JP2012256632A - 樹脂フィルムの製造方法、ポリエステルフィルム、太陽電池用バックシート、及び太陽電池モジュール - Google Patents

樹脂フィルムの製造方法、ポリエステルフィルム、太陽電池用バックシート、及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】原材料ロスを抑制しつつ、膜欠陥を抑制する樹脂フィルムの製造方法を提供。
【解決手段】固有粘度差が、0.1〜0.3dl/gである第1及び第2の樹脂を、第1の樹脂の供給量を減少させ、第2の樹脂の供給量を増加させながら、第1から第2の樹脂に切り替えて、押出機に供給するにあたり、第2の樹脂の押出機への供給量を増加させるときをt、第1の樹脂の押出機への供給量を減少させ終わったときをtfinとするとき、
時間t〔hr〕と、供給量Qとの関係を表す曲線において、
(1)t〜tfin間に、dQ(t)/dt=0となる回数を4〜15回、
(2)dQ(t)/dt≧0である連続区間の最大供給量と最小供給量との差の平均値を、供給量Q(t)と供給量Q(tfin)との差の10〜30%として、
押出機に樹脂を供給する工程と、溶融樹脂を成膜する工程とを有する樹脂フィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂フィルムの製造方法、ポリエステルフィルム、太陽電池用バックシート、及び太陽電池モジュールに関する。
近年、種々の用途に適用できるように、樹脂の合成方法、加工方法、及び成膜方法等により、種々の特性や機能性をもつ樹脂フィルムの開発が求められている。例えば、太陽電池の用途の樹脂フィルムは、屋根の上などに置かれ雨曝しになる太陽電池の使用環境に対応した耐久性や、太陽電池の発電効率を妨げないための透明性等の性質が求められている。また、太陽電池の用途の樹脂フィルムとしては、太陽電池素子(セル)を封止する太陽電池用封止材(単に「封止材」ともいう)や、前記封止材を外部から保護する太陽電池用バックシートなどが知られている。
太陽電池は、環境に易しいエネルギーとして注目されており、大量生産が見込まれているため、生産性の高い樹脂フィルムの製造方法が求められている。
樹脂フィルムは、一般に、押出成形により製造され、例えば、フィルムの原料となる樹脂(成形材料)を押出機に投入して溶融混練し、溶融樹脂をダイから押出すと共に、フィルム状に成膜して製造される。このとき、生産を中止するために押出機を停止するには、溶融樹脂の熱分解に伴う事故を避けるために、一般に、使用中の樹脂から、停止用の成形材料(「ストップ原料」と称する)へ切替える。また、異なる配合組成の製品を製造するために、押出機を運転しながら押出中の樹脂から他の配合組成の樹脂へ切替えることがある。そのような場合、樹脂を切替えることによって、押出機内で、溶融樹脂の偏流や熱分解を生じ、押出機などの設備を損傷したり、あるいは原材料ロスが多く発生したり、停止時間が長くなって生産性が低下することがあった。
かかる問題に対して、例えば、押出成形の途中で成形材料を切替える場合、高価なストップ原料を要することなく、また、押出機内で滞留や熱分解等のトラブルを発生させることなく樹脂フィルムを製造することを目的として、押出成形において成形材料を切替えるに際し、先の成形材料を供給しながらこれに後の成形材料を混合して供給し、次いで先の成形材料の供給を停止し、後の成形材料のみを供給することにより、後の成形材料に切替えることを特徴とする押出成形における成形材料の切替え方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−254499号公報
樹脂フィルムは、用途ごとに求められる品質が異なり、例えば、太陽電池用途の樹脂フィルムは、上記のように、太陽電池の発電効率を低下させないように、高い透明性、雨曝しの環境にも耐え得る高い耐久性等、極めて高い品質が求められている。
特許文献1に記載される方法によれば、原材料ロスを抑制して樹脂フィルムの生産性を高めることができるものの、ダイに溶融樹脂の熱分解物が固着し、かかる固着物に起因して、フィルムにスジ(「ダイスジ」とも称する)が発生することがあった。
