JP2012506971A - 形状記憶合金アクチュエータ装置の制御 - Google Patents

形状記憶合金アクチュエータ装置の制御 Download PDF

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Abstract

SMAアクチュエータ装置が、可動要素を移動させるように構成されたSMAアクチュエータと、駆動電流を供給する電流供給部と、SMAアクチュエータの抵抗の指標を検出する検出回路と、SMAアクチュエータの抵抗を目標値へ合わせこむように駆動電流の電力を制御するために、電流供給部へと供給される閉ループ制御信号を生成するように動作することができる制御ユニットとを備えている。制御ユニットが、熱モデルを使用し、供給された電力にもとづいてSMAアクチュエータ装置の特徴温度の推定を導出し、それにもとづいて抵抗オフセットを導出する。閉ループ制御信号が、抵抗の変化を補償するために、抵抗オフセットによって調節されたSMAアクチュエータの抵抗の指標とSMAアクチュエータの抵抗の目標値との間の誤差にもとづいて生成される。

Description

本発明は、一般的には、加熱によって引き起こされる収縮にて可動要素の支持構造体に対して移動させるように構成されたSMA(形状記憶合金)アクチュエータを備えているSMAアクチュエータ装置の制御に関する。
本発明は、例えばカメラのレンズ要素(特に、携帯電話機や移動デジタルデータ処理及び/又は送信装置などといった可搬の電子デバイスに採用することができる小型のカメラにおいて使用される種類のカメラレンズ要素)などの比較的小さな可動要素を正確に駆動するという特段の用途を有している。
近年では、PDA(ポータブル・デジタル・アシスタント)として知られることもある携帯情報端末及び携帯電話機の爆発的な広がりにつれて、ますます多くのデバイスが、画像センサを採用する小型のデジタルカメラ装置を取り入れている。そのようなデジタルカメラ装置が、比較的小さい画像検出面積を有する画像センサを使用して小型化される場合、1枚又はそれ以上のレンズを含むその光学系も、相応に小型化される必要がある。
合焦又はズームを実現すべく、光軸に沿ってカメラのレンズ要素を移動させるために、ある種のアクチュエータ装置を、そのような小型のカメラの限られた空間に備えなければならない。カメラのレンズ要素が小さいため、アクチュエータ装置は、相応に小さい移動の範囲において精密な駆動を提供できなければならない。
同様の考慮が、幅広くさまざまな他の小さな物体のアクチュエータ装置にも当てはまる。
既存のカメラの大部分が、周知の電気コイルモータの変種に依存している一方で、いくつかの他のアクチュエータ装置が、レンズ系のための小型な駆動ユニットとして提案されている。そのような他のアクチュエータ装置として、一般的に電気活性デバイスと称される圧電材料、電歪材料、又は磁気ひずみ材料にもとづくトランスデューサを挙げることができる。
提案されている別の種類のアクチュエータ装置は、SMA材料をアクチュエータとして使用する。SMAアクチュエータが、加熱にてカメラのレンズ要素を移動させるように構成されている。SMAアクチュエータがマルテンサイト相とオーステナイト相との間で変化し、SMAアクチュエータの応力及びひずみが変化する有効温度範囲において、SMAアクチュエータの温度を制御することによって、駆動を実現することができる。低い温度において、SMAアクチュエータはマルテンサイト相にある一方で、高い温度においては、SMAアクチュエータがオーステナイト相へと変化し、SMAアクチュエータを収縮させる変形が引き起こされる。SMAアクチュエータを加熱して相の変化を生じさせるために、SMAアクチュエータに駆動電流を選択的に通すことによって、SMAアクチュエータの温度を変化させることができる。相の変化は、SMAの結晶構造における転移温度の統計的な散らばりゆえに、ある温度範囲において生じる。SMAアクチュエータは、収縮によって可動要素が移動するように構成される。
小型の構成要素(小型カメラのカメラレンズ要素など)のためのアクチュエータとしてSMA材料を使用することで、本質的に線形であり、単位質量あたりの出力が大であり、低コストの品物であり、比較的小さい部品であるという利点がもたらされる。
本発明は、そのようなSMAアクチュエータ装置の制御に関し、特に精密な位置制御を提供するというニーズに関する。これは、一般論として、SMA材料の固有の物理的特性ゆえに単純ではない。位置が、SMA材料の温度を変化させることによって制御され、温度を、SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給することによって制御することができる。しかしながら、位置と駆動電流との間に存在する関係は、単純ではない。例えば、温度と位置との間の関係が非線形であって、ヒステリシスも有し、加熱時と冷却時とで異なる曲線を辿る。さらに、駆動電流とSMAアクチュエータの温度との間の関係が複雑であり、加熱の履歴並びに冷却の量(周囲の温度に強く依存する)に左右される。結果として、実際のところ、SMAアクチュエータの制御は複雑である。SMAアクチュエータ装置の閉ループ制御を、SMAアクチュエータの抵抗の指標をフィードバック信号として使用して、適用することができる。この場合、駆動電流の電力を制御するための閉ループ制御信号が、検出回路によって検出されるSMAアクチュエータの抵抗の指標と、SMAアクチュエータの抵抗の目標値との間の誤差にもとづいて生成される。そのような閉ループ制御は、SMAアクチュエータの抵抗がSMAアクチュエータの長さにつれて予測可能な様相で変化するがゆえに、位置の正確な制御を可能にする。さらには、抵抗の測定の使用は、可動要素の実際の物理的な位置を検出するセンサの使用に比べ、正確であり、単にSMAアクチュエータを加熱する駆動電流の供給に必要な構成要素を補う追加の電子部品を用意することによって単純かつコンパクトに実現できるなど、大きな利点を有している。
SMAアクチュエータの抵抗にもとづく閉ループ制御は、合理的に正確な制御をもたらすが、ある程度の不正確さが、時間につれて生じるクリープ(又は、ドリフト)から生じることが知られている。すなわち、時間につれて、所与の抵抗におけるSMAアクチュエータの収縮の程度が変化し、或いは逆に言えば、所与の抵抗の程度におけるSMAアクチュエータの抵抗が変化することが、観察される。そのようなクリープは、SMAアクチュエータが長い時間にわたって動作し、或いは異なる機会において動作する場合に、SMAアクチュエータの制御の予測可能性の程度を低下させる。
このクリープの問題が、国際公開第2008/129291号において検討されており、仮説として、クリープが、SMAアクチュエータに熱的なデッドスポット(SMAアクチュエータの他の部分よりも加熱が遅れる)を生じさせる大きな熱質量の隣接部品によって引き起こされるとされている。また、国際公開第2008/129291号は、SMAアクチュエータの一部分に沿って導電性材料を設けて、この部分を短絡させることを含むこの問題への解決策を提案している。これは有効であるが、追加の製造工程、したがってコストを必要とするほか、SMAアクチュエータの有効長が短くなる。
国際公開第2008/129291号
本発明の第1の態様は、このクリープの問題の軽減に関する。
本発明の第1の態様によれば、加熱によって引き起こされる収縮にて、可動要素について、この可動要素を支持する支持構造体に対して移動するように構成されたSMAアクチュエータを備えているSMAアクチュエータ装置を制御する方法が提供される。
この方法は、SMAアクチュエータを加熱すべくSMAアクチュエータを介して駆動電流を供給することを含んでおり、
この駆動電流の電力が、
SMAアクチュエータの抵抗の指標を検出するステップ、
駆動電流の電力にもとづいて、SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定を、SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度を駆動電流の電力に関連付ける熱モデルを使用して、導出するステップ、
SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定にもとづいて、抵抗オフセットを、SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度につれての可動要素の抵抗の変化を補償する抵抗オフセットをSMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度に関連付ける抵抗モデルを使用して、導出するステップ、及び
抵抗オフセットによって調節されたSMAアクチュエータの抵抗の指標とSMAアクチュエータの抵抗の目標値との間の誤差にもとづいて、駆動電流の電力を制御するための閉ループ制御信号を生成するステップ
を実行することによって、SMAアクチュエータの抵抗を目標値へと合わせこむための閉ループ制御信号にもとづいて制御される。
さらに、本発明の第1の態様によれば、対応する方法を実現するSMAアクチュエータ装置のための制御システムが提供される。
本発明の第1の態様は、SMAアクチュエータ装置の物理的な構成ではなく、閉ループ制御の性質への変更を使用して、クリープの程度を少なくする。特に、クリープ(又は、ドリフト)を、SMAアクチュエータ装置の熱モデルを使用して、SMAアクチュエータへと供給される駆動電流の電力にもとづいて導出されるSMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定から抵抗オフセットを導出することによって、補償できるという認識にもとづいている。これは、クリープが、SMAアクチュエータ装置の周囲の構成部品(それら自身も、SMAアクチュエータへと供給される電力によって加熱されるが、異なる熱時定数を有している)の温度によって影響されるSMAアクチュエータの収縮及び抵抗によって引き起こされるからである。
SMAアクチュエータは、可逆の相変化を通じてSMA材料を加熱する駆動電流を印加することによって駆動される。電力が増やされ、SMAアクチュエータの温度が上昇するとき、抵抗に影響を及ぼす競合する現象が存在する。例えば、あらゆる金属と同様に、特定の相の抵抗率が、温度につれて高くなる。SMAアクチュエータは、加熱において収縮するため、これは抵抗を小さくする傾向にある。加えて、マルテンサイト相及びオーステナイト相は、異なる抵抗率を有している。したがって、温度が高まるにつれて抵抗を増加及び減少させる傾向にある競合する因子が存在するため、初期に抵抗が増加して最大値に達し、次いでSMAアクチュエータの収縮が支配的になるため抵抗が減少し、相変化がほぼ完了するときに最小の抵抗に達し、その後に抵抗が再び上昇する現象が観察される。位置の閉ループ抵抗フィードバック制御は、抵抗の変化がSMAアクチュエータの長さの変化に支配される最大及び最小の抵抗の間の領域において有効である。
