JP2012509066A - 核酸送達系のための放出可能接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 細胞取り込みを高め、細胞、すなわち癌細胞でのオリゴヌクレオチドの生物学的利用能を高める標的化送達系を提供すること。
【解決手段】 本発明は、核酸送達系およびそれを用いる標的遺伝子の発現のモジュレート方法に関する。特に、本発明は、エンドソーム放出促進部分を含む核酸接合体に関する。その核酸接合体はさらに、核局在化シグナル部分および/または細胞標的部分を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は核酸送達系のための放出可能接合体に関する。
標的化送達は、治療性分子の効力を改善する上での有望なアプローチである。長年にわたり、身体にオリゴヌクレオチドなどの治療性分子を選択的に送達し、その医薬の生物学的利用能を改善するために多くの方法が提案されてきた。しかしながら、核酸が細胞膜を通過するのを妨害する強い負電荷を有する骨格を、オリゴヌクレオチドなどの核酸が持っているために、臨床担当者が核酸を使用するには障害があった。
細胞取り込みを高め、細胞、すなわち癌細胞でのオリゴヌクレオチドの生物学的利用能を高める標的化送達系を提供することが望ましい。
努力や進歩があったにも拘わらず、改善された標的化送達系を提供することが現在も必要とされている。本発明はこのニーズを扱うものである。
上記の問題を克服し、オリゴヌクレオチドの送達に関する技術を改善するため、酸不安定性連結基を含む核酸接合体が提供される。
本発明の1態様において、下記式(I)の化合物が提供される。
Figure 2012509066
式中、
R1は式(Ia1)または(Ia2)の基:
Figure 2012509066
であり;
XはOまたはSであり;
R2は、水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーまたは下記式(Ib1)、(Ib2)または(Ib3)の基:
Figure 2012509066
であり;
MはOまたはNR5であり;
R3は、OH、OR6、SH、SR7、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーまたは下記式(Ic1)、(Ic2)または(Ic3)の基:
Figure 2012509066
であり;
Y1はO、SまたはNR8であり;
R4はC1-6アルキル、C1-6分岐アルキルまたは
Figure 2012509066
であり;
R51-54は独立に水素、アミノ、アジド、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、水素、C1-6アルキル、C3-8分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリールおよび置換されたアリールの中から選択され;
R5およびR8は独立に水素、アミノ、アジド、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、C1-6アルキル、C3-8分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリールおよび置換されたアリールの中から選択され;
R6およびR7は独立に、C1-6アルキルまたはC1-6分岐アルキルであり;
R11は、水素、C1-6アルキル、官能基、標的基またはエンドソーム放出促進部分であり;
R12は、水素、C1-6アルキル、脱離基、官能基、標的基、核局在化シグナルペプチドまたは非抗原性ポリマーであり;
R13は、OH、OR6、SH、SR7、脱離基、官能基、標的基、生理活性剤および非抗原性ポリマー、または
Figure 2012509066
の中から選択され;
式(Ia2)の基は存在し、(g)は0であり;
R14はエンドソーム放出促進部分であり;
R15-17は独立に、水素、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-19分岐アルキル、C3-8シクロアルキルおよびC1-6アルコキシの中から選択され、R15-17は各場合で独立に同一であるか異なっており;
L1-3およびL6-9は独立に選択される二官能性連結基であり、L1-3およびL6-9は各場合で独立に、同一であるか異なっており;
L4-5は、独立に選択されるXに隣接する末端硫黄を含む二官能性スペーサーであり;
(c)は0または1であり;
(d)および(g)は独立に、0または1であり;
(b)、(e)、(f)、(h)、(i)、(j)および(k)は独立に、0または正の整数であり;
(n1)は、0または約1から約10の正の整数であり;
(n2)および(n3)は独立に、0または約1から約10の正の整数であり、
ただし、R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つが生理活性剤または
Figure 2012509066
を含み、式(Ia2)の基が存在し、(g)は0である。
本発明の別の態様において、本明細書に記載の化合物の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の態様において、癌などの各種疾患の治療のために、哺乳動物での遺伝子発現を阻害する方法を提供する。好ましくは、標的遺伝子には、腫瘍遺伝子、血管新生経路促進遺伝子、細胞増殖経路促進遺伝子、ウィルス感染体遺伝子および炎症経路促進遺伝子などがある。
本発明の一つの利点は、核酸輸送系がオリゴヌクレオチドなどの治療剤の細胞内送達のための手段を提供する点にある。本発明は、オリゴヌクレオチドの細胞取り込みを促進し、標的遺伝子発現の選択的制御を可能とするものである。この選択的制御技術によって、治療剤効力の上昇および毒性低下が可能となる。
別の利点は、本発明によって、治療剤の標的化送達が可能となるという点である。例えば、葉酸受容体は多くの癌細胞および組織で高度に発現される。葉酸は、癌細胞膜上で発現される葉酸受容体に結合し、受容体介在エンドサイトーシスと称されるプロセスによって細胞に進入する。葉酸に結合した有用な治療剤接合体は、葉酸標的プロセスである葉酸受容体介在エンドサイトーシスを介して細胞内部に取り込まれ得る。
さらに別の利点は、本発明が細胞質への治療剤のエンドソーム放出を促進するという点である。何らかの理論に拘束されるものではないが、ヒスチジン豊富ペプチドなどのエンドソーム放出促進基は、エンドソーム膜を不安定化することで、治療剤の細胞質送達を促進することができる。ヒスチジン豊富ペプチドは、プロトンスポンジ効果によって酸性環境で特性変化を起こすことで(例えば、疎水性またはエンドソーム膜と相互作用する能力における変化)、エンドソームの混乱および/または不安定化を生じさせ、細胞質中へのエンドソーム内容物の放出を促進することができる。次に、細胞内で放出された治療剤は、核に移行することができる。
さらに別の利点は、核酸輸送系が治療剤の放出およびエンドソームコンパートメントから細胞質への逃避を促進する酸不安定性連結基を含む点である。
本明細書に記載の化合物に結合したオリゴヌクレオチドは、癌細胞などの標的領域に進入することで、標的領域での治療性オリゴヌクレオチドの所望の生物学的利用能を達成することが可能となる。さらに、そのオリゴヌクレオチドの放出は、異なる細胞コンパート面とで変えることができる。従って、本明細書に記載の核酸輸送系によって、十分な量の治療性オリゴヌクレオチドを所望の標的領域、すなわち細胞質および核で選択的に利用可能とすることができる。
本発明のさらに別の利点は、本明細書に記載の接合体により、トランスフェクション剤の非存在下での癌細胞での細胞取り込みおよび特異的mRNAの低下が可能となるという点である。これは先行技術に対してかなり有利であることから、治療法、すなわちオリゴヌクレオチド薬のイン・ビボ投与をかなり簡単にするものである。この技術は、LNAオリゴマーなどの治療性オリゴヌクレオチドのイン・ビボ投与に適用することができる。
本発明の目的のために、「残基」という用語は、例えば、別の化合物との置換反応を経た後に残るエンドソーム性放出促進基、PEG、オリゴヌクレオチド等を指す、化合物の部分を意味すると理解されるものとする。
本発明の目的のために、「ポリマー性残基」または「PEG残基」という用語は、それぞれ、別の化合物、部分、等との反応を経た後に残る、ポリマーまたはPEGの当該部分を意味すると理解されるものとする。
本発明の目的のために、本明細書において用いる「アルキル」という用語は、直鎖、分岐鎖及び環状のアルキル基を含む飽和脂肪族炭化水素を指す。「アルキル」という用語は、アルキルチオアルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基及びC1〜6ヒドロカルボニル基も含む。アルキル基は、1〜12個の炭素を有することが好ましい。アルキル基は、より好ましくは約1〜7個の炭素、更により好ましくは約1〜4個の炭素の低級アルキルである。アルキル基は、置換又は非置換であってよい。置換される場合、置換基(複数可)としては、好ましくはハロ基、オキシ基、アジド基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルアミノ基、トリハロメチル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルシリル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、C1〜6ヒドロカルボニル基、アリール基及びアミノ基が挙げられる。
本発明の目的のために、本明細書において用いる「置換」という用語は、官能基又は化合物に含有される一つ又は複数の原子を、ハロ基、オキシ基、アジド基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルアミノ基、トリハロメチル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルシリル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、C1〜6ヒドロカルボニル基、アリール基及びアミノ基の群に由来する部分の一つに付加するか、又はそれと置き換えることを指す。
本明細書において用いる「アルケニル」という用語は、直鎖、分岐鎖及び環状の基を含む、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含有する基を指す。アルケニル基は、好ましくは約2〜12個の炭素を有する。アルケニル基は、より好ましくは約2〜7個の炭素、更により好ましくは約2〜4個の炭素の低級アルケニルである。アルケニル基は、置換又は非置換であってよい。置換される場合、置換基(複数可)としては、好ましくはハロ基、オキシ基、アジド基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルアミノ基、トリハロメチル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルシリル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、C1〜6ヒドロカルボニル基、アリール基及びアミノ基が挙げられる。
本発明の目的のために、「アルキニル」という用語は、直鎖、分岐鎖及び環状の基を含む、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を含有する基を指す。アルキニル基は、好ましくは約2〜12個の炭素を有する。アルキニル基は、より好ましくは約2〜7個の炭素、更により好ましくは約2〜4個の炭素の低級アルキニルである。アルキニル基は、置換又は非置換であってよい。置換される場合、置換基(複数可)としては、好ましくはハロ基、オキシ基、アジド基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルアミノ基、トリハロメチル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルシリル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、C1〜6ヒドロカルボニル基、アリール基及びアミノ基が挙げられる。「アルキニル」の例としては、プロパルギル、プロピン及び3-ヘキシンが挙げられる。
本明細書において用いる「アリール」という用語は、少なくとも一つの芳香族環を含有する芳香族炭化水素環系を指す。芳香族環は、他の芳香族炭化水素環又は非芳香族炭化水素環と場合により縮合していてもよく、又はさもなければ結合していてもよい。アリール基の例としては、例えば、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン及びビフェニルが挙げられる。アリール基の好ましい例としては、フェニル及びナフチルが挙げられる。
本明細書において用いる「シクロアルキル」という用語は、C3〜8環状炭化水素を指す。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが挙げられる。
本明細書において用いる「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含有するC3〜8環状炭化水素を指す。シクロアルケニルの例としては、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、1,3-シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタトリエニル及びシクロオクテニルが挙げられる。
本明細書において用いる「シクロアルキルアルキル」という用語は、C3〜8シクロアルキル基で置換されたアルキル基を指す。シクロアルキルアルキルの例としては、シクロプロピルメチル及びシクロペンチルエチルが挙げられる。
本明細書において用いる「アルコキシ」という用語は、酸素橋を介して親分子部分に結合した、示された数の炭素原子のアルキル基を指す。アルコキシ基の例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びイソプロポキシが挙げられる。
本明細書において用いる「アルキルアリール」基は、アルキル基で置換されたアリール基を指す。
本明細書において用いる「アラルキル」基は、アリール基で置換されアルキル基を指す。
本明細書において用いる「アルコキシアルキル」基は、アルコキシ基で置換されアルキル基を指す。
本明細書において用いる「アルキルチオアルキル」基という用語は、アルキル-S-アルキルチオエーテル、例えばメチルチオメチル又はメチルチオエチルを指す。
本明細書において用いる「アミノ」という用語は、一つ又は複数の水素ラジカルを有機ラジカルで置き換えることによってアンモニアから誘導される当技術分野で公知の窒素含有基を指す。例えば、「アシルアミノ」及び「アルキルアミノ」という用語は、各々、アシル置換基及びアルキル置換基を有する特定のN-置換有機ラジカルを指す。
本明細書において用いる「アルキルカルボニル」という用語は、アルキル基で置換されたカルボニル基を指す。
本明細書において用いる「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
本明細書において用いる「ヘテロシクロアルキル」という用語は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する非芳香族環系を指す。ヘテロシクロアルキル環は、他のヘテロシクロアルキル環及び/又は非芳香族炭化水素環と場合により縮合していてもよく、又はさもなければ結合していてもよい。好ましいヘテロシクロアルキル基は、3〜7員を有する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、例えばピペラジン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、ピロリジン及びピラゾールが挙げられる。好ましいヘテロシクロアルキル基としては、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びピロリジニルが挙げられる。
本明細書において用いる「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する芳香族環系を指す。ヘテロアリール環は、一つ又は複数のヘテロアリール環、芳香族若しくは非芳香族炭化水素環、又はヘテロシクロアルキル環と縮合していてもよく、又はさもなければ結合していてもよい。ヘテロアリール環の例としては、例えばピリジン、フラン、チオフェン、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン及びピリミジンが挙げられる。ヘテロアリール基の好ましい例としては、例えばチエニル、ベンゾチエニル、ピリジル、キノリル、ピラジニル、ピリミジル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル及びベンゾピラゾリルが挙げられる。
本明細書において用いる「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素及び硫黄を指す。
幾つかの実施形態において、置換アルキルとしては、カルボキシアルキル、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル及びメルカプトアルキルが挙げられ、置換アルケニルとしては、カルボキシアルケニル、アミノアルケニル、ジアルケニルアミノ、ヒドロキシアルケニル及びメルカプトアルケニルが挙げられ、置換アルキニルとしては、カルボキシアルキニル、アミノアルキニル、ジアルキニルアミノ、ヒドロキシアルキニル及びメルカプトアルキニルが挙げられ、置換シクロアルキルとしては、4-クロロシクロヘキシル等の部分が挙げられ、アリールとしては、ナフチル等の部分が挙げられ、置換アリールとしては、3-ブロモフェニル等の部分が挙げられ、アラルキルとしては、トリル等の部分が挙げられ、ヘテロアルキルとしては、エチルチオフェン等の部分が挙げられ、置換ヘテロアリールとしては、3-メトキシチオフェン等の部分が挙げられ、アルコキシとしては、メトキシ等の部分が挙げられ、フェノキシとしては、3-ニトロフェノキシ等の部分が挙げられる。ハロは、フルオロ、クロロ、ヨード及びブロモを含むと理解されるものとする。
本発明の目的のために、「正の整数」とは、1以上の整数を含むと理解されるものとし、当業者であれば、当業者の合理性の範囲内であること、すなわち一部の実施形態では好ましくは1〜約10、より好ましくは1もしくは2である、と理解されよう。
本発明の目的のために、「結合した」という用語は、一つの基の別の基への共有(好ましくは)結合又は非共有結合、即ち、化学反応による前記結合を含むと理解されるものとする。
本発明の目的のために、「有効量」及び「十分量」という用語は、所望の効果又は治療効果を達成する量を意味するものとし、このような効果は当業者により理解されている。
本発明の目的のために、「治療用オリゴヌクレオチド」とは、医薬品又は診断薬として使用するオリゴヌクレオチドを指す。
本発明の目的のために、「遺伝子発現の調節」という用語は、投与経路に関わらず、本明細書に記載の化合物での処理なしに観察された遺伝子発現と比較して、好ましくは癌及び炎症と関連する任意の種類の遺伝子のダウンレギュレーション又はアップレギュレーションを広範に含むと理解されるものとする。
本発明の目的のために、「標的遺伝子の遺伝子発現の抑制」とは、本明細書に記載の化合物での処理なしに観察されたものと比較したとき、mRNA発現又は翻訳されたタンパク質の量を減少させるか、又は減弱させることを意味すると理解されるものとする。適切なアッセイとしては、例えばドットブロット、ノーザンブロット、in situハイブリダイゼーション、ELISA、免疫沈降、酵素機能、並びに当業者に公知の表現型アッセイ等の当業者に公知の技法を用いたタンパク質又はmRNAレベルの検査が挙げられる。処理した状態は、例えば細胞、好ましくは癌細胞又は癌組織のmRNAレベルの減少により確認できる。
大まかに言って、抑制又は処理の成功は、所望の反応が得られた場合に生じるとみなされるものとする。例えば、抑制又は処理の成功は、例えば、腫瘍増殖抑制と関連する遺伝子の10%以上(即ち、20%、30%、40%)のダウンレギュレーションを得ることと定義できる。或いは、処理の成功は、本明細書に記載の化合物での処理なしに観察されたものと比較したとき、当業者により企図される他の臨床的指標を含め、癌細胞又は癌組織における癌遺伝子mRNAレベルの少なくとも20%、好ましくは30%、より好ましくは40%以上(即ち、50%又は80%)の低下を得ることと定義できる。
更に、説明の簡便性のための単数形の用語の使用は、それだけに限定されることは決して意図されない。したがって、例えば、オリゴヌクレオチド、式(I)の化合物、カチオン性脂質、融合性脂質、PEG脂質等についての言及は、オリゴヌクレオチド、式(I)の化合物、カチオン性脂質、融合性脂質、PEG脂質等の一つ又は複数の分子を指す。オリゴヌクレオチドは、同一又は異なる種類の遺伝子であってよいことも企図される。本明細書に開示された特定の構成、工程段階及び物質は若干変化し得るため、本発明はこのような構成、工程段階及び物質に限定されないことも理解されたい。
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物により限定されるため、本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のためだけに使用され、限定することは意図されないことも理解されたい。
式(I)の化合物の構成要素の模式図である。 実施例6から10に記載の化合物5および5aの反応図式の模式図である。 実施例11から23に記載の化合物16および16aの反応図式の模式図である。 FAMで標識したオリゴヌクレオチドで処理した細胞の画像であり、実施例24に記載のオリゴヌクレオチドの蛍光発光および細胞取り込みならびに細胞質局在化を示す図である。
A.式(I)の化合物
1. 概要
本発明の1態様において、下記式(I)の化合物が提供される。
Figure 2012509066
式中、
R1は下記式(Ia1)または(Ia2)の基:
Figure 2012509066
であり;
XはOまたはS、好ましくはSであり;
R2は、水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーまたは下記式(Ib1)、(Ib2)または(Ib3)の基:
Figure 2012509066
であり;
MはOまたはNR5、好ましくはNR5であり;
R3は、OH、OR6、SH、SR7、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーまたは下記式(Ic1)、(Ic2)または(Ic3)の基:
Figure 2012509066
であり;
Y1はO、SまたはNR8、好ましくはOであり;
R4は、C1-6アルキル、C1-6分岐アルキルまたは
Figure 2012509066
であり;
R51-54は独立に水素、アミノ、アジド、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、C1-6アルキル、C3-8分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリールおよび置換されたアリールの中から選択され、好ましくはR51はニトロであり、R52-54は水素であり;
R5およびR8は独立に水素、アミノ、アジド、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、C1-6アルキル、C3-8分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリールおよび置換されたアリール、好ましくは、水素、メチル、エチルおよびプロピルの中から選択され;
R6およびR7は独立に、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)またはC3-6分岐アルキル(tert-ブチル)であり;
R11は、水素、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)、官能基、標的基またはエンドソーム放出促進部分であり;
R12は、水素、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)、脱離基、官能基、標的基、核局在化シグナルペプチドまたは非抗原性ポリマーであり;
R13は、OH、OR6、SH、SR7、脱離基、官能基、標的基、生理活性剤および非抗原性ポリマーの中から選択されるか、
Figure 2012509066
であり、式(Ia2)の基は存在し、(g)は0であり;
