JP2008527993A - 特異性及び送達の改善のためのsiRNA分子、shRNA分子又はアンチセンス分子及び機能的実体を含む複合体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、インビトロ及びインビボで特異的に送達するための核酸の修飾に関する。より詳しくは、本発明は、RNA分子又はDNA分子の修飾に関する。本発明は、RNA干渉又はアンチセンステクノロジーに対する送達及び特異性に関する機能を付与するためのRNA分子又はDNA分子の修飾に関する。特異的な結合ドメインが、生物学的に活性な分子に接合した相補的核酸がハイブリダイズし得る核酸に組み込まれる。
【選択図】 図2
【選択図】 図2
Description
本発明は、核酸の修飾、そして特に短い干渉(short interfering)RNA及びショートヘアピン型(short hairpin)RNA並びにアンチセンス活性を有するオリゴヌクレオチドをインビトロ及びインビボで特異的に送達するための修飾に関する。
RNA干渉(RNAi)は、遺伝子発現が、サイレンシングされる遺伝子に相同な二本鎖RNA(dsRNA)によって引き起こされるプロセスによって、抑制される現象である。RNAiは自然に備わった機構であり、これはまた、遺伝子機能に関する情報の提供に使用され得、そして多くの生物に対して有用な研究ツールとなっている。遺伝子に基づいた治療としてのRNAiの使用は、特にウイルス感染、癌及び遺伝性の遺伝子障害において広範に研究されている。
阻害は、標的遺伝子から転写されたmRNAの特異的分解によって引き起こされる。dsRNAは、より短い単位(短い干渉RNA;siRNAと呼ばれる)への切断によってプロセシングされ、これは、相同な標的mRNAの認識及び標的化切断を導く。
代表的には、各々の3’末端に2つのヌクレオチド突出を有する21マーのdsRNAが、RNAレベルを減少させることによってタンパク質産生をダウンレギュレートし得ることを示した。この機構は、完全には理解されていないし、デザイン戦略も行われていない。しかし一般的なデザインルールは、サイレンシングを増大させるための両方の鎖の化学修飾とともに与えられている。
siRNAは、合成siRNAとして又はRNase IIIファミリーの酵素であるダイサー(Dicer)によって後に切断される(図1の工程1)プラスミド発現性のより長い二本鎖RNAとしてのいずれかで細胞に導入され得る。RISC(RNA誘導型サイレンシング複合体(RNA−Induced Silencing Complex))複合体は、好ましくは5’末端の最も低いΔG(ギブズ自由エネルギー)を有する鎖に結合する。このsiRNA/RISC複合体は、引き続いて標的化RNAを局在化させ、そしてこのアンチセンス鎖がその標的化RNAとハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションの際に、このsiRNA/RNA構造が細胞によって認識され、そして標的化RNAが切断される。
siRNAはまた、転写レベルで遺伝子発現を抑制し得る。この機構は完全には理解されていないが、プロモーターのCpG島に標的化されたsiRNAが、細胞でのDNAメチル化及びヒストンメチル化を誘導し得ることが示されている。同じタイプのデザインのsiRNAが、転写的遺伝子サイレンシング及び転写後サイレンシングに使用され得る。Kawasaki Hら、Nature、2004 Sep 9;431(7005):211−217。
上述したように、siRNAは、合成siRNAとして又はプラスミド発現性のより長い二本鎖RNAとしてのいずれかで細胞に導入され得る。合成siRNAで開始させるとき、ダイサー複合体による切断は必要ない。開始させるのに最も小さな分子は、各々の3’末端に2つのヌクレオチド突出を有する代表的には21マーの二本鎖RNAの合成である。ダイサーによる消化が、RISCにsiRNAを送り、従ってRNAi効率を増大させると考えられるけれども、小さな分子は、インビボで細胞に入る可能性がより高い。受容体媒介性のエンドサイトーシスを通じて入るようにするためのリガンドとして生物学的に活性な分子を利用することは、特に生物学的に活性な分子をわずかのみ使用する場合には、一般に小さな複合体でより容易である。
siRNAは、細胞に容易に取り込まれない。標的細胞の外側の細胞内部の移送、細胞膜を横切った移送及び/又は標的細胞内部の移送を増大させる複合体は、この新規なテクノロジーの有用性を大いに高める。
WO 00/15824は、生物学的膜を横切った核酸の移送、及び細胞内部でのこの核酸の特異的局在化のための方法及び複合体、バイオプレックス(Bioplex)を開示している。この方法は、機能的要素(本明細書では、FE及び機能的実体ともいう)及び結合要素(本明細書でアンカーという)から構成された合成の輸送実体を使用することに基づく。この機能的要素は例えば、特異的な生物学的機能をこれに結合した分子に付与する核局在化シグナル(NLS)であり得る。生体膜と接触して、この輸送実体は、目的の核酸が生体膜を通して移送するのに備える。
WO 03/091443はさらに、安全性、機能性、効率性及び安定性に関してWO 00/15824のバイオプレックステクノロジーを改善する。WO 03/091443に開示される輸送実体は、生物系に使用する前、膜表面で、又は膜を通過した後若しくは細胞に取り込まれた後に、制御様式で改変され得、そして改変されたときにこの輸送実体の性質を変化させる少なくとも1つの改変部位を含む。WO 03/091443はまた、生体膜を通しての輸送実体の移送方法、及び/又は細胞内部の特定の位置へのその指令方法に関する。
siRNAの有効性を改変又は改善するために、siRNAを修飾するいくつかの試みが提案されている。改善されたsiRNA二重鎖によるRNAi活性の増強が、HohjohによってFEBS Letters 557(2004)193−198頁に記載された。種々のsiRNA二重鎖を、P.ルシフェラーゼ遺伝子に対して構築し、そしてP.ルシフェラーゼの発現抑制に対するこの二重鎖の効果を、P.ルシフェラーゼ遺伝子を保有するpGL3−コントロールプラスミド、及びHeLa細胞へのコントロールとしてR.ルシフェラーゼ遺伝子を保有するphRL−TK−プラスミドでこの二重鎖を同時トランスフェクションすることによって試験した。siRNA二重鎖のセンス鎖の3’末端に導入された1〜4のミスマッチは、培養哺乳動物細胞中で、通常のsiRNA二重鎖を超えてRNAi活性を増強することを示した。
同様に、WO 03/064621は、1つ又はそれ以上のミスマッチが、siRNA二重鎖の全長に沿って導入され得ることを記載している。このミスマッチ塩基は、mRNA標的に対するアンチセンス鎖の結合親和性を減少させないように、siRNAのセンス鎖に存在すべきである。WO 03/064621の記述に従って、この開示された方法によって生産されたsiRNAは、以前利用可能なsiRNAよりも著しく強力であった。
Soutschekら、Nature、第432巻 (2004)173−178頁は、ピロリジンリンカーによってsiRNA分子のセンス鎖の3’末端へコレステロールが接合し、それによって共有結合、すなわち不可逆的な結合を生成することを示した。この化学修飾されたsiRNAは、肝臓及び空腸においてapoB mRNAのサイレンシングを生じさせ、apoBタンパク質の血漿レベルを減少させ、そして総コレステロールを減少させた。Soutschekらに従って、この修飾は、細胞培養物中で遺伝子サイレンシング活性を著しく低下させなかった。
コレステロールは、幾分非特異的な組織取り込みを生じさせる。一方、コレステロールは内因性物質なので、免疫応答を惹起する危険性が存在しない。大きな分子、例えばタンパク質は、特にそれらが微生物から誘導される場合、免疫応答を惹起することが公知である。再投与の可能性を考慮しなければならない。siRNAに化学的に接合したより大きな分子を有することの別の難点は、この分子がRISCからsiRNAを遮蔽しかねないということである。
化学的に連結することによって、siRNAにタンパク質及び他の生物学的に活性な分子を付加することは、多くの労力を必要とすることになる。いくつかのエンドソーム経路は、多数の受容体−リガンド相互作用に依存している。共有結合化学を用いる、siRNAとのコンビナトリアルリガンド取り込みの研究は、時間がかかる上に極めて柔軟性が低い。siRNAを効率よく送達するために多数の閾値が存在するので、1を超える生物学的に活性な分子が必要とされかねない。この送達の経路選定(routing)における特定タスクには、比活性が必要である。
共有結合の接合はまた、siRNA配列の選択において極めて柔軟性が低い。同一のRNAを標的化するsiRNAの混合物は、時折単一のsiRNAよりも強力である。引き続いて、共有結合の接合は、あらゆるsiRNA配列に対して行う必要がある。同一の生物学的に活性な分子が、別のセットアップ、すなわち別のRNAを標的化するsiRNAの新規なセットに使用しようとする場合、すべてのsiRNAを別々に接合させなければならない。
本発明は、WO 00/15824及びWO 03/091443に記載されたプラスミドベースのテクノロジーを利用し及び修飾することによってこれらの問題を回避し、そして従来のRNA合成後にsiRNA/ショートヘアピンRNA分子に機能を付加する。
本発明は、1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体であって、このFEが、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものである複合体に関する。この複合体は、siRNA分子を含み、ここでこのsiRNA分子は、第一の鎖及び第二の鎖を含み、そしてこのsiRNA分子は、次の仕方で:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このsiRNA分子の2つの鎖のうちの1つに組み込まれるか又は結合されており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであること、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであること、及び
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
で修飾される。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このsiRNA分子の2つの鎖のうちの1つに組み込まれるか又は結合されており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであること、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであること、及び
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
で修飾される。
本発明の別の実施態様において、ショートヘアピンRNAが、siRNAと同様に修飾される。
なお別の実施態様において、本発明は、siRNA/shRNAと同様の様式で修飾されているアンチセンス(AS)分子に関する。
本発明はまた、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ、この複合体の活性を増大し、そして/又はこの複合体の移送を増大するための複合体の生産方法及び生体膜を横切った複合体の移送方法に関する。
本発明は、以下の明細書中で、そして本明細書によってその全体が組み込まれた添付の一連の特許請求の範囲によって定義される。
本明細書及び特許請求の範囲において、以下の用語及び略語が使用される。
用語「機能的実体」(FE)は、それに連結した分子に、1つ又はそれ以上の特異的性質及び/又は生物学的機能を付与し得る任意の部分である生物学的に活性な分子をいう。非限定的な例として、本発明の複合体(又は任意の他の分子)に結合したFEは、作用部位からの複合体の分解及び/又は複合体の除去(クリアランス)を防ぎ得るものであり、これは、この複合体の活性を増大、すなわち遺伝子のダウンレギュレーションを増大し、そして/又は作用部位への複合体の移送を増大し得るものである。FEの作用様式は、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の異なる位置へ)もたらされ得る。
