本発明は標的タンパク質に結合するペプチドを含む、修飾変異ボウマンクロックプロテアーゼインヒビタータンパク質(BBPI)に関する。更に、本発明はより高いプロテアーゼ抑制活性を有するように修飾され、及び/又は未修飾BBPIよりも生産性の高い、修飾変異ボウマンクロックプロテアーゼインヒビタータンパク質(BBPI)に関する。本発明はポリヌクレオチド構築体及び修された変異BBPIをコードするポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター、修飾変異BBPIを発現及び生成する形質転換された宿主細胞、修飾変異BBPIタンパク質、修飾変異BBPIを含む組成物生物、パーソナルケアにおいて、修飾変異BBPIを生成し、使用する方法も含む。
タンパク質は幅広い生物学的過程に含まれている。プロテアーゼとプロテアーゼインヒビターとの間のバランスの崩壊はしばしは病理組織の崩壊と関係している。
組織損傷におけるプロテアーゼの役割に多くの研究が注目している。そして、プロテアーゼとプロテアーゼインヒビターとの間のバランスが組織の完全な状態を維持するための主用な決定要因であると考えられている。炎症細胞からのセリンプロテアーゼは好中球を含み、肺気腫、関節炎、アトピー性皮膚炎、及び乾癬等の炎症性疾患に関係している。これらの及び他の炎症状態はしばしばサイトカインの無調節のレベルに関する。
プロテアーゼは血管基底膜を分解し、細胞外基質の再構成して、細胞の移動及び浸潤を促進して、腫瘍の血管形成を促進する。プロテアーゼは血管形成成長因子を放出する。該成長因子は細胞外基質に結合し、細胞外基質化合物由来の遊走活性フラグメントを生成する。このフラグメントは順々に遊走性及び移動性を発揮して、内皮細胞、平滑筋細胞、及び繊維芽細胞上の活性を調節して、血管生成プロセスに関与する。生体内において血管生成活性のあるタンパク質因子のリストは線維芽細胞成長因子、アンギオゲニン(Angiogenin)、アンギオポイエチン(Angiopoietin)−1、EGF、HGF、EGF、HGF、NPY、VEGF、TNF−アルファ、TGF−ベータ、PD−ECGF、PDGF、IGF、IL8、及び成長ホルモンを含む。近年のサイトカイン阻害剤に関するリスクは深刻な感染、アナフィラキシー、及びループス様症状を含む。更に、薬剤の使用を停止した後に、臨床的利益が損なわれることが観察され、患者の一部がこの生物学的因子(生物製剤)に対する抗体を生産する。この事は、繰返し使用すると効果が限定されるという危険性がある。
生体内及び生体外において、合成及び天然のプロテアーゼインヒビターは腫瘍形成を抑制することが証明されている。従来の研究調査は、セリンプロテアーゼインヒビター又はSERPINSとして分類されている、構造的に関連のあるファミリーに属する特定のプロテアーゼインヒビターが好中球エラスターゼだけでなく、トリプシン、カセプシンG(cathepsin G)、トロンビン、組織カリクレインを含む幾つかのプロテアーゼを抑制することが知られている。このSERPINSは生体外の腫瘍誘発性形質転換及び動物モデルにおける腫瘍形成の回避/抑制非常に効果的である。精製されたプロテアーゼインヒビターの全身系の供給は関節炎並びに軟骨及び骨破壊を減少させる。
プロテアーゼインヒビターの局所的投与は、数箇所に存在する又は全身の大部分にあるアトピー性皮膚炎及び通常の皮膚炎のような症状に用いられている。プロテアーゼインヒビターの脱色活性及びそれらの紫外線誘発色素沈着の阻害能力は生体外及び生体内で研究されている。Paine et al.,Journal of Investigative Dermatology 116:587−595[2001]参照。プロテアーゼインヒビターは外傷治癒に有効であることも発見されている(http://www.sciencedaily.com/releases/2000/10/001002071718.htm)。分泌白血球プロテアーゼインヒビターは局所的に用いた場合組織崩壊を回復し、治癒プロセスを促進することが証明された。更に、セリンプロテアーゼインヒビターは紅斑性狼瘡患者の痛みを軽減することができる(US Patent No.6537968参照)。
天然のプロテアーゼインヒビターは穀粒穀物(オーツ、オオムギ、及びマイズ)、芽キャベツ、タマネギ、カブ、コムギ、シコクビエ、及びピーナツ等の各種食品に存在する。興味深い源の1つにダイズがある。ダイズにおける平均レベルは、最も重要なプロテアーゼインヒビターであるクニッツ(Kunitz)及びボウマンブリックについて、それぞれ約1.4パーセント及び約0.6パーセントである。このように天然のプロテアーゼインヒビターは存在レベルが低いので、医薬品に用いるために単離することが実際的ではない。
従って、タンパク質治療にふさわしい性質を有するプロテアーゼインヒビターを大量に生産する方法及び使用可能な形態でプロテアーゼインヒビターを効果的に供給することができる組成物に対する必要性が存在する。
本発明の組成物及び方法は前述の必要性を満たし、特に病原性及び非病原性を含むサイトカインの活性を特に標的とするプロテアーゼインヒビターを提供することにおいて、有利である。
本発明は修飾変異ボウマン・ブリック・プロテアーゼインヒビタータンパク質(BBPI)に関する。このタンパク質は標的タンパク質に結合するペプチドを含み、未修飾BBPIよりも大きなプロテアーゼインヒビター活性を有し及び/又はより多く生産される。本発明はこの修飾変異体BBPIをコードするポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド構築体及び発現ベクター、修飾変異BBPIを発現及び生成する形質転換宿主細胞、修飾変異BBPIタンパク質、修飾変異BBPIタンパク質を含む組成物、修飾変異BBPIタンパク質を製造する方法及びパーソナルケアにおいて用いる方法を含む。
1つの態様において、SEQ ID NO:187で示す変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65の位置に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置での置換アミノ酸を含む。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループは結合ペプチドである。1つの態様において、BBPI骨格は骨格BBI(SEQ ID NO:13)、BBIt(SEQ ID NO:185)、BBI−AV(SEQ ID NO:186)、BBIt−AV(SEQ ID NO:187)、BBIt−VEGK(SEQ ID NO:640)、BBIt−VEGT(SEQ ID NO:641)、BBIt−VEGKD(SEQ ID NO:642)、BBdb(SEQ ID NO:449)、BBsb3(SEQ ID NO:450)、BBtc(SEQ ID NO:451)、BBdb−AV(SEQ ID NO:452)、BBsb3−AV(SEQ ID NO:453)及びBBtc−AV(SEQ ID NO:454)から選択される。他の態様において、この結合ペプチドはVEGF結合ペプチド、FGF−5結合ペプチド、TGFβ結合ペプチド、及びTNF結合ペプチドから選択される。VEGF結合ペプチドはACYNLYGWTC(SEQ ID NO:9)、KYYLYWW(SEQ ID NO:458)、TLWKSYW(SEQ ID NO:459)、DLYWW、(SEQ ID NO:460)、SKHSQIT(SEQ ID NO:468)、KTNPSGS(SEQ ID NO:469)、RPTGHSL(SEQ ID NO:470)、KHSAKAE(SEQ ID NO:471)、KPSSASS(SEQ ID NO:472)、PVTKRVH(SEQ ID NO:473)、TLHWWVT(SEQ ID NO:492)、PYKASFY(SEQ ID NO:493)、PLRTSHT(SEQ ID NO:494)、EATPROT(SEQ ID NO:495)、NPLHTLS(SEQ ID NO:496)、KHERIWS(SEQ ID NO:497)、ATNPPPM(SEQ ID NO:498)、STTSPNM(SEQ ID NO:499)、ADRSFRY(SEQ ID NO:500)、PKADSKQ(SEQ ID NO:501)、PNQSHLH(SEQ ID NO:502)、SGSETWM(SEQ ID NO:503)、ALSAPYS(SEQ ID NO:504)、KMPTSKV(SEQ ID NO:505)、ITPKRPY(SEQ ID NO:506)、KWIVSET(SEQ ID NO:507)、PNANAPS(SEQ ID NO:508)、NVQSLPL(SEQ ID NO:509)、TLWPTFW(SEQ ID NO:510)、NLWPHFW(SEQ ID NO:511)、SLWPAFW(SEQ ID NO:512)、SLWPHFW(SEQ ID NO:513)、APWNSHI(SEQ ID NO:514)、APWNLHI(SEQ ID NO:515)、LPSWHLR(SEQ ID NO:516)、PTILEWY(SEQ ID NO:517)、TLYPQFW(SEQ ID NO:518)、HLAPSAV(SEQ ID NO:519)、KYYLSWW(SEQ ID NO:520)、WYTLYKW(SEQ ID NO:521)、TYRLYWW(SEQ ID NO:522)、RYSLYYW(SEQ ID NO:523)、YYLYYWK(SEQ ID NO:524)、NYQLYGW(SEQ ID NO:525)、TKWPSYW(SEQ ID NO:226)、TLWKSYW(SEQ ID NO:527)、PLWPSYW(SEQ ID NO:528)、RLWPSYW(SEQ ID NO:529)、TLWPKYW(SEQ ID NO:530)、KYDLYWW(SEQ ID NO;531)、RYDLYWW(SEQ ID NO:532)、DYRLYWW(SEQ ID NO:533)、DYKLYWW(SEQ ID NO:534)、EYKLYWW(SEQ ID NO:535)、及びRYPLYWW(SEQ ID NO:536)から選択される。FGF−5−結合ペプチドはCACRTQPYPLCF(MM007;SEQ ID NO:430)、CICTWIDSTPC(PS2; SEQ ID NO:431)、CYGLPFTRC(SEQ ID NO:537)、CEEIWTMLC(SEQ ID NO:538)、CWALTVKTC(SEQ ID NO:539)、CLTVLWTTC(SEQ ID NO:540)、CTLWNRSPC (SEQ ID NO:541)、CHYLLTNYC(SEQ ID NO:542)、CRIHLAHKC(SEQ ID NO:543)、TNIDSTP(SEQ ID NO:544)、HLQTTET(SEQ ID NO:545)、SLNNLTV(SEQ ID NO:546)、TNIDSTP(SEQ ID NO:547)、TNIDSTP(SEQ ID NO:548)、LRILANK(SEQ ID NO:549)、LLTPTLN(SEQ ID NO:550)、ALPTHSN(SEQ ID NO:551)、TNIDSTP(SEQ ID NO:552)、LCRRFEN(SEQ ID NO:553)、TNIDSTP(SEQ ID NO:554)、TNIDSTP(SEQ ID NO:555)、HLQTTET(SEQ ID NO:556)、PLGLCPP(SEQ ID NO:557)、GYFIPSI(SEQ ID NO:558)、TKIDSTP (SEQ ID NO:559)、HLQTTET(SEQ ID NO:560)、WNIDSTP(SEQ ID NO:561)、TWIDWTP(SEQ ID NO:562)、RTQPYPL(SEQ ID NO:670)、及びTWIDSTP(SEQ ID NO:671)から選択される。TGFβ結合ペプチドはCLCPENINVLPCN(PEN3; SEQ ID NO:436)、CICKHNVDWLCF(MMO21W;SEQ ID NO:437)、CICWTQHIHNCF(WTQ;SEQ ID NO:438)、CVTTDWIEC(SEQ ID NO:563)、CYYSQFHQC(SEQ ID NO:564)、CPTLWTHMC(SEQ ID NO:565)、QSACIVYYVGRKPKVECASSD(SEQ ID NO:566)、QSACILYYIGKTPKIECASSD(SEQ ID NO:567)、QSACILYYVGRTPKVECASSD(SEQ ID NO:568)、acetyl−LCPENDNVSPCY−cohn2(SEQ ID NO:569)、KHNVRLL(SEQ ID NO:570)、NDTPSYF(SEQ ID NO:571)、AKLYAGS(SEQ ID NO:572)、RGPAHSL(SEQ ID NO:573)、NSLAERR(SEQ ID NO:574)、HPLASPH(SEQ ID NO:575)、QPWNKLK(SEQ ID NO:576)、AWLr/Mipy(SEQ ID NO:577)、PTKPAQQ(SEQ ID NO:578)、PSLNRPQ(SEQ ID NO:579)、HHARQEW(SEQ ID NO:580)、RHHTPGP(SEQ ID NO:581)、ASAINPH(SEQ ID NO:582)、CHGYDRAPC(SEQ ID NO:644)、CFAPADQAC(SEQ ID NO:645)、CIPSRFITC(SEQ ID NO:646)、CHGHTKLAC(SEQ ID NO:647)、CNGKSKLAC(SEQ ID NO:648)、PENINVLP(SEQ ID NO;672)、KHNVDWL(SEQ ID NO:673)及びWTQHIHNC(SEQ ID NO:674)から選択される。TNFα結合ペプチドはRYWQDIP(T1;SEQ ID NO:474)、APEPILA(T2;SEQ ID NO:475)、DMIMVSI(T3;SEQ ID NO:476)、WTPKPTQ(SEQ ID NO:583)、ATFPNQS(SEQ ID NO:584)、ASTVGGL(SEQ ID NO:585)、TMLPYRP(SEQ ID NO:586)、AWHSPSV(SEQ ID NO:587)、TQSFSS(SEQ ID NO:588)、THKNTLR(SEQ ID NO:589)、GQTHFHV(SEQ ID NO:590)、LPILTQT(SEQ ID NO:591)、SILPVSH(SEQ ID NO:592)、SQPIPI(SEQ ID NO:593)、及びQPLRKLP(SEQ ID NO:594)から選択される。
1つの態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置での置換アミノ酸を含む修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を提供する。このBBPIの第二プロテアーゼ抑制ループは結合ペプチドである。幾つかの態様において、1位で置換されたアミノ酸は1A及び1Cから選択される。他の態様において、4位で置換されたアミノ酸は4Vである。他の態様において、5位で置換されたアミノ酸はP及びAから選択される。他の態様において、13位で置換されたアミノ酸は13Y、13I、13F、13M、13L、13V、13K,及び13Rから選択される。他の態様において、18位で置換されたアミノ酸は18I、18V、及び18Lから選択される。他の態様において、25位で置換されたアミノ酸は25K、25N、25W、25I、25A、及び25Rから選択される。他の態様において、27位で置換されたアミノ酸は27H、27K、27V、27A、及び27Qから選択される。他の態様において、29位で置換されたアミノ酸は29R、29K、及び29Pから選択される。他の態様において、31位で置換されたアミノ酸は31Q、31H、31E、31A、31R、31W、31K及び31Tから選択される。他の態様において、38位で置換されたアミノ酸は38N、38K、及び38Rから選択される。他の態様において、40位で置換されたアミノ酸は40H、40K、40Q、40R、及び40Yから選択される。他の態様において、50位で置換されたアミノ酸は50Q、50K、50T、50V、50M、及び50Sから選択される。他の態様において、52位で置換されたアミノ酸は52K、52T、52R、52Q、52L、52H、52A、52M、52S、及び52Eから選択される。他の態様において、55位で置換されたアミノ酸は55Mである。他の態様において、65位で置換されたアミノ酸は65E、65Q、及び65Dから選択される。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:389の挿入並びにSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置での置換アミノ酸を含む、単離された修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループは結合ペプチドである。
幾つかの態様において、前述の修飾変異BBPIのいずれか1つはセルラーゼ、クチナーゼ、及びジスルフィドイソメラーゼから選択される触媒ドメインを含む、融合タンパク質として発現される。代替的な態様において、この修飾変異BBPIはSEQ ID NO:195の融合タンパク質をして発現される。
幾つかの態様において、本発明の修飾変異BBPIは、SEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択されるアミノ酸置換を、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、及び少なくとも8つ含む。幾つかの態様において、この修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の50及び52位に等しいアミノ酸位置において少なくとも2つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。50及び52位での2つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NO:595の修飾変異BBPIがある。他の態様において、この修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の25、29、40、50、及び52位に等しい位置において少なくとも2つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、少なくとも3つのアミノ酸の組み合わせは25L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52Aから選択される。25、29、40、50、及び52位から選択される3つのアミノ酸置換を含む修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NOS:603、607、及び609の修飾変異BBPIがある。他の態様において、少なくとも4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52に等しい位置で置換されたアミノ酸から選択される。幾つかの態様において、少なくとも4つのアミノ酸の組み合わせは13I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、13I−A0K−50T−52A、25L−29P−50T−52A、25L−40K−50T−52A、及び29P−40K−50T−52Aから選択される。4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NOS:596、600、602、604、606、608、及び64の修飾変異BBPIがある。他の態様において、少なくとも5つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、25、29、40、50、及び52に等しい位置におけるアミノ酸置換から選択される。幾つかの態様において、少なくとも5つの組み合わせは13I−25L−29P−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、A13I−29P−40K−50T−52A、25L−29P−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A,及び13I−29P−40K−50T−52Tから選択される。13、25、29、40、50、及び52位から選択される5つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NOS: 432、434、443、445、446、597、599、601、605、615、620、624、及び625の修飾変異BBPIがある。他の態様において、この修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、25、29、40、50、及び52位に等しい位置におけるアミノ酸置換から選択される少なくとも6つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、少なくとも6つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−29P−40K−50T−52A、1C−13I−29P−40K−50T−52A、4V−13I−29P−40K−50T−52A、5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、及び13I−29P−40K−50T−52A−65Eから選択される。1、4、5、11、13、25、29、40、50、及び52位から選択される6つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NOS:598、611、612、613、614、616、619、621、622、623、及び626の修飾変異BBPIがある。他の態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、25、29、31、40、50、及び52位に等しい位置から選択されるアミノ酸において少なくとも7つのアミノ酸置換を含む。幾つかの態様において、少なくとも7つのアミノ酸の組み合わせは13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、及び13I−27A−29P−31A−50K−52Tから選択される。13、25、29、31、40、50、及び52位から選択される7つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NOS:491、617、618、及び632−639の修飾変異BBPIがある。更なる態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、25、27、31、40、50、及び52位に等しい位置でのアミノ酸置換から選択される。幾つかの態様において、8つのアミノ酸の組み合わせは3I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、及び13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Qから選択される。13、25、27、29、31、40、50、及び52位から選択される8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NOS:627−631の修飾変異BBPIがある。
幾つかの態様において、本発明はVEGF(VEGF−BBPI)に結合する単離及び修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を提供する。VEGF−BBPIはSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置でのアミノ酸置換を含み、第二プロテアーゼ抑制ループを置き換えるVEGF−結合ペプチドを含む。幾つかの態様において、このVEGF−結合ペプチドはSEQ DI NOS:9、458、459、60、468、469、470、471、472、及び473から選択される。幾つかの態様において、このVEGF−BBPIはSEQ DI NOS:601、602、627、628、630、631、643、491、632、633、634、635、及び636から選択されるポリペプチド配列を有する。
幾つかの態様において、本発明の単離された修飾変異BBPIは対応している未修飾の前駆体変異BBPIよりもより高いトリプシン抑制活性を有する。他の態様において、この単離及び修飾変異BBPIは対応している未修飾の前駆体変異BBPIよりもより高いトリプシン抑制活性及び生産性を有する。
幾つかの態様において、本発明はSEQ ID NO:187の単離された修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(Bowman Birk Protease Inhibitor)(BBPI)を提供し、前記BBPIは更にSEQ ID NO:187の13、25、27、29、31、40、50、及び52に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置においてアミノ酸置換を含む。このVEGF−結合ペプチドはFGF−5、TGFβ、及びTNFαから選択される標的タンパク質に結合する変異ペプチドで置き換えられる。
幾つかの態様において、VEGF−結合ペプチドはSEQ ID NO:187の変異BBPIに含まれており、SEQ DI NOS:430、431、670、及び671から選択される配列を有するFGF−結合ペプチドで置き換えられる。他の態様において、このVEGF−結合ペプチドはSEQ DI NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGFβ結合ペプチドで置き換えられる。更なる態様において、VEGF−結合ペプチドはSEQ DI NOS:474、475、及び476から選択されるTNFα結合ペプチドで置換される。
本発明は対応する未修飾前駆体BBPIよりも高いトリプシン抑制活性及び生産性を有するVEGF−、FGF5−、TGFβ−、又はTNFα−結合ペプチドを含む修飾変異BBPIを含む。幾つかの態様において、この修飾変異BBPIはGF5−、TGFβ−、又はTNFα−結合ペプチドを含み、SEQ ID NOS:432、434、443、445、447、637、638、又は639の修飾変異BBPIから選択される。
他の態様において、本発明はBBPI融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。このBBPI融合タンパク質をコードしているポリヌクレオチドは酵素の触媒単位をコードしている第一ポリヌクレオチド配列並びに修飾変異BBPI、例えば、VEGF結合BBPI(VEGF−BBPI)、FGF結合BBPI(FGF−BBPI)、TGF結合BBPI(TGF−BBPI)、又はTNF結合BBPI(TNF−BBPI)をコードしている第二ポリヌクレオチド配列を含む。他の態様において、この第一ポリヌヌクレオチド配列はセルラーゼの触媒単位をコードしている。
他の態様において、本発明はバクテリア細胞内で修飾変異BBPIに関する方法を提供する。該方法は変異BBPIをコードしているポリヌクレオチドを変異させて、SEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む修飾変異BBPIをコードするポリヌクレオチド構築体を生成する工程、バクテリア宿主細胞に前記ポリヌクレオチド構築体を導入する工程、前記バクテリア細胞を好適な条件下で培養して、異種DNA配列を発現させる工程、及び対応する未修飾変異BBPIよりも高いトリプシン抑制活性を有する修飾変異BBPIを生成する工程を含む。幾つかの態様において、本発明の方法は発現された修飾変異BBPIを回収する工程を更に含む。他の態様において、本発明の方法はこの修飾変異BBPIを活性化する工程も含む。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIは対応する未修飾前駆体変異BBPIよりも高いトリプシン抑制活性及び生産性を有する。未修飾前駆体変異BBPIはBBI−AV(SEQ ID NO:186)、BBIt−AV(SEQ ID NO:187)、BBdb−AV(SEQ ID NO:452)、BBsb3(SEQ ID NO:453)、及びBBtc−AV(SEQ ID NO:454)から選択される。幾つかの態様において、修飾変異BBPIの第二プロテアーゼ抑制ループはVEGF−結合ペプチド、FGF−5結合ペプチド、TGFβ結合ペプチド、及びTNFα結合ペプチドから選択される標的タンパク質結合ペプチドである。
本発明の方法により生成された修飾変異BBPIは3つの置換の組み合わせ、例えば、25L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52A、4つの置換の組み合わせ、例えば、13I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、13I−A0K−50T−52A、25L−29P−50T−52A、25L−40K−50T−52A、29P−40K−50T−52A、5つの置換の組み合わせ、例えば、13I−25L−29P−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、25L−29P−40K−50T−52A、13L−29P−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A、及び13L−29P−40K−50T−52T、6つの置換の組み合わせ、例えば、13I−25L−29P−40K−50T−52A、1C−13I−29P−40K−50T−52A、4V−13I−29P−40K−50T−52A、5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A−65E、7つの置換の組み合わせ、例えば、13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、並びに8つの置換の組み合わせ、例えば、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Qから選択される、アミノ酸置換の組み合わせを含む。
他の態様において、本発明は本発明の修飾変異BBPIをコードしているポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを提供する。前述のように、修飾変異BBPIは、ボウマンブリックプロテアーゼインヒビターであり、該インヒビターの第二プロテアーゼ抑制ループは標的タンパク質に結合するペプチドで置き換えられ、SEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65位に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。幾つかの態様において、本発明の修飾変異BBPIの第二プロテアーゼ抑制ループはVEGF−結合ペプチド、FGF5−結合ペプチド、TGFβ−結合ペプチド、及びTNFα−結合ペプチドから選択される標的タンパク質結合ペプチドである。幾つかの態様において、この変異BBPIはSEQ ID NO:195のポリに少なくとも80%同一であるタンパク質として発現される。
他の態様において、本発明は本明細書で説明する、本発明のベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。幾つかの態様において、この宿主細胞は、バクテリア細胞、例えば、バチルス(Bacillus)種の宿主細胞である。
1つの態様において、本発明は、SEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含み、このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループが血管内皮成長因子(VEGF)結合ペプチド、繊維芽細胞成長因子5(FGF5)結合ペプチド、トランスフォーミンググロウスファクターβ(TGFβ)結合ペプチド、及び腫瘍エ壊死因子α(TNFα)変異ペプチドから選択される結合ペプチドである、修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。幾つかの態様において、このBBPI骨格はBBI(SEQ ID NO:13)、BBIt(SEQ ID NO:185)、BBI−AV(SEQ ID NO:186)、BBIt−AV(SEQ ID NO:187)、BBIt−VEGK(SEQ ID NO:640)、BBIt−VEGT(SEQ ID NO:641)、BBIt−VEGKD(SEQ ID NO:642)、BBdb(SEQ ID NO:449)、BBsb3(SEQ ID NO:450)、BBtc(SEQ ID NO:451)、BBdb−AV(SEQ ID NO:452)、BBsb3−AV(SEQ ID NO:453)、及びBBtc−AV(SEQ ID NO:454)から選択される。
他の態様において、本発明の修飾変異BBPIは以下の組み合わせから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む:50T−52A、25L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52A、13I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、25L−29P−50T−52A、25L−40K−50T−52A、29P−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−25L−29P−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、25L−29P−40K−50T−52A、13L−29P−40K−50T−52A、13I−29K−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25L−29P−40K−50T−52A、D1C−13I−29P−40K−50T−52A、S4V−13I−29P−40K−50T−52A、S5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A−65E、13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、及び13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Q。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含み、このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループが、ACYNLYGWTC(SEQ ID NO:9)、KYYLYWW(SEQ ID NO:458)、TLWKSYW(SEQ ID NO:459)、DLYWW(SEQ ID NO:460)、SKHSQIT(SEQ ID NO:468)、KTNPSGS(SEQ ID NO:469)、RPTGHSL(SEQ ID NO:470)、KHSAKAE、(SEQ ID NO:471)、KPSSASS(SEQ ID NO:472)、PVTKRVH(SEQ ID NO:473)、TLHWWVT(SEQ ID NO:492)、PYKASFY(SEQ ID NO:493)、PLRTSHT(SEQ ID NO:494)、EATPROT(SEQ ID NO:495)、NPLHTLS(SEQ ID NO:496)、KHERIWS(SEQ ID NO:497)、ATNPPPM(SEQ ID NO:498)、STTSPNM(SEQ ID NO:499)、ADRSFRY(SEQ ID NO:500)、PKADSKQ(SEQ ID NO:501)、PNQSHLH(SEQ ID NO:502)、SGSETWM(SEQ ID NO:503)、ALSAPYS(SEQ ID NO:504)、KMPTSKV(SEQ ID NO:505)、ITPKRPY(SEQ ID NO:506)、KWIVSET(SEQ ID NO:507)、PNANAPS(SEQ ID NO:508)、NVQSLPL(SEQ ID NO:509)、TLWPTFW(SEQ ID NO:510)、NLWPHFW(SEQ ID NO:511)、SLWPAFW(SEQ ID NO:512)、SLWPHFW(SEQ ID NO:513)、APWNSHI(SEQ ID NO:514)、APWNLHI(SEQ ID NO:515)、LPSWHLR(SEQ ID NO:516)、PTILEWY(SEQ ID NO:517)、TLYPQFW(SEQ ID NO:518)、HLAPSAV(SEQ ID NO:519)、KYYLSWW(SEQ ID NO:520)、WYTLYKW(SEQ ID NO:521)、TYRLYWW(SEQ ID NO:522)、RYSLYYW(SEQ ID NO:523)、YYLYYWK(SEQ ID NO:524)、NYQLYGW(SEQ ID NO:525)、TKWPSYW(SEQ ID NO:226)、TLWKSYW(SEQ ID NO:527)、PLWPSYW(SEQ ID NO:528)、RLWPSYW(SEQ ID NO:529)、TLWPKYW(SEQ ID NO:530)、KYDLYWW(SEQ ID NO;531)、RYDLYWW(SEQ ID NO:532)、DYRLYWW(SEQ ID NO:533)、DYKLYWW(SEQ ID NO:534)、EYKLYWW(SEQ ID NO:535)、及びRYPLYWW(SEQ ID NO:536)から選択されるVEGF−結合ペプチドである、修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含み、このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループが、CACRTQPYPLCF(MM007;SEQ ID NO:430)、CICTWIDSTPC(PS2;SEQ ID NO:431)、CYGLPFTRC(SEQ ID NO:537)、CEEIWTMLC(SEQ ID NO:538)、CWALTVKTC(SEQ ID NO:539)、CLTVLWTTC(SEQ ID NO:540)、CTLWNRSPC(SEQ ID NO:541)、CHYLLTNYC(SEQ ID NO:542)、CRIHLAHKC(SEQ ID NO:543)、TNIDSTP(SEQ ID NO:544)、HLQTTET(SEQ ID NO:545)、SLNNLTV(SEQ ID NO:546)、TNIDSTP(SEQ ID NO:547)、TNIDSTP(SEQ ID NO:548)、LRILANK(SEQ ID NO:549)、LLTPTLN(SEQ ID NO:550)、ALPTHSN(SEQ ID NO:551)、TNIDSTP(SEQ ID NO:552)、LCRRFEN(SEQ ID NO:553)、TNIDSTP(SEQ ID NO:554)、TNIDSTP(SEQ ID NO:555)、HLQTTET(SEQ ID NO:556)、PLGLCPP(SEQ ID NO:557)、GYFIPSI(SEQ ID NO:558)、TKIDSTP(SEQ ID NO:559)、HLQTTET(SEQ ID NO:560)、WNIDSTP(SEQ ID NO:561)、TWIDWTP(SEQ ID NO:562)、RTQPYPL(SEQ ID NO:670)、及びTWIDSTP(SEQ ID NO:671)から選択されるFGF−結合ペプチドである、修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含み、このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループが、CLCPENINVLPCN(PEN3;SEQ ID NO:436)、CICKHNVDWLCF(MMO21W;SEQ ID NO:437)、CICWTQHIHNCF(WTQ;SEQ ID NO:438)、CVTTDWIEC(SEQ ID NO:563)、CYYSQFHQC(SEQ ID NO:564)、CPTLWTHMC(SEQ ID NO:565)、QSACIVYYVGRKPKVECASSD(SEQ ID NO:566)、QSACILYYIGKTPKIECASSD(SEQ ID NO:567)、QSACILYYVGRTPKVECASSD(SEQ ID NO:568)、acetyl−LCPENDNVSPCY−cohn2(SEQ ID NO:569)、KHNVRLL(SEQ ID NO:570)、NDTPSYF(SEQ ID NO:571)、AKLYAGS(SEQ ID NO:572)、RGPAHSL(SEQ ID NO:573)、NSLAERR(SEQ ID NO:574)、HPLASPH(SEQ ID NO:575)、QPWNKLK(SEQ ID NO:576)、AWLr/Mipy(SEQ ID NO:577)、PTKPAQQ(SEQ ID NO:578)、PSLNRPQ(SEQ ID NO:579)、HHARQEW(SEQ ID NO:580)、RHHTPGP (SEQ ID NO:581)、ASAINPH(SEQ ID NO:582)、CHGYDRAPC(SEQ ID NO:644)、CFAPADQAC(SEQ ID NO:645)、CIPSRFITC(SEQ ID NO:646)、CHGHTKLAC(SEQ ID NO:647)、CNGKSKLAC(SEQ ID NO:648)、PENINVLP(SEQ ID NO;672)、KHNVDWL(SEQ ID NO:673)、及びWTQHIHNC(SEQ ID NO:674)から選択されるTGF−結合ペプチドである、修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含み、このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループが、RYWQDIP(T1;SEQ ID NO:474)、APEPILA(T2;SEQ ID NO:475)、DMIMVSI(T3;SEQ ID NO:476)、WTPKPTQ(SEQ ID NO:583)、ATFPNQS(SEQ ID NO:584)、ASTVGGL(SEQ ID NO:585)、TMLPYRP(SEQ ID NO:586)、AWHSPSV(SEQ ID NO:587)、TQSFSS(SEQ ID NO:588)、THKNTLR(SEQ ID NO:589)、GQTHFHV(SEQ ID NO:590)、LPILTQT(SEQ ID NO:591)、SILPVSH(SEQ ID NO:592)、SQPIPI(SEQ ID NO:593)、及びQPLRKLP(SEQ ID NO:594)から選択されるTNF−結合ペプチドである、修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含み、このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループが、血管内皮成長因子(VEGF)結合ペプチド、繊維芽細胞成長因子5(FGF5)結合ペプチド、形質転換成長因子β(TGFβ)結合ペプチド、及び腫瘍壊死因子α(TNFα)変異ペプチドから選択され、組成物の重量に基づいて約0.0001%乃至約5%の範囲で存在する、修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。幾つかの態様において、本発明のパーソナルケア組成物に含まれる修飾変異体BBPIはこのBBPIの対応する未修飾前駆体変異体よりも高いトリプシン抑制活性を有し、生産性も高い。
他の態様において、他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含み、このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループが、SEQ ID NOS:9、458、459、460、468、469、470、471、472、及び473から選択されるVEGF−結合ペプチドである、修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。幾つかの態様において、幾つかの態様において、修飾変異BBPIの骨格はSEQ ID NO:187のBBIt−AVである。他の態様において、本発明のパーソナルケア組成物に含まれる修飾変異BBPIは3I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:601、602、627、628、630、631、643、491、632、633、634、635、及び636から選択されるVEGF−結合BBPI(VEGF−BBPI)を含む。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物は、スキンクリーム、ローション、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、泡、エアロゾル、液体、ゲル、セラ、及び固形物から選択されるスキンケア組成物である。他の態様において、このスキンケア組成物は、保湿性ボディーウォッシュ、ボディーウォッシュ、抗菌性洗剤、スキン保護クリーム、ボディーローション、顔用クリーム、保湿クリーム、顔用クレンジング乳液、顔用ゲル、顔用美容液、界面活性剤ベース洗顔剤、顔用ピーリングゲル、抗ニキビトリートメント、顔用化粧水、ピーリングクリーム、顔用マスク、アフターシェービングローション、プレシェーブローション、日焼け用組成物、サンスクリーン、脱毛剤、発毛抑制剤、及び放射線保護剤を含む。通常、放射線保護剤は水耐性のないサンスクリーン、水耐性の高いサンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンである。このスキンケア組成物は任意で局所的に適用する市販組成物、抗菌治療、抗ニキビ処理、皮膚保護剤、サンスクリーン、デオドラント、及び発汗抑制剤を任意で含む。幾つかの態様において、本発明の化粧組成物は少なくとも1つの顔料を含む。そのような化粧組成物は圧縮された粉末製剤及びファンデーションを含む。化粧下地組成物は油中水ファンデーション、シリコン中水ファンデーション、水中オイルファンデーション、無水メイクアップスティック、及びクリーム乃至粉末ファンデーションから選択することができる。
他の態様において、本発明は血管形成性皮膚病を治療するためのスキンケア組成物を提供する。このスキンケア組成物はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含むボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含み、このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:9、458、459、460、468、469、470、471、472、及び473から選択されるVEGF−結合ペプチドである。
他の態様において、このパーソナルケア組成物は、乾癬、強皮症、静脈性潰瘍、にきび、酒さ、いぼ、湿疹、血管腫、およびリンパ管形成を患っている患者の皮膚の外観及び/又は状態を改善するために用いられる。
他の態様において、本発明は血管形成をする皮膚病を治療するためのスキンケア組成物のために提供される。このスキンケア組成物はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置において、アミノ酸置換を有するボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含み、このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループがEQ ID NOS:9、458、459、460、468、469、470、471、472、及び473から選択されるVEGF−結合ペプチドである。このヘアケア組成物はシャンプー、ヘアスタイリング組成物、ヘアカラー、パーマネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、発泡体、及び固形から選択することができる。幾つかの態様において、ヘアケア組成物は放射線保護剤も含む。放射線保護剤の例とては、非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンを含む。このヘアケア組成物は発毛を抑制するために用いることができる。
他の態様において、本発明は、SEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含むBBPI含むパーソナルケア組成物を提供し、この組成物を発毛を抑制すべき領域に適用することにより、育毛を抑制するための方法を提供する。前記BBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:9、458、459、460、468、469、470、471、472、及び473から選択されるVEGF結合ペプチドである。例えば、この組成物は顔の毛、腋毛、脚の毛、胴体の毛、腕の毛、及び頭の毛の成長を抑制するために用いることができる。幾つかの態様において、この方法はSEQ ID NOS:601、602、627、628、630、631、643、491、632、633、634、635、及び636から選択されるVEGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を用いる。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸の位置においてアミノ酸置換を有する変異BBPIを含む組成物を提供し、この組成物を患者の皮膚に適用する工程を含む、血管形成性の皮膚病を患っている患者の皮膚の概観及び状況を改善するための方法を提供する。このBBPIの骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:9、458、459、460、468、469、470、471、472、及び473から選択されるVEGF−結合ペプチドである。この血管形成性皮膚病は乾癬、硬皮症、静脈性潰瘍、ニキビ、酒さ、イボ、湿疹、血管腫、及びリンパ管形成から選択される。幾つかの態様において、この方法はSEQ ID NOS601、602、627、628、630、631、643、491、632、633、634、635、及び636から選択されるVEGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を用いる。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸の位置においてアミノ酸置換を有するボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS: 430、及び431から選択される。幾つかの態様において、このBBPI骨格はSEQ ID NO:187のBBIt−AVである。他の態様において、パーソナルケア組成物中に含まれる修飾変異BBPIは13I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:432及び434から選択されるFGF結合BBPI(FGF−BBPI)である修飾変異BBPIを含む。
幾つかの態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を有するボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むヘアケア組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:430及び431から選択されるFGF−結合ペプチドである。このヘアケア組成物は、シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング組成物、ヘアカラー、パーマネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、発泡体、及び固形から選択される形態でよい。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は放射線保護剤も含む。放射線保護剤の例としては、水耐性ではない酸サンスクリーン、強水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンを含む。このヘアケア組成物は育毛を促進するために用いることができる。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を有するボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する工程及びこの組成物を育毛を望む固体の領域に適用する工程を含む育毛を促進する方法を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:430及び431から選択されるFGF−結合ペプチドである。例えば、この組成物は顔の毛、脇の毛、脚の毛、胴体の毛、腕の毛、及び毛髪の育毛を促進する。幾つかの態様において、この育毛パーソナルケア組成物は脱毛を含む状態を処置するために用いることができる。例えば、脱毛を含み、本願発明のヘアケア組成物を用いて処置できる状態は、炎症性脱毛症、萎縮性脱毛症、強皮症、ダニ咬傷、扁平苔癬、乾癬、狼瘡、脂漏性皮膚炎、脱毛症、血色素症、男性ホルモン性脱毛症、及び円形脱毛症を含む。幾つかの態様において、育毛を促進するのに用いることができるパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:432及び434から選択されるFGF結合BBPI(FGF−BBPI)を含む。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を有する修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ DI NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGF結合ペプチドである。幾つかの態様において、このBBPI骨格はSEQ ID NO:187のBBIt−AVである。他の態様において、本発明のパーソナルケア組成物に含まれる修飾変異BBPIは13I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:443、445、及び447から選択されるTGF結合BBPI(TGF−BBPI)である修飾変異BBPIを含む。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つの位置においてアミノ酸置換を含む修飾変異BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ DI NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGF結合ペプチドである。このヘアケア又はスキンケア組成物は、シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング組成物、ヘアカラー、パーマネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、発泡体、及び固形物から選択される形態でよい。幾つかの態様において、組成物はスキンケア組成物である場合、保湿性ボディーウォッシュ、ボディーウォッシュ、抗菌クレンザー、スキンプロテクトクリーム、ボディーローション、顔用クリーム、保湿性クリーム、保湿性クレンジング乳液、顔用ゲル、顔用乳液、界面活性剤ベース顔用クレンザー、顔用ピーリングゲル、抗ニキビ剤、顔用トナー、ピーリングクリーム、顔用マスク、アフターシェーブローション、プレシェーブバーム、日焼け用組成物、サンスクリーン及び放射線保護剤を含む。このスキンケア組成物は任意で、局所的に適用する市販の薬剤、抗菌剤、抗ニキビ剤、スキンプロテクト、サンスクリーン、デオドラント剤、及び制汗剤を含む。このスキン又はヘアケア組成物に含まれる放射線保護剤は水に耐性のないサンスクリーン、強水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンを含む。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含む化粧組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ DI NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGF−結合ペプチドである。化粧組成物の例としては、マスカラ、アイライン、固形パウダー製剤、及びファンデーションを含む。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むヘアケア組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ DI NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGF−結合ペプチドである。この組成物は更に放射線保護剤を含む。ヘアケア組成物に含まれる放射線保護剤は、強水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーン等のサンスクリーンである。このヘアケア組成物は育毛を促進することができる。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する工程及びこの組成物を育毛を望む固体の領域に適用する工程を含む、育毛を促進する方法を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ DI NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGF−結合ペプチドである。例えば、この組成物は顔の毛、脇の毛、脚の毛、胴体の毛、腕の毛、及び毛髪の育毛を促進するために適用される。幾つかの態様において、この育毛促進パーソナルケア組成物は脱毛を含む状態を処理するために用いられる。例えば、脱毛を含み、本発明ヘアケア組成物を用いて処理することができる状態は、炎症性脱毛症、萎縮性脱毛症、強皮症、ダニ咬傷、扁平苔癬、乾癬、狼瘡、脂漏性皮膚炎、脱毛症、血色素症、男性ホルモン性脱毛症、及び円形脱毛症を含む。幾つかの態様において、この育毛を促進するパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:443、445、及び447から選択される修飾変異TGF−BBPIを含む。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する工程及びこの組成物を固体に適用する工程を含む、皮膚病を患っている個体の皮膚の概観を状態を改善する方法を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ DI NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGF−結合ペプチドである。幾つかの態様において、この組成物で処理できる皮膚病は乾癬、強皮症、及び皮膚癌を含む。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:443、445、及び447から選択される修飾変異TGF−BBPIから選択されるTGF−BPIを含む。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含むボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:474、475、及び476から選択されるTNF−結合ペプチドである。幾つかの態様において、このBBPI骨格はSEQ ID NO:187のBBIt−AVである。他の態様において、本発明のパーソナルケア組成物中に含まれる修飾変異BBPIは13I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:637、638、及び639から選択されるTNF−BBPIである修飾変異BBPIを含む。このパーソナルケア組成物は育毛を促進する。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むヘアケア組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:474、475、及び476から選択されるTNF−結合ペプチドである。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は乾癬を患っている固体における育毛を促進することができる。このヘアケア組成物はシャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング組成物、ヘアカラー、パーネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、発泡体、及び固形物から選択される形態でよい。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は更に放射線保護剤を含む。放射線保護剤の例としては、水耐性ではないサンスクリーン、強水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーン等のサンスクリーンを含む。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は育毛を促進することができる。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置においてアミノ酸置換を含む修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むスキンケア組成物を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:474、475、及び476から選択されるTNF−結合ペプチドである。このスキンケア組成物は乾癬又は強皮症を患っている固体の皮膚の概観及び/又は状態を改善するために用いることができる。幾つかの態様において、このスキンケア組成物は、クリーム、ローション、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、発泡体、エアロゾル、液体、ゲル、美容液、及び固形物の形態でよい。代替的に、このスキンケア組成物は、保湿性ボディーウォッシュ、ボディーウォッシュ、抗菌クレンザー、スキンプロテクトクリーム、顔用ゲル、顔用美容液、界面活性剤ベース顔用クレンザー、顔用ピーリングゲル、抗ニキビ剤、顔用トナー、ピーリングクリーム、顔用マスク、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、日焼け用組成物、スキンライトニング組成物、皮膚用赤み低減組成物、サンスクリーン、脱毛剤、及び放射線保護剤の形態である。任意で、このスキンケア組成物は更に局所的に適用される市販の薬剤、抗菌製剤、抗ニキビ製剤、皮膚保護剤、サンスクリーン、デオドラント剤、及び制汗剤を更に含む。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含む化粧組成物を提供する。このBBPIの第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:474、475、及び476から選択されるTNF−結合ペプチドである。この化粧組成物はマスカラ、アイライン、固形パウダー製剤、及びファンデーションから選択される。幾つかの態様において、この化粧組成物は少なくとも1つの顔料を含む化粧組成物である。少なくとも1つの顔料を含む化粧組成物はマスカラであり、このマスカラは水耐性ではないマスカラ、ウォータープルーフマスカラ、ボリュームを増やすマスカラ、長さを増やすマスカラ、カールをつけるマスカラ、無水ウォータープルーフマスカラ、水ベースマスカラ、及びアイラッシュ又はアイブロウトリートメントから選択される。他の態様において、この化粧組成物はルースパウダー、頬紅、アイシャドー、及び日焼け用パウダーから選択される固形パウダー製剤から選択される化粧組成物である。
更なる態様において、この化粧組成物はオイル中水ファンデーション、シリコン中水ファンデーション、水中オイルファンデーション、無水メイクアップスティック、及び/又はクリーム乃至粉末製剤から選択される化粧組成物である。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置においてアミノ酸置換を有する修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する工程、及びこの組成物を育毛の促進を望む固体の領域に適用する工程を含む、乾癬を患っている固体の育毛を促進するための方法を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:474、475、及び476から選択されるTNF−結合ペプチドである。例えば、この組成物は顔の毛、脇の毛、脚の毛、胴体の毛、腕の毛、及び毛髪の育毛を促進するために用いられる。幾つかの態様において、育毛を促進するために用いるパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:637、638、及び639から選択される修飾TNF−BBPIを含む。
他の態様において、本発明はSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置においてアミノ酸置換を有する修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を含むパーソナルケア組成物を提供する工程、及びこの組成物を固体に適用する工程を含む、乾癬を患っている固体の皮膚の概観及び/又は状態を改善するための方法を提供する。このBBPI骨格の第二プロテアーゼ抑制ループはSEQ ID NOS:474、475、及び476から選択されるTNF−結合ペプチドである。幾つかの態様において、この方法はEQ ID NOS:637、638、及び639から選択される修飾TNF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する工程を含む。
図1A−DはpJM103インテグレーションベクターにクローンされたaprE−BCE103−BBI−Histag発現カセット(EcoRI−HindIII)のDNA及びアミノ酸配列を提供する(SEQ ID NOS:1及び2)。
図2はpJM103BBIhis発現ベクターのスキームマップを提供する。
図3はBCE103融合部位(BamHIの位置)から遺伝子末端へのDNA及びアミノ酸配列を提供する(SEQ ID NOS:3及び4)。CK37281ペプチド配列(ACYNLYGWTC(SEQ ID NO:9)はトリプシン及びキモトリプシン抑制ループへ挿入される。
図4は培養の間の所与の条件において添加された各種チオール還元遺伝子で失活させた2BBlck81に対する活性の力価を示すグラフである。バーの白い部分は活性2BBIck81の量(トリプシン抑制により決定される)を示し、バーの黒い部分は不活性2BBIck81の量(BCE103活性から決定され、BCE103及び2BBlck81は1:1の割合で生産されると仮定する)。この活性2BBlck81の分画はバーの上に示した。この図において、37Cは添加物なし、BMEは2−メルカプトエタノール、Cysはシステイン、Gluは還元されたグルタチオン、CTTはジチオスレイトールを示す。
図5はイオン交換クロマトグラフィーによるBCE−lnk2−2BBck81融合タンパク質の部分的な精製の後、2−メルカプトエタノールを用いた2BBlck81の活性を示すグラフを提供する。活性アッセイにより測定されたBCE(ブラックバー)及び2BBlck81(ホワイトバー)の濃度(μM)は3mMの2−メルカプトエタノール(BME)で処理した前と後で示した。
図6はBioVerisアッセイにおけるVegFへ結合している2BBlck81対抗VegFの競合解析からの結果を示す。CK37281ペプチドを用いた結合競合は比較のために示しており、野生型BBIへの結合はネガティブコントロールとして含む。
図7A−Cはバチルススブチリス(B.subtilis)BBI発現ベクター(BssHII及びSacI部位を使用)へ挿入されたフミコーラインソレンス(H.insol及びPDI(hiPDI)を運んでいる合成DNAフラグメントの配列並びにアミノ酸配列(SEQ ID NOS:5及び6)を提供する。
図8A−Cはp2JM103−lnk2−2BBIck81のEcoRI−BamHI部位へ組み込まれたaprE−クチナーゼ発現カセットのDNA及びアミノ酸配列を提供する(SEQ ID NOS:7及び8)。
図9は未修飾BBIt−AVタンパク質(SEQ ID NO:187)のアミノ酸配列を提供する。部位飽和ライブラリーを全ての番号付けがされらアミノ酸において構築した。トリプシン抑制ループ及びVEGF結合ペプチドループ(イタリック)を示し、ジスルフィド結合は結合線で示した。下方において、VEGF結合ペプチドの配列を置き換えるsBBIのおけるキモトリプシン抑制ループと比較した。下向き矢印はキモトリプシン反応部位のP1及びP1’残基の間の可能な切断部位を示す。
図10は29位でなされた各アミノ酸置換のBBI:BCEの相対的活性割合を示す。この割合は2−メルカプトエタノール無添加(ホワイトバー)又は添加(ブラックバー)において、マイクロタイタープレートにおける4つ組の培養育成から平均化された。sBBIに対する活性割合は陽性対象との比較を含む。この割合はBBIt−AV(SEQ ID NO:187)における野生型アミノ酸を決定するための値に規格化され(水平ラインで示す)、ロイシン、2―メルカプトエタノールの無添加(水平バー)又は添加(斜線のバー)でしめされる。
図11A及びBは50位(A)及び37位(B)でなされたアミノ酸置換についてのBBI:BCE相対活性割合を提供する(ホワイトバー)。この割合は2−メルカプトエタノールの存在下での4つ組み培養からの平均値である。sBBIに対する活性割合は比較のための陽性対象として含まれる(ブラックバー)。この割合はBBIt−AV(SEQ ID NO:187)における野生型アミノ酸のために決定された値(水平ラインで示す)で規格化され、斜線のバーで示す。
図12はトリプシン抑制ループ中のP2’位(図9における残基18、SEQ ID NO:187)におけるアミノ酸置換のためのBBI:BCE相対割合を提供する。この割合は2−メルカプトエタノール(個別のデーター位置を示す)の存在において4つ組みで決定された。sBBI(BBI;SEQ ID NO:13)、BBIt−AV(CT;SEQ ID NO:187)、及びBBIt−AV−F50T(F50T)の活性割合は水平ラインの右側に示し、比較のために追加された。この割合はBBIt−AV(CT)を決定するための値で規格化された(水平ラインで示す)。
図13は8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む3つの変異体、即ち、8部位変異体、BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31A−A40H−F50R−V52L(RL8;SEQ ID NO:630)、BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31E−A40K−F50Q−V52Q(QQ8;SEQ ID NO:628)、及びBBIt−AV−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−A40H−F50K−V52T(KT8;SEQ ID NO:627)の生成の比較を提供する。活性BBI種の量は、育成後(◆)、2−メルカプトエタノールでの処理後(■)、及び酸/熱処理後(▲)のトリプシン抑制により決定された。BBIt−AV、5部位変異体BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(TA5; SEQ ID NO:601)及びsBBIは比較のために含まれている。
図14は前駆体変異BBPI骨格(親(PT)と示す)対修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−F50T−V52A骨格(Q;SEQ ID NO:600)における好ましくはとなる結合ペプチド(3つのTGFβ及び2つのFGF5バインダー)の、育成後(ブラックバー)、2−メルカプトエタノール処理後(斜線バー9、及び酸熱処理後(ホワイトバー)の活性BBI種の比較(トリプシン抑制による)を提供する。全ての骨格において、結合ペプチドはキモトリプシン抑制ループを置き換える。PEN3(SEQ ID NO:436)、WTQ(SEQ ID NO:438)、及びMM021W(SEQ ID NO:437)はTGFβ結合ペプチドであり、MM007(SEQ ID NO:430)、及びFGFps2(SEQ ID NO:431)はFGF5結合ペプチドである。
図15はドリコスビフロラス(Dolichos biflorus)(BBdb−AV、SEQ ID NO:452)からの変異ボウマンブリック抑制ループ、グリシンマックス(Glycine max)(ダイズ)からの変異プロテアーゼインヒビターIV又はD−II(BBsb3−AV、SEQ ID NO:453)、及びキモトリプシンループがVEGF−結合ペプチドであるトレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc−AV、SEQ ID NO:454)変異ボウマンブリック抑制ループのアミノ酸配列を提供する。これらのアミノ酸配列は変異BBI、BBIt−AV(SEQ ID NO:187)の配列に整列される。BBIt−AV配列とC9及びC58の間の違いは太字で示す。全ての骨格において、CK3781結合ペプチド(ACYNLYGWT;SEQ ID NO:9)は第二プロテアーゼ抑制ループを置き換える。
図16は2−メルカプトエタノールで活性化した後(ホワイトバー)及び酸/熱処理後(ブラックバー)のBBIt−AV、BBdb−AV、及びBBtc−AVの(トリプシン抑制による)活性BBI濃度の比較を提供する。
図17は未修飾BBIt−AV(SEQ ID NO:187)、BBdb−AV(SEQ ID NO:452)、BBsb3−AV(SEQ ID NO:453)、及びBBtc−AV(SEQ ID NO:454)及び対応する未修飾前駆体BBIt(SEQ ID NO:187)、BBsb3(SEQ ID NO:449)、BBtc(SEQ ID NO:450)、及びBBdb(SEQ ID NO:451)BBPIのアラインメントを提供する。星印(*)はC残基を維持している変異体ではないものを示す。番号付けされた残基は本発明の修飾変異BBPIを生成するための置換されたアミノ酸を同定する。
図18は野生型BBIにおけるT細胞エピトープを同定する。(A)全71ドナーの刺激指数(SI)値を平均化し、標準偏差をエラーバーで示した。(B)20wtBBIエピトープセットにおける各エピトープに対する反応体の割合を示した。
発明の詳細な説明
本発明は標的タンパク質に結合するペプチドを含み、より大きなプロテアーゼ抑制活性を有するように修飾され、及び/又は未修飾BBPIよりもより大きな生産性で生産さされる、修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビタータンパク質(BBPI)に関する。この発明は修飾変異BBPIをコードするポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド構築体及び発現ベクター、修飾変異BBPIを発現及び生成する形質転換された宿主細胞、修飾変異BBPIタンパク質、修飾変異BBPIを含む組成物、及び修飾変異BBPIを生成するための、及び/又はパーソナルケア組成物中に用いる方法を含む。
別に定義しない限り、本発明の実施は、分子生物学、微生物学、タンパク質精製、タンパク質工学、タンパク質及びDNA配列決定、及び組み替えDNA分野において、当業者の知識の範囲内である、従来技術を含む。そのような技術は当業者に知られており、多くの標準的な教科書、及び参考文献に記載されている。本明細書で言及している全ての特許、特許出願、文献及び刊行物はそっくりそのままに、参照により本明細書に援用される。
別に定義しない限り、本明細書で用いる全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する分野における当業者が理解しているのと同じ意味を有する。本明細書に含まれる用語を含む各種科学的辞書は当業者によく知られており、利用可能である。本明細書に記載されているものと類似又は等しい方法及び物質は本発明の実施に又は試験に用いることができるけれども、幾つかの好適な方法及び物質が記載されている。即ち、以下で定義される用語は本明細書全体を参照することにより完全に説明される。本発明は特定の方法論、手順、及び記載の試薬に限定されず、文脈により当業者が用いるこれらのものは変えられることは理解されている。
本明細書において、単数の用語、1つの及びこの(「a」、「an」、及び「the」)は別途定義しない限り複数も含むものとする。別に定義しない限り、核酸は左から右に向かって、5’から3’方向に記載する。アミノ酸配列は左から右に向かって、アミノ末端からカルボキシ末端に記載する。
本明細書で参照される全ての特許、特許出願、及び他の刊行物、これらの引用文献内に開示されている全ての配列は明示的に参照により、各文献、特許、又は特許出願が具体的に及び個別に参照により援用されているのと同様に、参照により本明細書に援用される。引用されている全てのドキュメントは、関係する部分において、参照により本明細書に援用される。しかしながら、いずれの文献の引用は本発明に関係する従来技術であるとして解釈されない。
数値範囲は範囲を定義している数を含む。そのようなより低い下限値は本明細書に開示されているならば、本明細書を通じて提供されているそれぞれの数値の上限はそれぞれのより低い数値限定を含む。本明細書を通じて提供されている各下限値は、もしより高い数値限定が本明細書に記載されているならば、それぞれのより高い数値限定を含む。
本明細書で提供される標題は本明細書全体により参照される本発明の各種側面又は態様を限定するものではない。従って、前述のように、以下で定義される用語は本明細書全体を参照することによりより完全に定義される。
5.1定義
本明細書において、「単離された」及び「精製された」の語は、本来関係している少なくとも1つの成分から除去された核酸又はアミノ酸(又は他の成分)を意味する。
本明細書において、「修飾」の語は、例えば、ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)のようなプロテアーゼインヒビター(PI)に用いる場合、修飾「前駆体」又は「親」BBPI例えば、のアミノ酸配列由来のアミノ酸配列を有するBBPIを意味する。修飾前駆体BBPIは自然発生又は野生型タンパク質でよく、又は変異BBPIである。修飾タンパク質のアミノ酸配列は、前駆体アミノ酸配列領域の1つ異郷のアミノ酸の置換、欠失、又は挿入により前駆体タンパク質アミノ酸配列由来である。幾つかの態様において、少なくとも1つのアミノ酸を置換して修飾プロテアーゼインヒビターを生成する。幾つかの態様において、この親プロテアーゼ幾つかのは変異BBPIであり、変異配列で置換されたトリプシン及び/又はキモトリプシンループを含む。変異前駆体BBPIの少なくとも1つのアミノ酸の置換は修飾さされた変異BBPIプロテアーゼインヒビターを生成する。幾つかの態様において、この修飾偏にPIはSEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、及び65の位置に等しい少なくとも1つの位置におけるアミノ酸置換を含む(DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSE:SEQ ID NO:187)。他の態様において、修飾変異PIは本明細書で定義される組み合わせ置換を含む。他の態様において、この修された変異PIは挿入を含む。そのような修飾はプロテアーゼインヒビター自体を操作というよりはむしろ、前駆体プロテアーゼインヒビターのアミノ酸配列をコードしている前駆体DNA配列の修飾である。本明細書の修飾プロテアーゼインヒビターは反応性ループ、例えば、トリプシン及び/又はキモトリプシンループのほかの領域におけるアミノ酸残基のいずれか1つにおいて、19の自然発生アミノ酸の置換を包含する。修飾配列をコードしているポリヌクレオチドは「修飾ポリヌクレオチド」といわれ、前駆体プロテアーゼインヒビターをコードしているポリヌクレオチドは「前駆体ポリヌクレオチド」といわれる。
本明細書において、「プロテアーゼインヒビター(PI)」の語は、ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)を意味し、及びこの語と互換的に使用される。BBPIは、例えば、Prakash et al.[J.mol Evol 42:560−569(1996)]に記載のようなシステイン抗含有プロテアーゼインヒビターである。
本明細書において「骨格」の語は変異体配列が導入される、BBPIタンパク質配列を意味する。幾つかの態様において、この骨格は変異体骨格であり、第一プロテアーゼ抑制ループ、例えば、トリプシンループ、及び/又は結合ペプチド配列で置換される、第二プロテアーゼインヒビターループ、例えば、キモトリプシンのいずれかを有する。他の態様において、この骨格は野生型BBPI骨格である。用語「修飾変異骨格」の語は、例えば、BBPI骨格の主鎖におけるアミノ酸置換又は挿入のような、修飾を含む変異骨格を意味する。
本明細書において、「主鎖」の語は第一及び/又は第二プロテアーゼ抑制ループ、即ち、トリプシン及び/又はキモトリプシンループを置き換えるために導入された結合ペプチドの外である変異BBPIの部分を意味する。例えば、SEQ ID NO:187の変異BBPIの主鎖はアミノ酸1−40及び50−66、即ち、アミノ酸のN末端及び末端を意味し、アミノ酸位置41乃至49の変異システイン残基は、野生型BBPIに見られるキモトリプシンループ、即ち、SEQ ID NO:13のBBIを置きかえるために導入されたVEGF結合配列を一まとめにする(DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCICALSYPAQCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKEN; SEQ ID NO:13)。幾つかの態様において、この骨格はSEQ ID NO:187のBBItの骨格に少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%同一である。
本明細書において「結合ペプチド」、「結合配列」、「変異配列」、及び「変異ペプチド」の語は互換的に使用され、例えば、ボウマンブリックインヒビター等の第一及び/又は第二プロテアーゼインヒビターを置き換える短いペプチド配列を意味する。結合ペプチドは骨格中で置換されるプロテアーゼ抑制ループと同じ長さである必要はなく、少なくとも2つのアミノ酸のより野生型BBPIのプロテアーゼ抑制ループと異なっている必要もない。幾つかの態様において、前駆体プロテアーゼインヒビターのトリプシン及び/又はキモトリプシン等の第一及び/又は第二プロテアーゼ抑制ループを置換することは、SEQ ID NO:13等の野生型又はSEQ ID NO:187の変異BBPIのアミノ酸15乃至21にかかるトリプシンループ及び/又はアミノ酸42乃至48にかかるキモトリプシンループに等しい配列を変更する。この結合ペプチド配列はプロテアーゼインヒビターの結合ペプチド配列に対して異種のものである。結合ペプチドは標的タンパク質に結合する。
「VEGF結合ペプチド」、「FGF結合ペプチド」、「TGF結合ペプチド」、及び「TNF結合ペプチド」は、本明細書においてそれぞれVEGF、FGF5、TGFβ、及びTNFαに結合するペプチド配列を意味する。
「VEGF組成物」、「FGF組成物」、「TGF組成物」、及び「TNF組成物」は、本明細書において、それぞれVEGF−BBPI、FGF−BBPI、TGF−BBPI、及びTGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物のような組成物を意味する。
本明細書において製剤を意味するときに用いる「化合物」の語は修飾変異BBPI、例えば、VEGF−BBPI、FGF−BBPI、TGF−BBPI、又はTNF−BBPIを意味する。製剤は修飾変異BBPIの1つ以上を含む。即ち、製剤はVEGF−BBPI及びTNF−BBPIを含むか、又は本明細書に記載の他の4つのタイプのBBPIの他の組み合わせを含む。
パーソナルケア組成物中に含まれる修飾変異BBPIを意味するときに用いる「1つの(a)」の語は修飾変異BBPIが特定の配列を有していることを意味する。この文脈上において、「1つの(a)」はパーソナルケア組成物中に必要とされている修飾変異BBPい分子の数を限定するものではない。
「キモトリプシンループ」及び「第二プロテアーゼ抑制ループ」は本明細書において互換的に使用され、ボウマンブリックファミリーのプロテアーゼインヒビターの第二反応性ループに対応するアミノ酸配列に架かっているアミノ酸配列を意味する。例えば、Glycine max由来野生型BBPIインヒビター、即ち、SEQ ID NO:13のBBIの、第二プロテアーゼ抑制ループはシステイン10及びシステイン11により包含される第二反応性ループに架かるペプチド配列である(上記Prakash et al.参照)。
C10及びC11はSEQ ID NO:187の変異BBIt−AVにおけるアミノ酸42乃至アミノ酸48の間に等しいアミノ酸配列を含む(図9参照)。変異BBPI、例えば、SEQ ID NO:187のBBIt−AVの第二プロテアーゼ抑制ループ又はキモトリプシンループは41及び49位におけるシステインにより包含されるアミノ酸42乃至48に架かるアミノ酸配列に対応する。41位49位はPrakash et al.によるC10及びC11に等しいシステイン残基である。SEQ ID NO:13の野生型BBIの第二プロテアーゼ抑制ループのアミノ酸配列はキモトリプシン抑制ペプチドであるが、SEQ ID NO:187の変異BBIt−AVの第二プロテアーゼ抑制ループはVEGF−結合ペプチドである。従って、用語「キモトリプシンループ」又は「第二プロテアーゼ抑制ループ」の語は本明細書において、ループの位置を意味し、C10及びC11の間の配列が変異BBPIのプロテアーゼ抑制活性を付与することを意味しているのではない。同様に、「トリプシンループ」及び「第一抑制ループ」の語は、互換的に使用され、ボウマンブリックファミリーのプロテアーゼ抑制の反応性部位ループに対応するアミノ酸配列に架かるアミノ酸の配列を意味している。例えば、グリシンマックス(Glycine max)由来の野生型BBPIインヒビター、即ち、SEQ ID NO:13はの第二プロテアーゼ抑制ループはシステイン4及びシステイン5により包含される第二反応性部位ループに架かるペプチド配列である(上記Prakash et al.参照)。C4及びC5はSEQ ID NO:187の変異BBIt−AVにおけるアミノ酸15及びアミノ酸21に架かるものに等しいアミノ酸配列を包含している(図9)。
本明細書において、「標的タンパク質」の語は変異ペプチドの結合により作用がブロックされるタンパク質(例えば、酵素、ホルモン等)を意味する。幾つかの態様において、この変異ペプチドはBBPIのトリプシン及び/又はキモトリプシンループを置き換えるときに、標的タンパク質に結合する。
本明細書において、「置換された」及び「置換」の語は親配列中のアミノ酸残基又は核酸塩基の置き換えを意味する。幾つかの態様において、置換は自然発生残基又は延期の置き換えを含む。幾つかの態様において、2つ以上のアミノ酸が置換されてアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾BBPIを生成する。幾つかの態様において、置換の組み合わせは置換がなされた位置におけるアミノ酸により示される。例えば、25−50−52により表される組み合わせはアミノ酸の25位、50位、及び52位における3つのアミノ酸が置換されていることを意味する。他の態様において、置換の組み合わせはアミノ酸位置及び置換から得られたアミノ酸により表される。例えば、13I−25L−50T−52Aの組み合わせ置換を含む修飾BBPIは13位のアミノ酸がイソロイシンに置換され、25位のアミノ酸がロイシンに置換され、50位のアミノ酸がスレオニンに置換され、52位のアミノ酸がアラニンで置換された、修飾BBPIを示す。アミノ酸位置はSEQ ID NO:187のBBPIにおける番号付けされた位置に等しい。幾つかの態様において、置換の組み合わせは置換がなされた骨格の意味で用いられる。例えば、SEQ ID NO:601の修飾変異BBPIはBBIt−AV−13I−29P−40K−50T−52Aともいわれる。これは13、29、40、50、及び 52のアミノ酸における置換を含むBBIt−AV骨格(SEQ ID NO:187)の意味でもある。幾つかの態様において、このオリジナル及び置換されたアミノ酸が示される。例えば、SEQ ID NO:601の変異BBPIはBBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52Aと表すことができる。
本明細書において、「修飾」及び「修飾する」の語は、欠失、挿入、阻害、及び置換を含むがこれらに限定されないアミノ酸又はかっくさん配列の任意の変更を意味する。幾つかの態様において、修飾は天然の残基又は塩基の置き換えも含む。他の態様において、修飾は少なくとも1つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。更なる態様において、この修飾は少なくとも1つのアミノ酸置換を組み合わせた挿入を有する又は有さない挿入を含む。
本明細書において、「等しい」の語は、BBPIのアミノ酸残基又はアミノ酸の位置について用いるときは、未修飾前駆体BBPIの一次配列中の位置に対応する修飾BBPI中のアミノ酸残基の位置を意味する。BBPI中の等しいアミノ酸位置を確立するために、修飾BBPIアミノ酸配列が直接SEQ ID NO:187のBBPIと比較され、特にボウマンブリックファミリーのプロテアーゼインヒビター中で変らないと知られている(Prakash et al.上記)システイン残基と比較する。保存された栄ループシステイン残基に整列させた後、アラインメントを維持させるために、挿入及び欠失を行い(即ち、任意の欠失又は挿入を通じて保存されたシステイン残渣を排除しないようにする。)、SEQ ID NO:187のBBPIの配列のおける特定のアミノ酸位置に等しい位置における残基が定義される。保存システイン残基のアラインメントは好ましくはそのような残基の100%保存されているべきである。例えば、図17において変異体及び野生型BBPIのアミノ酸配列が整列され、この2つのアミノ酸配列の間の同一性の最大量を提供する。これらの配列の比較は不変システイン残基が保存されていることを示している。一次配列は本発明のBBPIにおける等しいアミノ酸の位置を決定するために好適な構造であるが、等しい残基はBBPIタンパク質の三次構造のレベルで、同一性を決定するとこもできる。
等しいアミノ酸位置は等しい成熟残基を有するタンパク質の特定のアミノ酸残基の主鎖原子の2つ以上の原子配置にようなもので決定され、アラインメントの後の所望のタンパク質(N上のN、CA上のCA、C上のC、及びO上のO)は0.13nm以内、好ましくは0.1nm以内の位置にある。アラインメントはベストモデルが伸長され、解析されるタンパク質のタンパク質原子の非水素原子の原子配置の最大重複が与えるように位置あわせされた後に、達成される。好適なモデルは結晶学及びタンパク質特徴付け解析の分野の当業者に既知の方法を用いて決定される、最も高い利用可能な解法において実験回折データのための最も低いRファクターを与えている結晶回折モデルである。ダイズ由来のボウマンブリックインヒビターの結晶構造は決定されており(Hwang et al.J Biol Chem.10;252(3):1099−101[1977],Wei et al.,J Biol Chem.10;254(11):4892−4[1979],Voss et al.Eur J Biochem.15;242(1):122−31[1996])、三次構造のレベルにおいて等しいアミノ酸位置を決定するためのアウトラインとして用いられている。本明細書において、「融合ポリペプチド」、「融合タンパク質」、及び「融合アナロガス」は宿主細胞内で、宿主細胞から分泌されたポリペプチド又は普通に分泌されたそれらのタンパク質、切断可能なリンカーポリペプチド、及び所望のポリペプチドにおいて分泌配列として機能するシグナルポリペプチドのアミラーゼ末端からコードする。幾つかの態様において、この融合ポリペプチドは分泌配列及び分泌されたポリペプチドの間に位置するスペーサーペプチドを含む。幾つかの態様において、この融合タンパク質は宿主細胞酵素で処理され(例えば、プロテアーゼ)、融合タンパク質における他のタンパク質配列のない所望のタンパク質を生産する。本明細書において用いるように、「融合アナログ」、「融合ポリペプチド」、及び「融合タンパク質」の語は互換的に使用される。
