JP2018004621A - 光学系の位相取得方法および光学系の評価方法 - Google Patents

光学系の位相取得方法および光学系の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実在する結像光学系について、設計上の収差に加えて、屈折面や反射面の形状の誤差や、偏芯、面間隔誤差、傾き等の組立て誤差などの欠陥が内在する場合を含め、光学系の評価を行う際に有用性のある光位相やその分布を取得する。
【解決手段】1個の実入力像点から発する照明光束で光学系を照明したときに、出力される実出力光束に対し、これと可干渉な参照光束を重畳せしめて生ずる干渉像を撮像して干渉像データを取得し、実測位相分布を取得することを、複数個の実入力像点それぞれに対して実行することにより、位相定義面での座標(u,v)を変数とする、複数個の展開関数μn(u,v)によって関数展開して係数付き和Σn{Ajn・μn(u,v)}として表し、仮想照明光束で光学系を照明したときの、仮想出力光束の、位相Ψ(u,v)を、仮想発光点の座標に基づく補間計算を行うことにより位相Ψ(u,v)を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、所謂ディジタル・ホログラフィ・イメージングにおいて使われる技術を利用して、凹面や凸面の屈折面を有するレンズ、あるいは屈折媒体が特定屈折率分布を有することによって実現されるレンズ(GRINレンズ)、凹面や凸面の反射面を有するミラー、等々の結像光学素子の1個以上を、例えば同軸的に配置して構成した実在する結像光学系について、規定の実入力像空間座標に位置する複数個の実入力像点を実際に入力して、それぞれの実入力像点に対する干渉像データを取得し、ただし実入力像点の個数は、前記した干渉像データの取得が経済的に行える範囲内に抑えながら、設計上の収差に加えて、個々の結像光学素子の屈折面や反射面の形状の誤差や、偏芯、面間隔誤差、傾き等の組立て誤差などの欠陥が内在する場合を含め、例えば任意の入力像パターンに対する回折光学的結像シミュレーションを行ったり、OTFやツェルニケ展開係数を計算することによって光学系の評価を行う際に有用性のある、例えば光学系の射出瞳面における光位相やその分布を取得する方法に関する。
本発明の方法を使えば、実在する光学系によって実在しない任意の仮想入力パターンを結像させる場合の出力パターンや分解能などを、シミュレーションを行うことによって確認することができるため、例えば実在する光学系の結像性能の検査などに応用することができる。
昨今のCCDやCMOSイメージセンサ等の撮像素子の画素の高密度化の進展や、また計算機における記憶の大容量化や計算の高速化の進展により、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術の応用が比較的容易に行えるようになっている。
ここでディジタル・ホログラフィ・イメージングとは、元々の光学的ホログラフィにおいては、ホログラム干渉縞を記録した写真乾板を現像し、それに記録時に照射した参照光と同じ条件の光で照明することによって立体像を再構成していたものを、写真乾板の代わりに、撮像素子を用いて撮像することによってディジタルデータとしてホログラム干渉縞を取得し、それに光を照射した場合に生ずるであろう光学現象を、コンピュータを用いてシミュレーションを行うことによって立体像を再構成する技術である。
シミュレーションの内容は、撮像したホログラム干渉縞の明暗パターンを、光透過率が平面上の位置に依存して変化する光フィルタであると見なし、これに光を照射した場合を想定して、その透過光、すなわち平面上の位置に依存して振幅変調を受けた光が波動として空間中を伝播し、後方の任意の位置に定めた仮想面において形成される光電界分布を、位相情報を含めて再構成することである。
したがって、仮想面の位置を光学系の出力像面にとれば、その実像または虚像を再構成して確認することができる。
ここで、光の伝播とは、伝播距離条件によってフレネル回折、あるいはフラウンホーファー回折と呼ばれる回折現象であり、そのシミュレーションは、キルヒホッフ・ホンゲンスの回折積分公式と呼ばれるものに、可能な近似を適用した、回折光学的光伝播シミュレーションによって遂行するが、普通は、光波動を複素数の光電界として定式化される(時間に依存する振動成分は省かれる)。
なお、歴史を含め、ディジタル・ホログラフィ・イメージングの方法に関しては、WO2008/123408号公報に説明がある。
実在する結像光学系の結像性能の評価を行いたい場合、従来は、多種多様なテストパターンを入力し、その出力像を評価することが行われて来た。
しかし、光学系の評価を様々な観点から行うためには、多数のテストパターンを入力する代わりに、複数個の代表的な点像を入力した場合に出力される光電界分布を、位相情報を含めて取得しておき、入力するテストパターンとしての仮想入力パターンを含め、多種多様な条件に対してシミュレーションを行うことによって柔軟性の高い評価か可能となることが期待され、ここにディジタル・ホログラフィ・イメージングの技術が応用できる。
ディジタル・ホログラフィ・イメージングの技術を利用して光学系の評価を行うものとして、特開2003−098040号公報には、被検光学系(レンズ)通過光波を数値的に再生し、光軸と略直交する平面での被検光学系通過光波の光量分布を求める評価装置が記載されている。
また、再生した光波のビーム径および分布形状などを調べることが記載されている。
さらに、レンズの面形状データの他に、レンズの内部屈折率分布データを併せて用いて光線追跡シミュレーションを行って、等位相面データを求めることが記載されている。
さらに、レンズの面形状データと内部屈折率分布データに基づいて光線追跡シミュレーションにより求めた等位相面データと、ホログラム画像データに基づいて再生した光波面の等位相面データとの差異に基づき、レンズの内部の複屈折がレンズの通過光波面に与える影響を調べることが記載されている。
さらに、被検光学系通過光波を数値的に再生し、また被検光学系通過光波の光軸方向において、その光軸と略直交する平面での被検光学系通過光波の光量分布を求めることが記載されている
さらに、走査光学系で使用されるレンズそれぞれの内部不均一性が、全体として、被検光学系通過光波に与える影響を調べることが記載されている。
さらに、光学系で使用されるレンズそれぞれの複屈折が、全体として、被検光学系通過光波に与える影響を調べることが記載されている。
また、特表2002−526815号公報には、ディジタル・ホログラフィ・イメージングにより、位相コントラスト像を取得するもので、拡大または縮小光学系の収差を補正するために、位相マスク関数を乗算する技術が記載されている。
さらに、米国特許7649160号公報には、ディジタル・ホログラフィ・イメージングのディジタル波面演算を使用して、オフアクシスのための光軸傾きや対物レンズ等の収差、光学系の調整誤差、ピント外れ、手ブレなどに起因する、画像の欠陥を自動的または半自動的に補正する技術が記載されている。
このように、いま述べた従来技術においては、ディジタル・ホログラフィ・イメージングの技術を利用して、光学系内部の物理特性や出力光束の光量分布等を評価したり、光学系の収差や撮影条件の欠陥に起因する撮影画像の欠陥を補正したりするものでのみで、任意の仮想入力パターンを結像させる場合の出力パターンや分解能などを、シミュレーションを行うことによって確認して評価を行うことはできなかった。
WO2008/123408号 特開2003−098040号 特表2002−526815号 米国特許7649160号
本発明が解決しようとする課題は、実在する結像光学系について、規定の実入力像空間座標に位置する複数個の実入力像点を実際に入力して、それぞれの実入力像点に対する干渉像データを取得し、ただし実入力像点の個数は、前記した干渉像データの取得が経済的に行える範囲内に抑えながら、設計上の収差に加えて、個々の結像光学素子の屈折面や反射面の形状の誤差や、偏芯、面間隔誤差、傾き等の組立て誤差などの欠陥が内在する場合を含め、例えば任意の入力像パターンに対する回折光学的結像シミュレーションを行ったり、OTFやツェルニケ展開係数を計算することによって光学系の評価を行う際に有用性のある光位相やその分布を取得する技術を提供することにある。
本発明における第1の発明の光学系の位相取得方法は、1個以上の結像光学素子から構成される光学系(Ot)の位相取得を行う方法であって、
前記光学系(Ot)の入力側に対して規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1) の位置にある、1個の実入力像点(Ps1)から発する照明光束(Fs1)で前記光学系(Ot)を照明したときに、前記光学系(Ot)から出力される実出力光束に対し、これと可干渉な参照光束(Fr)を重畳せしめて生ずる干渉像を撮像素子(Uf)によって撮像して干渉像データ(Df)を取得し、前記光学系(Ot)の出力側に対して規定の相対位置にある位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1)に属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v) を、前記干渉像データ(Df)に基づいて取得することを、規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の位置にある、複数個の実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに対して実行することによって、前記位相定義面(T)における前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を取得し、
前記実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… のそれぞれを、前記位相定義面(T)での座標 (u,v) を変数とする、複数個の展開関数 μn(u,v) によって関数展開して係数付き和 Σn{Ajn・μn(u,v)} として表すための、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する複数個の展開係数 Ajn の組を取得した上で、
仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における座標 (x,y,z) にある仮想発光点について、該仮想発光点から発する仮想照明光束で前記光学系(Ot)を照明したときの、前記光学系(Ot)からの仮想出力光束の、前記位相定義面(T)における広義位相 Ψ(u,v) を取得するために、
前記実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の集合のなかで前記仮想発光点の前記座標 (x,y,z) が占める位置に基づく前記した展開係数 Ajn の組に対する補間計算を行うことによって補間展開係数 An の組を算出しておき、
前記位相定義面(T)上の具体的な座標 (u,v) の値を与えて、展開関数 μn(u,v) の係数付き和 Σn{An・μn(u,v)} によって広義位相 Ψ(u,v) を決定することを特徴とするものである。
本発明における第2の発明の光学系の位相取得方法は、1個以上の結像光学素子から構成される光学系(Ot)の位相取得を行う方法であって、
前記光学系(Ot)の入力側に対して規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1) の位置にある、1個の実入力像点(Ps1)から発する照明光束(Fs1)で前記光学系(Ot)を照明したときに、前記光学系(Ot)から出力される実出力光束に対し、これと可干渉な参照光束(Fr)を重畳せしめて生ずる干渉像を前記撮像素子(Uf)によって撮像して干渉像データ(Df)を取得し、前記光学系(Ot)の出力側に対して規定の相対位置にある位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1)に属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v) を、前記干渉像データ(Df)に基づいて取得することを、規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の位置にある、複数個の実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに対して実行することによって、前記位相定義面(T)における前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を取得し、
前記実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… のそれぞれを、前記位相定義面(T)での座標 (u,v) を変数とする、複数個の展開関数 μn(u,v) によって関数展開して係数付き和 Σn{Ajn・μn(u,v)} として表すための、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する複数個の展開係数 Ajn の組を取得し、
前記光学系(Ot)の設計データに基づいて、前記実入力像点(Ps1)に相当する入力像点(Pt1)から発する複数本の光線の光線追跡シミュレーションによって、前記入力像点(Pt1)から前記位相定義面(T)に至るまでの光路長 Γ1(u,v) を算出し、該光路長 Γ1(u,v) に基づいて前記位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1)に属する追跡広義位相分布 Ψt1(u,v) を取得することを、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)に相当する入力像点(Pt1,Pt2,…,Ptj,…)それぞれに対して実行することによって、前記位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する追跡広義位相分布 Ψt1(u,v),Ψt2(u,v),…,Ψtj(u,v),… を取得し、
前記追跡広義位相分布 Ψt1(u,v),Ψt2(u,v),…,Ψtj(u,v),… のそれぞれを、前記位相定義面(T)での座標 (u,v) を変数とする、複数個の展開関数 μn(u,v) によって関数展開して係数付き和 Σn{Bjn・μn(u,v)} として表すための、前記入力像点(Pt1,Pt2,…,Ptj,…)それぞれに属する複数個の展開係数 Bjn の組を取得し、
前記実測広義位相分布と前記追跡広義位相分布との差異である広義位相差異分布 …,Ψsj(u,v)−Ψtj(u,v),… のそれぞれを係数付き和 Σn{Δjn・μn(u,v)} として表すための、展開係数 Δjn を、それぞれ差分 Ajn−Bjn によって計算して取得した上で、
仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における座標 (x,y,z) にある仮想発光点について、該仮想発光点から発する仮想照明光束で前記光学系(Ot)を照明したときの、前記光学系(Ot)からの仮想出力光束の、前記位相定義面(T)における広義位相 Ψ(u,v) を取得するために、
先ず前記実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の集合のなかで前記仮想発光点の前記座標 (x,y,z) が占める位置に基づく前記した展開係数 Δjn の組に対する補間計算を行うことによって補間展開係数 Δn の組を算出しておき、
次に前記光学系(Ot)の設計データに基づいて、座標 (x,y,z) にある仮想発光点から発する光線の光線追跡シミュレーションによって、前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点から前記位相定義面(T)に至るまでの光路長 Γ(u,v) を算出し、該光路長 Γ(u,v) に基づいて前記位相定義面(T)における理想広義位相 Ψ'(u,v) を取得し、これに対する補正として、前記位相定義面(T)上の具体的な座標 (u,v) の値を与えて、展開関数 μn(u,v) の係数付き和 Σn{Δn・μn(u,v)} によって前記実測広義位相と前記追跡広義位相との差異である広義位相差異 δΨ(u,v) を算出し、前記理想広義位相 Ψ'(u,v) と前記広義位相差異 δΨ(u,v) との和 Ψ'(u,v)+δΨ(u,v) として広義位相 Ψ(u,v) を決定することを特徴とするものである。
本発明における第3の発明の光学系の位相取得方法は、前記した前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれに属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… を取得する工程において、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれ毎に分割して前記干渉像データ(Df)を取得することを特徴とするものである。
本発明における第4の発明の光学系の位相取得方法は、前記した前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれに属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… を取得する工程において、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)を取得した上で、前記実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… それぞれに分離することを特徴とするものである。
本発明における第5の発明の光学系の位相取得方法は、前記光学系(Ot)と前記撮像素子(Uf)との間にリレー光学系(Oq)を挿入して、前記光学系(Ot)から出力される実出力光束が前記リレー光学系(Oq)に入力され、該リレー光学系(Oq)がその出力光束であるリレー出力光束を出力するようにし、前記参照光束(Fr)を重畳せしめて生ずる干渉像を前記撮像素子(Uf)によって撮像する対象を、前記光学系(Ot)から出力される実出力光束に替えて、前記リレー出力光束とすることを特徴とするものである。
本発明における第6の発明の光学系の位相取得方法は、前記関数展開がツェルニケ多項式展開であることを特徴とするものである。
本発明における第7の発明の光学系の評価方法は、前記光学系(Ot)の結像シミュレーションによって評価を行う方法であって、
結像シミュレーションの対象とする仮想入力パターンを、仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点の集合で表すとして、
前記仮想発光点集合に含まれる座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点それぞれについての前記位相定義面(T)における広義位相分布 Ψ1(u,v),Ψ2(u,v),… を、第1から2の発明に記載の、座標 (x,y,z) にある仮想発光点についての前記位相定義面(T)における前記広義位相 Ψ(u,v) を取得する方法によって決定し、
前記位相定義面(T)から規定の出力像面(Ho)までの回折光学的光伝播シミュレーションを行うことによって、前記座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点それぞれが形成する前記出力像面(Ho)における光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),… を算出し、
前記光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),… を重ね合わせて出力パターンを取得することを特徴とするものである。
本発明における第8の発明の光学系の評価方法は、前記光学系(Ot)の評価を行う方法であって、
座標 (xr,yr,zr) にある仮想発光点についての前記位相定義面(T)における広義位相分布 Ψr(u,v) を、
第1から2の発明に記載の、前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点についての前記位相定義面(T)における前記広義位相 Ψ(u,v) を取得する方法によって決定し、
任意に設けた収差定義仮想面上の座標 (U,V) の位置から、前記した座標 (xr,yr,zr) にある仮想発光点と共役な座標 (Xr,Yr,Zr) にある理想出力像点に至る光路長と、前記広義位相分布 Ψr(u,v) に基づいて、前記収差定義仮想面における光路長収差分布 H(U,V) を決定し、
前記光路長収差分布 H(U,V) に基づいて前記光学系(Ot)の評価を行うことを特徴とするものである。
ここで、上で述べた広義位相について補足しておく。
例えば、ある平面における「光の位相分布」と言った場合、その平面上では光電界は可干渉であることを前提としており、その平面上に座標系を設けるとして、例えばその原点における光波動の位相を基準として、ある座標の点の光波動の位相が、例えばπ/2だけ遅れている、などの情報が、各座標点において存在して分布していることを意味している。
そのような状況を実現するためには、1個の点光源を源として、そこから発した光波動が拡がり、レンズや反射鏡を介するなどして伝播してその平面の各点に達したと考えられる。
このとき、前記点光源から各座標点まで、光波動が伝播した経路の光路長を考えると、この平面には、該光路長の値が分布していることになる。
そうすると、この平面の座標の原点における該光路長の値を基準とした、各座標点における該光路長の値の差、すなわち光路長差の分布というものも考えることができる。
そしていま述べたこの平面上に分布する前記光路長差の値に波数 k=2π/λ を乗じた値の分布が、光の位相分布にほかならない。 ここで λ は真空中での光波長である。
したがって、例えばホログラフィ技術を使ってある平面上の位相の分布を測定した場合、それを位相の分布情報として保持したり計算したりするか、光路長差の分布情報として保持したり計算したりするかの差異は本質的ではなく、前記したように、位相と光路長差とは、波数の値を乗じたり除したりすることにより、相互に換算することが何時でも可能であるため、位相と光路長差とは同等の情報と考えられる。
そのため、本発明では、光路長差などの位相と同等の情報を広義位相と呼んでいる。
ただし、以降においては、説明の簡素化のため、特に区別が必要な場合を除き、広義位相も単に位相と呼ぶことにする。
なお、レーザのように、1個の点光源を源とせず、概ね平行光のビームが直接生成される光源の場合も、レーザ装置内に存在する等位相面からの光の伝播経路の光路長を考えるか、あるいは、仮想的な点光源を考え、それからの光をレンズでコリメートしてビームが生成される場合に置き換えて考えるなどすればよいから、光路長による取扱いは有効である。
また、上で述べた座標について補足しておく。
上では、「前記位相定義面(T)での座標 (u,v) を変数とする、複数個の展開関数 μn(u,v) によって関数展開して…」などと記述しており、また後の説明で参照する図においても、座標系 u,v を直交座標系として描いてあるが、本発明の方法は、直交座標系による取扱いに限定するものではなく、例えば数学的な取扱いが容易になるなどの都合により、極座標系やその他の座標系を部分的に援用したり、全面的に採用することが可能である。
実在する結像光学系について、規定の実入力像空間座標に位置する複数個の実入力像点を実際に入力して、それぞれの実入力像点に対する干渉像データを取得し、ただし実入力像点の個数は、前記した干渉像データの取得が経済的に行える範囲内に抑えながら、設計上の収差に加えて、個々の結像光学素子の屈折面や反射面の形状の誤差や、偏芯、面間隔誤差、傾き等の組立て誤差などの欠陥が内在する場合を含め、例えば任意の入力像パターンに対する回折光学的結像シミュレーションを行ったり、OTFやツェルニケ展開係数を計算することによって光学系の評価を行う際に有用性のある光位相やその分布を取得する技術を提供することができる。
本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する構成のブロック図を表す。 本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する概念の概略図を表す。 本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する概念の概略図を表す。 本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する構成の概略図を表す。 本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する構成の概略図を表す。 本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する概念の概略図を表す。 本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する概念の概略図を表す。
本発明に関する具体的詳細について述べる前に、その理解を助けるため、本発明の技術思想につき簡単に説明しておく。
前記したように、実在する光学系に対し、複数個の代表的な点像を入力した場合に出力される光電界分布を、位相情報を含めてディジタル・ホログラフィ・イメージングの技術によって取得しておき、任意の仮想入力パターンに対してシミュレーションを行う際には、仮想入力パターンを構成する点像の全てに対応する、後述する位相定義面における出力光の位相の情報が必要である。
しかし当然、仮想入力パターンを構成する点像には、実際に入力した代表的な点像の集合に含まれないものが極めて多数存在するはずで、そのような点像に対応する出力光の位相に関する情報は、シミュレーションのなかで生成しなければならず、本発明では、そのために保有する情報からの補間計算を利用する。
ただし、位相定義面における位相分布は、2次元面上の各点で値を有する情報であり、これをこのまま、前記した撮像素子で撮像して取得する、多数の画素からなるデータと同様の形式で、2次元配列として扱うと、保持するデータ量や処理する計算量が膨大になるため、位相定義面における座標を変数とする複数個の関数によって位相分布を関数展開することとする。
したがって、前記した実際に入力した代表的な点像それぞれに対応する位相分布に関する情報は、関数展開した際の複数個の展開係数、すなわち展開係数の組のみを保持しておき、シミュレーションのなかで仮想入力パターンを構成する点像それぞれに対応する位相を取得する際は、実際に入力した代表的な点像それぞれに属する展開係数の組の集合のなかから、適当なものを選択し、仮想入力パターンを構成する点像の位置に依存する補間計算によって新たな展開係数の組を生成すれば、この展開係数の組と展開関数を用いて、位相定義面上の任意の座標のにおける位相の値を算出することが可能となる。
本発明に関する説明において、結像とは、有限距離または無限遠にある実像や虚像の入力像に対し、光学系が有限距離または無限遠にある実像や虚像の出力像を生ずる現象を指す。
また、共役という用語に関しては、幾何光学分野における一般用語として、例えば、AとBとは共役である、と言うとき、少なくとも近軸理論に基づき、レンズ等の結像機能を有する光学素子の作用によってAがBに、またはBがAに結像されることを意味する。
このとき、A,Bは像であって、孤立した点像が対象として含まれることは当然として、複数の点像からなる集合や、点像が連続的に分布した拡がりのある像も対象として含める。
ここで、点像あるいは像点(すなわち像)とは、幾何光学分野における一般用語として、実際に光がその点から放射されているもの、光がその点に向かって収束して行ってスクリーンを置くと明るい点が映るもの、光がその点に向かって収束して行くように見える(が、その点は光学系の内部にあってスクリーンを置けない)もの、光がその点から放射されているように見える(が、その点は光学系の内部にあってスクリーンを置けない)もの、の何れをも含み、区別しない。
一般のカメラレンズを例にとると、通常は開口絞りがレンズの内部に存在するが、光が入る側からレンズを見ときに、レンズを通して見える開口絞りの像を入射瞳、光が出る側からレンズを見ときに、レンズを通して見える開口絞りの像を射出瞳、入射瞳の中心に向かう、または射出瞳の中心から出て来る光線(通常は子午光線)を主光線と呼ぶ。
また広義には、主光線以外の光線は周辺光線と呼ばれる。
ただし、レーザのような指向性を有する光を扱う光学系では、開口絞りによって光束を切り出す必要が無いために開口絞りが存在しない場合が多く、その場合は、光学系における光の存在形態によって、それらが定義される。
通常は、放射点からの放射光束における、光の方向分布の中心光線を主光線とし、光学系に入射する主光線またはその延長線が光軸と交わる位置に入射瞳があり、光学系から射出する主光線またはその延長線が光軸と交わる位置に射出瞳があると考える。
ただし、厳密な話をすると、このように定義した主光線と光軸とが、例えば調整誤差のために交わらず、ねじれの位置にあるに過ぎない場合も考えられる。
しかし、このような現象は本質とは無関係であり、また議論しても不毛であるため、以下においては、このような現象は生じないと見なす、あるいは、主光線と光軸とが最接近する位置において交わっていると見なすことにする。
また、光学系のなかの隣接する2個の部分光学系AとBに注目し、Aの直後にBが隣接しているとしたとき、(Aの出力像がBの入力像となるのと同様に)Aの射出瞳はBの入射瞳となるし、そもそも光学系のなかに任意に定義した部分光学系の入射瞳・射出瞳は、(開口絞りが存在すれば全てそれの像であるし、存在しなくても)全て共役のはずであるから、特に区別が必要無ければ、入射瞳・射出瞳を単に瞳と呼ぶ。