「アンカー」又は「アンカー配列」は、好ましくはハイブリダイゼーションによって、その特定の標的に特異的かつ場合により可逆的に結合し得る任意の天然又は合成された核酸、核酸誘導体又は核酸アナログであり得る。アンカーの非限定的な例は、以下に記載されるPNA及びLNAである。
「アンカー結合領域」又は「結合領域」は、アンカーに対応する特異的な領域であり、そして好ましくはハイブリダイゼーションによって、その特定のアンカー配列に特異的かつ場合により可逆的に結合し得る任意の天然又は合成された核酸、核酸誘導体又は核酸アナログであり得る。
「リンカー」(L)は、例えばFE及びアンカーを連結する任意の化学切断可能な構造であり得る。切断可能なリンカーはまた、このアンカー配列又はFE配列に包含され得る。好ましくはこのリンカーは、FEの化学的/生化学的相互作用に関与しない。このリンカーは、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)又は天然若しくは合成された核酸ポリマーに類似するが、また任意の好適な合成ポリマー又は天然のポリマーであり得る。
「PNA」は、ペプチド核酸の頭字語であり、これは、メチレンカルボニルリンカーを介して核酸塩基が結合したアミノエチルグリシン単位からなる偽ペプチド骨格を有するDNA模倣物である。PNA分子は、相補的なssDNA標的、dsDNA標的、RNA標的、PNA標的並びに他のワトソン・クリック型及び/又はフーグスティーン型塩基対形成したオリゴヌクレオチド標的とハイブリダイズし得る。負電荷のDNAと対照的に、PNAの中性骨格は、高い特異性を減少させることなく強力な結合をもたらす。PNAは本来AS目的で使用されたが、他分野への適用が見出された。本出願において、用語「PNA」が、上記の骨格及び核酸塩基を含む任意のDNAアナログを指し、従ってこの用語が、本明細書中に開示される特定の構造に限定されないことは勿論である。
「LNA」は、固定化核酸(locked nucleic acid)の頭字語であり、これはまたDNA模倣物である。固定化核酸(LNA)塩基は、リボフラノース環の2’酸素位と4’炭素位との間に架橋したメチレン炭素を含む。この制約が、オリゴヌクレオチド骨格を事前に構造化させ(preorganized)、そして1つのLNA塩基置換当たりTm値を10℃増大させ得る。LNAは、ワトソン・クリック型塩基対形成に関しては天然の核酸に類似している。LNA塩基は、標準的なDNA/RNA合成プロトコルによって導入されるので、LNAは、純粋なLNAオリゴマー又は混合性のLNA/DNA/RNAオリゴマーとして合成され得る。さらにLNAは、相補的核酸との結合が極めて効率的であり、そしてインビトロ及び培養哺乳動物細胞において有効なアンチセンス剤であり、そしてまた、おとり、アプタマー、LNAザイム(LNAzyme)及びDNA修正剤として有効であることが実証されている。本出願において、用語「LNA」が、上記の骨格及び核酸塩基を含む全てのDNAアナログを指し、従ってこの用語が、本明細書中に開示される特定の構造に限定されないことは勿論である。
用語「ハイブリダイズする」は、核酸又はその任意の誘導体若しくはアナログの相補的塩基の塩基対形成による全ての結合形成又は二重鎖形成をいう。
用語「ヘアピンループ」は、RNAの二重鎖構造領域を指し、同一鎖上の隣接又は近接した相補的配列間の塩基対形成によって形成され、この配列の間にある不対塩基が、一本鎖ループ(ヘアピンループ)を形成する。ヘアピンループはまた、DNA及び他のワトソン・クリック型塩基対形成したオリゴヌクレオチドで形成され得る。
本発明は、RNAi活性を有する分子を最低限修飾することにより、RNAiに送達及び特異性に関する機能を付加するための複合体及びこのような複合体の作製方法に関する。この修飾分子は、RNAi活性に影響を及ぼさないか、又はRNAi活性を強力に増大させる。種々の機能的実体は、二本鎖RNA分子の2つの鎖のうちのいずれか1つに、配列特異的様式でワトソン・クリック型塩基対形成によって、DNAアナログを通じて固着される。好ましくはこのRNA分子は、siRNA分子又はshRNA分子である。類似のアプローチで、本発明はまた、アンチセンス(AS)活性を有する分子を最低限修飾することにより、アンチセンステクノロジーに送達及び特異性に関する機能を付加する方法を提供する。
さらに本発明は、機能的実体の選択によって改変されたsiRNA/shRNA送達のプラットフォームに関する。機能的実体は、DNAアナログアンカーを通じてsiRNA/shRNA分子に付加される。siRNAに機能的実体を直接化学的に連結させることは、任意の組み合わせで適合性のある、種々のsiRNAと種々の機能的実体とを組み合わせたモジュールセットアップを作製する可能性に制約を加える。本発明の複合体の種々の成分は別々に合成され、そして例えば、レポーター遺伝子のサイレンシングを内因性遺伝子に適用する場合は、siRNAの標準的な合成しか必要としない。非限定的な例として、機能的実体は、siRNAがmRNA特異的でありながら組織特異的であり得る。
本発明の一実施態様は、1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体であって、このFEが、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものである複合体に関する。この複合体は、siRNA分子を含み、ここでこのsiRNA分子は、第一の鎖及び第二の鎖を含み、そしてこのsiRNA分子は、次の仕方で、すなわち:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このsiRNA分子の2つの鎖のうちの1つに組み込まれるか又は結合され、このアンカー結合ドメインが、核酸又はそのアナログであること、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされ、このアンカー配列が、核酸又はそのアナログであること、及び
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結され、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
で修飾される。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このsiRNA分子の2つの鎖のうちの1つに組み込まれるか又は結合され、このアンカー結合ドメインが、核酸又はそのアナログであること、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされ、このアンカー配列が、核酸又はそのアナログであること、及び
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結され、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
で修飾される。
siRNA分子に基づいた複合体に関する本発明の実施態様において、用語「この複合体の活性の増大」は、RNAi活性の増大(すなわち、遺伝子サイレンシング効果)を指す。
siRNA分子は、突出を有するか又は有さない最大長さおよそ35の塩基対を有する二本鎖RNA又はそのアナログであるべきである。好ましくはこのsiRNAは、長さ15〜30の塩基対であり、そしてより好ましくは、長さ17〜25の塩基対である。この二本鎖siRNA分子の3’末端及び/又は5’末端のうちの少なくとも1つが、アンカーの結合ドメインとして選択される。このアンカー結合ドメインの長さは、アンカーの配列及び熱力学によって決定される。このアンカー結合ドメインの典型的な長さは、およそ15ヌクレオチドまで、好ましくはおよそ3〜12ヌクレオチド、そしてより好ましくはおよそ4〜8ヌクレオチドである。
アンカー結合ドメインのヌクレオチドは、オリジナルのsiRNA分子内にあっても、又は選択された鎖の2つの末端のうちのいずれか1つの伸長として存在してもよい。本発明の一実施態様において、このアンカー結合ドメインは、siRNA分子のセンス鎖に組み込まれ、そして別の実施態様においては、このアンチセンス鎖に組み込まれる。
図2は、本発明の複合体の一実施態様、並びにこのような複合体の構成方法、及びsiRNA分子に導入されたアンカー結合ドメインへのアンカーの結合を示す。
通常のsiRNA分子のセンス鎖は、RISCを動員すると示唆されているので、アンカー結合ドメインとしてセンス鎖の3’末端を選択することは有利であり得る。次いでこのRISCは鎖を解離し、そしてこのアンチセンス鎖を妥当な標的RNA又はDNAへ送る。研究により、RISCは、ΔGに関して最も弱いsiRNAの末端を優先的に攻撃し、そしてその5’末端が開いたどの鎖にでも結合することが示されている。アンカーが、センス鎖の3’末端にハイブリダイズするとき、RISCは、アンチセンス鎖の5’末端に結合する。
アンカーのハイブリダイゼーション効率をさらに増大させるために、アンカー結合ドメインのヌクレオチドは、第二の鎖に対して1つ又はそれ以上のミスマッチを有し得る。ミスマッチを導入することによって、アンカーと、アンカー結合ドメインを有さないRNA分子鎖との間の競合が減少され得る。好ましくは、このアンカー結合ドメインのヌクレオチドは、他の鎖に対して1〜7のミスマッチを有し得、そして好ましくは、2〜5のミスマッチを有し得る。
本発明の一実施態様において、アンカー結合ドメインとのアンカーのハイブリダイゼーションは可逆的である。アンカー結合ドメインとアンカーとの間のワトソン・クリック型塩基対形成は、塩基間の水素結合に基づく。所望であれば、アンカーの長さを減少させることによって、細胞内プロセシングの間にアンカーを脱離させることが可能である。他の分子と結合が競合しないときには、この結合親和性は、生理学的条件でsiRNA−アンカー−FEの安定なハイブリッドを形成するに十分高い。しかし、siRNAと親和性を有するタンパク質及び他の分子は、これらの弱い結合と競合し、アンカー−FE複合体の解放を導く。生物学的に活性な分子がRNA分子に直接共有結合で連結すると、この不安定性はなくなり、そして遺伝子サイレンシングに必要な相互作用をおそらく妨げる。
非限定的な例において、このアンカー結合ドメインは7塩基であり、このセンス鎖の3’末端は、選択された1つの塩基とともに伸長されている。従ってこのアンカー結合ドメインは、二重鎖内の4塩基及び3塩基の突出から構成される。アンカー結合ドメインとアンカーとの間のハイブリダイゼーション効率をさらに増大させるために、ミスマッチが優先的に導入されて、アンチセンス鎖とアンカーとの間の競合を減少又は排除する。
アンカーは、アンカー結合ドメインとハイブリダイズし得る任意の核酸又はそのアナログであり得る。一実施態様において、アンカーは、リボフラノース環内の2’と4’との間に架橋を有して、C3’−エンド/N型糖コンホメーションを安定化する。このようなアンカーは、ワトソン・クリックモデル又はフーグスティーンモデルに従ってRNAと塩基対を形成するときに、高められた熱安定性を有する。短いアンカーが好ましいので(最大15塩基)、Tmは、選択されたアンカーの重要な性質である。好適なアンカーの例としては、固定化核酸(LNA)、2’−O,4’−C−エチレン架橋した核酸(ENA)、架橋化核酸(BNA)又はそれらのアナログが挙げられるがこれらに限定されない。完全に異なった骨格を有する他の候補は、デオキシリボ核グアニジン(deoxyribonucleic guanidine)(DNG)、モルホリノオリゴ及びペプチド核酸(PNA)であり、これはまた配列特異的な塩基対形成を示す。インターカレーターがまた、好ましくはDNAアナログと組み合わせて使用されて、結合親和性を増大し得る。インターカレーターの例は、インターカレート核酸(INA)及びアクリジンである。
本発明の特定の一実施態様において、LNAがアンカー配列として使用される。生理学的条件において、7塩基のみが、一本鎖RNA(ssRNA)との安定なハイブリッド形成に必要とされる。このセンス鎖は、センス鎖の3’末端に位置する結合領域内のアンチセンス鎖に対してミスマッチである。この結合ドメインは、3塩基の突出及び二本鎖中に4塩基を含む。
本発明の一実施態様において、siRNA分子は、およそ1〜12のヌクレオチド、好ましくはおよそ2〜5のヌクレオチドの3’突出及び/又は5’突出を有する。
