JP2012505697A - 液体分配ブラシアセンブリ及びそれを動作させる方法 - Google Patents

液体分配ブラシアセンブリ及びそれを動作させる方法 Download PDF

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Abstract

湿式フロアクリーニングデバイスでの使用に適したブラシアセンブリが開示される。ブラシアセンブリは、中空コアを含むブラシを有する。前記コアの内表面は、複数の区画に分けられる。前記コアの外表面には、ブラシ材料が設けられ、前記コアには、複数の流出開口部が開けられる。ブラシアセンブリは、流体を前記コアに注入するための第1の流体注入部と、ブラシを軸の周りで回転させるように構成された駆動機構とを更に有する。また、ブラシアセンブリを動作させるための方法も開示される。

Description

本発明は、クリーニング装置、例えばフロアクリーニング装置での使用に適した液体分配ブラシアセンブリに関する。
クリーニング装置は、クリーニング及び回転されるべき表面と接触したときに洗浄動作を実行する回転式ブラシを有する。この装置の動作を強化するために、表面は湿っている。
仏国特許第2,797,895号明細書は、例えば、道路クリーニングデバイスで使用するための回転式ブラシアセンブリを開示している。このブラシアセンブリは、中空シリンダで形成された中空支持シャフトを有する。このシリンダの一端は閉鎖されているのに対し、他端は、水の供給のために接続され得る。シャフトのシリンダ状の壁は、複数行のブラシ毛を備え、水の供給を介して中空シリンダに供給され得る水が開口部を介して外側に流れ得るように設けられた複数の開口部を有する。シャフトの回転に関連した遠心力は、クリーニングされるべき表面上に水を与える。ここで、水が汚れを和らげ、その後、この汚れは、移動するブラシ毛により除去され得る。
近年の湿式ブラシクリーナの開発において、水の消費を最小限にすることが望まれている。あまり水又はクリーニング溶液を浪費しないクリーニング装置は、比較的小さなクリーニング溶液タンクだけを要する。経済的な観点から離れて、斯様なクリーニングデバイスは、コンパクトで便利な(即ち人間工学的な)デザインを可能にし、これは、家庭的な使用において特に理解され得る。
しかしながら、用いられるクリーニング溶液が少ないほど、所望のウェッティングプロファイル、例えば均一なウェッティングプロファイルに従ってブラシ表面に渡ってクリーニング溶液を分配することは困難である。本発明は、回転ブラシの表面に渡って所望のウェッティングプロファイルを達成可能な経済的で信頼性のある液体分配ブラシアセンブリを提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、湿式フロアクリーニングデバイスでの使用に適したブラシアセンブリが提供される。ブラシアセンブリは、中空コアを含むブラシを有する。前記コアの内表面は、複数の区画(compartment)に分けられる。前記コアの外表面には、ブラシ材料が設けられ、前記コアには、複数の流出開口部が開けられる。ブラシアセンブリは、流体を前記コアに注入するための第1の流体注入部と、ブラシを軸の周りで回転させるように構成された駆動機構とを更に有する。
手短に言うと、斯様なブラシアセンブリの動作は以下のとおりである。駆動機構がブラシを軸の周りで回転させる際に、流体注入部は、流体、例えばクリーニング溶媒を中空コアに注入し得る。注入された流体は、前記コアに接触し、その内表面に設けられた区画に入る。ブラシの回転動作から連続的に生ずる遠心力は、任意の所与の区画における液体レベルを均一にし、区画に供給された液体の実質的に全てが、1又はそれ以上の流出開口部から、前記コアの外側に設けられたブラシ材料に迅速に排出されることを保証する。ブラシの所望のウェッティングプロファイルは、区画及び流出開口部の適切な構成を選択することにより容易に設定され得る。例えば、ブラシアセンブリの有利な実施形態において、各区画は1つの流出開口部を備え、前記流出開口部の位置は、液体がブラシ材料に流れる場所を正確に決定し、その一方で、区画のサイズ、詳細には区画が延在する半径方向の角度は、中空コアに注入される液体の総量に対してどれくらいの液体が区画により排出されるかを決定する。
本発明の他の態様によれば、方法が提供される。本方法は、本発明により提供されたブラシアセンブリを設けるステップを有する。本方法は、前記ブラシをその長手軸の周りで回転させるステップと、流体を前記コアに注入するステップとを有し、注入された流体は、回転コアの内表面に設けられた区画により収集され、前記コアの回転に関連する遠心力は、液体を前記区画から前記流出開口部を介して前記ブラシ材料に排出させる。
