JP2012509779A - 繊維複合部品を製造するための成形体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、繊維複合部品を製造するための成形体に関する。
本発明によれば、成形体は、少なくとも一部において、紙及び/又は厚紙材料を利用して形成される。紙及び/又は厚紙材料は、適切な機能レイヤを利用することにより、気密性や非粘着特性のようなさらなる特性が提供され得る。さらには、材料は、高い再現性のある空間次元を有する繊維複合部品が製造され得るような方法で、高い寸法安定性の成形体又は支持コアを製造することを可能にする。加えて、硬化の後、成形体は、真空状態を利用することにより、単純な方法で潰され得て、その後、残留物無しに、繊維複合部品から除去され得る。さらには、成形体は、コスト効率よく、かつ包装業界から公知の製造方法を利用して、事実上無制限の範囲の幾何学的形状に製造され得る。本発明はさらに、成形体を利用する繊維複合部品を製造するための方法に関する。
【選択図】図1
本発明によれば、成形体は、少なくとも一部において、紙及び/又は厚紙材料を利用して形成される。紙及び/又は厚紙材料は、適切な機能レイヤを利用することにより、気密性や非粘着特性のようなさらなる特性が提供され得る。さらには、材料は、高い再現性のある空間次元を有する繊維複合部品が製造され得るような方法で、高い寸法安定性の成形体又は支持コアを製造することを可能にする。加えて、硬化の後、成形体は、真空状態を利用することにより、単純な方法で潰され得て、その後、残留物無しに、繊維複合部品から除去され得る。さらには、成形体は、コスト効率よく、かつ包装業界から公知の製造方法を利用して、事実上無制限の範囲の幾何学的形状に製造され得る。本発明はさらに、成形体を利用する繊維複合部品を製造するための方法に関する。
【選択図】図1
Description
本発明は、繊維複合部品を製造するための成形体に関する。本発明は、さらに、本発明に係る少なくとも1つの成形体を用いて、熱硬化性プラスチック材料を用いて形成された繊維複合部品の製造方法に関する。
近代的な航空機構造、プラントエンジニアリング、代替エネルギシステム、及びスポーツ用品において、繊維複合部品は、構造部品を製造するために益々用いられている。例えば、4つのシェル構造で知られる胴体部を形成するためのシェルセグメントは、炭素繊維強化エポキシ樹脂、又は他の繊維強化熱硬化性プラスチック材料を用いて製造される。さらには、ラダーユニット、水平尾翼、エアロホイル、主翼ボックス、サマーロッド(Samer rods)、並びにさらなる構造物及び非構造物航空機部品は、このタイプの繊維複合材料を用いて形成され得る。
シェルセグメントは、とりわけ、繊維複合材料を用いて形成される膜パネルを備え、ストリンガプロファイル又は元のセグメントのような、強化のためのさらなる構造部品が特に接着により膜パネルに固定され得る。例として述べられるストリンガプロファイルは、中空プロファイルであり、関連する胴体セクションの長手方向に延伸し、かつ、好ましくは、胴体セクションの周辺部に内部的に分散されて配置されている。中型航空機タイプの航空機胴体セルを強化するためには、それぞれが最大20mの長さをもつ、最大4kmの中空プロファイルが必要とされる。これらの中空プロファイルは、好ましくは、Ωストリンガとして知られ、略台形状断面を有する。
膜パネル上へのストリンガ中空プロファイルの一体形成のために、例えば成形体は、プリプレグ材料及び/又は繊維複合材料を用いて形成された膜パネルの静的であることが望まれる位置に置かれ、膜パネルは、それに応じて構成された表面形状を有するベース上に置かれる。成形体及びそれに取り付けられた膜パネルの複数部位は、その後、プリプレグ材料を用いて層状に仕上げられ、又は製作済みのプロファイルが成形体上に置かれる。一度、シールテープ及びオプション機能層(排水層、切り取り構造(tear-off fabric)、膜、分配媒体、分離ホイル等)が置かれ、真空ホイルが適用されると、全体構造物は、排出されると共に、ストリンガプロファイルを硬化するためにオートクレーブに導入される。
