JP2012508367A - リン酸化型fms関連チロシンキナーゼ3バイオマーカーアッセイ - Google Patents

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Abstract

試料におけるヒトpFLT3の存在を検出する方法が本明細書に提供される。本明細書に提供される典型的なアッセイは、ELISA法(例えば、サンドイッチELISA)である。また、試料におけるFLT3リン酸化を検出する方法、FLT3活性化突然変異を有する患者を診断する方法、ヒトFLT3リン酸化を活性化させる化合物又はさもなければヒトFLT3リン酸化のアゴニストである化合物を同定する方法、ヒトFLT3リン酸化を阻害する化合物又はさもなければヒトFLT3リン酸化のアンタゴニストである化合物を同定する方法、患者におけるヒトFLT3リン酸化を増大させ、低下させ、又はさもなければ調節する化合物の有効性を決定する方法も本明細書に提供される。さらに、前記方法を実施するキットが提供される。このようなキットは、固体支持体上に任意に固定化された少なくとも1つの総FLT3抗体と、標識済みpFLT3抗体とを含む。
【選択図】図1

Description

ヒト血液などの試料におけるヒトpFLT3の存在を検出する方法が本明細書に提供される。本明細書に提供される典型的なアッセイは、固相酵素免疫検定法(ELISA)、例えば、サンドイッチELISAである。また、試料におけるFLT3リン酸化を検出する方法も本明細書に提供される。さらに、FLT3活性化突然変異を有する患者を診断する方法が提供される。また、ヒトFLT3リン酸化を活性化又は阻害する化合物を同定する方法も提供される。さらに、患者におけるヒトFLT3リン酸化を増大、低下、又はさもなければ調節する化合物の有効性を決定する方法が提供される。また、該方法を実施するキットも提供される。
FMS関連チロシンキナーゼ3(FLT3)(FMS様チロシンキナーゼ3、胎仔肝キナーゼ2(FLK-2)、幹細胞キナーゼ1(STK-1)、及び表面抗原分類135(CD135)としても公知)は、造血幹細胞の増殖及び分化における重要な役割を担っている膜結合型受容体チロシンキナーゼである。遺伝子は、マウス遺伝子から初めてクローニングされ(Rosnetらの文献((1991)Oncogene 6:1641‐1650)、Matthewsらの文献(Cell 1991 65:1143‐1152)、それに、ヒトFLT3遺伝子の同定が続いた(Smallらの文献((1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:459‐463))。
FLT3は、正常な骨髄系リンパ系前駆細胞において発現し、FLT3‐リガンド(FLT3‐L)による活性化は、造血前駆細胞の増殖及び分化をもたらす。FLT3‐Lに結合すると、FLT3は、それ自体とホモ二量体を形成し、受容体のリン酸化及び下流の細胞シグナル伝達の活性化を促進する。また、FLT3は、白血球細胞において野生型として又は、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、骨髄異形成症候群(MDS)、及び三血球系骨髄異形成症候群(TMDS)を含むいくつかの血液学的悪性病変における突然変異FLT3として発現する。また、FLT3は、リンパ系急性転化における慢性骨髄性白血病患者由来の細胞においても認められている。
血液学的悪性病変のうちで生じる最も普遍的なFLT3突然変異は、FLT3‐ITD突然変異である。FLT3‐ITD突然変異は、リガンド非依存性受容体二量体化を示し、これが結果的に、FLT3受容体の自己リン酸化及び構成的活性化を生じ、それが順に、初期造血細胞のリガンド非依存性増殖を分化の損失とともにもたらす(Hayakawaらの文献((2000)Oncogene 19:624‐631))。第二の最も普遍的なFLT3突然変異は、チロシンキナーゼドメイン(TKD)における突然変異である。FLT3‐ITD突然変異を有する患者は一般的に、野生型患者と比較して予後がより悪く、それゆえ、FLT3‐ITD突然変異はこれまで、分子ベースの治療法のための標的であった(Stirewaltらの文献((2003)Nat.Rev.Cancer)(2003)3:650)、Levisらの文献((2005)Int.J.Hematol.82:100‐107))。
SU5416、CEP‐701、PKC412、及びMLN518などの低分子FLT3阻害剤は、骨髄芽細胞又は末梢芽細胞の減少の形態の臨床応答を示す患者を用いた臨床治験において研究されている(Levisらの文献((2005)Int J Hematol.82:100‐107))。これらのFLT3阻害剤を用いる臨床研究において、分子レベルでの阻害剤に対する患者の応答を決定するために、患者血漿試料由来のFLT3タンパク質を免疫沈降させ、イムノブロットし(例えば、IP/ウェスタン)、次いで、抗ホスホチロシン抗体を用いてpFLT3を検出することによって、pFLT3のレベルを薬力学的(PD)マーカーとして測定した(Smithらの文献((2004)Blood 103:3669‐3676)、Brownらの文献((2006)Leukemia 20:1368‐1376)、De Angeloらの文献((2006)Blood 108:3674‐3681)、Stoneらの文献((2005)Blood 105:54‐60)、Knapperらの文献(2006)Blood 108(10):3494‐3503)。典型的なセッティングにおいて、これらの方法は、良好なシグナルを生じるために少なくとも約2千万個の細胞の免疫沈降を必要とし、数日間にわたって経時的に、いくつかの小セットの試料を処理することを包含する。それゆえ、免疫沈降/イムノブロッティング法の欠点のいくつかは、その高い試料タンパク質需要、その感度の欠失、データの定量的性質、並びにアッセイに時間のかかる性質及びアッセイが面倒である性質であり、それらすべてによって、該免疫沈降/イムノブロッティング法は、診断上の又は臨床上のモニタリング目的に不適切となる。イムノブロッティング法において感度が欠失しているので、pFLT3は、血漿中に高い十分なレベルのpFLT3を発現する白血病患者においてのみ検出することができ、これまで、pFLT3は、血漿中で十分に高いレベルのpFLT3を発現する選択された患者についてのみ報告されてきた。免疫沈降法の別の変法において、患者血漿試料におけるFLT3が免疫沈降しており、総FLT3及びpFLT3の両方が、フローサイトメトリー(FACS)によって検出されている(Ravandiらの文献((2007)Leuk.Res.31:791‐797)、Zhengらの文献((2004)Blood 103:267‐274))。また、フローサイトメトリーによる検出は、半定量であり、時間がかかり、高価であり、面倒であるという同じ欠点をもつ。
診療所におけるFLT3阻害剤の数を考慮すれば、及びインビボでの組織試料において発現した低レベルのpFLT3を考慮すれば、FLT3阻害剤を服用している患者、又はFLT3活性化経路を阻害する他の標的指向治療法を受けている患者における薬力学的マーカーとしてのpFLT3阻害のレベルを決定する高感度かつ効率的な方法についての需要が残っている。pFLT3をモニターするこのような方法は、例えば、FLT3治療法に対する早期応答を検出するために、治療中経時的に実施され得る。治療法に対する早期応答が、化学受容性の徴候であるかもしれないので、pFLT3阻害は、治療戦略をさらに限定するのを助け得る別の予後指標であることを立証し得る(Kernらの文献(Blood 2003 101(1),64‐70))。例えば、術前化学療法に対する応答の迅速さは、小児期ALLなどの白血病における重要な予後因子として明らかになりつつある。また、標的指向治療法に対する応答の迅速さが、白血病における重要な予後因子として明らかになるかもしれない見込みがある。リン酸化型FLT3レベルは、術前化学療法又は標的指向治療法のいずれかに対する応答についての薬力学的マーカーとしてモニターされてよく、次いで、応答の迅速さにさらに基づいて患者を等級別に分類するのに使用してよい。また、血漿pFLT3レベルは、患者のための診断用又は予後用バイオマーカーとしても使用され得る。また、例えば、本明細書の別の箇所で論議されるように、遺伝子型同定によって決定されるように、高いpFLT3レベルとFLT3‐ITD状態の間にも強い相関がある。
従って、AML及び他の白血病診断において首尾一貫して実施することのできる、時宜を得たかつ費用対効果の高い方法を開発する必要がある。FLT3‐ITDなど、リン酸化及びFLT3活性化型突然変異がAMLと関連しているので、FLT3活性の特異的検出を可能にする方法は、AML及び他のFLT3仲介性疾患についての臨床的用途及び医薬研究における幅広い応用を有するであろう。
(要約)
試料におけるヒトpFLT3の存在を検出する方法が本明細書に提供される。本明細書に提供される典型的なアッセイは、固相酵素免疫検定法(ELISA)、例えば、サンドイッチELISAである。また、試料におけるFLT3リン酸化を検出する方法も本明細書に提供される。さらに、FLT3活性化突然変異を有する患者を診断する方法が提供される。また、ヒトFLT3リン酸化を活性化させる化合物、又はさもなければ該リン酸化のアゴニストである化合物を同定する方法も提供される。さらに、ヒトFLT3リン酸化を阻害する化合物、又はさもなければ該リン酸化のアンタゴニストである化合物を同定する方法が提供される。また、患者におけるヒトFLT3リン酸化を低下させる化合物、又はさもなければ該リン酸化を調節する化合物の有効性を決定する方法も提供される。また、該方法を実施するキットも提供される。
このように、一態様において、試料、例えば、インビボ試料におけるヒトpFLT3の存在を検出する方法であって、(a)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、該試料に結合した第二の抗体の量の背景を上回る検出、例えば、pFLT3を有さない対照試料と比較した、該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試料におけるヒトpFLT3の存在を示す、前記方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。
第二の態様において、試料、例えばインビボ試料におけるヒトpFLT3の存在を検出する方法であって:(a)該試料を、ヒトFLT3の細胞外ドメイン(配列番号1の配列の27〜543)に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること、ここで、第一の抗体が、多重ウェルプレート又は多重ドメイン多重ウェルプレートの底部など、炭素インク電極を含む該プレートの上に固定化されており(例えば、MULTI‐ARRAY(登録商標)プレート(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD));(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、ビオチン化した第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ホスホチロシンに免疫特異的に結合する(すなわち、抗ホスホチロシン抗体);(d)結合していない第二の抗体を除去すること;(e)ビオチン化した第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させること、ここで、該標識は、ルテニウム(II)トリビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルを含む(例えば、SULFO‐TAG(商標)(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD));(f)結合していない標識済みストレプトアビジンを除去すること;及び(g)炭素電極の表面上の標識済みストレプトアビジンの電気化学発光(ECL)によって、試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、該試料に結合した第二の抗体の量の背景を上回る検出、例えば、pFLT3を有さない対照試料と比較した、該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試料におけるヒトpFLT3の存在を示す、前記方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。
第三の態様において、FLT3活性化突然変異を有する患者を診断する方法であって:(a)患者由来の試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出又はさもなければ測定することを含む、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、試料に結合した第二の抗体の量の背景を上回る検出、例えば、pFLT3を欠失する第二の試料と比較した、試料に結合した第二の抗体の量の増加は、患者におけるFLT3活性化突然変異の存在と相関する。ある実施態様において、検出された第二の抗体の量は、例えばFLT3活性化突然変異を有さない患者又は細胞株に由来する対応する試料における場合と比較して試料中のより多量のpFLT3に相当する。いくつかの実施態様において、方法はさらに、(f)検出された第二の抗体の量を確率表と比較して、FLT3活性化突然変異を含有する試料の確率を、検出された第二の抗体の量に割り当てることを含み、これにより、患者がFLT3活性化突然変異を有するとして診断される。一実施態様において、FLT3活性化突然変異は、FLT3‐ITD突然変異である。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。従って、ある実施態様において、患者のインビボ試料(血液、血液溶解物、又は骨髄など)に存在するpFLT3の量を検出することと、FLT3活性化突然変異、例えばFLT3‐ITD突然変異を有する試料に存在するpFLT3の量に対応するものとして存在するpFLT3の量を同定することとを含む、FLT3活性化突然変異、例えばFLT3‐ITD突然変異を有する患者を診断する方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、決定は、患者に直接由来する試料を用いて、すなわち、方法が実施される前に、細胞溶解以外にいずれの試料加工もせずに実施される。
第四の態様において、ヒトFLT3リン酸化を活性化させる試験化合物、又はさもなければFLT3アゴニストである試験化合物を同定する方法であって:(a)該試験化合物の存在下及び不在下で、ヒトFLT3を含む試料を接触させること;(b)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、該試験化合物の不在下の該試料に結合した第二の抗体の量と比較した、該試験化合物の存在下の該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試験化合物がヒトFLT3リン酸化を活性化させることを示す、前記方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、ヒトFLT3リン酸化は、FLT3‐ITD突然変異などのFLT3活性化突然変異の結果である。ある実施態様において、試験化合物は、複数の試験化合物のうちの1つであり、ここで、試験化合物の少なくとも2つは、互いに異なる。いくつかの実施態様において、複数の試験化合物は、1〜100,000の試験化合物を含む。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。
第五の態様において、ヒトFLT3リン酸化を阻害する試験化合物、又はさもなければFLT3アンタゴニストである試験化合物を同定する方法であって:(a)該試験化合物の存在下及び不在下で、ヒトFLT3を含む試料を接触させること;(b)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、試験化合物の不在下の試料に結合した第二の抗体の量と比較した、試験化合物の存在下の該試料に結合した第二の抗体の量の減少が、該試験化合物が、ヒトFLT3リン酸化を阻害することを示す、前記方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、ヒトFLT3リン酸化は、FLT3‐ITD突然変異などのFLT3活性化突然変異の結果である。ある実施態様において、試験化合物は、複数の試験化合物のうちの1つであり、ここで、試験化合物のうちの少なくとも2つは互いに異なる。いくつかの実施態様において、複数の試験化合物は、1〜100,000の試験化合物を含む。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。
第六の態様において、患者におけるヒトFLT3リン酸化を阻害又は低下させる化合物の有効性を決定又はモニターする方法であって:(a)該化合物を該患者に投与すること;(b)該患者由来の試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、該化合物の投与前など異なる(早期の又は後期の)時点の患者由来の第二の試料と比較して、該試料に結合した第二の抗体の量の減少が、該患者におけるヒトFLT3リン酸化を低下させるための化合物の有効性を示す、前記方法が本明細書に提供される。一実施態様において、試料は、異なる回数で連続して試行される。一実施態様において、ヒトFLT3リン酸化は、FLT3‐ITD突然変異などのFLT3‐活性化突然変異の結果である。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。
第七の態様において、患者のFLT3仲介性疾患又はその症状を予防し、治療し、又はさもなければ管理する方法であって:(a)化合物又は他の治療法を患者に投与すること;(b)患者由来の試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、該化合物の投与前の患者由来の試料と比較した、該試料に結合した第二の抗体の量の減少は、該化合物が患者におけるヒトFLT3リン酸化を予防し、治療し、又はさもなければ管理することを示す、前記方法が、本明細書に提供される。一実施態様において、ヒトFLT3リン酸化は、FLT3‐ITD突然変異などのFLT3‐活性化突然変異の結果である。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。別の実施態様において、試料は、骨髄又は他の組織である。いくつかの実施態様において、ヒトFLT3リン酸化を低下させる方法を用いて、FLT3仲介性の疾患若しくは障害又はそれらの症状を予防し、治療し、又はさもなくば管理する。
一実施態様において、患者のFLT3仲介性疾患又はその症状を予防及び/又は管理する方法であって:(a)化合物を患者に投与すること;(b)患者由来の試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出することを含む、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、前記方法はさらに、(g)工程(a)又は工程(b)に先立って患者から採取した試料において検出される第二の抗体の量を比較することを含み、それにより工程(f)において検出される第二の抗体の量の減少がある場合に患者が治療を続行し、かつそれにより工程(f)において検出される抗体の量の増加がある場合に患者は治療を終止する。一実施態様において、ヒトFLT3リン酸化は、FLT3‐ITD突然変異などのFLT3活性化突然変異の結果である。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。別の実施態様において、試料は、骨髄又は他の組織である。いくつかの実施態様において、ヒトFLT3リン酸化を低下させる方法を用いて、FLT3仲介性の疾患若しくは障害又はそれらの症状を予防し、治療し、又はさもなければ管理する。
第八の態様において、FLT3仲介性の血液学的悪性腫瘍を診断する方法であって:(a)患者由来の試料、例えばインビボ試料(血液、血液溶解物、血漿、又は骨髄など)を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出することを含む、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、検出された第二の抗体の量は、FLT3仲介性血液学的悪性腫瘍を有さない対象又は患者由来の対応する試料における場合と比較して試料におけるより多量のpFLT3に相当し、FLT3仲介性血液学的悪性腫瘍の存在と相関する。いくつかの実施態様において、前記方法はさらに、(f)検出された第二の抗体の量を確率表と比較することと、FLT3仲介性血液学的悪性腫瘍を有する患者の確率を、検出された第二の抗体の量に割り当てることとを含み、それにより患者は、血液学的悪性腫瘍と診断され又は診断されない。
第九の態様において、高い芽細胞計数を有する患者を診断する方法であって:(a)患者由来の試料、例えばインビボ試料(血液、血液溶解物、血漿、又は骨髄など)を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出することを含む、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、前記方法はさらに、(f)検出された第二の抗体の量を、検出された第二の抗体の量を具体的な範囲の芽細胞計数に割り当てる相関表と比較することを含み、それにより患者は、前記範囲内に芽細胞計数を有するものとして診断される。従って、ある実施態様において、高い芽細胞計数を有する患者を診断する方法であって:患者のインビボ試料(血液、血液溶解物、又は骨髄など)において存在するpFLT3の量を決定することと、前記試料において存在する具体的な範囲の芽細胞を示すpFLT3の量に相当するものとして、前記試料において存在するpFLT3の量を同定することとを含む、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、決定は、患者に直接由来する試料を用いて、すなわち、方法が実施される前に、細胞溶解以外にいずれの試料加工もせずに実施される。
第十の態様において、インビボ試料におけるヒトpFLT3の存在を検出するキットであって:(a)ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する第一の抗体であって、固体表面に任意に固定化される該第一の抗体;(b)ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する、検出可能な第二の抗体を含む、前記キットが本明細書に提供される。別の実施態様において、前記キットはさらに、ヒトFLT3が第一の抗体に既に結合している場合にアクセス可能な領域又はエピトープにおけるヒトFLT3に免疫特異的に結合する抗ヒトFLT3抗体を含む。ある実施態様において、インビボ試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。いくつかの実施態様において、試料は、ACL、ALL、又はFLT3‐ITD突然変異などのFLT3活性化突然変異から結果として生じる別の疾患若しくは障害を有するヒト患者由来の血液である。いくつかの実施態様において、第一の抗体は、炭素電極を含む多重ウェルプレート(例えば、MULTI‐ARRAY(登録商標)(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD))に固定化されており、第二の抗体は、ビオチン化した抗ホスホチロシン抗体であり、及び/又は前記キットはさらに、標識済みストレプトアビジンを含み、ここで、前記標識は、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステル(例えば、SULFO‐TAG(商標)(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD))を含む。
本明細書に示される任意の態様において、前記方法は、試料、例えばインビボ試料におけるリン酸化型FLT3(pFLT3)及び総FLT3(tFLT3)の両方を検出すること、例えば同時に検出することを含むことができることは留意される。また、例えば、試料におけるヒトpFLT3を検出する方法は、(a)第一及び第二の容器、例えばマイクロタイターウェルなどのウェルにおいて、試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)第一の容器に残存している試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、第一の抗体とは異なる総FLT3エピトープに免疫特異的に結合する;(d)第二の容器に残存している試料を、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合する検出可能な第三の抗体と接触させること、ここで、第三の抗体は、第一又は第二の抗体とは異なるFLT3エピトープに結合する(ホスホチロシンを含むエピトープなど);(e)結合していない第二及び第三の抗体を除去すること;及び(f)前記試料における総FLT3の存在の表示としての第二の抗体の存在を検出すること;及び前記試料におけるpFLT3の存在の表示としての第三の抗体の存在を検出することを含むことができる。本明細書で呈されるすべての態様を用いる場合、検出は、定性的又は定量的であることができる。試料における総FLT3の検出及び測定は、例えば、対照、例えば総FLT3が第一の抗体によって「捕捉」されたことを確認するための対照として用いることができるか、又は例えば、pFLT3レベルが前記方法で得ることを標準化する上で用いることができる。
(用語)
別段に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって普遍的に理解されるものと同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開された出願、及び他の刊行物は、それらの内容が全体として引用により組み込まれている。本明細書で1つの用語について複数の定義がある場合においては、本節における定義が、別段に記載されない限り勝っている。
用語「約」又は「およそ」は、当業者によって決定される特定の値についての許容し得る誤差を意味し、値がどのように測定又は決定されているかに一部依存する。ある態様において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差内を意味する。ある態様において、用語「約」又は「およそ」は、所定の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%内を意味する。
ヒトFLT3の文脈で用いられる用語「活性化」は、ヒトFLT3の不活性状態から活性状態への変化を指す。一実施態様において、不活性状態から活性状態への変化は一般的に、FLT3単量体の二量体化及びチロシンキナーゼドメインのリン酸化を包含する。別の実施態様において、前記変化は、リガンド結合を必要としない(すなわち、リガンド非依存性又は構成的である。)。別の実施態様において、不活性状態から活性状態への変化は、リガンド結合、FLT3単量体の二量体化、及びチロシンキナーゼドメインのリン酸化を包含する(すなわち、リガンド依存性である。)。別の実施態様において、不活性状態から活性状態への変化は、リガンドを用いないチロシンキナーゼドメインのリン酸化を包含する。FLT3の活性化は、例えば、FLT3に対するFLT3リガンド結合によって、又は任意のいくつかのFLT3活性化突然変異によって引き起こすことができる。FLT3の活性化は結果的に、pFLT3を生じることができる。
本明細書で使用する場合、「投与する」又は「投与」は、物質を体外に存在するものとして患者に、経口、粘膜、皮内、静脈内、筋肉内送達、及び/又は本明細書に記載の若しくは当技術分野で公知の身体送達の任意の他の方法などによって注入又はさもなければ身体的に送達する行為を指す。疾患又はその症状が治療中である場合、物質の投与は典型的には、疾患又はその症状の発症後に生じる。疾患又はその症状が予防中である場合、物質の投与は典型的には、疾患又はその症状の発症の前に生じる。
本明細書で使用する場合、FLT3の「アゴニスト」又は「活性化因子」は、FLT3リン酸化又はFLT3活性化を増大又はさもなければ亢進できる分子を指す。
本明細書で使用する場合、FLT3の「アンタゴニスト」又は「阻害剤」は、FLT3リン酸化又はFLT3活性化を阻害又はさもなければ低下できる分子を指す。ある実施態様において、FLT3のアンタゴニストはAC220である。他のある実施態様において、FLT3アンタゴニストは、AC220、CEP‐701、PKC‐412、MLN518、ソラフェニブ、スニチニブ、KW‐2449、AP‐24534、及びCHIR‐258を含む。他のある態様において、FLT3アンタゴニストはさらに、R‐406及びCGP‐52421を含む。