R14はエンドソーム放出促進部分であり;
R15-17は独立に水素、ヒドロキシル、C1-6アルキルs、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-19分岐アルキル、C3-8シクロアルキルおよびC1-6アルコキシの中から選択され、(n1)、(n2)または(n3)が2以上である場合にR15-17は各場合で独立に同一であるか異なっており;
L1-3およびL6-9は独立に選択される二官能性連結基であり、(b)、(e)、(f)、(h)、(i)、(j)または(k)が2以上である場合にL1-3およびL6-9は各場合で独立に同一であるか異なっており;
L4-5は、独立に選択されるXに隣接する末端硫黄を含む二官能性スペーサーであり;
(c)は0または1であり;
(d)および(g)は独立に0または1、好ましくは1であり;
(b)、(e)、(f)、(h)、(i)、(j)および(k)は独立に、0または正の整数(すなわち、1、2、3、4、5、6)であり;
(n1)は0または約1から約10の正の整数、好ましくは0、1、2、3、4、5、6、より好ましくは0、1、2、3、さらに好ましくは1であり;
(n2)および(n3)は独立に、0または約1から約10の正の整数、好ましくは0、1、2、3、4、5、6、より好ましくは、0、1、2、3、さらに好ましくは0であり、
ただし、R1-3のうちの少なくとも一つ(すなわち、R1)がエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つ(例えば、R1またはR3)が生理活性剤または
Figure 2012509066
を含み、式(Ia2)の基が存在し、(g)は0である。
ある好ましい態様において、本発明は、R1-3のうちの一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つが生理活性剤を含む式(I)の化合物を提供する。
別の好ましい態様において、本発明は、R1がエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR2-3のうちの一つが生理活性剤を含む;または
R1が生理活性剤または
Figure 2012509066
を含み、(g)が0であり、残りのR2-3のうちの一つがエンドソーム放出促進部分を含む化合物を提供する。
好ましくは、R1はエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR2-3のうちの一つが生理活性剤を含む;またはR1が生理活性剤を含み、残りのR2-3のうちの一つがエンドソーム放出促進部分を含む。本発明は、エンドソーム放出促進基または生理活性剤が化合物のコア構造に放出可能に連結されている化合物を提供する。
ある種の実施形態において、本発明は、
R1が下記式(Ia1)または(Ia2)の基:
Figure 2012509066
であり;
R2が下記式(Ib1)、(Ib2)または(Ib3)の基:
Figure 2012509066
であり;
R3がOH、OR6または下記式(Ic1)、(Ic2)または(Ic3)の基:
Figure 2012509066
である式(I)の化合物を提供する。
好ましくは、R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、R12は核局在化シグナルペプチドであり、R13は生理活性剤を含む。
ある種の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、下記式(IIa)または(II′a)を有する。
Figure 2012509066
式中、R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、R13は生理活性剤を含む。
ある種の実施形態において、本明細書に記載の化合物は下記式(IIb)または(II′b)を有する。
Figure 2012509066
式中、R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み;
R13は、(g)が0または1である場合は生理活性剤であり、または(g)が0である場合は
Figure 2012509066
であり;
R2は水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
R3はOH、OR6、SH、SR7、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーである。
ある好ましい実施形態では、R13は生理活性剤であり、(g)は0である。
本発明の別の態様において、生理活性剤は-NH2含有部分、-OH含有部分および-SH含有部分の中から選択される。あるいは、生理活性剤には、医薬活性化合物/薬剤およびオリゴヌクレオチドなどの核酸などがあるが、これらに限定されるものではない。
ある種の実施形態において、生理活性剤は、中性もししくは負電荷を含む生理活性剤である。そのような負電荷を有する化合物には、医薬活性化合物およびオリゴヌクレオチドなどの核酸などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に関して、医薬活性化合物は、約1,500ダルトン未満の平均分子量を有するものなどの小分子を含むものとする。
説明を簡便にするためであって、非限定的であるが、「小分子」という用語は、「医薬活性化合物」と互換的に使用されるものと理解される。
ある好ましい態様において、生理活性剤にはオリゴヌクレオチドなどがある。
本発明の別の態様において、R1はジスルフィド結合を介してXに放出可能に連結された生理活性剤である。さらに別の態様において、R1が、ジスルフィド結合を介してXに放出可能に連結されたエンドソーム放出促進部分を含む。
本発明のさらに別の好ましい態様において、式(I)の化合物は、エンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせと生理活性剤を含む。
1実施形態において、R1がエンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせを含み;R3が生理活性剤を含む。
別の実施形態において、R1がエンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせを含み;R2が生理活性剤を含む。
さらに別の実施形態において、R1が生理活性剤を含み、R2がエンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせを含む。
さらに別の実施形態において、R1が生理活性剤を含み、R3がエンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせを含む。
ある種の実施形態において、R1がエンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせを含み;R3が生理活性剤を含み;R2が核局在化シグナル基を含む。
ある種の実施形態において、R1がエンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせを含み;R2が生理活性剤を含み;R3が核局在化シグナル基を含む。
ある種の実施形態において、R1が生理活性剤を含み、R2がエンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせを含み、R3がOHである。
ある種の実施形態において、R1が生理活性剤を含み、R3がエンドソーム放出促進基またはエンドソーム放出促進基および標的基の組み合わせを含み、R2が水素である。
好ましくは、XはSであり;Y1はOであり;MはNHである。
別の態様において、水溶性かつ非抗原性のポリマーを含む式(I)の化合物が想到される。例えば、ポリアルキレンオキサイドなどの非抗原性ポリマーが、エンドソーム放出促進基または標的基に接合される。標的基修飾ポリアルキレンオキサイドも想到される。あるいは、非抗原性ポリマーに接合された生理活性剤も想到される。
本発明のある好ましい態様は、(n1)が1であり、(n2)および(n3)の両方が0であるものである。本明細書に記載の化合物は、下記式(III)を有する。
Figure 2012509066
ある種の実施形態において、R1、R2およびR3は、それぞれ下記式(Ia1)、(Ib1)および(Ic1)を有する。
Figure 2012509066
ある種の実施形態において、R1、R2およびR3は下記式(Ia1)、(Ib3)および(Ic2)を有する。
Figure 2012509066
ある種の実施形態において、R11は標的基(例えば、細胞表面標的部分)であり、R14はエンドソーム放出促進部分であり、(c)は1である。
ある種の実施形態において、R11はエンドソーム放出促進部分であり、(c)は0である。
ある種の実施形態において、(b)は0または正の整数(すなわち、0、1、2)である。
あるいは、本明細書に記載の化合物は、下記式(IIIa)または(III′a)を有する。
Figure 2012509066
式中、R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、R13が生理活性剤を含む。
ある種の実施形態において、R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、R13が生理活性剤を含み、R12は核局在化シグナルペプチドである。
1実施形態において、R11は標的基(例えば、a細胞表面標的部分)であり;R14はエンドソーム放出促進部分であり、(c)は1であり;R13は生理活性剤を含み;R12は核局在化シグナルペプチドである。
別の実施形態において、R11はエンドソーム放出促進部分であり、(c)は0であり;R13が生理活性剤を含み;R12は核局在化シグナルペプチドである。
ある種の実施形態において、R1およびR2は、それぞれ下記式(Ia2)および(Ib2)を有する。
Figure 2012509066
ある種の実施形態において、R1およびR3は、それぞれ下記式(Ia2)および(Ic3)を有する。
Figure 2012509066
あるいは、本明細書に記載の化合物は下記式(IIIb)または(III′b)を有する。
Figure 2012509066
式中、
R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み;
R13は、(g)が0または1の場合は生理活性剤であり、または(g)が0の場合は
Figure 2012509066
であり;
R2は水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
R3はOH、OR6、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーである。
ある種の実施形態において、R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、R13が生理活性剤を含む。
1実施形態において、R11は標的基(例えば、細胞表面標的部分)であり;R14はエンドソーム放出促進部分であり、(c)は1であり;R13が生理活性剤を含む。
別の実施形態において、R11はエンドソーム放出促進部分であり、(c)は0であり;R13が生理活性剤を含む。
ある種の好ましい実施形態において、本明細書に記載の化合物は、下記式(IVa)または(IV′a)を有する。
Figure 2012509066
式中、
R11は水素、標的基またはヒスチジン豊富ペプチドであり;
R12は水素、C1-6アルキル、脱離基、官能基、核局在化シグナルペプチドまたは非抗原性ポリマーであり;
R13は生理活性剤であり;
R14がヒスチジン豊富ペプチドを含む。
ある種の実施形態において、本明細書に記載の化合物は下記式(IVb)または(IV′b)を有する。
Figure 2012509066
式中、
R11は水素、標的基またはヒスチジン豊富ペプチドであり;
R13は、(g)が0または1の場合に生理活性剤であり、または(g)が0の場合に
Figure 2012509066
であり;
R14がヒスチジン豊富ペプチドを含み;
R2は水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
R3はOH、OR6、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーである。
好ましくは、R13は生理活性剤である。
ある好ましい実施形態において、R1がX(硫黄)に放出可能に連結された生理活性剤を含む。
ヒスチジン豊富ペプチドは、約3から約40アミノ酸、好ましくは約3から約25アミノ酸(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25)を含む。
ある好ましい実施形態では、エンドソーム放出促進部分は(His)nを含み、Hisはヒスチジンであり、(n)は正の整数、好ましくは3以上の正の整数(例えば、約3から約20の正の整数)である。例えば、エンドソーム放出促進部分は-His-His-His-を含む。
1実施形態では、下記式(Va)または(V′a)の化合物が提供される。
Figure 2012509066
式中、
R11は水素または標的基であり;
R12は水素、C1-6アルキル、脱離基、官能基または核局在化シグナルペプチドであり;
R13が生理活性剤を含み;
Hisはヒスチジンであり;
(n)は、3以上の正の整数(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16)である。
ある種の実施形態において、(His)n部分はリジンを含んでいても良い。
別の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、下記式(Vb)または(V′b)を有する。
Figure 2012509066
式中、
R11は水素または標的基であり;
R13は、(g)が0または1である場合生理活性剤であり、または(g)が0である場合、
Figure 2012509066
であり;
R2は水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
R3はOH、OR6、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
Hisはヒスチジンであり;
(n)は、3以上の正の整数(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16)である。
好ましくは、R13は生理活性剤である。
1実施形態において、R1はヒスチジン豊富ペプチドを含み、R2はMに永久的に連結されており、R3はC(=Y1)に永久的に連結されている。
本明細書に記載の化合物には、核局在化シグナルペプチド、例えばCGVKRKKKP(配列番号28)、CYGRKKRRQRRR(配列番号29)、YGRKKRRQRRRC(配列番号30)およびYGRKKRRQRRR(配列番号31)などがあるが、これらに限定されるものではない。
ある好ましい実施形態では、(c)は1であり;R14はヒスチジン豊富ペプチドであり;R11は細胞表面標的基である。好ましくは、細胞表面標的基は葉酸またはアニスアミドである。
別の好ましい実施形態では、(b)および(c)が両方とも0であり、(d)は1であり、R11はヒスチジン豊富ペプチドである。
さらに別の実施形態では、R11がポリアルキレンオキサイドで修飾された標的基(例えば、標的基の遠位末端でポリアルキレンオキサイドによって修飾された標的基)などの非抗原性ポリマーを含む。あるいは、R13がポリアルキレンオキサイドで修飾された生理活性剤(例えば、オリゴヌクレオチドの遠位末端でポリアルキレンオキサイドによって修飾されたオリゴヌクレオチド)などの非抗原性ポリマーを含む。
2. 連結基:L 1-3 およびL 6-9
式(I)の化合物に含まれるL1-3およびL6-9は独立に、
-(CR21R22)t1-[C(=Y16)]a3-、
-(CR21R22)t1Y17-(CR23R24)t2-(Y18)a2-[C(=Y16)]a3-、
-(CR21R22CR23R24Y17)t1-[C(=Y16)]a3-、
-(CR21R22CR23R24Y17)t1(CR25R26)t4-(Y18)a2-[C(=Y16)]a3-、
-[(CR21R22CR23R24)t2Y17]t3(CR25R26)t4-(Y18)a2-[C(=Y16)]a3-、
-(CR21R22)t1-[(CR23R24)t2Y17]t3(CR25R26)t4-(Y18)a2-[C(=Y16)]a3-、
-(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3(CR23R24)t2-、
-(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3Y14(CR23R24)t2-、
-(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3(CR23R24)t2-Y15-(CR23R24)t3-、
-(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3Y14(CR23R24)t2-Y15-(CR23R24)t3-、
-(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3(CR23R24CR25R26Y19)t2(CR27CR28)t3-、
-(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3Y14(CR23R24CR25R26Y19)t2(CR27CR28)t3-および
Figure 2012509066
の中から選択され、
Y16はO、NR28またはS、好ましくはOであり;
Y14-15およびY17-19は独立に、O、NR29またはS、好ましくはOまたはNR29であり;
R21-27は独立に、水素、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシおよびC1-6ヘテロアルコキシ、好ましくは水素、メチル、エチルおよびプロピルの中から選択され;
R28-29は独立に、水素、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシおよびC1-6ヘテロアルコキシ、好ましくは水素、メチル、エチルおよびプロピルの中から選択され;
(t1)、(t2)、(t3)および(t4)は独立に、0または正の整数、好ましくは0または約1から約10の正の整数(例えば、1、2、3、4、5、6)であり;
(a2)および(a3)は独立に、0または1である。
本発明の範囲内で想到される二官能性連結基の組み合わせには、連結基の可変要素および置換基の組み合わせが許容できるものであることで、そのような組み合わせによって安定な式(I)の化合物が得られるものなどがある。例えば、(a3)が0である場合、Y14はY17に直接連結されていない。
本発明に関して、放出可能連結基などの二官能性連結基についての値が2以上の正の整数である場合、同一または異なる二官能性連結基を用いることができる。
1実施形態において、Y14-15およびY17-19はOまたはNR29であり;R21-29は独立に、水素またはメチルである。
別の実施形態において、Y16はOであり;Y14-15およびY17-19はOまたはNR29であり;R21-29は水素である。
ある種の実施形態において、L1-3およびL6-9は独立に
-(CH2)t1-[C(=O)]a3-、
-(CH2)t1Y17-(CH2)t2-(Y18)a2-[C(=O)]a3-、
-(CH2CH2Y17)t1-[C(=O)]a3-、
-(CH2CH2Y17)t1(CH2)t4-(Y18)a2-[C(=O)]a3-、
-[(CH2CH2)t2Y17]t3(CH2)t4-(Y18)a2-[C(=O)]a3-、
-(CH2)t1-[(CH2)t2Y17]t3(CH2)t4-(Y18)a2-[C(=O)]a3-、
-(CH2)t1(Y17)a2[C(=O)]a3(CH2)t2-、
-(CH2)t1(Y17)a2[C(=O)]a3Y14(CH2)t2-、
-(CH2)t1(Y17)a2[C(=O)]a3(CH2)t2-Y15-(CH2)t3-、
-(CH2)t1(Y17)a2[C(=O)]a3Y14(CH2)t2-Y15-(CH2)t3-、
-(CH2)t1(Y17)a2[C(=O)]a3(CH2CH2Y19)t2(CH2)t3-および
-(CH2)t1(Y17)a2[C(=O)]a3Y14(CH2CH2Y19)t2(CH2)t3-
の中から選択され;
Y14-15およびY17-19は独立に、OまたはNHであり;
(t1)、(t2)、(t3)および(t4)は独立に、0または正の整数、好ましくは0または約1から約10の正の整数(例えば、1、2、3、4、5、6)であり;かつ
(a2)および(a3)は独立に、0または1である。
(t1)または(t3)が2以上である場合、Y17は各場合で同一であるか異なっている。
(t2)が2以上である場合、Y19は各場合で同一であるか異なっている。
別のさらなる実施形態では、L1
-(CH2)4-C(=O)-、-(CH2)5-C(=O)-、-(CH2)6-C(=O)-、
-CH2CH2O-CH2O-C(=O)-、-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-、
-(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-、-(CH2CH2O)2-C(=O)-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-、
-(CH2)4-C(=O)NH-、-(CH2)5-C(=O)NH-、-(CH2)6-C(=O)NH-、
-CH2CH2O-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-C(=O)-NH-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-、-CH2CH2O-CH2O-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)3-CH2CH2NH-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-、-CH2-O-(CH2CH2O)2-、
-(CH2)4-、-(CH2)3-、-O(CH2)2-、-C(=O)O(CH2)3-、-C(=O)NH(CH2)3-、
-C(=O)(CH2)2-、-C(=O)(CH2)3-、
-CH2-C(=O)-O(CH2)3-、
-CH2-C(=O)-NH(CH2)3-、
-CH2-OC(=O)-O(CH2)3-、
-CH2-OC(=O)-NH(CH2)3-、
-(CH2)2-C(=O)-O(CH2)3-、
-(CH2)2-C(=O)-NH(CH2)3-、
-CH2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
-CH2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
-(CH2)2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
-(CH2)2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
-CH2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
-(CH2)2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
Figure 2012509066
の中から選択される。
あるいは、L2およびL6-7は独立に
-(CH2)4-C(=O)-、-(CH2)5-C(=O)-、-(CH2)6-C(=O)-、
-CH2CH2O-CH2O-C(=O)-、
-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-、
-(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-、
-(CH2CH2O)2-C(=O)-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-、
-(CH2)4-C(=O)NH-、-(CH2)5-C(=O)NH-、-(CH2)6-C(=O)NH-、
-CH2CH2O-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-C(=O)-NH-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-、-CH2CH2O-CH2O-.
