JP2012256747A - 固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】漏れ電流量が低く、高い耐電圧性能を有する、優れた固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】本発明は、表面に誘電体被膜を有する陽極体と、陽極体上に設けられた固体電解質層と、を備え、誘電体被膜には、二酸化ケイ素粒子が存在する、固体電解コンデンサである。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法に関する。
従来より、コンデンサの小型化と大容量化を図るべく、様々なコンデンサが開発されている。なかでも、小型化に適したコンデンサとして、固体電解コンデンサが広く知られている。固体電解コンデンサの1つとして、ニオブ、タンタルおよびアルミニウムなどの弁作用金属からなる焼結体、または上記弁作用金属からなり、エッチングなどによりその表面が粗面化された箔を陽極体として備える固体電解コンデンサがある。このような固体電解コンデンサは、大きな表面積を有する陽極体を備えることができるため、誘電体被膜を拡面化することができ、結果的に、固体電解コンデンサの小型化、大容量化が可能となる。
上記固体電解コンデンサにおいては、特性のさらなる向上のための開発が進められている。たとえば、特許文献1には、固体電解コンデンサの自己修復性を高めて漏れ電流を抑制することを目的に、コロイダルシリカを含有する固体電解質層を形成する技術が記載されている。具体的には、特許文献1の技術において、固体電解質層を形成するためのモノマー溶液または酸化剤溶液にコロイダルシリカを添加し、モノマーを化学重合させることによって、コロイダルシリカを含有する固体電解質層が形成される。
特開2010−87344号公報
しかしながら、コロイダルシリカを構成する二酸化ケイ素の粒子は吸湿性が高いため、モノマー溶液、酸化剤溶液などにコロイダルシリカを含有させて重合反応を行う場合に、化学重合を阻害するという問題がある。このため、特許文献1に記載される技術では、固体電解コンデンサの特性を十分に向上させることができていないのが実情である。
そこで、本発明は、特性の優れた固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、表面に誘電体被膜を有する陽極体と、陽極体上に設けられた固体電解質層と、を備え、誘電体被膜には、二酸化ケイ素粒子が存在する、固体電解コンデンサである。
上記固体電解コンデンサにおいて、二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が20nm以上60nm以下であることが好ましい。なお、本明細書において、平均粒子径とは、SEM(走査型電子顕微鏡)によって測定される球状の粒子径の平均値を意味し、粒子が楕円状の場合には、粒子の長径(粒子の外表面の任意の2点を結ぶ線分のうち最長の長さ)の平均値を意味する。
上記固体電解コンデンサにおいて、二酸化ケイ素粒子は、誘電体被膜中に包含されることが好ましい。
上記固体電解コンデンサにおいて、二酸化ケイ素粒子はコロイド状であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、誘電体被膜が形成された陽極体を再化成処理する工程と、再化成処理された陽極体上に固体電解質層を形成する工程と、を含み、再化成処理する工程は、陽極体を、二酸化ケイ素粒子を含有する再化成処理液に浸漬する工程と、再化成処理液に浸漬された陽極体に、電圧を印加する工程とを含む、固体電解コンデンサの製造方法である。
上記固体電解コンデンサの製造方法において、二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が20nm以上60nm以下であることが好ましい。
上記固体電解コンデンサにおいて、再化成処理液における二酸化ケイ素粒子の濃度が2質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
上記固体電解コンデンサにおいて、二酸化ケイ素粒子はコロイド状であることが好ましい。
上記固体電解コンデンサにおいて、二酸化ケイ素粒子は負電荷を帯びていることが好ましい。
上記固体電解コンデンサにおいて、再化成処理する工程の前に、陽極体の基体を化成処理して、基体の表面に誘電体被膜を形成する工程を含み、誘電体被膜を形成する工程は、基体を、二酸化ケイ素粒子を含有する化成処理液に浸漬する工程と、化成処理液に浸漬された前記基体に、電圧を印加する工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、特性の優れた固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することができる。
実施形態1の固体電解コンデンサの模式的な断面図である。 図1のコンデンサ素子の構成を説明するための概略図である。 図1の陽極体の構成を説明するための概略図である。 実施形態1の固体電解コンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 図4のステップS4を示すフローチャートである。 実施形態2の固体電解コンデンサの模式的な断面図である。 実施形態2の固体電解コンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る固体電解コンデンサの実施の形態を説明する。以下の実施の形態は一例であり、本発明の範囲内で種々の実施の形態での実施が可能である。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施形態1>
まず、図1〜図3を用いて、実施形態1の固体電解コンデンサの構成について説明する。図1は、実施形態1の固体電解コンデンサの模式的な断面図であり、図2は、図1のコンデンサ素子の構成を説明するための概略図であり、図3は、図1の陽極体の構成を説明するための概略図である。
図1を参照し、固体電解コンデンサは、コンデンサ素子10と、有底ケース11と、封止部材12と、座板13と、リード線14A,14Bと、リードタブ15A,15Bとを備える。コンデンサ素子10にはリードタブ15A,15Bが接続され、リードタブ15A,15Bのそれぞれにはリード線14A,14Bが電気的に接続されている。このコンデンサ素子10は、上面に開口端を有する有底ケース11に収納されており、リード線14A,14Bが貫通するように形成された封止部材12がコンデンサ素子10の上面に配置されることによって、有底ケース11内に封止されている。また、有底ケース11の開口端近傍は、横絞りされてカール加工されており、加工されたカール部分には座板13が配置されている。