本明細書において、「活性」の語はプロテアーゼに関係している酵素活性のような、特定のタンパク質に関する活性を意味する。幾つかの態様において、この活性は生物学的活性である。更なる態様において、この活性は測定可能な下流効果(例えば、その同類のレセプターに結合しているVFGF)となるレセプターに対するタンパク質の結合を包含する。「生物学的活性」の語は当業者によりタンパク質に貢献している任意の活性を意味する。
本明細書において、「プロテアーゼ抑制活性」はプロテアーゼのタンパク質分解活性を抑制することにおけるBBPIの活性を意味する。即ち、ペプチド又はペプチド結合を有する基質を加水分解する能力を抑制すること。
本明細書において、「発現」後は遺伝子の核酸配列基づいて生成されたポリマーペプチドによるプロセスを意味する。このプロセスは転写及び翻訳の両方を含む。
BBPIに関して用いる「生成」の語は、1タンパク質分泌の間に起こると知られているシグナルペプチドの除去及び2.BBPIの活性成熟形態を生成し成熟プロセスにおいて起こると知られているプロ領域の除去を含む完全長プロテアーゼの2つの処理工程を包含する(Wang et al.,Biochemistry 37:3165−3171(1998);Power et al.,Proc Natl Acad Sci USA 83:3096−3100(1986))。
本明細書において、「生産性」の語は未修飾及び/又は修飾変異プロテアーゼインヒビター、例えば、変異BBPIが生成されるときのレベルを意味する。生産性が高くなれば、より多量のプロテアーゼインヒビターが生産される。
本明細書において、「効果的な生産」の語はタンパク質、例えば、修飾変異BBPIの生産を意味し、このタンパク質が未修飾又は前駆体変異BBPIよりも高いレベル生産されることを意味している。
本明細書において、「実質的に精製された」の語は、本発明のタンパク質又はタンパク質フラグメントにおいて用いる場合、タンパク質が必ず、意図する使用において、実際的で好適な範囲に他の基質を含まないことを意味する。特に、タンパク質は十分に精製されており、例えば、タンパク質配列決定及び/又は薬剤の製造のような使用の場面において、宿主細胞由来の他の生物学的成分を実質的に含んでいない。
本明細書において、「実質的に含まない」の語は他のタンパク質(即ち、コンタミプロテイン)を約加えて20%未満、約10%未満、約5%未満、又は約1%未満有数所望のタンパク質の調製物を包含する。
本明細書において、「ポリヌクレオチド」、「核酸分子」、及び「核酸配列」の語は核酸の任意の形態の配列を含み、RNA、DNA,及びcDNA分子を含むがこれらに限定されない。遺伝子コードの退縮により、所与のタンパク質をコードしている複数のかっくさん配列が生成することは理解されている。
本明細書において、「DNA構築体」、「ポリヌクレオチド構築体」、及び「形質転換DNA」の語は互換的に使用され、宿主細胞又は有機体に配列を導入するために用いるDNAを意味する。このDNAはPCR又は当業者に知られている任意の好適な技術によりインビトロで生成される。幾つかの態様において、このDNA構築体は所望の配列(例えば、修飾配列)を包含する。幾つかの態様において、この配列は制御エレメント(例えば、プロモーター等)に作動可能に結合している。幾つかの態様において、このDNA構築体は宿主細胞染色体に相同な配列を含む。他の態様において、このDNA構築体は非相同配列を含む。一旦DNA構築体がインビトロで構築されると、宿主細胞染色体の領域を変異するために用いられる(即ち、異種配列で内性配列を置き換える)。
本明細書において、「異種DNA配列」の語は宿主細胞中に自然発生しないDNA配列を意味する。幾つかの態様において、この異種DNA配列は調節エレメントを含む異なる遺伝子の部分からなるキメラDNA配列である。
本明細書において、「異種タンパク質」の語は宿主細胞において自然発生しない、即ち、異種配列によりコードされるタンパク質又はポリペプチドを意味する。
本明細書において「相同タンパク質」の語は野生型の又は細胞内で自然発生するタンパク質又はポリペプチドを意味する。
本明細書において、「ベクター」の語は1つ以上の細胞タイプへ核酸を導入するために設計されたポリヌクレオチド構築体を意味する。ベクターはクローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、及びプラスミドを含む。幾つかの態様において、このポリヌクレオチド構築体は修飾変異BBPIをコードしているDNA配列を含む。
本明細書において、「発現ベクター」の語は外来細胞において異種DNAフラグメントを取り込み及び発現する能力のあるベクターを意味する。多くの真核及び原核発現ベクターが市場で入手可能である。好適な発現ベクターの選択は当業者の知識の範囲内である。
本明細書において、「プラスミド」の語はクローニングベクターとして用いられる環状二本鎖(ds)DNA構築体を意味する。これは幾つかの原核又は真核細胞において染色体外自己複製遺伝エレメントを形成し、又は宿主染色体に組み込まれる。
本明細書において、細胞へ核酸配列を導入する場合に用いる、「導入された」の語は細胞へ核酸配列を輸送するために適した任意の方法を意味する。そのような導入方法はタンパク質融合、トランスフェクション、トランスフォーメーション、コンジュゲーション、及びトランスダクションを含むがこれらに限定されない(例えば、Ferrari et al.、“Genetics,”in Hardwood et al,(eds.),Bacillus,Plenum Publishing Corp.,pages 57−72,[1989]参照)。
本明細書において、「型質転換された」又は「安定な形質転換」の語は、少なくとも2世代に渡り維持されている、そのゲノムへ組み込まれた非天然(異種)ポリヌクレオチド配列を有する細胞、又は少なくとも2世代に渡り維持されているエピソーマルプラスミドを意味する。
本明細書において、「パーセント同一性(%)」又は「パーセント相同性」の語は、ポリヌクレオチド又はポリペプチド配列が本明細書に開示されている配列のヌクレオチド又はアミノ酸残基に同一である候補配列中のヌクレオチド又はアミノ酸配列のパーセンテージであると定義される。ポリヌクレオチド又はポリペプチドにより占められるパーセント同一性は整列させた配列により分子間の配列情報を直接比較して、当業者に既知の方法により決定される。幾つかの態様において、このアラインメントは整列させる配列におけるギャップの導入を含む。更に、候補ポリヌクレオチド又はアミノ酸よりも多い又は少ない配列について、パーセント同一性は核酸又はアミノ酸の総数に基づいて同一な核酸又はアミノ酸の数に基づいて決定される。従って、例えば、本明細書で同定された配列よりも短い配列の相同性はより短い配列のおける核酸又はアミノ酸の数を用いて決定される。この同一性は当業者に知られている標準的な技術を用いて決定される(例えば、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.,2:482[1981];Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.,48:443[1970];Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444[1988];Wisconsin Genetics Software PackageのGAP,BESTFIT,FASTA,及びTFASTA等のプログラム(Genetics Computer Group、Madison、WI); and Devereux et al.,Nucl. Acid Res.,12:387−395[1984]参照)。
本明細書において、「アナロガス配列」はプロテアーゼインヒビターのボウマンブリックファミリーのためのものと必ず同じタンパク質の機能を有するものを意味する。更に、アナロガスタンパク質はSEQ ID NO:187の変異BBPIの配列に少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を含む。アナロガス配列は配列アラインメントの既知の方法により決定する。通常用いられるアラインメント方法はBALSTである。前述又は以下に述べるように、アラインメント配列において他の方法も用いることができる。
有用なアルゴリズムの1つとしては、PILEUPがある。PILEUPは累積的な一対アラインメントを用いて関連する配列のグループから複数の配列アラインメントを生成する。アラインメントを生成するために用いるクラスタリング関係を示している系統樹をプロットすることもできる。PILEUPはFeng及びDoolittleのプログレッシブアラインメント方法の簡略方法を使用する((Feng and Doolittle,J. Mol. Evol.,35:351−360[1987]).この方法はHiggins and Sharp (Higgins and Sharp,CABIOS 5:151−153 [1989]に記載の方法に類似している。)有用なPILEUPパラメーターは3.00のデフォルトギャップウェイト、0.10のデフォルトギャップレングスウェイト、及びウエイトエンドギャップを含む。
有用なアルゴリズムの他の例としてはBLASTアルゴリズムがあり、Altschul et al.,(Altschul et al.、J. Mol. Biol.、215:403−410,[1990]; and Karlin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787[1993]により説明されている。部分的に有用なBLASTプログラムはWU−BLAST−2プログラム(Altschul et al.,Meth.Enzymol.,266:460−480[1996]参照)。WU−BLAST−2は幾つかのサーチパラメータを用いる。大部分のデフォルト値は設定されている。調節可能なパラメーターは以下の値である:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワードスレッシュホールド(T)=1.1。HSPS及びHSPS2パラメーターは動的値であり、特定の配列の組成及び所望の配列をサーチする、特定のデータベースの組成に依存してプログラム自体により確立される。しかしながら、この値は感受性を高めるために調節してもよい。A%のアミノ酸配列同一性の値は整列された領域における最も実際的な残渣を有するものである「ロンガー」配列の残基の総数により、一致した残基の数を割って決定される。この「ロンガー」配列は整列された領域における最も実際的な残基有するものである(アラインメントスコアを最大化すために導入されたWU−Blast−2によるギャップは無視する。)好適な方法は、オーバーラップスパン及びオーバーラップフラクションがそれぞれ1及び0.125であるデフォルトパラメーターを設定したWU−BLAST−2のBLASTNモジュールを用いる。
「宿主細胞」は本発明のDNAを含む発現ベクターのための宿主細胞として提供する細胞由来の好適な細胞を意味する。好適な宿主細胞は天然の又は野生型細胞であり、又は変性された細胞でもよい。1つ以上の態様において、この宿主細胞はグラム陽性微生物である。幾つかの好適な態様において、この用語はバチルス(Bacillus)種の細胞でよい。
本明細書において、「バチルス株」の語は、バチルススブチリス(B.subtilis)、バチルスリケニフォルミス(B.licheniformis)、バチルスレンタス(B.lentus)、バチルスブレビス(B.brevis)、バチルスステアロセレモフィリス(B.stearothermophilus)、バチルスアルカロフィリス(B.alkalophilus)、バチルスアミロリケフェシエンス(B.amyloliquefaciens)、バチルスコラウシ(B.clausii)、バチルスハロヂュランス(B.halodurans)、バチルスメガテリウム(B.megaterium)、バチルスコアギュランス(B.coagulans)、バチルスサーキュランス(B.circulans)、バチルスレンタス(B.lautus)、及びバチルスツリンギエンシス(B.thuringiensis)を含むがこれらに限定されない、当業者にバチルス(Bacillus)属であると認識されている全ての種を含む。バチルス(Bacillus)属は系統的な再編成がなされ続けていることは理解されている。従って、現在ゲオバチルス(Geobacillus stearothermophilus)と呼ばれているバチルスステアロデレモフィリス(B.stearothermophilus)のような有機体に、再分類された種も含む。酸素の存在において耐性のある内性胞子の生成はバチルス属の決定的な特徴をであるが、この特徴は、近年アリシクロバチルス(Alicyclobacillus)、アンフォバチルス(Amphibacillus)、アネウリンバチルス(Aneurinibacillus)、アノキシバチルス(Anoxybacillus)、ブレビバチルス(Brevibacillus)、フィロバチルス(Filobacillus)、グラシリバチルス(Gracilibacillus)、ハロバチルス(Halobacillus)、パエニバチルス(Paenibacillus)、サリバチルス(Salibacillus)、セルモバチルス(Thermobacillus)、ウレイバチルス(Ureibacillus)、及びビルギバチルス(Virgibacillus)と呼ばれている属にも当てはまる。
本明細書において、「プロモーター配列」の語は発現目的のためのバクテリア宿主により認識されるDNA配列を意味する。好適な態様において、プロモーター配列は融合タンパク質をコードしているDNA配列に作動可能結合している。そのような結合は風用DNA配列をコードしているDNA配列の翻訳開始コドンに関するプロモーターの位置決めを含む。特に好適な態様において、このプロモーター配列は融合DNA配列の発現を仲介する転写及び翻訳制御配列を含む。
本明細書において、核酸配列は、他の核酸配列と機能的な位置関係に置き換えられた場合、「作動可能に結合している」という。例えば、分泌リーダーをコードしているDNAは、ポリペプチドの分泌に関与しているプレタンパク質として発現されている場合、このポリペプチドに対するDNAに作動可能に結合している、プロモーター又はエンハンサーは配列の転写の影響する場合、コード配列に作動可能に結合している、あるいはリボゾーム結合部位は翻訳を促進するような位置にある場合、コード配列に作動可能に結合しているという。作動可能に結合しているDNA配列は通常連続的であり、分泌リーダーの場合、連続的でリーディングフェーズ中にある。しかしながら、エンハンサーは連続的である必要はない。結合は利用可能な制限部位において結合されることにより達成される。もしそのような部位が存在しない場合には、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが従来技術に従って用いられる。
本明細書において、「組換え体」は、異種核酸配列の導入により修飾細胞ベクター又はそのように修飾細胞由来の細胞を意味する。従って、例えば、組換え細胞は、意図的な人為的介入の結果として、発現できる又は全く発現できない状況下で、細胞の天然形態(非組み換え体)内で形成されたものとは違う遺伝を発現するか、又は他の過剰発現された天然遺伝組を発現する。
本明細書において、「パーソナルケア組成物」の用語は皮膚、ヘア、ネイル、歯に適用し、これらの表面及び膜を改善、洗浄、美化、処理、及び/又はケアする目的で用いられる。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物は栄養クリーム又はローション等の懸濁水、スキントナー、栄養乳液、栄養クリーム、マッサージクリーム、トリートメントクリーム、リポソームデリバリーシステム、局所的フェイスパック又はマスク等の安定化ゲル又は分散システム、シャンプー又はボディーウォッシュ、エアロゾル又はスプレー式ディスペンジョン又は乳液、ヘア又はスキンコンデョショナー、スタイリングエイ等の界面活性剤ベース洗浄システム、あるいは液体、クリーム、固形無水又はペンシル形態のマスカラ等の顔料製品の形態である。しかしながら、本発明において各種形態を用いることができるから、本発明は特定の形態に限定することを意図しない。
パーソナルケア組成物は、化粧品、パーソナルケア製品において用いる市場製品(OTC)として分類することができる(例えば、化粧品、スキンケア、オーラルケア、ヘアケア、ネイルケア)。幾つかの態様において、修飾変異BBPIはヘアケア組成物、スキンケア組成物、ネイルケア組成物、化粧組成物、又はこれらの任意の組み合わせ等のパーソナルケアに適用される。
本明細書において、「スキンケア組成物」の語はしわの最小化、しわ除去、脱色、着色、皮膚柔軟化、皮膚の潤滑化、脱毛、洗浄等を含むがこれらに限定されない有利な性質を提供するために皮膚に適用される。幾つかの好適な態様において、本発明はスキントーンを改善するスキンケア組成物を提供する。これらの態様において、改善はしわの減少、スムージング、スキンテクスチャー、皮膚の色味の変更、及び他の化粧的利点を含む。更なる態様において、このスキンケア組成物はボディーウォッシュ、保湿性ボディーウォッシュ、デオドラントボディーウォッシュ、抗菌洗浄剤、スキン保護クリーム、ボディーローション、顔用クリーム、保湿クリーム、顔用洗浄乳液、界面活性剤ベース顔用洗浄剤、顔用ピーリングゲル、顔用トナー、ピーリングクリーム、顔用マスク、アフターシェーブローション、バーム、及び/又は放射線保護組成物(例えば、サンスクリーン)からなる群より選択される。
本明細書において、「化粧組成物」は化粧に用いる組成物を意味する。連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)の定義が本明細書に用いられる。従って、化粧品はそれらの意図する使用により定義され、洗浄、美化、魅力を促進する、又は外観を変えるためにこすり付ける、注ぐ、振り掛ける、又はスプレーする、又はたの手段で人体に適用される。ここれらの組成物は治療的効果なく、医薬品として調製されない。しかしながら、幾つかの場面において、化粧組成物は、化粧組成物のカラーリング又は他の利点のための化粧組成物の利用だけでなく、化粧品の利点を提供するために医薬品に含まれることがある。化粧組成物は本明細書ではメイクアップ組成物を含むと定義する。本発明はヒト意外の動物への化粧品の使用も包含する。
本明細書において、「医薬品組成物」及び「治療用組成物」の語は化粧的利益よりもむしろ医療的利益を提供する医薬品のような組成物を意味する。米国では、医薬品組成物及び治療用組成物は食品医薬品局により特定の条件の治療及び予防について承認されている。
本明細書において、「薬品」の語は連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)の定義によるものである。従って、薬品は病気の診断、治療、緩和、治療、及び予防に用いるために意図された製品、及びヒト又はたの動物の体の構造又は任意の機能に影響を与える(食品以外の)製品であると定義される。
本明細書において、「リーブオン(leave−on)」の語は、固体に適用され、組成物に曝される領域が洗浄される前に通常数時間(例えば、4乃至12時間)の間除去(例えば、洗浄、すすぎ等による除去)がなされない組成物を意味する。
本明細書において、「リンスオフ(rinse−off)」組成物は適用され、適用してすぐに(通常約適用の30分以内)に(洗浄、すすぎ等により)洗浄される組成物を意味する。幾つかの好適な態様において、リンスオフ組成物は処理される領域に機能するのに効果的な量が付着するように製剤化されている。
本明細書において、「化粧的利益」の語はパーソナルケア組成物の投与からえら得た所望の化粧的変化を意味する。化粧的利益は、皮膚、ヘア、ネイル、及び歯の状態を含むがこれらに限定されない利益を含む。好適な態様において、少なくとも1つの化粧的利益は本発明のスキンケア、ヘアケア、ネイルケア、及びメイクアップ組成物により提供される。
本明細書において、「化粧組成物に利用可能な」の語は、合理的な利益/リスク比のつりあいの取れた、毒性、不相溶性、不安定性、炎症、アレルギー反応等を伴わずに、ヒト及び/又はたの動物の組織に接触させるのに好適な物質を意味する。
本明細書において、「顔料」、「カラーピグメント」、及び「ダイ」の語は組成物に色を提供する又は組成物を適用する表面(例えば、スキン及び/又はヘア)に色を付与する、本願発明の組成物に含まれる任意の化合物を意味する。
「放射能保護」の語はUV放射をブロック又はフィルタリングすることができる物質を意味し、サンスクリーン及びサンブロックがある。
本明細書において、「皮膚の外観及び/又は状態の改善」の語は本発明のパーソナルケア組成物の使用により達成される利益を意味する。利益の例とては、皮膚の着色部分及び/又は皮膚の色素沈着を明るくすることを含むスキンカラーにおける汚れ及び/又は傷跡を減らすこと、乾燥の緩和、きめの粗さ及び乾燥部位の排除、水分を保持すること及び/又は環境ストレスから保護する能力を改善すること、細かいライン及びしわの外観を減らすこと、外観及びスキントナーの改善、皮膚の硬度及び/又は柔軟性の増加、皮膚のたるみの減少、皮膚の輝き及び透明度の増加、皮膚の再生プロセスの増加、及び/又は産毛の除去を含むがこれらに限定されない。幾つかの態様において、皮膚の外観及び/又は状態の改善は本発明のパーソナルケア組成物で皮膚の病気を治療することにより改善する。
「血管形成」の語は血管の発達となる、及び/又は有機体の組織の血管形成が高まる、生物学的プロセスを意味する。
「血管形成性疾患」、「血管形成性疾病」、及び「血管形成性皮膚疾患」の語は一般的に皮膚病、又は組織において連続的な血管形成又は血管形成の結果として生じる関連する疾患を意味する。しばしば、血管形成疾病の原因はしられていない。しかしながら、血管形成が疾病状態の実際的な原因であるか又は単なる疾病の状態であるかは、重要ではない。しかし、疾病の状態又はコンディションを処理又は改善することにおいて血管形成を抑制することは本発明の重要な側面である。従って、本発明は活性の特定のメカニズムに限定されない。本発明の化合物を用いて処理するのに好適な血管形成性の皮膚病の例としては、乾癬、ニキビ、酒さ、湿疹、血管種及びリンパ管形成、スタージ・ウェーバー症候群、神経線維腫症、結節硬化症、慢性炎症性浸潤症、及び関節炎を含むがこれらに限定されない。一次的又は二次的特徴として、脈管化を有する皮膚病は本明細書における血管形成性皮膚病であると考えられる。従って、本発明により提供されるVEGF結合BBPI(VEGF−BBPIs)を含むパーソナルケア組成物は幅広い血管形成性皮膚病及び/又はコンディションの処理に用いることができる。
「酒さ」の語は通常鼻及び頬の連続的な部分を含む、血管形成及び濾胞拡張によち特徴付けられるニキビ、酒さ、又は紅斑に用いられる。酒さは、非常にマイルドではあるが頑固な紅斑から根深い丘疹及び吹出物を有する脂線の広範囲にわたる過形成まで変化し、影響された紅斑部位における毛細血管拡張により生じる。このコンディションはコンディションの感受性に依存して「肥大性酒さ」又は「鼻瘤」とも言われる。この用語はコンディションの全形態を含む。
「乾癬」の語は、限局性の、不連続及び融合性の、赤みを帯びた、銀色の鱗屑を伴うことにより特徴づけられる発疹を意味する。本発明を特定の身体部位に限定することは意図しないけれども、乾癬病巣は通常ひじ、ひざ、頭皮、及び胴体に発生する。微視的に、これらの領域は特徴的な錯角化及び乳頭間隆起の延伸を示す。
「ニキビ」の語は、脂肪質的か外観を含む炎症性小胞、丘疹及び膿胞の発生により特徴付けられる皮膚の状態について用いる。数多くのニキビの形態があるけれども、最も一般的な形態は顔、背中上部、及び胸に発生することにより特徴づけられる、炎症性の基底部上のニキビ、嚢胞、丘疹、吹出物からなる、ニキビとして知られているものである。このコンディションは主に、ホルモンの活性により影響を受けると信じられている脂肪腺の過活動に依存する、成熟期及び思春期の間に発生する。
「湿疹」の語は、急性又は慢性の皮膚の炎症状態、典型的な紅斑、水腫状、丘疹、水疱、及び/又は痂皮形成を説明するために用いる。これらの状態はしばしば苔蘚化、鱗化に続き、時折、紅斑、頻度が低いが、色素沈着過度に次いで起こる。湿疹はしばしば引っかき及び焼けどした場所に発生する。湿疹小嚢は表皮内の海面状態に依存して形成する。湿疹は「皮疹」、「乾燥皮疹」、及び「鱗状皮疹」として口頭表現的に言われている。数多くの湿疹のサブカテゴリーがあるが、それらの全ては本発明の化合物の1つ以上により治療できる。
「血管腫」の語は、内皮細胞(血管の内側を覆う細胞)の自己退縮腫瘍を意味する。血管腫は循環システムと結合しており、血液で満たされている。外観は位置に依存している。もし血管腫が皮膚の表面にあるなら、熟したイチゴのように見える、もし皮膚の下にあるなら、青みがかったコブにみえる。ときどき、血管腫は肝臓又は喉頭のような内部器官内で成長する。約80%は顔及び首に存在する、次いで最も多く存在するのが肝臓である。本発明のパーソナルケア組成物は皮膚を血管腫、即ち、皮膚表面の血管腫及び皮膚の直下の血管腫の治療を意図している。
「強皮症」の語は、皮膚又は他の器官におけるコラーゲンの広範囲にわたる沈着により特徴付けられる慢性的な病気である。強皮症は皮膚に影響を与え、より深刻なケースでは、血管及び内部器官に影響を与える。最も証拠的な症状は、皮膚の硬化であり、瘢痕化に関係している。この皮膚は硬く、赤く、鱗状の外観をしている。血管もより見えやすくなる。このプロセスにおいて有意なプレーヤーは、形質転換因子(TGFβ)である。強皮症の皮膚変化の局所的なトリートメントは疾病経過を変えることはできないが、痛み及び潰瘍形成を改善する。
本明細書において、「ヘアケア組成物」の語は濃厚化、間伐、着色、脱色、クレンジング、コンディショニング、柔軟化、形態維持等の利益的性質を提供を髪に提供するために適用される組成物を意味する。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は、シャンプー、コンディショナー、抗ふけトリートメント、スタイリング剤、スタイリングコンディショナー、ヘアリペア又はトリートメント美容液、ローション、クリーム、ポマード、及び化学的トリートメントからなる群より選択される。他の態様において、このスタイリング剤はスプレー、ムース、リンス、ゲル、泡、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。更なる態様において、ケミカルトリートメントは、パーマネントウェーブ、弛緩剤、及びパーマネント、セミパーマネント、テンポラリーカラートリートメント、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
本明細書において、「育毛抑制」及び「育毛の抑制」の語は毛の長さ及び/又は厚みが減少されることが観察されることを意味する。従って、幾つかの好適な態様において、本発明のパーソナルケア組成物の適用は、本発明のパーソナルケア組成物が適用されていない領域と比較すると毛の長さ及び/又は濃さを少なくすることに有利である。幾つかの態様において、毛の育成及び/又は濃さの観察された低減は、未処理領域と比較して1%未満乃至99%以上であり、他の態様において、観察された減少は約100%乃至約90%、約加えて90%乃至約80%、約80%乃至約70%、約70%乃至約60%、約60%乃至約50%、約50%乃至約40%、約40%乃至約30%、約30%乃至約20%、約20%乃至約10%、約10%乃至約1%である。即ち、目視(即ち、目により)又は他の方法で減少が観察される限り、低減のパーセンテージを限定することは意図しない。この語は、前述のように、任意の程度の「育毛を抑制」することを包含する。この語は完全な育毛の抑制(即ち、毛の育成が観察されない)に限定することは意図していない。
「皮膚の炎症性疾病」又は「炎症性皮膚病」の語は皮膚の炎症に関する皮膚コンディションを意味する。幾つかの態様において、この皮膚の炎症性疾患は、例えば、TNFαのような炎症性サイトカインのレベルが高くなることに関連して生じる疾患である。
本明細書において、幾つかの態様において、「化合物」の語は本発明のパーソナルケア組成物に含まれるBBPIを意味する。
「有効量」の語は、本発明の化合物の濃度又は量について、本明細書を通じて用いられ、疾病又は処理する状態が好ましく変化するための濃度又は量を意味する。例えば、この変化は育毛、育毛の抑制、疾病により生じた又は関係する状態の改善である。本明細書で用いるように、「安全で効果的な量」の語は、この物質が適用される領域において陽性変化を有意に誘発し、深刻な副作用が生じない、物質の有意量を意味する(合理的リスク/利益比)。この物質の安全で効果的な量は処理される特定の皮膚又は他の身体部位、処理される個体の年齢、処置される状態の重症度、処理の機関、連続する治療の性性質、用いらる物質、用いられるキャリアの性質等により変化する。当業者は組成物の所望の適用のための本明細書で提供されるパーソナルケア組成物の濃度を調節できる。
本明細書において「活性成分」の語は処置を受ける固体に利益を付与する組成物を意味する。例えば、幾つかの態様において、本発明は修飾BBPI、例えば、修飾VEGF−BBPI、適用する領域に利益を提供する「主要な活性成分」、を含むパーソナルケア組成物を提供する。従って、幾つかの態様において、修飾変異VEGF−BBPIはスキンケア組成物中に存在し、血管形成性皮膚疾患を患っている固体の皮膚へ用いられる。利益を付与する本発明のパーソナルケア組成物中に追加的な成分があることから、この語をVEGF−BBPIに限定することは意図しない。幾つかの態様において、これらの追加的な成分は「第二活性成分」と表される。一次及び第二活性成分はまとめて本明細書において「活性成分」と言われる。本発明により提供される他の「一次活性成分」はFGF−BBPI、TGF−BBPI、及びTNF−BBPIを含む。
本明細書において、「ビタミンB3化合物」の語は以下の式を有する化合物を意味する。
式中、Rは−CONH
2(即ち、ナイアシンアミド)、−COOH(即ち、ニコチン酸)、又は−CH
2OH(ニコチニルアルコール)、又はこれらの誘導体、及びこれらの任意の塩である。
本明細書において、「非血管拡張性の」の語はエステルが個体の皮膚への適用の後視認できる赤味反応を通常生じないことを意味する。そのような化合物は裸眼では視認できない血管拡張引き起こすけれども、一般的な集団の大部分は視認可能な赤味反応を経験していないことを意図する。
本明細書において、「レチノイド」の語はビタミンAの天然及び/又は合成アナログ及び/又は皮膚にビタミンAの生物学的活性を与えるレチノール様化合物、並びにこれらの化合物の異性体及び立体異性体を含む。しかしながら、この語をこれらの化合物に限定することを意図しない。この語はビタミンAアルコール(レチノール)及びビタミンAアルデヒド(レチナール)、ビタニンAアシド(レチノイン酸)、及びビタミンAエステル(例えば、レニチニルアセテート、レチニルプロピオネート、レチニルパルミテート)等を含む。更に、この語は全てのトランス酸及び13−シス−レチオノイン酸を含むことを更に意図する。この語は、各種使用形態だけでなく、カプセル化された組成物も包含することも意図する。「レチノール」及び「レチナール」の語は好ましくは全てのトランス化合物を包含する。本発明の製剤に好適に用いるレチノイドは全てのトランスレチノールであり、一般的に「レチノール」といわれているものである。
本明細書において、「カロテノイド」の語はβ−カロチン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、シトラナキサンチン、カンタキサンチン、ビキシン、β−アポ−4−カロテナール、β−アポ−8−カロテナール、β−アポ−8−カロチノイドエステル、単独及びこれらの組合せを意味する。好適に用いられるカロテノイドはβ−カロテン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ソチラナキサンチン、及びカテナキサンチンである。幾つかの態様において、カロテノイドは結晶形態、及び乾燥粉末を含むがこれらに限定されない製剤の形態で用いられる(例えば、乾燥粉末についてEP0065193参照。本文献を参照により本明細書に援用する)。幾つかの態様において、リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチ、及びソチラナキサンチンンの場合に好適に用いられるものは、リコピン、アスタキサンチン、及びカンタキサンチン含有乾燥粉末であり、例えば、LYCOVIT(商標)、LUCANTIN(商標)、Pink and LUCANTIN(商標)Red(BASF AG、Ludwigshafen、Germanyより入手可能なリコピン、アスタキサンチン、及びカンタキサンチンの10%乾燥粉末)がある。
本明細書において、「分散相」の語は乳液工業分野の当業者により、連続相中に懸濁されている、及び連続相に囲まれている小さな粒子及び液滴として存在する相として用いられている。分散相は「内部」又は「不連続」相としても知られている。
本明細書において、「浸透促進剤」の語は、上部の角質層バリアを通って皮膚の深層部への浸透を促進する組成物を意味する。浸透促進剤の例としては、プロピレングリコール、azone、エトキシジグリコール、ジメチルイソソルビトール、尿素、エタノール、ジメチルスルホキシド、ミクロエマルジョン、リポソーム、及びナノエマルジョンを含むがこれらに限定されない。
本明細書において、「乳化剤」及び「界面活性剤」の語は物質の連続相内で分散剤を分散及び懸濁する化合物を意味する。界面活性剤は皮膚及び/又は毛髪洗浄を意図する目的において特に用いられている。特定の態様において、「界面活性剤」の語は表面活性剤を意味し、この表面活性剤は乳化剤として、又は皮膚の洗浄のような、他の界面活性目的で用いられる。
各種態様において、本発明はUV吸収剤(例えば、オクチルメトキシシナメート、ベンゾフェノン−3、二酸化チタン、及びオクチルザリシレート)のような「保護剤」、フィルム形成剤(例えば、VP/エイコセンコオリマー)、化粧料(例えば、ペプチド及びタンパク質、アルファヒドロキシ酸、及びレチノール及びレチノン酸及びこれらの誘導体)、抗酸化剤(例えば、トコフェロール及びこれらの誘導体、及びアスコルビン酸及びこれらの誘導体)、ビタミン(例えば、B、D、K及びこれらの誘導体)、制汗剤(例えば、水酸化アルミニウム及び水酸化ジルコニウム)、脱毛剤(チオグリコール塩)、抗にきび剤(例えば、サリチル酸及び過酸化ベンゾイル)、接着剤及び剥離剤(例えば、シリケート、パミス、及びポリエチレン)、並びに植物、フルーツ、野菜、及び/又は海洋性源の抽出物も含む。
本明細書において、「生物学的活性」の語は組成物及び生体システムの間に起こる及び影響を与える関係を意味する。従って、この語はバイオテクノロジー及び生物学の当業者により、分子成分と生きている生物(例えば、組織、細胞等)の間の原因と影響の関係を説明する用語として用いられている。
本明細書において、「生物学的活性成分」の名詞は、生物(例えば、組織、細胞等)へ投与したときに生物学的活性を引き起こす組成物を意味する。この用語は「生物学的活性化合物」と同じ意味で用いる。
本明細書において、「シリコンゴム」の語は約200,000を超える、好ましくは約200,000乃至4,000,000の間の平均分子量を有する高分子量シリコンを意味する。この定義は非揮発性ポリアルキル及びポリアリルシロキサンゴムを含む。
本明細書において、修飾変異BBPIを含む組成物」は、広義には所与の修飾変異BBPIを含む任意の組成物を意味する。この組成物は任意の形態でよく、特に投与に好適な形態である。
本明細書において、化合物が任意の所望のルート(例えば、局所的、経口等)によりヒト又は他の動物に投与されたときに、「投与に好適な形態で」あるという。
本明細書において、「安全及び効果的な量」は物質を適用したときに陽性変化を有意に誘発し、深刻な副作用を起こさない十分量を意味する(合理的リスク/利益比)。この物質の安全かつ効果的な量は、処置される特定の皮膚及び他の身体部分、処置される個体の年齢、処置される状態の重症度、治療の期間、連続する治療の性質、用いられる特定の物質、用いられる特定の担体等により変化する。当業者は組成物の所望の適用のための本明細書で提供されるパーソナルケア組成物の濃度を調節することができる。
5.2ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター骨格
ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)は小タンパク質(60乃至90残基)の動態的及び構造的に良く特徴づけされたファミリーであり、植物の任意の他の部位において、発見されていない(例えば、Birk,Int.J.Pept.Protein Res.,25:113−131[1985]参照)。多くの野生型BBPI骨格の配列は単子類及び双子葉類の両方の種子から同定されており、解析されている(Prakash et al.,J mol Evol 42:560−569[1996])。これらは通常、独立した結合ドメインをそれぞれ含む2つの三環系ドメインの対称構造を有するが、1つのドメインを有するもの、2つより多いドメインを有するものもある。ダイズから単離された主要な8kDaまでのボウマンブリックインヒビター(BBPI)は2つの分離した反応部位ループを有し、ループ1はトリプシン様特異性を有するプロテアーゼを抑制し、ループIIはキモトリプシン様特異性を有するプロテアーゼを抑制する(例えば、Chen et al.,J.Biol.Chem.,267:1990−1994[1992];Werner and Wemmer,Biochem.,31:999−1010[1992];Lin et al.,Eur.J.Biochem.,212:549−555[1993];Voss et al.,Eur.J.Biochem.,242:122−131[1996];及びBillings et al.,Pro.Natl.Acad.Sci.,89:3120−3124[1992]参照)。これらの結合領域はそれぞれ「標準ループ」構造を含む。これは、各種セリンプロテアーゼインヒビターにおいて見られるモチーフである(Bode and Huber,Eur.J.Biochem.,204:433−451[1992])。幾つかの態様において、野生型BBPI骨格は変異体及び修飾変異BBPI骨格の野生型前駆体BBPIとしての役割がある。
幾つかの態様において、本発明は、トリプシン(ループI)及び/又はキモトリプシン(ループII)が変異ペプチドで置換された変異BBPI骨格を提供する。幾つかの態様において、このトリプシンループは変異ペプチドで置換され、キモトリプシン抑制活性(CIA)を保持している変異BBPIとなる。他の態様において、キモトリプシンループが変異ペプチドで置換され、トリプシン抑制活性(TIA)を保持している変異BBPIを生成する。更なる態様において、BBPIのトリプシン及びキモトリプシンループはそれぞれ変異ペプチドで置換される。トリプシン及び/又はキモトリプシンループが変異ペプチド配列で置換されているBBPI骨格の非限定的な例は野生型及び未修飾変異骨格を含む。野生型前駆体骨格はグリシンマックス(Glycine max)(BBI;SEQ ID NO:13)由来ダイズインヒビターの骨格又はそれらの成熟又は切断形態等のPrakash(上記)により開示された骨格(SEQ ID NO:185;DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCICALSYPAQCFCVDITDFCYEPCKPSE)、ドリコスビフロラス(Dolichos biflorus)(BBdb;SEQ ID NO:449;PSESSKPCCDQCACTKSIPPQCRCTDVRLNSCHSACSSCVCTFSIPAQCVCVDMKDFCYEPCK)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3;SEQ ID NO:450;DDEYSKPCCDLCMCTRSMPPQCSCEDIRLNSCHSDCKSCMCTRSQPGQCRCLDT NDFCYKPCKSRDD)由来D−IIダイズインヒビター、及びトレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451;SSKWEACCDRCACTKSIPPQCHCADIRLNSCHSACESCACTHSIPAQCRCFDITDFCYKPCSG)由来インヒビターがある。
未修飾変異前駆体骨格の例は、キモトリプシンループがVEGF結合変異配列で置換されているものを含むがこれらに限定されない。具体的には、BBI−AV(SEQ ID NO:186;DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKEN)、
BBIt−AV(SEQ ID NO:187;DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSE)、
BBdb−AV (SEQ ID NO:452;DPSESSKPCCDQCACTKSIPPQCRCTDVRLNSCHSACSSCACYNLYGWTCVCVDMKDFCYEPCK)、
BBsb3−AV(SEQ ID NO:453;DPDDEYSKPCCDLCMCTRSMPPQCSCEDIRLNSCHSDCKSCACYNLYGWTCRCLDTNDFCYKPCKSRDD)、及び
BBtc−AV(SEQ ID NO:454;DPSSKWEACCDRCACTKSIPPQCHCADIRLNSCHSACESCACYNLYGWTCRCFDITDFCYKPCSG)、
BBIt−VEGK(SEQ ID NO:640;DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKYYLYWWCKCTDITDFCYEPCKPSE)、
BBIt−VEGT(SEQ ID NO:641;DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACTLWKSYWCKCTDITDFCYEPCKPSE)、及び
BBIt−VEGKD(SE ID NO:642;DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKYDLYWWCKCTDITDFCYEPCKPSE)を含む。幾つかの態様において、未修飾変異前駆骨格は野生型BBPIのキモトリプシンループを変異ペプチドが置換し、SEQ ID NO:187のBBPIの40位に等しい位置においてアミノ酸置換の置換が導入されている変異骨格である。例えば、SEQ ID NO:187(BBIt−AV)の未修飾変異BBPI骨格は、SEQ ID NO:185の野生型前駆体骨格においてSEQ ID NO:185のキモトリプシンループをSEQ ID NO:9のVEGF変異エペプチドで置換したもの由来である。キモトリプシンループの置換のほかに140Aのアミノ酸置換も導入されている。SEQ ID NO:187の未修飾変異BBPIは修飾変異BBPIを生成するために修飾される。ここにおいてキモトリプシンループの置換に加えて以下で説明するような即ち、1つのアミノ酸置換が導入されている。
BBIの多くの異性体が特徴付けられているけれども、SEQ ID NO:13は約71アミノ酸残基を含む幾つかの態様において用いた野生型BBPI骨格のアミノ酸配列の例である(実施例1参照)。幾つかの態様において、本発明は、BBPI骨格、例えば、SE ID NO:11を提供する。SEQ ID NO:11はプロ領域を含む。他の態様では、本発明はプロペプチドが除去されているBBiを提供する。例えば、SEQ ID NO:185。更なる態様において、本発明はN末端又はC末端から10このアミノ酸が除去されたBBI骨格を提供する。幾つかの態様において、本発明は5まで(アミノ酸置換を含む?)のBBI骨格、例えば、SEQ ID NO:187を提供する。BBI骨格の切断はBBIの標的タンパク質への結合能力を阻害しないことが評価されるであろう。
ダイズにおいて、BBPI、例えば、BBIが19アミノ酸長さのN末端プロペプチドを有するプロタンパク質として生成される。従って、幾つかの態様において、BBIはプロタンパク質の全て又は少なくとも一部で生成される。幾つかの態様において、BBIは切断され、N末端又はC末端のいずれかから10アミノ酸残基程度が切断される。例えば、種子の発生において、幾つかのBBPI分子が切断されたC末端9又は10アミノ酸を有している。従って、タンパク質分解は一般的に初期のジスルフィド及び最終のジススルフィド結合、標的タンパク質に結合に通常邪魔をしない配列に依存している。しかしながら、BBPIの異性体又は切断形態のいずれか1つが本発明の各態様に用いることは理解されている。幾つかの態様において、本発明に用いることができるBBPIの切断形態はキモトリプシンループが前述の変異配列で置換されている変異BBltである。
5.3変異BBPI
前述のように、BBPIはプロテアーゼを抑制するループ(即ち、トリプシン及びキモトリプシンループ)を有する。本発明は野生型又は1つ以上の反応部位において未修飾変異BBPI前駆体骨格由来の変異BBPI(例えば、BBPIのループI(トリプシン)及び/又はループII(キモトリプシン)が標的タンパク質に結合する変異タンパク質で置換されている)を提供する。本発明のBBPIに含まれる変異タンパク質が結合する標的タンパク質の非限定的な例としては、各種サイトカインがあり、腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーのサイトカイン、特にTNF−α;形質転換成長因子ファミリーのサイトカイン、特に、TGF−β;繊維芽細胞成長因子ファミリー(FGF)のサイトカイン、特にFGF−5、及び血管内皮成長因子(VFGF)ファミリーのサイトカイン、特にVEGF−Aを含む。更に、本発明のBBPIの1つ又は両方のループを置換する変異ペプチドは、C2、C3、C4、又はC5インヒビター、コンプスタチン(Compstatin)、及びタンパク質の所望のタンパク質等の補体経路の抑制に影響するペプチドを含む。即ち、本発明をこれらのループのいずれに置換する特定の配列に限定することは意図していない。任意の好適な配列を本発明に用いることができる。
幾つかの態様において、BBPI前駆体骨格のトリプシン及び/又はキモトリプシンループをVEGFに結合する変異配列で置換して、変異VEGF−BBPIタンパク質を生成する。幾つかの態様において、この変異BBPIは野生型、あるいはグリシンマックス(Glycine max)(BBI;SEQ ID NO:13)由来大豆インヒビターの骨格又はこの切断形態(SEQ ID NO:185)、ドリコスビフロラス(Dolichos biflorus)(BBdb;SEQ ID NO:449)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3; SEQ ID NO:450)由来大豆インヒビターD−II、トレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451)由来インヒビター、(SEQ ID NO:186)のBBI−AGV骨格、(SEQ ID NO:187)のBBIt−AV骨格、(SEQ ID NO:452)のBBdb−AV骨格、(SEQ ID NO:453)のBBsb3−AV骨格、(SEQ ID NO:454)のBBtc−AV 骨格、(SEQ ID NO:640)のBBIt−VEGK骨格、(SEQ ID NO:641)のBBIt−VEGT骨格、及び(SE ID NO:642)のBBIt−VEGKD骨格から選択される。更に、Prakashら上記に記載のような野生型BBPI前駆体骨格も変異BBPI骨格を用いるために生成される。
幾つかの態様において、変異VEGF変異配列はU.S.Applications Serial Nos.09/832,723及び10/984,270に記載のVEGF−結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的には、ACYNLYGWTC(SEQ ID NO:9)、KYYLYWW(SEQ ID NO:458)、TLWKSYW(SEQ ID NO:459)、DLYWW(SEQ ID NO:460)、SKHSQIT(SEQ ID NO:468)、KTNPSGS(SEQ ID NO:469)RPTGHSL(SEQ ID NO:470)、KHSAKAE(SEQ ID NO:471)、KPSSASS(SEQ ID NO:472)、PVTKRVH(SEQ ID NO:473)、TLHWWVT(SEQ ID NO:492)、PYKASFY(SEQ ID NO:493)、PLRTSHT(SEQ ID NO:494)、EATPROT(SEQ ID NO:495)、NPLHTLS(SEQ ID NO:496)、KHERIWS(SEQ ID NO:497)、ATNPPPM(SEQ ID NO:498)、STTSPNM(SEQ ID NO:499)、ADRSFRY(SEQ ID NO:500)、PKADSKQ(SEQ ID NO:501)、PNQSHLH(SEQ ID NO:502)、SGSETWM(SEQ ID NO:503)、ALSAPYS(SEQ ID NO:504)、KMPTSKV(SEQ ID NO:505)、ITPKRPY(SEQ ID NO:506)、KWIVSET(SEQ ID NO:507)、PNANAPS(SEQ ID NO:508)、NVQSLPL(SEQ ID NO:509)、TLWPTFW(SEQ ID NO:510)、NLWPHFW(SEQ ID NO:511)、 SLWPAFW (SEQ ID NO:512)、SLWPHFW(SEQ ID NO:513)、APWNSHI(SEQ ID NO:514)、APWNLHI(SEQ ID NO:515)、LPSWHLR(SEQ ID NO:516)、PTILEWY(SEQ ID NO:517)、TLYPQFW(SEQ ID NO:518)、HLAPSAV(SEQ ID NO:519)の配列を含む。幾つかの他の態様において、VEGF変異配列はU.S.Application Serial No.11/919,717に記載のVEGF結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的には、KYYLSWW(SEQ ID NO:520)、WYTLYKW(SEQ ID NO:521)、TYRLYWW(SEQ ID NO:522)、RYSLYYW (SEQ ID NO:523)、 YYLYYWK (SEQ ID NO:524)、NYQLYGW(SEQ ID NO:525)、TKWPSYW(SEQ ID NO:226)、TLWKSYW(SEQ ID NO:527)、PLWPSYW(SEQ ID NO:528)、RLWPSYW(SEQ ID NO:529)、TLWPKYW(SEQ ID NO:530)、KYDLYWW(SEQ ID NO;531)、RYDLYWW(SEQ ID NO:532)、DYRLYWW(SEQ ID NO:533)、DYKLYWW(SEQ ID NO:534)、EYKLYWW(SEQ ID NO:535)、及びRYPLYWW(SEQ ID NO:536)のペプチドを含む。
幾つかの態様において、BBPI前駆体骨格のトリプシン及び/又はキモトリプシンループはFGF5と影響しあう変異配列で置換して、変異BBPIタンパク質を生成する。幾つかの態様において、この変異BBPIは野生型又はグリシンマックス(Glycine max)(BBI;SEQ ID NO:13)由来の大豆インヒビターの骨格又はこれらの成熟又は切断形態(SEQ ID NO:185)、ドリコスビフロラス(Dolichos biflorus)(BBdb;SEQ ID NO:449)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3; SEQ ID NO:450)由来大豆インヒビターD−II、トレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451)由来インヒビター、(SEQ ID NO:186)のBBI−AV骨格、(SEQ ID NO:187)のBBIt−AV骨格、(SEQ ID NO:452)のBBdb−AV骨格、(SEQ ID NO:453)のBBsb3−AV骨格、(SEQ ID NO:454)のBBtc−AV骨格、(SEQ ID NO:640)のBBIt−VEGK骨格、(SEQ ID NO:641)のBBIt−VEGT骨格、及び(SE ID NO:642)のBBIt−VEGKD骨格から選択される未修飾変異BBPI前駆体骨格由来である。
幾つかの態様において、このBBPI前駆体骨格のトリプシン及び/又はキモトリプシンループはFGF5と相互作用する変異配列で置換される。幾つかの態様において、このFGF5変異配列はU.S.Application Serial Nos.10/984,410及び12/033,848に記載のFGF5結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的には、CACRTQPYPLCF(MM007;SEQ ID NO:430)、CICTWIDSTPC(PS2;SEQ ID NO:431)、CYGLPFTRC(SEQ ID NO:537)、CEEIWTMLC(SEQ ID NO:538)、CWALTVKTC(SEQ ID NO:539)、CLTVLWTTC(SEQ ID NO:540)、CTLWNRSPC(SEQ ID NO:541)、CHYLLTNYC(SEQ ID NO:542)、CRIHLAHKC(SEQ ID NO:543)、TNIDSTP(SEQ ID NO:544)、HLQTTET(SEQ ID NO:545)、SLNNLTV(SEQ ID NO:546)、TNIDSTP(SEQ ID NO:547)、TNIDSTP(SEQ ID NO:548)、LRILANK(SEQ ID NO:549)、LLTPTLN(SEQ ID NO:550)、ALPTHSN(SEQ ID NO:551)、TNIDSTP(SEQ ID NO:552)、LCRRFEN(SEQ ID NO:553)、TNIDSTP(SEQ ID NO:554)、TNIDSTP(SEQ ID NO:555)、HLQTTET(SEQ ID NO:556)、PLGLCPP(SEQ ID NO:557)、GYFIPSI(SEQ ID NO:558)、TKIDSTP(SEQ ID NO:559)、HLQTTET(SEQ ID NO:560)、WNIDSTP(SEQ ID NO:561)、TWIDWTP(SEQ ID NO:562)、RTQPYPL(SEQ ID NO:670)及びTWIDSTP(SEQ ID NO:671)ペプチドを含む。
幾つかの態様において、このBBPI前駆体骨格のトリプシン及び/又はキモトリプシンループをTGFβで置換して、変異TGF−BBPIを生成する。幾つかの態様において、この変異BBPIは野生型又はグリシンマックス(Glycine max)(BBI;SEQ ID NO:13)由来の大豆インヒビターの骨格又はこれらの成熟又は切断形態(SEQ ID NO:185)、ドリコスビフロス(Dolichos biflorus)(BBdb; SEQ ID NO:449)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3; SEQ ID NO:450)由来大豆インヒビターD−II、トレアセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451)由来インヒビター、(SEQ ID NO:186)のBBI−AV骨格、(SEQ ID NO:187)のBBIt−AV 骨格、(SEQ ID NO:452)のBBdb−AV骨格、(SEQ ID NO:453)のBBsb3−AV骨格、(SEQ ID NO:454)のBBtc−AV骨格、(SEQ ID NO:640)のBBIt−VEGK骨格、(SEQ ID NO:641)のBBIt−VEGT骨格、及び(SE ID NO:642)のBBIt−VEGKD骨格から選択される。更に、任意のPrakash et al.上記に記載の野生型BBPI前駆体骨格も変異BBPI骨格に用いることができる。
幾つかの態様において、BBPI前駆体骨格のトリプシン及び/又はキモトリプシンループはTGFβと影響しあう変異配列で置換される。幾つかの態様において、このTGFβ変異配列はU.S.Application Serial No.10/581,142に記載の結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的には、CLCPENINVLPCN(PEN3;SEQ ID NO:436)、CICKHNVDWLCF(MMO21W; SEQ ID NO:437)、CICWTQHIHNCF(WTQ;SEQ ID NO:438)、CVTTDWIEC(SEQ ID NO:563)、CYYSQFHQC(SEQ ID NO:564)、CPTLWTHMC(SEQ ID NO:565)、QSACIVYYVGRKPKVECASSD(SEQ ID NO:566)、QSACILYYIGKTPKIECASSD(SEQ ID NO:567)、QSACILYYVGRTPKVECASSD(SEQ ID NO:568)、acetyl−LCPENDNVSPCY−cohn2(SEQ ID NO:569)、KHNVRLL(SEQ ID NO:570)、NDTPSYF(SEQ ID NO:571)、AKLYAGS(SEQ ID NO:572)、RGPAHSL(SEQ ID NO:573)、NSLAERR(SEQ ID NO:574)、HPLASPH(SEQ ID NO:575)、QPWNKLK(SEQ ID NO:576)、AWLr/Mipy(SEQ ID NO:577)、PTKPAQQ(SEQ ID NO:578)、PSLNRPQ(SEQ ID NO:579)、HHARQEW(SEQ ID NO:580)、RHHTPGP(SEQ ID NO:581)、ASAINPH(SEQ ID NO:582)、CHGYDRAPC(SEQ ID NO:644)、CFAPADQAC(SEQ ID NO:645)、CIPSRFITC(SEQ ID NO:646)、CHGHTKLAC(SEQ ID NO:647)、CNGKSKLAC(SEQ ID NO:648)、PENINVLP(SEQ ID NO;672)、KHNVDWL(SEQ ID NO:673)及びWTQHIHNC(SEQ ID NO:674)のペプチドを含む。
幾つかの態様において、BBPI前駆体のトリプシン及び/又はキモトリプシンループはTNFαと影響しあう変異配列で置換されて、変異TNF−BBPIを生成する。幾つかの態様において、この変異BBPIは野生型又はグリシンマックス(Glycine max)(BBI; SEQ ID NO:13)由来の大豆インヒビターの骨格又はこれらの成熟又は切断形態(SEQ ID NO:185)、ドリコスビフロス(Dolichos biflorus)BBdb; SEQ ID NO:449)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3; SEQ ID NO:450)由来大豆インヒビターD−II、トレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc; SEQ ID NO:451)由来インヒビター、(SEQ ID NO:186)のBBI−AV骨格、(SEQ ID NO:187)のBBIt−AV 骨格、(SEQ ID NO:452)のBBdb−AV骨格、(SEQ ID NO:453)のBBsb3−AV骨格、(SEQ ID NO:454)のBBtc−AV骨格、(SEQ ID NO:640)のBBIt−VEGK骨格、(SEQ ID NO:641)のBBIt−VEGT骨格、及び(SE ID NO:642)のBBIt−VEGKD 骨格から選択される。更に、任意のPrakash et al.上記に記載の野生型BBPI前駆体骨格も変異BBPI骨格に用いることができる。
幾つかの態様において、このBBPI前駆体骨格のトリプシン及び/又はキモトリプシンループはTNFαに結合する変異配列で置換される。幾つかの態様において、TNFα結合配列はU.S.Application Serial No.10/968,732に記載の結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的には、RYWQDIP(T1;SEQ ID NO:474)、APEPILA(T2;SEQ ID NO:475)、DMIMVSI(T3;SEQ ID NO:476)、WTPKPTQ(SEQ ID NO:583)、ATFPNQS(SEQ ID NO:584)、ASTVGGL(SEQ ID NO:585)、TMLPYRP(SEQ ID NO:586)、AWHSPSV(SEQ ID NO:587)、TQSFSS(SEQ ID NO:588)、THKNTLR(SEQ ID NO:589)、GQTHFHV(SEQ ID NO:590)、LPILTQT(SEQ ID NO:591)、SILPVSH(SEQ ID NO:592)、SQPIPI(SEQ ID NO:593)、及びQPLRKLP(SEQ ID NO:594)ペプチドを含む。
幾つかの態様において、この変異BBPIは修飾変異BBPIのN末端に位置するペプチド挿入を更に含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入は1乃至15アミノ酸の配列を含む。他の態様において、このペプチド挿入は5乃至10アミノ酸の配列を含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入はSEQ ID NO:389(DDEPSKPCCDPDP;SEQ ID NO:389のペプチドを含む。SEQ ID NO:389のペプチド挿入を含む修飾変異BBPIの例としては、(DDEPSKPCCDPDPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:390)の修飾変異4D13BBIt−AV及びSEQ ID NO:413(DPDDEPSKPCCDPDPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:413)修飾変異BBIt−AV−4D13−13I−29P−40K−50T−52Aがある。
幾つかの態様において、変異配列は、ファージディスプレイ法及び他の好適なスクリーニング法を含むがこれらに限定されない、当業者に知られた各種方法で選択される。例えば、ランダムペプチド遺伝子ライブラリーをファージPIIIに融合させて、このファージの表面にペプチドライブラリーが提示されようにする。次いで、このファージディスプレイライブラリーを標的タンパク質に曝し、緩衝液で洗浄して、秘匿的結合を除去する(このプロセスはときどきパニングと呼ばれる)。最後に、結合しているファージとこのペプチドに対するPCRの(で得られた)DNAが単離される。
大部分の態様において、ループの1つは、大部分において3乃至14アミノ酸の長さ、好ましくは5乃至10アミノ酸長さの、変異配列で置換されて変異BBPIを生成する。所望の結合及び/又は抑制を提供する限り、より長い配列が本発明目に用いられる。更に、結合ループの置換に用いるのに好適なペプチドは、制約ループ(即ち、2つのシステイン残基の間のジスルフィド結合の存在により形成されたループ)内に含まれる場合、機能的な構造を導入する。幾つかの特定の態様において、このペプチドは7乃至9アミノ酸長である。他の態様において、変異配列は10アミノ酸長のペプチドである。
5.4修飾変異BBPIタンパク質
5.4.1修飾変異BBPI:シグナルアミノ酸置換
幾つかの態様において、本発明はBBPIの骨格に少なくとも1つのアミノ酸置換を更に含む変異BBPIである、修飾変異BBPIを提供する。従って、幾つかの態様において、修飾変異BBPIは標的配列に結合する変異配列により置換されたトリプシン及び/又はキモトリプシンループを含み、更に置換されたループに、C末端及び/又はN末端で少なくとも1つのアミノ酸置換を含むことにより変性された、変異BBPIである。従って、幾つかの態様において、修飾変異BBPIは、セクション5.4で説明されている、SEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つの位置においてアミノ酸置換を含むものよりもむしろ、トリプシン及び/又はキモトリプシンループが変異ペプチドにより置換されている、セクション5.4で説明する変異BBPIである。
修飾変異BBPIのアミノ酸残基は、もしそれが特定の残基に相同であるなら(即ち、一次構造における位置に対応している)前駆体BBPIの残基位置に等しい。一次構造の相同性を確立するために、前駆体BBPIのアミノ酸配列が一次アミノ酸配列を直接比較し、特に配列が知られているBBPIにおいて保存されていると知られているシステイン残基のセットと比較される。図17は野生型と本明細書で開示する変異前駆体BBPIの間で保存されたシステイン残基を示している。本発明の修飾変異体にBBPIにおいて置換された等しい残基が番号付けされている。
前駆BBPIは自然発生BBPI又は変異BBPIである。特に、そのように修飾変異BBPIは天然には見られないアミノ酸配列を有し、このアミノ酸配列は前駆体BBPIのトリプシン及び/又はキモトリプシンループの置換により、及び別のアミノ酸で前駆体BBPIの少なくとも1つのアミノ酸残基の置換することにより、提供される。幾つかの態様において、少なくとも1つのアミノ酸の置換は未修飾変異前駆体BBPIよりもプロテアーゼ抑制活性が高い修飾変異BBPIを生成する。他の態様において、少なくとも1つのアミノ酸の置換は未修飾変異前駆体BBPIよりもプロテアーゼ抑制活性が高く、且つ生産性の高い修飾変異BBPIを生成する。
従って、修飾変異体にBBPIは本明細書に記載の任意の1つの変異BBPI骨格の主鎖において少なくとも1つのアミノ酸置換により提供される。幾つかの態様において、単離された修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)はBBPI骨格のキモトリプシンループを置換する変異ペプチドを含み、SEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置において置換されたアミノ酸を更に含む。他の態様において、単離され修飾変異体にボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)はBBPI骨格のトリプシンループを置換する変異ペプチドを含み、SEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び5に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置においてアミノ酸置換を更に含む。他の態様において、単離され修飾変異ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター(BBPI)はBBPI骨格のトリプシン及びキモトリプシンループを置換する変異ペプチド及びSEQ ID NO:187の変異BBIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸位置においてアミノ酸置換を含む。幾つかの態様において、BBPI骨格はグリシンマックス(Glycine max)(BBI;SEQ ID NO:13)由来の大豆インヒビターの骨格又はこれらの成熟又は切断形態(SEQ ID NO:185)、ドリコスビフロス(Dolichos biflorus)(BBdb;SEQ ID NO:449)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3;SEQ ID NO:450)由来大豆インヒビターD−II、トレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451)由来インヒビター、(SEQ ID NO:186)のBBI−AV骨格、(SEQ ID NO:187)のBBIt−AV 骨格、(SEQ ID NO:452)のBBdb−AV骨格、(SEQ ID NO:453)のBBsb3−AV骨格、(SEQ ID NO:454)のBBtc−AV骨格、(SEQ ID NO:640)のBBIt−VEGK骨格、(SEQ ID NO:641)のBBIt−VEGT骨格、及び(SE ID NO:642)のBBIt−VEGKD骨格から選択される。幾つかの態様において、修飾変異BBPIに含まれる変異ペプチドはVEGF結合ペプチド、FGF−5結合ペプチド、TGFベータ結合ペプチド、TNFα結合ペプチドから選択される。幾つかの態様において、VEGF結合配列はU.S.Applications Serial Nos.09/832,723及び10/984,270に記載のVEGF結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的にはACYNLYGWTC(SEQ ID NO:9)、KYYLYWW(SEQ ID NO:458)、TLWKSYW(SEQ ID NO:459)、DLYWW(SEQ ID NO:460)、SKHSQIT(SEQ ID NO:468)、KTNPSGS(SEQ ID NO:469)、RPTGHSL(SEQ ID NO:470)、KHSAKAE(SEQ ID NO:471)、KPSSASS(SEQ ID NO:472)、PVTKRVH(SEQ ID NO:473)、TLHWWVT(SEQ ID NO:492)、PYKASFY(SEQ ID NO:493)、PLRTSHT(SEQ ID NO:494)、EATPROT(SEQ ID NO:495)、NPLHTLS(SEQ ID NO:496)、KHERIWS(SEQ ID NO:497)、ATNPPPM(SEQ ID NO:498)、STTSPNM(SEQ ID NO:499)、ADRSFRY(SEQ ID NO:500)、PKADSKQ(SEQ ID NO:501)、PNQSHLH(SEQ ID NO:502)、SGSETWM(SEQ ID NO:503)、ALSAPYS(SEQ ID NO:504)、KMPTSKV(SEQ ID NO:505)、ITPKRPY(SEQ ID NO:506)、KWIVSET(SEQ ID NO:507)、PNANAPS(SEQ ID NO:508)、NVQSLPL(SEQ ID NO:509)、TLWPTFW(SEQ ID NO:510)、NLWPHFW(SEQ ID NO:511)、SLWPAFW(SEQ ID NO:512)、SLWPHFW(SEQ ID NO:513)、APWNSHI(SEQ ID NO:514)、APWNLHI(SEQ ID NO:515)、LPSWHLR(SEQ ID NO:516)、PTILEWY(SEQ ID NO:517)、TLYPQFW(SEQ ID NO:518)、及びHLAPSAV(SEQ ID NO:519)ペプチドを含む。幾つかの態様において、このVEGF変異配列はU.S.Application Serial No.11/919,717に記載のVEGF結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的にはKYYLSWW(SEQ ID NO:520)、WYTLYKW(SEQ ID NO:521)、TYRLYWW(SEQ ID NO:522)、RYSLYYW(SEQ ID NO:523)、YYLYYWK(SEQ ID NO:524)、NYQLYGW(SEQ ID NO:525)、TKWPSYW(SEQ ID NO:226)、TLWKSYW(SEQ ID NO:527)、PLWPSYW(SEQ ID NO:528)、RLWPSYW(SEQ ID NO:529)、TLWPKYW(SEQ ID NO:530)、KYDLYWW(SEQ ID NO;531)、RYDLYWW(SEQ ID NO:532)、DYRLYWW(SEQ ID NO:533)、DYKLYWW(SEQ ID NO:534)、EYKLYWW(SEQ ID NO:535)、及びRYPLYWW(SEQ ID NO:536)ペプチドを含む。
他の態様において、FGF−5結合配列はU.S.Application Serial No.10/984,410及び12/033,848に記載のFGF−5結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的にはCACRTQPYPLCF(MM007;SEQ ID NO:430)、CICTWIDSTPC(PS2;SEQ ID NO:431)、CYGLPFTRC(SEQ ID NO:537)、CEEIWTMLC(SEQ ID NO:538)、CWALTVKTC(SEQ ID NO:539)、CLTVLWTTC(SEQ ID NO:540)、CTLWNRSPC(SEQ ID NO:541)、CHYLLTNYC(SEQ ID NO:542)、CRIHLAHKC(SEQ ID NO:543)、TNIDSTP(SEQ ID NO:544)、HLQTTET(SEQ ID NO:545)、SLNNLTV(SEQ ID NO:546)、TNIDSTP(SEQ ID NO:547)、TNIDSTP(SEQ ID NO:548)、LRILANK(SEQ ID NO:549)、LLTPTLN(SEQ ID NO:550)、ALPTHSN(SEQ ID NO:551)、TNIDSTP(SEQ ID NO:552)、LCRRFEN(SEQ ID NO:553)、TNIDSTP(SEQ ID NO:554)、TNIDSTP(SEQ ID NO:555)、HLQTTET(SEQ ID NO:556)、PLGLCPP(SEQ ID NO:557)、GYFIPSI(SEQ ID NO:558)、TKIDSTP(SEQ ID NO:559)、HLQTTET(SEQ ID NO:560)、WNIDSTP(SEQ ID NO:561)、TWIDWTP(SEQ ID NO:562)、RTQPYPL(SEQ ID NO:670)、及びTWIDSTP(SEQ ID NO:671)ペプチドを含む。
他の態様において、変異ペプチドはTGFβ結合ペプチドであり、U.S.Application Serial No.10/581,142に記載のTGFβを含むがこれらに限定されないTGFβ結合配列から選択される。具体的には、CLCPENINVLPCN(PEN3;SEQ ID NO:436)、CICKHNVDWLCF(MMO21W;SEQ ID NO:437)、CICWTQHIHNCF(WTQ;SEQ ID NO:438)、CVTTDWIEC(SEQ ID NO:563)、CYYSQFHQC(SEQ ID NO:564)、CPTLWTHMC(SEQ ID NO:565)、QSACIVYYVGRKPKVECASSD(SEQ ID NO:566)、QSACILYYIGKTPKIECASSD(SEQ ID NO:567)、QSACILYYVGRTPKVECASSD(SEQ ID NO:568)、acetyl−LCPENDNVSPCY−cohn2(SEQ ID NO:569)、KHNVRLL(SEQ ID NO:570)、NDTPSYF(SEQ ID NO:571)、AKLYAGS(SEQ ID NO:572)、RGPAHSL(SEQ ID NO:573)、NSLAERR(SEQ ID NO:574)、HPLASPH(SEQ ID NO:575)、QPWNKLK(SEQ ID NO:576)、AWLr/Mipy(SEQ ID NO:577)、PTKPAQQ(SEQ ID NO:578)、PSLNRPQ(SEQ ID NO:579)、HHARQEW(SEQ ID NO:580)、RHHTPGP(SEQ ID NO:581)、ASAINPH(SEQ ID NO:582)、CHGYDRAPC(SEQ ID NO:644)、CFAPADQAC(SEQ ID NO:645)、CIPSRFITC(SEQ ID NO:646)、CHGHTKLAC(SEQ ID NO:647)、CNGKSKLAC(SEQ ID NO:648)、PENINVLP(SEQ ID NO;672)、KHNVDWL(SEQ ID NO:673)、及びWTQHIHNC(SEQ ID NO:674)ペプチドを含む。
更なる態様において、変異ペプチドはU.S.Application Serial No.10/968,732に記載のTNF結合ペプチドを含むがこれらに限定されないTNFα結合配列から選択されるTNFα結合ペプチドである。具体的には、RYWQDIP(T1;SEQ ID NO:474)、APEPILA(T2;SEQ ID NO:475)、DMIMVSI(T3;SEQ ID NO:476)、WTPKPTQ(SEQ ID NO:583)、ATFPNQS(SEQ ID NO:584)、ASTVGGL(SEQ ID NO:585)、TMLPYRP(SEQ ID NO:586)、AWHSPSV(SEQ ID NO:587)、TQSFSS(SEQ ID NO:588)、THKNTLR(SEQ ID NO:589)、GQTHFHV(SEQ ID NO:590)、LPILTQT(SEQ ID NO:591)、SILPVSH(SEQ ID NO:592)、SQPIPI(SEQ ID NO:593)、及びQPLRKLP(SEQ ID NO:594)ペプチドを含む。
幾つかの態様において、SEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つの等しい位置における少なくとも1つのアミノ酸置換は以下のアミノ酸置換となる。1つの態様において、SEQ ID NO:187の1位に等しいアミノ酸位置におけるアミノ酸置換はA及びCから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の4位に等しいアミノ酸位置の置ける置換されたアミノ酸はVである。他の態様において、SEQ ID NO:187の5位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はP及びAから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の11位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はGである。他の態様において、SEQ ID NO:187の13位に等しい位置でのアミノ酸位置における置換されたアミノ酸はY、I、F、M、L、V、K、及びRから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の18位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はI、V、及びLを含む。他の態様において、SEQ ID NO:187の25位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はK、N、W、I、A、及びRから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の27位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はR、K、V、A、及びQを含む。他の態様において、SEQ ID NO:187の29位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はR、K、及びPから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の31位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はQ、H、E、A、R、W、K、及びTから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の38位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はN、K、及びRから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の40位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はH、K、Q、R、及びYから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の50位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はR、Q、K、T、V、M、及びSから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の52位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はK、T、R、Q、L、H、A、M、S、及びEから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の55位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はMである。他の態様において、SEQ ID NO:187の65位に等しい位置のアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はE、Q、及びDから選択される。幾つかの態様において、変異BBPIにおいて1つのアミノ酸置換がなされ、前駆体未修飾変異BBPIよりも高いプロテアーゼ抑制活性を有する修飾変異BBPIとなる。幾つかの態様において、1つのアミノ酸置換は未修飾前駆体BBPIよりも高いトリプシン抑制活性(TIA)を有する修飾変異BBPIを生成する。他の態様では、未修飾前駆体BBPIよりも高いキモトリプシン抑制活性(CIA)を有する修飾変異BBPIを生成する。
1つの態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の変異BBIであり(BBIt−AV;図9)、これはキモトリプシンループの変わりにVEGF変異ペプチドを含み、SEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65から選択される少なくとも1つの位置においてアミノ酸置換を含む修飾を更に含んで、修飾変異BBIを生成する。前述の1つのアミノ酸置換及びSEQ ID NO:187の変異BBIt−AVBBPIにおいてなされたアミノ酸置換は未修飾前駆体変異BBIt−AV(SEQ ID NO:187;実施例10参照)よりも高いトリプシン抑制活性を有する修飾変異BBIt−AVを生成する。
5.4.2修飾変異BBPI:アミノ酸置換の組み合わせ