本文書は、本発明を特に示し、はっきりと主張する特許請求の範囲で締めくくる一方で、本発明は、添付図面と組み合わせた特定の実施形態の以下の説明から、より完全に理解されるだろう。これらの図面は、例示することを意味し、本発明を限定することを意味するものではない。
独国特許第1630527号明細書は、車両用の洗浄デバイスを開示している。このデバイスは、中空ローラが回転可能に設けられた固定シャフトを有する。このローラは、ブラシを備えている。シャフト及びローラの双方は、洗浄液体を通過させるための開口部3及び5を備えている。ローラの内側は、案内リブを備えている。
国際公開第99/04669号は、クリーニングされるべき表面との接触のためのクリーニング手段を支持するように適合されたヘッド部材を有するクリーニングヘッドを開示している。ヘッド部材は、上面と、前記上面に塗布されたクリーニング流体が開口部を介して下面まで通過するとともにクリーニング手段と接触するように、前記ヘッド部材に設けられた複数の開口部と、クリーニングヘッドが回転する際にクリーニング流体に開口部を通過させるための、前記開口部と隣接して設けられた流体そらせ板とを有する。
米国特許第3939521号明細書は、穿孔中空シリンダコアで維持される長尺ブラシ毛を含む回転ブラシ構造を開示している。カラー(collar)ユニットは、回転用のシャフトにコアを固定し、コアの内側に沿って間隔が空けられている。潤滑液体ストリームは、コアの両端に入り、カラーを介して内側に向かう。液体は、ブラシ毛を円滑にするためにコア穿孔を介して出て行く。
特開2003−299602号は、フロアブラシを開示している。洗浄水は、その回転中にブラシの上側部分に供給される。このデバイスは、水を受けるための溝を有する。この溝は、垂直面を有する。この垂直面において、側面穴が形成される。これらの側面穴は、それぞれ、ブラシの頂部と連通する垂直管で形成される前記頂部をもつ。
本発明のブラシアセンブリが用いられ得る例となる湿式フロアクリーニングデバイスの斜視図である。 本発明の例となるブラシアセンブリの斜視図である。 図2で示された例となるブラシアセンブリの断面図である。 例となる断面のコアプロファイルを示す。 例となる断面のコアプロファイルを示す。 例となる断面のコアプロファイルを示す。 図4Aで示された断面のコアプロファイルと一致する展開された内側コア表面の平面図を示す。 図4Bで示された断面のコアプロファイルと一致する展開された内側コア表面の平面図を示す。 図4Cで示された断面のコアプロファイルと一致する展開された内側コア表面の平面図を示す。 異なる流体注入部と排他的に関連し得る複数の区画を有する例となるコアの展開された内表面の平面図を示す。 コアに注入される注入流体ビームの一部を制御可能に切り取るように設計された複数の鮫ひれ状の突起部がついているコアの断面図を示す。
図面において、同一の参照符号は、同一又は類似の要素又は動作を特定する。図中の要素の形状、サイズ、角度及び相対位置は実寸で描かれるものではなく、図の視認性を向上させるために適宜拡大及び配置される場合がある。
図1は、本発明の流体分配ブラシアセンブリが用いられ得る、例となる家庭用フロアクリーニングデバイス100の斜視図を示している。デバイス100は、接続棒104を介してハウジング106に接続されたハンドル102を含んでいる。ハウジング106は、この特定の例においては2つのブラシ210a,210bを有するブラシアセンブリを収容している。また、ハウジングは、フロアの上からブラシに屋根を付す泥除け108を含んでいる。電源コード114は、主電源からブラシアセンブリの駆動機構に電力を供給するためにハンドル102に接続されている。クリーニング溶液は、接続棒104に取り付けられたクリーニング溶液タンク110からブラシアセンブリに供給され得る。使用中、ブラシ210a,210bは、好ましくは、反対方向に動作する。図1においては、これは、ブラシ210a及び210bに関してそれぞれ反時計周り及び時計周りの回転となる。ブラシ210a,210bの一方又は双方が内側から外側へ湿らされ、ブラシ210a,210bがフロア表面の上に置かれた状態でフロア表面を磨く。加えて、ブラシ210a,210bは、フロアから洗い落とされた汚れ粒子を運ぶ、ブラシ210a,210b間の上向きのエアフローをもたらす。このエアフローは、廃棄物タンク112に向かうように泥除け108により偏向され得る。廃棄物タンク112において汚れ粒子が堆積され得る。