図2を参照し、コンデンサ素子10は、リードタブ15Aと接続した陽極体21と、リードタブ15Bと接続した陰極体22と、セパレータ23とを備える。陽極体21および陰極体22は、セパレータ23を介して一体的に巻回されており、巻回されたコンデンサ素子10の最外周は、巻止めテープ24により止められる。なお、図2では、コンデンサ素子10の最外周を止める前の状態、すなわち、コンデンサ素子10を一部を展開した状態を示している。
陽極体21は、図3を参照し、表面が粗面化された基体としての金属箔30と、金属箔30の表面に設けられた誘電体被膜31とからなる。また、陽極体21と陰極体22(不図示)との間には、固体電解質層32が設けられている。以下、本実施形態の説明を容易とするために、本明細書において、陽極体21およびセパレータ23の間に固体電解質層32が形成される前のコンデンサ素子10を「巻回体」ともいう。
以下に、固体電解コンデンサの各構成要素について具体的に説明する。
陽極体21を構成する金属箔30は、特に限定されず、たとえば、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属からなる金属箔を用いることができる。また、金属箔30の表面に設けられる誘電体被膜31の表面積を大きくするために、金属箔30の表面は拡面化されていることが好ましい。たとえば、金属箔30の表面をエッチング処理して粗面化することによって、金属箔30の表面を拡面化することができる。
誘電体被膜31は、絶縁性の化合物からなる被膜である。たとえば、金属箔30がアルミニウム、タンタルまたはニオブからなる場合、誘電体被膜31の組成は酸化アルミニウム(Al23)、酸化タンタル(Ta25)、または酸化ニオブ(Nb25)であることが好ましい。この場合、化成処理によって誘電体被膜31を容易に形成することができる。
また、誘電体被膜31には、二酸化ケイ素粒子が存在している。この構成により、誘電体被膜31の絶縁性および強度を高めることができるため、固体電解コンデンサの漏れ電流量を抑制することができる。
なかでも、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜31中に包含されることにより、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜31と固体電解質層32との接触を阻害することがない点で、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜31中に包含されることが好ましい。「誘電体被膜31中に包含」とは、陽極体21内に二酸化ケイ素粒子が包み込まれていること、すなわち、金属箔30の表面および誘電体被膜31中のいずれか、または両方に存在することを意味し、誘電体被膜31の表面から露出して、固体電解質層32と接触するような構成を除外する意味である。
特に、本発明者は、詳細な検討および各種実験により、SEMにより測定される二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が、20nm以上60nm以下であることが好ましいことを知見している。このため、二酸化ケイ素粒子は、コロイド状の二酸化ケイ素粒子、いわゆるコロイドケイ酸粒子あることが好ましい。陽極体21の表面および/または誘電体被膜31中に二酸化ケイ素粒子が存在するかどうか、その表面から露出しているかどうか、および、二酸化ケイ素粒子の粒径のそれぞれは、具体的には、固体電解コンデンサを分解して、あるいは、誘電体被膜31部分の断面を露出させ、これを、たとえば、SEM−EDS(エネルギー分散型X線分光器を備える走査型電子顕微鏡)を用い観察することによって、確認することができる。また、TEM(透過型電子顕微鏡)によっても確認することができる。
陰極体22は、金属箔からなり、たとえば、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属からなる金属箔を用いることができる。陽極体21と陰極体22を構成する金属は同じでも良く、異なっていてもよい。
セパレータ23は、たとえば、合成セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、アラミド繊維を主成分とする不織布などを用いることができる。
固体電解質層32は、二酸化マンガン、TCNQ錯塩(7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン)、導電性高分子などを用いることができる。特に、電気伝導性の高さから、固体電解質層32は導電性高分子からなることが好ましい。導電性高分子は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン若しくはポリアニリン、またはこれらの誘導体などからなる。ポリチオフェンおよびその誘導体の導電性が高いことから、ポリチオフェンまたはその誘導体からなる導電性高分子を用いることが好ましい。
また、導電性高分子からなる固体電解質層32には、ドーパントが含まれる。ドーパントとしては、たとえば、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸、多環芳香族スルホン酸などのスルホン酸化合物、硝酸、硫酸などを用いることができる。具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、テトラリンスルホン酸などを好適に用いることができる。なかでも、p−トルエンスルホン酸は、固体電解質層32に高い導電性を付与することができる点で特に好ましい。
有底ケース11は、たとえば、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄、真鍮などの金属、あるいはこれらの合金からなるケースを用いることができる。また、封止部材12は、絶縁性の物質であればよく、たとえば、絶縁性の弾性体を用いることができる。なかでも、耐熱性や密封性の比較的高い材料である、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、ハイパイロンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴムなどの絶縁ゴムを用いることが好ましい。また、リード線14A,14Bおよびリードタブ15A,15Bの材料も特に限定されず、公知の材料を用いることができる。