本発明は少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10この、少なくとも11この、少なくとも12この、少なくとも13個の、少なくとも14この、少なくとも15個の、及び少なくとも16個のアミノ酸置換を含む修飾変異BBPIを含む。幾つかの態様において、少なくとも2つの、少なくとも3つの少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10個の、少なくとも11個の、少なくとも12個の、少なくとも13個の、少なくとも14個の、少なくとも15個の、及び少なくとも16個のアミノ酸置換は未修飾前駆体変異BBPIよりも高いTIAを有する修飾変異BBPIを生成する。他の態様において、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つのアミノ酸置換は未修飾変異体BBPIよりも高いTIA及び生産性を有する修飾変異BBPIを生成する。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の50位及び52位に等しい位置での2つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、2つのアミノ酸置換の組み合わせは50T−52Aである。本発明はセクション5.3に記載の変異BBPI骨格のいずれか1つと更にセクション5.4に記載の2つのアミノ酸置換の組み合わせ、50T−52A、を更に含む変異BBPIを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループは、VGF変異ペプチド、例えば、SEQ ID NO:9であり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、50、及び52位に等しい位置での3つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異骨格で、修飾変異BBPI骨格を生成する。他の態様において、2つのアミノ酸置換の組み合わせを含む、修飾変異BBPIは修飾変異BBIt−AV−F50T−V52AはSEQ ID NO:595(DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:595)である。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、50、及び52位に等しい位置における3つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、3つのアミノ酸置換間の組み合わせは25−50−52、29−50−52、40−50−52、及び13−50−52における置換の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、3つのアミノ酸置換の組み合わせは25L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52A、及び13I−50T−52Aから選択される。本発明はセクション5.3で説明され、更にセクション5.4で説明するような25L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52A、及び13I−50T−52Aから選択される3つのアミノ酸置換の組み合わせを含む、変異BBPI骨格の任意の1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはVRGF変異ペプチド、例えば、SEQ ID NO:9であり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、50、及び52位に等しい位置での3つのアミノ酸置換の組み合わせを含み、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、3つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIは、SEQ ID NO:603(DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCLDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:603)の修飾変異BBIt−Av、SEQ ID NO:607(DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCACYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:607)の修飾変異BBIt−AV−L29P−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:609(DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:609)の修飾変異BBIt−AV−A40K−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置で4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、この4つのアミノ酸置換の組み合わせは3−25−50−52、13−29−50−52、25−29−50−52、13−40−50−52、25−40−50−52、及び29−40−50−52における置換の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせは3I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、25L−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、25L−40K−50T−52A、及び29P−40K−50T−52Aから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、更にセクション5.4に記載のような13I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、25L−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、25L−40K−50T−52A、及び29P−40K−50T−52Aから選択される4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置における4つのアミノ酸置換の組み合わせを含み、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:596(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCLDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:596)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−F50T−V52A、SEQ ID NO:600(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCACYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:600)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:602(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:602)の修飾変異BBIt−AV−A13I−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:604(DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCLDMRPNSCHSACKSCACYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:604)の修飾変異BBIt−AV−S25L−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:606(DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCLDMRLNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:606)の修飾変異BBIt−AV−S25L−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:608(DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:608)の修飾変異BBIt−AV−L29P−A40K−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:643(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCKDMRPNSCHSACKSCICKYDLYWWCFCKDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:643)の修飾変異BBIt−VEGKD−A13I−S25K−L29P−V52Kから選択される。他の態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ DI NOS:430及び431から選択されるFGF5変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52に等しい位置における4つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含むように修飾して、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:432の修飾変異BBIt−MM007−Q−A13I−L29P−F50T−V52A及びSEQ ID NO:434の修飾変異BBIt−FGFps2−Q−A13I−L29P−F50T−V52から選択される。他の態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGFβ変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52に等しい位置における4つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾へBBPIはSEQ ID NO:443の修飾変異BBIt−PEN3−Q−A13I−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:445の修飾変異BBIt−MM021W−Q−A13I−L29P−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:447の修飾変異BBIt−WTQ−Q−A13I−L29P−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、29、40、50、及び52位に等しい入りにおいて5つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−50−52、13−29−40−50−52、13−25−40−50−52、25−29−40−50−52、及び13−29−40−50−52の位置における置換の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−29P−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、25L−29P−40K−50T−52A、13L−29P−40K−50T−52A、13I−29K−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A、及び13I−29P−40K−50T−52Tから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、更にセクション5.4に記載の13I−25L−29P−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、13L−29P−40K−50T−52A、13I−29K−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A、及び13I−29P−40K−50T−52Tから選択される5つのアミノ酸置換の組み合わせを含む変異BBPIの任意の1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:18の13、29、40、50、及び52位に等しい位置における5つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含むように修飾されて、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾へBBPIはSEQ ID NO:597(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCLDMRPNSCHSACKSCACYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:597)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:599(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCLDMRLNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:599)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:601(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:601)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:605(DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCLDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:605)の修飾変異BBIt−AV−S25L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:615(DPDDESSKPCCDQCLCTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:615)の修飾変異BBIt−AV−A13L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:620(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRKNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:620)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29K−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:624(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCKCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:624)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50K−V52A、及びSEQ ID NO:625(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:625)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52Tから選択される。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、25、29、40、50、及び52位に等しい位置において6つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、この6つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−40−50−52、1−13−29−40−50−52、4−13−29−40−50−52、5−13−29−40−50−52、11−13−29−40−50−52、13−25−29−40−50−52、13−27−29−40−50−52、13−29−31−40−50−52、13−29−31−40−50−52、13−29−38−40−50−52、及び13−29−38−40−50−52の位置の置換の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、6つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−29P−40K−50T−52A、1C−13I−29P−40K−50T−52A、4V−13I−29P−40K−50T−52A、5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、及び13I−29P−38N−40K−50T−52Aから選択される。本発明はセクション5.3に記載されており、更にセクション5.4で説明する13I−25L−29P−40K−50T−52A、1C−13I−29P−40K−50T−52A、4V−13I−29P−40K−50T−52A、5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、及び13I−29P−38N−40K−50T−52Aから選択される6つのアミノ酸置換の組み合わせを含む変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、この変異骨格はSEQ ID NO:187の13、25、29、40、50、及び52位に等しい位置において6つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、6つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:598(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCLDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:598)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:611(DPDDEVSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:611)の修飾変異BBIt−AV−D1C−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:612(DPDDEVSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:612)の修飾変異BBIt−AV−S4V−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:613(DPDDESPKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:613)の修飾変異BBIt−AV−S5P−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:614(DPDDESSKPCCDGCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:614)の修飾変異BBIt−AV−Q11G−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:616(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:616)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:619(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDRRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:619)の修飾変異BBIt−AV−A13I−M27R−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:621(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNACHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:621)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S31A−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:622(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNRCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:622)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S31R−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:623(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKNCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:623)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S38N−A40K−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:626(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPEE;SEQ ID NO:626)の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S38N−A40K−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、25、9、31、40、50、及び52位に等しいアミノ酸位置において7つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、7つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−31−40−50−52、13−25−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、及び13−25−27−29−31−50−52から選択される。幾つかの態様において、7つのアミノ酸置換の組み合わせは13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、及び13I−25R−27A−29P−31A−50K−52Tから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、更にセクション5.4に記載の13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、及び13I−25R−27A−29P−31A−50K−52Tから選択される7つのアミノ酸置換の組み合わせを含む変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGFゲオバチルスペプチドであり、この変異骨格をSEQ ID NO:187の13、25、29、31、40、50、及び52位に等しい位置において7つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾して、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、7つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:617(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDMRPNACHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:617)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−S31A−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:618(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDMRPNRCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE; SEQ ID NO:618)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−S31R−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:491(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACSKHSQITCKCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:491)の修飾変異BBIt−VEGF−V1−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:632(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKTNPSGSCKCTDITDFCYEPCKPSE:SEQ ID NO:632)の修飾変異BBIt−VEGF−V2−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:633(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACRPTGHSLCKCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:633)の修飾変異BBIt−VEGF−V3−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:634(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKHSAKAECKCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:634)の修飾変異BBIt−VEGF−V4−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:635(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKPSSASSCKCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:635)の修飾変異BBIt−VEGF−V5−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:636(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACPVTKRVHCKCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:636)の修飾変異BBIt−VEGF−V6−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:637(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACRYWQDIPCKCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:637)の修飾変異BBIt−TNFα−T1−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:638(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACAPEPILACKCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:638)の修飾変異BBIt−TNFα−T2−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、及びSEQ ID NO:639(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCKDQRPNECHSACKSCHCYNLYGWTCRCQDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:639)の修飾変異BBIt−TNFα−T3−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52Tから選択される。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の3、25、27、29、31、40、50、及び52位に等しい位置で8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、及び13−25−27−29−31−40−50−52の位置の置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、及び13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Qから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、更にセクション5.4に記載の3I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、及び13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Qの組み合わせから選択される8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格をSEQ ID NO:187の13、25、27、29、31、40、50、及び52位に等しい位置で8つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾して、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIは、SEQ ID NO:627(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCHCYNLYGWTCKCTDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:627;KT8)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−A40H−F50K−V52T、SEQ ID NO:628(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCKDARRNECHSACKSCKCYNLYGWTCQCQDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:628;QQ8)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31E−A40K−F50Q−V52Q、SEQ ID NO:629の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27R−L29E−S31A−A40H−F50R−V52K(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCKDRRENACHSACKSCHCYNLYGWTCRCKDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:629;RK8)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27R−L29E−S31A−A40H−F50R−V52K、SEQ ID NO:630(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCKDARRNACHSACKSCHCYNLYGWTCRCLDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:630;RL8)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31A−A40H−F50R−V52L、及びSEQ ID NO:631(DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCKDQRPNECHSACKSCHCYNLYGWTCRCQDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:631;RQ8)の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27Q−L29P−S31E−A40H−F50R−V52Qから選択される。
本発明は前述のアミノ酸置換の組み合わせのいずれかを含み、未修飾前駆体BBPIよりもプロテアーゼ抑制活性が高い修飾変異BBPIを更に提供する。幾つかの態様において、対応する前駆体未修飾BBPIのキモトリプシンループの代わりに変異体ペプチドを含む修飾変異BBPIは前駆体未修飾BBPI骨格よりも高いトリプシン抑制活性(TIA)を有する。他の態様において、対応する前駆体未修飾BBPIのキモトリプシンループの代わりに変異体ペプチドを含む修飾変異BBPIは前駆体未修飾BBPI骨格よりも高いトリプシン抑制活性(TIA)を有する。
実施例で示すように、変異BBPIの主鎖における少なくとも1つのアミノ酸の置換は未修飾変異BBPIよりも高い生産性を有する修飾変異BBPIを生成する。幾つかの態様において、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのアミノ酸置換の組み合わせを含むBBPIは未修飾前駆体BBPIよりも高い生産性を有する。従って、本発明は前述のいずれかのアミノ酸置換の組み合わせを含み、未修飾前駆体BBPIよりも高い生産性(PY)を有する修飾変異BBPIを提供する。更なる他の態様において、本発明は前述のいずれかのアミノ酸置換の組み合わせを含み、未修飾前駆体BBPIのトリプシン抑制活性及び生産性よりも高いTIA及びPYを有する修飾変異BBPIを提供する。
幾つかの態様において、この修飾変異BBPIは更に修飾変異BBPIのN末端に位置するペプチド挿入を含む。幾つかの態様において、ペプチド挿入は更に1乃至15アミノ酸の間の配列を含む。他の態様において、このペプチド挿入は5乃至10アミノ酸の間の配列を含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入はSEQ ID NO:389(DDEPSKPCCDPDP;SEQ ID NO:389)のペプチドを含む。SEQ ID NO:389のペプチド挿入を含む修飾変異BBPIの例は(DDEPSKPCCDPDPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:390)及びSEQ ID NO: 413の修飾変異BBIt−AV−4D13−13I−29P−40K−50T−52A(DPDDEPSKPCCDPDPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:413)の修飾変異4D13BBIt−AVである。
5.4.3BBPI融合タンパク質
幾つかの態様において、それぞれの修飾変異BBPIは触媒℃メイン、切断部位、及びBBPI骨格を含む融合タンパク質として発現される。この触媒ドメインはセルラーゼ、クチナーゼ、及びジスルフィドイソメラーゼから選択される。幾つかの態様において、BBPI融合タンパク質に含まれる触媒ドメインはSEQ ID NO:669
DDYSVVEEHGQLSISNGELVNERGEQVQLKGMSSHGLQWYGQFVNYESMKWLRDDWGITVFRAAMYTSSGGYIDDPSVKEKVKETVEAAIDLGIYVIIDWHILSDNDPNIYKEEAKDFFDEMSELYGDYPNVIYEIANEPNGSDVTWDNQIKPYAEEVIPVIRDNDPNNIVIVGTGTWSQDVHHAADNQLADPNVMYAFHFYAGTHGQNLRDQVDYALDQGAAIFVSEWGTSAATGDGGVFLDEAQVWIDFMDERNLSWANWSLTHKDESSAALMPGANPTGGWTEAELSPSGTFVREKIRESAS(SEQ ID NO:669)のセルラーゼ触媒ドメインである。
この融合タンパク質はプロテアーゼ又は酸/熱により処理されて、修飾変異BBPIを有利する。幾つかの態様において、この融合タンパク質は更に少なくとも1つのリンカー配列を含む。幾つかの態様において、このリンカー配列はSEQ ID NOS:141−143からなる群より選択される。融合タンパク質を切断して修飾変異BBPIを放出することはしばしば有効であるが、必須ではない。融合タンパク質として発現され及び分泌された修飾変異BBPIは、驚くべきことにそれらの機能を維持している。
修飾変異BBPI融合タンパク質は融合ポリヌクレオチド配列から宿主バクテリア細胞によりそれぞれ発現される。そのような融合ポリヌクレオチド配列は5’末端から3’末端への適したリーディングフレームにおいて、第一、第二、第三、及び第四ポリヌクレオチド配列の順に構築される。そのように構築されると、このポリヌクレオチド配列は、そのアミノ末端から、1.バクテリア種における分泌配列機能するシグナルペプチド、2.分泌されたポリペプチド又はバクテリア種から通常分泌されるタンパク質、例えば、セルラーゼ又はそのタンパク質、3.切断可能なリンカーペプチド、及び4.所望のポリペプチド(例えば、修飾変異BBPI)をコードする「融合ポリペプチド」をコードする。幾つかの態様において、前述の融合ポリヌクレオチド配列は更に、融合タンパク質の第一及び第二配列の間に、スペーサーとして機能するプロペプチドのタンパク質をコードしているポリヌクレオチドを含む。スペーサーの機能は第一及び第二ポリペプチドの間の距離を大きくすることである。幾つかの態様において、スペーサー配列は1乃至10アミノ酸長である。他の態様において、前述の融合ポリヌクレオチド配列は更にリンカーペプチド及び修飾変異BBPIの間にペプチド挿入コードするポリヌクレオチドを含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入は1乃至15アミノ酸の配列を含む。他の態様において、このペプチド挿入は5乃至10アミノ酸の間の配列を含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入はSEQ ID NO:389のペプチドを含む。
融合タンパク質の生産のための各種方法は当業者に知られている。(例えば、US Patents 5,411,873、5,429,950、及び5,679,543参照。これらの文献を参照により本明細書に援用する。)従って、任意の好適な方法が本発明に用いられる。
5.5ボウマンブリックプロテアーゼインヒビターポリヌクレオチド
本発明発明は融合タンパク質の生成に依存しているので、遺伝子組み換えの分野の一般的な技術を依存している。本発明において用いる一般的な方法を開示している基本的なテキストはSambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual((2nd ed.)[1989]);Kriegler,Gene Transfer and Expression、A Laboratory Manual (1990);及びAusubel et al.,(eds.),Current Protocols in Molecular Biology(1994)を含む。
本発明は修飾変異BBPIの発現を可能にする、ポリヌクレオチド構築体、ベクター、及び宿主細胞を含む挿入を提供する。本発明のポリヌクレオチド構築体はプロモーター配列及び修飾変異BBPIを含む融合タンパク質をコードする融合ポリマーヌクレオチド配列を含む。前述のように、融合ポリヌクレオチド配列は触媒ドメイン、切断部位、及びBBPI骨格を含む。BBPIをコードしている天然又は合成ポリヌクレオチドフラグメントがこのポリヌクレオチド構築体に取り込まれる。変異BBPIへ導入される即ち、1つのアミノ酸置換は少なくとも1つのコドンにおける部位変異誘発のより生成される。他の態様において、少なくとも1つのアミノ酸置換はコード配列を含み、アニールされプロテアーゼ抑DNA配列に結合される、コード配列を含むDNAオリグヌクレオチドによりコードされる。所望のDNA配列がその後単離され本発明の方法に用いられる。
幾つかの態様において、本発明のポリヌクレオチド構築体は未修飾前駆体変異BBPIのアミノ酸配列に対して、少なくとも65%のアミノ酸配列同一性、少なくとも70%のアミノ酸配列同一性、少なくとも75%のアミノ酸配列同一性、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性、少なくとも85%のアミノ酸配列同一性、少なくとも90%のアミノ酸配列同一性、少なくとも92%のアミノ酸配列同一性、少なくとも95%のアミノ酸配列同一性、少なくとも97%のアミノ酸配列同一性、少なくとも98%のアミノ酸配列同一性、少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し、未修飾前駆体変異BBPIよりも高いプロテアーゼ抑制活性を有する。本発明発明は更に、前述のアミノ酸置換の任意の1つの組み合わせを含み、より高いプロテアーゼ抑制活性、例えば、トリプシン抑制活性を有する修飾変異BBPIをコードしているポリヌクレオチドを提供し、そして、修飾前駆体変異BBPIを提供する。
幾つかの態様において、本発明のポリヌクレオチド構築体は用いる宿主細胞において修飾変異BBPIの発現を最適化するコドンである、ポリヌクレオチド配列を含む。多くの細胞において各コドンの使用を列挙しているコドン使用テーブルは当業者に知られており(例えば、Nakamura et al.,Nucl.Acids Res.,28:292[2000]参照)、容易に利用可能であるので、発現されるべきタンパク質のアミノ酸配列を用いて、そのような核酸配列は容易に設計することができる。
本発明は構造的及び/又は機能的類似性により関連づけられる修飾変異BBPIタンパク質をコードしているコード配列を含むポリヌクレオチド構築体も含む。幾つかの態様において、修飾変異BBPIは異なる属及び/又は種に属する自然発生BBPI由来である。幾つかの態様において、関連するタンパク質は同じ種由来である。即ち、本発明を特定の源由来の関連タンパク質に限定することは意図していない。更に、「関連タンパク質」の語は、三次構造類事体及び一時構造類事態を包含する。例えば、本発明はPrakash et al.(J mol Evol 42:560−569[1996])に記載のようなBBPIタンパク質の類似体を含むがこれらに限定されない類自体を包含する。
幾つかの態様において、本発明のポリヌクレオチド構築体に含まれるプロモーター配列はBBPIコーディングポリヌクレオチドに作動可能に結合している。例示的なプロモーター構成的プロモーター及び誘発プロモーターの両方を含む。そのようなプロモーターは当業者に知られている。天然プロモーターの1つ以上のヌクレオチドを置き換え、置換、追加、又は排除して、機能を失わずに欠失できることを理解している。本発明の実施はプロモーターのそのような変更を包含し、そのような変更により影響を受けない。遺伝子構築体に用いるプロモーターの選択はこの分野の当業者の知識の範囲内である。
幾つかの態様において、プロモーター配列はバクテリア源から得られる。幾つかの態様において、プロモーター配列はバチルス属(Bacillus)(例えば、バチルスアルガロフィリス(Bacillus alkalophilus)、バチルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルスブレビス(Bacillus brevis)、バチルスサーキュランス(Bacillus circulans)、バチルスクラウジ(Bacillus clausii)、バチルスコアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルスファームス(Bacillus firmus)、バチルスレンタス(Bacillus lautus)、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルスメガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルスプミルス(Bacillus pumilus)、バチルスステアロセレモフィリス(Bacillus stearothermophilus)、バチルススブチリス(Bacillus subtilis)、又はバチルスツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis));又はストレプトマイセス(Streptomyces)属(例えば、ストレプトマイセスリビダンス(Streptomyces lividans)又はすストレプトマイセスミュリナス(Streptomyces murinus))等のグラム陽性バクテリア、又はグラム陰性バクテリア(例えば、E.coli又はシュードモナス属(Pseudomonas sp.))から選択される。
プロモーターは選択された宿主細胞において転写活性を有するDNA配列でよく、宿主細胞の相同体又は異性体である遺伝子由来でもよい。バクテリア宿主細胞中で修飾変異BBPIの発現に用いることができる好適なプロモーターの例はE.coliのlacオペロンプロモーター、ステアロセレモフィリスコエリコラ(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子、dagAプロモーター、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)αアミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモーター、バチルススブチリス(Bacillus subtilis)のaprEプロモーター、バチルスステアロセレモフィリス(Bacillus stearothermophilus)マルトジェニックアミラーゼ遺伝子(amyM)のプロモーター、バチルスアミロリケファシエンス(Bacillus amyloliqu efaciens)αアミラーゼ遺伝子(amyQ)のプロモーター、バチルススブチリス(Bacillus subtilis)xylA 及び xylB遺伝子のプロモーター、及びPl70プロモーターを含むラクトコッカス種(Lactococcus sp.)由来プロモーターを含むがこれらに限定されない。遺伝子をコードしている化合物がE.coliのようなバクテリア種中で発現される場合、例えば、T7プロモーター及びファージラムダプロモーターを含むバクテリオファージプロモーターのような、好適なプロモーターが選択される。糸状菌における転写のための、有用なプロモーターの例は、アスペルギルスオリザエ(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼ、リゾムコールミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギルスニガー(A.niger)中性αアミラーゼ、アスペルギルスニガー(A.niger)酸安定αアミラーゼ、アスペルギルスニガー(A.niger)グルコアミラーゼ、リゾムコールミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、アスペルギルスオリザエ(A.oryzae)アルカリプロテアーゼ、アスペルギルスオリザエ(A.oryzae)リン酸トリオースイソメラーゼ(triose phosphate isomerase、及びアスペルギルスニヂュランス(A.nidulans)アセトアミダーゼをコードしている遺伝子由来のものである。酵母中での発現に好適なプロモーターの例は、サッカロマイセスセレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)のGal1及びGal10、及びピチアパストリス(Pichia pastoris)AOX1又はAOX2プロモーターである。
本発明は対応する野生型プロモーターの活性と比較したときに高いプロモーターの活性を示すように修飾され、修飾変異BBPIタンパク質の発現するプロモーター配列も含む。従って、バチルススブチリス(B.subtilis)AprEプロモーターを定義する配列の変異体が本発明構築体に用いられることが理解される。バチルス属(Bacillus sp.)中でプロモーター配列変異体を生成する方法は当業者に知られている(例えば、Helmann et al.,2002. RNA polymerase and sigma factors,pp289−312 In A.L.Sonenshein,J.A.Hoch and R.Losick (ed),Bacillus subtilis and its closest relatives:from genes to cells. American Society for Microbiology,Washington,D.C.参照)。当業者に知られている任意の好適なプロモーターを本発明に用いることができるので、本発明を特定のプロモーターに限定することは意図しない。
幾つかの態様において、プロモーター配列に加えて、ポリヌクレオチド構築体も構造遺伝子の転写停止領域下流も含み、効果的な転写を提供する。幾つかの態様において、この停止領域はプロモーター配列と同じ遺伝子から得られる。他の態様では、他の遺伝子から得られる。好適な転写停止シグナルの選択は当業者に知られている。
5.6ボウマンブリックプロテアーゼインヒビターベクター
本発明は本発明のポリヌクレオチド構築体を含むベクターを提供する。このベクターを宿主細胞へ導入して本発明の修飾変異BBPIタンパク質を発現する。導入された宿主細胞中で複成され視認される限り、任意のベクターを用いることができる。数多くの好適なベクター及びプロモーターが当業者に知られおり、市場で入手可能である。好適なクローニング及び発現ベクターは当業者に知られている各種文献にも記載されている。(例えば、上記Sambrook et al.(上記)及びAusubel et al参照。これらの文献を参照により本明細書に援用する。)好適なBBPIコードDNA配列をプラスミド又はベクター(便宜的にこれらをまとめて「ベクター」と言う)に、任意の好適な手段で導入する。一般的に、DNA配列はこの分野の当業者に知られている標準的な手順により好適な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。
好適なベクターは核酸配列、挿入部位、及び停止領域等の好適な制御エレメントをコードしている選択可能マーカーを通常含む。幾つかの態様において、このベクターは例えば、コード配列に作動可能に結合し、宿主細胞中のコード配列の発現を効果的にするため(及び/又はベクター又は宿主細胞環境中で、修飾可溶化タンパク質コード配列が通常発現されないため)の制御エレメント、(即ち、プロモーター及びターミネーターエレメント又は5’及び/又は3’未翻訳領域)を含む調節配列を含む。数多くの好適なベクター及びプロモーターが当業者に知られており、多くのものは市場で入手可能である。選択可能マーカーの選択は宿主細胞に依存する。異なる宿主細胞に対する公的なマーカーは当業者に知られている。典型的な選択可能マーカー遺伝子は、(a)抗生物質又は他の毒性(例えば、アンピシリン、メトトレキサート、テトラサイクリン、ネオマイシン、ミコフェノール酸、ピューロマイシン、ゼオマイシン、又はハイグロマイシン)に対する耐性を付与し、又は(b)宿主細胞中の栄養要求性変異又は天然の栄養結合を補うタンパク質をコードする。
幾つかの態様において、融合BBPIポリペプチドの発現は、宿主細胞中に導入されたマルチコピー/置換プラスミド上に存在しているポリヌクレオチドをコードしている対応する融合ポリペプチドの1つ以上のコピーの発現に起因している。幾つかの態様において、ベクターは宿主細胞中の融合BBPIタンパク質を発現している染色体外自己複製遺伝エレメントを形成するマルチコピー/複成プラスミドベクターである。通常、このベクターはプラスミドを含む宿主細胞の選択を容易ならしめるための、選択マーカー遺伝子を運ぶ、プラスミドベクターである。宿主細胞中で自律的複成するベクターはバチルス細胞中でベクターを自律的に複成させることができる複製の起源を含むベクターを含む。複製のバクテリア起源の例としては、E.coliにおいて複成させることができるプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177、及びpACYC184の複成の起源、及びバチルス中で複成できるpUB110、pC194、pE194、pTA1060、及びpAMβ1がある。複成の起源はバチルス細胞中で機能温度感受性を付与する変異を有するものである(例えば、Ehrlich,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:1433[1978]参照)。本発明に用いることができる追加的なバクテリア発現ベクターはバクテリオファージλ及びM13、並びにMBP、GST、及びLaZとして融合発現システムを含む。更なる態様において、エピトープタグは組換えタンパク質に加えて、単離の従来技術を提供する(例えば、c−myc)。
幾つかの態様において、BBPI融合タンパク質の発現は宿主細胞のゲノムへ組み込まれたBBPI融合コードポリヌクレオチドの即ち、1つのコピーの発現に起因する。従って、幾つかの態様において、本発明はインテグレーティングベクターに取り込まれるポリヌクレオチド構築体をコードしているBBPIを提供する。従って、ベクターが宿主細胞へくみこまれた場合、これはゲノムへ取り込まれ、統合されるゲノムと一緒に複成される。BBPI遺伝子の複数のコピーが宿主細胞のゲノムの複数の位置で組み込まれる。代替的に、BBPI融合タンパク質及び選択マーカー(例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードしている遺伝子等の抗生物質耐性マーカー)をコードしている配列を運ぶ増幅可能な発現カセットは一部位交叉イベントを介してゲノム中に取り込むことができ、その後好適な抗生物質(例えば、クロラムフェニコール)の濃度を高めて形質転換された宿主細胞に適用する。
5.7ボウマンブリックプロテアーゼインヒビター宿主細胞
1つの態様において、本発明は修飾変異BBPIをコードしているポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。発現ベクターが宿主細胞に導入された後、形質転換された宿主細胞を所望のBBPI融合タンパク質をコードしている遺伝子の発現に適した条件下で培養する。形質転換された細胞の大量バッチは前述のように培養することができる。最終的に、生成物は当業者に既知の技術を用いて培地から単離される。
プラスミド構築体を含む細胞をバチルス細胞へDNAを導入し、バクテリア宿主細胞へプラスミドを形質転換する方法は良く知られている。幾つかの態様において、このプラスミドは次いで大腸菌から単離され、バチルスへ形質転換される。しかしながら、E.coliのような介在微生物を用いることは必須ではない。幾つかの態様において、DNA構築体又はベクターはバチルス宿主細胞に直接導入される。当業者はバチルス細胞へポリヌクレオチド配列を導入する方法を良く知っている。(例えば、Ferrari et al.、“Genetics,”in Harwood et al.(ed.)、Bacillus、Plenum Publishing Corp.[1989],pages 57−72;Saunders et al.,J.Bacteriol.,157:718−726[1984];Hoch et al.,J.Bacteriol.,93:1925−1937 [1967];Mann et al.,Current Microbiol.,13:131−135 [1986];及びHolubova、Folia Microbiol.,30:97[1985];Chang et al.,Mol.Gen.Genet.,168:11−115[1979];Vorobjeva et al.,FEMS Microbiol.Lett.,7:261−263[1980];Smith et al.,Appl.Env.Microbiol.,51:634[1986];Fisher et al.,Arch.Microbiol.,139:213−217[1981];及びMcDonald,J.Gen.Microbiol.,130:203[1984]参照。)即ち、プロトプラスト形質転換及びコングレッション、形質感染、及びプロトプラスト融合を含む形質転換としてそのような方法は知られており、本発明に適している。形質転換の方法は、宿主細胞へ本発明により提供されるDNA構築体を導入するのに特に好ましい。
一般的に用いられている方法に加えて、幾つかの態様において、宿主細胞は直接形質転換される(即ち、DNA構築体を宿主細胞へ導入する前に、介在細胞を用いて、増幅又は他の処理をしない)。宿主細胞へのDNA構築体の導入はプラスミド又はベクターへ挿入しないで、宿主細胞へDNAを導入するために当業者に知られている物理的及び化学的方法を含む。そのような方法はエレクトロポレーション、ネイキッドDNA又はリポソームの挿入等を含むがこれらに限定されない。追加的な態様において、プラスミドへの挿入をしないで、DNA構築体はプラスミドで共形質転換をされる。更なる態様において、選択マーカーは既知の方法で変性されたバチルス株から欠失される。(Stahl et al.,J. Bacteriol.,158:411−418[1984];及びPalmeros et al.,Gene 247:255−264[2000]参照。)
バチルスを形質転換するために知られている方法は、部分的に相同なレジデントプラスミドを運ぶ適合細胞によるドナープラスミドの取り込むを含む、プラスミドマーカーレスキュー形質転換のような方法を含む(Contente et al.,Plasmid 2:555−571[1979];Haima et al.,Mol.Gen.Genet.,223:185−191[1990];Weinrauch et al.,J.Bacteriol.,154:1077−1087[1983];及びWeinrauch et al.,J.Bacteriol.,169:1205−1211[1987])。この方法において、外来ドナープラスミドは染色体形質転換に似たプロセスにおいてレジデント「ヘルパー」プラスミドの相同領域で組み換える。
プロとプラスト形質転換による形質転換に含まれる他の方法は当業者に知られている。(例えば、Chang and Cohen,Mol.Gen.Genet.,168:111−115[1979];Vorobjeva et al.,FEMS Microbiol.Lett.,7:261−263[1980];Smith et al.,Appl.Env. Microbiol.,51:634[1986];Fisher et al.,Arch. Microbiol.,139:213−217[1981];McDonald[1984]J. Gen.Microbiol.,130:203[1984];and Bakhiet et al.,49:577[1985]参照)。更に、Mann et al.,(Mann et al.,Curr.Microbiol.,13:131−135[1986])はバチルスプロトプラストの形質転換を開示し、Holubova(Holubova,Microbiol.,30:97[1985])はDNA含有リポソームを用いてプロトプラストへDNAを導入するための方法を開示する。幾つかの態様において、マーカー遺伝子は所望の遺伝子が宿主細胞中に存在するかしないかの指標として用いられる。幾つかの態様において、本発明のベクター中に含まれるBBPI融合ポリマーヌクレオチド配列はSEQ ID NO:195のBBPI融合タンパク質をコードする。これら方法に加えて、他の態様において、宿主細胞を直接形質転換する。「直接的形質転換」において、宿主細胞(即ち、バチルス細胞)に導入する前に修飾ポリヌクレオチドを増幅又は他の処理をするために、介在細胞を用いない。宿主細胞への修飾ポリヌクレオチドの導入はプラスミドマスカラベクターへの挿入をしないで、宿主細胞へ修飾ポリヌクレオチドを導入するために本分野で知られている物理的及び化学的方法を含む。そのような方法はコンピテント細胞の使用のほかに、塩化カルシウム沈降、エレクトロポレーション等のDNAを細胞へ導入するための「人工的手段」の使用を含むがこれらに限定されない。従って、本発明はネイキッドDNA及びリポソーム等を用いることもできる。好適な宿主細胞有機体の例としては、バチラセアエ(Bacillaceae)(例えば、バチルススブチリス(B.subtilis)、バチルスリケニフォルsミス(B.licheniformis)、バチルスレンタス(B.lentus)、バチルスブレビス(B.brevis)、バチルスステアロセレモフィリス(B.stearothermophilus)、バチルスアルカロフィリス(B.alkalophilus)、バチルスアミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、バチルスクラウシ(B.clausii)、バチルスハロヂュランス(B.halodurans)、バチルスコアギュランス(B.coagulans)、バチルスサーキュランス(B.circulans)、バチルスレンタス(B.lautus)、バチルスメガテリウム(B.megaterium)、及びバチルスツリンギエンシス(B.thuringiensis))、ストレプトマイセス(Streptomyces)属(例えば、ストレプトマイセス(S.murinus)、及びストレプトマイセスリビダンス(S.lividans))、酪酸バクテリア(例えば、ラクトコッカスラクティス(Lactococcus lactis)等のラクトコッカス株(Lactococcus spp.);ラクトバチルスレウテリ(Lactobacillus reuteri)を含むラクトバチルス株Lactobacillus spp.);レウコノストック株(Leuconostoc spp.);ペディオコッカス株(Pediococcus spp.);及びストプレプトコッカス(Streptococcus spp)のバチルス株のメンバーを含むがこれらに限定されない。代替的に、エンテロバクター(Enterobacteriaceae)(例えば、E.coli)又はシュードモナス(Pseudomonadaceae)に属するグラム陰性株も本発明に用いることができる。
幾つかの態様において、好適な宿主細胞微生物はピチア属(Pichia sp.)、ハンヌセラ属(Hansenula sp)又はクリベロマイセス(Kluyveromyces)、ヤロウイア属(Yarrowinia)、サッカロマイセス(Saccharomyces)(例えば、サッカロマイセスセレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae))、スキゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyce)(例えば、スキゾサッカロマイセスポンベ(S.pombe))を含むがこれらに限定されないバイオテクノロジーの分野で有用な酵母種から選択される。幾つかの態様において、メチロトローフ酵母種の株であるピチアパストリス(Pichia pastoris)が宿主細胞として用いられ、他の態様において、宿主細胞微生物はハンセヌラ属(Hansenula species)である。糸状菌の中で好適な宿主細胞微生物はアスペルギルス(Aspergillus)種(例えば、アスペルギルスニガー(A.niger)、アスペルギルスオリザエ(A.oryzae)、アスペルギルスツリンギエンシス(A. tubigensis)、アスペルギルスアワモリ(A.awamori)、及びアスペルギルスニヂュランス(Aspergillus nidulans))を含む。代替的に、フサリイウム属(Fusarium species)(例えば、フサリウムオキシスポラム(F.oxysporum))の株及びリゾムコール(Rhizomucor)(例えば、リゾムコールミエヘイ(Rhizomucor miehei))の株が宿主細胞微生物として用いられる。追加的な好適な株はセルモマイセス(Thermomyces)及びムコール(Mucor)属を含むがこれらに限定されない。分泌されたタンパク質の折りたたみを促進して活性形態にする利益があるために、チオールジスルフィドオキシリダクターゼ又はシャペロン等のアクセサリータンパク質も幾つかの態様において、用いることができる。チオールジスルフィドオキシリダクターゼ及びタンパク質ジスルフィドイソメラーゼはタンパク質中の正しい蒸留残渣氏ルフィド結合の形成を促進する。バチスルスブチリス(B.subtilis)におけるdbdDCオペロンの過剰発現はジスルフィド結合を有するタンパク質の生成に有利であることが報告されている(例えば、Meima et al.,J.Biol.Chem.,277:6994−7001,[2002]参照)。シャペロンは折り畳まれていない状態で曝されている疎水領域へ結合して、プロリン残基の隣のペプチド鎖の正しい形態の形成を補助し、好ましくない折り畳みを排除し、プロピル−ペプチジルシス−トランスイソメライブラリーゼによる、折り畳みを促進する。
本発明の幾つかの態様において、宿主細胞は即ち、1つのチオールジスルフィドオキシリダクターゼ又はシャペロンにおいてコードしている発現ベクターで形質転換される。当業者に知られている任意の好適なチオール−ジスルフィドオキシドリダクターゼ又はシャペロンを本発明に用いることができるので、本発明を特定のチオール−ジスルフィドオキシドリダクターゼ又はシャペロンに限定することを意図しない。
本発明の幾つかの態様において、そして以下で説明するように、適正に折り畳まれた分泌タンパク質のフラクションは、ジスルフィド結合を酸化/還元し及び/又は通常の酸化還元電位を変更する化学物質及び/又は溶媒の性質を変更してタンパク質の形態及び凝集を変更する化学物質を育成培地に添加して高めることができる。特定の好適な態様において、2−メルカプトエタノール(BME)等のジスルフィド結合を還元する試薬は正しく折り畳まれたタンパク質の分画を高めるのに都合がよい。しかしながら、他の態様において及び用いる培地によっては、他のジスルフィド還元又は酸化剤(例えば、DTT、TCEP、酸化還元グルタチオン、システイン、シスチン、システアミン、チオグルコネート、S2O3 2−、S2O4 2−、S2O5 2−、SO3 2−、S2O7 2−、Cu+等)を単独又は組み合わせて本発明に用いることができる。溶媒の性質を変更する他のアジュバンド(例えば、尿素、DMSO、TWEEN(商標)−80等)も単独で育成培地に添加して、又はBME等のジスルフィド還元/酸化剤と一緒に用いて、正確に折り畳まれた分泌タンパク質の分画を高めるためることができ、本発明の各種態様に用いることができることは理解されている。幾つかの態様において、このBMEは0.5乃至4mMの範囲の濃度で、他の態様では0.1mM乃至10mMの濃度で用いられる。即ち、当業者は追加的なチオール還元/酸化剤の影響を最適化するための最も良い培地及び育成条件、及び/又は他のアジュバンド、並びにチオール還元/酸化剤及び/又は他のアジュバンドの用いる濃度をどのように選択すべきかを知っている。本発明を特定のジスルフィド還元/酸化剤に限定することは意図しない。当業者に知られている任意の好適な試薬を本発明に用いることができる。
5.7.1発酵パラメーター
本発明はバクテリア種を培養するための発酵方法に依存している。バクテリア種により異種タンパク質の生成のための発酵方法は当業者に知られている。培養は水性ミネラル塩培地、有機育成因子、炭素及びエネルギー源物質、酸素分子(好気性及び通性嫌気性バクテリアについて)、及び、もちろん用いられる1つ以上の特定の微生物の開始接種を含む育成培地中で行われる。
炭素及びエネルギー源、酸素、同化窒素、及び微生物の接種に加えて、適正な微生物成長を行い、微生物の転換プロセスにおける細胞により炭素及びエネルギー源の同化を最適化し、及び形質転換培地中で最大細胞濃度を有する最大細胞生産を達成するために、ミネラル栄養素の好適な量を供給することが必要である。
当業者に知られているように、各種培養培地を本発明に用いることができる。しかしながら、標準的な培地を本発明に用いる。幾つかの好適な培地製剤において、この培地は窒素のほかに、好適な量のリン酸、マグネシウム、カルシウム、カリウム、硫黄、及びナトリウムを、好適な可溶同化イオン及びこれらの組み合わせ形態で含み、好ましくは銅、マンガン、モリブデン、亜鉛、鉄、ホウ素、及び要素、の微量元素及び当業者に知られている全ての可溶性同化形態のものを含む。
幾つかの態様において、発酵反応は、空気、酸素抗含有空気、又は実質的に精製された酸素分子等の酸素含有気体の供給を必要とし、発酵管の内容物を維持して微生物の成長を維持するのに効果的な酸素分圧を有する、好気性プロセスである。実際には、酸素付加された炭化水素基質を使用することにより、微生物の育成のために必要な酸素が減少する。従って、好気性及びある程度の通気性嫌気性微生物の育成のために酸素分子を供給しなければならない。
通気速度は考えられる範囲を超えて変更することができるが、通気は、通常、ファーメンターの容量1リットル当たり、1分間に、0.5乃至10容量、好ましくは0.5乃至7容量(所与の圧力及び25℃)の範囲の速度で行われる。この量は反応器に供給されるべき通常の酸素含量の空気に基づいており、精製された酸素に換算すると、ファーメンターの容量1リットル当たり、1分間に、約0.1乃至1.7又は好ましくは約0.1乃至1.3容量(所与の圧力及び25℃)になる。
微生物転換プロセスのために用いる圧力は幅広く変化させることができる。圧力は通常約0.5乃至50psig、好ましくは約0乃至30psig、より好ましくは大気圧よりわずかに高い圧力の範囲内であり、装置及び操作コストと酸素の溶存性とのバランスで決定される。大気圧より大きな圧力は、水性発酵漕において、溶存酸素濃度を高める傾向にあり、細胞成長速度を高めることができるので、有利である。同時に、このことは高い気圧が装置及び操業コストを減らすという事実とも整合性がある。
発酵温度は幾分変化させることができるが、大部分のバクテリア種について用いる温度を本発明で用いる。この温度は通常、約20℃乃至40℃の範囲であり、一般的には約28℃乃至37℃の範囲で、当業者に知られているように、選択される微生物の株に依存している。
この微生物は窒素同化の源も必要とする。窒素同化の源は任意の窒素含有化合物又は微生物による代謝利用のために好適な形態で窒素を放出することができる化合物である。タンパク質加水分解酵素等の各種有機窒素源化合物を用いることができるが、通常、アンモニア、水酸化アンモニウム、尿素、及びリン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム又は他のアンモニウム化合物のような安価な窒素含有化合物が用いられる。アンモニアガス自体は大規模操業のために便利であり、好適な量で水性発酵槽(発酵培地)に通気して用いることができる。同時に、そのようなアンモニアはpH調製にも用いることができる。
水性微生物発酵(発酵混合物)におけるpHの範囲は約2.0乃至8.0の例示的な範囲内である。しかしながら、特定の微生物のための至適pH範囲は、用いる培地にある程度依存しており、また用いる微生物にも依存している。従って、培地に関する幾分かの変更は当業者の知識の範囲内である。
発酵槽における発酵混合物の平均保持時間は、当業者に知られているように、用いる発酵温度及び培地に一部依存して、変更することが可能である。
幾つかの態様において、発酵槽は好ましくは、炭素含有基質が限定因子として制御することができ、それゆえ炭素含有基質の細胞への良好な転化が行われ、転化されない基質の相当量が細胞を汚染しないような、方法で行われることが好ましい。任意の残りの微量元素が容易に除去できることから、後者は水溶性基質では問題とはならない。しかしながら、非水溶性基質の場合ではこのことが問題となり、好適な洗浄工程等の追加的な製造処理が必要とされる。限定的基質レベルに到達するのに必要な時間は重要ではなく、特定の微生物及び実施される発酵方法に伴い変化する。しかしながら、発酵培地中の炭素源濃度をどのように決定し、炭素源の所望のレベルに達したかどうかは、本分野でよく知られている。
幾つかの態様において、発酵はバッチ又は連続操作として行われるが、フェドバッチ操作が通常、操作のしやすさ、生成物の均一な品質、及び全ての設備の経済性が最も好ましいことから、一般的に好まれている。
もし必要な場合には、全ての炭素及びエネルギー源の全部又は一部及び/又はアンモニア等の同化窒素源の一部が発酵槽へ水性ミネラル培地を供給する前に、水性ミネラル培地に転化される。即ち、反応器に導入される流れのそれぞれは予め決められた速度に制御され、又は発酵槽からのオフガス中の炭素及びエチレンエネルギー基質、pH、溶存酸素、酸素又は二酸化炭素、光透過性により測定される光密度等の濃度のモニタリングにより決定される。炭素及びエネルギー源の効率的な利用と合わせて、できるだけ細胞成長速度を速くし、基質変化に対して微生物細胞の生産性をできるだけ高くするように、各種物質の供給速度を変化させることができるが、より重要なことは容量単位で所望のタンパク質を最も多く得ることである。
各バッチ又は好適なフェドバッチ操作において、全ての装置、反応器、又は発酵手段、反応管又はコンテナ、パイプ、付帯循環装置又は冷却装置等は、通常約120℃で少なくとも15分間蒸気を用いて、初めに殺菌される。殺菌された反応器をその後、酸素及び炭素含有基質を含むすべての必要とされる栄養素の存在下で選択された微生物の培地を接種する。用いる発酵槽のタイプは重要ではないが、幾つかの態様において、15Lのバイオラフィート(Biolafitte)(Saint−Germain−en−Laye、フランス)が好ましい。
5.8タンパク質分離
幾つかの態様において、修飾プロテアーゼをコードしているポリヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は発現に好適な条件下で培養され、細胞培地からコードされたタンパク質を回収する。本発明の融合BBPIを含む組み換え宿主細胞により生成されたタンパク質は培養培地に分泌される。幾つかの態様において、分泌された融合BBPIは回収される。
幾つかの態様において、本発明は所望のタンパク質をその融合アナログから分離する方法を提供する。本明細書で説明する方法は融合アナログから修飾変異BBPIの分離において用いることができる。
発酵ブロスから所望の融合BBPIタンパク質の収集及び生成は当業者に知られている方法を用いて達成することもできる。発酵ブロスは一般的に、既知の方法により発酵ブロスから好適に除去される所望のタンパク質生成物のほかに、細胞、各種懸濁固形物、及び他のバイオマス不純物を含む細胞性崩壊物を含む。そのような除去の好適な方法は細胞のないろ過物を生成するための、固形―液体分離技術(例えば、遠心分離、ろ過、透析、ミクロろ過、回転真空ろ過、又は他の既知の方法)を含む。幾つかの態様において、ウルトラフィルトレーション、エバポレーション、及び/又は沈殿等の技術を用いる生成及び/又は結晶化の前に発酵ブロス又は無細胞ろ過物等を更に濃縮しておくことが好ましい。
上清中のタンパク質性成分の沈殿又はろ過は塩(例えば、塩酸アンモニウム)又は低pH(通常3未満)により達成でき、次いで各種クロマトグラフ法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、疎水電荷誘発クロマトグラフィー等)又は同様の方法により精製が行われる。本発明を特定の分離技術に限定することは意図しない。任意の方法を本発明に用いることができる。
特定の好適な態様において、発現された所望のポリペプチドはバクテリア細胞から選択される場合、このポリペプチドは育成培地から精製される。好適な態様において、発現宿主細胞が、ポリペプチドの精製(例えば、遠心分離)の前に培地から除去される。
発現された所望の組換えポリペプチドが宿主細胞から分泌されない場合、好適には、この細胞を崩壊させてポリペプチドを水性基質に抽出する。この工程が精製の第一工程となる。好ましくは発現宿主細胞は細胞を崩壊させる前に培地から収集される(例えば、遠心分離により)。細胞破壊は、リゾチーム又はベータグルカン消化により、又は細胞に高圧をかけることにより、既知の好適な方法を用いて行うことができる。(例えば、Scobes、Protein Purification、Second edition、Springer−Verlag参照)。
幾つかの態様において、他の組換え構築体は可用性タンパク質の精製を促進する修飾へBBPIポリペプチドドメインをコードしている核酸配列に精製促進ドメインの添加することを含む(Kroll DJ et al(1993)DNA Cell Biol 12:441−53)。幾つかの態様において、修飾変異BBPIのC末端へ6つのヒスチジン残基(即ち、ヒスタグ)を添加することは、所望のタンパク質及びその融合アナログの精製における補助工程として用いられる。精製補助剤としてのHisタグの使用は本分野において知られている(例えば、Hengen,TIBS 20:285−286[1995]参照)。6つのHisタグを付加されたタンパク質は本分野で知られているImmobilized Metal ion Affinity Chromatography(IMAC)を用いて用にに精製される。他の精製促進ドメインは固定化メタル上で精製することができるヒスチジン−トリプトファンモジュール等のメタルキレーティングペプチド(Porath J(1992)Protein Expr Purif3:263−281)、固定化されたイムノグロブリン上で精製することができるプロテインAドメイン、及びFLAGA伸長/親和精製システムにおいて用いるドメイン(Immunex Corp,Seattle WA)を含むがこれらに限定されない。
精製ドメインと異種タンパク質との間のFactor XA又はエンテロキナーゼ等の切断されたリンカー配列の包含も精製を促進するために用いることができる。
従って、本発明の融合BBPIのための任意の好適な方法が本発明に用いることができる。即ち、本発明を特定の精製方法に限定することは意図しない。
幾つかの適用のために、本発明を用いて生成されたプロテアーゼインヒビターは高度に精製されていることが重要である(例えば、99%より高い精製度)。このことは、所望のタンパク質を治療に用いる場合には真実であるが、他の適用にも必要なことである。本明細書で説明する方法は実質的に精製された所望のタンパク質を精製する方法を提供する。本明細書における所望のタンパク質は医薬品及びパーソナルケア組成物に好適である。しかしながら、本発明の方法を用いて各種精製レベルのタンパク質を製造することができ、本発明を用いて生成されたタンパク質を特定の精製レベルに限定することは意図しない。
5.8.1精製の間のBBPIの活性:プロテアーゼ抑制活性
本発明の幾つかの態様において、育成の後の精製工程の間に、ジスルフィド結合を還元/酸化し及び/又は通常の還元電位を変更する化合物及び/又は溶媒性質を変更してタンパク質の構造及び凝集に影響を与える化合物を添加してタンパク質の活性、即ち、プロテアーゼ抑制活性を高める。幾つかの好適な態様において、2−メルカプトエタノール等のジスルフィド結合を還元する試薬を添加して、タンパク質の活性を高くする。しかしながら、当業者が理解しているように、精製度及び緩衝液の組成に依存して、他の酸化又は還元剤(例えば、DTT、TCEP、還元された又は酸化されたグルタチオンシステイン、シスチン、システアミン、トリグルコネート、S2O3 2−、S2O4 2−、S2O5 2−、SO3 2−、S2O7 2−、Cu+、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、タンパクチオール−ジスルフィド酸化還元酵素等)を単独又は組み合わせて本発明に用いることができる。溶媒性質を変更する他のアジュバンド(例えば、エタノールアミン、DMSO、TWEEN(商標)―80.アルギニン、尿素等)も単独又はBME等のジスルフィド還元/酸化剤と組み合わせて、精製工程の間に、添加して、タンパク質の活性を高めることにより本発明に用いることができる。特定の好適な態様において、部分的に精製されたタンパク質は緩衝液(幾つかの特定に好ましい態様において、塩基性pHにおいてTWEEN(商標)―80を含む両性イオン緩衝液)希釈され及びBMEとジスルフィド酸化剤(代替的な好まし痛いようにおいて、酸化グルタチオン又は硫酸ナトリウム)で活性化される。
更に、必要に応じて、BBPIタンパク質の至適活性を決定するために条件をスクリーニングすることも意図する。例えば、各種BME濃度(0.1乃至10mM)、酸化剤濃度(0乃至1/20乃至20倍のBME濃度)、pH(7.5乃至9.5)、温度(15乃至40℃、希釈剤(1乃至20倍)、インキュベーション時間(12乃至72時間)、通気(不活性ガス下でのインキュベーション乃至酸素含有ガスの存在下での激しい混合)、緩衝液タイプ(トリス、CHES、CAPS、トリシン、TAPS、他の両性イオン緩衝液等)、緩衝液濃度(0.1乃至1M)、及び溶媒の性質を変更してタンパク質の構造及び凝集を変更すると知られている他の各種アジュバンドの添加(例えば、エタノールアミン、DMSO、TWEEN(商標)80、アルギニン、尿素等)を用いる発現システムのための至適条件を決定するために試験する。本発明を特定のジスルフィド還元/酸化剤、希釈剤、温度、pH、緩衝液タイプ又は組成物、又はアジュバンドに限定することは意図しない。当業者に知られている任意の好適な試薬を本発明に用いることができる。
チオール還元剤及び酸化剤によるBBPIの至適活性化は未修飾変異BBPIのプロテアーゼ抑制活性の上昇を測定することによりモニタリングできる。トリプシン抑制活性は変異ペプチドで置換されたキモトリプシン抑制ループを有する変異体BBPIにおけるプロテアーゼ抑制活性である。一方、キモトリプシン抑制活性は変異タンパク質で置換されたトリプシンループを含む変異BBPIで測定されたプロテアーゼ抑制活性である。幾つかの態様において、修飾BBPIのトリプシン抑制活性上の少なくとも1つのアミノ酸置換の影響は測定することができ、未修飾前駆体BBPIのトリプシン抑制活性を比較することができる。
幾つかの態様において、少なくとも1つのアミノ酸置換を含む修飾変異BBPIは未修飾前駆体BBPIのトリプシン抑制活性よりも高い活性を有する。幾つかの態様において、未修飾前駆体よりも高いTIAを有する修飾変異体BBPIを生成する1つのアミノ酸置換は、SEQ ID NO:187の1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65位に等しい位置から選択され、以下のアミノ酸置換を生じる。1つの態様において、SEQ ID NO:187の1に等しい位置でアミノ酸位置におけるアミノ酸置換はA及びCから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の4位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はVである。他の態様においてSEQ ID NO:187の5位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はP及びAから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の11位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はGである。他の態様において、SEQ ID NO:187の13位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はY、I、F、M、L、V、K、及びRから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の18位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はI、V、及びLを含む。他の態様において、SEQ ID NO:187の25位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はK、N、W、I、A、及びRから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の27位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はR、K、V、A、及びQを含む。他の態様において、SEQ ID NO:187の29位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はR、K、及びPから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の31位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はQ、H、E、A、R、W、K、及びTから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の38位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はN、K、及びRから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の40位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はH、K、Q、R、及びYから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の50位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はR、Q、K、T、V、M、及びSから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の52位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はK、T、R、Q、L、、H、A、M、S、及びEから選択される。他の態様において、SEQ ID NO:187の55位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はMである。他の態様において、EQ ID NO:187の65位に等しいアミノ酸位置で置換されたアミノ酸はE、Q、及びDから選択される。
幾つかの態様において、対応する未修飾BBPIよりも高いTIA及びRYを有する修飾変異BBPIはそれぞれSEQ ID NO:187の50位及び52位に等しいアミノ酸位置で置換された2つのアミノ酸の組み合わせを含む。幾つかの態様において、2つのアミノ酸置換の組み合わせは50T−52Aである。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のような2つのアミノ酸置換の組み合わせ50T−52Aを更に含む、任意の変異BBPI骨格を提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはVEGF変異ペプチド、例えば、SEQ ID NO:9であり、この変異骨格はSEQ ID NO:187の13、50、及び52位に等しい位置における3つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾されて、修飾変異体BBPI骨格を生成する。1つの態様において、2つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:595の修飾変異BBIt−AV−F50T−V52Aである。
幾つかの態様において、対応する未修飾BBPIよりも高いTIA及びPYを有する修飾変異体BBPIはそれぞれ、EQ ID NO:187の13、50、及び52位に等しい位置において3つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、3つのアミノ酸置換の組み合わせは25−50−52、29−50−52、40−50−52、及び13−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、3つのアミノ酸置換の組み合わせは5L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52A、及び13I−50T−52Aから選択される。本発明は5.3に記載され、セクション5.4に記載の25L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52A、及び13I−50T−52Aから選択される3つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループは、例えば、SEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、50、及び52に等しい位置における3つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含むように修飾されて、修飾変異BBPI骨格を提供する。1つの態様において、3つのアミノ酸置換を含むように修飾変異BBPIはSEQ ID NO:603の修飾変異BBIt−AV−S25L−F50T−V52A、SEQ ID NO:607の修飾変異BBIt−AV−L29P−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:609の修飾変異BBIt−AV−A40K−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、対応する未修飾前駆体BPIよりも高いTIAを有する修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置において4つのアミノ酸の組み合わせを含む。幾つかの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−50−52、13−29−50−52、25−29−50−52、13−40−50−52、25−40−50−52、及び29−40−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、25L−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、25L−40K−50T−52A、及び29P−40K−50T−52Aから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載の3I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、25L−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、25L−40K−50T−52A、及び29P−40K−50T−52Aから選択される4つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む、変異BBPI骨格のいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9及び460から選択されるVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置における4つのアミノ酸置換の組み合わせを含んで、修飾変異BBPI骨格を提供する。1つの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:596の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−F50T−V52A、SEQ ID NO:600の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:602の修飾変異BBIt−AV−A13I−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:604の修飾変異BBIt−AV−S25L−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:606の修飾変異BBIt−AV−S25L−A40K−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:643の修飾変異BBIt−VEGKD−A13I−S25K−L29P−V52Kから選択される。他の態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ DI NOS:433及び434のFGF5変異ペプチドから選択され、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置におけるアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、この修飾変異BBPIはSEQ ID NO:432の修飾変異BBIt−MM007−Q−A13I−L29P−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:434の修飾変異BBIt−FGFps2−Q−A13I−L29P−F50T−V52Aから選択される。他の態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NOS:436、437、及び438のTGEβ変異ペプチドから選択され、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置における4つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾され、修飾変異骨格を生成する。1つの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:443の修飾変異BBIt−PEN3−Q−A13I−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:445の修飾変異BBIt−MM021W−Q−A13I−L29P−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:447の修飾変異BBIt−WTQ−Q−A13I−L29P−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、対応する前駆体未修飾BBPIよりも高いTIAを有する修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、29、40、50、及び52位に等しい位置において5つのアミノ酸置換の組み合わせをそれぞれ含む。幾つかの態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−50−52、13−29−40−50−52、13−25−40−50−52、25−29−40−50−52、13−29−40−50−52、13−29−40−50−52、13−29−40−50−52、及び13−29−40−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−29P−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、25L−29P−40K−50T−52A、13L−29P−40K−50T−52A、13I−29K−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A、及び13I−29P−40K−50T−52Tから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載の13I−25L−29P−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、25L−29P−40K−50T−52A、13L−29P−40K−50T−52A、13I−29K−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A、及び13I−29P−40K−50T−52Tから選択される5つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異体BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、29、40、50、及び52位に等しい位置において5つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾されて、修飾変異BBPI骨格を生成する。他の態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:597の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:599の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:601の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:605の修飾変異BBIt−AV−S25L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:615の修飾変異BBIt−AV−A13L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:620の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29K−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:624の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50K−V52A、及びSEQ ID NO:625の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52Tから選択される。