文脈上の特段の限定が無い限り、光線の呼び方は広義であるとする。 例えば光軸に一致する光線も子午光線の一種とし、子午光線もスキウ光線の一種とする。
本発明の説明および図面においては、光学系の光軸をz軸と呼んでいるが、もし反射鏡によって光軸が折り曲げられた場合は、元のz軸に沿う光線が反射されて進む方向もz軸と呼び、新たな座標軸を取ることはしない。
先ず、本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する構成のブロック図である図1を参照して、第1の発明の光学系の位相取得方法を実施するための形態について説明する。
前記したように、シミュレーションのなかで仮想入力パターンを構成する点像それぞれに対応する位相を取得できるようにする目的で、出力される光電界分布を、位相情報を含めてディジタル・ホログラフィ・イメージングの技術によって取得できるようにするために、実際に入力する複数個の代表的な点像、すなわち実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)の位置は、仮想入力パターンを構成する点像を分布させる領域の内部および外周部(できれば外周境界の少し外側)に、適当な密度で分布するように決定する。
この位置決定に際しては、位相取得対象の光学系(Ot)が軸対称の設計であっても、軸対称性を仮定せずに、軸の周囲の4つの象限の全てに配置するよう決定することが好適である。
理由は、前記光学系(Ot)のなかの屈折面や反射面の加工誤差や組立て誤差が位相分布に影響を与えるからである。
なお、図においては、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)の全てがy軸上に配置されているように描いてあるが、これは描画の簡素化のためであり、例えばxy平面などのようなz軸に垂直な平面上の配置であっても、あるいは3次元的な配置であっても構わない。
前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)の位置、すなわち実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の決定に基づき、前記光学系(Ot)の入力側に対して規定の前記実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1) の位置に1個の前記実入力像点(Ps1)を設ける。
該実入力像点(Ps1)は、例えばレーザ等の1次可干渉光源からの光束を、ピンホールを明けたマスク板に照射したり、凸レンズや凹レンズに照射したりして生成される、2次的な発光点によって実現することができる。
そして前記実入力像点(Ps1)からの照明光束(Fs1)を前記光学系(Ot)に入力して実出力光束(Fo1)を生成し、CCDやCMOSイメージセンサ等からなる撮像素子(Uf)の撮像面(Sf)に対し、前記実出力光束(Fo1)が照射される。
なおここでは、一応、ホログラフィ技術における「物体」が前記光学系(Ot)であり、「照明光」が前記照明光束(Fs1)、「物体光」が前記実出力光束(Fo1)であるように対応付けている。
また、図において、前記照明光束(Fs2),前記実出力光束(Fo2)を破線で表しているのは、単に前記照明光束(Fs1),前記実出力光束(Fo1)との区別を容易にするためである。
また、前記した1次可干渉光源の光束を分割するなどして生成した、前記実出力光束(Fo1)と可干渉な参照光束(Fr)を、前記実出力光束(Fo1)と重畳するように前記撮像面(Sf)に照射する。
これにより、前記実出力光束(Fo1)と前記参照光束(Fr)との干渉によって生ずる干渉縞を含んだ干渉像が前記撮像面(Sf)に生成されるので、これを前記撮像素子(Uf)によって撮像し、その干渉像データ(Df)を処理装置(Up)が受信して記憶する。
そして前記処理装置(Up)は、前記光学系(Ot)の出力側に対して規定の相対位置にある位相定義面(T)における、その座標 (u,v) に依存する光電界の位相分布、すなわち実測位相分布 Ψs1(u,v) を、前記干渉像データ(Df)に基づき取得する。
なお、前記した「前記実入力像点(Ps1)に属する実測位相分布 Ψs1(u,v) 」なる表記は、特にそのなかの「属する」という言い回しは、前記実測位相分布 Ψs1(u,v) は前記実入力像点(Ps1)の位置を決めることによって決まるものである、という事情を受けたものである。
ここで、前記位相定義面(T)は、本発明において位相取得を行う際の位相を決定する面であり、その位置や、形状(平面であるか、例えば球面であるか)など(平面の場合は光軸との傾き、球面の場合は半径や中心位置等々)は、位相取得の目的に応じて任意に決めることができる。
ただし通常は、前記実入力像点の位置によらず位置や形状が不変のものとして扱うことができる、前記光学系(Ot)の射出瞳を前記位相定義面(T)として採用する場合が多いであろうから、これ以降、本明細書においても前記位相定義面(T)を前記光学系(Ot)の射出瞳にとる場合を念頭に置いて説明する。
ところで、前記干渉像データ(Df)は、前記撮像面(Sf)における干渉像、すなわち干渉縞画像の多諧調の明暗パターンであるが、これを前記撮像面(Sf)における光電界の位相分布に変換することができて、その変換法は Fourier-transform method (参考文献:Takeda,M., et al. : Fourier-transform method of fringe-pattern analysis for computer-based topography and interferometry, J.Opt.Soc.Am, Vol.72,No.1(1982), pp.156-160.)として知られる。
前記位相定義面(T)が前記光学系(Ot)の最終屈折面よりもさらに後側にあって、前記撮像面(Sf)と一致させることができる場合は、前記変換法で算出した位相分布を前記実測位相分布 Ψs1(u,v) とすればよい。
しかし普通は、前記位相定義面(T)、すなわち射出瞳は、前記光学系(Ot)の内部にあるから、その場合は、前記変換法で算出した位相分布の光電界を、前記撮像面(Sf)から前記位相定義面(T)までの、本来の光の進行方向と逆方向に伝播させる回折光学的光伝播シミュレーションによって、前記位相定義面(T)における前記実測位相分布 Ψs1(u,v) を算出すればよい。
あるいは、先にシミュレーションの内容として説明したものと同様に、前記干渉像データ(Df)の明暗パターンの光フィルタで振幅変調を受けた前記参照光束(Fr)を、前記撮像面(Sf)から前記位相定義面(T)までの、本来の光の進行方向と逆方向に伝播させる回折光学的光伝播シミュレーションによって、前記位相定義面(T)における前記実測位相分布 Ψs1(u,v) を算出してもよい。
ところで、普通、位相は 0〜2π の範囲で値づけられるが、平面上で分布する位相に対してこの値づけ方を強制すると、本来、位相が滑らかに変化している場合でも、位相値が急変する箇所が線状に現れる。
位相とは、基準として定めた点の波動に対する、ある点の波動の相対的な遅れ・進みの程度を表すものであるから、位相値の急変は本質的なものではない。
平面上における光波動の位相分布の由来は、点光源からその平面に至るまで伝播した光の経路の光路長であるから、むしろ 0〜2π の範囲を超えた変化を容認して、急変が生じないように補正することが正しいはずである。
このような補正処理は位相アンラッピングと呼ばれるが、前記位相定義面(T)における位相分布の変化は滑らかであるため、前記実測位相分布 Ψs1(u,v) に対する位相アンラッピング補正処理は比較的容易に行うことができる。
図1に関し、若干補足しておく。 ここでは、前記撮像素子(Uf)に対して、前記実出力光束(Fo1)と前記参照光束(Fr)とが、異なる方向から直接的に照射されて重畳されるように描いてあるが、普通はビームスプリッタを使用してこれらを合波し、重畳することが多い。
前記照明光束(Fs1)と前記参照光束(Fr)とが独立のものであるように描いてあるが、これらは可干渉でなければならないから、普通はこれらは共通の光源から生成される。
また前記参照光束(Fr)は、前記照明光束(Fs1)に対して空間的直流成分以外を除去する空間周波数フィルタを作用させて生成してもよい。
なお、前記処理装置(Up)は、前記撮像素子(Uf)から前記干渉像データ(Df)を受信するためのインターフェイスやCPU、前記干渉像データ(Df)を始め、OSや計算に必要な処理プログラム等を記憶する不揮発性メモリ、前記したOSや計算に必要な処理プログラム等がロードされ、処理計算の遂行に必要なデータを記憶する揮発性メモリなどを備えたコンピュータによって実現することができ、記憶した前記干渉像データ(Df)を読出して、ディジタル・ホログラフィ・イメージング技術に基づく計算を行うことができるものである。
なお、ディジタル・ホログラフィ・イメージングにおける計算内容については、先にシミュレーションの内容として説明した通りである。
ここまで、前記光学系(Ot)の入力側に対して規定の前記実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1) の位置に1個の前記実入力像点(Ps1)を設け、前記位相定義面(T)における前記実入力像点(Ps1)に属する実測位相分布 Ψs1(u,v) を算出する工程について説明したが、この工程を、規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の位置にある、複数個の実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに対して実行すれば、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を取得することができる。
前記したように、位相定義面における前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… は、2次元面上の各点で値を有する情報であり、これをこのまま2次元配列として扱うと、保持するデータ量や処理する計算量が膨大になるため、これを関数展開によって近似する場合の展開係数を求め、それを保持することとする。
展開関数 μn(u,v) は、前記位相定義面(T)での座標 (u,v) に依存する値を持つ関数であり、ここで添え字 n は、展開関数の系列のなかの何番目の関数であるかを指定するもので、展開関数の種類によって、例えば n=0,1,2,… であったり、あるいは n=…,-2,-1,0,1,2,… であったりし、添え字 n の整数に与えられる具体的な値の範囲は、近似の精度によって決める必要がある。
ただし、前記添え字 n は、必ずしも1個の整数に限定されるものではなく、展開関数 μmn(u,v) に対し m=0,1,2,…,n=0,1,2,… などであるような、複数個の整数の組からなる場合も含め、それらを代表して、単に n と表記している。
前記実測位相分布 Ψsj(u,v) を関数展開して近似するときの展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… を決定しておけば、任意の座標 (u,v) に対する Ψsj(u,v) の値は、以下の式(式1)
Ψsj(u,v) = Σn{Ajn・μn(u,v)}
の演算によって算出することができる。
ここで Σn は、規定範囲の添え字 n の値全てに関する和をとることを表す。
当然、前記したように、展開関数が μmn(u,v) のように、添え字 n が複数個の組からなる場合は、以下の式(式2)
Ψsj(u,v) = ΣmΣn{Ajmn・μmn(u,v)}
のようにして算出することになる。
このように、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する前記展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… を決定して保持すれば、前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を2次元配列データとして保持する必要が無くなる。
なお、関数展開のために用いる展開関数の系列としては、位相 Ψsj(u,v) を、前記した式1や式2のようにして算出できるものであればどのようなものでも構わず、例えば、フーリエ級数展開やマクローリン展開、あるいは後述するツェルニケ多項式展開などを採用することができる。
ところで、以上においては、2次元配列データである前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を全ての j に対して取得した後、各 j に対する展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… を取得するように記述したが、これは、内容を理解し易くするために、前記実測位相分布を取得する工程と、前記展開係数の組を取得する工程とに説明を分けたものであって、本発明を実施する際は、前記実測位相分布 Ψsj(u,v) を取得すれば直ちに前記展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… を取得することを、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに対して遂行するようにしてよいし、この仕方の方が、前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… の全てを同時に保持する期間を無くすことができる点で有利である。
以上のようにして前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する前記展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… を保持することが完了したとして、前記した仮想入力パターンのうちの1点など、仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における任意の座標 (x,y,z) にある仮想発光点から発する仮想照明光束が前記光学系(Ot)に入射されたときに、前記位相定義面(T)上の任意の座標 (u,v) の点における光電界の位相 Ψ(u,v) の値を決定する手順につき、以下において説明する。
いま簡単のため、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)がxy平面上に配置されている場合を想定する。
本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する概念の概略図である図2のaに示すように、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)のうちで前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点を囲む最も近い3個の実入力像点(Psi,Psj,Psk)を決めたとする。