プリプレグ材料が適用される前に加圧下に置かれて予め形成されたフィルムホース及び/又は硬質フォームプロファイルが、例えば、製造される予定のΩストリンガのための形成され又は支持する部材として用いられ得る。
硬質プロファイルは、特に、完成された繊維複合部品から取り除くのが難しく又は不可能であり、かつ硬化プロセスの後の静的で不必要な追加重量を示すという欠点を有する。その多孔性に起因して、気孔がパックウォールエコーに制御不能な影響を有するので、それらは必須の超音波テストをさらに難しくしている。さらには、開口硬質フォームが、貫通凝縮水に関して問題を引き起こすことがあり得る。
また一方、予め形成された圧力ホースがさらに、低い寸法安定性のみを有し、これは例えば、Ωストリンガ中空プロファイルの層構造物又は膜積層物において、局部層間剥離又は繊維角偏差の形で欠点を導き得る。さらには、ミシン目は、大概、ホースプロファイルを気密構造にすることの必要性に関して問題を引き起こす。さらには、圧力ホースの低断裂抵抗のために圧力ホースが大抵裂け、従って、好ましくないフイルム残留物を残すように、圧力ホースが制御不能な方式でストリンガ中空プロファイルの内部に付着するので、圧力ホースが排出されるときでさえ、圧力ホースを引き出すことは問題になる。
加えて、水のような溶剤を用いることによって、残留物無しに、アンダーカットされた繊維複合部品から十分に除去され得るコア材料がある。しかしながら、これらのコア材料は、かなり高価であり、かつ低抵抗繊維複合部品を製造することが事実上困難であるような、その水溶性と水を吸収するためのその結果的に限定された特性とのために、限定された寸法制度しか有しない。
そこで、本発明の目的は、複合部品を製造するための支持コアの上記欠点を大いに克服する繊維複合部品を製造するための成形体を提供することを目的とする。
この目的は、請求項1の特徴を有する成形された本体により実施される。
少なくとも一部分において、成形体が厚紙及び/又は紙を用いて形成されるので、三次元形状及び任意の好ましい長さの広い領域を有する、非常にコスト効率よく成形された本体を製造することが可能である。加えて、本発明に従って構成された成形体は、屈折管、板材、又は中空プロファイルのような全ての種類の繊維複合部品の製造を著しく単純にすることができる。用いられた紙及び/又は厚紙は、実際に任意の好ましい材料薄さであり得る。好ましくは、波形板、又はサンドイッチ板のような規則的に繰り返される幾何学的中空構造を有する厚紙もまた、用いられ得る。厚紙及び/又は紙を用いて形成される成形体は、製造される繊維複合部品が高い寸法精度で製造され得るように、高い寸法安定性を有する。さらには、これらの材料の使用は、環境に配慮した処理を可能にする。支持コアを製造するための紙及び/又は厚紙材料の使用は、さらに、実質的に任意の好ましい複雑な表面形状を有する成形体又は支持体を製造するために、包装産業において知られている、切断、折り目付け、ミシン目入れ、折り畳み、水切り、接着、圧縮、及び装填のような製造方法の全範疇を用いることを可能にし、加えて実質的に任意な好ましい長さを有する成形体の連続製造は、供給ロールに蓄えられた紙及び/又は板紙材料から開始可能である。さらに、もしも必要であれば、複数の成形体は、ポジティブ結合を用いることにより、接着材無しに結合され得る。好ましくは、十分な熱安定性を有する厚紙及び/又は紙が用いられる。すなわち、製造の時点における半製品として、厚紙及び/又は紙は、例えば、非粘着性であるように用意され得る。
さらに有利な発展は、成形体が、特に、中空プロファイルを製造するための支持コアであることをもたらす。
これは、例えば、繊維複合材料を用いて形成され、かつ胴体セクション製造又は航空機胴体セル製造において多数要求される、胴体セクション上のΩストリンガ中空プロファイルとして知られているものを構成する場合に、かなりのコスト削減をもたらす。
さらには、本発明に係る成形体は、造船、風力エネルギー、ボイラ製造、レジャー設備の製造、及び一般の機械工学のような、多くのさらなる技術分野に有利に適用され得る。