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)3-CH2CH2NH-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-、-CH2-O-(CH2CH2O)2-、
-(CH2)4-、-(CH2)3-、-O(CH2)2-、-C(=O)O(CH2)3-、-C(=O)NH(CH2)3-、
-C(=O)(CH2)2-、-C(=O)(CH2)3-、-CH2-C(=O)-O(CH2)3-、
-CH2-C(=O)-NH(CH2)3-、-CH2-OC(=O)-O(CH2)3-、
-CH2-OC(=O)-NH(CH2)3-、
-(CH2)2-C(=O)-O(CH2)3-、
-(CH2)2-C(=O)-NH(CH2)3-、
-CH2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
-CH2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
-(CH2)2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
-(CH2)2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
-CH2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
-(CH2)2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
Figure 2012509066
の中から選択され;
(e)、(h)または(i)が2以上である場合、L2およびL6-7は各場合で独立に、同一であるか異なっている。
あるいは、L3およびL8-9は独立に
-(CH2)4-C(=O)-、-(CH2)5-C(=O)-、-(CH2)6-C(=O)-、
-CH2CH2O-CH2O-C(=O)-、-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-、
-(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-、-(CH2CH2O)2-C(=O)-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-、
-(CH2)4-C(=O)NH-、-(CH2)5-C(=O)NH-、-(CH2)6-C(=O)NH-、
-CH2CH2O-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-C(=O)-NH-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-NH-、
-(CH2CH2O)2-、-CH2CH2O-CH2O-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)3-CH2CH2NH-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
-CH2-O-CH2CH2O-、-CH2-O-(CH2CH2O)2-;
-(CH2)4-、-(CH2)3-、-O(CH2)2-、-C(=O)O(CH2)3-、
-C(=O)NH(CH2)3-、-C(=O)(CH2)2-、-C(=O)(CH2)3-、
-CH2-C(=O)-O(CH2)3-、
-CH2-C(=O)-NH(CH2)3-、
-CH2-OC(=O)-O(CH2)3-、
-CH2-OC(=O)-NH(CH2)3-、
-(CH2)2-C(=O)-O(CH2)3-、
-(CH2)2-C(=O)-NH(CH2)3-、
-CH2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
-CH2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
-(CH2)2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
-(CH2)2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
-CH2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
-(CH2)2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
Figure 2012509066
の中から選択され;
(f)、(j)または(j)が2以上である場合、L3およびL8-9は各場合で独立に、同一であるか異なっている。
本発明の範囲内で想到される連結基の組み合わせには、連結基の可変要素および置換基の組み合わせが許容できるものであることで、そのような組み合わせによって安定な式(I)の化合物が得られるものなどがある。例えば、(a3)が0である場合、Y17は、Y14やY15に直接連結されていない。
さらなる実施形態で、別の実施形態として、式(I)の化合物への接合の前の二官能性連結基には、アミノ酸、アミノ酸誘導体およびペプチドなどがある。そのアミノ酸は、天然および非天然アミノ酸の中からのものであることができる。天然アミノ酸の誘導体および類縁体ならびに各種の当業界で公知の非天然アミノ酸(DまたはL)で疎水性または非疎水性のものも、本発明の範囲内であることが想到される。非天然アミノ酸の好適なリストには、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β-アラニン、β-アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、ピペリジン酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、2,4-アミノ酪酸、デスモシン、2,2-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルグリシン、サルコシン、N-メチル-イソロイシン、6-N-メチル-リジン、N-メチルバリン、ノルバリン、ノルロイシンおよびオルニチンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
3. 末端Sを含む二官能性スペーサー:L 4-5
本発明の別の態様において、式(I)の化合物に含められたL4-5は独立に、
-(CR′21R′22)t′1-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′2S-、
-(CR′21R′22)t′1Y′14-(CR′23R′24)t′2-(Y′15)a′2-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′3S-、
-(CR′21R′22CR′23R′24Y′14)t′1-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′2S-、
-(CR′21R′22CR′23R′24Y′14)t′1(CR′25R′26)t′2-(Y′15)a′2-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′3S-、
-[(CR′21R′22CR′23R′24)t′2Y′14]t′1(CR′25R′26)t′2-(Y′15)a′2-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′3S-、
-(CR′21R′22)t′1-[(CR′23R′24)t′2Y′14]t′2(CR′25R′26)t′3-(Y′15)a′2-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′4S-、
-(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3(CR′23R′24)t′2S-、
-(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3Y′15(CR′23R′24)t′2S-、
-(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3(CR′23R′24)t′2-Y′15-(CR′23R′24)t′3S-、
-(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3Y′14(CR′23R′24)t′2-Y′15-(CR′23R′24)t′3S-、
-(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3(CR′23R′24CR′25R′26Y′15)t′2(CR′27CR′28)t′3S-、
-(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3Y′17(CR′23R′24CR′25R′26Y′15)t′2(CR′27CR′28)t′3S-および
Figure 2012509066
の中から選択される式によって表され;
Y′16はO、NR′28またはS、好ましくはOであり;
Y′14-15およびY′17は独立に、O、NR′29またはS、好ましくはOまたはNR′29であり;
R′21-27は独立に、水素、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシおよびC1-6ヘテロアルコキシ、好ましくは水素、メチル、エチルおよびプロピルからなる群から選択され;
R′28-29は独立に、水素、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシおよびC1-6ヘテロアルコキシ、好ましくは水素、メチル、エチルおよびプロピルからなる群から選択され;
(t′1)、(t′2)、(t′3)および(t′4)は独立に、0または正の整数、好ましくは0または約1から約10の正の整数(例えば、1、2、3、4、5、6)であり;かつ
(a′2)および(a′3)は独立に、0または1である。
本発明の範囲内で想到される二官能性スペーサーの組み合わせには、連結基の可変要素および置換基の組み合わせが許容できるものであることで、そのような組み合わせによって安定な式(I)の化合物が得られるものなどがある。例えば、(a′3)が0である場合、Y′14はY′14やY′15に直接連結されていない。
ある好ましい実施形態において、Y′14-15およびY′17はOまたはNR′29であり;R′21-29は独立に、水素またはメチルである。
別の好ましい実施形態において、Y′16はOであり;Y′14-15およびY′17はOまたはNR′29であり;R′21-29は水素である。
ある種の実施形態において、L1-3およびL6-9は独立に、
-(CH2)t′1-[C(=O)]a′3(CH2)t′2S-、
-(CH2)t′1Y′14-(CH2)t′2-(Y′15)a′2-[C(=O)]a′3(CH2)t′3S-、
-(CH2CH2Y′14)t′1-[C(=O)]a′3(CH2)t′2S-、
-(CH2CH2Y′14)t′1(CH2)t′2-(Y′15)a′2-[C(=O)]a′3(CH2)t′3S-、
-[(CH2CH2)t′2Y′14]t′1(CH2)t′2-(Y′15)a′2-[C(=O)]a′3(CH2)t′3S-、
-(CH2)t′1-[(CH2)t′2Y′14]t′2(CH2)t′3-(Y′15)a′2-[C(=O)]a′3(CH2)t′4S-,
-(CH2)t′1(Y′14)a′2[C(=O)]a′3(CH2)t′2S-,
-(CH2)t′1(Y′14)a′2[C(=O)]a′3Y′15(CH2)t′2S-,
-(CH2)t′1(Y′14)a′2[C(=O)]a′3(CH2)t′2-Y′15-(CH2)t′3S-、
-(CH2)t′1(Y′14)a′2[C(=O)]a′3Y′14(CH2)t′2-Y′15-(CH2)t′3S-、
-(CH2)t′1(Y′14)a′2[C(=O)]a′3(CH2CH2Y′15)t′2(CH2)t′3S-および
-(CH2)t′1(Y′14)a′2[C(=O)]a′3Y′17(CH2CH2Y′15)t′2(CH2)t′3S-
の中から選択され;
Y′14-15およびY′17は独立に、OまたはNHであり;
(t′1)、(t′2)、(t′3)および(t′4)は独立に、0または正の整数、好ましくは0または約1から約10の正の整数(例えば、1、2、3、4、5、6)であり; かつ
(a′2)および(a′3)は独立に、0または1である。
(t′1)または(t′2)が2以上である場合、Y′14は各場合で同一であるか異なっている。
(t′2)が2以上である場合、Y′15は各場合で同一であるか異なっている。
本発明に関して、放出可能連結基を含む二官能性スペーサーの値が2以上の正の整数である場合、同一または異なる二官能性連結基を用いることができる。
さらに別の実施形態において、別の実施形態として、L4は、
-(CH)6-S-、-(CH)5-S-、-(CH)4-S-、-(CH)3-S-、-(CH)2-S-、
-(CH2)4-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2)5-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2)6-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2CH2O-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2)4-C(=O)NHCH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2CH2O-CH2OC(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-(CH2CH2O)3-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-CH2CH2O-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)NHCH(COOH)CH2S-および
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)NHCH(COOH)CH2S-
の中から選択される。
さらなる実施形態で、別の実施形態として、L5は、
-(CH)6-S-、-(CH)5-S-、-(CH)4-S-、-(CH)3-S-、-(CH)2-S-、
-(CH2CH2O)-CH2CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2S-、
-(CH2)4-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2)5-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2)6-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2CH2O-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2)4-C(=O)NHCH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-CH2CH2O-CH2OC(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-(CH2CH2O)3-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-CH2CH2O-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
-CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)NHCH(COOH)CH2S-および
-CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)NHCH(COOH)CH2S-
の中から選択される。
4. 脱離基および官能基
一部の態様において、好適な脱離基には、ハロゲン(Br、Cl)、活性化カーボネート、カルボニルイミダゾール、環状イミドチオン、イソシアネート、N-ヒドロキシスクシニミジル、パラ-ニトロフェノキシ、N-ヒドロキシフタルイミド、N-ヒドロキシベンゾトリアゾリル、イミダゾール、トシレート、メシレート、トレシレート(tresylate)、ノシレート(nosylate)、C1-C6アルキルオキシ、C1-C6アルカノイルオキシ、アリールカルボニルオキシ、オルト-ニトロフェノキシ、N-ヒドロキシベンゾトリアゾリル、イミダゾール、ペンタフルオロフェノキシ、1,3,5-トリクロロフェノキシおよび1,3,5-トリフルオロフェノキシまたは当業者には明らかである他の好適な脱離基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に関して、脱離基は、所望の標的、すなわち生理活性剤、診断剤、標的化部分、二官能性スペーサー、中間体などで認められる求核剤と反応する能力を有する基と理解されるべきである。従って標的は、スペーサー-SH、スペーサー-NH2もしくはスペーサー-OHで修飾されたオリゴヌクレオチド、タンパク質、ペプチド、酵素、ドキソルビシンなどの天然もしくは化学合成の治療性分子およびモノ保護ジアミンなどのスペーサー上で認められるOH、NH2またはSH基などの置き換えのための基を含む。
一部の好ましい実施形態では、式(I)の化合物を生理活性剤に連結するための官能基には、マレイミジル、ビニル、スルホンの残基、アミノ、カルボキシ、メルカプト、ヒドラジド、カルバジド酸エステルなどがあり、それらは生物学的活性基にさらに接合されていることができる。
本発明の別の一部の好ましい実施形態では、脱離基は、H、OH、メトキシ、tert-ブトキシ、N-ヒドロキシスクシニミジルおよびマレイミジルの中から選択することができる。
5. 生理活性剤
本発明の別の態様において、非常に多様な生理活性剤が、本明細書に記載の式(I)の化合物で想到される。その生理活性剤には、医薬活性化合物、酵素、タンパク質、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)、抗体、モノクローナル抗体、一本鎖抗体およびペプチドなどがある。あるいは、式(I)の化合物は、アミン-、ヒドロキシル-またはチオール含有化合物などの生理活性剤を含む。
本発明に関して、医薬活性化合物が小分子量分子を含むことは明らかである。代表的には、医薬活性化合物は、約1,500ダルトン未満の分子量を有する。
そのような化合物のリストには、カンプトセシンおよびSN38またはイリノテカンなどの類縁体、ヒドロキシル-またはチオール-トポイソメラーゼI阻害薬、タキサン類およびパクリタキセル誘導体、AZTおよびアシクロビルなどのヌクレオシド、ダウノルビシンおよびドキソルビシンなどのアントラサイクリン化合物、Ara-C(シトシンアラビノシド)およびゲムシタビンなどの関連する代謝拮抗薬化合物などがあるが、これらに限定されるものではない。
あるいは、生理活性剤には、心血管薬、抗悪性腫瘍薬、抗感染薬、ニスタチンおよびアンホテリシンBなどの抗真菌薬、抗不安薬、胃腸薬、中枢神経系活性化剤、鎮痛薬、妊娠促進薬、避妊薬、抗炎症薬、ステロイド剤、抗尿酸血症剤(anti-urecemic agents)、血管拡張剤および血管収縮剤などがあり得る。理解すべき点として、具体的に言及していないが好適なアミン-、ヒドロキシル-またはチオール含有基を有する他の生理活性物質も意図されるものであり、本発明の範囲に包含される。
生理活性化合物は、処置が望まれる状態に対して、ヒトのような哺乳動物などの動物の処置での医学的使用または診断的使用に好適である。
本発明に含めるのに好適な生理活性剤の種類に関する唯一の限定は、式(I)の化合物に連結するためのアミン、ヒドロキシルまたはチオールなどの利用可能な少なくとも一つの化学的に反応性の官能基部分があること、そして本明細書に記載の式(I)の化合物に接合された形で生理活性にほとんど喪失がないことである。あるいは、本発明の化合物への組み込みに好適な化合物は、連結された化合物からの加水分解的放出後に活性であることができるか、加水分解的放出後には活性でないが、さらなる化学プロセス/反応を受けた後に活性となるものであることができる。例えば、送達系によって血流に送達される抗癌剤は、癌や腫瘍細胞に進入するまでは不活性のままであり、その時点で、癌もしくは腫瘍細胞の化学により、例えばその細胞に特有の酵素反応によって活性化されうる。
ある好ましい実施形態では、生理活性剤は、中性または負電荷を有する生理活性剤である。その生理活性剤には、オリゴヌクレオチドなどの核酸および負電荷を有する医薬活性化合物などがある。負電荷を有する医薬活性化合物には、約1,500ダルトンミン未満の平均分子量を有するものなどの小分子などがある。
より好ましい実施形態では、生理活性剤にはオリゴヌクレオチドなどがある。
6. 核酸/オリゴヌクレオチド
本明細書に記載の化合物は、様々な核酸(例えばオリゴヌクレオチド)を細胞又は組織に、および好ましくは細胞質および核に送達するために使用できる。核酸としては、プラスミド及びオリゴヌクレオチドが挙げられる。好ましくは、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチドの送達のために使用される。
本発明の範囲をより十分に理解するために、以下の用語を定義する。当業者は、「核酸」又は「ヌクレオチド」という用語が、別段の指示がない限り一本鎖であるか又は二本鎖であるデオキシリボ核酸(「DNA」)、リボ核酸(「RNA」)、並びにそれらの任意の化学修飾体又は類似体、例えばロックド(Locked)核酸(LNA)に適用されることを認識されよう。当業者は、「核酸」という用語には、ポリ核酸、その誘導体、修飾体及び類似体が含まれることを容易に理解されよう。「オリゴヌクレオチド」とは、例えば約2〜約200ヌクレオチド長、または好ましくは約8〜約50ヌクレオチド長、またはより好ましくは8〜20もしくは15〜28ヌクレオチド長の大きさがある、一般に比較的短いポリヌクレオチドである。本発明によるオリゴヌクレオチドは、別段の指示がない限り、一般に合成核酸であり、一本鎖である。「ポリヌクレオチド」及び「ポリ核酸」という用語は、本明細書において同義的にも使用できる。
オリゴヌクレオチド(類似体)は、一種類のオリゴヌクレオチドに限定されないが、その代わり、広範なこのような部分と連携するように設計されており、リンカーは、3'-又は5'-末端、通常ヌクレオチドのPO4基又はSO4基の一つ又は複数に結合できることが理解される。企図される核酸分子は、ホスホロチオエート、インターヌクレオチド結合修飾、糖修飾、核酸塩基修飾及び/又はホスフェート骨格修飾を挙げることができる。オリゴヌクレオチドは、天然のホスホロジエステル骨格又はホスホロチオエート骨格、又は任意の他の修飾骨格類似体、例えばLNA(ロックド核酸)、PNA(ペプチド骨格を有する核酸)、CpGオリゴマー等を含有でき、それらは、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、Tides 2002、Oligonucleotide and Peptide Technology Conferences、2002年5月6日〜8日、Las Vegas、 NV and Oligonucleotide & Peptide Technologies、2003年11月18日及び19日、Hamburg、Germanyにて開示されている。
本発明で企図されるオリゴヌクレオチドの修飾は、例えば、追加の電荷、分極率、水素結合、静電相互作用及び官能性をオリゴヌクレオチドに取り込む官能性部分の付加又は置換を含む。このような修飾としては、それだけに限らないが、2'位糖修飾、5位ピリミジン修飾、8位プリン修飾、環外アミンでの修飾、4-チオウリジンの置換、5-ブロモウラシル又は5-ヨードウラシルの置換、骨格修飾、メチル化、イソ塩基のイソシチジン及びイソグアニジン等の塩基対合組合せ、並びに類似の組合せが挙げられる。本発明の範囲内で企図されるオリゴヌクレオチドとしては、3'及び/又は5'キャップ構造も挙げることができる。