用語「抗体」及び「免疫グロブリン」又は「Ig」は、本明細書で交換可能に用いられ得る。用語「抗体」は、を含むすべての種類の免疫グロブリンを指す。本発明の抗体は、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、任意のクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、若しくは任意のサブクラス(例えば、IgG2a及びIgG2b)、又はその任意の抗原認識(若しくは抗原結合)断片であることができる。抗体は、モノクローナル又はポリクローナルであってよく、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、又はヒトを含むがこれらに限定されない任意の起源種であってよく、又はキメラ抗体であってよい、例えば、Walkerらの文献(Molec.Immunol.1989;26:403‐411;Morrisionらの文献(Proc.Nat'l.Acad.Sci.1984;81:6851;Neubergerらの文献(Nature 1984;312:604)を参照されたい。抗体は、米国特許第4,474,893号(Reading)又は米国特許第4,816,567号(Cabillyら)に開示された方法に従って製造された組換えモノクローナル抗体であってよい。また、抗体は、米国特許第4,676,980号(Segelら)に開示された方法に従って作製された特異的抗体によって化学的に構築されてよい。本発明の抗体には、合成抗体、モノクローナル抗体、組換え作製抗体、多選択性抗体(二重特異性抗体を含む。)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、細胞内抗体、一本鎖Fvs(scFv)(例えば、単一特異的、二重特異的などを含む。)、ラクダ化(camelized)抗体、Fab断片、F(ab')2断片、ジスルフィド連結Fvs(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び先の任意のエピトープ結合断片が含まれるが、それらに限定されない。特に、本発明の抗体には、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性のある部分、すなわち、ヒト総FLT3又はヒトpFLT3に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含有する抗原結合ドメイン又は分子(例えば、抗ホスホチロシン抗体)が含まれる。ある実施態様において、抗体は、モノクローナルIgG抗体などのIgG抗体である。
用語「ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する抗体」、「ヒトFLT3エピトープに免疫特異的に結合する抗体」、「抗ヒトFLT3抗体」、及び類似の用語は、本明細書で交換可能に用いられており、FLT3のリン酸化レベルにかかわらず、ヒトFLT3抗原又はエピトープなどのヒトFLT3ポリペプチドに特異的に結合する抗体及びその断片を指す。ヒトFLT3抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、関連する抗原と交差反応性があってよい。好ましくは、ヒトFLT3抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、他の抗原と交差反応しない。ヒトFLT3抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、例えば、イムノアッセイ、ビアコア、又は当業者に公知の他の技術によって同定することができる。抗体又はその断片は、放射線免疫検定法(RIA)及びELISAなどの実験技術を用いて決定すると、任意の交差反応性抗原よりも高い親和性でヒトFLT3抗原に結合する場合、ヒトFLT3抗原に特異的に結合する。典型的には、特異的反応又は選択的反応は、少なくとも2倍の背景信号又はノイズの少なくとも2倍であろうし、より典型的には背景の10倍超であろう。抗体特異性に関する論議については、例えば、Paulの文献「基礎免疫学第2版(Fundamental Immunology Second Edition)」(1989, Raven Press, New York p.332-336)を参照されたい。ある実施態様において、抗総ヒトFLT3抗体は、モノクローナルIgG(例えば、マウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN))である。
用語「ヒトpFLT3に免疫特異的に結合する抗体」、「ヒトpFLT3エピトープに免疫特異的に結合する抗体」、「抗ヒトpFLT3抗体」、及び類似の用語は、本明細書で交換可能に用いられており、ヒトpFLT3抗原又はエピトープ(例えば、ホスホチロシンを含むエピトープ)など、リン酸化型のヒトFLT3ポリペプチドのみに特異的に結合する抗体及びその断片を指す。ヒトpFLT3抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、関連する抗原と交差反応性があってよい。一実施態様において、ヒトpFLT3抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、他の抗原と交差反応しない。ヒトpFLT3抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、例えばイムノアッセイ、ビアコア、又は当業者に公知の他の技術によって同定することができる。抗体又はその断片は、RIA及びELISAなどの実験技術を用いて決定されるように、任意の交差反応性抗原よりも高い親和性でヒトpFLT3抗原に結合する場合、ヒトpFLT3抗原に特異的に結合する。典型的には、特異的反応又は選択的反応は、背景信号又はノイズの少なくとも2倍であろうし、より典型的には背景の10倍超であろう。一実施態様において、抗pFLT3抗体は、ヒトFLT3の1つ以上のリン酸化型チロシン残基を含む、タンパク質又は酵素の1つ以上のリン酸化型チロシン残基に免疫特異的に結合する抗ホスホチロシン抗体(「抗pTyr」又は「抗pY」とも呼ぶ。)である。ある実施態様において、抗pFLT3抗体は、ヒトpFLT3(配列番号1の配列)の位置589、591、597、599、726、842、及び955における1つ以上のリン酸化型チロシン(Y)残基に免疫特異的に結合する。別の実施態様において、抗pFLT3抗体は、ヒトpFLT3(配列番号1の配列)の位置589、591、597、599.726、842、及び955におけるリン酸化型チロシン(Y)残基のほとんど又はすべてに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、抗pFLT3抗体は、ヒトpFLT3(配列番号1の配列)の位置589及び/又は591におけるリン酸化型チロシン残基に免疫特異的に結合しない。
用語「第一の抗体」は、試験試料における総FLT3を捕捉するために用いられる抗体を指す。「第一の抗体」及び「捕捉抗体」は、本明細書で交換可能に用いられる。
用語「第二の抗体」は、総FLT3又はpFLT3のいずれかの存在を検出するために用いられる抗体を指す。「第二の抗体」及び「検出抗体」は、本明細書で交換可能に用いられる。
用語「抗原結合ドメイン」、「抗原結合領域」、「抗原結合断片」、及び類似の用語は、抗原と相互作用して、抗原に対する特異性及び親和性を結合剤に与えるアミノ酸残基を含む抗体の部分を指す(例えば、相補性決定領域(CDR))。抗原結合領域は、齧歯類(例えば、ウサギ、ラット、マウス、ヤギ、又はハムスター)及びヒトなど、任意の動物種に由来することができる。好ましくは、抗原結合領域はヒト起源であろう。
本明細書で使用する場合、用語「組成物」は、任意に、指定された量で指定された成分を含有する生成物、及び任意に、指定された量で指定された成分の組み合わせから直接的に又は間接的に結果として生じる任意の生成物を包含するよう意図される。
用語「自己リン酸化」は、プロテインキナーゼによるリン酸基の、同一のキナーゼ分子における残基への(シス)、又は異なるキナーゼ分子における(トランス)が同一の種類の残基への転移を指す。
本明細書で使用される用語「化合物」には、実験的低分子、FDA認可低分子治療薬、抗体指向治療法のために開発された抗体、及び本明細書で定義される他の「治療薬」が含まれる。
本明細書で使用される用語「有効量」は、所定の疾患(例えば、FLT3仲介性疾患)及び/又はそれに関連する症状の重症度及び/又は持続期間を低減させ及び/又は寛解させるのに十分な治療法(例えば、FLT3アゴニスト又はアンタゴニスト)の量を指す。また、本用語は、所定の疾患の進行(advancement)若しくは進行(progression)の低減若しくは寛解、再発の低減若しくは寛解、所定の疾患の発達若しくは発症、及び/又は別の治療法の予防的若しくは治療的効果を改善又は亢進させるのに必要な量も包含する。いくつかの実施態様において、有効量は、約0.1mg/kg(対象の体重1kgあたりの化合物のmg)〜約100mg/kgである。ある実施態様において、本明細書に定義される化合物の有効量は、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg約90mg/kg、又は約100mg/kg(又はその中の範囲)である。他の実施態様において、化合物の有効量は、約135mg、約200mg、約300mg、約450mg、約675mg、又は約1000mg(又はその中の範囲)である。ある実施態様において、治療法はAC220である。
本明細書で使用される用語「エピトープ」は、ヒトFLT3ポリペプチド又はヒトFLT3ポリペプチド断片などの抗原の表面上にあり、抗体の1つ以上の抗原結合領域に結合でき、かつ動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトにおいて抗原性活性又は免疫原性活性を有し、免疫応答を誘発できる局在領域を指す。免疫原性活性を有するエピトープは、動物における抗体反応を誘発するポリペプチドの一部である。抗原性活性を有するエピトープは、当技術分野で周知の任意の方法によって、例えば、本明細書に記載のイムノアッセイによって決定されるように抗体が免疫特異的に結合するポリペプチドの一部である。抗原性エピトープは、免疫原性である必要は必ずしもない。エピトープは通常、アミノ酸又は糖側鎖などの分子の化学的に活性のある表面基からなり、3次元構造特徴及び特異的帯電特徴を有する。エピトープに寄与するポリペプチドの領域は、ポリペプチドの連続したアミノ酸であってよく、又はエピトープは、ポリペプチドの2つ以上の非連続的領域から互いに形成してよい。エピトープは、抗原の3次元表面特性であってよく又はそうでなくてよい。ある実施態様において、ヒトFLT3エピトープとは、(例えば、未変性形態にある)ヒトFLT3ポリペプチドの3次元表面特性である。他の実施態様において、ヒトFLT3エピトープとは、(例えば、ヒトFLT3ポリペプチドの未変性形態又は変性形態にある)ヒトFLT3ポリペプチドの直鎖特性である。本明細書に提供される方法において用いられる抗体は、ヒトFLT3の変性形態のエピトープ、ヒトFLT3の未変性形態のエピトープ、又はヒトFLT3の変性形態及び未変性形態の両方に免疫特異的に結合してよい。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法において用いられる抗体は、ヒトFLT3の未変性形態の細胞外ドメインに免疫特異的に結合する。
用語「細胞外領域」又は「細胞外ドメイン」は、細胞膜上に又は細胞膜の外側にあるタンパク質セグメント又はポリペプチドセグメントを指す。ヒトFLT3の細胞外領域又は細胞外ドメインは、FLT3(配列番号1の配列)のN末端におけるアミノ酸残基およそ27〜543を包含する。
用語「FLT3」は、以下のアミノ酸配列(993のアミノ酸)を含むポリペプチド(「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、本明細書で交換可能に用いられる。)を指す:
Figure 2012508367
具体的な実施態様において、細胞外ドメインはアミノ酸27〜543に及び、膜貫通ドメインはアミノ酸544から563に及び、細胞質ドメインはアミノ酸564から993に及ぶ。ある実施態様において、FLT3アミノ酸配列は、以下のアミノ酸置換のうちの1つ以上を含む:位置7におけるDからG;位置158におけるVからA;位置227におけるTからM;位置324におけるDからN;位置358におけるDからV;位置557におけるVからI;位置8におけるGからA;位置10〜11におけるQLからTV;位置78におけるAからR;位置346におけるEからG;又は位置940におけるTからH。
用語「pFLT3」、「ホスホFLT3」、「ホスホチロシンFLT3」、「チロシンリン酸化型FLT3」、「リン酸化型FLT3」、及び関連用語は、本明細書で交換可能に用いられており、1つ以上のリン酸化型チロシン残基を有するFLT3を指す。一実施態様において、pFLT3は、活性化形態のFLT3である。別の実施態様において、pFLT3は、構成的に活性のある形態のFLT3である。
用語「FLT3活性化突然変異」又は「FLT3突然変異」は、交換可能に用いられ、FLT3構成的活性を含めたより高いレベルのFLT3活性を又は調節されていないレベルのFLT3を結果として生じる1つ以上の位置で生じるFLT3遺伝子をコードする配列における1つ以上の塩基対の付加、欠失、又は置換を指す。このような突然変異は、膜近傍領域の一部の複製及びタンデム挿入から典型的に結果として生じて、ヒトFLT3の構成的自己リン酸化をもたらすFLT3‐ITDなどのFLT3複製突然変異を含む。塩基対複製数は広範に変動する。一実施態様において、内部タンデム複製は、長さ3〜400塩基対の範囲である。いくつかの実施態様において、FLT3活性化突然変異は、FLT3受容体遺伝子の複製である(例えば、FLT3のエクソン11)。これらの突然変異は、野生型FLT3受容体と比較して、受容体を構成的に活性にし、FLT3‐ITDを通じてのシグナル伝達を変化させる。ある実施態様において、患者におけるFLT3活性化突然変異の結果として、FLT‐3仲介性の疾患又は障害を有する患者が生じる。
用語「FLT3仲介性疾患」又は「FLT3仲介性障害」には、異常なFLT3活性と関連した疾患又は異常なFLT3活性を含意する疾患が含まれる。異常なFLT3活性は、(1)遺伝子増幅若しくは他の手段を通じてのFLT3過剰発現、(2)FLT3の構成的活性化をもたらすFLT3若しくは他のタンパク質における突然変異、(3)FLT3リガンド(FLT3L)の過剰発現、(4)FLT3を正常に発現しない細胞におけるFLT3の発現、又は4つのうちの任意の組み合わせから生じてもよい。FLT3仲介性の疾患又は障害の例には、FLT3の過剰刺激から一部結果として生じる障害、異常に多量のFLT3Lによる異常に多量のFLT3活性から一部結果として生じる障害、又はFLT3における突然変異から一部結果として生じる障害が含まれる。異常なFLT3活性が、本明細書に記載の炎症性疾患及び自己免疫疾患を含めたいくつかの疾患、細胞増殖性障害、腫瘍性障害、及び癌の病変形成に関係していることは公知である。いくつかの実施態様において、FLT3仲介性の疾患又は障害は、例えば、FLT3受容体遺伝子の複製の結果である(例えば、FLT3のエクソン11)。ある実施態様において、FLT3仲介性疾患は白血病である。別の実施態様において、前記白血病は、ALL、AML、MDS、及び/又はTMDSである。
「FLT3阻害剤」は、FLT3キナーゼに対する活性を有する化合物である。FLT3阻害剤には、AC220、CEP‐701、PKC‐412、MLN518、ソラフェニブ、スニチニブ、KW‐2449、AP‐24534、及びCHIR‐258が含まれる。
ペプチド又はポリペプチドの文脈において、本明細書で使用される用語「断片」は、完全長よりも短い長さのアミノ酸配列を含むペプチド又はポリペプチドを指す。このような断片は例えば、アミノ末端における切断、カルボキシ末端における切断、及び/又はアミノ酸配列からの残基の内部欠失から生じてもよい。断片は例えば、選択的RNAスプライシングから又はインビボプロテアーゼ活性から結果的に生じてもよい。ある実施態様において、ヒトFLT3断片には、ヒトFLT3ポリペプチドのアミノ酸配列又はヒトFLT3ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体のアミノ酸配列の少なくとも5つの連続したアミノ酸残基、少なくとも 10 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 15 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 20 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 25 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 40 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 50 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 60 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 70 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 80 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 90 の連続したアミノ酸残基、少なくとも連続した100のアミノ酸残基、少なくとも 125 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 150 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 175 の連続したアミノ酸残基、少なくとも 200 の連続したアミノ酸残基、又は少なくとも 250 の連続したアミノ酸残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドが含まれる。具体的な実施態様において、ヒトFLT3ポリペプチド又はヒトFLT3抗原に免疫特異的に結合する抗体の断片は、ポリペプチド又は抗体の少なくとも1、少なくとも2、又は少なくとも3の機能を保有している。
用語「細胞内領域」又は「細胞内ドメイン」は、細胞膜の内側にあるタンパク質セグメント又はポリペプチドセグメントを指す。ヒトFLT3の細胞内領域又は細胞内ドメインは、ヒトFLT3(配列番号1の配列)のアミノ酸残基およそ564から993を包含する。
試料の文脈における用語「インビボ」は、生理学的液体、例えば、血液、血漿、血清、骨髄、髄液、脳液などの生理学的試料、又はリンパ組織、薄層細胞学的試料、新鮮凍結組織試料、若しくは外来腫瘍細胞の植え込み(すなわち、異種移植)から発達する腫瘍組織を含む腫瘍組織を含めた、対象、例えばヒト患者などの患者から得られる組織試料を指す。用語「インビボ」は、生体の外側で培養又は増殖された細胞若しくは細胞株又は細胞の生体分子構成要素を包含する用語「インビトロ」とは区別されるべきである。インビトロ試料には、MV4:11、RS4:11、SEM、MOLM‐1、MOLM‐13、MOLM‐14、REH、BV173、及びEOL‐Iを含むFLT3又はpFLT3を発現するヒト細胞株が含まれる。
用語「膜近傍領域」又は「膜近傍ドメイン」は、膜貫通ヘリックスをキナーゼドメインに接続する受容体におけるタンパク質セグメント又はポリペプチドセグメントを指す。ヒトFLT3の膜近傍領域又は膜近傍ドメインは、ヒトFLT3(配列番号1の配列)のアミノ酸残基およそ572〜603を包含する。
用語「キナーゼドメイン」は、γ-リン酸をヌクレオチド三リン酸(しばしばATP)からタンパク質基質又はポリペプチド基質の側鎖における1つ以上のアミノ酸残基へと転移させた結果、タンパク質機能に影響を及ぼす立体配座変化を生じる触媒活性を有するタンパク質セグメント又はポリペプチドセグメントを指す。ヒトFLT3のキナーゼドメインN突出部は、ヒトFLT3(配列番号1の配列)のアミノ酸残基およそ604〜710を包含する。ヒトFLT3のキナーゼドメインC突出部は、ヒトFLT3(配列番号1の配列)のアミノ酸残基およそ781〜958を包含する。
用語「キナーゼ挿入領域」又は「キナーゼ挿入ドメイン」は、2つの異なるキナーゼドメインが連結される(すなわち、FLT3のキナーゼドメインN突出部及びC突出部を連結する。)プロテインキナーゼにおけるタンパク質セグメント又はポリペプチドセグメントを指す。ヒトFLT3のキナーゼ挿入領域又はキナーゼ挿入ドメインは、ヒトFLT3の2つのチロシンキナーゼドメインを接続するヒトFLT3のタンパク質セグメントを指し、ヒトFLT3(配列番号1の配列)のアミノ酸残基およそ711〜780を包含する。
用語「白血病」は、リンパ系列、骨髄系列、又はこれら2つの混合の造血細胞において認められる悪性腫瘍を指す。白血病には、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨髄芽球性白血病が含まれるが、これらに限定されない。白血病は、従来の治療法に対して再発でき、不応性であることができ、又は抵抗性であることができる。
本明細書で使用する場合、用語「管理する」、「管理すること」、及び「管理」は、患者が、疾患又は容態の治癒を結果として生じない治療法(例えば、予防薬又は治療薬)から得る有益な効果を指す。ある実施態様において、対象に、1つ以上の治療法(例えば、FLT3リン酸化のアゴニスト又はアンタゴニストなどの予防薬又は治療薬)を投与して、疾患の進行又は悪化を予防するよう、FLT3仲介性の疾患若しくは障害(例えば、ALL又はAMLなどの白血病)、又はそれらの1つ以上の症状を「管理する」。
用語「モノクローナル抗体」は、均質な又は実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、各モノクローナル抗体は典型的には、抗原上の単一のエピトープを認識するであろう。ある実施態様において、本明細書で使用される「モノクローナル抗体」は、単一のハイブリドーマ又は他の細胞によって産生される抗体であり、ここで、抗体は、例えばELISA又は当技術分野で公知の他の抗原結合アッセイ若しくは競合的結合アッセイによって決定されるヒトFLT3エピトープにのみ免疫特異的に結合する。用語「モノクローナル」は、抗体を作製するための任意の特定に方法に限定されない。例えば、本明細書に提供される方法において用いられるモノクローナル抗体は、Kohlerらの文献(Nature,256:495(1975))に記載のハイブリドーマ法によって作製してもよいし、又は当技術分野で公知の技術を用いたファージライブラリーから単離してもよい。クローン細胞株及びそれにより発現するモノクローナル抗体の調製のための他の方法は、当技術分野で周知である(例えば、Ausubelらの文献「分子生物学における短いプロトコール第5版第11章(Chapter 11 in:Short Protocols in Molecular Biology 5th Ed.)」(John Wiley and Sons,New York(2002))参照)。
本明細書で使用される用語「MSDシステム」は、MSD ECL検出システム(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD)による検出及び定量を組み込んでいる方法を指す。このようなシステムは例えば、電気化学活性化の際に発光するルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステル標識を採用する(例えば、SULFO‐TAG(商標),Meso Scale Discovery(Gaithersburg,MD))。ECL測定は、下記に記載のような、及びそのすべての内容が全体として引用により本明細書に組み込まれている米国特許第7,063,946号における特別に設計された多重ウェルプレート又は多重ドメイン多重ウェルプレートの底部にパターン化されたスクリーン印刷済み炭素インク電極を用いて実施することができる(例えば、MULTI‐ARRAY(登録商標)及びMULTI‐SPOT(登録商標)マイクロプレート,MSD(Gaithersburg,MD))。プレートの各ウェルは、例えばパターン化された誘電体層によって規定される電極表面の露出された領域である1、4、7、又は10のアッセイドメイン(ウェルのおよそ中央にある。)を含むパターン化された作用電極を有することができる。誘電体層は、具体的なアッセイドメインに少量の液体を閉じ込めるのに使用することができる。また、各ウェルは、(例えば、ウェルの2つの縁部あたりに)2つの対向電極表面を有することもできる。炭素電極の表面上のECL標識からのECLは、MSDシステムと互換性のある撮像プレート読み取り装置を用いて誘導及び測定することができる(例えば、SECTOR(登録商標)Imager 6000及びSECTOR(登録商標)Imager 2400,MSD(Gaithersburg,, MD))。
用語「天然の」又は「未変性の」は、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞、及びこれらの類似物などの生物材料と関連して使用される場合、自然に認められかつヒトによって操作されていないものを指す。ヒトFLT3の文脈で本明細書で使用される用語「未変性形態」は、変性剤などの外力による構造変化を受けていずに又は受けたことなく、ヒトFLT3の機能を決定する生物環境におけるヒトFLT3の最も典型的な3次元立体配座を指す。
本明細書で使用される「ポリクローナル抗体」は、多くのエピトープを有するタンパク質に対する免疫原性応答において作製される抗体集団を指し、従って、タンパク質内の同じエピトープ及び異なるエピトープに指向する種々の異なる抗体を含む。ポリクローナル抗体を作製する方法は、当技術分野で公知である(例えば、参照、例えば、Ausubelらの文献「分子生物学における短いプロトコール第5版第11章(Chapter 11 in:Short Protocols in Molecular Biology 5th Ed.)」(John Wiley and Sons,New York(2002))参照)。
用語「リン酸化」は、分子とリン酸の間のエステル結合の形成を通じての、分子へのホスホリル基の導入を指す。
本明細書で使用する場合、用語「予防する」、「予防すること」、及び「予防」は、本明細書に提供される治療法又は治療法の組み合わせ(例えば、予防薬又は治療薬の組み合わせ)の投与から結果として生じる、FLT仲介性疾患及び/又はそれに関連する症状の発達、再発、発症、又は転移の全体的な阻害又は部分的な阻害を指す。
本明細書で使用する場合、用語「予防薬」は、対象におけるFLT3仲介性疾患(例えば、ALL又はAMLなどの白血病)及び/又はそれに関連する症状の発達、再発、発症、又は転移を全体的に又は部分的に阻害することのできる任意の薬剤を指す。ある実施態様において、用語「予防薬」は、AC220など、FLT3のリン酸化のアンタゴニストを指す。好ましくは、予防薬は、FLT3仲介性疾患及び/又はそれに関連する症状を予防し、あるいはFLT3仲介性疾患の及び/又はそれに関連する症状の発症、発達、進行、及び/又は重症度を妨げるために有用であることが公知である、又は使用された若しくは現に使用されている薬剤である。
用語「受容体チロシンキナーゼ」は、活性状態で、ポリペプチド基質又はタンパク質基質においてヌクレオチド三リン酸(しばしばATP)のγ-リン酸からチロシン残基へと転移する細胞内タンパク質チロシンキナーゼドメインを有する細胞表面受容体を指す。
用語「再発した」は、治療法の後に癌の寛解を有した対象又は哺乳類が、癌細胞の回復を有する状態を指す。
本明細書で使用する場合、用語「対象」及び「患者」は、交換可能に用いられる。本明細書で使用する場合、対象は好ましくは、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)又は霊長類(例えば、サル及びヒト)などの哺乳類であり、最も好ましくはヒトである。一実施態様において、対象は、FLT3仲介性疾患(例えば、ALL又はAMLなどの白血病)を有する哺乳類、好ましくはヒトである。別の実施態様において、対象は、FLT3仲介性疾患を発達させる危険のある哺乳類、好ましくはヒトである。
本明細書で使用する場合、用語「タグ」又は「標識」は、交換可能に用いられており、抗FLT3抗体、並びに抗pFLT3抗体、抗ホスホチロシン抗体、及び/又はストレプトアビジンなどの抗体、それらの抗原結合断片、又は本明細書に提供される方法において用いられる他のポリペプチドに付着する任意の種類の部分を指す。ある実施態様において、標識は、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルである。抗体又はタグに関する用語「検出可能な」若しくは「検出」は、可視化することのできる任意の抗体若しくはタグを指し、又はここで、抗体若しくはタグの存在は、さもなければ、決定及び/若しくは測定することができる(例えば、定量による。)。検出可能なタグに関する制限のない例には、蛍光タグ又は他の化学発光タグ、並びにPCRを用いて増幅及び定量化することのできるタグが含まれる。ある実施態様において、本明細書に提供される方法において使用される第二の抗体は、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルを用いて標識したストレプトアビジンなど、標識済みストレプトアビジンとの組み合わせで使用されるビオチン化二次抗体である。
本明細書で使用する場合、「治療薬」は、FLT3仲介性疾患(例えば、ALL又はAMLなどの白血病)及び/又はそれに関連する症状の治療、管理、又は寛解において使用することのできる任意の薬剤を指す。ある実施態様において、用語「治療薬」は、本発明の抗体を指す。ある他の実施態様において、用語「治療薬」は、AC220など、FLT3リン酸化のアンタゴニストを指す。好ましくは、治療薬は、FLT3仲介性疾患又はそれに関連する1つ以上の症状の治療、管理、又は寛解に有用であることが公知である、又は使用された、若しくは現に使用されている薬剤である。
任意の2つ以上の単一の治療法の相加的な効果よりも効果的である治療法の併用(例えば、予防薬又は治療薬の使用)。例えば、予防薬及び/又は治療薬の併用の相乗的な効果によって、FLT3仲介性疾患(例えば、ALL又はAMLなどの白血病)を有する対象に該薬剤の1つ以上をより低い薬用量で、及び/又はより頻度の少ない投与で使用することができる。より低い薬用量の予防的治療法若しくは治療的治療法を利用する能力、及び/又は該治療法をより低頻度で投与する能力は、FLT3仲介性疾患の予防、管理、治療、又は寛解における該治療法の有効性を低下させることなく、対象に該治療法を投与することと関連した毒性を低下させる。加えて、相乗的な効果は、FLT3仲介性疾患の管理、治療、又は寛解における治療法の高い有効性を結果として生じることができる。最終的に、治療法(例えば、予防薬又は治療薬)の併用の相乗効果は、任意の単一の治療法の使用と関連した有害な又は望ましくない副作用を回避又は低下させ得る。
