JP2012510456A - ザナミビルの製造方法及び該方法に使用するための中間体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、メチル5-アセトアミド-4-アミノ-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(V)を製造する方法であって、メチル5-アセトアミド-4-アジド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(IV)を、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、亜鉛/塩化アンモニウム、亜鉛-塩化第二鉄、及び塩化第二鉄/ヨウ化ナトリウムからなる群から選択される還元剤の存在下で還元することを含む、前記方法を提供する。本発明は、ザナミビルの合成に使用できる、式(VIII)及び(IX)の化合物も提供する。本発明は、化合物(VIII)及び(IX)の製造方法、並びにザナミビルの合成を含む、それらの使用を含む方法も提供する。
【化1】
Figure 2012510456

【選択図】 なし

Description

(発明の分野)
本発明は、ノイラミニダーゼ阻害剤を製造するための改善された方法に関する。より詳細には、本発明は、ザナミビルの製造方法及び該方法に使用するための新規な中間体に関する。
(背景及び従来技術)
ザナミビルは、商業的に開発された最初のノイラミニダーゼ阻害剤であり、A型インフルエンザウイルス及びB型インフルエンザウイルスの両方の治療及び予防に使用されている。化学的には、ザナミビルは、5-(アセチルアミノ)-4-[(アミノイミノメチル)アミノ]-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノン酸(式I)であり、以下の構造により表される。
Figure 2012510456
ザナミビルは、インフルエンザノイラミニダーゼ酵素の保存領域に結合するが、該酵素は、糖脂質及び糖タンパク質に結合した末端シアル酸の切断を主に触媒する。
ザナミビルの製造方法は、最初に欧州特許第0526543号に記載された。該特許に利用されている合成方法は、以下の反応スキーム1に示される。
Figure 2012510456
式中、三フッ化ホウ素エーテラートによる、メチル5-アセトアミド-4-アセトキシ-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(II)の選択的脱アセチル化により、メチル5-アセトアミド-4-ヒドロキシ-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(III)が生じるが、トリフルオロメタンスルホン酸無水物及びアジ化ナトリウムによりさらに処理すると、メチル5-アセトアミド-4-アジド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(IV)が生じる。中間体化合物(IV)をピリジン中で硫化水素により還元すると、対応するメチル5-アセトアミド-4-アミノ-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート中間体(V)が生じ、最後に水中でS-メチルイソチオ尿素と縮合させ、水酸化アンモニウム水溶液中でDowex50W×8に通して鹸化すると、ザナミビル(I)を与える。開示された方法に伴う問題は、硫化水素ガスを約16時間通しても、4-アジド中間体が4-アミノ化合物に完全には還元しないことである。また、該ガスの過剰な使用により、4-アジド基とともに2,3-二重結合の望ましくない還元の危険性もある。過還元は望ましくない生成物を形成し、望ましくない生成物を分離するために追加の精製処置が必要になる。
国際公開第1994/07885号は、国際公開第1991/16320号から得られる5-アセトアミド-4-アミノ-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボン酸(VI)を、酢酸ナトリウムの存在下で臭化シアンにより処理して4-シアノアミド誘導体(VII)を与え、それをさらにギ酸アンモニウム及びアンモニアと反応させることによる、以下のスキーム2に与えられるザナミビルの製造方法を開示している。
Figure 2012510456
オーストラリア特許第672634号は、5-アセトアミド-4-アミノ-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボン酸(VI)とピラゾール-1H-カルボキサミジンとの反応による、ザナミビルの合成を開示している。
欧州特許第0539204号も、シアノ誘導体(VII)のアミン誘導体による処理又は4-アミノ化合物(VI)のカルバムイミド化合物による処理による、ザナミビルの製造を開示している。
欧州特許第0623121号は、メチル5-アセトアミド-4-アジド-2,3-ジデヒドロ-2,3,4,5-テトラデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシドネートをそのメチル5-アセトアミド-4-アミノ-2,3-ジデヒドロ-2,3,4,5-テトラデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシドネート形態に転化するためのリンドラー触媒(鉛をドープしたパラジウム触媒)の使用を開示している。反応物溶液からのリンドラー触媒の回収には費用のかかる処置が必要であり、そのため該方法を高価なものにさせることが見出されている。またこの触媒は被毒のため寿命が短い。
ザナミビルの合成に使用される中間体の1つは式VIの化合物であり、その合成は、これまで、アジド前駆体のリンドラー触媒による還元又は硫化水素ガスの使用のいずれかが、上述の特許に記載されている。このような方法は、過酷な反応条件のため望ましくない不純物を多く生成し、それがさらに生成物の純度及び収率に影響を与える。そのため、化合物(VI)を合成するための代替方法が必要である。