本発明の目的のために、「キャップ構造」は、オリゴヌクレオチドのいずれかの末端で取り込まれた化学修飾を意味すると理解されるものとする。キャップは、5'-末端(5'-キャップ)又は3'-末端(3'-キャップ)に存在してもよく、又は両末端に存在してもよい。5'-キャップの非限定的例としては、脱塩基残基(部分)、4',5'-メチレンヌクレオチド、1-(β-D-エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4'-チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド、1,5-アンヒドロヘキシトールヌクレオチド、L-ヌクレオチド、αヌクレオチド、修飾塩基ヌクレオチド、ホスホロジチオエート結合、スレオペントフラノシルヌクレオチド、非環式3',4'-セコヌクレオチド、非環式3,4-ジヒドロキシブチルヌクレオチド、非環式3,5-ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3'-3'-逆位ヌクレオチド部分、3'-3'-逆位脱塩基部分、3'-2'-逆位ヌクレオチド部分、3'-2'-逆位脱塩基部分、1,4-ブタンジオールホスフェート、3'-ホスホルアミデート、ヘキシルホスフェート、アミノヘキシルホスフェート、3'-ホスフェート、3'-ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート又は架橋若しくは非架橋メチルホスホネート部分が挙げられる。詳細は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、WO97/26270に記載されている。3'-キャップとしては、例えば、4'、5'-メチレンヌクレオチド、1-(β-D-エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4'-チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド、5'-アミノアルキルホスフェート、1,3-ジアミノ-2-プロピルホスフェート、3-アミノプロピルホスフェート、6-アミノヘキシルホスフェート、1,2-アミノドデシルホスフェート、ヒドロキシプロピルホスフェート、1,5-アンヒドロヘキトールヌクレオチド、L-ヌクレオチド、αヌクレオチド、修飾塩基ヌクレオチド、ホスホロジチオエート、スレオペントフラノシルヌクレオチド、非環式3',4'-セコヌクレオチド、3,4-ジヒドロキシブチルヌクレオチド、3,5-ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、5'-5'-逆位ヌクレオチド部分、5'-5'-逆位脱塩基部分、5'-ホスホルアミデート、5'-ホスホロチオエート、1,4-ブタンジオールホスフェート、5'-アミノ、架橋及び/
若しくは非架橋5'-ホスホルアミデート、ホスホロチオエート及び/又はホスホロジチオエート、架橋若しくは非架橋メチルホスホネート及び5'-メルカプト部分を挙げることができる。その内容が参照により本明細書に組み込まれている、Beaucage及びIyer、1993、Tetrahedron49、1925も参照のこと。
ヌクレオシド類似体の非限定的リストは、次の構造式:
Figure 2012509066
を有する。それらの各々の内容が、参照により本明細書に組み込まれている、Freier & Altmann;Nucl. Acid Res., 1997、25、4429〜4443及びUhlmann;Curr. Opinion in Drug Development、2000、3(2)、293〜213に記載のヌクレオシド類似体の更なる例を参照のこと。
本明細書で使用する場合、「アンチセンス」という用語は、遺伝子産物をコードするか、又は調節配列をコードする特定のDNA配列又はRNA配列に相補的であるヌクレオチド配列を指す。「アンチセンス鎖」という用語は、「センス」鎖に相補的である核酸鎖に関して使用される。細胞代謝の通常の動作において、DNA分子のセンス鎖は、転写においてメッセンジャーRNA(「mRNA」)に転写される鎖である。センス鎖は、メッセンジャーRNA(「mRNA」)転写物(アンチセンス鎖)の合成のためのテンプレートとしての役割を果たし、次いで任意のコードされた遺伝子産物の合成を導く。アンチセンス核酸分子は、合成を含む当技術分野で公知の任意の方法により調製でき、このような合成には対象遺伝子をウイルスプロモーターと逆の方向にライゲーションさせ、これにより相補鎖の合成を可能とすることが含まれる。細胞へ一旦導入されると、この転写鎖は、細胞により産生される天然配列と組み合わさり、二本鎖を形成する。次いで、これらの二本鎖は更なる転写又は翻訳のいずれかを阻害する。「負」又は(-)の呼称がアンチセンス鎖を指すことも当技術分野で公知であり、「正」又は(+)がセンス鎖を指すことも当技術分野で公知である。
本発明の目的のために、「相補的」とは、核酸配列が、別の核酸配列との水素結合(複数可)を形成することを意味すると理解されるものとする。パーセント相補性は、第2の核酸配列と水素結合、即ちワトソンクリック塩基対合を形成できる核酸分子中の隣接残基の割合を指す。即ち、10の内5、6、7、8、9、10は、50%、60%、70%、80%、90%及び100%相補性である。「完全な相補性」とは、核酸配列の全ての隣接残基が、第2の核酸配列中の同数の隣接残基と水素結合を形成することを意味する。
本明細書に記載の化合物で有用な核酸(例えば一つ又は複数のオリゴヌクレオチド(同一又は異なる)又はオリゴヌクレオチド誘導体)は、約5〜約1000個の核酸、例えば好ましくは約8〜約50ヌクレオチド長(例えば、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30)の大きさがある好ましくは比較的短いポリヌクレオチドを挙げることができる。
一態様において、本明細書に記載の化合物中に包含される有用な核酸としては、天然のホスホロジエステル骨格若しくはホスホロチオエート骨格又は任意の他の修飾骨格類似体を有するオリゴヌクレオチド及びオリゴデオキシヌクレオチド、例えば
LNA(ロックド核酸);
PNA(ペプチド骨格を有する核酸);
低分子干渉RNA(siRNA);
マイクロRNA(miRNA);
ペプチド骨格を有する核酸(PNA);
ホスホロジアミデートモルホリノオリゴヌクレオチド(PMO);
トリシクロ-DNA;
デコイODN(二本鎖オリゴヌクレオチド);
触媒RNA配列(RNAi);
リボザイム;
アプタマー;
シュピーゲルマー(L-立体配座オリゴヌクレオチド);
CpGオリゴマー等、例えば、
その内容が参照により本明細書に組み込まれている、Tides 2002、Oligonucleotide and Peptide Technology Conferences、2002年5月6〜8日、Las Vegas、NV及びOligonucleotide & Peptide Technologies、2003年11月18日及び19日にて開示されているものが挙げられる。
本発明のオリゴヌクレオチドはまた、以下の表1に列挙されているものを含む、任意の適切な当技術分野で公知のヌクレオチド類似体及び誘導体を場合により含むことができる。
Figure 2012509066
一つの好ましい態様において、本明細書に開示する化合物に包含される標的オリゴヌクレオチドとしては、例えばそれだけに限らないが、癌遺伝子、プロ血管新生経路遺伝子、プロ細胞増殖経路遺伝子、ウイルス感染因子遺伝子及びプロ炎症経路遺伝子が挙げられる。
一つの好ましい実施形態において、本明細書に記載の化合物に包含されるオリゴヌクレオチドは、腫瘍細胞を標的とするか、又は腫瘍細胞及び/若しくは抗癌療法に対する腫瘍細胞の耐性と関連する遺伝子若しくはタンパク質の発現のダウンレギュレートに関わる。例えば、癌と関連する任意の当技術分野で公知の細胞タンパク質をダウンレギュレートするためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばBCL-2は本発明で使用できる。その内容が参照により本明細書に組み込まれている、2004年4月9日に出願された米国特許出願公開第10/822,205号を参照のこと。好ましい治療用オリゴヌクレオチドの非限定的例としては、アンチセンスbcl-2オリゴヌクレオチド、アンチセンスHIF-1αオリゴヌクレオチド、アンチセンススルビビンオリゴヌクレオチド、アンチセンスErbB3オリゴヌクレオチド、アンチセンスPIK3CAオリゴヌクレオチド、アンチセンスHSP27オリゴヌクレオチド、アンチセンスアンドロゲン受容体オリゴヌクレオチド、アンチセンスGli2オリゴヌクレオチド及びアンチセンスβカテニンオリゴヌクレオチドが挙げられる。
より好ましくは、本明細書に記載の本発明によるオリゴヌクレオチドとしては、ホスホロチオエート骨格及びLNAが挙げられる。
一つの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、例えばアンチセンススルビビンLNAオリゴマー、アンチセンスErbB3LNAオリゴマー又はHIF1-αLNAオリゴマーであってよい。
別の好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、例えば、Genasense(登録商標)(別名オブリメルセンナトリウム、Genta Inc.、Berkeley Heights、NJ製)と同一又は実質的に同様のヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドあってよい。Genasense(登録商標)は、18-メルホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチド(配列番号4)であり、ヒトbcl-2mRNAの開始配列の最初の六つのコドンに相補的である(ヒトbcl-2mRNAは当技術分野で公知であり、例えば配列番号19として参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,414,134号に記載されている)。
企図される好ましい実施形態は、以下を含む:
(i)アンチセンススルビビンLNAオリゴマー(配列番号1)
mCs-Ts-mCs-As-as-ts-cs-as-ts-gs-gs-mCs-As-Gs-c;
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(ii)アンチセンスBcl2 siRNA:
SENSE5'-gcaugcggccucuguuugadTdT-3'(配列番号2)
ANTISENSE3'-dTdTcguacgccggagacaaacu-5'(配列番号3)
dTはDNAを表す。
(iii)Genasense(ホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチド):(配列番号4)
ts-cs-ts-cs-cs-cs-as-gs-cs-gs-ts-gs-cs-gs-cs-cs-cs-as-t
小文字はDNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(iv)アンチセンスHIF1αLNAオリゴマー(配列番号5)
TsGsGscsasasgscsastscscsTsGsTsa
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(v)アンチセンスErbB3 LNAオリゴマー(配列番号6)
TsAsGscscstsgstscsascststs MeCsTs MeCs
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(vi)アンチセンスErbB3 LNAオリゴマー(配列番号7)
Gs MeCsTscscsasgsascsastscsas MeCsTs MeC
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(vii)アンチセンスPIK3CA LNAオリゴマー(配列番号8)
AsGs MeCscsaststscsaststscscsAs MeCs MeC
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(viii)アンチセンスPIK3CA LNAオリゴマー(配列番号9)
TsTsAststsgstsgscsastscsts MeCsAsG
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(ix)アンチセンスHSP27 LNAオリゴマー(配列番号10)
CsGsTsgstsastststscscsgscsGsTsG
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(x)アンチセンスHSP27 LNAオリゴマー(配列番号11)
GsGs MeCsascsasgscscsasgstsgsGs MeCsG
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(xi)アンチセンスアンドロゲン受容体LNAオリゴマー(配列番号12)
MeCs MeCs MeCsasasgsgscsascstsgscsAsGsA
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(xii)アンチセンスアンドロゲン受容体LNAオリゴマー(配列番号13)
As MeCs MeCsasasgstststscststscsAsGs MeC
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(xiii)アンチセンスGLI2 LNAオリゴマー(配列番号14)
MeCsTs MeCscststsgsgstsgscsasgsTs MeCsT
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(xiv)アンチセンスGLI2 LNAオリゴマー(配列番号15)
Ts MeCsAsgsaststscsasasascs MeCs MeCsA
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
(xv)アンチセンスβカテニンLNAオリゴマー(配列番号16)
GsTsGststscstsascsascscsasTsTsA
大文字はLNAを表し、「s」はホスホロチオエート骨格を表す。
小文字はDNA単位を表し、太字の大文字はLNA、例えばβ-D-オキシ-LNA単位を表す。LNAモノマー中の全てのシトシン塩基は、5-メチルシトシンである。下付き「s」はホスホロチオエート結合を表す。
LNAは、以下に示すような2'-O、4'-Cメチレンビシクロヌクレオチドを含む:
Figure 2012509066
各々の内容が参照により本明細書に組み込まれている、「LNA Oligonucleotides and the Treatment of Cancer」という表題の米国特許出願第11/272,124号及び「Oligomeric Compounds for the Modulation Survivin Expression」という表題の米国特許出願第10/776,934号に開示されているスルビビンLNAの詳細な説明を参照のこと。HIF-1α調節については、米国特許第7,589,190号及び米国特許出願公開第2004/0096864号、ErbB3調節については米国特許出願公開第2008/0318894号及びPCT/US09/063357、PIK3CA調節については米国特許出願公開第2009/0192110号、HSP28調節についてはPCT/IB09/052860号、アンドロゲン受容体調節については米国特許出願公開第2009/0181916号、βカテニン調節については「RNA Antagonists Targeting GLI2」という表題の米国仮特許出願第61/081,135号及びPCT出願第PCT/IB09/006407号、並びに米国特許出願公開第2009/0005335号及び第2009/0203137号も参照のこと。適切な標的遺伝子の更なる例は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、WO03/74654、PCT/US03/05028及び米国特許出願第10/923,536号に記載されている。
本明細書に記載の接合体で用いられるオリゴヌクレオチド分子は、オリゴヌクレオチドの5′または3′末端で(CH2)wヒドロキシル連結基、(CH2)wアミノ連結基または(CH2)wスルフヒドリル連結基で修飾されていることができ、この態様での(w)は好ましくは約1から約10の正の整数(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)、好ましくは6である。
別の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、オリゴヌクレオチドの5′または3′末端で立体障害エステル含有(CH2)wヒドロキシル連結基、立体障害エステル含有(CH2)wアミノ連結基および立体障害エステル含有(CH2)wスルフヒドリル連結基によって修飾されたオリゴヌクレオチドを含むことができ、この態様において(w)は好ましくは約1から約10、好ましくは約6の正の整数である。発明の名称が「Hindered Ester-Based Biodegradable Linkers For Oligonucleotide Delivery」であるPCT/USO7/78597および発明の名称が「Polyaklylene Oxides Having Hindered Ester-Based Biodegradable Linkers」であるPCT/USO7/78593(これら各出願の内容は参照によって組み込まれる)を参照されたい。式(I)の化合物は、アミン尾部を持たないオリゴヌクレオチドを放出することができる。例えば、接合前のオリゴヌクレオチドには、下記構造を有する立体障害エステルなどがあり得る。
Figure 2012509066
式中、(w)は約1から約10、好ましくは約6の正の整数である。
本明細書に記載の化合物への接合前のオリゴヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドの5′または3′末端での(CH2)wスルフヒドリル連結基(チオオリゴヌクレオチド)などがあり、この態様において(w)は好ましくは約1から約10、好ましくは6の正の整数である。そのチオオリゴヌクレオチドは、構造SH-(CH2)w-オリゴヌクレオチドを有する。そのポリマー性化合物は、チオール尾部を持たないオリゴヌクレオチドを放出することができる。例えば、チオオリゴヌクレオチドには、下記構造を有する立体障害エステルなどもあり得る。
Figure 2012509066
式中、(w)は約1から約10、好ましくは約6の正の整数である。
1実施形態において、siRNAのセンス鎖の5′末端が修飾されている。例えば、本明細書に記載の化合物で用いられるsiRNAが5′-C6-SHによって修飾される。本発明のある特定の実施形態は、
センス5′-(SH-C6)GCAUGCGGCCUCUGUUUGAdTdT-3′
アンチセンス3′-dTdTCGUACGCCGGAGACAAACU-5′
の配列を有するBcl2-siRNAを用いる。
修飾されたオリゴヌクレオチドの別の例には、
(i)C6-SH尾部で修飾されたゲナセンス
5′-HS-C6-stscstscscscsasgscsgstsgscsgscscsast-3′
Figure 2012509066
(ii)C6-SH尾部で修飾されたアンチセンスHIF1αLNAオリゴマー:
5′-HS-C6-sTsGsGscsasasgscsastscscsTsGsTsa-3′;
(iii)C6-SH尾部で修飾されたアンチセンススルビビンLNAオリゴマー
5′-HS-C6-s mCsTs mCsAsastscscsastsgsgs mCsAsGsc-3′;
(iv)C6-SH尾部で修飾されたアンチセンスErbB3 LNAオリゴマー
5′-HS-C6-sTsAsGscscstsgstscsascststs MeCsTs MeC-3′
(v)C6-SH尾部で修飾されたアンチセンスErbB3 LNAオリゴマー
5′-HS-C6-sGs MeCsTscscsasgsascsastscsas MeCsTs MeC-3′
(vi)立体障害エステル尾部で修飾されたゲナセンス
Figure 2012509066
などがある。
7. 標的基
場合により/好ましくは、本明細書に記載の化合物は、特定の細胞型又は組織型に対する標的リガンドを更に含む。当技術分野で公知の任意の技法は、過度に実験するまでもなく式(I)の化合物の任意の成分に標的基を結合させるのに使用できる。
例えば、標的化剤を、本明細書に記載の化合物に結合させて、コンジュゲートをインビボで標的領域に導くことができる。本明細書に記載の化合物の標的送達は、本明細書に記載の化合物の細胞取込みを促進し、それにより治療効果を増強させる。ある種の態様において、幾つかの細胞透過性ペプチドを、腫瘍部位への標的送達のため様々な標的ペプチドと置き換えてもよい。
一の態様において、標的部位、例えば一本鎖抗体(SCA)又は一本鎖抗原結合抗体、モノクローナル抗体、細胞接着性ペプチド、例えばRGDペプチド及びセレクチン、細胞透過性ペプチド(CPP)、例えばTAT、ペネトラチン及び(Arg)9、受容体リガンド、標的炭水化物分子又はレクチンにより、本明細書に記載の化合物は標的領域を特異的に対象とすることができる。標的薬物送達のための細胞接着分子については、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、J Pharm Sci.2006年9月;95(9):1856〜72を参照のこと。
適当な標的部分としては、一本鎖抗体(SCA)又は抗体の一本鎖可変フラグメント(sFv)が挙げられる。SCAは、標的腫瘍細胞の特異的分子を結合するか、又は認識することができる抗体のドメインを含有する。
「一本鎖抗体」(SCA)、「一本鎖抗原結合分子又は抗体」又は「一本鎖Fv」(sFv)という用語は、互換的に用いられる。一本鎖抗体は、抗原に対する結合親和性を有する。一本鎖抗体(SCA)又は一本鎖Fvsは、幾つかの方法で構築でき、既に構築されている。一本鎖抗原結合タンパク質の理論及び産生の詳細は、それらの各々の内容が参照により本明細書に組み込まれている、同一出願人による米国特許出願第10/915,069号及び米国特許第6,824,782号において見出される。
通常、SCA又はFvドメインは、26-10、MOPC 315、741F8、520C9、McPC 603、D1.3、マウスphOx、ヒトphOx、RFL3.8 sTCR、1A6、Se155-4、18-2-3、4-4-20、7A4-1、B6.2、CC49、3C2、2c、MA-15C5/K12GO、Ox等として文献中でそれらの略語により知られているモノクローナル抗体の中から選択できる(Huston,J.S.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883(1988); Huston, J.S.等、SIM News 38(4)(Supp):11(1988); McCartney, J.等、ICSU Short Reports 10:114(1990); McCartney, J.E.等、unpublished results(1990); Nedelman, M.A.等、J. Nuclear Med. 32(Supp.):1005(1991);Huston, J.S.等、In:Molecular Design and Modeling:Concepts and Applications, PartB、J.J.Langone編、Methods in Enzymology 203:46-88(1991); Huston, J.S.等、In:Advancesin the Applications of Monoclonal Antibodies in Clinical Oncology, Epenetos、A.A.(編)、London、Chapman & Hall(1993); Bird,R.E.等、Science 242:423-426(1988);Bedzyk, W.D.等、J. Biol. Chem. 265:18615-18620(1990); Colcher, D.等、J. Nat. Cancer Inst. 82:1191-1197(1990);Gibbs, R.A.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:4001-4004(1991); Milenic、D.E.等、Cancer Research 51:6363-6371(1991);Pantoliano、M.W.等、Biochemistry 30:10117-10125(1991); Chaudhary,V.K.等、Nature 339:394-397(1989); Chaudhary, V.K.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1066-1070(1990); Batra、J.K.等、Biochem. Biophys. Res. Comm. 171:1-6(1990); Batra, J.K.等、J.Biol. Chem. 265:15198-15202(1990);Chaudhary, V.K.等、Proc. Natl. Acad Sci. USA 87:9491-9494(1990); Batra, J.K.等、Mol. Cell. Biol. 11:2200-2205(1991); Brinkmann, U.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:8616-8620(1991); Seetharam, S.等、J. Biol. Chem. 266:17376-17381(1991); Brinkmann, U.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:3075-3079(1992); Glockshuber, R.等、Biochemistry 29:1362-1367(1990); Skerra, A.等、Bio/Technol. 9:273-278(1991); Pack, P.等、Biochemistry 31:1579-1534(1992); Clackson, T.等、Nature 352:624-628(1991); Marks, J.D.等、J. Mol. Biol. 222:581-597(1991); Iverson, B.L.等、Science 249:659-662(1990); Roberts, V.A.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6654-6658(1990); Condra, J.H.等、J. Biol. Chem. 265:2292-2295(1990); Laroche, Y.等、J. Biol. Chem. 266:16343-16349(1991); Holvoet, P.等、J. Biol. Chem. 266:19717-19724(1991); Anand, N.N.等、J. Biol. Chem. 266:21874-21879(1991); Fuchs, P.等、Biol Technol. 9:1369-1372(1991); Breitling, F.等、Gene 104:104-153(1991);Seehaus, T.等、Gene 114:235-237(1992); Takkinen, K.等、Protein Engng. 4:837-841(1991);Dreher、M.L.等、J.Immunol. Methods 139:197-205(1991); Mottez,E.等、Eur. J. Immunol. 21:467-471(1991); Traunecker, A.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:8646-8650(1991); Traunecker, A.等、EMBOJ. 10:3655-3659(1991); Hoo, W.F.S.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:4759-4763(1993)も参照のこと)。前記刊行物は各々参照により本明細書に組み込まれている。