本明細書で使用する場合、用語「治療法」は、FLT3仲介性疾患(例えば、ALL又はAMLなどの白血病)の予防、管理、治療、及び/又は寛解において使用することのできる任意のプロトコール、方法、及び/又は薬剤を指す。ある実施態様において、用語「治療法(therapies)」及び「治療法(therapy)は、FLT3仲介性疾患の予防、管理、治療、及び/又は寛解において有用な生物学的治療法、支持療法、及び/又は医療従事者などの当業者に公知の他の治療法を指す。
本明細書で使用する場合、用語「治療する」、「治療」、及び「治療すること」は、AC220などのFLT3リン酸化のアンタゴニストなどの1つ以上の予防薬又は治療薬の投与を含むがこれに限定されない1つ以上の治療法の投与から結果として生じるFLT3仲介性疾患(例えば、ALL又はAMLなどの白血病)の進行、重症度、及び/又は持続期間の低下又は寛解を指す。
図1は、患者Cについての免疫沈降/ウェスタンイムノブロット(IP/ウェスタンブロット)アッセイによって得られた結果の種類を示す。IP/ウェスタンブロットを実施して、AC220治療法を受けている患者由来の血液試料におけるpFLT3及び総FLT3のレベルを検出した。
図2A〜図2Cは、AC220による治療後に患者Aに存在するpFLT3の量を24時間経時的に示す(4時間、6時間、及び9時間の時点については、データは示されていない。)。本発明の方法を用いて、インビボ試料におけるpFLT3レベルを決定した。(A)初期比を100%に設定した、患者Aから採血した血液試料におけるpFLT3対総FLT3の比における24時間の経時的な傾向。(B)インビボでのMSD ELISAの読み出しを用いるpFLT3レベルの測定、(C)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いた総FLT3レベルの測定結果。
図3A〜図3Cは、AC220による治療後の患者Bに存在するpFLT3の量を24時間経時的に示す。(A)初期比を100%に設定した、AC220による治療周期の1日目、8日目、及び15日目の患者Bから採血した血液試料におけるpFLT3対総FLT3の比における傾向。(B)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いたpFLT3レベルの測定結果、(C)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いた総FLT3レベルの測定結果。
図4A〜図4Cは、AC220による治療後の患者Cに存在するpFLT3の量を24時間経時的に示す(4時間、6時間、及び9時間の時点については、データは示されていない。)。インビボ試料におけるpFLT3レベルは、本発明の方法を用いて決定した。(A)出血前(投与前)、投与2時間後、及び投与24時間後の患者Cから採血したpFLT3対総FLT3の比における傾向。(B)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いたpFLT3レベルの測定結果。(C)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いた総FLT3レベルの測定結果。
図5は、AC220による治療後の患者Dに存在するpFLT3の量を24時間経時的に示す(4時間、6時間、及び9時間の時点については、データは示されていない。)。インビボ試料におけるpFLT3レベルは、本発明の方法を用いて決定した。(A)出血前(投与前)、並びに投与2時間後及び24時間後の患者Cから採血した血液試料におけるpFLT3対総FLT3の比における傾向。(B)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いたpFLT3レベルの測定結果。(C)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いた総FLT3レベルの測定結果。
図6は、芽細胞絶対計数とpFLT3レベル又は総FLT3レベルの相関を示す。「Pb」は、末梢血を指す。(A)AC220治療を受けている45名の臨床患者のうちの芽細胞絶対計数(1マイクロリットルあたり千個(1000個/μL)における。)と総FLT3レベルの相関。(B)AC220治療を受けている45名の臨床患者のうちの芽細胞絶対計数(1マイクロリットルあたり千個(1000個/μL)における)とpFLT3レベルの相関。インビボ試料におけるpFLT3レベルは、本発明の方法を用いて決定した。
図7は、pFLT3阻害と%末梢芽細胞減少の相関を示す。
図8A〜図8Bは、FLT3‐ITD遺伝子型同定状態と総FLT3発現の間の相関を示す。(A)AC220治療を受けている34名の臨床患者のうちの相関。(B)AC220治療を受けている34名の臨床患者のうちのFLT3‐ITD遺伝子型同定状態と総(tFLT3)発現の間の相関。インビボ試料におけるpFLT3レベルは、本発明の方法を用いて決定した。
図9は、マウスが10mg/kgの経口投与AC220を受けたMV4:11マウス腫瘍異種移植実験から抽出した腫瘍試料において測定したpFLT3及び総FLT3のレベルを示す。(A)pFLT3レベル及び(B)FLT3レベルであり、それぞれ、4個体の未処理のマウスにおける三つ組で試験したものである。(C)pFLT3レベル及び(D)FLT3レベルであり、それぞれ、4個体の未処理のマウスにおける三つ組で試験した投与2時間後の時点のものである。インビボ試料におけるpFLT3レベルは、本発明の方法を用いて決定した。
図10A〜図10Cは、AC220による治療後の患者Eに存在するpFLT3のレベルを24時間経時的に示す。(A)出血前(投与前)、並びに投与2時間後及び24時間後の患者Cから採血した血液試料におけるpFLT3対総FLT3の比における傾向。(B)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いたpFLT3レベルの測定結果。(C)インビボでのMSD ELISA読み出しを用いた総FLT3レベルの測定結果。
図11A〜図11Bは、2つの異なる総Flt3捕捉抗体(R&D MAB8121対Santa Cruz SC479)由来のMSD ELISAシグナル(y軸)の比較を示す。
図12A〜図12Bは、FLT3についてR&D総捕捉抗体MAB8121を用いる2つの異なる総検出抗体(R&D MAB812対Santa Cruz SC479)由来のMSD ELISAシグナル(y軸)の比較を示す。
図13A〜図13Dは、血中のMV4:11細胞の用量設定―正常血から総FLT3及びホスホFLT3を検出するためのIP/ウェスタン(A、B)対MSD ELISA(C、D)の感度を示す。
図14A及びBは、異なる量のpFLT3産生MV4:11細胞で用量設定した正常血試料のpFLT3及びtFLT3 IPウェスタンブロットを示す。図14のC及びDは、Odyssey赤外撮像システムを用いたtFLT3及びpFLT3 IPウェスタンブロットシグナルの定量を示す。
図15は、SC479を用いて総FLT3を捕捉するAC220によるpFLT3シグナルの阻害を示す。
図16は、R&D抗体(MAB8121)を用いて総FLT3を捕捉するAC220によるpFLT3シグナルの阻害を示す。
図17A〜図17Bは、SC479対R&D捕捉抗体(MAB8121)を用いるDMSO/1μM AC220 pTyr阻害の動的範囲の比較を示す。
図18は、pFLT3 MSD ELISAアッセイから生じた、選択された数のFLT3阻害剤について生じたIC50を示す。
図19は、構成的活性型pFLT3の源としてのMV4:11(ITD)細胞、又はリガンド活性化型野生型pFLT3の源としてのRS4:11のいずれかを用いたpFLT3 MSD ELISAアッセイから生じたFLT3阻害剤について生じたIC50を示す。
図20は、pFLT3レベルにおける25%超(上のグラフ)、50%超(中央のグラフ)、又は75%超(下のグラフ)の低下に到達したAC220第I相試験における各コホートに属する患者の百分率を示す(ここで、x軸は、各コホートにおけるAC220の用量を示す)。インビボ試料におけるpFLT3レベルは、本発明の方法を用いて決定した。
(詳細な説明)
試料、例えば、患者の血液試料又は組織試料などのインビボ試料におけるヒトpFLT3及び総FLT3の存在を検出する方法が本明細書に提供される。本明細書に提供される典型的なアッセイは、固相酵素免疫検定法(ELISA)、例えばサンドイッチELISAである。また、試料におけるFLT3リン酸化を検出する方法も本明細書に提供される。さらに、FLT3活性化突然変異を有する患者を診断する方法が提供される。また、ヒトFLT3リン酸化のアゴニスト又はアンタゴニストである試験化合物を同定する方法も提供される。さらに、患者におけるヒトFLT3リン酸化を増大、低下、又はさもなければ調節する試験化合物の有効性を決定する方法が提供される。また、該方法を実施するキットも提供される。
本明細書に記載されたある方法は、ヒトpFLT3の存在についてインビボ試料を検討するために応用されてもよく、該インビボ試料におけるFLT3の1つ以上のチロシン残基(例えば、589、591、597、599、726、842、及び955)におけるFLT3のリン酸化は、疾患の予後又は治療に対する応答を予測するための診断値及び/又は予後値を有する。
本明細書に提供されるある他の方法は、診断又は予後のいずれかにおいて臨床的に用いられるべき広範な応用を有している。このような応用には、インビボ試料におけるFLT3リン酸化を検出すること、患者治療選択のための治療の助けとして、FLT3活性化突然変異、例えば、FLT‐ITD突然変異を有する患者を診断すること、及び患者、例えば、ALL又はAMLなどの白血病を有する患者におけるFLT3仲介性の疾患若しくは障害、又はそれらの症状の状態をモニターすることが含まれるが、これらに限定されない。
従って、一態様において、試料、例えばインビボ試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物)におけるpFLT3の存在を検出する方法であって、(a)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3又はホスホチロシンエピトープに免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する;(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、ヒトpFLT3を有さない対照試料と比較した、該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試料におけるヒトpFLT3の存在を示す、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化抗ホスホロチロシン抗体であり、前記方法はさらに、第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含み、ここで、標識済みストレプトアビジンは、ECLによって任意に検出される。ある実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、アッセイからの結果を提供することを含む。他の実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、治療上の選択肢を提供することを含む。
ある実施態様において、前記方法はさらに、試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物)における総FLT3を検出することを含む。例えば、ある実施態様において、試料は、2つの部分に分けることができ、試料の第一の部分は、先に記載したなど、pFLT3の存在についてアッセイされ、試料の第二の部分は、工程(c)における検出可能な抗pFLT3抗体を検出可能な抗総FLT3二次抗体に置き換えることによって、総FLT3の存在についてアッセイされ、ここで、検出可能な抗総FLT3二次抗体は、第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する。一実施態様において、抗総FLT3二次抗体は、ウサギ又はヤギなど、ヒト以外の種の抗総FLT3ポリクローナル抗体である。いくつかの実施態様において、抗総FLT3二次抗体はビオチン化され、次いで標識済みストレプトアビジンと接触する。これらの実施態様において、総FLTに関する存在するpFLT3の百分率は、以下の通り算出できる:(pFLT3の量/総FLT3の量)×100%。
第二の態様において、試料、例えばインビボ試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物)におけるFLT3のリン酸化を検出する方法であって:(a)前記試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体がヒトpFLT3又はホスホチロシンエピトープに免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する;(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した該第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、pFLT3を有さない対照試料と比較した、該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試料におけるFLT3リン酸化を示す、前記方法が本明細書に提供される。
ある実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化抗ホスホロチロシン抗体であり、前記方法はさらに、第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含み、ここで、標識済みストレプトアビジンは、ECLによって任意に検出される。ある実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人にアッセイからの結果を提供することを含む。他の実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に治療上の選択肢を提供することを含む。
本明細書に提供されるさらに他の方法は、薬剤発見のために使用して、FLT3活性を調節するのに有用な化合物を同定することができる。このような方法には、ヒトFLT3リン酸化のアゴニストである試験化合物を同定すること、ヒトFLTリン酸化のアンタゴニストである試験化合物を同定すること、及び患者におけるヒトFLT3リン酸化を増大、低下、又はさもなければ調節する試験化合物の有効性を決定することが含まれるが、それらに限定されない。さらに別の実施態様において、所定の試料に存在するpFLT3及びtFLT3を同時に検出する方法であって:(a)該試料を、ヒトFLT3に免疫特異的に結合する、多重ウェルプレートの第一及び第二のウェルに固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該第一のウェルに含まれる試料を、ヒトFLT3エピトープに免疫特異的に結合する検出可能な抗FLT3抗体と接触させること、ここで、該抗FLT3抗体が第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに結合する;(d)第二のウェルに含まれる試料を、リン酸化型のFLTT3又はホスホチロシンエピトープに免疫特異的に結合する検出可能な抗pFLT3抗体と接触させること、ここで、該検出可能な抗pFLT3抗体は、該第一の抗体とは異なるエピトープに免疫特異的に結合する;及び(e)第一及び第二のウェルにおける検出可能な抗体の存在を同時に検出又はさもなければ測定することを含む、前記方法が、本明細書に提供される。さらに別の実施態様において、前記方法はさらに、pFLT3シグナル対tFLT3シグナルの比として検出されるpFLT3シグナルを報告することを含む。一実施態様において、第一の抗体は、ヒトFLT3の細胞外ドメインに存在するエピトープに免疫特異的に結合する抗体である。別の実施態様において、抗pFLT3抗体は、ホスホチロシンエピトープに免疫特異的に結合する。
第三の態様において、FLT3活性化突然変異を有する患者を診断する方法であって:(a)患者由来の試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、リン酸型のヒトpFLT3又はホスホチロシンエピトープに免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する;(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出又はさもなければ測定することを含む、前記方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、pFLT3を欠失する第二の試料と比較して、試料に結合した第二の抗体の存在は、患者におけるFLT3活性化突然変異の存在と相関している。いくつかの実施態様において、前記方法はさらに、(f)検出された第二の抗体の量を確率表と比較し、FLT3活性化突然変異を有する患者の確率を、検出された第二の抗体の量に割り当て、それにより患者がFLT3活性化突然変異と診断され又は診断されない(例えば、実施例8参照)。ある実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人にアッセイからの結果を提供することを含む。他の実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に治療上の選択肢を提供することを含む。一実施態様において、患者は、FLT3仲介性疾患若しくは障害、又はそれらの症状を有する。他の実施態様において、FLT3仲介性疾患又は障害は、AML又はACLなどの白血病である。さらに他の実施態様において、患者は、FLT3‐ITD突然変異など、FLT3活性化突然変異から結果として生じるFLT3仲介性疾患又は障害を有する。ある実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化抗ホスホロチロシン抗体であり、前記方法はさらに、第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含み、ここで、標識済みストレプトアビジンは、ECLによって任意に検出される。
ある実施態様において、低分子阻害剤など化合物又は他の治療薬とともにFLT3治療法についての適格性について患者を分類する方法であって:(a)患者由来の試料を提供すること;(b)試料におけるpFLT3の量を決定すること(例えば、本明細書に提供される方法を用いる。);及び(c)試料におけるpFLT3の量に基づいてFLT3治療法を受けることが適格であるとして患者を分類することを含む、前記方法が、本明細書に提供される。具体的な実施態様において、決定工程(b)は、本明細書に提供されるELISA法を用いて実施される。一実施態様において、化合物は、AC220などのFLT3低分子阻害剤である。
第四の態様において、ヒトFLT3リン酸化を活性化させる試験化合物、又はさもなければFLT3アゴニストである試験化合物を同定する方法であって:(a)該試験化合物の存在下及び不在下で、ヒトFLT3を含む試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物)を接触させること;(b)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること(例えば、化合物がFLT3と接触することができるのに十分な時間の後);(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する;(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、該試験化合物の不在下の該試料に結合した第二の抗体の量と比較した、該試験化合物の存在下の該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試験化合物がヒトFLT3リン酸化を活性化させることを示す、前記方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化抗ホスホロチロシン抗体であり、前記方法はさらに、第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含み、ここで、標識済みストレプトアビジンは、ECLによって任意に検出される。いくつかの実施態様において、試験化合物は、複数の試験化合物のうちの1つであり、ここで、試験化合物のうちの少なくとも2つは互いに異なる。いくつかの実施態様において、複数の試験化合物は、1〜100,000の試験化合物、1〜35,000の試験化合物、1〜10,000の試験化合物、1〜1000の試験化合物、1〜100の試験化合物、又は1〜10の試験化合物を含む。
第五の態様において、ヒトFLT3リン酸化を阻害する試験化合物、又はさもなければFLT3アンタゴニストである試験化合物を同定する方法であって:(a)該試験化合物の存在下及び不在下で、ヒトFLT3を含む試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物)を接触させること;(b)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること(例えば、化合物がFLT3と接触することができるのに十分な時間の後);(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホロチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する;(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、試験化合物の不在下の試料に結合した第二の抗体の量と比較した、試験化合物の存在下の該試料に結合した第二の抗体の量の減少が、該試験化合物が、ヒトFLT3リン酸化を阻害することを示す、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、第二の抗体はビオチン化抗ホスホロチロシン抗体であり、前記方法はさらに、第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含み、ここで、標識済みストレプトアビジンは、ECLによって任意に検出される。いくつかの実施態様において、試験化合物は、複数の試験化合物のうちの1つであり、ここで、試験化合物のうちの少なくとも2つは互いに異なる。いくつかの実施態様において、複数の試験化合物は、1〜100,000の試験化合物、1〜35,000の試験化合物、1〜10,000の試験化合物、1〜1000の試験化合物、1〜100の試験化合物、又は1〜10の試験化合物を含む。
本明細書に提供されるある他の方法を用いて、AMLなどのFLT3仲介性疾患を有する患者が、治療法にどのように応答しているかを観察又はさもなければモニターしてよい。このような情報を用いて、例えば、患者のための至適な方法、用量、又は治療についてより良好な決定を下すことができる。例えば、これらの方法は、対象がAMLを有するものとして既に診断されており、かつおそらく該疾患についての治療を経験している場合に適用可能であり、本明細書に提供される方法を採用して、FLT3リン酸化の又はその治療の進行をモニターする。加えて、該方法によって得られた情報を用いて、FLT3阻害剤治療法に適した患者を選択してもよい。ある実施態様において、本明細書の方法は、FLT3活性化突然変異(例えば、FLT3‐ITD)を有する患者の結果であるFLT3仲介性疾患を含むFLT3仲介性疾患又はその症状(例えば、AML若しくはALLなどの白血病)を有する患者又は有すると疑われる患者の治療とともに使用される。すなわち、ある実施態様において、本明細書に提供されるアッセイ方法を用いて、FLT3阻害剤(例えば、AC220)などのFLT3治療薬を投与された(又は投与されるであろう)患者におけるpFLT3レベルをモニター又はさもなければ追跡する。本明細書に提供されるアッセイ方法を用いて、時間効率が良く費用効果の良い様式で、患者のpFLT3状態を追跡又はさもなければモニターすることができる。
従って、第六の態様において、患者におけるヒトFLT3リン酸化を阻害又は低下させる化合物の有効性を決定又はモニターする方法であって:(a)該化合物を該患者に投与すること;(b)該患者由来の試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること(例えば、化合物がFLT3と接触することができるのに十分な時間の後);(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する;(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、該化合物の投与前など異なる(早期又は後期の)時点の患者由来の第二の試料と比較して、該試料に結合した第二の抗体の量の減少が、該患者におけるヒトFLT3リン酸化を低下させるための化合物の有効性を示す、前記方法が本明細書に提供される。一実施態様において、試験試料は、第二の試料と同時に又は並行して処理される。他の実施態様において、試料は、異なる回数で連続して処理される。一実施態様において、ヒトFLT3リン酸化は、FLT3‐ITD突然変異などのFLT3活性化突然変異の結果である。ある実施態様において、試料は、ヒト患者由来の血液、ヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄である。ある実施態様において、化合物は、AC220、CEP‐701、PKC‐412、MLN518、ソラフェニブ、スニチニブ、KW‐2449、AP‐24534、又はCHIR‐258などのFLT3阻害剤である。
ある実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、アッセイからの結果を提供することを含む。他の実施態様において、方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、治療上の選択肢を提供することを含む。一実施態様において、患者は、FLT3仲介性疾患若しくは障害、又はそれらの症状を有する。他の実施態様において、FLT3仲介性疾患又は障害は、AML又はACLなどの白血病である。さらに他の実施態様において、患者は、FLT3‐ITD突然変異など、FLT3活性化突然変異から結果として生じるFLT3仲介性疾患又は障害を有する。ある実施態様において、化合物は、FLT3リン酸化のアンタゴニスト、例えば、AC220である。ある実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化抗ホスホロチロシン抗体であり、前記方法はさらに、第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含み、ここで、標識済みストレプトアビジンは、ECLによって任意に検出される。いくつかの実施態様において、前記方法を用いて、患者由来の試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物など)におけるpFLT3レベルを1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、4週間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間又はそれより長い期間の経過にわたって、前記治療法による治療の前、途中、及び/又は後など、経時的に測定することによって、所定のFLT3治療法に対する患者の応答性をモニター又はさもなければ追跡する。
第七の態様において、FLT3仲介性疾患又はその症状を予防、治療、又はさもなければ管理する方法であって:(a)化合物又は他の治療法を患者に投与すること;(b)該患者由来の試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物など)を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と(例えば、化合物がFLT3と接触できるのに十分な時間の後)接触させること;(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する;(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、ここで、該化合物の投与前の患者由来の対照試料と比較して、該試料に結合した第二の抗体の量の減少が、該患者におけるヒトFLT3リン酸化を低下させるための化合物の有効性を示す、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、アッセイからの結果を提供することを含む。他の実施態様において、方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、治療上の選択肢を提供することを含む。一実施態様において、患者は、FLT3仲介性疾患若しくは障害、又はそれらの症状を有する。他の実施態様において、FLT3仲介性疾患又は障害は、AML又はACLなどの白血病である。さらに他の実施態様において、患者は、FLT3‐ITD突然変異など、FLT3活性化突然変異から結果として生じるFLT3仲介性疾患又は障害を有する。ある実施態様において、化合物は、FLT3リン酸化を阻害し又はさもなければ、FLT3リン酸化のアンタゴニストである。ある実施態様において、化合物は、AC220、CEP‐701、PKC‐412、MLN518、ソラフェニブ、スニチニブ、KW‐2449、AP‐24534、又はCHIR‐258などのFLT3阻害剤である。