本発明のなお別の実施態様において、siRNA分子は化学修飾される。センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の化学修飾の例としては、1つ又はそれ以上の2’−O−メチル修飾化ピリミジンヌクレオチド、1つ又はそれ以上の2’−デオキシ−2’−フルオロ修飾化ピリミジンヌクレオチド及び5’末端又は3’末端の少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオチド間連結が挙げられるがこれらに限定されない。任意の突出を含むsiRNA分子のさらなる化学修飾は、当業者にとって常用の手順であり、そして明白である。
少なくとも1つの機能的実体(FE)が、アンカーに連結される。バイオプレックス特許(WO 00/15824、これは、全ての図面を含めその全体が、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載される通り、FEは、任意のアミノ酸ペプチド、炭水化物、脂質、核酸又は生物学的活性を有する他の分子、及びそれらの組み合わせであり得、任意の数の機能、例えば限定されないが構造的機能(例えば細胞膜の標的分子への結合)又は酵素的機能を与える。より具体的で非限定的な例は、細胞付着機能(例えば、ポリカチオン性FEとの静電引力)、細胞インターナリゼーション(例えば、トランスフェリン、トリペプチドRGD、TAT、トランスポータン(transportan)及び他の細胞膜透過性(penetrating)ペプチド(CPG))、エンドソームエスケープ(融合タンパク質、例えばHA2)並びに翻訳後の遺伝子サイレンシングの場合には核輸送(例えば、核局在化シグナル)である。より具体的には、肝臓取り込みについては、3つのアンテナ状のN−アセチル化ガラクトースアミンが、アシアロ糖タンパク質受容体を通じた肝細胞への取り込みに使用され得る。
本発明の別の実施態様において、shRNA分子は、本発明の複合体に使用され得る(図3を参照のこと)。shRNAは、タイトなヘアピンループを作るRNAの短い配列であり、そして遺伝子発現をサイレントにするために使用され得る。shRNAは、通常80ヌクレオチドより短く、好ましくは50を超えない長さのヌクレオチドであり、そしてより好ましくは35を超えない長さのヌクレオチドであり、ヘアピンループは、およそ2〜12のこれらのヌクレオチドから構成される。
ダイサーは、二本鎖RNAに類似の様式でshRNAを認識し、そしてこれを予測可能な位置で切断し、代表的には3’末端に2塩基の突出を有する19〜22の塩基対の短い二本鎖RNAを生成する。次いでRISCは二重鎖を分離し、そして鎖の一方と結合する。この機構は、ヘアピンループの存在を除いて図1に示される。ダイサーの活性がsiRNAへのRISCの動員を増強し、それによって遺伝子サイレンシングの効率を増大することが示唆されている。
shRNA配列を修飾することにより、特異性及び機能性が、siRNA分子と同様の様式でshRNAに付加され得る。siRNAに適用されるのと同じ技術が、ヘアピンループの修飾に使用されて、アンカー結合ドメインとして作用し得る。ダイサーは、予測可能な位置でshRNAを切断するので、このヘアピン(デザイン如何によりおそらく付加的な塩基に沿って)は切り離され、そしてこれは遺伝子サイレンシングプロセスの一部ではない。従って、遺伝子サイレンシングプロセスの部分であるべき配列は、完全にマッチしたまま残され得るか、又は変異したまま、ミスマッチしたまま若しくは他の方法でデザインされたまま残され得る。
従って、本発明の一実施態様は、1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体であって、このFEが、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を通して)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得、この複合体の活性を増大し得、そして/又はこの複合体の移送を増大し得る複合体に関する。この複合体は、ショートヘアピンRNA(shRNA)分子を含み、ここでこのshRNA分子は、二本鎖領域及びヘアピンループを有し、そしてこのshRNA分子は、次の仕方、すなわち:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このshRNA分子に組み込まれており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであること、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであること、及び
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
で修飾される。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このshRNA分子に組み込まれており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであること、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであること、及び
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
で修飾される。
shRNA分子に基づいた複合体に関する本発明の実施態様において、用語「この複合体の活性の増大」は、RNAi活性の増大を指す。
アンカー結合ドメインの長さは、アンカーの配列及び熱力学によって決定される。このアンカー結合ドメインの典型的な長さは、およそ15ヌクレオチドまで、好ましくはおよそ3〜12ヌクレオチド、そしてより好ましくはおよそ4〜8ヌクレオチドである。
shRNAのヘアピンループは、いかなる修飾も受けずにアンカー結合ドメインとして使用され得るか、又はヘアピンは、利用できるアンカー配列に対して任意の好適な配列に変更され得る。ループの一部のみ又はループ全体がアンカー結合ドメインとして使用され得るが、このアンカー結合ドメインはまた、部分的に二本鎖領域中及び部分的にヘアピンループ中に存在し得るか、又は二本鎖領域に完全に組み込まれ得る。さらにこのアンカー結合ドメインは、shRNAの3’末端及び/若しくは5’末端に位置し得るか、又はshRNAの二本鎖領域のどこにでも位置し得る。従って、このアンカー結合ドメインは、shRNA分子の一部であり得るが、またshRNA分子のいずれかの末端の伸長であり得る。好ましくは、shRNAの二本鎖領域内にアンカー結合ドメインを有するとき、ミスマッチが、siRNAに記載されたとおりに導入されるべきである。
本発明の一実施態様において、shRNA分子は、およそ1〜12のヌクレオチド、好ましくはおよそ2〜5のヌクレオチドの3’突出及び/又は5’突出を有する。このshRNA複合体はまた、siRNA分子に記載されたとおりに化学修飾され得る。
siRNAに基づいた本発明の複合体について記載されたアンカー、アンカー結合ドメイン及びFEのさらなる特徴はまた、shRNAに基づいた本発明の複合体に適用される。
図3は、本発明のshRNAの修飾についての非限定的な例の概略図を示す。このshRNAは、ダイサーによってsiRNAに切断される。従って、ヘアピンループ及び隣接する塩基が、矢じり形で示されるように除去される。従って、切り離される領域は、結合ドメインとして作用するように修飾され得る。
RNAiに加えて、本発明はまた、アンチセンステクノロジーに適用され得る。混同する危険性を減らすために、技術としてのアンチセンスを「AS」と表し、siRNA/shRNAの成分としてのアンチセンス鎖は、今まで通り「アンチセンス」と表す。
ASは、サイレンシングしようとすうる遺伝子のRNAに結合するようにデザインされた一本鎖のDNAオリゴヌクレオチド(又はそのアナログ)である。作用因は、この場合RNAを消化することではなく、単にハイブリッド形成し、そしてRNAのさらなるプロセシングを妨げることである。特定の状況において、ASは、DNAの代わりに一本鎖RNAから構成され、結果としてRNアーゼによるdsRNAの認識によってRISC非依存的に標的RNAを分解する。ASはまた、siRNAと同様の方法でDNAメチル化及びヒストンメチル化を行い得、従って、標的はまたおそらくDNAである。
従って別の実施態様において、本発明は、1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体であって、このFEは、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものである複合体に関する。この複合体は、アンチセンス(AS)分子を含み、ここでこのAS分子は、次の仕方で、すなわち:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このAS分子に組み込まれているか又は結合されており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとし、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとし、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
で修飾される。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このAS分子に組み込まれているか又は結合されており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとし、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとし、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
で修飾される。
AS分子に基づいた複合体に関する本発明の実施態様において、用語「この複合体の活性の増大」は、遺伝子サイレンシング効果の増大を指す。
AS分子の長さは、通常およそ15〜35ヌクレオチドであり、そして好ましくはおよそ17〜25ヌクレオチドである。アンカー配列は、ASに結合するよう選択されるか、又はAS配列の伸長に結合するよう選択されるかのいずれかであり得、すなわちアンカー結合ドメインは、任意の位置でAS分子の一部であり得るか、又はAS分子のいずれかの末端での伸長であり得る。
AS分子のアンカー結合ドメインの長さは、アンカーの配列及び熱力学によって決定される。このアンカー結合ドメインの典型的な長さは、およそ15ヌクレオチドまでであり、好ましくはおよそ3〜12ヌクレオチド、そしてより好ましくはおよそ4〜8ヌクレオチドである。短いアンカー結合ドメイン及びアンカー配列を有することにより、ASがその標的(例えばRNA)とハイブリダイズするとFEを特異的に解放する。このDNA−RNAハイブリッドは、このDNA−RNAハイブリッド中でハイブリダイズしている塩基対の数がより多いために、アンカー−ASを超える融解温度を有する。この短いアンカーは弱すぎるので、例えば染色体DNAに干渉できない。アンカー配列又は標的領域に対するミスマッチは、アンカー結合ドメイン中に導入されない。しかし、アンカー結合ドメインがASの伸長であるとき、このアンカー結合ドメインは、RNAに対してミスマッチされ得る。ミスマッチは、標的RNAとのハイブリダイゼーションの際にアンカーの制御解放をおそらく生じさせない。
AS分子とハイブリダイズするアンカー配列及びこのアンカー配列に結合したFEの特徴は、siRNA及びshRNAを含む実施態様についての特徴と同じである。
siRNA分子及びshRNA分子と同様に、AS分子は化学修飾され得る。AS分子の化学修飾は、当業者にとって常用の手順であり、そして明白である。
図4は、AS バイオプレックスの概略的で限定されない説明図であり、AS分子が標的と結合する際にFEを解放する。
本発明のなお別の実施態様において、アンカー及び/又はFEは、切断可能なリンカーの導入を通じて本発明の複合体(siRNA、shRNA又はASに基づいた複合体)から解放され得る。従って、RISCがFE又はアンカーによって阻害されるときには、この問題は、複合体に挿入されたリンカーを切断することによって解決し得る。切断可能なリンカーの種々の変異体が存在する(全ての図面を含みその全体が、参照によって本明細書に組み込まれるWO 03/091443の開示をまた参照のこと)。