標的基の非限定的リストは、血管内皮細胞増殖因子、FGF2、ソマトスタチン及びソマトスタチン類似体、トランスフェリン、メラノトロピン、ApoE及びApoEペプチド、フォンウィルブランド因子及びフォンウィルブランド因子ペプチド、アデノウイルスファイバータンパク質及びアデノウイルスファイバータンパク質ペプチド、PD1及びPD1ペプチド、EGF及びEGFペプチド、RGDペプチド、葉酸塩、アニサミド等を含む。当業者により認識される他の任意選択の標的化剤も、本明細書に記載の化合物で使用できる。
一つの好ましい実施形態において、本明細書に記載の化合物に有用な標的化剤としては、一本鎖抗体(SCA)、RGDペプチド、セレクチン、TAT、ペネトラチン、(Arg)9、葉酸、アニサミド等が挙げられ、これらの薬剤の好ましい構造の一部は以下のとおりである:
C-TAT:(配列番号:17)CYGRKKRRQRRR;
C-(Arg)9:(配列番号:18)CRRRRRRRRR;
RGDは、直鎖又は環状の
Figure 2012509066
であってよく、
葉酸は
Figure 2012509066
の残基であり、かつ
アニサミドは、p-MeO-Ph-C(=O)OHである。
Arg9は、例えばCRRRRRRRRRを結合するためのシステインを含むことができ、TATは、CYGRKKRRQRRRC等のペプチドの末端で更なるシステインを付加できる。
本発明の目的のために、明細書及び図面で使用する略語は、以下の構造を表す:
(i)C-diTAT(配列番号19)=CYGRKKRRQRRRYGRKKRRQRRR-NH2;
(ii)直鎖RGD(配列番号20)=RGDC;
(iii)環状RGD(配列番号21及び配列番号22)=c-RGDFC又はc-RGDFK;
(iv)RGD-TAT(配列番号23)=CYGRKKRRQRRRGGGRGDS-NH2及び
(v)Arg9(配列番号24)=RRRRRRRRR。
或いは、標的基としては、糖及び炭水化物、例えばガラクトース、ガラクトサミン及びN-アセチルガラクトサミン;ホルモン、例えばエストロゲン、テストステロン、プロゲステロン、グルココルチゾン、アドレナリン、インスリン、グルカゴン、コルチゾール、ビタミンD、甲状腺ホルモン、レチノイン酸及び成長ホルモン;成長因子、例えばVEGF、EGF、NGF及びPDGF;神経伝達物質、例えばGABA、グルタメート、アセチルコリン;NOGO;イノシトール三リン酸;エピネフリン;ノルエピネフリン;一酸化窒素、ペプチド、ビタミン、例えば葉酸及びピリドキシン、薬物、抗体及びインビボ又はインビトロで細胞表面受容体と相互作用し得る任意の他の分子が挙げられる。
8. エンドソーム放出促進基
本発明の1態様において、本明細書に記載の化合物はエンドソーム放出促進部分/基を含む。エンドソーム放出促進基は、化合物が細胞に進入した後の細胞質ゾルへの生理活性剤の放出を促進する。
ヒスチジン豊富ペプチドは、約3から約40アミノ酸、好ましくは約3から約25アミノ酸(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25)を含む。より好ましくは、ヒスチジン豊富ペプチドは、ヒスチジンおよびリジンの混合物を含む。ヒスチジン豊富ペプチドは、約30%から約100%(例えば、約50%強、70%、80%、90%または100%)の範囲のヒスチジンを含む。
ある好ましい実施形態では、エンドソーム放出促進部分は(His)nを含み、Hisはヒスチジンであり、(n)は正の整数、好ましくは3以上の正の整数(例えば、約3から約20の正の整数)、より好ましくは、約3から約10のの正の整数(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10)である。例えば、エンドソーム放出促進部分は-His-His-His-である。別の例では、ヒスチジン(histindine)豊富ペプチドには、HHHK(配列番号25)、HHHKHHHK(配列番号26)およびHHHHHHHH(配列番号27)などがあるが、これらに限定されるものではない。いずれかの理論に拘束されるものではないが、式(I)の化合物が標的領域に選択的に送達され、細胞に進入すると、エンドソーム放出基が酸性細胞内エンドソーム環境で活性化され、オリゴヌクレオチドの放出を促進する。
9. 核局在化シグナル
オリゴヌクレオチドが細胞質ゾルに放出されると、一部の治療性オリゴヌクレオチドは、それの生理活性を発現するためには核内で送達される必要がある。本発明において、核局在化シグナルペプチドはオリゴヌクレオチドを核に導くことができる。TATまたはCGVKRKKKP(配列番号28)などの一部の既知の核局在化シグナル部分を、そのために用いることができる。
あるいは、核局在化シグナルペプチドはCGVKRKKKP(配列番号28)、CYGRKKRRQRRR(配列番号29)、YGRKKRRQRRRC(配列番号30)、YGRKKRRQRRR(配列番号31)、PKKKRKVEDPYC(配列番号32)、VQRKRQKLM(配列番号33)およびCGYGPKKKRKVGG(配列番号34)の中から選択される。
10. 診断剤
本発明の別の態様は、本明細書に記載の化合物に連結された診断タグを有して製造されていても良い化合物であって、そのタグが診断または画像撮影を目的として選択されるものが提供される。
本明細書に記載の化合物は、標識またはタグ付けすることができる。好適な標識またはタグ(これらの用語は、本明細書において互換的に用いられる)には、例えばビオチン化化合物、蛍光化合物および放射標識化合物などがある。好適なタグは、何らかの好適な部分、例えばオリゴヌクレオチド残基もしくはアミノ酸残基を、当業界で標準的な放射同位体、放射線不透過性標識、磁気共鳴標識または他の磁気共鳴映像法に好適な非放射性同位体標識、蛍光型標識、可視色を示すかないしは紫外線、赤外線もしくは電気化学的刺激下に蛍光発光することで外科手術時の腫瘍組織の画像化を可能とする標識などに連結することで作られる。診断タグを、治療性部分(生理活性剤)に組み込むかないしは連結して、動物もしくはヒト患者体内での治療性生理活性材料の分布をモニタリングできるようにする。
本発明のタグ付け接合体は、例えば放射性同位体標識などの好適な標識を用いて、当業界で公知の方法によって容易に製造される。簡単に例を挙げると、これらにはイン・ビボでの腫瘍細胞への選択的取り込みのための放射免疫シンチグラフィー剤を製造するための131ヨウ素、125ヨウ素、99mテクネチウムおよび/または111インジウムなどがある。例えば、簡単に例を挙げると米国特許第5,328,679号;同5,888,474号;同5,997,844号;および同5,997,845号(参照によって本明細書に組み込まれる)に示された方法など、ペプチドをTc-99mに連結する方法は当業界において多くある。
11. 非抗原性ポリマー
本発明のさらに別の態様は、ポリマーを含む本明細書に記載の化合物を提供する。本明細書に記載の化合物で想到されるポリマーは、好ましくは水溶性であって、実質的に非抗原性であり、例えばポリアルキレンオキサイド類(PAO類)などがある。本明細書に記載の化合物にはさらに、直鎖、末端分岐または多腕ポリアルキレンオキサイドなどもある。本発明のある好ましい態様では、ポリアルキレンオキサイドには、ポリエチレングリコール類およびポリプロピレングリコール類などがある。より好ましくは、そのポリアルキレンオキサイドにはポリエチレングリコール(PEG)などがある。
ポリアルキレンオキサイドは、約200から約100,000ダルトン、好ましくは約5,000から約60,000ダルトンの合計数平均分子量を有する。ポリアルキレンオキサイドは、より好ましくは約5,000から約25,000またはさらにより好ましくは約20,000から約45,000ダルトンであることができる。一部の特に好ましい実施形態では、本明細書に記載の化合物には、合計数平均分子量が約30,000から約45,000ダルトンであるポリアルキレンオキサイドなどがある。ある特定の実施形態では、ポリマー部分は約40,000ダルトンの合計数平均分子量を有する。あるいは、ポリアルキレンオキサイドは、約200から約20,000ダルトンの数平均分子量を有する。ポリアルキレンオキサイドは、より好ましくは約500から約10,000、さらにより好ましくは約1,000から約5,000ダルトンであることができる。ある特定の実施形態では、ポリマー部分は約2,000ダルトンの合計数平均分子量を有する。ある実施形態では、PEGは、約200から約20,000ダルトン、約500から約10,000ダルトンまたは約1,000から約5,000ダルトン(すなわち、約1,500から約3,000ダルトン)の範囲の数平均分子量を有するポリエチレングリコールである。ある特定の実施形態では、PEGは約2,000ダルトンの分子量を有する。別の特定の実施形態では、PEGは約750ダルトンの分子量を有する。
PEGは通常は下記構造:
-O-(CH2CH2O)x-
によって表され、
式中において、(x)は約5から約2300の正の整数であることから、本明細書に記載の化合物のポリマー部分は約200から約100,000ダルトンの数平均分子量を有する。(x)は、そのポリマーについての重合度を表し、そのポリマーの分子量によって決まる。
あるいは、ポリエチレングリコール(PEG)残基部分は、下記構造:
-Y71-(CH2CH2O)x-CH2CH2Y71-、
-Y71-(CH2CH2O)x-CH2C(=Y72)-Y71-、
-Y71-C(=Y72)-(CH2)a11-Y73-(CH2CH2O)x-CH2CH2-Y73-(CH2)a11-C(=Y72)-Y71-および
-Y71-(CR71R72)a11-Y73-(CH2)b11-O-(CH2CH2O)x-(CH2)b11-Y73-(CR71R72)a11-Y71-
によって表すことができ、
式中において、
Y71およびY73は独立に、O、S、SO、SO2、NR73または結合であり;
Y72はO、SまたはNR74であり;
R71-74は独立に、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-19分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C2-6の置換されたアルケニル、C2-6の置換されたアルキニル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、アリールオキシ、C1-6ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、C2-6アルカノイル、アリールカルボニル、C2-6アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、C2-6アルカノイルオキシ、アリールカルボニルオキシ、C2-6の置換されたアルカノイル、置換されたアリールカルボニル、C2-6の置換されたアルカノイルオキシ、置換されたアリールオキシカルボニル、C2-6の置換されたアルカノイルオキシおよび置換されたアリールカルボニルオキシ、好ましくは水素、メチル、エチルまたはプロピルの中から選択され;
(a11)および(b11)は独立に、0または正の整数、好ましくは0または約1から約6の正の整数(すなわち、1、2、3、4)、より好ましくは1であり;
(x)は、約5から約2300、例えば約5から約460の整数である。
PEGの末端(A基)は、H、NH2、OH、CO2H、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル)、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ)、アシルまたはアリールを末端とすることができる。1実施形態において、PEGの末端ヒドロキシル基は、メトキシまたはメチル基で置換されている。ある好ましい実施形態では、本明細書に記載の化合物および/またはPEG脂質で使用されるPEGはメトキシPEGである。
分岐またはU-PEG誘導体は、米国特許第5,643,575号、同5,919,455号、同6,113,906号および同6,566,506号(それぞれの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている。そのようなポリマーのリストは、下記構造を有するポリマー系(i)から(vii)に相当するものであるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012509066
Figure 2012509066
式中、
Y61-62は独立に、O、SまたはNR61であり;
Y63はO、NR62、S、SOまたはSO2であり;
(w62)、(w63)および(w64)は独立に、0または正の整数であり;
(w61)は0または1であり;
mPEGはメトキシPEGであり;
PEGは前記で定義されており、ポリマー部分の合計分子量は約5,000から約100,000ダルトンであり;かつ
R61およびR62は独立に水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-19分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C2-6の置換されたアルケニル、C2-6の置換されたアルキニル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、アリールオキシ、C1-6ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、C2-6アルカノイル、アリールカルボニル、C2-6アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、C2-6アルカノイルオキシ、アリールカルボニルオキシ、C2-6の置換されたアルカノイル、置換されたアリールカルボニル、C2-6の置換されたアルカノイルオキシ、置換されたアリールオキシカルボニル、C2-6の置換されたアルカノイルオキシおよび置換されたおよびアリールカルボニルオキシの中から選択される。
さらに別の実施形態において、本明細書に記載の化合物への接合前のポリマーには、NOF Corp. Drug Delivery System catalog, Ver. 8, April 2006 (これの開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる)に記載のものなどの多腕PEG-OHまたは「星形PEG」製品などがある。そのポリマーは、米国特許第5,122,614号または同5,808,096号に記載の活性化技術を用いて、好適に活性化された形態に変換することができる。具体的には、そのようなPEGは、下記式のものであることができる。
Figure 2012509066
式中、
(u′)は約4から約455の整数であり;残基の3個以下の末端部分がメチルその他の低級アルキルでキャッピングされている。
1実施形態において、ポリマー(u′)についての重合度が約28から約341であることで合計数平均分子量が約5,000Daから約60,000Daであるポリマーが提供され、好ましくは約114から約239であることで合計数平均分子量が約20,000Daから約42,000Daであるポリマーが提供される。(u′)は、ポリマー鎖における反復単位の数を表し、ポリマーの分子量によって決まる。ある特定の実施形態において、(u′)が約227であることで、合計数平均分子量が約40,000Daであるポリマー部分が提供される。
ある種の実施形態において、4本のPEG腕全てを好適な活性化基に変換して、多の分子(例えば、オリゴヌクレオチド、標的基、エンドソーム放出促進基)への結合を促進することができる。変換前のそのような化合物には、下記のものなどがある。
Figure 2012509066
Figure 2012509066
Figure 2012509066
PEGは、本明細書に記載の化合物に直接または連結基部分を介して接合されていることができる。式(I)の化合物への接合のためのポリマーは、過度の実験を行うことなく、米国特許第5,122,614号および同5,808,096号に記載の活性化技術ならびに当業界で公知の他の技術を用いて、好適に活性化されたポリマーに変換される。
式(I)の化合物を製造するための活性化PEGの例には、例えばメトキシポリエチレングリコール-スクシネート、メトキシポリエチレングリコール-スクシニミジルスクシネート(mPEG-NHS)、メトキシポリエチレングリコール-酢酸(mPEG-CH2COOH)、メトキシポリエチレングリコール-アミン(mPEG-NH2)およびメトキシポリエチレングリコール-トレシレート(mPEG-TRES)などがある。
ある種の態様では、末端カルボン酸基を有するポリマーを、本明細書に記載の化合物で用いることができる。末端カルボン酸を有するポリマーを高純度で製造する方法については、米国特許出願第11/328,662号(これの内容は参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている。
別の態様では、末端アミン基を有するポリマーを用いて、本明細書に記載の化合物を作ることができる。末端アミンを含むポリマーを高純度で製造する方法は、米国特許出願第11/508,507号および同11/537,172号(これらの内容は参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている。
本発明のさらに別の態様では、本発明に含まれるポリマー性物質は、好ましくは室温で水溶性である。そのようなポリマーを挙げると、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンオキサイドホモポリマー、ポリオキシエチレン化多価アルコール、それらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマー(ただし、ブロックコポリマーの水溶性は維持される)などがあるが、これらに限定されるものではない。
さらに別の実施形態で、PEGなどのPAO系ポリマーに対する代替物として、デキストラン、ポリビニルアルコール類、炭水化物系ポリマー、ヒドロキシプロピルメタアクリルアミド(HPMA)、ポリアルキレンオキサイド類および/またはそれらのコポリマーなどの1以上の効果的に非抗原性である材料を用いることができる。PEGに代えて用いることができる好適なポリマーの例には、ポリビニルピロリドン、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミドおよびポリジメチルアクリルアミド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびヒドロキシメチルセルロースもしくはヒドロキシエチルセルロースなどの誘導体化セルロースなどがあるが、これらに限定されるものではない。同一出願人による米国特許第6,153,655号(この内容は参照によって本明細書に組み込まれる)も参照されたい。PEGなどのPAO類に関して本明細書に記載の方法に従って、同じ種類の活性化を用いることは、当業者には明らかであろう。当業者であればさらに、前記のリストが単に説明のためのものであって、本明細書に記載の性質を有する全てのポリマー材料が想到されることも理解するであろう。本発明に関しては、「実質的または効果的に非抗原性」とは、無毒性であって哺乳動物において免疫原性応答をほとんど起こさないと当業界で理解されるポリマー材料を意味する。
B. 式(I)の化合物の製造
代表的な具体的化合物の合成を実施例に示してある。しかしながら概して、本発明の化合物は、いくつかの手法で製造することができる。1実施形態において、本明細書に記載の式(I)の化合物の製造方法は、標的基にエンドソーム放出促進基を接合してから、得られた中間体を、ジスルフィド結合などの酸感受性連結基を介してオリゴヌクレオチドなどの生理活性剤に接合する段階を含む。別の実施形態において、本明細書に記載の式(I)の化合物の製造方法は、3個の異なる活性化基もしくは官能基を有する3官能性化合物を、細胞標的基、オリゴヌクレオチドまたは核局在化シグナルペプチドなどの3種類の異なる分子と反応させる段階を含む。
式(I)の化合物製造の一つの説明的な例を図2に示してある。最初に、葉酸などの標的基を、活性化チオール基を含むエンドソーム放出促進部分(すなわち、化合物2)に連結する。得られた標的部分およびエンドソーム放出促進部分を含む中間体(すなわち、化合物3)の活性化チオール基を、オリゴヌクレオチドに連結されたチオール基(すなわち、化合物4)と反応させて、式(I)の化合物を得る。
式(I)の化合物製造の別の説明的な例を図3に示してある。NHS、チオール活性化基としてのt-ブチルチオエーテルおよびアミン保護基としてのFmocなどの3個の異なる活性化基および/または官能基を有する3官能性化合物を製造する。NHSエステル(化合物7)を、オリゴヌクレオチドの末端アミンと反応させて、オリゴヌクレオチド含有中間体(化合物9)を得る。前記アミン保護基を、中間体から脱離させる。中間体の保護されていないアミン基をマレイミド官能基を含む二官能性スペーサーと反応させ、次にマレイミド官能基を介して核局在化シグナリングペプチドに接合させることで、3官能性化合物に永久的に連結されたオリゴヌクレオチドおよび核局在化シグナリング部分を含む化合物が得られる。チオール保護基を、オリゴヌクレオチドおよび核局在化シグナリング部分を含む化合物から脱離させる。ジスルフィド結合を介して、保護されていないチオール基をエンドソーム放出促進部分と反応させて、式(I)の化合物を得る。あるいは、前記3官能性化合物は、異なる順序でエンドソーム放出促進部分、オリゴヌクレオチドおよび核局在化シグナリング部分に連結させることができる。
NHSによるカルボン酸基の活性化(例えば、化合物7の製造)は、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、ジアルキルカルボジイミド類、2-ハロ-1-アルキルピリジニウムハライド類、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDC)、プロパンホスホン酸環状無水物(PPACA)およびジクロロリン酸フェニル類などの当業者に公知のカップリング剤を用いて、塩基の存在下に標準的な有機合成技術を用いて実施することができる。
さらに別の実施形態では、DSC、PNPカーボネート、PNP-クロライドなどの活性化試薬を用いる場合、カップリング剤は必要なく、反応は塩基存在下に進行する。
概して、前記カップリング反応は、好ましくはDMAPまたはDIEAなどの塩基存在下に活性化された化合物をアミン含有求核剤と反応させることで行う。好ましくは、前記反応は、メチレンクロライド、クロロホルム、トルエン、DMFまたはそれらの混合物などの不活性溶媒中で行う。その反応は好ましくは、DMAP、DIEA、ピリジン、トリエチルアミンなどの塩基存在下に、-4℃から約70℃(例えば-4℃から約50℃)の温度でも行う。ある好ましい実施形態では、反応は0℃から約25℃または0℃からほぼ室温の温度で行う。
アミン含有(compounding)化合物からのFmocなどの保護基の脱離は、ピペリジン、DMAPなどの塩基を用いて行うことができる。他方、BOCなどの保護基は、トリフルオロ酢酸(TFA)、HCl、硫酸などの強酸または接触水素化、ラジカル反応等で脱離させることができる。1実施形態では、Fmoc基の脱保護はピペリジンを用いて行う。その脱保護は、-4℃から約50℃の温度で行うことができる。好ましくは、その反応は、0℃から約25℃または室温の温度で実施する。別の実施形態において、Fmoc基の脱保護は、室温で行う。
1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、ジアルキルカルボジイミド類、2-ハロ-1-アルキルピリジニウムハライド類、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDC)、プロパンホスホン酸環状無水物(PPACA)およびジクロロリン酸フェニル類などの当業者に公知のカップリング剤を、本明細書に記載の化合物の製造で用いることができる。その反応は好ましくは、DMAP、DIEA、ピリジン、トリエチルアミンなどの塩基存在下に、-4℃から約50℃の温度で行う。1実施形態において、その反応は、0℃から約25℃または室温の温度で行う。
チオール含有部分の接合による不安定なジスルフィド結合の形成は、化合物2におけるNPysなどの活性化チオールを用いて行う。そのジスルフィド結合は、二つの基間に放出可能な連結を提供することで、その結合は酸性条件下で分解して、核局在化シグナリングペプチドと接合していても良いオリゴヌクレオチドが放出される。
