及び再構築のシミュレーションは、0.1%未満の相対エラーを達成することができる。
さらに、開示の手法においては、測定された位相は照明の対称性・均質性に直接的に依存するものではなく、したがって、不均一な照明分布からの影響を受けるものではない。対照的に、従来の手法(例えば、Hartmann−Shack波面センサ等)は、不均質な照明分布に敏感な場合がある。
較正と測定の間で系のパラメータが変更されないため、本発明の方法における較正は包括的なものであり、計量学的に正しい結果が得られる。
さらに、開示の手法は、インターフェログラムを含む検出器のピクセルすべてにおいて収集された情報を非常に高効率な態様で用いることができる。波面収差の情報は幾つかのピクセルの相対的強度にコード化されている。特定の実施態様においては、ピクセルからの情報は、測定された位相のサインとコサインに比例する値を得るために、2つの異なるカーネルと畳み込まれる。これらの手法を用いることによって、絶対的強度とともに、バイアス強度も除去される。このようにして、ピクセル感度のばらつきは大幅に緩和することができる。
開示の手法は、また、従来の手法と比較して大幅に密に測定のサンプリングを行うことができる。例えば、5x5カーネルを、5%の相対シア及び瞳のカメラへの最適化された結像結増が与えられる640x480ピクセル検出器(小さい方の寸法で決まる正方形:480x480=総計230400ピクセルを用いる)に対して用いることによって、xシアに関して最大174054個の位相測定及びyシアに関して最大174054個の位相測定を取得することができる。対照的に、例えば、典型的なHartmann−Shack波面センサにおいては、フォーカルスポットについての重心を決定する必要がある。さらに、フォーカルスポット間の(全く照明されていない)ピクセルは、典型的には測光的に用いられず、通例収集される情報は、フォーカルスポットの距離(即ち位置)にすぎない。
さらに、Hartmann−Shackグリッドはおよそ30x30セルに制限することができる。このようなグリッドに関しては、収差によってもたらされるフォーカルスポット相互の相対的変位は、瞳の直径の1/30未満の横方向のズレまでしか明確に再構築できない。このため、Hartmann−Shack法での空間解像力は、開示のシアリング法に比して、両方向に関して、1桁低くなる。
典型的には、Hartmann−Shackセンサに関して、フォーカルスポットの重心の位置の正確な値を得るためには、そのスポットセンタの周囲の数ピクセルを照明するべきである。セルの個数を乗じた、この「ディスク」(スポットセンタ及び周囲のピクセル)の直径は、センサとともに用いられる検出器の行又は列におけるピクセルの数を所定の係数倍だけ小さくすべきである。大きな横方向収差を有する領域での重複を避けるために、例えば、センタスポットがディスクの5分の1であり、また、検出器には1000x1000のピクセルがあると仮定すると、30個のセル及びスポット直径の5倍のスポットセンタ間の間隔である場合、それぞれのディスクは1000/(5x30)=6.6であることができる。これは、1つのスポットに対しておよそ20ピクセルが照明されていることになる。したがって、例えば、センサは検出器の測定野内におよそ555個のスポットを有していると仮定すると、センサは、およそ20x555ピクセルをアクティブに用いるので、1,000,000ピクセル中およそ11,000ピクセル、即ち全検出能力の1.1%を使っていることになる。対照的に、開示の手法を用いる場合、相対シア2.5%を仮定すると、696,728ピクセルがxシアのために用いられ、696,728ピクセルがyシアのために用いられ、これは全検出ピクセルの139%になる。したがって、この例に関して、検出効率の利得率は、Hartmann−Shackセンサに比して55倍である。
さらなる実施態様
特定の実施態様について説明をしたが、他の実施態様も可能である。例えば、図17(a)には波面アナライザ800のさらなる実施態様が示されている。この実施態様においては、多要素検出器830が、検出器830の感光面832の前に直接的にマウントされたグレーチング810及び820と組み合わされている。グレーチング810と820は距離dで隔てられており、グレーチング820は面832から距離mで隔てられている。先述されたグレーチング141及び142と同様に、グレーチング810及び820は相互間で角度α回転された2次元グレーチングである。アセンブリ全体は、例えば、振動や機械的な衝撃によって構成要素の相対関係や間隔が害されないように、強固に一体化されることができる。
図17(b)を参照するに、結合された電子プロセッサ870及び位相評価、位相アンラップ及び波面再構築のための適切なソフトウェアとともに、このシステムは、アナライザ800に当たる波面801の形を直接的に測定する「波面アナライザ」を実現するものとなる。一部の実施態様においては、アナライザ800及び電子プロセッサ870に加えて、光源(例えば、ファイバが取付けられたダイオードレーザ又はLED)を含めることによって、完全な波面測定システムを提供することができる。