図1は、単に、本発明のブラシアセンブリが用いられ得るクリーニング装置100の一例を読み手に提供することを意図しているに過ぎないことが理解される。以下、ブラシアセンブリは、如何なる特定のホストデバイスの参照を伴うことなく、より詳細に説明されるだろう。
図2及び図3は、本発明の例となるブラシアセンブリ200を示している。図2は、ブラシアセンブリ200の斜視図を示し、図3は、その断面図を示している。ブラシアセンブリ200は、ブラシ210、流体注入部250及び駆動機構260を有する。
ブラシ210は、長手軸218をもつ、中空シリンダカバーで形成されたコア212を含んでいる。コアの内表面226は、長尺の区画228に細分され、区画228は、コアの第1の端部壁214から第2の端部壁216に、長手軸218に沿って延在する。第1及び第2の端部壁間において、区画228は、内表面226から突出する突起部230により互いに分離されている。コア212の内表面226は、好ましくは平坦であり、更に、区画228の境界の範囲内において内表面に渡って流体の自然な流れを可能にするようになっている。従って、例えば射出成形の間における材料収縮に起因したコア212の内表面226におけるくぼみ、及び、これらの打ち抜きの結果としての流出開口部240の縁部の周りの内側へのばりが、好ましくは回避される。コア212は、原理上、如何なる所望の形状を有してもよいが、円柱及び角柱状のコアは、例えば押し出し成形を介して容易且つ経済的に製造され得るので有利である。
コア212は、その内表面226及び外表面232を貫通する複数の流出開口部240を備えている。各区画228は、少なくとも1つの流出開口部240に関連しており、区画が排出するのを可能にする。1つの流出開口部240も伴わない区画は、使用中に流体で満たされて溢れ得る。区画228は、複数の流出開口部240に関連してもよいが、1つの流出開口部は、多くの実際の実施形態において十分であり得る。単一の流出開口部240は、区画228により収集された全ての液体が、その流出開口部を介して排出されることを保証する。複数の流出開口部240を有する区画228により、異なる流出開口部を介して外へ出される液体の量は、とりわけ区画の形状に起因して若干異なり得る。これは必ずしも問題ではないが、特定の流出分配/ウェッティングプロファイルが求められたときに考慮されるべき因子であり得る。
明確さのために、図4Aは、図2及び図3に示された円柱コア212の断面プロファイルを示している。図4B及び図4Cは、代替のコアの実施形態の2つの断面プロファイルを追加的に示している。3つの断面プロファイルは全てnの折り畳んだ回転対称を示す。nは、それぞれのコア212の内表面226上に示された区画228の数である。例えば、例となるプリズムコア212に対応する図4Cで示された八角形の断面は、8個の区画228を規定し、8の折り畳んだ回転対称をもつ。換言すると、360/8=45度によりその断面をその中心の周りに回転させることは、同一の八角形を生じさせる。回転対称、特にnの折り畳んだ回転対称をもつ断面を伴うコア212は、均一なウェッティングプロファイルをもつブラシ210が望ましいときに特に有利である。これは、全ての区画228が本質的に同一であるためであり、均一なウェッティングプロファイルは、各区画に対して1つの軸方向に等距離にある流出開口部240により容易に設定され得る。
その他、図4は、変化する断面プロファイルを伴う突起部230が用いられ得るという事実も示している。図4A,4B及び4Cでそれぞれ示された突起部230は、単純な矩形、鮫ひれ状及び三角形の断面プロファイルを有する。実際には、突起部230のプロファイルは、要求通りに選択され得る。相互に異なる形状を伴う突起部230をもつ断面コアプロファイルは、nの折り畳んだ回転対称をもたないことが明らかであるだろう。従って、異なる区画228による流体の収集が偏り、幾つかの区画を有利に働かせる一方で、他のものを不利にさせ得る。
代替実施形態において、区画は、コアの内表面から突出する突起部を伴うことなく、コアの特定の内側形状により形成されてもよいことに留意されたい。例えば、三角形又は矩形の断面プロファイルを伴うコアは、そのプロファイルの角に区画をもつ一方で、流出開口部は、コアの長さに沿って間隔をおいて、これらの角(及びファセット又は辺の交点上)に配置され得る。