この切断可能なリンカー分子は、FEとアンカー配列との間に導入され得るか、又は場合によりアンカー配列内に導入され得る。
使用され得るリンカーの1つの限定されない例は、ジスルフィド架橋である。siRNA/shRNA分子は、RISCアッセンブリーの前に結局細胞質におそらく行くことになるので、細胞質環境を還元することにより、スルフィドを還元し、架橋を破壊する。
図5は、切断可能なリンカーの還元を通じたアンカー及び/又はFEの解放の概略的で限定されない例である。左パネルは、アンカー配列内に導入されたジスルフィド架橋を示す。例えば細胞質の還元を通じて還元されると、このアンカーは、2つの短いアンカー配列に分割され、ΔGが低すぎるので、ハイブリダイズしたままでいることができない。右パネルは、アンカーとFEとの間のリンカー内部に導入されたジスルフィド架橋を示す。
siRNAの2本の鎖間及びshRNAの自己相補的領域内の熱安定性の増大が、RISC誘導に、及び/又は標的RNAとの親和性を増大させるため使用され得る。またASの効力は、標的RNAとの結合親和性の増大によって増大され得る。標的RNAとの親和性の増大、並びにsiRNA及びshRNAの内部安定性の増大は、RNA若しくはDNAをDNAアナログ(PNA、ENA、BNA、LNAなど)でヌクレオチド置換することを通じて、又はインターカレーター(INA、アクリジンなど)によって獲得され得る。
このアンカー結合ドメインはまた、アンカーの結合安定性の増大のため及び/又はアンカー配列を可能な限り短く維持するために、より強力なハイブリダイズ性質を有するアナログで置換されたDNAヌクレオチドを有し得る。生理学的条件において、4塩基対と同じ短さのLNA−LNA二重鎖が報告されている。
バイオプレックスは、塩基数が制限されないプラスミドに対して第一に開発された(参照によって本明細書に組み込まれたWO 00/15824及びWO03/091443を参照のこと)。このsiRNAの最大長さは、好ましくは各々の末端にいくつかの塩基の突出を有する35塩基対の二重鎖である。他に、siRNAのTmが遺伝子サイレンシングに極めて重要であることが示されている。
従って、アンカー結合ドメイン、RISC(及び/又は他のタンパク質)にアクセス可能であるはずの安定なsiRNA二重鎖サイレンシングドメインの、組み込みに使用され得る塩基はわずかしか存在しない。細胞内部又は生物内部にsiRNAの種々の機能を与えるために、同一のsiRNAに結合したいくつかの異なるFEを有することはおそらく興味深いものである。同様に、細胞内部又は生物内部にshRNA/ASの種々の機能を与えるために、同一のshRNA又はAS分子に結合したいくつかの異なるFEを有することはおそらく興味深いものである。
多数のFEを1つのアンカー配列に付加する多数の方法が存在する。第一に、FEはアンカーから分枝し得る(図16A)。これは、十分に特徴付けられ、そして明確に画成された複合体を与える。しかしこのプラットフォームは柔軟性が小さい。別のアプローチは、アンカー配列を伸長することである。これは、次のアンカー及びそのFEにアンカー結合ドメインを提供し(図16B)、複数のFEを容易に組み合わせ得るモジュールシステムを与え、プラットフォームをより柔軟性にする。
図16Cは、すべてFEに特異的なアンカー配列を有する多数のFEの組み合わせを与えるこのモジュールシステムのさらなる改良を例示する。このアンカーは、FEを有するのではなく、むしろアンカー領域及び多数のアンカー結合ドメインを有する直鎖又は分枝した長いオリゴヌクレオチドである。このオリゴヌクレオチドは、修飾若しくは非修飾塩基(DNAアナログ)又は両方の混合物を含み得る。
siRNA、shRNA及びAS分子は、図16に示された例示的な分子と同様に修飾され得る。
本発明はまた、1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体を作製する方法であって、このFEが、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものである上記の方法に関する。この複合体は、短い干渉RNA(siRNA)分子を含み、そしてこのsiRNA分子は、第一の鎖及び第二の鎖を含む。この方法は、次の工程:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このsiRNA分子に導入し、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このsiRNA分子に導入し、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む。
このアンカー結合ドメインは、siRNA分子の2つの鎖のうちのいずれか1つに導入され得る。
さらに本発明はまた、1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体を作製する方法であって、このFEは、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものとし、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものであるとする上記の方法に関する。この複合体は、ショートヘアピンRNA(shRNA)分子を含み、そしてこのshRNA分子は、二本鎖領域及びヘアピンループを有する。この方法は、次の工程:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このshRNA分子に導入し、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このshRNA分子に導入し、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む。
上記のそれぞれsiRNA分子及びshRNA分子に基づいた複合体の特徴はまた、このような複合体の作製方法におけるこの複合体に適用される。
別の実施態様において、本発明は、1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体を作製する方法であって、このFEが、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものとし、この複合体の活性を増大し得るものとし、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものであるとする上記の方法に関する。この複合体は、AS分子を含む。この方法は、次の工程;
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このAS分子に組み込むか又は結合させ、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このAS分子に組み込むか又は結合させ、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む。
上記のAS分子に基づいた複合体の特徴はまた、このような複合体の作製方法におけるこの複合体に適用される。
本発明はまた、1つ又はそれ以上のFEを、細胞膜を横切り、及び細胞内部の種々の位置に移送させる方法に関し、ここで上記のAS分子に基づいた複合体は、トランスフェクションに使用される。特にこの方法は、次の工程;
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このAS分子に組み込むか又は結合させ、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、そして
−この複合体を細胞又は生体膜に接触させること、
を含む。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このAS分子に組み込むか又は結合させ、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、そして
−この複合体を細胞又は生体膜に接触させること、
を含む。
上記のAS分子に基づいた複合体の特徴はまた、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ、この複合体の活性を増大し、そして/又はこの複合体の移送を増大するためのこのような複合体の作製方法及び細胞膜を通してこの複合体を移送する方法におけるこの複合体に適用される。
本発明はまた、1つ又はそれ以上のFEを、細胞膜を横切り、及び細胞内部の種々の位置に移送させる方法に関し、ここで上記のRNA分子に基づいた複合体は、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ、この複合体の活性を増大し、そして/又はこの複合体の移送を増大するためにトランスフェクションに使用される。この方法は、次の工程:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、RNA分子に導入し、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
−この複合体を細胞又は生体膜に接触させること、
を含み、そしてここでこのRNA分子は、siRNA分子又はshRNA分子である。
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、RNA分子に導入し、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
−この複合体を細胞又は生体膜に接触させること、
を含み、そしてここでこのRNA分子は、siRNA分子又はshRNA分子である。
上記のそれぞれsiRNA分子及びshRNA分子に基づいた複合体の特徴はまた、この複合体を、細胞膜を横切り、及び細胞内部の異なる位置に移送させる方法におけるこの複合体に適用される。
本発明はまた、上記のような複合体でインビトロ又はインビボでトランスフェクトされた細胞に関する。この細胞は、真核生物細胞又は原核生物細胞であり得る。真核生物細胞は、ヒト細胞又は非ヒト細胞であり得る。
本発明の複合体は、多くの方法、例えば限定されないが、マイクロインジェクション、本発明の複合体を含む溶液への細胞又は生物の浸漬、本発明の複合体の存在下での細胞膜のエレクトロポレーション、本発明の複合体のリポソーム媒介送達、トランスフェクション及び形質転換で細胞に導入され得る。本発明の複合体はまた、この複合体の取り込みを高める他の成分と一緒になって導入され得る。
さらに本発明はまた、上記の複合体を生産する構成要素を含むキットに関する。より具体的には、本発明は、1つ又はそれ以上のsiRNA分子、shRNA分子又はAS分子を、細胞膜を横切り(細胞内で、細胞外で及び/又は経細胞で)、及び細胞内部の種々の位置へ移送し得る複合体を生産する構成要素を包含するキットであって、このキットが、少なくとも1つのsiRNA分子、shRNA分子及び/又はAS分子、少なくとも1つのアンカー結合ドメイン、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズし得る少なくとも1つのアンカー配列、並びにこのアンカー結合ドメインに連結した少なくとも1つの機能的実体(FE)を含み、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるキットに関する。
要約すると、本発明は、RISC複合体の結合に最低限影響を及ぼすか又は影響を及ぼすことなく、RNAiに送達及び特異性に関する機能を付加するための複合体及びこのような複合体の作製方法を提供する。このRNA分子(siRNA又はshRNA)は、化学修飾なしで修飾され得、従って通常のsiRNA/shRNA分子として合成され得る。驚くべきことに、アンカー配列の結合にRNA分子の長い伸長は必要ではなく、それどころかいくつかのミスマッチの導入で十分である。非修飾siRNAは、細胞レベルでむしろ非特異的であり、従って生物学的に活性な分子の結合を通じて、本発明は、RNAiに細胞特異性を与え、そしてまたおそらく他のタンパク質をダウンレギュレートする。細胞特異性の導入はまた、RNAiに安全性の局面を導入する。