あるいは、図3に記載の方法に従ってマレイミドなどの官能基を用いて、チオール含有部分の接合を実施して、加水分解に対して安定なチオエーテルを形成する。チオール含有部分とマレイミドの間のこの接合反応によって、二つの反応性基間の永久的な結合が提供される。
C. 式(I)の化合物
本明細書に記載の方法によって製造される一部の特定の実施形態は、下記の構造を有する。
Figure 2012509066
Figure 2012509066
式中、
Oligoは、C1-6アルキルで修飾されたオリゴヌクレオチド(すなわち、-5′-(CH2)6-アンチセンス-スルビビンLNAオリゴマー、-5′-(CH2)6-アンチセンス-ErbB3 LNAオリゴマーおよび-5′-(CH2)6-アンチセンス-HIF-1α LNAオリゴマー)であり;
R′は、葉酸およびアニスアミドなどの標的基であり;
Rは核局在化シグナルペプチドである。
D. ナノ粒子
本発明の別の態様では、式(I)の化合物をナノ粒子組成物に含ませる。本発明のこの態様によれば、核酸(すなわち、オリゴヌクレオチド)送達のためのナノ粒子組成物は、陽イオン性脂質、融合脂質およびPEG脂質を含むことができる。
1実施形態において、ナノ粒子組成物はさらにコレステロールを含む。
1態様において、ナノ粒子組成物は、ナノ粒子組成物中に存在する総脂質/医薬担体の約10%から約99.9%の範囲のモル比で陽イオン性脂質を含む。
陽イオン性脂質成分は、ナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約2%から約60%、約5%から約50%、約10%から約45%、約15%から約25%または約30%から約40%の範囲であることができる。
ある好ましい実施形態において、陽イオン性脂質は、ナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約15から約25%(すなわち、15、17、18、20または25%)の量で存在する。
本明細書に記載のナノ粒子組成物の別の好ましい態様において、組成物はコレステロールおよび/または非コレステロール系融合脂質などの総融合/非陽イオン性脂質を、ナノ粒子組成物に存在する総脂質の約20%から約85%、約25%から約85%、約60%から約80%(例えば、65、75、78または80%)のモル比で含む。1実施形態において、総融合/非陽イオン性脂質は、ナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約80%である。
ある好ましい実施形態において、非コレステロール系融合/非陽イオン性脂質は、ナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約25から約78%(25、35、47、60または78%)または約60から約78%のモル比で存在する。1実施形態において、非コレステロール系融合/非陽イオン性脂質は、ナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約60%である。
さらに別の好ましい態様では、ナノ粒子組成物は、非コレステロール系融合脂質に加えて、ナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約0%から約60%、約10%から約60%または約20%から約50%の範囲(例えば、20、30、40または50%)のモル比でコレステロールを含む。ある実施形態において、コレステロールはナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約20%である。
本発明の別の態様において、ナノ粒子組成物中に含まれるPEG脂質は、ナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約0.5%から約20%および約1.5%から約18%のモル比の範囲である。ナノ粒子組成物のある好ましい実施形態では、PEG脂質が総脂質の約2%から約10%(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10%)のモル比で含まれる。1実施形態において、総PEG脂質はナノ粒子組成物中に存在する総脂質の約2%である。
ある特定の実施形態において、ナノ粒子組成物は下記構造を有する陽イオン性脂質を含む。
Figure 2012509066
陽イオン性脂質、融合脂質およびPEG脂質ならびにナノ粒子の製造方法についての詳細は、PCT/US09/52396および発明の名称が「Nanoparticle Compositions For Nucleic Acids Delivery System」である米国仮特許出願第61/085,289号(これらそれぞれの内容は、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている。
さらに別の実施形態では、ナノ粒子組成物は、酸不安定性イミン連結基および両性イオン含有部分に基づく放出可能な融合脂質を含む。そのような放出可能融合脂質によって、送達系が細胞に進入した後にナノ粒子などの送達系から核酸(オリゴヌクレオチド)を解離させることができる。そのような放出可能融合脂質についてのさらに別の詳細は、発明の名称が「Releasable Fusogenic Lipids Based on Zwitterionic Moiety For Nucleic Acids Delivery System」である米国仮特許出願第61/115,378号(その内容が参照によって本明細書に組み込まれる)にも記載されている。
さらに別の実施形態では、PEG脂質がケタールまたはイミンなどの放出可能連結基を含むことができる。そのような放出可能PEG脂質により、送達系が細胞に進入した後にナノ粒子などの送達系から核酸(オリゴヌクレオチド)を解離させることができる。そのような放出可能PEG脂質についてのさらに別の詳細は、発明の名称がそれぞれ「Releasable Polymeric Lipids Based on Imine Moiety For Nucleic Acids Delivery System」および「Releasable Polymeric Lipids Based on Ketal or Acetal Moiety For Nucleic Acids Delivery System」である米国仮特許出願第61/115,379号および同61/115,371号ならびに同日出願で発明の名称が「Releasable Polymeric Lipids For Nucleic Acids Delivery Systems」であるPCT特許出願番号第____号(これらの内容は、参照によって本明細書に組み込まれる)にも記載されている。
E. 治療方法
本明細書に記載の化合物または本明細書に記載の化合物を封入したナノ粒子は、単独で、又は他の療法と組み合わせて、細胞又は組織における標的遺伝子の発現レベルに関連しているか、又はそれに反応する任意の特質、疾患又は状態を予防するか、抑制するか、低減するか又は治療するための治療において使用できる。
本発明の一態様は、治療薬、例えば核酸/オリゴヌクレオチドを哺乳動物細胞にインビボ及び/又はインビトロで導入するか、又は送達する方法を提供する。
本発明による方法は、細胞を本明細書に記載の化合物と接触させることを含む。送達は、インビボで適切な医薬組成物の一部として行われてもよく、又はエクスビボ環境で細胞に対して直接行われてもよい。
本発明は、オリゴヌクレオチドを哺乳動物に導入するのに有用である。本明細書に記載の化合物は、哺乳動物、好ましくはヒトに投与できる。
本発明によれば、本発明は、哺乳動物の細胞又は組織において遺伝子発現を抑制するか、又はダウンレギュレート(若しくは調節)する方法を好ましくは提供する。遺伝子発現のダウンレギュレーション又は抑制は、インビボ及び/又はインビトロで実現できる。該方法は、ヒトの細胞又は組織と本明細書に記載の化合物または本明細書に記載の化合物を封入したナノ粒子とを接触させることを含む。接触が起こると、本明細書に記載の化合物なしで観察されたものと比較して、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%以上(例えば、少なくとも約25%、30%、40%、50%、60%)がインビボ又はインビトロで実現された場合に、例えばmRNAレベル又はタンパク質レベルでの遺伝子発現の抑制又はダウンレギュレーションが成功したとみなされるものとする。
本発明の目的のために、「抑制する」又は「ダウンレギュレートする」は、一つ又は複数のタンパク質サブユニットをコードする標的遺伝子の発現、又はRNA若しくは等価RNAのレベル、或いは一つ又は複数のタンパク質サブユニット、例えばErbB3、HIF-1α、スルビビンおよびBCL2の活性が、本明細書に記載の化合物の不在化で観察されたものよりも低減されることを意味すると理解されるものとする。
一つの好ましい実施形態において、標的遺伝子としては、例えばそれだけに限らないが、癌遺伝子、プロ血管新生経路遺伝子、プロ細胞増殖経路遺伝子、ウイルス感染因子遺伝子及びプロ炎症経路遺伝子が挙げられる。
好ましくは、標的遺伝子の遺伝子発現は、癌細胞又は癌組織、例えば脳腫瘍細胞、乳癌細胞、結腸直腸癌細胞、胃癌細胞、肺癌細胞、口腔癌細胞、膵臓癌細胞、前立腺癌細胞、皮膚癌細胞又は子宮頸癌細胞において抑制される。癌細胞又は癌組織は、以下のもの:固形腫瘍、リンパ腫、小細胞肺癌、急性リンパ性白血病(ALL)、膵臓癌、膠芽腫、卵巣癌、胃癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、子宮頸癌、卵巣癌および脳腫瘍等の一つ又は複数に由来するものであってよい。
一つの特定の実施形態において、本明細書に記載の方法による化合物は、例えばアンチセンスbcl-2オリゴヌクレオチド、アンチセンスHIF-1αオリゴヌクレオチド、アンチセンススルビビンオリゴヌクレオチド、アンチセンスErbB3オリゴヌクレオチド、アンチセンスPIK3CAオリゴヌクレオチド、アンチセンスHSP27オリゴヌクレオチド、アンチセンスアンドロゲン受容体オリゴヌクレオチド、アンチセンスGli2オリゴヌクレオチド及びアンチセンスβカテニンオリゴヌクレオチドを含む。
ある特定の処置に置いて、オリゴヌクレオチド(各核酸が天然核酸又は修飾核酸である、配列番号1、配列番号2及び3、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15並びに配列番号16)を含む化合物を使用できる。本明細書で企図される療法は、前記ナノ粒子に封入された核酸を使用する。一実施形態において、8個以上の連続アンチセンスヌクレオチドを含有する治療用ヌクレオチドを治療で使用できる。
或いは、哺乳動物またはヒトを含む哺乳動物を治療する方法も提供される。該方法は、有効量の本明細書に記載の化合物を含有する医薬組成物を、それを必要とする哺乳動物、例えば患者に投与することを含む。該方法の有効性は、治療される状態に対する治療物質(例えば核酸)の有効性に依存するであろう。
本発明の一の態様は、哺乳動物における様々な医学的症状を治療する方法を提供する。該方法は、有効量の治療用物質(核酸)を含有する本明細書に記載の化合物を、このような治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。本明細書に記載の化合物は、とりわけ、疾患、例えばそれだけに限らないが、癌、炎症性疾患及び自己免疫疾患を治療するのに有用である。
一の態様において、有効量の本明細書に記載の化合物を含有する医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、悪性腫瘍又は癌を有する患者を治療する方法も提供される。治療される癌は、以下のもの:固形腫瘍、リンパ腫、小細胞肺癌、急性リンパ性白血病(ALL)、膵臓癌、膠芽腫、卵巣癌、胃癌、結腸直腸癌、前立腺癌、子宮頸癌等の一つ又は複数であってよい。本明細書に記載の化合物は、標的遺伝子の遺伝子発現をダウンレギュレートすることにより、新生物疾患を治療し、全身腫瘍組織量を減少させ、新生物の転移を予防し、哺乳動物における腫瘍/新生物の増殖の再発を予防するのに有用である。
更に別の態様において、本発明は、インビボ又はインビトロで癌細胞の増殖又は成長を抑制する方法を提供する。該方法は、癌細胞を本明細書に記載の化合物と接触させることを含む。一実施形態において、本発明は、細胞がErbB3遺伝子を発現するインビボ又はインビトロで癌の増殖を抑制する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、例えば核においてErbB3 mRNAに結合し得る、癌細胞内に核酸(例えば、アンチセンスErbB3 LNAオリゴヌクレオチド)を送達させる手段を提供する。結果として、ErbB3タンパク質発現が抑制され、それにより癌細胞の増殖が抑制される。該方法は、オリゴヌクレオチド(例えば、LNAを含むアンチセンスオリゴヌクレオチド)を癌細胞に導入し、癌細胞又は癌組織における標的遺伝子(例えばスルビビン、HIF-1α又はErbB3)発現を減少させる。
或いは、本発明は、癌細胞のアポトーシスを調節する方法を提供する。更に別の態様において、インビボ又はインビトロで化学療法剤に対する癌細胞又は癌組織の感受性を高める方法も提供される。
更に別の態様において、インビボ又はインビトロで腫瘍細胞を殺滅する方法が提供される。該方法は、本明細書に記載の化合物を腫瘍細胞に導入して、ErbB3遺伝子等の遺伝子発現を減少させるステップと、腫瘍細胞と、腫瘍細胞の一部を殺滅するのに十分な量の少なくとも1種の抗癌剤(例えば、化学療法剤)とを接触させるステップとを含む。したがって、殺滅される腫瘍細胞部分は、本明細書に記載の化合物の不在化で同量の化学療法剤により殺滅されるであろう部分よりも大きくてよい。
本発明の更なる態様において、抗癌剤/化学療法剤は、本明細書に記載の化合物と組み合わせて、同時に又は順次に使用できる。本明細書に記載の化合物は、抗癌剤の前に、又はそれと同時に、或いは抗癌剤の投与後に投与できる。したがって、本明細書に記載の化合物は、化学療法剤の治療前、治療中又は治療後に投与できる。
更に更なる態様は、相乗的又は付加的な利益のために本明細書に記載の化合物を用いる治療法と他の抗癌療法とを組み合わせることを含む。
本明細書に記載の化合物は、負電荷又は中性電荷を好ましくは有する、医薬活性剤を送達するために使用できる。医薬活性剤は、低分子量の分子を含む。通常、医薬活性剤は、約1500ダルトン未満の分子量を有する。
更なる実施形態において、本明細書に記載の化合物は、核酸、医薬活性剤又はそれらの組合せを送達するために使用できる。
更に更なる実施形態において、治療と関連するナノ粒子は、相乗効果の利用のために一つ又は複数の治療用核酸(同一又は異なるいずれか、例えば同一又は異なるオリゴヌクレオチド)及び/又は一つ若しくは複数の医薬活性剤の混合物を含有できる。
F. 医薬組成物/医薬製剤
本明細書に記載の化合物または本明細書に記載の化合物を封入したナノ粒子を含む医薬組成物/医薬製剤は、薬学的に使用できる製剤への活性化合物の加工を促進する賦形剤及び補助剤を含む、一つ又は複数の生理学的に許容される担体と共に製剤化できる。適切な製剤は、選択される投与経路、即ち、局所治療であるか、又は全身治療であるかに依存する。
適切な形態は、ある程度、経口、経皮又は注射等の使用又は侵入経路に依存する。当技術分野で公知の考慮因子としては、例えば組成物又は製剤がその効果を発揮することを妨げるであろう毒性及び任意の不利な形態が挙げられる。
本明細書に記載の化合物の医薬組成物の投与は、経口、経肺、局所又は非経口であってよい。局所投与としては、それだけに限らないが、例えば膣送達及び直腸送達を含む、粘膜を介することを含む、表皮、経皮、眼の経路を介した投与が挙げられる。静脈内、動脈内、皮下、腹腔内又は筋肉内の注射又は注入を含む非経口投与も企図される。
一つの好ましい実施形態において、治療用オリゴヌクレオチドを含有する化合物は、静脈内(i.v.)又は腹腔内(i.p.)に投与される。本発明の多くの態様において、非経口経路が好ましい。
それだけに限らないが静脈注射、筋肉内注射及び皮下注射を含む注射について、本発明の化合物は、水溶液中で、好ましくは生理学的に相容性の緩衝液、例えば生理食塩水緩衝液中で、又はそれだけに限らないがピロリドン又はジメチルスルホキシドを含む極性溶媒中で製剤化できる。
該化合物は、ボーラス注入又は連続注入用に製剤化されてもよい。注射用製剤は、単位剤形、例えばアンプル又は多用量容器中に存在できる。有用な組成物として、それだけに限らないが、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンが挙げられ、賦形剤、例えば懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散化剤を含有できる。非経口投与用の医薬組成物としては、水溶性形態の水溶液が挙げられる。水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストラン等の懸濁液の粘度を調節する物質を含有できる。懸濁液は、溶液中の本明細書に記載の化合物の濃度を増加させる適切な安定剤及び/又は薬剤も場合により含有できる。或いは、本明細書に記載の化合物は、適当なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水により使用前に構成するために粉末形態であってもよい。
経口投与について、本明細書に記載の化合物は、該化合物と、当技術分野で周知の薬学的に許容される担体とを合わせることにより製剤化できる。このような担体により、本発明の化合物を、患者の経口摂取用に錠剤、ピル、トローチ、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、ペースト、スラリー、溶液、懸濁液、患者の飲料水での希釈用の濃縮液及び懸濁液、患者の食餌での希釈用の予混合剤等に製剤化できる。経口使用のための医薬製剤は、固体賦形剤を使用し、得られた混合物を場合により粉砕して、所望される場合、他の適切な補助剤を加えた後に顆粒の混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠の核を得ることにより製造できる。有用な賦形剤としては、特に充填剤、例えば糖、例えばラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトールが挙げられ、セルロース製剤、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン及びジャガイモデンプン、並びに他の物質、例えばゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)がある。所望される場合、崩壊剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天又はアルギン酸を加えてもよい。塩、例えばアルギン酸ナトリウムも使用できる。
吸入投与については、本発明の化合物は、圧縮パック又はネブライザーを用いるエアロゾルスプレー、及び適切な噴射剤の形態で好都合に送達できる。
該化合物は、例えば従来の座薬基剤、例えばココアバター又は他のグリセリドを用いて、直腸組成物、例えば座薬又は停留浣腸に製剤化してもよい。
先に記載の製剤に加えて、該化合物は、デポー製剤として製剤化されてもよい。このような長時間作用型製剤は、移植(例えば皮下又は筋肉内)により又は筋肉内注射により投与できる。本発明の化合物は、適切なポリマー材料又は疎水性材料(例えば、薬理学的に許容される油のエマルジョン)と共に、イオン交換樹脂と共に、又はそれだけに限らないが難溶性の塩等の難溶性誘導体としてこの投与経路用に製剤化できる。
更に、本発明の化合物は、持続放出系、例えば該化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスを用いて送達できる。様々な持続放出材料が確立されており、当業者に周知である。
更に、抗酸化剤及び懸濁化剤は、本明細書に記載の化合物の医薬組成物中で使用できる。
G. 用量
治療有効量の決定は、特に本明細書の開示内容に照らして、十分当業者の能力の範囲内である。
本発明の方法で使用する任意のコンジュゲートについて、治療有効量は、最初にインビトロアッセイから推定できる。次いで、投与量は、有効な投与量を含む循環濃度範囲を得るために動物モデルでの使用に対して定式化できる。次いで、このような情報を使用して、患者に有用な投与量をより正確に決定できる。
投与される医薬組成物の量は、コンジュゲートされている治療用物質の有効性に依存するであろう。一般に、治療法で使用する化合物の量は、哺乳動物において所望の治療結果を効果的に実現する量である。必然的に、様々な化合物の投与量は、それにコンジュゲートされた治療用物質(例えばオリゴヌクレオチド)に応じて若干変化するであろう。更に、投与量は、当然ながら、剤形及び投与経路に応じて変化し得る。しかし、一般に、本明細書に記載の化合物にコンジュゲートされた治療用物質(例えばオリゴヌクレオチド)は、約0.1mg/kg/週〜約1g/kg/週、好ましくは約1〜約500mg/kg、より好ましくは1〜約100mg/kg(即ち、約10〜約90mg/kg/週)の範囲の量で投与できる。上に示された範囲は、例示的であり、当業者は、臨床経験及び治療指示に基づき最適な用量を決定するであろう。更に、正確な製剤、投与経路及び投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師が選択できる。更に、本明細書に記載の化合物の毒性及び治療有効性は、当業者に周知の方法を用いて細胞培養又は実験動物において標準医薬操作により決定できる。
或いは、約1〜約100mg/kg/用量(0.1〜100mg/kg/用量)の量を、核酸の有効性に応じて治療で使用してもよい。単位剤形は、一般に、活性剤、オリゴヌクレオチドの約1mg〜約60mgの範囲である。
一実施形態において、本発明の治療は、本明細書に記載の化合物にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドを、約1〜約60mg/kg/用量(約25〜60mg/kg/用量、約3〜約20mg/kg/用量)、例えば60、45、35、30、25、15、5又は3mg/kg/用量(単回投与計画又は多回投与計画のいずれか)の量で哺乳動物に投与することを含む。例えば、本明細書に記載の
化合物は、q3d×9で30又は60mg/kg/用量の量で静脈内に投与できる。
或いは、本明細書に記載の化合物にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドの送達は、約0.1〜約1000μM、好ましくは約10〜約1500μM(即ち、約10〜約1000μM、約30〜約1000μM)の濃度のオリゴヌクレオチドと腫瘍細胞又は腫瘍組織とをインビボ又はインビトロで接触させることを含む。
組成物は、1日1回投与してもよく、複数週の治療プロトコルの一環として与えることができる複数回投与(例えばq3d)に分けてもよい。正確な用量は、当業者に認識されるように、状態の段階及び重症度、核酸に対する腫瘍の感受性、及び治療される患者の個々の特性に依存するであろう。
本発明の化合物が投与される本発明の全ての態様において、言及された投与量は、投与されるコンジュゲートの量ではなく、オリゴヌクレオチドのような治療用物質の分子量に基づいている。
治療は、所望の臨床結果が得られるまで1日又は数日行われることが企図される。本発明の化合物の投与の正確な量、回数及び期間は、当然ながら、患者の性別、年齢及び医学的状態、並びに担当臨床医により決定された疾患の重症度に応じて変化するであろう。
更に更なる態様は、相乗的又は付加的な利益のために、本明細書に記載の本発明の化合物と他の抗癌療法とを組み合わせることを含む。
以下の実施例は、本発明の更なる理解を得るために利用されるが、本発明の有効な範囲を制限することを何ら意味するものではない。
実施例において、全ての合成反応は、乾燥窒素又は乾燥アルゴンの雰囲気下で行われる。N-(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン)、BOC-ON、LiOCl4、コレステロール及び1H-ピラゾール-1-カルボキサミジンHClをAldrichから購入した。全ての他の試薬及び溶媒を、更なる精製なしで使用した。スルビビン遺伝子を標的とするLNAオリゴ-1、ErB3遺伝子を標的とするオリゴ-2およびオリゴ-3(スクランブル化したオリゴ-2)を社内で調製した。その配列を表2に示す。インターヌクレオチド結合はホスホロチオエートであり、mCはメチル化シトシンを表し、大文字はLNAを示す。
Figure 2012509066
以下の略語、例えばLNA(ロックド核酸)、BACC(2-[N,N'-ジ(2-グアニジンプロピル)]アミノエチルコレステリルカーボネート)、Chol(コレステロール)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4-N,N-ジメチルアミノピリジン)、DOPE(L-α-ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、Avanti Polar Lipids、USA又はNOF、Japan)、DLS(動的光散乱)、DSPC(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)(NOF、Japan)、SPE-PEG(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-(ポリエチレングリコール)2000アンモニウム塩又はナトリウム塩、Avanti Polar Lipids、USA及びNOF、Japan)、DTT (1,4-ジチオトレイトール)、KD(ノックダウン)、EPC(卵ホスファチジルコリン、Avanti Polar Lipids、USA)及びC16 mPEG-セラミド(N-パルミトイル-スフィンゴシン-1-スクシニル(メトキシプロピルエチレングリコール)2000、Avanti Polar Lipids、USA)は、実施例全体で使用される。他の略語、例えばFAM(6-カルボキシフルオレセイン)、FBS(ウシ胎児血清)、GAPDH(グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ)、DMEM(ダルベッコの修飾イーグル培地)、MEM(修飾イーグル培地)、TEAA(テトラエチルアンモニウムアセテート)、TFA(トリフルオロ酢酸)、RT-qPCR(逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応)も使用した。