従来技術の方法に関連する問題には、高価な触媒の使用、費用のかかる回収処置、及び長い反応時間がある。したがって、これらの問題を克服するために、簡単で、経済的で、環境に優しく、工業的に大規模に実施可能である、改良された、又は代替のザナミビルの製造方法が必要である。
本発明の第1の態様によると、メチル5-アセトアミド-4-アミノ-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(V)を製造する方法であって、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、亜鉛/塩化アンモニウム、亜鉛-塩化第二鉄、及び塩化第二鉄/ヨウ化ナトリウムからなる群から選択される還元剤の存在下での、メチル5-アセトアミド-4-アジド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(IV)の還元を含む方法を提供する。
Figure 2012510456
一実施態様において、該還元剤は亜鉛/塩化アンモニウム、好ましくは亜鉛末/塩化アンモニウムである。
本発明の他の態様によると、式(V)の化合物とハロゲン化シアンとの反応を含む、式(VIII)の化合物の製造方法が提供される。
Figure 2012510456
一実施態様において、該ハロゲン化シアンは臭化シアンである。
一実施態様において、式(V)の化合物は、上述の方法により製造された。
本発明の他の態様によると、式(VIII)の化合物の脱アセチル化を含む、式(IX)の化合物の製造方法が提供される。
Figure 2012510456
一実施態様において、該脱アセチル化剤は、メタノール/ヨウ素、メタノール/水、ナトリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、及びナトリウムメトキシドからなる群から選択される。好ましくは、脱アセチル化剤はナトリウムメトキシドである。
一実施態様において、化合物(VIII)は上述の方法により製造された。
本発明の他の態様によると、式(IX)の化合物のエステル基の加水分解を含む、式(VII)の化合物の製造方法が提供される。
Figure 2012510456
一実施態様において、加水分解は、有機又は無機の塩基の存在下で起こる。有機塩基は、ピリジン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、及びナトリウムエトキシドからなる群から選択できる。無機塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、及び重炭酸カリウムからなる群から選択できる。
一実施態様において、化合物(IX)は、上述の方法により製造された。
本発明の他の態様によると、上述の方法による式(VII)の化合物の製造及びアンモニアの存在下での式(VII)の化合物とギ酸アンモニウムとの反応を含む、式(I)のザナミビルの製造方法が提供される。
Figure 2012510456
一実施態様において、アンモニアは、気体アンモニア、液体アンモニア、又はアンモニア水溶液の形態である。好適には、ザナミビルを形成する化合物(VII)の反応は、約80℃から約100℃の範囲の高温で実施される。
典型的には、ザナミビルは固体として単離される。粗固体を精製してよい。例えば、該方法は、粗ザナミビルを再結晶化することをさらに含んでよい。一実施態様において、固体生成物は、水、アルコール溶媒、又はこれらの混合物により精製できる。典型的には、例えばHPLCにより測定して99.5%以上の純度など、高い純度を持つ精製されたザナミビルが製造される。
本発明の他の態様によると、式(VIII)のメチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートが提供される。
Figure 2012510456
本発明の他の態様によると、式(IX)のメチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートが提供される。
Figure 2012510456
本発明の他の態様によると、ザナミビルの合成における式(VIII)のメチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートの使用が提供される。
Figure 2012510456
本発明の他の態様によると、ザナミビルの合成における式(IX)のメチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートの使用が提供される。
Figure 2012510456
本発明の他の態様によると、純度が99.5%以上のザナミビルが提供される。
本発明の他の態様によると、上述の方法により製造されたザナミビルが提供される。
本発明の他の態様によると、上述の方法により製造されたザナミビルを、1種以上の賦形剤とともに含む医薬組成物が提供される。
本発明の他の態様によると、上述の方法により製造されたザナミビルの医薬における使用が提供される。
本発明の他の態様によると、A型インフルエンザウイルス又はB型インフルエンザウイルスの治療又は予防に使用するための、上述の方法により製造されたザナミビルが提供される。
(発明の詳細な説明)
本発明を、その種々の態様がより完全に理解され、かつ認識されるように、ここで、特定の好ましく、かつ任意な実施態様に関して詳細に説明する。
一実施態様において、本発明は、以下のスキーム3に示されるとおり、メチル5-アセトアミド-4-アミノ-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(V)の製造方法を提供する。
Figure 2012510456
水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、亜鉛/塩化アンモニウム、亜鉛-塩化第二鉄、及び塩化第二鉄/ヨウ化ナトリウムからなる群から選択される還元剤、好ましくは亜鉛末/塩化アンモニウムにより、メチル5-アセトアミド-4-アジド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(欧州特許第0526543号に記載される方法に従い得られる)(IV)を還元すると、式(V)の化合物が形成する。