しかしながら、特定の目標抵抗を維持するときにアクチュエータ位置の時間依存性を変化させるさまざまな非線形性が存在する。一例は、一端において固定の物体に取り付けられ、他端において移動する物体に取り付けられることが典型的であるSMAアクチュエータの端部に関係する。これらの物体は、典型的には、端点がSMAアクチュエータへの電気的接続も形成するか否かに応じて、金属又はプラスチックであってよい。これらの端部に取り付けられる物体は、熱質量を有し、典型的には時間とともに熱くなるが、SMAアクチュエータの中央部とは異なる時定数を有する。このようにして、端部付近のSMAアクチュエータは、端部の物体への熱を失うが、そのような熱の喪失は、これらの物体が加熱されるときの時間につれてゆっくりとした速度である。端部の物体にきわめて近いSMAアクチュエータの領域については、相変化に相当する温度に決して達しない可能性があり、その場合、端部の物体が時間とともに高温になり、SMAアクチュエータのこれらの端部領域も高温になるにつれて、それらの抵抗が大きくなる。さらにわずかに遠い領域は、長い時間の後で相変化領域に入り始め、収縮を始める可能性がある。端部領域の抵抗が時間につれて増加するとき、これらの領域は閉ループ抵抗フィードバックループの内側であるため、制御アルゴリズムが、相変化をさらに駆動するより多くの電力を印加することによって、全体としてのSMAアクチュエータの抵抗を下げようと試みることを、理解できるであろう。これにもとづき、時間につれて、抵抗が維持されるとき、端部の物体の熱時定数に応答してより多くの電力が加えられるため、より高い温度の方向に位置がクリープする傾向にある。この影響及び他の影響を補償することが、きわめて望ましい。
経時的に供給された電力の履歴にもとづいてSMAアクチュエータ装置の1又はそれ以上の特徴温度の推定を導出するために、熱モデルを使用することができ、次いでこの1又はそれ以上の特徴温度を、クリープを補償する抵抗オフセットを導出するために使用できることが、理解されている。熱モデルは、SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度を、駆動電流の電力に関連付けている。これは、例えば直列な1又はそれ以上の熱時定数を仮定し、SMAアクチュエータに加えられた電力の累積評価、並びにシステムからの熱の放散を評価するシステムの周囲温度の知識と組み合わせることによって、SMAアクチュエータ及びSMAアクチュエータ装置の周囲の構成部品の温度を推定するための実質的に開ループモデルである。そのような熱モデルの一例は、SMAアクチュエータがSMAアクチュエータのすぐ近くの有限サイズの環境への熱を失う2段のモデルを仮定することである。次いで、この環境が、時間が経っても温度が不変であると仮定することができる周囲の環境へと熱を消散させる。しかしながら、一般に、熱モデルは任意の次数であってよい。
熱モデル及び抵抗モデルのパラメータは、SMA装置の具体的な機械的構成に関連付けられ、したがって実験によって決定することができる。熱モデルは、周囲温度にもとづくこともでき、したがって本方法を、周囲温度を割り出して考慮に入れることによって改善することができる。
抵抗にもとづく閉ループ制御において、抵抗は、上限から下限までの範囲内の目標値へと合わせこまれる。閉ループ制御は、極大値及び極小値の付近では、位置−抵抗のゲインが無限大に近付くため実行不可能になる。したがって、実際には、閉ループ領域の上限及び下限が、極大及び極小の抵抗からずらされて設定される。
本発明の第2の態様は、抵抗にもとづく閉ループ制御において利用することができる移動の範囲の最大化に関する。
本発明の第2の態様によれば、加熱によって引き起こされる収縮にて、可動要素について、この可動要素を支持する支持構造体に対して移動させるように構成されたSMAアクチュエータを備えているSMAアクチュエータ装置を制御する方法が提供される。
この方法は、SMAアクチュエータを加熱すべくSMAアクチュエータを介して駆動電流を供給することを含んでおり、
この駆動電流の電力が、SMAアクチュエータの抵抗を上限及び下限の間の範囲において選択される目標値へと合わせこむための閉ループ制御信号にもとづいて制御され、
前記上限は、
SMAアクチュエータの抵抗の指標を監視しながら、SMAアクチュエータを加熱されていない状態から加熱し、抵抗の指標の最大値を検出するステップ、及び
周囲温度が基準温度よりも上であるか否かを判断するステップ
によって導出され、
前記上限は、前記検出された最大値から前記検出された周囲温度に依存する減少分を引いた値として導出され、該減少分は、前記検出された周囲温度が前記基準温度以下である場合に所定の値を有し、前記検出された周囲温度が前記基準温度よりも上である場合に前記所定の値よりも小さい値を有する。
さらに、本発明の第2の態様によれば、対応する方法を実現するSMAアクチュエータ装置のための制御システムが提供される。
本発明の第2の態様は、以下のように理解されている問題に対処する。比較的高い周囲温度において、真の極大値が、周囲温度よりも低い温度で生じる可能性がある。この場合、SMAアクチュエータが、駆動電流が印加される前の加熱されていない状態において、既に閉ループ領域にある。したがって、初期の抵抗が最大値として検出されるが、これは、より低い周囲温度のときに生じると考えられる極大値よりも小さい。上限を、この検出された最大値より小さい所定の減少分に設定すると、閉ループ制御を使用して利用することができる移動の範囲が小さくなるが、この状況においては、閉ループ制御を、まさに検出された最大値まで実行することが可能である。無限遠の焦点が抵抗の最大値に対応する行程の範囲の端部においてもたらされるカメラの場合に、上述の移動の喪失の結果として、もはや可動要素が無限遠の焦点に到達できなくなる可能性がある。
しかしながら、本発明の第2の態様は、前記減少分を、検出された周囲温度が基準温度以下である場合に所定の値にし、検出された周囲温度が前記基準温度よりも上である場合に前記所定の値よりも小さい値にする。周囲温度が基準レベルよりも上であるか否かは、周囲温度の指標を割り出すことによって判断でき、或いは単純に、SMAアクチュエータの加熱の際に極大値が存在するか否かを見極めることによって判断することができる。基準温度は、SMAアクチュエータが既に閉ループ領域にある温度であるように選択される。このようにして、この温度以上において、より小さな減少分を選択することによって、上述の範囲の喪失が少なくて済む。
次に、よりよい理解を可能にするために、本発明の実施形態を、非限定的な例として、添付の図面を参照しつつ説明する。
SMAアクチュエータ装置を組み込むカメラの概略の断面図である。 カメラの全体としての制御の構成の概略図である。 収縮時のSMAの抵抗−長さの特性のグラフである。 制御回路の図である。 制御回路の制御ユニットによって実行される閉ループ制御の概略図である。 電力の階段状変化へのSMAアクチュエータの温度応答のグラフである。 SMAアクチュエータの加熱及び冷却における抵抗に対する位置のグラフであり、ヒステリシスの存在を示している。 閉ループ制御の限界を設定するための動作のフロー図である。
最初に、SMAアクチュエータ装置が組み込まれているカメラ1の構造を説明する。カメラ1は、携帯電話機、メディア再生装置、又は携帯情報端末などといった可搬の電子デバイスに組み込まれる。
カメラ1が、図1に概略的に示されている。カメラ1は、画像センサ4(CCD(電荷結合素子)又はCMOS(相補型金属酸化膜半導体)デバイスであってよい)が取り付けられるベース部3を有している支持構造体2を備えている。支持構造体2は、画像センサ4が取り付けられるベース3の前面から突き出している環状の壁5をさらに備えている。支持構造体2を、プラスチックで製作することができる。
カメラ1は、1枚又はそれ以上のレンズ8からなるレンズ系7を保持するレンズ要素6をさらに備えている。例として、レンズ系7が、2枚のレンズ8からなるものとして図1に示されているが、一般に、光学性能と低コストとの所望のバランスをもたらすために、必要に応じてただ1枚のレンズ8又は複数枚のレンズ8が存在してもよい。レンズ要素6は、レンズキャリア20と、レンズキャリア20の内側に形成された雌ねじ22においてレンズキャリア20の内側に取り付けられるレンズホルダ21とを含む二部構成を有している。カメラ1は、レンズ系7のレンズ8が典型的には最大で10mmの直径を有している小型カメラである。
レンズ要素6は、レンズ系7の光軸Oを画像センサ4に垂直にして配置されている。このようにして、レンズ系7が、画像センサ4へと光を集める。
レンズ要素6は、支持構造体2の環状の壁5とレンズ要素6との間に接続された2つの懸架要素10からなる懸架システム9によって支持構造体2に懸架されている。各々の懸架要素10は、レンズ要素6及び支持構造体2の環状の壁5の両端にそれぞれ結合されたたわみ部13を備えている。懸架システム9が、光軸Oに沿ったレンズ要素6の移動を案内する。そのようなレンズ要素6の移動によって、画像センサ4上に形成される画像の焦点が変化する。
カメラ1は、複数の長さのSMAワイヤ31を備えるSMAアクチュエータ30を備えている。SMAアクチュエータ30を、例えばニチノール(Nitinol)又は他のチタニウム合金SMA材料など、任意の適切なSMA材料で製作することができる。SMA材料は、加熱時にSMA材料を収縮させる固体の相変化を被る特性を有している。低温において、SMA材料は、マルテンサイト相となる。高温において、SMAは、SMA材料の収縮を引き起こす変形を生じさせるオーステナイト相となる。相変化は、SMAの結晶構造における転移温度の統計的な散らばりゆえに、ある温度範囲において生じる。したがって、SMAワイヤ31を加熱することで、SMAワイヤ31の長さが減少する。SMAワイヤ31は、光軸Oに対して斜めに、支持構造体2の環状の壁5とレンズ要素6との間に引っ張られた状態で接続されており、収縮時に、光軸Oに沿った成分を有する引っ張り力を、特にレンズ要素6を画像センサ4から遠ざかるように付勢する方向に加える。これが、次に説明されるように、光軸Oに沿ってレンズ要素6を移動させるために使用される。
