JP2012500641A - 2−ヒドロキシイソブチレートの酵素による生産 - Google Patents

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Abstract

本発明は、再生可能な資源から2−HIBAの産生を促進するように修飾された微生物を用いる発酵法を包含する2−ヒドロキシ−イソブチレート(2−HIBA)の生物学的製造の新規方法に関する。本発明は、このような発酵法に用いられる修飾微生物にも関する。

Description

本発明は、再生可能な資源から2−HIBAの産生を促進するように修飾した微生物を用いる発酵法などの2−ヒドロキシ−イソブチレート(2−HIBA)の生物学的調製のための新規な方法に関する。本発明は、このような発酵法に用いられる修飾微生物にも関する。
2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)は、2−ヒドロキシイソブチレート、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸および2−メチル乳酸とも呼ばれる。CAS登録番号は、594−61−6である。
2−ヒドロキシイソ酪酸は、3種類の化合物である2,3−ジヒドロキシ−メチルプロピオネート(methylproprionate)、2−プロパノールおよびメタクリレートの前駆体である。
メタクリル酸とも呼ばれるメタクリレートは、樹脂、プラスチック、ゴムおよび義歯材料に広く用いられる大量の化合物である(2005年には、3.2百万トンが生産された)。これは、現在ではシアン化水素、ホルムアルデヒドまたはメタクロレインのような高毒性化学物質から生産されている。従って、メタクリル酸を生産するための環境に優しくかつ費用効果の高い方法を開発することは重要である。
(従来技術)
現在までのところ、2−HIBAの酵素による生産は、下記に示される方法で行われていた:
Figure 2012500641
参照のためには、次のものを参照されたい(Lopes Ferreira N, Labbe D, Monot F, Fayolle-Guichard F, Greer CW. Microbiology(2006) 152: 1361-74)。
「アルキル第三ブチルエーテル中間体である2−ヒドロキシイソブチレートは、新規なコバラミン依存性のムターゼ経路で分解される(The Alkyl tert-Butyl Ether Intermediate 2-Hydroxyiso butyrate is degraded via a novel cobalamin-dependant mutase pathway)」という標題のRohwerter et al.の論文には、メチルおよびエチル第三ブチルエーテルの分解経路が記載されている。著者らは、この経路の中間体である2−HIBAに注目している。結果は、2−HIBAがイソブチリル−coAムターゼの小サブユニットによって分解されることを示している。
Rohwerter et al.のWO2007/110394号公報には、ムターゼ酵素活性を発現する微生物による3−ヒドロキシ酪酸から2−ヒドロキシイソ酪酸への酵素による転換方法が記載されている。酵素による転換は、微生物から得られる酵素抽出物を用いて(実施例2)または酵素による転換のために3−ヒドロキシ酪酸を基質として含んでなる培地上で微生物を培養することによって(実施例1)行われる。WO2007/110394号公報には、2−ヒドロキシイソブチレートを微生物中でグルコースのような単一炭素源の転換によって得る発酵法は開示されていない。WO2007/110394号公報に開示された方法では、出発材料は3−ヒドロキシ酪酸であり、これは任意の起源のものでよく、特に通常の化学合成によって得られたものでよい。
米国特許第7,262,037号公報は、組換え大腸菌(Escherichia coli)の発酵によるD−(3)−ヒドロキシ酪酸の産生方法を教示しており、図4は、グルコースから代謝物アセチル−coAおよび3−ヒドロキシブチリル−coAを介してD−(3)−ヒドロキシ酪酸を産生する代謝経路を示している。Ralstonia eutropha由来の遺伝子phaAおよびphaBを組換えE.coliに導入し、コードされた酵素がアセチル−coAの修飾の第一段階を行う。米国特許第7,262,037号公報には、グルコースのような炭素源から2−HIBAを得る方法は開示されていない。
WO2007/110394号公報および米国特許第7,262,037号公報の教示内容を組み合わせると、2種類の異なる微生物、グルコースを3−ヒドロキシ酪酸に転換するための第一の微生物と3−ヒドロキシ酪酸を2−HIBAに酵素的に転換するための第二の微生物、を必要とする複雑な方法を生じる。
十分に存在しかつ廉価な再生可能な材料上で微生物を培養することによる2−HIBAの発酵調製を用いる本発明の方法は、化学的方法の問題点並びに文献に開示されている酵素による転換の複雑さを解決することを提供する。
(発明の概略的説明)
本発明は、アセチル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する連続段階を含んでなる2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)の製造方法であって、前記連続段階が、
a) アセチル−CoAを3−ヒドロキシブチリル−CoAに転換し、
b) 上記段階(a)で得られた3−ヒドロキシブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソブチリル−CoAに転換し、および
c) 2−ヒドロキシイソブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する
ことからなり、
段階a)、b)およびc)における転換が酵素による転換である、方法に関する。
好ましい態様では、酵素による転換は単一微生物で行われ、この微生物は、連続段階a)、b)およびc)に必要な酵素活性を発現するように修飾されている。
更に好ましくは、本発明の方法は、単一炭素源の2−HIBAへの転換による2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)の発酵産生のための方法であって、
単一炭素源を含んでなる適当な培養培地中で連続段階a)、b)およびc)に必要な酵素活性を発現するように修飾された微生物を培養し、
2−HIBAを培養培地から回収する
段階を含んでなる、方法である。
段階a)は、アセトアセチル−CoAチオラーゼまたはアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼ活性を有する、第一の酵素a1)、および3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ活性を有する、第二の酵素a2)の2種類の酵素の組合せを用いて行うのが好都合である。
段階b)は、ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ活性を有する酵素系を用いて行うのが好都合である。
段階c)は、CoAトランスフェラーゼ活性またはアシル−CoAチオエステラーゼ活性を有する酵素を用いて、またはホスホトランスアシラーゼ活性を有する、第一の酵素c1)および酸−キナーゼ活性を有する、第二の酵素c2)の2種類の酵素の組合せを用いて基質上のCoAを転移することによって行うのが好都合である。
連続段階a)、b)およびc)に必要な酵素活性は、外来遺伝子によってコードされるのが好都合である。
修飾微生物も、本発明の一部である。
発明の具体的説明
本発明は、アセチル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する連続段階を含んでなる2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)の製造方法であって、前記連続段階が
a) アセチル−CoAを3−ヒドロキシブチリル−CoAに転換し、
b) 3−ヒドロキシブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソブチリル−CoAに転換し、および
c) 2−ヒドロキシイソブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する
ことからなる、方法に関する。
主要な基質であるアセチル−CoAは、代謝に重要な分子である。アセチル−coAは、炭水化物代謝の産物である。その主要な用途は、アセチル基中の炭素原子をクエン酸回路に運び、酸化してエネルギー生産することである。アセチル−CoAは、好気性細胞呼吸の第二段階で産生される。
段階a)、b)およびc)は、特定化合物の酵素による転換である。「酵素活性(enzyme activity)」および「酵素活性(enzymatic activity)」という用語は、互換的に用いられ、酵素または酵素の組合せが特定の化学反応を触媒する能力を表す。
本発明による2−HIBAの製造は、基質アセチル−coAを外部から添加した液体反応培地中で、または「ミニ・ファクトリーズ」として用いられる1種類以上の微生物、好ましくは1種類の微生物であって、任意の炭素源からアセチル−coAを合成することができる前記微生物中で行うことができる。
本発明の明細書において、酵素活性は、このような活性を有する酵素をコードする遺伝子を参照することによっても命名される。遺伝子およびタンパク質は、一般的に大腸菌(Escherichia coli)、クロストリジウム アセトバティリカム(Clostridium acetobutylicum)、ラルストニア ユートロファ(Ralstonia eutropha)、Aquincola tertiaricarbonisおよびMethylibium petroleiphilum由来の遺伝子の名称を用いて同定される。しかしながら、これらの名称の使用は、本発明によれば更に一般的な意味を有し、他の生物、特に微生物のあらゆる対応する遺伝子およびタンパク質、前記遺伝子およびタンパク質の機能的相同体、機能的変異体および機能的断片を包含する。
既知の酵素活性についてのIUBMBの酵素命名法の文献を用いれば、当業者は、他の生物、細菌株、酵母、菌類などにおける同じ酵素活性を決定することができる。この所定の作業は、他の微生物由来のタンパク質を用いる配列アラインメントを行うことによって決定することができる共通配列を用いて行うのが好都合である。
2種類のタンパク質の間の相同性の割合を決定する方法は、当業者には知られている。例えば、それは、ウェブサイトhttp://www.ebi.ac.uk/clustalw/で入手可能なソフトウェアCLUSTALWをこのウェブサイトに示されているデフォルトパラメーターと共に用いることによって、配列のアラインメントの後に行うことができる。アラインメントから、同一性の割合は、残基の総数と比較して同じ位置における同一残基の数を記録することによって容易に計算することができる。あるいは、例えば、ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/で入手可能なBLASTプログラムをこのウェブサイトに示されているデフォルトパラメーターと共に用いることによって、自動的に計算することもできる。