幾つかの態様において、対応する修飾前駆体BBPIよりも高いTIAを有する修飾変異BBPIはそれぞれSEQ ID NO:187の13、25、29、40、50、及び52位に等しい位置における6つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、6つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−40−50−52、1−13−29−40−50−52、4−13−29−40−50−52、5−13−29−40−50−52、11−13−29−40−50−52、13−25−29−40−50−52、13−27−29−40−50−52、13−29−31−40−50−52、13−29−31−40−50−52、13−29−38−40−50−52、及び13−29−38−40−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、6つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−29P−40K−50T−52A、1C−13I−29P−40K−50T−52A、4V−13I−29P−40K−50T−52A、5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、及び13I−29P−38N−40K−50T−52Aから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のような13I−25L−29P−40K−50T−52A、1C−13I−29P−40K−50T−52A、4V−13I−29P−40K−50T−52A、5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、及び13I−29P−38N−40K−50T−52Aから選択される6つのアミノ酸置換の組み合わせ更に含む変異BBPI骨格のいずれか1つを提供する。幾つかの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、25、29、40、50、及び52位に等しい位置における6つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、6つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:598の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:611,の修飾変異BBIt−AV−D1C−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:612の修飾変異BBIt−AV−S4V−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:613の修飾変異BBIt−AV−S5P−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:614の修飾変異BBIt−AV−Q11G−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:616の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:619の修飾変異BBIt−AV−A13I−M27R−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:621の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S31A−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:622の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S31R−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:623の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S38N−A40K−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:626の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S38N−A40K−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、対応する修飾前駆体BBPIよりも高いTIAを有する修飾変異BBPIはそれぞれ3、25、29、31、40、50、及び52位に等しい位置における7つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、7つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−31−40−50−52、13−25−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、及び13−25−27−29−31−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、7つのアミノ酸置換の組み合わせは13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、及び13I−25R−27A−29P−31A−50K−52Tから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のような13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、及び13I−25R−27A−29P−31A−50K−52Tから選択される7つのアミノ酸置換の組み合わせ更に含む変異BBPI骨格のいずれか1つを提供する。幾つかの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、25、29、31、40、50、及び52位に等しい位置における6つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、7つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIは、SEQ ID NO:617の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−S31A−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:618の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−S31R−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:491の修飾変異BBIt−VEGF−V1−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52、SEQ ID NO:632の修飾変異BBIt−VEGF−V2−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:633の修飾変異BBIt−VEGF−V3− A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:634の修飾変異BBIt−VEGF−V4−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:635の修飾変異BBIt−VEGF−V5−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:636の修飾変異BBIt−VEGF−V6−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:637の修飾変異BBIt−TNFa−T1−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:638の修飾変異BBIt−TNFα−T2−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、及びSEQ ID NO:639の修飾変異BBIt−TNFα−T3−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52Tから選択される。
幾つかの態様において、対応する前駆体未修飾BBPIよりも態様において、TIAを有する修飾へBBPIは、SEQ ID NO:187の13、25、27、29、31、40、50、及び52位に等しい位置における8つのアミノ酸置換の組み合わせをそれぞれ含む。幾つかの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、及び13−25−27−29−31−40−50−52位の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、及び13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Qの組み合わせから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のような13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、及び13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Qの組み合わせから選択される8つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異体BBPI骨格のいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、25、27、29、31、40、50、及び52位に等しい位置のおける8つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:627の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−A40H−F50K−V52T、SEQ ID NO:628の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31E−A40K−F50Q−V52Q、SEQ ID NO:629の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27R−L29E−S31A−A40H−F50R−V52K、SEQ ID NO:630の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31A−A40H−F50R−V52L、及びSEQ ID NO:631の修飾変異BBIt−AV− A13I−S25K−M27Q−L29P−S31E−A40H−F50R−V52Qから選択される。
幾つかの態様において、対応する未修飾前駆体BBPIよりも大きなTIAを有する修飾変異BBPIは修飾BBPIのN末端においてペプチド挿入をさらに含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入は1乃至15アミノ酸の間の配列を含む。他の態様において、このペプチド挿入は5乃至10の間の配列を含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入はSEQ ID NO:389(DDEPSKPCCDPDP;SEQ ID NO:389)のペプチドを含む。SEQ ID NO:389のペプチド挿入を有する修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NO:390(DDEPSKPCCDPDPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:390)の修飾変異4D13BBIt−AV及びSEQ ID NO:413の修飾変異BBIt−AV−4D13−13I−29P−40K−50T−52Aを含む。
トリプシン及び/又はキモトリプシン抑制活性の向上の測定は酵素活性比、即ち、未修飾変異体BBPIと比較したし変異BBPIにおけるBCE:BBPI、における増加分として決定することができる。BCE:BBPI酵素活性比は、BCE、即ち、セルラーゼ酵素活性、に対するBBPIプロテアーゼ抑制活性、例えば、トリプシン抑制活性の比である。未修飾変異BBPIの比は、修飾変異BBPIが未修飾変異体BBPIよりも高いプロテアーゼ抑制活性、例えば、トリプシン抑制活性を有することを示す、修飾変異BBPIに対して1以上の比の値が割り当てられる。幾つかの態様において、修飾変異BBPIの活性比は少なくとも1、少なくとも約1.05、少なくとも約1.1、少なくとも約1.05、少なくとも約1.1、少なくとも約1.2、少なくとも約1.3、少なくとも約1.4、少なくとも約1.5、少なくとも約1.6、少なくとも約1.7、少なくとも約1.8、少なくとも約1.9、及び少なくとも約2である。他の態様において、この活性比は少なくとも約2.1、少なくとも約2.2、少なくとも約2.3、少なくとも約2.4、少なくとも約2.5、少なくとも約2.6、少なくとも約2.7、少なくとも約2.8、少なくとも約2.9、及び少なくとも約3である、更なる態様において、この活性比は少なくとも約3.5、少なくとも約4.0、及び少なくとも約5である。従って、幾つかの態様において、プロテアーゼ抑制活性、例えば、修飾変異BBPIのプロテアーゼ抑制活性は、対応する未修飾前駆BBPIよりも、少なくとも約0.5%、約1.0%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約4.0%、約5.0%、約8.0%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%以上高い。他の態様において、プロテアーゼ抑制活性、例えば、修飾変異BBPIのプロテアーゼ抑制活性は、対応する未修飾前駆体BBPIよりも少なくとも約110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%から少なくとも約200%まで、高い。
他の態様において、アミノ酸置換の組み合わせを含む変異BBPIは未修飾前駆BBPIよりも高いトリプシン抑制活性を有する。幾つかの態様において、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、及び少なくとも8つの置換が未修飾前駆BBPIよりも高いTIAを有する修飾変異BBPIを生成する。セクション5.4で説明するアミノ酸置換の組み合わせを含む全ての修飾変異BBPIは対応する未修飾前駆体BBPIよりも高いトリプシン抑制活性を有する。
5.8.2BBPI生産性
幾つかの態様において、前駆体変異BBPIにおいてなされたアミノ酸トリプシンは得られた修飾変異BBPIに未修飾前駆体BBPIが生産するよりも高い生産性を有するような能力を付与する。即ち、修飾変異BBPIは未修飾前駆体BBPIが生産されるよりも高いレベルで生産される。幾つかの態様において、本発明は対応する未修飾前駆体BBPIよりも高いプロテアーゼ抑制活性、例えば、トリプシン抑制活性及び高い生産性を有するセクション5.4に記載のようなアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIを提供する。
対応する未修飾BBPIよりも高いTIA及びPYを有する修飾変異BBPIは即ち、2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、及び少なくとも8つのアミノ酸置換を含む(実施例12、13、14、及び15参照)。
幾つかの態様において、対応する修飾変異BBPIよりも高いTIA及びPYを有する修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の50及び52位に等しい位置のおいて2つのアミノ酸置換の組み合わせをそれぞれ含む。幾つかの態様において、2つのアミノ酸置換の組み合わせは50T−52Aである。本発明はセクション5.3に記載され、選択される5.4に記載のような50T−52Aの2つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異体BBPIを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはVEGF変異ペプチド、例えば、SEQ ID NO:9であり、変異骨格はSEQ ID NO:187の3、50、及び52位に等しい位置における3つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含むように修飾され、修飾変異BBPIを生成する。1つの態様において、2つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:6595の修飾変異BBIt−AV−F50T−V52Aである。
幾つかの態様において、対応する未修飾前駆体BBPIよりも高いTIA及びPYを有する修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、50、及び52位に等しい位置において3つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、3つのアミノ酸置換の組み合わせは25−50−52、29−50−52、40−50−52、13−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、3つのアミノ酸置換の組み合わせは25L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52A、及び13I−50T−52Aから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のような25L−50T−52A、29P−50T−52A、40K−50T−52A、及び13I−50T−52Aから選択される3つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、50、及び52に等しい位置における3つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、アミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:603の修飾変異BBIt−AV−S25L−F50T−V52A、SEQ ID NO:607の修飾変異BBIt−AV−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:609の修飾変異BBIt−AV−A40K−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、対応する前駆未修飾BBPIよりも高いTAI及びPYを有する修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置において4つのアミノ酸置換の組み合わせをそれぞれ含む。幾つかの態様において、4つのアミノ酸置換の組み組み合わせは13−25−50−52、13−29−50−52、25−29−50−52、13−40−50−52、25−40−50−52、及び29−40−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、25L−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、25L−40K−50T−52A、及び29P−40K−50T−52Aから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のような13I−25L−50T−52A、13I−29P−50T−52A、25L−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、25L−40K−50T−52A、及び29P−40K−50T−52Aから選択される4つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む、変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9及び460から選択されるVEGF変異ペプチドであり、変異骨格をSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置における4つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾して、修飾変異BBPIを提供する。1つの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:596の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−F50T−V52A、SEQ ID NO:600の修飾変異 BBIt−AV−A13I−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:602の修飾変異BBIt−AV−A13I−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:604,の修飾変異BBIt−AV−S25L−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:606の修飾変異BBIt−AV−S25L−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:608の修飾変異BBIt−AV−L29P−A40K−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:643の修飾変異BBIt−VEGKD−A13I−S25K−L29P−V52Kから選択される。他の態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ DI NOS:430及び431から選択されるFGF5結合ペプチドであり、修変異骨格は、SEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置における4つのアミノ酸置換を含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:432の修飾変異BBIt−MM007−Q−A13I−L29P−F50T−V52A及びSEQ ID NO:434の修飾変異BBIt−FGFps2−Q−A13I−L29P−F50T−V52Aから選択される。他の態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NOS:436、437、及び438から選択されるTGFβ変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、29、50、及び52位に等しい位置において4つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、4つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾BBPIはSEQ ID NO:443の修飾変異BBIt−PEN3−Q−A13I−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:445の修飾変異BBIt−MM021W−Q−A13I−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:447の修飾変異BBIt−WTQ−Q−A13I−L29P−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、対応する未修飾前駆体BBPIよりも高いTIA及びPYを有する修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の13、29、40、50、及び52位に等しい位置において5つのアミノ酸置換の組み合わせをそれぞれ含む。幾つかの態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−50−52、13−29−40−50−52、13−25−40−50−52、25−29−40−50−52、13−29−40−50−52、13−29−40−50−52、13−29−40−50−52、及び13−29−40−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−29P−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、25L−29P−40K−50T−52A、13L−29P−40K−50T−52A、13I−29K−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A、及び13I−29P−40K−50T−52Tから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のような13I−25L−29P−50T−52A、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25L−40K−50T−52A、25L−29P−40K−50T−52A、13L−29P−40K−50T−52A、13I−29K−40K−50T−52A、13I−29P−40K−50K−52A、及び13I−29P−40K−50T−52Tから選択される5つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む、変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9から選択されるVEGF変異ペプチドであり、変異骨格をSEQ ID NO:187の3、29、40、50、及び52位に等しい位置における5つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾して、修飾変異BBPIを提供する。1つの態様において、5つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:597の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−L29P−F50T−V52A、SEQ ID NO:599の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:601の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:605の修飾変異 BBIt−AV−S25L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:615の修飾変異BBIt−AV−A13L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:620の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29K−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:624の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50K−V52A、SEQ ID NO:625の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52Tから選択される。
幾つかの態様において、対応する前駆体未修飾BBPIよりも高いTIA及びPYを有する修飾変異BBPIは、SEQ ID NO:187の3、25、29、40、50、及び52位に等しい位置において6つのアミノ酸置換の組み合わせをそれぞれ含む。幾つかの態様において、6つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−40−50−52、1−13−29−40−50−52、4−13−29−40−50−52、5−13−29−40−50−52、11−13−29−40−50−52、13−25−29−40−50−52、13−27−29−40−50−52、13−29−31−40−50−52、13−29−31−40−50−52、13−29−38−40−50−52、及び13−29−38−40−50−52の位置の組み合わせから選択される。幾つかの態様において、6つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25L−29P−40K−50T−52A、1C−13I−29P−40K−50T−52A、4V−13I−29P−40K−50T−52A、5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、及び13I−29P−38N−40K−50T−52Aから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のような13I−25L−29P−40K−50T−52A、1C−13I−29P−40K−50T−52A、4V−13I−29P−40K−50T−52A、5P−13I−29P−40K−50T−52A、11G−13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−29P−40K−50T−52A、13I−27R−29P−40K−50T−52A、13I−29P−31A−40K−50T−52A、13I−29P−31R−40K−50T−52A、13I−29P−38N−40K−50T−52A、及び13I−29P−38N−40K−50T−52Aから選択される6つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異BBPIを提供する。1つの態様において、変異ののキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、25、29、40、50、及び52に等しい位置における6つのアミノ酸置換を更に含むように修飾され、修飾変異BBPIを生成する。1つの態様において、6つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:598の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25L−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:611の修飾変異BBIt−AV−D1C−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:612の修飾変異BBIt−AV−S4V−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:613の修飾変異BBIt−AV−S5P−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:614の修飾変異BBIt−AV−Q11G−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:616の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:619の修飾変異BBIt−AV−A13I−M27R−L29P−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:621の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S31A−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:622の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S31R−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:623の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S38N−A40K−F50T−V52A、及びSEQ ID NO:626の修飾変異BBIt−AV−A13I−L29P−S38N−A40K−F50T−V52Aから選択される。
幾つかの態様において、対応する未修飾前駆体BBPIよりも高いTIA及びPYを有する、修飾変異BBPIはSEQ ID NO:187の3、25、29、31、40、50、及び52位に等しい位置において7つのアミノ酸置換の組み合わせをそれぞれ含む。幾つかの態様において、7つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−29−31−40−50−52、13−25−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、13−25−27−29−31−50−52、及び13−25−27−29−31−50−52から選択される。幾つかの態様において、7つのアミノ酸置換の組み合わせは13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、及び13I−25R−27A−29P−31A−50K−52Tから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4で説明するように、13L−25R−29P−31A−40K−50T−52A、13L−25R−29P−31R−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、及び13I−25R−27A−29P−31A−50K−52Tからセクション7つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異BBPIを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGF変異ペプチドであり、変異骨格はSEQ ID NO:187の13、25、29、31、40、50、及び52位に等しい位置における7つのアミノ酸置換の組み合わせを含むように修飾され、修飾変異BBPI骨格を生成する。1つの態様において、7つのアミノ酸リパーゼの組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:617の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−S31A−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:618の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−S31R−A40K−F50T−V52A、SEQ ID NO:491のBBIt−VEGF−V1−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:632の変異BBIt−VEGF−V2−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:633の修飾変異BBIt−VEGF−V3−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:634の修飾変異BBIt−VEGF−V4−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:635の修飾変異BBIt−VEGF−V5−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:636の修飾変異BBIt−VEGF−V6−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:637の修飾変異BBIt−TNF−T1−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、SEQ ID NO:638の修飾変異BBIt―TNF−T2−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52T、及びSEQ ID NO:639の修飾変異BBIt−TNF−T3−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−F50K−V52Tから選択される。
幾つかの態様において、対応する修飾変異BBPIよりも高いTIA及びPYを有数する修飾変異BBPIは、それぞれSEQ ID NO:187の13、25、27、29、31、40、50、及び52に等しい位置において8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせは13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、13−25−27−29−31−40−50−52、及び13−25−27−29−31−40−50−52から選択される。幾つかの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせは13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、及び13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Qから選択される。本発明はセクション5.3に記載され、セクション5.4に記載のように13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27R−29E−31A−40H−50R−52K、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52L、及び13I−25K−27Q−29P−31E−40H−50R−52Qから選択される8つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含む変異BBPIのいずれか1つを提供する。1つの態様において、変異骨格のキモトリプシンループはSEQ ID NO:9のVEGFへペプチドであり、変異骨格をSEQ ID NO:187の13、25、27、29、31、40、50、及び52位に等しい位置における8つのアミノ酸置換の組み合わせを更に含むように修飾して、修飾変異BBPIを生成する。1つの態様において、8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIはSEQ ID NO:627の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−A40H−F50K−V52T、SEQ ID NO:628の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31E−A40K−F50Q−V52Q、SEQ ID NO:629の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27R−L29E−S31A−A40H−F50R−V52K、SEQ ID NO:630の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31A−A40H−F50R−V52L、及びSEQ ID NO:631の修飾変異BBIt−AV−A13I−S25K−M27Q−L29P−S31E−A40H−F50R−V52Qから選択される。
1つの態様において、修飾変異BBPIは修飾変異BBPIのN末端においてペプチド挿入を更に含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入は1乃至5アミノ酸の間の配列である。他の態様において、このペプチド挿入は5乃至10アミノ酸の長さである。幾つかの態様において、ペプチド挿入はSEQ ID NO:389のペプチドを含む。SEQ ID NO:389のペプチド挿入を含む修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NO:390の修飾変異4D13BBIt−AV及びSEQ ID NO:413.の修飾変異BBIt−AV−4D13−13I−29P−40K−50T−52Aがある。
本発明は対応する修飾前駆BBPIよりも高いTIA及びPYを有する修飾変異BBPIを更に提供する。この修飾変異BBPIのそれぞれは前述のアミノ酸置換の組み合わせの任意の1つを含み、未修飾前駆変異BBPIよりも高いプロテアーゼ抑制活性を有する。幾つかの態様において、対応する未修飾前駆体BBPIにキモトリプシンループのかわりに変異ペプチドを含む修飾変異BBPIは未修飾前駆体BBPIよりも高いキモトリプシン抑制活性(TIA)を有する。他の態様において、対応する未修飾前駆体BBPIのトリプシンループの代わりに変異ペプチドを含む修飾変異BBPI骨格は飾前駆体BBPIよりも高いキモトリプシン抑制活性を有する。
実施例に示すように、変異BBPIの主鎖における少なくとも1つのアミノ酸の置換は未修飾変異体BBPIよりも高い生産性を有する修飾変異BBPIを生成する。幾つかの態様において、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのアミノ酸置換の組み合わせを含むBBPIは未修飾前駆体BBPIよりも高い生産性を有する。従って、本発明は前述のアミノ酸置換の組み合わせの任意の1つを含み、未修飾前駆体変異BBPIよりも高い生産性(PY)を有する、修飾変異BBPIを提供する。更なる態様において、本発明は前述のアミノ酸置換の組み合わせの任意の1つを含み、未修飾前駆変異BBPIよりも高いTIA及びPY及び生産性を有する、修飾変異BBPIを提供する。
幾つかの態様において、未修飾前駆体BBPIよりも高いTIA及びPYを有する修飾変異BBPIはそれぞれ修飾変異BBPIのN末端において、ペプチド組成物をさらに含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入は1乃至15アミノ酸の配列を含む。他の態様において、このペプチド挿入は5乃至10アミノ酸の配列を含む。幾つかの態様において、このペプチド挿入はSEQ ID NO:389のペプチドを含む。修飾変異BBPIの例としては、SEQ ID NO:389の修飾変異4D13BBIt−AV及びSEQ ID NO:413の修飾変異BBIt−AV−4D13−13I−29P−40K−50T−52Aを含む。
生産性の向上は、BCEコアのC末端からのBBPIの切断による遊離BBPIのレベルを測定して決定することができる。前述のように、幾つかの態様において、BBPI融合タンパク質はプロテアーゼを用いて、又は化学的手段より、BBPI融合タンパク質は切断することができる。他の態様において、BCEからBBPIへ結合するCBDリンカーに存在するA−P結合を切断するBBPIは酸/熱処理により処理することができる。更なる態様において、このBBPI融合タンパク質はバチルスリケニフォルミス(B.licheniformis)由来グルタミルエンドペプチダーゼIを用いて切断することができる。幾つかの態様において、修飾変異BBPIの生産性の向上は、BBPI融合タンパク質の活性化及びBBPI融合タンパク質の酸熱処理に続く遊離された変異BBPIのレベル上昇を、同じ処理をした未修飾前駆体BBPIのレベルと比較して、測定される。他の態様において、修飾変異BBPIの生産性における向上は、融合タンパク質の活性をおこなわずに、酸/熱処理して生じた遊離BBPIのレベルの増加分を同じ処理をした対応する未修飾前駆体BBPIのレベルと比較して、測定する。幾つかの態様において、この遊離修飾変異BBPIは対応する前駆BBPIよりも高い生産及びTIAを有する。
幾つかの態様において、修飾変異BBPIは対応する未修飾前駆体BBPIよりも、少なくとも約0.5%、約1.0%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約4.0%、約5.0%、約8.0%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%以上高い生産性を有する。他の態様において、修飾変異BBPIの生産性は、対応する未修飾前駆BBPIよりも少なくとも約110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、及び少なくとも約200%まで高い。
6.パーソナルケア組成物
6.0.1修飾変異BBPIを含むパーソナルケア組成物
本発明は医薬品又は非医薬品用途としての、少なくとも1つの修飾変異BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。幾つかの態様において、本発明はパーソナルケア組成物及びそれらの使用法を提供する。幾つかの態様において、本発明はスキンケアに用いるパーソナルケア組成物を提供する。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はヘアケアに用いる。他の態様において、このパーソナルケア組成物は化粧組成物を含むスキンケアに用いる。幾つかの態様において、他の態様において、本発明のパーソナルケア組成物は各種疾患の治療に用いる。
本明細書において詳細に説明するように、本発明はヘアケア、スキンケア、及び化粧(例えばメイクアップ)を含むがこれらに限定されないパーソナルケアの数おおくの側面に用いることができる。例えば、本発明のパーソナルケア、スキンケア、サンケア(例えば、サンスクリーン、及びタンナー)、ヘアケア(例えば、シャンプー、エイーブオン及び/又はリンスオフコンディショナー、ヘアトニック、ヘアスプレー、ゲル、フォーム、ムース、セット製品、ヘアカラー、パーマネント製剤、他のスタイリング及びクレンジング製品等)、スキン、ヘア、リップのアフターサンケア、オーラルケア(例えば、歯磨き粉及びゲル、マウスウォッシュ、リンス等)、バス製品(例えば、洗浄剤、シャワーソープ、バスソープ、バスソルト、パール等)、スキンライトニング、スキンコンディションのための洗浄処理(例えば、吹出物、ニキビ、スキントナー等)、脱毛剤、ウェットワイプ、デオドラント、制汗剤、顔用マスク、髭剃り(例えば、シェービングクリーム)、アフターシェーブローション、スキンピーリング(例えば、剥離剤)、女性用製品(例えば、生理用品)、パーソナルフレッシュナー、及びフットケアに用いられる組成物を提供する。本発明は化粧料(例えば、ファンデーション、マスカラ、アイシャドー、アイライン、リップスティック、リップグロス、チーク等)に用いる組成物も提供する。更に、本発明は疾患に関連する毛の状態を改善するために用いるパーソナルケア組成物を提供する。他の態様において、このパーソナルケア組成物は疾患に関連する皮膚の状態を改善するために用いるパーソナルケア組成物を提供する。本発明の組成物は、固体、液体、コロイド、乳液、オイル、ゲル、アエロゾル、発泡体、粉末、ポンプスプレー等を含むがこれらに限定されない各種形態で用いることができ、並びにウェットワイプ等のアイテムと併せて用いることもできる。即ち、本発明は意図する使用に対して好適な形態で用いることを意図する。
幾つかの態様において、パーソナルケア組成物は前述のセクション5.4に記載のような、変異ペプチド及び少なくとも1つのアミノ酸置換を含む修飾変異BBPIを提供する。他の態様において、このパーソナルケア組成物は前述のセクション5.4.2において説明されているような変異ペプチド及びアミノ酸置換の組み合わせを含む修飾変異BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。幾つかの態様において、パーソナルケア組成物は等しいキモトリプシンループがVEGF結合ペプチドであるし変異BBPIを含む。他の態様において、このパーソナルケア組成物は等しいキモトリプシンループがFGF5結合ペプチドである修飾変異BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。他の態様において、このパーソナルケア組成物は等しいキモトリプシンループがTGFβ結合ペプチドである、修飾変異BBPIを含む。
更なる態様において、このパーソナルケア組成物は等しいキモトリプシンループがTNFα結合ペプチドである修飾変異BBPIを含む組成物を提供する。幾つかの態様において、修飾変異BBPIはパーソナルケア組成物中に約0.0001重量パーセント乃至約5重量パーセント含まれる。代替的な態様において、修飾変異BBPIはパーソナルケア組成物中に約0.001重量パーセント乃至約0.5重量パーセント含まれる。更なる態様において、この修飾変異BBPIはパーソナルケア組成物中に約0.01重量パーセント乃至約1重量パーセント含まれる。
6.0.2修飾変異BBPIを含むパーソナルケア組成物
VEGFは細胞生存、分化、及び酸化窒素及びポリスタサイクリンの生成を含む細胞の各種機能に影響するだけでなく、血管形成において中心的な役割を担っている(Zachary et al.,Cardiovasc Res,49: 568−81[2001])。病原性状態における血管形成の一次刺激として、VEGFを認識することは、VEGF活性をブロックするための試みを導いてきた。抗VEGFレセプター抗体、可溶性レセプター構築体、アンチセンスストラテジー、RNAアプタマー因子VEGF、及び低分子量VEGFチロシンキナーゼ(RTK)インヒビターは、VEGFシグナリングを妨げるのに用いるために研究されてきた(Siemeister et al.,[1998]参照)。実際には、モノクローナル抗体因子VEGFがヒトの腫瘍の外来移植の成長を抑制し、マウスにおいて腹水の形成を抑制した(Kim et al.,[1993]; Asano et al.,[1998];Mesiano et al.,[1998]; Luo et al.,[1998a]及び[1998b];並びにBorgstrom et al.,[1996]及び[1998])。
VEGF及びRTKを含む血管形成は、腫瘍の成長だけでなく、血管形成に依存している異なる生体システムに影響をしている他の多くの疾病又は状態も含み、関節炎、アテローム斑(骨及び靭帯)、糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、黄斑変症、眼ヘルペス、トラコーマ及び角膜移植血管新生、及び血管繊維腫を含む。VEGF発現は乾癬患者の表皮過形成において、及び強皮症、酒さ、血管腫、接触性皮膚炎、及び皮膚の引っかき傷の異常肥大を含む高められた血管形成ににより特徴付けられる、他の皮膚疾患において、上向き調節を行う(Detmar and Yeo et al.[1995])。トランスジェニックマウスの表皮におけるVEGFの標的発現は数多くの腫瘍と脆弱な血管形成を伴う、皮膚における血管形成の増加を生じると報告されている(Brown et al.,[1998]参照)。マウスの皮膚における慢性的にVEGFの合成はVEGFに特異的な結合因子により元に戻すことができるヒトの乾癬の組織学的に等しいマウスモデルを提供する(Xia et al.,[2003])。更に、紫外線放射はケラチノサイトにおけるVEGF生成を含み、皮膚の血管形成を高める(Kim et al.,Soc. Investigative Dermatol.126:2697[2006];Blaudshun et al.,FEBS Let.474:195−200[2000];Kosmadaki et al.,FASEB J.17:446−8[2003])。
更に、げっ歯類の毛胞の外毛根鞘におけるVEGFの発現は毛髪の成長期における毛細血管の増殖に時間的及び空間的に関連していることが発見された。外毛根鞘におけるVEGFの遺伝子組み換え的過剰発現は毛胞周囲の血管形成を高め、育毛組成物それに次ぐ脱毛を促進し、より大きな毛髪の成長も促進した(Yano et al.J Clin Invest 107:409−17[2001])。
従って、VEGFは疾病及び非疾病に関する各県形成に含まれる。
本発明は修飾変異VEGF−BBPIを含むパーソナルスキンケア及びパーソナルヘアケア組成物を提供する。本発明のパーソナルケア組成物に含まれるVEGF−BBPIは、VEGF−BBPIの前駆体骨格中のキモトリプシンループに等しい位置がVEGF変異ペプチドで置換されており、更にセクション5.4.2及び6.4.2に記載されている少なくとも1つのアミノ酸置換を更に含む、修飾変異体BBPIである。本発明の幾つかの態様において、VEGFへの修飾変異VEGF−BGL7の結合は毛胞周辺の血管形成の上昇を抑制し、VEGFが育毛を促進することを阻害する。他の態様において、VEGFへの修飾変異VEGF−BGL7の結合は、例えば、血管腫及び扁平苔癬等の血管形成性皮膚疾患を患っている患者の皮膚における血管形成の上昇を抑制する。更なる態様において、VEGFへの修飾変異VEGF−BGL7の結合は、乾癬、強皮症、静脈腫、ニキビ、酒さ、イボ、湿疹、及びリンパ管形成を含む炎症性皮膚疾患に関する調節不可能な血管形成の促進を阻害する。しかしながら、本発明を特定のメカニズムに限定することは意図しない。
幾つかの態様において、パーソナルケア組成物はキモトリプシンループがU.S.Applications Serial Nos.09/832,723及び10/984,270に記載のVEGF結合ペプチドである、VEGF−BBPIを含む。具体的には、このペプチドは、ACYNLYGWTC(SEQ ID NO:9)、KYYLYWW(SEQ ID NO:458)、TLWKSYW(SEQ ID NO:459)、DLYWW(SEQ ID NO:460)、SKHSQIT(SEQ ID NO:468)、KTNPSGS(SEQ ID NO:469)、RPTGHSL(SEQ ID NO:470)、KHSAKAE(SEQ ID NO:471)、KPSSASS(SEQ ID NO:472)、PVTKRVH(SEQ ID NO:473)、TLHWWVT(SEQ ID NO:492)、PYKASFY(SEQ ID NO:493)、PLRTSHT(SEQ ID NO:494)、EATPROT(SEQ ID NO:495)、NPLHTLS(SEQ ID NO:496)、KHERIWS(SEQ ID NO:497)、ATNPPPM(SEQ ID NO:498)、STTSPNM(SEQ ID NO:499)、ADRSFRY(SEQ ID NO:500)、PKADSKQ(SEQ ID NO:501)、PNQSHLH(SEQ ID NO:502)、SGSETWM(SEQ ID NO:503)、ALSAPYS(SEQ ID NO:504)、KMPTSKV(SEQ ID NO:505)、ITPKRPY(SEQ ID NO:506)、KWIVSET(SEQ ID NO:507)、PNANAPS(SEQ ID NO:508)、NVQSLPL(SEQ ID NO:509)、TLWPTFW(SEQ ID NO:510)、NLWPHFW(SEQ ID NO:511)、SLWPAFW(SEQ ID NO:512)、SLWPHFW(SEQ ID NO:513)、APWNSHI(SEQ ID NO:514)、APWNLHI(SEQ ID NO:515)、LPSWHLR(SEQ ID NO:516)、PTILEWY(SEQ ID NO:517)、TLYPQFW(SEQ ID NO:518)、及びHLAPSAV(SEQ ID NO:519)を含む。幾つかの態様において、VEGF変異配列はU.S.Application Serial No.11/919,717に記載のVEGF結合ペプチドを含むがこれらに限定されない。具体的にはこのペプチドは、KYYLSWW(SEQ ID NO:520)、WYTLYKW(SEQ ID NO:521)、TYRLYWW(SEQ ID NO:522)、RYSLYYW(SEQ ID NO:523)、YYLYYWK(SEQ ID NO:524)、NYQLYGW(SEQ ID NO:525)、TKWPSYW(SEQ ID NO:226)、TLWKSYW(SEQ ID NO:527)、PLWPSYW(SEQ ID NO:528)、RLWPSYW(SEQ ID NO:529)、TLWPKYW(SEQ ID NO:530)、KYDLYWW(SEQ ID NO;531)、RYDLYWW(SEQ ID NO:532)、DYRLYWW(SEQ ID NO:533)、DYKLYWW(SEQ ID NO:534)、EYKLYWW(SEQ ID NO:535)、及びRYPLYWW(SEQ ID NO:536)を含む。他の態様において、このVEGF結合ペプチドはSEQ ID NOS:9、458、459、460、468、469、470、471、472、及び473から選択される。
変異体VEGFペプチドが導入されキモトリプシンループと置換される骨格はグリシンマックス(Glycine max)(BBI;SEQ ID NO:13)由来ダイズインヒビター又はそれあらの成熟切断形態((SEQ ID NO:185)の骨格、ドリコスビフロラス(Dolichos biflorus)(BBdb;SEQ ID NO:449)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3;SEQ ID NO:450)由来ダイズインヒビターD−II、トレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451)インヒビター、(SEQ ID NO:186)のBBPI−AV骨格、(SEQ ID NO:187)のBBPI−AV骨格、(SEQ ID NO:452)のBBPdb−AV骨格、(SEQ ID NO:453)のBBsb3−AV骨格、(SEQ ID NO:454のBBtc−AV骨格、(SEQ ID NO:640)のBBIt−VEGK骨格、(SEQ ID NO:641)のBBIt−VEGT骨格、(SE ID NO:642)のBBIt−VEGKD骨格から選択される。更に、Prakash et al.(上記)に記載の任意の野生型BBPIが変異BBPI骨格を生成するために用いられる。幾つかの態様において、この骨格はSEQ ID NO:187のVEGF−BBPIである。
幾つかの態様において、修飾変異VEGF−BBPIはセクション5.4.1に記載のようにSEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置から選択される少なくとも1つのアミノ酸配位置において少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。他の態様において、修飾変異VEGF−BGL7はセクション5.4.2に記載のような2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つの組み合わせから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。他の態様において、修飾変異VEGF−BGL7はの骨格は13I−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ酸置換の組み合わせから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。
幾つかの態様において、本発明のパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:9、458、459、460、468、469、470、471、472、及び473から選択されるVEGF変異ペプチドで置換された前駆骨格のキモトリプシンループに等しい位置で、変異BBPIを含む。ここでこの骨格はSEQ ID NO:187であり、13I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、パーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:601、602、627、628、629、630、631、643、491、632、633、634、635、及び636のVEGF−BBPIから選択されるVEGF−BBPIを含む。
幾つかの態様において、本発明はVEGFに結合するVEGF−BBPIの結合ペプチドを含む。代替的な態様において、VEGFへのVEGF−BGL7の結合はVEGFの加硫活性をブロックする。幾つかの態様において、この組成物は血管形成を調節することができる。
幾つかの態様において、このパーソナルケ組成物は修飾変異体VEGF−BBPIをふくみ、スキンケアに用いられる。幾つかの態様において、このスキンケア組成物は皮膚の外観を改善するために用いる化粧品に用いる。他の態様において、このスキンケア組成物は皮膚疾患を患っている患者の皮膚の外観を改善する治療に用いる。幾つかの態様において、この皮膚疾患は血管形成性皮膚疾患である。追加的な態様において、この皮膚疾患は乾癬、強皮症、静脈腫、ニキビ、酒さ、イボ、湿疹、血管腫、及びリンパ管形成、から選択される。幾つかの態様において、この皮膚疾患は酒さ、である。他の態様において、この皮膚疾患は乾癬である。
1つの態様において、VEGF−BBPIを含むパーソナルスキンケア組成物はスキンクリーム、ローション、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、泡、エアロゾル、液体、ゲル、美容液、及び固形物から選択される。他の態様において、このパーソナルケア組成物は保湿ボディーウォッシュ、ボディーウォッシュ、抗菌洗浄剤、皮膚保護クリーム、ボディーローション、顔用クリーム、保湿クリーム、顔用洗浄 乳液、顔用ゲル、顔用美容液、界面活性剤ベース顔用洗浄剤、顔用ピーリングゲル、抗ニキビトリートメント、顔用トナー、ピーリングクリーム、顔用マスク、アフターシェーブバーム、プレシェーブバーム、タンニング組成物、スキンライトニング組成物、皮膚の赤味を低減する組成物、サンスクリーン、脱毛剤、育毛抑制剤、及び放射線保護剤から選択される。放射線保護剤は水耐性でない サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択される。
1つの態様において、VEGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物は局所的に適用される店頭市場製品、抗菌 トリートメント、抗ニキビトリートメント、皮膚保護剤、サンスクリーン、デオドラント剤、及び制汗剤を含む、スキンケア組成物である。他の態様において、この少なくとも組成物はスキントーンを明るくし、赤味を軽減し、スキントーンが暗くなるのを防ぎ、又は色の昂進を阻害する。
本発明は化粧組成物であるパーソナルケア組成物も提供する。幾つかの態様において、VEGF−BBPIを含む化粧組成物は圧縮粉末製剤及びファンデーションから選択される。幾つかの好適な態様において、この化粧組成物は少なくとも1つの顔料を含む。
更なる態様において、このメイクアップ組成物はルースパウダー頬紅、及びブロンジングパウダーから選択される。更なる態様において、このメイクアップ組成物はオイル中水製剤、シリコン中水製剤、水中オイル製剤、無水メイクアップスティック、及びクリーム乃至粉末製剤から選択される。
幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物は本明細書で定義される修飾変異VEGF−BBPI、及び物理的に利用可能なキャリア又は添加剤を含む。好ましくは、VEGF−BBPIは組成物の総重量に基づいて、約0.0001乃至約5%の量で存在する。このVEGF−BBPIは組成物の総重量に基づいて、約0.001%乃至約0.5%の量で存在することが好ましい。この組成物は栄養クリーム又はローション、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、局所的パック又はマスク等の乳液形態、シャンプー、あるいはボディーウォッシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル化された又はスプレーの分散系又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤又はメイクアップ等の着色製品、並びに他の好適なメイクアップ及び化粧製品の形態でよい。幾つかの態様において、キャリアは水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される。
幾つかの他の態様において、本発明はヘアケアに用いる修飾変異VEGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。
幾つかの態様において、このヘアケア組成物は育毛の抑制に用いることができる。他の態様において、育毛の抑制は育毛が少ないことが好ましい少なくとも1つの疾病又は状態のちりょうのための毛の除去を含む。幾つかの態様において、抑制及び/又は除去は脱毛も含む。幾つかの態様において、毛は顔の毛、脚の毛、腕の毛、及び胴体の毛から選択される。
他の態様において、このヘアケア組成物は、シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング組成物、ヘアカラー、パーマネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、泡、及び固形物から選択される。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は更に放射線保護剤を含む。パーソナルスキンケア組成物において説明したように、この放射線保護剤は水耐性でないサンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択される。他の態様において、放射線保護剤は水耐性でないサンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択される。
幾つかの態様において、パーソナルケア組成物は本明細書で定義された修飾変異体VEGF−BBPI及び物理的利用可能な担体又は添加剤を含む。好ましくはこのVEGF−BBPIは組成物の総重量に基づいて約0.0001%乃至約5%の量で存在する。VEGF−BBPIは組成物の総重量に基づいて、約0.001%乃至約1%の量で存在することも好ましい。この組成物は栄養クリーム又はローションの乳化された形態、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、局所的パック又はマスク、シャンプー又はボディーウォッシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル化された、又はスプレーの分散系、又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤、又はメイクアップ等の着色製品、並びに他の好適なメイクアップ及び化粧製品の形態でよい。幾つかの態様において、このキャリアは水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される。
他の態様において、本発明のこのパーソナルケア組成物はVEGFの高いレベルに関係する血管疾病の治療に用いられる。
本発明は固体の育毛を抑制する方法も提供し、この方法は本発明のパーソナルケアVEGFヘアケア組成物を提供する工程、治療されるべき固体を提供する工程、育毛の抑制が好まれる固体の領域にこの組成物を提供する工程を含む。幾つかの態様において、育毛の抑制は固体の毛の育成を抑制することも含む。ここにおいて、抑制される毛は顔の毛、脇の毛、足の毛、動態の毛、腕の毛、及び頭の毛からなる群より選択される。追加的な態様において、本は発明のVEGFヘアケア組成物育毛の抑制のための方法はSEQ ID NOS:601、602、627、628、629、630、631、643、491、632、633、634、635、及び636から選択されるアミノ酸配列を有するVEGF−BBPIを含むパーソナルケアCBHI変異体を含む。
他の態様において、本発明は皮膚疾患を患っている固体の皮膚の外観及び/又は状態を改善するための方法を提供する、この方法は本発明のパーソナルケア組成物を提供するこうてい、処理される個体を提供するこうてい、及びこの固体の皮膚に組成物を適用する工程を含む。幾つかの態様において、皮膚疾患は乾癬、静脈腫、ニキビ、酒さ、イボ、湿疹、血管腫、皮膚の扁平苔癬、及びリンパ管形成等から選択される。
幾つかの特定の好適な態様において、この皮膚疾患は酒さである。他の態様において、この皮膚疾患は乾癬である。追加的な態様において、皮膚疾患を患っている固体における皮膚の外観及び/又は状態を改善する、本発明のVEGFスキンケア組成物を用いる方法はSEQ ID NOS:601、602、627、628、629、630、631、643、491、632、633、634、635、及び636から選択されるアミノ酸配列を有するVEGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を含む。
6.0.3修飾変異体FGF−5−BBPIを含むパーソナルケア組成物
繊維芽細胞成長因子(FGF)ファミリーは少なくとも23メンバーを含む成長因子のスーパーファミリーである。この多くは細胞増殖、細胞分化、及び細胞機能の調節をしている。全てのFGFは保存されたあ120アミノ酸コアを有する。このファミリーのメンバーは保存されたシステイン残基及びアミノ酸レベルで30乃至50%の配列同一性を有している。FGFの分子量はFGF−1について70kDa乃至FGF−5について380kDaである。タンパク質の長さはFGF−1スプライス変異において60アミノ酸で、FGF−2について288アミノ酸である。ヘパリンへの結合はFGF因子が細胞表面レセプターと相互作用しあうのに必須な工程である。FGF−5は268アミノ酸の分泌されたシグナルタンパク質であり、17アミノ酸のシグナル配列に215アミノ酸の成熟ペプチドからなる。ヒト遺伝子も18kDaのサイズで1230アミノ酸長のグリコシル化された代替的なスプライス形態レベルが高い。FGF−5のげっ歯類相同体はクローンされ、アミノ酸配列レベルでヒトタンパク質に84%の相同性があることが発見された。ヒトFGF−5は3つのエキソンとからなり、染色体4q21に位置しており、げっ歯類FGF−5とクロスリアクションする。
毛胞の形成は複合的な工程を含み、成長(発育相)、退行(中間期)、休止(テロゲン)、及び脱落期(エキソゲン)を含む。FGF−5は毛のサイクルにおいて発育相から中間期の移行の主要な調節因子の1つであることが示唆されている。FGF−5の発現は野生型マウスから毛包において検出されており、発育相の間の外毛根鞘に位置している。FGF−5の予測されるヌル対立遺伝子、fgf5neo、は異常な長髪となる(Hebert et al.,Cell 78:1017−25[1994])参照。)。この表現型はアンゴラ自然突然変異(go)と同型のマウスのものと同じようである。近年、レセプターへの結合においてFGF−5と競合すると考えれている、部分的なFGF−5配列、FGF−5Sが同定された(Ito et al.,J.Cell Physiol.,197:272−83[2003]参照)。
本発明は発毛の促進及び/又は毛の損失を阻害するために用いる、少なくとも1つの修飾変異FGF−BBPIを含むパーソナルケアを提供する。1つの態様において、本発明は、パーソナルスキンケアのためのFGF−BBPI組成物を提供する。1つの態様において、本発明はヘアケアのためのFGF−BBPI組成物を提供する。本発明のパーソナルケア組成物に含まれるFGF−BBPIはFGF−5BBPIの前駆体骨格の等しいキモトリプシンループがFGF−5変異ペプチドで置換されており、更にセクション5.4.1及び5.4.2に記載の少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。本発明において、修飾変異FGF−BBPI又はFGF−5−BBPIの結合はFGF−5と同属のレセプターとの相互作用を起こらないようにして、発育相から中間期への移行を抑制し、育毛を促進して、毛の損失を少なくする。しかしながら、本発明を任意の特定のメカニズムに限定することは意図しない。
幾つかの態様において、パーソナルケア組成物は少なくとも1つのFGF−BBPIを含み、このFGF−BBPIのキモトリプシンループはCACRTQPYPLCF(MM007;SEQ ID NO:430)、CICTWIDSTPC(PS2; SEQ ID NO:431)、CYGLPFTRC(SEQ ID NO:537)、CEEIWTMLC(SEQ ID NO:538)、CWALTVKTC(SEQ ID NO:539)、CLTVLWTTC(SEQ ID NO:540)、CTLWNRSPC(SEQ ID NO:541)、CHYLLTNYC(SEQ ID NO:542)、CRIHLAHKC(SEQ ID NO:543)、TNIDSTP(SEQ ID NO:544)、HLQTTET(SEQ ID NO:545)、SLNNLTV(SEQ ID NO:546)、TNIDSTP(SEQ ID NO:547)、TNIDSTP(SEQ ID NO:548)、LRILANK(SEQ ID NO:549)、LLTPTLN(SEQ ID NO:550)、ALPTHSN(SEQ ID NO:551)、TNIDSTP(SEQ ID NO:552)、LCRRFEN(SEQ ID NO:553)、TNIDSTP(SEQ ID NO:554)、TNIDSTP(SEQ ID NO:555)、HLQTTET(SEQ ID NO:556)、PLGLCPP(SEQ ID NO:557)、GYFIPSI(SEQ ID NO:558)、TKIDSTP(SEQ ID NO:559)、HLQTTET(SEQ ID NO:560)、WNIDSTP(SEQ ID NO:561)、TWIDWTP(SEQ ID NO:562)、RTQPYPL(SEQ ID NO:670)、及びTWIDSTP(SEQ ID NO:671)から選択される変異ペプチドである。他の態様において、このFGF変異ペプチドはSEQ ID NOS:430、431、670、及び671から選択される。
変異FGFペプチドが導入されてキモトリプシンループを置換する骨格はGlycine max(BBI; SEQ ID NO:13)由来ダイズインヒビター又はこれらに成熟及び切断形態((SEQ ID NO:185)、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3;SEQ ID NO:450)由来ダイズインヒビターD−II、トレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451)由来インヒビター、SEQ ID NO:186のBBI−AV scaffold、SEQ ID NO:187のBBIt−AV骨格SEQ ID NO:452のBBdb−AV骨格、SEQ ID NO:453のBBsb3−AV骨格、SEQ ID NO:454のBBtc−AV骨格、SEQ ID NO:640のBBIt−VEGK骨格、SEQ ID NO:641のBBIt−VEGT骨格、及びSE ID NO:642のBBIt−VEGKD骨格から選択される。更に、Prakash et al.(上記)に記載のような、野生型BBPI前駆体骨格も変異BBPI骨格の生成に用いられる。幾つかの態様において、このVEGF−BBPIの骨格はSEQ ID NO:187である。
幾つかの態様において、修飾変異FGF−BBPIの主鎖はセクション5.4.1に記載のように、SEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置の少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。他の態様において、修飾変異FGF−BBPIの主鎖は、セクション5.4.2に記載のように、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。他の態様において、修飾変異FGF−BBPIの主鎖は13I−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、この置換の組み合わせは13I−29P−50T−52Aである。
幾つかの態様において、本発明のパーソナルケア組成物は前駆体骨格のキモトリプシンループに等しい部分がSEQ ID NOS:433及び434から選択されるFGFへペプチドで置換されている。この骨格はSEQ ID NO:187であり、アミノ酸置換13I−40K−50T−52Aを含む。従って、幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:439及び441のFGF−BBPIから選択されるFGF−BBPIを含む。
幾つかの態様において、本発明はFGFへ結合するFGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。代替的な態様において、FGFへのFGF−BBPIの結合はFGFの下流活性をブロックする。幾つかの態様において、この組成物は育毛を促進する。
幾つかの態様において、修飾変異BBPI−FGFはスキンケアに用いる。幾つかの態様において、このスキンケア組成物は育毛を促進するために用いるスキンケア組成物である。幾つかの態様において、このスキンケア組成物は疾病を患っている患者又は毛の損失状態における育毛の促進に用いる。これらの態様の幾つかにおいて、この疾病又は状況は炎症性脱毛症、萎縮性脱毛症、強皮症、ダニ咬傷、扁平苔癬、乾癬、狼瘡、脂漏性皮膚炎、脱毛症、血色素症、男性ホルモン性脱毛症、及び円形脱毛症、癌、不完全な毛髪繊維形成、及び毛の生成に影響を与える環境因子からなる群より選択される。好適な態様において、FGF―BBPIを含むパーソナルケア組成物はスキンケアクリーム、ローション、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、泡、エアロゾル、液体、ゲル、美容液、及び固形から選択される。他の態様において、このパーソナルケア組成物は保湿性ボディーウォッシュ、ボディーウォッシュ、抗菌クレンザー、スキンプロテクトクリーム、ボディーローション、顔用クリーム、保湿クリーム、顔用クレンジング乳液、顔用ゲル、顔用美容液、界面活性剤ベース顔用クレンザー、顔用マスク、アフターシェーブバーム、プレシェーブバーム、タンニング組成物、スキンラントニング組成物、赤み抑制組成物、サンスクリーン、脱毛剤、育毛抑制剤、及び放射線保護剤から選択されるスキンケア組成物である。放射線保護剤は非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択される。
1つの態様において、FGF−BBPIを含むこのパーソナルスキンケア組成物は局所的に適用される店頭市場製品、抗菌トリートメント、抗ニキビトリートメント、皮膚保護剤、サンスクリーン、デオドラント剤、及び制汗剤を含むを含むスキンケア組成物である。
幾つかの態様において、このパーソナルスキンケア組成物は本明細書で定義された変異VEGF−BBPI及び物理的に許容可能な担体又は添加剤を含む。このVEGF―BBPIは組成物の総重量により、約0.001%乃至約0.5%の量で存在する。この組成物は栄養クリーム又はローション、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、局所的パック又はマスク等の乳液形態、シャンプー又はボディーウォッシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル化された又は スプレーの分散系又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤又はメイクアップ等の着色製品、並びに他の好適なメイクアップ及び化粧製品の形態でよい。幾つかの態様において、この担体は水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される。
他の態様において、本発明は、ヘアケアに用いる、修飾変異FGF−BBPを含むパーソナルケア組成物を提供する。
幾つかの態様において、このヘアケア組成物は育毛の促進に用いる。他の態様において、調節は疾病を患っている患者又は毛の損失を含む状態における育毛の促進を含む。これらの幾つかにおいて、疾病又は状態は、炎症性脱毛症、萎縮性脱毛症、強皮症、ダニ咬傷、扁平苔癬、乾癬、狼瘡、脂漏性皮膚炎、脱毛症、血色素症、男性ホルモン性脱毛症、及び円形脱毛症、癌、不完全な毛髪繊維形成、及び毛の生成に影響を与える環境因子からなる群より選択される。好適な態様において、この疾病はアンドロゲン性脱毛症又は円形脱毛(症)である。1つの態様において、このヘアケア組成物はシャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング組成物、ヘアカラー、パーマネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、泡、及び固形物から選択される。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は更に放射性保護剤を含む。スキンケア組成物のところで説明したように、この放射線保護剤は非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンを含む。
幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物は本明細書で定義される修飾変異FGF−BBPI及び物理的に許容可能な担体又は添加剤を含む。好ましくは、このFGF−BBPIは組成物の総重量に基づいて約0.0001%乃至約5%の量で存在する。このFGF−BBPIは組成物の総重量に基づいて約0.001%乃至約0.5%の量で存在しても好ましい。この組成物は、栄養クリーム又はローション、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、局所的パック又はマスク等の乳液形態、シャンプー又はボディーウォッシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル化された又はスプレーの分散系又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤又はメイクアップ等の着色製品、並びに他の好適なメイクアップ及び化粧製品の形態でよい。幾つかの態様において、この担体は水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される。
他の態様において、本発明のパーソナルケアFGF−BBPI組成物はFGFが高レベルになる各種疾患の治療に用いることができる。
本発明は患者の育毛を促進するための方法も提供する。この方法は、本発明のパーソナルケアFGF組成物を提供する工程、治療する患者を提供する工程、この患者の育毛を促進したい場所にこの組成物を適用する工程を含む。幾つかの態様において、このFGF組成物はスキンケア組成物である。他の態様において、このFGF組成物はヘアケア組成物である。幾つかの態様において、、育毛の促進は、固体のヘアの育毛の促進を含み、顔の毛、脇の毛、脚の毛、胴体の毛、及び腕の毛から選択される育毛を促進すべき領域の育毛の促進を含む。追加的な態様において、本発明のFGFヘアヘア組成物を用いて育毛を促進する方法はSEQ ID NOS:439及び441から選択されるアミノ酸配列を有するFGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を適用する工程を含む。
6.0.4修飾変異TGFβ―BBPIを含むパーソナルケア組成物
形質転換成長因子―β(TGFβ)ファミリーはほとんど全ての細胞により合成されている。このTGFβは安定な多機能ポリペプチド成長因子のグループであり、他の中でも特に、細胞の増殖の抑制及び刺激、細胞外マトリックスの制御、胚形成の間の間葉−上皮細胞相互作用の制御、傷に反応する細胞及び組織間の仲介、腫瘍形成、及び免疫反応の調節を活性化する。TGFβ―1はほとんど全ての細胞(幾つかの例外を除く)で合成される。TGFβはヒト血小板及び哺乳類の骨に高濃度で存在する。TGFβは細胞増殖の抑制、細胞外マトリックス沈着の促進、及び身体的免疫抑制を含む多くの機能を有する。TGFβは毛包の発育において生物学的に活性であることが発見見出された。ヒトTGFβは1サブユニット当り約112アミノ酸を含むサブユニットを有する25.0kDaのタンパク質である。2つの異なるレセプタータンパク質がTGFβ―1の結合及び/又はシグナリングに含まれており、これらはTGF−RβII及びTGF−RβIである。TGFβ―2はケラチノサイト、繊維芽細胞、破骨細胞、胸腺上皮細胞、骨格筋細胞、前立腺上皮細胞、気管支上皮細胞、ニューロン及び星状細胞、内臓平滑筋細胞、マクロファージ、及び各種他の細胞を含む各種細胞で発現される。TGFβ−2はマスト細胞の成長抑制因子、細胞外マトリックスの蓄積のエンハンサー、及び免疫抑制をしての機能を含む多くの基本的な活性を有している。この成熟領域は、TGFβ―1に対して71%、TGFβ―3に対して80%、及び同じアミノ酸のマウス相同体に対して97%の、アミノ酸レベルでの同一性を有する。TGFβ―2は「プロ」領域の間のジスルフィド結合と成熟領域の間のジスルフィド結合の形成により、二量体になる。TGFβ―2は19アミノ酸シグナル配列、283プロ領域、及び112成熟アミノ酸セグメントを有するプレプロサイトカインとして合成される。TGFβ―2に対するレセプターは2つのタイプIシグナルトランスダクションレセプターと2つのタイプIIリガンド結合レセプターの四量複合体を形成する。
毛包の形成は、複合的な工程を含み、成長(発育相)、退行(中間期)、休止(テロゲン)、及び脱落期(エキソゲン)を含む。(Stenn and Paus、Physiol.Rev,Exp.Dermatol.,8:229−233[1999]参照。)TGFβはヘアサイクルにおける発育相から中間期への移行の主要なドライバーの1つであることが示唆された(例えば、Foitzik et al、FASEB J.,5:752−760[2000];及びSoma et al. J. Infect. Dis.、J. Invest. Dermatol.、118:993−9997[2002]参照)。TGFβ2はげっ歯類の毛包の形態形成の必要誘導物質であり、十分誘導物質である。(Foitzik et al.,Develop.Biol.,212:278−289[1999]参照。)トランスジェニックマウスにおける条件付きのTGFβ―1の発現は可逆性の脱毛症を誘発することができる(Liu et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:9139−9144[2001])。更に、TGFβ―1変異体はマウスにおいて中間期の開始を遅らせることに関係している(Foitzik et al、[2000]、上記)。近年、カタゲンはTGFβ―2抗体の使用を通じて遅らせることが示された。(Soma et al.,[2002]上記)最終的に、はげかかった頭皮乳頭細胞におけるTGFβ―1生成は上皮細胞の成長を抑制する(Inui et al.,FASEB J.,14:1967−1969[2002])。
TGFβは結合組織の蓄積を刺激することができ、このことは強皮症の発症及び他の線維性の疾病を示している(Blobe et al.,N Engl J Med 342:1350−1358[2000])。強皮症は、初期の炎症及び血管の傷害、次いで皮膚及び他の器官における線維症が進行することを特徴とする慢性的な自己免疫疾患である(Kissin and Korn、Rheum Dis Clin North Am 29:351−369[2003])。最も目立つ症状は皮膚が硬化することであり、それにより引っかき傷が多くなる。
TGFβは皮膚の腫瘍の形成にも影響を与えることが示唆されている(Li et al.,Molecular Carcinogenesis 45:389−396[2006])。TGFβシグナリング経路は上皮細胞のホメオスタシスの維持において最も重要な機構の1つである。この経路を抑制又は高めるかのいずれかの変更は腫瘍の成長に影響する。TGFβは星状な上皮細胞を育成と抑制するが、多くの上皮細胞において、逆説的ではあるが、過剰発現する。TGFβは腫瘍形成の初期の段階で腫瘍抑制因子として働くが、腫瘍形成の後期ではTGFβが過剰発現すると腫瘍の浸潤及び転移の重要な因子となる。
本発明は修飾変異TGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。本発明のパーソナルケア組成物に含まれるTGFβ―BBPIはTGF−BBPIの前駆体骨格のキモトリプシンループがTGFβ変異ペプチドで置換されており、セクション5.4.1及び5.4.2セクション5.4.1及び5.4.2に記載の少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。幾つかの態様において、TGFβ1及び/又はTGFβ2への修飾変異TGF−BBPIの結合はTGFβ1及び/又はTGFβ2が同属のレセプターに結合するのを阻害して、発育相から中間期への移行を阻害して、育毛を促進して、ヘアロスを阻害する。他の態様において、TGFβ1及び/又はTGFβ2への修飾変異TGF−BBPIの結合はTGFβ及び/又はTGFβ2が像族のレセプターに結合するのを阻害して、強皮症の特徴である皮膚の線維質形成を阻害する。他の態様において、TGFβ1及び/又はTGFβ2への修飾変異TGF−BBPIの結合は、同属のレセプターにTGFβ1及び/又はTGFβ2が結合するのを防いで、病理的な皮膚の傷の進行を阻害する。しかしながら、本発明を特定のメカニズムに限定することは意図しない。
幾つかの態様において、TGFβ―BBPIに含まれるTGFβ変異ペプチドはCLCPENINVLPCN(PEN3;SEQ ID NO:436)、CICKHNVDWLCF(MMO21W;SEQ ID NO:437)、CICWTQHIHNCF(WTQ; SEQ ID NO:438)、CVTTDWIEC(SEQ ID NO:563)、CYYSQFHQC(SEQ ID NO:564)、CPTLWTHMC(SEQ ID NO:565)、QSACIVYYVGRKPKVECASSD(SEQ ID NO:566)、QSACILYYIGKTPKIECASSD(SEQ ID NO:567)、QSACILYYVGRTPKVECASSD(SEQ ID NO:568)、acetyl−LCPENDNVSPCY−cohn2(SEQ ID NO:569)、KHNVRLL(SEQ ID NO:570)、NDTPSYF(SEQ ID NO:571)、 AKLYAGS(SEQ ID NO:572)、RGPAHSL(SEQ ID NO:573)、NSLAERR(SEQ ID NO:574)、HPLASPH(SEQ ID NO:575)、QPWNKLK(SEQ ID NO:576)、AWLr/Mipy(SEQ ID NO:577)、PTKPAQQ(SEQ ID NO:578)、PSLNRPQ(SEQ ID NO:579)、HHARQEW(SEQ ID NO:580)、RHHTPGP(SEQ ID NO:581)、ASAINPH(SEQ ID NO:582)、CHGYDRAPC(SEQ ID NO:644)、CFAPADQAC(SEQ ID NO:645)、CIPSRFITC(SEQ ID NO:646)、CHGHTKLAC(SEQ ID NO:647)、CNGKSKLAC(SEQ ID NO:648)、PENINVLP(SEQ ID NO;672)、KHNVDWL (SEQ ID NO:673)、及びWTQHIHNC(SEQ ID NO:674)から選択される。SEQ ID NOS:644−648はTGFβ1結合ペプチドである。SEQ ID NOS:463、437、438、563−582はTGFβ2結合ペプチドである。
他の態様において、このTGFβ変異ペプチドはSEQ ID NOS:436、437 及び 438から選択される。
変異TGFβペプチドを導入して等しいキモトリプシンループを置換する骨格は、グリシンマックス(Glycine max)(BBI; SEQ ID NO:13)由来の大豆インヒビターの骨格又はこれらの成熟又は切断形態(SEQ ID NO:185)、ドリコスビフロラス(Dolichos biflorus)(BBdb; SEQ ID NO:449)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3; SEQ ID NO:450)由来大豆インヒビターD−II、トレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451)由来インヒビター、(SEQ ID NO:186)のBBI−AV骨格、(SEQ ID NO:187)のBBIt−AV骨格、(SEQ ID NO:452)のBBdb−AV骨格、(SEQ ID NO:453)のBBsb3−AV骨格、(SEQ ID NO:454)のBBtc−AV骨格、(SEQ ID NO:640)のBBIt−VEGK骨格、(SEQ ID NO:641)のBBIt−VEGT骨格、及び(SE ID NO:642)のBBIt−VEGKD骨格から選択される。更に、Prakash et al.(上記)に記載されているような野生型BBPI前駆体骨格も変異BBPI骨格を形成するのに用いる。幾つかの態様において、このVEFG―BBPIの骨格はSEQ ID NO:187である。
幾つかの態様において、修飾変異TGFβ―BBPIの骨格はセクション5.4.1に記載のようなSEQ ID NO:187,の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置における少なくとも1つのアミノ酸位置における少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。他の態様において、この修飾変異TGFβ―BBPIの骨格はセクション5.4.2に記載のような2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。他の態様において、この修飾変異TGFβ−BBPIの主鎖は13I−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。幾つかの態様において、この置換の組み合わせは13I−29P−50T−52Aである。幾つかの態様において、本発明のパーソナルケア組成物は前駆体骨格の等しいキモトリプシンループがSEQ ID NOS:436、437、438、672、673、及び674から選択されるTGFβ変異ペプチドで置換されており、骨格がSEQ ID NO:187であり、アミノ酸置換の組み合わせ13I−29P−50T−52Aを含むBBPIを含む。幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:443、445、及び447から選択されるTGFβ―BBPIを含む。
幾つかの態様において、本発明はTGFβ1及び/又はTGFβ2に結合するTGFβ―BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。代替的な態様において、このTGFβ−BBPIのTGFβへの結合はTGFβの下流活性をブロックする。幾つかの態様において、この組成物は育毛を促進する。
幾つかの態様において、修飾変異TGF−BBPIを含むパーソナルケア促進するはスキンケアに用いられる。幾つかの態様において、このスキンケア組成物は、育毛を促進するために用いるスキンケア組成物である。