ある実施態様において、患者は、化合物に加えて抗癌治療法を受けている。一実施態様において、抗癌治療法は代謝拮抗薬である。別の実施態様において、抗癌治療法は、フルダラビン、クロファリビン、シトシンアラビノシド、ara-c、及び5-アザシチジンである。ある実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化抗ホスホロチロシン抗体であり、前記方法はさらに、第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含み、ここで、標識済みストレプトアビジンは、ECLによって任意に検出される。いくつかの実施態様において、前記方法を用いて、患者由来の試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物)におけるpFLT3レベルを24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、4週間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間又はそれより長い期間の経過にわたって、前記治療法による治療の前、途中、及び/又は後など、経時的に測定することによって、所定のFLT3治療法に対する患者の応答性をモニター又はさもなければ追跡する。いくつかの実施態様において、治療は、治療後の試料におけるpFLT3レベルが、治療の開始前の試料におけるpFLT3レベルよりも低い場合に続行される。あるいは、他の実施態様において、治療は、治療後の試料におけるpFLT3レベルが治療の開始前の試料におけるpFLT3レベルよりも高い場合に終止する。別の実施態様において、血液又は血漿などの患者試料において測定されたpFLT3レベルを用いて、治療の経過の開始時に患者に与えられるべき薬剤の用量を決定し、又は治療の経過途中に薬剤の用量を調整する。
一実施態様において、FLT3仲介性疾患又はその症状を予防及び/又は管理する方法であって:(a)化合物を患者に投与すること;(b)患者由来の試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と(例えば、化合物がFLT3に接触できるのに十分な時間の後で)接触させること;(c)結合していない試料を除去すること;(d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する;(e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;ここで、試料に結合した第二の抗体の量における減少;及び(g)工程(a)又は工程(b)の前に患者から採取した試料において検出された第二の抗体の量を比較することを含み、それにより工程(f)において検出された第二の抗体の量に減少がある場合、患者は治療を続行し、工程(f)において検出された抗体の量に増加がある場合、患者は治療を終止する、前記方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、アッセイからの結果を提供することを含む。他の実施態様において、方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、治療上の選択肢を提供することを含む。一実施態様において、患者は、FLT3仲介性疾患若しくは障害、又はそれらの症状を有する。他の実施態様において、FLT3仲介性疾患又は障害は、AML又はACLなどの白血病である。さらに他の実施態様において、患者は、FLT3‐ITD突然変異など、FLT3活性化突然変異から結果として生じるFLT3仲介性疾患又は障害を有する。ある実施態様において、化合物は、FLT3リン酸化を阻害し又はさもなければ、FLT3リン酸化のアンタゴニスト、例えば、AC220である。ある実施態様において、患者は、化合物に加えて抗癌治療法を受けている。一実施態様において、抗癌治療法は代謝拮抗薬である。別の実施態様において、抗癌治療法は、フルダラビン、クロファリビン、シトシンアラビノシド(cytosine arabinoside)、シトシンアラビノシド、ara‐c及び5-アザシチジンである。ある実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化抗ホスホロチロシン抗体であり、前記方法はさらに、第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含み、ここで、標識済みストレプトアビジンは、ECLによって任意に検出される。いくつかの実施態様において、前記方法を用いて、患者由来の試料(血液、血液溶解物、血漿、髄液、脳液、又は骨髄吸引物)におけるpFLT3レベルを24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、4週間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間又はそれより長い期間の経過にわたって、前記治療法による治療の前、途中、及び/又は後など、経時的に測定することによって、所定のFLT3治療法に対する患者の応答性をモニター又はさもなければ追跡する。いくつかの実施態様において、治療は、治療後の試料におけるpFLT3レベルが、治療の開始前の試料におけるpFLT3レベルよりも低い場合に続行される。あるいは、他の実施態様において、治療は、治療後の試料におけるpFLT3レベルが治療の開始前の試料におけるpFLT3レベルよりも高い場合に終止する。別の実施態様において、血液又は血漿などの患者試料において測定されたpFLT3レベルを用いて、治療の経過の開始時に患者に与えられるべき薬剤の用量を決定し、又は治療の経過途中に薬剤の用量を調整する。ある実施態様において、化合物は、AC220、CEP‐701、PKC‐412、MLN518、ソラフェニブ、スニチニブ、KW‐2449、AP‐24534、又はCHIR‐258などのFLT3阻害剤である。
第八の態様において、患者のインビボ試料(血液、血液溶解物、又は骨髄など)に存在するpFLT3の量を検出することと、FLT3活性化突然変異、例えば、FLT3‐ITD突然変異を有する試料に存在するpFLT3の量に相当するものとして存在するpFLT3の量を同定することとを含む、FLT3活性化突然変異、例えば、FLT3‐ITD突然変異を有する患者を診断する方法が、本明細書に提供される。別の実施態様において、患者のインビボ試料(血液、血液溶解物、又は骨髄など)に存在するpFLT3の量を定量化することを含む、FLT3仲介性疾患を有する患者を診断する方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、決定は、患者から直接試料を用いて実施し、すなわち、方法の前にいずれの試料加工も実施しない。別の実施態様として、FLT3仲介性血液学的悪性腫瘍を診断する方法であって:(a)患者由来の試料(血液、血液溶解物、血漿、又は骨髄)を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する;(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含む、前記方法が本明細書に提供される。第八の態様において、FLT3仲介性血液学的悪性腫瘍を診断する方法であって:(a)患者由来の試料(血液、血液溶解物、血漿、又は骨髄)を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する;(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること、又はさもなければ該第二の抗体の量を測定すること;を含む、前記方法が本明細書に提供される。ある実施態様において、pFLT3を欠失する第二の試料と比較した、試料に結合した第二の抗体の量の増加は、FLT3仲介性血液学的悪性腫瘍の存在と相関する。いくつかの実施態様において、前記方法はさらに、(f)検出された第二の抗体の量を確率表と比較し、FLT3仲介性血液学的悪性腫瘍を有する患者の確率を、検出された第二の抗体の量に割り当てることを含み、それにより患者は、血液学的悪性腫瘍と診断され又は診断されない(例えば、実施例8参照)。ある実施態様において、本明細書に開示されたFLT仲介性疾患を検出する種々の方法から得られた診断は、齢、性別、芽細胞計数又は%芽細胞計数、ヘモグロビン又は赤血球細胞計数、リンパ球又は白血球細胞計数、血小板計数、ラクトース脱水素酵素レベル、細胞遺伝学(例えば、染色体異常)、FLT3 ITD又はFLT3 TKD突然変異状態を含むFLT3遺伝子型状態、MLL‐PTD、CEBP1、又はNPM1などの他のAML関連予後突然変異状態、生検からの他の診断結果、フローサイトメトリー、ELISA及びFISHなどの免疫組織化学、フランス‐米国‐英国(FAB)分類に従った白血病又は骨髄異形成障害、及び世界保健機構(WHO)分類に従った白血病又は骨髄異形成障害の診断、及び遺伝子発現特性から同定される他の予後サブクラスから選択される1つ以上の追加的な予後/診断因子、を考慮する予後又は診断スコア化システムの一部として用いてもよい。例えば、国際予後スコア化システム(IPSS)と呼ばれるMDSの重度を等級分けする近年開発されたシステムは、以下の3つの因子の合計を用いる:骨髄に現れる芽細胞の百分率;細胞遺伝学的知見及び血液細胞計数;患者の疾患の危険の点における、又は言い換えれば、予後の標識として用いられる該疾患をスコア化すること。一実施態様において、本発明に開示された方法から得られるFLT3仲介性疾患の診断又は高い芽球数計数、又はそれに替わるものとして、本明細書に開示された方法から得られるpFLT3の測定結果は、特定のMDS患者の重症度又は予後を示すスコアを割り当てるための第四の因子として用いてもよい。さらに別の実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、予後スコア又は診断スコアを提供することを含む。
第九の態様において、患者のインビボ試料(血液、血液溶解物、又は骨髄)に存在するpFLT3の量を検出することと、高い芽細胞計数を有する試料に存在するpFLT3の量に相当するものとして存在するpFLT3の量を同定することとを含む、高い芽細胞計数を有する患者を診断する方法が、本明細書に提供される。別の実施態様において、患者のインビボ試料(血液、血液溶解物、又は骨髄など)に存在するpFLT3の量を定量化することを含む、高い芽細胞計数を有する患者を診断する方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、決定は、患者から直接試料を用いて実施され、方法が実施される前にいずれの試料も細胞溶解以外の加工をしない。別の実施態様として、高い芽細胞計数を有する患者を診断する方法であって:(a)患者由来の試料(血液、血液溶解物、血漿、又は骨髄など)を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する;(d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含む方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、前記方法はさらに、(f)検出された第二の抗体の量を、検出された第二の抗体の量を具体的な範囲の芽細胞計数に割り当てる相関表と比較することを含み、それにより患者が、範囲内の芽細胞計数を有するものとして診断される。一実施態様において、芽細胞計数は、1マイクロリットルあたり1000個未満である。別の実施態様において、芽細胞計数範囲は、1マイクロリットルあたり1000〜10,000個である。さらに別の実施態様において、芽細胞計数範囲は、1マイクロリットルあたり10,000個を超える。一実施態様において、%芽細胞計数は5%未満である。別の実施態様において、%芽細胞計数範囲は5〜10%である。一実施態様において、%芽細胞計数範囲は11%未満である。別の実施態様において、%芽細胞計数範囲は11〜20%である。別の実施態様において、%芽細胞計数範囲は11〜20%である。別の実施態様において、芽細胞計数範囲は20〜29%である。別の実施態様において、芽細胞計数範囲は21〜30%である。一実施態様において、11%以上の%芽細胞計数は、高い芽細胞計数と考えられる。別の実施態様において、20%以上の%芽細胞計数は、高い芽細胞計数と考えられる。さらに別の実施態様において、30%以上の%芽細胞計数は、高い芽細胞計数と考えられる。芽細胞計数又は%芽細胞計数は、末梢血試料又は骨髄試料によって決定してもよい。
サンドイッチベースのイムノアッセイ法は、当技術分野で十分に確立されている。例えば、米国特許第4,376,119号(Davidら);同第4,016,043号(Schuursら)を参照されたい。本明細書に提供される方法を実施するのに有用であり得る他の関連するイムノアッセイフォーマット及びその変法は、本分野で周知である。一般的に、E.Maggioの文献「Enzvme-Immunoassay(酵素‐イムノアッセイ)」((1980)CRC Press,Inc.,Boca Raton,FL)を参照されたく;また、例えば米国特許第4,727,022号(Skoldら);同第4,659,678号(Forrestら);同第4,376,110号(Davidら)も参照されたい。
本明細書に提供される種々の方法の実施態様において、2つ以上の工程は連続的に実施する。本明細書に提供される方法の他の実施態様において、2つ以上の工程は並行して(例えば、同時に)実施する。
いくつかの実施態様において、FLT3仲介性疾患治療法についての適格性について、例えばFLT3阻害剤を用いて分類する方法であって;(a)患者由来の組織試料を提供すること;(b)例えば、本明細書に提供されるELISA法を用いて、pFLT3の量を決定すること;及び(c)試料におけるpFLT3の量に基づいた治療法を受けることが適格であるとして患者を分類することを含む、前記方法が提供される。
本明細書に提供される方法及びキットに供された試料は、pFLT3を含むことが疑われる任意の生物試料であることができる。いくつかの実施態様において、試料は、インビボ試料、例えば、対象、例えばヒト患者などの患者由来の生物学的液体である。このような生物学的液体に関する制限のない例には、血液(例えば、ヒト末梢血(HPB))、血液溶解物、血清、血漿、微細針吸引物、灌流管(ductal lavage)、髄液、脳液、骨髄、腹水液、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。他の実施態様において、試料は、対象由来の腫瘍組織又は他の身体組織若しくは臓器の薄層の細胞学的試料などの生検組織から採取する。ある実施態様において、試料は、さもなければSmithらの文献((2004)Blood 103:3669‐3676)、Brownらの文献((2006)Leukemia 20:1368‐1376)、De Angeloらの文献((2006)Blood 108:3674‐3681)、Stoneらの文献((2005)Blood 105:54‐60)、及び/又はKnapperらの文献((2006)Blood 108(10):3494-3503)に記載された方法の様な免疫沈降/イムノブロッティング(IP/ウェスタン)法によって、及び/又はRavandiらの文献((2007)Leuk.Res.31:791‐797)、Zhengらの文献((2004)Blood 103:267‐274)に記載されたものなどの免疫沈降/フローサイトメトリー法によって検出不可能なレベルなど、非常に低レベルのFLT3又はpFLT3を含む。
ある実施態様において、インビボ試料は、末梢血試料、腫瘍組織又は腫瘍と疑われる組織、薄層細胞学的試料、微細針吸引試料、骨髄試料、リンパ節試料、尿試料、腹水試料、灌流試料、食道ブラッシング試料、膀胱又は肺洗浄試料、髄液試料、脳液試料、管吸引物試料、乳首分泌試料、胸水貯留試料、新鮮凍結組織試料、パラフィン包埋組織試料、又は末梢血試料、腫瘍組織又は腫瘍と疑われる組織、薄層細胞学的試料、微細針吸引試料、骨髄試料、リンパ節試料、尿試料、腹水試料、灌流試料、食道ブラッシング試料、膀胱又は肺洗浄試料、髄液試料、脳液試料、管吸引物試料、乳首分泌試料、胸水貯留試料、新鮮凍結組織試料、又はパラフィン包埋組織試料のいずれかから作製される抽出物若しくは加工された試料を含む。
ある実施態様において、本発明に呈される方法は、対象又は患者に直接由来する試料を用いて実施される。すなわち、このような実施態様において、前記方法において用いられる試料は、方法が実施される前に細胞溶解以外に加工されず、例えば、分画されたり、精製されたり、濃縮されたり、又は細胞種類に従って分別されたりしない。別の実施態様において、加工されていない試料は、芽細胞を単離するために何ら加工を受けていない試料である。
ある実施態様において、本明細書に呈される方法は、約0.5mgの総試料タンパク質、例えばインビボ試料タンパク質などの生物試料タンパク質を用いて実施される。他の実施態様において、本明細書に呈される方法は、約1.0mg、2.0mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、7.5mg、10.0mg、15.0mg、又は20.0mgの総試料タンパク質、例えばインビボ試料タンパク質などの生物試料タンパク質を用いて実施される。本明細書に提供される方法及びキットの他の実施態様において、試料は、構成的FLT3リン酸化と関連した疾患であるFLT3‐ITD突然変異、又はAML、ALL並びに他の種類の白血病及び癌などのその他のFLT3仲介性疾患を有すると疑われる患者から得られる。さらに別の実施態様において、試料は、野生型FLT3(例えば、RS4:11)又はFLT3‐ITDなどのFLT3突然変異(例えば、MV4:11)を発現する細胞株から調製される。ある実施態様において、試料は、溶解緩衝液に供された血液、骨髄、又は他の細胞若しくは組織であり、試料は、血液溶解物、又はその他の細胞若しくは組織の溶解物の形態である。ある実施態様において、試料は、溶解緩衝液で溶解された後に、−70℃で凍結される。ある実施態様において、試料は、ヘパリンで処理され、溶解された後に、−70℃で凍結される。ある実施態様において、試料は、ヘパリンで処理され、溶解され、新鮮なうちに試験される。ある実施態様において、試料は、溶解され、新鮮なうちに試験される。別の実施態様において、試料は、−70℃で凍結された後に、解凍されると溶解され、次いで試験される。本明細書に提供される方法の具体的な実施態様において、試料は、ヒト血液、又はヒト血液の溶解物、又は患者由来の骨髄吸引物である。本明細書に提供される方法及びキットの具体的な実施態様において、試料は、ヒト血液、ヒト血液の溶解物、骨髄吸引物、あるいはFLT3仲介性疾患若しくは障害又はそれらの症状を有する患者由来の他の生物学的液体又は組織である。いくつかの実施態様において、FLT3仲介性疾患又は障害は、AML又はACLなどの白血病である。他の実施態様において、試料は、ヒト血液、ヒト血液の溶解物、又はFLT3活性化突然変異から結果として生じるFLT3仲介性疾患若しくは障害を有するヒト患者由来の他の生物学的液体若しくは組織である。ある実施態様において、FLT3活性化突然変異は、FLT3‐ITD突然変異である。さらに他の実施態様において、試料は、血液、ヒト血液の溶解物、又はFLT3リン酸化のアンタゴニスト(例えばAC220)など、試験化合物を有するヒト血液、ヒト血液の溶解物、又は他の生物学的液体若しくは組織を投与された若しくは投与されるであろう患者由来の他の生物学的液体若しくは組織である。ある実施態様において、溶解緩衝液は、プロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤カクテル(1×で使用されるPMSF;カタログ番号P7626;及びSigmaカタログ番号11873580001、Roche、1×で使用)を補充された20mMトリス、137nM NaCl、10%グリセロール、1%NP‐40、0.1%SDS、2mM EDTAを含む1×細胞溶解緩衝液である。別の実施態様において、溶解緩衝液は、Complete Protease Inhibitor Cocktail Tablet(カタログ番号11873580001、Roche、1×で使用)及びPhosphatase Inhibitor Cocktail Set II(EMD_Calbiochem #624635、1×で最終使用)を補充された20mMトリス、137nM NaCl、10%グリセロール、1%NP‐40、0.1%SDS、2mM EDTA、0.05M NaFを含む。
本明細書に提供される方法及びキットのある実施態様において、第一の抗体は、ヒトFLT3の細胞外ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸27〜543)に免疫特異的に結合する。具体的な実施態様において、第一の抗体は、ヒトFLT3の未変性形態の細胞外ドメインに免疫特異的に結合する(例えば、マウス抗ヒト総FLT3/Flk‐2捕捉モノクローナル抗体、カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.(Minneapolis,MN))。ある実施態様において、第一の抗体は、膜近傍ドメイン(アミノ酸572〜603、配列番号1の配列)、配列番号1の配列のキナーゼ挿入領域アミノ酸711〜780;配列番号1のアミノ酸の細胞内ドメインアミノ酸564〜993;及びC末端(配列番号1のアミノ酸974〜993)のうちの1つ以上に免疫特異的に結合しない。具体的な実施態様において、第一の抗体はポリクローナル抗体ではない。ある実施態様において、第一の抗体はマウスモノクローナル抗体である。本明細書に提供される方法のいくつかの実施態様において、方法はさらに、第一の抗体を固体表面、例えば、多重ウェルプレートの各ウェルに約0.1μg/mLから約10μg/mLの範囲の濃度で加えることによって、多重ウェルプレートのウェルなどの固体表面に第一の抗体を固定化することを含む。一実施態様において、約0.25ngから約2.5μgの抗体を1ウェルあたりに加える。他の実施態様において、約2.5ngから約250ngの抗体を1ウェルあたりに加える。本明細書に提供される方法及びキットのある実施態様において、約15ngから約240ng(例えば、約15ng、約30ng、約60ng、約120ng、又は約240ng)の第一の抗体が多重ウェルプレートのウェルに固定化される。
いくつかの実施態様において、アッセイ法は、固相アッセイフォーマットを用いて実施される。ある実施態様において、本明細書に提供されるアッセイ法は、ECL検出を採用する固相アッセイ法である。本明細書に提供される方法及びキットの具体的な実施態様において、第一の抗体は固体表面上で固定化される。ある実施態様において、第一の固体は、多重ウェルプレート又は多重ドメイン多重ウェルプレートなど、複数のウェルを有するプレートのウェルにおいて固定化される。多重ウェルアッセイプレートの使用によって、プレートの多重ウェルに分配される多重試料の並行した加工及び分析が可能となる。多重ウェルアッセイプレート(マイクロプレート又はマイクロタイタープレートとしても公知)は、種々の形態、大きさ、及び形状を取ることができる(例えば、96、384、1536、又は9600ウェルプレート;丸底又は平底多重プレート)。本明細書に提供される方法は、標準化されたプレートフォーマットにおいて実施する場合、これらのプレートを保管及び移動するのに容易に利用可能な装備、並びにプレートの内外に液体を迅速に分注するのに容易に利用可能な装備(例えば、多重ウェルピペット、プレート洗浄機など)の利点を取ることができる。本明細書に提供される方法において用いることができる典型的な多重ウェルプレートフォーマットには、96ウェルプレート(12×8アレイのウェル)、384ウェルプレート(24×16アレイのウェル)、及び1536ウェルプレート(48×32アレイのウェル)上に認められるものが含まれる。本明細書に提供される方法において使用してもよい他のフォーマットには、複数のドメインを含む単一の又は多重ウェルプレートが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書に提供される方法及びキットのある実施態様において、多重ウェルプレートのウェルは、統合された電極を含んでおり、好ましくは多重ウェルプレートが電気化学発光(ECL)を支持することができるよう構成された、第一の抗体の固定化のための固体支持体として用いることができる。ある実施態様において、多重ウェルプレートの各ウェルは、多重試料が多重ウェルプレートのウェルにおける多重区域又は多重スポットのうちの1つに各個々に接触できる多重区域又は多重スポットを含む。いくつかの実施態様において、多重ウェルプレートは、プレートの底部にパターン化された炭素インク電極を含む。ある実施態様において、本明細書に提供される方法は、多重プレートにおいて並行に実施される。
標識と表面との結合又は解離(例えば、固相結合アッセイにおいて生じるなど)望ましい又は望ましくないフォーマットで測定することができる。典型的な望ましいアッセイフォーマットにおいて、多重ウェルプレートにおけるウェルの表面(例えば、ECL多重ウェルプレートにおけるウェルの作用電極表面)を洗浄した後に、溶液を(例えば、ECL標識からのECLの誘導のための適切な環境を提供するTPAなどのECL共反応体を含む溶液と)接触させて、結合していない標識済み試薬を除去する。あるいは、典型的な望ましくないアッセイフォーマットにおいて、洗浄工程は省略され、適宜、ECL共反応体などの試薬を添加し、最初に、結合していない標識済み試薬を除去しない。ECL測定の、特に固相アッセイ支持体としての電極の使用を包含する測定における表面選択性によって、ECL測定は、望ましい又は望ましくないフォーマットで実施することができる。望ましいECLアッセイにおいて、ECL測定は、結合相互作用における試薬の解離によるシグナルの損失を回避するために共反応体溶液を添加した後、短い時間内で実施されるべきであることが好ましい。望ましくないアッセイにおいて、タイミングはあまり重要ではなく、なぜなら、遊離リガンドが溶液に残っており、結合平衡状態に及ぼすECL共反応体の添加の効果が小さいからである。この場合、ECL測定は、例えば、シグナル変化がごくわずかでありながら、ECL共反応体溶液の添加の最長約1時間後に実施することができる。
本明細書に提供される方法及びキットは、標識済み二次抗体を利用する。標識は、標識が付着した抗体又は他のタンパク質(例えば、ストレプトアビジン)を直接的に又は間接的に検出するために用いられる物質であることができる。ある実施態様において、標識は、それ自体が抗体若しくはタンパク質であり、又はそれに替わるものとして、標識は、抗体若しくは他のタンパク質に共有結合してよく又は非共有結合してよい。本発明のある実施態様において、標識を用いて、所定の抗体又はタンパク質を追随又は追跡して、その存在又は量を決定する。例えば、標識済み抗体(例えば、ECL標識で標識した抗体)を用いるイムノアッセイを用いて、抗体によって結合した結合パートナー(FLT3又はpFLT3などの分析物)を検出及び決定することができる。
本明細書に提供される方法及びキットのいくつかの実施態様において、例えば、標識の物理的特性又は化学的特性に基づいて直接検出され得る標識を用いる(例えば、光学的吸光度、蛍光、リン光、化学発光、電気化学発光、屈折率、光散乱、放射能、磁性、触媒活性、又は化学反応性)。直接的に検出可能な標識の例にいは、放射性標識、蛍光標識、発光標識、酵素標識、化学発光標識、電気化学発光標識、リン光標識、光散乱粒子若しくは光吸収粒子(例えば、金属粒子、金コロイド、銀コロイド)、磁性標識などが含まれる。
本明細書に提供される方法及びキットの他の実施態様において、直接的に検出可能な標識(例えば、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステル)を含む種(例えば、ストレプトアビジン)との相互作用を介して間接的に検出され得る標識(例えば、ビオチン)を用いる。これらの間接的に検出可能な標識は例えば、直接的に検出可能な標識で標識された結合パートナーに容易に結合することができる結合種である。間接的に検出可能な標識の例には、抗体、抗原、ハプテン、アビジン、ビオチン、ストレプトアビジン、フルオレセイン、核酸配列、核酸類似体配列、エピトープタグ(myc、FLAG、GST、MBP、V5など)、及びジゴキシゲニンなどの結合種が含まれる。具体的な実施態様において、試料における関心対象のタンパク質(例えば、ヒトpFLT3)の測定は、結合対の他のメンバー(例えば、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステル標識済みストレプトアビジン)に付着した検出可能な標識を介した抗pFLT3抗体(例えば、ビオチン化抗ホスホチロシン抗体)の免疫特異的結合によって達成される。このようなアッセイ法において、結合相互作用の数は、固相における標識の蓄積と相関し;この標識の蓄積は、種々の技術(例えば、蛍光標識についての蛍光、酵素標識についての酵素活性、又はECL標識についてのECL)によって測定可能である。具体的な実施態様において、固相は電極材料であり、標識はECL標識であり、標識の蓄積はECL測定を介して測定される。
本明細書に提供される方法及びキットの具体的な実施態様において、固相支持体は、精製、固定化、又はさもなければ固相アッセイを実施するために用いられる。本発明の方法を実施するのに適した固相の例には、ビーズ、粒子、コロイド、単一表面、チューブ、多重ウェルプレート、マイクロタイタープレート、スライド、メンブレン、ゲル、及び電極を含む。固相が特定の材料(例えば、ビーズ)である場合、好ましくは、固相支持体の並行加工を可能にするために多重ウェルプレートのウェルに分配される。本明細書に提供される方法及びキットの具体的な実施態様において、一次捕捉抗体は固相支持体上に、例えば非特異的吸着、共有結合、又は関心対象の一次抗体若しくは他のタンパク質を結合する固定化された捕捉試薬を用いた特異的捕捉によって固定化される。固定化は、固定化された捕捉試薬と結合対を形成する結合種を用いて標識されたタンパク質アッセイ試薬を用いることによって達成してもよい。任意に、抗体を、固相上に固定化し、例えばFLT3又はpFLT3を含むヒト血液試料又はヒト血液溶解物などの試料と接触させ、固相を洗浄する。洗浄工程によって、試料の構成要素に潜在的に干渉する他のものからのFLT3の迅速な精製が可能となる。任意に、試料を例えば、溶解緩衝液で処理した後に分析する。