また、固有粘度の異なる原料樹脂を押出機に入れ替えるとき、特に、固有粘度の高い原料樹脂を、固有粘度の低い原料樹脂で置換する際に、置換時間(切替時間ともいう)が長くなり、原材料ロスが発生し易かった。
本発明は、原材料ロスを抑制しつつ、膜欠陥を抑制することができる樹脂フィルムの製造方法、膜欠陥が抑制されたポリエステルフィルム、太陽電池用バックシート、及び、発電効率の安定性に優れる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> 固有粘度が0.7dl/g以上0.9dl/g以下である第1の樹脂と、固有粘度が0.55dl/g以上0.7dl/g以下であり、前記第1の樹脂の固有粘度との差が、0.1dl/g以上0.3dl/g以下である第2の樹脂とを、前記第1の樹脂の供給量を減少させ、第2の樹脂の供給量を増加させながら、前記第1の樹脂から前記第2の樹脂に切り替えて、押出機に供給するにあたり、前記第2の樹脂の前記押出機への供給量を増加させるときをt〔hr〕とし、前記第1の樹脂の前記押出機への供給量を減少させ終わったときをtfin〔hr〕とするとき、
時間t〔hr〕と、前記供給量Qとの関係を表す曲線において、
(1)前記tから前記tfinまでの間に、dQ(t)/dt=0となる回数を4回以上15回以下とし、
(2)dQ(t)/dt≧0である連続する区間における最大供給量と最小供給量との差の平均値を、前記tにおける供給量Q(t)と前記tfinにおける供給量Q(tfin)との差の10%以上30%以下として、
前記押出機に、少なくとも、前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を供給する樹脂供給工程、および、前記押出機から押出した溶融樹脂をフィルム状に成膜する成膜工程を有する樹脂フィルムの製造方法である。
<2> 前記押出機が、直径D〔mm〕のスクリューを備え、
前記D、前記Q(t)と前記Q(tfin)との差ΔQ(Δt)、及び、前記tと前記tfinとの差Δtが、下記式(I)を満たす前記<1>に記載の樹脂フィルムの製造方法である。
0.063×D〔kg/hr〕≦ΔQ(Δt)/Δt≦ 0.38×D〔kg/hr〕・・・式(I)
<3> 前記第1の樹脂の結晶化度が40%以上65%以下であり、前記第2の樹脂の結晶化度が0%以上40%以下であり、かつ、前記第1の樹脂の結晶化度と前記第2の樹脂の結晶化度との差が、1以上60以下である前記<1>または前記<2>に記載の樹脂フィルムの製造方法である。
<4> 前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂が、ポリエステルである前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の樹脂フィルムの製造方法である。
<5> 前記押出機が、2軸押出機である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の樹脂フィルムの製造方法である。
<6> 前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂の嵩密度が、0.7g/cm以上0.9g/cm以下であり、嵩密度が0.3g/cm以上0.7g/cm以下であるフラフを、さらに、前記押出機に供給する前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載の樹脂フィルムの製造方法である。
<7> 前記押出機から押出した前記溶融樹脂は、少なくとも前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂の溶融樹脂を排出し、開口部の形状が、長尺状であり、前記開口部の長手方向の中間部の温度よりも、前記開口部の長手方向の端部の温度が5℃以上20℃以下高いダイを介して排出される前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載の樹脂フィルムの製造方法である。