アジド基の対応するアミン基への還元は穏やかな条件下で起こり、より穏やかな還元剤の使用により室温(例えば、25℃〜35℃)で実施できる。
また、亜鉛の重要な特徴は、例えば、従来技術の方法に比べて、該方法では完了に必要な時間が短いことがある。
さらに、亜鉛を使用すると、例えば、環の2,3-二重結合の望ましくない還元が起こらず、そのため副生成物の形成を防ぐ。
他の実施態様において、本発明は、以下のスキーム4に示されるとおり、新規な中間体VIII及びIXの使用を含む、ザナミビルの製造方法を提供する。
Figure 2012510456
したがって、一実施態様において、本発明は、下記を含む、式Iのザナミビルの製造方法を提供する:
A)式(V)の化合物を、フッ化シアン、塩化シアン、臭化シアン、又はヨウ化シアンから選択することができるハロゲン化シアンにより処理して、メチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(VIII)を得る工程;
B)中間体(VIII)を脱アセチル化して、メチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(IX)を得る工程。該反応は、メタノール/ヨウ素、メタノール/水、ナトリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、又はナトリウムメトキシドからなる群から選択することができる脱アセチル化剤の存在下で実施できる;
C)塩基性媒体中で化合物(IX)を加水分解して、式(VII)の5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボン酸を得る工程。該反応に使用される塩基は有機でも無機でもよい。有機塩基は、ピリジン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、及びナトリウムエトキシドからなる群から選択してよい。無機塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、及び重炭酸カリウムからなる群から選択してよい;
D)気体アンモニア、液体アンモニア、又はアンモニア水溶液の形態でよいアンモニアの存在下で、例えば80℃から100℃の範囲の高温で、化合物(VII)をギ酸アンモニウムと反応させて、ザナミビル(I)を得る工程。
固体生成物を、任意に、水、アルコール溶媒、又はこれらの混合物により精製して、HPLC純度が99.5%以上の高純度ザナミビルを得ることができる。
典型的には、本発明のザナミビル(I)の製造方法は、以下のスキーム5に示される。
Figure 2012510456
さらに他の実施態様において、ザナミビルの製造方法は、先行する工程で得られた中間体を単離することにより実施される。
一実施態様において、本発明の方法は、安価で容易に除去可能な触媒である還元剤としての亜鉛/塩化アンモニウムの使用を含む。さらに、この触媒を使用すると、還元が起こるのに約4から16時間要する従来技術の方法に比べ、反応の完了に要する時間が短い。本発明の方法は、簡単で、経済的で、環境に優しく、工業的に大規模に実施可能である。
以下の実施例は、好ましい実施態様を含み、本発明の実施を説明するのに役立つが、示される詳細が、例示のためであり、かつ本発明の好ましい実施態様を説明する議論のためのものであることが理解される。
(工程A:メチル5-アセトアミド-4-アミノ-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートの製造−化合物(IV)から化合物(V)へ)
反応容器に、55gのメチル5-アセトアミド-4-アジド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート、500mlの変性アルコール、及び100mlの水を、室温で攪拌しながら加えた。反応塊に、14gの塩化アンモニウム及び18gの亜鉛末を加えた。反応混合物を20℃〜30℃で30分間攪拌した。反応が完了すると、反応塊を10℃に冷却し、次いでハイフロ(hyflo)に通して濾過した。濾液を真空下で濃縮すると固体生成物が得られ、次いでこれを約200mlの塩化メチレンに溶かした。有機層を濾過し濃縮すると、52gの固体標題化合物を与え、真空下で乾燥した(収率−94%、HPLC純度−96%)。
(工程B:メチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートの製造−化合物(V)から化合物(VIII)へ)
工程Aから得られた10gの化合物を70mlのメタノールと攪拌した。生じた反応塊を15℃に冷却し、次いで酢酸ナトリウム(4.2g)を加えた。臭化シアン(3.0g)を30mlのメタノールに溶かした溶液を滴下して加え、15℃で攪拌した。添加の完了後、反応塊を20℃で1時間攪拌し、次の合成段階にそのまま使用した。
(工程C:メチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートの製造−化合物(VIII)から化合物(IX)へ)
工程Bから得られた、メタノールを含む10.5gの反応塊を約15℃に冷却し、次いでナトリウムメトキシド(3.1g)を10℃〜15℃で加えた。反応塊を20℃で30分間攪拌し、モニターした。この反応塊(7.6g)を次の合成工程に使用した。
(工程D:5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボン酸の製造−化合物(IX)から化合物(VII)へ)
工程Cから得られた、メタノール中の反応塊(7.6g)の溶液を15℃に冷却した。これに、水酸化ナトリウム(0.9g)の水30mlの溶液を15℃で加え、次いで25℃で1時間攪拌した。反応の完了後、50mlの水を入れ、反応塊のpHを、アンバーライトカチオン樹脂によりpH6.5〜7に調整した。樹脂を濾過し、脱イオン水により洗浄し、濾液を50℃未満で濃縮すると、固体の残渣(7.3g)が得られた。