図2及び図3の構成を更に明確にするために、図5Aは、示されたコア212の展開された内表面226の平面図を示している。突起部230及び区画228は、明らかに、平行且つ軸方向218に直線的に延在している。各区画228は、1つの流出開口部240を更に備え、これらの流出開口部は、コア212の軸長さ方向全体をカバーするように軸方向に等間隔に配置されている。図5B及び図5Cは、図4B及び図4Cでそれぞれ示された断面コアプロファイルに対応し得る代替コアの展開された内表面の2つの平面図を追加的に示している。図4Bは、2つの突起部230の向きとらせん状の態様で長手軸218に沿って延在する2つの区画とを特に示している。図5Cは、不均一に中心に置かれたウェッティングプロファイル(即ち、ブラシ210が、その軸中心付近で最大限に湿らされ、湿度がブラシコアの両端214,216に向かって低下するウェッティングプロファイル)をもたらす流出開口部240の構成を示している。
図4及び図5で示された3つの実施形態の全ては同一の区画228を有するが、これは必ずしも必要ではない。実際には、例えば不均一なウィッティングプロファイルをもたらすために、異なったサイズ又は形状の区画が意図的に用いられてもよい。例えば、図4A及び図5Aで概略的に示されたコア212は、8個の区画228を有し、これらの全てが、45度の放射状の円弧を介して延在する。使用中に一定の回転速度及び一定の流体注入レートを与えた場合には、各区画228は、同一量の流体を収集するだろう。しかしながら、突起部230a及び流出開口部240aが除かれる場合には、1つの流出開口部240bを有するとともに、90度の放射状の円弧を介して延在する区画228が生成されるだろう。この区画は、他の区画により収集された流体の量の約2倍の量を収集する一方で、この2倍の量の流体は、依然として、単一の流出開口部240を介して排出されるだろう。
図4及び図5で示された実施形態は、単なる例であり、当業者は、特定のアプリケーションに適合するブラシコア212を生成するために種々の変更を行うことが理解される。変更され得るパラメータは、例えば、突起部230のプロファイル、区画228毎の流出開口部240の数及びこれらの位置、並びに、区画228の幾何学形状を含む、コア212の断面プロファイルである。
再び図2及び図3を参照すると、コア212の外表面232は、ブラシ材料234を備えている。示された実施形態において、ブラシ材料234は、軟質マイクロファイバフィラメントを有し、これらは、ブラシ材料が例えばコア212の外表面232に取り付けられる、例えば接着されることにより、液体透過性バッキング236に設けられる。概して、如何なる種類のブラシ材料234が用いられてもよいが、この材料は、好ましくは、摩擦抵抗及びクリーニング性能に関する最低限の要件を満たす。加えて、ブラシ材料は、好ましくは、ブラシが不規則な表面、例えば深部にある継ぎ目又は小さな亀裂をもつ面に適合可能であるように柔らかいものである。
流体注入部250は、コア212の第1の端部壁214における開口部238を介してコア212に部分的に挿入され得る。流体注入部250は、パイプの一部を有し、このパイプの第1の部分252は、コア212の長手軸218に沿って延在する一方で、第2の部分254は、軸218と平行ではない方向、例えばその軸に対する半径方向において支配的な成分を有する方向に延在する。第2の部分254は、オリフィス256を有し、このオリフィス256を介して、流体が、例えば軸218に対する半径方向において支配的な成分を有する方向にオリフィス256から噴出する流体ビームの形式で、中空コア212に注入される。図2及び図3の実施形態において、流体注入部250の第2の部分254は、コア212の内表面226と実質的に直交する方向に適宜延在する。軸218に対する半径方向において支配的な成分を有する流体ビームの利点は、大量の不規則なスパッタリングを伴うことなく、容易に及び良好に制御された態様で、複数部分に切断され、異なる区画に渡って分配され得る。これは、コア212がnの折り畳んだ回転対称をもたず、コアが意図された注入を望む特定の構成(例えば、後述される図6を参照)をもち、回転速度が比較的低く、及び/又は、流体供給の割合が比較的大きい(例えば、図7の以下の考察を参照)、実施形態/状況において特に関連し得る。他の実施形態/状況において、流体ビームの向き、即ちコア212に対する角度は、全く関連しない。使用中において、例えば、コア212が高速で回転する一方で、注入部250は好ましくは動かないままである。全ての突起部230及び区画228が同一であるように内表面226の区分化が回転対称をもつ場合には、これらの区画は、流体注入部250が流体をコア212に注入する角度に関わらず、同等の流体供給を収集するだろう。