本明細書に提供される方法及びキットの具体的な実施態様において、固相支持体は、多重ウェルプレートのウェルに統合された電極表面である。このような装置によって、高処理量で高度に並行した様式でECL測定が実施できる。
多重ウェルアッセイプレートは、プレートの1つ以上のウェルに電極を組み込むことができる。また、アッセイ領域(例えば、多重ウェルの所定のウェル)は、追加的な電極を含んでもよい。好ましくは、アッセイ領域(多重ウェルプレートのウェル)における少なくとも1つの電極は、電極誘発性発光(例えば、ECL)アッセイにおける作用電極としての用途に適しており、少なくとも1つの電極は、電極誘発性発光アッセイにおける対向電極としての用途に適している。任意に、(例えば、3電極電気化学システムにおける)基準電極としての用途に適している少なくとも1つの電極がある。電極誘発性発光アッセイにおける作用電極の表面は、一次抗ヒトFLT3捕捉抗体などの1つ以上のアッセイ構成要素の固定化のために用いることができる。本発明の多重ウェルアッセイプレートにおいて用いられる電極は典型的には非多孔性であるが、いくつかの応用において、多孔性電極を用いることは有利である(例えば、炭素ファイバー又は小繊維のマット、焼結した金属、及び濾過膜、紙、又は他の多孔性基質に沈着した金属フィルム)。これらの応用には、以下のために電極を通じての溶液の濾過を採用するものが含まれる:電極表面への質量輸送を増大させること(例えば、電極表面上の分子への溶液における分子の結合の動態を増大させること);電極表面上に粒子を捕捉すること;及び/又はウェルから液体を除去すること。
本明細書に提供される方法及びキットにおいて用いることができる多重ウェルアッセイプレートによって、多重ウェルアッセイプレートの1つ以上のウェルの内側での電極誘発性発光ベースのアッセイの実行が可能となる。多重ウェルアッセイプレートには、プレート上部、プレート下部、ウェル、作用電極、対向電極、基準電極、誘電性材料、電気接続のための接触表面、電極及び接触表面を電気的に接続する導電性通孔、接着剤、アッセイ試薬、マーキング又は標識を同定することを含むいくつかの要素を含んでもよい。プレートのウェルは、プレート上部における孔によって規定されてよく;プレート上部における孔の内壁は、ウェルの壁を規定してよい。プレート下部は、プレート上部に固定することができ(直接的に又は他の構成要素との組み合わせでのいずれかで)、ウェルの下部として機能することができる。いくつかの実施態様において、ウェルには、少なくとも1つの第一の電極がそこに組み込まれており、また、少なくとも1つの第二の電極を含むことができる。具体的な実施態様において、ウェルには、少なくとも1つの作用電極が組み込まれており、また、任意に少なくとも1つの対向電極を含む。ある実施態様によると、作用電極、対向電極、及び任意に基準電極は、ウェル及び/又はチャンバーに組み込まれる。アッセイプレートは好ましくは平らであるが、また、曲がっていてよい(平らではない。)。
具体的な実施態様において、多重ウェルアッセイプレートは、発光測定が実施される速度及び効率を大いに改善する。電極誘発性発光を誘導する能力を多重ウェルアッセイプレートのウェルに直接組み込むことによって、本発明は、従来技術の重要な制限、すなわち、電極誘発性発光ベースの測定を実施することができる別個の機器に(電極誘発性発光試験に必要な特徴を欠失している)標準的な多重ウェルプレートにおけるウェルの内容物を転移させる必要性を克服している。本発明の好ましい実施例において、多重電極誘発性発光(例えば、ECL)試験測定は、同一のプレートの異なるウェルにおいて同時に実施してもよい。このような同時操作は、試料が加工され得る速度を劇的に増大させ、試料の交差混入を除去し、全体的な試験の効率を有意に高め、多重分析物の測定を同時に可能にする。本発明の実施態様が、多重ウェルアッセイプレートの各ウェルへと電極を組み込むので、装置における永久的な再利用可能な測定セルについての必要性を排除し、このことが、装置の経費及び複雑性を有意に減少させる。多重ウェルアッセイプレートにおけるセクタからの発光を測定することによって、装置は、迅速な測定時間及び高い光学的収集効率という望ましい特徴のバランスを取る。
本発明の方法において有用な典型的な多重ウェルプレートは、そのすべての内容が全体として引用により本明細書に組み込まれている米国特許第6,997,722号に記載されている。また、本明細書に提供される方法において有用な多重ウェルプレートは、Meso Scale Discovery(Gaithersburg,MD)から市販されている(例えば、MULTI‐ARRAY(登録商標)又はMULTI‐SPOT(登録商標)プレート)。具体的な実施態様において、このようなプレートにおける電極は、炭素インクなどの炭素混成電極材料を含む。
分析測定のためにECLを用いるいくつかの市販の機器がある。ECLを発光するのに誘導することができる種(ECL活性種)は、ECL標識として用いられてきた。ECL標識の例には下記を含む:(i.)金属が例えば、トリス-ビピリジル-ルテニウム(RuBpy)部分などのRu含有及びOs含有有機金属化合物を含む第VIII群の貴金属に由来する有機金属化合物並びに;(ii.)ルミノール及び関連化合物。ECL加工におけるECL標識に関係する種は、ECL共反応体と呼ばれる。普遍的に用いられる共反応体には、第三級アミン(例えば、米国特許第5,846,485号参照)、オキサラート、及びRuBpy由来のECLのためのペルスルファート、及びルミノール由来のECLのための過酸化水素(例えば米国特許第5,240,863号参照)を含む。ECL標識によって生じた光は、診断手順におけるリポーターシグナルとして用いることができる(例えば、Bardら、米国特許第5,238,808号参照)。例えば、ECL標識は、抗体(例えば、二次抗pFLT3抗体)又はリガンドなどの結合剤に共有結合でき;結合相互作用における結合医薬の関与は、ECL標識から発光されるECLを測定することによってモニターすることができる。あるいは、ECL活性化合物からのECLシグナルは、化学環境を示すかもしれない(例えば、ECL共反応体の形成又は破壊をモニターするECLアッセイを記載する米国特許第5,641,623号参照)。ECL、ECL標識、ECLアッセイ、及びECLアッセイを実施するための機器におけるより多くの背景については、米国特許第5,093,268号;同第5,147,806号;同第5,324,457号;同第5,591,581号;同第5,597,910号;同第5,641,623号;同第5,643,713号;同第5,679,519号;同第5,705,402号;同第5,846,485号;同第5,866,434号;同第5,786,141号;同第5,731,147号;同第6,066,448号;同第6,136,268号;同第5,116,612号;同第5,308,754号;同第5,240,863号;同第6,207,369号、及び同第5,589,136号、並びに国際公開公報第WO99/63347号;同第WO00/03233号;同第WO99/58962号;同第WO99/32662号;同第WO99/14599号;同第WO98/12539号;同第WO97/36931号及び同第WO98/57154号を参照されたく、それらのすべての内容は全体として引用により本明細書に組み込まれている。
市販のECL機器は、別格の性能を示している。該機器は、該機器の優れた感度、動的範囲、精確性、及び複合試料マトリックスの耐性を含む理由のために広範に用いられてきた。市販の機器は、永久的な再利用可能なフローセルを有するフローセルベースの設計を用いる。近年、ECLを誘導するのに用いられている電極上に固定化された試薬を用いるECL機器が開示されている(例えば、米国特許第6,207,369号及び国際公開公報第WO98/12539号)。また、このようなECL測定に適した統合された電極を有する多重ウェルプレートが、近年開示されている(例えば、米国特許第6,977,722号を参照されたく、そのすべての内容は全体として引用により本明細書に組み込まれている。)。本明細書に提供される方法において用いることができる典型的な市販のECLプレート読み取り装置は、例えば、MULTI‐ARRAY(登録商標)又はMULTI‐SPOT(登録商標)多重ウェルプレート(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD)と組み合わせたSECTOR(登録商標)撮像装置(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD)である。
従って、ある実施態様において、本明細書に提供される方法及びキットに供された試料は、MSD ECL検出システム(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD)を用いて検出及び定量化される。具体的な実施態様において、MSDシステムは、電気化学活性化の際に発光するルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステル(例えば、SULFO‐TAG(商標),Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD)標識を採用する。ECL測定は、例えば、米国特許第7,063,946号((Kentenら)(例えば、MULTI‐ARRAY及びMULTI‐SPOT(登録商標)マイクロプレート,MSD))に従って、特別に設計された96ウェル多重ウェル又は多重ドメイン多重ウェルプレートの底部にパターン化されたスクリーン印刷された炭素インク電極を用いて実施することができる。プレートの各ウェルは、パターン化された誘電体層によって規定される電極表面の露出された領域である1、4、7、又は10のアッセイドメイン(ウェルのほぼ中央にある。)を含むパターン化された作用電極を有する。誘電体層は、特定のアッセイドメインに少量の液体を閉じ込めるために用いることができる。また、各ウェルは、2つの対向電極表面も有する(例えば、ウェルのほぼ2つの縁にある。)。炭素電極の表面上の標識からのECLを、撮像プレート読み取り装置を用いて誘導及び測定した(例えば、SECTOR(登録商標)Imager6000及びSECTOR(登録商標)Imager2400,Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD)。
そういうものとして、試料、例えばインビボ試料(例えば、ヒト血液、ヒト血液溶解物、又は他の生物学的液体若しくは組織)におけるヒトpFLT3の存在を検出する方法であって:(a)該試料を、ヒトFLT3の細胞外ドメイン(配列番号1のアミノ酸27〜543)免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること、ここで、第一の抗体が、多重ウェルプレート又は多重ドメイン多重ウェルプレートの底部に炭素インク電極を含む該プレートの上に固定化されている(例えば、MULTI‐ARRAY(登録商標)多重ウェルプレート(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD));(b)結合していない試料を除去すること;(c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、ビオチン化した第二の抗体と標識済みストレプトアビジンとの混合物と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合し、かつ該標識が、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルを含む(例えば、SULFO‐TAG(商標),Meso Scale Discovery(Gaithersburg,MD));(d)結合していない第二の抗体及び結合していない標識済みストレプトアビジンを除去すること;及び(e)該試料に結合した第二の抗体の存在を、該炭素電極の表面の標識済みストレプトアビジンのECLによって検出すること;を含み(例えば、SECTOR(登録商標)Imager6000及びSECTOR(登録商標)Imager2400,Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD);ここで、pFLT3を有さない対照試料と比較して、該試料に結合したより多量の第二の抗体が、該試料におけるヒトpFLT3の存在を示す、前記方法が、本明細書に提供される。ある実施態様において、第一の抗体は、マウス抗ヒト総FLT3/Flk‐2捕捉モノクローナル抗体(カタログ番号MAB8121,R&D System,Inc.(Minneapolis,MN))であり、第二の抗体は、2μg/mLのビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)と2μg/mLのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)との混合物である。
本明細書に提供される方法及びキットにおける使用のための抗体には、合成抗体、モノクローナル抗体、組換え産生抗体、多選択性抗体(二重特異性抗体を含む。)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、細胞内抗体、一本鎖Fvs(scFv)(例えば、単一特異的、二重特異的などを含む。)、ラクダ化抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、ジスルフィド連結したFvs(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び先のいずれかのエピトープ結合断片が含まれるが、これらに限定されない。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法の第一及び/又は第二の抗体は、モノクローナル抗体である。
特に、本明細書に提供される方法及びキットにおける使用のための抗体には、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性のある部分、すなわち、ヒトFLT3、pFLT3、及び/又はホスホチロシンに免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を含む。本明細書に提供される免疫グロブリン分子は、任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、又はサブクラスであることができる。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法の第一及び/又は第二の抗体は、IgG抗体である。
抗体の変異体及び誘導体には、エピトープに特異的に結合する能力を保有する抗体断片を含む。好ましい断片には、Fab断片(抗原結合ドメインを含有し、かつジスルフィド結合によって架橋された軽鎖と重鎖の一部とを含む抗体断片);Fab’(ヒンジ領域を通じてFabと重鎖の追加的な部分とを含む一本鎖抗結合ドメインを含有する抗体断片);F(ab’)2(重鎖のヒンジ領域における鎖間ジスルフィド結合によって連結される2つのFab’分子;Fab’分子は、同じか又は異なるエピトープに向かい得る。);二重特異性Fab(各々が異なるエピトープに向かい得る2つの抗原結合ドメインを有するFab分子);sFvとしても公知の、可変領域を含む一本鎖Fab鎖(10〜25のアミノ酸の鎖によって互いに連結された抗体の単一の軽鎖及び重鎖の可変抗原結合決定領域);ジスルフィド結合したFv、又はdsFv(ジスルフィド結合によって互いに連結された抗体の単一の軽鎖及び重鎖の可変抗原結合決定領域);ラクダ化VH(VH干渉におけるいくつかのアミノ酸が、天然のラクダ抗体の重鎖において認められるものである抗体の単一の重鎖の可変抗原結合決定領域);二重特異性sFv(各々が異なるエピトープに向かい得る2つの抗原結合ドメインを有するsFv分子又はdsFv分子);二重特異性抗体(第一のsFvのVHドメインが、第二のsFvのVLドメインと、かつ第一のsFvのVLドメインが、第二のsFvのVHドメインと会合する場合に形成される二量体化sFv;二重特異性抗体の2つの抗原結合領域は、同じか又は異なるエピトープに向かい得る。);及び三重特異性抗体(二重特異性抗体と同様の様式で形成されるが、3つの抗原結合ドメインが単一の複合体において作られる三量体化sFv;3つの抗原結合ドメインは、同じか又は異なるエピトープに向かい得る。)を含む。また、抗体の誘導体には、抗体結合部位の1つ以上のCDR配列を含む。CDR配列は、2つ以上のCDR配列が存在する場合に、足場の上で互いに連結し得る。ある実施態様において、本発明とともに用いられる抗体は、一本鎖Fv(「scFv」)を含む。scFvは、抗体のVHドメインとVLドメインとを含む抗体断片であり、ここで、これらのドメインは、一本鎖ポリペプチドに存在する。一般的に、scFvポリペプチドはさらに、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成できる、VHドメインとVLドメインの間のポリペプチドリンカーを含む。scFvの総説については、Pluckthunの文献「モノクローナル抗体の薬理学第113巻(The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113)」(Rosenburg及びMoore編,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994))を参照されたい。
本発明の抗体は、鳥類及び哺乳類(例えば、ヒト、マウス、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、又はニワトリ)を含む任意の動物起源に由来し得る。ある実施態様において、本発明の抗体は、ヒトモノクローナル抗体又はヒト化モノクローナル抗体である。本明細書で使用する場合、「ヒト」抗体には、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、及びヒト免疫グロブリンライブラリーから又はヒト遺伝子から抗体を発現するマウスから単離された抗体を含む。
本明細書に提供される方法のある実施態様において、第一の抗体又はその抗原結合断片は、ヒトFLT3の細胞外ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸27〜543)に免疫特異的に結合する。
いくつかの実施態様において、第一の抗体又はその抗原結合断片は、未変性ヒトFLT3の細胞外ドメインなど、未変性形態のヒトFLT3に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される抗体は、ヒトFLT3ポリペプチドの3次元表面特徴であるヒトFLT3エピトープに結合する。エピトープの一因となるヒトFLT3ポリペプチドの領域は、ポリペプチドの連続的なアミノ酸であり得るか又は、エピトープは、ポリペプチドの2つ以上の非連続的な領域から互いに由来し得る。FLT3エピトープは、(a)ヒトFLT3の二量体形態(「二量体FLT3エピトープ」)、(b)ヒトFLT3の単量体形態(単量体FLT3エピトープ)、(c)ヒトFLT3の二量体形態及び単量体形態の両方、(d)ヒトFLT3の二量体形態だが単量体形態ではなく、又は(e)ヒトFLT3の単量体形態だが二量体形態ではなく存在し得る。具体的な実施態様において、第一の抗体は、未変性形態のヒトFLT3の細胞外ドメインにおけるエピトープに免疫特異的に結合する(配列番号1の配列のアミノ酸27〜543)。
例えば、いくつかの実施態様において、エピトープは、二量体(未変性)形態における結合にのみ存在し又は利用可能であるが、抗FLT3抗体による単量体(変性)形態における結合には存在しないか又は利用可能ではない。他の実施態様において、FLT3エピトープは、(例えば、FLT3ポリペプチドの二量体形態又は単量体形態における)線形特徴のFLT3ポリペプチドである。本明細書に提供される抗体は、(a)ヒトFLT3の単量体形態のエピトープ、(b)ヒトFLT3の二量体形態のエピトープ、(c)ヒトFLT3の単量体形態だが二量体形態ではないエピトープ;(d)ヒトFLT3の二量体形態だが単量体形態ではないエピトープ;又は(e)ヒトFLT3の単量体形態及び二量体形態の両方に免疫特異的に結合し得る。
いくつかの実施態様において、第一の抗体又はその抗原結合断片は、ヒトFLT3の膜近傍ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸572〜603)、ヒトFLT3のキナーゼ挿入ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸残基740〜757)、ヒトFLT3の細胞内ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸564〜993)、ヒトFLT3のC末端(配列番号1の配列のアミノ酸974〜993)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上に免疫特異的に結合する。他の実施態様において、第一の抗体又はその抗原結合断片は、ヒトFLT3の膜近傍ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸572〜603)、ヒトFLT3のキナーゼ挿入ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸残基740〜757)、ヒトFLT3の細胞内ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸564〜993)、ヒトFLT3のC末端(配列番号1の配列のアミノ酸974〜993)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上に免疫特異的に結合しない。
本明細書に提供される方法のいくつかの実施態様において、第一の抗体及び/又は第二の抗体は、モノクローナル抗体である。他の実施態様において、第一の抗体及び/又は第二の抗体は、ポリクローナル抗体ではない。
本明細書に提供される方法は一般的に、標識を必要としてよい又は必要としなくてよい二次抗体の検出を包含する(すなわち、表面プラズモン共鳴などの屈折率ベースの技術)。本明細書に提供される方法及びキットのある実施態様において、第二の抗体は、ヒトpFLT3のリン酸化型チロシン(ホスホチロシン)に免疫特異的に結合する。ある実施態様において、第二の抗体は、ヒトpFLT3(配列番号1の配列)の位置589、591、597、599、726、842、及び955におけるリン酸化型チロシン残基の1つ以上に免疫特異的に結合する(例えば、抗ホスホチロシン、クローン4G10(登録商標)、ビオチン抱合体;抗ホスホチロシン、PY‐20 SULFO‐TAG(商標)、Meso Scale Discovery(Gaithersburg,MD))。他の実施態様において、第二の抗体は、ヒトpFLT3(配列番号1の配列)の位置589、591、597、599、726、842、及び955におけるリン酸化型チロシン残基のうちの1つ以上に免疫特異的に結合しない。ある実施態様において、第二の抗体は、ヒトpFLT3(配列番号1の配列)の位置589及び/又は591におけるリン酸化型チロシン残基に単独で免疫特異的に結合しない(例えば、抗Tyr591(Cell Signaling Technologies);米国特許第7,183,385号に記載の抗Tyr589参照)。
ある実施態様において、第二の抗体は、検出可能な標識を含む。いくつかの実施態様において、標識済みの第二の抗体は、ビオチン、放射性核種、酵素、基質、蛍光マーカー、化学発光マーカー、又はルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステル標識を含む。具体的な実施態様において、第二の抗体はビオチン化されている。ある実施態様において、第二の抗体は、マウスモノクローナル抗体である。ある実施態様において、第二の抗体は、約0.1μg/mLから約10μg/mLの範囲の濃度で試料と接触している。一実施態様において、約0.25ngから約2.5μgの抗体を1ウェルあたりで加える。他の実施態様において、約2.5ngから約250ngの抗体を1ウェルあたりで加える。
本明細書に提供される方法及びキットのいくつかの実施態様において、第一の抗体は、マウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)である。いくつかの実施態様において、第一の抗体は、1ウェルあたり120ngである。他の実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)である。いくつかの実施態様において、第二の抗体は、1ウェルあたり5ngである。ある実施態様において、第二の抗体は、1ウェルあたり5ng(20μL容積における0.2μg/mL)のビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)と、1ウェルあたり25ng(25μL容積における1μg/mL)のSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)との混合物である。
本明細書に提供される方法のいくつかの実施態様において、第二の抗体はビオチン化されており、方法はさらに、ビオチン化された第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させることを含む。本明細書に提供される方法のある実施態様は、第二のビオチン化抗体と標識済みストレプトアビジンとを含む混合物を、第一の抗体に結合した試料に接触させることを含む。ある実施態様において、ストレプトアビジンは、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルで標識されている。一実施態様において、標識済みストレプトアビジンは、本明細書の他所に記載のものなど、多重ウェルプレート(例えば、Meso Scale Discovery(Gaithersburg,MD)から市販されているMULTI‐ARRAY(登録商標)又はMULTI‐SPOT(登録商標)プレート)の底部にパターン化された炭素インク電極の表面上のルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステル標識済みストレプトアビジンのECLによって検出される。
ある実施態様において、本明細書に提供されるアッセイ方法の動的範囲(例えば、ここで、試料は、血液、血液溶解物、又は骨髄吸引物)は、約5〜100、約10〜100、約20〜100、約30〜100、約40〜100、約50〜100、約60〜100、約70〜100、又は80〜100など、約2〜100のシグナル対ノイズ比(例えば、背景を上回って約2倍〜100倍であるシグナル)に相当する。ある実施態様において、本明細書に提供されるアッセイ方法の動的範囲(例えば、ここで、試料は、血液、血液溶解物、又は骨髄吸引物である。)は、約5〜70、約10〜70、約20〜70、約30〜70、約40〜70、約50〜70、又は約60〜70のシグナル対ノイズ比に相当する。一実施態様において、試料が血液又は血液溶解物である、本明細書に提供されるアッセイ方法の動的範囲は、約10〜30のシグナル対ノイズ比に相当する。別の実施態様において、試料が血液又は血液溶解物である本明細書に提供されるアッセイ方法の動的範囲は、約10〜20のシグナル対ノイズ比に相当する。
ある実施態様において、試料が細胞溶解物試料である、本明細書に提供されるアッセイ方法の動的範囲は、約10から1×106、例えば、約10、100、1000、又は1×105から約100、1000、1×105又は1×106のシグナル対ノイズ比に相当する。一実施態様において、試料が細胞溶解物である本明細書に提供されるアッセイ方法の動的範囲は、約50〜100、約60〜100、又は約70〜100のシグナル対ノイズ比に相当する。
また、例えば、試料、患者集団、固相固定化、第一の抗体、第二の抗体、標識、及びこれらに類するものに関する先に列挙した実施態様の任意の組み合わせも、本明細書に提供される種々の方法及び/又はキットのいずれかと関連して意図されることが留意される。
加えて、ヒトFLT3と他の種(例えば、マウス、イヌ、ネコ)との高い程度の相同性が当技術分野で周知であるので、本明細書に提供される方法及びキットを用いて、ヒト以外の種におけるpFLT3レベルを検出又はさもなければモニターしてよい。
ある実施態様において、本明細書に提供されるヒトpFLT3を検出する方法を用いて、患者由来の試料におけるpFLT3の相対量(例えば、高い、中程度、又は低い)を決定し、ここで、試料におけるpFLT3の量は、患者におけるFLT3‐ITDなど、FLT3活性化突然変異の存在と相関している。このような方法は、FLT3活性化突然変異について患者を遺伝子型同定するための代替法として用いることができる。
一実施態様において、高い、中程度の、又は低いレベルのpFLTの決定は、いくつかの組織がその他よりもFLT3がより豊富であるかもしれないので、組織試料の種類に一部、アッセイ検出方法によって得られるシグナル強度の種類に、及び/又は患者の試料のうちで観察されるシグナル分布に一部基づいている。具体的な一実施態様において、試料、例えば血液、血液溶解物、又は他の体液若しくは組織などのインビボ試料における低レベルのpFLT3は、本明細書に提供されるMSD検出方法から得られる500未満のシグナルに相当し(例えば、実施例8参照)、試料における中程度から高いレベルのpFLT3は、500以上のシグナルに相当する。ある実施態様において、MSD検出方法から得られた500以上及び1000以下のシグナルは、中程度のレベルのpFLT3であると考えられる。具体的な実施態様において、MSD検出方法から得られた1000を超えるシグナルはすべて、試料における高いレベルのpFLT3であると考えられる。
別の実施態様において、高い、中程度の、及び低いレベルのpFLT3の決定は、試験される組織の種類、アッセイ検出方法によって得られるシグナル強度、及び/又は患者のサンプリングのうちで観察されるシグナルに一部基づいており、FLT3‐ITDなど、FLT3活性化突然変異を有するものとして最終的に遺伝子型同定された患者において観察されるシグナルによって一部誘導される。