当然であるが、各点には、それぞれに展開係数の組 Ain,Ajn,Akn n=0,1,2,… が属している。
座標 (xsi,ysi) の前記実入力像点(Psi)と座標 (xsk,ysk) の前記実入力像点(Psk)を結ぶ直線(La)と、座標 (xsj,ysj) の前記実入力像点(Psj)と座標 (x,y) の前記仮想発光点を結ぶ直線(Lb)との交点(Pe)の座標 (xe,ye) は、方程式の変数を xe,ye とした、前記直線(La)を表す以下の式(式3)
(ye−y)・(xj−x) =(xe−x)・(yj−y)
および、前記直線(Lb)を表す以下の式(式4)
(ye−yk)・(xi−xk) = (xe−xk)・(yi−yk)
を2元連立1次方程式として簡単に解けるから、実入力像点(Psi)と実入力像点(Psk)の距離と実入力像点(Psi)と交点(Pe)の距離の比に着目すれば、図2のbから容易に理解できるように、差異 Akn−Ain を比例配分した補間計算により、交点(Pe)での展開係数の値は、以下の式(式5)
Aen=μe・(Akn−Ain)+Ain n=0,1,2,…
μe =( xe−xi)/(xk−xi) または (ye−yi)/(yk−yi)
として求められ、これを用いて、実入力像点(Psj)と交点(Pe)の距離と実入力像点(Psj)と仮想発光点の距離の比に着目した同様の補間計算により、仮想発光点での展開係数の値は、以下の式(式6)
An = μ・(Aen−Ajn)+Ajn n=0,1,2,…
μ = (x−xj)/(xe−xj) または (y−yj)/(ye−yj)
として求められる。 なお、係数 μe,μ は分母が0にならない方をとればよい。
ここでは一般的議論のため、図2のaでは前記実入力像点(Psi,Psj,Psk)それぞれのx座標とy座標が全て異なる場合を描いたが、実入力像点(Ps1,Ps2,…)を、縦横をそろえて格子状に配置すれば、例えば、実入力像点(Psi)と実入力像点(Psj)のx座標が等しく、実入力像点(Psi)と実入力像点(Psk)のy座標が等しくなるなどするから、計算はより簡単になる。
また、ここでは、実入力像点(Ps1,Ps2,…)がxy平面上に配置されている場合を想定したが、3次元的に配置されている場合も同様に計算できる。
このようにして仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における任意の座標 (x,y,z) にある仮想発光点に属する補間展開係数 An の組を算出することができるから、前記した式1に対応して、展開関数 μn(u,v) の係数付き和 Σn{An・μn(u,v)} を用いた以下の式(式7)
Ψ(u,v) = Σn{An・μn(u,v)} n=0,1,2,…
に対し、具体的な座標 (u,v) の値を与えることによって、前記位相定義面(T)上の任意の座標 (u,v) の点における光電界の位相 Ψ(u,v) の値を決定することができる。
また、所望の密度で分布する複数の座標 (u,v) に対して前記した式7の値を計算することにより、位相分布 Ψ(u,v) を求めることができる。
以上において述べた光学系の位相取得方法では、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の集合に含まれない座標 (x,y,z) にある仮想発光点に属する情報を、補間計算のみによって取得するため、求める位相 Ψ(u,v) が不正確にならないためには、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)を数多く配置する必要があるが、対象とする前記光学系(Ot)の内部構造に関する情報が未知であっても位相 Ψ(u,v) を取得することができる利点がある。
次に説明する第2の発明の光学系の位相取得方法は、先述の第1の発明の方法と同様に補間計算を利用するが、前記光学系(Ot)の設計データが既知であることを前提として、光線追跡シミュレーションを行い、その結果を前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれに対応して取得する実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… の情報に援用して位相 Ψ(u,v) を取得するものであり、補間計算のみに依拠する方法ではないため、先述の方法よりも前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の個数を減らすことができる利点がある。
第2の発明の最初の工程として行う、前記した光線追跡シミュレーションについて説明する。
先ず、前記実入力像点(Ps1)に相当する1個の入力像点(Pt1)から発する、複数本の光線を設定するが、設定の仕方としては、例えば前記光学系(Ot)の入射瞳面を適当な大きさの升目に区切り、前記入力像点(Pt1)から発して各升目の中心を通過するスキウ光線群とすることが好適である。
光線追跡シミュレーションの方法について本明細書で詳細は述べないが、光線伝播空間での進行経路は、屈折率が一様である場合は、単なる光線の直進として求め、屈折率が一様でない場合は、例えばルンゲクッタ法によって求め、光線が屈折面に出会った場合は、その屈折面の法線と光線との角度に基づき、スネルの法則によって屈折後の光線の方向を決めて追跡することができ、反射面に出会った場合は、次に反射面に出会うまで、その空間の屈折率を負に置き換えて、いま述べた屈折媒体でのものと同じ計算で追跡することができる。
前記光線群に含まれる全ての光線について、前記光学系(Ot)の設計データに基づく光線追跡シミュレーションによって、前記入力像点(Pt1)から前記位相定義面(T)に到達するまでの光路長 Γ1(u,v) を算出するとともに、前記位相定義面(T)との交差点の座標 (u,v) を取得し、さらに前記光路長 Γ1(u,v) に波数を乗ずることにより、前記位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1)に属する追跡位相分布 Ψt1(u,v) を取得することができる。
そして、いま述べた前記実入力像点(Ps1)に対して実行した工程を、規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の位置にある、複数個の実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに対して実行すれば、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する追跡位相分布 Ψt1(u,v),Ψt2(u,v),…,Ψtj(u,v),… を取得することができる。
また、先に前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を前記展開関数 μn(u,v) によって関数展開し、前記展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… に置換えたことと同様に、前記追跡位相分布 Ψt1(u,v),Ψt2(u,v),…,Ψtj(u,v),… を前記展開関数 μn(u,v) によって関数展開し、前記展開係数の組 Bjn n=0,1,2,… に置換える。
その際は、当然同様に前記追跡位相分布 Ψtj(u,v) を取得すれば直ちに前記展開係数の組 Bjn n=0,1,2,… を取得することを、前記入力像点(Pt1,Pt2,…,Ptj,…)それぞれに対して遂行するようにしてよい
なお、補足すると、同じ設計データに基づいて製作された実物の光学系(Ot)が複数あったとしても、いま述べた第2の発明の最初の工程は、1回だけ実行して前記展開係数の組 Bjn n=0,1,2,… をデータとして保存しておけばよい。
そして、複数ある、実物の光学系(Ot)のそれぞれに対し、共通保存データである前記展開係数の組 Bjn n=0,1,2,… を適用すればよい。
第2の発明の2番目の工程として、第1の発明に関して説明した、光学系(Ot)の入力側に対して規定の前記実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の位置に複数個の前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)を設けてそれぞれに関する干渉像データ(Df)を取得し、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)に属する実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を取得して、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する前記展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… を決定して保持する工程を、実物の光学系(Ot)において行う。
次に、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する前記展開係数 An および Bjn の組は、以下の式(式8)
Δjn = Ajn−Bjn
によって展開係数 Δjn の組に置換え、これを保持することにより、以降、前記位相定義面(T)上の任意の座標 (u,v) における、前記実入力像点(Psj)に属する前記実測位相と前記追跡位相との差異を、以下の式(式9)
Ψsj(u,v)−Ψtj(u,v) = Σn{Δjn・μn(u,v)}
によって計算することができる。
以上のようにして前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する前記展開係数の組 Δjn n=0,1,2,… を保持することが完了したとして、前記した仮想入力パターンのうちの1点など、仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における任意の座標 (x,y,z) にある仮想発光点から発する仮想照明光束が前記光学系(Ot)に入射されたときに、前記位相定義面(T)上の任意の座標 (u,v) の点における光電界の位相 Ψ(u,v) の値を決定する手順につき、以下において説明する。
前記仮想発光点の前記座標 (x,y,z) を決定したならば、先ず、先に説明した、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)のうちで前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点を囲む最も近い3個の実入力像点(Psi,Psj,Psk)それぞれの座標と、それぞれに属する前記展開係数の組 Ain,Ajn,Akn n=0,1,2,… による補間計算を用いて、前記した式6によって補間展開係数 An の値を決定した工程と同様にして、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)のうちで前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点を囲む最も近い3個の実入力像点(Psi,Psj,Psk)それぞれの座標と、それぞれに属する前記展開係数の組 Δin,Δjn,Δkn n=0,1,2,… による補間計算を用いて、補間展開係数の組 Δn n=0,1,2,… を決定しておく。
先に前記入力像点(Pt1,Pt2,…,Ptj,…)から発する光線に対して行ったものと同様の、前記光学系(Ot)の設計データに基づく光線追跡シミュレーションを、今度は、前記した座標 (x,y,z) にある仮想発光点から発する光線に対して行う。
先に前記入力像点(Pt1,Pt2,…,Ptj,…)から発する光線に対して行った前記光学系(Ot)の設計データに基づく光線追跡シミュレーションでは、追跡する光線の設定の仕方として、前記光学系(Ot)の入射瞳面を適当な大きさの升目に区切り、前記入力像点(Pt1,Pt2,…,Ptj,…)から発して各升目の中心を通過するスキウ光線群とする場合について説明したが、ここでは、前記位相定義面(T)上の座標 (u,v) の点における光電界の位相 Ψ(u,v) の値を決定しようとする目的に照らし、どのような光線(群)とするかが既に決定されているものとして、その光線の1本についての光線追跡シミュレーションについて述べる。
追跡する前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点から発するスキウ光線の、立体的な方向の決め方は任意であるが、先と同様に、その光線が向かう入射瞳面座標 (u',v') を指定することによって決める方法が好適であるため、以下の説明では、この方法によってスキウ光線の方向を決めることとする。
追跡するスキウ光線の方向を決定したならば、先ず、前記光学系(Ot)の設計データに基づく光線追跡シミュレーションによって、前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点から前記位相定義面(T)に到達するまでの光路長 Γ(u,v) を算出するとともに、前記位相定義面(T)との交差点の座標 (u,v) を取得し、さらに前記光路長 Γ(u,v) に波数を乗ずることにより、前記位相定義面(T)における、前記仮想発光点に属する理想位相 Ψ'(u,v) を取得する。
そして、取得した前記座標 (u,v) を以下の式(式10)
δΨ(u,v) = Σn{Δn・μn(u,v)} n=0,1,2,…
に対して適用することによって、前記実測位相と前記追跡位相との差異である位相差異 δΨ(u,v) を算出し、これを先に取得した前記理想位相 Ψ'(u,v) に加算した以下の式(式11)
Ψ(u,v) = Ψ'(u,v)+δΨ(u,v)
によって、位相 Ψ(u,v) の値を決定することができる。
同じ前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点から発する他の光線についての位相 Ψ(u,v) の値を決定する場合は、前記した光線が向かう入射瞳面座標 (u',v') を指定する工程から前記した式11によって位相 Ψ(u,v) の値を決定する工程までを実行すればよく、よって、所望の密度で分布する複数の入射瞳面座標 (u',v') に対して前記した式11の値を計算することにより、位相分布 Ψ(u,v) を求めることができる。