流体注入部250は、流体、例えばクリーニング溶液を液体ジェットの形式で注入し得る。液体ジェットを供給するために、流体注入部250は、場合により液体が供給される圧力及び/又は流量を制御するためのポンプを介して、液体タンクに結合され得る。当業者は、中空コア212にガスを注入することも可能であることを理解するだろう。前述されたクリーニング溶液は、例えば、オリフィス256の上流で加熱及び蒸発されてもよい。一旦注入されると、蒸気は、中空コア212を満たし、その比較的冷たい内表面226での液化が区画228に供給される。蒸発は、ブラシの所望のウェッティングプロファイルを実現するために用いられることは必ずしも必要ではないことが述べられるべきである。即ち、これは、クリーニングがより効果的になり得る高い温度での液体の供給を可能にする単なるオプションに過ぎない。流体注入部250は、異なる流体が同時に又は連続してコアに注入されることが可能な複数チャンネルの流体注入部であってもよい。斯様な流体注入部は、例えば、可変合成物の流体を伴うブラシの湿化を可能にするだろう。
流体がコア212に供給される流量は、好ましくはおおよそ一定であるが、コアの少なくとも1回転を持続させる流量の変動は、ブラシ210のウェッティングプロファイルに対する最低限の効果を有するべきである。これは、全ての区画228がおおよそ比例的に影響を受けるためである。そして、コア212は、1回転がたった2.4msしかかからないように、好ましくは高速で、即ち2500rpm又はそれ以上で回転するので、ウェッティングプロファイルに対する流量変化の影響は、概ね無視され得る。勿論、ブラシの湿化の吸収度合いは、流量変動により影響を受けるだろう。
駆動機構260は、モータ、例えば電気モータ262を有し得る。駆動機構は、必要に応じて、例えば分岐トランスミッションを介して、(図3に示されるような)単一のブラシ又は1よりも多いブラシを駆動させ得る。概して、ブラシアセンブリの各ブラシが自己の専用の駆動機構をもつ必要はないが、幾つかの実施形態において、異なるブラシの独立制御を可能にする際に有利である。電気モータ262の駆動機構264は、駆動シャフト264の回転動作がブラシ210に伝達されるように、コアの第2の端部壁216に接続され得る。駆動機構260は、少なくとも2500毎分回転数(rpm)、好ましくは少なくとも5000rpm、及び、より好ましくは少なくとも7000rpmの回転速度でブラシ120を駆動させることが可能である。ブラシ210が駆動する回転速度が大きくなると、ブラシコア212の内表面226上の区画228に存在する流体によりもたらされる遠心力が大きくなる。遠心力は区画228の排水のための駆動力であるので、より大きな回転速度は、最後の一滴まで区画から排出するより大きな能力に対応し、それ故に非常に低い量の液体を分配するより大きな能力に対応する。しかしながら、遠心力は、(ゼロを除く)任意の回転速度で存在し、比較的低い回転速度だけでブラシを回転可能な駆動機構が本発明を実施するのに十分である。
明らかに、ブラシコア212の内表面226に存在する液体によりもたらされた遠心力はコアの内半径に依存する。或る角速度を与える場合には、コア212の内半径が大きくなると、もたらされる力も大きくなる。例えば、ブラシコア212は、20mmの内径をもつ。ブラシコア212が8000rpmで回転する場合には、コアの内表面に存在する液体は、重力加速度の1431倍に対応する約14037ms−2の外向きの加速度をもたらすだろう。40mmの内径をもつブラシコア212の内表面226に存在する液体は、2倍の加速度、それ故に2倍の遠心力をもたらすだろう。
図2及び図3に示された例となるブラシアセンブリ200が詳細に述べられた今、その動作は明らかにされるだろう。クリーニング溶液の連続ジェットが流体注入部250のオリフィス256を出て、ブラシが毎分数千回転の速度で回転されると仮定する。コア212の回転は、区画228が連続的にオリフィス256により通過することをもたらす。区画228がオリフィス256の真下に配置される時間期間の間、クリーニング溶液は区画に噴出される。区画228は、(液体注入部250の位置及び向きにより)第1の端部壁214の付近でクリーニング溶液を受けるが、これは、遠心力の結果として区画228の内表面226に渡ってほぼ即座に広げられる。コア212の高速回転動作に関連した遠心力は、重力の数百倍に容易に達する。これは、各区画228中の液体レベルが素早く均等にされるだけでなく、液体が1又はそれ以上の流出開口部240を介して区画から素早く排出されることを保証する。それ故、液体は、区画から、流出開口部240を介して、コア212の外表面232に設けられた透過性バッキング236に出される。そこから、液体は、クリーニングされる表面又はフロアに接触するブラシ材料234を介して進行する。