幾つかの態様において、このスキンケア組成物は疾病を患っている患者又は毛の損失状態における育毛の促進に用いる。これらの態様の幾つかにおいて、この疾病又は状況は炎症性脱毛症、萎縮性脱毛症、強皮症、ダニ咬傷、扁平苔癬、乾癬、狼瘡、脂漏性皮膚炎、脱毛症、血色素症、男性ホルモン性脱毛症、及び円形脱毛症、癌、不完全な毛髪繊維形成、及び毛の生成に影響を与える環境因子からなる群より選択される。好適な態様において、この疾病はアンドロゲン性脱毛症又は円形脱毛症である。
他の態様において、修飾変異TGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物は強皮症を患っている患者の皮膚の外観及び/又は状態を改善するために用いる。更なる態様において、修飾変異TGF−BBPIを含む組成物は皮膚癌を患っている患者の皮膚外観及び/又は状態を改善する。
1つの態様において、TGFβ―BBPIを含むパーソナルケア組成物はスキンクリーム、ローション、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、泡、エアロゾル、液体、ゲル、美容液、及び固形から選択される。他の態様において、このパーソナルケア組成物は保湿性ボディーウォッシュ、ボディーウォッシュ、抗菌クレンザー、スキンプロテクトクリーム、ボディーローション、顔用クリーム、保湿クリーム、顔用クレンジング乳液、顔用ゲル、顔用美容液、界面活性剤ベース顔用クレンザー、顔用マスク、アフターシェーブバーム、プレシェーブバーム、タンニング組成物、スキンラントニング組成物、赤み抑制組成物、サンスクリーン、脱毛剤、育毛抑制剤、及び放射線保護剤から選択されるスキンケア組成物である。放射線保護剤は非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択される。放射線保護剤は非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択される。
幾つかの態様において、TGFβ―BBPIを含むパーソナルケア組成物は局所的に適用される店頭市場製品、抗菌 トリートメント、抗ニキビトリートメント、皮膚保護剤、サンスクリーン、デオドラント剤、及び 制汗剤を含むスキンケア組成物である。
本発明は化粧組成物であるパーソナルケア組成物も提供する。幾つかの好適な態様において、この化粧組成物はマスカラ、圧縮パウダー製剤、及びファンデーションから選択される。幾つかの好適な態様において、このメイクアップ組成物は少なくとも1つの顔料を含む。
幾つかの態様において、少なくとも1つの原顔料を含むメイクアップ組成物は非ウォータープルーフますから。ウォータープルーフマスカラ、ボリュームを上げるマスカラ、長さを長くするマスカラ、カールを強くするマスカラ、無水ウォータープルーフマスカラ、水ベースマスカラ、及びアイラッシュ、マスカラアイブロウトリートメントから選択される。
更なる追加的な態様において、このメイクアップ組成物は圧縮されたパウダーファンでションであり、ルースパウダー、頬紅、アイシャドー、及びブロンジングパウダーから選択される。更なる態様において、このメイクアップ組成物はオイル中水ファンデーション、シリコン中水ファンデーション、水中オイルファンデーション、無水メイクアップスティック、及びクリームファンデーション乃至パウダーファンデーションから選択される。
幾つかの態様において、パーソナルケア組成物は本明細書で定義される修飾変異TGF−BBPI、物理的に許容可能な担体又は添加剤を含む。好ましくは、TGF−BBPIは組成物の総重量に基づいて約0.0001%乃至約5%の量で存在する。TGF−BBPIが組成物の総重量に基づいて、約0.001%乃至約0.5%の量で存在することも好ましい。この組成物は栄養クリーム又はローション等の乳液媒体、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、局所的パック又はマスク等の乳液形態、シャンプー又はボディーウォッシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル化された又はスプレーの分散系又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤又はメイクアップ等の着色製品、並びに他の好適なメイクアップ及び化粧製品の形態でよい。幾つかの態様において、この担体は水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される。
他の態様において、本発明は、ヘアケアに用いる、修飾変異 TGF−BBPを含むパーソナルケア組成物を提供する。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は育毛の促進に用いる。
幾つかの態様において、このヘアケア組成物は育毛の促進に用いる。他の態様において、調節は疾病を患っている患者又は毛の損失を含む状態における育毛の促進を含む。これらの幾つかにおいて、疾病又は状態は、炎症性脱毛症、萎縮性脱毛症、強皮症、ダニ咬傷、扁平苔癬、乾癬、狼瘡、脂漏性皮膚炎、脱毛症、血色素症、男性ホルモン性脱毛症、及び円形脱毛症、癌、不完全な毛髪繊維形成、及び毛の生成に影響を与える環境因子からなる群より選択される。好適な態様において、この疾病はアンドロゲン性脱毛症又は円形脱毛症である。
1つの態様において、このヘアケア組成物はシャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング組成物、ヘアカラー、パーマネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、泡、及び固形物から選択される。幾つかの態様において、このヘアケア組成物は更に放射性保護剤を含む。スキンケア組成物のところで説明したように、この放射線保護剤は非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンを含む。他の態様において、この放射線保護剤は非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンである。
幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物は本明細書で定義される修飾変異TGFβ−BBPI及び物理的に許容可能な担体又は添加剤を含む。好ましくは、このTGFβ−BBPIは組成物の総重量に基づいて約0.0001%乃至約5%の量で存在する。このTGFβ−BBPIは組成物の総重量に基づいて約0.001%乃至約0.5%の量で存在しても好ましい。この組成物は、栄養クリーム又はローション等の乳液媒体、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、リポソームデリバリーシステム、局所的パック又はマスク等の乳液形態、シャンプー又はボディーウォッシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル化された又はスプレーの分散系又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤又はメイクアップ等の着色製品、並びに他の好適なメイクアップ及び化粧製品の形態でよい。幾つかの態様において、このキャリアは水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリコール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つである。
他の態様において、本発明のパーソナルケアTGF−BBPI組成物はTGFβ1及び/又はTGFβ2が高レベルになる各種疾患の治療に用いることができる。
本発明は患者の育毛を促進するための方法も提供する。この方法は、本発明のパーソナルケアTGF組成物を提供する工程、治療する患者を提供する工程、この患者の育毛を促進したい場所にこの組成物を適用する工程を含む。幾つかの態様において、このTGF組成物はスキンケア組成物である。他の態様において、このTGF組成物はヘアケア組成物である。幾つかの態様において、育毛の促進は、固体のヘアの育毛の促進を含み、顔の毛、脇の毛、脚の毛、胴体の毛、及び腕の毛から選択される育毛を促進すべき領域の育毛の促進を含む。追加的な態様において、本発明のTGFヘアケア組成物を用いて育毛を促進する方法はSEQ ID NOS:443、445、及び447から選択されるアミノ酸配列を有するTGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を適用する工程を含む。
他の態様において、本発明は、皮膚疾患を患っている患者の皮膚の外観及び/又は状態を改善する方法を提供する。この方法は本発明のパーソナルケア組成物を提供する工程、治療される患者を提供する工程、及び患者の皮膚に組成物を適用する工程を含む。幾つかの態様において、この皮膚疾患は、乾癬、強皮症、及び皮膚癌から選択される。他の態様において、本発明のTGFスキンケア組成物を用いる皮膚疾患を患っている患者の皮膚の外観及び/又は状態を改善するための方法はSEQ ID NOS: 443、445、及び447から選択されるアミノ酸配列を含むTGF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を含む。
6.0.5修飾変異TNFα―BBPIを含むパーソナルケア組成物
組織壊死因子(TNF)のタンパク質ファミリーは大きなサイトカインファミリーである。組織壊死因子アルファ(TNFα)はTNFファミリーのリガンドの原型のメンバーである。各種免疫細胞により生成され、免疫仲介炎症性疾患において重要な役割を果たす。
TNFαはT−胸腺細胞、B細胞、滑膜細胞、線維芽細胞、及びマクロファージにより26kDタンパク質をとして合成される。後に、TNFα転換酵素(メタロプロテイナーゼ、ADSMS17)により切断されて、17−kD単体分子になる。これらの分子の3つが生理的な条件下で、2つの異性体に存在している膜結合レセプターにクロスリンクする、非保存的結合の1形態のホモトリマーを形成する。TNFレセプターI(TNF−R1)及びTNFレセプターII(TNF−RII)。このもともとの機能は、数多くの細胞タイプの表面の対応するTNFレセプターに結合することにより、好中球及び単球を刺激して完成の部位及びこれあの細胞を活性化して、微生物を殺すことである。これは、血管内皮膚を局所的に活性化して、血管拡張を引き起こし、浸透圧を上げる。血管内皮膚付着分子(ICAM−1,VCAM−1、E−セレクチン)及びMHCクラスIIは上方調節されて、前炎症性細胞を誘発し、イムノグロブリン及び補体を生成する。血小板は活性化されて、粘着性が高くなり、小さな血管閉塞が起こり、感染の汚染が起こる。更に、これはマクロファージ及び内皮細胞を誘発して、サイトカインを分泌して、標的細胞のアポトーシスを促進する。TNFαはタンパク質のパラクリン機能を有しており、IL−1、IL−6,及びGM−CSF等のプロ炎症性サイトカインの分泌を含む。TNFαはRANTES、IL−8、MCP−1、及びMIP−1αを含む各種サイトカインの生成も刺激する。最終的に、TNFαはリウマチ滑膜の成長及び増殖に重要な、血管形成において役割を果たす。
免疫仲介炎症性疾患(IMID)はTNFαを含む、プロ炎症性サイトカインの異常な生産により開始される。これらの疾患は、リウマチ性関節炎(RA)、クローン病等の炎症性腸疾患(IBD)、慢性尋常性乾癬、乾癬性関節炎、血管炎、及び硬直性脊髄炎を含む。
免疫仲介炎症性疾患の治療における新たな発展は、このカテゴリにおいて幾つかの疾患の病態生理学における2つの重要なプレーヤーを同定したサイトカインの発現及びシグナリングにおける基礎研究から生じている。それは、TNFαとインターロイキン−1(IL−1)である。例えば、両サイトカインはRAを用いて患者の血清、滑膜、及び滑液中に高濃度で県シィ津されている。更に、TNFα及びIL−1は関節炎の実験動物モデルにおいて、関節のダメージを誘発及び増大させることができる。そのような発見がこれらの影響をブロック/中和する作戦を発展させ、生物学的因子による特異標的が近年確立された。この生成物の第一世代はモノクローナル抗体(mAb)及び可溶性融合タンパク質を含み、これら全てはサイトカインの結合のためのレセプターと競合する。
今日、米国FDAは、乾癬及び乾癬性関節炎を含む、各種IMIDの治療における臨床使用について、3つのTNFαインヒビター/ブロッカーを承認した。これらは、ヒトIgG1のFc成分に結合するTNFレセプターIIの完全ヒトケミカルタンパク質であるEtanercept(Enbrel(商標)、Amgen−Wyeth)、ケミカルモノクローナル抗体であるInfliximab (Remicade(商標)、Centocor)、及び完全長ヒトIgG1抗TNFαモノクローナル抗体であるAdalimumab(Humira(商標)、Abbott)である。このタンパク質の初期の効果及びこれらの因子の安全プロファイルは、経時的に効果が減少すること、これらの生物医薬因子が高コストであること、及びこれらの因子の適用ルートが限定されていることに問題があると評価された。
Boyman及びかれの共同研究者により研究された動物モデル(Boyman et al.,J.Exp.Med.199:731−736[2004])は乾癬の潜在的な進行において内在するT細胞及びTNFαの必須な役割を示した。このモデルにおいて、病状を示さない前乾癬のヒトの皮膚の領域をトランスジェニックAGR129マウスに移植した。このモデルは中和する抗ヒトNFαモノクローナル抗体の適用(インフリキシマブ、i.v.)又はTNFレセプター融合タンパク質(Etanercept,s.c.)は乾癬表現型を劇的に抑制した。これらの結果はTNFαアンタゴニストはIMDI疾患の進行に直接影響するという説を支持した。
不幸なことに、認められたIMDIのいずれかを患っている患者の三分の一以上が抗TNF治療から臨床的な利益を得ることができなかった(Wong et al.,Clin.Immunol.126:121−136[2008])。この医療分野を研究するための新規な治療の開発における努力が続けられている。臨床試験において、近年数多くの「スマート」なTNFαアンタゴニストがある、これは、各種抗TNFモノクローナル抗体、フラグメント化された又は切断されたTNFレセプター分子のペグ抗体を含む。更に、三量体サイトカインのTNFαサブユニットの分解を促進する小分子は生体外の実験結果では良好であったが(He et al.、Science 310:1022−1025[2005])、臨床への開発は報告されていない。
乾癬は人口の約2.8パーセントが罹患する一般的な皮膚病である(Linden and Weinstein Am.J.Med.107:595−605[1999])おそらく米国において450万人が乾癬を患い、150万人が中程度から深刻な鱗状乾癬に罹患している。この病気は皮膚の完成炎症であると特徴付けられている。この炎症は、後々痛くて醜いやけどが残る赤くかゆみを伴う皮膚垢の形成を促進する。TNFαはこれらの形成に重要な役割を担い、炎症のトリガーであるIL−1、IL−8の合成を誘発するので連続的に存在する。TNFαの濃度は乾癬患者の影響されていない皮膚よりも乾癬領域において高く、効果的な治療でこの領域の洗浄をすると減少する傾向にある(Mussi et al.,J.Biol.Regul.Homeost.Agents 11:115−118[1997])。TNFαはサイトカイン増殖と血管形成も促進し(Asadullah et al.,Drugs today 35:913−924[1999])、従って、このサイトカインを抑制すると複数ステージにおいて、この病気を中断させることになる。
伝統的に、それらはしばしば全身治療よりも、侵襲の少なく、腎臓又は肝臓不全等の大部分のシリアスな副作用の発生も少なくいので、軽度乾癬の第一線の治療は局所的因子からなる。抗甲状腺薬チオウレイレネス(thioureylenes)、プロピルチオウラシル、及びメチマゾール等の試薬は、数週間の治療の後に、乾癬患者の多くにおいて、かれらの病状を完治又は完治に近い治療効果を示した。新たな抗TNFα生物学的製剤である、エンブレル(Enbrel)、レミケード(Remicade)、及びフミラ(Humira)を用いる全身系の治療は軽度から深刻な慢性鱗状乾癬について承認された。このような薬剤で治療された患者は高頻度で大幅な改善が見られ、幾つかの症例では、ほぼ完治している(Chaudhari et al.,Lancet 357:1842−1847[2001];Leonardi et al.,N.Engl.J.Med.349:2014−2022[2003])。しかし、今日、この疾病の治療は著しく満足されていないし、今日用いられている治療の大部分は、毒性が蓄積することに大いに関係する(Gottlieb et al.,J Am Acad Dermatol.48:829−835[2003])。TNFαブロック剤に関連するリスクは深刻な感染症、悪性化、過敏症、B型肝炎反応性、脱髄疾患、血球減少症、心不全、及び狼瘡様症候群を含む。更に、治療薬を停止した後に臨床的利益が減少し、患者の少数ではこの生物学的薬品に対する抗体を生成してしまうでの、繰り返ししようしているうちに硬化が限定されるようである。
サイズを小さくして、免疫原性がより小さくなったと推測される遺伝的に改変された修飾変異BBPI等のタンパク質は患者における中和抗体の生成に関する懸念を有意に減らす。抗体又は融合タンパク質と比較して分子量が低いことから、BBPI分子は局所的ルートを介しての輸送がしやすく、又は腹膜注射又は注射以外の輸送方法のような侵襲的な全身系投与を少なくすることができる。
本発明はスキン及び/又はヘアケアに用いる、修飾変異BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。幾つかの態様において、TNF−BBPIを含むパーソナルケア組成物は育毛を促進し及び/又は皮膚の炎症性疾患を患っている固体の皮膚の状況を改善する。幾つかの態様において、この炎症性皮膚疾患は皮膚炎、湿疹、乾癬、にきび、酒さ、及び蕁麻疹から選択される。幾つかの態様において、皮膚の炎症性疾患は乾癬である。従って、本発明はスキンケア及び/又はヘアケア組成物を提供する。本発明のパーソナルケア組成物に含まれるTNF−BBPIはTNF−5−BBPIの前駆体骨格の等しいキモトリプシンループがTNF変異ペプチドで置換されており、更にセクション5.4.1及び5.4.2に記載のような少なくとも1つのアミノ酸置換を更に含む修飾変異BBPIである。本発明において、修飾変異TNF−BBPIのTNFαへ結合すると、同属レセプターとの相互作用を回避して、頭皮のTNFα誘発性炎症を抑制して、毛の損失を避けることができる。幾つかの態様において、TNFαへの修飾変異TNF―BBPIの結合は皮膚の炎症を少なくして、例えば、乾癬のような本明細書に記載の皮膚の炎症性疾患を患っている患者の皮膚の状態を改善する。しかしながら、本発明を特定のメカニズムに限定することは意図しない。
幾つかの態様において、TNF−BBPI組成物に含まれるTNF変異ペプチドはRYWQDIP(T1;SEQ ID NO:474)、APEPILA(T2;SEQ ID NO:475)、DMIMVSI(T3; SEQ ID NO:476)、WTPKPTQ (SEQ ID NO:583)、ATFPNQS(SEQ ID NO:584)、ASTVGGL(SEQ ID NO:585)、TMLPYRP(SEQ ID NO:586)、AWHSPSV(SEQ ID NO:587)、TQSFSS(SEQ ID NO:588)、THKNTLR(SEQ ID NO:589)、GQTHFHV(SEQ ID NO:590)、LPILTQT(SEQ ID NO:591)、SILPVSH (SEQ ID NO:592)、SQPIPI(SEQ ID NO:593)、及び QPLRKLP(SEQ ID NO:594)から選択される。他の態様において、このTNF変異ペプチドはSEQ ID NOS:483、484、及び485から選択される。
変異TNFペプチドが導入されて等しいキモトリプシンループを置換する、骨格はグリシンマックス(Glycine max)(BBI;SEQ ID NO:13)由来の大豆インヒビターの骨格又はこれらの成熟又は切断形態(SEQ ID NO:185)、ドリコスビフロラス(Dolichos biflorus)(BBdb; SEQ ID NO:449)由来インヒビター、グリシンマックス(Glycine max)(BBsb3; SEQ ID NO:450)由来大豆インヒビターD−II、トレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc;SEQ ID NO:451)由来インヒビター、(SEQ ID NO:186)のBBI−AV骨格、(SEQ ID NO:187)のBBIt−AV骨格、(SEQ ID NO:452)のBBdb−AV骨格、(SEQ ID NO:453)のBBsb3−AV骨格、(SEQ ID NO:454)のBBtc−AV 骨格、(SEQ ID NO:640)のBBIt−VEGK骨格、(SEQ ID NO:641)のBBIt−VEGT骨格、及び(SE ID NO:642)のBBIt−VEGKD骨格から選択される。更に、任意のPrakash et al.上記に記載の野生型BBPI前駆体骨格も変異BBPI骨格に用いることができる。幾つかの態様において、このVEGF−BBPIの骨格はSEQ ID NO:187である。幾つかの態様において、修飾変異TNF−BBPIの主鎖はセクション5.4.1に記載のように、SEQ ID NO:187の変異BBPIの1、4、5、11、13、18、25、27、29、31、38、40、50、52、55、及び65に等しい位置の少なくとも1つのアミノ酸位置におけるアミノ酸置換を含む。他の態様において、修飾変異TNF−BBPIの主鎖は、セクション5.4.2に記載のように、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は8つのアミノ酸置換の組み合わせを含む。
他の態様において、修飾変異FGF−BBPIの主鎖はSEQ ID NO:187.の等しい位置における13I−29P−50T−52A、13I−40K−50T−52A、13I−25K−29P−52K、13I−29P−40K−50T−52A、13I−25R−27A−29P−31A−50K−52T、13I−25R−27A−29P−31A−40H−50K−52T、13I−25K−27A−29R−31E−40K−50Q−52Q、13I−25K−27A−29R−31A−40H−50R−52Lから選択されるアミノ酸置換の組み合わせを含む。
幾つかの態様において、本発明のパーソナルケア組成物は等しいキモトリプシンループがSEQ ID NOS:474、475、及び476から選択されるTNF変異ペプチドで置換されており、SEQ ID NO:187の骨格を有するBBPIを含む。このBBPIはこの置換の組み合わせは13I−29P−50T−52Aである。
幾つかの態様において、このパーソナルケア組成物はSEQ ID NOS:647、648、及び649のTNF−BBPIから選択されるTNF−BBPIを含む。
幾つかの態様において、本発明はTNFに結合するTNF−BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。代替的な態様において、TNFへのTNF−BBPIの結合はTNFの下流活性をブロックする。幾つかの態様において、この組成物は炎症を調節する。
幾つかの態様において、修飾変異BBPI―TNFを含むこのパーソナルケア組成物はスキンケアに用いられる。幾つかの態様において、このスキンケア組成物は皮膚疾患を患っている患者の皮膚の外観及び/又は状態を改善するために用いる。従って、幾つ かの態様において、スキンケアに用いるパーソナルケア組成物は化粧組成物を含む。幾つかの態様において、この皮膚疾患は炎症性皮膚疾患である、幾つかの態様において、この炎症性皮膚疾患は乾癬である。
幾つかの態様において、TNF−BBPIを含むこのパーソナルケア組成物はスキンクリーム、ローション、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、泡、エアロゾル、液体、ゲル、セラ、及び固形物から選択されるスキンケア組成物である。他の態様において、このスキンケア組成物は、保湿性ボディーウォッシュ、ボディーウォッシュ、抗菌性洗剤、スキン保護クリーム、ボディーローション、顔用クリーム、保湿クリーム、顔用クレンジング乳液、顔用ゲル、顔用美容液、界面活性剤ベース洗顔剤、顔用ピーリングゲル、抗ニキビトリートメント、顔用化粧水、ピーリングクリーム、顔用マスク、アフターシェービングローション、プレシェーブローション、日焼け用組成物、サンスクリーン、脱毛剤、発毛抑制剤、及び放射線保護剤を含む。放射線保護剤は水耐性のないサンスクリーン、水耐性の高いサンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンである。
TNF−BBPIを含むスキンケア組成物は任意で局所的に適用する市販組成物、抗菌治療、抗ニキビ処理、皮膚保護剤、サンスクリーン、デオドラント、及び発汗抑制剤を任意で含む。他の態様において、このスキンケアケア組成物はライトニングスキンケアノート、赤みの減少、皮膚のトーンが暗くなる又は着色が進むのを避けることができる。
本発明は化粧組成物であるパーソナルケア組成物も提供する。幾つかの好適な態様において、この化粧組成物はマスカラ、圧縮粉末ファンデーション、及びファンデーションから選択される。幾つかの好適な態様において、このメイクアップ組成物はスキンケア1つの顔料を含む。
幾つかの好適な態様において、少なくとも1つの顔料を含むこのメイクアップ組成物は非ウォータープルーフマスカラ、ウォータープルーフマスカラ、ボリュームミングマスカラ、長さを増すマスカラ、カールを増すマスカラ、無水ウォータープルーフマスカラ、水ベースマスカラから選択されるマスカラ、及びアイラッシュ又はアイブロウトリートメントである。
更なる態様において、このメイクアップ組成物はルースパウダー、頬紅、アイシャドー、及びブロンンジングパウダーから選択される圧縮パウダーファンデーションである。更なる態様において、このメイクアップ組成物オイル中水ファンデーション、シリコン中水ファンデーション、水中オイルファンデーション、無水メイクアップスティック、及びクリーム乃至粉末ファンデーションから選択されるファンデーションである。
幾つかの態様において、このパーソナルスキンケア組成物は本明細書で定義された修飾変異TNF−BBPI及び物理的に許容可能な担体又は添加物を含む。好ましくは、TNF−BBPIは組成物の総重量に基づいて約0.0001%乃至約5%の量で存在する。TNF−BBPIは組成物の総重量に基づいて、約0001%乃至約0.5%の量で存在することも好ましい。この組成物は栄養クリーム又はローション等の乳液媒体、安定化ゲル又は分散システム。トリートメント美容液、脂質輸送システム、局所的パック又はマスク、シャンプー又はボディーウォッシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル又はスプレー式分散体又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤、又は顔料を含むメイクアップ等の製品、他の好適なメイクアップ及び化粧製品の形態でよい。幾つかの態様において、この担体は好ましくは、水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングコール、及びポリエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種である。
他の態様において、本発明はヘアケアに用いる、TNF変異ペプチドを含む修飾変異BBPIを含むパーソナルケア組成物を提供する。
幾つかの態様において、このヘアケア組成物は乾癬を患っている患者における頭皮の外観及び/又は状態を改善するために用いることができる。
1つの態様において、このヘアケア組成物はシャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング組成物、ヘアカラー、パーマネントウェーブ製剤、クリーム、ゲル、ムース、スプレー、乳液、コロイド懸濁液、液体、泡、及び固形物から選択される。
幾つかの態様において、このヘアケア組成物は更に放射性保護剤も含む。パーソナルスキンケア組成物において説明したように、この放射線保護剤は非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンである。他の態様において、この放射線保護剤は非水耐性サンスクリーン、高水耐性サンスクリーン、及びシリコン中水サンスクリーンから選択されるサンスクリーンである。
幾つかの態様において、このパーソナルケアヘアケア組成物は本明細書で定義される修飾変異VEGF−BBPI及び物理的に許容可能な担体又は添加剤を含む。好ましくは、このVEGF−BBPIは組成物の重量に基づいて約0.0001%乃至約5%の量で存在する。このVEGF―BBPIは組成物の重量に基づいて約0.001%乃至約0.5%の量で存在することも好ましい。この組成物は栄養クリーム又はローション等の乳化媒体、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント乳液、脂質輸送システム、局所的パック又はマスク、シャンプー又はボディーウォッシュのような界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル又はスプレー式分散媒体又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤、又はメイクアップ等の顔料含有製品、並びに他の好適なメイクアップ及び化粧製品の形態でよい。幾つかの態様において、この担体は好ましくは、水、プロピレングリコース、エタノール、プロパノール、グリセロール、及びプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つである。
6.1.1製剤
追加的な好適な態様において、本発明は本明細書で定義された少なくとも1つの修飾変異BBPI及び物理的に許容可能な担体及び添加剤を含む化粧及び/又はパーソナルケア組成物を提供する。好ましくは、この組成物は組成物の総重量に基づき約0.0001%乃至約5%の量で存在する。この組成物は組成物の重量に基づいて、約0.001%乃至約0.5%の量で存在することも好ましい。この組成物は栄養クリーム又はローション等の乳化媒体、安定化ゲル又は分散システム、トリートメント美容液、脂質輸送システム、局所的パック又はマスク、シャンプー又はボディーウォッシュ等の界面活性剤ベースクレンジングシステム、エアロゾル又はスプレー分散媒体又は乳液、ヘア又はスキンコンディショナー、スタイリング剤又はメイクアップ等の顔料含有製品の形態でよい。好ましくは、この担体は水、プロピレングリコース、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコールから選択される担体である。
本発明は数多くのパーソナルケア組成物に用いることを意図する。本発明発明を特定の形態又はタイプの組成物に限定することは意図しない。以下の説明は例示的なものであり、以下の発明を含む組成物を限定するものではない。
乳液は習慣的に、一般的な化粧品の1つのグループである。用語、「乳液」はお互いが限定的な限度でのみ不相溶又は相溶である2つの異種の液体システムを本明細書では意味する。通常これらは「相」と言われる。1つのフェーズは通常液滴である(即ち、「分散された」、「不連続」、又は「内部」相)であり、他の液体形態は連続(即ち、「密着性」又は「外部」)相である。製品のあまり一般的でない形態は多相乳液(即ち、分散(又は不連続)相が更なる分散相の液滴部分からなる、水/オイル/水(W/O/W)及びオイル/水/オイル(O/W/O)乳液)を含む。
もし、オイル相が最終的に水相中に分散されるなら、これは水中オイル乳液(O/W乳液、例えば、ミルク)である。O/W乳液の特徴は水により決定される。これらの乳液は皮膚上でつやを消すというよりも、油っぽくなり、W/O(オイル中水)乳液よりも急速に吸収される。
当業者は化粧及び/又は皮膚科で用いる安定なW/O製剤の調製の数多くのオプションに精通している。そのような製剤は室温乃至皮膚温度の範囲で塗りやすくなるクリーム及び軟膏、並びにこの温度範囲でより流安くなるローション及びミルクを含む。
乳液のタン訂正はその粘度、特に外相の粘度に依存している。乳液は、最終的に分散された液滴が凝集して相対的に大きな凝集体を形成し、及び液滴が接触して融合することから不安定になる。この工程は「凝集」と呼ばれている。「液体」(=流動可能)の乳液は各種化粧品も用いられている(例えば、スキンケアローション、クレンジングローション、フェイスローション、ハンドローション等)。これらの組成物は通常約2000mPa乃至約10,000mPaの粘度を有している。液滴の考えられるより大きな移動性がより早い凝集を促進することから、流動可能乳液の安定性は特に大切である。
現在一般的に用いられている液体は濃縮剤を含み、相対的に高い電解質濃度のために不安定である。このことは、組成物の相分離において明らかにされている。しかしながら、幾つかの態様において、他の物理的、化学的、又は生理的それらの性質を利用するために、特定の電解質(例えば、水可溶性UVフィルム)を用いることが好ましい。多くのケースにおいて、好適な乳液システムの選択がある程度改善されるが、しばしば他の不都合も生じる。
例えば、幾つかの不都合は、乳化剤、結局のところ、化学物質が、アレルギー反応又は使用者の過敏症(即ち、過感受性)に基づくアレルギーのきっかけとなるという事実に基づく結果となる。習慣的に化粧乳液は通常全くリスクがないが、何人かの使用者に対しては「低刺激性」の組成物であることが必要及び/又は好ましい。即ち、何人かの特に感受性の高い固体には、特定の皮膚病が特定の乳液及び同時に太陽光に曝されることによって引き起こされる。従って、当業者に知られているように、幾つかの組成物において、特定の乳化剤があまり好ましくなく及び/又は避けられるべきである。
乳化剤無添加製剤を調製することは可能である。例えば、いくつかの製剤は分散された水滴を含むオイル相(即ち、これはW/Oに近い乳液)を有する。そのようなシステムは時々水分散系(hydrodispersions)または脂質分散系(lipodispersions)と呼ばれ、かなり長い間消費者に使用されてきた。
化粧製剤技術において、特定のマイルドな乳化剤を選択していることから、乳化剤を全く用いないことは必要なことではないし、可能なことでもない。
幾つかのリポソーム態様において、リポソームは水及び1つ以上の機能又は活性成分を維持することができる脂質二重層媒体を形成することができる1つ以上の成分を含む。そのような脂質二重層を形成することができる成分の非限定的な例としては、リン脂質、水素化ホスファチジルコリン、レセクチン、コレステロール、及びスフィンゴ脂質を含む。好適なリポソームの例としては、a)リポイドリポソーム0003(水及びレクチン及びグリセリンからなる)、b)リポイドリポソーム0300(水及びホスファチジルコリンからなる)、c)リポイドリポソーム0111(水、イチョウの葉の抽出物、変性アルコール、水酸化レクチン、及びコレステロールからなる)、d)抗刺激性リポソーム(水、コーラの木の抽出物、ビサボロール、及びリン脂質からなる)、e)ビタミンC及びEリポソーム(水、リン脂質、酢酸トコフェロール、及びパルミチン酸アスコルビルからなる)、f)安定リポソーム(水、ブチレングリコール、ピルビン酸塩、(リンゴ)抽出物、リン脂質、酢酸トコフェロール、及びカルボマーからなる)、及びg)保湿性リポソーム(水、PCAナトリウム、酢酸トコフェロール、キサンタンゴム、アルギニン、リジン、グリシン、及びプロリンからなる)があるがこれらに限定されない。
他の態様において、本発明のパーソナルケア組成物は本明細書で提供される骨格に加えて少なくとも1つの活性成分を含む。本発明のパーソナルケア組成物用いられる数多くの活性成分は当業者に知られている。即ち、任意の好適な活性成分又は好適な活性成分の組み合わせが本発明に用いられることを意図する(例えば、McCutcheon’s Functional Materials、North American及びInternational Editions、published by MC Publishing Co.[2003]参照)。例えば、幾つかの態様において、本明細書におけるパーソナルケア組成物は組成物の重合に基づき約0.0001%乃至約20%のスキンケア活性成分を含む。他の態様において、このパーソナルケア組成物は組成物の重合に基づき約0.001%乃至約0.5%のスキンケア活性成分を含む。更なる態様において、このパーソナルケア組成物は組成物の重合に基づき約0.01%乃至約2%のスキンケア活性成分を含む。
リポソームを介して提供することができる機能又は活性成分の非限定的な例としては、当業者に知られている、ビタミン及びそれらの誘導体、抗酸化剤、タンパク質及びペプチド、角質溶解剤、バイオフラボノイド、テルペノイド、フィトケミカル及び植物の抽出物、海又は発酵させたものを含む。好適な態様において、この組成物は皮膚癌又はヘアケアのための活性成分を更に含む。活性成分は当業者に知られているような幅広い各種成分を含むことができる(例えば、McCutcheon’s Functional Materials、North American及びInternational Editions、(2003)、published by MC Publishing Co参照)。好ましくは、そのような活性剤はトコフェロール及びアスコルビン酸誘導体等の抗酸化剤、バイオフラボノイド、テルペノイド、合成等をしたもの、ビタミン及びビタミン誘導体、AHAs及びBHAs及びそれらの反応生成物等のヒドロキシ及びプロヒドロキシ酸及びそれらの誘導体、ペプチド及びポリペプチド及びグリコペプチド及び脂質添加されたペプチド等のそれらの誘導体、ヒートショックプロテイン及びケラチノサイト、プロテアーゼ、MMPインヒビター、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、及びスーパオキシド・ジスムターゼ等の酵素及び酵素インヒビター及びそれらの誘導体、アミノ酸及びそれらの誘導体、キノコ等のバクテリア、糸状菌、及び酵母発酵生成物及びそれらの生成物、藻類及び海草及びそれらの生成物、フィトステロール及び植物及び植物の部分的抽出物及びそれらの誘導体及びリン脂質及びそれらの誘導体、亜鉛ピリチオン等の抗フケ成分及びそれらを含む輸送システムを含むがこれらに限定されない。
幾つかの好適な態様において、このスキンケア活性剤はビタミンB3成分、パンテノール、ビタミンE,ビタミンEアセテート、レチノール、レチニールプロピオネート、レチニールパルミテート、レチノイド酸、ビタミンC、テオブロミン、アルファヒドロキシ酸、ファルネソール、フィトラントル(オールphytrantriol)、サリチル酸、パルミチルからなる群より選択される。幾つかの好適な態様において、このビタミンB3成分はナイアシンアミドである。幾つかの態様において、本明細書で提供される組成物は重量に基づいて、スキンケア活性成分を、約0.0001%乃至約20%、好ましくは約0.001%乃至約0.5%、より好ましくは約0.01%乃至約1%含む。
前述のビタミンB3化合物の例示的な誘導体、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のコチニルアルコールエステル、ニコチン酸窒素酸化物、及びニコチンアミドの窒素酸化物を含むニコチン酸エステルを含む。好適なニコチン酸はC1乃至C22のニコチン酸エステル、より好ましくはC1乃至C6アルコールのニコチン酸エステルを含む。これらの態様において、このアルコールは好ましくは直鎖、又は分岐鎖でよく、環状でも非環式でもよく、飽和でも不飽和でよく(芳香族を含む)、置換されていてもされていなくてもよい。このエステルは好ましくは非血管拡張性である。
ニコチン酸の非血管拡張性エステルはニコチン酸トコフェロール及びイノシトールヘキサニコチネートを含み。ニコチン酸トコフェロールが好ましい。ビタミンB3化合物のより完璧な説明はWO98/22085に記載されている。好適なビタミンB3化合物はナイアシンアミド及びトコフェロールニコチネートを含む。
追加的な態様において、このスキンケア活性化合物は少なくとも1つのレチノイドを含む。このレチノイドは好ましくは、レチノール、レチノールエステル(レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチニルプトパネートを含むレチノールのC2乃至C22アルキルエステル)、レチナール及び/又は(全てのトランスレチノイン酸及び/又は13−cisレチノイン酸を含む)レチノイン酸、より好ましくはレチノイン酸以外のレチノイドを含む。これらの化合物は当業者に知られており、数多くの製造元から市場で入手可能である(例えば、Sigma及びBoehringer Mannheim)、好適なレチノイドは、レチノール、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、レチニルプロピオネート、レチナール、レチノイン酸、及びこれらの組み合わせを含む。幾つかの態様において、このレチノイドは実質的に精製された物質として含まれている。他の態様では、天然資源(例えば、植物)から好適な物理的手段及び/又は化学的に単離され、抽出物として得られる。レチノイドが本明細書における組成物に含まれる場合、約0.005%乃至約2%、好ましくは約0.01%乃至約1%、含まれる、レチノールが約0.01%乃至約0.15%含まれる。レチノールエステルは約0.01%乃至約2%の量で含まれる(例えば、約1%)。
本発明の更なる態様において、抗酸化剤が本発明の組成物に含まれる。本発明の更なる態様において、抗酸化剤がパーソナルケア組成物に取り込まれる。あらゆる適した抗酸化剤は本発明の発明のパーソナルケア組成物に用いることができる。適した抗酸化剤はアミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、トリプシン又はトリプトファン)、及びそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びそれらの誘導体、ペプチド(例えば、D,L−カルノシン、D−カルノシン、及びL−カルノシン)及びそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン類(例えば、α−カロテン、β−カロテン、及びγ−リコペン)及びそれらの誘導体、クロゲン酸及びそれらの誘導体、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、及びラウリル、パルミトイル、オレイル、g−リノレイル、コレステイル及びこれらのグリセリルエーテル)及びそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びそれらの誘導体(例えば、エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、及び塩)及びスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、及びヘプタチオニンスルホキシイミン)、僅かな耐量(例えば、通常、pmol乃至mmol/kg)、ケラチン化因子(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、及びラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、酪酸、マレイン酸)、それのフミン酸、胆汁酸、胆液抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、及びそれらの誘導体、不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体(例えばリノレン酸、リノール酸の酸の油酸)、葉酸及びそれらの誘導体、furfurylidenesorbitol及びそれらの誘導体、ユビキノンとユビキノールとそれらの誘導体、ビタミンC及びそれらの誘導体(例えばナトリウムアスコルビン酸リン酸、アスコルビン酸パルミテート、Mgアスコルビン酸リン酸、及びアスコルビン酸酢酸)、トコフェロールと誘導体(例えばビタミンE酢酸塩)、ベンゾイン樹脂のconiferyl安息香酸エステル、フェルラ酸、furfurylideneglucitol、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、nordihydroguaiacic酸、ノルジヒドログアヤレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及び誘導体、マンノース及びその誘導体、亜鉛及びそれらの誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレニウム及びその誘導体(例えば、セレレノモチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、酸化スチルベン、トランス酸化スチルベン)、及びそれらの誘導体(例えば、塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)である。
幾つかの態様において、本発明の組成物中の1つ以上の抗酸化剤は製品の総重量に基づいて、約0.01%乃至約30%、好ましくは約0.05%乃至約20%、より好ましくは約1乃至約10%の範囲で含まれる。追加的な態様において、ビタミンE及び/又はその誘導体は抗酸化剤として用いられる。好適な含量の範囲は、製剤の総重量に基づいて約0.001乃至約10%である。しかしながら、様々な濃度が本発明の組成物に用いることができるので、本発明を特定の抗酸化剤の濃度に限定することは意図しない。
更なる幾つかの追加的な態様において、前記有効成分は、さらに有利には、カテキン類及びカテキン類の胆汁酸エステル類ツバキ科植物の葉、特にCamellia sinensis種(緑茶)の葉などのカテキン類またはカテキン類の胆汁酸エステルを含有する植物または植物の部分からの水抽出物もしくは有機抽出物を含む群から選択される。それらの代表的な成分(例えば、ポリフェノール類もしくはカテキン類、カフェイン、ビタミン類、糖類、ミネラル類、アミノ酸類、脂質類)を含む。
幾つかの態様において、カテキンは水素化フラボン類またはアントシアニジン類と見なされ、「カテキン」の誘導体(カテコール、3,3′,4′,5,7−フラバンペントール、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)クロマン−3,5,7−トリオール)である化合物群である。エピカテキン((2R,3R)−3,3′,4′,5,7−フラバンペントール)も、本発明に関して有利なカテキン類である。
追加的な態様において、カテキンを含有する植物抽出物、特には例えばカメリア種の植物の葉などの緑茶の抽出物、特に詳細には茶であるCamellia sinenis、C. assamica、C. taliensis及びC. irrawadiensisならびに例えばCamellia japonicaとこれらの交配種からの抽出物も有利である。
更なる態様において、好ましい有効成分には、ポリフェノール類及び(−)−カテキン、(+)−カテキン、没食子酸(−)−カテキン、没食子酸(−)−ガロカテキン、(+)−エピカテキン、(−)−エピカテキン、没食子酸(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン、没食子酸(−)−エピガロカテキンの群からのカテキン類もある。
幾つかの好適な態様において、幾つかの追加的な態様において、フラボン及びそれの誘導体(総称して「フラボン類」と称することも多い)も、本発明に関して有利な有効成分である。それは、下記の基本構造を特徴とする(置換位置を示してある)。
本発明によるパーソナルケア組成物において好ましく使用可能な比較的重要なフラボン類の一部を下記の表に示す。しかしながら、本発明をこれらの特定のフラボノイドに限定することは意図しない。
実際にはフラボン類は、グリコシル化型であるのが普通である。
幾つかの態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、少なくとも1つの下記一般構造式を有するフラボノイドを含む。
式中、Z
1〜Z
7は互いに独立に、H、OH、アルコキシ及びヒドロキシアルコキシからなる群から選択され、そのアルコキシ及びヒドロキシアルコキシ基は分岐または未分岐であることができ、炭素原子1〜18個を有し;Glyはモノ及びオリゴグリコシド基の群から選択される。
幾つかの代替的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、少なくとも1つの下記一般構造式を有するフラボノイドを含む。
式中、Z
1〜Z
6は互いに独立に、H、OH、アルコキシ及びヒドロキシアルコキシからなる群から選択され、そのアルコキシ及びヒドロキシアルコキシ基は分岐または未分岐であることができ、炭素原子1〜18個を有し;Glyはモノ及びオリゴグリコシド基の群から選択される。
幾つかの態様において、本発明のパーソナルケア組成物の幾つかに用いられるフラボノイドグリコシドは以下の構造式を有する:
式中、Gly1、Gly2及びGly3は互いに独立に、モノグリコシド基である。Gly2及びGly3はさらに、個別または一体となって、水素原子による飽和を表すこともできる。好ましくは、Gly1、Gly2及びGly3は互いに独立に、ヘキソシル基、特にはラムノシル基及びグルコシル基の群から選択される。しかしながら、他のヘキソシル基、例えばアロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシル及びタロシルも、状況によっては有利に使用可能なこともある。ペントシル基を用いることが本発明により有利である場合もある。本発明に関して、α−グルコシルルチン、α−グルコシルミリセチン、α−グルコシルイソケルシトリン、α−グルコシルイソケルセチン及びα−グルコシルケルシトリンからなる群からのフラボングリコシドを選択することが特に有利である。特に好ましいものは、α−グルコシルルチンである。
更なる幾つかの追加的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、少なくとも1つのナリンギン(アウランチン(aurantin)、ナリンゲニン−7−ラムノ−グルコシド)、ヘスペリジン3′,5,7−トリヒドロキシ−4′−メトキシフラバノン−7−ルチノシド、ヘスペリドシド、ヘスペレチン−7−O−ルチノシド)、ルチン(3,3′,4′,5,7−ペンタヒドロキシフラボン−3−ルチノシド、ケルセチン−3−ルチノシド、ソフォリン(sophorin)、ビルタン(birutan)、ルタビオン(rutabion)、タウルチン、フィトメリン(phytomelin)、メリン)、トロキセルチン(3,5−ジヒドロキシ−3′,4′,7−トリス(2−ヒドロキシエトキシ)フラボン−3−(6−O−(6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシド))、モノオキセルチン(3、3′,4′,5−テトラヒドロキシ−7−(2−ヒドロキシエトキシ)フラボン−3−(6−O−(6−デオキシ−α−L−マンノピラノシル)−β−D−グルコピラノシド))、ジヒドロロビネチン(dihydrorobinetin)(3,3′,4′,5′,7−ペンタヒドロキシフラバノン)、タキシフォリン(taxifolin)(3,3′,4′,5′,7−ペンタヒドロキシフラバノン)、エリオジクチオール−7−グルコシド(3′,4′,5,7−テトラヒドロキシフラバノン−7−グルコシド)、フラバノマレイン(flavanomarein)(3′,4′,7,8−テトラヒドロキシフラバノン−7−グルコシド)及びイソケルセチン(3,3′,4′,5,7−ペンタヒドロキシフラバノン−3−(β−D−グルコピラノシド)を含む。ユビキノン類及びプラストキノン類から有効成分を選択することも有利である。ユビキノン類は、下記構造式により特徴付けられる。
ユビキノン類は、非常に広く分布することから、最も研究の行われている生体キノン類である。ユビキノン類は、Q−1、Q−2、Q−3などのように側鎖に連結したイソプレン単位数に応じて呼ばれたり、あるいはU−5、U−10、U−15のように炭素原子数に応じて呼ばれる。それらは好ましくは、一定の鎖長で生じるものであり、例えば一部の微生物及び酵母ではn=6である。ヒトを含むほとんどの哺乳動物では、Q10が支配的である補酵素Q10が特に有利であり、それは下記構造式を特徴とする。
プラストキノン類は、イソプレン基の数nにおいて異なり、それに従って例えばPQ−9(n=9)と称する。さらに、キノン環上の置換基が異なる他のプラストキノン類が存在する。
更なる態様において、本発明は体臭防止剤(デオドラント)及び/又は制汗剤として用いるのに適した製剤を提供する。これらの製剤において従来使用されている任意の活性成分も本発明の各種態様に用いることができる。そのような製剤において従来使用されている追加的な成分も本発明の各種態様に用いることができる。そのような活性成分及び不活性成分の例は、臭気遮へい物 (例えば、香料)、臭気吸着剤 (例えば、DE−P 40 09 347に記載のフィロシリケート並びにモントモリロナイト、カオリナイト、イライト、ベイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト、及びリシノール酸の亜鉛塩)を含むがこれらに限定されない。本発明の幾つかの態様において、そのような製剤における活性成分(即ち、1つ以上の成分)は重量に基づいて約0.001%乃至約30%、より好ましくは約0.05%乃至約20%、最も具体的な範囲は製剤の総重量に基づいて約1%乃至約10%である。
いくつかの態様において、本発明の組成物は、必要な物質及び/又は追加的他の物質の公的な量を皮膚又はヘアに適用することを可能にするための、局所適用に好適な皮膚用医薬品として使用可能な担体を安全且つ有効量含む。従って、幾つかの態様において、前記キャリアは希釈、分散、溶媒又はこれらの化合物が選択された標的に好適な濃度で適用又は分散することを確実にさせるために必要な成分として作用する。
更なる態様において、本明細書で述べる1つ以上の有効量の化合物も爪及びヘア等の角質物質に適用するために組成物中に含まれる。前記組成物はヘアスプレー組成物、ヘアスタイリング組成物、ヘアシャンプー及び/又はコンディショニング組成物、ヘア成長を調節するために提供される組成物、及び脂漏症、皮膚炎、及び/またはふけを治療する目的で適用される組成物を含むがこれらに限定されない。
更なる追加的な態様において、本明細書で述べる1つ以上の化合物の有効量は皮膚又はヘアへの局所適用に好適な量で組成物中に含まれる。これらの組成物は任意の好適な形態で提供される。クリーム、ローション、ゲル、懸濁分散体、ミクロエマルジョン、ナノ分散体、ミクロスフィア、ハイドロゲル、エマルジョン(例えば、多相乳液のほか水中油型及び油中水型乳液)、及び多層ゲル及び同種のもの(例えば、参照により本明細書に援用される、Schlossman et al.、The Chemistry及びManufacture of Cosmetics、[1998])。幾つかの態様において、前記組成物は水溶液又はシリコン化合物として製剤化される、他の態様において、それらは水性の連続相中に1つ以上の油相を含む乳液(又は油相中に水相を含む乳液)として製剤化される。
本発明に用いられるキャリアのタイプは、組成物の製品形態に依存する。キャリアは個体、準個体、又は液体でよい。好適なキャリアは、液体、準固形(例えば、乳液、ローション、ゲル、スティック、軟膏、及びペースト)、スプレー、及びムースを含む。好適なキャリアは、ローション、クリーム、又はゲルであり、より好ましいものは、十分な密度を有し粒子の沈殿を起こさないようにするものである。幾つかの態様において、前記キャリアは不活性物質である。他の態様において、それは皮膚用医薬品としての利点を有する。幾つかの態様において、前記キャリアは直接皮膚及び/又はヘアに適用される。他の態様において、前記キャリアは織布及び不織布を介して適用される。更なる他の態様において、前記キャリアはパッチ、マスク、又はラップの形態を有する。更なる態様において、前記キャリアはエアロゾル形態であるか、又の他の形態で皮膚及び/又はヘアにスプレーされるか、投入される。選択されたキャリアは本明細書で述べる必須の化合物と物理的及び化学的に相溶性を有し、安定性、効果、又は本発明の組成物を用いることによる他の利益を過度に与えないものである。
好適なキャリアは皮膚用医薬品として使用可能な、親水性の希釈剤である。好適な親水性希釈剤は、水、C2−C10、好ましくはC2−C6、好ましくはC3−C6の1水酸基を有するアルコール等の有機親水性希釈剤、及びプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ブチレングリコール、1,2,4−ブタネトリオール、ソルビトールエステル、1,2,6−ヘキサノール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ソルビトールエステル、エトキシル化エーテル、プロポキシル化エーテル等の低分子量のグリコール及びポリオール、並びにこれらの混合物を含む。前記希釈剤は好ましくは脂質である。水は好ましい希釈剤である。前記組成物は好ましくは少なくとも20%の親水性希釈剤を含む。
幾つかの態様において、好適なキャリアは、疎水性相、特に水相と疎水相(例えば、脂質、油、又は油性物質)を含む乳液も含む。当業者に知られているように、前記疎水相は親水相中に分散されているか、逆に疎水相中に親水相が分散して、組成物の成分に応じて、疎水性又は親水性の分散相と連続相を形成している。「分散相」の語は、乳液技術の分野の当業者によく知られており、本明細書において、連続相により形成されている環境中に懸濁されている小さな粒子又は液滴を有する相を意味する。前記分散相は、内部相又は不連続相としても知られている。前記乳液は水中油型乳液又はシリコン中水型乳液等の油中水型乳液であるか、これらを(例えば、三相又は他の多相乳液中に)含む。水中油型乳液は通常、1%乃至60%(好ましくは1%乃至30%)の分散された疎水相と1%乃至99%(好ましくは10%乃至90%)の連続する親水相からなる。他の態様において、油中水型乳液は、1%乃至98%(好ましくは40%乃至90%)の分散された親水相と1%乃至50%(好ましくは1%乃至30%)の連続する疎水相を有する。
幾つかの態様において、前記キャリアは皮膚の角質層を通って基底部への浸透を促進する1つ以上の成分を含む。浸透促進剤の例は、マイクロエマルジョン、リポソーム、及びナノエマルジョンの他に、プロピレングリコール、アゾン、エトキシジグリコール、ジメチルイソソルビトール、尿素、及びジメチルスルホキシドを含むがこれらに限定されない。
幾つかの態様において、本発明の組成物は保湿剤を0.01%乃至10%、好ましくは0.1%乃至15%、好ましくは0.5%乃至10%のレベルで含む。好適な保湿剤はポリヒドリックアルコール、ソルビトール、グリセロール、尿素、ベタイン、D−パンテノール、DL−パンテノール、パントテン酸、カルシウム、ロイヤルゼリー、パンセチン、パントセイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、ピリドキシン、パントイルラクテート、ビタミンB複合体、ナトリウムピロリドン、アルボン酸、ヘキサン−1,2,6−トリオール、グアニジン及びその誘導体、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
本発明に好適なポリヒドリックアルコールは、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、(例えば、1,3−ブチレングリコール)、ヘキサントリオール(例えば、1,2,6−ヘキセンチオール)、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エトキシル化グリセリン、プロパン−1,3−ジオール、プロポキシル化グリセリン、及びこれらの誘導体等のポリアルキレングリコール及び好ましくはアルキレンポリオール及びこれらの誘導体を含むがこれらに限定されない。上記ポリフヒドリックアルコールの任意の誘導体、アルコキシル化誘導体も本発明に好適である。本発明に好適なポリヒドリックアルコールは、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシグリセリン、及びプロポキシル化グリセリン及びこれらの混合物から選択される。
本明細書における工程な保湿剤は、ナトリウム2−ピロリドンー5−カルボキシレート(NaPCA)、グアニジン、グリセロール酸、及びグリコレートエステル(例えば、アンモニウムと4級アルキルアンモニウム)、酢酸及び酪酸塩(例えば、アンモニウムと4級アルキルアンモニウム)、各種形態のアロエベラ(例えば、アロエベラゲル)、ヒアルロン酸及びそれらの誘導体(例えば、ヒアロルロン酸ナトリウム等の塩誘導体)、ラクタミドモノエタノールアミド、アセトアミドモノエタノールアミド、尿素、ベタイン、パンテノール、及びそれらの誘導体、並びにそれらの混合物である。
幾つかの態様において、保湿剤の少なくとも1部(組成物の重量に基づいて5%まで)は粒子状の架橋された親水性アクリレート又はメタクリレートコポリマーの混合物の形態で本発明の組成物に提供される。前記保湿剤の一部は0.1%乃至10%の量で存在し、水相又は分散相に添加することができる。前記コポリマーは光沢を消し、油をコントロールしする一方で、効果的な保湿作用を提供する。前記コポリマーは参照により本発明に援用されるWO96/03964に記載されている。
幾つかの態様において本発明の水中油型組成物及び油中水型組成物は、0.05%乃至20%、好ましくは1乃至15%、好ましくは2%乃至15%の量で皮膚用医薬品として使用しうる乳液を含む。乳液は皮膚を潤滑にし、滑らかさ及び柔軟性を高め、及び皮膚を乾燥するのを防ぎ、及び/又は皮膚を保護する。乳液は通常、水に混和しない油性又はワックス性物質であり、局所的に審美的効果を与える。乳液として多くの好適な物質の例を含む多くの好適な乳液が知られており(例えば、Sagarin、Cosmetics、Science and Technology、2nd Edition、Vol. 1、pp. 32−43 [1972];及びWO00/24372参照)本明細書においても説明されている。追加的な乳液は以下のものを含むがこれらに限定されない。
i)ミネラルオイル、ドデセン、スクアラン、コレステロール、水素添加ポリイソブチレン、イソヘキサデセン、イソエイコサン、イソオクタヘキサコネート、及び分岐鎖C7−C40イソパラフィン等の7乃至40の炭素数を有する直鎖及び分岐鎖炭化水素。本発明に用いる好適な分岐鎖はisopentacontaoctactane、ペテロラクタム及びこれらの混合物から選択される。
ii) C1−C30カルボン酸のC1−C30脂肪酸エステル、C12−15アルキルベンソエート、及びC2−C30カルボン酸のC12−15アルキルベンソエート、例えば、イソノニルイソノナノエート、イソステアリルネオペンタノエート、イソデシルオクタノエート、イソデシルイソノナノエート、トリデシルイソノナノエート、ミリスチルオクタノエート、オクチルペラルゴネート、オクチルイソノナノエート。ミリスチルミリステエート、ミリスチルネオペンタノエート、ミリスチルオクタノエート、イソプロピルミリスチレート、ミリスチルプロピオネート、イソプロピルステアレート、イソプロピルイソステアレート、メチルイソステアレート、ベヘニルベヘネート、ジオクチルマレエート、ジイソプロピルアジペート、及びジイソプロピルジリノレート、及びこれらの混合物の本発明に用いることができる。
iii)糖及び関連物質のC1−C30モノ及びポリエステル。これらはのエステルは、糖又はポリオール及び1つ以上のカルボン酸部分由来である。酸及び糖の成分に依存して、これらのエステルは室温で液体又は固体形態になる。例としては、グルコーステトラオレエート、オレイン酸のガラクトーステトラエステル、ソルビトールテトラオレエート、スクローステトラオテエート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキサオレエート、スクロースヘプタオレエート、スクロースオクタオレエート、ソルビトールヘキサエステルを含む。他の物質はスクロースのコットンシードオイル脂肪酸又は大豆オイル脂肪酸のエステルである。このような物質の他の例は、参照により本明細書に援用されるWO96/16636に記載されている。
iv)ベジタブルオイル又は水素添加ベジタブルオイル。ベジタブルオイル及び水素添加ベジタブルの例は、サフラワーオイル、ゲレープシードオイル、ココナッツオイル、コットンシードオイル、メンハーデンオイル、パーム核油、ポーナッツオイル、ダイズオイル、菜種油、リン種油、ライスオイル、パインオイル、ナッツオイル、ゴマ油、ひまわり種子油、これらの一部又は全部を水素添加したもの、及びこれらの混合物を含む。
v)溶解性又はコロイド溶解性保湿剤。例としてはヒアルロン酸及び硫酸コンドロイチンを含む。
「脂質」の語は、脂肪、オイル、ワックス等を意味する一般的な語として用いられる。更に、「オイル相」及び「脂質相」の語も互換的に使用される。しかしながら、オイルと脂肪は極性においてお互いに異なるこのであり、それらは定義しずらい。水への界面張力をオイルのまたは油性の相の極性インデックスの測定に採用することが提案されている。従って、界面張力は所与のオイル組成物の極性の測定に適していると思われる。「界面張力」は、2つの相の間の界面の中の長さにおいて想像線に1メートル作用する力である。この計測において油性の相と水の間の界面張力がより低いほど分析されている油性相の極性はより大きい。この界面張力のための物理単位は力/長さの関係から慣例的に計算することができ、mN/m(計器によって分割されたミリニュートン)と通常表現される。それが、界面を減らすことに作用するならば、それは陽性である。逆の場合に、それは陰性である。本明細書においては、水への界面張力が30mN/mより少ないならば、脂質は「極性」とみなされている。
「極性オイル」はレシチン及び脂肪酸トリグリセリド、即ち、8乃至24、特に12乃至18炭素原子の鎖長を有する、分岐及び/又は非分岐、飽和及び/又は不飽和のトリグリセリドエステルの群からのいずれかを含む。いくつかの態様において、前記脂肪酸トリグリセリドは合成、準合成、及び天然オイル(即ち、オリーブオイル、サンフラワーオイル、大豆オイル、菜種オイル、アーモンドオイル、ヤシ油、ココナツオイル、ヒマシ油、コムギオイル、グレープシードオイル、アザミオイル、オオマツヨイグサオイル、マカデミアナッツオイル等)からなる群より選択される。しかしながら、本発明の発明の特定の極性を含む組成物に限定することは意図しない。本発明に用いることができる極性オイルの追加的な例は、3乃至30炭素原子の鎖長を有する、飽和及び/又は不飽和、分岐及び/又は非分岐アルコールのエステルからなる群、並びに芳香族カルボン酸及び3乃至30炭素原子の鎖長を有する、飽和及び/又は不飽和、分岐及び/又は非分岐のアルコールのエステルからなる群より選択される。いくつかの態様において、そのようなエステルオイルは、イソプロピルミリスチレート、イソプロピルパルミチテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレエート、n−ブチルステアレート、n−ヘキシルラウリレート、n−デシルオレエート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルイソノナネート、2−エチルヘキシルパルミチエート、2−エチルヘキシルラウリレート、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、オレイルオレエート、オレイルエルケート、エルキルオレエート、エルキルエルケート、及びこれらのエステルの合成、準合成及び天然物の混合物(例えば、ホホバ油)からなる群から選択される。
更に、幾つかの態様にいて、前記オイル相は飽和又は不飽和、分岐又は非分岐アルコールのほかにジアルキルエステルからなる群より選択される。幾つかの特に好適な態様において、組成物の前記オイル相は、C12−15アルキルベンゾエートも含む。他の態様において、好適な態様は後者のみを含む。更なる態様において、前記オイル相はGuerbet アルコール(即ち、か最初にそれらの調製を説明したマルセルGuerbetにちなんで名付けられたアルコールのグループ)らなる群より選択される。これらのアルコールは、以下の式により特徴付けられる:
式1
アルコールからアルデヒドへの酸化により、アルデヒドのアルドール濃縮により、アルドールから水が排除され、アリルアルデヒドの水素付加が起こる。Guerbetアルコールは低温においても液状であり、皮膚に対して炎症を生じない。従って、これらはスキンケア及びヘアケア組成物においてfatting、及びsuperfatting、及びrefatting成分として用いることができる。即ち、Guerbet アルコールの使用は、当業者に知られている。これらの適用において、これらの物質は以下の構造式を有することにより特徴付けられる:
式中、R1及びR2は通常、非分岐アルキルラジカルである。本発明の幾つかの好適な態様において、R1がプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、又はオクチルであり、及び/又はR2がヘキシル、フェニル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、又はテトラデシルであるGuerbet アルコールを本発明に用いることができる。更なる態様において、好適なGuerbet アルコールは例えば、ISOFOL(商標)12(Condea Chemie GmbH)の名称で販売されている、以下の構造式を有する2−ブチルオクタノール:
及び、ISOFOL(商標)16(Condea Chemie GmbH)の名称で販売されている、以下の構造式を有する2−ヘキシルデカノールを有する。
追加的な態様において、例えば、Guerbet アルコールの混合物も本発明の組成物に用いることができる。例えば、2−ブチルオクタノール及び2−ヘキシルデカノールの混合物は幾つかの態様に用いることができる。最終化粧品又は皮膚科用製剤中のGuerbetアルコールの総量は最終製品の重量に対して約0.25%まで、好ましくは約0.5乃至15.0%の範囲から選択される。しかしながら、当業者は所望の組成物及びそれらの用途により、好適な濃度を有する組成物を調製する方法を知っていることから、本発明を特定の濃度及び濃度の範囲に限定することは意図しない。更に、オイル及び/又はワックス化合物の任意の組合せを本発明に用いることができる。例えば、幾つかの態様において、ワッスク(例えば、セチルパルミテート)はオイル相の固形脂質化合物として用いることができる。更なる態様において、非極性オイル(例えば、分岐及び非分岐炭化水素、及び炭化水素ワックスから選択されるもの)、特にVASELINE(商標)(即ち、ホワイト油)、パラフィンオイル、スクアランとスクアレン、ポリオレフィン、及び水素処理したポリイソブテンは本発明に用いることができる。ポリオレフィンを含むいくつかの態様において、ポリデセンが好ましい。
本発明の態様に用いることができる脂肪及び/又はワックス化合物はベジタブルワックス、アニマルワックス、ミネラルワックス、及び鉱物ワックスを含むがこれらに限定されない。特に好適なワックスの例は、カンデリラワッスク、カルナウバワックス、うるしワックス、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマワックス、イネ胚芽オイルワックス、糖きびワックス、ベリーワックス、オウリキュリーワックス、モンタンワッスク、ホホバワックス、シアバター、蜜蝋、シェラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛脂)、尾羽グリース、セレシン、オゾケライト(地蝋)、パラフィンワックス、及びミクロ結晶ワックスを含む。
本発明の態様に用いることができる追加的な脂肪及び/又はワックス化合物は化学的に修飾ワックス及び/又は合成ワックス(例えば、CRODA GmbHより販売されているSYNCROWAX(商標)HRC[グリセリルトリベヘネート]及びSYNSCROWAX(商標)AW1C[C18−C36脂肪酸])、及びモンタンエステルワッスク、Sasolワックス、水素化ホホバワックス、合成又は修飾蜜蝋(例えば、ジメチコーンコポリオールワックス及び/又はC30−50アルキル蜜蝋)、ポリアルキレンワックス、ポリエチレングリコールワックス、並びに化学修飾された脂肪(例えば、水素化ヒマシ油及び/又は水素化ココナッツ脂肪グリセリド等の水素化ベジタブルオイル)、トリグリセリド(例えば、トリヒドロキシステアリン、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びC20−40アルキルステアレート、C20−40アルキルヒドロキシステアロイルステアレート、及び/又はグリコールモンタネート等のグリコールエステル)を含む。更なる態様において、本発明は特定の脂肪及び/又はワックス化合物と同様の物理的性質を有する特定の有機シリコン化合物を含む(例えば、ステアロキシトリメチルシラン)。追加的な態様において、前記脂肪及び/又はワックス化合物は別々に提供される。他の態様においては、これらは混合物として提供される。すなわち、そのようなオイル/ワックス化合物のあらゆる所望の混合物が本発明の各種態様に用いることができる。
幾つかの態様において、前記オイル相は2−エチルヘキシルイソステアレート、オクチルドデカノール、イソトリデシルイソノナノエート、イソエイコサン、2−エチルヘキシルココエート、C12−15−アルキルベンゾエート、パプリイック/カプリックトリグリセリド、及びジカプリルイルエーテルからなる群より選択される。代替的な態様において、オクチルドデカノール、パプリイック/カプリックトリグリセリド、ジカプリルイルエーテル、C12−15アルキルベンゾエート、2−エチルヘキシルイソステアレート、イソトリデシルイソノナエートの1つ以上を含む混合物を含むがこれらに限定されない、各種オイル相の混合物が提供される。以下の表は本発明の各種態様に、単独で又は他の資質と組み合わせて用いることができる脂質のリストを提供する。対応する水への界面張力は最後のカラム中に記載している。より高い又は低い極性を有する化合物の混合物を含む他の化合物も本発明の各種態様に用いることができることから、本発明をこれらの列挙された化合物に限定することは意図しない。
幾つかの態様において、製剤のオイル相の幾つか又は全部は、しばしは「シリコンオイル」とも言われる環状及び/又は直鎖シリコンからなる群より選択される。幾つかの態様において、これらのシリコン又はシリコンイエロー折るは以下の構造エレメントにより特徴付けられるモノマーとして存在している:
本発明の幾つかの態様に用いられる2つ以上のシロキシル単位を有するシリコンは通常、以下の構造エレメントにより特徴付けられる:
式中、シリコン分子は、R1乃至R4で示す同一の又は異なるアルキルラジカル及び/又はアリルラジカルにより置換されていてもよい。異なるラジカルの数は4である必要はなく、2乃至200,000の値である。
本発明に有利に用いることができる環状シリコンは以下の構造エレメントにより特徴付けられる:
式中、シリコン分子は、R1乃至R4で示す同一の又は異なるアルキルラジカル及び/又はアリルラジカルにより置換されていてもよい。異なるラジカルの数は4である必要はなく、nは3/2乃至20である。「n」についての分数の値は、奇数のシロキシル基が環の中に存在する場合を考慮したものである。
幾つかの態様において、フェニルトリメチコーンがシリコンオイルとして選択される。本発明の各種態様に用いるのに適した他のシリコンオイルは、ジメチコーン、フェニルジメチコーン、シクロメチコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、セチルジメチコーン、及びベヘノキシジメチコーンを含むがこれらに限定されない。代替的な態様において、シクロメチコーン及びイソトリデシルイソノナノエートの混合物、並びにシクロメチコーン及び2−エチルヘキシルイソステアレートの混合物を含むがこれらに限定されない、これらの化合物の混合物も本発明に用いることができる。更なる追加的な態様において、前記化合物の有機側鎖が誘導体化された化合物(例えば、ポリエトキシ化及び/又はポリプロポキシル化)等の類似の化合物のシリコンオイルも本発明に用いることができる。これらは、セチルジメチコーンコポリオール(即ち、スェチルジメチコーンコポリオール(及び)ポリグリセリル−4−イソステアレート(及び)ヘキシルラウレート)等のポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテル−コポリマー等の化合物を含むがこれらに限定されない。即ち、本発明の各種態様には各種オイルを用いることができることから、本発明を特定のシリコンオイル又はシリコンオイルの混合物に限定することを意図しない。
追加的な態様において、油中水(W/O)型乳液は本発明に用いることができる。幾つかの態様において、W/O乳液は追加的な共乳化剤と一緒に又はこれを用いずに使用することができる。更なる態様において、W/O乳液は更に、レシチン、ラノリン、パラフィン油(Paraffinum liquidum)を含む混合物の中のミクロ結晶ワックス(ミクロ結晶蜜蝋)オゾケライト、水素化ヒマシ油、ポリグリセリル−3オレエート、ウールワックス酸混合物、ウールワックスアルコール混合物、ペンタエリトリチルイソステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレート、蜜蝋(Cera alba)及びステアリン酸、イソプロピルヒドロキシエーテルを含む混合物中のとソディウムジヒドロキシセチルフォフェート、メチルグルコースジオレエート、ヒドロキシステアレート及び蜜蝋を含む混合物中のメチルグルコースジオレエート、ワセリンとオゾケライトとグリセリルオレエートとラノリンアルコールを含む混合物中のミネラルオイル、オゾケライトと水素化ヒマシ油とグリセリルイソステアレートとポリグリセリル−3オレエートを含む混合物中のワセリン、PEG−7水素化ヒマシ油、オゾケライト及び水素化ヒマシ油、ポリグリセリル−4イソステアレート、セチルジメチコーンコポリオール及びヘキシルラウレートを含む混合物中のポリグリセリル−4イソステアレート、ラウリルメチコーンコポリオール、セチルジメチコーンコポリオール、アクリレート/C10−C30−アルキルアクリレートクロスポリマー、Poloxamer101、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル−3ジイソステアレート、ポリグリセリル−4ジポリヒドロキシステアレート、PEG−30ジポリヒドロキシステアレート、ジイソステアロイル−3ジイソステアレート、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル−3ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル−4ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル−3ジオレートの中の1つ以上の化合物を含むがこれらに限定されない、1つ以上の乳化剤を含む。
本発明の更なる態様において、本発明のW/O乳液は、セテアレス−20を有する混合物中のグリセリルステアレート、セテアレスー25、ステアリルアルコールを含む混合物中のセテアレス−6、PEG−40ヒマシ油とソディウムセチルステアリルスルフェートを含む混合物中のセチルステアリルアルコール、トリセテアレス−4フォスフェート、ソディウムセチルステアリルスルフェート、レシチントリラウレス−4フォスフェート、ラウレス−4フォスフェート、ステアリン酸、プロピレングリコールステアレートSE、PEG−25水素化ヒマシ油、PEG−54水素化ヒマシ油、PEG−6カプリイック/カプリックグリセリド、プロピレングリコールを含む混合物中のグリセロールオレエート、セテス−2、セテス−20、ポリソルベート60、PEG−100ステアレートを含む混合物中のグリセリルステアレート、ラウレス−4、セテアレス−3、イソステアリルグリセリルエーテル、ソディウムセチルステアリルスルフェートを含む混合物中のセチルステアリルアルコール、ラウレス−23、ステアレス−2、PEG−30ステアレートを含む混合物中のグリセリルステアレート、PEG−40ステアレート、グリコールジステアレート、PEG−22ドデシルグリコールコポリマー、ポリグリセリル−2PEG−4ステアレート、セテアレス−20、メチルグルコースセスクイステアレート、ステアレス−10、PEG−2ステアレート、PEG−8ジステアレートを含む混合物中のステアレス−2、ステアレス−21、ステアレス−20、イソステアレス−20、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、メトキシ−PEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−8蜜蝋、ポリグリセリル−2ラウレート、イソステアリルジグリセリルスクシネート、ステアラミドプロピルPGジモニウムクロライドフォスフェート、グリセリルステアレートSE、セテス−20、トリエチルシトレート、PEG−20メチルグルコースセクイステアレート、セテアレス−12、グリセリルステアレートシトレート、セチルフォスフェート、トリセテアレス−4フォスフェート、トリラウレス−4フォスフェート、ポリグリセリルメチルグルコースジステアレート、ポタシウムセチルフォスフェート、イソステアレス−10、ポリグリセリル−2セクイイソステアレート、セテス−10、オレス−20、イソセテス−20、セテアレス−20を含む混合物中のグリセリルステアレート、セテアレス−12、セチルステアリルアルコール及びセチルパルミテート、PEG−20ステアレートを含む混合物中のセチルステアリルアルコール、PEG−30ステアレート、PEG−40ステアレート、及びPEG100ステアレート、を含むがこれらに限定されない1つ以上の共乳化剤を含む。
更なる態様において、シリコンオイルを少なくとも一部に含む製剤のオイル相において、シリコン乳化剤を用いることができる。幾つかの態様において、このシリコン乳化剤は、アルキルメチコーンコポリオール、及び/又はアルキルジメチコーンコポリオールの界面活性作用を有する群から選択される。特に、以下の構造式により特徴付けられる化合物の群より選択される。
式中、X及びYは、それぞれ独立して、H基、並びに1乃至24炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基、アシル基、及びアルコキシ基から選択され、pは0乃至200の数であり、qは1乃至40の数であり、rは1乃至100の数である。本発明に用いることができるシリコン乳化剤の幾つかの例は、ジメチコーンポリオール(例えば、ABIL(商標)B 8842、ABIL(商標)B 8843、ABIL(商標)B 8847、ABIL(商標)B 8851、ABIL(商標)B 8852、ABEL(商標)B 8863、ABIL(商標)B 8873、及びABIL(商標)B 88183:これらは Th.Goldschmidt AGより入手可能である)。本発明に用いることができる追加的な界面活性作用のある物質の例はセチルジメチコーンコポリオール(ABIL(商標)EM90)並びにシクロメチコーンジメチコーンコポリオール(ABIL(商標)EM97)を含む。両者は、Th. Goldschmidt AGより入手可能である。本発明の乳化剤の用いることができることが証明されている化合物は、Dow Corning Ltd.より販売されているラウレスメチコーンコポリマー(Dow Corning(商標)5200 Formulation Aid)である。
本発明の好適な態様において、パーソナルケア組成物中(例えば、化粧品又は皮膚用製剤)に用いられる乳化剤の量は製剤の総重量に基づいて、約0.1乃至約10.0%、好ましくは約0.5乃至約5.0%である。しかしながら、本発明の各種態様は異なる好適な濃度及び/又は濃度範囲を有することから、本発明を特定の乳化剤及び/又は共乳化剤の濃度に限定することは意図しない。
幾つかの態様において、本発明は皮膚保護クリーム、スキンローション、化粧乳液、日焼け止めクリーム、及び日焼け止め乳液を含む各種形態で、乳液を提供する。幾つかの好適な態様において、これらの組成物は、脂肪、オイル、ワックス、及び/又は他の脂肪基質、並びに水を含み、慣習的にもちいられる場合には、1つ以上の乳化剤を含も含む。
本発明の化粧用クレンジングローション及び/又はクレンジングクリームの液体及び幾分固形状の乳液に加えて、本発明はメイクアップを除去するため又はマイルドなクレンジングローションとして使われる、吹付けることができるクレンジング用製剤(「クレンジングスプレー」)も提供する。更に、これらのクレンジングスプレーは、傷[染み・汚れ・欠点・汚点・欠陥]のある皮膚の治療に用いることができる。これらのクレンジング製剤は「リンスオフ(洗い流すタイプの)製剤」(即ち、適用した後に皮膚から洗い流される)と定義される。
上記化粧品に加えて、本発明の各種態様は、賦形剤(bodying agent)、充填剤、香料、ダイ、乳化剤、追加的な成分(例えば、ビタミン及びタンパク質)、光保護剤、安定化剤、防虫剤、アルコール、セルフタンニング基質、水、塩、抗生物質、プロテアーゼ、及び/又はケラチン等を含むがこれらに限定されない、助剤と添加剤等の追加的な成分を含む。即ち、スキャフォールド及びペプチドを含む活性化合物が含まれている限り、本発明を特定の成分に限定することは意図しない。更に、本発明は数多くの様々な医療用製剤に用いられる。
幾つかの態様において、本発明の組成物は、分散相を連続相である水相に分散及び懸濁しやすくするための乳化剤及び/又は界面活性剤を含む。界面活性剤は製品が皮膚又はヘアの洗浄用組成物である場合にも有用である。本明細書においては、「乳化剤」の語は「界面活性剤」の語に包含される。従って、本明細書で用いるように、「界面活性剤」の語は、皮膚の洗浄等の目的に対しての面活性剤のほかに、乳化剤として、表面活性作用を有するものも意味する。従来の界面活性剤を含む既知の界面活性剤も本発明に用いることができる。化学的又は物理的に組成物の必須成分と適合しており、所望の性質を提供するように界面活性剤は選択される(例えば、WO00/24372参照)。好適な界面活性剤は非シリコン誘導体物質、シリコン誘導体物質、及び/又はこれらの混合物から選択される。
更なる態様において、本発明の前記組成物は好ましくは0.05%乃至30%、より好ましくは0.5%乃至15%、及び/又は最も好ましくは1%乃至10%の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含む。界面活性剤及び/又は界面活性剤の混合物は、正確には、組成物のpH、存在する他の成分、及び最終製品の所望の審美性により選択される。
好適な界面活性剤又は界面活性剤混合物は組成物のpH、存在する他の成分、及び所望の最終製品の審美性に基づいて選択される。
非イオン性界面活性剤の中で本発明に有用なものは、広義には、糖又はデンプンポリマー(例えば、グリコシド)を有する長鎖アルコール(例えば、C8−30アルコール)の濃縮生成物であると定義される。他の有用な非イオン界面活性剤は脂肪酸を有するアルキレンオキシド(即ち、脂肪酸のアルキレンオキシドエステル)の濃縮生成物を含む。これらの物質は、一般式、RCO(X)nOHを有する。式中、RはC10−30アルキル基、Xは−OCH2CH2−(即ち、エチレングリコール又はオキサイド)又は−OCH2CHCH3−(即ち、プロピレングリコール又はオキシドの誘導体)及びnは6乃至200の整数である。他の非イオン界面活性剤は2モル脂肪酸を有するアルキレンオキシドの濃縮生成物である。これらの物質は一般式、RCO(X)nOOCRを有する。式中、RはC10−30アルキル基、Xは−OCH2CH2−(即ち、エチレングリコール又はオキシドの誘導体)又は−OCH2−CHCH3−(即ち、プロピレングリコール又はオキシドの誘導体)及びnは1乃至100の整数である。幾つかの態様において、本明細書における乳化剤は好ましくはソルビタン脂肪酸エステル及びスクロール脂肪酸脂肪酸エステル、特にソルビタンステアレート及び/又はスクロースココエートに基づく脂肪酸エステルの混合物である。更に好適な例は、セテアリルアルコール及び/又はセテアリルグリコールの混合物を含む。しかしながら、各種好適な乳化剤は本分野において知られていることこから、本発明を特定の乳化剤に限定することは意図しない。
追加的な態様において、本発明に有用な親水性界面活性剤は代替的に又は追加的に、等分やにおいて知られいてるカチオン、アニオン、両イオン性及び/又は両性界面活性剤を含む(例えば、McCutcheon‘s.Emulsifiers and Detergents、North American and International Editions、MC Publishing Co.[2003];U.S. Patent No.5,011,681、U.S.Patent No.4,421,769、及びU.S.Patent No.3,755,560参照)。
追加的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物にカチオン乳化剤(例えば、4級
界面活性剤)を含むがこれらに限定されない界面−及び/又は表面活性剤が含まれる。
4級界面活性剤は、4個のアルキル基もしくはアリール基に共有結合した少なくとも1個のN原子を有する。それによって、pHとは無関係に正電荷が生じる。アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン及びアルキルアミドプロピルヒドロキシサルタイン(sultaine)が本発明の幾つかの態様に用いることができる4級界面活性剤である。
4級界面活性剤は、4個のアルキル基もしくはアリール基に共有結合した少なくとも1個のN原子を有する。それによって、pHとは無関係に正電荷が生じる。アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン及びアルキルアミドプロピルヒドロキシサルタイン(sultaine)が本発明の幾つかの態様に用いることができる4級界面活性剤である。
カチオン系界面活性剤も好ましくは、4級アンモニウム化合物の群から選択することができ、特には例えばベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライドなどのベンジルトリアルキルアンモニウムクロライドもしくはブロマイド類、そして例えばセチルトリメチルアンモニウムクロライドもしくはブロマイドなどのアルキルトリアルキルアンモニウム塩類、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドもしくはブロマイド類、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライドもしくはブロマイド類、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルサルフェート類、塩化ラウリル−もしくはセチルピリミジニウムなどのアルキルピリジニウム塩類、イミダゾリン誘導体、ならびにアルキルジメチルアミンオキサイド類もしくはアルキルアミノエチルジメチルアミンオキサイド類のようなアミンオキサイドなどのカチオン性を有する化合物がある。特には、セチルトリメチルアンモニウム塩類を含むがこれらに限定されない界面活性剤を用いることができる。
追加的な態様において、カチオン性ポリマー類(例:ジャグアー(商標)C162[ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド]または修飾マグネシウムアルミニウムシリケート類(例えばレオックス(Rheox)から商品名ベントン(Bentone;商標)38で入手可能なクオタニウム(quaternium)−18−ヘクトライトまたは例えばヒュルス社(Huls AG)から商品名ソフチザン(Softisan;商標)ゲルで入手可能なステアラルコニウムヘクトライト)も本発明のいくつかのパーソナルケア組成物に用いることができる。しかしながら、本発明をこれらの特定のカチオンポリマー又はに限定することは意図しない。
本発明による製剤には有利には、オイル系増粘剤を含有させて、エマルションの感触特性を改善することもできる。本発明に関して有利なオイル系増粘剤は、例えばデグッサ社から入手可能なエアロジル(商標)類の疎水性酸化ケイ素類などの他の固体がある。有利なエアロジル(商標)類の例としては、例えばエアロジル(商標)OX50、エアロジル(商標)130、エアロジル(商標)150、エアロジル(商標)200、エアロジル(商標)300、エアロジル(商標)380、エアロジル(商標)MOX80、エアロジル(商標)MOX170、エアロジル(商標)COK84、エアロジル(商標)R202、エアロジル(商標)R805、エアロジル(商標)R812、エアロジル(商標)R972、エアロジル(商標)R974及び/またはエアロジル(商標)R976がある。