例えば、%FLT3‐ITDに関する情報が利用可能な場合、ある%のFLT3‐ITD、例えば、50%FLT3‐ITDと関連したシグナルは、中程度のレベルのpFLT3と高いレベルのpFLT3の間の分割線として用いてもよい。
あるいは、統計的な分析を用いて、相関の有意性を測定し、及びアッセイシグナル強度のどの範囲が、指定された低い、中程度の、又は高いレベルのpFLT3であるべきかを決定してよい。例えば、任意に統計ソフトウェアRは、Spotfire(TIBCO Software Inc.)などのデータ分析ツールとともに用いて、相関を測定し、低い、中程度の、及び高いレベルのFLT3の統計的に有意なグループ分けをしてよい。一実施態様において、実験は、総FLT3及びpFLT3の基線測定が確立され得るよう、白血病患者と健常患者を含むより大きな集団試料を用いて実施される。他の実験は、試料セットにおける変動性を認識及び最小化できるために、どの因子が結果の変動性の一因となるかを決定するよう実施されるであろう。例えば、組織の種類は、いくつかの組織で他のものよりもFLT3及びpFLT3が豊富であり得るので、試料から得られたシグナルの範囲に影響を及ぼし得る。相関分析は、各組織種類について実施され得、又は、2つの異なる種類の組織について得られたシグナル間の算術的関係がある場合、算術的な調整は、単一の相関分析において異なる組織種類を取り扱うようなされてよい。他の実験は、試料の取り扱いなどの他の因子が、例えばFLT3及びpFLT3の測定における変動の一因となり得るかどうかを決定するために実施され得る。例えば、使用した溶解緩衝液の種類、又は血液溶解方法又は血液保管条件が、FLT3及びpFLT3の測定に影響を与えることが認められる場合、プロトコールは、変動を最小化するよう工夫されてよい。
本明細書に提供される別の実施態様は、白血病など、患者のFLT3仲介性疾患又は障害の展開をモニター又はさもなければ追跡する方法である。白血病は、突然変異がしばしば獲得されかつ通常あまり失われない、持続的に展開する疾患である。ある場合において、白血病細胞は、突然変異体及び野生型の両FLT3を発現し、野生型に対する突然変異体のFLT3の比は、白血球の時間経過にわたって変化し得る。FLT3‐ITDなど、FLT3‐活性化突然変異はしばしば、AMLの展開の間に、又はMDSからAMLへの展開の間に獲得される。また、野生型に対する突然変異体FLT3の比は、野生型に対する突然変異体の高い比とともに展開し得、該比は乏しい予後と関連している(Whitmanらの文献(Canc Res 2001 61,7233‐7239))。従って、本明細書に提供されるpFLT3レベルを測定する方法は、FLT3‐ITDなど、FLT3活性化突然変異の様相を追跡するために、及び/又は患者におけるpFLT3レベルをモニター又はさもなければ追跡することによって突然変異体対野生型のFLT3比の変化を追跡するために遺伝子型同定するための代用法として用いてもよい。いくつかの実施態様において、試料(例えば、血液、血液溶解物、又は他の体液若しくは組織などのインビボ試料)が、本明細書に提供されるMSD検出方法から得られる500未満の初期pFLT3シグナルを生じる、患者がモニターされる。いくつかの実施態様において、試料が、本明細書に提供されるMSD検出方法から得られる500以上の初期pFLT3シグナルを生じる、患者がモニターされる。いくつかの実施態様において、試料が、本明細書に提供されるMSD検出方法から得られる500〜1000の初期pFLT3シグナルを生じる、患者がモニターされる。
一実施態様において、本明細書に提供されるpFLT3レベルを決定する方法は、単独で又は、例えば、芽細胞計数、芽細胞%、芽細胞形態、核型同定(t(8;21)又はt(8;12)(q22;q22)、inv(16)又はinv(16)(p13q22)、t(16;16)又はt(16;16)(p13;q22)、及びt(15;17)又はt(15;17)(q22;q12)などの染色体異常を決定することを含む。)、遺伝子型同定(FLT3‐ITD突然変異又はD835点突然変異などの遺伝子異常の検出を含む。)、遺伝子発現特性、若しくはそれらに任意の組み合わせに基づいた他の分類方法とともにのいずれかで、分子レベルの分類のために用いられる。一実施態様において、血液学的悪性腫瘍を有すると疑われる患者は、遺伝子型同定又は細胞遺伝学(すなわち、染色体異常を決定することによる。)及びpFLT3測定を用いて診断される。
ある実施態様において、本明細書に提供される方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、アッセイからの結果を提供することを含む。他の実施態様において、前記方法はさらに、医師、看護師、又は他の医療専門家など、例えば医用施設における個人に、治療上の選択肢を提供することを含む。
また、本明細書に提供される方法を実施するキットも意図される。キットは、白血病(例えば、AML又はALL)など、FLT3活性化突然変異及び/又はFLT3仲介性疾患若しくは障害を診断し、FLT3仲介性疾患若しくは障害の起こり得る進行をモニターし、及び/又はFLT3突然変異から結果として生じるFLT3仲介性疾患若しくは障害など、FLT3仲介性疾患若しくは障害を発達させている対象の危険性を評価するのを助けるための有用なツールを提供する。
従って、第十の態様において、患者の試料(例えば、血液などの体液、又は他の組織試料)におけるヒトpFLT3を検出するキットであって:(a)固体表面上に任意に固定化された、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する第一の抗体;(b)ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合する、検出可能な第二の抗体を含む、前記キットが本明細書に提供される。また、例えば、試料、患者集団、固相固定化、第一の抗体、第二の抗体、標識などに関する先に列挙した実施態様の任意の組み合わせも、本明細書に提供されるキットと関連した意図される実施態様である。具体的な実施態様において、第一の抗体は、多重ウェルプレート又は多重ドメイン多重ウェルプレート(例えば、MULTI‐ARRAY(登録商標),Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD)の底部に炭素インク電極を含む該プレートに固定化される。一実施態様において、インビボ試料におけるヒトpFLT3を検出するキットは、(a)固体表面上に任意に固定化された、ヒトFLT3の細胞外ドメインに免疫特異的に結合する第一の抗体と、(b)検出可能な第二の抗体とを含み、ここで、第二の抗体は、ヒトFLT3のリン酸化型チロシン残基に免疫特異的に結合し、ここで、第二の抗体は、第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する。ある実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化抗ホスホチロシン抗体である。具体的な実施態様において、インビボ試料におけるヒトpFLT3を検出するキットは、(a)MSDプレート(Meso Scale Discovery;Gaithersburg;MD)上に任意に固定化されたマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems;Inc.;Minneapolis;MN)と、(b)ビオチン化マウス抗ホスホチロシンmAb 4G10(登録商標)(カタログ番号16-103; Millipore Corp.;Billerca;MA)とを含む。別の実施態様において、キットはさらに、SULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号832AD; Meso Scale Discovery;Gaithersburg;MD)を含む。
具体的な実施態様において、試料、例えば、インビボ試料(例えば、ヒト血液、ヒト血液溶解物、又は他の生物学的液体若しくは組織)におけるヒトpFLT3の存在を検出するためのaが本明細書に提供され、該キットは下記を含む:(a)ヒトFLT3の細胞外ドメイン(配列番号1の配列のアミノ酸27〜543)に免疫特異的に結合する第一の抗体、ここで、第一の抗体は、多重ウェルプレート若しくは多重ドメイン多重ウェルプレート(例えば、MULTI‐ARRAY(登録商標)(Meso Scale Discovery,Gaithersburg,MD))の底部に炭素インク電極を含む該プレートにすでに固定化されているか又は、多重ウェルプレートと別個に提供され;(b)ビオチン化した第二の抗体、ここで、第二の抗体はヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつここで、第二の抗体は、第一の抗体とは異なるFLT3エピトープ(ホスホチロシンを含むエピトープなど)に免疫特異的に結合し;及び(c)標識済みストレプトアビジン、ここで、標識は、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステル(例えば、SULFO‐TAG(商標),Meso Scale Discovery(Gaithersburg,MD))を含む。本明細書に提供される方法及びキットのいくつかの実施態様において、第一の抗体は、マウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)である。いくつかの実施態様において、第一の抗体は、1ウェルあたり120ngである。他の実施態様において、第二の抗体は、ビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)である。いくつかの実施態様において、第二の抗体は、1ウェルあたり5ngである。ある実施態様において、第二の抗体は、1ウェルあたり5ng(25μL容積における0.2μg/mL)のビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)と、1ウェルあたり25ng(25μL容積における1μg/mL)のSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)との混合物である。
本明細書に提供されるキットは、FLT3のリン酸化のアゴニスト又はアンタゴニストである試験化合物を同定する上で用いることができる。また、これらのキットは、予備血液評価又はサーベイランス手順の前に本明細書に提供される方法を実施するために用いることができ、FLT3遺伝子型同定のための、例えば、FLT3活性化突然変異のための代用アッセイとして用いてよい。また、本明細書に提供されるキットを用いて、患者がFLT3活性化疾患を有するかどうかを決定するために本明細書に提供される方法を実施することができ、及び/又は患者におけるFLT3仲介性疾患をモニター若しくはさもなければ追跡することができる。キットは、使用のための説明書とともに適切な容器において、任意の適切な様式で典型的には種々の部分と共に包装することができる。
ある実施態様において、キットはさらに、必要な場合、検出可能な基が、メンバー(例えば、酵素基質)、試験における背景干渉を低下させる作用因、対照試薬、試験を実施する装置などである、シグナル発生システムの他のメンバーを含んでよい。
以下の実施例は、説明のために提案されており、限定のために提唱されるものではない。
(実施例1‐総及びpFLT3 ELISAアッセイの開発)
多くの検出技術があるように、多数の有望な総FLT3及びpFLT捕捉及び検出抗体が利用可能である。選択され及び変動し得る異なる要素を考慮して、このことは、非常に多数のアッセイの組み合わせを生じ得る。pFLT3のレベルが本明細書に記載の作業の前に、血液などのインビボ試料においてどれほど極度に低く現れるかを考慮すると、理論的なアッセイの、たとえあるとしても、どの組み合わせが、インビボ試料におけるpFLT3をうまく検出し得るかは予測不可能であり、特にアッセイは、最少量の試料タンパク質のみを用いて実施される。
典型的な総及びpFLT3 ELISAアッセイを、MSD 96ウェルプレート(Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)における第一の(捕捉)抗体及び第二の(検出)抗体の異なる組み合わせを用いて展開及び最適化した。初期アッセイは、MV4:11細胞溶解物を用いて展開及び最適化した。以下の13の抗体の組み合わせを試験した。種々の組み合わせで試験した捕捉抗体及び検出抗体をさらに、下記の表1及び表2にそれぞれ要約する。
第1群:捕捉:1ウェルあたり60ng、120ng、又は240ngのマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)。検出:1ウェルあたり50ngのウサギ抗ヒトFLT3 IgG pAb(カタログ番号SC‐479;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)、及び1ウェルあたり25ngのSULFO‐TAG(商標)標識済みヤギ抗ウサギAb(カタログ番号R32AB;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第2群:捕捉:1ウェルあたり60ng、120ng、又は240ngのマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)。検出:1ウェルあたり25ngのビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)、及び1ウェルあたり25ngのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第3群:捕捉:1ウェルあたり60ng、120ng、又は240ngのマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)。検出:1ウェルあたり75ngのSULFO‐TAG(商標)標識済み抗ホスホチロシン(PY‐20)Ab(カタログ番号R32AP;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第4群:捕捉:1ウェルあたり60ng、120ng、又は240ngのマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)。検出:1ウェルあたり50ngのビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)、及び1ウェルあたり50ngのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第5群:捕捉:1ウェルあたり60ng、120ng、又は240ngのウサギ抗ヒトFLT3 IgGpAb(カタログ番号SC‐479;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)。検出:1ウェルあたり50ngのビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)、及び1ウェルあたり50ngのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第6群:捕捉:1ウェルあたり15ng、30ng、60ng、120ng、又は240ngのウサギ抗ヒトFLT3 IgG pAb(カタログ番号SC‐479;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)。検出:1ウェルあたり75ngのSULFO‐TAG(商標)標識済み抗ホスホチロシン(PY‐20)Ab(カタログ番号R32AP;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第7群:捕捉:1ウェルあたり15ng、30ng、60ng、120ng、又は240ngのウサギ抗ヒトFLT3 IgG pAb(カタログ番号SC‐479;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)。検出:1ウェルあたり50ngのビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標)mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA))、及び1ウェルあたり50ngのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第8群:捕捉:1ウェルあたり60ngのウサギ抗ヒトFLT3 IgG pAb(カタログ番号SC‐479;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)。検出:1ウェルあたり37.5ngのSULFO‐TAG(商標)標識済み抗ホスホチロシン(PY‐20)Ab(カタログ番号R32AP;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第9群:捕捉:1ウェルあたり60ngのウサギ抗ヒトFLT3 IgG pAb(カタログ番号SC‐340;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)。検出:1ウェルあたり37.5ngのSULFO‐TAG(商標)標識済み抗ホスホチロシン(PY‐20)Ab(カタログ番号R32AP;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第10群:捕捉:1ウェルあたり60ngのウサギ抗ヒトFLT3 IgG pAb(カタログ番号SC‐20733;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)。検出:1ウェルあたり37.5ngのSULFO‐TAG(商標)標識済み抗ホスホチロシン(PY‐20)Ab(カタログ番号R32AP;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第11群:1ウェルあたり60ngのマウス抗pFLT3(Tyr591)mAb(カタログ番号3466,Cell Signaling Technology,Inc.;Danvers,MA)。検出:1ウェルあたり25ngのビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)、及び1ウェルあたり25ngのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第12群:捕捉:1ウェルあたり60ngのマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)。検出:1ウェルあたり37.5ngのSULFO‐TAG(商標)標識済み抗ホスホチロシン(PY‐20)Ab(カタログ番号R32AP;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
第13群:捕捉:1ウェルあたり60ngのマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)。検出:1ウェルあたり25ngのビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)、及び1ウェルあたり25ngのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
Figure 2012508367
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1日目に、2つの標準物質(又は高結合)MSD96ウェルプレート(例えば、MSD‐L11XA‐3;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を、30μLの変動する量のFLT3捕捉抗体で溶液コーティングする。1つのプレートを総FLT3検出に用い、もう1つのプレートをpFLT3検出に用いる。プレートを4℃で一晩インキュベートする。MV4:11細胞を0.5%FBSにおいて一晩血清飢餓させる。
2日目に、細胞溶解物を調製する。簡潔には、1ウェルあたり400,000個の血清飢餓したMV4:11細胞を2つの96ウェル組織培養プレートへと、100μLの容積で蒔種する。また、他の細胞濃度も試験する。総FLT3タンパク質を回収するために、細胞を70μLの1×細胞溶解緩衝液(カタログ番号9803(10×)、Cell Signaling Technology,Inc.;Danvers,MA)に4℃で30分間溶解し、該緩衝液には、プロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤カクテル(1×で使用されるフッ化フェニルメタンスルホニル(PMSF);カタログ番号P7626;及びSigmaカタログ番号11873580001、Roche、1×で使用)(「細胞溶解緩衝液」)を含む。次に、溶解物を15分間の遠心分離によって清澄化する。2つのプレート由来の清澄化した溶解物をプールする。70マイクロリットルの清澄化した溶解物をpFLT3検出のために、2つの抗FLT3抗体でコーティングしたMSDプレートのうちの1つに加え、50μLの清澄化した溶解物を総FLT3検出のために、第二の抗FLT3抗体でコーティングしたMSDプレートに加える。2つの抗FLT3抗体でコーティングしたMSDプレートを3%ブロッカーA溶液(カタログ番号R93BA‐4;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)(「ブロッキング緩衝液」)溶液を用いて室温で1〜2時間ブロッキングした後、溶解物を添加する。プレートを溶解物とともに振蘯機において室温で3時間インキュベートする。次に、プレート洗浄機を用いてMSDプレートを洗浄緩衝液(50mMトリス、pH7.4;150mM NaCl;0.02%Tween)(カタログ番号R61TX‐1としても入手可能;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)で3回洗浄する。
pFLT3を検出するために、例えば、2μg/mLのビオチン化4G10抗体(Millipore/Upstate 16‐103)及び1μg/mLのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)含有1%ブロッキング緩衝液の混合物を先に論じたとおり調製する。25マイクロリットルのこの混合物をpFLT3プレートのウェルに添加する。(pFLT3シグナルの標準化のための)総FLT3を検出するために、例えば、0.2μg/mLビオチン化総FLT3抗体(DYC‐912‐パート#841673((カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)と同じ))及び1μg/mL SULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)の混合物を調製する。25マイクロリットルのこの混合物を、総FLT3プレートのウェルに添加する。
検出抗体を振蘯機において室温で1時間インキュベートし、次いで、プレートを3回洗浄し、150μLの読み取り緩衝溶液(カタログ番号R92TC‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)(「読み取り緩衝液」)を添加する。次に、プレートをMA6000 MSDプレート読み取り装置(Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)において読み取る。
図11は、2つの異なる第一の抗体:マウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)及びウサギ抗ヒトFLT3 IgG pAb(カタログ番号SC‐479;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)を用い、両方の場合にR&D検出抗体BAF812を用いる総FLT3検出から得られるMSD ELISAシグナルの比較を示す。MAB8121抗体は、SC479抗体よりも良好な検出シグナルを生じる。
図12は、2つの異なる第二の抗体:ウサギ抗ヒトFLT3 IgG pAb(カタログ番号SC‐479;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)及びSULFO‐TAG(商標)標識済みヤギ抗ウサギAb(カタログ番号R32AB;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD);並びにビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)及びSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を用い、両方の場合に総捕捉抗体としてR&D抗体MAB8121を用いる総FLT3検出から得られるMSD ELISAシグナルの比較を示す。
図15及び図16は、SC‐479又はMAB8121でコーティングしたプレートにおいて、それぞれ抗体濃度の変動している、AC220によるFLT3リン酸化の阻害がある、AC220で処理されたMV4:11試料によって生じたMSDシグナル(下記の実施例2参照)、及びFLT3阻害がない未処理のMV4:11試料によって生じたMSDシグナルを示す。
異なる捕捉抗体及び検出抗体の組み合わせを用いるpFLT3についての動的範囲を表3及び表4並びに図17に示す。動的範囲(DR)=未処理のMV4:11細胞におけるpFLT3/最高濃度のAC220で処理したMV4:11細胞におけるpFLT3。
Figure 2012508367
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表3は、SC479捕捉抗体/PY20第二の抗体から得られる動的範囲(DR)が3又は4と低いのに対し、SC479捕捉抗体/4G10の第二の抗体から得られる動的範囲が10又は11と良好であることを示しているが、有意な量の総タンパク質(250μg)を必要とした。しかしながら、表4は、R&D MAB8121抗体/4G10第二の抗体対形成から得られた39という動的範囲が、この組み合わせをR&D MAB8121抗体/PY20第二の抗体の対形成に対して好ましいものにし、50μgというより少量の試料タンパク質含有量においてでさえ、動的範囲が27又は30と、なおも非常に良好であったことを示す。シグナルは、4μg/mLの捕捉抗体において平衡状態に到達するように見えたので、この捕捉抗体濃度を、好ましい抗体の組み合わせにおいて選択した。それゆえ、好ましい抗体の組み合わせには、最強のMSD ELISAシグナル及び、最少量の入力されるタンパク質試料で得られ得る最も幅の広い動的範囲に基づいて到達した。
総FLT3 ELISAについての好ましい抗体の組み合わせは、以下のとおりである:捕捉:1ウェルあたり120ngのマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)。検出(1ウェルあたり25μLの総容積における混合物):1ウェルあたり5ng(25μLの容積における0.2μg/mL)のビオチン化ヤギ抗ヒトFLT3 IgG Ab(カタログ番号BAF812;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)及び1ウェルあたり25ng(25μLの容積における1μg/mL)のSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。pFLT3 ELISAについての好ましい抗体の組み合わせは、以下のとおりである:捕捉:1ウェルあたり120ngのマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)。検出:1ウェルあたり50ngのビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)及び1ウェルあたり50ngのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)。
(実施例2‐pFLT3を試験するためのインビボFLT3 MSD ELISA)
AC220は、FLT3依存性腫瘍における強力なインビトロ及びインビボ活性を有する第二世代クラスIII受容体チロシンキナーゼ阻害剤である。該阻害剤は、野生型及び変異体のFLT3並びに、KIT、CSF1R、RET、及びPDGFRを含むいくつかのクラスIII受容体チロシンキナーゼに対して非常に選択的である。AC220は現に、FLT3突然変異に選ばれていない再発した患者及び不応性の患者についてのヒト第I相試験における第一にある。該試験は、50%用量増分の標準的な3+3用量段階的増大の設計を有する。AC220は、経口溶液として1日1回12mgの開始用量で14日間毎日投与され、次いで14日間の休薬期とした。
位相I試験においてAC220を受けた51名の患者由来の全血試料を回収し、pFLT3阻害について試験した。血液試料は、AC220投与の前に採血した試料(投与前)、並びに、AC220の初期投与の2、4、6、9、及び24時間後に採血した試料、並びに、初期投与の8日後及び15日後も採血した試料を含め、AC220治療法の時間経過の間に種々の時点で患者から採血した。血液試料は、ヘパリン処理したチューブに回収し、穏やかに混合し、次いで、プロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤カクテル(1×で使用するPMSF;カタログ番号P7626;及びSigmaカタログ番号11873580001、Roche、1×で使用)を補充した1×細胞溶解緩衝液(20mMトリス、137nM NaCl、10%グリセロール、1%NP‐40、0.1%SDS、2mM EDTA)で溶解した。次に、試料を−70℃で新鮮凍結した。少数の患者試料は、溶解せずに凍結し、その後溶解した。
第1日目に、標準的なMSD96ウェルプレート(MSD‐L11XA‐3;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を30μLの4μg/mLマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)でコーティングし、4℃で一晩インキュベートする。プレートの上半分(行A〜H)を用いてpFLT3を検出し、プレートの下半分(行E〜H)を用いて総FLT3を検出した。