PFAM(アライメントおよび隠れマルコフモデルのタンパク質ファミリーデータベース;http://www.sanger.ac.uk/Software/Pfam/)は、タンパク質配列アラインメントの大きなコレクションである。それぞれのPFAMにより多重アラインメントを可視化し、タンパク質ドメインを調べ、生物中の分布を評価し、他のデーターベースへのアクセスを獲得し、および既知のタンパク質構造を可視化することができる。
COG(タンパク質の相同分子種群のクラスター;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/COG/)は、66の完全に解読されたゲノムからのタンパク質配列を比較することによって得られ、30の主要な系統学的系列を表している。それぞれのCOGは、少なくとも3つの系列から定義され、これにより以前に保存されたドメインを同定することができる。
引用したタンパク質と相同性を共有しているタンパク質は、他の微生物から得てもよく、または天然タンパク質の変異体または機能的断片であってもよい。
「機能的変異体または機能的断片」という用語は、ポリペプチドのアミノ酸配列が、天然に観察される配列に厳格に限定されないことがあり、追加のアミノ酸を含むことがあることを意味する。「機能的断片」という用語は、ポリペプチドの配列が元の配列より小さいアミノ酸であるが、参照の元の配列の酵素活性を付与するのに十分なアミノ酸を包含することがあることを意味する。ポリペプチドが、その酵素活性を保持したまま1以上のアミノ酸の置換、挿入、欠失および/または付加によって修飾することができることは、当該技術分野で周知である。例えば、所定位置における1個のアミノ酸のタンパク質の機能特性に影響しない化学的に同等なアミノ酸による置換は、よく見られることである。本発明の目的では、置換は、下記の群:
小さな脂肪族の無極性または微極性残基:Ala,Ser,Thr,Pro,Gly
極性の負に帯電した残基およびそれらのアミド:Asp,Asn,Glu,Gln
極性の正に帯電した残基:His,Arg,Lys
大きな脂肪族の無極性残基:Met,Leu,Ile,Val,Cys
大きな芳香族残基:Phe,Tyr,Trp
の1つの中での交換として定義される。
他の1つの負に帯電した残基の代わりに1つの負に帯電した残基(例えば、アスパラギン酸の代わりにグルタミン酸)または他の1つの正に帯電した残基の代わりに1つの正に帯電した残基(例えば、アルギニンの代わりにリシン)で置換を生じる変化は、機能的に同等な生成物を産生することを予想することができる。
アミノ酸が修飾される位置およびアミノ酸配列において修飾を受けるアミノ酸の数は、特に限定されない。当業者であれば、タンパク質の活性に影響を与えることなく導入することができる修飾を認識することができる。例えば、タンパク質のN−またはC−末端部における修飾は、ある種の環境下ではタンパク質の活性を変更させないと予想することができる。
「変異体」という用語は、元の酵素活性をさらに保持しながら、上記のような修飾を受けるポリペプチドを表す。
「コードする(encoding)」または「コードする(coding)」という用語は、ポリヌクレオチドが転写および翻訳の機構を介してアミノ酸配列を生成する過程を表す。この過程は、DNAにおける塩基の配列とタンパク質におけるアミノ酸の配列との関係である遺伝子コードによって可能となる。遺伝子コードの1つの主要な特徴は、縮重していることであり、1個のアミノ酸は1より多い塩基3つの組合せ(1個の「コドン」)によってコードすることができることを意味する。直接的な結果は、同じアミノ酸配列を異なるポリヌクレオチドによってコードすることができることである。コドンの使用は生物に準じて多様となりうることは、当業者には周知である。同じアミノ酸をコードするコドンの中では、幾つかは所定の微生物によって優先的に用いることができる。従って、興味深いことには、特定の微生物のコドン用法に適合したポリヌクレオチドを設計して、この生物における対応するタンパク質の発現を最適にすることができる。
詳細には、宿主微生物がE.coliである場合には、R.eutrophaのような他の微生物由来の遺伝子配列を好ましいコドンでコードし直してもよく、合成遺伝子を調製してE.coli中で正確に発現させるだろう(例参照)。
段階a
アセチル−coAの3−ヒドロキシブチリル−coAへの転換は、好都合には、2種類の酵素:
アセトアセチル−CoAチオラーゼ活性またはアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼ活性を有する、第一の酵素a1)(EC2.3.1.)、および
3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ活性を有する、第二の酵素a2)(EC1.1.1.157)
の組合せによって得られる。
本発明の好ましい態様では、第一の酵素a1)は、
E.coliのatoB、
C.acetobutylicumのthlA、および
R.eutrophaのphaA
からなる群から選択される遺伝子によってコードされる遺伝子産物である。
E.coliのatoB、C.acetobutylicumのthlAおよびR.eutrophaのphaAの遺伝子によってコードされ、いずれも同じ酵素活性を示す3種類のタンパク質は、それらの配列において同一性の割合が少なくとも61%であることを示している。
従って、本発明によれば、「アセトアセチル−CoAチオラーゼ活性またはアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼ活性を有するポリペプチド」とは、E.coli由来のatoBの配列と少なくとも60%の相同性を有し、好ましくは少なくとも70%相同性を有し、更に好ましくは少なくとも80%の相同性を有する、すべてのポリペプチドを表す。
本発明のもう一つの好ましい態様では、第二の酵素a2)は、
C.acetobutylicumのhbdおよび
R.eutrophaのphaB
からなる群から選択される遺伝子によってコードされる遺伝子産物である。
段階b
3−ヒドロキシブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソブチリル−CoAへの転換は、好ましくはヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ活性を有する酵素系により得られる。
この活性は、培養培地に添加しなければならないビタミンB12のようなコバラミド補酵素の供給源を必要とする。
ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼは、A.tertiaricarbonis、M.petroleiphilum由来またはStreptomyces spp由来のicmAおよびicmBである。
これらのヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ酵素は、それらのアミノ酸配列において少なくとも40%の相同性を示す。従って、「ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ活性」の意味は、この活性を有しかつそれらのアミノ酸配列においてStreptomyces spp由来のIcmAおよびIcmBタンパク質と少なくとも40%の同一性を共有するすべてのポリペプチドを表す。
コバラミド依存性ムターゼであるこのムターゼの活性は、fldA−fpr活性化系を過剰発現することによって増加させることができることが、本発明者らによって示された。このような系はSAM−ラジカル酵素についての文献(WO2007/047680号公報)に開示されており、当業者であれば前記系の過剰発現の方法を知っている。
ムターゼの活性は、アッセイにおいて酸素の非存在下で向上することも本発明者らによって示された。本発明の一態様では、段階b)は、嫌気性または微好気性条件下で行われる。
段階c
本発明の特定態様では、2−ヒドロキシイソブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソ酪酸への転換は、基質上のCoAを、CoAトランスフェラーゼ活性を有する酵素(EC2.8.3)で転移することによって得られる。
優先的には、基質はアセテートおよび2−ヒドロキシイソブチリル−CoAであり、酵素はアセチル−CoAトランスフェラーゼ活性を有する(EC2.3.1.)。
本発明のもう一つの態様では、2−ヒドロキシイソブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソ酪酸への転換は、基質上のCoAを、アシル−CoAチオエステラーゼ活性を有する酵素(EC3.1.2)で転移することによって得られる。
優先的には、基質は2−ヒドロキシイソブチリル−CoAであり、酵素は2−ヒドロキシイソブチリル−CoAチオエステラーゼ活性を有しており、
E.coliのtesBおよび
H.influenzaeのybgC
からなる群から選択される遺伝子によってコードされる遺伝子産物である。
本発明のもう一つの態様では、2−ヒドロキシイソブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソ酪酸への転換は、
ホスホトランスアシラーゼ活性を有する、第一の酵素c1)および
酸−キナーゼ活性を有する、第二の酵素c2)
の2種類の酵素の組合せを用いて得られる。
本発明の特定態様では、酵素c1)は、ホスフェートヒドロキシイソブチリルトランスフェラーゼ活性を有しており、詳細にはC.acetobutylicumの遺伝子ptbによってコードされる遺伝子産物である。
本発明の特定態様では、酵素c2)は、ヒドロキシイソブチレートキナーゼであり、詳細にはC.acetobutylicumの遺伝子bukによってコードされる遺伝子産物である。
微生物
本発明の好ましい態様では、主要な基質アセチル−CoAは、微生物の任意の炭素源の生物転換によって得られる。この生物転換は、好気性細胞呼吸の第二段階中に起こり、炭素基質はエネルギーに転換される。
本発明による「炭素源」または「炭素基質」または「炭素の供給源」という用語は、六単糖(例えば、グルコース、ガラクトースまたはラクトース)、五単糖、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(例えば、スクロース、セロビオースまたはマルトース)、糖蜜、澱粉またはその誘導体、ヘミセルロース、グリセロールおよびそれらの組合せを包含する、微生物の正常な増殖を支持する目的で当業者が用いることができる任意の炭素供給源を表す。特に好ましい単一炭素源は、グルコースである。もう一つの好ましい炭素源は、スクロースである。
本発明の好ましい態様では、段階a)、b)およびc)は、前記段階a)、b)およびc)の転換のために必要な酵素活性を有する酵素をコードする遺伝子を発現する微生物によって行われる。
優先的には、段階a)、b)およびc)は、上記のように酵素反応の実現に必要なすべての遺伝子産物を発現する同一の微生物によって行われる。