ところで、ここまでの説明において、複数の前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれに属する実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… を取得するに際する手順等について詳しく述べなかったが、最も単純には、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれ毎に分割して前記干渉像データ(Df)を取得する仕方、すなわち前記実入力像点(Ps1)のみを単独に発生させて干渉像を撮像し、前記干渉像データ(Df)を取得して前記実測位相分布 Ψs1(u,v) を取得する、前記実入力像点(Ps2)のみを単独に発生させて干渉像を撮像し、前記干渉像データ(Df)を取得して前記実測位相分布 Ψs2(u,v) を取得する、という逐次操作を行う方法とすることができる。
具体的には、ピンホールを明けた、あるいは凸レンズや凹レンズを嵌め込んだマスク板を用意し、これを、例えば前記処理装置(Up)からの信号によって制御可能なXYステージに設置することによって移動可能とし、前記した1次可干渉光源からの光束を前記マスク板に照射しておくように構成することにより、前記した逐次操作を実現することができる。
この方法の場合、得たい情報である前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… それそれを直接的に取得できる利点があるが、前記マスク板を機械的に移動させながら取得するため、時間が掛かり、またXYステージが必要で、構成が大掛かりになる弱点がある。
この弱点を改善した方法として、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)を取得する仕方がある。
この場合、前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… それぞれへの分離を、計算によって行う必要がある。
具体的には、必要な前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てを発生するための、複数のピンホールを明けたマスク板、あるいは複数のレンズを2次元的に配列したレンズアレイを用意し、これに前記した1次可干渉光源からの光束を照射して干渉像を撮像することにより、前記した前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)が得られる。
これから前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… それぞれに分離するためには、前記した、前記撮像面(Sf)から前記位相定義面(T)までの、本来の光の進行方向と逆方向に伝播させる回折光学的光伝播シミュレーションによって、前記位相定義面(T)における前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… を算出する工程を、第1と第2の2段階に分割して行うこととし、これについて、本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する概念の概略図である図3を参照して説明する。
先に図1に示したような、前記光学系(Ot)が、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)に対する出力像として、光の進行方向に進んだ先に実像を結ぶものの場合、本来の光の進行方向と逆方向に伝播させるのではなく、図3に示すように、十分な距離を光の進行方向に伝播させる回折光学的光伝播シミュレーションを行えば、再構成される実出力光束(Fo1,Fo2,…)が分離するはずであり、逆に前記光学系(Ot)が、出力像として虚像を結ぶものの場合は、十分な距離を光の進行方向と逆方向に伝播させる回折光学的光伝播シミュレーションを行えば、再構成される実出力光束(Fo1,Fo2,…)が分離するはずである。
よって、先ず第1の段階では、前記撮像面(Sf)から、再構成される実出力光束(Fo1,Fo2,…)が分離する方向へ、分離に必要な距離だけ離れた、光軸に垂直な平面である分離再構成面(Sg)まで伝播させる回折光学的光伝播シミュレーションを行い、再構成された実出力光束(Fo1)の前記分離再構成面(Sg)上での光束断面部(Go1)における光電界の位相分布 Ψg1(u",v") を算出して取得する。
次の第2の段階では、前記分離再構成面(Sg)上での前記位相分布 Ψg1(u",v") の光を前記位相定義面(T)まで伝播させる回折光学的光伝播シミュレーションを行い、前記実測位相分布 Ψs1(u,v) を算出する。
そして、いま述べた第1と第2の2段階からなる工程を、再構成される前記実出力光束(Fo1,Fo2,…)それぞれに対して行うことにより、前記実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… それぞれを、分離して算出することができる。
なお、前記撮像面(Sf)と、前記位相定義面(T)とが一致している場合は、前記した第2の段階では、前記位相定義面(T)たる前記撮像面(Sf)に光を戻すように回折光学的光伝播シミュレーションを行う。
ここで、いま述べた前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)の取得を実現するための具体的構成について、本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する構成の概略図である図4を参照して説明する。
ヘリウム−ネオンレーザ等の1次可干渉光源(Us)からの光源ビーム(As)は、ビーム分割のためのビームスプリッタ(BS1)によって、照明光束生成用ビーム(Ai)と参照光束生成用ビーム(Ar)とに分割される。
参照光束生成部はミラー(Mr)およびビームエキスパンダ(BEr)から構成されており、前記参照光束生成用ビーム(Ar)は、前記ミラー(Mr)によって反射された後、集光レンズ(Lrf)とコリメータレンズ(Lrc)とから構成される前記ビームエキスパンダ(BEr)に入力され、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として参照光束(Fr)が生成される。
なお、前記集光レンズ(Lrf)の集光点に一致するようピンホール開口(Ua)を設置すれば、前記ビームエキスパンダ(BEr)に空間的直流成分以外を除去する空間周波数フィルタの機能を兼ね備えさせることができ、これにより、前記ピンホール開口(Ua)に至るまでの光路に存在する光学素子の表面に付着した塵などが生む光ノイズを除去して、前記参照光束(Fr)を浄化することができる。
一方、照明光束生成部はミラー(Mi)およびビームエキスパンダ(BEi)から構成されており、前記照明光束生成用ビーム(Ai)は、前記ミラー(Mi)によって反射された後、集光レンズ(Lif)とコリメータレンズ(Lic)とから構成される前記ビームエキスパンダ(BEi)に入力され、必要な太さになるようビームが拡大された平行光束として1次照明光束(Fi)が生成される。
なお、前記ビームエキスパンダ(BEi)に対しても前記ピンホール開口(Ua)と同様のピンホール開口を設置するとよいが、本図においては省略してある。
さらに照明光束生成部は、レンズアレイ(Lm)およびマスク板(Pm)を含み、そして必要に応じ光束変換光学系(Oc)を含んでいる。
前記1次照明光束(Fi)は、前記レンズアレイ(Lm)に入射し、該レンズアレイ(Lm)の各レンズの焦点部分に複数個の集光領域を形成する。
前記マスク板(Pm)には複数のピンホールが明けられており、前記ピンホールそれぞれを中心とした領域が、前記レンズアレイ(Lm)が形成する前記集光領域によって照明されるよう、前記レンズアレイ(Lm)と前記マスク板(Pm)が組み合わされる。
前記マスク板(Pm)の前記ピンホールそれぞれは入力像点集合を形成し、それらからの光束はテレセントリックであるため、必要に応じ前記光束変換光学系(Oc)を設け、それぞれの主光線が位相取得対象の光学系(Ot)の入射瞳に向かるよう整合が図られ、それぞれの照明光束(Fs1,Fs2,…)として、一括して前記光学系(Ot)に入射される。
したがって、前記マスク板(Pm)の前記ピンホールそれぞれが前記光束変換光学系(Oc)によって結像された虚像が実入力像点(Ps1,Ps2,…)となる。
前記照明光束(Fs1,Fs2,…)を受けて前記光学系(Ot)で生成された実出力光束(Fo1,Fo2,…)は、ビームスプリッタ(BS2)で反射され、撮像素子(Uf)の撮像面(Sf)に照射される。
ここで、前記光学系(Ot)の光軸が前記撮像面(Sf)に対して垂直となるように、前記ビームスプリッタ(BS2)の角度が調整されることを想定している。
前記参照光束(Fr)は、前記ビームスプリッタ(BS2)を透過して、同じく撮像素子(Uf)の撮像面に対し、前記実出力光束(Fo1,Fo2,…)と重畳して照射され、前記撮像素子(Uf)の撮像面に干渉像が形成されてそれが撮像され、かくして前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)の取得が実現される。
ただし、本図の場合、前記参照光束(Fr)の光軸を、撮像素子(Uf)の撮像面に対して垂直ではなく、傾けて設定することにより、前記実出力光束(Fo1,Fo2,…)の光軸と同軸にしない、いわゆるオフアクシス型とするものを想定している。
正弦波的な濃度型回折格子からは、+1次,0次,−1次の回折光が発生することに対応して、(ディジタル・ホログラフィ・イメージングを含む)ホログラフィにおいては、再構成される像も、正規像である+1次像,0次像(透過光),−1次像(共役像)の3種類が発生する。
オフアクシス型にしない場合(インライン型の場合)は、これら3種類の像を形成する光束が全て同じ方向に出力され、正規像に対して邪魔なノイズが重畳される結果となる。
オフアクシス型にする目的は、そのようにすることによって、これら3種類の像を形成する光束の方向が分離され、正規像に対して邪魔なノイズが重畳される問題を回避することにある。
ただし、オフアクシス型にすると干渉像の干渉縞が細かくなるため、撮像素子(Uf)として、画素寸法が微細で大画素数のものを使う必要が生じ、計算処理も重くなる欠点がある。
この問題を回避したい場合は、インライン型とした上で、前記した正規像に対して邪魔なノイズが重畳される問題を回避することが必要であるが、これに関しては従来より多種類の提案が行われている。
例えば、一例を挙げれば、前記参照光束(Fr)の位相をシフトさせた、複数枚の前記干渉像を撮像し、そのデータを用いた計算によって像を再構成する方法がある。 (参考文献:OPTICS LETTERS, Vol.22, No.16, Aug.15, 1997 p1268-1270, Yamaguchi I. et al: "Phase-shifting digital holography")
本光学系の位相取得方法においても、これを適用することが可能であり、前記参照光束(Fr)の位相をシフトさせるために、例えば、ピエゾ素子等による微動機構を用いて前記ミラー(Mr)を移動可能なように改造することにより実現できる。
位相取得対象の前記光学系(Ot)の大きさ、よって前記実出力光束(Fo1,Fo2,…)それぞれの、もしくは前記実出力光束(Fo1,Fo2,…)全体が占める空間の、光軸に垂直な断面の太さは千差万別であるが、入手可能な前記撮像素子(Uf)の前記撮像面(Sf)の寸法には限りがある。
したがって、場合によっては前記撮像面(Sf)の寸法が必要な大きさに対して不足する可能性があり、特に前記した、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)を取得する場合に、そのような事態に陥り易い。
この問題の回避について、本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する構成の概略図である図5を参照して説明する。
本図の構成では、図4に記載の構成に対し、前記光学系(Ot)の後段、すなわち前記光学系(Ot)と前記撮像素子(Uf)との間に、前記照明光束(Fs1,Fs2,…)の全体からなる光束群の太さを減じる作用を示すリレー光学系(Oq)を挿入してある。
前記照明光束(Fs1,Fs2,…)を受けて前記光学系(Ot)で生成された実出力光束(Fo1,Fo2,…)は、前記光学系(Ot)の光軸と同軸的に配置された前記リレー光学系(Oq)に入射され、該リレー光学系(Oq)から一括してリレー出力光束(Fq1,Fq2,…)が出力される。
そして前記リレー出力光束(Fq1,Fq2,…)は、前記ビームスプリッタ(BS2)で反射され、前記撮像素子(Uf)の前記撮像面(Sf)上に、その寸法からはみ出すことなく照射され、前記ビームスプリッタ(BS2)を透過して来た前記参照光束(Fr)と重畳されて干渉像が撮像される。
前記リレー光学系(Oq)の構成は、前記光学系(Ot)の構成に応じて決める必要があるため、どのようにして実現すればよいかを一概に述べることはできないが、普通は、前記光学系(Ot)の射出瞳と共役な縮小像を前記撮像面(Sf)上に形成するように設計することが好適である。
ただし、前記リレー光学系(Oq)と前記撮像面(Sf)との間に、前記ビームスプリッタ(BS2)が存在できなければならないため、前記リレー光学系(Oq)は、レトロフォーカス光学系として設計しなければならないことがあり、その場合は、前記リレー光学系(Oq)は、複数のレンズから構成する組合せレンズによって実現する必要がある。
前記リレー光学系(Oq)を介して取得した、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)から、前記光学系(Ot)の前記位相定義面(T)における前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれに属する実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… を取得する方法につき説明する。
先に前記リレー光学系(Oq)を介さずに取得した、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)から、前記光学系(Ot)の前記位相定義面(T)における前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれに属する実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… を取得する場合に、前記撮像面(Sf)から、再構成される実出力光束(Fo1,Fo2,…)が分離する方向へ、分離に必要な距離だけ離れた、光軸に垂直な平面である分離再構成面(Sg)まで伝播させる回折光学的光伝播シミュレーションを行い、再構成された実出力光束(Fo1)の前記分離再構成面(Sg)上での光束断面部(Go1)における光電界の位相分布 Ψg1(u",v") を算出する旨の説明を行った。
いまの前記リレー光学系(Oq)を介する場合も同様に、再構成される光束が分離して観測される適当な位置の光軸に垂直な平面、すなわち分離再構成面が存在するから、ある1個の光束(j番目とする)に注目して、該分離再構成面におけるその光束の位相分布を算出すれば、該分離再構成面の任意の点における光線の方向を決定することができる。