好ましくは、ブラシアセンブリ200は、区画228の排出がコア212の一回転の範囲内で生じるように、又は、少なくとも、流出開口部240を通る流体流出量の割合が注入部250による流体注入の割合にマッチする平衡状態の確立が保証されるように、寸法される。実際には、この場合に当てはまらなかった場合には、区画228は、最終的には満たされて溢れるだろう。適切な寸法決めは、特に、流出開口部240が液体の流出を制限しないことを提案する。換言すると、これらのサイズ/直径は、好ましくは、投与機能を果たさない。投与は、流体注入部及び区画の構成の組み合わせられた働きにより対処され得る。流体注入部250が運ぶ流量は、単位時間当たりにブラシ210により分配される流体の吸収量を決定し、その一方で、区画の構成は、ブラシの所望のウェッティングプロファイルを得るように、流体の量のどの部分がブラシ材料234に排出されるかを決定し得る。有利には、比較的大きな流出開口部240の使用は、その目詰まりの危険性を軽減させ、それ故にブラシアセンブリ200の信頼性を増大させる。
前述されたブラシアセンブリ200の実施形態は、場合により可変の合成に関わらず、単一の流体に基づく特定のプロファイルに従ってブラシを湿化させるように構成される。しかしながら、ブラシアセンブリの一実施形態は、複数の流体に基づくウェッティングプロファイルをもたらすために用いられ得る。一例として、図6は、8個の実質的に同一の、L字状の区画248a−248a´´´,248b−248b´´´を有するコアの展開された内表面の平面図を示している。区画248a−248a´´´は、360度の角度に渡って延在する(明確のために斜線で示された)側部ゾーン250aを共有する。同様に、区画248b−248b´´´は、360度の角度に渡って延在する(明確のために斜線で示された)側部ゾーン250bを共有する。区画248a−248a´´´,248b−248b´´´等のそれぞれは、流出開口部240を備えている。ブラシアセンブリに2つの流体注入部が取り付けられているときには、これらの一方は、ゾーン250aでの第1の液体をターゲットにする一方で、他方は、250bでの第2の液体をターゲットにし、2つの異なる液体に基づくウェッティングプロファイルが生成され得ることが明らかであるだろう。
前述されたように、コアの内表面上の区画の境界となる実質的に同一の突起部及びブラシの高速回転は、種々の区画に渡る注入された流体の予測可能な分配を自動的に保証する。しかしながら、この予測可能性を比較的低い回転速度で維持するために、ブラシアセンブリの一実施形態は、特定の条件に適合しなければならない。斯様な一実施形態は、図7を参照して説明されるだろう。
図7は、複数の鮫ひれ状の突起部230を備えたコア212の断面プロファイルを示している。また、流体ビーム258をコア212に注入する流体注入部の一端部254が示されている。図7の実施形態において、突起部230は、区画228の境界となるように機能するだけでなく、流体注入部の一端部254によりコア212に注入された流体ビーム258を、良く規定された部分に制御可能に切断するように機能する。流体ビーム258の切断部分は、各突起部230に先行する区画228において実質的に受けられる。理想的には、ビーム258は、異なる制御されていない方向に打ち続ける流体のスパッタ又は液滴を生成することなく、複数の部分に切断される。スパッタは、注入された流体ビーム258の妨害のような、分離効果をもたらし得る。
流体ビーム258の切断は、以下の条件が満たされたときに、スパッタ又は液滴を形成することなくきれいに生じることが観察された。(a)突起部230の頂点242が流体ビーム258を横切るための前記突起部の第1の部分であり、(b)突起部230の立下り側方面244がコア212の内表面226に対して斯様な角度で延在し、流体ビーム258の端部は、突起部がその回転動作を続けるので、この表面244との接触を緩める。前者の条件は、突起部230を適切に形成することにより、及び/又は、流体ビーム258を適切に指向させることにより適合され、流体ビームのクリーン切断を保証する。後者の条件は、立下り側方面244の角度、コア212の回転速度、及び、液体注入の割合を適切に選択することにより適合され、突起部230の立下り側方面244上への水の蓄積及びその制御不能な汚れを防止する。同時に、これらの条件は、流体ビーム258の制御された分解を保証し、これにより、特に低い回転速度及び/又は比較的大きな水の供給の条件での、コア212への流体の不規則な供給を阻止する。