次に、図1〜図5を用いて、本実施形態の固体電解コンデンサの製造方法について説明する。図4は、実施形態1の固体電解コンデンサの製造方法を示すフローチャートであり、図5は、図4のステップS4を示すフローチャートである。
(化成処理)
図4を参照し、まず、金属箔30を化成処理して、誘電体被膜31を形成する(ステップS1)。
具体的には、まず、所定の大きさの金属箔30の表面を粗面化する。金属の種類は特に限定されないが、誘電体被膜31の形成が容易である点からは、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属を用いることが好ましい。また、粗面化は、たとえば、金属箔30をエッチング処理することによって、金属箔30の表面に複数の凹部を形成することができる。
次に、粗面化された金属箔30を化成処理し、金属箔30の表面に誘電体被膜31を形成する。化成処理とは、陽極体21をアジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸水溶液などの化成処理液に浸漬して熱処理する方法であり、あるいは、陽極体21を上記化成液に浸漬して電圧を印加する方法である。そして、誘電体被膜31が形成された金属箔30を陽極体21として必要な所望の大きさに切断する。
以上の処理により、表面に凹部を有する金属箔30上に誘電体被膜31が設けられた陽極体21が作製される。なお、金属箔30を所望の大きさに切断した後に、誘電体被膜31を形成してもよいが、量産性の観点から、大判の弁作用金属箔に対して粗面化処理および化成処理を行い、その後、切断することが好ましい。
(巻回体の作製)
次に、上記陽極体21と、セパレータ23、陰極体22とを巻回して、巻回体を作製する(ステップS2)。
具体的には、まず、陽極体21と陰極体22とを、セパレータ23を介して巻回する。このとき、リード線14A,14Bがそれぞれ接続されたリードタブ15A,15Bを陽極体21、陰極体22にそれぞれ接続後、これを巻き込みながら巻回することにより、図2に示すように、リードタブ15A,15Bを巻回体中に立設させることができる。次に、巻回された陽極体21、陰極体22およびセパレータ23のうち、最外層に位置する陰極体22の外側表面に、巻止めテープ24を配置し、陰極体22の端部を巻止めテープ24で止める。以上の処理により、巻回体が作製される。
(再化成処理)
次に、陽極体21を再化成処理する(ステップS3)。
ステップS3は、図5を参照し、陽極体21を二酸化ケイ素粒子を含有する再化成処理液に浸漬する工程(ステップS11)と、浸漬された陽極体21に電圧を印加する工程(ステップS12)とを含む。
具体的には、まず、図5のステップS11において、巻回体を二酸化ケイ素粒子を含有する再化成処理液に浸漬することによって、巻回体中の陽極体21の表面にまで再化成処理液を浸透させる。再化成処理液としては、化成処理液と同様に、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸水溶液などを用いることができる。
次に、図5のステップS12において、再化成処理液に浸漬された陽極体21に電圧を印加する。これにより、陽極体21の表面に、二酸化ケイ素粒子を有する誘電体被膜31が形成される。
以上の処理により、陽極体21の表面が再化成処理される。陽極体21の切り口(切断面)には誘電体被膜31が形成されておらず、また、リードタブ15A,15Bの巻き込みなどにより、誘電体被膜31が欠損している部分が生じている場合があるが、この再化成処理により、これらの欠損部を修復することができる。そして、誘電体被膜31中に二酸化ケイ素粒子が存在することにより、誘電体被膜31の絶縁性および強度を高めることができるため、結果的に、固体電解コンデンサの漏れ電流、耐電圧などを向上させることができる。
また、再化成処理液に添加する二酸化ケイ素粒子の平均粒子径は、20nm以上60nm以下であることが好ましい。このため、二酸化ケイ素粒子は、コロイド状の二酸化ケイ素粒子、いわゆるコロイドケイ酸粒子であることが好ましい。さらに、本発明者は、詳細な検討および各種実験により、化成処理液中の二酸化ケイ素粒子の濃度が2質量%以上10質量%以下であることが好ましいことを知見している。このような条件で再化成処理を行うことにより、二酸化ケイ素粒子を包含する誘電体被膜31を効率的に製造できる。
また、二酸化ケイ素粒子は、負電荷を帯びていることが好ましい。この場合、二酸化ケイ素粒子間に反発力が発生するため、再化成処理液中において、二酸化ケイ素粒子を安定的に存在させることができる。また、負電荷を帯びている二酸化ケイ素粒子は、誘電体被膜31が欠損して陽極体21の表面が露出するような部分により多く集まることができるため、さらに効率的に、誘電体被膜31の絶縁性および強度を高めることができる。
(固体電解質層の形成)
図4に戻り、次に、再化成処理された陽極体21上に固体電解質層32を形成する(ステップS4)。たとえば、導電性高分子からなる固体電解質層32は、化学重合および/または電解重合によって形成することができるが、ここでは、一例として、化学重合によって固体電解質層32を形成する方法について、説明する。
具体的には、まず、化学重合に用いる混合液を準備する。混合液は、たとえば、溶媒に、酸化剤、前駆体モノマー、ドーパントを加えて混合させることによって準備することができる。また、酸化剤およびドーパントをそれぞれ個別に用いる代わりに、酸化剤兼ドーパントを用いてもよい。
次に、作製した巻回体を混合液に浸漬してから巻回体を引上げて、熱処理、たとえば、150℃で30分間熱処理する。これにより、陽極体21上において、前駆体モノマーの重合反応が進行するため、陽極体21上に導電性高分子からなる固体電解質層32が形成される。なお、溶媒は蒸発除去される。
前駆体モノマーは、重合することによって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン若しくはポリアニリン、またはこれらの誘導体となる化合物である。たとえば、前駆体モノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3−アルキルチオフェン、N−メチルピロール、N,N−ジメチルアニリン、N−アルキルアニリンなどを用いることができる。特に、ポリチオフェンの前駆体モノマーの1つである3,4−エチレンジオキシチオフェンが好ましい。この場合、特に導電性の高い固体電解質層32を形成することができる。