幾つかの追加的な態様において、本発明の幾つかのパーソナルケア組成物は、「金属石鹸」(すなわち、アルカリ金属塩を除く高級脂肪酸の塩)も、オイル系増粘剤として用いることができる。例としては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛及び/またはステアリン酸マグネシウムなどがある。
各種アニオン界面活性剤は本発明に有用である(例えば、U.S. Patent No. 3,929,678参照)。典型的なアニオン界面活性剤はアルコキシイソチオネート(例えば、C21−C30)、アルキル及びアルキルエーテルサルフェート及びそれらの塩、アルキル及び/又はアルキルエーテルフォスフェート及びそれらの塩、アルキルメチルタウレート(例えば、C12−C30)及び/又は脂肪酸の石鹸(例えば、置換アルキルアミン及びアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム又はカリウム塩)を含むがこれらに限定されない。
両イオン性及び両性界面活性剤の本発明に用いることができる。本発明の組成物に用いることができる好適な両イオン性及び両性界面活性剤の例は、広義には、脂肪鎖が直鎖又は分岐鎖であり、1つの脂肪置換基が8乃至22(好ましくはC8−C18)炭素原子を含み、1つの脂肪置換基が陰性の水に可溶な基(例えば、カルボキシ基、スルネート基、フォスフェート基、又はフォスファノエート基)を含む脂肪族二級又は三級アミンの誘導体と定義される。例としては、アルキルイミノアセテート、及び/又はイミノジアルカノエート、及び/又はアミノアルカノエート、イミダゾリニウム及び/又はアンモニウム誘導体を含むがこれらに限定されない。他の好適な両イオン性及び両性界面活性剤はベタイン、スルタイン(sultaine)、ヒドロキシスルタイン(sultaine)及び分岐又は非分岐アルカノイルザルコシネート、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
幾つかの更なる態様において、本発明のパーソナルケア組成物は少なくとも1つの両性または両性イオン性界面活性剤(例:コカミドプロピルベタイン)及び保湿剤(例:ベタイン)を含む。有利に使用される両性界面活性剤の例としては、アシルアンフォ酢酸ナトリウム、アシルアンフォジプロピオン酸ジナトリウム、アルキルアンフォジ酢酸ジナトリウム、アシルアンフォヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、アシルアンフォ酢酸ジナトリウム及びアシルアンフォプロピオン酸ナトリウムなどのアシル/ジアルキルエチレンジアミン;例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミドジプロピオン酸ナトリウム及びラウロアンフォカルボキシグリシネートなどのN−アルキルアミノ酸類がある。
本発明の組成物における表面活性物質または界面活性物質(1以上の化合物)の量は、製剤の総重量基準で、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、特には1〜10重量%である。
幾つかの更なる態様において、前記有効成分(1以上の化合物)は少なくとも1つの親水性有効成分を含む。幾つかの態様において、前記親水性有効成分はアセチルサリチル酸、アトロピン、アズレン、ハイドロコルチゾン及びハイドロコルチゾン−17−バレレートなどのそれの誘導体、B群及びD群などのビタミン類、非常に好ましくはビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンD1、そしてビサボロール、不飽和脂肪酸類、すなわち必須脂肪酸(ビタミンFと称される場合も多い)、特にはγ−リノレン酸、オレイン酸、エイコサペンテン酸、ドコサヘキセン酸及びそれの誘導体、クロラムフェニコール、カフェイン、プロスタグランジン類、チモール、カンファー、植物及び動物起源の抽出物その他の産生物、例えばオオマツヨイグサオイル、ボレッジ(borrage)オイルまたはスグリ種子オイル、魚オイル類、タラ肝油、そしてセラミド類及びセラミド様化合物等から選択される。幾つかの態様において、前記有効成分は、再脂肪化(refatting)物質である(例えばプルセリン(purcellin)オイル、ユーセリット(商標)及びネオセリット(商標)等)。
更なる態様において、本発明のいくつかの乳液は乳化剤又は界面活性剤を含むシリコンを含む。各種シリコン乳化剤は本発明に用いることができる。これらのシリコン乳化剤は通常有機的に修飾された有機ポリシロキサンであり、シリコン界面活性剤として当業者に知られている。有用な乳化剤はジメチコーンシロキサンを含むがこれらに限定されない。これらの物質はポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの混合物等のポリエーテル側鎖、並びにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの両方の由来部分含むポリエーテル鎖を含むように修飾されたポリジメチルシロキサンである。他の例は、アルキル修飾ジメチコーン(即ち、C2−C30ペンダント側鎖を含む化合物)を含む。更なるジメチコーンコポリマーは各種カチオン、アニオン、両イオン性、及び両性のペンダント部分を含むものである。
幾つかの態様において、本発明の組成物は、少なくとも1つのポリマー性濃厚剤を含む。ポリマー性濃厚剤は20,000より大きい、より好ましくは50,000より大きい、及び最も好ましくは100,000より大きい数平均分子量を有する。幾つかの態様において、本発明の組成物は組成物の重量に基づいて0.01%乃至10%、好ましくは0.1%乃至8%、より好ましくは0.2%乃至5%のポリマー性の濃厚剤を含む。
本発明に用いる好適なポリマー性濃厚剤は非イオン濃厚剤及び/又はアニオン濃厚剤又はこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。好適な非イオン性濃厚剤はポリアクリルアミドポリマー、架橋されたポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリサッカライド、天然又は合成ガム、ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルアルコールを含むがこれらに限定されない。好適なアニオン性濃厚剤はアクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、及びアルキルビニルエーテル及び/又は無水マレイン酸の架橋コポリマーを含むがこれらに限定されない。市販の濃厚剤(例えば、Carbopol;Noveon)はも本発明の幾つかの態様に用いることができる。好適なCarbopolは疎水的に修飾されており、他の好適なレジンはWO98/22085に記載されている。これらの混合物も用いることができる。
本発明の幾つかの態様において、この水相はゲル性質を有する。ここにおいて、化合物及び溶媒(好適なものとして)に加えて、好ましくは水を含み、更に、有機及び/又は無機濃厚剤及び/又はハイドロコロイドを含む。
本発明の幾つかの態様において、有効量の化合物及び溶媒に添加されるゲル相を有する水相は、好ましくは、水、有機及び/又は無機増粘剤及び/又はハイドロコロイドを含む。
幾つかの態様において、無機増粘剤は、修飾、未就職、自然発生、及び合成フィロシリケートの群から選択される。一般的に純粋な物質を使用することが好ましいとされているが、幾つかの態様において、異なる修飾及び/又は未修飾フィロシリケートの混合物も本発明の各種組成物に用いることができる。本分野において知られているように、フィロシリケートは3つのSi−O−又はAl−O−結合を介してお互いに結合しているシリケート又はアルミネート単位を有する、シリケート及びアルミネートであり、波状シート又は層状構造を有する。4番目のSi−O−またはAl−O−の価数はカチオンにより飽和される、各層の間には比較的弱い荷電状態の相互作用が存在する。この層の構造は広義には(強い)共有結合であると定義されている。この層状シリケートについては(Si2O5 2−)、アルミノシリケートについては(AlmSi2− mO5 (2+m)−)である。式中、「m」はゼロより大きく2より小さい。純粋なシリケートの不存在下におけるアルミノシリケートが存在する幾つかの態様において、Al3+に置換されるSi4−は電のバランスをとるために1+カチオンを必要とする。このチャージバランスは好ましくはH+、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンにより達成することが好ましい。代替的な態様において、アルミニウムは対イオンとして使用される。アルミシリケートとは対照的に、これらの化合物は「アルミニウムシリケート」と言われる。アルミニウムがシリケートネットワーク上に存在し、対イオンとしても存在する「アルミニウムアルミノシリケート」も本発明の幾つかの態様に用いることができる。
フィロシリケートは当分野においてよく知られている(例えば、Hollemann et al.、Lehrbuch der Anorganischen Chemie [Textbook of Inorganic Chemistry]、91st−100th Ed.、Walter de Gruyter − Verlag[1985]; Remy、Lehrbuch der Anorganischen Chemie、12th Ed.、Akademische Verlagsgesellschaft、Leipzig [1965]参照)。モントモリロナイトの層状構造も知られている(Rδmpps Chemie−Lexikon、Franckh’sche Verlagshandlung、W.Keller & Co.、Stuttgart、8th Ed.、[1985]、p.2668f参照)。フィロシリケートの例は以下を含む(モントモリロナイトは天然のベントナイトを含む主要鉱物である);
モントモリロナイト:Na0.33((Al1.67Mg0.33)(OH)2(Si4O10))
しばしば簡略化される:Al2O3*4SiO2*H2O*nH2O又はAl2[(OH)2/Si4Oi0]・nH2O
カオリナイト:Al2(OH)4(Si2O5)
イライト:(K,H3O)y(Mg3(OH)2(Si4.yALO10))又は(K,H3O)y(Al2(OH)2(Si4.yAlyO10)):式中y=0.7−0.9
ベリデライト:(Ca5Na)0.3(Al2(OH)2(AI0.5Si3.5O10))
ノントロナイト:Na0.33(Fe2(OH)2(Al0.33Si3.67 O10))
サポナイト:(Ca,Na)0.33((Mg,Fe)3(OH)2(Al0.33 Si3.67 O10))
ヘクトライト:Na0.33(KMg1Li)3(OH,F)2(Si4O10)。
幾つかの好適な態様において、無機ゲル形態はモントモリロナイト(ベントナイト、ヘクトライト、並びにクアテリウム−18ベントナイト、ステアラルコニウムベントナイト、及びステアラルコニウムヘクトライト等のこれらの誘導体)等のアルミニウムシリケートを含むがこれらに限定されない。マグネシウム−アルミニウムシリケート(VEEGUM(商標)グレード)、及びナトリウム−マグネシウムシリケート(LAPONITE(商標))も本発明に用いることができる。
モンモリロナイトは、複八面体スメクタイトのタイプで、水の中で質量が膨張する粘土鉱物であるが、可塑性を有してはいない。モントモリロナイトの3層層状構造における層パケットは水(2乃至7倍量)、及び例えば、アルコール、ピリジン、ピコリン、アンモニウム化合物、ヒドロキシアルミノシリケートイオン等の他の物質の取り込みの結果、膨潤さえることができる。モントモリロナイトは大容量のイオン交換能を有しているので。前記化学式は単に近時的なものをあらわしている。例えば、AlはMg、Fe2+、Fe3+、Zn、Pb (例えば、 下水中の有害物質)、Cr、Cu、及び他の元素に置き換えることができる。中間膜位置における特定のNa+(すなわちナトリウムモンモリロナイト)とCa2+(即ち、、カルシウムモンモリロナイト、膨潤性が非常に小さい化合物)において、八面体層の結果として生じている陰電荷は正イオンの存在によって補われる。
代替的な態様において、OPTIGEL(商標)(Sud−Chem)として販売されているがこれらに限定されない、合成マグネシウムシリケート及び/又はベントナイトも本発明に用いることができる。上で示したように、幾つかの態様において、VEEGUM(商標)(R.T. Vanderbilt Comp.、Inc)として販売されているアルミノシリケートも本発明に用いることができる。各種グレードのVEEGUM(商標)も本発明に用いることができる。本発明の各種態様に用いることができる各種VEEGUM(商標)グレードは以下で提供される。
上記生成物は、水で膨潤してアルカリ反応を有する粘性のゲルになる。これらの製品は、水中でアルカリ性反応を生起し、膨潤して粘性のゲルを形成する。モンモリロナイト又はベントナイトの有機親和性化(organophilization)(中間層カチオンの4級アンモニウムイオンとの交換)により、有機溶媒及び油、脂肪、軟膏、インク、表面塗装中の分散液として、また、界面活性剤中の分散液として使用するのに好ましい生成物(ベントン)を生成する。
Bentone(商標)は、長鎖有機アンモニウム塩と特定の型のモンモリロナイトから成る種々の中性の化学的に不活性なゲル化剤の商品名である。ベントンは、有機媒体中で膨潤することで有機媒体を膨張させる。得られたゲルは希酸及び希アルカリに対して耐性を有するが、強酸及び強アルカリと長時間接触するとゲル化特性を部分的に消失する。ベントンは有機親和性を有するので、水に対してはかろうじて湿るのみである。以下に示すBentone(商標)グレードが、例えば、KronosTitanにより販売されている。Bentone(商標)27(有機的に変性されたモンモリロナイト)、Bentone(商標)34(ジメチルジオクチルアンモニウムベントナイト;これは、米国特許第2531427号に従って製造されたものであり、親油性基を有するため水よりも親油性媒体中で容易に膨潤する)、Bentone(商標)38(有機的に変性されたモンモリロナイト;淡黄色から白色の粉末)、Bentone(商標)LT(精製した粘度鉱物)、Bentone(商標)Gel MIO(有機的に変性されたモンモリロナイトであり、鉱油中の微細分散液(SUS−71)(10%ベントナイト、86.7%鉱油、及び3.3%湿潤剤)として供給される)、Bentone(商標)Gel IPM(有機的に変性されたベントナイトであり、これはミリスチン酸イソプロピル中に懸濁している(10%ベントナイト、86.7%ミリスチン酸イソプロピル、3.3%湿潤剤))、Bentone(商標)Gel CAO(有機的に変性されたモンモリロナイトであり、これはひまし油中に含まれている(10%ベントナイト、86.7%ひまし油、及び3.3%湿潤剤)、Bentone(商標)Gel Lantrol(有機的に変性されたモンモリロナイトであり、これはさらなる加工、特に化粧品組成物の製造のために意図されたペースト形態である;10%ベントナイト、64.9%Lantrol(羊毛脂油)、22.0%ミリスチン酸イソプロピル、3.0%湿潤剤、及び0.1%p−ヒドロキシ安息香酸プロピル)、Bentone(商標)Gel Lan I(羊毛脂USPとパルミチン酸イソプロピルの混合物中の10%濃度のBentone(商標)27ペースト)、Bentone(商標)Gel Lan II(純粋な液状羊毛脂中のベントナイトペースト)、Bentone(商標)Gel NV(フタル酸ジブチル中の15%濃度のBentone(商標)27のペースト)、Bentone(商標)Gel OMS(Shellsol T.中のベントナイトペースト)、Bentone(商標)Gel OMS 25(イソパラフィン系炭化水素(Idopar(商標)H)中のベントナイトペースト)、Bentone(商標)Gel IPP(パルミチン酸イソプロピル中のベントナイトペースト)。
「ヒドロコロイド(hydrocolloid)」は、より正確な名称「親水コロイド(hydrophilic colloid)」の技術的略語である。ヒドロコロイドは概ね直鎖構造を有する巨大分子であって、個々の分子間の側原子価結合及び主原子価結合を可能にし、それによって網状構造(recticular structure)の形成を可能にする分子間力の相互作用を有する。幾つかの種類のヒドロコロイドは、水性系中でゲル又は高粘性溶液を形成する水溶性の天然高分子又は合成高分子である。ヒドロコロイドは、水分子と結合(水和)するか、あるいは織り込まれた巨大分子の中に水分子を吸収して包み込み、同時に水分子の運動を制限することで、水の粘性を増大させる。上記の様な水溶性高分子は、水又は水性媒体に溶解し得るという共通の性質を有する、化学的に極めて多種多様な天然高分子及び合成高分子の大きな群を表す。水溶性であるためには、これらの高分子は、水に可溶性となるのに充分な数の親水性基を有すると共に架橋の程度がそれほど大きくないことが要求される。当該親水性基は、実際、例えば以下に示す様な、非イオン性、アニオン性又はカチオン性の基であり得る。
幾つかの好適な態様において、化粧品用として又は皮膚科学的に適切なヒドロコロイドの群は、以下に示す様に分類される;有機天然化合物、例えば、寒天、カラギーン、トラガカントゴム、アラビアゴム、アルギネート類、ペクチン類、ポリオース類(polyoses)、グアー粉、イナゴマメ粉、デンプン、デキストリン類、ゼラチン、及びカゼイン等;有機変性天然物質、例えば、カルボキシメチルセルロース及びその他のセルロースエーテル類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及び微結晶性セルロース等;有機完全合成化合物、例えば、ポリアクリル酸化合物、ポリメタクリル酸化合物、ビニルポリマー類、ポリカルボン酸類、ポリエーテル類、ポリイミン類、ポリアミド類、及びポリウレタン類等; 無機化合物、例えば、ポリケイ酸類、及び粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、ゼオライト及びシリカ)等。
代替的な態様において、代替的な態様において、有利な安定剤はエチルセルロースである。エチルセルロースは、下記構造により特徴づけられる。上記式中、Rはエチル基又は水素原子のいずれかであり得る。
幾つかの好適な態様において、上記エチルセルロース中のエチル化の程度は、有利には2.0〜3.0であり、これは40〜55%に相当する。エチル化の程度は、好ましくは、48.0〜49.5%である。平均分子質量は、好ましくは、25℃で測定したトルエン80部とエタノール20部から成る混合物中の5%濃度の溶液の粘度が3〜110mPas、好ましくは、9〜11mPasとなるように選択される。特に有利には、平均分子質量は100,000〜400,000g/molである。本発明の調製物中のエチルセルロースの含有量は、調製物の総重量を基準にして0.1〜10重量%であるのが好ましい。その様な製品は、例えば、ETHOCEL(商標)Standard 10 Premium(Dow Chemicals)の商品名のものが入手可能である。
更なる追加的な態様において、微結晶性セルロースは本発明の目的において有利なヒドロコロイドである。例えば、AVICEL(商標)、AVICEL(商標)RC−591、AVICEL(商標)RC/CL、AVICEL(商標)CE−1、及AVICEL(商標)500;FMC(Corporation Food and Pharmaceutical Products)を含むがこれらに限定されない各種微結晶性セルロースを本発明に用いることができる。本発明の目的において特に有利な製品は、グレードAvicel(商標)RC−591であり、これは、89%の微結晶性セルロースと11%のナトリウムカルボキシメチルセルロースから成る変性微結晶性セルロースである。
有利に使用される別のヒドロコロイドは、例えば、メチルセルロースである。メチルセルロースは、セルロースのメチルエーテル類の呼称である。メチルセルロースは、下記構造のより特徴付けられる:
式中、Rは水素原子又はメチル基であり得る。
本発明の目的において特に有利なものは、一般に同じ様にメチルセルロースと称されるセルロースの混合エーテルである。これは、最も多いメチル基に加えて、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、又は2−ヒドロキシブチル基を有する。特に好ましいのは、(ヒドロキシプロピル)メチルセルロースであり、例えば、Dow Chemical Comp.からMethocel(商標)E4Mの商品名のものが入手可能である。
更なる態様において、ナトリウムカルボキシメチルセルロースもまた、本発明において有利である。ナトリウムカルボキシメチルセルロースはセルロースのグリコール酸エーテルのナトリウム塩であって、上記構造式中のRが水素及び/又はCH2‐COONaである。特に好ましいナトリウムカルボキシメチルセルロースは、Natrosol(商標)Plus330CSの商品名でAqualonから入手可能で、別名セルロースガムとも呼ばれるものである。
本発明の目的において好ましい別のものは、キサンタンガムとも称されるキサンタン(CAS No.11138−66−2)である。キサンタンは、一般にトウモロコシ糖の発酵により形成され、そしてカリウム塩として単離されるアニオン性のヘテロ多糖である。キサンタンは、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)及び別の幾つかの種により好気的条件下において生成され、2×106〜24×106の分子量を有する。キサンタンは、側鎖をもつβ−1,4結合グルコース(セルロース)を有する鎖から形成される。キサンタンのサブグループの構造は、グルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテート及びピルベートから成る。キサンタンの粘度は、ピルベート単位の数により決まる。
更なる態様において、カラギーンもまた本発明の目的においてさらに有利なゲル形成因子である。カラギーンは、真正紅藻類(Florideae)に属する北大西洋紅藻類(North Atlantic red algae)(コンドルス・クリスプス(Chondrus crispus)及びギカルティナ・ステラータ(Gigartina stellata))のゲル形成抽出物であって、寒天に似た構造を有する。用語「カラギーン(carrageen)」は、しばしば、藻類の乾燥生成物に対して使用され、「カラギーナン(carrageenan)」はその抽出物に対して使用される。藻類の熱水抽出物から沈殿したカラギーンは、100,000〜800,000の分子量を有し、スルフェート含有量約25%の、無色から砂色の粉末である。カラギーンは温水に極めて容易に溶解し、たとえ含水量が95〜98%であっても、冷却するとチキソトロピーゲルを形成する。その様なゲルの堅さは、カラギーンの二重螺旋構造によりもたらされる。
カラギーナンの場合は、本質的な3種の構成要素が区別される。ゲル形成性κ画分は、D−ガラクトース4−硫酸と3,6−アンヒドロ−α−D−ガラクトースから成り、1,3−位及び1,4−位に交互グリコシド結合を有する(それに対して、寒天は3,6−アンヒドロ−α−L−ガラクトースを含有する)。非ゲル化λ画分は、1,3−グリコシド結合D−ガラクトース2−硫酸基と1,4−結合D−ガラクトース−2,6−二硫酸基から構成され、冷水に容易に溶解する。τ−カラギーナンは、1,3結合のD−ガラクトース4−硫酸と1,4結合の3,6−アンヒドロ−α−D−ガラクトース2−硫酸から構成され、水溶性であると同時にゲル形成性でもある。存在するカチオンの種類(K+,NH4+,Na+,Mg2+,Ca2+)もカラギーンの溶解性に影響する。
更なる態様において、キトサン(即ち、部分的に脱アシル化されたキチン)を本発明に用いることができる。部分的に化粧用製剤でのキトサンの使用はそれ自体公知である。この生体ポリマーは、特に薄膜形成性を有し、皮膚でのシルク的感触を特徴とする。しかしながら欠点として、特に使用時に、一時的ではあるが生じる皮膚での強い粘着性がある。個々の場合において、消費者にとって許容できないものであったり、ないしは良くない評価を受けることから、相当する製剤は市販できるものではない。周知のように、キトサンは例えばヘアケアで使用される。それは、元になるキチンと比べて、増粘剤や安定剤としては好適度が高く、ポリマー薄膜の接着性及び耐水性が改善される。先行技術に関する非常に多くの文献の代表的なものには、フィードラーの著作がある(H.P.Fiedler,”Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie、Kosmetik und angrenzende Gebiete”[薬学、化粧品及び関連分野用補助剤のレキシコン(Lexikon)]、third edition 1989、Editio Cantor、Aulendorf、p.293)。キトサンは、下記の構造式を特徴とする。
上記式において、nは約10000以下の値を取り;Xはアセチル基または水素である。キトサンは、下記の構造式を特徴とするキチンの脱アセチル化及び部分脱重合(加水分解)によって生成する。
キチンは、節足動物(例:昆虫、カニ、クモ)の外骨格の必須構成要素であり、他の生物(例:軟体類、藻類、真菌)の支持組織でも認められる。約pH<6の領域では、キトサンは正電荷を有し、その範囲では水系に可溶でもある。それはアニオン性原料とは不適合である。そのため、キトサン含有水中油型エマルションを得るためには、ノニオン系乳化剤を使用することが適切である(EP−A776657参照)。幾つかの好適な態様において、本発明に用いる組成物は、少なくとも1つの、脱アセチル化度>25%、より好ましくは>55〜99%の範囲の[1H−NMRによって決定]、脱アシル化されたキトサン類が好ましい。幾つかの態様において、分子量10,000〜1,000,000のキトサン、特には分子量100,000〜1,000,000のもの[ゲル透過クロマトグラフィーによって測定]も本発明に用いることができる。
ポリアクリレート類も同様に、本発明に関して好ましく使用されるゲル化剤である。本発明により有利なポリアクリレート類は、アクリレート−アルキルアクリレートコポリマー類、特にはカルボマー類またはカルボポール類(carbopols)の群(カルボポール(商標)は実際には、グッドリッチ社(B. F. Goodrich Company)の商標である)から選択されるものである。特に、本発明により有利なアクリレート−アルキルアクリレートコポリマーは下記の構造を特徴とする。
式中、R′は長鎖アルキル基であり;x及びyは、各コモノマーの個々の化学量論的割合を記号化した数字を表す。
幾つかの態様において、グッドリッチ社から商品名カルボポール(商標)1382、カルボポール(商標)981及びカルボポール(商標)5984で入手可能なアクリレートコポリマー類及び/またはアクリレート−アルキルアクリレートコポリマー類も本発明の幾つかの組成物に用いることができる。非常に好ましいものは、カルボポール類980、981、1382、2984、5984及びカルボマー2001の群からのポリアクリレート類である。アクリル酸C10−30アルキル及び1以上のアクリル酸モノマー類のコポリマー、ショ糖のアリルエーテルまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルと架橋したメタクリル酸またはそれのエステル類のコポリマーも有利である。
INCI名「Acrylates/Cio−30 Alkyl Acrylate Crosspolymer」を有する化合物も本発明の幾つかの組成物に用いることができる。特に有利なものは、グッドリッチ社から商品名ペムレン(Pemulen;商標)TR1及びペムレン(商標)TR2で入手可能なポリマー類である。しかしながら、本発明を特定のアクリレート化合物に限定することは意図しない。
更なる態様において、INCI名「ammonium acryloyldimethyltaurates/vinylpyrrolidone copolymers」有する化合物を本発明に用いることができる。これらのアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ビニルピロリジンコポリマー(ammonium acryloyldimethyltaurates/vinylpyrrolidone copolymers)類は、経験式[C
7H
16N
2SO
4]
n[C
6H
9NO]
mを有し、それは下記の構造に相当する。
本発明に関して好ましい化学種は、ケミカル・アブストラクツに列挙されている登録番号58374−69−9、13162−05−5及び88−12−0であり、クラリアント社(Clariant GmbH)から商品名アリストフレックス(商標)で入手可能である。しかしながら、本発明をこれらの種に限定することを意図しない。例えばセピック社(Seppic S.A.)からのシムゲル(Simugel;商標)EGまたはシムゲル(商標)EGなどのアクリロイルジメチルタウレート(Taurate)を含むコポリマー類/橋かけポリマー類も本発明の幾つかの組成物に用いることができる。
本発明によって使用されるさらに別の完全に合成のヒドロコロイド類は水に可溶または分散可能であって、有利には下記のものから得ることができるアニオン系ポリウレタン類を含むがこれらに限定されない。
Aa)1分子当たり2個以上の活性水素原子を有する少なくとも1種類の化合物;
Ab)酸または塩の基を有する少なくとも1種類のジオール;及び
Ac)少なくとも1種類のジイソシアネート。
幾つかの態様において、成分Aa)は特には、各場合で数平均分子量が3000以下であるジオール、アミノアルコール、ジアミン、ポリエステロール、ポリエーテロールまたはそれらの混合物であり、その化合物の3モル%以下がトリオール類またはトリアミン類で置き換わっていても良い。好ましいものは、ジオール類及びポリエステルジオール類である。特に、成分Aa)は、成分Aa)の総重量基準で少なくとも50重量%のポリエステルジオールを有する。好適なポリエステルジオール類は、ポリウレタン類の製造に通常使用されるもの全てであり、詳細には、フタル酸とジエチレングリコール、イソフタル酸と1,4−ブタンジオール、イソフタル酸/アジピン酸と1,6−ヘキサンジオール、ならびにアジピン酸とエチレングリコールまたは5−NaSO3−イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールの反応生成物である。
使用可能なジオール類の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエーテロール類があり、例えば分子量3000以下のポリエチレングリコール類、数平均分子量3000以下のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックコポリマー類、あるいはランダムに分散した、あるいはブロックの形でのコポリマー化アルキレンオキサイド単位を有するエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドのブロックコポリマー類がある。好ましいものは、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−またはヘキサエチレングリコールである。使用可能な他のジオール類は、ポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)ジオール類である。
好適なアミノアルコール類は、例えば2−アミノエタノール、2−(N−メチルアミノ)エタノール、3−アミノプロパノールまたは4−アミノブタノールである。
好適なジアミン類の例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン及び1,6−ジアミノヘキサン、ならびにポリアルキレンオキサイド類のアンモニアによるアミノ化によって製造可能なα,ω−ジアミン類である。
成分Ab)は特には、ジメチロールプロパン酸または下記式の化合物である。
式中、RRは各場合において、C2〜C18アルキレン基であり、MeはNaまたはKである。
成分Ac)は特には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルジフェニルイソシアネート(MDI)及び/またはトリレンジイソシアネートである。
幾つかの態様において、上記ポリウレタン類は、群Aa)及びAb)の化合物を、70〜130℃の温度で不活性溶媒中、不活性ガス雰囲気下にて、群Ac)の化合物と反応させることで得ることができる。この反応は適宜に、鎖延長剤存在下に実施して、比較的高い分子量のポリウレタン類を製造することができる。ポリウレタン類の製造で通常行われるように、成分[(Aa)+(Ab)]:Acは有利には、0.8〜1.1:1のモル比で用いられる。上記ポリウレタン類の酸価は、組成及び成分(Aa)及び(Ab)混合物中の成分(Ab)の化合物の濃度によって決まる。
幾つかの態様において、上記ポリウレタン類は、フィケンチャー(H. Fikentscher)によるK値(25℃及びpH7でのN−メチルピロリドン中、濃度0.1重量%で測定)として15〜100、好ましくは25〜50を有する。固有粘度とも称されるK値は、ポリマー溶液の粘度測定によって測定することが容易なパラメータであることから、ポリマーの特性決定用に工業的に非常に多くの場合で使用される。酸基を有するポリウレタン類は、中和(部分的または完全)後に、水溶性であるか、乳化剤を用いなくとも分散可能である。そのポリウレタンの塩類は通常、未中和ポリウレタン類と比較して、水での溶解度や分散性が高い。上記ポリウレタン類の中和に使用可能な塩基は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、ソーダ、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属塩基、及び水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩基、ならびにアンモニア及びアミン類である。2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジエチルアミノプロピルアミン及びトリイソプロパノールアミンは、酸基を有するポリウレタン類の中和に特に有用であることが明らかになっている。酸基を有するポリウレタン類の中和は、2種類以上の塩基の混合物、例えば水酸化ナトリウムとトリイソプロパノールアミンの混合物を用いて行うこともできる。所期の用途に応じて、中和は例えば20〜40%という部分的なものとすることができるか、完全なもの、すなわち100%とすることができる。これらのポリマー類及びそれの製造については、DE−A−4225045(これにより、全範囲を参照したものとする)に、より詳細に記載されている。
B.下記の水溶性または水分散性カチオン系ポリウレタン類及びポリ尿素類。
Ba)予め1分子当たり2個以上の活性水素原子を有する1以上の化合物と反応させておくことができる少なくとも1種類のジイソシアネート;及び
Bb)少なくとも1種類のジオール、1級もしくは2級アミノアルコール、1級もしくは2級ジアミン、あるいは1以上の3級、4級またはプロトン化3級アミノ窒素原子を有する1級もしくは2級トリアミン。
好ましいジイソシアネート類は、A)で前述したものである。2個以上の活性水素原子を有する化合物は、ジオール類、アミノアルコール類、ジアミン類、ポリエステロール類、ポリアミドジアミン類及びポリエーテロール類である。この種の好適な化合物は、A)で前述したものである。
ポリウレタン類は、A)で前述した方法に従って製造される。例えば乳酸などのカルボン酸を用いたプロトン化、あるいは例えばハロゲン化もしくは硫酸C1〜C4アルキルなどのアルキル化剤を用いた4級化によって、存在する3級アミノ窒素原子から、ポリ尿素において、電荷を有するカチオン性基を得ることができる。そのようなアルキル化剤の例としては、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルがある。これらのポリマー類及びそれの製造については、DE−A−4241118(参照により本明細書に援用する)に、より詳細に記載されている。
C.下記のカルボキシレート基を有する直鎖ポルウレタン類
Ca)下記式の2,2−ヒドロキシメチル−置換カルボン酸:
上記式中、RR′は水素原子またはC1〜C20アルキル基であり、それはポリウレタン1g当たりカルボキシル基が0.35〜2.25ミリ当量でポリウレタン中に存在するという条件を満足する量で使用される。
Cb)ポリウレタン重量に基づいて10〜90重量%の2個以下の活性水素原子を有する1種類以上の有機化合物;ならびに、
Cc)1種類以上の有機ジイソシアネート。
ポリウレタンに存在するカルボキシル基は最終的には、少なくとも部分的に好適な塩基によって中和される。これらのポリマー類及びそれの製造については、EP−A−619111(参照により本明細書に援用する)に記載されている。
D.トリ−もしくはテトラカルボン酸類の無水物とジオール類、ジアミン類もしくはアミノアルコール類のカルボキシル含有重縮合生成物(ポリエステル類、ポリアミド類またはポリエステルアミド類)。これらのポリマー類及びそれの製造については、DE−A−4224761(参照により本明細書に援用する)に、より詳細に記載されている。
E.参照により本明細書に援用するDE−A−4314305、3627970及び29−17−504に記載のポリアクリレート類及びポリメタクリレート類。
本発明により使用されるポリマーは好ましくは、15〜100、好ましくは25〜50のK値を有する。そのポリマーは、本発明による組成物中、組成物の総重量基準で、0.2〜20重量%の範囲の量で存在する。塩は、ポリマーの交換性を高める上で有効な量で使用する。塩は通常は、組成物の総重量基準で、0.02〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、特には0.1〜3重量%の量で使用する。
最終の化粧用製剤または皮膚用製剤中での1以上のヒドロコロイドの総量は、製剤の総重量基準で、有利には5重量%未満、好ましくは0.05〜3.0重量%、特に好ましくは0.1〜1.0重量%となるように選択される。
幾つかの好適な態様において、本発明は少なくとも1つのシリコンオイル相を含む。シリコンオイル相は、通常、組成物の0.1%乃至20%mコポリマー0.5%乃至10%、より好ましくは0.5%乃至5%である。前記シリコンオイル相は好ましくは、1つ以上のシリコン化合物を含む。
幾つかの態様において、シリコン化合物は直鎖、分岐鎖、及び環状シリコンを含む、流体である。本発明に有用なシリコン流体はポリアルキルシロキサン流体、ポリアリルシロキサン流体、環状及び/又は直鎖ポリアルキルシロキサン、ポリアルコキシル化シリコン、アミノ及び/又は4級アンモニウム修飾シリコン、ポリアルキルアリルシロキサン、又はポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物を含むシリコンを含む。揮発性又は不揮発性のシリコン流体も本発明に用いることができる。シリコン流体は、通常、200,000未満の数平均分子量を有する。好適な態様において、好適なシリコン流体は100,000以下、好ましくは5000以下、及びより好ましくは10,000以下の分子量を有する。好ましくは、前記シリコン流体は100乃至50,000及び好ましくは200乃至40,000の範囲の重量平均分子量を有するシリコン流体から選択される。通常、シリコン流体は25℃において、0.65乃至600,000mm2S−1、好ましくは0.65乃至10,000mm2S−1の粘度を有する。前記粘度は1970年7月29日発行のDow Corning Corporate Test Method CTM0004に定義されているガラスキャピラリー粘度計により測定することができる。本発明に用いることができる好適なポリジメチルシロキサンは、市場で入手可能な化合物を含む(例えば、General Electric Company及びDow Corning)。非揮発性のポリアルキルアリルシロキサン、例えば、25℃において0.65乃至30,000mm2s−1の粘度を有するポリメチルフェニルシロキサン(General Electric Company 及びDow Corning)も有用である。本発明に有用な環状ポリジメチルシロキサンは3−7(CH3)2SiO部分、好ましくは5以上の部分を取り込んでいる環状構造を有するものである。
追加的な態様において、シリコンガムの本発明に用いることができる。幾つかの好適な態様において、シリコンオイル相はシリコンガム又はシリコンガムを含むシリコンの混合物を含む。通常、シリコンガムは25℃において、1,000,000 mm2s−1の粘度を有する。前記シリコンガムは当業者に知られているジメチコーンを含む(例えば、U.S. Pat.No.4,152,416;及びNoll、Chemistry and Technology of Silicones、Academic Press、New York [1968]参照)。General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets SE30、SE33、SE54及びSE76に記載されているシリコンガムも本発明に用いることができる。シリコンガムの特定の例は、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニル)(メチルビニルシロキサンコポリマー及び/又はこれらの混合物を含む。本発明に用いることができる好適なシリコンガムは200,000乃至4,000,000の分子量を結うsリポソーム、ジメチコーン、ジメチコーンコポリマー、ジメチコーン及びこれらの混合物から選択される。
幾つかの態様において、シリコン相はシリコンガム流体ブレンドの一部として組成物に取り込まれる。前記シリコンガムがシリコンガム流体ブレンドの一部として取り込まれる場合、前記シリコンガムは前記シリコンガム流体ブレンドの重量により5%乃至40%、特に10%乃至20%含まれる。好適なシリコンガム流体ブレンドは、
i)分子量200,000乃至4,000,000を有し、ジメチコノル、フルオロシリコン、及びジメチコーン及びこれらの混合物から選択されるシリコン及び
ii)0.65mm2s−1乃至100mm2s−1の粘度を有するシリコン流体であるキャリア、
よりなる。i)及びii)の割合は10:90乃至20:80である。前記シリコンガムベース組成物は最終粘度が、100 mm2s−1乃至100,000 mm2s−1であり、好ましくは500mm2s−1乃至10,000mm2s−1である。
本発明のシリコンオイル相に有用な更なるシリコン組成物は、任意で流体キャリア中に分散されている架橋ポリオルガノシロキサンポリマーを含む。通常、キャリアと一緒の架橋ポリオルガノシロキサンポリマーは0.1%乃至20%、好ましくは0.5%乃至10%、より好ましくは0.5%乃至5%、組成物に含まれる。そのようなポリマーは、架橋剤により架橋されたポリオルガノシロキサンポリマーを含む。好適なポリオルガノシロキサンポリマーはメチルビニルジメチコーン、メチルビニルジフェニルジメチコーン、及びメチルビニルフェニルメチルジフェニルジメチコーンを含む。
本発明のシリコンオイル相に有用な更なるシリコン組成物は、少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンセグメント及び少なくとも1つのポリオキシアルキレンセグメントを含むポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーを含む(例えば、WO98/22085参照)。好適なポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーはWacker−Chemie GmbHより販売されているBELSIL(商標)である。本発明に用いることができる特に好適なコポリマー流体はCTFA指定のジメチコーン/ジメチコーンコポリマーを有するDow Corning DC3225Cを含む。
更なる態様において、本発明の組成物は有機サンスクリーンを含む。幾つかの態様において、好適なサンスクリーンは、UVA吸収性質を有し、UVB吸収性質を有するものもある。更にこれらの混合物を有するものもある。サンスクリーン有効成分の好適な量は、所望のUV保護のほかに、組成物の太陽光線保護指数(SPF)に依存する。PSFは同一固体において、保護されていない皮膚において最小の紅斑が生産されるのに必要とされる紫外線エネルギーと、保護された皮膚において同様の最小の紅斑が生成されるのに必要とされる紫外線エネルギーの割合である。用いるサンスクリーンの両は好ましくは2%乃至20%、及びより好ましくは4%乃至40%である。好適なサンスクリーンは、米国、日本、及びヨーロッパで用いられているものを含むがこれらに限定されない。本発明の組成物は2乃至30、より好ましくは4乃至30、より好ましくは4乃至15のSPFwpを有する。
幾つかの態様において、本発明の組成物は1つ以上のUVA(320nm乃至400nm)吸収性日焼け止め有効成分を有する。好適なUVA吸収日焼け止め有効成分はジベンゾイルメタン(例えば、Lowe and Shaath(eds.)、Sunscreens: Development、Evaluation、and Regulatory Aspects、Marcel Dekker、Inc参照)、その誘導体、メチルアントラニレート及びホモメチル1−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸塩、及びそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。前記UVA吸収日焼け止め有効成分は好ましくは、単独で又は組成物中の他の成分と組み合わせて幅広い範囲のUVAスペクトルを吸収するのに有効である範囲の量で組成物中に存在する。
好適なUVA吸収日焼け止め有効成分は、ベンゾイルメタン日焼け止め有効成分、及び/又はそれらの誘導体を含む。それらは、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−タート−ブチルイルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’−ジイソプロピルベンソイルメタン、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−ジイソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert‐ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,6−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。好適なベンゾイル日焼け止め有効成分は4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、及びこれらの混合物の中から選択される。好適な日焼け止め有効成分は4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンである。
日焼け止め有効成分、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、はブチルメトキシジベンゾイルメタン又は「アボベンゾン」として知られており、Givaudan Roure(International)よりParsol(商標) 1789 として、及びMerck & Co.、IncよりEusolex(商標)9020として販売されている。日焼け止め有効成分、4−イソプロピルジベンゾイルメタンもイソプロピルジベンゾイルメタンとして知られており、Eusolex(商標)8020として知られている。
幾つかの態様において、本発明の組成物は更に、290nm乃至320nmの波長を有するUV光線を吸収するUVB日焼け止め有効成分を1つ以上含む。前記UVB吸収日焼け止め有効成分は好ましくは、単独で又は組成物中の他の成分と組み合わせて幅広い範囲のUVBスペクトルを吸収するのに有効である範囲の量で組成物中に存在する。前記組成物は、UVB吸収有機サンスクリーンの重量に基づいて0.1%乃至20%、好ましくは0.1%乃至12%、より好ましくは0.5%乃至8%含まれるか、又は関連する規定に記載されている量で含まれる。
各種UVB日焼け止め有効成分が本発明に用いられる(例えば、U.S.Pat No. 5,087,372;U.S.Pat.No.5,073,371;U.S.Pat.No.5,073,372;U.S.Pat.No.4,937,370;及びU.S.Pat.No.4,999,186参照)。好適なUVBサンスクリーン有効成分は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,2−エチルヘキシルN、N−ジメチル−p−アミノベンゼン、p−アミノベンゼン酸、オキシベンゾン、ホモメチルザリシレート、オクチルザリシレート、4,4’−メトキシ−t−ブチルジベンゾメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジルジエンカンファー、3−(4−メチルベンジルジエン)カンファー、2−フェニル−ベンンジミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、桂皮酸エステル及び2−エチルヘキシル−p−メトキシシナメート等のそれらの誘導体、ザリシレートエステル及びトリエタノールアミンザリシレート、エチルヘキシルザリシレート、オクチルジメチルパラ−アミノ安息香酸等のそれらの誘導体、カンファー誘導体及びそれらの誘導体、及びこれらの混合物から選択される。好適な有機日焼け止め有効成分は、2−メチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−フェニル−ベンジミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、オクチル−メトキシシナメート及びこれらの混合物を含む。酸性日焼け止めの塩及び酸中和形態も本発明に有効である。
従って、幾つかの態様において、本発明は以下を含むがこれらに限定されない任意の有機UV−A及びUV−Bフィルターを含む組成物を提供する。
幾つかの態様において、UV光線に曝すことにより分解する性質を有する成分を含む場合には、本発明に有用な組成物の一つに少なくとも1つの有効成分を添加して、UVAサンスクリーンを安定化して、UVA保護能を維持させることができる。これらの安定化能を有する数多くの物質が報告されており、UVAサンスクリーン及び組成物全体の性能を補うように選択することができる(例えば、U.S.Pat.Nos 5,972,316; 5,968,485;5,935,556;5,827,508;及びWO00/06110参照)。安定化剤の好適な例は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−3,3−ビス(4−メトキシフェニル)アクリレート、ジエチルヘキシル2,6−ナフタレート、及びこれらの混合物を含む(Symrise Chemical Company)。
幾つかの好適な態様において、本発明は、クレンジングミルク、サンスクリーンローション、栄養クリーム、デイクリーム、ナイトクリーム等として用いられるのに適した化粧品及び/又は皮膚用製剤を提供する。幾つかの態様において、本発明は、薬物(例えば、医薬品)組成物の化合物に用いられる。幾つかの態様において、本発明は装飾的化粧品(例えば、メイクアップ製剤)に用いられる。
幾つかの特に好適な態様において、本発明は化粧品及び/又は皮膚用製剤に有用な日焼け止めを提供する。本発明の態様に用いられる活性成分に加えて、幾つかの態様において、これらの製剤は好ましくは少なくとも1つの幅広い波長フィルター及び/又は少なくとも1つのUVAフィルター基質及び/又は少なくとも1つのUVBフィルター基質及び/又は少なくとも1つの無機顔料を追加的に含んでいる。
更なる態様において、本発明はUV保護化合物を含むが、主に日焼け止めとしては用いられないパーソナルケア組成物を提供する。例えば、幾つかの態様において、UV−A及び/又はUV−Bフィルター基質はデイクリーム又はヘアクリーム組成物中に取り込まれる。
追加的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物は慣習的に使用されている場合には、化粧品として有用な成分、助剤、及び/又は添加剤(例えば、抗酸化剤、保存料、抗酸化剤、防腐剤、殺菌剤、香水、消泡剤、色素、色づけ作用を有する色素、増粘剤、表面活性物質、乳化剤、皮膚軟化薬、加湿器、及び/または湿潤剤、脂肪、オイル、ワックス、またはアルコール、ポリオ−ル、重合体、泡安定剤、電解液、有機溶媒、またはシリコン誘導体などの化粧品又は皮膚科用製剤に通常使用されている成分)を含む。即ち、製品及び使用者に適している限り、各種成分が本発明の各種態様に用いられる。
幾つかの態様において、少なくとも1つの成分を本発明の組成物に添加して、前記組成物の皮膚における効果を改善する、特に前記組成物が皮膚に適用されたときに水による洗浄又はこすって皮膚から剥離することに対して耐性を付与することができる。そのような成分の例は、アクリレート/C12−22アルキルメタクリレートコポリマー、アクリレート/アクリレートコポリマー、ジメチオニン、ジメチコノール、グラフト−コポリル(ジメチルシロキサン/i−ブチルメタクリレート)、ラウリルジメチコーン、PVP/ヘキサデカンコポリマー、PVP/エイコセンコポリマー、トリコンタニルPVP、及びトリメトキシシロキシシリケートを含むがこれらに限定されない。
有機サンスクリーンに加えて、幾つかの態様において、本発明の組成物は、無機物理的酸ブロックを含む(例えば、TFAInternational Cosmetic Ingredient Dictionary、6th Edition、pp.1026−28 and 1103[1995];Sayre et al、J. Soc. Cosmet.Chem.、41:103−109[1990];及びLowe et al.、supra)。好適な無機物理的サンブロックは酸化亜鉛、及び二酸化チタン、及びこれらの混合物を含む。
好適な態様を用いる場合、前記組成物が皮膚に適用されるときに、前記物理的サンブロックは、組成物中に、重量により0.5%乃至20%、好ましくは0.5%乃至10%、及びより好ましくは0.5%乃至5%含まれている。二酸化チタンを用いる場合、前記二酸化チタンはアナターゼ、ルチル、又は非結晶構造を含むことができる。
サンスクリーン用にミクロ化されたグレードの二酸化チタン及び酸化亜鉛の生産は、Tayca Corporation、Uniqema、Shinetsu Chemical Corporation、Kerr−McGee、Nanophase、Nanosource、Sachtleben、Elementis、and BASF Corporation 並びにこれらの会社の関連会社により行われているがこれらの会社に限定されない。物理的に太陽光線をブロックする粒子(例えば、酸化チタン及び二酸化亜鉛)は、アミノ酸、アルミナ、アルミニウムステアレート、アルミニウムラウレート等のアルミニウム化合物、カルボン酸及びそれらの塩(例えば、ステアリン酸及びその塩)、レクチン等のリン脂質、有機シリコン化合物、シリカシリケート及びそれらの混合物等の無機シリコン化合物を含むがこれらに限定されない。幾つかの好適な態様において、本発明の組成物は重量により、0,1%乃至15%、好ましくは0.1%乃至7%、より好ましくは0.5%乃至5%、無機サンスクリーンを含む。
幾つかの乳化剤の有害な効果に加えて、他のファクターへの露出は、皮と毛を傷つけると知られている。例えば、皮膚における太陽光の紫外線部分の有害な影響は、一般的に知られている。290nm未満(即ち、UVC領域)の波長を有する光線は大気中のオゾン層に吸収されるけれども、290nm乃至320nm(即ち、UVB領域)の範囲の光線は紅斑、簡単な日焼け、または深刻さを変える火傷さえ起こす。日光の最大紅斑活性は約308nm付近の相対的に狭い範囲で起こる。
有害なUVB光線に対して保護を提供する多くの物質が知られている。最も一般的なものは、3−benzylidenecamphorの、4−アミノ安息香酸の、桂皮酸の、サルチル酸の、ベンゾフェノンの、そして2−フェニル−ベンズイミダゾールの誘導体である。
UVAもダメージを引き起こすことから、約320nm乃至約400nmの間のUVA領域の範囲の利用可能なフィルター基質を有することも重要である。長い間、320nmと400nmの間の波長を持っている長波のUV−A光線が取るに足りない生物学の行動だけを有していて、それに応じて、UV−B光線がヒトの皮膚において最も光損傷を生じていることがに間違って仮定されていた。しかしながら、近年の数多くの研究がUV−A光線は、皮膚における、光学動態、特に光学毒性、反応及び染色体損傷のトリガーの観点からUV−Bよりも有害であることを証明した。更に、UV−B光線の有害な影響はUV−A光線に曝すことにより増強される。
UV−A光線自体による及び日常的な状況下でのUV−A光線は、支持体内における、皮膚の構造及び伸びに重要な成分であるコラーゲン及びエラスチン繊維に十分ダメージを与えることが示されている。このことは、皮膚において、時期早尚な「加齢」となる、慢性的な光誘発性の変化を誘発する。通常光より誘発される皮膚の加齢の臨床的態様は、しわ及び線の増加させ、引き続いて不規則なしわが生じる。更に、皮膚は光誘発性皮膚の加齢により影響を受け、不規則な色素沈着を引き起こす。場合によっては、ブラウン・パッチ、角化上皮、癌、または悪性黒色腫が生じる。毎日のUV露出の結果による時期早尚な皮膚の加齢現象はランゲルハンス細胞の活動低下及びわずかではあるが慢性の炎症有することにより特徴付けられる。
地球に届く紫外線の約90%はUV−Aである。地球に届くUV−B光線の量は多くのファクターに依存している(例えば、年月日及び/又は緯度)が、地球に届くUV−A光線のレベルは日時及び地理的条件にかかわりなく毎日ほぼ一定している。更に、UV−A光線の大部分は生物の表皮を突き抜けるのに対して、UV−B光線の約70%は角質層に保持される。例えば、光保護フィルター基質を化粧品又は皮膚科の製剤に適用することによるUV−A光線を妨げる保護は基本的に重要である。
一般的に光を妨げる基質の光吸収性質は、良く知られており、記録されている。その大部分は、これらの物質を取り込んだ各製品に付随するドキュメントおける厳しい規格を与えあられていいながら、そのような物質の使用において、好適な事例を挙げている大部分の工業的国々において記録されている。最終製中の基質の濃度についてに、皮膚自身中または皮膚表面と物質との相互作用はしばしば、どれほどよく組成物が各個人に機能するかついてに影響を与えるかもしれない変数を示すので、吸光度値はガイドを提供する。しかし、均一に、厚く、フィルタ物質が皮膚の角質層中、及びその上で分散される態様において、このことを前もって評価することは通常難しい。
UV−A保護性能を試験するために、通常当業者に知られているIPDの方法(EPD 5 immediate pigment darkening)が利用される。この方法は日焼け防止指数の決意に類似していて、生じた色素沈着が無防備の皮膚のために生産されたそれと同じになる前に、どのくらい長波長のUV−A光線によって光をあてられることができるかを光線保護組成物による保護を利用して示す方法を提供する。
ヨーロッパを通じて確立された他の試験方法は、オーストラリア規格AS/NZS2604:1997である。この方において、UV−A領域における製剤の吸収が測定される。この条件を満たすために、製剤は320乃至360nmの領域のUV−A光線を少なくとも90%吸収しなければならない。
また、UV−A領域で高いフィルタ作用を有する既知の光保護フィルタ物質の使用濃度は、しばしば、それらが、固体形態の他の物質と結合されるという現実の事実によって制限されることは日焼け止め組成物の製剤化において興味深い。従って、相対的に高いサンプロテクト効果とUV−Aプロテクション効果を達成することに関しての困難性が存在する。しかしながら、これらの困難性を克服し及び/又は埋め合わせるための手段を知っている。
光保護フィルター物質は通常、高価であり、幾つかの光保護フィルター物質は更に化粧品及び/又は皮膚科製品中に比較的高濃度で組み込むことが困難であるため、本発明のいくつかの態様は、従来のUV−A光線保護フィルター物質を低い濃度で含むにも関わらず、高いUV−A保護性能を達成することができる、単純でコスト効果のよい製剤を意図している。
しかしながら、当分野において知られているように、UV光線は皮膚の代謝を阻害する生成物を生産する光化学反応を誘導する。これらの光化学反応生成物は、主にフリーラジカル化合物(例えば、ヒドロキシラジカル)である。フリーラジカルに定義されていない皮膚の中で形成される光化学反応生成物は高い活性を有する制御不可能な二次反応を誘発する。しかしながら、短命なエポキシドと多くの他が生じるときに、一重項酸素(酸素分子の非自由基励起状態)がUV照射の間に生じる。例えば、一重項酸素はその増大した反応性のため標準の三重項酸素(フリー・ラジカル基底状態)と異なる。しかしながら、励起した、活性のある「フリー・ラジカル」三重項状態はも存在する。従って、これらの反応を防止するために、抗酸化剤、及び/または自由ラジカルスカベンジャーは化粧品、及び/または皮膚科学的製剤において用いることができる。
光保護用の化粧品及び/又は皮膚科学的製剤に用いられる光保護剤としての化合物は、通常、光保護性能が良い。しかしながら、それらは、満足なやり方で意図する製剤中にそれらを取り込むことにおいて困難伴うという不利益も有する。
上で示したように、太陽光線保護指数(SPF)は光保護組成物により保護されている皮膚が未処理の皮膚と同じ紅斑反応が生じる前にどれくらい長く光照射を受けられるかを示す(即ち、未保護皮膚を比較して10倍長く光を当てることができる場合をSPF=10)。消費者は「SPF」の意味をよく理解しており、製品上のSPFの値に基づきスキンケア及び/又はヘアケア製品を選択する。消費者は、早期老化と同様に主として過剰な太陽照射と皮膚癌の間の関連の増大した一般の人々の認識による日焼け防止指数について製造業者から信頼できる情報を受け取ることを期待している。更に、世界の幾つかの部分では、オゾン層の破壊は主要な懸念事項である。皮膚タイプと予測される太陽照射に依存して、消費者は下のまたはより高いSPFと製品を選ぶ。しかしながら、しかし、特に、子供と色白皮膚を持つヒトに適用される製品において、消費者は比較的高いSPF指数を選ぶ傾向があるように思われる。幾つかの態様において、本発明の発明は従来の光保護フィルター物質を相対的に低い濃度で含むが、消費者に許容されうる程度のSPF値を有する組成物を提供する。
幾つかの好適な態様において、本発明により提供される日焼け止め製剤の主要な成分は水又は水性液体;水性エタノール液体;天然オイル及び/又は天然オイルを化学修飾したオイル及び/又は合成オイル;脂肪、ワックス、及び他の天然及び合成脂肪基質、好ましくは脂肪酸と少ない炭素数を有するアルコール{例えば、イソプロパノール、プロピレングリコール、又はグリセロール}とのエステル、又は脂肪アルコールと少ない炭素数を有するアルカン酸又は脂肪酸とのエステル;アルコール;少ない炭素数のジオール又はポリオール及びそれらのエステル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル又はモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル又はモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル又はモノエチルエーテル、及び類似体である。代替的な好適な態様において、これらの成分の2つ以上の混合物も本発明の発明に用いることができる。
幾つかの好適な態様において、本発明の組成物は保存料も含む。そのような保存料はペンチレングリコール、エチレングリコール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びそれらの塩、クロロヘキシジン(及びその2酢酸、ジヒロドクロライド、ジグルコネート誘導体)、1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロパノール、パラクロロメタキシレノール、ポリヘキサメチレンビグアミドヒドロクロライド、デヒドロ酢酸、ジアソリジニル尿素、2,4−ジクロロベンジルアルコール、4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン、ホルムアルデヒド(例えば、重合を防ぐために、10−15%のメタノールを含む37%水溶液)、グルタラアルデヒド、ジメチルタントイン(dimethylidantoin)、イミダゾール尿素、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、オルト−フェニルフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸エステル(例えば、パラベン)及びそのメチル−、エチル−、イソプロピル−、ブチル−、及びイソブチルエステル、トリクロサン、2−フェノキシエタノール、フェニルメルクリック酢酸、ホウ酸、硝酸、クアテリウム−15、ザリシレート、サリチル及びその塩、カルシウム、カルシウムソルベート、ソルビン酸、及びその塩、ヨードプロパニルブチルカルバニミエートジンクパイチオン(iodopropanyl butylcarbamate zinc pyrithione)、ベンジルアルコール、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、2−ブロモ―2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、安息香酸及びその塩、亜硫酸エステル、重亜硫酸塩、フェノキシエタノール、クロロキシレノール、ジアゾロジニイル尿素、メチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、イソブチルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、フェノキシエタノールPG、及び塩化ベンザルコニウムを含むがこれらに限定されない。
更なる態様において、食品及び試料に用いる保存料は本発明の各種組成物に用いることができる。以下の表において、そのような化合物及びそれらのEナンバーを列挙する。しかしながら、本発明の各種態様には追加的な保存料も用いることができることから、本発明をこれらの特定の保存料に限定することは意図しない。
各種態様に用いることができる追加的な保存料は、ジブロモシアノブタン(2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタロジニトリル)、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、イミダゾールジニルウレア、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾール−3−オン、2−クロロアセトアミド、ベンズアルコニウムクロライド、ベンジルアルコール、及びホルムアルデヒド供与体を含むがこれらに限定されない。本発明の各種態様に用いることができる更なる保存料は、フェニルヒドロキシアリルエーテル、特に多くの微生物に対して抗バクテリア及び抗菌作用を示す「フェノキシエタノール」として知られているものを含む。
中和剤、香料及び香料安定剤、着色料等の任意の成分も本発明に用いることができる。追加的な成分は最終製品における皮膚の柔軟性/滑らかさを高めることが好ましい。更に、そのような組成物は製品の審美性を損ねないことも好ましい。
他の追加的な物質は、水溶性及び/又は非水溶性保存料のほかに、角質溶解剤を含む。前記角質溶解剤は0.1%乃至5%(例えば、Germall 115、ヒドロキシ安息抗酸化剤のメチル、エチル、プロピル、及び/又はブチルエステル、ベンジルアルコール、LonzaよりGlydant Plusの商標で販売されているDMDMヒダントインイドプロパニルブチルカルバネート、EDTA、EUXYL(商標)K400、ブロモポル(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)及びフェノキシプロパノール)を含む。抗菌剤(例えば、IRGASAN(商標))、及びフェノキシエタノール(好ましくは0.1%乃至5%)、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、及びデンプン挿入ナトリウムポリアクリレート等の可溶性又はコロイド可溶性保湿剤(例えば、Celanese Superabsorbent Materials、Portsmith、VAより販売されている SANWET(商標)IM−IOOO、IM−1500及びIM−2500;例えば、U.S. Pat. No. 4,076,663参照)、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE及びこれらの誘導体及びフィタンチオール等のこれらの構成単位、及びビタミンK及び脂肪酸ドデカトリエノール等のこれらの構成成分、アルファ及びベータヒドロキシ酸、アロエベラ、スフィンゴシン及びフィトスフィンゴシン、コレステロール、皮膚白化剤、N−アセチルシステイン、顔料、トリクロサン及びトリクロロカーボンとして知られているTCC/TCS等の抗菌剤、香料及び香料安定剤も追加的な成分として含まれる。アルファヒドロキシ酸の例は、グリコール酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸であり、グリコール酸と共に使用されるのは、アンモニウムグリコレート、アルファ−ヒドロキシエタン酸、アルファ−ヒドロキシオクタン酸、アルファヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリル酸、混合フルーツ酸、トリ−アルファフルーツ酸、トリプルフルーツ酸、サトウキビ抽出物、アルファヒドロキシ及び植物、脂肪酸に架橋されている1−アルファヒドロキシ酸グリコマー(例えば、アルファニュートリアム)を含む。アルファヒドロキシ酸の好適な例は、グリコール酸及び酪酸である。アルファヒドロキシ酸のレベルは10%までである。本発明に用いることができる添加剤化合物は天然又は合成物由来かに関わらず好適なものが用いられるので、本発明を特定の添加剤に限定することは意図しない。
他の好適な物質は水溶性又は水可溶性の保存料を含む。前記保存料は0.1%乃至5%(例えば、Germall 115、ヒドロキシ安息抗酸化剤のメチル、エチル、プロピル、及び/又はブチルエステル、ベンジルアルコール、LonzaよりGlydant Plusの商標で販売されているDMDMヒダントインイドプロパニルブチルカルバネート、EDTA、EUXYL(商標)K400、ブロモポル(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)及びフェノキシプロパノール)を含む。抗菌剤(例えば、IRGASAN(商標))、及びフェノキシエタノール(好ましくは0.1%乃至5%)、0.1%乃至5%)含まれる。トリクロサン及びトリクロロカーボンとして知られているTCC/TCS等の抗菌剤も追加的な成分として含まれる。
2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(即ち、IRGASAN(商標))、1,6−ジ(4−クロロフェニルビグアニド)ヘキサン(即ち、CHLORHEXIDIN)、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、四級アンモニウム化合物、小球根のオイル、ミントオイル、タイムオイル、トリエチルシトレート、FARNESOL(商標)(3,7,11−トリエチル− 2,6,10−ドデカトリエン−l−オール)、を含むがこれらに限定されない他の抗菌剤、並びに参照により本明細書に援用されるDE−3740186、DE−3938140、DE−4204321、DE−4229707、DE−4309372、DE−4411664、DE−19541967、DE−19543695、DE−19543696、DE−19547160、DE−19602108、DE−19602110、DE−19602111、DE−19631003、DE−19631004、DE−19634019、DE−4229737、DE−4237081、DE−4324219、DE−4429467、DE−4423410、及びDE−19516705に記載の活性成分及び/又は活性成分の組合せも同様に本発明の各種態様に用いることができる。更なる態様において、ソディウムハイドロゲネートカーボンも本発明の幾つかの組成物に取り込まれる。しかしながら、同様の効果を有する各種化合物は本発明の各種態様に用いることができることから、本発明の特定の抗菌剤又は抗菌剤の組合せに限定することを意図しない。
本発明のパーソナルケア組成物の追加的な態様において、抗刺激及び/又は抗炎症作用を有する化合物が含まれる。幾つかの態様において、バチルアルコール(オクタデシルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(9−オクタデセニルグリセリルエーテル)、チミルアルコール(ヘキサデシルグリセリルエーテル)、ビサボロール及び/又はパンテノールが含まれる。しかしながら、本発明における製品において好適な抗刺激及び/又は抗炎症作用を有する各種化合物が本発明の発明に用いられることから、本発明を特定の抗刺激及び/又は抗炎症作用を有する化合物に限定することを意図しない。
親水性ゲル化剤を含む酸基の中和に用いるのに適した中和剤は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モネタロアミン(monethanolamin)、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリス−緩衝及びトリエタノールアミンを含む。
本発明に用いることができる他の好適な物質は当業者に知られている他の多くの機能成分及び/又は活性成分を含む(例えば、McCutcheon’s Functional Materials、North American and International Editions、MC Publishing Co.[2003]参照)。上で説明したように、皮膚限定的な例は、角質層溶解剤;ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸等の可溶性又はコロイド可溶性保湿剤;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン及びそれらの誘導体及びそれらの構成単位;フィタントリオール;ドデカトリエノール等の脂肪族アルコール;アルファ及びベータヒドロキシ酸;アロエベラ;スフィンゴシン及びフィトスフィンゴシン;コレルテロース;皮膚白化剤;N−アセチルシステイン;顔料を含む。アルファヒドロキシ酸の例は、グリコール酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸(合成又は天然由来のいずれでもよく、単独又は組み合わせて用いてもよい)、及びこれらのエステル又は緩衝された組み合わせでもよい。アルファヒドロキシ酸の他の例は、アルファヒドロキシエタン酸、アルファヒドロキシオクタン酸、アルファヒドロキシカプリル酸、及びヒドロキシカプリル酸を含む。好適なアルファヒドロキシ酸は、グリコール酸及び酪酸を含む。アルファヒドロキシ酸10%までの量で組成物に含むことが好ましい。
任意の好適な物質は、油相に含まれる非水溶性の顔料を含む。本発明の組成物に用いるのに好適な顔料は有機物及び/又は無機物でよい。「顔料」の語は、マット仕上げ剤、光分散剤、及びマイカ、セラサイト、及びカルボネート塩等の製剤化補助剤等の、少ない色味又はすくない光沢を有する物質を含む。好適な顔料の更なる例は、二酸化チタン、酸化鉄、酸化鉄のグルタミン酸塩、酸化亜鉛、塩酸化ビスマス、ウルトラマリンブルー(分散前及び/又はコート前又はそれ以外のいずれでもよい)D&Cダイ及びレーキ、FD&C指定色、カルミン等の天然色素添加剤、及びこれらの混合物を含む。組成物のタイプに依存して、顔料の混合物も本発明の組成物に用いられる。保湿性、皮膚感覚、及び乳液との相溶性の観点から本発明に用いられる顔料が処方される。幾つかの態様において、前記顔料はアミノ酸、シリコン、レクチン、及びエステルオイルを含むがこれらに限定されない化合物と共に処方される。
更なる態様において、本発明は少なくとも1つの無機顔料を含む。幾つかの好適な態様において、これらの無機顔料は金属酸化物及び/又は水にわずかしか溶けない又は不溶性の金属化合物である。例としては、酸化亜鉛(ZnO)、チタニウム(TiO2)、鉄(例えば、Fe2O3)、ジルコニウム(ZrO2)、シリカ(SiO2)、マンガン(例えば、MnO)、アルミニウム(Al2O3)、ロウ(例えば、Ce2O3)、及びこれらの酸化物の混合物、並びにこれらのブレンドを含む。幾つかの態様において、金属酸化物はマイクロファイングレード(microfine grade)である。一方他の態様では、前記金属酸化物は顔料グレード(pigment grade)である。更なる態様において、これらの金属酸化物は、マイクロファイン及びピグメントグレードの混合物である。追加的な態様において、これらの無機顔料はコートされている(即ち、それらは表面処理されている)。幾つかの好適な態様において、その表面は薄い疎水性フィルムでコートされている。幾つかの他の好適な態様において、これらの表面は薄い疎水性フィルムでコートされている。
本明細書において、本発明の組成物中に用いられる「ピグメント」、「カラーピグメント」、及び「ダイ」の語は、色を組成物に提供する任意の化合物、及び/又は本発明の組成物が適用される表面(例えば、皮膚及び/又はヘア)に色を付与する任意の化合物を意味する。幾つかの態様において、前記ダイ及び顔料はCosmetics Directive又はECにより提供される化粧品色素のリストから選択される。大部分のケースにおいて、これらのダイ及び顔料は食品に適用される色素とは異なる。好適な顔料/ダイは、酸化チタン、マイカ、酸化鉄(例えば、Fe2O3、Fe3O4、FeO(OH))及び/又は酸化スズを例として含む。有利な顔料/ダイは、カルミン、ベルリンフブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー及び/又はマンガンバイオレットを例として含む。幾つかの好適な態様において、前記顔料/ダイは以下の表にあげるものを含むがこれらに限定されない。色指数(Colour Index Numbers (CIN))は当業者に知られている(Society of Dyers and Colourists、Rowe Colour Index、3rd Edition、Bradford、England、[1971]参照)。
更なる態様において、本発明の組成物は、更に以下のグループから選択される1つ以上の基質を含む;2,4−ジヒドロキシアゾベンゼン、1−(2’−クロロ−4’−ニトロ−1’−フェニルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン、セレスレッド(Ceres Red)、2−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−1−ナフトール−4−スルホン酸、2−ヒドロキシ−1,2’−アゾナフタレン−1’−スルホン酸のカルシウム塩、1−(2−スルホ−4−メチル−1−フェニルアゾ)−2−ナフチルカルボン酸のカルシウム及びバリウム塩、1−(2−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボン酸のカルシウム塩、1−(4−スルホ−1−フェニルアゾ)−2−ナフトール−6−スルホン酸のアルミニウム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸のアルミニウム塩、1−(4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸、4−(4−−1−ナフチルアゾ)−1−(4−スルホフェニル)−5−ヒドロキシピラゾロン−3−カルボン酸のアルミニウム塩、4,5−ジブロモフルオレセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、2,4,5,7−テトラブロモフルオロセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、3’,4’,5’,6’−テトラクロロ−2,4,5,7−テトラフルオロセインのアルミニウム及びジルコニウム塩、2,4,5,7、−テトラヨードフルオロセインのアルミニウム塩、キノフェタロンジスルホン酸のアルミニウム塩、インディゴジスルホン酸のアルミニウム塩、赤及び黒酸化鉄(CIN:77491(レッド)及び77499(ブラック))、酸化鉄水和物(CIN:77492)、マンガンアンモニウムジフォスフェート及び二酸化チタンからなる群より選択される。
更なる態様において、パプリカ抽出物、βカロテン、又はコチニール等の油溶性天然ダイも本発明に用いることができる。
更なる追加的な態様において、本発明のゲルクリーム組成物は真珠光沢を有する顔料を含む。幾つかの好適な態様において、「天然真珠光沢顔料」(例えば、「パールエッセンス」[グアニジン/ハイポキサンチンを魚の骨由来の結晶と混合したもの]、「マザーオブパール」(mother of pearl)[二枚貝を粉末にしたもの]、及び「単一結晶パールセントセグメント」(例えば、ビスマスオキシクロライド[BiOCl])、及び「層状基質顔料」(例えば、マイカ/酸化金属)様々な真珠光沢を有する顔料が本発明に用いられる。
パールセント顔料の基質は、粉末顔料、ビスマスオキシクロライド及び/又は二酸化チタンのカストロールオイル分散体、マイカ上のビスマスオキシクロライド及び/又は二酸化チタンを含むがこれらに限定されない。例えば、CIN77163に列挙されている光沢顔料も有効である。
本発明に用いるマイカ/酸化金属に基づくパールセント顔料の追加的なグループを以下に示す。
好適な態様において、Timiron、Colorona、又はDichronaの商標でMerkから販売されているパールセント顔料も本発明に用いることができる。しかしながら、本発明を本明細書に開示されている特定の顔料に限定することは意図しない。即ち、本発明に用いるパールセント顔料は、多くの源から入手可能である。例えば、マイカとは違う基質にも例えば、シリカ等にも更なる金属酸化物をコートすることができる。例えば、TiO2及びFe2O3(「ronaspheres」)でコートされたSiO2粒子はメルクから市販されており、本発明に用いられる細いラインを光学的に減退するのに有効である(しわを消すのによい)。追加的にgoniochromatic effectを有する顔料は例えば、BASFよりSicopearl Fantasticoの商標で販売されている。
代替的な態様において、この基質(例えば、マイカ)は含まれない。幾つかの好適な態様において、SiO2を用いて調製されたパールセント顔料を選択する。ゴニオクロマチック効果も有するそのような顔料はBASFよりSicopearl Fantasticoの商標名で取引されている。
更なる態様において、二酸化チタンでコートしたカルシウムナトリウムホウケイ酸塩を基にしたEngelhard/Mearlから得られた顔料も用いることができる。これらはReflecksの商標で販売されている。40nm乃至180nmの粒子サイズのものは色に加えて、ツヤを出すことができる。
更なる態様において、Flora Techより販売されているMetasomes Standersd/Glitterの各色(イエロー、レッド、グリーン、ブルー)も本発明に用いることができる。このグリッター粒子は各種補助剤及びダイとの混合されている(例えば、CIN19140、77007、77289、77491を有するダイとの混合物)。
幾つかの態様において、前記ダイ及び顔料は独立して、又は混合物として存在する。代替的な態様において、これらは異なる色彩効果を提供するために、異なる層厚でお互いにコートされていてもよい。幾つかの態様において、ダイ及び顔料の総量は各種濃度の範囲から選択される(例えば、約0.1重量%乃至約30重量%、好ましくは約0.5重量%乃至約15重量%、及び最も好ましくは約1.0乃至約10重量%、重量%は製品の総重量に基づく)。
本発明の組成物のpHは3.5乃至10、好ましくは4乃至8、より好ましくは5乃至7である。最終製品中のpHは酸、塩基、又は緩衝塩により、組成物生物の形態及び組成物に必要なpHに基づいて必要に応じて調製される。
本発明の組成物は当分野において知られている好適な技術により調製される。通常、水相及び/又は油相は、任意の順番で、仕切られているそれぞれの相に任意の順番で物質を添加することにより、別々に調整される。もし、最終製品が乳液であれば、2つの相は、内激しい撹拌、又は必要によりホモジナイズして内部相の液滴を小さくすることにより結合される。高い揮発性を有する、又は加水分解又は高温における分解しやすい任意の成分は、緩やかに撹拌しながら、製造工程の最後の方、可能であれば乳化後に添加される。調剤量及び添加量は、製品の性能を基準として決定される。
本発明の幾つかの態様において、VEGF活性を低くする方法が提供される。これらの態様において、この方法は、有機固体に必要に応じて本明細書で定義する組成物の有効量を適用する工程を含む。追加的な態様において、本発明はヒト及び他の動物を含む有機固体を必要に応じて処理する化合物を提供する。
幾つかの更なる態様において、本発明は少なくとも1つのクレアチン及び/またはクレアチン誘導体を含む。クレアチンは、下記の構造を特徴とする。
本発明のパーソナルケア組成物の幾つかの好適な態様において、リン酸クレアチン及び硫酸クレアチン、酢酸クレアチン、アスコルビン酸クレアチンならびに1価もしくは多価アルコールでカルボキシル基がエステル化された誘導体も用いることができる。
幾つかの追加的な態様において、本発明のパーソナルケア組成物はL−カルニチン[3−ヒドロキシ−4−(トリメチルアンモニオ)ブチロベタイン]を含む。アシルカルニチンは以下の構造式を有する。
式中、Rは炭素原子数10以下の分岐及び未分岐アルキル基の群から選択される。幾つかの好適な態様において、ポリピオニルカルニチン及び/又はアセチルカルニチンが用いられる。D体及びL体のラセミ体などのエナンチオマー混合物、及び両方のエナンチオマー(D型及びL型)とも、本発明のパーソナルケア組成物に用いることができる。
さらに別の有利な有効成分は、セリコシド(sericoside)、ピリドキソール、ビタミンK及びビオチンならびに芳香物質である。当然のことながら、本発明による製剤で使用することができる前記有効成分及び有効成分の組み合わせのリストは限定的なものではない。有効成分は、個別にまたは互いとの組み合わせで用いることができる。本発明による製剤におけるそのような有効成分(1以上の化合物)の量は、製剤の総重量基準で、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、特には0.1〜10重量%である。当業者は意図する組成物に応じて好適な有効成分の量を有する組成物を製剤化することができる。
更なる態様において、本発明は本発明の組成物を製造する方法を提供する。幾つかの態様において、これらの方法はオイル相及び水相の成分を別々に結合し及び過熱し、その後これらを一緒にして撹拌する工程を含む。幾つかの好適な態様において、これらの相はホモジナイズされる。幾つかの特に好適な態様において、前記組成物は中程度から高程度のエネルギーを用いて、有利には、回転数が10000rpm(好ましくは2500乃至7700rpm)までのギアリム分散器を用いて撹拌される。
6.2実施例
本発明は以下の実施例において更に詳細に説明されるが、これらは特許請求の範囲を限定するものではない。添付の図は明細書の重要な部分と本発明発明の説明として考えられる。本明細書において引用している文献の全ては参照により本明細書に援用される。以下の実施例は例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。