(工程E:ザナミビルの製造)
反応容器に、工程Dから得られた7.3gの固体の残渣を入れ、それに、7.3gのギ酸アンモニウムを140mlのアンモニアと共に25℃〜30℃で加えた。反応塊を90℃に3時間加熱した。0.7gの炭をこの反応塊に加え、内容物を約1時間攪拌した。次いで、塊を20℃〜25℃に冷却し、濾過した。濾液を真空下で60℃で濃縮すると残渣が得られ、100mlのメタノールを加えて攪拌した。生じた固体を濾過し、真空下で乾燥すると、5.0gの標題化合物を与えた(収率−69%、HPLC純度−85%)。
(工程F:ザナミビルの精製)
先の工程で得られた粗ザナミビル(5g)を50mlの水と共に攪拌し、90℃に加熱すると、懸濁液を得た。それに、4gの炭を加え、熱いままハイフロに通して濾過すると、透明な溶液を得た。この透明な濾液に、15mlのイソプロピルアルコールを滴下して加えた。このように得られた固体を濾過し、イソプロピルアルコールで洗浄し、真空下で60℃で乾燥すると、2.5gの純粋なザナミビルを得た(HPLC純度−99.5%)。
添付される請求項の範囲内で、本発明が修正可能なことが認識されるだろう。

Claims (22)

  1. メチル5-アセトアミド-4-アミノ-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(V)の製造方法であって、メチル5-アセトアミド-4-アジド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート(IV)を、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、亜鉛/塩化アンモニウム、亜鉛−塩化第二鉄、及び塩化第二鉄/ヨウ化ナトリウムからなる群から選択される還元剤の存在下で還元する工程を含む、前記製造方法
    Figure 2012510456
  2. 前記還元剤が亜鉛/塩化アンモニウムである、請求項1記載の方法。
  3. 式(VIII)の化合物の製造方法であって、式(V)の化合物を、式N≡C-X(式中、Xがフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードである)のハロゲン化シアンと反応させることを含む、前記製造方法
    Figure 2012510456
  4. 前記ハロゲン化シアンが臭化シアンである、請求項3記載の方法。
  5. 化合物(V)が請求項1又は2により製造された、請求項3又は4記載の方法。
  6. 式(IX)の化合物の製造方法であって、脱アセチル化剤の存在下での式(VIII)の化合物の脱アセチル化を含む、前記製造方法
    Figure 2012510456
  7. 前記脱アセチル化剤が、メタノール/ヨウ素、メタノール/水、ナトリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、及びナトリウムメトキシドからなる群から選択される、請求項6記載の方法。
  8. 化合物(VIII)が請求項3〜5のいずれか一項により製造された、請求項6又は7記載の方法。
  9. 式(IX)の化合物を加水分解することを含む、式(VII)の化合物の製造方法
    Figure 2012510456
  10. 前記加水分解が有機又は無機の塩基の存在下で起こる、請求項9記載の方法。
  11. 前記塩基が、ピリジン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ナトリウムエトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、及び重炭酸カリウムからなる群から選択される、請求項9又は10記載の方法。
  12. 化合物(IX)が請求項6〜8のいずれか一項により製造された、請求項9〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. ザナミビルの製造方法であって、請求項9〜12のいずれか一項により式(VII)の化合物を製造すること、及びアンモニアの存在下で式(VII)の化合物をギ酸アンモニウムと反応させてザナミビルを得ることを含む、前記製造方法。
  14. ザナミビルを再結晶化することをさらに含む、請求項13記載の方法。
  15. 式(VIII)のメチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート
    Figure 2012510456
  16. 式(IX)のメチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレート
    Figure 2012510456
  17. ザナミビルの合成における、式(VIII)のメチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリアセトキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートの使用
    Figure 2012510456
  18. ザナミビルの合成における、式(IX)のメチル5-アセトアミド-4-シアナミド-6-(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-2-カルボキシレートの使用
    Figure 2012510456
  19. 99.5%以上の純度を有するザナミビル。
  20. 実質的に実施例に関連して本明細書に記載される、式(VIII)の化合物の製造方法。
  21. 実質的に実施例に関連して本明細書に記載される、式(IX)の化合物の製造方法。
  22. 実質的に実施例に関連して本明細書に記載される、ザナミビルの製造方法。
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