SMAアクチュエータ30によって加えられる力が、懸架システム10のたわみ部13をたわませ、光軸Oに沿った反対方向の付勢力を生じさせる。このようにして、懸架システム9が、SMAアクチュエータ30において受動付勢装置として作用する機能、並びにカメラのレンズ要素6の懸架及び移動の案内の機能を提供する。
SMAアクチュエータ30が加熱されていない状態であるとき、レンズ要素6は、その移動の範囲において、画像センサ4に最も近い位置に位置する。カメラ1は、この位置が、特にオートフォーカス機能が備えられている場合のカメラ1の最も一般的な設定である遠視野又は過焦点に相当するように設計されている。加熱時、SMAアクチュエータ30が、画像センサ4から遠ざかるレンズ要素6を移動させる。レンズ要素6は、SMA材料がマルテンサイト相からオーステナイトへと変化する温度の範囲にわたるSMAアクチュエータ30の温度の上昇につれて、ある移動の範囲を移動する。光軸Oに沿った支持構造体2に対するレンズ要素6の位置を、SMAアクチュエータ30の温度を制御することによって制御することができる。動作時、SMAアクチュエータ30の加熱は、抵抗加熱をもたらす電流をSMAアクチュエータ30に通すことによってもたらされる。冷却は、電流を止め、周囲への伝導によるSMAアクチュエータ30の冷却を可能にすることによってもたらされる。電流は、さらに後述される制御回路50によって供給される。
カメラ1は、参照により本明細書に援用される国際公開第2007/113478号、国際公開第2008/099156号、又は国際公開第2008/099155号に記載及び図示されている任意のカメラの詳細な構成を有することができる。他の代案として、カメラ1は、懸架システムに加えて、例えば国際公開第2009/056822号(参照により本明細書に援用される)に記載及び図示されている構成を有する別の付勢要素を備えることができる。しかしながら、これらの詳細な構成のいずれも必須ではなく、一般に、本発明は、カメラに限らず、精密な制御を必要とするあらゆる種類の可動の物体のためのSMAアクチュエータ装置へと適用可能である。
制御回路50の性質及び制御回路50によって達成される制御を、次に説明する。
全体的な制御の構成の概略図が、図2に示されている。制御回路50が、レンズ要素6を動かして画像センサ4上に形成される画像の焦点を変更するSMAアクチュエータ30の温度を制御するために、SMAアクチュエータ30へと接続され、SMAアクチュエータ30へと電流を加える。画像センサ4の出力が、合焦の品質の指標を割り出すための処理のために、制御回路50へと供給される。
制御回路50は、レンズ要素6の位置の指標として使用されるSMAアクチュエータ30の抵抗に応答して、SMAアクチュエータ30を介して流れる電流の電力を変化させることによって、SMAアクチュエータ30の加熱の程度を制御する。温度センサによって測定される温度や、位置センサによって出力されるレンズ要素6の位置の直接的な指標など、他の位置の指標も使用することができるが、抵抗センサが、単に制御回路50の追加の部品によって実現できるがゆえにカメラの全体サイズを増加させることがないため、好都合である。抵抗の使用の背後にある物理的現象は、以下のとおりである。
SMAの加熱時、多くの物質と同様に、温度につれて抵抗が増加する。これは、相変化が生じる温度範囲(相転移範囲)、すなわちSMAが収縮する温度範囲の内側及び外側において生じる。しかしながら、相転移範囲の内側においては、2つのさらなる作用が生じる。第1に、オーステナイト相は、マルテンサイト相よりも高い抵抗を有し、これが温度につれて抵抗を増加させる傾向を有する。しかしながら、反対の作用が、長さの減少及び断面積の増加を含む形状の変化であり、温度につれて抵抗を低下させる傾向を有する。この反対の作用が、他の作用よりも有意に大きい。このため、低温からの加熱において、相転移範囲に達してSMAが収縮を始めるとき、初期の抵抗の増加の後で形状の作用が急激に支配的となり、結果として、収縮の大部分においてSMAアクチュエータの抵抗が減少する。これが、SMAのほぼすべてにおいて相変化が生じて、収縮の程度が減少し、抵抗が上昇できるようになるまで生じる。
このように、SMA材料は、抵抗が、加熱及び収縮の際の長さとともに、図3に示した形態の曲線に沿って変化するという特性を有しており、ここで図3は、レンズ要素6の位置xに対応するSMAアクチュエータの長さに対する抵抗のグラフであり、長さは、温度の上昇に対応してSMA材料が収縮するにつれて増加する。このように、相転移範囲を横切って、レンズ要素6は、SMAの収縮に起因して位置範囲Δxを移動する。抵抗は、位置範囲Δxの小さな初期部分において、抵抗値Rmaxを有する極大値60まで上昇する。抵抗は、位置範囲Δxの大部分において、抵抗値Rminを有する極小値61まで低下し、その後に位置範囲Δxの最後の部分において上昇する。抵抗に影響を及ぼし、抵抗を増加させる他の因子が、温度と抵抗との間の全体的な関係をきわめて非線形にするが、収縮及び収縮に関連した抵抗の減少のプロセスは、極大値60及び極小値61の間の位置範囲Δxの大部分にわたる測定にもとづき、抵抗と位置との間にほぼ線形な依存性を生じさせる。根底にある物理学は完全には理解されていないが、この現象が経験的に観察されており、後述のように閉ループ制御を適用するときに役に立つ。
制御回路50は、パルス幅変調(PWM)を使用する。特に、制御回路50は、パルス幅変調による電流パルス(定電流又は定電圧制御のもとにあってよい)を印加し、印加される電流の電力、したがって加熱を変化させるために、デューティサイクルを変化させる。PWMの使用は、供給される電力の量を細かい分解能で正確に制御することができるという利点をもたらす。この方法は、低い駆動電力においても高い信号対雑音比をもたらす。PWMを、公知のPWM技法を使用して実現することができる。典型的には、制御回路50が、例えば5%〜95%の範囲を変化するデューティサイクルを有する電流のパルスを継続的に供給する。デューティサイクルがこの範囲内の低い値にあるとき、SMAアクチュエータ30の平均電力は低く、したがってSMAアクチュエータ30の温度は、ある程度の電流が供給されているにもかかわらず低下する。対照的に、デューティサイクルがこの範囲内の高い値にあるとき、SMAアクチュエータ30は加熱する。電流パルスの最中に、例えばパルスの開始から短い所定の遅延の後で、抵抗が測定される。
相転移範囲を下回る低温状態からのSMAアクチュエータ30の加熱の際に、抵抗が、サンプルごとに一貫した様相で、連続的な加熱サイクルにおいて、図3に示されている様相で、位置につれて変化する。冷却の際には、抵抗が、異なるが類似の形態である曲線に沿って変化する。
制御回路50が、図4に示されており、以下の構成要素を含んでいる。
制御回路50は、SMAアクチュエータ30へと電流を供給するように接続された駆動回路53を含んでいる。駆動回路53は、定電圧の電流供給部又は定電流の電流供給部であってよい。例えば、後者の場合には、定電流が、120mA程度であってよい。
制御回路50は、SMAアクチュエータ30の抵抗を検出するように構成された検出回路54をさらに含んでいる。駆動回路53が定電流の電流供給部である場合、検出回路54は、SMAアクチュエータ30の抵抗の指標であるSMAアクチュエータ30全体の電圧を検出すべく動作することができる電圧検出回路であってよい。駆動回路53が定電圧の電流供給部である場合、検出回路54は、電流検出回路であってよい。より高い精度のために、検出回路54は、SMAアクチュエータ全体の電圧及び電流を検出して、抵抗の指標をそれらの比として導出するように動作することができる、電圧検出回路及び電流検出回路を備えることができる。
制御回路50の2つの詳しい回路の実施例が、参照により本明細書に援用される国際公開第2009/071898号に図示及び説明されており、特に国際公開第2009/071898号の図5及び6並びに関連の説明に図示及び説明されている。
制御回路50は、駆動回路53へと供給されて駆動回路によるPWM駆動電流の供給を生じさせる制御信号を生成すべく動作することができる制御ユニット52をさらに含んでいる。制御ユニット52は、PWM駆動電流のデューティサイクルを変化させることによって、駆動電流の電力を変化させる。制御ユニット52を、デジタル論理にて、好ましくは適切なプログラムを動作させるマイクロプロセッサによって実現することができる。制御ユニット52は、SMAアクチュエータの抵抗を目標値へと合わせこむための閉ループ制御をもたらすように動作することができる。
随意により、制御ユニット52は、参照により本明細書に援用される国際公開第2009/071898号に詳しく開示されているように、閉ループ制御によって実現できる限られた移動範囲の外側の移動を提供するために、さらに開ループ制御を閉ループ制御との組み合わせにおいて実現することができ、国際公開第2009/071898号は、これを「混合モード」と称している。
閉ループ制御の提供において、制御ユニット52は、検出回路54によって測定された抵抗を受信し、測定された抵抗をSMAアクチュエータ30の抵抗の目標値へと合わせこむべく、測定されたSMAアクチュエータ30の抵抗をフィードバック信号として使用して、測定された抵抗に応答して駆動電流の電力を変化させる。特に、制御ユニット52は、測定された抵抗と目標値との間の誤差にもとづいて、駆動電流の電力を変化させる。
制御ユニット52は、駆動電流の電力を変化させるために、いくつかの制御アルゴリズムを実行することができる。1つの可能性は、検出された抵抗と目標の抵抗との間の差に比例した量だけ電力を変化させる比例制御である。他の可能性として、誤差Eの積分及び/又は微分も考慮する比例積分(PI)及び比例積分微分(PID)制御が挙げられる。積分制御が適用される場合には、積分器を、システムに合わせてきわめて注意深く調節しなければならない。積分が速すぎる場合、システムがオーバシュートする傾向が強まり、システムの機械的な共振から離れる自律振動を実際に引き起こす可能性がある。積分が遅すぎる場合、落ち着くまでにきわめて長い時間が必要になり、動作時のドリフトにつながる。実際に、これにより、積分制御を避けることや、積分制御をDCまで広がることがない比較的狭い帯域幅についてのみ適用することが、望ましくなる可能性がある。
随意により、制御ユニット52は、参照により本明細書に援用される国際公開第2009/071898号に詳しく開示されているやり方で、検出回路54によって検出されるSMAアクチュエータの抵抗の指標と目標値との間の誤差の定常値を減らすオフセットを加えることによって、閉ループ制御信号を調節することができる。