成形体のさらに有利な実施形態は、それが、特に、三角形、長方形、台形、長円形、又は楕円形断面の任意の組み合わせから形成され得る断面を有することをもたらす。
結果として、繊維複合材料で形成された強化プロファイルは、本発明により構成された成形体を用いる広範囲のバリエーションで製造され得る。例えば、円形状を有する支持コアを用いることにより、パイプ又はサマーロッドは、繊維複合材料を用いて単純な方法で製造され得る。また一方、略台形状の断面を有する支持コアは、胴体セル構造物を強化するために多数を必要とされる、Ωストリンガ中空プロファイルとして知られるものの製造において用いられる。これに関わらず、実質長方形断面を有する支持コアは、例えば、オートクレーブ内におけるその後の硬化過程でのラミネート反りを防止するために、プリプレグ構造物において圧力板として用いられ得る。
成形体のさらなる有利な実施形態において、それは、少なくとも2つの部分的な支持コアを用いて形成される。
この実施形態は、単純な基礎形状の組み合わせを用いて、さらに複雑な幾何学形状を形成することを可能にする。
さらなる成形体の発展は、複数の部分的な支持コアが、特に、少なくとも複数部位を接着して及び/又は積極的に互いに接続されることで一体に結合されることをもたらす。
これは、堅個な結合をもたらし、従って、複数の部分的な支持コアから形成された支持コアにおける高い寸法安定性をもたらす。
さらなる成形体の発展は、成形体が、少なくとも複数部位において、特に非粘着層及び/又はシール層である機能層を有することをもたらす。
特に、この機能層は、成形体を気密にすることができる。さらには、機能層は、製造された繊維複合部品から成形体をより容易に除去しやすくする。これらの機能層は、製造の時点で、成形体のための半製品として、紙及び/又は厚紙に好ましくは既に適用され及び/又は結合される。
さらなる発展において、成形体は、真空状態及び/又は溶剤を用いることにより、繊維複合部品から除去され得る。
成形体の遠方側がシールプラグにより圧力密状でシールされる間、真空状態は、例えば、成形体の末端部位に溶剤プラグを案内することにより成形体に適用される。また、支持コアは、製造の時点において既に、吸引のための少なくとも1つのソケット又は少なくとも1つの圧力ホースが提供され得る。吸引プラグ及びシールプラグのそれぞれは、成形体において、堅固に、かつ上記全ての圧密取付を可能にする三次元形状を有する。これを達成するために、プラグは、周辺シールエッジ、シールプロファイル、シールリップ等のような弾力性のある密閉手段が提供され得る。さらに、プラグは、全ての面上で加えてわずかにテーパ状にされた発泡ポリエチレンのような、弾性発泡プラスチック材料を用いて製造され得る。
真空ポンプは、ホース線を用いる吸引プラグに取り付けられる。製造された繊維複合部品が硬化された後、真空ポンプは、成形体において真空状態を生成することに用いられ得て、かつこの真空状態が、周囲の空気圧の影響下で、完成した繊維複合部品における成形体又は支持コアを潰す。一度、支持コアが潰されると、それは、単純な方法で繊維複合部品から除去され得る。
また、成形体も、液体及び/又は気体状態にある水のような適切な溶媒を用いて軟化され、かつ洗浄による残留物無しに、繊維複合部品から任意に除去され得る。
成形体のさらなる有利な実施形態は、成形体が、その後、以前に硬化された繊維複合部品内に案内され得ると共に、過度の圧力を用いる少なくとも複数部位の繊維複合部品に積極的に適用され得ることを提供し、例えば、損傷したCFPR部品に補修作業を実施することを可能にする。
当初は、まだ潰されている支持コアは、例えば、裂け目のような、部品における欠陥の部位に案内され又は挿入され得る。その後、支持コアは、圧力下又はコンプレッサを用いて「膨張される」状況下に置かれ、支持コアにおけるこの理想的な結果は、全体表面を越えて繊維複合部品の内部表面に適用され、修復は、外部のプリプレグ材料の階層型アプリケーションにより可能になる。コンプレッサもまた、圧力プラグに取り付けられたホースを介して支持コアに取り付けられ、圧力プラグに対して、圧力密状で支持コアに接続され又は内部に挿入されることもまた可能である。また、修復支持コアもまた、圧力及び/又は真空ホースのために、製造の時点において提供される、少なくとも1つのソケットが提供され得る。