本発明は、図面及び前述した説明において詳細に示され述べられた一方で、斯様な図示及び説明は、例示又は単なる例であり、限定するものとみなされるべきではない。即ち、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対するバリエーションは、図面、開示及び特許請求の範囲の研究から、当業者により理解され達成され得る。請求項において、"有する"という用語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、単数表記は、複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に用いられ得ないことを示すものではない。請求項中の如何なる参照符号も範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。

Claims (10)

  1. 湿式フロアクリーニングデバイスでの使用に適したブラシアセンブリであって、
    中空コアを有し、前記コアの内表面が複数の区画に分けられ、前記コアの外表面にはブラシ材料が設けられ、前記コアには複数の流出開口部が開けられるブラシと、
    流体を前記コアに注入するための第1の流体注入部と、
    前記ブラシを前記コアの長手軸の周りで回転させるように構成された駆動機構とを有し、
    前記コアの回転の間、注入された流体が、前記内表面上に設けられた前記区画により収集され、前記コアの回転に関連した遠心力が、前記流体を前記区画から前記流出開口部を介して前記ブラシ材料に排出するブラシアセンブリにおいて、
    前記区画は、前記コアの第1の端部壁から前記コアの第2の端部壁まで前記長手軸に沿って延在する、ブラシアセンブリ。
  2. 前記コアは、実質的に円柱状又は角柱状である、請求項1に記載のブラシアセンブリ。
  3. 前記区画は、前記コアの前記内表面から突出する突起部により少なくとも部分的に規定される、請求項1又は請求項2に記載のブラシアセンブリ。
  4. 前記突起部は頂部を有し、
    使用中に前記頂部が流体ビームを横断するための前記突起部の第1の部分になるように、前記突起部が形成され、及び/又は、前記流体ビームが指向される、請求項3に記載のブラシアセンブリ。
  5. 前記突起部は立下り側方面を有し、
    前記立下り側方面は、使用中、前記突起部が回転動作を続ける際に流体ビームの端部が前記表面との接触を緩める、前記内表面に対する角度で延在し、
    この条件は、前記立下り側方面の角度、前記コアの回転速度、及び、流体注入の割合を選択することにより適合される、請求項3に記載のブラシアセンブリ。
  6. 前記コアの断面プロファイルは、前記コアの前記長手軸に対してn(nは区画の数を示す)の折り畳んだ回転対称をもつ、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のブラシアセンブリ。
  7. 各区画は、少なくとも1つの流出開口部に関連する、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のブラシアセンブリ。
  8. 前記ブラシは、少なくとも毎分2500回転(rpm)の回転速度で駆動可能であり、これにより、ウェッティングプロファイルに対する流量変化の影響が僅かになる、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載にブラシアセンブリ。
  9. 湿式フロアクリーニングデバイスでの使用に適したブラシアセンブリであって、
    中空コアを有し、前記コアの内表面が複数の区画に分けられ、前記コアの外表面にはブラシ材料が設けられ、前記コアには複数の流出開口部が開けられるブラシと、
    流体を前記コアに注入するための第1の流体注入部と、
    前記ブラシを前記コアの長手軸の周りで回転させるように構成された駆動機構とを有し、
    前記コアの回転の間、注入された流体が、前記内表面上に設けられた前記区画により収集され、前記コアの回転に関連した遠心力が、前記流体を前記区画から前記流出開口部を介して前記ブラシ材料に排出するブラシアセンブリにおいて、
    前記第1の流体注入部に関連した前記区画は、側部ゾーンを共有し、
    第2の流体注入部に関連した前記区画は、他の側部ゾーンを共有し、
    前記区画は、これら側部ゾーンの間において前記長手軸に沿って延在する、ブラシアセンブリ。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか一項に記載のブラシアセンブリを有する、湿式フロアクリーニングデバイス。
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