フィードバックループにおいて、制御ユニット52は、検出回路50によって測定される抵抗と目標の抵抗との間の誤差に抵抗のオフセットを適用する。抵抗のオフセットは、異なる熱の時定数に従って変化するカメラ1の非一様な熱特性を補償するために、電力が加えられかつ熱が環境へと失われるときの時間につれてのカメラ1の少なくとも1つの特徴温度の開ループの推定にもとづく。これの目的及び具体的な実施例を、次に説明する。
一般に、SMAアクチュエータ30の周囲の環境の温度が、SMAアクチュエータ30の性能に大きな影響を及ぼし、SMAアクチュエータ30へと加えられる電力が、そのような環境の温度を変化させることが、理解されている。したがって、これが、所与の抵抗を有するように駆動されるときのSMAアクチュエータ30の位置の時間につれてのドリフトとして現れる可能性がある。ここで、この挙動は、非公式に「クリープ」と称される(周知の技術用語であり、現象が似ているため)。しかしながら、技術的に言うと、この挙動は、本当はドリフトであり、関係する材料の真のクリープは、秒という該当の時間軸においては完全に無視できる。
このクリープ(すなわち、ドリフト)を、カメラ1の熱モデルを使用してSMAアクチュエータ30へと供給される駆動電流の電力にもとづいて導出されるカメラ1自身の少なくとも1つの特徴温度の推定から抵抗のオフセットを導出することによって補償できることが、理解されている。抵抗のオフセットの使用は、抵抗のオフセットが熱モデルから導出されるという条件で、位置と抵抗とが何らかの同等性を有するため、実現可能である。この熱モデルは、基本的にカメラ1の要素であるSMAアクチュエータ30の周囲の環境の加熱並びにカメラ1が位置する周囲の温度をモデル化する。SMAアクチュエータ30の周囲の環境が、SMAアクチュエータに通される駆動電流によって加熱されるとき、熱モデルは、以下のように、特に経時的に供給された電力の履歴にもとづいて、少なくとも1つの特徴温度を駆動電流の電力に関連付ける。
加熱の関係は、一般的に、指数関数的な性質である。例えば、周囲温度Tambの環境において、初期の温度(Tamb+Texcess)にある物体について、時刻tにおける物体の瞬間の温度Tを記述する適当な式は、
T=Tamb+(Texcess・exp(−t/τ))
であると考えられ、ここでτは、物体から環境への熱伝達の時定数である。デジタル制御に固有の時間量子化ゆえに、制御ユニット52にとって、この式の微分形式によって表される熱モデルを使用することが好都合である。
最も単純には、熱モデルが、ただ1つの特徴温度Tを表現し、微分の表記において、
ΔT=(P/W)−((T−Tamb)/τ)
なる形態であり、ここでTは、特徴温度の瞬間の値であり、Tambは、周囲の温度であり、ΔTは、所与の期間における特徴温度の変化であり、Pは、その期間に加えられる電力であり、Wは、熱伝達定数、すなわち熱容量であり、τは、熱の時定数である。この場合、特徴温度を、理論上、SMAアクチュエータ30の周囲のカメラ1の構成部品の全体としての温度と考えることができる。
さらなる精度を、複数の特徴温度T1、T2、・・・、Tnからなり、最初の特徴温度の後に続く各々の特徴温度が先行の特徴温度から導出される多段の熱モデルを使用することによって、達成することができる。数学的には、モデルを、任意の次数へと拡張することができる。物理的に言えば、例えばカメラ1の種々の物理的な構成部品など、各々が固有の重要性及び時定数を有しているSMAアクチュエータ30の熱環境の多数の部分が存在しうる。したがって、多段の熱モデルは、より複雑かつより多くの計算が必要であるという犠牲はあるが、より高い精度をもたらすことができる。熱モデルは、(各々がシステムへの異なる熱接続、異なる時定数、などを有している個々の要素を補償する)任意の次数であってよい。モデルの次数の増加には、限界収益の減少が存在する。費用便益な種類の計算を、個々の駆動システムについて、適切なモデルの次数を選択するために行うことができる。ドリフトの効果的な補償を、二次のモデルによって実現することができる。これを三次へと高めることには、相当の利益があると思われるが、次数が高くなるにつれて、異なる次数の影響を分離することがより難しくなる。この場合、数値最適化の技法が有用となりうる。これは、熱モデルの係数の第1の推測セットを選択し、テスト信号をアクチュエータに通し、次いで(係数の選択のランダムウォーク法を使用して)パラメータを調節することを含む。
微分表記による多段の熱モデルは、以下の式の形態をとることができる。
ΔT1=((P/W1)−((T1−Tamb)/τ1))
ΔT2=((T1−Tamb)/W2)−((T2−Tamb)/τ2)
・・・
ΔTn=((Tn−1−Tamb)/W)−((Tn−Tamb)/τn)
ここで、
T1、T2、・・・、Tnは、特徴温度の瞬間の値であり、
Tambは、周囲温度であり、
ΔT1、ΔT2、・・・、ΔTnは、各々の期間における各々の特徴温度の変化であり、
W1、W2、・・・、Wnは、カメラ1の熱伝達定数であって、W1は、期間あたりの熱容量(熱容量の単位は、[エネルギ]・[時間]/[温度]であり、したがって全体としての単位は[エネルギ]/[温度]である)であり、W2、・・・、Wnは、期間あたりの熱伝達時定数(熱伝達時定数の単位は、[時間]であり、したがって全体としては単位なし)であり、
Pは、SMAアクチュエータ30へと供給される期間あたりのエネルギであり、
τ1、τ2、・・・、τnは、期間あたりの熱時定数(熱時定数の単位は、[時間]であり、したがって全体としては単位なし)である。
このように、最初の一次方程式が、第1の特徴温度T1の変化を第1の特徴温度T1の瞬間の値及び駆動電流の電力に関連付ける一方で、さらなる一次方程式は、それぞれの特徴温度T2、・・・、Tnの変化を、そのそれぞれの特徴温度T2、・・・、Tnの瞬間の値及び少なくとも1つの他の特徴温度の瞬間の値に関連付けている。
これらの式が、特徴温度を(以下で「リフレッシュ期間」と称される周期にて)更新するために定期的に適用される。各々の式の更新の周期は、必ずしも等しくなくてよい。式が異なる周期で更新される場合、定数W1、W2、・・・、Wn、及びτ1、τ2、・・・、τnは、それぞれの式の更新の周期に応じて、お互いに対して調節される。典型的には、第1の式を素早く、閉ループ制御の仕組みと同じ速度又は閉ループ制御の仕組みに近い速度で更新することができる(典型的には、〜2kHz)が、他の式を、場合によっては数桁も遅い速度で、ゆっくりと更新することができる。
特徴温度は、物理的重要性を有している。特に、特徴温度T1、T2、・・・、Tnを、理論上、さらなる熱質量を有しており、SMAアクチュエータ30に熱的に結合しているSMAアクチュエータ30の周囲のカメラ1の構成部品の温度と考えることができる。一部の式を他の式よりもゆっくりと更新してもよい理由は、それらが他の構成部品よりも温度変化が低速である構成部品をモデル化しているからである。
定数W1、W2、・・・、Wn、及びτ1、τ2、・・・、τnは、理論上、カメラ1の構成部品の熱定数であると考えることができるが、後述のように導出される。
熱モデルは、周囲温度Tambも考慮に入れる。これは、熱伝達が、カメラ1から、不変の温度(すなわち、周囲温度)を有すると仮定できるカメラ1の周囲の環境へと生じるからである。周囲温度Tambは、さらに後述されるように、制御ユニット52によって導出される。
或いは、複数の特徴温度を、異なる時定数又は重要性の影響を表すために、同じ入力変数にもとづいて計算することもできる。
いくつかの場合には、特定の微分方程式への入力として使用するための変数の選択が存在しうる。1つを他よりも上に選択できる物理的な理由が存在する。例えば、熱伝達の機構が実際にある構成部品から別の構成部品への熱伝達である場合に、これらの両方の温度が推定され、推定された第1の構成部品の温度から第2の構成部品の温度の測定を推定することが適切であると考えられる。しかしながら、計算の精度が、真の熱環境をあまり代表しないモデルの選択を、実施者に強いる可能性がある。長い時間軸が関係する場合、微分の計算において必要とされる精度を下げるために、前もってフィルタ処理されたデータに頼ることがきわめて有用となりうる。
同様の種類の熱モデルが、抵抗のフィードバックのないSMAアクチュエータの開ループ制御アルゴリズムを実現するという目的において、国際公開第2009/071898号に開示されている。しかしながら、熱モデルを、2つの大きな変更を行うことによって閉ループ制御のもとでの位置のクリープの補償にも使用できることが、理解されている。第1に、熱モデルそのものが、特徴温度のうちの1つがSMAアクチュエータ30そのものを表すのではなく、すべての特徴温度がSMAアクチュエータ30の周囲のカメラ1の構成部品の温度を表すように、変更される。これは、熱モデルのパラメータに相応の変更が必要とであることを意味する。第2に、手法が、閉ループ制御における抵抗の誤差をオフセットする少なくとも1つの特徴温度からの抵抗のオフセットを代わりに導出することによって変更される。
抵抗のオフセットが、抵抗のオフセットを少なくとも1つの特徴温度に関連付ける抵抗モデルを使用して、カメラ1の少なくとも1つの特徴温度から導出される。抵抗のオフセットは、いずれかの特徴温度が更新されるたびに更新される。一般に、抵抗モデルは、少なくとも1つの特徴温度の抵抗への影響を評価するための複雑な非線形関数になる可能性がある。そのような複雑なスケーリング関数は、周囲温度の推定並びに温度におけるワイヤ抵抗のモデルを必要とすると考えられる。しかしながら、実際には、必要とされるレベルの性能を達成するために、単純なスケーリング係数が十分であることが分かっている。この場合、抵抗モデルは、例えば
Roffset=(T1/Y1)+(T2/Y2)+・・・+(Tn/Yn)
という形態の一次方程式であり、ここでRoffsetは、抵抗のオフセットであり、Y1、Y2、・・・、Ynは、スケーリング定数であって後述のように導出される。
制御ユニット52が、このようにして導出された抵抗のオフセットを、測定されるSMAアクチュエータ30の抵抗と目標値との間の誤差をオフセットするために適用する。すなわち、制御ユニット52が、その誤差そのものではなく、抵抗のオフセットによってオフセットされた誤差にもとづいて、駆動電流の電力を制御する。したがって、このオフセット及び得られるクリープ(又は、ドリフト)の補償を、核心のSMA制御アルゴリズムを変えることなく適用することができる。抵抗のフィードバックにもとづく制御システムは、アクチュエータの抵抗を折々に評価することを必要とする。ドリフト補償済みの応答を実現するために、アクチュエータの抵抗が発見されるときはいつでも、ドリフトに起因した瞬間の計算による抵抗のオフセットが、抵抗がコントローラへと返される前に加えられる。