さらには、成形体は、サンドイッチ構造のための板状突部材及び成形コアとして用いられ得る。
本発明の目的はまた、請求項9に係る方法によって達成される。
繊維複合部品の幾何学的形状は、少なくとも複数部位において、請求項1から8のいずれか一項に係る少なくとも1つの成形体によって定義されるので、繊維複合部品は、繊維複合部品のための従来の製造方法により、依然として合理的な製造コストであるにも関わらず、高い寸法精度で大量に製造され得る。この文脈で、少なくとも複数部位の幾何学的形状の定義のために、成形体は、熱硬化性樹脂系を用いる繊維複合部品を製造するための任意な成形ツールと共同で用いられ得る。
方法の有利な発展は、少なくとも1つの成形体が、少なくとも複数部位において、特に、プリプレグ材料である硬化性繊維複合材料が提供され、繊維複合材料が、その後、実質的に硬化され、少なくとも1つの成形体が、完成した繊維複合部品から除去され得る、ということを提供する。
方法の主発明において、共に繊維複合部品を形成する、Ωストリンガによって強化された膜パネルを製造する形において、方法は、例えば以下のように進み、
第1方法ステップにおいて、この代替方法においてプリプレグ材料を用いて形成される膜パネルは、最初に作業ベース上に広げられる。その後、厚紙を用いる及び/又は紙を用いる本発明に従って形成された、少なくとも1つの成形体は、支持コアのような膜パネル上に位置され、かつ、特に膜パネルに用いられるプリプレグ材料で、硬化性繊維複合材料と併せて層状に覆われる。
第1方法ステップにおいて、この代替方法においてプリプレグ材料を用いて形成される膜パネルは、最初に作業ベース上に広げられる。その後、厚紙を用いる及び/又は紙を用いる本発明に従って形成された、少なくとも1つの成形体は、支持コアのような膜パネル上に位置され、かつ、特に膜パネルに用いられるプリプレグ材料で、硬化性繊維複合材料と併せて層状に覆われる。
その後、繊維複合材料は、第2方法ステップにおいて硬化され、これは例えば室温で、オーブン内又は過大な圧力におけるオートクレーブ内で実施される。いくつかの場合において、気密真空構造物を構築するようなさらなる方法ステップが、オートクレーブ硬化プロセスに対して必要である。真空構造物は、さらに、切り取り構造、分離ホイル、及び分配媒体のようなさらなる機能層を有する。シールテープに代わり、シール用コンパウンド又はシールパテ、シールビード、接着テープ又はOシールが用いられ得る。真空状態を適用することにより、多孔性、材料分離等からプリプレグ材料を解放するために、作業ベースから真空ホイルをシールすることと、理想的に完全に均一な積層構造を実現することとが一般的に必要である。
成形体は、第3方法ステップにおいて、硬化された繊維複合部品から除去される。この除去は、例えば、周囲の空気圧の影響下で潰れ又は自身の上に落下するような方法で、成形体に真空状態を適用することにより実行され得て、かつ単純方法で繊維複合部品から取り出し得る。成形体又は支持コアの潰れは、成形体に相容れない任意の切り取りが解決されることを意味する。また、必要に応じて、さらに溶剤を供給することにより、残留物のない方法で複合部品から成形体を洗い出すために、水のような適切な溶剤を用いることで成形体を軟化することができる。
本発明に係る成形体を用いる上記方法の変形は、膜パネル及び複数のΩストリンガ中空プロファイルのような、繊維複合材料を用いて形成された少なくとも2つの部品を一緒に結合することにより形成された、繊維複合部品を製造する場合に適用され得る。この文脈において、「繊維複合材料」の用語は、製造の時点において、未だ硬化されていない、例えば、炭素繊維強化エポキシ樹脂、プリプレグ、及び/又は母材注入のための乾燥繊維半製品である繊維複合材料を意味する。
また、方法は、膜シェルのような少なくとも1つの硬化された繊維複合材料と、そこに固定される予定の部品であり、ストリンガプロファイル、前者のセグメント、又は支持エルボのような未だ硬化されていない部品とを共に結合するためにも用いられ得る。逆に、硬化されたストリンガプロファイルは、すなわち、プリプレグ材料を用いて構成された1つのソフト膜パネルにも適用され得る。