酸化剤は、前駆体モノマーを重合させることができればよく、たとえば、硫酸、過酸化水素、鉄(III)、銅(II)、クロム(VI)、セリウム(IV)、マンガン(VII)、亜鉛(II)などを用いることができる。なかでも、これらの金属と塩を構成したスルホン酸金属塩を用いることが好ましい。スルホン酸金属塩は、上述のように、ドーパントとしての機能を有するスルホン酸化合物と、酸化剤としての機能を有する金属とからなるため、該スルホン酸金属塩は、ドーパントと酸化剤とを兼ねることができる。具体的には、ナフタレンスルホン酸金属塩、テトラリンスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩およびアルコキシベンゼンスルホン酸金属塩などを用いることができ、中でも、p−トルエンスルホン酸金属塩であるなどを用いることができる。なかでも、p−トルエンスルホン酸第二鉄は両機能性が高いため、好適に用いることができる。
溶媒には、前駆体モノマーの分散性が高く、酸化剤、ドーパントの溶解性の高い溶媒を用いることが好ましい。たとえば、ブタノール、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコーなどのアルコールを好適に用いることができる。
なお、ここでは、1つの混合液に前駆体モノマー、酸化剤、およびドーパントを加えた、1液からなる重合反応系を構築したが、2液からなる重合反応系を構築してもよい。たとえば、前駆体モノマーからなる第1液と、溶媒にドーパントおよび酸化剤を添加してなる第2液とを用いてもよい。この場合には、第1液および第2液のそれぞれに巻回体を浸漬することによって、前駆体モノマーを化学重合させることができる。
本工程により、陽極体21上に固体電解質層32が形成され、陽極体21およびセパレータ23の間に固体電解質層32が形成されたコンデンサ素子10が作製される。
(コンデンサ素子の封止)
次に、コンデンサ素子10を封止する(ステップS5)。
具体的には、まず、リード線14A,14Bが有底ケース11の開口する上面に位置するように、コンデンサ素子10を有底ケース11に収納する。次に、リード線14A,14Bが貫通するように形成された封止部材12を、コンデンサ素子10の上方に配置して、コンデンサ素子10を有底ケース11内に封止する。そして、コンデンサ素子10を封止する有底ケース11の開口端近傍を、横絞り加工およびカール加工する。そして、加工されたカール部分に座板13を配置することによって、図1に示す固体電解コンデンサが製造される。
以上詳述した本実施形態の固体電解コンデンサによれば、誘電体被膜31中に二酸化ケイ素粒子が存在することにより、誘電体被膜31の絶縁性および強度を高めることができるため、固体電解コンデンサの漏れ電流量を抑制することができ、耐電圧を向上させることができる。したがって、特性の優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
特に、誘電体被膜31中に二酸化ケイ素粒子が包含されていることが好ましい。これにより、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜の表面に付着しているような構成と比較して、二酸化ケイ素粒子による陽極体と固体電解質層との接触の阻害を大きく抑制することができる。このため、固体電解コンデンサの上記特性をさらに向上させることができる。
また、上記二酸化ケイ素粒子は、平均粒子径が20nm以上60nm以下であることが好ましい。この理由は、明確ではないが、その一つとして、次のことが考えられる。すなわち、二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が上記範囲を超える場合、二酸化ケイ素粒子が陽極体21と固体電解質層32との接触を阻害することが考えられる。また、同平均粒子径が上記範囲に足りない場合、二酸化ケイ素粒子の表面積が大きすぎるために、二酸化ケイ素粒子自身が接触抵抗として作用することが考えられる。
また、本実施形態の固体電解コンデンサの製造方法によれば、再化成処理液に二酸化ケイ素粒子を含有させ、これに巻回体を浸漬し、電圧を印加することによって、二酸化ケイ素粒子が存在する誘電体被膜31を効率的に形成することができる。また、従来のように、固体電解質層を形成するためのモノマー溶液または酸化剤溶液にコロイダルシリカを添加する方法とも異なるため、固体電解質層の形成が阻害されたり、不均一な重合となることがない。
特に、上記製造方法において、二酸化ケイ素粒子を含有する再化成処理液に浸漬させた巻回体に電圧を印加するが、このとき、二酸化ケイ素粒子は負電荷を帯びた状態で再化成処理液中に存在することが好ましい。この場合、二酸化ケイ素粒子は、再化成処理液中で所望の大きさの粒子径を有した状態で安定的に存在することができる。また、負電荷を帯びた二酸化ケイ素粒子は、陽極体21のうち、絶縁性の誘電体被膜31に十分に被覆されている部分よりも、金属箔30が露出している部分などの誘電体被膜31が欠損した部分により多く集まることができる。このため、たとえば、陽極体21の切り口、リードタブ15A,15Bを巻き込んだ部分などに、より多くの二酸化ケイ素粒子が集まった状態で、誘電体被膜31を修復することができる。したがって、結果的に、より効率的に、誘電体被膜31を修復することができ、もって、固体電解コンデンサの漏れ電流量を顕著に低減させることができ、また、耐電圧を向上させることができる。
また、上述のように、本発明者は、再化成処理液中の二酸化ケイ素粒子の濃度が2質量%以上10質量%以下であることが好ましいことを知見している。この理由は、明確ではないが、その一つとして、次のことが考えられる。すなわち、二酸化ケイ素粒子の濃度が上記範囲を超える場合、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜31中に多く存在しすぎるために、誘電体被膜31が二酸化ケイ素粒子を包含しきれずに、誘電体被膜31の表面から二酸化ケイ素粒子が多く露出することにより、陽極体21と固体電解質層32との接触を阻害することが考えられる。また、同濃度が上記範囲に足りない場合、二酸化ケイ素粒子による作用が十分でないことが考えられる。