更に優先的には、それは同一の微生物であり、酵素反応a)、b)およびc)を行う前にグルコースのアセチル−CoAへの生物転換を提供する。従って、グルコースの2−HIBAへの転換は、単一微生物内で行われる。
本発明は、2−ヒドロキシイソ酪酸を調製するための微生物であって、前記微生物が、上記で定義した前記段階a)、b)およびc)の転換に必要な酵素活性を有する酵素をコードする遺伝子を発現する微生物にも関する。
従って、本発明は、2−HIBAの産生を向上させるために修飾された微生物であって、前記微生物が、
a) アセチル−CoAを3−ヒドロキシブチリル−CoAに転換し、
b) 上記で得られた3−ヒドロキシブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソブチリル−CoAに転換し、および
c) 2−ヒドロキシイソブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する
ことからなる連続段階a)、b)およびc)によってアセチル−CoAから2−ヒドロキシイソ酪酸へ転換することができる酵素をコードする遺伝子を発現するように修飾されているものである、微生物を提供する。
このような酵素活性を可能にする酵素およびこのような酵素活性をコードする遺伝子は、上記および以下に開示されている。
本発明の微生物は、「2−HIBAの産生を向上させるために修飾した微生物」であって、単一炭素源の転換によって2−HIBAの産生を促進する経路が修飾されているものである。前記産生を向上させるために修飾された微生物は、本来の未修飾微生物より多くの所望な生化学物質を産生する。
本発明によれば、「微生物」という用語は、細菌、酵母または菌類を表す。優先的には、微生物は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、クロストリジウム科(Clostridiaceae)、バチルス科(Bacillaceae)、ストレプトマイセス科(Streptomycetaceae)およびコリネバクテリア科(Corynebacteriaceae)の一種である。更に優先的には、微生物は、エシェリヒア属(Escherichia)、クロストリジウム属(Clostridium)、バチルス属(Bacillus)、クレブシエラ属(Klebsiella)、パントエア属(Pantoea)、サルモネラ属(Salmonella)またはコリネバクテリウム属(Corynebacterium)の一種である。更により優先的には、微生物は、大腸菌(Escherichia coli)またはコリネバクテリウム グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)またはクロストリジウム アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)またはバチルス サブティリス(Bacillus subtilis)の種である。
外来遺伝子が宿主微生物でこれらを発現させることができるすべての要素と共に微生物に導入されるときには、微生物は外来遺伝子を発現することができる。外来DNAによる微生物の形質転換は、当業者にとって所定の作業である。
外来遺伝子は、宿主ゲノムに組込みまたは染色体外でプラスミドまたはベクターによって発現させることができる。様々な種類のプラスミドが当業者に知られており、これらは細胞中における複製の起源およびそれらのコピー数が異なっている。
本発明によれば、特に断らない限り、遺伝子の「過剰発現(overexpressing)」または「過剰発現(overexpression)」は、
1種類以上の遺伝子を発現することによって生成した酵素活性が形質転換していない微生物には存在しないときには、少なくとも1種類以上の外来遺伝子を微生物に導入するか、または
前記酵素活性を有する微生物に含まれている1種類以上の遺伝子の発現を増加する
ことを意味する。
当業者であれば、微生物で遺伝子を過剰発現する方法、特に、修飾プロモーターの制御下で遺伝子の発現水準を修飾することによって微生物に遺伝子の1種類以上のコピーを導入することによる微生物で遺伝子を過剰発現する方法、を知っている。
遺伝子の発現の制御に重要な要素は、プロモーターである。本発明の好ましい態様では、遺伝子は様々な強度の誘導性であってもよいプロモーターを用いて発現してもよい。これらのプロモーターは、相同性または非相同性であってもよい。当業者であれば、最も好都合なプロモーターを選定する方法を知っており、例えば、プロモーターPtrc、Ptac、PlacまたはλプロモーターcIが広く用いられている。
微生物を形質転換するためのすべての手法、および本発明のタンパク質の産生を高めるために用いられる調節要素は当該技術分野で周知であり、WO2008/052973号公報、WO2008/052595号公報、WO2008/040387号公報、WO2007/144346号公報、WO2007/141316号公報、WO2007/077041号公報、WO2007/017710号公報、WO2006/082254号公報、WO2006/082252号公報、WO2005/111202号公報、WO2005/073364号公報、WO2005/047498号公報、WO2004/076659号公報など様々な微生物における生合成経路の修飾に関する本出願人自身の特許出願などの文献で入手可能であり、上記文献の内容は、その開示の一部として本明細書に引用されている。
最も好ましい態様では、本発明の微生物は、下記の遺伝子:
phaA(R.eutropha)、phaB(R.eutropha)、icmA(A. tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、tesB(E.coli)、または
phaA(R.eutropha)、phaB(R.eutropha)、icmA(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、ybgC(H.influenzae)、または
phaA(R.eutropha)、phaB(R.eutropha)、icmA(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、ptb(C.acetobutylicum)、buk(C.acetobutylicum)、または
thlA(C.acetobulylicum)、hbd(C.acetobulylicum)、icmA(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、tesB(E.coli)、または
thlA(C.acetobulylicum)、hbd(C.acetobulylicum)、icmA(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、ybgC(H.influenzae)、または
thlA(C.acetobulylicum)、hbd(C.acetobulylicum)、icmA(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、ptb(C.acetobutylicum)、buk(C.acetobutylicum)、または
atoB(E.coli)、hbd(C.acetobulylicum)またはphaB(R.eutropha)、icmA(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、tesB(E.coli)、または
atoB(E.coli)、hbd(C.acetobulylicum)またはphaB(R.eutropha)、icmA(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、ybgC(H.influenzae)、または
atoB(E.coli)、hbd(C.acetobulylicum)またはphaB(R.eutropha)、icmA(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、icmB(A.tertiaricarbonis,M.petroleiphilum)、ptb(C.acetobutylicum)、buk(C.acetobutylicum)
を発現する修飾微生物である。
特定の態様では、上記および以下に定義されている本発明の微生物も、高濃度のアセチル−CoAを産生するように修飾される。
アセチル−CoAへの流れは、様々な手段、特に
i)遺伝子ldhAの減衰によって、酵素ラクテートデヒドロゲナーゼの活性を減少させ、
ii)下記の酵素:
pta遺伝子によってコードされるホスホ−トランスアセチラーゼ、
ackA遺伝子によってコードされるアセテートキナーゼ、
poxB遺伝子によってコードされるピルベートオキシダーゼ
の少なくとも1種類の活性を遺伝子の減衰によって減少させ、
iii)aceA遺伝子によってコードされる酵素イソシトレートリアーゼの活性を減少させる
ことによって増加させてもよい。
本発明の一態様は、NADPHの利用可能性を増加させることによって2−HIBA産生のより良好な収率も提供する。微生物におけるこの利用可能性の増加は、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼをコードするpgiまたは可溶性のトランスヒドロゲナーゼをコードするudhAから選択される遺伝子の少なくとも1種類の減衰によって得ることができる。このような遺伝子修飾により、グルコース−6−ホスフェートはペントースホスフェート経路を介して糖分解にはいる必要があり、代謝されるグルコース−6−ホスフェート当たり最大2NADPHが生成されるであろう。
NADPH利用可能性の増加により2−HIBAの産生を向上させるために修飾された微生物も、本発明の一部である。
段階a)、b)およびc)を含むグルコースから2−HIBAへの生合成経路は、図1に示されている。
発酵による産生
本発明は、
上記および以下に定義される本発明による微生物を、単一炭素源を含んでなる適当な培養培地で培養し、
培養培地から2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)を回収する
段階を含んでなる、単一炭素源の2−HIBAへの転換による2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)の発酵による産生方法も開示する。
更に詳細には、本発明は、
単一炭素源を含んでなる適当な培養培地で2−HIBAの産生を向上させるために修飾した微生物を培養し、
培養培地から2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)を回収する
段階を含んでなる、単一炭素源の2−HIBAへの転換による2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)の発酵による産生方法であって、
前記微生物を
a) アセチル−CoAを3−ヒドロキシブチリル−CoAに転換し、
b) 上記で得られた3−ヒドロキシブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソブチリル−CoAに転換し、