さらには、方法は、当初のドライ強化繊維配置の樹脂含浸又は注入により部品を製造するために実行され得る。ドライ強化繊維配置から開始される製造方法の例は、例えば、「樹脂フィルム注入」、「真空注入」、及び「樹脂トランスファ成形」又はRTMを含む。
方法のさらなる有利な実施形態は、さらなる請求項で特定される。
図において、同じ構成要素のそれぞれは、同じ参照符号を有する。
図1は、本発明に係る構成された成形体を用いる繊維複合部品を製造するために用いられ得る構造物の概略図である。
オートクレーブで硬化されることを目的とする構造物1は、とりわけ、平面的な基板2を有し、波形プリプレグ材料3は、膜パネルを製造するために広げられる。プリプレグ材料3は、最大70mmの材料薄さを満たすために、互いの上に積層された複数の層を有する。基板2は、製造された繊維複合材料に相当すると共に、一般的に、空間の少なくとも1つの次元に湾曲する構造の幾何表面を有する。この場合に中空支持コア4として形成される成形体5は、プリプレグ材料3の上に置かれる。支持コア4は、台形状の横断面を有する。本発明に係る、支持コア4又は成形体5は、当初の平面的なブランクから折り畳むことにより製造されたブランクを用いる波形の厚紙材料から形成される。2つの好ましい粘着シールテープ7,8は、気密端部シールを製造するために、支持コア4の端部6、プリプレグ材料3、及び支持コア4自身の間に延伸される。シールテープ7,8は、1又は両方の面上で粘着性である。プリプレグ材料9は、支持コア4の上面に位置され、かつ図1の実施形態において、十分に平面的なプリプレグ材料3上にΩストリンガプロファイルとして知られるものを形成するために用いられる。その後、硬化されると、硬化されたプリプレグ材料3及び9は、プリプレグ材料及び/又はドライ強化繊維配置で製造された上部構造物(図示しない)との組み合わせで、図において、マルチセル構造物で胴体セルを形成するためのより大きなシェルセグメント11の部分である繊維複合部品10を形成する。必要であれば、非接着層、分離ホイル等のような1又は複数の機能層12が、プリプレグ材料3,9の上方及び/又は下方に配置され得る。必要に応じて、上部に配置された機能層12を含むプリプレグ材料9は、最終的に、真空ホイル13でその上面を覆われる。ベース2、支持コア4、任意の1又は複数の機能層12、及び真空ホイル13を有する構造物1は、全ての面上でシェルセグメントの11の形状で製造されるために、部品を覆う。構造物1の全体は、好ましくは「パテテープ」として知られるシールテープ7,8を用いて、気密状態で端部をシールされる。さらには、追加のシール手段、例えば、弾力性のあるシールコンパウンド、シールコード、又はシールパテは、一般的に、繊維複合材料3,9の十分な気密閉鎖を達成するために2つのシールテープ7,8に加えて必要とされる。さらに、構造物1は、必要であれば、真空ポンプを用いて排気するための液体樹脂又はソケットのための供給線(図示しない)を有することができる。
硬化するために、全体構造物1は、例えば、オートクレーブ(図示しない)内に案内され、真空ホイル13及びベース2によって定義される空間は、とりわけ空気の混入を防止し、かつ反り無しに均一な積層構造を達成するために可能な限り十分に排気される。
オートクレーブにおける硬化プロセスの間、定義されていない形状偏差を導き、その結果、制御不能になり、特に非再現性の寸法偏差を導く可能性のある増加した圧力に支持コア4が暴露されないように、例えば最大10気圧に同じ圧力は、真空ホイル13の外面と支持コア4の内部15とのそれぞれに広がる。
オートクレーブにおける硬化プロセスが終了した後、吸引プラグ14は、矢印16の方向で支持コア4の端部6の内部15内に案内される。吸引プラグ14は、支持コア4への圧密接続が可能であるように、端部6において、支持コア4のそれぞれの幾何学的形状に可能な限り精密に適応される。吸引プラグ14は、例えば、わずかに円錐形に構成されている発泡クローズドセル材料を用いて製造され得る。シリコンゴムもまた、高い復元力と共に、その良好な非粘着特性のために、プラグ材料として適している。