そのような閉ループ制御を提供するための制御ユニット52の動作の例が、図5に示されており、以下で説明される。制御ユニット52は、データ70によって表される要求位置xを入力として受け取り、これにもとづいて、電力制御信号71としてアクチュエータに供給すべき駆動電流の電力Pを導出する。これを実現するために、制御ユニット52は、以下の動作を実行する。
ステップS1において、データ70によって表された要求位置xが、目標抵抗Rtargetへと変換される。これを、式
Rtarget=Ru−(λ・x)
に従って実行することができ、ここでRuは、目標抵抗の範囲の上限であり、λは、スケーリング係数である。例えば、λは、所定の値を有することができ、或いは抵抗の範囲の上限Ru及び下限Rlから計算されてもよい。要求位置xを使用する代わりに、ステップS1を省略し、制御ユニット52が抵抗だけにもとづいて閉ループ制御を実行してもよい。この場合、データ72によって表される目標抵抗Rtargetが、制御ユニット52への入力として直接使用される。
図3に示したとおりの閉ループ制御によって実現できる実際の移動範囲Δx1と、閉ループ制御が示される抵抗の範囲の上限Ru及び下限Rlと、スケーリング係数λの値との間の関係は、次の式によって与えられる。
λ=(Ru−Rl)/Δx1
ステップS2において、制御ユニット52は、データ72によって表される目標抵抗Rtargetと、検出回路54から導出されるデータ73によって表されるSMAアクチュエータ30の測定による抵抗Ractualと、後述のように導出されるデータ74によって表される抵抗のオフセットRoffsetとにもとづき、電力制御信号71としてSMAアクチュエータ30に供給すべき駆動電流の電力Pを計算する。上述のように、駆動電流の電力Pは、測定された抵抗Ractualと目標抵抗Rtargetとの間の誤差を抵抗のオフセットRoffsetによってオフセットさせた値にもとづいて導出され、すなわち値((Rtarget−Ractual)−Roffset)にもとづいて導出される。例えば、比例制御の使用の場合に、駆動電流の電力Pは、式
P=G・((Rtarget−Ractual)−Roffset)
によって与えられ、ここでGはゲインであるが、上述したように、例えばPI制御又はPID制御など、他の種類の制御も可能である。
SMAアクチュエータ30へと供給すべき駆動電流の電力Pを表している電力制御信号71が、電力制御信号71の値に応じてPWM変調されたPWM制御信号76を生成するPWM生成部73へと供給される。PWM制御信号76が、PWM制御信号76に従ってSMAアクチュエータ30へと駆動電流を供給する駆動回路53へと供給される。
ステップS3において、熱モデルが、データ76として少なくとも1つの特徴温度T1、T2、・・・、Tnを導出するために使用される。これを行うために、ステップS3は、制御信号71によって表される駆動電流の電力Pを使用する。しかしながら、制御信号71を使用する代わりに、ステップS3は、SMAアクチュエータ30へと供給される駆動電流の実際の電力の指標(図5に破線によって示されているように、駆動回路53から取得される)を使用してもよい。さらに、ステップS3は、データ77によって表される周囲温度Tambを使用する。周囲温度の指標を、後述のように導出することができ、或いは一定のレベルの周囲温度を使用してもよい。ステップS3は、少なくとも1つの特徴温度T1、T2、・・・、Tnを定期的に更新すべく、上述の式を使用することによって実行される。上述のように、複数の特徴温度T1、T2、・・・、Tnが使用される場合には、それらを異なる周期で更新することができる。
ステップS4において、抵抗モデルが、データ76によって表される少なくとも1つの特徴温度T1、T2、・・・、Tnから、データ74として抵抗のオフセットRoffsetを導出するために使用される。ステップS4は、少なくとも1つの特徴温度T1、T2、・・・、Tnのうちのいずれか1つが更新されるたびに抵抗のオフセットRoffsetを更新するために、上述の式を使用して実行される。
定数W1、W2、・・・、Wn、及びτ1、τ2、・・・、τnによって表される熱モデルのパラメータ、並びに定数Y1、Y2、・・・、Ynによって表される抵抗モデルのパラメータは、カメラ1の設計に特有の固定の値を有することができる。それらを、実験及びカメラの特徴付けによって決定することができる。これを、所与の設計のすべてのカメラ1について包括的に行うことができ、或いは原理的には、使用に先立って較正動作を実行する制御ユニット52によって、製造時又は使用時のいずれかにおいて個々のカメラ1に関して実行される測定から行うことができる。これらのパラメータの導出について、次に説明する。
パラメータの各々は、物理的重要性を有している。例えば、定数τ1、τ2、・・・、τnは、真の熱伝達時定数(例えば、熱源が完全に取り除かれたときに、構成部品が周囲に対する温度差のうちの63.2%を失うまでの時間)であり、定数W1は、熱容量(例えば、環境の1℃の温度上昇あたりのエネルギ、又はそれの何らかの適切なシステム規模の表現)であり、定数W2、・・・、Wnは、熱伝達時定数(第1の構成部品に対する第2の構成部品の遅延を表している)である。スケーリング係数Yは、1オームあたりの℃の近似である(必要とされる抵抗の変化そのものが、1オームあたりのミクロン単位の移動の知識にもとづいて計算されている場合)。
この物理的重要性ゆえに、例えばSMAアクチュエータ30の有効範囲内の一定の電力を保持して、抵抗のドリフトを監視することによって、シミュレーション又は実験から、これらのパラメータのすべてを推定することが可能である。そのような測定データから、多数の指数関数応答を抽出することが可能である。これらの応答曲線の時定数が、定数τ1、τ2、・・・、τnを直接設定するために十分である。これらの指数関数の各々の応答の最終的な大きさが、定数W1、W2、・・・、Wnを決定する。
定数W1、W2、・・・、Wn、及びτ1、τ2、・・・、τnを、較正動作を実行する制御ユニット52によって、オンザフライで測定することも可能である。しかしながら、オンザフライでの測定は、数値的な複雑さ及びドリフトの影響の時間軸ゆえに、困難である。すなわち、短い測定時間が、結果が雑音の影響を受けやすいことを意味する一方で、長い測定時間は、ユーザの観点から望ましくない。したがって、実務においては、パラメータを、いくつかの実際のカメラにおいて性能を数値的に最適化することによって、カメラ1の所与の設計について設定することができる。
数値最適化の簡単な手順は、以下のとおりである。
1.統計的に有意な数のカメラ1を、(抵抗のオフセットRoffsetをゼロに設定することによって)ドリフト補償を無効にし、いくつかの周囲温度において動作させる。典型的な試験波形は、ある位置への単なる段であり、多数秒の間そのままの状態を保つ。電力、変位、及び抵抗が、この試験の間監視される。この手順において記録されると考えられる典型的な応答が、図6に示されており、応答が2つの異なる時定数を有することに注目できる。
2.アクチュエータのゲイン特性(単位は、[位置]/[電力])の知識を使用し、ドリフト補償によって低減される必要がある残余の位置誤差。すなわち、抵抗のずれに帰することができる位置誤差が取り除かれる。残りが、ドリフト補償によって打ち消されなければならない。
3.標準的なツール(例えば、数値オプティマイザ又はラインフィッティング)を使用し、定数W1、W2、・・・、Wn、及びτ1、τ2、・・・、τnが推定される。定数W1、W2、・・・、Wn及び定数Y1、Y2、・・・、Ynの間に任意のゲインスケーリングが存在し、したがって定数Y1、Y2、・・・、Ynを他の実験データにもとづき、或いは実施における数値精度の考慮にもとづいて決定できることに、留意すべきである。
4.補償を有効にすることができ、補償の品質を確認するためにステップ1を繰り返すことができる。ステップ2及び3を、良好な応答が達成されるまで繰り返すことができる。そのような繰り返しの主たる利点は、ただ1つのデータセットから、すなわち数値安定性の態様から複数の時定数の応答を分離することがきわめて困難である点にある。繰り返しによる洗練が、これらのパラメータのきわめて細かい調節の可能性を与える。
このように、制御ユニット52が、上限から下限までの範囲内の目標値へとSMAアクチュエータの抵抗を合わせこむための閉ループ制御を提供する。上述のように、抵抗の使用は、図3に示されるように位置が抵抗につれて単調かつほぼ線形に変化し、正確な位置制御がもたらされるため、フィードバックパラメータとして好都合である。フィードバック制御の安定性は、加熱時のSMAアクチュエータ30自身の固有の比例積分作用によって維持される。全体としてのフィードバック応答は、SMAアクチュエータ30の加熱の全体の応答によって支配される。当然ながら、SMAアクチュエータ30を相転移温度を介して駆動して、比例位置に保持するために必要な電力は、周囲の温度に強く依存する。しかしながら、閉ループ制御におけるフィードバックパラメータとして抵抗を使用することは、相変化の温度ヒステリシス、相転移の温度範囲、及び周囲温度への強い依存の両方に対抗する。
しかしながら、位置−抵抗の関係は、ある程度の非線形性及びヒステリシスに直面する。随意により、これらの影響の補償を、制御ユニット52によって達成される制御において、以下のようにもたらすことができる。
非線形性は、いくつかの競合する現象に起因して生じる。それらの現象のいくつかは、SMA材料そのものに関係している。典型的には、SMAなどの金属の温度が上昇するとき、その抵抗も高まり、抵抗の増加につながる。SMAの場合、材料が特定の温度範囲において固体の相変化を被り、これを、適切な付勢力と併せて、アクチュエータを構成するために使用することができる。2つの相の抵抗も、異なる可能性がある。これに加え、SMA材料は、加熱時に荷重のもとで収縮するように配置されることが典型的である。収縮の作用によって、材料がより短く、かつより太くなり、電気抵抗が小さくなる。相変化及び材料の収縮のかなり大部分において、この最後の現象が支配的であり、SMAワイヤの抵抗が、加熱及び収縮につれて減少する。この領域の外では、抵抗が増加する。したがって、SMAが加熱されるときの全体的な特性は、収縮の開始につれての抵抗の上昇の開始である。次いで、抵抗が、収縮につれての減少の前に、最大の抵抗に達する。相変化の領域の終わりに向かい、依然として加熱が続けられると、収縮の速度が遅くなり、抵抗が再度の増加の前に最小値に達する。加熱時のSMAの抵抗の減少の領域(抵抗の最大値と最小値との間、かつ抵抗値の最大値及び最小値からの適切なオフセット)は、電気抵抗を監視することによって位置制御のための良好なフィードバックパラメータがもたらされる領域に一致する。この領域において、材料に対して抵抗を変化させる現象が形状の変化だけであるならば、アクチュエータ位置の変化は、抵抗の変化に直接的に比例することができる。