c) 2−ヒドロキシイソブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する
ことからなる連続段階a)、b)およびc)によって、アセチル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する酵素をコードする遺伝子を発現するように修飾する、方法を提供する。
好ましい態様では、微生物は、一層高濃度のアセチル−CoAを産生するように修飾される。微生物は、NADPH利用可能性を増加させるように修飾されることもある。
微生物のすべての修飾は、上記および以下に開示される。
発酵は、一般的には少なくとも1種類の単一炭素源と必要ならば補助基質とを含む、用いられる微生物に適合した適当な培養培地を有する発酵槽で行われる。
発酵は好気性、微好気性または嫌気性条件下で行うことができる。幾つかの態様では、微好気性条件下での培養では収率が増加することがあることが見出された。
本発明の産生方法では、微生物は、適当な培養培地で培養される。
「適当な培地」とは、微生物の増殖に適合した既知の分子組成の培地を意味する。詳細には、前記培地は、少なくともリンの供給源と窒素の供給源とを含んでいる。前記適当な培地は、例えば、少なくとも1種類の炭素源を含む、用いる細菌に適合した既知の組成セットの無機培養培地である。前記適当な培地は、窒素供給源および/またはリン供給源を含んでなる任意の液体であって、前記液体はスクロースの供給源に添加しおよび/または混合されるものを示すこともある。従って、詳細には、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)用の無機増殖培地は、M9培地(Anderson, 1946)、M63培地(Miller, 1992)またはSchaefer et al.(1999)によって定義されたような培地と同一または同様な組成のものであることができる。
E.coli用の既知培養培地の一例としては、培養培地は、M9培地(Anderson, 1946, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 32:120-128)、M63培地(Miller, 1992;「速成細菌遺伝学:大腸菌および関連細菌の実験室便覧および手引(A Short Course in Bacterial Genetics: A Laboratory Manual and Handbook for Escherichia coli and Related Bacteria)」, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,ニューヨーク)またはSchaefer et al.によって定義されたような培地(1999, Anal. Biochem. 270: 88-96)と同一または同様な組成のものであることができる。
C.glutamicum用の培養培地のもう一つの例としては、BMCG培地(Liebl et al., 1989, Appl. Microbiol. Biotechnol. 32: 205-210)またはRiedel et al.(2001, J. Mol. Microbiol. Biotechnol. 3: 573-583)によって報告されたような培地と同一または同様な組成のものであることができる。
当業者であれば、本発明による微生物のための培養条件を規定することができる。詳細には、細菌は、20°Cと55°Cとの間、優先的には25°Cと40°Cとの間、更に具体的にはC.glutamicumについては約30°CおよびE.coliについては約37°Cの温度で発酵される。
炭素源「グルコース」は、この培地では任意の他の炭素源、詳細には、スクロースまたはサトウキビ液またはサトウダイコン液のような任意のスクロースを含む炭素源によって、換えることができる。
「炭素源」または「炭素基質」とは、微生物が代謝することができる任意の炭素原であって、少なくとも1個の炭素原子を含む基質を意味する。
好ましくは、炭素源は、グルコース、スクロース、単糖類またはオリゴ糖類、澱粉またはその誘導体、またはグリセロール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
実際に、本発明の方法で用いられる微生物は、非修飾微生物が同じ炭素源上で増殖することができないか、または低率でしか増殖できないときに、特定の炭素源上で増殖できるように修飾することもできる。これらの修飾は、炭素源がサトウキビの副生成物のようなバイオマス分解の副生成物、例えば未処理液および様々な種類の糖蜜の清澄化から得られるフィルターケーキであるときに、必要となってもよい。
培養培地からの2−ヒドロキシイソ酪酸の回収は、当業者にとっては所定の作業である。
本発明の一態様では、回収された2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)は、更に精製される。
例1:2−ヒドロキシイソ酪酸を産生する菌株:MG1655pME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02の構築
2−ヒドロキシイソ酪酸を産生するE.coliMG1655株を構築するため、ムターゼ活性をコードするMethylibium petroleiphilumの遺伝子icmAおよびicmBを、それぞれアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼおよび3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ活性をコードするRalstonia eutropha由来のphaAおよびphaB遺伝子と組み合わせてプラスミド上で過剰発現させる。それぞれの個々のおよび組合せた構築物を、下記に詳細に説明する。
1.1 M.petroleiphilumのヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼicmAおよびicmBの過剰発現のためのプラスミド:pME101−icmAmp−icmBmp−TT07プラスミドの構築
この目的のため、M.petroleiphilum icmAおよびicmBヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ遺伝子を、Geneart社で調製した。遺伝子のコドン使用頻度および遺伝子のGC含量を、サプライヤーマトリックスに準じてE.coliに適合させた。オペロンで組織化した合成遺伝子の発現を、構成的Ptrcプロモーターによって行った。転写ターミネーターを、遺伝子の下流に付加した。構築物をサプライヤーのpMベクターにクローニングして、シークエンスによって検証した。従って、E.coli株の形質転換前に必要ならば、この構築物をpME101ベクターにクローニングしてもよい(このプラスミドは、プラスミドpCL1920に由来する(Lerner & Inouye, 1990, NAR 18, 15 p 4631))。
Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07は、
配列番号1:制限部位(BamHI,HindIII,EcoRV):ggatccatgcaagcttatgcgatatc
配列番号2:Ptrc01プロモーター:gagctgttgacaattaatcatccggctcgtataatgtgtggaataaggaggtatatc
配列番号3:E.coliについて最適化したicmAmp遺伝子配列(YP_001023546.):
配列番号4:遺伝子間配列:gaataaggaggtatatt
配列番号5:E.coliについて最適化したicmBmp遺伝子配列(YP_001023543.
配列番号6:終了配列T7Te(文献:Harrington K.J., Laughlin R.B. and Liang S. Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Apr 24;98(9):5019-24.):ctggctcaccttcgggtgggcctttctg
配列番号7:制限部位(SmaI,BamHI,EcoRI):ccccgggatgcggatccatgcgaattc
から構成されている。
低コピーベクターの発現には、プラスミドpME101を下記のようにして構築することができる。プラスミドpCL1920を、オリゴヌクレオチドPME101FおよびPME101Rと、lacI遺伝子を含むベクターpTRC99A由来のBstZ17I−XmnI断片とを用いてPCR増幅し、Ptrcプロモーターを増幅したベクターに挿入する。得られるベクターおよびicmAmpおよびicmBmp遺伝子を含むベクターは、NcoIおよびBamHIによって制限することができ、icmAmpおよびicmBmpを含む断片をベクターpME101にクローニングすることができ、得られるプラスミドをpME101−icmAmp−icmBmp−TT07と命名する。
PME101F(配列番号8):ccgacagtaa gacgggtaag cctg
PME101R(配列番号9):agcttagtaa agccctcgct ag
1.2 R.eutrophaのアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼphaAおよび3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼphaBの過剰発現のためのプラスミド:pME101−phaAre−phaBre−TT02プラスミドの構築
上記のように、この目的のために、R.eutrophaの合成遺伝子であるphaAアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼおよびphaB3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ遺伝子を、Geneart社で調製した。オペロンで組織化された合成遺伝子の発現を、構成的Placプロモーターにより行った。転写ターミネーターを、遺伝子の下流に付加した。この構成物をサプライヤーのpMベクターにクローニングして、シークエンスによって検証した。従って、この構成物は、必要ならば、E.coli株を形質転換する前にpME101ベクターにクローニングすることができる。
Plac−phaAre−phaBre−TT02は、
配列番号10:制限部位(BamHI,HindIII,SmaI):ggatccatgcaagcttatgccccggg
配列番号11:Placプロモーター:aagctcactcattaggcaccccaggctttacactttatgcttccggctcgtatgttgtgtggaattgtgagcggataacaatttcacacaggactacaca
配列番号12:E.coliについて最適化したphaAre遺伝子配列(YP_725941.)
配列番号13:遺伝子間配列:
ggaaggggttttccggggccgcgcgcggttggcgcggacccggcgacgataacgaagccaatcaaggagtggac
配列番号14:E.coliについて最適化したphaBre遺伝子配列(YP_725842.)