DNAオリゴヌクレオチドを、DNA Technology A/S、Aarhus、Denmarkから購入した。PNAを、Eurogentec S.A、Seraing、Belgiumから購入した。siRNAを、CureVac、Germanyから購入した。GalNAcの合成及びLNAオリゴマーへのその接合は、Westerlindら、Glycoconj J.2004;21(5):227−41に詳細に記載される。
DNAオリゴヌクレオチドを使用する理由
多くの試験管研究に関して、RNAの代わりにDNAオリゴヌクレオチドを用いて研究することが好都合である。DNAはより安価で、より安定であり、そして数日以内に合成及び出荷される。
多くの試験管研究に関して、RNAの代わりにDNAオリゴヌクレオチドを用いて研究することが好都合である。DNAはより安価で、より安定であり、そして数日以内に合成及び出荷される。
RNAの代わりにDNAを使用するとき、LNAハイブリッド形成は好まれない。LNAは、RNAに対してDNAよりも高い結合親和性を有し、差は、2〜5℃程度である。一方PNAは、RNAと比較して結合親和性に数度獲得する。すなわち、DNAとのハイブリダイゼーションは、RNAとのハイブリダイゼーションよりもなおより安定である。実施例1において、LNAは、バイオプレックスsiRNAプラットフォームのさらなる開発のためのアンカーとして選択される。
取り込みに関して、RNA及びDNAの両方が負電荷骨格を有し、そして細胞膜によってはじかれる。従って本発明者らは、DNA及びRNAが、類似の様式で与えられたFEの受容体媒介性エンドサイトーシスに影響を及ぼしていることを示唆する。
用語「siDNA」は、siRNAと同じデザインを有する二本鎖DNAオリゴヌクレオチドをいい、これは、差異が、RNAヌクレオチドの代わりにDNAヌクレオチドである模倣体にデザインされる(すなわち、ウラシルの代わりにチミジン)。
複合体のアッセンブリ
合成siRNAを、供給を受けたアニーリング緩衝液(CureVac、Tuebingen、Germany)と一緒に製造業者のプロトコルに従ってアニーリングした。
合成siRNAを、供給を受けたアニーリング緩衝液(CureVac、Tuebingen、Germany)と一緒に製造業者のプロトコルに従ってアニーリングした。
FEを含むか又は含まないLNA又はPNAのアンカーを、アンカー結合ドメインの数に対して過剰に添加した。アンカー結合ドメインの数と比較して1.2倍過剰のアンカーを使用して、確実にすべてのアンカー結合ドメインを占有するようにした。使用されたsiRNA及びDNAオリゴヌクレオチドは、ただ1つのアンカー結合ドメインを有し、すなわちsiRNA 1molが、アンカー1.2molとハイブリダイズした。siRNA又はDNAオリゴヌクレオチドを、生理学的条件下(Rignes緩衝液、147mM NaCl、4mM KCl2及び1.13mM CaCl2、pH7.2)において、37℃で30分間インキュベートした。LNA/PNAの終濃度は、代表的には1〜10μMの間であった。
PAGE遅延シフトアッセイ
ハイブリッド形成を、90Vで3時間の約20%の非変性PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動、TBE緩衝液[89mM Tris、89mMホウ酸、2mM EDTA、pH8.3])で確認した。蛍光標識したオリゴヌクレオチドを、いかなる染色も行わずに検出し、非標識ヌクレオチドを、製造業者に与えられたプロトコルに従って、Sybr Green(Invitrogen)で染色した。ゲルを、BioRad Molecular Imager FX pro plus(BioRad、Hercules、USA)によって、異なる色素間を区別するためのレーザー及びフィルター設定でスキャンした。
ハイブリッド形成を、90Vで3時間の約20%の非変性PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動、TBE緩衝液[89mM Tris、89mMホウ酸、2mM EDTA、pH8.3])で確認した。蛍光標識したオリゴヌクレオチドを、いかなる染色も行わずに検出し、非標識ヌクレオチドを、製造業者に与えられたプロトコルに従って、Sybr Green(Invitrogen)で染色した。ゲルを、BioRad Molecular Imager FX pro plus(BioRad、Hercules、USA)によって、異なる色素間を区別するためのレーザー及びフィルター設定でスキャンした。
ルシフェラーゼアッセイ
プロトコルを含むルシフェラーゼアッセイキットを、BioThema(Haninge、Sweden)から購入した。細胞をPBS(リン酸緩衝食塩水、Invitrogen)ですすぎ、そしてReporter溶解緩衝液(Promega Corpration、WI、USA)で溶解した。Reporter Lysis 20μLを水80μLで希釈し、そして細胞に添加し、次いで1回凍結解凍した。溶解サンプル10μLを、マイクロプレートウェルに添加した。このプレートを発光読取り機にロードする前に、再構成されたルシフェリン基質100μLを各ウェルに添加した。再構成されたATP基質同量を、装置により自動で添加した。発光を、FLUOstar Optima(BMG Labtech、Offenburg、Germany)で測定した。
プロトコルを含むルシフェラーゼアッセイキットを、BioThema(Haninge、Sweden)から購入した。細胞をPBS(リン酸緩衝食塩水、Invitrogen)ですすぎ、そしてReporter溶解緩衝液(Promega Corpration、WI、USA)で溶解した。Reporter Lysis 20μLを水80μLで希釈し、そして細胞に添加し、次いで1回凍結解凍した。溶解サンプル10μLを、マイクロプレートウェルに添加した。このプレートを発光読取り機にロードする前に、再構成されたルシフェリン基質100μLを各ウェルに添加した。再構成されたATP基質同量を、装置により自動で添加した。発光を、FLUOstar Optima(BMG Labtech、Offenburg、Germany)で測定した。
実施例1. アンカーとしてのDNA及びPNAアナログの適合性の比較
DNAオリゴヌクレオチドとのbis−PNA(配列:P1、P2及びP3)ハイブリダイゼーション効率を、LNA(配列:L1、L2及びL3)と比較した。ハイブリダイゼーションを、0〜150mMにわたるNaClの異なる塩濃度中で行った。37℃で1時間のLNA及び/又はbisPNAとsiRNA LucExt(S2)とのインキュベーション後、サンプルをPAGE(上記)に供した。LNAとのハイブリッドは、LNAを含まないsiRNAよりも遅く移動し、そしてbisPNA−siRNAハイブリッドは、なおより遅く移動した。従ってPAGE遅延シフトアッセイは、siRNAとハイブリッドを形成するアナログがどれであるかを示した。
DNAオリゴヌクレオチドとのbis−PNA(配列:P1、P2及びP3)ハイブリダイゼーション効率を、LNA(配列:L1、L2及びL3)と比較した。ハイブリダイゼーションを、0〜150mMにわたるNaClの異なる塩濃度中で行った。37℃で1時間のLNA及び/又はbisPNAとsiRNA LucExt(S2)とのインキュベーション後、サンプルをPAGE(上記)に供した。LNAとのハイブリッドは、LNAを含まないsiRNAよりも遅く移動し、そしてbisPNA−siRNAハイブリッドは、なおより遅く移動した。従ってPAGE遅延シフトアッセイは、siRNAとハイブリッドを形成するアナログがどれであるかを示した。
LNA及びbis−PNAが、伸長したsiRNA(S2)のアンカー結合ドメインとのハイブリダイゼーションで競合するとき、6マーのLNA(L2)オリゴヌクレオチドは、生理学的な塩濃度で7マーのbis−PNA(P3)よりも高い結合親和性を示した。
使用した特異的なsiRNA配列(LucExt(S2))及びその対応するアンカー配列に関して、5塩基(L1)のアンカー長がハイブリダイゼーションの限界であることが見出され(すなわち、5塩基は十分ではなかった)、一方6塩基(L2)は、生理学的な塩濃度でsiRNAの一本鎖部分とLNAとの間のハイブリッド形成に十分であった。6マーのアンカー配列の場合、競合している塩基(センス及びLNAの代わりに、ワトソン・クリック型塩基対形成するセンス及びアンチセンス)がおそらく存在し、そしてより遅い段階で、機能的部分がLNAに接合するようである。これを考慮に入れて、7マーのLNA配列を、さらなる実験においてアンカーとして選択した。
図6は、RNAとのハイブリッド形成に関する競合アッセイのPAGE像を示す。DNAをまた同様の結果を有する標的として使用した。本発明者らは、アンカーとしてLNAを用いてバイオプレックスsiRNAを開発継続することを選択した。これにより、配列の選択が完全に自由になり、そして極めて短いアンカー結合ドメインが必要とされる。bis−PNAは、ワトソン・クリック型塩基対形成及びフーグスティーン型塩基対形成の両方を通じてハイブリダイズするので、bis−PNAは、ホモピリミジンのみに制限される。さらに、この二重タイプの塩基対形成は、より長い合成を必要とし、従ってより高価である。
2つの異なるアンカー、LNA及びbis−PNAを利用する種々のデザイン戦略がこれ迄に試みられ、極めて短いアンカー結合ドメインが必要とされ、そして配列の選択が完全に自由であったため、LNAは本発明者らの実験条件下でより良い候補であると思われた。
実施例2. ASからの機能的単位の制御解放
7塩基のLNAアンカーを選択した。LNAは、bisPNAのように構成に制限されないので、配列を自由に選択し得る。siRNAのデザインの推奨を満たすために、結合部位をsiRNAの二本鎖部分「中に」移動させることを試みた。しかし、LNAがアンチセンス鎖による競合を受けるか否かはわからなかった。一連のsiDNAを合成し、ここでアンチセンス鎖を、このセンス鎖に対して1つ又は複数の位置でミスマッチさせた。従ってLNAは、いくつかの塩基に対して競合するはずである。
7塩基のLNAアンカーを選択した。LNAは、bisPNAのように構成に制限されないので、配列を自由に選択し得る。siRNAのデザインの推奨を満たすために、結合部位をsiRNAの二本鎖部分「中に」移動させることを試みた。しかし、LNAがアンチセンス鎖による競合を受けるか否かはわからなかった。一連のsiDNAを合成し、ここでアンチセンス鎖を、このセンス鎖に対して1つ又は複数の位置でミスマッチさせた。従ってLNAは、いくつかの塩基に対して競合するはずである。
センス鎖及びアンチセンス鎖が完全にマッチするならば、本発明者らの7マーのLNA(ACCGTCCA、L4)は結合しない。本発明者らは、どれほどのミスマッチが安定な複合体に必要とされるかを明らかにし、そして4つのうち2つが、位置している場所如何により受け入れられ得ることを見出した。一方、このLNAがアンカー結合ドメインとハイブリダイズするならば、siRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖との間の塩基対形成は、このアンカー結合ドメインでは不可能となる。
競合する塩基の許容性が低いことは、FEと一緒になったアンカー配列をASから制御解放する可能性を与える。一本鎖のDNAアンチセンス分子が標的mRNAを見出すと、アンカーは、7塩基のみの弱いハイブリダイゼーションに起因して離れることが期待される。
アンチセンス(D1)及びアンカー(L4)を、上記のようにハイブリダイズさせた。標的(D2、D3又はD4)を、等モル比で添加し、そしてRignes塩溶液中37℃でさらに1時間インキュベートした。PAGE遅延アッセイ(上記)により、アンチセンスのアンカー結合ドメイン中の1を超える塩基が標的に相補的ならば、アンカーは、標的のためにアンチセンスから解放されることが示された(図7を参照のこと)。
実施例3. 修飾siRNAの遺伝子サイレンシング効率
100000個のHepG2細胞を、24ウェルプレートの各ウェルに播種した。一晩のインキュベーション後、細胞を、製造業者(Invitrogen)に与えられたプラスミドトランスフェクションのプロトコルに従って、Lipofectamineを用いてレポータープラスミド0.3μgでトランスフェクトし、そして37℃で一晩インキュベートした。次いでこの細胞を、製造業者に与えられたsiRNAトランスフェクションのプロトコルに従って、Lipofectamineを用いてsiRNA 20pmolでトランスフェクトし、そしてダウンレギュレーションを72時間後に測定した。