実施例1 一般的NMR法
別段の指示がない限り、Varian Mercury 300NMR分光計及び溶媒として重水素化クロロホルムを用いて300MHzで1H NMRスペクトル及び75.46MHzで13C NMRスペクトルを得た。化学シフト(δ)を、テトラメチルシラン(TMS)からのダウンフィールドで100万分の一(ppm)で報告する。
実施例2 一般的なHPLC法
反応混合物、並びに中間体及び最終生成物の純度を、Beckman Coulter System Gold(登録商標)HPLC装置でモニターする。1mL/分の流量で0.05%TFA中のアセトニトリル10〜90%の勾配、又は1mL/分の流量で50mM TEAA緩衝液中のアセトニトリル25〜35%の勾配を用いて、168ダイオードアレイUV検出器を備えたZORBAX(登録商標)300SB C8逆相カラム(150×4.6mm)又はPhenomenex Jupiter(登録商標)300A C18逆相カラム(150×4.6mm)を使用する。アニオン交換クロマトグラフィーを、Waters製のAP-Emptyグラスカラムに充填したApplied Biosystems製のPoros50HQ強アニオン交換樹脂を用いてGE Healthcare(Amersham Bioscience)製のAKTAエクスプローラー100Aで行った。脱塩は、Amersham Biosciences製のHiPrep26/10脱塩カラム(PEG-オリゴ用)を用いて達成された。
実施例3 一般的なmRNAダウンレギュレーション法
細胞を完全培地(F-12K又はDMEM、10%FBSで補足)中で維持した。各ウェル中に2.5×105細胞を含有する12ウェルプレートを37℃で終夜インキュベートした。細胞をOpti-MEM(登録商標)で1回洗浄し、Opti-MEM(登録商標)400μLを各ウェルに加えた。次いで、ナノ粒子の溶液又はオリゴヌクレオチドを含有するLipofectamine2000(登録商標)の溶液を各ウェルに加えた。細胞を4時間インキュベートし、次いで各ウェルに培地600μLを加え、24時間インキュベートした。処理の24時間後、ヒトErbB3遺伝子等の標的遺伝子及びGAPDH等のハウスキーピング遺伝子の細胞内mRNAレベルを、RT-qPCRで定量した。mRNAの発現レベルを正規化した。
実施例4 一般的なRNA調製法
インビトロmRNAダウンレギュレーション実験のために、製造業者の使用説明書に従って全RNAをRNAqueous Kit(登録商標)(Ambion)を用いて調製した。RNA濃度を、ナノドロップを用いてOD260nmで決定した。
実施例5 一般的なRT-qPCR法
全ての試薬はApplied Biosystems製であった: High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(登録商標)(4368813)、20×PCRマスターミックス(4304437)、並びにヒトGAPDH(Cat.#0612177)及びスルビビン(BIRK5 Hs00153353)用TaqMan(登録商標)遺伝子発現アッセイキット。全RNA2.0μgを、最終量50μLでのcDNA合成に使用した。反応を、PCRサーモサイクラーで25℃にて10分間、37℃にて120分間、85℃にて5秒間行い、次いで4℃で貯蔵した。リアルタイムPCRを、50℃-2分間、95℃-10分間及び95℃-15秒間/60℃-1分間のプログラムで40サイクル行った。各qPCR反応については、cDNA1μLを最終量30μLで使用した。
実施例6. 化合物1(葉酸-NHS)の製造
葉酸(250mg、0.566mmol)をDMSOに溶かし、NHS(110.5mg、0.956mmol)、TEA(118μL、0.956mmol)およびDCC(137.5mg、0.666mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を濾過し、得られたDMSO中の活性化葉酸-NHSを直接用いた。
実施例7. 化合物3の製造
ヒスチジン豊富ペプチド(化合物2、50mg、0.0728mmol)をDMF 1mLに溶かし、次にDIEA(26μL、0.149mmol)およびDMSO中の葉酸-NHS(化合物1、250mg、0.193mmol)溶液3mLを加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。混合物をC18prepによって精製して、生成物を単離した。LC-MSによって分子量を確認した。
実施例8. 化合物3aの製造
葉酸に代えて、p-メトキシ安息香酸を、実施例6および7に記載の反応条件で処理して、p-メトキシ安息香酸NHSエステルを得る。
実施例9. 化合物5の製造
化合物3およびHS-C6-Oligo2(化合物4、7mg:HS-C6-アンチセンスErbB3オリゴヌクレオチド)を、pH6.5リン酸緩衝液(100mM)2mLに溶かす。4時間後に、反応混合物を水を用いるHiPrepカラムで精製して、生成物を単離する。LC-MSによって分子量を確認する。
実施例10. 化合物5aの製造
化合物3およびHS-C6-Oligo2-FAM(化合物4a、7mg)を、pH6.5リン酸緩衝液(100mM)2mLに溶かした。4時間後に、反応混合物を水を用いるHiPrepカラムで精製して、生成物を単離した。LC-MSによって分子量を確認した。
実施例11. 化合物7の製造
Fmoc-Cys(S-tBu)-COOH(化合物6、1.0g、2.3mmol)の無水DCM(25mL)中溶液に、NHS(4.6mmol)、EDC(4.6mmol)およびDMAP(4.6mmol)を0℃で加え、次に0℃から室温まで2時間にわたって撹拌した。反応混合物を0.1N HClで2回洗浄した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して生成物を得た。生成物をそれ以上精製せずに用いた。
実施例12. 化合物9の製造
脱水アセトニトリル中の化合物7の溶液を、pH7.8、100mMリン酸ナトリウムおよびアセトニトリル(1:1)6mL中のNH2-C6-Oligo(化合物8)の溶液に加える。反応完了後、反応混合物を、A緩衝液(pH7.0、5M尿素、100mM KH2PO3、25%CH3CN)およびB緩衝液(2M KBr)を用いてSource15Qカラムで精製し、水を用いるHiPrepで脱塩を行って生成物を得る。分子量をLC-MSによって確認する。
実施例13. 化合物9aの製造
脱水アセトニトリル中の化合物7の溶液を、pH7.8、100mMリン酸ナトリウムおよびアセトニトリル(1:1)6mL中のNH2-C6-Oligo-FAM(化合物8a、100mg)の溶液に加えた。反応完了後、反応混合物を、A緩衝液(pH7.0、5M尿素、100mM KH2PO3、25%CH3CN)およびB緩衝液(2M KBr)を用いてSource15Qカラムで精製し、水を用いるHiPrepで脱塩を行って生成物120mg(オリゴ当量)を得た。分子量をLC-MSによって確認した。
実施例14. 化合物10の製造
化合物9の水(2mL)中溶液を、ピペリジンおよびDMF(1:1)1mLで処理する。反応液を30分間撹拌し、水を用いるHiPrepカラムで脱塩して、生成物を得る。分子量をLC-MSによって確認する。
実施例15. 化合物10aの製造
化合物9a(120mg)の水(2mL)中溶液を、ピペリジンおよびDMF(1:1)1mLで処理した。反応液を30分間撹拌し、水を用いるHiPrepカラムで脱塩して、生成物108mg(オリゴ当量)を得た。分子量をLC-MSによって確認した。
実施例16. 化合物12の製造
化合物10のpH7.8リン酸ナトリウム(100mM)5mLおよびアセトニトリル2.5mL中溶液を、化合物11(350mg、1.14mmol)のCH3CN2.5mL中溶液で処理する。反応混合物を約1時間撹拌し、HiPrepカラムで水によって脱塩して生成物を得る。分子量をLC-MSによって確認する。
実施例17. 化合物12aの製造化合物
化合物10a(108mg)のpH7.8リン酸ナトリウム(100mM)5mLおよびアセトニトリル2.5mL中溶液を、化合物11(350mg、1.14mmol)のCH3CN2.5mL中溶液で処理した。反応混合物を約1時間撹拌し、HiPrepカラムで水によって脱塩して生成物104mg(オリゴ当量)を得た。分子量をLC-MSによって確認した。
実施例18. 化合物14の製造
化合物12のpH7.0、5M尿素および100mMKH2PO4(20mL)中溶液をCGVKRKKKP(化合物13、15mg、4当量)で処理する。反応が完結した時点で、混合物をA緩衝液(pH7.0、5M尿素、100mMKH2PO3、25%CH3CN)およびB緩衝液(2M KBr)を用いてSource15Qカラムで精製して、尿素緩衝液中の生成物を得る。分子量をLC-MSによって確認する。生成物溶液を、それ以上精製せずにそのまま用いる。
実施例19. 化合物14aの製造
化合物12a(23.9mg、0.037mmol)のpH7.0、5M尿素および100mMKH2PO4(10mL)中溶液をCGVKRKKKP(化合物13、15mg、4当量)で処理した。反応は1時間で完結し、混合物をA緩衝液(pH7.0、5M尿素、100mMKH2PO3、25%CH3CN)およびB緩衝液(2M KBr)を用いてSource15Qカラムで精製して、尿素緩衝液12mL中の生成物19mg(オリゴ当量)を得た。分子量をLC-MSによって確認した。生成物溶液を、それ以上精製せずにそのまま用いた。
実施例20. 化合物15の製造
化合物14の溶液を炭酸アンモニウム(100mL)中のDTT(92mg)5mLで処理する。反応が完結したら、混合物をpH6.5リン酸ナトリウム緩衝液中の1M尿素で脱塩して、脱塩緩衝液中の生成物を得る。分子量をLC-MSによって確認する。
実施例21. 化合物15aの製造
化合物14aの溶液を炭酸アンモニウム(100mL)中のDTT(92mg)5mLで3時間処理した。反応液をpH6.5リン酸ナトリウム緩衝液中の1M尿素で脱塩して、脱塩緩衝液45mL中の生成物27mg(オリゴ当量)を得た。分子量をLC-MSによって確認した。
実施例22. 化合物16の製造
化合物15(オリゴ当量の9mg)の脱塩緩衝液中溶液に、化合物3または3aを加える。反応完結後、混合物をA緩衝液(pH7.0、5M尿素、100mMKH2PO3、25%CH3CN)およびB緩衝液(2M KBr)を用いてSource15Qカラムで精製し、PBSを用いてHiPrepカラムで脱塩して生成物を得る。分子量をLC-MSによって確認する。
実施例23. 化合物16aの製造
化合物15a(オリゴ当量の2mg)の脱塩緩衝液中溶液に、化合物3を加えた。反応完結後、混合物をA緩衝液(pH7.0、5M尿素、100mMKH2PO3、25%CH3CN)およびB緩衝液(2M KBr)を用いてSource15Qカラムで精製し、PBSを用いてHiPrepカラムで脱塩して生成物を得た。分子量をLC-MSによって確認した。
実施例24. 核酸の細胞取り込みおよび細胞質局在化に対する効果
核酸の細胞取り込みおよび細胞質局在化に対する本明細書に記載の化合物の効果を、KB細胞(ヒト腺癌)で評価した。細胞を、完全培地(10%FBSを補充したDMEM)中37℃で維持した。細胞を、化合物5aの溶液(HS-C6-Oligo2-FAM:アンチセンスErbB3オリゴヌクレオチド)で処理した。細胞をPBSで洗浄し、染色し、予め冷却しておいた70%EtOHで固定した。蛍光顕微鏡下にサンプルを調べた。処理した細胞サンプルの蛍光画像を図4に示してある。その画像では、FAMで標識したオリゴヌクレオチドが処理した細胞の細胞質ゾルで示されている。オリゴヌクレオチドはエンドソームから放出され、細胞質中に拡散した。その結果から、エンドソーム放出促進部分が、細胞中への治療性核酸の送達および細胞内での細胞質領域である細胞コンパートメントにそれらを局在化させる上で有効な手段であることがわかる。
実施例25: イン・ビトロでの標的遺伝子発現のモジュレーションに対する効果
標的遺伝子発現のモジュレーションに対する本明細書に記載の化合物の効果は、類表皮癌(A431)、前立腺癌(15PC3、LNCaP、PC3、CWR22)、肺癌(A549、HCC827、H1581)、乳癌(SKBR3)、大腸癌(SW480)、膵臓癌細胞(BxPC3)、胃癌細胞(N87)およびメラノーマ(518A2)などの多くの異なる癌細胞で評価される。細胞を化合物5(Oligo2またはスクランブル配列、Oligo-3とともに)で処理する。処理後、ヒトErbB3などの標的遺伝子およびGAPDHなどのハウスキーピング遺伝子の細胞内mRNAレベルをRT-qPCRによって定量する。GAPDHのレベルに対して正規化されたmRNAの発現レベルを比較する。mRNA低下データを確認するため、ウェスタンブロット法によってOligo-2およびOligo-3の両方の接合体を用いて、細胞からのタンパク質レベルも分析する。
実施例27. イン・ビボでの標的遺伝子低下に対する効果
標的遺伝子発現低下に対する本明細書に記載の化合物の効果を、ヒト癌細胞を異種移植したマウスで評価する。ヒト癌細胞を注射することで、マウスに異種移植腫瘍を確立する。右側腹部への細胞5×106個/マウスの皮下注射によって、ヌードマウスに15PC3ヒト前立腺腫瘍を確立する。腫瘍が約100mm3に達した時点で、マウスを、静脈投与で(i.v.)(あるいは、腹腔内投与で)またはq3d×4以上で60mg/kg、45mg/kg、30mg/kg、25mg/kg、15mg/kgまたは5mg/kg/用量(Oligo2の当量)で化合物5(Oligo2)で処理する。用量は、化合物5に含まれるオリゴヌクレオチドの量に基づいたものである。最終投与から24時間後にマウスを屠殺する。マウスから血漿サンプルを採取し、-20℃で保存する。腫瘍および肝臓サンプルもマウスから採取する。サンプルについて、mRNA KDの分析を行った。

Claims (54)

  1. 下記式(I)の化合物。
    Figure 2012509066
    [式中、
    R1は式(Ia1)または(Ia2)の基:
    Figure 2012509066
    であり;
    XはOまたはSであり;
    R2は、水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーまたは下記式(Ib1)、(Ib2)または(Ib3)の基:
    Figure 2012509066
    であり;
    MはOまたはNR5であり;
    R3は、OH、OR6、SH、SR7、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーまたは下記式(Ic1)、(Ic2)または(Ic3)の基:
    Figure 2012509066
    であり;
    Y1はO、SまたはNR8であり;
    R4はC1-6アルキル、C1-6分岐アルキルまたは
    Figure 2012509066
    であり;
    R51-54は独立に水素、アミノ、アジド、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、水素、C1-6アルキル、C3-8分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリールおよび置換されたアリールからなる群から選択され;
    R5およびR8は独立に水素、アミノ、アジド、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシル、ニトロ、水素、C1-6アルキル、C3-8分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリールおよび置換されたアリールからなる群から選択され;
    R6およびR7は独立に、C1-6アルキルまたはC1-6分岐アルキルであり;
    R11は、水素、C1-6アルキル、官能基、標的基またはエンドソーム放出促進部分であり;
    R12は、水素、C1-6アルキル、脱離基、官能基、標的基、核局在化シグナルペプチドまたは非抗原性ポリマーであり;
    R13は、OH、OR6、SH、SR7、脱離基、官能基、標的基、生理活性剤および非抗原性ポリマー、または
    Figure 2012509066
    からなる群から選択され;
    式(Ia2)の基は存在し、(g)は0であり;
    R14はエンドソーム放出促進部分であり;
    R15-17は独立に、水素、C1-6アルキルs、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-19分岐アルキル、C3-8シクロアルキルおよびC1-6アルコキシからなる群から選択され、R15-17は各場合で独立に同一であるか異なっており;
    L1-3およびL6-9は独立に選択される二官能性連結基であり、L1-3およびL6-9は各場合で独立に、同一であるか異なっており;
    L4-5は、独立に選択されるXに隣接する末端硫黄を含む二官能性スペーサーであり;
    (c)は0または1であり;
    (d)および(g)は独立に、0または1であり;
    (b)、(e)、(f)、(h)、(i)、(j)および(k)は独立に、0または正の整数であり;
    (n1)は、0または約1から約10の正の整数であり;
    (n2)および(n3)は独立に、0または約1から約10の正の整数であり、
    ただし、R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つが生理活性剤、または式(Ia2)の基が存在しかつ(g)が0である場合は
    Figure 2012509066
    を含む。]
  2. R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つが生理活性剤を含む請求項1に記載の化合物。
  3. R1が下記式(Ia1)または(Ia2)の基:
    Figure 2012509066
    であり;
    R2が下記式(Ib1)、(Ib2)または(Ib3)の基:
    Figure 2012509066
    であり;
    R3がOH、OR6または下記式(Ic1)、(Ic2)もしくは(Ic3)の基:
    Figure 2012509066
    である請求項1に記載の化合物。
  4. R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み;R12が核局在化シグナルペプチドであり;R13が生理活性剤を含む請求項2に記載の化合物。
  5. 前記化合物が下記式(III)を有する請求項1に記載の化合物。
    Figure 2012509066
  6. R1が下記式(Ia1)または(Ia2)の基:
    Figure 2012509066
    であり;
    R2が、下記式(Ib1)、(Ib2)または(Ib3)の基:
    Figure 2012509066
    であり;
    R3が、OH、OR6または下記式(Ic1)、(Ic2)もしくは(Ic3)の基:
    Figure 2012509066
    である請求項5に記載の化合物。
  7. 下記式(IIIa)または(III′a)を有する請求項5に記載の化合物。
    Figure 2012509066
    [式中、R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、R13は生理活性剤である。]
  8. R12が核局在化シグナルペプチドである請求項7に記載の化合物。
  9. 下記式(IVa)または(IV′a)を有する請求項7に記載の化合物。
    Figure 2012509066
    [式中、
    R11は水素、標的基またはヒスチジン豊富ペプチドであり;
    R12は、水素、C1-6アルキル、脱離基、官能基または核局在化シグナルペプチドであり;
    R13は生理活性剤を含み;
    R14はヒスチジン豊富ペプチドである。]
  10. 前記ヒスチジン豊富ペプチドが約3から約25個のアミノ酸を含む請求項9に記載の化合物。
  11. 下記式(Va)または(V′a)を有する請求項7に記載の化合物。
    Figure 2012509066
    [式中、
    R11は水素、標的基またはヒスチジン豊富ペプチドであり;
    R12は水素、C1-6アルキル、脱離基、官能基、核局在化シグナルペプチドまたは非抗原性ポリマーであり;
    R13は生理活性剤を含み;
    Hisはヒスチジンであり;
    (n)は3以上の正の整数である。]
  12. 下記式(IIIb)または(III′b)を有する請求項5に記載の化合物。
    Figure 2012509066
    [式中、
    R11およびR14のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み;
    R13は、(g)が0または1である場合は生理活性剤であり、または
    Figure 2012509066
    であり、(g)は0であり;
    R2は水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
    R3はOH、OR6、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーである。]
  13. 下記式(IVb)または(IV′b)を有する請求項12に記載の化合物。
    Figure 2012509066
    [式中、
    R11は水素または標的基であり;
    R13は、(g)が0または1である場合は生理活性剤であり、または
    Figure 2012509066
    であり、(g)は0であり;
    R14は、ヒスチジン豊富ペプチドであり;
    R2は、水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
    R3は、OH、OR6、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーである。]
  14. 前記ヒスチジン豊富ペプチドが約3から約25個のアミノ酸を含む請求項13に記載の化合物。
  15. 下記式(Vb)または(V′b)を有する請求項12に記載の化合物。
    Figure 2012509066
    [式中、
    R11は水素または標的基であり;
    R13は、(g)が0または1である場合は生理活性剤であり、または(g)が0である場合は
    Figure 2012509066
    であり;
    R2は水素、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
    R3はOH、OR6、脱離基、官能基、標的基、非抗原性ポリマーであり;
    Hisはヒスチジンであり;
    (n)は、3以上の正の整数である。]
  16. R1-3のうちの一つが生理活性剤を含み、R1-3のうちの他のものがエンドソーム放出促進部分を含み;R1-3のうちの別のものが核局在化シグナルペプチドを含む請求項1に記載の化合物。
  17. XがSであり;Y1がOであり;MがNHである請求項1に記載の化合物。
  18. 前記エンドソーム放出促進部分がヒスチジン豊富ペプチドを含む請求項1に記載の化合物。
  19. 前記ヒスチジン豊富ペプチドが約3から25個のアミノ酸を含み、前記ヒスチジン豊富ペプチドが約30%から約100%の範囲のヒスチジンを含む請求項18に記載の化合物。
  20. R1がヒスチジン豊富ペプチドを含み、R2がMに永久的に連結されており、R3がC(=Y1)に永久的に連結されている請求項1に記載の化合物。
  21. 前記核局在化シグナルペプチドが、CGVKRKKKP(配列番号28)、CYGRKKRRQRRR(配列番号29)、YGRKKRRQRRRC(配列番号30)、YGRKKRRQRRR(配列番号31)、PKKKRKVEDPYC(配列番号32)、VQRKRQKLM(配列番号33)およびCGYGPKKKRKVGG(配列番号34)からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  22. L1-3およびL6-9が独立に、
    -(CR21R22)t1-[C(=Y16)]a3-、
    -(CR21R22)t1Y17-(CR23R24)t2-(Y18)a2-[C(=Y16)]a3-、
    -(CR21R22CR23R24Y17)t1-[C(=Y16)]a3-、
    -(CR21R22CR23R24Y17)t1(CR25R26)t4-(Y18)a2-[C(=Y16)]a3-、
    -[(CR21R22CR23R24)t2Y17]t3(CR25R26)t4-(Y18)a2-[C(=Y16)]a3-、
    -(CR21R22)t1-[(CR23R24)t2Y17]t3(CR25R26)t4-(Y18)a2-[C(=Y16)]a3-、