配列番号15:ターミネーター配列rrnBt1(文献:Harrington K.J., Laughlin R.B. and Liang S. Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Apr 24;98(9):5019-24.):catcaaataaaacgaaaggctcagtcgaaagactgggcctttcgttttatctgtt
配列番号16:制限部位(BstZ17I,BamHI,EcoRI):gtatactgcaggatccatgcgaattc
から構成されている。
pME101ベクターおよびphaAreおよびphaBre遺伝子を含むベクターは、BsrBIおよびBamHIによって制限することができ、phaAreおよびphaBreを含む断片をベクターpME101にクローニングすることができ、得られるプラスミドを、pME101−phaAre−phaBre−TT02と命名する。
1.3 M.petroleiphilumのヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼicmAおよびicmB、およびRalstonia eutrophaのアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼphaAおよび3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼphaBの過剰発現のためのプラスミド:pME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02プラスミドの構築
1種類のE.coli株でicmA、icmB、phaAおよびphaB遺伝子を共発現させるため、pME101−icmAmp−icmBmp−TT07ベクターおよびpME101−phaAre−phaBre−TT02遺伝子を含むベクターをSmaIおよびEcoRIによって制限することができ、断片を含むphaAreおよびphaBreをベクターpME101−icmAmp−icmBmp−TT07にクローニングすることができ、得られるプラスミドを、pME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02と命名する。
1.4 菌株MG1655pME101−phaAre−phaBre−TT02およびMG1655pME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02の構築
上記のプラスミドpME101−phaAre−phaBre−TT02およびpME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02を、菌株MG1655に導入する。得られた第一の菌株MG1655pME101−phaAre−phaBre−TT02をHI0008と命名し、得られた第二の菌株MG1655pME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02をHI0012と命名する。
例2:2−ヒドロキシイソ酪酸を産生する菌株:MG1655pUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02の構築
ムターゼ活性をコードするMethylibium petroleiphilumのicmAおよびicmB遺伝子、およびRalstonia eutropha由来のアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼおよび3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ活性をそれぞれコードするphaAおよびphaB遺伝子の発現を一層高くするため、これらの遺伝子を高コピー数pUC18プラスミドに導入する。
2.1 Methylibium petroleiphilumのヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼicmAおよびicmBを過剰発現するためのプラスミド:pUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07プラスミドの構築
icmAmpおよびicmBmp遺伝子を含むベクター(pM−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07GeneartのpMベクター)をSmaIおよびHindIIIによって制限し、断片を含むicmAmpおよびicmBmpを同じ制限酵素によって制限したベクターpUC18にクローニングし、得られるプラスミドをpUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07と命名する。
2.2 Methylibium petroleiphilumのヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼicmAおよびicmBを過剰発現し、かつRalstonia eutrophaのアセチル−CoAアセチルトランスフェラーゼphaAおよび3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼphaBを過剰発現するためのプラスミド:pUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02プラスミドの構築
phaAreおよびphaBre遺伝子を含むベクター(pM−Plac−phaAre−phaBre−TT02GeneartのpMベクター)をSmaIおよびEcoRIによって制限し、断片を含むphaAreおよびphaBreを同じ制限酵素によって制限されたベクターpUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07にクローニングし、得られるプラスミドをpUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02と命名する。
2.3 菌株MG1655pUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02の構築
上記のpUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02プラスミドを、菌株MG1655に導入する。得られた菌株MG1655pUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02を、HI0060と命名する。
例3:NADPH 利用可能性の増加した菌株:MG1655 Δpgi ΔudhA pUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02の構築
NADPH利用可能性を増加させて2−ヒドロキシイソ酪酸産生を最適にするために、上記のプラスミドをpgi(グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼをコードする)およびudhA(可溶性のトランスヒドロゲナーゼをコードする)遺伝子が欠失している株E.coliMG1655に導入する。
3.1 菌株MG1655 Δpgi::Cmの構築
pgi遺伝子を欠失させるために、Datsenko&Wanner(2000)によって報告されている相同組換え法を用いる。この方法により、関係した遺伝子のほとんどを欠失させながら、クロラムフェニコールまたはカナマイシン耐性カセットを挿入することができる。この目的には、下記のオリゴヌクレオチド:
遺伝子pgiの配列(4231352−4231431)に相同する領域(小文字)(ウェブサイトhttp://genolist.pasteur.fr/Colibri/上の配列参照)、
クロラムフェニコール耐性カセットの増幅のための領域(大文字)(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97: 6640-6645における配列参照)
を有するDpgiF(配列番号17):ccaacgcagaccgctgcctggcaggcactacagaaacacttcgat
gaaatgaaagacgttacgatcgccgatctttttgcTGTAGGCTGGAGCTGCTTCG、
遺伝子pgiの配列(4232980−4232901)に相同する領域(小文字)(ウェブサイトhttp://genolist.pasteur.fr/Colibri/上の配列参照)、
クロラムフェニコール耐性カセットの増幅のための領域(大文字)(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97:6640−6645における参照配列)
を有するDpgiR(配列番号18):gcgccacgctttatagcggttaatcagaccattggtcgagcta tcgtggctgctgatttctttatcatctttcagctctgCATATGAATATCCTCCTTAG
を用いる。
オリゴヌクレオチドDpgiFおよびDpgiRを用いて、プラスミドpKD3からクロラムフェニコール耐性カセットを増幅する。次いで、得られたPCR産物をエレクトロポレーションによって菌株MG1655(pKD46)に導入する。次いで、クロラムフェニコール耐性形質転換体を選択して、耐性カセットの挿入を、下記に定義されるオリゴヌクレオチドpgiFおよびpgiRを用いるPCR分析によって検証する。保持される菌株を、MG1655 Δpgi::Cmと命名する。
pgiF(配列番号19):gcggggcggttgtcaacgatggggtcatgc(配列4231138から4231167に相同)。
pgiR(配列番号20):cggtatgatttccgttaaattacagacaag(配列4233220から4233191に相同)。
3.2 菌株MG1655 Δpgi ΔudhAの構築
udhA遺伝子を、形質導入によってMG1655 Δpgi::Cm株で欠失させる。
MG1655 ΔudhA::Km株を、最初に上記と同じ方法を用いて下記のオリゴヌクレオチド:
遺伝子udhAの配列(4157588−4157667)に相同する領域(ボールド文字)(ウェブサイトhttp://genolist.pasteur.fr/Colibri/上の配列参照)、
カナマイシン耐性カセットの増幅のための領域(下線付文字)(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97:6640−6645における配列参照)
を有するDudhAF(配列番号21):CCCAGAATCTCTTTTGTTTCCCGATGGAACAAAATTTTCAGCGTGCCCACGTTCATGCCGACGATTTGTGCGCGTGCCAGTGTAGGCTGGAGCTGCTTCG
遺伝子udhAの配列(4158729−4158650)に相同する領域(ボールド文字)(ウェブサイトhttp://genolist.pasteur.fr/Colibri/上の配列参照)、
カナマイシン耐性カセットの増幅のための領域(下線付文字)(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97:6640−6645における配列参照)
を有するDudhAR(配列番号22):GGTGCGCGCGTCGCAGTTATCGAGCGTTATCAAAATGTTGGCGGCGGTTGCACCCACTGGGGCACCATCCCGTCGAAAGCCATATGAATATCCTCCTTAG
を用いて構築する。
オリゴヌクレオチドDudhAFおよびDudhARを用いて、プラスミドpKD4由来のカナマイシン耐性カセットを増幅する。次いで、得られたPCR産物を、エレクトロポレーションによって菌株MG1655(pKD46)に導入する。次いで、カナマイシン耐性形質転換体を選択し、耐性カセットの挿入を下記に定義したオリゴヌクレオチドudhAFおよびudhARを用いるPCR分析によって検証する。保持された菌株を、MG1655 ΔudhA::Kmと命名する。
udhAF(配列番号23):(4157088から4157108の配列に相同):
GATGCTGGAAGATGGTCACT