好ましいプラグ脱着可能なソケット17を介して、支持コア4は、真空状態を適用することにより、周囲の空気圧の影響下で潰され得る、すなわち、支持コアは、自身の上に落下すると共に、特に、長大な支持コア4の場合であっても、小さな機械的抵抗で、残留物無しに、繊維複合部品10から引き出され得る。真空状態は、例えば、ホース線を介して吸引プラグ14に接続された真空ポンプ(図示しない)を用いて生成され、ホース線は、(プラグ)ソケット17によって、吸引プラグに接続される。支持コア4を排除することを可能にするために、フリーソケットシールプラグは、周囲の雰囲気から完全に密封して内部15をシールするように、支持コア4の第2端部(図示しない)の部位内に案内される。また、この支持コア4の第2端部も、完全密封閉鎖を提供するように、単純に圧縮され、かつ任意に接着される。さらには、支持コア4に未だ存在するさらなる開口は、シールされるべきである。
支持コア4の内部15内において真空状態を案内するための手法として、前述の機能に比較すると、吸引プラグ14は、圧力プラグとしても機能できる。この構造は、例えば、裂け目を有するΩストリンガプロファイルである胴体セル構造における、特に、例えば、欠陥のあるΩストリンガプロファイルが後に修復されることを必要とする場合に適用され得る。このタイプの構成では、支持コア4は、当初、欠陥部位におけるΩストリンガプロファイル内に案内され、その後、支持コア4が、理想的に、Ωストリンガプロファイル(一時的に安定した積層コア)の内部15に接触して完全に位置するように、圧力プラグによって膨張される。支持コア4は、例えば、ホース線を介して圧力プラグの(プラグ)ソケット17に同様に接続され、コンプレッサを用いて膨張され得る。その後、欠陥は、オーバーラミネートプリプレグ材料により知られている方法で修復され得る。一度、修復が完了し、プリプレグ材料が硬化されると、支持コア4が真空状態を適用して潰され、かつΩストリンガプロファイルから除去され得るように、圧力プラグは、吸気プラグ14としてその元の機能で再度用いられる。
また、ドライ繊維半製品は、プリプレグ材料3,9の代わりに用いられ得て、その場合、異なる真空構造物が樹脂注入のために必要とされ得る。
さらには、成形体5又は支持コア4を用いる方法は、マルチセル構造物において胴体セクションを製造するための繊維複合部品の製造と同様に、屈曲により1つの部品で製造されるであろう胴体セクションにも適用され得る。
図2から6は、後述する説明にも関連して、どのような方法で、支持コア4が平面的な波状厚紙ブランク又は紙ブランクから製造されるかを概略的に示す。
連続波形ブランク18から開始され、必要とされる長さのブランク20は、切り取り線19に沿って分離される。1つの折り線21が参照符号で提供される、複数の折り線は、幾何学的に定義された折り畳みをすることを可能にするために、当初は未だ平面的なこのブランク20内に作られる。また、用いられた連続波形ブランク18は既に、必要とされる折線21を有することもできる。さらなる方法ステップにおいて、支持コア4は、それぞれ点線で示されるこれらの折り曲げ線に沿ってブランク20から折り曲げられる。連続部18が波形厚紙材料を用いて形成される場合、折り曲げ線21のそれぞれは、好ましくは、成形体の最大限に可能な剛性を得るように波頂線又は基線に垂直に延伸される。小型厚紙又は紙材料が用いられる場合、これは無関係である。折り曲げ線21は、底面22と、その両側に隣接する側面23及び24とに、ブランク20を分割する。接合面25及び26は、2つの側面23,24にそれぞれ隣接する。
図3において、支持コア4の左手側面23は、当初、そこに隣接する接合面25に沿って、上方に折り曲げられる。次に、図4に示すように、右手側面24は、そこに隣接する第2接合面26に沿って、反対方向に折り曲げられる。次に、接着剤27が、接合ビードの形で、少なくとも複数部位において、第2接合面26に適用され、かつ図6に示すように、第1接合面25は、支持コア4を仕上げるために、第2接合面26に接着するように折り曲げられる。接着に代えて、接合面25,26は、例えば、ポジティブロッキングによってもまた、接続され得る。小型の厚紙が用いられる場合、他のガス又は周辺空気が波形及び/又は接着ビーズの間の中空空間を通過可能なように、支持コア4は、シール及び/又は接着テープのような追加のシール手段によって一般に好ましいように気密状態のみで製造され得る。