<8> 前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の樹脂フィルムの製造方法により製造されたポリエステルフィルムである。
<9> 前記<8>に記載のポリエステルフィルムを有する太陽電池用バックシートである。
<10> 太陽光が入射する透明性のフロント基板と、
前記フロント基板の上に設けられ、太陽電池素子及び前記太陽電池素子を封止する封止材を有するセル構造部分と、
前記セル構造部分の前記フロント基板が位置する側と反対側に設けられ、前記封止材と隣接して配置された、前記<9>に記載の太陽電池用バックシートと、
を備えた太陽電池モジュールである。
本発明によれば、原材料ロスを抑制しつつ、膜欠陥を抑制することができる樹脂フィルムの製造方法、膜欠陥が抑制されたポリエステルフィルム、太陽電池用バックシート、及び、発電効率の安定性に優れる太陽電池モジュールを提供することができる。
時間tに対する第1の樹脂および第2の樹脂の各供給量Qの関係の一例を示すQ−t曲線である。 押出機の構成例を示す概略図である。 本発明に係る樹脂フィルムの製造方法を実施するフローの一例を示す図である。 押出機のスクリュー径Dと樹脂供給量差ΔQとの関係の一例を示すグラフである。 押出機のスクリュー径Dと樹脂供給量差ΔQとの関係の一例を示すグラフである。 押出機のスクリュー径Dと樹脂供給の時間差Δtとの関係の一例を示すグラフである。 押出機のスクリュー径Dと樹脂供給の時間差Δtとの関係の一例を示すグラフである。 押出機のスクリュー径DとΔQ/△tとの関係の一例を示すグラフである。 押出機のスクリュー径DとΔQ/△tとの関係の一例を示すグラフである。 ダイの開口部の形状の一例を示す模式図である。 実施例1における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 実施例2における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 実施例3における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 実施例4における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 実施例5における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 実施例6における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 実施例7における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 実施例8における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 比較例1における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 比較例2における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。 比較例3における時間tに対する原料樹脂の供給量Q(QおよびQ)の関係を表すQ−t曲線を示すグラフである。
以下、本発明の樹脂フィルムの製造方法について詳細に説明する。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
<樹脂フィルムの製造方法>
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、固有粘度が0.7dl/g以上0.9dl/g以下である第1の樹脂と、固有粘度が0.55dl/g以上0.7dl/g以下であり、前記第1の樹脂の固有粘度との差が、0.1dl/g以上0.3dl/g以下である第2の樹脂とを、前記第1の樹脂の供給量を減少させ、第2の樹脂の供給量を増加させながら、前記第1の樹脂から前記第2の樹脂に切り替えて、押出機に供給するにあたり、前記第2の樹脂の前記押出機への供給量を増加させるときをt〔hr〕とし、前記第1の樹脂の前記押出機への供給量を減少させ終わったときをtfin〔hr〕とするとき、