例えば、図18(a)を参照するに、アナライザ800は、検査物体1840(例えば、眼科用レンズ)に光を伝送するために、ファイバベース光源(光源1810及びファイバ1820を有する)を備えることができる。図18(a)の構成を、図1(a)及び1(b)に示され上述されているアナライザ100と比較することは、有用である。まず、図1(b)に示されている光学系130の左手側のフォーカスポイント120は、ファイバ1820の端部と代替されている。図1(b)の光学系130は、検査物体1840と代替されている。アナライザ100においては、2つのグレーチング141及び142の後に、グレーチング間の平面を検出器160上に結像し、不用の回折次数を遮断するための空間フィルタ155の配置を可能にする、テレスコープ150を備える。アナライザ800においては、グレーチング141及び142は、グレーチングパターン810を前面に、別のグレーチングパターン820を背面に有する個体プレートと代替されている。テレスコープ150は排除され、検出器830に隣接して二重グレーチング装置810及び820が配置されることにより、結像手段が代替され、装置をとても薄いものとしている。不要の回折次数の遮断は、不要の回折光線(例えば、ゼロ次回折光線)を生じさせないように設計された、プレート前面の位相グレーチングによって代替されている。アナライザ100におけるグレーチング間の比較的大きな距離は、プレートの小さな厚み並びにグレーチング810及び820の回折パターンの遙かに小さなピッチによって代替されている。グレーチング相互間の回転は、(例えば、個体プレートの両面において電子ビーム書き込みを用いる)製造時に、前面のグレーチング810と背面のグレーチング820との間に導入することができる固定の角度によって代替されている。この特性は、得られる装置を、個別の構成要素から(例えば、光学ブレッドボード上で)組み上げられた装置に比べて遙かに安定なものとする。
この安定性は、多種のタスクにおいて「標準」として装置を用いることを可能とする。例えば、この装置を用いることによって、波面の絶対的な曲率を測定することができ、このためレンズの焦点距離や曲率の測定等のタスクが可能となる。
一部の実施形態においては、グレーチング810は、+1及び−1の回折次数のみ作り出すことができる(例えば、すべての偶数次数はゼロであり、かつ、3以上の次数は弱いもの)市松模様状のパターンを有する。例示として、図19は、溶融石英(SiO)で作られた、市松模様構造の「黒色」領域のステップ高さがh=592nmである市松模様状位相グレーチングの回折次数の強度を、500nmから600nmの光に関して示す。ゼロ回折次数(曲線1900)は、「設計波長」λ=545nmのみに対して消え、ステップ高さhは正確に位相シフトπを起こす。対照的に、(±1,±1)の次数(曲線1901)は、示されている波長域において極めて強い。(±1,±3)及び(±3,±1)の次数は(曲線1902)は数波長全域において一定ではあるが(±1,±1)の次数よりも遙かに低い。
グレーチングは、ゼロ次数に加え、奇数次数のすべての組合せ、即ち強い(そして望ましい)次数(±1,±1)に加え(±1,±3)並びに(±3,±1)等を発生する。これらのオーダは比較的弱く、差が(2,2)である(即ち、回折されるオーダの絶対差が2である)すべての組合せは、所望の次数(±1,±1)と同様に互いに干渉する。
グレーチング820の背後において、電磁場がz軸に沿って±1回折次数の方向へ向かって伝播し、所望の横方向シアリング効果をもたらす。これを除いては、波面はさして変化しない。これは、周知の「タルボ効果」及び周期的構造の「自己イメージング」によって説明できる。装置の前側を照明する平面波面を用いた場合、位相構造の直後に観測される振幅透過率は、前側から後方へ所定の距離進んだ所でほぼ変化が無い状態で再び観測される。もっとも、僅かに異なるさらに別の距離においては、位相分布及び回折次数の方向に向かって伝播する平面波面の横方向シアが、位相分布を変化させるため、この新たなz距離においては異なる強度変調が観測される。したがって、異なるz距離は異なる程度の強度変調と関連付けられる。強度変調を見ることのできない距離zを見出すことはとても希である。
グレーチング820において、これまた市松模様状の振幅透過パターンを用いることができる。このパターンはグレーチング810の市松模様状パターンに対して角度α回転されることができ、その単位格子大きさは√2倍大きい。これは、前側の位相グレーチング及び後側の振幅グレーチングのグレーチング定数の異なる定義に起因する。グレーチングは角度αの回転に加えて追加で45°回転されることに留意されたい。この関係は、図18(b)に示されており、グレーチング810の一部(810′と表す)並びにグレーチング820の一部(820′と表す)の相対的向き及び大きさが示されている。グレーチングの向きが45°の名目上の回転角を有する場合、角度αはグレーチング周期及びピクセルの大きさに依存し、20°以下、15°以下、12°以下、10°以下、8°以下、5°以下とすることができる。