100000個のHepG2細胞を、24ウェルプレートの各ウェルに播種した。一晩のインキュベーション後、細胞を、製造業者(Invitrogen)に与えられたプラスミドトランスフェクションのプロトコルに従って、Lipofectamineを用いてレポータープラスミド0.3μgでトランスフェクトし、そして37℃で一晩インキュベートした。次いでこの細胞を、製造業者に与えられたsiRNAトランスフェクションのプロトコルに従って、Lipofectamineを用いてsiRNA 20pmolでトランスフェクトし、そしてダウンレギュレーションを72時間後に測定した。
ダウンレギュレーション(siRNA効率の尺度として)を、HepG2細胞由来の溶菌液のルシフェラーゼアッセイ(上記)によって測定し、これを、GFP/ルシフェラーゼ融合タンパク質の遺伝子を含むプラスミドで第一にトランスフェクトした。図8において、siRNAの伸長形態が、オリジナルのsiRNAと比較して効力が低いことが見出され得た。LNA及びbis−PNAの両方はさらに、少しではあるがそれでも遺伝子サイレンシングを減少させた。一方siRNA LucG2(S3)は、オリジナルの非ミスマッチsiRNA(S1)の改良版であった。繰り返すと、LNAアンカーは、いくらかその活性を減少させた。LNAによって引き起こされた効率の減少は、アンチセンス鎖の5’末端を開くことにより補償され得た。
実施例4. LNAを通じたsiRNAへのFEの付加
機能的実体として炭水化物を用いた肝細胞によるDNAの受容体媒介取り込みは、興味深いアプローチである。三量体のN−アセチルガラクトサミン(GalNAc)は、アシアロ糖タンパク質受容体への極めて高い結合親和性を有し、これは、肝細胞上で高度に発現される。三量体の糖をLNAアンカーに接合させて(L5)、遺伝物質の特異的取り込みを増強させた。
機能的実体として炭水化物を用いた肝細胞によるDNAの受容体媒介取り込みは、興味深いアプローチである。三量体のN−アセチルガラクトサミン(GalNAc)は、アシアロ糖タンパク質受容体への極めて高い結合親和性を有し、これは、肝細胞上で高度に発現される。三量体の糖をLNAアンカーに接合させて(L5)、遺伝物質の特異的取り込みを増強させた。
三量体の炭水化物単位の合成は、Westlindら、Glycoconj J.2004;21(5):227−41に詳細に記載される。本発明者らは、上記の実験で最も有望であることが見出された構築物を用いて継続することを選択した(図9を参照のこと)。
一般的デザインにおいて2ヌクレオチドの伸長がすでに存在するので、アンカー結合ドメインとしてセンス鎖の3’末端を選択することが有利であり得る。通常のsiRNAのセンス鎖の唯一の目的は、鎖を解離させるためにRISCを動員し、そしてアンチセンス鎖を妥当な標的mRNAに送ることであると考えられる。研究はまた、RISCが、ΔGに関してsiRNAの最も弱い末端を優先的に攻撃し、そしてその5’末端が開いたどのような鎖にも結合することを示している。アンカーが、図9のようにハイブリダイズするとき、RISCは、アンチセンス鎖の5’末端に結合する。
siRNALucG2(S3)を、FEとして三量体炭水化物、すなわち上記の(L5)を保持するアンカーにハイブリダイズした。レーン5〜8は、L5の滴定である。すでにL5及びS3の等モル比で、90%を超えるsiRNAがハイブリダイズした。従って、FEは複合体形成を著しく妨げることはない。
実施例5. FEを有するLNAにハイブリダイズした修飾siRNAの遺伝子サイレンシング効率
HepG2細胞を、実施例3の通りにsiRNA LucG2(S3)にハイブリダイズしたLNA3S(L5)(実施例4に記載)でトランスフェクトし、そして処理した。バイオプレックスsiRNAの遺伝子サイレンシング効果を、非修飾siRNAと比較した。
HepG2細胞を、実施例3の通りにsiRNA LucG2(S3)にハイブリダイズしたLNA3S(L5)(実施例4に記載)でトランスフェクトし、そして処理した。バイオプレックスsiRNAの遺伝子サイレンシング効果を、非修飾siRNAと比較した。
図11に見て分るように、siRNAの修飾及び機能的実体を有するアンカーの付加は、ルシフェラーゼのダウンレギュレーションを有意には引き起こさなかった。
実施例6. HepG2細胞への取り込みの際のFEの効果
siRNAの機能性は、FEを保持するアンカーによって失われないが、FE(本実施例では炭水化物)は細胞相互作用に利用可能であろうか。
siRNAの機能性は、FEを保持するアンカーによって失われないが、FE(本実施例では炭水化物)は細胞相互作用に利用可能であろうか。
肝細胞は、ODN細胞膜受容体を通じて、より短いオリゴヌクレオチドをインターナライズすることが公知である。しかしこの経路は、受容体を100倍過剰の無関係な短いオリゴヌクレオチド(D5)で飽和させることによって遮断され得る(de Diesbachら、Nucleic Acids Res.2000 Feb 15;28(4):868−74)。
150000個のHepG2細胞を、24ウェル皿の各ウェル中で24時間増殖させた。細胞をPBSで洗浄し、そしてCO2インキュベーター中37℃で1時間、構築物20pmol及びおとり(D5)2nmolを含む無血清Optimem(Invitrogen)150μl中でインキュベートした(ODN膜受容体を飽和させるため)。細胞をPBSで洗浄し、そしてTrypsin(Invitrogen)100μLの添加によってトリプシン処理して、結合したがインターナライズされない構築物を除去した。最後に、遠心分離によってトリプシンを除去し、そして細胞を、3%ウシ胎仔血清を補充したPBS 1mLに再懸濁し、そして氷上に維持した。
試験した構築物は、非ハイブリダイズsiRNA(S3)、L4及びL5(それぞれ炭水化物部分を有さないLNA及び有するLNA)とハイブリダイズしたS3であった。siRNAを、フローサイトメトリー分析(FACS)による検出のために、cy−5標識した。非トランスフェクト細胞から検出されたcy−5シグナルを、ネガティブとしてゲートし、より高い強度を有する細胞を、ポジティブとみなした。10000個の細胞を各構築物に対して測定し、そしてFACSCalibur(Becton Dickson、Franklin Lanes、NJ、USA)で測定し、そしてCellQuestソフトウェア(Becton Dickson)で分析した。
LNAアンカーに接合したFEは、裸のsiRNA(S3)及び炭水化物を有さないLNAにハイブリダイズしたsiRNA(S3+L4)と比較して、siRNA(S3+L5)の細胞取り込みを劇的に増強した(図12を参照のこと)。ポジティブ細胞のパーセンテージは、siRNAを取り込んだ肝細胞の数に関連した。
実施例7. LNAG2にハイブリダイズしたsiRNA LucG2のインビボ活性の確認
修飾siRNAがまた、遺伝子発現をインビボで阻害するか否かを調べるために、本発明者らは、流体力学的トランスフェクション方法を用いた。siRNAは、尾静脈を通じて成熟マウスの肝臓に送達される(Lewis DL、Wolff JA。Delivery of siRNA and siRNA expression constructs to adult mammals by hydrodynamic intravascular injection.Methods Enzymol.2005;392:336−50)。
修飾siRNAがまた、遺伝子発現をインビボで阻害するか否かを調べるために、本発明者らは、流体力学的トランスフェクション方法を用いた。siRNAは、尾静脈を通じて成熟マウスの肝臓に送達される(Lewis DL、Wolff JA。Delivery of siRNA and siRNA expression constructs to adult mammals by hydrodynamic intravascular injection.Methods Enzymol.2005;392:336−50)。
マウスに、ルシフェラーゼ−発現プラスミドと組み合わせてsiRNAなし、S3又はS3+L5のうちの1つを同時注入した。すべてのsiRNA構築物は、ルシフェラーゼmRNAを標的化した。マウス(30g)に、リンゲル液2ml容量中のsiRNA構築物40μg及びルシフェラーゼ−発現プラスミド10μgを、5〜8秒間継続して注入することにより与えた。本発明者らは、定量全身イメージング(IVIS 100 system、Xenogen Corpration、Alameda、CA、USA)を用いて注入の24時間後に生きた動物中のルシフェラーゼ発現をモニターした。ルシフェリン(Xenogen Corpration)を、PBS中の体重1kg当たりルシフェリン150mgの用量で腹腔内経路で与えた。動物を、ルシフェリン注入から10分後にアッセイし、そして曝露時間は3秒間であった。すべての実験方法の間、この動物を、2.5〜3.5%イソフルラン(isofluorane)の継続投与により麻酔した。すべての動物実験は、地方倫理委員会に承認され、そしてスウェーデンのガイドラインに従って実施された。
S3又はL5にハイブリダイズしたS3は、図13を見て分るように、ルシフェラーゼ遺伝子のダウンレギュレーションに対して等しい効力を表すことが示された。
実施例8. 転写レベルでのsiRNA誘導性サイレンシング
最近の刊行物から(Hong Kら、Biomol Eng.2001 Oct 31;18(4):185−92、Kawasaki Hら、Nature.2004 Sep 9;431(7005):211−217、Epub 2004 Aug 15、Jenke ACら、Mol Biol Rep.2004 Jun;31(2):85−90、Morris KVら、Science.2004 Aug 27;305(5688):1289−92、Epub 2004 Aug 05)、本発明者らは、siRNAをまた転写レベルでのサイレンシングに使用し得ることを学んだ。哺乳動物細胞での転写サイレンシングは、ヒストン脱アセチル化及びシトシンDNAメチル化を含むクロマチン修飾に関連する。薬物での細胞の処理は、siRNAによるサイレンシングを無効にする。トリコスタチン(trichostatin)(TSA)及び5−アザシチジン(5−azaC)は、それぞれヒストンデアセチラーゼ(deacetylase)及びDNAメチルトランスフェラーゼの阻害剤である。これらの薬剤は、レポーター遺伝子の転写産物のRNA干渉に影響を及ぼさないことが示されている。
最近の刊行物から(Hong Kら、Biomol Eng.2001 Oct 31;18(4):185−92、Kawasaki Hら、Nature.2004 Sep 9;431(7005):211−217、Epub 2004 Aug 15、Jenke ACら、Mol Biol Rep.2004 Jun;31(2):85−90、Morris KVら、Science.2004 Aug 27;305(5688):1289−92、Epub 2004 Aug 05)、本発明者らは、siRNAをまた転写レベルでのサイレンシングに使用し得ることを学んだ。哺乳動物細胞での転写サイレンシングは、ヒストン脱アセチル化及びシトシンDNAメチル化を含むクロマチン修飾に関連する。薬物での細胞の処理は、siRNAによるサイレンシングを無効にする。トリコスタチン(trichostatin)(TSA)及び5−アザシチジン(5−azaC)は、それぞれヒストンデアセチラーゼ(deacetylase)及びDNAメチルトランスフェラーゼの阻害剤である。これらの薬剤は、レポーター遺伝子の転写産物のRNA干渉に影響を及ぼさないことが示されている。
これは核事象であるので、NLSを、siRNAの移行に使用している。siRNA及びNLS−ペプチドの非共有結合性混合物は、サイレンシングの増大を示した。次いでバイオプレックス・テクノロジーは、定義された構築物の利点を有し、そしてインビボでの複合体の安定性を増大した(NLS siRNA複合体形成に関して)。本願で言及される通り、本発明者らはまた、細胞インターナリゼーション及び特異性に関する他の機能を付加し得る。
ルシフェラーゼに対して同じmRNAを標的化するが、PNA579(P4)に対するアンカー結合ドメインを有する新規なsiRNA(S4)を購入した。このbisPNAはNLSペプチドを有し、そしてsiRNAを不活性である核に導く。本発明者らが、核のクロマチン内部のDNAを標的化するsiRNAを代わりに選択してみたら、核取り込みを促進するNLSペプチドは、より良いサイレンシング効果を強力に与え得た。