udhAR(配列番号24):(4159070から4159052の配列に相同):
gtgaatgaacggtaacgc
欠失ΔudhA::Kmを転移するため、ファージP1の形質導入の方法を用いる。下記のプロトコルを、菌株MG1655 ΔudhA::Kmのファージ溶解産物の調製に継ぐ、菌株MG1655 Δpgi::Cmへの形質導入の2段階で実行する。菌株の構築は、上記した通りである。
ファージ溶解産物P1の調製:
LB+Km50μg/ml+0.2%グルコース+5mMCaCl 10mlに菌株MG1655 ΔudhA::Km の一晩培養したもの100μlを接種、
37℃で30分間振盪培養、
菌株MG1655上で調製したファージ溶解産物P1 100μlを添加(約1.10個のファージ/ml)、
すべての細胞が溶解するまで37℃で3時間振盪、
クロロホルム200μlを添加し、渦流攪拌、
4500gで10分間遠心分離して、細胞破片を除去、
上清を滅菌試験管に移し、クロロホルム200μlを添加、
溶解産物を4℃で保管。
形質導入
LB培地で菌株MG1655 Δpgi::Cmを一晩培養したもの5mlを1500gで10分間遠心分離、
細胞ペレットを10mMMgSO+5mMCaCl 2.5mlに懸濁、
対照試験管:細胞100μl
菌株MG1655 ΔudhA::KmのファージP1 100μl、
検定試験管:細胞100μl+菌株MG1655 ΔudhA::KmのファージP1 100μl、
30℃で振盪せずに30分間インキュベーション、
それぞれの試験管に1Mクエン酸ナトリウム100μlを添加し、渦流攪拌、
LB1mlを添加、
37℃で振盪しながら1時間インキュベーション、
試験管を7000rpmで3分間遠心分離した後、シャーレLB+Km50μg/ml上に塗布、
37℃で一晩インキュベーション。
菌株の検証
次に、カナマイシン耐性形質転換体を選択し、遺伝子ΔudhA::Kmの欠失を上記のオリゴヌクレオチドudhAFおよびudhARを用いるPCR分析によって検証する。保持されている菌株を、MG1655 Δpgi::Cm ΔudhA::Kmと命名する。
カナマイシンおよびクロラムフェニコール耐性カセットを、次に除去することができる。カナマイシンおよびクロラムフェニコール耐性カセットのFRT部位に作用するFLPリコンビナーゼを持つプラスミドpCP20を、次にエレクトロポレーションによって組換え部位に導入する。一連の培養を42℃で行った後、カナマイシンおよびクロラムフェニコール耐性カセットの喪失を、上記で用いたのと同じオリゴヌクレオチド(pgiF/pgiRおよびudhAF/udhAR)を用いるPCR分析によって検証する。保持されている菌株を、MG1655 Δpgi ΔudhAと命名する。
3.3 菌株MG1655 Δpgi ΔudhA pUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02の構築
上記のpUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02プラスミドを、菌株MG1655 Δpgi ΔudhAに導入する。得られた菌株MG1655 Δpgi ΔudhA pUC18−Ptrc01−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02を、HI0062と命名する。
例4:ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ活性の増加した菌株:MG1655(pME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02)(pJB137−fldA−TT07−fpr)の構築
ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ活性を増加させるため、フラボドキシンおよびフラボドキシンレダクターゼをコードする遺伝子を過剰発現させる。
4.1 フラボドキシンfldAの過剰発現およびフラボドキシンレダクターゼfprの過剰発現のためのプラスミド:pJB137−fldA−TT07−fprの構築
プラスミドpJB137−fldA−TT07−fprは、プラスミドpJB137由来である(Blatny et al., 1997; ApplEnviron Microbiol. 1997 Feb; 63(2):370-9.)。
プラスミドpJB137−fldA−TT07−fprを構築するため、最初にfldA−TT07領域を、以下のオリゴヌクレオチド、BamHI−NcoI−fldA−F−1およびfldA−fpr−R−2(ウェブサイトhttp://ecogen.org/上の配列参照)を用いてMG1655ゲノムDNAからのPCRによって増幅した。次いで、TT07−fpr領域を、以下のオリゴヌクレオチド、fldA−fpr−F−3およびfpr−BamHI−R−4(ウェブサイトhttp://ecogen.org/上の配列参照)を用いてMG1655ゲノムDNAからのPCRによって増幅した。三番目の段階で、fldA−TT07−fpr領域を、fldA−TT07およびTT07−fprPCR産物を混合し、かつBamHI−NcoI−fldA−F−1およびfpr−BamHI−R−4オリゴヌクレオチドを用いることによってPCR増幅した。fldA−fpr−R−2およびfldA−fpr−F−3オリゴヌクレオチドは、両方ともそれらの全配列をオーバーラップし、融合PCRによって2つの断片を連結できるように設計した。得られるPCR産物を、pSCBベクター(Stratagene)にクローニングし、シークエンシングによって検証し、ベクターをpSCB−fldA−TT07−fprと命名した。
BamHI部位を含む領域(下線付き大文字)、
追加塩基(extra-bases)を有する領域(小文字)、
NcoI部位を有する領域(斜体大文字)、
fldA領域(710804から710784まで)と相同する領域(ボールド大文字)
を有するBamHI−NcoI−fldA−F−1(配列番号25):
GGATCCatgcCCATGGTGTGCAGTCCTGCTCGTTTGC。
fldA領域(710179から710156まで)に相同する領域(ボールド大文字)、
T7te転写終了配列に対する領域(下線付き大文字)(Harrington K.J., Laughlin R.B. and Liang S. Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Apr 24;98(9):5019−24)、
SmaI部位を含む領域(斜体大文字)、
fpr領域(4112583から4112563まで)に相同する領域(小文字)
を有するfldA−fpr−R−2(配列番号26):ggactggaaggctcaatcgatCCCGGGGCAGAAAGGCCCACCCGAAGGTGAGCCAGTGTGATGATCATCAGGCATTGAGAATTTCGTCG。
fldA領域(710179から710156まで)に相同する領域(ボールド大文字)、
T7te転写終了配列に対する領域(下線付き大文字)(Harrington K.J., Laughlin R.B. and Liang S. Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Apr 24;98(9):5019−24)、
SmaI部位を含む領域(斜体大文字)、
fpr領域(4112583から4112563まで)に相同する領域(小文字)
を有するfldA−fpr−F−3(配列番号27):CGACGAAATTCTCAATGCCTGATGATCATCACACTGGCTCACCTTCGGGTGGGCCTTTCTGCCCCGGGatcgattgagccttccagtcc。
fpr領域(4111770から4111749まで)に相同する領域(小文字)、
BamHI部位を含む領域(斜体大文字)
を有するfpr−BamHI−R−4(配列番号28):GGATCCttaccagtaatgctccgctgtc。
遺伝子fldAおよびfprを低コピーベクターに転移するため、ベクターpSCB−fldA−TT07−fprを制限酵素NcoIおよびBamHIで切断し、fldA−TT07−fpr断片をpJB137ベクターのNcoI/BamHI部位にクローニングして、ベクターpJB137−fldA−TT07−fprを得た。
4.2 菌株MG1655(pME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02)(pJB137−fldA−TT07−fpr)の構築
上記のpME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02およびpJB137−fldA−TT07−fprプラスミドを、菌株MG1655に導入する。得られた菌株MG1655(pME101−icmAmp−icmBmp−TT07−Plac−phaAre−phaBre−TT02)(pJB137−fldA−TT07−fpr)を、HI0048と命名する。
例5:ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼをコードするM.petroleiphilumのicmAおよびicmB遺伝子産物の精製、および遺伝子産物が反応3−ヒドロキシブチリル−CoA<−>2−ヒドロキシイソブチリル−CoAを触媒することの証明
ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ活性が3−ヒドロキシブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソブチリル−CoAへの転換を触媒することを証明するため、2つのサブユニットicmAおよびicmBを別々に精製し、活性多量体タンパク質をインビトロで再構築した。
5.1 icmAmpおよびicmBmpに対する過剰発現プラスミドの構築
5.1.1 プラスミドpPAL7VB01−icmAmpの構築
Methylibium petroleiphilum由来の遺伝子icmAを増幅するため、鋳型としてのGeneArt社製のサプライヤーのpMベクター(例1参照)と、pPAL7−icmAmp FおよびpPAL7−icmAmp Rとを用いてPCRを行う。
pPAL7−icmAmp F(配列番号29)
CCCAAGCTTTGACTTCTATGACCTGGCTGGAACCGCAG
pPAL7−icmAmp R(配列番号30)
GGAATTCTTAAAACACCGGGGTTTCACGATAGG
PCR産物をHindIIIおよびEcoRIで消化し、同じ制限酵素によって切断されたベクターpPAL7(Profinity eXact pPAL7 ベクター Biorad)にクローニングする。得られるプラスミドを、pPAL7VB01−icmAmpと命名する。過剰発現したタンパク質は、2種類の付加アミノ酸(Thr−Ser)をもたらし、これは精製の成功を確実にするために用いたタグとタンパク質との間のスペーサーに相当する。
ベクターpPAL7VB01−icmAmpをE.coliBL21star(DE3)のケミカルコンピテントセルに導入し、菌株BL21star(DE3)(pPAL7VB01−icmAmp)を得る。
5.1.2 プラスミドpPAL7VB01−icmBmpの構築
Methylibium petroleiphilum由来の遺伝子icmBを増幅するため、鋳型としてのGeneArt社製のサプライヤーのpMベクター(例1参照)と、pPAL7−icmBmp FおよびpPAL7−icmBmp Rとを用いてPCRを行う。
pPAL7−icmBmp F(配列番号31)
CCCAAGCTTTGACTTCTATGGATCAGATTCCGATTCGTG
pPAL7−icmBmp R(配列番号32)
GGAATTCTTAACGCGCACCACGCGCCGCAACC
PCR産物をHindIIIおよびEcoRIで消化して、同じ制限酵素によって切断されたベクターpPAL7(Profinity eXact pPAL7 ベクター Biorad)にクローニングする。得られるプラスミドを、pPAL7VB01−icmBmpと命名する。過剰発現したタンパク質は2種類の付加アミノ酸(Thr−Ser)をもたらし、これは精製の成功を確実にするために用いたタグとタンパク質との間のスペーサーに相当する。