したがって、前記リレー光学系(Oq)の出力像空間にある該分離再構成面から前記リレー光学系(Oq)の入力像空間にある前記光学系(Ot)の前記位相定義面(T)に到達するまで、前記リレー光学系(Oq)の設計データに基づいて、本来の光の進行方向と逆方向に進む光線追跡シミュレーションを行うことにより、前記位相定義面(T)上の到達点の座標 (u,v) が決定できるとともに、該分離再構成面から前記位相定義面(T)までの光路長に波数を乗じて得た位相を該分離再構成面での位相から減じることによって前記位相定義面(T)上の到達点における実測位相分布 Ψsj(u,v) を決定することができ、よって、前記位相定義面(T)における位相分布を取得することができる。
そして、この操作を、再構成によって分離して観測された全ての光束に対して実行することにより、実測位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を取得することができる。
いまの説明から容易に理解できるように、前記リレー光学系(Oq)における光の伝播を逆行して光線追跡シミュレーションを行うため、前記リレー光学系(Oq)には設計上の収差があっても構わない。
ただし、前記リレー光学系(Oq)に含まれるレンズに、屈折面の曲率半径の誤差や面ダレ等の欠陥があったり、偏芯やレンズ間距離の誤差があれば、取得する位相分布に誤差が生じるため、注意深い加工が必要である。
図5の構成では、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)が一括して生成され、よって、前記干渉像データ(Df)には前記リレー出力光束(Fq1,Fq2,…)全てに関する情報が含まれているため、光束を分離する操作を行ったが、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれ毎に分割して前記干渉像データ(Df)を取得する場合は、前記撮像面(Sf)上の位相分布には1点から発した光の情報しか含まれないため、この位相分布から任意の点における光線の方向を決定することができ、したがって、この面から前記光学系(Ot)の前記位相定義面(T)までの逆行光線追跡シミュレーションを行えばよい。
前記した関数展開を、ツェルニケ多項式展開(参考文献:M. Born,E. Wolf (草川徹,横田英嗣 訳):光学の原理II(Principles of Optics),東海大学出版会発行,1980年12月20日 第4刷,9.2.1,付録VII)とすることが特に好適である。
ツェルニケ多項式は、単位円すなわち半径が1の円の内側で定義されるもので、そこでの座標 (α,β) を以下の式(式12)
α = ρcosθ
β = ρsinθ
で結ばれる極座標 (ρ,θ) で表すとして、位相 Ψ(ρ,θ) は、ツェルニケ多項式を用いると、本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する概念の概略図である図7のaに示すように、前記した展開関数であるツェルニケ多項式 Znm(ρ,θ) に、前記した展開係数であるツェルニケ展開係数 Anm を乗じたものの和で表される。
前記ツェルニケ多項式 Znm(ρ,θ) は、図7のbに示すように、動径関数 Rnm(ρ) と偏角関数 fm(θ) の積で表され、ここで前記動径関数 Rnm(ρ) は、図7のcに示す方法により決定され、また前記偏角関数 fm(θ) は、図7のdに示す通りである。
ただし図7に記載のように、主次数 n は0から適当に定めた上限 N までを扱い、副次数 m は主次数 n との差が偶数になるもののみを扱う。
また図7のcに示す計算において、(n+m)/2 - s の値が負の整数になる場合があり、その値の階乗は計算不可能であるが、階乗に関する一般的性質である J! = J・(J-1)! の逆数形式 1/(J-1)! = J/J! を、系列 J = 0,-1,-2,… に適用することにより、負の整数の階乗の逆数は0であると拡張解釈できるから、(n+m)/2 - s の値が負になる条件の s に対する ρ のべき乗項の係数は0とする。
なお、主次数 n の範囲 n = 0,1,…,10 におけるツェルニケ多項式 Znm(ρ,θ) の具体的な形は、以下の式(式13)
k n m Znm(ρ,θ)
1 0 0 +1
2 1 1 +ρ・cosθ
3 1 -1 +ρ・sinθ
4 2 2 +ρ^2・cos2θ
5 2 0 +2ρ^2 -1
6 2 -2 +ρ^2・sin2θ
7 3 3 +ρ^3・cos3θ
8 3 1 { +3ρ^3 -2ρ } cosθ
9 3 -1 { +3ρ^3 -2ρ } sinθ
10 3 -3 +ρ^3・sin3θ
11 4 4 +ρ^4・cos4θ
12 4 2 { +4ρ^4 -3ρ^2 } cos2θ
13 4 0 +6ρ^4 -6ρ^2 +1
14 4 -2 { +4ρ^4 -3ρ^2 } sin2θ
15 4 -4 +ρ^4・sin4θ
16 5 5 +ρ^5・cos5θ
17 5 3 { +5ρ^5 -4ρ^3 } cos3θ
18 5 1 { +10ρ^5 -12ρ^3 +3ρ } cosθ
19 5 -1 { +10ρ^5 -12ρ^3 +3ρ } sinθ
20 5 -3 { +5ρ^5 -4ρ^3 } sin3θ
21 5 -5 +ρ^5・sin5θ
22 6 6 +ρ^6・cos6θ
23 6 4 { +6ρ^6 -5ρ^4 } cos4θ
24 6 2 { +15ρ^6 -20ρ^4 +6ρ^2 } cos2θ
25 6 0 +20ρ^6 -30ρ^4 +12ρ^2 -1
26 6 -2 { +15ρ^6 -20ρ^4 +6ρ^2 } sin2θ
27 6 -4 { +6ρ^6 -5ρ^4 } sin4θ
28 6 -6 +ρ^6・sin6θ
29 7 7 +ρ^7・cos7θ
30 7 5 { +7ρ^7 -6ρ^5 } cos5θ
31 7 3 { +21ρ^7 -30ρ^5 +10ρ^3 } cos3θ
32 7 1 { +35ρ^7 -60ρ^5 +30ρ^3 -4ρ } cosθ
33 7 -1 { +35ρ^7 -60ρ^5 +30ρ^3 -4ρ } sinθ
34 7 -3 { +21ρ^7 -30ρ^5 +10ρ^3 } sin3θ
35 7 -5 { +7ρ^7 -6ρ^5 } sin5θ
36 7 -7 +ρ^7・sin7θ
37 8 8 +ρ^8・cos8θ
38 8 6 { +8ρ^8 -7ρ^6 } cos6θ
39 8 4 { +28ρ^8 -42ρ^6 +15ρ^4 } cos4θ
40 8 2 { +56ρ^8 -105ρ^6 +60ρ^4 -10ρ^2 } cos2θ
41 8 0 +70ρ^8 -140ρ^6 +90ρ^4 -20ρ^2 +1
42 8 -2 { +56ρ^8 -105ρ^6 +60ρ^4 -10ρ^2 } sin2θ
43 8 -4 { +28ρ^8 -42ρ^6 +15ρ^4 } sin4θ
44 8 -6 { +8ρ^8 -7ρ^6 } sin6θ
45 8 -8 +ρ^8・sin8θ
46 9 9 +ρ^9・cos9θ
47 9 7 { +9ρ^9 -8ρ^7 } cos7θ
48 9 5 { +36ρ^9 -56ρ^7 +21ρ^5 } cos5θ
49 9 3 { +84ρ^9 -168ρ^7 +105ρ^5 -20ρ^3 } cos3θ
50 9 1 { +126ρ^9 -280ρ^7 +210ρ^5 -60ρ^3 +5ρ } cosθ
51 9 -1 { +126ρ^9 -280ρ^7 +210ρ^5 -60ρ^3 +5ρ } sinθ
52 9 -3 { +84ρ^9 -168ρ^7 +105ρ^5 -20ρ^3 } sin3θ
53 9 -5 { +36ρ^9 -56ρ^7 +21ρ^5 } sin5θ
54 9 -7 { +9ρ^9 -8ρ^7 } sin7θ
55 9 -9 +ρ^9・sin9θ
56 10 10 +ρ^10・cos10θ
57 10 8 { +10ρ^10 -9ρ^8 } cos8θ
58 10 6 { +45ρ^10 -72ρ^8 +28ρ^6 } cos6θ
59 10 4 { +120ρ^10 -252ρ^8 +168ρ^6 -35ρ^4 } cos4θ
60 10 2 { +210ρ^10 -504ρ^8 +420ρ^6 -140ρ^4 +15ρ^2 } cos2θ
61 10 0 +252ρ^10 -630ρ^8 +560ρ^6 -210ρ^4 +30ρ^2 -1
62 10 -2 { +210ρ^10 -504ρ^8 +420ρ^6 -140ρ^4 +15ρ^2 } sin2θ
63 10 -4 { +120ρ^10 -252ρ^8 +168ρ^6 -35ρ^4 } sin4θ
64 10 -6 { +45ρ^10 -72ρ^8 +28ρ^6 } sin6θ
65 10 -8 { +10ρ^10 -9ρ^8 } sin8θ
66 10 -10 +ρ^10・sin10θ
のようである。
ここで、記号 ^ は累乗を表すもので、例えば ^2 は2乗を意味し、また k は単なる通し番号である。
前記実測位相 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… や前記追跡位相 Ψt1(u,v),Ψt2(u,v),… を、図7のaに示す位相 Ψ(ρ,θ) の形式で算出できるようにするための、前記ツェルニケ展開係数 Anm の決定方法について説明する。
ただし、前記したように、ツェルニケ多項式は単位円内でのみ定義されているから、前記位相定義面(T)での前記座標 (u,v) から、前記した式12で前記極座標 (ρ,θ) に結ばれる、α^2+β^2≦1 なる前記座標 (α,β) へ変換するための座標変換関数を決めておく必要がある。
以降においては、説明の簡素化のため、実測位相分布 …,Ψsj(u,v),… や追跡位相分布 …,Ψtj(u,v),… のツェルニケ多項式展開について述べる場合は、陽に言及しなくても、前記座標変換関数の適用して前記座標 (u,v) と前記座標 (α,β) との整合が行われることを前提とする。
知られているように、ツェルニケ多項式には、単位円内で直交する、すなわち2個のツェルニケ多項式 Znm(ρ,θ) と Zn'm'(ρ,θ) の積の単位円内での積分は、次数の組 n,m と n',m' が同一でない場合は0になるという特徴がある。
そして、次数の組 n,m と n',m' が同一の場合は、前記積分、すなわち2乗積分値 Snm は、副次数 m が0のとき Snm = π/(n+1) ,0でないとき Snm = π/2(n+1) となる。
この直交性を利用して、前記ツェルニケ展開係数 Anm を決定することができる。
すなわち、前記した式13のうちの任意の1個、例えば前記通し番号における k 番目のツェルニケ多項式を選んだとして、座標 (α,β) における展開したい実測位相分布 Ψsj(u,v) や追跡位相分布 Ψtj(u,v) の値と、(前記した式12に基づく座標変換 (α,β)→(ρ,θ) を用いた)同じ座標 (α,β) における k 番目のツェルニケ多項式 Znm(ρ,θ) の値との積を、単位円内、すなわち範囲 α^2+β^2≦1 において数値積分し、算出された積分値を、k 番目のツェルニケ多項式 Znm(ρ,θ) に対応する前記2乗積分値 Snm で除することにより、k 番目のツェルニケ多項式 Znm(ρ,θ) に対応するツェルニケ展開係数 Anm を求めることができる。
例えば、ツェルニケ多項式展開を n = 0,1,…,8 の範囲で行うならば、前記した式13のうちの、通し番号 k = 1,2,…,45 に対応する45個に注目し、いま述べた、k 番目のツェルニケ多項式 Znm(ρ,θ) に対応するツェルニケ展開係数 Anm を求めることを、k = 1 から 45 までに対して実行すればよい。
このような数値積分による方法以外にも、方程式を解くことによって展開係数を求める方法もある。
図7のaを以下の式(式14)
Ψ(α,β) = Σk{Ak・Zk(α,β)}
のように略記する。
ここで、和 Σ は、前記次数の組 n,m の代わりに、通し番号 k に基づいて行うこととし、前記した座標変換 (α,β)→(ρ,θ) を使うことを前提に、陽に表す座標を (α,β) に改めた表現とした。
先と同様に、通し番号 k = 1,2,…,45 に対応する45個のツェルニケ多項式で展開するならば、45個のツェルニケ展開係数 Ak の値を決定すればよいから、展開したい実測位相分布 Ψsj(u,v) や追跡位相分布 Ψtj(u,v) を保持する適当な45個の座標 (αi,βi) i = 1,2,…,45 を選び、その座標における実測位相分布 Ψsj(u,v) や追跡位相分布 Ψtj(u,v) のデータから位相の値を抽出して前記した式14の左辺とし、右辺のツェルニケ多項式 Z(α,β) は座標 (αi,βi) に基づく計算を行えば、45個の未知数 Ak k = 1,2,…,45 の線形結合による、45個の式からなる以下の式(式15)
Ψ(α1,β1) = Σk{Ak・Zk(α1,β1)}
Ψ(α2,β2) = Σk{Ak・Zk(α2,β2)}
‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
Ψ(αi,βi) = Σk{Ak・Zk(αi,βi)}
‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
を得る。
これは、未知数の個数と式の個数が同じ連立1次方程式であるため解くことができ、よって45個のツェルニケ展開係数 Ak の値を全て決定することができる。
あるいは、座標 (αi,βi) の数を45個より多く、例えば4〜5倍の個数の座標を選び、最小2乗法(参考文献:監修:大野豊,磯田和男:新版 数値計算ハンドブック,オーム社発行,1990年9月1日 第1版第1刷,第8章)によって45個のツェルニケ展開係数 Ak の値を決定するようにしてもよい。
これにつき、以下において簡単に説明する。
いま、座標 (αi,βi) を、例えば k の最大値45の4倍の180個をとるとして、この個数を簡単のため I とおく。
前記した式14の右辺の未知に係数 Ak を決定するために、i = 1,2,…,I に対応する座標 (αi,βi) における、Ψ(α,β) の測定値 Ψ(αi,βi) があるとき、それらの真の値からの誤差(の2乗和)を最小にするとして、最小2乗法が教える所に従い、k = 1 から 45 のそれぞれの k に対応する、45個の式から成る以下の式(式16)
Σj[Σi{Zj(αi,βi)・Zk(αi,βi)}]・Aj = Σi Ψ(αi,βi)・Zk(αi,βi)
( k = 1 から 45 )
を連立1次方程式として解くことになる。
ここで、Σi は i = 1,2,…,I の和、Σj は j = 1,2,…,45 の和を表す。
前記した式15は少々判り難いが、左辺の [ ] 内は k に依存する1個の数値で、Aj に乗ぜられた係数になっており、よって左辺は45個の Aj の線形結合、また右辺も k に依存する1個の数値であり、このような式が45個存在することを意味する。