使用されたプロトコルは、上記の材料及び方法に記載されたプロトコルと同じである。PAGE遅延アッセイの結果を図14に示した。siRNA LucG部位(S4)を、FEとしてNLSペプチド、すなわち上記の(P4)を保持するアンカーにハイブリダイズした。レーン5〜8は、L5の滴定である。S4に対して1.2倍過剰のP4で、90%を超えるsiRNAがハイブリダイズした。従って、FEは複合体形成を妨げなかった。構築物濃度は正確ではないかもしれず、従って過剰であったことは、濃度測定及びピペッティングの影響であり得る。
「転写レベルでのsiRNA誘導性サイレンシング」は、NLS機能に関する概念の負の証明である。転写性ダウンレギュレーションは、DNAに結合させるためにsiRNAを核内に導入しなければならないことを意味する。「通常の」翻訳後ダウンレギュレーションは、細胞質で行われる。RISCは、細胞質でsiRNAに結合し、そして細胞質に位置するmRNAにアンチセンス鎖を導く。
従って本発明者らは、翻訳後活性を有するsiRNAにNLSを付加することによって2つのテクノロジーを結び付けた。ルシフェラーゼ遺伝子の発現をダウンレギュレートするために、siRNAを、RISCがsiRNAに結合してmRNAを局在化する細胞質に局在化させなければならない。これに反してNLSペプチドは、マッチするmRNAを見出すことができない核に直接siRNAを移送する。
実施例9. 核での遺伝子サイレンシング能
Cos−7細胞を、実施例3の通りにトランスフェクトし、そして処理した。ルシフェラーゼタンパク質のsiRNAダウンレギュレーションを、上記の通りに測定した。通常のsiRNA(S1)を標準として使用した。修飾siRNA(ハイブリダイズしないか又はL4、L5、S4若しくはS5とハイブリダイズしたS3及びS5)の効力を、S1と比較したダウンレギュレーションの増大又は減少として測定した。従って、得られた値は、siRNA及び/又はアンカー及び/又はFEによって引き起こされたルシフェラーゼのダウンレギュレーションの相対的な増大又は減少を反映する。
Cos−7細胞を、実施例3の通りにトランスフェクトし、そして処理した。ルシフェラーゼタンパク質のsiRNAダウンレギュレーションを、上記の通りに測定した。通常のsiRNA(S1)を標準として使用した。修飾siRNA(ハイブリダイズしないか又はL4、L5、S4若しくはS5とハイブリダイズしたS3及びS5)の効力を、S1と比較したダウンレギュレーションの増大又は減少として測定した。従って、得られた値は、siRNA及び/又はアンカー及び/又はFEによって引き起こされたルシフェラーゼのダウンレギュレーションの相対的な増大又は減少を反映する。
図15を見て分るように、mRNAレベルでサイレンシングを誘導するsiRNAにNLSを付加することにより活性が減少した。逆転したNLS配列を含む複合体であるS5+P5は、P5を含まないS5に匹敵するダウンレギュレーションをもたらした。従ってNLSは、siRNA複合体を核に移行させることにより効力を損失させた。
S1とS5との間の差異は、修飾、すなわちS5のセンス鎖の伸長が原因である。siRNAを、アンカー結合ドメインを与える最適な修飾によって試験していないが、NLSの効果は、siRNAデザイン及びアンカー結合ドメインの重要性と同様に明らかに理解され得る。
実施例10. NLSを有する複合体の細胞内位置
50000個のCos−7細胞を、24ウェルプレートで24時間増殖させた。この細胞をPBSで洗浄し、そして37℃でインキュベートした。一晩のインキュベーション後、細胞を製造業者に与えられたオリゴヌクレオチドトランスフェクションのプロトコルに従ってLipofectamine(Invitrogen)を用いて、siRNA S5を模倣する蛍光標識された二本鎖DNA(D6)1μgでトランスフェクトした。細胞を、5% CO2インキュベーター中37℃で4時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、そして製造業者に与えられたプロトコルに従ってDAPi核色素(Invitrogen)で染色し、次いでPBSで洗浄し、そしてPBS中に維持した。
50000個のCos−7細胞を、24ウェルプレートで24時間増殖させた。この細胞をPBSで洗浄し、そして37℃でインキュベートした。一晩のインキュベーション後、細胞を製造業者に与えられたオリゴヌクレオチドトランスフェクションのプロトコルに従ってLipofectamine(Invitrogen)を用いて、siRNA S5を模倣する蛍光標識された二本鎖DNA(D6)1μgでトランスフェクトした。細胞を、5% CO2インキュベーター中37℃で4時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、そして製造業者に与えられたプロトコルに従ってDAPi核色素(Invitrogen)で染色し、次いでPBSで洗浄し、そしてPBS中に維持した。
D6を、NLSペプチド(P4)又は逆(不活性な)配列(P5)のいずれかと接合したPNAとハイブリダイズさせ、そして細胞培養物に導入した。生細胞を、共焦点顕微鏡により分析した(結果は示さず)。
このsiRNA複合体は、結合したNLSペプチド(S5+P4)を有するときに細胞核に蓄積した。逆NLSペプチドを使用したとき(S5+P5)、シグナルは、細胞の全体にわたって均一に分配された。NLSペプチドとのsiRNAの複合体形成は、NLSの効果に著しくは影響しなかった。
実施例11. 多数のFEを有するsiRNA
siRNALucG部位(S4)を、bisPNAアンカー(P6)に連結したPNAの直鎖ストレッチを有するこのアンカーにハイブリダイズさせた。33マーのDNAオリゴヌクレオチド(D7)を、D7の5’末端でP6の直鎖PNAストレッチにハイブリダイズさせた。L5に対する2つのアンカー結合ドメインを、D7の3’末端に位置させた。
siRNALucG部位(S4)を、bisPNAアンカー(P6)に連結したPNAの直鎖ストレッチを有するこのアンカーにハイブリダイズさせた。33マーのDNAオリゴヌクレオチド(D7)を、D7の5’末端でP6の直鎖PNAストレッチにハイブリダイズさせた。L5に対する2つのアンカー結合ドメインを、D7の3’末端に位置させた。
複合体を、上記の条件下(147mM NaCl、4mM KCl2及び1.13mM CaCl2、pH7.2のRignes緩衝液中、37℃で30分間)でアッセンブルさせた。ハイブリダイゼーションの順序を図17に示す。連続的ハイブリダイゼーションを行うとき、次の構築物を添加する前に、サンプルをハイブリダイゼーションごとに37℃で30分間インキュベートした。複合体のビルディングブロックを、S4 20pmol、P6 24pmol、D7 29pmol及びL5 69pmolの通りに添加した。siRNAの終濃度は2μMであった。
複合体を、PAGEシフトアッセイ(上記)に供した。結果を図17Aに示す。ハイブリダイゼーションの順序は大して重要ではない。siRNA複合体は、単にすべての構築物を同時に添加し、そして生理学的条件で30分間インキュベートすることによってアッセンブルし得た。本実験において、ハイブリダイズしない構築物がゲル中で観察され得たので、過剰量を用いた。レーン4〜6は、複合体全体をすべて含み、これは、ゲル中で最も遅く移動したバンドであった。レーン9において、L5のみをロードし、そしてSybr Green(Invitrogen)による標識が不十分であり、レーン3は、誤ってD7 100pmolを過剰にロードした。
実施例12. アンカー−FEとのsiRNAの安定性
siRNA LucG2(S3)を、上記のようにFEとして三量体炭水化物(L5)を有するLNAアンカーにハイブリダイズした。
siRNA LucG2(S3)を、上記のようにFEとして三量体炭水化物(L5)を有するLNAアンカーにハイブリダイズした。
複合体(S3又はS3+L5)を、ウシ胎仔血清(Invitrogen)中のsiRNA 1μMの終濃度で37℃でインキュベートした。特定の時間で、アリコート20μLを取り出し、ホルムアミド40μLと混合し、−70℃に急速冷凍し、そして−20℃で保管した。アリコートを、0時間、24時間、48時間及び72時間で取り出し、引き続いてPAGEシフトアッセイ(上記)に供した。完全な複合体に対応するバンドを定量化し、そして図18にプロットした。
分解に対する抵抗性を、S3+L5複合体について観察した(図18)。分解は、FE、例えば限定されないがポリエチレングリコール(PEG)をさらにハイブリダイズさせることによってさえも妨げられ得た。siRNA上にFEとしてPEGを有することはまた、クリアランスを回避する有望な解決法である。ここでこの複合体のサイズは、30kDaをおそらく超えるはずである。
特定の実施態様が本明細書中で詳細に開示されているが、これは、例示の目的のための例としてのみ行っており、添付の特許請求の範囲に対して限定されることは意図されない。特に、種々の置換、改変及び修飾が、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明に対して行われ得ることが本発明者らによって意図される。
Claims (63)
- 1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体であって、このFEは、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものであるとし、この複合体は、短い干渉RNA(siRNA)分子を含み、ここでこのsiRNA分子は、第一の鎖及び第二の鎖を含み、そしてこのsiRNA分子は、次の仕方で修飾されていること、すなわち:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このsiRNA分子の2つの鎖のうちのいずれか1つに組み込まれており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであること、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであること、及び
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
を特徴とする、上記複合体。 - アンカー結合ドメインが、他の鎖に対して1つ又はそれ以上のミスマッチを有する、請求項1に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、他の鎖に対して1〜7のミスマッチを有する、請求項1に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、siRNA分子の一部である、請求項1に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、15までのヌクレオチドを含む、請求項1に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、3〜12のヌクレオチドを含む、請求項1に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、4〜8のヌクレオチドを含む、請求項1に記載の複合体。
- アンカーが、固定化核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)又はそれらの誘導体である、請求項1に記載の複合体。
- siRNA分子のセンス鎖が、アンカー配列の結合ドメインとして作用する、請求項1に記載の複合体。
- siRNA分子のアンチセンス鎖が、アンカー配列の結合ドメインとして作用する、請求項1に記載の複合体。
- siRNA分子が、最大長さ35の塩基対を有する、請求項1に記載の複合体。
- siRNA分子が、1〜12のヌクレオチドの3’突出及び/又は5’突出を有する、請求項1に記載の複合体。
- siRNA分子が、2〜5のヌクレオチドの3’突出及び/又は5’突出を有する、請求項1に記載の複合体。
- siRNA分子が化学修飾される、請求項1に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、siRNA分子のセンス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかの末端の伸長である、請求項1に記載の複合体。
- 複合体が、少なくとも1つのFEと少なくとも1つのアンカー配列との間に切断可能なリンカー分子を含む、請求項1に記載の複合体。