ベクターpPAL7VB01−icmBmpをE.coliBL21star(DE3)のケミカルコンピテントセルに導入し、菌株BL21star(DE3)(pPAL7VB01−icmBmp)を得る。
5.2 ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼの2つのサブユニットIcmAmpおよびIcmBmpの過剰産生
タンパク質IcmAmpおよびIcmBmpの過剰産生を、2リットル三角フラスコ中で2.5g/lグルコースおよび100ppmアンピシリンを補足したLB培地(Bertani, 1951, J. Bacteriol. 62:293-300)を用いて行った。一晩の前培養を用いて、500ml培養物をOD600nmが約0.1となるように接種した。この前培養を、2.5g/lグルコースおよび100ppmアンピシリンを補足したLB培地50mlを満たした500ml三角フラスコで行った。培養物を、最初にOD600nmが約0.5となるまで37℃および200rpmで振盪器上に保持した後、培養物を、OD600nmが0.6〜0.8(約1時間)となるまで25℃および200rpmで第二の振盪器上に約1時間移動した後、500μMIPTGで誘導した。培養物を、OD600nmが約4となるまで25℃および200rpmに保持した後、停止した。細胞を4℃、7000rpm、5分間遠心分離した後、−20℃で保管した。
5.3 タンパク質IcmAmpおよびIcmBmpの精製
5.3.1 段階1:無細胞抽出物の調製
E.coliバイオマス約100mgを100mMリン酸カリウムpH7.6およびプロテアーゼ阻害剤カクテル 15mlに再懸濁した。細胞懸濁液を、50mlコニカル試験管中で氷上で30秒間ずつ30秒間の間隔を置きながら8サイクル音波処理を行った(Bandelin Sonoplus,70W)。音波処理の後、細胞を5mMMgClおよび1UI/mlDNaseIと共に室温で30分間インキュベーションした。細胞破片を、12000g、4℃で、30分間遠心分離によって除去した。
5.3.2 段階2:アフィニティー精製
タンパク質を、Profinityカラム(BIORAD,Bio−Scale Mini Profinity eXactカートリッジ1ml)上で製造業者の推奨するプロトコルに準じて親和力によって粗製細胞抽出物から精製した。粗製抽出物を、1mlProfinity eXactカートリッジ上に100mMリン酸カリウムpH7.6で平衡にした1mlを加えた。カラムを、同じ緩衝液の10カラム容量で洗浄し、100mMリン酸カリウムpH7.6、100mMフルオリドと共に4℃で一晩インキュベーションした。タンパク質を、100mMリン酸カリウムpH7.6の2カラム容量でカラムから溶出した。タグは樹脂にしっかり結合して保持され、精製タンパク質が放出された。タンパク質を含む画分をプールし、100mMTris−HCl、150mMNaClおよび10%グリセロールpH8に対して透析した。
タンパク質濃度を、Bradfordタンパク質分析法を用いて測定した。
5.4 ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ分析
ヒドロキシイソブチリル−CoA分析を、50mMリン酸カリウム緩衝液pH7.4、5mMEDTA、コエンザイムB12 20μM、3−ヒドロキシブチリル−CoA 1mMまたは10mM、10%グリセロール、および等モル濃度で混合した精製IcmAmpおよびIcmBmp 約17μgを用いて総容積500μlで行った。反応は、暗所で30℃にて120分間インキュベーションし、15%(v/v)HSO250μlで酸性にした後、2MKOH250μlを加えて停止した。酵素分析は、好気性および嫌気性条件の両方で行った。形成した酸(2−ヒドロキシイソ酪酸)を、LC−MSによって測定した。
5.5 精製酵素の活性
Figure 2012500641
インビトロで測定したこの活性は、IcmAmp、IcmBmpおよびコエンザイムB12の混合物から得た多量体活性タンパク質が3−ヒドロキシブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソブチリル−CoAへの転換(酸加水分解による本発明者らの酵素分析では2−ヒドロキシイソ酪酸への転換)を触媒することを示している。本発明者らは、ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼが、嫌気性条件下では20倍を上回る活性を有することも示している。
例6:アシル−CoAチオエステラーゼをコードするE.coliのtesB遺伝子産物、およびホスホトランスブチリラーゼおよびブチレートキナーゼ活性をコードするC.acetobutylicumのptbcaおよびbukca遺伝子産物の精製、および遺伝子産物が2−ヒドロキシイソブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソ酪酸への転換を触媒することの証明
アシル−CoAチオエステラーゼ活性、またはホスホトランスブチリラーゼとブチレートキナーゼ活性との組合せが、2−ヒドロキシイソブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソ酪酸への転換を触媒することを証明するため、3種類のtesB、ptbcaおよびbukca遺伝子産物を別々に精製し、酵素分析を実現した。
6.1 tesB、ptbcaおよびbukcaに対する過剰発現プラスミドの構築
6.1.1 プラスミドpPAL7−tesBの構築
Escherichia coli由来の遺伝子tesBを増幅するため、鋳型としてのE.coliゲノムDNAと、pPAL7−tesB FおよびpPAL7−tesB Rと命名されたプライマーとを用いてPCRを行う。
pPAL7−tesB F(配列番号33)
CCCAAGCTTTGATGAGTCAGGCGCTAAAAAATTTACTGAC
pPAL7−tesB R(配列番号34)
GGAATTCTTAATTGTGATTACGCATCACCCCTTCC
PCR産物をHindIIIおよびEcoRIを用いて消化し、同じ制限酵素によって切断されたベクターpPAL7(Profinity eXact pPAL7 ベクター Biorad)にクローニングする。得られるプラスミドを、pPAL7−tesBと命名する。
ベクターpPAL7−tesBを、E.coliBL21star(DE3)のケミカルコンピテントセルに導入し、菌株BL21star(DE3)(pPAL7−tesB)を得る。
6.1.2 プラスミドpPAL7VB01−ptbcaの構築
Clostridium acetobutylicum由来の遺伝子ptbを増幅するため、鋳型としてのC.acetobutylicumゲノムDNAと、pPAL7−ptbca FおよびpPAL7−ptbca Rと命名されたプライマーとを用いて、PCRを行う。
pPAL7−ptbca F(配列番号35)
CCCAAGCTTTGACTTCTATGATTAAGAGTTTTAATG
pPAL7−ptbca R(配列番号36)
GGAATTCTTATTTATTGCCTGCAACTAAAGCTGC。
PCR産物をHindIIIおよびEcoRIで消化し、同じ制限酵素によって切断されたベクターpPAL7(Profinity eXact pPAL7 ベクター Biorad)にクローニングする。得られるプラスミドを、pPAL7VB01−ptbcaと命名する。過剰発現したタンパク質は2種類の付加アミノ酸(Thr−Ser)をもたらし、これは精製の成功を確実にするために用いたタグとタンパク質との間のスペーサーに相当する。
ベクターpPAL7VB01−ptbcaをE.coliBL21star(DE3)のケミカルコンピテントセルに導入し、菌株BL21star(DE3)(pPAL7VB01−ptbca)を得る。
6.1.3 プラスミドpPAL7VB01−bukcaの構築
Clostridium acetobutylicum由来の遺伝子bukを増幅するため、鋳型としてのC.acetobutylicumゲノムDNAと、pPAL7−bukca FおよびpPAL7−bukca Rと命名されたプライマーとを用いてPCRを行う。
pPAL−bukca F(配列番号37)
CCCGCTCTTCAAAGCTTTGACTTCTATGTATAGATTACTAATAATCAATCC pPAL−bukca R(配列番号38)
GGAATTCTTATTTGTATTCCTTAGCTTTTTCTTCTCC
PCR産物をSapIおよびEcoRIで消化し、同じ制限酵素で切断されたベクターpPAL7(Profinity eXact pPAL7 Vector Biorad)にクローニングする。得られるプラスミドを、pPAL7VB01−bukcaと命名する。過剰発現したタンパク質は、2種類の付加アミノ酸(Thr−Ser)をもたらし、これは精製の成功を確実にするために用いたタグとタンパク質との間のスペーサーに相当する。
ベクターpPAL7VB01−bukcaをE.coliBL21star(DE3)のケミカルコンピテントセルに導入し、菌株BL21star(DE3)(pPAL7VB01−bukca)を得る。
6.2 アシル−CoAチオエステラーゼ、ホスファターゼおよびキナーゼ、TesB、PtbcaおよびBukcaの過剰産生
タンパク質TesB、PtbcaおよびBukcaを、例5.2と同じプロトコルを適用して過剰産生した。
6.3 タンパク質TesB、PtbcaおよびBukcaの精製
6.3.1 段階1:無細胞抽出物の調製
E.coliバイオマス約100mg(TesBのためには120mg)を100mMリン酸カリウムpH7.6およびプロテアーゼ阻害剤カクテル 15mlに再懸濁した。細胞懸濁液を、50mlコニカル試験管中で氷上で30秒間ずつ30秒間の間隔を置きながら8サイクル音波処理を行った(Bandelin Sonoplus,70W)。音波処理の後、細胞を5mMMgClおよび1UI/mlDNaseIと共に室温で30分間インキュベーションした。細胞破片を、12000g、4℃にて30分間遠心分離によって除去した。
6.3.2 段階2: アフィニティー精製
タンパク質TesB、PtbcaおよびBukcaの精製を、上記の例5.3.2と同じプロトコルを適用して行った。
6.4 酵素分析
6.4.1 アシル−CoAチオエステラーゼ分析
アシル−CoAチオエステラーゼ分析を、100mMリン酸カリウム緩衝液pH8、0.1mM5,5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸(DTNB)、200μM2−ヒドロキシイソブチリル−CoAおよび精製タンパク質11μgを用いて総容積1mlで行った。405nmにおける吸光度の増加率を、分光光度計で30℃にて測定した。酵素を欠いている対照分析を、この分析値に対して差し引いた。アシル−CoAチオエステラーゼ活性の単位は、毎分基質1μmolを加水分解するのに必要とする酵素量である。(υ405nm=13600M−1cm−1
6.4.2 酸−キナーゼ分析
反応を、過剰のヒドロキシルアミンの存在下にて2−ヒドロキシイソ酪酸(または3−ヒドロキシ酪酸)およびATPを反応物として用いて行う。この分析法は、リン酸アシルが中性で直ちにヒドロキサム酸を形成した後、酸溶液で着色した第二鉄−ヒドロキサメート錯体を形成することができることを用いている。酵素を、100mMTris−HClpH7.4緩衝液、KOHで中和した400mMヒドロキシルアミンpH7.4、50mM2−ヒドロキシイソ酪酸、KOHで中和した10mMATPpH7.4、20 mM MgCl、150mM Cl、120mMKOHおよび精製酵素約5μgで、総容積1mlで分析した。反応は、精製酵素を用いて37℃で開始し、反応を30分後に370mMFeCl、20%トリクロロ酢酸および720mMHClを含む溶液500μlを添加することによって停止した。試験管を、10000g、4℃で15分間遠心分離し、上清を氷上で保管し、540nmにおける吸光度を分光光度計で測定した。酵素を欠いている対照分析を、この分析に対して差し引いた(υ540nm=169M−1cm−1)。
6.4.3 ホスホトランスアシラーゼ分析