図20(a)乃至図20(d)は、グレーチング810が位相グレーチングであり、グレーチング820が振幅グレーチングである場合の装置の極めて小さな部分についての数値シミュレーションの結果を示し、グレーチングの完全な横方向寸法の小さな一部を表す。図20(a)は位相グレーチングの実部を表し、他方図20(b)及び20(c)はグレーチング810からグレーチング820に向かって距離0.1663mmにおける、位相グレーチングの実部及び虚部を表す。図20(d)は、グレーチング810から820に向かって距離0.1663mmにおける、グレーチング810によって発生された強度パターンを示す。計算資源的制約のために、これらの図は円形の境界をもって描写されているが、これは測定ビームの物理的境界として解釈されるべきものではない。
図21は両方のグレーチング後の強度を示す。干渉効果によって生じる市松模様状の「モアレパターン」に注意されたい。グレーチング810と820との間の回転角Δα=8°及びグレーチング定数はいずれも、検出器830のピクセル間隔に適合させるために選定される。例えば、検出器が7.4μm間隔の正方形のピクセルを有する場合、振幅及び位相グレーチングのグレーチング定数は、それぞれΛ=2√2μm及びΛ=4√2μmとすることができる(Λ及びΛの定義に関しては、図18(b)を参照)。
グレーチング定数を与えられることにより、シアは装置の厚みの関数として(即ち、グレーチング810と820との間の距離dの関数として)、計算することができる。絶対的なシアの量をピクセルの間隔に対応させるのは合理的であり、例えば用途に応じて1、2、3、4又はそれ以上のピクセル分のシアとできる。シアが大きいほどに感度は高くなるが、測定することのできる収差も小さくなる。さらに、シアが小さいほどに空間分解能は高くなる。分解能は畳み込みカーネルの大きさによって制限されるため、畳み込みカーネルの大きさにシアを関連付けることも合理的である。
例証的な例示としては、3ピクセルのシア(即ちs=3x7.4μm=22.2μm)が、可視範囲の「名目上の波長」λ=550nmとともに選定される。グレーチング810及び820が形成される溶融SiOについてΛ=4√2μm、n=1.459911とされると、プラス第1次回折光とマイナス第1次回折光の間の回折角γは次の方程式によって求められる:
Figure 2012511728
絶対シアは:
Figure 2012511728
により与えられる。
したがって、与えられた絶対シアに対しては、プレートの厚みは:
Figure 2012511728
として選定されるべきである。
この例においては、dは0.1663mmであると算出され、これは例えば、顕微鏡用カバーガラスの標準的な厚みにとても近い。このような装置は、カバーガラス及びCCD検出器が現在既に有しているマイクロレンズの上に容易にマウントすることができる。
図22を参照するに、フリンジ可視性は上述の例についても決定することができる。具体的には、図22は、可視範囲(およそ400nmから700nm)内の設計波長550nmについての干渉パターンの可視性を示す。可視性は周期的に消失するものであることが見て取れるであろう。したがって、一部の実施態様においては、例えば405nm、550nm及び660nm等の2又は3個の波長に関して同時に最適化された装置を設計することができる。
一部の実施態様においては、広帯域光測定(即ち白色光)が望まれる場合においては、可視性に関して補完的に機能する、異なる厚みの装置を2つ同時に用いることができる。図22において示される可視スペクトラムにおける極小値は、位相グレーチングのタルボ効果に起因するものと理解することができる。装置の厚みdは、横方向シフトによる極大値の位置の微調整を可能にする。グレーチング定数は、極大値のスペクトラム位置の拡大・縮小を可能にする。
上述された、図17(a)及び17(b)において示されているコンパクトなアセンブリには、多様な用途があり、幾つかを例示すれば次のものがある。即ち、(1)携帯電話用カメラレンズ、デジタルカメラレンズ、顕微鏡レンズ、一眼リフレックスカメラのレンズ又はデジタルプロジェクタのレンズ等の完成光学系の波面測定、(2)連続視力レンズを含む眼科用レンズを透過した後の波面の測定、(3)単一の球面又は非球面レンズの透過した非球面又は球面波面の測定、(4)光学装置組み上げ中のミスアラインメントによる非対称性を検知するための波面測定、(5)測定すべき部品の高速な又は自動化されたアラインメントを行うアラインメント支援手段としてのフィゾー干渉計に入射する波面の測定(これはより一般的にアラインメントのために用いられる「照準」より遙かに応用性に富む)、(6)例えば距離測定干渉計の経路上等の空気中の乱流の測定、及び(7)アクティブ光学用の閉ループ帰還装置のセンサ等である。用途はより詳しく以下において説明される。