本実施形態の固体電解コンデンサの製造方法では、再化成処理液に二酸化ケイ素粒子を含有させたが、化成処理液に二酸化ケイ素粒子を含有させてもよい。すなわち、図4のステップS1において、図5のステップS11およびS12を行ってもよい。この製造方法によっても、誘電体被膜31中に二酸化ケイ素粒子が存在する誘電体被膜31を形成させることができる。特に、金属箔30を陽極体21として必要な所望の大きさに切断した後に、化成処理によって誘電体被膜31を形成する場合には、再化成処理を行わない場合があり、この場合には、化成処理液に二酸化ケイ素粒子を含有させる方法が好適である。
また、化成処理液および再化成処理液のいずれにも二酸化ケイ素粒子を含有させて、それぞれの処理時に図5のステップS11およびS12を行ってもよい。この場合にも、固体電解コンデンサの特性を向上させることができる。
<実施形態2>
次に、図6を用いて、実施形態2の固体電解コンデンサの構成について説明する。図6は、実施形態2の固体電解コンデンサの模式的な断面図である。なお、実施形態1と同様の構成および方法などについては、その説明を繰り返さない。
図6において、固体電解コンデンサは、焼結体41と誘電体被膜42とからなる陽極体43を備え、陽極体43には、陽極リード44が立設されている。陽極体43上には、固体電解質層45が形成されており、また、固体電解質層45の上には、カーボン層46および銀ペイント層47の順に積層された陰極層が設けられており、陽極体43、陽極リード44、固体電解質層45、カーボン層46および銀ペイント層47によって、コンデンサ素子40が構成されている。
陽極リード44には陽極端子48が接続されており、銀ペイント層47には導電性の接着剤からなる接着層49を介して陰極端子50が接続されている。さらに、陽極端子48の一部および陰極端子50の一部が露出するように、コンデンサ素子40が外装樹脂51によって封止される。なお、図6において、露出する陽極端子48および陰極端子50は、外装樹脂51の表面に沿うように折り曲げられている。
以下に、固体電解コンデンサの各構成要素について具体的に説明する。
陽極体43を構成する焼結体41は、タンタルおよびニオブなどの弁作用金属からなる焼結体である。漏れ電流が低い点で、タンタルからなる焼結体であることがより好ましい。また、焼結体41にその一端が埋設される陽極リード44の材料は、金属であれば特に限定されないが、焼結体41の金属と同一の金属を用いることが好ましい。
誘電体被膜42は、絶縁性の化合物からなる被膜であり、焼結体41がタンタルまたはニオブからなる場合、誘電体被膜42の組成は酸化タンタル(Ta25)、または酸化ニオブ(Nb25)であることが好ましい。この場合、化成処理によって誘電体被膜42を容易に形成することができる。
また、誘電体被膜42中には、二酸化ケイ素粒子が存在している。この構成により、誘電体被膜42の絶縁性および強度を高めることができるため、固体電解コンデンサの漏れ電流量を抑制することができる。なかでも、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜31中に包含されることにより、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜31と固体電解質層32との接触を阻害することがない点で、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜42中に包含されることが好ましい。
また、実施形態1と同様に、SEMにより測定される二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が、20nm以上60nm以下であることが好ましい。陽極体21の表面および/または誘電体被膜31中に二酸化ケイ素粒子が存在するかどうか、その表面から露出しているかどうか、および、二酸化ケイ素粒子の粒径のそれぞれの測定方法は実施形態1と同様であるため、その説明は繰り返さない。
固体電解質層45は、誘電体被膜42上に設けられており、二酸化マンガン、TCNQ錯塩(7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン)、または導電性高分子などを用いることができる。特に、電気伝導性の高さから、固体電解質層45は導電性高分子からなることが好ましい。導電性高分子からなる固体電解質層45の組成は、実施形態1と同様であるため、その説明は繰り返さない。
カーボン層46は、導電性を有していればよく、たとえば、グラファイトを用いることができる。また、銀ペイント層47は、銀粒子で構成することができる。陽極端子48および陰極端子50は、導電性を有していればよく、たとえば、銅などの金属を用いることができる。接着層49は、導電性と接着性を有していればよく、たとえば銀をフィラーとして含む銀接着剤を用いることができる。外装樹脂51の材料は特に限定されず、たとえばエポキシ樹脂などの公知の樹脂を用いることができる。
次に、図5〜図7を用いて、本実施形態の固体電解コンデンサの製造方法について説明する。図7は、実施形態2の固体電解コンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
(化成処理)
図7を参照し、まず、焼結体41を化成処理して、誘電体被膜42を形成する(ステップS21)。
具体的には、金属粒子を所定の形状に成形し、陽極リード44を立設した状態で焼結することによって焼結体41を作製する。そして、作製された焼結体41を化成処理し、焼結体41の表面に、誘電体被膜42を形成する。これにより、焼結体41の表面に誘電体被膜42が設けられた陽極体43が作製される。
(下地層の作製)
次に、陽極体43の表面に導電性の下地層を作製する(ステップS22)。
ここで、下地層を作製する目的は、絶縁性の誘電体被膜42上に導電性の下地層を作製することによって、後述する固体電解質層45の形成を容易とするためである。下地層は、誘電体被膜42および固体電解質層45との結合性が高く、導電性を有していれば良く、ここでは、化学重合によって導電性高分子からなる下地層を作製する方法について説明する。
具体的には、まず、化学重合に用いる混合液を準備する。混合液は、たとえば、溶媒に、酸化剤、前駆体モノマー、ドーパントを加えて混合させることによって準備することができる。また、酸化剤およびドーパントをそれぞれ個別に用いる代わりに、酸化剤兼ドーパントを用いてもよい。なお、前駆体モノマー、酸化剤、ドーパントおよび溶媒の詳細については実施形態1と同様であるため、その説明は繰り返さない。