時間t〔hr〕と、前記供給量Qとの関係を表す曲線において、
(1)前記tから前記tfinまでの間に、dQ(t)/dt=0となる回数を4回以上15回以下とし、
(2)dQ(t)/dt≧0である連続する区間における最大供給量と最小供給量との差の平均値を、前記tにおける供給量Q(t)と前記tfinにおける供給量Q(tfin)との差の10%以上30%以下として、
前記押出機に、少なくとも、前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を供給する樹脂供給工程、および、前記押出機から押出した溶融樹脂をフィルム状に成膜する成膜工程を有して構成される。
固有粘度が異なる2種の樹脂を、一方の樹脂から他方の樹脂へと切り替えて押出機に供給するとき、両者の固有粘度の差が、0.1dl/g以上0.3dl/g以下であると、溶融樹脂をダイから排出したときに、ダイに固着した熱分解物に起因して樹脂フィルムに、ダイスジと称される線が発生する膜欠陥を起こした。
しかし、本発明者らは、押出機に供給する樹脂を、前記第1の樹脂から前記第2の樹脂に切り替えるにあたり、第1の樹脂の供給量および第2の樹脂の供給量を変化させながら、押出機に供給することによって原材料ロスを抑制するばかりでなく、樹脂の供給量に変動を与えながら供給することで、押出機内の溶融樹脂の流れに圧力変動を与え、
押出機、及び配管、フィルタ、ダイ等の内部で溶融樹脂が滞留することを抑制することができるため、熱分解物を生じにくくすることができることを見出した。押出機内の溶融樹脂の流れに圧力変動を与えることで、押出機内部および溶融樹脂の排出口(ダイ)に固着した溶融樹脂の熱分解物(固着物ともいう)の固着を抑制できること、また、熱分解物を除去することができることを見出した。
従って、本発明の樹脂フィルムの製造方法を、上記構成とすることで、ダイに固着した熱分解物を除去し、また、熱分解物の固着を抑制することで、ダイの固着物の存在に起因して樹脂フィルムに発生するスジ(ダイスジ)を抑制することができ、また、ダイスジがない樹脂フィルムを製造することができる。
なお、原材料ロスとは、原材料のうち、押出機への供給や押出等を効率良く行なえば、本来、目的物を構成する成分となるはずにもかかわらず、目的物の構成成分とならなかった材料、すなわち、無駄となった原材料をいう。また、無駄となった原材料の発生を原材料ロスともいう。樹脂フィルムの製造方法は、このような原材料の無駄を抑制することができる。
まず、樹脂供給工程から説明する。
〔樹脂供給工程〕
樹脂供給工程は、押出機に供給する樹脂を、前記第1の樹脂の供給量を減少させ、第2の樹脂の供給量を増加させながら、前記第1の樹脂から前記第2の樹脂に切り替えて、押出機に供給するにあたり、前記第2の樹脂の前記押出機への供給量を増加させるときをt〔hr〕とし、前記第1の樹脂の前記押出機への供給量を減少させ終わったときをtfin〔hr〕とするとき、時間t〔hr〕と、前記供給量Qとの関係を表す曲線において、(1)前記tから前記tfinまでの間に、dQ(t)/dt=0となる回数を4回以上15回以下とし、(2)dQ(t)/dt≧0である連続する区間における最大供給量と最小供給量との差の平均値を、前記tにおける供給量Q(t)と前記tfinにおける供給量Q(tfin)との差の10%以上30%以下として、前記押出機に、少なくとも、前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を供給して構成される。
ここで、本発明において、第1の樹脂は、第2の樹脂よりも先に押出機に供給されている樹脂をいい、第2の樹脂の供給と共に、供給量を減少する樹脂である。第1の樹脂に相当する樹脂を「樹脂A」とも称する。一方、第2の樹脂は、第1の樹脂よりも後に押出機に供給される樹脂をいい、第1の樹脂の供給と共に、供給量を増加する樹脂である。第2の樹脂に相当する樹脂を「樹脂B」とも称する。