これを視覚的に表すと、マーク □ を k に依存する数値として、式15は次のような式であることが判る。
k = 1: □・A1 + □・A2 + … + □・A45 = □
k = 2: □・A1 + □・A2 + … + □・A45 = □
… : ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
k = 45: □・A1 + □・A2 + … + □・A45 = □
つまり、式15は、45個の未知数 Aj を含む、45個の式から成る連立1次方程式であるから、それを解くことにより、Aj j = 1,2,…,45 を決定することができる。
以上においては、例として、前記した式13のうちの、主次数 n = 0,1,…,8 の範囲ツェルニケ多項式展開を採用するとして、通し番号 k = 1,2,…,45 に対応する45個を扱う場合について述べたが、何れの主次数まで採用するかは、実現したい精度に応じて決めればよい。
例えば、主次数 n を6までとするならば、通し番号 k は28まででよいが、主次数 n を10までとするならば、通し番号 k は66までとなる。
以上、本発明の光学系の位相取得方法について説明して来たが、次に、光学系の評価方法の一種である、本発明の光学系の位相取得方法を応用した光学系の結像シミュレーションについて説明する。
光学系において、設計上の収差に加えて、個々の結像光学素子の屈折面や反射面の形状の誤差や、偏芯、面間隔誤差、傾き等の組立て誤差などの欠陥があるとき、その性能がどのように影響を受けるかを評価する場合、例えば、光学系が、どの程度まで細かな画像情報を分解して入力(読取り)、あるいは出力(書込み)ができるかを検査するために、リソグラフィ技術を応用してガラス基板に金属蒸着膜によるパターンを形成した分解能テストチャートが利用される。
しかし、本発明においては、前記した分解能テストチャートを光学的に入出力する代わりに、分解能テストチャートの画像内容に相当する仮想入力パターンを仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点の集合として、計算機内のデータとして保持しておく。
ここで、発光点とは、例えば透過型テストチャートを裏側から照明したり、反射型テストチャートを表側から照明したときに見える像を、発光点の集合として扱うとする考え方に基づくもので、それ自身が発光するものに限定されない。
第1の発明に関して説明した、光学系(Ot)の入力側に対して前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)を設けてそれぞれに関する干渉像データ(Df)を取得し、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する前記展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… を決定して保持する工程を、評価対象の光学系(Ot)において行えば、前記した第1の発明または第2の発明として説明した方法を用いて(当然、前記光学系(Ot)の設計データが既知で第2の発明の方法を用いる場合は、光線追跡シミュレーションによる前記展開係数の組 Bjn n=0,1,2,… をデータとして保存しておくとして)、前記仮想発光点集合に含まれる座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点それぞれについての前記位相定義面(T)における位相分布 Ψ1(u,v),Ψ2(u,v),… を決定することができる。
したがって、決定した前記位相分布 Ψ1(u,v),Ψ2(u,v),… それぞれ毎に、前記位相定義面(T)から規定の出力像面(Ho)までの回折光学的光伝播シミュレーションを行うことによって、前記座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点それぞれが形成する前記出力像面(Ho)における光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),… を算出することができる。
ただし、シミュレーション時に想定する入力像集合、すなわち前記仮想入力パターンの発光が(あるいはテストチャートに対する照明光が)、可干渉なのか非可干渉なのかによって、算出した前記光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),… の取り扱いに差異が生じる。
可干渉の場合は、前記座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点それぞれの発光の位相差を、算出した前記光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),… それぞれに加算した上で、複素数のまま重ね合わせた光電界分布を計算し、全ての重ね合わせが終わった後で、光電界振幅を2乗して光強度分布を算出する。
ここで、仮想発光点それぞれの位相差とは、テストチャートに対する照明の角度に依存し、例えば、光軸に垂直に置かれた透過型テストチャートに対し、裏側から光軸方向の可干渉平行光で照明する場合は、位相差は無い。
一方非可干渉の場合は、算出した前記光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),… それぞれの振幅を2乗したものを重ね合わせた光強度分布を算出する。
ところで、以上においては、2次元配列データである前記位相 Ψ1(u,v),Ψ2(u,v),…,Ψj(u,v),… を全ての j に対して取得した後、各 j に対する光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),…,ej(u,v),… を取得するように記述したが、これは、内容を理解し易くするために、前記実測位相分布を取得する工程と、前記展開係数の組を取得する工程とに説明を分けたものであって、本発明を実施する際は、前記実測位相分布 Ψsj(u,v) を取得すれば直ちに前記光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),…,ej(u,v),… を取得することを、前記座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),…,(xj,yj,zj),… にある仮想発光点それぞれに対して遂行するようにしてよいし、この仕方の方が、前記位相 Ψ1(u,v),Ψ2(u,v),…,Ψj(u,v),… の全てを同時に保持する期間を無くすことができる点で有利である。
先に、設計上の収差に加えて、個々の結像光学素子の屈折面や反射面の形状の誤差や、偏芯、面間隔誤差、傾き等の組立て誤差などの欠陥があるときの光学系の評価のために、分解能テストチャートを光学的に入出力することに言及し、それを本発明に基づいて結像シミュレーションする方法について述べたが、分解能に関する性能の指標となる数値を算出し、それによって定量的に評価したい場合もある。
例えば電気回路的増幅器の場合には、正弦波の入力信号の周波数の上昇に伴い、出力信号の増幅率や位相遅れがどのように変化するかを調べるために、フーリエ変換計算に基づく伝達関数が評価される。
結像光学系の場合、入力画像の空間周波数の上昇に伴い、出力画像のコントラストや位相シフトがどのように変化するかを調べるために、同じくフーリエ変換計算に基づく光学的伝達関数、すなわちOTF(参考文献:M. Born,E. Wolf (草川徹,横田英嗣 訳):光学の原理II(Principles of Optics),東海大学出版会発行,1980年12月20日 第4刷, 9.5)が評価される。
ただし、電気回路的増幅器の場合、非線形応答による波形歪みを考えない限り、単調な正弦波的波形の繰り返しが続くだけであるため、伝達関数は1個しかないが、光学系の場合は、画面の場所に依存して分解能が変化するため、評価したい画面上の場所が複数ある場合は、場所毎にOTFを計算する必要がある点が相違する。
以下において、光学系の評価方法の一種である、本発明の光学系の位相取得方法を応用した光学系のOTF評価のための計算方法について説明する。
いま、評価したい画面上の場所として、仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における座標 (x,y,z) にある仮想発光点を考えることとする。
第1の発明に関して説明した、光学系(Ot)の入力側に対して前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)を設けてそれぞれに関する干渉像データ(Df)を取得し、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する前記展開係数の組 Ajn n=0,1,2,… を決定して保持する工程を、評価対象の光学系(Ot)において行えば、前記した第1の発明または第2の発明として説明した方法を用いて(当然、前記光学系(Ot)の設計データが既知で第2の発明の方法を用いる場合は、光線追跡シミュレーションによる前記展開係数の組 Bjn n=0,1,2,… をデータとして保存しておくとして)、座標 (xr,yr,zr) にある仮想発光点についての前記位相定義面(T)における位相分布 Ψr(u,v) を決定することができる。
ただし、OTFを取得するためには、位相分布に基づき、光路長収差分布を求める必要がある。
ここで、光路長収差 H(U,V) とは、本発明の光学系の位相取得方法の技術に関連する概念の概略図である図6に示すように、入力像点(Qi)から発した光線が前記光学系(Ot)を通過して、任意に設けた収差定義仮想面(K)に至って交差する、座標 (U,V) の点(B)までの光路長 Γ(U,V) と、前記点(B)から、前記入力像点(Qi)と共役な理想出力像点(Qo)に至る、仮想的な光線の仮想光路長 Γo(U,V) との和 Γ(U,V)+Γo(U,V) について、主光線のそれとの差、すなわち以下の式(式17)
H(U,V) = Γ(U,V)+Γo(U,V) −(Γp+Γop)
で定義される。
ただし、Γp は、前記入力像点(Qi)から発した主光線が前記収差定義仮想面(K)に至って交差する点(Bp)までの光路長、Γop は、前記点(Bp)から前記理想出力像点(Qo)に至る仮想的な主光線の仮想光路長である。
なお、前記理想出力像点(Qo)の「理想」とは、その位置が、無収差な近軸理論によって予言されることを意味する。
なお、図6では、主光線が判り易いよう、前記入力像点(Qi),理想出力像点(Qo)が y,Y 軸上にあるように描いたが、実際の応用においては、それに限定されるものではない。
いまの場合、前記した座標 (xr,yr,zr) にある仮想発光点が前記入力像点(Qi)に相当する。
また、図6では、前記収差定義仮想面(K)が、前記位相定義面(T)より後方にある光軸に垂直な平面とした場合を描いてあるが、前記収差定義仮想面(K)は、前記位相定義面(T)と同じであるようにしてもよく、また、例えば、前記した仮想的な主光線に垂直な平面としてもよいし、さらに、前記理想出力像点(Qo)を中心とする球面であってもよく、特にこの場合の光路長収差は、波面収差と呼ばれる。
前記収差定義仮想面(K)を前記位相定義面(T)と同じにする場合は、前記光路長 Γ(U,V) は、先に述べたように、前記位相定義面(T)における前記位相分布 Ψr(u,v) から、それを波数で除することによって直接求めることができる。
しかし、前記収差定義仮想面(K)を前記位相定義面(T)と同じにしない場合は、先に述べたものと同様に、前記位相定義面(T)から前記収差定義仮想面(K)までの回折光学的光伝播シミュレーションによって、一旦前記収差定義仮想面(K)における位相分布を取得し、前記光路長 Γ(U,V) を求めればよい。
以降においては、取扱いが簡単なように、前記収差定義仮想面(K)を前記位相定義面(T)と同じにとり、また先述のように、前記位相定義面(T)を前記光学系(Ot)の射出瞳にとる場合について説明する。
光路長収差分布 H(U,V) を含む、以下の式(式18)
G(U,V) = E(U,V) exp{−2πiH(U,V)/λ}
の瞳関数を定義する。
ここで、E(U,V) は、射出瞳の外に対応する位置では値が0となる関数であり、もし、瞳において照度分布や透過率分布が存在する場合は振幅の分布、位相フィルタのようなものが存在するする場合は位相シフトの分布を有する関数として E(U,V) に含めることができる。 なお i は虚数単位である。
いま、入力像空間座標において、z 座標が一定の平面上の入力像を考え、したがって、この平面に共役な平面上の出力像を考えるとして、出力像平面 X,Y における、X 方向の空間周波数を m 、Y 方向の空間周波数を n と書くことにすると、OTFは m と n の関数として表されることになる。
入力像集合が可干渉の場合は、OTFは、以下の式(式19)
OTF(m,n) = G(λLm+X,λLn+Y)
によって計算することができる。
ただし、L は、前記点(Bp)から前記理想出力像点(Qo)に至る仮想的な主光線に沿う経路の長さを表す。
また、入力像集合が非可干渉の場合は、OTFは、以下の式(式20)
OTF(m,n) = ∫∫G(λL(m+m'),λL(n+n'))
・G~(λLm',λLn')dm'dn'
の自己相関積分によって計算することができる。
ただし、積分領域は −∞ から +∞ とし、記号 ~ は複素共役を表す。
光学系に前記した収差や欠陥が存在し、その程度が悪くなればなるほど、空間周波数 m ,n の増加に対するOTFの低下が急激になるため、光学系(Ot)の評価に活用することができる。
なお、前記した収差や欠陥が光学系の性能に及ぼす影響は、画面の周辺ほど大きいため、前記入力像点(Qi)は、仕様上の最大画角に相当する位置で、光軸回りの複数の箇所に設定し、各箇所に対するOTFを評価することが好適である。
以上、前記光路長収差分布 H(U,V) に基づいて前記光学系(Ot)の評価を行うものの一例として、OTFを求めて評価する場合について説明したが、前記した式17によって求めた前記入力像点(Qi)に属する前記光路長収差分布 H(U,V) を前記したツェルニケ多項式展開し、例えば通し番号 k 毎の展開係数の大きさによって前記光学系(Ot)を評価するようにしてもよい。
なお、ツェルニケ多項式展開のための計算方法は、先に前記実測位相 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… や前記追跡位相 Ψt1(u,v),Ψt2(u,v),… のツェルニケ多項式展開について説明したものと同様の計算を、前記光路長収差分布 H(U,V) に対して適用すればよい。