一部の実施態様においては、xシア情報をyシア情報から分離するために、ビームスプリッタと2つのカメラを、グレーチング141及び142の後ろに配置されたテレスコープ150内に配置された適切な空間フィルタと一緒に用いることができる。カメラはシンクロナイズされているべきである。
さらに、上述の手法は単一の検出器フレームから位相情報を抽出するのにキャリアフリンジを活用するものであるが、他の実施態様も可能である。例えば、一部の実施形態においては、グレーチングを45°以外の方向、例えば11°20′の方向にシフトすることによって、xシアされた及びyシアされた光線に異なる大きさの位相ステップを導入する位相シフト手法がある。この角度に関しては、コサイン及びサインは5倍異なり、測定されるx及びy方向のシアの分離を、第1次に加えて第2次及び第3次の回折次数に関しても、もたらすことができる。換言すれば、この向きはクロストークを減少(例えば、最小化)することができる。
追加的な用途
一般に、開示の波面アナライザ及び手法は多種の用途に用いることができる。2つの干渉するビームに関してほぼ完璧に同一の収差を生じさせる光学配置内に1台のカメラを用いて、xシアされたインターフェログラム及びyシアされたインターフェログラムを同時測定するために、これらの手法は波面のリアルタイム測定において高い潜在力を有している。この手法は、乱流等の動的な波面変化の測定に関して特に適切である。「1発」の測定しか必要でないため(即ち時間位相シフトがないため)、この手法は、例えばパルスレーザで「サーマルレンズ」を測定するためにも用いることができる。また、アクロマティックな手法であるため、レーザ溶接における波面品質(例えばフォーカススポット)を測定することにも適合し得る。
一部の実施態様においては、この手法は(例えばレンズやミラー等の)光学素子の性質を測定するのに用いることができる。例えば、一部の実施態様においては、光学記憶媒体装置(例えばブルーレイ又はDVD(登録商標)プレイヤ/レコーダ)の光学ピックアップの質を測定するのに波面アナライザを用いることができる。
数ヘルツの測定レートは既に商業的に入手可能な汎用コンピュータで達成することができる。これは、ブルーレイディスク及びDVDのピックアップの最適化等の、光学系の最適化が行われる分野において重要なこととなり得る。また、閉ループ制御によって光学性能が最適化される分野、例えば、数例をあげると、天文学及び軍事用途又はレーザ材料加工等においては、高い測定周波数が必要とされ得る。
後者における再構築手法は、アクティブ又はアダプティブ制御光学の「ミラーモード」にも適用することができる。例えば、計算にパイプライン構造を採用することによって、測定レートは検出器の周波数(例えば、kHz単位の高さにし得る)のみで決定することができる。
ブルーレイ及びDVDプレイヤのピックアップモデュールの場合においては、波面アナライザは、2つの異なる波長(例えば、λ=405nm及びλ=650nm)及び2つの異なる開口数(例えば、NA=0.85及びNA=0.6)で波面を測定できる必要がある。さらに、記録媒体の層の厚みが異なる(例えば、ブルーレイディスクの層は0.1mmでありDVDは0.6mmである)ため、層に入射する球面波面に予め施しておかなければならない収差が異なることになる。
上述の波面アナライザは1つの装置でブルーレイ及びDVDの双方のヘッド部を測定するのに用いることができる。両波長用の複合ピックアップに関しては、検出器の要素の部分集合が1つの波長の光を検出し、別の部分集合が他方の波長の光を検出することができるような、カラーフィルタを含む多要素検出器を用いることによって両波長について同時に測定を行うことができる。代わりに又は加えて、各波長について順次測定を行ってもよい。
異なる厚さの層の測定に対応するために、ピックアップレンズと波面アナライザとの間に異なる厚さの薄い「カバーガラス」を挿入することができる。代わりに又は加えて、異なる層厚による収差は、データ分析の段階で補償することもできる。例えば、カバーガラスの厚みがtで屈折率がnであり、開口数がNAの場合、カバーガラスが波面に及ぼす球面収差は、光線追跡及び得られた波面若しくはOPD(ガウス参照球面に対する光路長差)への多項式適合によって、例えば適合のために適切なゼルニケ多項式Z9、Z16、Z25及びZ36(これらの多項式は回転対称である)を用いる形式で、計算することができる。これらの値は保存することができ、測定にカバーガラスが用いられていない場合は、測定結果から減算することができる。同様に、カバーガラスを用いてされた測定も、用いるカバーガラスの厚み及び/又は屈折率が元来のカバーガラスのそれと一致しない場合、補正することができる。この際、光線追跡により残存効果を計算することができ、これをゼルニケ多項式によって補正することができる。