実際には、カメラ1の物理的な構成が、さらなる非線形性を導入する可能性がある。例えば、わずかな非線形性が、SMAアクチュエータが斜めのワイヤとして設けられる場合に導入される。
非線形性の補正を、単純に、抵抗−位置の特性の非線形性を補償する要求位置xと目標抵抗Rtargetとの間の非線形なマッピング関数を用意することによってもたらすことができる。これを、非線形性の開ループでの補正と考えることができる。
これを、図5に示した制御ユニット52の実施例において、線形なスケーリング係数λの使用を非線形な式によって置き換えるように、ステップS1を変更することによって達成することができる。1つの手法は、要求されたSMAの抵抗に対して、測定された最大又は最小の抵抗に対する差にもとづいて線形な補正を適用することである。これは、基本的に、抵抗−位置の特性に二次の補正を加える。
非線形性の形態を、実験によって導出することができ、すなわちカメラ1によって導出される実際の移動を測定することによって導出することができる。典型的には、これは、個々のカメラ1のサンプルにおける実験によって、カメラ1の特定の設計について導出される。
線形性の達成は、例えばカメラの事例において特定のオートフォーカスアルゴリズムを適用する場合など、多くの用途において好都合である。
ヒステリシスが、相変化によって引き起こされるSMA材料の固有の特性であり、SMAアクチュエータ30の加熱時又は冷却時で抵抗−位置の特性が異なることで明らかになる。
ヒステリシスの補償を、位置−抵抗のヒステリシスを補償すべく以前の要求位置の履歴に依存する要求位置xと目標抵抗Rtargetとの間のマッピング関数を適用することによって、非線形性の補正と同様のやり方で、達成することができる。マッピングが、SMAアクチュエータ30が加熱されているか、或いは冷却されているかに応じて相違し、例えばヒステリシスへの反対向きの補正を呈する少なくとも2つの部分を有している。これを、ヒステリシスの開ループでの補正と考えることができる。ヒステリシスの補正及び非線形性の補正を、ただ1つのマッピング関数によって同時に適用してもよい。
ヒステリシスの特性の形態を、実験によって導出することができ、すなわちカメラ1によって導出される実際の移動を測定することによって導出することができる。典型的には、これは、個々のカメラ1のサンプルにおける実験によって、カメラ1の特定の設計について導出される。
ヒステリシスのモデルのパラメータは、あらかじめ定められてよいが、随意により1つ又はそれ以上のパラメータを、例えば起動時又はソフトウェアリセット時に、抵抗及び所与の抵抗を保持するために必要な電力などのSMAアクチュエータ30の電気特性の測定にもとづいて、較正動作を実行する制御回路52によって使用することができる。例えば、非加熱及び極大値の抵抗などの既知の基準点にあるときのSMAアクチュエータ30の抵抗の差を、周囲温度の指標をもたらすために測定することができ、さらには所定の抵抗を維持するために必要な平均電力を測定し、これら2つの測定によって、SMAアクチュエータ30の応力に相関する変数の割り出しを可能にすることができる(SMAアクチュエータ30の応力は、相変化の温度に相関し、相変化の温度が、ヒステリシスモデルの1つ又はそれ以上のパラメータに相関する)。したがって、この変数が、ヒステリシスモデルの1つ又はそれ以上のパラメータを設定するために使用される。
原理的には、これらの技法を、直面され、実験によって割り出すことができるヒステリシス特性の正確な形状が何でも、使用することが可能である。しかしながら、SMAアクチュエータ30を高い応力で動作させることによってヒステリシスが少なくなり、高温動作性能を改善する相転移温度を高めることも同様であることが、明らかになっている。加えて、SMAアクチュエータ30の最大応力を減らすために、SMAアクチュエータ30に付勢をもたらす要素を、移動の範囲におけるSMAアクチュエータ30の応力の変化を最小限にするために、最小限の剛性を有するように設計することが望ましい。これが行われる場合、抵抗−位置の特性が、加熱及び冷却の特性が互いに交差する「8」の字の形状になることが、経験的に明らかになっている。これの例が、抵抗(或いは、マイナスの抵抗)に対する位置のグラフである図7に示されている。曲線81が、加熱時の特性であり、曲線82が、冷却時の特性である。曲線が、交差点83において交わっている。
したがって、この特性は、制御アルゴリズムがこの「8」の字の形状を補償しなければならないため、新規なヒステリシス補償問題を呈している。解は、補償のための「8」の字形の逆ヒステリシス形状の新規な区分的線型モデルを使用することである。8の字の物理的根拠は、完全には明らかでない。しかしながら、より低い応力においては、交差点83がより高いコマンド(より低い抵抗)であり、したがって低い応力において、ループが基本的にもはや「8」の字形状でなく、より通常のヒステリシスループであることが、経験的に明らかになっている。
この新規な補償アルゴリズムに加えて、クリープと同様にSMAアクチュエータ30の端部領域に少なくとも部分的に起因して、SMAアクチュエータ30のヒステリシスが温度範囲において変化することが明らかになっている。したがって、上述のクリープの補償と同様に、SMAワイヤの抵抗及び/又は電力を用いた周囲温度の推定を、温度範囲におけるヒステリシスを最小限にするために、ヒステリシスモデルの補償パラメータを調節するために使用することができる。マッピングを加熱及び冷却に関する所定の一対の曲線として保存し、SMAアクチュエータ30の電気特性の測定にもとづき、交差点83に相当する抵抗を調節することによって、保存した曲線を拡大縮小することが可能である。
具体的には、交差点83がSMAアクチュエータ30の応力につれて変化し、次いでSMAアクチュエータ30の応力が転移温度にも影響するという経験的知識を利用することによる。これにもとづき、例えば起動時の較正ルーチンの際に行われる周囲温度の測定を、例えば起動時のSMAアクチュエータ30の抵抗と極大値の抵抗との間の差に関連付けることができる(大きな変化は、起動時のSMAアクチュエータ30の温度が低いことを意味し、すなわち周囲温度が低いことを意味する)。これに加え、較正サイクルにおいて、極大値及び極小値の抵抗に対して所定のレベル(例えば、中ほど)にある位置(SMAワイヤの抵抗)を維持し、この位置を保持するために必要な平均電力を測定することが可能である(別の基準点を選択してもよい)。周囲温度の知識に鑑み、位置の保持に必要な電力は、所与のモジュールにおける相転移温度を反映し、相転移温度は、カメラ1におけるSMAアクチュエータ30の応力に関係しており、SMAアクチュエータ30の応力は、交差点83の位置に関係する。したがって、周囲温度の情報及び保持電力の情報を、較正サイクルの際にヒステリシスモデルの調節及び較正に使用することができる。次いで、これが、ヒステリシス性能の最適化を可能にする。
このヒステリシスの補正方法は、比較的基本的である。線形に移動する(すなわち、装置が出力を線形に拡大/縮小するだけの「働き」を有し、したがって出力は補正されない)と仮定されるレンズ要素6の変位について、直接的な測定は行われない。また、行われる測定は、ヒステリシスのゼロ次(すなわち、加熱及び冷却の間の大規模な電力のオフセット)にのみ対応する。しかしながら、カメラの場合には、これらのモデルを改善することによって有するべきゲインは限られていると考えられる。変位の較正は困難であり、オートフォーカスの追求方法が通常は絶対的な移動ではなくて相対的な移動にもとづいて機能するため、通常は不要である。たとえアクチュエータが刻みサイズに関して100%正確であったとしても、レンズの焦点距離は不正確であり、したがって焦点への未知の影響が依然として存在する。通常どおり、これらの種類の公差の検討はRMSの考慮によって支配され、たとえ1つの部分における不確かさをゼロに減らしても、必ずしもシステムの性能に大きな影響はない。
適用可能な周知かつより複雑なヒステリシスモデルも、利用可能である。頻繁に引用されるモデルは、ヒステリシスの不連続プレイザッハ(Preisach)モデルである。この形式のモデルを、計算の鎖の最前部(すなわち、所望の位置に適用する調節部)又は計算の鎖の後端(すなわち、所望の温度に適用する調節部)において使用することができる。プレイザッハモデルを、外側のヒステリシスループの中点の「アイ開口(eye opening)」がTRMid−heat及びTRMid−coolの測定に一致するように拡大/縮小することができる。しかしながら、既に述べたように、これらの種類の改善は、それらを追加することの大きな余分の複雑性に鑑み、まれにしか正当化されない。
ヒステリシスの回避は、例えばカメラの事例において接近の方向にかかわらず同じ焦点に到達するように特定のオートフォーカスアルゴリズムを適用する場合など、多くの用途において好都合である。
制御ユニット52が、上限Ruから下限Rlまでの範囲内の目標値へとSMAアクチュエータ30の抵抗を合わせこむための閉ループ制御を提供することを、既に説明した。上限Ru及び下限Rlの設定を、次に検討する。閉ループ制御は、極大値60及び極小値61の付近では、位置−抵抗のゲインが無限大に近付くため実行不可能になる。したがって、実際には、上限Ru及び下限Rlが、極大及び極小の抵抗からずらされた閉ループ領域に設定される。例えば、初期の較正段階において、SMAアクチュエータ30が加熱され、加熱の際に極大値60及び極小値61が検出され、それらの抵抗値Rmax及びRminが検出及び保存される。上限Ruが、抵抗値Rmaxより小さい所定の減少分に設定され、下限Rlが、抵抗値Rminより大きい所定の増加分に設定される。適用可能な制御アルゴリズムの他の例が、国際公開第2007/113478号、国際公開第2008/099156号、及び国際公開第2008/099155号に開示されている。しかしながら、例えば図3に示されているように、実現可能な実際の移動範囲Δx1は、上限Ru及び下限Rlの値によって設定され、極大値60及び極小値61の付近並びに極大値60及び極小値61を超えるSMAアクチュエータ30の収縮の一部には到達しないため、収縮時のSMAアクチュエータ30の移動xの全範囲よりも小さい。
この手法においては、以下のような問題が存在する。