従って、「第1の樹脂の供給量および第2の樹脂の供給量を変化させながら、押出機に供給する」とは、『第1の樹脂(樹脂A)の供給量を減少させながら、第1の樹脂(樹脂A)を押出機に供給すると共に、第2の樹脂(樹脂B)の押出機への供給を開始しつつ、第2の樹脂(樹脂B)の供給量を増加させる』ことを意味する。
例えば、押出機に樹脂Aのみを供給していた場合には、当初、押出機内には、樹脂Aの溶融樹脂のみが含まれている。次いで、樹脂Aの供給量を減少させつつ、樹脂Bの供給量を増加することで、押出機内には、樹脂Aの溶融樹脂と樹脂Bの溶融樹脂とが混在する。そして、最終的には、樹脂Aの供給が終了し、樹脂Bのみが供給されることにより、押出機内には、樹脂Bの溶融樹脂のみが含まれることとなる。
第1の樹脂の供給と、第2の樹脂の供給にあたっては、第1の樹脂の供給量を減少する過程と、第2の樹脂の供給開始および供給量を増加する過程と、が重なっていればよく、第1の樹脂の供給量の減少を開始する時と、第2の樹脂の供給開始とが一致していなくてもよいし、また、第1の樹脂の供給量の減少を終了する時と、第2の樹脂の供給量の増加を終了する時とが一致していなくてもよい。
すなわち、第2の樹脂の供給開始および供給量の増加は、遅くとも、第1の樹脂の供給量の減少を終了するまでに行なえばよく、かつ、遅くとも、第1の樹脂の供給量の減少を開始する前に、第2の樹脂の供給量増加が終了しなければよい。
本発明の樹脂フィルムの製造方法では、押出機に3種以上の樹脂を供給してもよく、この場合は、供給を切り替える樹脂のうち、2種が本発明の樹脂フィルムの製造方法の構成により、切り替わって押出機に供給されればよい。
条件(1)は、樹脂の供給量を減少または増加させる際に、供給量に変動を複数回行なうことを意味し、条件(2)は、変動の大きさを特定の大きさにすることを意味する。
なお、条件(1)および(2)を満たすべき樹脂は、第1の樹脂および第2の樹脂の少なくとも一方であればよい。すなわち、第1の樹脂の供給量を減少させる間に、上記(1)および上記(2)の条件で変動を与え、第2の樹脂の供給量を増加させる間には変動を与えない態様であってもよいし、第2の樹脂の供給量を増加させる間に、上記(1)および上記(2)の条件で変動を与え、第1の樹脂の供給量を減少させる間には変動を与えない態様であってもよい。さらには、第1の樹脂および第2の樹脂両方について、上記(1)および上記(2)の条件で変動を与える態様であってもよい。
供給量に変動を与えない態様としては、例えば、一定の割合で、供給量を減少しまたは増加することが挙げられる。
図1を用いて、第1の樹脂(樹脂A)および第2の樹脂(樹脂B)の供給量の変化の態様と、供給量に変動を与える態様の一例を説明する。また、条件(1)および(2)の詳細についても説明する。
図1には、樹脂A(第1の樹脂)の時間(t)に対する押出機への供給量(Q)の関係を示すQ−t曲線と、樹脂B(第2の樹脂)の時間(t)に対する押出機への供給量(Q)の関係を示すQ−t曲線とが示されている。樹脂AのQ−t曲線は、実線で示され、樹脂BのQ−t曲線は、点線で示されている。また、樹脂AQ−tの曲線には、a1からa8までの点が示され、樹脂BのQ−t曲線には、b1からb8までの点が示されている。
なお、樹脂Aの供給量Qを、特に「Q」と称し、樹脂Bの供給量Qを、特に「Q」と称する。従って、樹脂AのQ−t曲線は「Q−t曲線」と称し、樹脂BのQ−t曲線は「Q−t曲線」と称する。
まず、樹脂Aの供給量Qの変化について説明する。
図1においては、樹脂Aを、a1からa2まで、供給量Q=q〔kg/hr〕で押出機に供給しているが、a2を境に供給量Qの減少を開始し、a7において供給量Qの減少を終了している。
a2は、樹脂Aの供給量Qを変化し始めるとき、すなわち、供給量Qの減少を開始するとき(t)に相当する。また、a7は、樹脂Aの供給量Qの変化を終えるとき、すなわち、供給量Qの減少を終了するとき(tfin)に相当する。
a7とa8との間は、供給量Qに変化は無く一定である。なお、樹脂Aは、樹脂Bへの切り替えのため、a7における供給量Qの減少の終了と共に、押出機への供給も終了する。