個々の k のツェルニケ多項式は、収差論に基づいて分類された収差に対応するから、ある k のツェルニケ展開係数 Anm の大きさは、その k に対応する分類の収差の大きさを表しており、したがって、ツェルニケ展開係数の大きさによって前記光学系(Ot)の評価を行うことができる。
以上、本発明の光学系の評価方法の実施例として、OTFおよびツェルニケ多項式展開による評価に応用するものについて説明したが、本発明に基づいて光学系の光路長収差分布 H(U,V) を取得することは、干渉計によって光学系を観測することと同等であるから、干渉計を利用して行う光学系の評価技術の全てに対し、本発明を適用することが可能である。
本発明は、レンズ検査装置など、設計上の収差に加えて、個々の結像光学素子の屈折面や反射面の形状の誤差や、偏芯、面間隔誤差、傾き等の組立て誤差などの欠陥が内在する場合を含め、例えば任意の入力像パターンに対する回折光学的結像シミュレーションを行ったり、OTFやツェルニケ展開係数を計算することによって光学系の評価を行う際に有用性のある光位相やその分布を取得する方法を活用する産業において利用可能である。
Ai 照明光束生成用ビーム
Ar 参照光束生成用ビーム
As 光源ビーム
B 点
BEi ビームエキスパンダ
BEr ビームエキスパンダ
Bp 点
BS1 ビームスプリッタ
BS2 ビームスプリッタ
Df 干渉像データ
Fi 1次照明光束
Fo1 実出力光束
Fo2 実出力光束
Fq1 リレー出力光束
Fq2 リレー出力光束
Fr 参照光束
Fs1 照明光束
Fs2 照明光束
Go1 光束断面部
Ho 出力像面
K 収差定義仮想面
La 直線
Lb 直線
Lic コリメータレンズ
Lif 集光レンズ
Lm レンズアレイ
Lrc コリメータレンズ
Lrf 集光レンズ
Mi ミラー
Mr ミラー
Oc 光束変換光学系
Oq リレー光学系
Ot 光学系
Pe 交点
Pm マスク板
Ps1 実入力像点
Ps2 実入力像点
Psi 実入力像点
Psj 実入力像点
Psk 実入力像点
Pt1 入力像点
Pt2 入力像点
Ptj 入力像点
Qi 入力像点
Qo 理想出力像点
Sf 撮像面
Sg 分離再構成面
T 位相定義面
Ua ピンホール開口
Uf 撮像素子
Up 処理装置
Us 1次可干渉光源

Claims (8)

  1. 1個以上の結像光学素子から構成される光学系(Ot)の位相取得を行う方法であって、
    前記光学系(Ot)の入力側に対して規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1) の位置にある、1個の実入力像点(Ps1)から発する照明光束(Fs1)で前記光学系(Ot)を照明したときに、前記光学系(Ot)から出力される実出力光束に対し、これと可干渉な参照光束(Fr)を重畳せしめて生ずる干渉像を撮像素子(Uf)によって撮像して干渉像データ(Df)を取得し、前記光学系(Ot)の出力側に対して規定の相対位置にある位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1)に属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v) を、前記干渉像データ(Df)に基づいて取得することを、規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の位置にある、複数個の実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに対して実行することによって、前記位相定義面(T)における前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を取得し、
    前記実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… のそれぞれを、前記位相定義面(T)での座標 (u,v) を変数とする、複数個の展開関数 μn(u,v) によって関数展開して係数付き和 Σn{Ajn・μn(u,v)} として表すための、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する複数個の展開係数 Ajn の組を取得した上で、
    仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における座標 (x,y,z) にある仮想発光点について、該仮想発光点から発する仮想照明光束で前記光学系(Ot)を照明したときの、前記光学系(Ot)からの仮想出力光束の、前記位相定義面(T)における広義位相 Ψ(u,v) を取得するために、
    前記実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の集合のなかで前記仮想発光点の前記座標 (x,y,z) が占める位置に基づく前記した展開係数 Ajn の組に対する補間計算を行うことによって補間展開係数 An の組を算出しておき、
    前記位相定義面(T)上の具体的な座標 (u,v) の値を与えて、展開関数 μn(u,v) の係数付き和 Σn{An・μn(u,v)} によって広義位相 Ψ(u,v) を決定することを特徴とする光学系の位相取得方法。
  2. 1個以上の結像光学素子から構成される光学系(Ot)の位相取得を行う方法であって、
    前記光学系(Ot)の入力側に対して規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1) の位置にある、1個の実入力像点(Ps1)から発する照明光束(Fs1)で前記光学系(Ot)を照明したときに、前記光学系(Ot)から出力される実出力光束に対し、これと可干渉な参照光束(Fr)を重畳せしめて生ずる干渉像を前記撮像素子(Uf)によって撮像して干渉像データ(Df)を取得し、前記光学系(Ot)の出力側に対して規定の相対位置にある位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1)に属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v) を、前記干渉像データ(Df)に基づいて取得することを、規定の実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の位置にある、複数個の実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに対して実行することによって、前記位相定義面(T)における前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… を取得し、
    前記実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),…,Ψsj(u,v),… のそれぞれを、前記位相定義面(T)での座標 (u,v) を変数とする、複数個の展開関数 μn(u,v) によって関数展開して係数付き和 Σn{Ajn・μn(u,v)} として表すための、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する複数個の展開係数 Ajn の組を取得し、
    前記光学系(Ot)の設計データに基づいて、前記実入力像点(Ps1)に相当する入力像点(Pt1)から発する複数本の光線の光線追跡シミュレーションによって、前記入力像点(Pt1)から前記位相定義面(T)に至るまでの光路長 Γ1(u,v) を算出し、該光路長 Γ1(u,v) に基づいて前記位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1)に属する追跡広義位相分布 Ψt1(u,v) を取得することを、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)に相当する入力像点(Pt1,Pt2,…,Ptj,…)それぞれに対して実行することによって、前記位相定義面(T)における、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…,Psj,…)それぞれに属する追跡広義位相分布 Ψt1(u,v),Ψt2(u,v),…,Ψtj(u,v),… を取得し、
    前記追跡広義位相分布 Ψt1(u,v),Ψt2(u,v),…,Ψtj(u,v),… のそれぞれを、前記位相定義面(T)での座標 (u,v) を変数とする、複数個の展開関数 μn(u,v) によって関数展開して係数付き和 Σn{Bjn・μn(u,v)} として表すための、前記入力像点(Pt1,Pt2,…,Ptj,…)それぞれに属する複数個の展開係数 Bjn の組を取得し、
    前記実測広義位相分布と前記追跡広義位相分布との差異である広義位相差異分布 …,Ψsj(u,v)−Ψtj(u,v),… のそれぞれを係数付き和 Σn{Δjn・μn(u,v)} として表すための、展開係数 Δjn を、それぞれ差分 Ajn−Bjn によって計算して取得した上で、
    仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における座標 (x,y,z) にある仮想発光点について、該仮想発光点から発する仮想照明光束で前記光学系(Ot)を照明したときの、前記光学系(Ot)からの仮想出力光束の、前記位相定義面(T)における広義位相 Ψ(u,v) を取得するために、
    先ず前記実入力像空間座標 (xs1,ys1,zs1),(xs2,ys2,zs2),…,(xsj,ysj,zsj),… の集合のなかで前記仮想発光点の前記座標 (x,y,z) が占める位置に基づく前記した展開係数 Δjn の組に対する補間計算を行うことによって補間展開係数 Δn の組を算出しておき、
    次に前記光学系(Ot)の設計データに基づいて、座標 (x,y,z) にある仮想発光点から発する光線の光線追跡シミュレーションによって、前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点から前記位相定義面(T)に至るまでの光路長 Γ(u,v) を算出し、該光路長 Γ(u,v) に基づいて前記位相定義面(T)における理想広義位相 Ψ'(u,v) を取得し、これに対する補正として、前記位相定義面(T)上の具体的な座標 (u,v) の値を与えて、展開関数 μn(u,v) の係数付き和 Σn{Δn・μn(u,v)} によって前記実測広義位相と前記追跡広義位相との差異である広義位相差異 δΨ(u,v) を算出し、前記理想広義位相 Ψ'(u,v) と前記広義位相差異 δΨ(u,v) との和 Ψ'(u,v)+δΨ(u,v) として広義位相 Ψ(u,v) を決定することを特徴とする光学系の位相取得方法。
  3. 前記した前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれに属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… を取得する工程において、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれ毎に分割して前記干渉像データ(Df)を取得することを特徴とする請求項1から2に記載の光学系の位相取得方法。
  4. 前記した前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)それぞれに属する実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… を取得する工程において、前記実入力像点(Ps1,Ps2,…)の全てに関する干渉像の情報を一括して含む前記干渉像データ(Df)を取得した上で、前記実測広義位相分布 Ψs1(u,v),Ψs2(u,v),… それぞれに分離することを特徴とする請求項1から2に記載の光学系の位相取得方法。
  5. 前記光学系(Ot)と前記撮像素子(Uf)との間にリレー光学系(Oq)を挿入して、前記光学系(Ot)から出力される実出力光束が前記リレー光学系(Oq)に入力され、該リレー光学系(Oq)がその出力光束であるリレー出力光束を出力するようにし、前記参照光束(Fr)を重畳せしめて生ずる干渉像を前記撮像素子(Uf)によって撮像する対象を、前記光学系(Ot)から出力される実出力光束に替えて、前記リレー出力光束とすることを特徴とする請求項1から2に記載の光学系の位相取得方法。
  6. 前記関数展開がツェルニケ多項式展開であることを特徴とする請求項1から2に記載の光学系の位相取得方法。
  7. 前記光学系(Ot)の結像シミュレーションによって評価を行う方法であって、
    結像シミュレーションの対象とする仮想入力パターンを、仮想入力像空間座標系 (x,y,z) における座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点の集合で表すとして、
    前記仮想発光点集合に含まれる座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点それぞれについての前記位相定義面(T)における広義位相分布 Ψ1(u,v),Ψ2(u,v),… を、請求項1から2に記載の、座標 (x,y,z) にある仮想発光点についての前記位相定義面(T)における前記広義位相 Ψ(u,v) を取得する方法によって決定し、
    前記位相定義面(T)から規定の出力像面(Ho)までの回折光学的光伝播シミュレーションを行うことによって、前記座標 (x1,y1,z1),(x2,y2,z2),… にある仮想発光点それぞれが形成する前記出力像面(Ho)における光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),… を算出し、
    前記光電界分布 e1(X,Y),e2(X,Y),… を重ね合わせて出力パターンを取得することを特徴とする光学系の評価方法。
  8. 前記光学系(Ot)の評価を行う方法であって、
    座標 (xr,yr,zr) にある仮想発光点についての前記位相定義面(T)における広義位相分布 Ψr(u,v) を、
    請求項1から2に記載の、前記座標 (x,y,z) にある仮想発光点についての前記位相定義面(T)における前記広義位相 Ψ(u,v) を取得する方法によって決定し、
    任意に設けた収差定義仮想面上の座標 (U,V) の位置から、前記した座標 (xr,yr,zr) にある仮想発光点と共役な座標 (Xr,Yr,Zr) にある理想出力像点に至る光路長と、前記広義位相分布 Ψr(u,v) に基づいて、前記収差定義仮想面における光路長収差分布 H(U,V) を決定し、
    前記光路長収差分布 H(U,V) に基づいて前記光学系(Ot)の評価を行うことを特徴とする光学系の評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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