以下で説明する実施例において、以下の略語を用いる:PI(プロテアイナーゼインヒビター)、BBI(Bowman−Brikインヒビター)、STI(ダイズトリプシンインヒビター)、ppm(100万分の1)、VEGF 及びVegF(血管内皮成長因子)、M(モルの)、mM(ミリモルの)、μM(マイクロモルの)、nM(ナノモルの)、mol(モル)、 mmol(ミリモル)、μmol(マイクロモル)、nmol(ナノモル)、gm(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、pg(ピコグラム)、 L(リットル)、ml 及び mL(ミリリットル)、μl及びμL(マイクロリットル)、cm(センチメートル)、mm(ミリメートル)、μm(マイクロメートル)、nm(ナノメートル)、 U(単位)、V(ボルト)、MW(分子量)、sec(秒)、min(s)(分)、h(s)及びhr(s)(時間)、℃(摂氏)、QS(十分量)、ND(検出不能)、SA(視認可能)、NA(適用不能)、rpm(1分間あたりの回転数)、H2O(水)、dH2O(脱イオン水)、HCl(塩酸)、aa(アミノ酸)、bp(ベースペア)、kb(キロベースペア)、kD(キロダルトン)、cDNA(転写又は相補DNA)、DNA(デオキシリボ核酸)、ssDNA(一本鎖 DNA)、dsDNA(二本鎖DNA)、dNTP(デオキシリボヌクレオチド三リン酸)、RNA(リボ核酸)、MgCl2 (塩化マグネシウム)、NaCl(塩化ナトリウム)、w/v(容量対重量)、v/v(重量対重量)、g(比重)、OD(光学密度)、A405 (405 nmにおける吸光度)、Vmax(酵素触媒反応における最大速度)、FGFrI(IIIc)(FGF−5レセプター)、ダルベッコリン酸緩衝溶液(DPBS)、SOC(2 % バクト−トリプトン、0.5%バクトイースト抽出物、10mM NaCl、2.5 mM KCl)、テリフィックブロス(Terrific Broth)(TB;12 g/lバクト−トリプトン、24 g/lグリセロール、2.31 g/lKH2PO4、及び12.54g/lK2HPO4)、OD280(280 nmにおける光学密度)、OD600(600nmにおける光学密度)、PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)、PBS(リン酸緩衝生理食塩水[150 mM NaCl、10mMリン酸緩衝液、pH 7.2])、PBST(PBS+0.25% TWEEN(商標)20)、PEG(ポリエチレングリコール)、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、RT−PCR(逆転写PCR)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、bME、BME 及びβME(ベータメルカプトエタノール又は2−メルカプトエタノール)、Tris−HCl(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン−クロライド)、Tricine(トリシン)(N−[トリス−(ヒドロキシメチル)−メチル]グリシン)、CHES(2−(N−シクロ−ヘキシルアミノ)エタン−スルホン酸)、TAPS(3−{[トリス−(ヒドロキシメチル)−メチル]−アミノ}−プロパンスルホン酸)、CAPS(3−(シクロ−ヘキシルアミノ)−プロパンスルホン酸)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DTT(1,4−ジチオ−DL−トレイトール)、Glut及びGSH(還元グルタチオン)、GSSG(酸化グルタチオン)、TCEP(トリス[2−カルボキシメチル] ホスフィン)、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、HEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N−[2−エタンスルホン酸])、HBS(HEPES緩衝生理食塩水)、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、Ci(キューリ)、mCi(ミリキューリ)、μCi(マイクロキューリ)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、O/W(水中油型乳液)、W/O(油中水型乳液)、W/S(シリコン中水型乳液)、ピケリング乳液(固形化合物で安定化させた乳液)、ヒドロ分散液(乳化剤を含まない製剤)、PIT(特定の乳液を作るときに用いる相逆転技術)、スティック(口紅、制汗剤、デオドラントを含むがこれらに限定されない、棒状の形態を有する製剤)、Ts(トシル)、Bn(ベンジル)、Ph(フェニル)、Ms(メシル)、Et(エチル)、Me(メチル)、Klenow(DNA ポリメラーゼIラージフラグメント(Klenow(クレノウ))フラグメント )、rpm(一分当たりの回転数)、EGTA(エチレングリコール−ビス(β−アミノメチル エーテル)N、N、N’、N’−四酢酸)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、bla(β−ラクタマーゼ又はアンピシリン耐性遺伝子)、PDS(成長因子を除去するために透析された、プラズマ由来ウシ血清;繊維質を取り除いたウシ血清の透析は、DMEMに対して4℃で6時間撹拌して行う。培地を交換し、透析を一晩続ける;透析されたPDSを24時間後に収集し、0.2μmフィルターで2回処理して滅菌する)、FCS及びFBS(ウシ胎児血清)、GEHealthcare(GEヘルスケア、チャルフォントストリート、ジャイルズ、UK)、DNA2.0(DNA2.0、メロンパーク、カリフォルニア)、OXOID(オキシドベージングストーク、ハンプシャー、UK)、Megazyme(メガザイム インターナショナル アイルランド社、ブレービジネスパーク、ブレー、ウィックロー、アイルランド)、Coming(コーニングライフサイエンス、コーニング、ニューヨーク)、NEN(NEN ライフサイエンスプロダクツ、ボストン、マサチューセッツ)、Pharma AS(ファルマAS、オスロ、ノルウェイ)、Dynal(ダイナル、オスロ、ノルウェイ)、Bio−Synthesis(バイオ−シンセシス、ルイスビル、テキサス)、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション、ロックイビル、メリーランド)、Gibco/BRL(ギブコ/BRL、グランドアイランド、ニューヨーク)、Sigma(シグマケミカル社、セントルイス、ミズリー)、Pharmacia(ファルマシア、ピスカタウェイ、ニュージャージー)、NCBI(全米バイオテクノロジー情報センター)、Applied Biosystems(アプライドバイオシステム、フォスターシティー、カリフォルニア)、Clontech(クローンテックラボラトリーズ、パロアルト、カリフォルニア)、Difco(ディフコラボラトリーズ、デトロイト、ミシガン)、Oxoid(オキシド社、オグデンスブルグ、ニューヨーク)、Worthington (オージントンバイオケミカル社、フリーホールド、ニュージャージー) 、GIBCO BRL 又は Gibco BRL (ライフテクノロジー社、ゲーサーズバーグ、メリーランド)、Millipore (ミリポア、ビルリカ、マサチューセッツ)、Bio−Rad(バイオラド、ハーリーキューズ、カリフォルニア)、Invitrogen(インビトロジェン社、サンディエゴ、カリフォルニア)、NEB(ニューイングランドバイオラドズ、ベバリー、マサチューセッツ)、Camberex(カンベレックスバイオプロダクツ、ロックフィールド、イリノイ)、Sigma(シグマケミカル社、セントルイス、ミズリー)、Pierce(ピアスバイオテクノロジー、ロックフォード、イリノイ)、Takara (タカラ・バイオ社、大津、日本)、Roche(ホフマン−ラ・ロッシュ、バーゼル、スイス)、EM Science(エムイーサイエン、ギブスタウン、ニュージャージー)、Qiagen(キアゲン社、バレンシア、カリフォルニア)、Biodesign(バイオデザイン社、ソーコ、メイン)、Biosource(バイオソース、インターナショナル、カマリロ、カリフォルニア)、Aptagen(アプタゲン インク、ヘルドン、バージニア)、Molecular Device(モレキュラーデバイス、コーポレーション、サニービル、カリフォルニア)、R & D Systems(R & D システムズ、ミネアポリ、ミネソタ)、Stratagene(ストラタジェンクローニングシステムズ、ラホーヤ、カリフォルニア)、Marsh(マーシュバイオサイエンス、ロチェスター、ニューヨーク)、Bio−Tek(バイオテック社、ウィヌースキー、バーモント)、Biacore(ビアコア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー)、PeproTech(ペプロテック、ロッキーヒル、ニュージャージー)、SynPep(シンペップ、ダブリン、カリフォルニア)、Chemicon(ケミコン、テクニカ、カリフォルニア)、Clinical Research Laboratories(クリニカルリサーチラボラトリーズ、インク、ピスカタウェイ、ニュージャージー)、及びMicrosoft(マイクロソフト社、レドモンド、ワシントン)。
実施例1:B.スブチリスにおけるBCE103−ビタミン融合タンパク質の生成
この実施例において、B.スブチリスにおけるBCE103−BBPI融合タンパク質の生成を説明する。これらの実施例において用いる。C末端ヘキサヒスチジンタグを有するプロBBPIタンパク質をコードしている合成遺伝子(Operon Technologies)のDNA配列を以下に示す
AACCTGCGTCTGTCTAAGCTTGGCCTGCTTATGAAATCAGACCATCAGCACAGCAATGACGATGAGAGCTCTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTACGAAATCAAATCCTCCACAGTGTCGGTGTTCCGATATGCGTCTGAATAGCTGTCATAGTGCATGCAAAAGCTGTATCTGCGCCCTGAGTTATCCAGCTCAATGTTTTTGCGTCGACATCACGGACTTCTGCTATGAGCCATGTAAACCAAGCGAGGACGATAAAGAGAACCATCATCACCATCACCAT(SEQ ID NO:10)
前記合成遺伝子によりコードされるC末端ヘキサヒスチジンタグを有するプロBBPIのタンパク質配列を以下に示す
NLRLSKLGLLMKSDHQHSNDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCICALSYPAQCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKENHHHHHH(SEQ ID NO:11)
BBPIの主要な成熟形態をコードする合成遺伝組成物のDNA配列のを以下に示す:
GACGATGAGAGCTCTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTACGAAATCAAATCCTCCACAGTGTCGGTGTTCCGATATGCGTCTGAATAGCTGTCATAGTGCATGCAAAAGCTGTATCTGCGCCCTGAGTTATCCAGCTCAATGTTTTTGCGTCGACATCACGGACTTCTGCTATGAGCCATGTAAACCAAGCGAGGACGATAAAGAGAAC(SEQ ID NO:12)
前記合成遺伝子によりコードされるBBPIの主要な成熟形態のタンパク質配列を以下に示す:
DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCICALSYPAQCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKEN(SEQ ID NO:13)
pJ103ベクターにおけるBCE103セルラーゼ発現カセットに融合するBBI遺伝子を増幅するために用いるPCRプライマーを以下に示す:
BBIfusion_FW:5’CAGCACGGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCC3’(SEQ ID NO:14)
BBIHindIII_RV: 5’CTGCAGAAGCTTAAAAATAAAAAAACGGATTTCCTTCA
GGAAATCCGTCCTCTGTTAACTTTTAGTTCTCTTTATCGTCCTCGC3’(SEQ ID NO:15)
BBIHIS−HindIII_RV:5’CTGCAGAAGCTTAAAAATAAAAAAACGGATTTCCTTCAGGAAATCCGTCCTCTGTTAACTTTTAATGGTGATGGTGATGATGGTTCTC3’(SEQ ID NO:16)
PJM103インテグレーションベクターへクローンされたaprE−BCE−103−BBIヒスタグ発現カセットの配列を図1に示す。pJM103BBIHis発現カセットの概略的プラスミドマップを図1に示す。
バチルススブチルス(B.subutilis)aprEプロモーター及びシグナル配列に融合されたアルカリセルラーゼ(BCE103)遺伝子(van Soligen、米国特許6,063,611を参照のこと。この文献を参照により本明細書に援用する)は、pUCAPR103(Shaw et al.、J.Mol.Biol.、320:303−309 [2002])をEcoRI−BamHIフラグメントとして(すなわち、BCE103触媒ドメイン及び第一セルロース結合ドメインリンカーのみのコード配列を運搬するフラグメント)pJM103内でクローニングした(Perego、「Integrational vectors for genetic manipulation in Bacillus subtilis」In、Bacillus subtilis and Other Gram−positive Bacteria:Biochemistry、Physiology、and Molecular Genetics、Sonenshein、Hoch、and Losick(eds)、American Society for Microbiology、Washington D.C.、pp.615−624[1993])。C末端にヒスチジンタグ(His−tag)を有するダイズボウマン−ブリック(Bouman−Brik)プロテアーゼインヒビター(BBI)(Swiss−Prot Accession #P01055;Odani and Ikenaka、J. Biochem.、71:839−848[1972]参照のこと)は、オペロンテクノロジー(Operon Technologis)(上記DNA配列を参照のこと)により合成された。3’HindIII部位を用いてBBI遺伝子をpJM103ベクター内でクローンさせた後に、BCE103遺伝子を用いる正確なりーディングフレーム中に5’BamHI部位及び3’末端に導入された強力な転写終了因子を生成するプライマーを用いてBBI遺伝子をPCRにより増幅した(全プライマーはMWG Biotech、Oligos Etc.又はOperon Technologiesにより合成された)。
合成BBI遺伝子をテンプレートとして用いて、BBIfusion_FW(SEQ ID NO:14)及びBBIHISHindIII_RV(SEQ ID NO:16)、又はBBIfusion_FW(SEQ ID NO:14)及びBBI−HindIII_RV(SEQ ID NO:15)のプライマーをそれぞれ用いてC末端にHis−Tagを有する、又は有しないPCRフラグメントを生成した。他の方法で示さない限り、製造会社の説明書に従いハイフェデリティープラチナTaqポリメラーゼ(High Fidelity PlatinumTaq polymerase)(Invitrogen)を用いてPCRを30サイクル行った(55℃のアニーリング温度)。aprE−BCE発現カセットを運ぶBamHI−HindIIIフラグメントとして、PCRフラグメントをpJM103内でクローニングした。正確な遺伝子配列をDNA配列決定により確認した。
従って、図1に示すように、CBE103セルラーゼ遺伝子によりコードされる第一CBD(セルロース結合ドメイン)リンカー配列のC末端コード領域に対するフレーム中にBBI遺伝子(His−Tagを有するもの又は有しないもの)の成熟コード領域のN末端を融合した。それゆえ、2のBCE103のCBD(Shaw et al.,上記)は、最終的な発現カセットの中のBBIにより置き換えられ、pJM103BBI又はpJM103BBIhisとなった(図2参照)。このaprEプロモーターはBCE103−BBI遺伝子融合体の発現を制御する(Ferrari et al.、J.Bact.、170:289−295[1988]及びHenner et al.、J.Bact.、170:296−300[1988]参照のこと)。
有用なバチルススブチルス(Bacillus subtilis)細胞、BG3934comK(degUHy32、oppA、ΔspoIIE3501、ΔaprE、ΔnprE、Δepr、ΔispA、Δbpr、amyE::xylRPxylAcomK−phleo)を発現プラスミド、pJM103BBI又はpJM103BBIhisで形質転換した。バクテリアは、キシロース誘発プロモーター(Halm et al.、Mol. Microbiol.、21:763−775[1996])の存在下でcomK遺伝子により誘発させることにより有用にすることができる。形質転換体を、5 μg/mlクロラムフェニコールを含むウリアブロスアガー(Luria Broth agar)(LA)プレート上で選択した。遺伝子増幅での発現を高めるために、コロニーが縞状になり、抗生物質を含む培地における成長率がクロラムフェニコールが欠失している培地における成長率と同じになるまで、25 μg/mlのクロラムフェニコールを用いて、LAプレート上で育成した。BCE−BBI融合タンパク質は、TSB培地(OXOIDより市販されているトリプトンダイズブロス(Tryptone Soya Broth)、30g/L)又はMOPSベース合成培地中であるMBD培地において、37 ℃の振とうフラスコの中で育成することにより生成された。NH4Cl2、FeSO4、及びCaCl2を培地から除き、3mMのK2HPO4を用い、60 mMの尿素、75 g/Lのグルコース及び1 %のソイトン(soytone)を供給した以外は、(Neidhardt et al.、J. Bacteriol.、119:736−747[1974])に記載されたようにMBD培地を調製した。微量栄養素は、100倍濃度の貯蔵溶液として調製された。この溶液は1リットル中400 mgのFeSO4−7H2O、100 mgのMnSO4−H2O、100mgのZnSO4−7H2O、50mgのCuCl2−2H2O、100mgのCoCl2−6H2O、100mgのNaMoO4−2H2O、100mgのNa2B4O7−1OH2O、10mlの1M CaCl2、及び10mlの0.5Mクエン酸ナトリウムを含む。
BCE103−BBI融合タンパク質は、標準的なタンパク質染色方法(例えば、ゲルコードブルー染色試薬(GelCode Blue Stain Reagent)Pierce)を用いて44kDa付近のSDS−PAGEゲル上の主要なタンパク質バンドとして視認することができる(EMS緩衝液中10%のSDS−PAGE、製造会社の説明書に従い操作。Invitrogen)。BCE103−BBI融合タンパク質は製造会社の説明書に記載の手順を用いたSDS−PAGEゲルの免役ブロットにより確認された(BM染色体ウエスタンブロットキット(BM Chromogenic Western Blotting Kit)、Roche Applied Science抗ヒスタグ抗体又は抗BCE103セルラーゼポリクローナル抗体を検出に用いた)。
BCE103 活性を決定するために、既知の方法を用いて、セルラーゼ分解を(0.2%コンオレッドで染色された1%カルボキシメチルセルロース又はメガザイムのアゾCMセルロースを含む)LAセルラーゼインジケータープレート上で定性的に、あるいは合成基質、4−ニトロフェニル□−D−セロビオシド(シグマ)をもちいた培養ブロスにおいて、アッセイ緩衝液中の直接アッセイにより定量的にした。(例えば、van Tilbeurgh et al.、Meth. Enzymol.、160:45−59[1988]参照。)
BBI活性を決定するのアッセイ緩衝液の中でトリプシン抑制アッセイを行った。特に、標準曲線は、2 μg/mlの標準BBI溶液を1:1の連続希釈(100 μL BBI+100 mlアッセイ緩衝液)することにより作製した。疎水性相互作用カラム(POROSHP2、フェニルカラム、Applied Biosystems)を用いて、20 mM MES pH6.0中1mg/mlトリプシン−キモトリプシンインヒビター(シグマカタログ#T−9777)からこの標準BBIを精製した。このカラムを20 mM MESpH6.0で平衡化し、5mgのインヒビターを負荷し、平衡化に用いた緩衝液で洗浄した、その後、BBIを水で溶出した。抑制アッセイで試験する未知のBBIサンプルを、2以上のデータポイントが標準曲線の範囲内に入るように必要に応じて希釈した(通常、1:10、1:100、1:200、1:1000、1:2000の希釈のサンプルの希釈率が試験され、必要に応じて希釈率を微調整した)。希釈した各標準BBI及びサンプル20μLに、80μLの5ng/mlのウシ脾臓トリプシン(Worthington)(アッセイ緩衝液の中へ、1 mg/mlトリプシンストック溶液を希釈することにより作製された)。便宜上、この標準物質とサンプルを96ウェルマイクロタイタープレート中に整列させた。混合及び25℃15分間のインキュベーションにより反応を行った。インキュベーションの後、0.5mg/mlのトリプシン基質100μL(DMSO中100mg/mlの溶液からアッセイ緩衝液の希釈により調整)、Suc−AAPR−pNA(スクシニル−アラニン−アラインヒビター−プロリン−アルギニン−パラニトロアニリド、Bachem)を添加し、混合し、OD(A405)を15分間モニターした。ペクトラマックス250(Spectra Max250)(Moleculaer Devices)を用いて少なくとも12秒毎に一回記録をとった。記録されたデータのポイントは、各反応に対するVmaxの決定に用いた。標準曲線は、BBI濃度に対するVmaxのプロットにより作製し、4の指標曲線に当てはめた。全てのデータのフィッティングは製造会社(Molecular Devices)が提供するソフトウェアを用いて行われた。未知サンプルのBBI濃度を標準曲線を用いて計算した。代替的に、BBI活性は同じ手順を用いてウシ脾臓キモトリプシン(Worthington)抑制を検出することにより測定された(キモトリプシンは、トリプシンと同じ濃度で用い、キモトリプシン活性は、100μLの0.4mg/mlキモトリプシン基質、スクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−パラニトロアニリド、(Bachem)の添加により測定された)。
振とうフラスコサンプル(2.8Lのフェルバッハ6バッフルフラスコ中500mM MBD培地、37℃、225rpm、60時間後に収穫する)の力価が、通常、0.4乃至0.9 mg/mlBCE活性及び40乃至150μg/mlBBIトリプシン抑制活性になるように培養が行われる。しかしながら、力価はバクテリア系統、培養培地及び育成条件(通気、温度、収穫時間等)の最適化により、更に改善することができる。
野生型BBIに対するBCE103融合に加えて、BBIに対する融合タンパク質変異体及びBCE103及びBBIの間の各種リンカーを有する融合タンパク質は上で概説した方法を用いて、以下の実施例のように製造することができる。更に、融合タンパク質はBBIを精製工程において第一CBDを用いることの助けとなる第二CBDリンカー(BCE−cbdD−BBI;実施例4を参照のこと)に結合させたときにも生成される。
実施例2
BCE103−BBI融合タンパク質としてのBBI反応部位ループのペプチド置換体の生成
この実施例では、BCE103−BBIのようにBBI反応部位へ置換するペプチドを生成するための試験を説明する。これらの試験の各工程に用いるプライマー及び他の配列を以下に記載する。BCE103融合部位(BamIIIの位置)から遺伝子の終わりまでの12BBIck81配列を図3に示す。CK37281ペプチド配列(ACYNLYGWTC(配列番号9))をトリプシン及びキモトリプシン抑制ループの両方に挿入した。
QuikChange(商標)部位直接変異誘発(Stratagene)を用いたBBI遺伝子中にEcoRI部位を導入するために用いるプライマーは以下である。
BowBeco−F
5’−GATATGCGTCTGAATTCCTGTCATAGTGCAT(SEQ ID NO:17)
BowBeco−R
5’−ATGCACTATGACAGGAATTCAGACGCATATC(SEQ ID NO:18)
VegF結合ペプチドCK37281でトリプシン抑制部位を置換するためにアニールされ、BBI遺伝子(SacI−EcoRI)の中でクローニングされるDNAオリゴヌクレオチド配列は以下である。
1BBck81+
5’−CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTTATAATTTGTATGGGTGGACTTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG(SEQ ID NO:19)
1BBck81−
5’− AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACAAGTCCACCCATACAAATTATAACATGCGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT(SEQ ID NO:20)
VegF結合ペプチドCK37281でキモトリプシン抑制部位を置換するためにアニールされ、BBI遺伝子(EcoRI−SaclI)の中でクローニングされるDNAオリゴヌクレオチド配列は以下である。
2BBck81+
5’−AATTCCTGTCATAGTGCCTGCAAAAGCTGCGCATGTTATAACCTGTACGGGTGGACCTGTTTTTGCG(SEQ ID NO:21)
2BBck81−
5’−TCGACGCAAAAACAGGTCCACCCGTACAGGTTATAACATGCGCAGCTTTTGCAGGCACTATGACAGG(SEQ ID NO:22)
合成BBI遺伝子のトリプシン(SacI及びEcoRI制限部位)又はキモトリプシン(EcoRI及びSaII制限部位)反応部位ループに中にペプチドを導入するためのカセットを作るために用いるオリゴヌクレオチドペアのDNA配列を以下に記載する。これらのペプチドコード配列はp2JM103BBI発現ベクター内にSacI−SalIフラグメントとして導入された。
Comstatin (1stループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTGTTGTTCAGGACTGGGGTCACCACCGTTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG (SEQ ID NO:23)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACAACGGTGGTGACCCCAGTCCTGAACAACACATGCGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT(SEQ ID NO:24)
Comstatin(2ndループ)
CAAAAGCTGTATCTGCGTTGTTCAGGACTGGGGTCACCACCGTTGTTTTTGCG(SEQ ID NO:25)
及び
TCGACGCAAAAACAACGGTGGTGACCCCAGTCCTGAACAACGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:26)
C2c (1stループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCAGCTGTGGTCGTAAAATCCCGATCCAGTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG(SEQ ID NO:27)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACACTGGATCGGGATTTTACGACCACAGCTGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT(SEQ ID NO:28)
C3c (1stループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGGTTGTGCTCGTTCTAACCTGGACGAATGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG (SEQ ID NO:29)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACATTCGTCCAGGTTAGAACGAGCACAACCGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT(SEQ ID NO:30)
C4c(1st ループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGGTTGTCAGCGTGCTCTGCCGATCCTGTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG (SEQ ID NO:31)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACACAGGATCGGCAGAGCACGCTGACAACCGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT(SEQ ID NO:32)
C5c(1st ループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCCAGTGTGGTCGTCTGCACATGAAAACCTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG (SEQ ID NO:33)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACAGGTTTTCATGTGCAGACGACCACACTGGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT(SEQ ID NO:34)
Xa1(2nd ループ)
AATTCCTGTCATAGTGCCTGCAAAAGCTGTATCTGCGCCCGTAGTTTGCCAGCTCAATGTTTTTGCG(SEQ ID NO:35)
及び
TCGACGCAAAAACATTGAGCTGGCAAACTACGGGCGCAGATACAGCTTTTGCAGGCACTATGACAGG(SEQ ID NO:36)
hSCC1(1st ループ)
CTAAACCCTGTTGCGATCAATGCAACTGTACGTACTCAACCCCTCCACAGTGTCGCTGCAGCGATATGCGTCTG(SEQ ID NO:37)
及び
AATTCAGACGCATATCGCTGCAGCGACACTGTGGAGGGGTTGAGTACGTACAGTTGCATTGATCGCAACAGGGTTTAGAGCT(SEQ ID NO:38)
QuickChange(商標)II−XL部位直接変異誘発キット(Stratagene)を用いてトリプシン又はキモトリプシン反応部位へペプチド配列を導入するために用いるオリゴヌクレオチドプライマーペアのDNA配列を以下に記載する。製造会社の説明書及びこの実施例に記載の通りに反応を行った。68 ℃で6分間の伸長を行い、95 ℃で50秒間の変性を行い、55 ℃で50秒間のアニーリングを20サイクル行った。20サイクル終了後、68 ℃で20分間の最終伸長を行った。
1A (2ndループ)
CTGTATCTGCAAACGCTCAAAATCTCGTGGCTGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:39)
及び
CGCAAAAACAGCCACGAGATTTTGAGCGTTTGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:40)
2B (2ndループ)
CTGTATCTGCTGGTATAATCAAATGACAACATGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:41)
及び
CGCAAAAACATGTTGTCATTTGATTATACCAGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:42)
4A(2ndループ)
CTGTATCTGCCATCAACTTGGCCCGAATTCATGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:43)
及び
CGCAAAAACATGAATTCGGGCCAAGTTGATGGCAGATACAGCTTTTGCATG (SEQ ID NO:44)
5A(2ndループ)
CTGTATCTGCCATCCGTGGGCACCGTATTCTTGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:45)
及び
CGCAAAAACAAGAATACGGTGCCCACGGATGGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:46)
6−1A(2ndループ)
CTGTATCTGCAATCTTCATTATCTTCAACAGTGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:47)
及び
CGCAAAAACACTGTTGAAGATAATGAAGATTGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:48)
7A(2ndループ)
CTGTATCTGCACACCGTCTCTTTATCGCCCGTGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:49)
及び
CGCAAAAACACGGGCGATAAAGAGACGGTGTGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:50)
8B(2ndループ)
CTGTATCTGCCTTACAGATCAATCTAAACCGTGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:51)
及び
CGCAAAAACACGGTTTAGATTGATCTGTAAGGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:52)
9A(2ndループ)
CTGTATCTGCGTTACAACATCAATGGGCATGTGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:53)
及び
CGCAAAAACACATGCCCATTGATGTTGTAACGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:54)
10B (2ndループ)
CTGTATCTGCCGCGCATCACCGTATGATTGGTGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:55)
及び
CGCAAAAACACCAATCATACGGTGATGCGCGGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:56)
11−1A (2ndループ)
CTGTATCTGCTCAACACAAAAAATTCCGCAATGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:57)
及び
CGCAAAAACATTGCGGAATTTTTTGTGTTGAGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:58)
12B (2ndループ)
CTGTATCTGCACACAATTTCGCTCTGCAACATGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:59)
及び
CGCAAAAACATGTTGCAGAGCGAAATTGTGTGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:60)
13A (2ndループ)
CTGTATCTGCCCGGATCATGTTCCGCATCTTTGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:61)
及び
CGCAAAAACAAAGATGCGGAACATGATCCGGGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:62)
15−1A(2ndループ)
CTGTATCTGCTCAGGCTTTCCGCTTTCTACATGTTTTTGCGTCGACATCAC(SEQ ID NO:63)
及び
CGCAAAAACATGTAGAAAGCGGAAAGCCTGAGCAGATACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:64)
1A6(1stループ)
TCAATGCGCATGTGAAGAGATCTGGACTATGCTTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:65)
及び
CGGAACACCGGCAAAGCATAGTCCAGATCTCTTCACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:66)
1A6(2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTGAAGAGATCTGGACTATGCTTTGCTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:67)
及び
ACGCAAAAGCAAAGCATAGTCCAGATCTCTTCACAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:68)
1C2(1st ループ)
TCAATGCGCATGTTGGGCCCTTACTGTCAAAACATGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:69)
及び
CGGAACACCGGCATGTTTTGACAGTAAGGGCCCAACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:70)
1C2(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTTGGGCCCTTACTGTCAAAACATGCTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:71)
及び
ACGCAAAAGCATGTTTTGACAGTAAGGGCCCAACAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:72)
2E2(1stループ)
TCAATGCGCATGTCTTACAGTACTGTGGACTACATGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:73)
及び
CGGAACACCGGCATGTAGTCCACAGTACTGTAAGACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:74)
2E2(2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTCTTACAGTACTGTGGACTACATGCTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:75)
及び
ACGCAAAAGCATGTAGTCCACAGTACTGTAAGACAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:76)
2E5(1stループ)
TCAATGCGCATGTACTCTTTGGAACAGATCTCCTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:77)
及び
CGGAACACCGGCAAGGAGATCTGTTCCAAAGAGTACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:78)
2E5(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTACTCTTTGGAATCGATCTCCTTGCTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:79)
及び
ACGCAAAAGCAAGGAGATCGATTCCAAAGAGTACAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:80)
FGFns(1st ループ)
TCAATGCGCATGTACAAACATCGATTCTACTCCTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:81)
及び
CGGAACACCGGCAAGGAGTAGAATCGATGTTTGTACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:82)
FGFns(2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGCACAAACATCGATTCTACTCCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:83)
及び
ACGCAAAAACAAGGAGTAGAATCGATGTTTGTGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:84)
FGFkr(1stループ)
TCAATGCGCATGTACAAAAATCGATCGTACTCCTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:85)
及び
CGGAACACCGGCAAGGAGTACGATCGATTTTTGTACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:86)
FGFkr(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCTTGCACAAAAATCGATCGTACTCCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:87)
及び
ACGCAAAAACAAGGAGTACGATCGATTTTTGTGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:88)
FGFhl(1stループ)
TCAATGCGCATGTCACCTGCAGACAACTGAAACATGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:89)
及び
CGGAACACCGGCATGTTTCAGTTGTCTGCAGGTGACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:90)
FGFhl(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCTTGCCACCTGCAGACAACTGAAACATGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:91)
及び
ACGCAAAAACATGTTTCAGTTGTCTGCAGGTGGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:92)
FGFgy(1stループ)
TCAATGCGCATGTGGCTACTTCATCCCATCGATTTGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:93)
及び
CGGAACACCGGCAAATCGATGGGATGAAGTAGCCACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:94)
FGFgy(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCTTGCGGCTACTTCATCCCATCGATTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:95)
及び
ACGCAAAAACAAATCGATGGGATGAAGTAGCCGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:96)
MM005(1stループ)
TCAATGCGCATGTTTACGTATCCTTGCTAACAAATGCCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:97)
及び
CGGAACACCGGCATTTGTTAGCAAGGATACGTAAACATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:98)
MM005(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCTTGCTTACGTATCCTTGCTAACAAATGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:99)
及び
ACGCAAAAACATTTGTTAGCAAGGATACGTAAGCAAGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:100)
MM007(1stループ)
GCGATCAATGCGCCTGCAGAACTCAACCATATCCTTTATGTCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:101)
及び
GGAACACCGACATAAAGGATATGGTTGAGTTCTGCAGGCGCATTGATCGCAACAGGGTTT(SEQ ID NO:102)
MM007(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCAGAACACAACCTTACCCACTTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:103)
及び
ACGCAAAAACAAAGTGGGTAAGGTTGTGTTCTGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:104)
MM009(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCCTGTTAACACCTACTCTTAACTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:105)
及び
ACGCAAAAACAGTTAAGAGTAGGTGTTAACAGGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:106)
MM010(1stループ)
TCAATGCGCATGCGCTCTTCCAACTCATTCTAACTGTCGGTGTTCCGATATGCGTCT(SEQ ID NO:107)
及び
CGGAACACCGACAGTTAGAATGAGTTGGAAGAGCGCATGCGCATTGATCGCAACAGG(SEQ ID NO:108)
MM010(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCGCGCTTCCTACACACTCTAACTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:109)
及び
ACGCAAAAACAGTTAGAGTGTGTAGGAAGCGCGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:110)
MM017(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCCCTTTAGGCCTTTGCCCACCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:111)
及び
ACGCAAAAACAAGGTGGGCAAAGGCCTAAAGGGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:112)
FGFps1(2ndループ)
AAGCTGTATCTGCTGGAACATCGATTCTACACCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:113)
及び
ACGCAAAAACAAGGTGTAGAATCGATGTTCCAGCAGATACAGCTTTTGCATGCACT(SEQ ID NO:114)
FGFps2(1stループ)
GCGATCAATGCATCTGTACTTGGATTGACAGTACTCCTTGTCGGTGTTCCGATATGCGTC(SEQ ID NO:115)
及び
GGAACACCGACAAGGAGTACTGTCAATCCAAGTACAGATGCATTGATCGCAACAGGGTTT(SEQ ID NO:116)
FGFps2(2ndループ)
AAGCTGTATCTGCACATGGATCGATAGTACTCCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:117)
及び
ACGCAAAAACAAGGTGTAGAATCGATCCATGTGCAGATACAGCTTTTGCATGCACT(SEQ ID NO:118)
FGFpsB(2ndループ)
AAGCTGTATCTGTACATGGATCGATTGGACACCTTGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:119)
及び
ACGCAAAAACAAGGTGTCCAATCGATCCATGTACAGATACAGCTTTTGCATGCACT(SEQ ID NO:120)
1A8(2ndループ)
CAAAAGCTGCGCATGTGTTACTACAGATTGGATCGAATGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:121)
及び
ACGCAAAAACATTCGATCCAATCTGTAGTAACACATGCGCAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:122)
1A12(2ndループ)
CAAAAGCTGTGCCTGCCCAACACTTTGGACTCATATGTGTTTTTGCGTCGACATCACGGAC(SEQ ID NO:123)
及び
ACGCAAAAACACATATGAGTCCAAAGTGTTGGGCAGGCACAGCTTTTGCATGCACTATGAC(SEQ ID NO:124)
1E11(2ndループ)
CAAAAGCTGCGCATGTTACTACTCTCAATTCCACCAATGTTTTTGCGTCGACATCACGG(SEQ ID NO:125)
及び
ACGCAAAAACATTGGTGGAATTGAGAGTAGTAACATGCGCAGCTTTTGCATGCACTATG(SEQ ID NO:126)
TGFps1(2ndループ)
CAAAAGCTGTCTTTGTCCGGAAAACGATAACGTTTCTCCTTGTAATTGCGTCGACATCACGGACTTCTG(SEQ ID NO:127)
及び
TGTCGACGCAATTACAAGGAGAAACGTTATCGTTTTCCGGACAAAGACAGCTTTTGCATGCACTATGAC(SEQ ID NO:128)
p2JM103−lnk2−BBI発現ベクターのキモトリプシン反応部位ループへMM021ペプチドを導入するためのカセットを作るために用いるオリゴヌクレオチドペアのDNA配列を以下に記載する。このカセットはベクター内のSphI及びSalI制限部位へ結合された。
MM021(2nd ループ)
CAAAAGCTGTGCTTGTAAACACAACGTACGTCTTTTATGTTTTTGCG(SEQ ID NO:129)
及び
TCGACGCAAAAACATAAAAGACGTACGTTGTGTTTACAAGCACAGCTTTTGCATG (SEQ ID NO:130)
システインコンストレインドペプチド(cysteine constrained peptides)からできているライブラリーは所望の基質に結合するペプチドの選択のための良く知られた試薬(例えば、市販のPhD−C7C ファージディスプレイライブラリーキット、NEB)である。BBIはペプチド結合を選択するために用いられる各種方法で提示されるペプチドループに似た構造を有する2のシステインコンストレインド(cysteine constrained )反応部位ループを有する。従って、一旦システインコンストレインド(cysteine constrained )結合ペプチドが選択されると、BBIは結合反応におけるペプチドを提供するためのスキャッフォールドとして使用するのに適している。
DNAオリゴヌクレオチドカセットを用いて、CK37281ペプチド配列(ACYNLYGWTC)(SEQ ID NO:9)で、トリプシン、キモトリプシン、又は両方の活性部位ループを置換することによりVegF 結合ペプチド CK37281(例えば、2003年9月13日に提出された米国継続出願 60/520,403、参照のこと。該出願を参照により本明細書に援用する。)をBBIの中へ移植した。構築を促進させるために、上で示すBowBeco_F 及びBowBeco_Rプライマーを用いたQuikChange(商標)部位直接変異誘発を用いて製造会社の説明書に記載従い、トリプシン及びキモトリプシン反応部位ループの間のBBI遺伝子(Operon Technologiesの合成品;実施例16を参照のこと)のコード領域にEcoRIサイトを導入した(0.5 pmolの各プライマーをQuikChange(商標)反応に用いた。97℃で3分間の第一変性工程の後、68 ℃で12分間、95℃で30秒間及び55℃で1分間のPCRサイクルを18回行い、その後に68℃で15分間の最終伸長を行った)。
トリプシン抑制ペプチドループの置換のために、2のDNAオリゴヌクレオチド(1BBCK81+及び1BBCk81−)をアニールし、SacI及びEcoRI反応部位に結合した。同様に、キモトリプシン抑制ループの置換のために、EcoRI及びSalIサイトをオリゴヌクレオチド(2BBck81+及び2BBck81−)のアニーリングにより作られたDNAカセットの挿入に用いた。CK37281ペプチドは、トリプシンループを初めにCK37281ペプチドで置換した後に、オリゴヌクレオチド(2BBck81+及び2BBck81−)を用いてキモトリプシンループの中にCK37281を挿入することにより両ループの中に移植した。トリプシンループ(1BBIck81)の中CK37281を有するBBIをSacI−SphIフラグメントとしてpJM103BB発現カセット内に移動した。キモトリプシンループ(2BBIck81)又は両者のループ(12BBIck81)の中のCK37281を有するBBIを、SacI−SalIフラグメントとしてpJM103BBIの中に挿入した。正確な配列はDNA配列決定を用いて確認した(12BBIck81遺伝子の配列は図16に示す)。得られたベクター、pJK103−1BBIck81、pJK103−2BBIck81又はpJK103−12BBIck81をバチルススブチルス(B.subtilis)BG3934comKの形質転換に用い、上の実施例1に示すように、BCE融合タンパク質の生産を確認した。
無細胞ブロスに存在する主要タンパク質である44kDa付近の融合タンパク質がSDS−PAGEで検出された。幾つかのケースにおいて、BCE触媒コアに対応する34 kDa付近の主要タンパク質バンドの存在により視認することができる有意なBBI部分の退縮(degradation)(50%まで)(特にMBD倍地中で48時間以上育成した場合)が見られた。このケースにおいて、BCE103セルラーゼの力価は、野生型BBI(実施例16)に融合させて測定したものと同様であるが、BBIの活性は通常の半分以下であった。
育成の間のBBI変異体のタンパク質分解を減らすために(すなわち、融合タンパク質との比較においてSDS−PAGE上に存在するBCE103セルラーぜ触媒コアの量を減らすために)、9のプロテアーゼ遺伝子(degUHY32、oppA、△spoIIE3501、△aprE、△npf E、△epr、△ispA、△bpr、△vpr、△wprA、△mpr−ybiF、△nprB、amyE::xylRPxylAcomK−phleo)を欠失させたバチルススブチルス(Bacillus subtilis)系統を発現宿主細胞として用いた。育成温度(35℃)及び通気量(200rpm)を減らした。これらの変更により、主要融合タンパク質バンド(〜44kDa)はBCE触媒コア(〜34kDa)と思われる分子量で存在するバンドと大差なく、SDS−PAGE上で観察された。
BCE103セルラーゼのC末端に融合させたBBIのトリプシン及び/又はキモトリプシン活性部位ループへの置換を行ったときに、CK37281ペプチドに加えて、多くのシステインコンストレインドペプチド(cysteine constrained peptides)が生産された。特定の例はを以下に示す。
(1)相補的な抑制因子として設計又は選択されたペプチド、第一又は第二反応部位ループへ導入されたコンプスタチン(compstatin)(Sahu etal.、J. Immunol.、157: 884−891、[1996]参照のこと)、C2c(第一ループ)、C3c(第一ループ)、C4c(第一ループ)、及びC5c(第一ループ)、又は1B、2B、4A、5A、6−1A、7A、8B、9A、10B、11−1A、12B、13A、及び15−1A (全て第二ループ)へ結合する反応においてFactor Bにより選択されたペプチド
(2)プロテアーゼファクターXa、又は角質溶解キモトリプシンXal(第二ループ)又はhSCC1(第一ループ)に結合するためのペプチド
(3)FGF5結合反応により選択されたペプチド;1A6(第一又は第二ループ)、1C2 (第一又は第二ループ)、2E2(第一又は第二ループ)、2E5(第一、第二、又は両ループ)、FGFns(第一又は第二ループ)、FGFkr(第一又は第二ループ)、FGFhl(第一又は第二ループ)、FGFgy(第一又は第二ループ)、MM005(第一又は第二ループ)、MM007(第一、第二、又は両ループ)、MM009(第二ループ)、MM010(第一、第二、又は両ループ)、MM017(第二ループ)、FGFps1(第二ループ)、FGFps2(第一、第二、又は両ループ)、及びFGFpsB(第二ループ)、及び
(4)TGF−1結合反応により選択されたペプチド;1A8(第二ループ)、lA12(第二ループ)、lE11(第二ループ)、TGFpsl(第二ループ)及びMM021(第二ループ)。
これらのペプチドをトリプシン(第一ループ)又はキモトリプシン(第二ループ)活性部位ループのいずれかへ導入するために用いるオリゴヌクレオチド及びこれらのペプチドをBBIに移植するために用いる方法は上に記載されている。全てのケースにおいて、生産された融合タンパク質をDSD−PAGEゲルにより評価した。CK37281置換ペプチドに対して説明したのと同様に、幾つかの置換ペプチドをもちいて、タンパク質分解を減少させることによりにより無傷の融合タンパク質の生成量が高められた。
実施例3
チオール還元/酸化試薬によるBBIの活性化
育成の後の(トリプシン又はキモトリプシンの抑制による)BBIの活性は、(2の分子が融合タンパク質の中で1:1のモル比で存在する)無細胞上清中で測定されるBCE103セルラーゼの活性から予想されるものよりも通常5乃至20倍低い。BCE103−BBI融合タンパク質中のBBI活性の増加(トリプシン又はキモトリプシン抑制により測定される)は、接種の後、1−4mMの濃度のbMEをMBD成長培地に添加した後14時間育成することにより確実に得ることができる。融合タンパク質中のBBIのトリプシン又はキモトリプシン抑制活性は、結合ペプチド(例えば、VergF結合ペプチドCK37281)をキモトリプシン又はトリプシン反応部位ループにそれぞれ置換したときよりも低くなる。野生型BBIを用いて、bMEで処理することによって、抑制活性は増加させることができる。予想しないことに、これらの試験においてBBI育成の間の活性における他のチオール還元試薬(例えば、システイン、還元グルタチオン、DL−ジチオスレイトール(dithiothreitol)及びトリス[2−カルボキシメチル]フォスフィン)の影響は小さいか、無視できる程度であった。抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸又はDL−α酢酸トコフェロール)、他のアジュバンド(例えば、イソロイシン、ダイズオイル、Tween(商標)−80)を培地に添加すること、又は30℃における育成も、BCE103:BBI活性の比を改善しなかった。
特に育成の間のBBI活性を決定するために、p2JM103−E3−2BBIcK81(以下実施例4を参照のこと)で形質転換させたバチルススブチルス(B.subtilis)BG6006を含む培地を、250mlの振とうフラスコ内で37℃、13時間、40 mlのMBD中で育成した。その後、図4で示すチオール還元試薬を添加し、62時間の育成の後に細胞の上清を収穫した。2−メルカプトエタノール(BME)、システイン(Cys)、還元グルタチオン(Glut)及びDL−ジチオスレイトール(DTT)を図4に提供されているグラフで示す最終濃度になるように成長培地に添加した。5 mM βMEの濃度はより良いBCE103:BBI活性比となったが、通常は、試薬の添加がバクテリア成長を減少させることから、BCE103及びBBI力価は全体的に減少した(図4参照のこと)。BCE103及び2BBIck81の力価は実施例1で説明したアッセイを用いて測定した。
BBI活性化はQセファロースイオン交換クロマトグラフィーにより融合タンパク質(例えば、BCE−lnk2−2BBIck81、以下の実施例4参照)。
融合タンパク質を作動している振とうタンク又は発酵槽から得られた無細胞ブロスから精製した。このブロスを、ろ過し、5乃至10倍の水で希釈し、pHを7.5乃至8.0に調製した。希釈サンプルはQセファロースレジン(GH healthcare)を充填したカラムに負荷した。このカラムを50mMトリスpH 7.5で洗浄し、300mM NaClを含む同じ緩衝液で再度洗浄した。融合タンパク質は、700mMのNaClで溶出した。
BBIを活性化させるために収集された融合タンパク質分画を10倍のアッセイ緩衝液の中で溶出し、その後、2mMのβME及び0.2mMの酸化グルタチオン(GSSG)を添加し24時間室温で、スターラープレート又はロックプラットフォーム上で攪拌を続けることにより処理した。BBIは、BCE103セルラーゼで測定される濃度にもとづき予測されるトリプシン抑制活性の70乃至100%を達成した。上で概説した活性化方法は、通常最良の結果を出すけれども、幾つかのケースにおいて、所与のサンプルの活性を最大化するために96ウェルプレートにおいて、スクリーニングを行った。最初にスクリーニングする典型的な条件は、アッセイ緩衝液による希釈倍率(例えば、2乃至50倍の連続希釈)、βME濃度(例えば、連続する0.5乃至5 mM)及び酸化グルタチオン濃度(例えば、0mM、1/20乃至1/2βME濃度)である。
BCE−lnk2−2BBIck81融合タンパク質の活性化を図5に示す。この特定の態様において、Qセファロース精製後の融合タンパク質を0.005 %のTween(商標)−80含むダルベッコPBS(Mediatech)を用いて1:10に希釈した。βメルカプトエタノールを3 mMの最終濃度で添加し、振とう機上で室温、一晩インキュベートした。このサンプルは、更に磁気攪拌プレート上で激しく攪拌しながら60時間室温でインキュベートした。(βMEで処置する前後の)BCE103及び2BBIck81の力価を、それぞれ、セルラーゼアッセイ及びトリプシン抑制アッセイにより決定した。
幾つかの態様において、大容量発酵槽のからの無細胞ブロス中のBBI又はその変異体の活性化のような、活性化反応において、希釈及びβME濃度を減少させることが好ましい。このことは、高濃度緩衝液(500mMトリスpH6.8)、又はCHES等(CAPS、トリシン、TAPS及び他の適切な両性イオン緩衝液)の両性イオン緩衝液に変更することにより達成できる。例えば、無細胞ブロス(又はイオン交換クロマトグラファイーにより精製された融合タンパク質分画)は375mMのCHESpH6.8中、0.005%のTWEEN(商標)−80で希釈し、その後に、1mMのβME及び10mMのNa2SO3で活性化し、攪拌しながら室温で24時間インキュベーションする。BCE103セルラーゼ融合変異体等のBBIあるいはこの変異体の力価はこの方法により、(BCE103セルラーゼ活性に基づく)予測値に対して70乃至100%まで活性化することができる。
実施例4
BCE103−BBI融合タンパク質の切断による遊離BBI/変異体の放出
この実施例は、BCE103−BBI融合タンパク質を切断による遊離BBI又はその変異体の放出について説明する。
培地育成の間にBCE103触媒ドメイン及びBBIの間に切断可能部位を作り出すために、アニールされ、pJM103のBamHI及びSacIサイトへ結合するDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEsubBBI(スブチリシンタイプ感受性ペプチド配列)
GATCCAGGTGGAGCTGCTTTAGTTGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:131)
及び
CTCATCGTCAACTAAAGCAGCTCCACCTG(SEQ ID NO:132)
BCEcbdLBBI(1stCBDの一部)
GATCCAGGTGAACCTGACCCAACTCCTCCATCTGATCCTGGAGAATACCCAGCTTGGGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:133)
及び
CTCATCGTCCCAAGCTGGGTATTCTCCAGGATCAGATGGAGGAGTTGGGTCAGGTTCACCTG(SEQ ID NO:134)
BCEproBBI (BBIの完全プロペプチド)
GATCCGGCGAACCTGCGTCTGTCTAAGCTTGGCCTGCTTATGAAATCAGACCATCAGCACAGCAATGACGATGAGAGCT (SEQ ID NO:135)
及び
CTCATCGTCATTGCTGTGCTGATGGTCTGATTTCATAAGCAGGCCAAGCTTAGACAGACGCAGGTTCGCCG(SEQ ID NO:136)
BCEshortproBBI(BBIのプロペプチドのC末端部分)
GATCCAAAATCAGACCATCAGCACAGCAATGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:137)
及び
CTCATCGTCATTGCTGTGCTGATGGTCTGATTTTG(SEQ ID NO:138)
BCE103セルラーゼの第二CBDリンカーへBBIを融合するために、へアニールされ、p2JM103−BBIのBamHI及びSacI部位へ結合されるDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEcbdDBBI
GATCCAGGAGAACCGGACCCAACGCCCCCAAGTGATCCAGGAGAGTATCCAGCATGGGATTCAAATCAAATTTACACAAATGAAATTGTGTATCATAACGGTCAGTTATGGCAAGCGAAATGGTGGACACAAAATCAAGAGCCAGGTGACCCATACGGTCCGTGGGAACCACTCAAATCTGACCCAGATTCAGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:139)
及び
CTCATCGTCTGAATCTGGGTCAGATTTGAGTGGTTCCCACGGACCGTATGGGTCACCTGGCTCTTGATTTTGTGTCCACCATTTCGCTTGCCATAACTGACCGTTATGATACACAATTTCATTTGTGTAAATTTGATTTGAATCCCATGCTGGATACTCTCCTGGATCACTTGGGGGCGTTGGGTCCGGTTCTCCTG(SEQ ID NO:140)
アスパラギン酸及びプロリン残渣の間の酸切断をするのに適したペプチド配列を以下に示す。
リンカー1―WGDPHY(SEQ ID NO:141)(Lidell et al.、J.Biol.Chem.278:13944−51[2003])
リンカー2−DNNDPI(SEQ ID NO:142)(Segalas et al.、FEBS Lett. 371:171−175[1995])
リンカー 3−VVADPN(SEQ ID NO:143)(Kemperman et al.、Appl.Env.Microbiol.、69:1589−1597[2003])
QuikChange(商標)部位直接変異誘発によりBssHII部位をpJM103BBIへ導入するために用いるオリゴヌクレオチドプライマーを以下に示す。
BCEbss−F
5’−TGGCGTTCAGCAACATGAGCGCGCAGGCTGATGATTA (SEQ ID NO:144)
BCEbss−R
5’−TAATCATCAGCCTGCGCGCTCATGTTGCTGAACGCCA (SEQ ID NO:145)
BBIの停止コドンの後にHIndIII及びXhoI部位を導入し、LATの後にPacI部位を導入し、本来のHindIII部位を除去するためのカセット(SalI−HindIII)としてアニールされるDNAオリゴヌクレオチドの配列を以下に示す。
BCEterm+
5’−GACATCACGGACTTCTGCTATGAGCCATGTAAACCAAGCGAGGACGATAAAGAGAACTAAAAGCTTAACTCGAGGTTAACAGAGGACGGATTTCCTGAAGGAAATCCGTTTTTTTATTTTTAATTAAG(SEQ ID NO:146)
BCEterm−
5’−AGCTCTTAATTAAAAATAAAAAAACGGATTTCCTTCAGGAAATCCGTCCTCTGTTAACCTCGAGTTAAGCTTTTAGTTCTCTTTATCGTCCTCGCTTGGTTTACATGGCTCATAGCAGAAGTCCGTGATG(SEQ ID NO:147)
BCE103触媒ドメイン及びBBIの間に挿入される上で提供される酸ラベルリンカー(すなわち、リンカー1、リンカー2及びリンカー3)を生成するために用いるPCRプライマーを以下に示す。
BCE103coreBssHII_FW
5’−CAGCAACATGAGCGCGCAGGCTG(SEQ ID NO:148)
リンカーWGDPHY_RV
5’−ATCGTCTGGATCCGGATAGTGGGGGTCTCCCCAAGATGCTGATTCTCTTATTTTTTCCC(SEQ ID NO:149)
リンカーDNNDPI_RV
5’−ATCGTCTGGATCCGGTATGGGATCATTGTTGTCAGATGCTGATTCTCTTATTTTTTCCC(SEQ ID NO:150)
リンカーVVADPN_RV
5’−ATCGTCTGGATCCGGGTTGGGATCTGCAACTACAGATGCTGATTCTCTTATTTTTTCCC(SEQ ID NO:151)
上で説明する第一CBDリンカーに挿入する酸ラベルリンカーを生成するために用いるPCRプライマーを以下に示す。
BCE103corePstI_FW
GCATAAGGATGAGTCATCTGCAGCG(SEQ ID NO:152)
LplusWGDPHY_RV
5’−ATCGTCTGGATCCGGATAGTGGGGGTCTCCCCACGGTTCTCCTGGATCAGATGGCGG(SEQ ID NO:153)
LplusDNNDPI_RV
5’−ATCGTCTGGATCCGGTATGGGATCATTGTTGTCCGGTTCTCCTGGATCAGATGGCGG(SEQ ID NO:154)
LplusVVADPN_RV
5’−ATCGTCTGGATCCGGGTTGGGATCTGCAACTACCGGTTCTCCTGGATCAGATGGCGG(SEQ ID NO:155)
BBI及びBCE103触媒ドメインの間に挿入された酸ラベルリンカーのタンパク質配列を以下に示す。酸ラベルリンカーを太字で示し、第一CBDドメイン配列を下線で示す。
リンカー 1
BCE−WGDPHY−PDP−BBI(SEQ ID NO: 156)
リンカー2
BCE−DNNDPI−PDP−BBI(SEQ ID NO:157)
リンカー3
BCE−VVADPN−PDP−BBI(SEQ ID NO:158)
リンカープラス1
BCE−IPPSDPTPPSDPGEP−WGDPHY−PDP−BBI(SEQ ID NO:159)
リンカープラス2
BCE−IPPSDPTPPSDPGEP−DNNDPI−PDP−BBI(SEQ ID NO:160)
リンカープラス 3
BCE−IPPSDPTPPSDPGEP−VVADPN−PDP−BBI(SEQ ID NO:161)
精製工程の間にBBI及びBCE103触媒ドメインの間に切断可能部位を生成するために、アニールされ、pJM103−BBIのBamHI及びSacIへ結合されるDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEentBBI (エンテロペプチダーゼ切断部位)
GATCCAGGTGGAGACGACGATGACAAAGACGATGAGAGCT (SEQ ID NO:162)
及び
CTCATCGTCTTTGTCATCGTCGTCTCCACCTG(SEQ ID NO:163)
BCEgenen1BBI(ゲネナーゼI切断部位)
GATCCAGGTGCTGCTCATTACGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:164)
及び
CTCATCGTCGTAATGAGCAGCACCTG(SEQ ID NO:165)
精製工程の間にBBI及びBCE103触媒ドメインの間に挿入される切断可能部位を生成するために、へアニールされ、pJM103−lnk2−1BBIck81のBamHI及びSacI結合されるDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEfurinBBI (フリン/ブリステラーゼ切断部位)
GATCCACGTGCTAAAAGAGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:166)
及び
CTCATCGTCTCTTTTAGCACGTG(SEQ ID NO:167)
BCEgenen2BBI(ゲネナーゼI切断部位)
GATCCAGGCGCTGCACACTACAACGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:168)
及び
CTCATCGTCGTTGTAGTGTGCAGCGCCTG(SEQ ID NO:169)
BCEfleBBI(Mpr切断部位)
GATCCATTCCTTGAAGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:170)
及び
CTCATCGTCTTCAAGGAATG(SEQ ID NO:171)
QuikChange部位直接変異誘発(Stratagen)を用いてリンカー2へE及びE3リンカーを導入するために用いるオリゴヌクレオチドプライマーペアの配列を以下に示す。
BCE−Elnk−BBI(Mpr切断部位)
CCCATACCGGAGCCAGACGATGAGAGCTC(SEQ ID NO:172)
及び
CATCGTCTGGCTCCGGTATGGGATCATTGTTG(SEQ ID NO:173)
BCE103触媒ドメイン及びBBIの間のE3リンカーのタンパク質配列はDNNDPIPEP[DDESFNMPIPEP](SEQ ID NO:174)である。この配列において、Eリンカーを下線で示し、大腸菌における間違った組換えにより生成された配列を太字で示す。Mpr(又はV8プロテアーゼ)による切断はE3リンカーの中にある3のグルタミン酸のいずれかの後に引き起こすことができる。従って、この構築体は、BCE−(SEQ ID NO:174)−BBIとなる。
BBI及びBCE103触媒ドメインの間に挿入されるGenenase I切断可能部位を生成するために、へアニールされ、p2JM103−lnk2−2BBIck81のBamHI及びSacIへ結合されるDNAオリゴヌクレオチドペアの配列を以下に示す。
BCEgenen3BBI
GATCCAGGCGCTGCACACTACAAATCAGACCATCAGCACAGCAATGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:175)
及び
CTCATCGTCATTGCTGTGCTGATGGTCTGATTTGTAGTGTGCAGCGCCTG(SEQ ID NO:176)
BCEgenen4BBI
GATCCAGGCGCTGCACACTACGTAGAATTTCAAGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:177)
及び
CTCATCGTCTTGAAATTCTACGTAGTGTGCAGCGCCTG (SEQ ID NO:178)
BDE103触媒ドメイン及びBBIの間に挿入されるGenenaseI感受性切断部位(酸感受性及びMpr感受性でもある)のタンパク質配列は、DNNDPIPDP[GAAHYVEFQ](SEQ ID NO:179)である。GeneaseI部位(Gen4 リンカーは太字([]ので囲む配列)で(チロシン及びバリンの間に発生する切断)(NEB)、リンカー2は下線で示。Mprによる切断もGen4リンカーの中のバリンの後のグルタミンの後に発生させることができる。本発明で用いられる配列はBCE−(SEQ ID NO:179)−BBI である。
BCE103−lnk2−2BBIck81融合タンパク質における切断部位を以下に示す。BCE103触媒ドメイン(下線)のC末端のアミノ酸、リンカー2配列(太字)及び2BBIck81配列を示す。酸/熱に不安定なAsp−Pro結合は塗りつぶし矢印、グルタミン酸の後のMpr感受性結合は線矢印で示した。
遊離BBI又はその変異体を単離するために、BCE103−BBI融合タンパク質からBBI部分を切り離すことが必要になる。幾つかの態様において、バチルススブチルス(B. subtilis)により製造される固有のプロテアーゼを用いてこれは育成の間に行われる。幾つかの代替的な態様において、この切断は育成の後の精製工程(例えば、酸/熱又はタンパク質分解切断)dで行われる。リンカーは育成の間の切断に感受性を有する可能性のあるものが設計され(上記、sub、cbdl、pro、shortpro、及びcbdD)、BamHI−SacIカセットとして、pJM103BBI又はp2JM103BBI発現ベクター内でクローニングされる。融合タンパク質に対するBCE103触媒ドメインの生成は実施例1で説明されるSDS−PAGEゲル上で解析された。
proリンカーを除く、全てのリンカーにおいて、BCE103触媒コアに対応する大きなバンドのほかに、ほぼ完全に切断されていると考えられる融合タンパク質の小さな切断が観察された。不幸なことに、育成の間に切断を行うと無細胞上清中で測定されるBBI活性は無視できるほどとなり、SDS−PAGEゲル上で同定するされるBBIバンドを生じなかった。本発明を特定の方法又は理論に制限することは意図しないけれども、BBIはその不活性形態において、タンパク質分解に影響を受けやすいことが明らかでる。従って、活性化後の精製工程の間に切断することが通常好ましい。
幾つかの態様において、アスパラギン酸及びプロリン残渣の間の結合は、当該技術分野で知られている様に、酸性pHにおける熱処理により切断される(Landon、Meth. Enzymol.、47:145−149[1977] )。BCE103セルラーゼの中の第一CBDリンカーは酸/熱処理により切断される可能性のある3のAsp−Proペプチド配列を有する(図1を参照のこと)。しかしながら、これらの部位において、酸/熱処理による切断は効率が悪いことがわかった。特に酸/熱に不安定なタンパク質配列は文献に記載されている。そのような3の配列は、WGDPHY(SEQ ID NO:141)、DNNDPI(SEQ ID NO:184)、及びWADPN(SEQ ID NO:143)(すなわち、リンカー1、2、及び3)である。
これらの酸に不安定なリンカーが、BCE103−BBI発現ベクター、pJM103BBI、へ導入される前に、QuikChange(商標)XL(Stratagene)変異誘発部位を用いて(8分間の伸長時間、及び1分間の変性工程を用いる以外は、製造会社の説明書に従い、実施例17で述べた方法を用いて)、BCEbss_F及びBCEbss_R(上記)のオリゴヌクレオチドを用いて、aprEシグナル配列コード領域にaBssHII部位を挿入した。その後、HindIII及びXhoI部位をLATターミネーター(BBI停止コドンの後の)の前に挿入し、SalI及び元のHindII部位へのオリゴヌクレオチドカセット(BCEterm+及びBCEterm−;上記)の挿入により、このターミネーター(LATターミネーターの後のオリジナルHindIII部位)の後にPacI部位を付加した。この新しいベクターを「p2JM103BBI」と称した。
前方向プライマー、BCE103coreBssHII_Fw、リンカーWGDPHY_R、リンカーDNNDPI_RV又はリンカーVVADPN_RV(配列は上記)の各リバースプライマーを用いて、及びpJM103BBIをテンプレートとして用いたPCRにより、酸に不安定なリンカーフラグメントを製造した(PCR手順については実施例1を参照のこと)。970 bpのPCRフラグメントをBanHI及びPstIで消化し、酸リンカーフラグメントをコードしている154bpのフラグメントを電気泳動の後、アガロースから単離し、BanHI及びPstIで消化ししたpJM103ベクター内へ結合した。最終発現ベクターにおけるリンカー配列、p2LM103lnk−BBI、p2JM103lnk2−BBI及びp2JM103lnk−BBIをDNA配列決定により確認した。
コンピテントバチルススブチルス(B.subtilis)系統、BG3934comK又はBG6006を、プラスミドを用いて形質転換し、コロニーを5 μg/mlクロラムフェニコールを含むLAプレート上で選択し、実施例1で説明する様に、25 μg/mlクロラムフェニコールを用いて増幅した。
同様に、第一CBDリンカーに挿入した。特に、PCRフラグメントは、前方向プライマー、BCE103corePstI_FW、LplusDNNDPI_RV又はLplusVVADPN_RVのリバースプライマー(配列を上に記載)を用いて、テンプレートをp2JM103BBIとして酸に不安定なリンカーを生成した。150 bpのフラグメントを、BamHI及びPstIを用いて消化し、精製し、BanHI及びPstIを用いて消化したp2JM103BBIに結合した。正確な配列をDNA配列決定法により確認し、上で述べたように、p2JM103plnk−BBI、p2JM103plnk2−BBI及びp2JM103pllnk3−BBIは、バチルススブチルス(B.subtilis)の形質転換に用いた。
MBD培地での育成の後、上で説明した(実施例2を参照のこと)イオン交換クロマトグラフィーにより融合タンパク質を精製した。融合タンパク質は10%のギ酸中、55℃、16時間での処理することにより切断された。BCE103触媒ドメインは、酸処理の間に沈殿し、遠心分離により分離された。上清中の遊離BBIをスピードバク(SpeedVac)で一晩乾燥した。SDS−PAGEゲルに負荷する前に50mMトリスpH8の中にサンプルを懸濁した。SDS−PAGEのタンパク質染色解析により、酸切断は、リンカー2がBCE103触媒ドメイン及びBBI(BCE−DNNDPI−PDP−BBI)の間に挿入されている場合には、融合タンパク質において有効であることが観察された。このリンカーは、pH2、75℃、20mMのグリシン中で数時間処理することで切断されることがわかった。
代替的な態様において、精製工程の間にプロテアーゼで処理することにより融合タンパク質を切断した。グルタミン酸特異プロテアーゼ(例えば、Mpr又はV8プロテアーゼ)、フリン/ブリスターゼ、GenenaseI及びエンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼ)に対する切断部位を用いてリンカーを消化した。リンカーは、BenHI及びSacI部位を用いて、発現ベクター中のBCE103触媒コア及びBBIの間にオリゴヌクレオチドカセットとして(配列は上に記載)導入された。オリジナルの発現ベクター(pJM103BBI)のコード領域において、第一CBDドメインの中及びBBIの中の第三残渣にバチルススブチルス(B.subutilis)Mpr又はV8プロテアーゼ等のグルタミン酸特異プロテアーゼにより切断されやすいと予測されるグルタミン酸残渣がある(図1)。しかしながら、BsMpr又はV8プロテアーゼのいずれもがこれらの部位でBCE−BBI融合タンパク質を切断することが困難であることがわかった。従って、これらのプロテアーゼにより切断されやすい他のリンカーを設計することが必要であった。
上で説明した6の不安定なリンカーの切断をBsMprにより試験した。これらの融合タンパク質は室温で、16μgのBsMprを用いて16時間処理することにより切断された。切断の後、BCE103触媒ドメインを10%のギ酸を添加することにで乾燥させた。DSD−PAGEに負荷する前に50mMトリスpH8にサンプルを懸濁した。酸切断と同様、BCE−DNNDPI−PDP−BBI(リンカー2)融合タンパク質は、他のリンカーのどれよりもBsMprで効果的に切断された。それゆえ、BBI及びその変異体は、酸/熱処理又はBsMpr等のグルタミン酸特異プロテアーゼを用いたタンパク質分解のいずれかによりBCE−DNNDPD−PDP−BBI融合タンパク質から、効果的に放出されていることがわかった。Mprにより切断されるように設計された幾つかの他のリンカーも試験されたが、リンカー2よりも効果的なこのはなかった(E3リンカーは、Eリンカーを構築するために意図されたQuikChange(商標)部位切断変異誘発を用いた形質転換の後に大腸菌内の誤った組換えにより生成された)。上に示す様に、リンカー2の中に、酸/熱に不安定な切断部位と、Mrpにより切断されやすい3の部位がある。
フリン又はブリスターゼ(NBE)(BCEfurinBBI)又は、エンテロペプチダーゼ(エンテロキナーゼ、NEB)(BCEentBBI)による切断のために構築されたリンカーが試験されたが、これらのプロテアーゼより効果的に切断された配列はなかった。4のリンカー(BCEgenen1BBI、BCEgenen2BBI、BCEgenen3BBI、及びBCEgenen4BBI)も消化され、GenenaseI(NEB)による切断について試験された。融合タンパク質の効果的な切断は、Gene4リンカー(BCEgenen4BBI)を用いたときに観察された。BsMprもまた、Gene4リンカーを効果的に切断した。
精製されたBCE−lnk2−2BBIck81融合タンパク質の活性化の後の、BsMprによる切断はSDS−PAGE上では観察されなかった。しかしながら、リンカー2(又はGen4リンカー)を有するBCE−BBI融合タンパク質の活性化の後の切断は、バチルスリケニフォルミス(Bacillus lichenifornais)から単離されたMprプロテアーゼ(BIMpr)を用いて成し遂げることができる。本発明を特定のメカニズムに限定することは意図しないけれども、成熟BBIの中の3番目のアミノ酸の切断はBIMprに対してより感受性があることが明らかである一方で、BBIのC末端から6番目のアミノ酸はBsMpr切断に対してより敏感である。
幾つかの態様において、切断の後、BBIは、上で述べるBCE103触媒ドメインの選択的酸沈殿(pH3以下)により、イオン交換クロマトグラフィー(実施例20を参照のこと)、又は、50mMトリスpH8.0を用いた無水トリプシンアガロースに負荷し、150mMNaClで50mMトリスpH8.0を洗浄し、その後、300mMNaClde,pH2.2 50mMグリシンで結合BBIを溶出することにより、BCE103触媒ドメインから単離精製された。
実施例5
BBIck81のVegFへの結合
本実施例は、BBIcK81のVegFへの結合を評価するために行う試験について述べる。BCE103−lnk2−2BBIck81融合タンパク質は実施例2で述べたように、バチルススブチルス(B. subtilis)を用いて生成された。融合タンパク質を生成し、実施例3に記載されているように、βME及び酸化グルタチオンを用いた処理により、BBIトリプシン抑制活性が増加された。融合タンパク質はBsMprプロテアーゼ(実施例19参照のこと)により切断され、Qセファロースカラムを用いたイオン交換クロマトグラフィーによりBCE103触媒ドメインから2BBIcK81を精製した。
すなわち、切断の後、切断されたサンプルのpHを5.5に調製し、このサンプルをその後、(pH5.5、25mMMESを用いて平衡化した)カラムに負荷した。
遊離2BBIck81は、25mM酢酸ナトリウムをカラムに通すことにより洗浄されるが、BCE103触媒コアは樹脂に結合したままであった。2BBIcK81分画は精密ろ過により濃縮され、結合アッセイ(Bio Veris)に基づく、電気化学発光(ECL)分析を用いて解析された。抗−VegF抗体(Santa Cruz)及びVegF(Pepro Tech)は、製造会社(Bio Veris)の説明書に従って電気化学発光ダイ及びビオチンでそれぞれ標識した。全ての材料は0.1%Tween(商標)−80を用いてダルベッコPBS(Mediatech)中に溶解した。抗−VegF抗体の一連の希釈物(125、250、及び500ng/ml)及びVegFの一連の希釈物(100、150、200及び250ng/ml)は、強固なECLシグナルを与える濃度を決定するためにアッセイされた。
2BBIck81結合テストのために、50μLの500ng/mlECL標識抗−VerF抗体、50μLの250ng/mlビオチン標識VegF及び100μL2BBIcL81(12.5、15、31.25、62.5、125、250又は500ng/ml)を振とうしながら、室温で2時間インキュベーションした。その後、50μLの0.2mg/mlストレプトアビジンコートビーズを添加し、室温で30分インキュベートした。ECLシグナルは、製造会社(Bio Veris)の説明書に従い、Bio Veris M8/384解析を用いて測定した。図19に示すように、ECLシグナルは2BBIck81濃度が増加する毎に減少した。標識された抗−VegF抗体のより多くが磁気ビースが付着しているVegFに結合したことを示す。
従って、CK37281ペプチドは、BBIキモトリプシン抑制ループ(2BBIcK81)上に移植されたときに、μモルの濃度で抗−VergF抗体とVegFの結合について競合することがわかった。実際には、2BBIck81はVegF結合に対して、合成CK3781ペプチド自身よりも強固に競合することがわかった(図6参照のこと)。CK37281ペプチドは、トリプシン抑制ループ、1BBIc81内に挿入され、Bio Verisアッセイにおいて、抗−VegF抗体と競合した。従って、BBIは各種スクリーニング法により選択される本発明の活性結合ペプチドのスキャッフォールドとして有用である。
実施例6
2BBIck81の生産に対する融合代替パートナーの使用
本実施例は、融合代替パートナーを評価するための試験を説明する。pET−40(+)由来のdsbc遺伝子(大腸菌)を増殖させるのに用いるオリゴヌクレオチドプライマーのDNA配列を以下に示す。このプライマーはp2JM103−Gen4−2BBIck81内へのクローニングのために5’末端にBssHII部位を、3’末端にBanHI部位を生成する。
DsbCBBI−F
AACATGAGCGCGCAGGCTGATGACGCGGCAATTCAACAAACGTTAG(SEQ ID NO:181)
DsbCBBI−R
TCGTCTGGATCCGGTATGGGATCATTGTTGTCACCAGAACCACTAGTTGATCCTTTACCGCTGGTCATTTTTTGGTG(SEQ ID NO:182)
リンカー2を有するBBIへ、シュードモナスメンドセラ(P.mendocina)クチナーゼ遺伝子の融合のためのカセット(Alw44I−BanHI)を作るために共にアニールされるオリゴヌクレオチドのDNA配列を以下に示す。
CutinaseBBI+
TGCACTTCTCTGCTTTGGTCTGTTGAACGCAGAGGTCTTGACAACAATGATCCTATTCCG(SEQ ID NO:183)
CutinaseBBI−
GATCCGGAATAGGATCATTGTTGTCAAGACCTCTGCGTTCAACAGACCAAAGCAGAGAAG(SEQ ID NO:184)
BI部分は7個のジスルフィド結合を有することから、BCE103セルロース触媒ドメイン以外の融合タンパク質を用いて、活性BBIの高い力価が得られることが予測される。例えば、幾つかの態様において、チオールジスルフィド酸化還元酵素及び/又はタンパク質ジスルフィドイソメラーゼは正しく折りたたまれたBBIを生産するための融合タンパク質として用いられる。この態様において、追加的な活性化ステップが大部分の環境下において必要とされない。追加的な態様において、バチルススブチルス(B.sbutilis)の中で高い力価で製造される他のタンパク質も融合パートナーとして用いることができる。例えば、フミコーラインソレンス(Humicola insolens)由来の熱安定タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(hiPDI)は、バチスルスブレビス(Bacillus brevis)の中の免役グロブリンの軽鎖(2ジスルフィド)の融合パターンとして用いられている(Kajino et al.、Appl.Env.Microbiol.66:638−642[2000])参照のこと。
BBI生産に関して、hiPDIがBCE103よりも良い融合パートナーであるかどうかを決定するために、hiPDI遺伝子を合成し(DNA2.0)、発現ベクター、p2JM103−lnk2−2BBIck81(実施例4を参照のこと)、の中で、BssHII−SacIフラグメントとしてクローニングした。制限部位が導入された又は欠失されている場合を除き、高頻度で、高発現するバチルススブチルス(B.subtilis)遺伝子の発生コドンが合成遺伝子の設計のために選択された。最終濃度において、成熟hiPDI遺伝子のN末端をAprEシグナル配列に融合し、C末端はエンテロペプチダーゼ切断部位を有するリンカーに融合した(Kajino et al.、Appl.Env. Microbiol.、66:638−642[2000])。それらを順番に、2BBIck81(実施例19参照のこと)に融合する。この発現ベクター、p2JM−PDI−EK−2BBIck81はバチルススブチルス(B.subtilis)BG6006を形質転換するために用いた。融合タンパク質の生成はMBD培地中で(実施例16で説明したように)2mMβMEを添加、あるいは無添加した状態で、接種後14時間で評価に用いた。
SDS−PAGEゲルにより評価されるように、PDI−2BBIck81融合タンパク質の生産は、通常同じ条件で育成されたBCE−2BBIck81によりわずかに少ない。PDI−2BBIck81細胞を含まない上清を用いて測定された(トリプシン抑制)BBI力価も又、通常BCE−2BBIck81融合細胞よりもわずかに少なかった。BCE103への融合と同様に、PDIへ融合させたときに測定されるBBI力価は、2mMβME中で育成したときに高くなり、BBI活性はβMEフリー培地中で育成したときの育成の後、細胞フリー上清にβMEを添加することにより高められた(実施例3に記載されているように)。したがって、PDIのチオールジスルフィド酸化還元活性は、融合タンパク質の中の活性か2BBIck81の力価を有意に改善しなようであり、BBI分子を活性化する必要を排除した。