    -(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3(CR23R24)t2-、
    -(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3Y14(CR23R24)t2-、
    -(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3(CR23R24)t2-Y15-(CR23R24)t3-、
    -(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3Y14(CR23R24)t2-Y15-(CR23R24)t3-、
    -(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3(CR23R24CR25R26Y19)t2(CR27CR28)t3-、
    -(CR21R22)t1(Y17)a2[C(=Y16)]a3Y14(CR23R24CR25R26Y19)t2(CR27CR28)t3-および
    Figure 2012509066
    からなる群から選択され;
    Y16がO、NR28またはSであり;
    Y14-15およびY17-19が独立に、O、NR29またはSであり;
    R21-27が独立に、水素、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシおよびC1-6ヘテロアルコキシからなる群から選択され;
    R28-29が独立に、水素、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシおよびC1-6ヘテロアルコキシからなる群から選択され;
    (t1)、(t2)、(t3)および(t4)が独立に、0または正の整数であり;
    (a2)および(a3)が独立に、0または1である請求項1に記載の化合物。
  23. L1が、
    -(CH2)4-C(=O)-、-(CH2)5-C(=O)-、-(CH2)6-C(=O)-、
    -CH2CH2O-CH2O-C(=O)-、-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-、
    -(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-、-(CH2CH2O)2-C(=O)-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-、
    -(CH2)4-C(=O)NH-、-(CH2)5-C(=O)NH-、-(CH2)6-C(=O)NH-、
    -CH2CH2O-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-C(=O)-NH-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-、-CH2CH2O-CH2O-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)3-CH2CH2NH-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-、-CH2-O-(CH2CH2O)2-、
    -(CH2)4-、-(CH2)3-、-O(CH2)2-、-C(=O)O(CH2)3-、-C(=O)NH(CH2)3-、
    -C(=O)(CH2)2-、-C(=O)(CH2)3-、
    -CH2-C(=O)-O(CH2)3-、-CH2-C(=O)-NH(CH2)3-、
    -CH2-OC(=O)-O(CH2)3-、-CH2-OC(=O)-NH(CH2)3-、
    -(CH2)2-C(=O)-O(CH2)3-、-(CH2)2-C(=O)-NH(CH2)3-、
    -CH2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -CH2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -(CH2)2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -(CH2)2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -CH2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
    -(CH2)2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
    Figure 2012509066
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  24. L2およびL6-7が独立に、
    -(CH2)4-C(=O)-、-(CH2)5-C(=O)-、-(CH2)6-C(=O)-、
    -CH2CH2O-CH2O-C(=O)-、
    -(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-、
    -(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-、
    -(CH2CH2O)2-C(=O)-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-、
    -(CH2)4-C(=O)NH-、-(CH2)5-C(=O)NH-、-(CH2)6-C(=O)NH-、
    -CH2CH2O-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-C(=O)-NH-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-、-CH2CH2O-CH2O-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)3-CH2CH2NH-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-、-CH2-O-(CH2CH2O)2-、
    -(CH2)4-、-(CH2)3-、-O(CH2)2-、-C(=O)O(CH2)3-、-C(=O)NH(CH2)3-、
    -C(=O)(CH2)2-、-C(=O)(CH2)3-、
    -CH2-C(=O)-O(CH2)3-、-CH2-C(=O)-NH(CH2)3-、
    -CH2-OC(=O)-O(CH2)3-、-CH2-OC(=O)-NH(CH2)3-、
    -(CH2)2-C(=O)-O(CH2)3-、-(CH2)2-C(=O)-NH(CH2)3-、
    -CH2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -CH2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -(CH2)2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -(CH2)2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -CH2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
    -(CH2)2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
    Figure 2012509066
    Figure 2012509066
    からなる群から選択され;
    (e)、(h)または(i)が2以上である場合、L2およびL6-7が各場合で独立に同一であるか異なっている請求項1に記載の化合物。
  25. L3およびL8-9が独立に、
    -(CH2)4-C(=O)-、-(CH2)5-C(=O)-、-(CH2)6-C(=O)-、
    -CH2CH2O-CH2O-C(=O)-、-(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-、
    -(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-、-(CH2CH2O)2-C(=O)-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-、
    -(CH2)4-C(=O)NH-、-(CH2)5-C(=O)NH-、-(CH2)6-C(=O)NH-、
    -CH2CH2O-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-C(=O)-NH-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)-NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)-NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)-NH-、
    -(CH2CH2O)2-、-CH2CH2O-CH2O-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)3-CH2CH2NH-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-、-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-、
    -CH2-O-CH2CH2O-、-CH2-O-(CH2CH2O)2-、
    -(CH2)4-、-(CH2)3-、-O(CH2)2-、-C(=O)O(CH2)3-、-C(=O)NH(CH2)3-、
    -C(=O)(CH2)2-、-C(=O)(CH2)3-、
    -CH2-C(=O)-O(CH2)3-、-CH2-C(=O)-NH(CH2)3-、
    -CH2-OC(=O)-O(CH2)3-、-CH2-OC(=O)-NH(CH2)3-、
    -(CH2)2-C(=O)-O(CH2)3-、-(CH2)2-C(=O)-NH(CH2)3-、
    -CH2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -CH2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -(CH2)2C(=O)O(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -(CH2)2C(=O)NH(CH2)2-O-(CH2)2-、
    -CH2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
    -(CH2)2C(=O)O(CH2CH2O)2CH2CH2-、
    Figure 2012509066
    からなる群から選択され;
    (f)、(j)または(j)が2以上である場合に、L3およびL8-9が各場合で独立に同一であるか異なっている請求項1に記載の化合物。
  26. L4-5が独立に、
    -(CR′21R′22)t′1-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′2S-、
    -(CR′21R′22)t′1Y′14-(CR′23R′24)t′2-(Y′15)a′2-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′3S-、
    -(CR′21R′22CR′23R′24Y′14)t′1-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′2S-、
    -(CR′21R′22CR′23R′24Y′14)t′1(CR′25R′26)t′2-(Y′15)a′2-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′3S-、
    -[(CR′21R′22CR′23R′24)t′2Y′14]t′1(CR′25R′26)t′2-(Y′15)a′2-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′3S-、
    -(CR′21R′22)t′1-[(CR′23R′24)t′2Y′14]t′2(CR′25R′26)t′3-(Y′15)a′2-[C(=Y′16)]a′3(CR′27CR′28)t′4S-、
    -(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3(CR′23R′24)t′2S-、
    -(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3Y′15(CR′23R′24)t′2S-、
    -(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3(CR′23R′24)t′2-Y′15-(CR′23R′24)t′3S-、
    -(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3Y′14(CR′23R′24)t′2-Y′15-(CR′23R′24)t′3S-、
    -(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3(CR′23R′24CR′25R′26Y′15)t′2(CR′27CR′28)t′3S-、
    -(CR′21R′22)t′1(Y′14)a′2[C(=Y′16)]a′3Y′17(CR′23R′24CR′25R′26Y′15)t′2(CR′27CR′28)t′3S-および
    Figure 2012509066
    からなる群から選択され;
    Y′16がO、NR′28またはSであり;
    Y′14-15およびY′17が独立に、O、NR′29またはSであり;
    R′21-27が独立に、水素、ヒドロキシル、カルボキシル、アミン、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシおよびC1-6ヘテロアルコキシからなる群から選択され;
    R′28-29が独立に、水素、C1-6アルキル、C3-12分岐アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6の置換されたアルキル、C3-8の置換されたシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、アラルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換されたC1-6ヘテロアルキル、C1-6アルコキシ、フェノキシおよびC1-6ヘテロアルコキシからなる群から選択され;
    (t′1)、(t′2)、(t′3)および(t′4)が独立に、0または正の整数であり;
    各(a′2)および(a′3)が独立に、0または1である請求項1に記載の化合物。
  27. L4が、
    -(CH)6-S-、-(CH)5-S-、-(CH)4-S-、-(CH)3-S-、-(CH)2-S-、
    -(CH2)4-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2)5-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2)6-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2CH2O-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2)4-C(=O)NHCH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2CH2O-CH2OC(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -(CH2CH2O)3-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)NHCH(COOH)CH2S-および
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)NHCH(COOH)CH2S-
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  28. L5が、
    -(CH)6-S-、-(CH)5-S-、-(CH)4-S-、-(CH)3-S-、-(CH)2-S-、
    -(CH2CH2O)-CH2CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2S-、
    -(CH2)4-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2)5-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2)6-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2CH2O-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)3-CH2O-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NH-C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2)4-C(=O)NHCH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2CH2C(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -CH2CH2O-CH2OC(=O)NH-CH(COOH)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -(CH2CH2O)3-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -CH2CH2O-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2CH2NHC(=O)CH(NH2)CH2S-、
    -CH2-O-CH2CH2O-CH2C(=O)NHCH(COOH)CH2S-および
    -CH2-O-(CH2CH2O)2-CH2C(=O)NHCH(COOH)CH2S-
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  29. (c)が1であり;R14がヒスチジン豊富ペプチドであり;R11が細胞表面標的基である請求項1に記載の化合物。
  30. 前記細胞表面標的基が葉酸またはアニスアミドである請求項29に記載の化合物。
  31. (b)および(c)が両方とも0であり、(d)が1であり、R11がヒスチジン豊富ペプチドである請求項1に記載の化合物。
  32. 前記生理活性剤が、-NH2含有部分、-OH含有部分および-SH含有部分からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  33. 前記生理活性剤がオリゴヌクレオチドである請求項32に記載の化合物。
  34. 前記オリゴヌクレオチドが一本鎖もしくは二本鎖オリゴヌクレオチドである請求項33に記載の化合物。
  35. 前記オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドである請求項33に記載の化合物。
  36. 前記オリゴヌクレオチドが、デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、ミクロRNA(miRNA)、アプタマー類、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴヌクレオチド類(PMO)、トリシクロ-DNA、二本鎖オリゴヌクレオチド(デコイODN)、触媒性RNA(RNAi)、アプタマー類、シュピーゲルマー類、CpGオリゴマー類およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項33に記載の化合物。
  37. 前記オリゴヌクレオチドが、ホスホジエステルもしくはホスホロチオエート連結およびこれらの組み合わせを有する請求項33に記載の化合物。
  38. 前記オリゴヌクレオチドがLNAを有する請求項33に記載の化合物。
  39. 前記オリゴヌクレオチドが約8から約50個のヌクレオチドを有する請求項33に記載の化合物。
  40. 前記オリゴヌクレオチドが、腫瘍遺伝子類、血管新生経路促進遺伝子類、細胞増殖経路促進遺伝子類、ウィルス感染体遺伝子類および炎症経路促進遺伝子類の発現をモジュレートする請求項33に記載の化合物。
  41. 前記オリゴヌクレオチドが、アンチセンスbcl-2オリゴヌクレオチド類、アンチセンスHIF-1αオリゴヌクレオチド類、アンチセンススルビビンオリゴヌクレオチド類、アンチセンスErbB3オリゴヌクレオチド類、アンチセンスPIK3CAオリゴヌクレオチド類、アンチセンスHSP27オリゴヌクレオチド類、アンチセンスアンドロゲン受容体オリゴヌクレオチド類、アンチセンスGli2オリゴヌクレオチド類およびアンチセンスβ-カテニンオリゴヌクレオチド類からなる群から選択される請求項34に記載の化合物。
  42. 前記オリゴヌクレオチドが配列番号1、配列番号2および3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15および配列番号16に示された8以上の連続ヌクレオチドを含み、各核酸が天然核酸もしくは修飾核酸である請求項33に記載の化合物。
  43. 前記標的基が、RGDペプチド類、葉酸、アニスアミド、血管内皮細胞増殖因子、FGF2、ソマトスタチンおよびソマトスタチン類縁体、トランスフフェリン、メラノトロピン、ApoEおよびApoEペプチド、フォン・ヴィレブランド因子およびフォン・ヴィレブランド因子ペプチド、アデノウィルス線維タンパク質およびアデノウィルス線維タンパク質ペプチド類、PD1およびPD1ペプチド類、EGFおよびEGFペプチド類からなる群から選択される請求項33に記載の化合物。
  44. 下記のものからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
    Figure 2012509066
    Figure 2012509066
    Figure 2012509066
    [式中、
    Oligoはオリゴヌクレオチドであり;
    R′は標的基であり;
    Rは核局在化シグナルペプチドである。]
  45. 請求項1に記載の化合物を含むナノ粒子組成物。
  46. 処置を必要とする哺乳動物に対して、有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有し、
    R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つがオリゴヌクレオチドを含む、哺乳動物での疾患の治療方法。
  47. 細胞を請求項1に記載の化合物と接触させる段階を有し、
    R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つがオリゴヌクレオチドを含む、細胞にオリゴヌクレオチドを導入する方法。
  48. 前記細胞が癌細胞である請求項47に記載の方法。
  49. ヒトの細胞もしくは組織を請求項1に記載の化合物と接触させる段階を有し、
    R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つがオリゴヌクレオチドを含む、ヒト細胞もしくは組織での遺伝子発現を阻害する方法。
  50. 前記細胞または組織が、癌細胞もしくは癌組織である請求項49に記載の方法。
  51. 処置を必要とする哺乳動物に対して有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有し、
    R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つがオリゴヌクレオチドを含む、哺乳動物で遺伝子発現を低下させる方法。
  52. 癌細胞を請求項1に記載の化合物と接触させる段階を有し、
    R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み、残りのR1-3のうちの少なくとも一つがオリゴヌクレオチドを含む、癌細胞の成長または増殖を阻害する方法。
  53. 抗癌剤を投与する段階をさらに含む、請求項52に記載の方法。
  54. 処置を必要とする哺乳動物に対して有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有し、
    請求項1に記載の前記化合物が請求項39に記載のナノ粒子に封入されており;R1-3のうちの少なくとも一つがエンドソーム放出促進部分を含み;残りのR1-3のうちの少なくとも一つがオリゴヌクレオチドを含む、哺乳動物での疾患を治療する方法。
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