例示として、下記の表2において、ブルーレイ及びDVDディスクのピックアップヘッドを測定するための、波面アナライザの詳細が示されている。このようなシステムは、640x480ピクセルのCCDカメラを用いる。分析のために、2x2ピクセルが一緒にビニングされ、検出器は、320x240ピクセルの実効解像度を有する。検出器に内接する円を形成するために240x240個の点が使用され、これらの点からデータが取得される。
Figure 2012511728
使用するグレーチングは両波長に共通であり、このためキャリアフリンジを作るためのグレーチング間の回転角も両波長に共通であり、この特徴をアクロマティックという。また、光軸からのフィルタホールの距離e並びにフィルタホールの直径は、上記表の最後の2行で示されるように、2つの波長おいて異なる。これは、e及びDに関して妥協した値を選定することによって対応することができる。代案として、図23に従って、空間フィルタに計4つのフィルタアパチュアを開け、青色の光(405nm)を透過しかつ赤色の光(650nm)を遮断するために、うち2つのホールを第1のダイクロイックフィルタ2301で覆うことができる。2つの向かい合うアパチュアは、赤色光を透過しかつ青色光を遮断する、第2のダイクロイックフィルタ2302を有する。2つの波長について相対シアは異なれども、波面の再構築のためのソフトウェア評価法は、各波長における実際のシアに適応しているため、これは影響を及ぼさない。
開示の装置及び手法は、(例えば、複数の光学素子で構成された)光学系が全体として検査される場合、例えば、DVDやブルーレイディスクのためのピックアップ等に、適用することができる。これらの装置は、光源、ビーム整形装置、そして最後はフォーカシングレンズを、含むことができる。この用途の他にも、完成したテレスコープ(恒星が光源である)の検査、例えば携帯電話用カメラレンズ若しくはデジタル一眼リフレックスカメラのためのズームレンズ等の完成したカメラレンズの検査を、開示の測定手法をもって行うことができる。
一部の実施態様においては、波面アナライザをカメラに統合することができる。例えば、現場でズーム光学系の光学特性を向上(例えば、最適化)するために、大きなズーム比を有するカメラ(テレビ又は映画カメラ)にアナライザを統合することができる。加えて又は代わりに、アナライザは、オートフォーカス機能のために用いられることができる。
シアは、波長に比例すれども、波面収差がnm単位で与えられた場合、干渉フリンジの個数は波長に逆比例するのであり、シアされたインターフェログラムにおける干渉フリンジの個数は、全体として、厳密な意味で波長とは独立である。これは、特定の(大きな)スペクトルレンジを有する光源を、同じスペクトルの範囲を念頭にして設計された(例えば、写真用)レンズを測定するのに用いることができる。波面測定から、変調伝達関数を高精度に計算することができ、「白色光MTF」の測定を可能にする。
一部の実施態様においては、リソグラフィ投影光学系の現場最適化を、このような波面アナライザを用いて行うこともできる。2つのシアリング位相マップをパイプライン構成で用いて波面再構築を行うことができるという特性とともに、高いデータ処理速度が可能となる。商業的に入手可能なデジタルカメラは既に専用の「イメージエンジン」を含んでおり、これらのソフトウェア/ファームウェアは、完全な波面再構築に必要なアルゴリズムを含むように拡張することができる。
ソフトウェア
上述した分析ステップは、標準的なプログラミング手法を用いて、コンピュータプログラムとして実現することができる。このようなプログラムは、プログラマブルコンピュータ上又は特別に設計された集積回路上で実行されるように設計されており、これらはそれぞれ電子プロセッサ、データ記憶システム(メモリ及び/又は記録素子を含む)、少なくとも1つの入力装置、そして少なくとも1つのディスプレイやプリンタ等の出力装置を備える。プログラムコードは入力データ(例えば、検出器からのイメージ)に供給され、その中に記述された関数を実行して出力情報(例えば、ゼルニケ係数等)を発生し、その出力は1以上の出力機器に供給される。この様なコンピュータプログラムはそれぞれ、高レベルの手続型言語又はオブジェクト指向プログラミング言語、又はアセンブリ語又はマシン語で実装することができる。さらに、言語はコンパイル型であってもインタプリタ型であってもよい。この様なコンピュータプログラムはそれぞれ、コンピュータ可読媒体(例えば、CD ROM又は磁気ディスク)に格納することができ、これがコンピュータに読み込まれるとコンピュータ内のプロセッサに上述の分析及び制御機能を実行させる。
幾つかの実施態様が説明されてきた。しかし、本発明の精神及び/又は範疇から逸脱せずに多種の改良を加えることができることは理解されるであろう。例えば、一部の実施態様においては、ゼルニケ係数に基づいて波面に関する追加の情報を決定することができる。例えば、ゼルニケ係数に基づいて、波面マップを再構築することができる。一部の実施態様においては、ゼルニケ係数に基づいて、検査物体それ自体に関しての情報を決定することができる。