育成の間のBBI力価を改善すると思われる融合タンパク質の還元電位を増加させるために、大腸菌(Escherichia coli)由来のDsbCが2BBIcK81に対する融合パートナーとして用いられた。dsbC遺伝子は、DsbCBBI−F及びDsbCBBI−Rをプライマーとして用いて(配列は上に記載)、pET−40(+)(Novagen)をテンプレートとして用いて、製造会社(Stratagen)の説明書に従い、Herculase Enhanced DNA ポリメラーゼを用いたPCRにより増幅させた。単離されたPCRフラグメントはベクターp2JM103−Gen4−2BBIck81(実施例4を参照のこと)の中で、BssHII−BsmHIフラグメントとして用いてクローニングした。融合遺伝子の正確な配列はDNA配列決定により確認された。このケースにおいて、DSbC−2BBIck81融合タンパク質の力価はSDS−PAGEゲル上で判断した時に、BCE−2BBIck81融合タンパク質よりも有意に低かった。トリプシン抑制により測定される活性2BBIck81力価も又十分に低かった。
バチルススブチルス(B.subutilis)の中で高い力価を伴い生産される他のタンパク質は、BBIの生産に対する融合パートナーとして用いることができる。そのようなタンパク質の一つは、バチルススブチルス(B.subutilis)由来のaprEプロモーターを用いて高力価が発現されるシュードモナスメンドシナ(Pseudomonas mendocina)由来のクチナーゼである(参照により本発明の明細書に援用される米国特許5,429,950参照のこと)。apr−Eクチナーゼ遺伝子融合(体)は、EcoR1−Aln44Iフラグメント(pAK−15由来)として、Alw44I−BamHIリンカーオリゴヌクレオチドカセット(配列は上記)を用いて、EcoRI及びBamHIを用いて切断されたp2JM103−lnk2−2BBIck81(実施例4参照のこと)へ結合した。このクチナーゼ−リンカー2−2BBIcK81発現ベクターは、バチルススブチルスBG6006細胞の形質転換に用いて、融合タンパク質はMBD培地の中で他の融合タンパク質に対して記載したのと同様に生産された(実施例1参照のこと)。このケースにおいて、クチナーゼリンカ−2−2BBIck融合タンパク質はSDS−PAGE上で見られる主要バンドではなく、測定されたリパーゼ力価(米国特許5,429、950に記載の方法を用いて測定された)及びBBIの力価はBCE−2BBIck81融合タンパク質で見られたものよりも大部低くなっていた(20倍)。クチナーゼ融合タンパク質中のBBI力価は育成培地に、3mMのβMEを添加したときにも改善されなかった。したがって、活性2BBIck81の最高力価はBCE−2BBIck融合タンパク質の活性化により、確実に得られるのである。しかしながら、各種融合タンパク質も本発明に用いることができるだろう。
実施例7
切断されたBBPI―AV(BBPI―AV;DEQ ID NO:187)
この実施例は2BBlck81BBIタンパク質(BBI−AV;SEQ ID NO:186)
DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKEN (SEQ ID NO:18)の生成を改善を実施する。
前述の実験及びVogtentanz et al.、2007(Protein Expr Purif 55:40−52[2007])の記事はBCE103セルラーゼ触媒ドメインメイン(BCE)のC末端に融合したダイズボウマンブリックインヒビター(BBI)を含む融合タンパク質を生成する方法を開示する。前述のように、このシステムはトリプシン及び/又はキモトリプシンループを置換する各種変異ペプチドを有するBBI分子を生成するために用いられてきた。例えば、野生型のキモトリプシンインヒビターループを置換するVEGF結合ペプチド、CK37281 (ACYNLYGWTC;SEQ ID NO:9)、を含むBBI分子、BBI−AV(SEQ ID NO:186)が生産され、精製され、及びVEGFに結合するモノクローナル抗体を用いた結合アッセイ(BioVeris)に基づく電気化学発光免疫測定法(ECL)における競合を示す。しかしながら、変異BBI−AVの回収された産量は不正確なジスルフィド結合を有する分子の初期のパーセンテージの高いことに起因している野生型BBI分子よりも生産性が低い。
SEQ ID NO:186のBBI−AV切断形態(即ち、SEQ ID NO:187のBBI−AV)はDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSE (SEQ ID NO:187)あり、SEQ IDNO:186のC末端の5つのアミノ酸がなく、VEGFを競合体としてラベルされたモノクローナル抗体を用いたECL(BioVeris)アッセイにおいて、完全長分子(即ち、切断された分子)よりもVEGFへの結合が良好であることが示された。BBIt−AV(SEQ ID NO:187),と呼ばれるBBI−AVのC末端切断形態はBacillus licheniformis 由来のGluBLプロテアーゼ(グルタミルエンドペプチダーゼI)でC末端をトリミングすることにより精製工程の間に製造できる。代替的に、BBIt−AVは以下の改良されたオリグヌクレオチドカセットを用いて停止コドンを導入することにより得ることができる。以下のBBI−切断+及びBBI切断−オリゴヌクレオチドをアニールしてオリグヌクレオチドアンモニウムkセットを生成した。
BBI−trunc+
5’−TCGACATCACGGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCAAGCGAGTAAA(SEQ ID NO:188)
及び
BBI −trunc−
5’−AGCTTTTACTCGCTTGGTTTACATGGTTCATAGCAGAAGTCCGTGATG(SEQ ID NO:189)
このオリゴヌクレオチドカセットをその後P2JM103−LNK2−2BBICK81のSall及びHindIII部位に結合し、正確な配列を確認し、得えられた発現カセットをP2JM103−LNK2−BBIT−AVとした。
発現を改善するために、APRE PRO−PEPTIDE、AGK (SEQ ID NO:191)(U.S. PATENT NO.5,429,950)の初めの3つのアミノ酸をコードしているポリヌクレオチド配列(SEQ ID NO:190 gctggtaaa)をAPREシグナル配列の最後と成熟BCE103セルラーゼの間に、QUIKCHANGE(商標)部位指定変異誘発キット(STRATAGENE)を用いて挿入した。この部位指定変異誘発は以下のオリゴヌクレオチドプライマーをテンプレートとして、P2JM103−LNK2−BBIT−AVを用いた製造により説明されるように、必須である。
BCE−AGK−F:
5’−GCGCGCAGGCAGCTGGTAAAGATGATTATTCAGTTGTAGA(SEQ ID NO:192)
及び
BCE−AGK−R:
5’−AATAATCATCTTTACCAGCTGCCTGCGCGCTCATGTTGCT(SEQ ID NO:193)
正確な挿入がDNA配列決定により確認され、得られた発現ベクターをp2JMagk103−lnk2−BBIt−AV (SEQ ID NO:194)とした。
p2JMagk103−lnk2−BBIt−AV発現ベクターでバクテリア細胞を形質転換して、BCEタンパク質に融合するBBIt−Avを発現した。
実施例8
BBIt−AV部位飽和ライブラリー
この実施例は、図9に示すBBIt−AV分子(SEQ ID NO:187)の39アミノ酸のそれぞれに置換を含む部位飽和ライブラリーを構築することにより、未修飾BBIt−AV由来の修飾変異BBPIを生成することを開示する。
BBIt−AV部位飽和ライブラリーは以下のようにStratagene(La Jolla、CA)のQuikChange複数部位指定変異誘発キット(QCMS)の変更バージョンを用いて、Amin et al.(Biotechniques 35:1134−1140、[2003])に記載のように、生成した。中央及び17乃至20フランキング塩基中のNNSコドンを有するフォワード及びリバースプライマーの重複を各部位について設計した。BBI−AV分子の置ける66アミノ酸位置のそれぞれにおけるフォワード(F)及びリバース(R)プライマーの配列を表1に示す。
各変異反応物は、50乃至100ngテンプレートプラスミド(p2JMagk103−lnk2−BBIt−AV; SEQ ID NO:194)、0.5μLの10XQCSM反応緩衝液、18.5μLの脱イオン水、及び1μLの酵素ブレンド(QCMS kit)を含み、総量でで25μLになる。残基10、11、13、及び25におけるBBI―AVライブラリーについてのみ1μLのフォワードプライマー(25μM)を用い、リバースプライマーを用いなかった。6、37、38、50 及び 53残基におけるライブラリーについて、変異反応は0.5μLのフォワードプライマーとベクター中の配列に相補的な他のプライマー(5’−CTATGCGGCATCAGAGCAGATTGTAC; SEQ ID NO:328)と組み合わせて用いて行った。変異誘発反応について、用いた熱サイクルプログラムは95℃2分を1サイクル、次いで95℃30秒、55℃1分、及び68℃10分を29サイクル行った(MJ Research thermocycler)。テンプレートDNAは0.5乃至1μLDpnl(QCMS kitから)を添加して、37℃で1乃至4時間インキュベートし、次いで新たに0.5乃至1μLDpnlを添加して、37℃で1乃至4時間インキュベートして消化した。このテンプレートDNAはDpnl消化の影響を受けやすくするために、TOP10(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA)等のE.coli dam+株から得られた。
各マスタープレート中の培養物を解凍して、各ウェルに5μg/mlクロラムフェニコールを含む150μLのLuriaブロスを含む新しいマイクロタイタープレートにピンリプリケーターを用いて接種した。このプレートを前述のような湿度の高い通気ボックス中で10時間まで育成した。対照として、2つのウェル中の培養物を同時に15ml培養チューブ内(5μg/mlクロラムフェニコールを服務5mlのLuriaブロス)で育成したBBI及びBBI−AV培地に置き換えた。培地を育成した後、このプレートを、ピンリプリケーターを用いて、各ウェルに5μg/mlクロラムフェニコールを含むMBD培地(Vogtentanz et al.、2007)150μL含む2つの96ウェルマイクロタイタープレートの接種に用いた。この2つのプレートを14時間育成し(前述のように積まれたプレートの周りに空気を効率的に流すために、プラスチックスペーサーをおいた)、その後2−メルカプトエタノールを各ウェルに添加して、プレートの1つにおいて、最終濃度を2mMにした。このプレートを更に46時間育成した。培養ブロス(2−メルカプトエタノール添加又は無添加)を含む96ウェルフルタープレートをBBI及びBCE活性のアッセイに用いた。
実施例9
BBIt−AV変異体の初期スクリーニング:最も高いBBIt−AV:BCE活性比を有する変異体を決定するためのBBI及びBCA活性
この実施例において、部位飽和変異誘発方法により精製された修飾変異BBIt−AVへ導入されたアミノ酸置換の硬化を評価するための方法を提供する。前述のような部位飽和変異誘発方法により精製された修飾BBlt−AVのトリプシン抑制活性を測定し、対照野生型BBI(SEQ ID NO:13;BBI−wt又はsBBI)及び対照未修飾BBIt−Av(SEQ ID NO:187)と比較した。本発明を特定の方法に限定することは意図しない。他の好適な方法も用いることができる。
トリプシン抑制アッセイ:BBI活性の決定
活性対照及び修飾BBIt−AVの相対的濃度を前述のように精製されたBBIを標準として用いてトリプシン抑制アッセイにより決定した。幾つかのサンプルについて、活性BBI濃度をFlecker(Flecker、P.FEBS Lett.252:153−157[1989];Vogtentanz et al.上記)に記載の方法に従って残余トリプシン活性により測定した。
ライブラリーを96ウェルプレート中で育成した培養物の希釈剤物を用いて回折した。典型的には、各ウェルからの培養ブロスアッセイ緩衝液(100 mM Tris pH 8.6、0.005% Tween 80)で希釈して(200倍)第二のマイクロタイタープレート(CoStar 9017、Corning、Inc.、Corning、NY)に移した。その後、20μlの希釈されたサンプルを第三のマイクロタイタープレートに移した。希釈したsBBI(SEQ ID NO:13)対照培養物を20、10、5、マイクロタイタープレート2.5μL用いて、空のウェルに標準曲線を作成した。その後、80μLの50ng/mlトリプシン(ボバインパンクレアトリプシン、Worthington Biochemical Corp.、Lakewood、NJ)(1mg/mlストック溶液をアッセイ緩衝液で希釈して調整)をこのプレートの各ウェルに添加した。反応物を混合し、15分間室温に置いた。インキュベーションの後、DMSO中100mg/ml溶液からアッセイ緩衝液で希釈剤された0.5mg/mlトリプシン基質100μL(succinyl−Ala−Ala−Pro−Arg−para−nitroanilide、Bachem Bioscience、Inc.、King of Prussia、PA)を各ウェルに添加して、混合し、Spectra Max 250 (Molecular Devices)を用いて各12秒ごとに1回記録をして、15分間405nmにおける吸光度をモニターした。データポイントは各反応の速度を決定するために用いた。反応速度対BBI容量をプロッティングして標準曲線を作成し、4つのパラメーター式に当てはめた。全てのデーターのフィッティングをソフトウェア(Molecular Devices Corp.、Sunnyvale、CA)を用いて行った。各BBIt−AV変異体の活性を標準曲線から計算した。したがって、修飾タンパク質全てのsBBI対象培地(BBI−WT)における活性にたいして決定した。もし、データの大部分が標準曲線のIC50に当てはまらない場合、新たな希釈剤プレートを作成しアッセイした。
セルラーゼ酵素活性アッセイ:BCEアッセイ
BCEの濃度を、前述及びVogtentanz et al.2007に記載のように精製したBCEを標準として用いて、活性アッセイにより決定した。96ウェルマイクロタイタープレート中で育成されたライブラリーの活性について、20μLの培地ブロスを新しいマイクロタイタープレートの各ウェルに移した。20、10、5、又は2.5μLの希釈されたBBI−WT対照培地を空のウェルに添加して標準曲線を作成した。その後、180μLのBCE基質(アッセイ緩衝液中0.25μg/ml)、4−ニトロフェニルβ−D−セロビオシド (Sigma、St.Louis、MO)をこのプレートに添加した。このプレートを混合し、Spectra Max 250(Molecular Devices)を用いて各12秒ごとに1回記録をして、15分間405nmにおける吸光度をモニターした。データポイントは各反応の速度を決定するために用いた。標準曲線を培養物容量対速度のプロッティングにより生成し、二次曲線にあてはめた。各変異体培養物中のBCE濃度は標準対象培養物に対して決定された。
酵素活性比:BBItAV:BCE比
マイクロタイタープレートの結果から、各ウェルのBBlt−AV:BCE活性は、相対的なBBIt−AVとrプシン抑制活性値を相対的なBCE活性値で割って決定した。このデータはBBIt−AV:BCE活性比に基づいて並べた。最も高いBBIt−AV:BCE活性比を有する修飾変異体を選択し、以下の第二スクリーニングに供した。
BBIt−AV:BCE酵素活性比の解析−変異体の第二スクリーニング
この実施例では、一次スクリーニングで決定したように、還元剤(2−メルカプトエタノール)の存在又は不存在下で育成したときに、対照未修飾BBIt−AVに対して改善されたBBIt−AV:BCE活性比を有する修飾BBIt−AVが整列させられ、2次アッセイにおいて4通りに評価された。最初に、2次スクリーニングにとえい決定されたように最も高いBBIt−AV:BCE比を有する修飾BBIt−AVのそれぞれをコードしているポリヌクレオチドのみを配列決定した。次いで、全てのBBIt−AVクローンを配列決定した。
マイクロタイタープレートにおける4通りの試験―2次スクリーン
各プレートについて、一次スクリーンから選択された修飾BBIt−AVを含む培養物の22個のサンプル及びsBBI及び未修飾BBIt−AVを含む対象培養物の2つのサンプルを、15ml培養チューブ内で5ppmクロラムフェニコールを含むLuriaブロス5mlで、10時間育成した(37℃、250rpm)。その後、96ウェルのマイクロタイタープレートに24個の培地をそれぞれ150μLずつ4つ組みに配列させた。この配置させたプレートをその後ピンレプリケターを用いて各ウェルごとに5μg/mlクロラムフェニコールを含むMBD培地150μlを含む2つ組のフィルタープレート(Millipore、MSGV2210)への接種に用いた。平板培養した培地を(2−β―メルカプトエタノール(βME)の存在下又は不存在下)で育成し、BBI−AV:BCE比を前述のように決定及び解析した。
図10は修飾変異 BBItのトリプシン抑制活性におけるSEQ ID NO:187の29位における19アミノ酸置換全ての効果の例を示す。このデータはSEQ ID NO:187の29位における1つのアミノ酸置換を有する修飾BBI−AVのBCE及びトリプシン活性の4つ組み測定から決定されたBBI及びBCE活性の比を示す。
実施例10
既知のアミノ酸置換を有する改善され修飾BBIt−AVの選択
この実施例では、未修飾親BBI−AVのトリプシン抑制活性と比較したときに、改善されトリプシン抑制活を有するBBIt−AVとなる、初期インキュベートのスクリーニングで同定された部位におけるアミノ酸置換の完全なセットを生成するために、部位飽和ライブラリーを生成する。更に、可能な19アミノ酸全部で予め置換されていない部位におけるアミノ酸置換の完全なセットを部位指定変異誘発により生成した。合計39個の部位飽和ライブラリーを生成して、BBIトリプシン抑制活性及びBCE活性の4つ組み活性測定を解析して対照BBI分子、即ち、sBBI及び未修飾BBIt−Aよりも大きなよりプシン抑制活性を有する修飾BBIt−AVとなる一部位置換を決定した。未修飾BBIt−AVにおいて置換されたアミノ酸の位置を図9に示す。
18、38、及び61位における部位飽和ライブラリーの第二セットの構築
初めに、ライブラリー構築のために、合成遺伝子を合成して、2BBIck81コード領域中のトリプシン抑制ループをコードしている領域とキモトリプシンループをコードしている領域との間のSpl部位を有するEcoRI部位を置換した。(EcoRIの位置は図3に示す)。この合成遺伝子配列は:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCGCTTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTTCTGATATGCGTTTAAATAGCTGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCTATAACCTTTACGGTTGGACATGTTTCTGCGTCGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:329)。この合成遺伝子をBamHI−HindIIIフラグメントとしてp2JMagk103−lnk2−BBIt−AVへクローンして、得られたベクターをp2JMagk103−lnk2−BBIt−Avsphとした。
部位飽和ライブラリーを18、37、及び61位で、以下のオリグヌクレオチドカセットを用いて構築した。
18位における部位飽和ライブラリーはオリグヌクレオチド:GTACAAAATCANNSCCTCCACAATGTCGTTGTTCTGATATGCGTTTAAATAGCTGTCATTCTGCATG(SEQ ID NO:330)、及び5’−CAGAATGACAGCTATTTAAACGCATATCAGAACAACGACATTGTGGAGGSNNTGATTTT(SEQ ID NO:331)のアリーニング及び得られたカセットをp2JMagk103−lnk2−BBI−AvsphのBsrGI及びSphIへ結合することにより構築した。
37位における部位飽和ライブラリーは、オリグヌクレオチド5’−TCGACGCAGAAACATGTCCAACCGTAAAGGTTATAGCAAGCACATGASNNGCATG (SEQ ID NO:332)及び5’−CNNSTCATGTGCTTGCTATAACCTTTACGGTTGGACATGTTTCTGCG(SEQ ID NO:333)のアニーリング及びp2JMagk103−lnk2−BBI−AvsphのSal及びSphI部位への得られたカセットの結合により構築した。
61位における部位飽和ライブラリーはオリグヌクレオチド5’−TCGACATCACTGACTTCTGCTATGAANNSTGTAAACCTTCTGAATAAA (SEQ ID NO:334)と2つのオリグヌクレオチド5’−TTCATAGCAGAAGTCAGTGATG(SEQ ID NO:335)、及び5’−AGCTTTTATTCAGAAGGTTTACA(SEQ ID NO:336)とのアニーリング及びp2JMagk103−lnk2−BBI−AvsphのSal及びSphI部位への得られたカセットの結合により構築した。
リゲート混合物をE.coliTOP10細胞(Invitrogen)を型質転換するために用いた。96個の形質転換体を選択して、DNA配列決定により、各クローン中存在するアミノ酸置換を決定した。各一部位アミノ酸置換から単離されたプラスミドをその後バチルススブチリス(B.subtilis)の形質転換に用いた。
部位指定変異誘発によるアミノ酸置換の生成
選択された部位のおけるアミノ酸置換を好適な制限部位を用いてp2JMagk103−lnk2−BBI−AVsphベクターのオリグヌクレオチド又はオリグヌクレオチドカセットに結合して構築した。置換、オリグヌクレオチド配列、及び制限部位を表2に示す。
個々のアミノ酸置換の二次スクリーニンング:マイクロタイタープレートにおける4つ組試験
各選択された部位について、個々のアミノ酸置換に対応してコロニーを選択した。5ppmクロラムフェニコールを含む5mlのLuriaブロス中で、BBI−WT、BBIt−AV 及びBBIt−AV−F50Tを対照として一緒に、これらのコロニーを育成した。各培地の150マイクロタイターアリコートを96ウェルマイクロタイタープレートに配列させて、4ウェルを各アミノ酸置換及び各対照に用いた。配列させたプレート中で育成した各培地をその後ピンレプリケーターを用いて1ウェル当り5μg/mlのクロラムフェニコールを含む150μlのMBD培地を含む2つ組みのフィルタープレート(Millipore、MSGV2210)への接種に用いた。このプレート中の培地を2−メルカプトエタノールの存在下及び含む存在下で育成し、前述のように解析した。BBIt−AV−F50Tは2−メルカプトエタノール等の還元剤で活性する前に未修飾BBIt−AV親株の初期BBIt−AV:BCE活性比に匹敵する活性を有するが、還元後は未修飾BBIt−AVよりも3倍以上のBBIt−AV:BCE活性比を有すると同定された修飾BBIt−AVである。
各部位について、BBI:BCE活性比を各ウェルについて決定して、4つ組み測定の平均値を計算した。個々のアミノ酸置換についての活性比を未修飾親BBIt−AV(SEQ ID NO:187),野生型BBI(SEQ ID NO:13)、及びBBIt−AV−F50Tと称する修飾BBIt−AVと比較した。
図11A及び11Bは50及び37位におけるそれぞれの置換についてsBBIについて決定されたものに対する2−メルカプトエタノール(BME)の存在下において決定されたBBI:BCE比の4つ組み測定の平均値を示す。
全体的に、このデータは前駆体BBIt−AVに等しいか又は大きいトリプシン抑制活性を有するBBIt−AVとなる親BBIt−AV分子の66個の位置/部位の16位においてなされたアミノ酸の一部位置換を示す(表3にデータをまとめる)。この一部位置換の全てについて、F50Rは最もよいBBIt−AV:BCE活性比となり、一方50位におけるいくつかの置換は前駆体未修飾BBIt−AV及び野生型トリプシンインヒビターよりも4倍より大きいBBIt−AV:BCE活性比を有する修飾変異 BBIt−AVを生成した(図11A及びB)。
これらのデータはBBI−AVにおける一部位置換がBBI−AVの活性に有意に効果的であることを示す。
実施例11
改善された精製生産量を有する修飾変異体の選択
この実施例において、開示された方法をトリプシン抑制活性を有し、対応する未修飾前駆体BBIt−AVよりも大きな生産量で生産される、アミノ酸置換を含む修飾BBIt−AVを同定するために用いる。
4つ組みプレートスクリーニングにおいてより大きなBBIt−AV:BCE活性を有することに基づいて選択された修飾BBI−AVをBCE:BBIt−AV融合タンパク質からBBIt−AVを切断する精製工程の間に用いる酸/熱処理に類似するように設計された振とうフラスコにおいて更に試験した。従って、未修飾BBIt−AVよりも大きなBBI:BCE活性を有し、酸/熱処理された修飾BBIt−AVを未修飾前駆体BBIt−AVよりも大量に生産することができる修飾BBIt−AVとした。
還元剤、例えば、2−メルカプトエタノール等での活性化のあと、より高いBBIt−AV:BCE活性比は、所与のアミノ酸置換が少なくとも正しく折り畳まれたトリプシン抑制ループを有する分子のフラクションが有意に高いことを示している。しかしながら、類似のBBItAV:BCE活性比を有する2つの異なるアミノ酸置換が、精製後に幾分異なる総生産性となった。例えば、V52L及びM27Aは同じ活性レベルであるが、M27Aは約40%酸/熱処理後に好適な生産性を示した。従って、「好適な活性体」として一次スクリーニングで選択された変異体を更により良い予測精製生産性を研究するための第二の基準により評価した。
振とうフラスコスクリーニング:精製生産性の試験
発現を高めるために、選択コロニーの遺伝子コピーを、成長速度がクロラムフェニコールを含まないLuriaアガープレート上での成長速度に同じにくらいになるまで、25μg/mlクロラクフェニコールを含むLuriaアガープレート今日で連続的に振とうしてコロニーを増幅させた。選択された変異体及びコロニーの培地を15mlのチューブで10時間まで、25μg/mlクロラムフェニコールを含むLuriaブロス3ml中で育成させた。これらの培地(30μL)を250mlのバッフルド振とうフラスコ中の30mlMBD培地に接種して。37℃、225rpmで60時間まで育成した。
最も良い生産性を示した変異体の選択について、培養ブロスを以下のように処理した。このブロスを0.25Mグリシン緩衝液(pH9.3)20mlと混合し、NaOHでpHを9.0に調整した。その後、2−メルカプトエタノールを希釈した培地に添加して、最終濃度を2mMにして、ゆるやかに振とうしながら室温で一晩インキュベーションした。BBIt−AV部分をその後融合タンパク質から酸/熱処理にとり切断した。この処理は第一に活性化されたブロスのpHをpH1.9乃至2.0に硫酸で調整し、振とうしながら60℃で16時間インキュベートして達せいすることができる。BBIt−AV融合タンパク質及びBCE触媒ドメインメインはpH2では可溶化しないが、遊離BBI種は可溶化する。切断反応の後、不溶性物質を遠心分離(5分、3,000 rpm)で除去し、上清を前述のようにトリプシン抑制活性を解析した。このBBI活性は開始物質についても決定し、活性跡のサンプルについても決定した。開始物質のBCE活性は前述のように決定した。BBIt−AV:BCE活性比をその後各工程ごとに計算した。最も高収率で生成され酸/熱処理された修飾BBIt−AVは更なる試験のために選択された。
酸/熱処理の後に有意に改善されたBBIt−AV生産性を示したアミノ酸置換位置は13、25、27、29、31、40、50、及び52であった。酸/熱処理後に改善された生産性を示した他の置換はD1C(活性化しない場合)、S4V、S5P、Q11G、S38N、及びS65Eであった。プライマーの予期せぬ複成により生成された追加的な変異体(4位における部位飽和ライブラリーの生成に用いたQuikChangeの反応の間)も酸/熱処理後により高いBBIt−AV活性を有していた。この変異体において、アミノ酸配列、DDEPSKPCCDPDP(SEQ ID NO:389)(4D13挿入と呼ぶ)をリンカーとBBIt−AV(SEQ ID NO:187)のN末端との間に挿入してSEQ ID NO:391におけるリンカーに融合した修飾BBIt−AVを生成した。
リンカーをイタリック体で示し、挿入を小文字で示し、SEQ ID NO:187に対応するBBIt−AVを太字で示した。4D13修飾BBIt−AVは:DDEPSKPCCDPDPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCFCVDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:390)。
SEQ ID NO:39の4D13−BBIt−AVをコードしている合成遺伝子はGGATCCAGATGACGAACCGAGCAAACCTTGCTGTGATCCAGACCCTGACGATGAGAGCTCTAAACCCTGTTGCGATCAATGCATTTGTACGAAATCAAATCCTCCACAGTGTCGGTGTTCCGATATGCGTCCGAATTCCTGTCATAGTGCCTGCAAAAGCTGCAAGTGTTATAACCTGTACGGGTGGACCTGTACATGCGCCGACATCACGGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCAAGCGAGTAAAAGCTT(SEQ ID NO:394)。
実施例12
変異の組み合わせ
この実施例において、平板培養スクリーニング又は振とうフラスコスクリーニングにおいて改善されたBBI:BCE活性比を有するBBIt−AVとなる一部位アミノ酸置換を組み合わせて一部位アミノ酸置換を有する修飾BBIt−AVよりも多いなBBIt−AV:BCE活性比及び/又は生産性を有する修飾BBIt−AVを生成した。
前述の実施例9及び10で説明した一次二次スクリーニングに続いて、A13I、F50T 及び V52Aのアミノ酸置換をそれぞれ含む修飾BBIt−AVを、対照に対して改善されたBBI:BCE活性比を有するものとして同定した。これたの3つの置換の最も好適な組み合わせを選択するためにライブラリーを構築した。このライブラリーは反応混合物中以下のプライマーを等モル濃度用いる前述のQuikChange(商標)変異誘発プロトコルにより行った。プライマー5’−CTGTTGCGATCAATGCATTTGTACGAAATC(SEQ ID NO:395)を用いてA131置換を生成した。プライマー5’−CTGTACGGGTGGACCTGTACATGCGYCGACATCACGGACTTC(SEQ ID NO:396)を用いてF50T 及び F50T−V52A置換を生成した。プライマー5’−GACCTGTTTTTGCGYCGACATCACGGAC(SEQ ID NO:397)を用いて反応混合物中のV52A置換を生成した。前述のように、マイクロタイタープレートにおいてコロニーを選択しスクリーニングした。
F50T及びV52A置換を含む修飾二部位修飾変異BBIt−AV(BBIt−AV−F50T−V52A; SEQ ID NO:595)を得た。ポリヌクレオチド配列はSEQ ID NO:398である:
BBIt−AV−F50T−V52A
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCCTGTTGCGATCAATGCGCATGTACGAAATCAAATCCTCCACAGTGTCGGTGTTCCGATATGCGTCTGAATTCCTGTCATAGTGCCTGCAAAAGCTGCGCATGTTATAACCTGTACGGGTGGACCTGTACATGCGCCGACATCACGGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCAAGCGAGTAAAAGCTT(SEQ ID NO:398)
DPDDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:595)。
3つ、4つ、及び5つのアミノ酸置換を含む修飾BBIt−AVの生成
前述の実施例9及び10に記載のスクリーニングにおいて同定されたA13I、S25L、L29P 及び A40K生成可能な置換の組み合わせをBBIt−AV−F50T−V52A二部位変異体中に作成した。これらの置換はp2JMagk103lnk2BBIt−AVベクターのBamHI 及び HindIII部位へクローンした合成遺伝子を用いて組み合わせた。これらの置換の組み合わせを含む修飾BBIt−AVの対応するアミノ酸配列をコードしているポリヌクレオチド配列を以下に示す。
6つ及び7つのアミノ酸置換を含む修飾BBIt−AVの生成
SEQ ID NO:404のポリヌクレオチドによりコードされる5部位変異体(BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A)中に4D13挿入、一部位アミノ酸置換D1C、S4V、S5P、Q11G、I13L、S25R、M27R、P29K、S31A、S31R、S38N、T50K、A52T、S65E、及びS25R−S31R、及びS25R−S31の2つのアミノ酸置換を含む変異体を生成した。
以下のオリゴヌクレオチドを用いてBamHI及びSacI制限部位を有するオリグヌクレオチドカセットで、BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:404)の発現のために4D13ペプチドをp2JM103ベースベクターに挿入した:
5’−GATCCAGATGACGAACCGAGCAAACCTTGCTGTGATCCAGACCCTGACGATGAGAGCT(SEQ ID NO:392)及び5’−CTCATCGTCAGGGTCTGGATCACAGCAAGGTTTGCTCGGTTCGTCATCTG
(SEQ ID NO:393)
BBIt−AV−4D13挿入−A13I−L29P−A40K−F50T−V52Aのアミノ酸配列は:
DPDDEPSKPCCDPDPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCKCYNLYGWTCTCADITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:413)
他の変異体はp2JM103−lnk2のBamHI及びHindIII部位に合成遺伝子をクローニングして生成した。各合成遺伝子のポリヌクレオチド配列及び得られた修飾変異BBIt−AVの修飾アミノ酸配列を表4に示す。
修飾変異BBIt−AVのBBI:BCE比は前述のように決定され、各修飾変異 BBIt−AVの生産性を計算した。修飾BBIt−AVs BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−S31R−A40K−F50T−V52A (SEQ ID NO:618)、BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−S31A−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:617)、BBIt−AV−A13I−S25R−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:616)、BBIt−AV−A13I−L29P−S31R−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:622)は、5部位変異体BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:601)よりも好適な生産性を示した。一方、BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50K−V52A (SEQ ID NO:624)、BBIt−AV−A13L−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:615)及びBBIt−AV−4D13挿入−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:413)はBBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:601)よりも好適な生産性を示した。修飾BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A−S65E(SEQ ID NO:626)、及びBBIt−AV−A13I−L29P−S38N−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:623)はBBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52(SEQ ID NO:624)、BBIt−AV−A13I−M27R−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:619)、BBIt−AV−A13I−L29P−S31A−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:621)、及びBBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52T(SEQ ID NO:625)と同程度か幾分少ない生産性を示した。一方、BBIt−AV−S4V−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:612)、BBIt−AV−Q11G−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:614)、BBIt−AV−A13I−L29K−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:620)、及びBBIt−AV−S5P−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:611)は全て酸/熱処理の後BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:601)より有意に低い生産性を示した。活性化を行わないBBIt−AV−D1C−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:611)の生産性はBBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:601)よりも大いに低かった。しかしながら、活性化しない場合の酸/熱処理後のBBIt−AV−D1C−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:611)の生産性は活性化したBBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:601)の2倍より高かったが、活性化しないBBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A(SEQ ID NO:601)と同程度であった。従って、活性化しないで高い生産性を有する置換は存在しなかった。
8つのアミノ酸置換を含む修飾BBIt−AV(八部位変異体)の生成
5部位修飾BBI−AVの試験い続いて、8つの置換部位を含む追加的に修飾BBI(8部位変異体)を生成した。8部位変異体の活性及び精製生産性を前述のように決定した。8部位変異体BBIt−AVの構築は表5に示す合成遺伝子を用いて前述のように行った。
振とうフラスコスクリーニングで選択された最も好適な8部位変異体をかならず前述のように、しかし以下の変更を加えて精製工程において試験した。1)育成の後、培地をCHES緩衝液の代わりにグリシン緩衝液(125mM最終濃度及びpHを9.0に調整)を用いた。2)サンプルを2mM2−メルカプトエタノールのみで活性化した(硫酸ナトリウムを用いない)。3)酸で沈殿する融合タンパク質を125mNグリシン100mlに懸濁させた(40mMグリシン350mlのかわりに)。4)酸/熱処理後に収集されたペレットを10mlの水で洗浄し、ろ過した。即ち「洗浄ペレット」ろ過物をもとのろ過物と組み合わせた。最終的なろ過物を収集して、前述のようにGlu−BLで処理した。
結果は、8部位変異BBIt−AV分子QQ8(SEQ ID NO:628)及びKT8(SEQ ID NO:627)が5部位変異BBIt−AV−A13I−L29P−A40K−F50T−V52A変異体(SEQ ID NO:601)よりも大きな精製生産性を示した。修飾8部位変異体BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31A−A40H−F50R−V52L(RL8;SEQ ID NO:630)、BBIt−AV−A13I−S25K−M27A−L29R−S31E−A40K−F50Q−V52Q(QQ8;SEQ ID NO:628)及びBBIt−AV−A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−A40H−F50K−V52T(KT8;SEQ ID NO:627)は野生型sBBI分子/タンパク質よりも好適な生産性を示した(図13)。
実施例13
FGF5又はTGFβ結合ペプチドを運ぶBBI骨格の改善された生産
この実施例において、改善されたトリプシン抑制活性及び/又は精製生産量を有する修飾変異BBIt−AVとなる同じアミノ酸置換をキモトリプシンループをFGF−5μTGFβ1結合ペプチドのいずれかで置換して変異BBI骨格の改善されたトリプシン抑制活性及び/又は精製生産性について試験した。
変異体及び修飾BBI−FGF−5タンパク質の精製
A13I−L29P−F50T−V52A(全て40位で位置合わせ)の置換の組み合わせ、及びキモトリプシンループ中に置換したFGF−5結合ペプチドMM007:RTQPYPL(SEQ ID NO:670)又はFGF−5結合ペプチドFGFps2:TWIDSTP(SEQ ID NO:671)のいずれかを含む修飾変異BBIt−FGF−5プロテアーゼインヒビターをベクターp2JMagk103−lnk2−BBIt−AVのBamHI及びHindIII部位へ合成遺伝子を結合することにより構築した。得られた修飾変異MM007−Q−BBIt−FGF−5(SEQ ID NO:432;SEQ ID NO:433)、及び修飾変異FGFps2−Q−BBIt−FGF−5(SEQ ID NO:434 SEQ ID NO:435)をコードする合成遺伝子のアミノ酸配列及びDNA配列を以下に示す:
MM007−Q−BBIt−FGF−5合成遺伝子
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATTTGTACTAAATCAAATCCTCCACAATGTCGTTGTTCTGATATGCGTCCTAATAGCTGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCCGTACTCAACCATACCCTCTTTGTACATGCGCAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCATCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:433)
MM007−Q−BBIt−FGF−5タンパク質
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCACRTQPYPLCTCADITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:432)
FGFps2−Q−BBIt−FGF−5
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATTTGTACTAAATCAAATCCTCCACAATGTCGTTGTTCTGATATGCGTCCTAATAGCTGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCACTTGGATTGATTCAACACCATGTACATGCGCAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCATCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:435)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCACTWIDSTPCTCADITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:434)
変異体及び修飾BBI−TGFβタンパク質の精製
SEQ ID NO:187のBBIt−AVのキモトリプシンループを、TGFβ1結合ペプチドPEN3:CLCPENINVLPCN(SEQ ID NO:436)、TGFβ1結合ペプチドMM021W:CICKHNVDWLCF(SEQ ID NO:437)、又はTGFβ1結合ペプチドWTQ:CICWTQHIHNCF(SEQ ID NO:438)に置換して、以下のように実施例2において説明した変異BBPIを生成した。
オリグヌクレオチドペアを用いてカセットを作成し、TGFβ1結合ペプチド、PEN3、MM021W又はWTQでp2JM103−lnk2−2BBI−FGFhl発現ベクターによりコードされるキモトリプシン反応部位ループ中のFGFhl結合ペプチドを置換した。p2JM103−lnk2−2BBI−FGFhlをプライマー(SEQ ID NO:91及びSEQ ID NO:92)と実施例2で説明したQuikChange(商標)法を用いて構築した。TGFβ結合カセットをベクターp2JM103lnk2−2BBI−FGFhl中のSphI及びSalI反応部位へ結合して、変異BBI分子PEN3−BBIt−TGFβ、MM021W−BBIt−TGFβ、及びWTQ−BBIt−TGFβをそれぞれ構築した。カセットの構築に用いたオリグヌクレオチドのDNA配列を以下に示す:
PEN3(2ndループ)
CAAAAGCTGTCTTTGTCCTGAAAATATTAACGTTCTTCCTTGTAACTGCG(SEQ ID NO:439)
及び
TCGACGCAGTTACAAGGAAGAACGTTAATATTTTCAGGACAAAGACAGCTTTTGCATG(SEQ ID NO:440)
MM021W(2ndループ)
CAAATCATGCATTTGTAAACACAACGTAGATTGGTTATGTTTTTGCG(SEQ ID NO:129)
及び
TCGACGCAAAAACATAACCAATCTACGTTGTGTTTACAAATGCATGATTTGCATG(SEQ ID NO:130)
WTQ(2ndループ)
CAAATCATGCATTTGTTGGACACAACATATCCACAACTGTTTTTGCG(SEQ ID NO:441)
及び
TCGACGCAAAAACAGTTGTGGATATGTTGTGTCCAACAAATGCATGATTTGCATG(SEQ ID NO:442)
更に、A13I−L29P−V52Aの置換組合せ及びキモトリプシンループの代わりにTGFβ1結合ペプチドPEN3−Q:CPENINVLPC(SEQ ID NO:672)、MM021W−Q:CKHNVDWLC(SEQ ID NO:673)又はWTQ−Q:CWTQHIHNC(SEQ ID NO:674)を含むを含む修飾変異BBPI−TGFβ1変異体(全て40位にアラニンを含み50位にスレオニンを含む)はベクターp2JMagk103−lnk2−BBIt−AVのBamHI及びHindIII部位へ合成遺伝子を結合することにより構築された。得られた修飾変異PEN3−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:443;SEQ ID NO:444)、修飾変異MM021W−BBI−TGFβ1(SEQ ID NO:445;SEQ ID NO:446)、及び修飾変異WTQ−BBI−TGFβ1(SEQ ID NO:447;SEQ ID NO:448)をコードしている合成遺伝子のアミノ酸配列及びDNA配列を以下に示す:
PEN3−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:443)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCACPENINVLPCTCADITDFCYEPCKPSE
PEN3−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:444)
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATTTGTACTAAATCAAATCCTCCACAATGTCGTTGTTCTGATATGCGTCCTAATAGCTGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCCCAGAAAACATCAACGTTCTTCCTTGTACATGCGCAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCATCTGAATAAAAGCTT
MM021W−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:445)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCACKHNVDWLCTCADITDFCYEPCKPSE
MM021W−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:446)
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATTTGTACTAAATCAAATCCTCCACAATGTCGTTGTTCTGATATGCGTCCTAATAGCTGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCAAACATAACGTTGATTGGCTTTGTACATGCGCAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCATCTGAATAAAAGCTT
WTQ−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:447)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCSDMRPNSCHSACKSCACKHNVDWLCTCADITDFCYEPCKPSE
WTQ−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:448)
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATTTGTACTAAATCAAATCCTCCACAATGTCGTTGTTCTGATATGCGTCCTAATAGCTGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCTGGACACAACATATCCACAACTGTACATGCGCAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCATCTGAATAAAAGCTT
FGF−5又はTGFβ結合ペプチドを含む変異体及び修飾変異BBIsを含む10個のベクターを用いてバチルススブチリス(B.subtilis)BG6006宿主細胞を構築された。この形質転換体を育成し、宿主細胞びより生成された遺伝的に修飾BBIを前述のようにトリプシン抑制活性及び生産性について試験した。
図14は育成後、2―メルカプトエタノールでの活性後、及び/又は酸熱処理後に測定された、未修飾変異親MM007−PT−BBIt−FGF−5(SEQ ID NO:678):
(DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACRTQPYPLCFCVDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:678)、未修飾変異親FGFps2−PT−BBIt−FGF5(SEQ ID NO:679):
(DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACTWIDSTPCFCVDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:679)、未修飾変異親PEN3−PT−BBIt−TGFβ(SEQ ID NO:680):
(DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACPENINVLPCFCVDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:680)、未修飾変異親WTQ−PT−TGFβ(SEQ ID NO:681):
(DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCACWTQHIHNCFCFCVDITDFCYEPCKPSE;SEQIDNO:681)、未修飾変異親MM0021W−PT−TGFβ(SEQ ID NO:682):
(DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCAC KHNVDWL CFCVDITDFCYEPCKPSE;SEQ ID NO:682)(図14におけるPT)、修飾変異FGFps2−Q−BBIt−FGF5(SEQ ID NO:434),修飾変異PEN3−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:443),修飾変異WTQ−Q−BBIt−TGFβ1(SEQ ID NO:445)、及び修飾変異MM0021W−Q−BBIt−TGFβ1 (SEQ ID NO:447)タンパク質(図14におけるQ)のトリプシン抑制活性を示す。
このデータはGF−5又はTGFβ1結合ペプチドを運ぶBBIt骨格が存在するときアミノ酸13I−29P−40A−50T−52Aの組合せが、この結合ペプチドを運ぶ対応する親BBI骨格と比較して、育成及び活性後のトリプシン抑制活性を改善し、酸/熱処理後の生産性を改善したことを示している。
キモトリプシンループがFGF−5結合ペプチド及びTGFβ1結合ペプチド等の他の結合ペプチドで置換されたキモトリプシンループを有する同じ置換体も改善されたトリプシン抑制活性を示していることから、このデータはキモトリプシンループをVEGF 結合ペプチドで修飾した変異BBIのトリプシン抑制活性及び/又は生産性の改善を示した置換がBBI−AVに特異ではないことも示された。それ故、BBIt−AVの生産性及び/又はトリプシン抑制活性を高めるBBI骨格においてなされたこのアミノ酸置換は他の結合ペプチドを運ぶBBI骨格に一般的に利用可能である。
実施例14
ボウマンブリックインヒビター骨格の性能
この実施例において、変異ボウマンブリックインヒビター例えば、BBIt−AV(SEQ ID NO:187)を、Dolichos biflorus(BBdb、Acc.No.AAK97765;SEQ ID NO:449)
PSESSKPCCDQCACTKSIPPQCRCTDVRLNSCHSACSSCVCTFSIPAQCVCVDMKDFCYEPCK(SEQ ID NO:449)、Glycine max(soybean)プロテアーゼインヒビターIV又はD−II(BBsb3、Acc.No.P01064;SEQ ID NO:450)
DDEYSKPCCDLCMCTRSMPPQCSCEDIRLNSCHSDCKSCMCTRSQPGQCRCLDT NDFCYKPCKSRDD(SEQ ID NO:450)、及びトレセアセアレンシス(Torresea(Amburana)cearensis)(BBtc、Acc.No.P83283;SEQ ID NO:451)
SSKWEACCDRCACTKSIPPQCHCADIRLNSCHSACESCACTHSIPAQCRCFDITDFCYKPCSG(SEQ ID NO:451)由来のボウマンブリックインヒビター配列全域にわたって保存されていない配列をBBIt−A骨格へ置換することにより試験した。
変異ボウマンブリックインヒビターをDolichos biflorus(BBdb、Acc.No.AAK97765;SEQ ID NO:449)由来ボウマンブリックインヒビターの第二プロテアーゼ抑制ループ、Glycine max(soybean)プロテアーゼインヒビターIV又はD−II(BBsb3、Acc.No.P01064;SEQ ID NO:450)由来のボウマンブリックインヒビターの第二プロテアーゼ抑制ループ、及びVEGF結合ペプチドCK37281(ACYNLYGWTC;SEQ ID NO:9)を有するTorresea(Amburana)cearensis(BBtc、Acc.No.P83283;SEQ ID NO:451)で置換して、対応する変異BBdb−AV(SEQ ID NO:452)、BBsb3−AV(SEQ ID NO:453)、及びBBtc−AV(SEQ ID NO:454)を生成した。
この配列を図15に示すように整列させ、SEQ ID NO:187(BBIt−AV)のBBPIの11、13、18、23、25、27、35、37、52、54、及び55位に等しい位置のアミノ酸を4つのインヒビター全体に渡り保存されてないものとして同定し、BBIt−AV骨格の修飾のために選択した。
BBdb−AV(SEQ ID NO:455)及びBBsb3−AV(SEQ ID NO:456)をコードしている合成遺伝子をp2JMagk103−lnk2−BBIt−AVへBamHI−HindIIIフラグメントとして結合させた。BBtc−AV遺伝子のクローニングのために、この遺伝子を初めにBfrIで消化し、オーバーハングをT4DNAポリメーラーゼ及びdNTP’で埋めて、DNAを精製し、BamHIで消化した。このフラグメントをHindIIで消化されたp2JMagk103−lnk2−BBIt−AVベクター、T4DNAポリメーラーゼ及びdNTPで埋められたオーバーハングに結合して、DNAを精製して、BamHIで消化した。このDNA配列及び変異タンパク質幾つかのPIの対応するアミノ酸配列を以下に示す:
BBdb−AV
GGATCCTTCTGAGAGCTCTAAACCATGCTGTGATCAATGCGCTTGTACAAAATCTATCCCTCCACAATGCCGTTGCACTGATGTTCGTCTTAACTCATGTCACTCTGCATGCAGCTCATGCGCTTGTTACAACCTTTACGGTTGGACATGCGTTTGCGTCGACATGAAAGATTTCTGCTACGAACCTTGTAAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:455)
BBdb−AV(SEQ ID NO:452)
DPSESSKPCCDQCACTKSIPPQCRCTDVRLNSCHSACSSCACYNLYGWTCVCVDMKDFCYEPCK
BBsb3−AV
GGATCCAGATGACGAATACTCTAAACCTTGCTGTGATCTTTGCATGTGTACACGTTCTATGCCACCTCAATGCTCATGTGAAGACATCCGCCTTAACTCTTGCCACTCAGATTGCAAAAGCTGCGCTTGTTACAACCTTTACGGTTGGACATGCCGTTGTTTAGATACTAACGATTTCTGCTACAAACCTTGCAAATCTCGTGATGATTAAAAGCTT(SEQ ID NO:456)
BBsb3−AVAA(SEQ ID NO:453)
DPDDEYSKPCCDLCMCTRSMPPQCSCEDIRLNSCHSDCKSCACYNLYGWTCRCLDTNDFCYKPCKSRDD
BBtc−AV
GGATCCTTCTTCAAAATGGGAAGCTTGCTGTGATCGTTGCGCATGCACAAAATCTATCCCTCCACAATGCCACTGCGCTGATATCCGTCTTAACTCATGCCATTCTGCATGCGAAAGCTGCGCTTGTTACAACCTTTACGGTTGGACATGCCGTTGCTTCGATATCACTGATTTCTGTTACAAACCTTGCTCTGGCTAAAAGCTTAAAAGGAGACCGTTAATCTAAAATCATTATTTGAGGCCCGAGCTTAAAGCTTAAG(SEQ ID NO:457)
BBtc−AVAA(SEQ ID NO:454)
DPSSKWEACCDRCACTKSIPPQCHCADIRLNSCHSACESCACYNLYGWTCRCFDITDFCYKPCSG
変異インヒビター配列を含むこれらの発現ベクターをB.subtilis宿主細胞BG6006の形質転換に用いた。
通常、第一ジスルフィド結合(C8乃至C62)の外側のN末端及びC末端における置換はトリプシンインヒビター活性及び/又は精製生産性にあまり影響しない。したがって、C8及びC62の間の位置を研究のターゲットとした。この実験においてターゲットとされた置換を図15に示す(太字及び下線)。
実施例8及び10に記載のようにBBIt−AV(SEQ ID NO:187)における11、13、18、23、25、27、35、37、50、52、54、55、及び 60の位置における個々のアミノ酸置換体を構築した。これらの置換を実施例9及び10に記載のようにマイクロタイタープレートにおいてスクリーニングし、結果を以下の表6にまとめた。
アミノ酸置換の効果が追加されたと過程すると、表6において追加されたデータは変異BBItc−AVはBBIt−AVよりも有意に機能し、BBIsb3−AVはBBIt−AVよりも悪い結果となることが予測できた。更に、当業者は還元剤での活性化の観点からBBIdb−AVはBBIt−AVよりも幾分このまし事を予測できるだろう。
これらの予測試験のために、BBIdb−AV、BBIsb3−AV及びBBItc−AVのトリプシン活性及び精製生産性を実施例11において説明した振とうフラスコスクリーニングを用いて試験し、それらの活性を未修飾変異BBIt−AVと比較した。
図16に示されたデーターは説明したように、BBItc−AVは最も高いトリプシン抑制アミノ酸配列活性を活性後に有し、BBIdb−AV抑制活性もBBIt−AVインヒビターより高かったが、BBItc−AVインヒビターよりは低かった。更に、予測されたように、BBIsb3−AVは非常に低いトリプシン抑制活性をゆうし、還元剤で活性にならなかった(図16に示すように抑制活性が非常に低い)。更に、BBItc−AV及びBBIdb−AVが活性化後にBBIt−AVよりも給い抑制活性を有するだけでなく、酸/熱処理後にもより高い活性を有しており、このことは改善された精製生産性を有することを示している。
それ故、この結果はBBIt−AVにおける1つのアミノ酸置換を試験したときに得られた結果が第二プロテアーゼ抑制ループを置換する結合ペプチドを有する骨格そして用いたときの他のボウマンブリックインヒビターの性能を予測することに用いることができることを示している。
実施例15
修飾変異BBIの標的タンパク質への結合
この実施例において、変異ペプチドを修飾ボウマンブリクインヒビターへグラフトしてキモトリプシンループを置換した、変異ポリペプチドの対応する標的タンパク質へ結合する能力を試験した。
BBIへの発現ベクターの構築は実施例1に記載しており、キモトリプシンループ配列の位置にVEGF−結合ペプチドCK37281(SEQ ID NO:9)、FGF−5−結合ペプチドMM007(SEQ ID NO:430)又はFGF−5−結合ペプチドFGF5ps2(SEQ ID NO:431)を含む変異BBIのためのベクターの構築は実施例13に記載した。各種アミノ酸置換の組み合わせを有する修飾変異BBIt−AVをコードしている発現ベクターの構築する方法は実施例13に記載した。
VegK(KYYLYWW;SEQ ID NO:458)、VegT(TLWKSYW;SEQ ID NO:459)及びVegKD(KYDLYWW;SEQ ID NO:460)という名称のVEGF−結合ペプチドをオリゴヌクレオチドカセットをp2JM103−lnk2−2BBIck81のSphI及びSalI部位へ結合することにより、キモトリプシン抑制ループへ導入した。修飾変異VEGK及びVEGTBBPIの生成に用いたオリゴヌクレオチドを以下に示す:
VegK:
CAAATCTTGCGCATGTAAATATTACCTTTACTGGTGGTGTTTTTGCG(SEQ ID NO:461)
及び
TCGACGCAAAAACACCACCAGTAAAGGTAATATTTACATGCGCAAGATTTGCATG(SEQ ID NO:462)
BBIT−VEGK
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKYYLYWWCKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:640)
VegT:
CAAATCTTGCGCGTGCACACTTTGGAAATCTTACTGGTGTTTTTGCG(SEQ ID NO:463)
及び
TCGACGCAAAAACACCAGTAAGATTTCCAAAGTGTGCACGCGCAAGATTTGCATG(SEQ ID NO:464)
BBIt−VEGT
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACTLWKSYW CKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:641)
VegKD:
CAAATCTTGCATCTGTAAATATGATCTTTACTGGTGGTGTTTTTGCG(SEQ ID NO:465)
及び
TCGACGCAAAAACACCACCAGTAAAGATCATATTTACAGATGCAAGATTTGCATG(SEQ ID NO:466)
VegKDの称されるVEGF−結合ペプチドを合成遺伝子(VegKD−Q)をp2JMagk103−lnk2−2BBIck81のthe BamHI及びHindIII部位へ結合して変異BBI−A13I−S25K−L29P−V52Kへ導入した。合成遺伝子の配列及びコードされるBBPIを以下に示す:
VegKD−Q:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAAAGATATGCGTCCTAATAGCTGTCATTCTGCATGCAAATCATGTATCTGCAAATATGACCTTTACTGGTGGTGTTTCTGCAAAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:467)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKYDLYWWCKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:642)
VEGF−結合ペプチドV1(SKHSQIT;SEQ ID NO:468)、V2(KTNPSGS;SEQ ID NO:469)、V3(RPTGHSL;SEQ ID NO:470)、V4(KHSAKAE;SEQ ID NO:471)、V5(KPSSASS;SEQ ID NO:472)及びV6(PVTKRVH;SEQ ID NO:473),及びTGFβ―k都合ペプチドT1(RYWQDIP;SEQ ID NO:474)、T2(APEPILA;SEQ ID NO:475)及びT3(DMIMVSI;SEQ ID NO:476)をp2JMagk103−lnk2−2BBIck81のBamHI及びHindIII部位へ合成遺伝子を結合することによりアミノ酸置換A13I−S25R−M27A−L29P−S31A−I40A−F50K−V52Tを含む修飾BBItのキモトリプシン抑制ループへ導入した。合成遺伝子のDNA配列及び得られた修飾BBIを以下に示す:
BBIt−AV−V1:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCAGCAAACACTCTCAAATTACTTGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:477)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACSKHSQITCKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:491)
BBIt−AV−V2:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCAAAACAAACCCAAGCGGTTCTTGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:478)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKTNPSGSCKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:632)
BBIt−AV−V3:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCAGACCAACTGGTCACAGCCTTTGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:479)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACRPTGHSLCKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:633)
BBIt−AV−V4:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCAAACACAGCGCTAAAGCAGAATGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:480)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKHSAKAECKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:634)
BBIt−AV−V5:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCAAACCAAGCTCTGCTTCATCTTGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:481)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACKPSSASSCKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:635)
BBIt−AV−V6:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCCCAGTTACTAAAAGAGTACACTGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:482)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACPVTKRVHCKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:636)
BBIt−TNF−T1:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCAGATACTGGCAAGATATTCCATGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ DINO:483)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACRYWQDIPCKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:637)
BBIt−TNF−T2:
GGATCCAGACGATGAGAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCGCACCAGAACCTATTCTTGCTTGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:484)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACAPEPILACKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:638)
BBIt−TNF−T3:
GGATCCAGACGATGAGαAGCTCTAAACCTTGTTGCGATCAATGCATCTGTACAAAATCAAACCCTCCACAATGTCGTTGTAGAGATGCTCGTCCTAATGCATGTCATTCTGCATGCAAATCATGTGCTTGCGATATGATTATGGTTAGCATCTGTAAATGCACAGACATCACTGACTTCTGCTATGAACCATGTAAACCTTCTGAATAAAAGCTT(SEQ ID NO:485)
DPDDESSKPCCDQCICTKSNPPQCRCRDARPNACHSACKSCACDMIMVSICKCTDITDFCYEPCKPSE(SEQ ID NO:639)
得られたベクターをB.subtilisBG6006宿主細胞の形質転換に用いた。培養物を500mlのMBD培地で育成し、BBI種を前述及びVogtentanz et al.、2007(Protein Expr Purif 55:40−52[2007])に記載のように精製した。BioVeris結合アッセイを実施例5及び取り扱い説明書に従い行った。修飾変異BBIのそれぞれの標的タンパク質への結合をBioVeris(商標)結合アッセイを用いて測定した。この結合アッセイはラベルされた競合体の存在下、不存在下で修飾変異BBIのその標的タンパク質(例えば、VEGF、FGF5、TGFβ及びTNFα)への結合を測定する競合アッセイである。この競合体は標的タンパク質に対しするモノクローナル抗体又は標的タンパク質のラベルされた天然レセプターで標識することができる。この電子化学蛍光結合アッセイは実施例5に記載のように行った。明らかなIC50を、BioVerisシグナルを1/2にまで減らすのに必要なBBI種の濃度を決定することにより結合データから決定した。キモトリプシンループ中に標的へ都合ペプチドを含まないBBI骨格を負の対照として用いた。結果を以下の表7に示す。
このデータは異なる結合ペプチドで置換されたキモトリプシンループを有し、更に少なくとも1つのアミノ酸置換を骨格に含む修飾変異BBPIが、具体的にそれらの標的タンパク質、少なくともVEGFに結合することを示している。同様に、キモトリプシンループが例えば、FGF−5、TGFβ及びTNFα等の他の変異体で置換されている修飾変異BBPIも具合的にそれらの対応する標的タンパク質、即ち、FGF、TGF及びTNFに結合する。更に、キモトリプシンループが変異ペプチド、例えば、VEGF変異体で置換されている他のBBPI骨格、即ち、BBtc、BBsb3、及びBBdbも具体的にVEGF標的タンパク質に結合することができる。
結局、こえらのデータは少なくとも1つのアミノ酸置換を有し、キモトリプシンループの位置に異なる変異ペプチドを有する修飾変異BBPI骨格は遊離(グラフトされていない)結合ペプチドにより結合される標的タンパク質への結合能力を有していることを示した。したがって、このデータは、対応する標的タンパク質に結合することが示された異なる結合ペプチド配列は修飾BBPIのキモトリプシン抑制ループの置換に用いることができ、同属の標的タンパク質に結合可能であることを示した。
実施例16
BBI中のT−細胞エピトープの同定
WO9953038A2 and Stickler et al、2000 (J.Immunotherapy、23(6)、654−660、[2000])に記載のようにナイーブヒトTzaibouを用いて野生型BBPIにおけるTさいぼうエピトープの同定をi−mune(商標)アッセイで行った。このアッセイに用いたペプチドは野生型BBIアミノ酸配列DDESSKPCCDQCACTKSNPPQCRCSDMRLNSCHSACKSCICALSYPAQCFCVDITDFCYEPCKPSEDDKEN (SEQ ID NO:13)に基づいている。BBIの完全長アミノ酸配列あから15merペプチドをMimotopes US West(San Diego、CA).により合成した。各15merペプチド配列を3つの残基以外の前及び後の15merと重複するように設計した。野生型配列に対応したT細胞エピトープのスクリーニングに用いた20ペプチドを以下に示す:
P1 DDESSKPCCDQCACT(P1;SEQ ID NO:649)
P2 SSKPCCDQCACTKSN(P2;SEQ ID NO:650)
P3 PCCDQCACTKSNPPQ(P3;SEQ ID NO:651)
P4 DQCACTKSNPPQCRC(P4;SEQ ID NO:652)
P5 ACTKSNPPQCRCSDM(P5;SEQ ID NO:653)
P6 KSNPPQCRCSDMRLN(P6;SEQ ID NO:654)
P7 PPQCRCSDMRLNSCH(P7;SEQ ID NO:655)
P8 CRCSDMRLNSCHSAC(P8;SEQ ID NO:656)
P9 SDMRLNSCHSACKSC(P9;SEQ ID NO:657)
P10 RLNSCHSACKSCICA(P10;SEQ ID NO:658)
P11 SCHSACKSCICALSY(P11;SEQ ID NO:659)
P12 SACKSCICALSYPAQ(P12;SEQ ID NO:660)
P13 KSCICALSYPAQCFC(P13;SEQ ID NO:661)
P14 ICALSYPAQCFCVDI(P14;SEQ ID NO:662)
P15 LSYPAQCFCVDITDF(P15;SEQ ID NO:663)
P16 PAQCFCVDITDFCYE(P16;SEQ ID NO:664)
P17 CFCVDITDFCYEPCK(P17;SEQ ID NO:665)
P18 VDITDFCYEPCKPSE(P18;SEQ ID NO:666)
P19 TDFCYEPCKPSEDDK(P19;SEQ ID NO:667)
P20 FCYEPCKPSEDDKEN(20;SEQ ID NO:668)
簡単に説明すると、FigureYに示すCD4+T細胞を樹状細胞及びインタクトペプチドセットのためのペプチドと一緒に培養した。サイトカイン反応をStrickler et al、2000に記載のように各実験において平均化してペプチドに対する反応を、刺激指標(SI)が2.95より高い場合は陽性として表にした(図18)。各ドナーについてのSI値は各ペプチドセットについて当てはめて、各ペプチドに対して反応するドナーのパーセンテージを図18Bに示した。このパーゼントバックグラウンド反応は2.89%であり、このセットにおける全てのペプチドに対しする平均パーセント反応性を決定した。このデータセットの標準偏差は2.21%であった。バックグラウンドよりも3倍より高い反応性パーセンテージを有するものを主要なエピトープとした。図18A及び18Bに示したデータに基づき、低いバックグラウンド反応速度を有する曝されてないドナー集団に対する統計的方法に基づいて、どのペプチド反応も有意な差をしめさなかった。
それ故、これらのデータは野生型BBI分子はヒトにおいて免疫原性が低いと考えられる。
実施例17 パーソナルケア組成物
この実施例において、本発明の修飾変異BBPIのいずれかを含む各種パーソナルケア組成物を以下のように提供する。他に定義しない限り、含量のパーセンテージは組成物の総重量に基づいて提供される。以下の製剤において、他で定義しない限り、BBI−AV(「本発明の化合物」と記載する)は、0.01%乃至1.0%の範囲で含まれる。幾つかの製剤において、好適な濃度は0.1%乃至0.2%である。他の製剤において、好適な濃度は、0.05%乃至0.1%である(例えば、いくつかのヘア成長抑制剤の態様において);0.02%乃至0.1%(スキンライトニンング組成物);0.5%乃至1.0%(例えば、いくつかのスキンライトニング組成物)又は0.1%以上(例えば、酒さ治療用組成物)である。当業者は、各製品に好適なBBI−AVの濃度を決定する方法を知っている。以下に提供するいくつかの組成物において、「本発明の化合物」の含量を「SA」と表示する。この表示は、上で説明したように、以下で示す製剤は好適な濃度のBBI−AVを含んでいる、又は特定の製剤に好適濃度のBBI−AVを含んでいるということを示すものである。
更なる態様において、本発明は少なくとも1つの無機顔料を含む。幾つかの好適な態様において、これらの無機顔料は金属酸化物及び/又は水にわずかしか溶けない又は不溶性の金属化合物である。例としては、酸化亜鉛(ZnO)、チタニウム(TiO2)、鉄(例えば、Fe2O3)、ジルコニウム(ZrO2)、シリカ(SiO2)、マンガン(例えば、MnO)、アルミニウム(Al2O3)、ロウ(例えば、Ce2O3)、及びこれらの酸化物の混合物、並びにこれらのブレンドを含む。幾つかの態様において、金属酸化物はマイクロファイングレード(microfine grade)である。一方他の態様では、前記金属酸化物は顔料グレード(pigment grade)である。更なる態様において、これらの金属酸化物は、マイクロファイン及びピグメントグレードの混合物である。
追加的な態様において、これらの無機顔料はコートされている(即ち、それらは表面処理されている)。幾つかの好適な態様において、その表面は薄い疎水性フィルムでコートされている。幾つかの他の好適な態様において、これらの表面は薄い疎水性フィルムでコートされている。更なる態様において、本発明は各種メイクアップ組成物及びメイクアップ成分を提供する。例えば、幾つかの態様において、本発明は各種ダイ及び/又は顔料を提供する。幾つかの態様において、有用な顔料は二酸化チタン、マイカ、酸化鉄(例えば、Fe2O3、Fe3O4、FeO(OH)等)及び/又は酸化ズスを含むがこれらに限定されない。着色剤及び顔料の最も好適な態様は当業者に知られている(例えば、Colour Index Nummern(CIN)、Rowe Colour Index、3rd ed.、Society of Dyers and Colourists、Bradford、England[1971]参照)。
追加的な態様において、マイカ/酸化金属に基づく真珠光沢を有する顔料も用いることができる。しかしながら、他の真珠光沢を有する顔料も本発明の各種態様に用いることができることから、本発明を特定の顔料に限定することは意図しない。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むアフターシェイブ製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むプレシェイブ製品の実施例である。
上に示したアフターシェイブおよびプレシェイブ製品の製法には、目的の効果を得るのに十分な量のBBI−AV(本発明の化合物)が含まれている。ある実施態様では、BBI−AVの濃度は1,000ppmから10,000ppmの間にある。次に示す製法では、BBI−AVの典型的な濃度は、100ppmから1,000ppmの間であるか、または、1,000ppmから10,000ppmの間である。しかしながら、これは、本発明をこの特定の範囲の濃度に限定する趣旨ではなく、本発明の他の実施態様では他の濃度を用いることがでる。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むアフターサン製品の実施例を与える。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むフェイシャル・クレンザー製品の実施例を示す。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むSPF8のデイリー・ケア・ボディー・スプレー製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むSPF27のサン・スクリーン・エマルジョン製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むSPF28のサン・スクリーン・エマルジョン製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むフット・バーム製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むリフレッシング・フット・ジェル製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むスキン・コンディショニング・ジェル製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むW/O型エマルジョンの実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むO/W型エマルジョン製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含む保護用デイ・クリーム製品の実施例である。
以下に示す製法は、本発明のBBI−AVを含むヘア・ケア製品の実施例である。
顔料(AS 5811、5131、5146、5126、及び50230;Color Techniques)とプロピルパラベンをSilcare 31M50SV(Clariant)中に分散させ、湿り気を帯びるまでかき混ぜる。この混合物を粉砕して、粒子径を10μm未満にする。その後、DC9011 Elastomer Blend(Dow Corning)およびDC245Fluidを最終工程容器で混合し、かき混ぜて均質化する。均質化のためのかき混ぜ行程をゆっくりと行いながら、色素成分を加える。水を計量して別々の容器に入れ、本発明の化合物をプロペラによるかき混ぜを行いながら徐々に加え、溶解するまでかき混ぜる。メチルパラベンと安息香酸がブチレン・グリコールに加えられる。混合物は徐々に暖められ、溶解するまでかき混ぜられる。混合物は30℃に冷却され、本発明の化合物を含む溶液に加えられる。素早くかき混ぜながら、水相を油相にゆっくりと加える。加え終わった後、調合液を5分間均質化する。この調合液は、皮膚に塗るメークアップ・ファンデーションとして有用である。
マスカラ製造方法
対照用調合液と2%含有マスカラの成分は以下の通りである。
マスカラ製剤を製造するために、ワックス相8を結合させ、85−90℃でプロペラ混合しながら加熱した。10%化合物溶液をプロペラ混合しながら、水に本発明の化合物を添加することにより調製した。相1の水をステンレススチールビーカー(損失を埋め合わせるために50g超を添加する)。相2のメチルパラベンをブチレングリコールに添加し、溶解するまでラップでふたをして蒸気バスのトップにおいて撹拌した。その後、緩やかに撹拌しながら水を添加した。その後、相4のブラック酸化鉄を添加し、撹拌を続けた。その後、Natrosolをふりかけ、撹拌を続けた、10%KOHを添加し、ビーカーをできるだけきつふたをして85℃になるまで加熱した。その後、Arlace165を添加し、確実に溶解させるために少なくとも5分間混合した。85−89℃において、撹拌しながらワックス相を緩やかに水相に添加した。この温度と撹拌を10分間維持した。このバッチを蒸気バスから取り出し、ビーカー壁の剥離物を均一に混合する間、冷却した。55℃において、水のロスを測定するためにビーカー重量を測定した。混合を再開し水を必要に応じて添加した。45℃において、相9及び10を添加した。冷却水を用いて30℃まで冷却を続けた。この時点で、連続的なビーカー壁の剥離物が必要となる。
この調製において、少量のKOH(相5)を用いてpHをあげることにより、湿潤を遅延させ、凝集を防止するためにグリコキサールを用いてコートされたNatrosolを分散させる。相7において、クエン酸を緩やかに添加してpHを、酸化鉄の等電点以下の〜5.5に調整する。相7及び8において、乳化が、両方のフェーズの中の界面活性剤によってより遂行しやすいので製品165は油相及び水相に分割されている。相9において、脱イオン水を化合物の代わりに対照に添加した。乳液を調整している間にこの化合物溶液を調整するので、前記化合物溶液は新鮮である。このように調製することにより本発明に適したカスカラが製造される。
実施例18
ヘア成長抑制
この試験において、本発明の組成物のヘア成長の抑制能力を評価するために行った。特に、これらの試験は、シェービング、又はクリーム又はワックスを用いての脱毛の後のヘア成長を抑制する能力を評価した。
VEGF結合ペプチドで親BBPIのキモトリプシンループを置換した修飾変異BBPIを含む育毛抑制のためのローションを以下のように調製した。
この組成物はSEQ ID NOS:601、602、627−631、643、491、632−636から選択される即ち、1つのVEGF−BBPIを含む。幾つかの態様において、この組成物はSEQ ID NOS:601、602、627−631、643、491、632−636から選択される少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、又は少なくとも5つの異なるタイプのVEGF―BBPIを含む。VEGF―BBPIを含むこの組成物は以下のように調製した:
1)脂肪酸乳化剤とオイルゲル化剤とを60℃、好ましくは70℃以上の溶融相に混合する;
2)この溶融相を水相へ乳化して、乳液を形成する。乳化前の水相の温度は50℃、好ましくは60℃、より好ましくは70℃以上である;
3)この乳液を35℃以下に冷却する;
4)香料、保存料、クエン酸緩衝液を乳液中に分散させる;
5)同様にVEGF−BBPIの乳液を5分以上掛けて緩衝液と一緒に添加する;
6)更に10分間この混合物を撹拌する。
対照製剤BはVEGF―BBPIを含まない以外は同様に調製した。
顔の毛についての試験
これらの試験において、フィツパトリック(Fitzpatrick)スキン分類IIを有するグループ(例えば、5人)の男性の個体について試験を行った。これらの個人は、実験に先立って、顔用のトリートメントを行っていない。1日目、顔の毛の成長を肉眼で評価して写真を撮った。これに続いて、試験される組成物及び/対照を所望の濃度で適用した。2日目のは初めに、シェービングの直後の個体に本発明の組成物を適用した。大部分の場合、この試験を30乃至45日間続けた。この間、3日ごとに顔の毛の成長を視覚的に評価し、写真に記録さした。
脚の毛についての試験
この試験において、フィツパトリック(Fitzpatrick)スキン分類IIを有するグループ(例えば、5人)の女性の個体について試験を行った。各個人の足をマークして、毛の成長を肉眼及び写真で記録した。れに続いて、試験される組成物(即ち、所望の濃度のBBI−AVの濃度を含む化合物)及び/対照を所望の濃度で適用した。幾つかの方法において、各個人に2本のチューブを与えた(1つはBBI−AVを含み、他方は対照)。これらのチューブを「左」と「右」にマークした。試験期間のそれぞれの日に、個体はそれぞれの足に2つのチューブに入っている組成物を適用し。適用7日後、各個人の脚を視覚的に評価し、写真を撮り、両足をシェーブ又の脱毛用品により脱毛し、これまでと同様に脚への組成物の適用を続けた。毛の成長は、2日毎に視覚的に評価され、写真に記録された。幾つかの方法において、実験を3サイクル続け、ヘア成長を肉眼的に評価し、写真を撮った。この実験はさらに8日間続けられた。この試験により、マークした部位における製剤の適用により毛の数、毛の密度、及び/又は毛の長さが減少していることが確認された。
2日目の初めに、個人はシェービングの直後に本発明の組成物を適用した。この試験の間、ほかのプレ又はプロトリートメントは行わなかった。幾つかのケースにおいて、この試験は30乃至45日間続けられた。顔の毛の成長は、この間3日毎に視覚的に評価され、写真に記録された。毛の数、及び毛幹の長さ及び幅をコンピュータイメージ解析により測定した。試験物質の適用により毛の数、密度及び/又は長さが減少していることが確認された。