包装業界から得られるプロセスステップの全範囲が支持コア4を製造するために用いられ得るので、支持コア4の製造は、単に、多数の考えられる製造オプションの中の1つの例として考えられるべきである。
図7及び8は、異なる横断面を有するそれぞれの成形体の抜粋を示す。
図7は、異なる横断面を有する4つの(中空)成形体のそれぞれの外形を示す。
図7の成形体と異なり、図8の成形体は中空状でなく、例えば、中空空間無しに形成されている。図7で外形を示される成形体は、プリプレグ材料及び/又は適切なプラスチック材料を未だ含有していないドライ強化繊維配置を用いる、対応する横断面を有する中空プロファイルを製造するための上記全てに用いられる。対照的に、図8の成形体は、特に、中空プロファイル形の繊維複合部品ではなく、Tストリンガ、Uストリンガ、Iストリンガ、Zストリンガ、又はLストリンガのような任意のプロファイル型要素の製造における、普遍的な製造補助(成形及び/又は支持手段)として提供され得る。
図7及び8において示される全ての成形体は、従来の波形厚紙を用いるか、又は頑丈な紙及び/又は比較的厚い材料の厚紙材料を用いて製造され得る。さらには、成形体は、好ましくは、厚紙サンドイッチ要素の方式で、連続的に繰り返している中空空間構造を有する厚紙品を用いても形成され得る。図8で最も右に示される直方形の横断面を有する成形体は、好ましくは、特に、ラミネート構造物で反りを防止するように、オートクレーブでのプリプレグ材料から繊維複合部品の製造において、圧力プレートとして用いられる。
1 構造体
2 ベース
3 プリプレグ材料(例えば、膜パネル)
4 支持コア
5 成形体
6 端部(支持コア)
7 シールテープ(下方)
8 シールテープ(上方)
9 プリプレグ材料(例えば、Ωストリンガプロファイル)
10 繊維複合部品
11 シェルセグメント
12 機能層
13 真空ホイル
14 吸引プラグ/圧力プラグ
15 内部(支持コア)
16 矢印
17 ソケット
18 連続ブランク
19 切り取り線
20 ブランク
21 折り曲げ線(支持コア)
22 基面(支持コア)
23 左手側面(支持コア)
24 右手側面(支持コア)
25 第1接合面(支持コア)
26 第2接合面(支持コア)
27 接着剤
2 ベース
3 プリプレグ材料(例えば、膜パネル)
4 支持コア
5 成形体
6 端部(支持コア)
7 シールテープ(下方)
8 シールテープ(上方)
9 プリプレグ材料(例えば、Ωストリンガプロファイル)
10 繊維複合部品
11 シェルセグメント
12 機能層
13 真空ホイル
14 吸引プラグ/圧力プラグ
15 内部(支持コア)
16 矢印
17 ソケット
18 連続ブランク
19 切り取り線
20 ブランク
21 折り曲げ線(支持コア)
22 基面(支持コア)
23 左手側面(支持コア)
24 右手側面(支持コア)
25 第1接合面(支持コア)
26 第2接合面(支持コア)
27 接着剤
Claims (16)
- 繊維複合部品(10)を製造するための支持コア(4)であって、少なくとも一部分において、厚紙を用いて及び/又は紙を用いて形成され、潰され、かつ、完成された繊維複合部品(10)から除去され得る支持コア。
- 中空プロファイルを製造するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の支持コア。
- 三角形、長方形、台形状、溝、長円形、又は楕円形横断面の任意の好ましい組み合わせから形成され得る横断面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の支持コア。