他の実施態様は添付の特許請求の範囲の範疇内のものである。

Claims (41)

  1. 検査物体によって形成された波面を有するビームを第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向へ同時に回折させて1度回折されたビームを形成するステップ、
    前記1度回折されたビームを直交する方向に同時に回折させて2度回折されたビームを形成するステップ、
    前記2度回折されたビームの少なくとも2つの次数の回折光を各方向において重ね合わせて、前記第1の方向へ横方向シアリングされた波面の複数のコピー及び前記第2の方向へ横方向シアリングされた波面の複数のコピーにより形成される干渉パターンを検出器に形成するステップ、及び
    前記干渉パターンに基づいて前記波面に関する情報を決定するステップ、
    を備えることを特徴とする方法。
  2. 前記前記1度回折されたビームを直交する方向に同時に回折させるステップは、前記干渉パターンにキャリアフリンジを導入する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記キャリアフリンジは、前記1度回折されたビームを前記第1及び前記第2の方向に対してゼロでない角度αだけ回転された直交する方向に同時に回折することによって導入される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記1度回折されたビームは第1のグレーチングによって形成され、前記2度回折されたビームは第2のグレーチングによって形成される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記複数の次数の回折光を重ね合わせるステップは、第1及び第2のグレーチングから等距離の表面を検出器に結像することを含む、請求子4に記載の方法。
  6. 前記第1及び第2のグレーチングは、それぞれ2つの次元において周期的である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記検出器における回折次数の数を減少させるために、前記2度回折されたビームを空間的にフィルタするステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  8. 前記情報は、前記検出器によって取得された干渉パターンの単一のイメージフレームに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記干渉パターンの追加のイメージフレームを取得し、各々の追加のイメージフレームの波面について情報を決定するステップをさらに備える、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ビームを回折させる前に、前記ビームをコリメートするステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  11. 前記波面に関する前記情報は前記波面の収差についての情報を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記波面に関する前記情報は前記波面のゼルニケ係数を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記検査物体は集束光学素子である、請求項1に記載の方法。
  14. 前記検査物体は光学記憶媒体用の光学ピックアップである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記検査物体はブルーレイ・プレイヤの光学ピックアップである、請求項14に記載
  16. 前記情報は少なくとも2つの異なる波長について決定される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記少なくとも2つの波長は、405nmと650nmを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記波面に関する情報を決定するステップは、
    検出器を用いて複数の箇所において前記干渉パターンの強度を測定するステップと、
    第1及び第2の方向におけるシアリングによる前記干渉パターンへの寄与分を分離するために、前記測定された強度から導出されたデータに畳み込みカーネルを適用するステップと、
    前記分離された寄与分に基づいて前記情報を決定するステップ、
    とを有する請求項1に記載の方法。