一方、樹脂Bの供給量Qの変化については、b1ではまだ樹脂Bの押出機への供給を開始しておらず、b2において押出機への供給を開始すると共に、供給量を増加し、b7において供給量Qの増加を終了している。
b2は、樹脂Bの供給量Qを変化し始めるとき、すなわち、供給量Qの供給を開始し、供給量Qの増加を開始するとき(t)に相当する。また、b7は、樹脂Bの供給量Qの変化を終えるとき、すなわち、供給量Qの増加を終了するとき(tfin)に相当する。
b7とb8との間は、供給量Qに変化は無く一定である。図1においては、樹脂Aの供給が、時間tfinの経過と共に終了する一方、樹脂Bは、時間tfinの経過後も、押出機への供給を続けている。
なお、図1においては、時間tに、樹脂Aの供給量Qの減少を開始すると共に、樹脂Bの供給量Qの増加を開始し、時間tfinに、樹脂Aの供給量Qの減少を終了すると共に、樹脂Bの供給量Qの増加を終了しているが、記述のように、供給量の増加開始時と減少開始時を一致させなくてもよく、また、供給量の増加終了時と減少終了時を一致させなくてもよい。
図1のQ−t曲線においては、樹脂Aの供給量Qは、a2からa7までに到達する間に、一旦、a3からa4まで供給量がΔQn1だけ増加し、その後a4からa5までΔQm1だけ減少し、またa5からa6まで増加し、その後また減少するといったように、供給量Qに変動が生じている。
一方、Q−t曲線においては、樹脂Bの供給量Qは、b2からb7までに到達する間に、一旦、b3からb4まで供給量がΔQm1だけ減少し、その後b4からb5までΔQn1だけ増加し、またb5からb6まで減少し、その後また増加するといったように、供給量Qに変動が生じている。
ここで、本発明における条件(1)は、「(1)tからtfinまでの間に、dQ(t)/dt=0となる回数を4回以上15回以下とする」である。
Q−t曲線において、dQ(t)/dt=0となるときとは、Q−t曲線中に極大点が現れるとき及び極小点が現れるときである。
具体的には、例えば、図1におけるQ−t曲線においては、a4およびa6が極大点であり、a3およびa5が極小点である。図1におけるQ−t曲線においては、符号を付けていないが、a4およびa6以外にも極大点があり、a4およびa6の極大点を含め、6点存在する。一方、極小点については、図1におけるQ−t曲線においては、符号を付けていないが、a3およびa5以外にも極小点があり、a3およびa5の極小点を含め、6点存在する。
従って、Q−t曲線においては、dQ(t)/dt=0となる回数が12回ある。
図1におけるQ−t曲線についても同様に考えることができ、図1におけるQ−t曲線においては、符号を付けていないが、b3およびb5を含め6点の極大点が存在し、b4およびb6を含め、6点の極小点が存在する。
従って、Q−t曲線においては、dQ(t)/dt=0となる回数が12回ある。
Q−t曲線において、dQ(t)/dt=0となる回数が、4回未満であると、押出機内の圧力変動の回数が少なくなり、ダイに固着する熱分解物を押出すことができない。また、Q−t曲線において、dQ(t)/dt=0となる回数が、15回を超えると、第1の樹脂および第2の樹脂の切替時間が長くなり、樹脂フィルムの生産性を低下する。
Q−t曲線において、dQ(t)/dt=0となる回数は、6回〜12回であることが好ましい。
次に、本発明における条件(2)は、「(2)dQ(t)/dt≧0である連続する区間における最大供給量と最小供給量との差の平均値を、前記tにおける供給量Q(t)と前記tfinにおける供給量Q(tfin)との差の10%以上30%以下とする」である。
Q−t曲線において、dQ(t)/dt≧0である連続する区間とは、Q−t曲線の接線の傾きが正となる区間をいう。
具体的には、例えば、図1におけるQ−t曲線においては、a3からa4までの区間、a5からa6までの区間等が挙げられる。また、Q−t曲線においては、b2からb3までの区間、b4からb5までの区間等が挙げられる。