ホスホトランスアシラーゼ分析を、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.4、0.08mM5,5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸(DTNB)、200μM2−ヒドロキシイソブチリル−CoAおよび精製タンパク質約2μgを用いて、総容積1mlで行った。405nmにおける吸光度の増加率を、分光光度計で30℃にて測定した。酵素を欠いている対照分析を、この分析に対して差し引いた。ホスホトランスアシラーゼ活性の単位は、毎分基質1μmolを加水分解するのに必要とする酵素量である(υ405nm=13600M−1cm−1)。
6.5 精製酵素の活性
Figure 2012500641
精製酵素についてインビトロで測定したこれらの活性は、アシル−CoAチオエステラーゼ活性、およびホスホトランスアシラーゼと酸キナーゼ活性との組合せが、2−ヒドロキシイソブチリル−CoAの2−ヒドロキシイソ酪酸への転換を触媒することを証明している。
6.6 標準株E.coliMG1655の粗製抽出物についての活性
Figure 2012500641
tesBの染色体バージョンによる標準菌株MG1655で測定したアシル−CoAチオエステラーゼ比活性は、2−ヒドロキシイソブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸へ転換するのに十分であることを証明する。
例7:三角フラスコでの2−ヒドロキシイソ酪酸産生株の発酵
7.1 バッフル付き三角フラスコにおける2−HIBA産生株の発酵(好気性条件)
菌株の挙動を、最初に10g/lMOPS、10g/lグルコース、10mg/lビタミンB12および100μMIPTGを補足し、pH6.8に調整した修飾M9培地(Anderson, 1946, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 32:120-128)を用いて、500mlバッフル付き三角フラスコ中で評価した。必要ならば、スペクチノマイシンおよびカルベニシリンを、それぞれ50mg/lおよび100mg/lの濃度で加えた。24時間前培養を用いて、50ml培養物をOD600nmが約0.3から0.6になるように接種した。(前培養時間を短くすると、菌株HI0048c01の2−HIBA産生が増加した)。培養物を振盪器上に、培養培地中のグルコースが枯渇するまで37℃および200rpmに保持した。グルコース消費を、分離用Biorad HPX 97Hカラムおよび検出用屈折計を用いるHPLCによって追跡した。2−HIBA産生を、LC−MS/MS(液体クロマトグラフィー−質量分析法カップリング)によって追跡した。
様々な菌株の挙動の比較を、下表に示す。
Figure 2012500641
7.2 バッフルなし三角フラスコにおける2−HIBA産生株の発酵(微好気性条件)
IcmAmp/IcmBmp酵素複合体は、酸素の非存在下で一層効率的であることが示されているので(インビトロ酵素分析で得られた結果、例5.5参照)、最初のプロトコルを改良して、培養の微好気性段階に適用した。次に、菌株の挙動を、500mlのバッフルなし三角フラスコで20g/lMOPS、10g/lグルコースおよび100μMIPTGを補足して、pH6.8に調整した修飾M9培地を用いて評価した。必要ならば、スペクチノマイシンおよびカルベニシリンを、それぞれ50mg/lおよび100mg/lの濃度で加えた。24時間前培養を用いて、50ml培養物をOD600nmが約0.3から0.6になるように接種した。培養物を振盪器上に、OD600nmが4より高くなるまで37℃および200rpmに保持した。次に、10mg/lビタミンB12を培養培地に加え、振盪器の攪拌速度を培養培地中のグルコースが枯渇するまで100rpmに低下させた。グルコース消費は、分離用Biorad HPX 97Hカラムおよび検出用屈折計を用いるHPLCによって追跡した。2−HIBA産生を、LC−MS/MS(液体クロマトグラフィー−質量分析法カップリング)によって追跡した。
様々な菌株の挙動の比較を、下表に示す。
Figure 2012500641
7.3 バッフル付き三角フラスコ中での菌株HI0048の2−HIBA酸性に対するビタミンB12の影響(好気性条件)
IcmAmp/IcmBmp酵素複合体はビタミンB12依存性であることが知られているので、菌株HI0048c01の2つの培養を、例7.1に記載の培養条件で、24時間の前培養の代わりに7時間の前培養で、ビタミンB12の供給有りまたは無しで行った。グルコース消費を、分離用Biorad HPX 97Hカラムおよび検出用屈折計を用いるHPLCによって追跡した。2−HIBA産生を、LC−MS/MS(液体クロマトグラフィー−質量分析法カップリング)によって追跡した。2−HIBA産生を、図1に示す。
挙動を、下表に示す。
Figure 2012500641

Claims (26)

  1. アセチル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する連続段階を含んでなる2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)の製造方法であって、前記連続段階が
    a) アセチル−CoAを3−ヒドロキシブチリル−CoAに転換し、
    b) 上記で得られた3−ヒドロキシブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソブチリル−CoAに転換し、および
    c) 2−ヒドロキシイソブチリル−CoAを2−ヒドロキシイソ酪酸に転換する
    ことからなり、
    段階a)、b)およびc)が酵素による転換である、方法。
  2. 段階a)における酵素活性が、
    アセトアセチル−CoAチオラーゼまたはアセチル−CoAアセチル−トランスフェラーゼ活性を有する、第一の酵素a1)、および
    3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ活性を有する、第二の酵素a2)
    の2種類の酵素の組合せを用いて得られる、請求項1に記載の方法。
  3. 酵素a1)が、E.coliのatoB、C.acetobutylicumのthlAおよびR.eutrophaのphaAからなる群から選択される遺伝子によってコードされる遺伝子産物である、請求項2に記載の方法。
  4. 酵素a2)が、C.acetobutylicumのhbdおよびR.eutrophaのphaBからなる群から選択される遺伝子によってコードされる遺伝子産物である、請求項2または3に記載の方法。
  5. 段階b)が、ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼ活性を有する酵素系を用いて得られる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼが、A.tertiaricarbonis由来、M.petroleiphilum由来またはStreptomyces spp由来の遺伝子icmAおよびicmBによってコードされる遺伝子産物から生じる酵素によって活性化される、請求項5に記載の方法。
  7. fldA−fpr活性化系を過剰発現することによって、ヒドロキシイソブチリル−CoAムターゼの活性を増加させる、請求項6に記載の方法。
  8. 段階c)が、CoAトランスフェラーゼ活性を有する酵素を用いて基質上のCoAを転移することによって得られる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 酵素がアセチル−CoAトランスフェラーゼ活性を有し、かつ基質がアセテートおよび2−ヒドロキシイソブチリル−CoAである、請求項8に記載の方法。
  10. 段階c)が、アシル−CoAチオエステラーゼ活性を有する酵素を用いて基質上のCoAを転移することによって得られる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. アシル−CoAチオエステラーゼが、E.coliのtesBおよびH.influenzaeのybgCからなる群から選択される遺伝子によってコードされる遺伝子産物から生じる酵素によって活性化される、請求項10に記載の方法。
  12. 段階c)が、
    ホスホトランスアシラーゼ活性を有する、第一の酵素c1)、および
    酸−キナーゼ活性を有する、第二の酵素c2)
    の2種類の酵素の組合せを用いて得られる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  13. 酵素c1)が、ホスフェートヒドロキシイソブチリルトランスフェラーゼ活性、特にC.acetobutylicumの遺伝子ptbによってコードされる遺伝子産物を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 酵素c2)が、ヒドロキシイソブチレートキナーゼであり、特にC.acetobutylicumの遺伝子bukによってコードされる遺伝子産物である、請求項12または13に記載の方法。
  15. アセチル−CoAが、微生物における炭素源の生物転換によって得られる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 段階a)、b)およびc)が、前記段階a)、b)およびc)の転換のために必要な酵素活性を有する酵素をコードする遺伝子を発現する微生物によって行われる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 段階a)、b)およびc)を同一の微生物で行う、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 同一の微生物が、グルコースのアセチル−CoAへの生物転換を提供する、請求項17に記載の方法。
  19. 2−ヒドロキシイソ酪酸の産生を向上させるために修飾された微生物であって、前記微生物が請求項2〜15のいずれか一項に記載の前記段階a)、b)およびc)の転換のために必要な酵素活性を有する酵素をコードする遺伝子を発現する、微生物。
  20. 更に高濃度のアセチル−CoAを産生するように修飾された、請求項17に記載の微生物。
  21. 下記の遺伝子
    ホスホ−トランスアセチラーゼをコードするpta、
    アセテートキナーゼをコードするackA、
    ピルベートオキシダーゼをコードするpoxB、
    ラクテートデヒドロゲナーゼをコードするldhA、
    イソシトレートリアーゼをコードするaceA
    の少なくとも1種類の発現を減衰させる、請求項18に記載の微生物。
  22. NADPHの利用可能性を増加させる、請求項19または20に記載の微生物。
  23. 下記の遺伝子
    グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼをコードするpgi、
    可溶性トランスヒドロゲナーゼをコードするudhA
    の少なくとも1種類の発現を減衰させる、請求項22に記載の微生物。
  24. 細菌、優先的には腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、クロストリジウム科(Clostridiaceae)、バチルス科(Bacillaceae)、ストレプトマイセス科(Streptomycetaceae)およびコリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)からなる群から選択される、請求項19〜23のいずれか一項に記載の微生物。
  25. 単一炭素源の2−HIBAへの転換による2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)の発酵産生の方法であって、
    請求項19〜24のいずれか一項に記載の微生物を、単一炭素源を含んでなる適当な培養培地で培養し、
    培養培地から2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)を回収する
    段階を含んでなる、方法。
  26. 2−ヒドロキシイソ酪酸(2−HIBA)を更に精製する、請求項25に記載の方法。
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