第2日目に、FLT3抗体でコーティングした96ウェルプレートを150μLの3%ブロッカーA溶液(カタログ番号R93BA‐4;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)で室温で1〜2時間ブロッキングした後、試料を添加する。ブロッキング工程の間、血液試料を調製する。1.5mLの一定分量の溶解し及び凍結した血液を4℃で解凍し、ロッカーにおいて30〜60分間インキュベートする。溶解した血液を最大速度で4℃で10分間の遠心分離によって清澄化する。次に、清澄化した血液を新鮮なチューブに移す。次に、ブロッキング処理した96ウェルプレートを洗浄し、250μLの清澄化した血液をプレートの2行の二重のウェルに移す(1つの行は、pFLT3検出用、第二の行は総FLT3検出用)。合計1mLの血液が、pFLT3及び総FLT3を二つ組で検出するのに必要とされた。次にプレートを振蘯機において4℃で18〜20時間(一晩)インキュベートする。
総FLT3値は、例えば、FLT3タンパク質が実際に、捕捉抗体によって捕捉されたことを確認するためのアッセイコントロールとして機能する(捕捉されたFLT3に結合している第二の抗総FLT3抗体の検出によって確認される。)。第二に、下記に説明されるように、また、tFLT3値は、pFLT3値を標準化するために使用することができる。
翌日、血液をMSDプレートから除去し、プレートを3回洗浄した。pFLT3を検出するために、2μg/mLのビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)及び2μg/mL SULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)のカクテルを1%ブロッキング緩衝液において調製する。25μLのこの抗体混合物をMSDプレートの最初の4行(A〜D)に添加した。(pFLT3シグナルの標準化のために)総FLT3を検出するために、例えば、混合物を0.2μg/mLビオチン化総FLT3抗体(DYC‐012‐部分#841673((カタログ番号BAF812;R&D System,Inc.;Minneapolis,MN)と同じ))及び1μg/mL SULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)の混合物を調製する。次に、プレートを洗浄緩衝液(50mMトリス、pH7.4;150mM NaCl;0.02%Tween)(カタログ番号R61TX‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MDとしても入手可能)で3回洗浄する。150μLの読み取り緩衝溶液(カタログ番号R92TC‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を加え、プレートをMA6000 MSDプレート読み取り装置(Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)で読み取る。
結果:pFLT3患者についてのシグナルの範囲は、(野生型患者からと同様に2%未満のITDを有する低い対立形質比のITD患者から得られた)120から(高い対立形質比のITDを有する患者からほとんど得られた)6000〜8000と同じくらい高くまでに及んだ。以下は、本発明の方法を用いて4つの選択患者試料について測定したpFLT3レベル及びtFLT3レベルに関する論議である。
試験したITD患者のうち、患者Aは、pFLT3 ELISAにおける最低のMSDシグナルを有することが認められた(約500のシグナル、図2のB参照)。ホスホFLT3レベルをtFLT3レベルで標準化し、報告されたpFLT3の傾向がtFLT3の傾向によってひずまないことを確実にするために、pFLT3/tFLT3の比として報告した。種々の投与後の時点におけるすべての患者試料についてのpFLT3の傾向を、投与前に測定され、任意に100%に設定されるpFLT3/tFLT3の初期比によって、特定の投与後の時点について観察されるpFLT3/tFLT3の比を除することによって算出される百分率の点で追跡した。100%ITDとして遺伝子型同定されるが、患者Aは、pFLT3について性質不明の低いシグナルを示した。この患者は、AC220による治療の際にpFLT3レベルにおける顕著な低下を示さなかった患者のサンプリングにおける唯一のITD患者であるが、治療は、骨髄芽細胞百分率を低下させるように見えた。
患者Bは、100%ITD患者に期待されるpFLT3特性を呈する100%ITD患者である。患者は、6500の強いMSDシグナルを示し(図3のB参照)、該シグナルは、ITD患者でさえ性質不明に強い。この患者は、(図3のCに示すように総FLT(tFLT3)における上向きの移行にもかかわらず)24時間でpFLT3レベルの劇的な低下を示す。患者Bは、最大第15日目でさえ持続するpFLT3の顕著な阻害を示し(図3のC)、ELISA pFLT3データは、この患者についての73%の末梢芽細胞減少の臨床的観察と一致している。
決定されていない遺伝子型の患者Cは、約1500の強い出血前シグナルを示し、2時間の時点でpFLT3レベルの明確な低下を示し、それとともにpFLT3阻害は24時間で持続している(図4)。pFLT3データは、この患者の臨床的観察と一致しており、100%末梢芽細胞減少を呈し、PRに関してプロトコールに定義された応答と合致した。
患者Dは、血漿試料が約125の弱い出血前pFLT3シグナルを生じた野生型患者である(図5のB)。弱い開始シグナルにもかかわらず、アッセイは、2時間でpFLT3レベルにおける下向きの移行を検出するのに十分感度があり(シグナル強度は約90まで低下した。)、24時間でより大きな阻害を示すことができた(約75のシグナル強度)。ELISAからこの患者について観察されたpFLT3阻害は、この患者が、CRp/PRのプロトコールにより規定される応答も呈するという事実と一致しているように見える(不完全な血小板回復をともなう完全な寛解)。
(実施例3‐MV4:11細胞溶解物におけるpFLT3阻害を試験するためのFLT3 MSD ELISA)
MV4‐11は、急性骨髄性白血病を有する患者のサブセットにおいて認められる遺伝子内縦列重複(ITD)を含む十分に特徴づけられたFLT3依存性ヒト細胞株である。MV4:11細胞は、構成的に活性のあるFLT3受容体を発現し(Yeeらの文献(Blood 2002,100(8),2941‐2949))、それゆえ、pFLT3の良好な源である。
第1日目において、2つの標準的なMSD96ウェルプレート(MSD‐L11XA‐3;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を30μLの4μg/mLマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN)でコーティングする。1つのプレートは、pFLT3検出用に、もう1つは総FLT3検出用に用いる。プレートを4℃で一晩インキュベートする。MV4:11細胞を0.5%FBSにおいて一晩血清飢餓させる。
第2日目に、細胞溶解物を調製する。簡潔には、1つあたり400,000の血清飢餓したMV4:11細胞を、100μLの容積で2つの96ウェル組織培養プレートへと蒔種する。試験されるべき化合物を各250μLの総容積で0.5%FBS培地に2×ストックとして調製する。次に、100μLの2×ストック試験化合物を96ウェルプレートにおける100μLの細胞に添加する。9地点の3×用量設定を各阻害剤について用いる。細胞を有する二つ組の96ウェルプレートを試験化合物とともに37℃で2時間インキュベートする。総FLT3タンパク質を回収するために、細胞を、プロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤カクテル(1×で用いられるPMSF;カタログ番号P7626;及びSigmaカタログ番号11873580001、Roche、1×で使用)を含む70μLの1×細胞溶解緩衝液(カタログ番号9803(10×),Cell Signaling Technology,Inc.;Danvers,MA)で4℃で30分間溶解する。次に、溶解物を15分間の遠心分離によって清澄化する。2つのプレート由来の清澄化した溶解物をプールする。70マイクロリットルの清澄化した溶解物を、抗FLT3抗体でコーティングした2つのMSDプレートのうちの1つにpFLT3検出のために添加し、40μLの清澄化した溶解物を、第二の抗FLT3抗体でコーティングしたMSDプレートに総FLT3検出のために添加する。抗FLT3抗体でコーティングした2つのMSDプレートを3%ブロッカーA溶液(カタログ番号R93BA‐4;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を用いて室温で1〜2時間ブロッキングした後に、溶解物を添加する。プレートを溶解物とともに振蘯機で室温で3時間インキュベートする。
次に、プレート洗浄装置を用いてMSDプレートを洗浄緩衝液(50mMトリス、pH7.4;150mM NaCl;0.02%Tween)(カタログ番号R61TX‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MDとしても入手可能)で3回洗浄する。pFLT3を検出するために、2μg/mLのビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)及び1μg/mLのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)含有1%ブロッキング緩衝液の混合物を調製する。25マイクロリットルのこの混合物をpFLT3プレートのウェルに添加する。(pFLT3シグナルの標準化のための)総FLT3を検出するために、0.2μg/mLのビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)及び1μg/mLのSULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)のカクテルを1%ブロッキング緩衝液において調製する。25マイクロリットルのこの抗体混合物を総FLT3プレートに添加する。次に、プレートを振蘯機において室温で1時間インキュベートする。次に、プレートを3回洗浄する。150μLの読み取り緩衝溶液(カタログ番号R92TC‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を添加し、プレートをMA6000 MSDプレート読み取り装置(Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)で読み取る。
ホスホFLT3の阻害(IC50)を、ネガティブコントロール(AB00022(GLEEVEC(商標)))と比較した種々の濃度のFLT3阻害剤(化合物AC010220(AC220)、AB000709、AC010385、AB200530)の存在下でFLT3のリン酸化の阻害を示す用量反応曲線から決定する(図18)。pFLT3のシグナルを総FLT3に対して標準化して、異なるウェルにおける細胞数の差をなくした。多量の試料の必要性及び従来のIP/ウェスタン法の弱いシグナルにより、化合物AB000709(スニチニブ)、AC010385、AB200530のIC50値は、以前には決定することができなかったが、本発明の方法を用いて本明細書で成功裡に決定した。化合物AC010220についてのIC50値は、IP/ウェスタンによって測定された約0.6〜0.8であると以前に決定されており、これは、本アッセイにおいて測定された0.76値と類似している。また、本アッセイにおける動的範囲(シグナル対ノイズ)も82であることが示された。
これらの結果は、FLT3阻害剤によるFLT3阻害のIC50が、FLT3を発現する細胞におけるMSD ELISAアッセイによって測定することができることを示している。
(実施例4‐IP/ウェスタンと比較した血液試料によるMSD ELISA感度の決定)
血液におけるMV4:11細胞の用量設定を、IP/ウェスタンブロットによって及びMSD ELISAによって試験して、2つの方法によるpFLT3検出の感度を比較した。
IP/ウェスタンについては、MV4:11細胞由来の細胞溶解物を正常血液へと添加した。第1日目に、血清飢餓したMV4:11細胞4×107個を計数し、PBSで洗浄し、低血清に配置した(Iscoves 0.5%FBS)。
第2日目に、1mLの血液及び0.5mLのMV4:11細胞を、プロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤(カタログ番号11873580001、1:20希釈で使用するRoche及び、1:00希釈でのカタログ番号524625 EMD_Calbiochem)を補充した3mLの溶解緩衝液(1×細胞溶解緩衝液(20mMトリス、137nM NaCl、10%グリセロール、1%NP‐40、0.1%SDS、2mM EDTA))に供し、4℃で30分回転させた後、15分間スピンダウンして、溶解物を抽出した。次に、1ミリリットルのこの試料を4つの250μL試料へと等しく分割し、先に記載したとおり、pFLT3又はtFLT3においてMSD ELISAを(二つ組で)実行した。残りの3.5mLをIP/ウェスタンに用いた(すなわち、IP/ウェスタンにおいて14倍超の試料を使用)。9個の試料が、260万個から出発するMV4:11細胞の10,000個への2倍連続希釈から生じた。4μgのFLT3抗体(カタログ番号SC479 Santa Cruz Biotechnology,Inc)を各試料由来の清澄化した溶解物に添加して、FLT3タンパク質を免疫沈降させ、4℃で一晩インキュベートして、リン酸化型FLT3タンパク質を免疫沈降させた。
第3日目に、プロテインA‐アガロースビーズ(50μL)をすべての試料に添加し、回転させながら4℃で2時間インキュベートしておいた。ビーズを試料緩衝液で3回洗浄し、煮沸し、スピンさせた後、3〜8%SDS-PAGEゲルに負荷し、電気泳動に供した。次に、ゲルをニトロセルロースメンブレンに転写し、Li‐CORブロッキング緩衝液(カタログ番号927‐40000 Li‐COR Biosciences)を用いて1時間ブロッキングする。次に、ブロットを総Flt3に対する一次抗体(カタログ番号SC479 Santa Cruz Biotechnology,Inc.)とホスホFlt3を検出するためのホスホチロシンに対する抗体(4G10(登録商標))(カタログ番号16‐316;Millipore Corp.;Billerica,MA)との混合物を用いてブロッキング緩衝液における1:500の希釈で4℃で一晩プローブ付けする。翌日、ブロットを洗浄し、1:15000の希釈で二次抗体とともにインキュベートする。二次抗体混合物は、2つの抗体を含んでいる:ウサギFlt3総抗体を検出するためのIR‐680色素レッド抱合ヤギ抗ウサギ二次抗体(カタログ番号926‐32221 Li‐COR Biosciences)、及びマウス4G10抗体を検出するためのIR‐800色素グリーン抱合ヤギ抗マウス二次抗体(カタログ番号926‐32210 Li‐COR Biosciences)。次に、ブロットを洗浄し、撮像し、Odssey Infrared Imaging System(Li‐COR Biosciences)を用いてバンドを定量化した。図1は、患者AについてのpFLT3及びtFLT3のIP/ウェスタンブロット結果を示す。投与前(出血前)と比較した投与24時間後のpFLT3の増加を示す図2における同一の患者についてのMSDデータと比較すると、IP/ウェスタンを用いたpFLT3レベルにおけるこの傾向を検出することはより困難である。
MSDアッセイを、本質的に先の実施例において提供されるように実施する。250マイクロリットルの清澄化した血液及び先に記載したとおり調製したMV4:11溶解物を、抗FLT3抗体でコーティングしたプレートに添加し、総FLT3及びpFLT3を検出する。2枚の抗FLT3抗体でコーティングしたMSDプレートを3%ブロッカーA溶液(カタログ番号R93BA‐4;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を用いて室温で1〜2時間ブロッキングした後、溶解物を添加する。プレートを振蘯機において4℃で一晩インキュベートする。
翌日、MSDプレートを洗浄緩衝液(50mMトリス、pH7.4;150mM NaCl;0.02%Tween)(カタログ番号R61TX‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MDとしても入手可能)で3回、プレート洗浄機を用いて洗浄する。pFLT3を検出するために、2μg/mLビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)及び2μg/mL SULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)含有1%ブロッキング緩衝液の混合物をを調製する。25マイクロリットルのこの混合物をpFLT3プレートのウェルに添加する。(pFLT3シグナルの標準化のための)総FLT3を検出するために、0.2μg/mLビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)及び1μg/mL SULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)のカクテルを1%ブロッキング緩衝液において調製する。25マイクロリットルのこの抗体混合物を、総MSDプレートのウェルに添加する。次に、プレートを振蘯機において室温で1時間インキュベートする。次に、プレートを3回洗浄する。150μLの読み取り緩衝溶液(カタログ番号R92TC‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を添加し、プレートをMA6000 MSDプレート読み取り装置(Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)において読み取る。
異なる実験におけるIP/ウェスタン及びMSD ELISAによって生じる検出感度の比較を図13に示す。図13に示すように、pFLT3 MSD ELISAシグナルの用量設定は、1.11×106個からおよそ17,000個まで下げて達成した(図13のD)。対照的に、IPウェスタンシグナルの直線性は、163,000個に下げた場合にのみ観察された(図13のC)。図13に呈されるこれら2つのアッセイの検出限界の比較は、本発明のMSD ELISAが、血液試料由来の総FLT3及びpFLT3を検出する上で、IP/ウェスタンよりも少なくとも5〜10倍高感度であることを示している。MSD ELISAに用いた14倍低いタンパク質を考慮した場合、本方法の実際の感度は、IP/ウェスタンよりも少なくとも60〜140倍優れている。
総FLT3及びpFLT3の対応するウェスタンブロットを図14に示す。図14のA及び14のBは、ウェスタンブロット由来のFlt3バンド及びpFlt3バンドを示し、図14のC及び14のDは、x軸に示されている細胞数を含む各用量設定地点について得られたシグナル(y軸)を呈する。
(実施例5‐野生型FLT3又は変異体FLT3を発現する細胞株におけるpFLT3阻害を試験するためのFLT3 MSD ELISA)
本明細書に記載のELISAアッセイは、野生型FLT3又は突然変異体FLT3を発現する細胞株におけるpFLT3阻害を試験するために改変されている。手順は、実施例1に記載の通り本質的に最適化されている。
第1日目に、標準的なMSD96ウェルプレート(MSD‐L11XA‐3;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を30μLの4μg/mLマウス抗ヒトFLT3 IgG mAb(カタログ番号MAB8121;R&D Systems,Inc.;Minneapolis,MN又はカタログ番号SC‐479;Santa Cruz Biotechnology,Inc.;Santa Cruz,CA)で溶液コーティングする。1つのプレートをpFLT3検出に、もう1つを総FLT3検出に用いる。総FLT3の検出はpFLT3シグナルの標準化のためである。プレートを4℃で一晩インキュベートする。MV4:11細胞又はRS4:11細胞を0.5%FBSにおいて一晩血清飢餓する。RS4‐11は、低レベルのpFLT3を発現することが期待される野生型(WT)受容体を発現する細胞株である。この細胞株について、FLT3リガンドを用いて、RS4:11細胞におけるpFLT3を刺激した。
第2日目に、細胞溶解物を調製する。簡潔には、1ウェルあたり400,000個の血清飢餓したMV4:11細胞又はRS4:11細胞を、100μLの容積における二つ組の96ウェル組織培養プレートにおいて蒔種する。FLT3阻害剤(例えば、AC220及びその他)を各250μLの総容積で0.5%FBS培地における2×ストックとして調製する。次に、100μLの2×ストック試験に化合物含有DMSO又はネガティブコントロールDMSOを、96ウェルプレートにおける100μLの細胞に添加する。9地点の3×用量設定を各阻害剤に用いる。細胞を試験化合物とともに37℃で2時間インキュベートする。細胞溶解の前に、RS4:11細胞における野生型FLT3を100ng/mL FLT3リガンド(R&Dカタログ番号308‐Fk)の15分間の添加によって刺激した。総FLT3タンパク質を回収するために、細胞を、プロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤カクテル(1×で用いるPMSF;カタログ番号P7626;及びSigmaカタログ番号11873580001、Roche、1×で使用)を含む70μLの1×細胞溶解緩衝液(カタログ番号9803(10×)、Cell Signaling Technology,Inc.;Danvers,MA)において4℃で30分間溶解する。次に、溶解物を15分間の遠心分離によって清澄化した後、プールする。70マイクロリットルの清澄化した溶解物を、pFLT3のために、抗FLT3抗体でコーティングした2つのMSDプレートのうちの1つに添加し、40μLの清澄化した溶解物を、総FLT3検出のために、抗FLT3抗体でコーティングした第二のMSDプレートに添加する。2つの抗FLT3抗体でコーティングしたMSDプレートを3%ブロッカーA溶液(カタログ番号R93BA‐4;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)で室温で1〜2時間ブロッキングした後、溶解物を添加する。プレートを溶解物とともに振蘯機において室温で3時間インキュベートする。
次に、MSDプレートを洗浄緩衝液(50mMトリス、pH7.4;150mM NaCl;0.02%Tween)(カタログ番号R61TX‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MDとしても入手可能)で3回、プレート洗浄機を用いて洗浄する。pFLT3を検出するために、2μg/mLビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)及び1μg/mL SULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)含有1%ブロッキング緩衝液の混合物を調製する。25マイクロリットルのこの混合物をpFLTプレートのウェルに添加する。(pFLT3シグナルの標準化のための)総FLT3を検出するために、0.2μg/mLビオチン化マウス抗ホスホチロシン(4G10(登録商標))mAb(カタログ番号16‐103;Millipore Corp.;Billerica,MA)及び1μg/mL SULFO‐TAG(商標)標識済みストレプトアビジン(カタログ番号R32AD;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を1%ブロッキング緩衝液において調製する。25マイクロリットルのこの抗体混合物を総FLT3プレートのウェルに添加する。
次に、プレートを振蘯機において室温で1時間インキュベートする。次に、プレートを3回洗浄する。150μLの読み取り緩衝溶液(カタログ番号R92TC‐1;Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)を添加し、プレートをMA6000 MSDプレート読み取り装置(Meso Scale Discovery;Gaithersburg,MD)で読み取る。
図19は、本MSD ELISAプロトコールから得られたAC220及び、FLT3阻害剤であることが文献において公知である他の参照化合物、すなわち、CEP‐701、MLN‐518、SU‐11248、PKC‐412、CGP‐52421、R‐406、及びソラフェニブについての用量反応曲線を示す。これらの参照化合物についてのIC50は、公開されたIC50と非常によく相関しており、本発明の本方法をさらに実証する。
(実施例6‐マウス腫瘍異種移植におけるpFLT3阻害を試験するためのFLT3 MSD ELISA)
AC220の有効性を、静脈内接種したFLT3‐ITD依存性MV4:11細胞が骨髄に広まるSCIDマウス生着モデルにおいて決定した。5×106MV4:11細胞をSCIDマウスの横腹に移植した。腫瘍は、一定の大きさに増殖させておいた後、マウスに1:1のPBS及び50%Matrigel/50%High Concentration Matrigelと共に製剤された10mg/kg AC220を経口投与した。腫瘍試料を未処理の対照群から及びAC220処理群から回収し、投与2時間後及び24時間後の時点で採取した。腫瘍を秤量した後、溶解緩衝液(15mg/mL)で均質化した。細胞を冷却遠心において3000rpmで15分間スピンダウンさせ、清澄な溶解物を回収し、実施例2における典型的なプロトコールに従って試験した(250μLの清澄化した腫瘍溶解物を抗FLT3でコーティングしたMSDプレートのウェルに添加した。)。
図9は、MV4:11細胞を移植した腫瘍試料から得られたシグナルレベルを示す。本発明の方法を用いて、腫瘍試料は、pFLT3及びtFLT3の両方について高いMSDシグナルを生じ、腫瘍細胞が、より濃縮した量のFLT3発現細胞を含むことを確認した。
(実施例7‐他の体液及び組織試料におけるpFLT3阻害を試験するためのインビボFLT3 MSD ELISA)
先の実施例において記載したプロトコールを、骨髄試料、髄液、脳液、細胞学的試料、及び吸引物などのインビボ試料において用いてよい。これらの試料は、さらに処理することなく直接用いてよく、抗FLT3でコーティングしたMSD ELISAプレートに充填してよい。
(実施例8‐患者における野生型又はFLT3突然変異の状態についての診断アッセイ)
本明細書に開示されたELISAアッセイを、患者における野生型又は活性化しているFLT3突然変異(例えば、FLT3‐ITD)の状態を診断するために改変する。血液試料を、疾患の種々の段階におけるAML又は他のFLT3仲介性疾患を有する患者から採取する。血液試料を液体窒素において瞬時凍結させる。
血液における総FLT3及びリン酸化型FLT3を検出する典型的なプロトコールを実施例2に記載する。加えて、患者におけるFLT3突然変異を診断するのに有用な確率表を作成する典型的な手順を下記に提供する。
AC220による治療の前に採取した、及び治療の間に採取したその後の時点の、AC220を経験している45名の患者からの血液試料の分析を分析した。これらの45の試料のうちで観察されるシグナルの分布及びシグナルの範囲に基づいて、MSD検出法から得られた500未満のシグナルを生じる試料を「低」レベルのpFLT3を有するものとして指定し;500以上かつ1000未満のシグナルを生じる試料を「中程度」のレベルのpFLT3として指定し;及び1000以上のシグナルを生じる試料を「高」レベルのpFLT3として指定した。指針としてのこれらの指定に基づいて、本明細書に記載のインビボMSD FLT3 ELISAアッセイを用いて試験した血液試料は、該試料によって生じたMSDシグナルに基づいて低レベル、中程度のレベル、又は高レベルのpFLT3を発現すると決定することができる。
pFLT3レベル及びtFLT3レベルについて試験した骨髄試料について、別個の集団の骨髄試料を変化した分布及び変化したシグナル範囲に基づいて試験し及び異なるグループ分けをしなければならないか(血液と比較して骨髄において認められる芽細胞のより大きな百分率を考慮するとおそらくより高い。)、又は何らかの算術的関係が骨髄シグナルと血液シグナルの間で決定された場合、先に列挙した血液シグナルを骨髄試料について調整及び使用してよいかのいずれかである。さらに、「低」、「中程度」、及び「高」レベルのpFLT3のより厳密なグループ分け(又はまとまり分け(binning))に達するために、分布に関する統計分析をしてよく、相関及び推定が、これらのグループ分けに基づいてなされてよい。あるいは、グループ分け又はまとまり分けは、二進法推定を生じるための2つのカテゴリー「低」及び「高」へとしてよい。
(FLT3/pFLT3レベルと芽細胞計数との相関:)
表5は、低い、中程度の、及び高いtFLT3シグナル間で低い、中程度の、及び高い芽細胞計数を有する患者の分布を示す:
Figure 2012508367
表6は、低い、中程度の、及び高いpFLT3シグナルのうちの低い、中程度の、及び高い芽細胞計数を有する患者の分布を示す:
Figure 2012508367