次に、作製した陽極体43を混合液に浸漬してから陽極体43を引き上げ、所定時間放置する。これにより、陽極体43上において、前駆体モノマーの重合反応が進行するため、陽極体43上に導電性高分子からなる下地層が作製される。なお、誘電体被膜42の全面を下地層が覆わないように、重合反応の速度を制御することが好ましい。
(再化成処理)
次に、下地層が形成された陽極体43を再化成処理する(ステップS23)。
ステップS23は、図5を参照し、陽極体43を二酸化ケイ素粒子を含有する再化成処理液に浸漬する工程(ステップS11)と、浸漬された陽極体21に電圧を印加する工程(ステップS12)とを含む。本工程の詳細は、実施形態1の再化成処理と同様であるため、その説明は省略する。
以上の処理により、陽極体43の表面が再化成処理される。陽極体43の表面は、下地層を作製することにより、誘電体被膜42が損傷して該誘電体被膜42が欠損している部分が生じている場合があるが、この再化成処理により、このような欠損部を修復することができる。そして、誘電体被膜43中に二酸化ケイ素粒子が存在することにより、誘電体被膜31の絶縁性および強度を高めることができるため、結果的に、固体電解コンデンサの漏れ電流、耐電圧などを向上させることができる。
(固体電解質層の形成)
図7に戻り、次に、再化成処理された陽極体43上に固体電解質層45を形成する(ステップS24)。ここでは、電解重合によって、導電性高分子からなる固体電解質層45を形成する方法について説明する。なお、導電性高分子からなる固体電解質層45は、化学重合および/または電解重合によって形成することができるが、本実施形態において、誘電体被膜42上に導電性の下地層が形成されているため、電解重合による固体電解質層45の形成が容易となる。電解重合による固体電解質層45は、化学重合による場合よりも緻密で高品質である点で好ましい。
具体的には、まず、電解重合に用いる電解液を準備する。電解液は、前駆体モノマーおよびドーパントを含有する溶液であり、陽極体43を浸漬した電解液に電圧を印加することによって、陽極体43上に、導電性高分子からなる固体電解質層45を形成することができる。なお、用いられる前駆体モノマーおよびドーパントの詳細については、化学重合の場合と同様であるため、その説明は繰り返さない。
(陰極層の形成)
次に、固体電解質層45上にカーボン層46および銀ペイント層47からなる陰極層を形成する(ステップS25)。
たとえば、カーボン層46は、固体電解質層45が形成された陽極体43をカーボン粒子を分散させた溶液に浸漬し、その後乾燥処理することによって形成することができる。また、銀ペイント層47は、カーボン層46を形成後、該陽極体43を銀粒子を含む溶液へ浸漬して乾燥処理することによって形成することができる。以上の工程により、コンデンサ素子40が作製される。
次に、コンデンサ素子40を封止する(ステップS26)。
具体的には、陽極端子48を陽極リード44の露出している一端に接続し、銀ペイント層47上に接着層49を形成して陰極端子50の一端を接続し、これらを図6に示すように外装樹脂51にて封止する。そして、外装樹脂51の外部に露出している陽極端子48および陰極端子50を外装樹脂51の外周に沿うように折り曲げた後に、エージング処理することにより、図6の固体電解コンデンサが製造される。
以上詳述した本実施形態の固体電解コンデンサによれば、誘電体被膜42中に二酸化ケイ素粒子が存在することにより、誘電体被膜42の絶縁性および強度を高めることができるため、固体電解コンデンサの漏れ電流量を抑制することができ、耐電圧を向上させることができる。したがって、特性の優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
特に、誘電体被膜42中に二酸化ケイ素粒子が包含されていることが好ましい。これにより、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜の表面に付着しているような構成と比較して、二酸化ケイ素粒子による陽極体と固体電解質層との接触の阻害を大きく抑制することができる。また、実施形態1と同様に、二酸化ケイ素粒子は、平均粒子径が20nm以上60nm以下であることが好ましい。
また、本実施形態の固体電解コンデンサの製造方法によれば、実施形態1と同様に、再化成処理液に二酸化ケイ素粒子を含有させ、これに陽極体43を浸漬し、電圧を印加することによって、二酸化ケイ素粒子が存在する誘電体被膜42を効率的に形成することができる。また、従来のように、固体電解質層を形成するためのモノマー溶液または酸化剤溶液にコロイダルシリカを添加する方法とも異なるため、固体電解質層の形成が阻害されたり、不均一な重合となることがない。
特に、上記製造方法において、二酸化ケイ素粒子を含有する再化成処理液に浸漬させた陽極体43に電圧を印加するが、このとき、二酸化ケイ素粒子は負電荷を帯びた状態で再化成処理液中に存在することが好ましい。この場合、二酸化ケイ素粒子は、再化成処理液中で所望の大きさの粒子径を有した状態で安定的に存在することができる。また、負電荷を帯びた二酸化ケイ素粒子は、実施形態1と同様に、陽極体43のうち、絶縁性の誘電体被膜42に十分に被覆されている部分よりも、焼結体41が露出している部分などの誘電体被膜42が欠損した部分により多く集まることができる。したがって、結果的に、より効率的に誘電体被膜42を修復することができ、もって、固体電解コンデンサの漏れ電流量を顕著に低減させることができ、また、耐電圧を向上させることができる。
また、実施形態1と同様に、再化成処理液中の二酸化ケイ素粒子の濃度が2質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
また、化成処理液に二酸化ケイ素粒子を含有させてもよい。すなわち、図7のステップS21において、図5のステップS11およびS12を行ってもよい。この製造方法によっても、誘電体被膜42中に二酸化ケイ素粒子を包含する誘電体被膜42を形成させることができ、二酸化ケイ素粒子が誘電体被膜の表面に付着しているような構成と比較して、二酸化ケイ素粒子による陽極体43と固体電解質層45との接触の阻害を大きく抑制することができる。特に、下地層を形成しない場合、たとえば、化学重合によって固体電解質層45を形成する場合には、再化成処理を行わない場合があり、この場合には、化成処理液に二酸化ケイ素粒子を含有させる方法が好適である。また、化成処理液および再化成処理液のいずれにも二酸化ケイ素粒子を含有させてもよいことは、実施形態1と同様である。