カメラ1は、SMAアクチュエータ30が駆動されていないとき、付勢によってレンズ要素6が硬い機械的な端部ストッパに押し付けられるように構成されている。この端部ストッパが、行程の「遠視野」端のレンズ位置に相当するように配置されている。例えば、無限遠への焦点に最適なレンズ位置に相当することができる。或いは、無限遠の位置が、製造公差及び動作温度範囲におけるレンズの光学パラメータの変化を可能にするために、端部ストッパからわずかにずらされて位置してもよい。この後者の場合には、端部ストッパに位置する非動作の機構が、焦点が製品(携帯電話機など)の表示装置において見たときに十分に良好であるように実際の無限遠の位置に十分に近付くレンズ位置に相当することが典型的である。
室温において、カメラ1は、典型的には、機構が依然として端部ストッパに位置しているときに抵抗の最大値が生じるように構成されている。このやり方で、閉ループでの位置制御に適した領域が、機構が端部ストッパを離れるときの位置と重なる。これは、機構を端部ストッパまで完全に制御できることを保証する。
比較的高い温度での動作のために、望ましくは、付勢をもたらす構成要素が、SMAアクチュエータ30に比較的大きい応力を生じさせる。機械的な応力が大きいほど、転移温度が高くなり、したがって機構が成功裏に動作することができるであろう周囲温度が高くなる。したがって、SMAアクチュエータ30の応力は、動作温度範囲と、きわめて高い応力において加速される疲労故障との間の妥協として選択される。レンズ要素6が機械的な端部ストッパへと押し付けられるとき、SMAアクチュエータ30の応力はもはや明確でなく、機構によって設定されるが、未知である。所与の温度を上回ると、相転移が始まり、したがってたとえSMAアクチュエータ30が駆動されていなくても、SMAアクチュエータ30が、機構を端部ストッパから離すために十分な応力は存在しないが緊張することが、明らかになっている。
しかしながら、高い周囲温度においては、アクチュエータ30が最初に電力が加えられるときに既に緊張しているため、認識可能な極大の抵抗値が存在せず、抵抗は、オン時の値から単純に減少する。
一般的に言うと、比較的高い周囲温度において、真の極大値60が、周囲温度を下回る温度において生じうる。この場合、SMAアクチュエータ30は、駆動電流が印加される前の非加熱状態において既に閉ループ領域にある。したがって、初期の抵抗が最大値として検出されるが、これは極大値60よりも低い。上限を、この検出された最大値より小さい所定の減少分に設定すると、閉ループ制御を使用して利用することができる移動の範囲が小さくなるが、この状況においては、閉ループ制御を、まさに検出された最大値まで実行することが可能である。無限遠の焦点が抵抗の最大値に対応する行程の範囲の端部においてもたらされるカメラ1の場合に、上述の移動の喪失の結果として、もはやレンズ要素6が無限遠の焦点に到達できなくなる可能性がある。
この利用可能な移動の喪失は、次に説明されるように、制御ユニット52が図8に示される較正動作によって上限Ru及び下限Rlを設定することによって回避される。
ステップS11において、SMAアクチュエータ30が未加熱の状態から加熱される一方で、検出回路54によって検出されるSMAアクチュエータ30の抵抗が、最大及び最小の抵抗を検出するために監視される。
ステップS12において、周囲温度が基準温度よりも高いか否かが判断される。これのために、2つの選択肢の技法が存在する。
第1の技法は、周囲温度の指標を割り出し、この指標をあらかじめ保存された基準温度と比較することである。この場合、ステップS12を、ステップS11の前に実行することも可能である。周囲温度の指標を割り出す方法は、後述される。
第2の技法は、ステップS11におけるSMAアクチュエータの加熱の際に測定される抵抗の指標に極大値が存在するか否かを判断することである。この場合、基準温度はあらかじめ保存される値ではないが、本質的にカメラ1の設計において、上述のように、それを超えると抵抗の極大値が生じない基準温度が存在する。基準温度は、種々のカメラ1について、或いはカメラ1の寿命において、異なってよい。
ステップS13において、上限Ru及び下限Rlが導出される。下限Rlは、上述のように、最小の抵抗値より大きい所定の増加分として導出される。しかしながら、上限Ruは固定されるのではなく、検出された最大値から、検出された周囲温度に依存する減少分を減算して導出される。特に、減少分が、検出された周囲温度が基準温度以下である場合に所定の値を有し、検出された周囲温度が基準温度を超える場合に所定の値よりも小さい値を有する。
基準温度は、上述のように、SMAアクチュエータ30が既に閉ループ領域にある温度である。典型的な基準温度は、約60℃又は70℃である。したがって、この温度を上回るときに、より小さい減少分を有する減少分を選択することで、上述の範囲の喪失が少なくなる。
1つの選択肢は、減少分が、検出された周囲温度が所定の温度を上回る場合に、第2の所定の値(例えば、ゼロ)を有することである。これは、周囲温度が基準温度を通過するときに、温度につれてのSMAアクチュエータ30の応答に不連続が生じるという欠点を有している。これは、SMAアクチュエータが、ずらされているが同じ形態である位置−要求特性を有するため、固有の問題ではないが、望ましくない。
周囲温度の指標が割り出される場合に利用可能であり、この欠点に対処するもう1つの選択肢は、減少分に、検出された周囲温度が基準温度を上回る所定の範囲にある場合には第2の所定の値(例えば、ゼロ)へと温度につれて減少し、検出された周囲温度が所定の範囲を上回る場合には第2の所定の値を有する値を持たせることである。これは、SMAアクチュエータ30の距離の推定を効果的に取得し、応答に急激な不連続がないことを保証するためのマージンの継ぎ目のない減少を生み出すために使用することができる。
上述のように、制御ユニット52は、周囲温度の指標をいくつかのやり方で使用する。周囲温度の指標を、例えば温度センサなど、任意のソースから導出することができる。
駆動電流がSMAアクチュエータ30の抵抗の指標にもとづいて制御されるとき、SMAアクチュエータ30の種々の電気的特性が、周囲温度を表し、したがってそのようなSMAアクチュエータの電気特性を、周囲温度の指標として使用することができる。したがって、参照により本明細書に援用される国際公開第2009/071898号に詳しく開示されているやり方で、周囲温度の指標を、周囲温度を表すSMAアクチュエータの電気特性の指標として導出してもよい。
上述したさまざまな種類の制御を、可動要素6を移動させて、その位置を変化させるために使用することができる。カメラ1の場合には、これが、レンズ系7の焦点を変化させる。焦点を、任意の所望のアルゴリズムに従って変化させることができる。
焦点を、オートフォーカスのアルゴリズムを提供するために変化させることができる。1つの選択肢は、国際公開第2007/113478号、国際公開第2008/099156号、又は国際公開第2008/099155号に開示のとおりのフライバックアルゴリズムを使用することである。この場合、レンズ系7が、常に加熱によって位置へと動かされる。したがって、冷却においては、位置を正確に制御する必要がない。これは、閉ループ制御の場合に、位置と抵抗との間の関係におけるヒステリシスの問題を回避する。
代案として、オートフォーカスのアルゴリズムを提供するためのより標準的な選択肢は、従来からの「山登り」オートフォーカスアルゴリズムを使用することである。この場合、アルゴリズムが、いずれかの方向から所望の位置に到着する。この場合、両方の方向から所与の位置を見つけて維持する必要があり、したがって、SMAアクチュエータ30に関するヒステリシスの特徴を明らかにし、補償する必要がある。必然的に、これは開ループモデルに複雑さを追加し、較正プロセスの起動時の測定にもとづいてより多くのパラメータを設定する必要があることを意味する。

Claims (30)

  1. 加熱によって引き起こされる収縮によって、可動要素を、前記可動要素を支持する支持構造体に対して移動させるように構成されたSMAアクチュエータを備えているSMAアクチュエータ装置を制御する方法であって、
    前記SMAアクチュエータを加熱するために前記SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給する工程を含み、
    前記駆動電流の電力が、
    前記SMAアクチュエータの抵抗の指標を検出するステップと、
    前記駆動電流の電力にもとづいて、SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定を、該SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度を前記駆動電流の電力に関連付ける熱モデルを使用して、導出するステップと、
    前記SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定にもとづいて、抵抗オフセットを、前記SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度につれての前記可動要素の抵抗の変化を補償する抵抗オフセットを前記SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度に関連付ける抵抗モデルを使用して、導出するステップと、
    前記抵抗オフセットによって調節された前記SMAアクチュエータの抵抗の指標と前記SMAアクチュエータの抵抗の目標値との間の誤差にもとづいて、前記駆動電流の電力を制御するための閉ループ制御信号を生成するステップと、
    を実行することによって、前記SMAアクチュエータの抵抗を目標値に合わせこむための閉ループ制御信号にもとづいて制御される、方法。
  2. 前記抵抗モデルが、前記抵抗オフセットを前記抵抗オフセットに対する前記SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度に関連付ける一次方程式である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記駆動電流の電力にもとづいてSMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定を導出するステップが、SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定を定期的に更新することからなる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの特徴温度が、ただ1つの特徴温度からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記熱モデルが、前記ただ1つの特徴温度の変化を、前記駆動電流の電力及び前記ただ1つの特徴温度の瞬間の値へと関連付ける一次方程式である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの特徴温度が、複数の特徴温度からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記熱モデルが、前記特徴温度のそれぞれに関する一式の一次方程式を含んでいる多段の熱モデルであり、