かかる区間における最大供給量とは、Q−t曲線の極大点における供給量を指し、最小供給量とは、Q−t曲線の極小点における供給量を指す。従って、例えば、Q−t曲線においては、a3からa4までの区間における最大供給量は、a4における供給量を指し、a3からa4までの区間における最小供給量は、a3における供給量を指す。また、例えば、Q−t曲線においては、b4からb5までの区間における最大供給量は、b5における供給量を指し、b4からb5までの区間における最小供給量は、b4における供給量を指す。
−t曲線において、a3からa4までの区間における最大供給量と最小供給量との差は、図1においては、ΔQm1と示している。ΔQm1が、供給量Qの変動の大きさ(変動量)となる。
図1においては、Q−t曲線において、dQ(t)/dt≧0である連続する区間は、a3からa4までの区間を含め、6区間ある。各区間に、最大供給量と最小供給量との差ΔQmがあり、ΔQmが6つ存在する。
−t曲線において、b4からb5までの区間における最大供給量と最小供給量との差は、図1においては、ΔQm1と示している。ΔQm1が、供給量Qの変動の大きさ(変動量)となる。
図1においては、Q−t曲線において、dQ(t)/dt≧0である連続する区間は、b4からb5までの区間を含め、6区間ある。各区間に、最大供給量と最小供給量との差ΔQmがあり、ΔQmが6つ存在する。
なお、Q−t曲線において、dQ(t)/dt≧0である連続する区間の最大供給量と最小供給量との差は、複数の各区間において、一定でもよいし、異なっていてもよい。すなわち、樹脂の供給量を変化(減少また増加)させるときに与える変動量は、同じであっても異なっていてもよい。
一方、tにおける供給量Q(t)とtfinにおける供給量Q(tfin)との差について説明する。なお、Q(t)とQ(tfin)との差を「ΔQ(Δt)」と称する。また、供給量QについてのΔQ(Δt)を、「ΔQ(Δt)」と称し、供給量QについてのΔQ(Δt)を、「ΔQ(Δt)」と称する。
における供給量Q(t)は、樹脂の供給量を変化し始めるときの供給量であり、tfinにおける供給量Q(tfin)は、樹脂の供給量を変化し終えるときの供給量である。従って、ΔQ(Δt)は、樹脂の供給量を変化させる前と後の、全体的な供給量差を意味する。
における供給量Q(t)とは、Q−t曲線においては、a2における供給量Q(t)=q〔kg/hr〕であり、Q−t曲線においては、b2における供給量Q(t)=0〔kg/hr〕である。
finにおける供給量Q(tfin)とは、Q−t曲線においては、a7における供給量Q(tfin)=0〔kg/hr〕であり、Q−t曲線においては、b7における供給量Q(tfin)=q〔kg/hr〕である。
従って、図1のQ−t曲線およびQ−t曲線においては、ΔQ(Δt)、ΔQ(Δt)ともにq〔kg/hr〕であるが、ΔQ(Δt)とΔQ(Δt)とは、異なっていてもよい。
こういったQ−t曲線におけるΔQ(Δt)に対し、樹脂の供給量の変動量の平均を、10%以上30%以下とするというのが、既述の条件(2)である。
図1のQ−t曲線においては、ΔQm1を含む6つのΔQmの平均値が、ΔQ(Δt)の10%以上30%以下となるように、樹脂Aの押出機への供給量Qを制御すればよい。
図1のQ−t曲線においては、ΔQm1を含む6つのΔQmの平均値が、ΔQ(Δt)の10%以上30%以下となるように、樹脂Bの押出機への供給量Qを制御すればよい。
Q−t曲線において、dQ(t)/dt≧0である連続する区間における最大供給量と最小供給量との差の平均値が、tにおける供給量Q(t)とtfinにおける供給量Q(tfin)との差の30%を超えると、供給量の変動が大きく、流動性の急変による溶融樹脂の偏流や滞留が生じるため、切り替え速度が減少する。dQ(t)/dt≧0である連続する区間における最大供給量と最小供給量との差の平均値が、tにおける供給量Q(t)とtfinにおける供給量Q(tfin)との差の10%未満であると、押出機内に圧力変動を与える効果が小さくなり、ダイの固着物を押出す効果が低下する。
Q−t曲線において、dQ(t)/dt≧0である連続する区間における最大供給量と最小供給量との差の平均値は、tにおける供給量Q(t)とtfinにおける供給量Q(tfin)との差の15%〜25%であることが好ましい。