以上、巻回型の固体電解コンデンサ、および焼結体を有するチップ型の固体電解コンデンサを用いて本発明の実施形態を説明したが、本発明の固体電解コンデンサはこれに限られず、たとえば、陽極体が積層された積層型の固体電解コンデンサであってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例1において、巻回型の固体電解コンデンサを作製した。以下に、固体電解コンデンサの具体的な製造方法について説明する。
(化成処理)
まず、アルミニウム箔にエッチング処理を行ってアルミニウム箔の表面を粗面化した後、該アルミニウム箔の表面に、化成処理によって誘電体被膜を形成した。化成処理は、アジピン酸アンモニウムを5質量%含有する水溶液からなる化成処理液にアルミニウム箔を浸漬し、これに145Vの電圧を印加することによって行なった。そして、このアルミニウム箔を、縦×横が6mm×120mmとなるように切断して陽極体を準備した。
(巻回体の作製)
次に、上記陽極体と同程度の面積のセパレータおよび陰極体を準備し、陽極体と陰極体とを、リード線が接続されたリードタブを巻き込みながら、セパレータを介して巻回した。次に、巻回体の外側表面の端部を巻止めテープで貼着して巻回体を作製した。陰極体としてアルミニウム箔を用いた。
(再化成処理)
次に、アジピン酸アンモニウムを5質量%含有する水溶液に、二酸化ケイ素粒子を5質量%含有する再化成処理液を準備し、この再化成処理液に巻回体を浸漬し、陽極体に145Vの電圧を120分間印加した。再化成処理液中において、二酸化ケイ素粒子は、平均粒子径が40nmのコロイド状であった。以上の処理により、巻回体が作製された。なお、再化成処理液中での二酸化ケイ素粒子の平均粒子径は、SEMを用いて測定した。
(固体電解質層の形成)
次に、前駆体モノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤兼ドーパント剤としてのp−トルエンスルホン酸第二鉄とを含有する混合液を準備した。そして、作製された巻回体を混合液に浸漬してから該巻回体を引上げて、150℃で30分間熱処理することによって、ポリチオフェンからなる固体電解質層を形成した。以上の処理により、コンデンサ素子が作製された。
(コンデンサ素子の封止)
次に、リード線が有底ケースの開口する上面に位置するように、コンデンサ素子を有底ケースに収納し、リード線が貫通するように形成された封止部材であるゴムパッキングをコンデンサ素子の上方に配置して、コンデンサ素子を有底ケース内に封止した。そして、有底ケースの開口端近傍を、横絞り後にカール加工し、加工されたカール部分に座板を配置し、これに130℃で35Vの電圧を2時間印加してエージング処理を行うことによって、巻回型の固体電解コンデンサを製造した。
<実施例2〜6>
実施例2および3においては、平均粒子径がそれぞれ20nmおよび60nmのコロイド状の二酸化ケイ素粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。実施例4および5においては、再化成処理液中の二酸化ケイ素粒子の濃度をそれぞれ2質量%および10質量%とした以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。また、実施例6においては、アジピン酸アンモニウムを5質量%含有する水溶液の代わりに、リン酸二水素ナトリウムを2質量%含有する水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例1〜4>
比較例1および2においては、平均粒子径がそれぞれ15nmおよび70nmのコロイド状の二酸化ケイ素粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。比較例3および4においては、再化成処理液中の二酸化ケイ素粒子の濃度をそれぞれ1質量%および15質量%とした以外は、実施例1と同様の方法により、固体電解コンデンサを製造した。
<比較例5〜7>
比較例5においては、二酸化ケイ素粒子を含有せず、アジピン酸アンモニウムを5質量%含有する水溶液を再化成処理液としてこれに巻回体を浸漬し、陽極体に145Vの電圧を120分間印加することによって再化成処理を行い、その後、平均粒子径が40nmのコロイド状の二酸化ケイ素粒子を5質量%含有する水溶液に巻回体を30分間浸漬することによって、陽極体上に二酸化ケイ素粒子を付着させた。その他の工程は、実施例1と同様である。
比較例6においては、平均粒子径が40nmのコロイド状の二酸化ケイ素粒子を5質量%含有する水溶液に巻回体を30分間浸漬した際に、陽極体に145Vの電圧を印加したこと以外は、比較例5と同様の方法により、固体電解コンデンサを作製した。
比較例7においては、再化成処理後に二酸化ケイ素粒子を含有する水溶液に浸漬することなく、固体電解質層の形成を行なった以外は、比較例5と同様の方法により、固体電解コンデンサを作製した。
<特性評価>
各実施例および各比較例の固体電解コンデンサの定格電圧は35V、定格容量は22μFであった。また、固体電解コンデンサの外形は、直径が8.0mm、高さが10.0mmであった。
(歩留まり)
各実施例および各比較例におけるそれぞれ100個ずつの固体電解コンデンサについて、エージング時のショート発生率(%)を測定した。具体的には、各固体電解コンデンサについて、35Vの電圧を130℃で2時間印加した後のショートの発生の有無を試験し、各実施例および比較例の固体電解コンデンサのショート発生率を算出した。ショートの有無として、漏れ電流が1mA以上測定された場合に、ショートに到ったものと判定した。
(静電容量)
各実施例および各比較例の固体電解コンデンサのうち、ショートの発生がみられなかった各20個ずつの固体電解コンデンサを選択した。選択した各実施例および各比較例における固体電解コンデンサを、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数120Hzにおける静電容量(μF)を測定した。
(等価直列抵抗)
上記の選択した各実施例および各比較例における20個ずつの固体電解コンデンサについて、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数100kHzにおける等価直列抵抗(mΩ)を測定した。
(漏れ電流量)