本研究において51名の患者のうち、45の試料を試験し、以下の相関を確立した。図6のAは、AC220治療を経験している45名の臨床患者のうちの、絶対芽細胞計数(100個/μLにおける芽細胞の数)とFLT3発現との相関を示す。45の血漿試料にわたるシグナル及びMSD ELISAシグナルの強度の分布に基づいて、10,000未満のシグナルを低レベルのtFLT3と指定し、10,000以上かつ50,000未満のシグナルを中程度のレベルのtFLT3と指定し、50,000以上のシグナルを高レベルのtFLT3と指定した。44XY対の試料セットのうちのSpearmanのρノンパラメトリック分析は、0.5216のSpearmanのρを生じ、芽細胞計数とpFLT3との有意な相関を示した(p=0.0003)。限定的な相関傾向が観察され得、高い芽細胞計数の患者試料は、低い総FLT3レベルを呈さないのに対し、約42%及び55%の患者芽細胞はそれぞれ、中程度のレベルの及び高レベルのtFLT3を呈する。同様の傾向は、低い芽細胞計数の患者試料について観察され得、約10%のみの低い芽細胞計数の患者試料が高いtFLT3を呈するのに対し、約33%及び55%の患者芽細胞試料がそれぞれ中程度の及び低いtFLT3を呈する。
図6のBは、pFLT3について分析した同じ45名の臨床患者のうちの芽細胞計数とpFLT3レベルとの相関を示す。45の血漿試料にわたるシグナル及びMSD ELISAシグナルの強度に基づいて、500未満のシグナルは低レベルのpFLT3を指定し、500以上かつ1,000未満のシグナルを中程度のレベルのpFLT3と指定し、1000以上のシグナルを高レベルのpFLT3と指定した。Spearmanのρノンパラメトリック分析は、0.5196のSpearmanのρを生じ、芽細胞計数とpFLT3との間に有意な相関を示した(p=0.0003)。pFLT3発現に基づいた3つのグループ分けのうちの分布に対する芽細胞計数の3つのグループ分けの分布をみると、芽細胞計数とpFLT3レベルとの相関は、芽細胞計数とtFLT3との相関よりもさらに顕著であり、ほぼ80%の高い芽細胞計数の患者試料が、高いレベルのpFLT3を呈し、逆に、80%超の低い芽細胞計数の患者試料が、低いレベルのpFLT3を呈する。
pFlt3阻害が臨床成績と十分に相関していることをご覧いただきたい。また、AC220は、FLT3阻害剤と期待されるであろうように、構成的に活性のあるpFLT3を有するITD患者に及ぼす最大の影響を有することも示されている。
45の試料のうちで観察された高いpFLT3レベルと高い芽細胞計数との80%の相関に基づいて、pFLT3レベルは、疾患状態についての独立したバイオマーカーとして明らかに有用であろう。試料数(n=45)が、統計的に有意な相関を提供するのに十分であると仮定し、かつ、低い(500未満のMSDシグナル)、中程度の(500以上かつ1000未満のMSDシグナル)、及び高い(100以上のMSDシグナル)のグループ分けが統計的に厳密なグループ分けであると仮定すると、インビボFLT3 MSD ELISAアッセイは、以下を予測し得る:
1)pFLT3レベルが「高い」=11/14又は79%であると仮定して、絶対芽細胞計数が、10(×1000個/μL)を超える確率。
2)pFLT3レベルが「中程度」=0/7又は0%であると仮定して、絶対芽細胞計数が10(×1000個/μL)を超える確率。
3)pFLT3レベルが「低い」=3/24又は13%であると仮定して、絶対芽細胞計数が10(×1000個/μL)を超える確率。
それゆえ、先に記載した仮定をすると、絶対芽細胞計数が10(×1000個/μL)を超える79%及び13%の確率は、MSDシグナルに基づいた「高い」又は「低い」pFLT3レベルを生じる患者の血液試料に割り当てられ得る。
従って、本明細書に開示されたMSD ELISAアッセイは、顕微鏡下で観察されるスメアに存在するすべての非赤血球有核細胞の分数としての骨髄芽球の数を計数することからなる、芽細胞を計数する伝統的な方法とは対照的に、技師の誤差又は変動性の傾向がほとんどない定量的生体分子アッセイであるので、芽細胞計数のより正確な測定であるための、又は芽細胞計数の代用物として用いられる可能性を有する。
FLT3/pFLT3レベルとFLT3‐ITD状態との相関:
表7は、低い、中程度の、及び高いFLT3シグナルのうちで遺伝子型同定された患者の分布を示す。
Figure 2012508367
表8は、低い、中程度の、及び高いpFLT3シグナルのうちで遺伝子型同定した患者のインビボpFLT3 MSD ELISA及び分布由来の生データを示す。
Figure 2012508367
図8は、遺伝子型の確立されたAC220治療法を受けている患者由来の34の試料から得た遺伝子型とMSD ELISAデータに基づいたFLT3レベルとの相関を示すグラフである。図8のAは、遺伝子型とtFLT3レベルとの良好な相関を示し、ほぼ90%のFLT3‐ITD患者が、中程度から高レベルのtFLT3を発現する。対照的に、野生型患者は、広範な範囲のFLT3発現を示す。FLT3‐ITD遺伝子型と高いpFLT3発現とのさらにより強い相関があり、73%のFLT3‐ITD患者は、高いpFLT3レベルを呈する。低いpFLT3と野生型状態の間には強い逆相関があり、63%の野生型患者は、低いレベルのpFLT3を呈する。
試料数(n=34)が、統計的に有意な相関を提供するのに十分であると仮定し、かつ低い(500未満のMSDシグナル)、中程度の(500以上かつ1000未満のMSDシグナル)、及び高い(1000以上のMSDシグナル)というグループ分けが、統計的に厳密なグループ分けであると仮定すると、インビボFLT3 MSD ELISAアッセイは以下を予測し得る:
1)pFLT3レベルが「高い」=8/11又は73%であると仮定して、遺伝子型がITDである確率。
2)pFLT3レベルが「中程度である」=1/6又は17%であると仮定して、遺伝子型がITDである確率。
3)pFLT3レベルが「低い」=2/17又は12%であると仮定して、遺伝子型がITDである確率。
4)n=34についてpFLT3レベル=11/34又は32%にも関わらずITDが陽性である確率。
それゆえ、先に記載した仮定をすると、73%、17%、及び12%のITDの遺伝子型が存在するという確率は、それぞれMSDシグナルに基づいた「高い」、「中程度の」、及び「低い」pFLT3レベルを生じる患者血液試料に割り当てられてよい。n=34の控えめな試料サイズを仮定すると、30%の患者がpFLT3レベルにかかわらずITDであるという最後の確率予測は、すべてのAML患者の30%がFLT3‐ITD陽性であると概算する文献と非常によく一致している。
本明細書に開示された方法は、pFLT3についての感度検出方法の不在下で確認することが困難であろうという仮説を支持するための証拠を生じた。例えば、ITD突然変異体がFLT3阻害剤に対してより良好に応答するであろうという、白血病研究者の間での仮説は、ITD患者が高レベルのpFlt3を有するという仮定に基づいている。本発明の方法を介して得られた図7におけるデータは、前記仮定を支持するpFLT3遺伝子型とFLT3遺伝子型との相関を示している。前記データは、現行の試料セットにおけるITD患者のおよそ75%が、10%しか高いpFLT3を呈さない野生型患者と比較して高いpFLT3レベルを呈することを示している。また、本明細書に開示された方法は、高レベルのFLT3を発現する野生型患者の百分率の測定結果を初めて提供する。約30%の成人AML患者しかFLT3‐ITD突然変異を有さないので、かつ、D835点突然変異などのFLT3チロシンキナーゼドメイン突然変異が、AML患者のさらに7%を占めるので、残りのAML患者が、FLT3受容体を過剰発現するか若しくはFLT3リガンドを過剰発現するか、又はその両方であるかのいずれかである野生型患者であることが推測された。図6におけるグラフは、実際に約30%の野生型患者しか高いtFLT3レベルを呈さず、そのうち10%しか活性型pFLT3を呈さないことを示しており、他の機序がAMLを発症する上で役割を担い得ることを示唆している。
(実施例9‐FLT3阻害剤による治療後の患者におけるpFLT3及び総FLT3レベルについての患者モニタリング)
本アッセイは、先に記載したFLT3阻害剤の治療後の患者におけるpFLT3レベル及び総FLT3レベルをモニターするよう最適化される。簡潔には、AML又は他のFLT3仲介性疾患を有する患者は、AC220などのFLT3阻害剤を投与される。血液試料を、FLT3阻害剤の投与後24時間経時的に具体的な時点で採取する。試料は、実施例2において実施したように、単一のELISAプレートにおいて遡及的に試験してよく、又は試料は、新鮮な血液試料又は骨髄試料を用いてリアルタイムで試験してよい。血液試料の調製並びに総FLT3及びリン酸化型FLT3の検出は、実施例2にあるとおり実施される。
患者Eは、実施例2に記載のMSD ELISAを用いて血液試料を試験された51名の患者のうちの1名である。図10のB及びCは、ITD患者であると決定された患者Eについて生じた生データを示す。患者Eから採取された試料は、ITD患者について期待されるであろうように、約1800の高いMSDシグナルを生じた。図10のAは、投与前、並びに投与2時間後、及び24時間後の時点におけるpFLT3/tFLT3の比における傾向を示す。この患者は、AC220治療法に対して迅速な応答を示し、pFLT3/tFLT3比は、たったの2時間で80%低下する。応答の迅速性は、患者EがFLT3治療法に対して化学感受性であるという非常にありがちな徴候であり、迅速な応答が予測するであろうように、この患者は、CRi(不完全血液計数回復をともなう完全応答)のプロトコールに規定された応答を満たす。
患者Eについてのデータは遡及的に生じたが、結果は、本発明のMSD ELISA法をどのように用いて、リアルタイムで試料を試験し、結果に基づいた治療決定をすることによって、患者をモニターし得、患者のFLT‐3仲介性疾患を管理し得るかを示す。例えば、新たに診断された白血病患者は、採血され得、pFLT3及びtFLT3について測定され得、この患者のMSD ELISAシグナルが1,800であった場合、治療医は、MSD ELISAシグナルがITD突然変異の存在の百分率確率を割り当てられたスコア化システムを参照し得る。この場合、医師は、患者が1000を超えるMSDシグナルレベルを有し、それゆえ、「高い」pFLT3発現患者であると結論付けてよく、実施例8に記載のものと類似のスコア化システムを用いて、医師は、この患者が、ITD患者である73%の確率を有していたと結論付けてよい。次に、医師は、この患者のための治療法コースを選択し、AC220など、標的化したFLT3阻害剤を処方してよい。標的化したFLT3治療法の投与の後、医師は、血液試料を投与2時間後に採取して、FLT3治療法に対する患者の応答を評価するよう選択してよい。この患者が、患者Eによって示される迅速な応答の種類を呈する場合、医師は、標的FLT3阻害治療法を続行するよう選択してよい。患者が、患者Eによって具現化される迅速な応答の種類を示さない場合、医師は、治療を停止するか又は治療を続行するかのいずれかを選択してよく、週の終わりか又はおそらく2週間の終わりのいずれかに第三の時点を設け、pFLT3レベルが治療におけるより後期の時点で阻害されたかどうかを決定してよい。第三の時点におけるpFLT3阻害の阻害又は欠失によって、医師は、標的化したFLT3治療法が、患者に適切であったかどうかを決定する上で誘導され得る。
(実施例10‐骨髄吸引物におけるpFLT3阻害を試験するためのFLT3 MSD ELISA)
FLT3及びpFLT3のアッセイを本質的には実施例2に記載したとおり実施するが、例外は、変動する量の骨髄吸引物を血液の替わりに各ウェルに添加することである。骨髄吸引物又は他の体液を患者から、FLT3阻害剤の投与後の、又は治療の時間経過を通じて具体的な時点で採取する。検体を、プロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤を補充した細胞溶解緩衝液で溶解した後、−80℃でELISAによる直接的な分析まで保存し、又はそれに替わるものとして、−80℃で直接保存し、プロテアーゼ阻害剤及びホスファターゼ阻害剤を補充した細胞溶解緩衝液で溶解した後、ELISAによって直接分析する。
(実施例11‐他の体液試料及び組織試料におけるpFLT3阻害を試験するためのFLT3 MSD ELISA)
FLT3及びpFLT3のアッセイを本質的に実施例2に記載の通り実施するが、例外は、脊髄液を変動する量で添加することであり、血液の替わりに各ウェルに添加することである。あるいは、脳、リンパ節、脾臓、皮膚、又は胃腸管など、当技術分野で公知の方法によって均質化し又はさもなければ調製される試料組織(例えば、抽出物)を、変動する量で血液の替わりに各ウェルに添加する。例えば、組織試料を解凍して、ホモジナイザーを用いて溶解緩衝液において均質化する。次に、均質化した試料を遠心分離により清澄化し、溶解物を多重ウェルプレートのウェルに添加する。試料をFLT3阻害剤の投与後に、又は治療の時間経過の間の任意の時点で患者から採取して、pFLT3の状態をモニターすることができる。試料は、分析まで−80℃で保存される。
(実施例12‐FLT3リン酸化のためのアゴニストのスクリーニング及び同定)
先に記載した、例えば実施例3におけるアッセイを改変して、FLT3リン酸化のアゴニストである低分子をスクリーニング及び同定する。異なる試験化合物を、総容積各250μLで2×ストック含有0.5%FBS培地として調製する。9地点の3×用量設定を各試験化合物について用いる。細胞を化合物とともに37℃で2時間インキュベートし、アッセイをさもなければ実施例3において先に記載したとおり実施する。pFLT3のシグナルを総FLT3で標準化し、異なるウェルにおける細胞数の差をなくする。試験した化合物のEC50を、種々の濃度の試験した化合物における対照試料と比較したFLT3リン酸化の増大を示す用量反応曲線から決定する。
(実施例13‐FLT3リン酸化のためのアンタゴニストのスクリーニング及び同定)
本明細書に記載のアッセイを改変して、FLT3リン酸化のアンタゴニストである低分子をスクリーニング及び同定する。プロトコールは、本質的に実施例12に記載の通り実施する。pFLT3のシグナルを総FLT3で標準化して、異なるウェルにおける細胞数の差をなくする。FLT3の阻害は、種々の濃度でFLT3阻害剤の存在下で、対照試料と比較してFLT3のリン酸化の阻害を示す用量反応曲線から決定する。
(実施例14‐pFLT3アッセイ結果を用いた薬剤投与の誘導)
実施例2に記載のとおり実施したAC220臨床研究から収集した血液試料に関して実施した本発明のpFLT3 ELISA法を成功裡に用いて、臨床患者におけるFLT3リン酸化の阻害の程度をモニターした。図20は、pFLT3の初期の出血前レベルと比較したpFLT3における25%超(上のグラフ)、50%超(真ん中のグラフ)、又は75%超の低下(下のグラフ)を呈する各コホートの患者の百分率の要約である(x軸は、各コホートにおけるAC220用量を表す。)。AC220は、毎日(1日1回)、14日間投与/14日間休薬の間欠的治療法で用量制限毒性が観察されずに、1日あたり最高300mgまで充分に許容的であったので、及びさらに、14日間の休薬期間中にpFLT3レベルのリバウンドを示すpFLT3 ELISAからの薬力学的データからの観察に基づいて、AC220投薬スケジュールを14日間投与/14日間休薬の間欠的スケジュールから28日間連続スケジュールへと変更する決定をした。最大許容用量が、毎日あたり300mgに到達しなかったので、図20において示されるデータを用いて、FLT3リン酸化における有意な低下、すなわち、75%以上の低下が、1コホート1日あたり200mgで開始する患者の有意な百分率において観察されるという観察に基づいて、毎日あたり200mgでの開始連続用量を選択した。図20の下のグラフは、1コホート1日あたり200mgにおける2倍多い患者が、1日あたり135mgを投与されたすぐ下のコホートと比較して75%超のpFLT3低下で応答したことを示す。従って、本発明のpFLT3 ELISAは、間欠的から持続的へと投薬スケジュールを変更する決定を誘導するだけでなく、用量制限毒性又は最大許容的用量に関する情報がなおも利用可能でない場合に、28日間の持続スケジュールについての開始用量レベルの選択を誘導するという有用な薬力学的データを成功裡に生じた。
先に記載した本発明の実施態様は、単に典型的であるよう意図されており、当業者は、ごく普通の実験だけを用いて、本明細書に記載の具体的な手順と等価である数多くのものを認識するであろうし、又は確認することができるであろう。このような等価のものはすべて、本発明の範囲内であると考えられ、以下の特許請求の範囲によって包含される。さらに、本明細書及び特許請求の範囲において用いられるように、単数形「a」、「an」、及び「the」には、別段の明確な記載がない限り、複数形を含む。従って、例えば、「抗体」に対する引用には、2つ以上のこのような抗体の混合物、又はそれに類するものが含まれる。加えて、当業者は、操作上の順序(sequence)が、説明及び請求の目的のために、ある具体的な順序(order)で示さなければならないことを認識するであろうが、本発明は、このような具体的な順序(order)のほかに、種々の変更を意図する。
本明細書に記載のすべての引用文献の内容は、引用により本明細書により組み込まれる。
他の実施態様は、以下の特許請求の範囲内にある。

Claims (34)

  1. 血液試料、血液溶解物試料、又は骨髄吸引物試料におけるヒトリン酸化型FMS関連チロシンキナーゼ3(pFLT3)の存在を検出する方法であって:
    (a)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;
    (b)結合していない試料を除去すること;
    (c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する;
    (d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び
    (e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、
    ここで、ヒトpFLT3を欠失する対照試料と比較した、該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試料におけるヒトpFLT3の存在を示す、前記方法。
  2. 血液、血液溶解物、又は骨髄吸引物におけるFLT3リン酸化を検出する方法であって:
    (a)前記試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;
    (b)結合していない試料を除去すること;
    (c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体がヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるエピトープに免疫特異的に結合する;
    (d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び
    (e)該試料に結合した該第二の抗体の存在を検出すること;を含み、
    ここで、pFLT3を有さない対照試料と比較した、該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試料におけるFLT3リン酸化を示す、前記方法。
  3. FLT3活性化突然変異を有する患者を診断する方法であって:
    (a)患者由来の血液試料、血液溶解物試料、又は骨髄吸引物試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;
    (b)結合していない試料を除去すること;
    (c)該固定化された第一の抗体に結合した試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する;
    (d)結合していない第二の抗体を除去すること;及び
    (e)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出することを含む、前記方法。
  4. ヒトFLT3リン酸化を活性化させる試験化合物、又はさもなければ該リン酸化のアゴニストである試験化合物を同定する方法であって:
    (a)該試験化合物の存在下及び不在下で、ヒトFLT3を含む血液試料、血液溶解物試料、又は骨髄吸引物試料を接触させること;
    (b)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;
    (c)結合していない試料を除去すること;
    (d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する;
    (e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び
    (f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、
    ここで、該試験化合物の不在下の該試料に結合した第二の抗体の量と比較した、該試験化合物の存在下の該試料に結合した第二の抗体の量の増加が、該試験化合物がヒトFLT3リン酸化を活性化させることを示す、前記方法。
  5. ヒトFLT3リン酸化を阻害する試験化合物、又はさもなければ該リン酸化のアンタゴニストである試験化合物を同定する方法であって:
    (a)該試験化合物の存在下及び不在下で、ヒトFLT3を含む試料を接触させること;
    (b)該試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;
    (c)結合していない試料を除去すること;
    (d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する;
    (e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び
    (f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、
    ここで、試験化合物の不在下の試料に結合した第二の抗体の量と比較した、試験化合物の存在下の該試料に結合した第二の抗体の量の減少が、該試験化合物が、ヒトFLT3リン酸化を阻害することを示す、前記方法。
  6. 前記試験化合物が、複数の試験化合物のうちの1つであって、ここで、該試験化合物のうちの少なくとも2つが互いに異なる、請求項4又は5記載の方法。
  7. 前記複数の試験化合物が、1〜100,000の試験化合物、1〜35,000の試験化合物、1〜10,000の試験化合物、1〜1,000の試験化合物、1〜100の試験化合物、又は1〜10の試験化合物を含む、請求項6記載の方法。
  8. 患者におけるヒトFLT3リン酸化を低下させる化合物の有効性を決定する方法であって:
    (a)該化合物を該患者に投与すること;
    (b)該患者由来の血液試料、血液溶解物試料、又は骨髄吸引物試料を、ヒト総FLT3に免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること;
    (c)結合していない試料を除去すること;
    (d)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、検出可能な第二の抗体と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合する;
    (e)結合していない第二の抗体を除去すること;及び
    (f)該試料に結合した第二の抗体の存在を検出すること;を含み、
    ここで、該化合物の投与前の患者由来の対照試料と比較した、該試料に結合した第二の抗体の量の減少が、該患者におけるヒトFLT3リン酸化を低下させるための化合物の有効性を示す、前記方法。
  9. 前記試料が患者に由来する、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 前記患者が、FLT3活性化突然変異を有する、請求項9記載の方法。
  11. 前記第二の抗体が標識を含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記標識が、ビオチン、放射性核種、酵素、基質、蛍光マーカー、化学発光マーカー、又はルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルである、請求項11記載の方法。
  13. 前記第一の抗体が、多重ウェルプレート又は多重ドメインプレートのうちの1つのウェルにおいて固定化されている、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. 前記多重ウェルプレート又は多重ドメインプレートが、前記プレートの底部に電極を含む、請求項13記載の方法。
  15. 前記第二の抗体がビオチン化されている、請求項13記載の方法。
  16. 前記第二の抗体を標識済みストレプトアビジンと接触させ、並びに、結合していない第二の抗体を除去した後、かつ前記試料に結合した第二の抗体の存在を検出する前に、結合していない標識済みストレプトアビジンを除去することをさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記標識済みストレプトアビジンが、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルを含む、請求項16記載の方法。
  18. 前記試料に結合した第二の抗体の存在が、前記炭素電極の表面上のタグ付きストレプトアビジンのECLによって検出される、請求項17記載の方法。
  19. 試料におけるヒトpFLT3の存在を検出する方法であって:
    (a)該試料を、ヒトFLT3の細胞外ドメインに免疫特異的に結合する固定化された第一の抗体と接触させること、ここで、第一の抗体が、多重ウェルプレート又は多重ドメイン多重ウェルプレートの底部に電極を含む該プレートの上のウェルに固定化されており;
    (b)結合していない試料を除去すること;
    (c)該固定化された第一の抗体に結合した該試料を、ビオチン化した第二の抗体と標識済みストレプトアビジンとの混合物と接触させること、ここで、該第二の抗体が、ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第二の抗体が、該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合し、かつ該標識済みストレプトアビジンが、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルを含む;
    (d)結合していない第二の抗体及び結合していない標識済みストレプトアビジンを除去すること;及び
    (e)該試料に結合した第二の抗体の存在を、該電極の表面の標識済みストレプトアビジンのECLによって検出すること;を含み
    ここで、ヒトpFLT3を欠失しているか又は検出不可能な量のヒトpFLT3を有するかのいずれかの対照試料と比較して、該試料に結合したより多量の第二の抗体が、該試料におけるヒトpFLT3の存在を示す、前記方法。
  20. 前記固定化された第一の抗体が、前記ウェルに約0.1μg/mL〜約10μg/mLの範囲の濃度で添加される、請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
  21. 約0.25ng〜約2.5μg、又は約2.5ng〜約250ngの第一の抗体が1ウェルあたりに添加される、請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
  22. 前記第一の抗体が、ヒトFLT3 27-543の細胞外ドメインに免疫特異的に結合する、請求項1〜21のいずれか一項記載の方法。
  23. 前記第一の抗体が、未変性型のヒトFLT3に免疫特異的に結合する、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
  24. 前記第一の抗体が、膜近傍ドメイン(アミノ酸572〜603配列番号1の配列)、キナーゼ挿入領域アミノ酸配列番号1の配列の711〜780、細胞外ドメインアミノ酸配列番号1の配列の564〜993、及びC末端(配列番号1の配列のアミノ酸974〜993)のうちの1つ以上に免疫特異的に結合しない、請求項1〜23のいずれか一項記載の方法。具体的な実施態様において、該第一の抗体は、ポリクローナル抗体ではない。
  25. 前記第一の抗体が、ポリクローナル抗体ではない、請求項1〜24のいずれか一項記載の方法。
  26. 前記第一の抗体が、マウスモノクローナル抗体である、請求項1〜25のいずれか一項記載の方法。
  27. 前記第二の抗体が、pFLT3のリン酸化型チロシン残基589、591、597、599、726、842、及び955のうちの1つ以上に免疫特異的に結合する、請求項1〜26のいずれか一項記載の方法。
  28. 前記第二の抗体が、前記リン酸化型チロシン残基589及び591のうちの1つ以上に単独で免疫特異的に結合しない、請求項1〜26のいずれか一項記載の方法。
  29. 前記第二の抗体が、マウスモノクローナル抗体である、請求項1〜28のいずれか一項記載の方法。
  30. 前記第二の抗体が、約0.1μg/mL〜約10μg/mLの範囲の濃度で前記試料と接触する、請求項1〜29のいずれか一項記載の方法。
  31. 約0.25ng〜約2.5μg、又は約2.5ng〜約250ngの第二の抗体が、1ウェルあたりに添加される、請求項1〜30のいずれか一項記載の方法。
  32. 1つ以上の容器にある、請求項1〜31のいずれか一項記載の方法を実施するキット。
  33. 試料におけるヒトpFLT3の存在を検出するキットであって:
    (a)多重ウェルプレート又は多重ドメインプレートの底部に電極を含む該プレート;
    (b)ヒトFLT3の細胞外ドメインに免疫特異的に結合する第一の抗体であって、該プレートのウェルに任意に固定化される該第一の抗体;
    (c)ヒトpFLT3に免疫特異的に結合し、かつ該第一の抗体とは異なるFLT3エピトープに免疫特異的に結合し、かつ任意にビオチン化される第二の抗体;及び
    (d)任意に、標識済みストレプトアビジンが、ルテニウム(II)トリ-ビピリジン-(4-メチルスルホナート)NHSエステルを含む、前記キット。
  34. 必要な試薬並びに任意でポジティブコントロール及びネガティブコントロールをさらに含む、請求項32又は33に記載のキット。
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