    第1の一次方程式が、前記連続のうちの最初の特徴温度の変化を、該最初の特徴温度の瞬間の値及び前記駆動電流の電力に関連付け、
    さらなる一次方程式が、それぞれの特徴温度の変化を、該それぞれの特徴温度の瞬間の値及び少なくとも1つの他の特徴温度の瞬間の値に関連付けている、請求項6に記載の方法。
  8. 周囲温度を割り出すことをさらに含んでおり、前記熱モデルが、該割り出された周囲温度を考慮に入れる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 加熱によって引き起こされる収縮によって、可動要素を、前記可動要素を支持する支持構造体に対して移動させるように構成されたSMAアクチュエータを備えているSMAアクチュエータ装置の制御システムであって、
    前記SMAアクチュエータを加熱するために前記SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するように動作することができる電流供給部、
    前記SMAアクチュエータの抵抗の指標を検出するように動作することができる検出回路、及び
    前記SMAアクチュエータの抵抗を目標値へと合わせこむように前記電流供給部によって供給される駆動電流の電力を制御するために電流供給部へもたらされる閉ループ制御信号を生成するように動作することができる制御ユニット、を備え、
    前記制御ユニットが、
    前記駆動電流の電力にもとづいて、SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定を、該SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度を前記駆動電流の電力に関連付ける熱モデルを使用して導出し、
    前記SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定にもとづいて、抵抗オフセットを、前記SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度につれての可動要素の抵抗の変化を補償する抵抗オフセットを前記SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度に関連付ける抵抗モデルを使用して導出し、
    前記抵抗オフセットによって調節された前記SMAアクチュエータの抵抗の指標と前記SMAアクチュエータの抵抗の目標値との間の誤差にもとづいて、前記閉ループ制御信号を生成するように動作可能な、制御システム。
  10. 前記抵抗モデルが、前記抵抗オフセットを前記抵抗オフセットに対する前記SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度に関連付ける一次方程式である、請求項9に記載の制御システム。
  11. 前記駆動電流の電力にもとづいてSMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定を導出するステップが、SMAアクチュエータ装置の少なくとも1つの特徴温度の推定を定期的に更新することからなる、請求項9又は10に記載の制御システム。
  12. 前記少なくとも1つの特徴温度が、ただ1つの特徴温度からなる、請求項9〜11のいずれか一項に記載の制御システム。
  13. 前記熱モデルが、前記ただ1つの特徴温度の変化を、前記駆動電流の電力及び前記ただ1つの特徴温度の瞬間の値へと関連付ける一次方程式である、請求項12に記載の制御システム。
  14. 前記少なくとも1つの特徴温度が、複数の特徴温度からなる、請求項9〜11のいずれか一項に記載の制御システム。
  15. 前記熱モデルが、前記特徴温度のそれぞれに関する一式の一次方程式を含む多段の熱モデルであり、
    第1の一次方程式が、前記連続のうちの最初の特徴温度の変化を、該最初の特徴温度の瞬間の値及び前記駆動電流の電力に関連付け、
    さらなる一次方程式が、それぞれの特徴温度の変化を、該それぞれの特徴温度の瞬間の値及び少なくとも1つの他の特徴温度の瞬間の値に関連付けている、請求項14に記載の制御システム。
  16. 前記制御ユニットが、周囲温度を割り出すようにさらに構成されており、前記熱モデルが、該割り出された周囲温度を考慮に入れる、請求項9〜15のいずれか一項に記載の制御システム。
  17. 加熱によって引き起こされる収縮によって、可動要素を、該可動要素を支持する支持構造体に対して移動させるように構成されたSMAアクチュエータを備えているSMAアクチュエータ装置を制御する方法であって、
    前記SMAアクチュエータを加熱するために前記SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給する工程を含み、
    該駆動電流の電力が、前記SMAアクチュエータの抵抗を上限及び下限の間の範囲において選択される目標値へと合わせこむための閉ループ制御信号にもとづいて制御され、
    前記上限は、
    SMAアクチュエータの抵抗の指標を監視しながら、SMAアクチュエータを加熱されていない状態から加熱し、前記抵抗の指標の最大値を検出するステップ、及び
    周囲温度が基準温度よりも上であるか否かを判断するステップ、によって導出され、
    前記上限は、前記検出された最大値から前記検出された周囲温度に依存する減少分を引いた値として導出され、該減少分は、前記検出された周囲温度が前記基準温度以下である場合に所定の値を有し、前記検出された周囲温度が前記基準温度よりも上である場合に前記所定の値よりも小さい値を有する、方法。
  18. 前記周囲温度が基準温度よりも上であるか否かを判断するステップが、前記SMAアクチュエータの加熱の際に前記抵抗の指標に極大値が存在するか否かを判断することを含んでいる、請求項17に記載の方法。
  19. 前記周囲温度が基準温度よりも上であるか否かを判断するステップが、周囲温度の指標を割り出し、該周囲温度の指標があらかじめ保存された基準温度よりも上であるか否かを判断することを含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記周囲温度の指標を割り出すステップが、周囲温度を表すSMAアクチュエータの電気特性の指標を導出することを含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記減少分が、前記検出された周囲温度が前記基準温度よりも上である場合に、第2の所定の値を有する、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記減少分が、前記検出された周囲温度が前記基準温度よりも上の所定の範囲にある場合に、温度につれて第2の所定の値へと減少する値を有し、前記検出された周囲温度が前記所定の範囲よりも上である場合に、前記第2の所定の値を有する、請求項19又は20に記載の方法。
  23. 前記第2の所定の値がゼロである、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 加熱によって引き起こされる収縮によって、可動要素を、前記可動要素を支持する支持構造体に対して移動させるように構成されたSMAアクチュエータを備えているSMAアクチュエータ装置のための制御システムであって、
    前記SMAアクチュエータを加熱するために前記SMAアクチュエータを介して駆動電流を供給するように動作可能な電流供給部であって、前記駆動電流の電力が、当該電流供給部に供給される制御信号にもとづいて制御される電流供給部、
    前記SMAアクチュエータの抵抗の指標を検出するように動作することができる検出回路、及び
    前記検出回路によって検出される前記SMAアクチュエータの抵抗の指標及び前記SMAアクチュエータの抵抗の目標値にもとづいて、前記制御信号を生成するように動作することができる制御ユニット、を備え、
    前記制御回路が、前記目標値を上限及び下限の間の範囲において選択するように構成され、
    前記上限を決定するために、前記制御ユニットが、
    前記SMAアクチュエータの加熱されていない状態からの加熱を生じさせる制御信号を供給して、前記抵抗の指標の最大値を検出し、
    周囲温度が基準温度よりも上であるか否かを判断し、
    前記上限を、前記検出された最大値から前記検出された周囲温度に依存する減少分を引いた値として導出するようにさらに構成され、
    前記減少分は、前記検出された周囲温度が前記基準温度以下である場合に所定の値を有し、前記検出された周囲温度が前記基準温度よりも上である場合に前記所定の値よりも小さい値を有する、制御システム。
  25. 前記制御ユニットが、前記SMAアクチュエータの加熱の際に抵抗の指標に極大値が存在するか否かを判断することによって、前記周囲温度が基準温度よりも上であるか否かを判断するように構成されている、請求項24に記載の装置。
  26. 前記制御ユニットが、周囲温度の指標を割り出し、該周囲温度の指標があらかじめ保存された基準温度よりも上であるか否かを判断することによって、前記周囲温度が基準温度よりも上であるか否かを判断するように構成されている、請求項24に記載の装置。
  27. 前記制御ユニットが、周囲温度を表すSMAアクチュエータの電気特性の指標を導出することによって、前記周囲温度を割り出すように構成されている、請求項26に記載の装置。
  28. 前記減少分が、前記検出された周囲温度が前記基準温度よりも上である場合に、第2の所定の値を有する、請求項25〜27のいずれか一項に記載の装置。
  29. 前記減少分が、前記検出された周囲温度が前記基準温度よりも上の所定の範囲にある場合に、温度につれて第2の所定の値へと減少する値を有し、前記検出された周囲温度が前記所定の範囲よりも上である場合に、前記第2の所定の値を有する、請求項26又は27に記載の装置。
  30. 前記第2の所定の値がゼロである、請求項28又は29に記載の装置。
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