- 少なくとも2つの部分的な支持コアを用いて形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の支持コア。
- 部分的な支持コアは、共に結合され、特に、少なくとも複数部位の接着により及び/又は積極的に、互いに接続されることを特徴とする請求項4に記載の支持コア。
- 少なくとも複数部位において、機能層、特に非粘着層及び/又はシール層を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の支持コア。
- 真空状態及び/又は溶剤を用いることにより、繊維複合部品(10)から除去され得ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の支持コア。
- 硬化された繊維複合部品(10)内に案内され得ると共に、少なくとも複数部位において過度の圧力を用いて繊維複合部品(10)に積極的に適用され、特に、繊維複合部品上の領域補修作業を実施することを可能にすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の支持コア。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の少なくとも1つの支持コア(4)を用いる、熱硬化性プラスチック材料を用いて形成される繊維複合部品(10)の製造方法であって、繊維複合部品(10)の幾何学的な形状は、少なくとも複数部位において、少なくとも1つの支持コア(4)により定義され、少なくとも1つの支持コア(4)は、潰され、かつ、完成された繊維複合部品(10)から除去される繊維複合部品の製造方法。
- 少なくとも1つの支持コア(4)は、少なくとも複数部位において、硬化性繊維複合材料、特にプリプレグ材料(3,9)が提供され、硬化性繊維複合材料は、硬化され、少なくとも1つの支持コア(4)は、完成された繊維複合部品(10)から除去されることを特徴とする請求項9に記載の繊維複合部品の製造方法。
- 少なくとも1つの支持コア(4)は、少なくとも複数部位において、ドライ強化繊維配置が提供され、ドライ強化繊維配置は、硬化性繊維複合材料を製造するために熱硬化性プラスチック材料で含浸され、繊維複合材料は、硬化され、少なくとも1つの支持コア(4)は、完成された繊維複合部品(10)から除去されることを特徴とする請求項9又は10に記載の繊維複合部品の製造方法。
- 適用された繊維複合材料を有する少なくとも1つの支持コア(4)は、少なくとも複数部位において、構造物(1)を製造するために、真空ホイル(13)に覆われることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の繊維複合部品の製造方法。
- 少なくとも1つの支持コア(4)の2つの端部(6)は、適切なシール手段、特にシールテープ(7,8)を用いて、真空ホイル(13)及び/又はベース(2)及び/又は繊維複合材料及び/又はドライ強化繊維配置から密封されることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の繊維複合部品の製造方法。
- 構造体(1)は、硬化のために、オートクレーブ又はオーブンに導入され、及び/又は構造物(1)は、室温及び/又は標準圧において硬化されることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一項に記載の繊維複合部品の製造方法。
- 少なくとも1つの支持コア(4)は、少なくとも1つの支持コア(4)に真空状態を適用することによる硬化の後、潰されることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか一項に記載の繊維複合部品の製造方法。
- 少なくとも1つの支持コア(4)は、液体及び/又は気体溶剤、特に水を用いて繊維複合部品から除去されることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか一項に記載の繊維複合部品の製造方法。
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