  19. 前記干渉パターンの前記強度は、シアリングされた波面のコピー間の位相差に基づく情報を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記干渉パターンの前記強度は微分されたゼルニケ面に比例する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記情報の決定は、畳み込みカーネルを適用した後に、キャリア位相修正データを提供するために、キャリア位相を前記データから減算することを含む、請求項18に記載の方法。
  22. 前記情報の決定は、
    前記第1及び第2の各々の方向における微分されたゼルニケ面を計算するステップ及び
    前記波面を記述する一組のゼルニケ係数を取得するために、前記キャリア位相修正データを前記微分されたゼルニケ面と乗算するステップ、
    を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記干渉パターンの少なくとも一部分は、第1の方向においてシアリングされた少なくとも1対の波面並びに第2の方向においてシアリングされた少なくとも1対の波面からの寄与分を含む、請求項1に記載の方法。
  24. 前記情報を決定するステップは、前記干渉パターンへの第1及び第2の方向におけるシアリングによる寄与分を分離するために、前記干渉パターンの測定された強度の値から導出されたデータに畳み込みカーネルを適用することを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記情報を決定するステップは、前記干渉パターンに基づくデータに微分されたゼルニケ面を適合させることを含む、請求項1に記載の方法。
  26. 第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向において周期的であり、かつ、検査物体により形成された波面を含む前記検査物体からのビームを前記第1及び前記第2の方向において回折するように光軸上に配置された第1のグレーチング、
    直交する2つの方向において周期的であり、かつ、前記第1のグレーチングからの1度回折されたビームを受け取り、前記1度回折されたビームを前記2つの直交する方向において回折するように配置された第2のグレーチング、
    前記第1及び前記第2の方向において前記2度回折されたビームの少なくとも2つの次数の回折光を受けて、前記第1の方向において横方向にシアリングされた前記波面の複数のコピー及び前記第2の方向において横方向にシアリングされた前記波面の複数のコピーにより形成される干渉パターンを形成するように配置された検出器、並びに
    前記検出器と通信して前記干渉パターンに基づいて前記波面についての情報を決定する電子プロセッサ、
    とを備えることを特徴とする装置。
  27. 前記第2グレーチングの直交する方向は、前記第1及び前記第2の方向に対してゼロでない角度αだけ回転される、請求項26に記載の装置。
  28. 前記電子プロセッサは、回転角αに関連する前記干渉パターン中のキャリアフリンジに基づいて前記波面に関する情報を決定するように構成される、請求項27に記載の装置。
  29. 前記第2のグレーチングは、前記第1及び前記第2の方向に対して45°±αの角度で回転され、αは20°以下とする、請求項26に記載の装置。
  30. 前記第1のグレーチングは第1の周期を有し、前記第2のグレーチングは前記第1の周期と√2倍だけ異なる第2の周期を持つ、請求項29に記載の装置。
  31. 前記グレーチングの少なくとも1つは位相グレーチングである、請求項26に記載の装置。
  32. 前記グレーチングの少なくとも1つは振幅グレーチングである、請求項26に記載の装置。
  33. 前記グレーチングの少なくとも1つは市松模様状グレーチングパターンを有する、請求項26に記載の装置。
  34. 前記第1及び第2のグレーチングは共通の基板の対向表面に形成される、請求項26に記載の装置。
  35. 前記第2のグレーチングと前記検出器との間に光学系をさらに備える、請求項26に記載の装置であって、
    前記光学系は、前記第1及び第2のグレーチング間の表面を前記検出器上に結像するように構成されている、装置。
  36. 前記光学系は、前記検出器側においてテレセントリックである、請求項35に記載の装置。
  37. 前記光学系はテレスコープを含む、請求項35に記載の装置。
  38. 前記光学系は、前記検出器における回折次数の数を減少させるように構成された空間フィルタを含む、請求項35に記載の装置。
  39. 前記検査物体と前記第1のグレーチングとの間において光軸上に配置された光学系を含む、請求項26に記載の装置。
  40. 前記光学系は、前記検査物体の開口数より大きな値の開口数を有する、請求項39に記載の装置。
  41. 前記検出器は多要素検出器である、請求項26に記載の装置。
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