- 複合体が、少なくとも1つのFEと少なくとも1つのアンカー配列との間に切断可能なリンカー分子を含み、そしてこのリンカーが、ジスルフィド架橋を含む、請求項1に記載の複合体。
- アンカー配列が、切断可能なリンカーを含む、請求項1に記載の複合体。
- アンカー配列が、切断可能なリンカーを含み、そしてこのリンカーが、ジスルフィド架橋を含む、請求項1に記載の複合体。
- アンカー配列が、少なくとも1つのアンカー結合ドメインとともに伸長される、請求項1に記載の複合体。
- 1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を、細胞膜を横切り、そして細胞内部の種々の位置に移送させる方法であって、ここで、請求項1〜20のいずれか1項に記載の複合体がトランスフェクションに使用される、方法。
- 1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体を作製する方法であって、このFEは、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものであるとし、この複合体は、短い干渉RNA(siRNA)分子を含み、そしてこのsiRNA分子は、第一の鎖及び第二の鎖を含み、そしてここでこの方法は、次の工程:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このsiRNA分子に導入し、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む、上記方法。 - 1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体であって、このFEは、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものであるとし、この複合体は、ショートヘアピンRNA(shRNA)分子を含み、ここでこのshRNA分子は、二本鎖領域及びヘアピンループを有し、そしてこのshRNA分子は、次の仕方で修飾されていること、すなわち:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このshRNA分子に組み込まれており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとし、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとし、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
を特徴とする、上記複合体。 - アンカー結合ドメインが、shRNA分子の一部である、請求項23に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、15までのヌクレオチドを含む、請求項23に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、3〜12のヌクレオチドを含む、請求項23に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、4〜8のヌクレオチドを含む、請求項23に記載の複合体。
- アンカーが、固定化核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)又はそれらの誘導体である、請求項23に記載の複合体。
- shRNA分子の二本鎖領域が、35塩基対の最大長さを有する、請求項23に記載の複合体。
- shRNA分子が、1〜12のヌクレオチドの3’突出及び/又は5’突出を有する、請求項23に記載の複合体。
- shRNA分子が、2〜5のヌクレオチドの3’突出及び/又は5’突出を有する、請求項23に記載の複合体。
- shRNA分子は化学修飾されている、請求項23に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、shRNA分子のいずれかの末端の伸長である、請求項23に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、shRNA分子のヘアピンループ中に存在する、請求項23に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、shRNA分子の二本鎖領域の2つの鎖のうちの1つに存在する、請求項23に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、一部分はヘアピンループ中に存在し、そして一部分はshRNA分子の二本鎖領域の2つの鎖のうちの1つに存在する、請求項23に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、shRNA分子の二本鎖領域の他の鎖に対して1つ又はそれ以上のミスマッチを有する、請求項35または36に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、shRNA分子の二本鎖領域の他の鎖に対して1〜7のミスマッチを有する、請求項35または36に記載の複合体。
- 複合体が、少なくとも1つのFEと少なくとも1つのアンカー配列との間に切断可能なリンカー分子を含む、請求項23に記載の複合体。
- 複合体が、少なくとも1つのFEと少なくとも1つのアンカー配列との間に切断可能なリンカー分子を含み、そしてこのリンカーがジスルフィド架橋を含む、請求項23に記載の複合体。
- アンカー配列が、切断可能なリンカーを含む、請求項23に記載の複合体。
- アンカー配列が、切断可能なリンカーを含み、そしてこのリンカーが、ジスルフィド架橋を含む、請求項23に記載の複合体。
- アンカー配列が、少なくとも1つのアンカー結合ドメインとともに伸長される、請求項23に記載の複合体。
- 1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を、細胞膜を横切り、そして細胞内部の種々の位置に移送させる方法であって、ここで、請求項23〜43のいずれか1項に記載の複合体がトランスフェクションに使用される方法。
- 機能的実体(FE)を利用する複合体を作製する方法であって、このFEは、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものであるとし、この複合体は、ショートヘアピンRNA(shRNA)分子を含み、そしてこのshRNA分子は、二本鎖領域及びヘアピンループを有し、ここでこの方法は、次の工程:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このshRNA分子に導入し、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列を、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む、上記方法。 - 1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を利用する複合体であって、このFEは、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものであるとし、この複合体は、AS(アンチセンス)分子を含み、ここでこのAS分子は、次の仕方で修飾されていること、すなわち:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインが、このAS分子に組み込まれているか又は結合されており、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとし、
−少なくとも1つのアンカー配列が、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズされており、このアンカー配列は、核酸又はそのアナログであるものとし、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)が、この少なくとも1つのアンカー配列に連結されており、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であること、
を特徴とする、上記複合体。 - アンカー結合ドメインが、AS分子の一部である、請求項46に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、15までのヌクレオチドを含む、請求項46に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、3〜12のヌクレオチドを含む、請求項46に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、4〜8のヌクレオチドを含む、請求項46に記載の複合体。
- アンカーが、固定化核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)又はそれらの誘導体である、請求項46に記載の複合体。
- アンチセンス分子が、最大長さ35の塩基を有する、請求項46に記載の複合体。
- AS分子が化学修飾される、請求項46に記載の複合体。
- アンカー結合ドメインが、AS分子の鎖のいずれかの末端の伸長である、請求項46に記載の複合体。
- 複合体が、少なくとも1つのFEと少なくとも1つのアンカー配列との間に切断可能なリンカー分子を含む、請求項46に記載の複合体。
- 複合体が、少なくとも1つのFEと少なくとも1つのアンカー配列との間に切断可能なリンカー分子を含み、そしてこのリンカーが、ジスルフィド架橋を含む、請求項46に記載の複合体。
- アンカー配列が、切断可能なリンカーを含む、請求項46に記載の複合体。
- アンカー配列が、切断可能なリンカーを含み、そしてこのリンカーが、ジスルフィド架橋を含む、請求項46に記載の複合体。
- アンカー配列が、少なくとも1つのアンカー結合ドメインとともに伸長される、請求項46に記載の複合体。
- 1つ又はそれ以上の機能的実体(FE)を、細胞膜を横切り、そして細胞内部の種々の位置に移送させる方法であって、ここで、請求項46〜59のいずれか1項に記載の複合体がトランスフェクションに使用される方法。
- 機能的実体(FE)を利用する複合体を作製する方法であって、このFEは、細胞外で(生物内部で)、経細胞で(細胞膜を横切って)そして/又は細胞内で(細胞内部の種々の位置へ)、この複合体が分解及び/若しくは除去されることを防ぎ得るものであり、この複合体の活性を増大し得るものであり、そして/又はこの複合体の移送を増大し得るものであり、そしてこの複合体は、AS(アンチセンス)分子を含み、ここでこの方法が、次の工程:
−少なくとも1つのアンカー結合ドメインを、このAS分子に組み込むか又は結合させ、このアンカー結合ドメインは、核酸又はそのアナログであるものとすること、
−少なくとも1つのアンカー配列は、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズさせ、このアンカー配列が、核酸又はそのアナログであるものとすること、そして
−少なくとも1つの機能的実体(FE)を、この少なくとも1つのアンカー配列に連結させ、このFEは、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子であるものとすること、
を含む、上記方法。 - 請求項1〜20、請求項23〜43及び請求項46〜59のいずれか1項に記載の複合体でトランスフェクトされる細胞。
- 1つ又はそれ以上のsiRNA分子、shRNA分子又はAS分子を、細胞膜を横切り(細胞内で、細胞外で及び/又は経細胞で)、そして細胞内部の種々の位置へ移送し得る複合体を生産する構成要素を含むキットであって、このキットが、少なくとも1つのsiRNA分子、shRNA分子及び/又はAS分子、少なくとも1つのアンカー結合ドメイン、このアンカー結合ドメインとハイブリダイズし得る少なくとも1つのアンカー配列、並びにこのアンカー結合ドメインに連結した少なくとも1つの機能的実体(FE)を含み、このFEが、1つ又はそれ以上の生物学的に活性な分子である、上記キット。
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