上記の選択した各実施例および各比較例における20個ずつの固体電解コンデンサについて、定格電圧を2分間印加した後、各固体電解コンデンサの漏れ電流量(μA)を測定した。
(絶縁破壊耐電圧)
各実施例および各比較例の固体電解コンデンサのうち、ショートの発生がみられなかった各20個ずつの固体電解コンデンサを選択した。選択した各実施例および各比較例における固体電解コンデンサに印加する直流電圧を1V/秒の速度で上昇させて、誘電体被膜の耐電圧試験を行った。過電流が0.5A以上となったときの電圧を耐電圧(V)とした。
各実施例および各比較例の製造条件を表1に、各測定結果を表2に示す。なお、表2において、Cap(μF)は静電容量(Capacity)を、ESR(mΩ)は等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance)を、LC(μA)は漏れ電流量(Leakage Current)を、BDV(V)は耐電圧(Break Down Voltage)を示す。
Figure 2012256747
Figure 2012256747
表1および2を参照し、実施例1〜3の固体電解コンデンサにおいて、比較例7の固体電解コンデンサよりも、LCが顕著に低く、また、耐電圧も向上していた。これに対し、比較例1の固体電解コンデンサにおいて、比較例7の固体電解コンデンサよりもLCは低下しているものの、ESRが増大しているために、特性に優れた固体電解コンデンサは製造できてないことがわかった。また、比較例2の固体電解コンデンサは、LCおよびESRともに、実施例1,2および比較例7よりも増大していた。これらの結果から、二酸化ケイ素粒子の平均粒子径は、20nm以上60nm以下が好ましいことがわかった。
また、実施例4および5の固体電解コンデンサにおいて、比較例7の固体電解コンデンサよりも、LCが顕著に低く、また、耐電圧も向上していた。これに対し、比較例3の固体電解コンデンサの特性は、比較例7の固体電解コンデンサの特性に対する有意な差がなかった。また、比較例4の固体電解コンデンサは、比較例7の固体電解コンデンサよりもESRおよびLCが増大する結果となっており、さらに、ショート発生率も高く、製造歩留まりが低いことがわかった。これらの結果から、再化成処理液中の二酸化ケイ素粒子の濃度は、2質量%以上10質量%以下が好ましいことがわかった。
また、実施例6においては、実施例1〜5で用いた再化成処理液と異なる組成の再化成処理液を用いたが、この場合にも、固体電解コンデンサのLCを低下させることができ、また、耐電圧を向上させることができた。
また、比較例5および6の固体電解コンデンサにおいて、LCが増大する結果となった。このため、誘電体被膜の表面に二酸化ケイ素粒子を付着させたような構成では、固体電解コンデンサの特性を向上させることができないことがわかった。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、固体電解コンデンサに広く利用することができる。
10,40 コンデンサ素子、11 有底ケース、12 封止部材、13 座板、14A,14B リード線、15A,15B リードタブ、21,43 陽極体、22 陰極体、23 セパレータ、24 巻止めテープ、30 金属箔、31,42 誘電体被膜、32,45 固体電解質層、41 焼結体、46 カーボン層、47 銀ペイント層、48 陽極端子、49 接着層、50 陰極端子、51 外装樹脂。

Claims (10)

  1. 表面に誘電体被膜を有する陽極体と、
    前記陽極体上に設けられた固体電解質層と、を備え、
    前記誘電体被膜には、二酸化ケイ素粒子が存在する、固体電解コンデンサ。
  2. 前記二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が20nm以上60nm以下である、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記二酸化ケイ素粒子は、前記誘電体被膜中に包含される、請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記二酸化ケイ素粒子はコロイド状である、請求項1から3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. 誘電体被膜が形成された陽極体を再化成処理する工程と、
    前記再化成処理された前記陽極体上に固体電解質層を形成する工程と、を含み、
    前記再化成処理する工程は、
    前記陽極体を、二酸化ケイ素粒子を含有する再化成処理液に浸漬する工程と、
    前記再化成処理液に浸漬された前記陽極体に、電圧を印加する工程とを含む、固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が20nm以上60nm以下である、請求項5に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記再化成処理液における前記二酸化ケイ素粒子の濃度が2質量%以上10質量%以下である、請求項5または6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 前記二酸化ケイ素粒子はコロイド状である、請求項5から7のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9. 前記二酸化ケイ素粒子は負電荷を帯びている、請求項5から8のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10. 前記再化成処理する工程の前に、前記陽極体の基体を化成処理して、前記基体の表面に前記誘電体被膜を形成する工程を含み、
    前記誘電体被膜を形成する工程は、
    前記基体を、二酸化ケイ素粒子を含有する化成処理液に浸漬する工程と、
    前記化成処理液に浸漬された前記基体に、電圧を印加する工程を含む、請求項5から9のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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CN111962075A (zh) * 2020-07-22 2020-11-20 肇庆市高要区华锋电子铝箔有限公司 超高比容电极箔的制备方法、超高比容电极箔以及电解电容器

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