なお、図1では、樹脂Aも樹脂Bも供給量に変動を与えているが、既述のように、樹脂Aと樹脂Bのいずれか一方は、供給量に変動を与えず、一定の割合で供給量を減少または増加してもよい。
例えば、樹脂Aの供給量Qを変動させ、樹脂Bの供給量Qを変動せず、一定の割合で増加する場合、Q−t曲線は図1に示すような曲線となり、Q−t曲線は、図1におけるb2とb7とを一直線で結ぶ直線となる。
図1では、樹脂Aも、樹脂Bも、連続して供給量に変動を与えているが、tからtfinまでの前半のある時間帯に変動を与え、途中変動を与えず、後半のある時間帯に変動を与える、のように、変動は断続的でもよい。
また、供給量の変動は、変動量が5%以内の変動は安定供給状態とみなす。
本発明の樹脂フィルムの製造方法における樹脂供給工程では、少なくとも、第1の樹脂と第2の樹脂とを、既述の条件で押出機に供給し、押出機内にて樹脂を溶融し、溶融した樹脂(メルトともいう)を混練する。
次に、樹脂を供給する押出機、および、押出機に供給する樹脂の詳細について説明する。
(押出機)
まず、本発明で用いる押出機について説明する。
押出機は、主として押出機に供給された樹脂を溶融し、溶融樹脂を混練するものであり、一般的に、バレル(シリンダーともいう)を備える。バレルは、樹脂を供給するための供給口と、溶融樹脂を排出する出口とを有し、バレル内には、溶融樹脂を混練するために、スクリューが備えられている。押出機は、大別して、スクリューが1本である単軸と、スクリューが複数本ある多軸とがあり、多軸としては二軸押出機(二軸スクリュー押出機)が広く使用されている。二軸押出機を用いることで、押出機にフラフを添加する際、効果的に食い込ませることができる。
以下、押出機の構成を、図2および図3を用いて説明する。
図2は、押出機の構成例を概略的に示している。
図3は、本発明に係る樹脂フィルムの製造方法を実施するフローの一例を示している。
図2に示す押出機100は、スクリューを二本(二軸)有する二軸押出機である。押出機100は、供給口12及び押出機出口14を有するバレル10(シリンダー)と、バレル10内で回転する2つのスクリュー20A、20Bと、バレル10の周囲に配置され、バレル10内の温度を制御する温度制御手段30と、を備えている。また、図3に示すように、供給口12の手前には原料供給装置46が設けられている。押出機出口14の先にはギアポンプ44と、フィルター42と、ダイ40が設けられている。原料供給装置46は、第1の樹脂を収納する第1の原料供給装置と、第2の樹脂を収納する第2の原料供給装置とを少なくとも含む複数の原料供給装置で構成されていてもよいし、複数の樹脂を個別に収納可能な複数の収納容器を備えた1つの原料供給装置であってもよい。
−バレル−
バレル10は原料樹脂を供給するための供給口12と、加熱溶融された樹脂が押し出される押出機出口14を有する。
バレル10の内壁面は、耐熱、耐磨耗性、及び腐食性に優れ、樹脂との摩擦が確保可能な素材を用いることが必要である。一般的には内面を窒化処理した窒化鋼が使用されているが、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、ステンレス鋼を窒化処理して用いることもできる。特に耐摩耗性、耐食性を要求される用途では、遠心鋳造法によりニッケル、コバルト、クロム、タングステン等の耐腐食性、耐磨耗性素材合金をバレル10の内壁面にライニングさせたバイメタリックバレルを用いることや、セラミックの溶射皮膜を形成させることが有効である。
バレル10には真空を引くためのベント16A、16Bも設けられている。ベント16A、16Bを通じて真空引きをすることでバレル10内の樹脂中の水分等の揮発成分を効率的に除去することができる。ベント16A、16Bを適正に配置することにより、未乾燥状態の原料(ペレット、パウダー、フレークなど)や成膜途中で出たフィルムの粉砕屑(フラフ)等をそのまま原料樹脂として使用することができる。
ベント16A、16Bは脱気効率との関係で、開口面積やベントの数を適正にすることが求められる。本発明で用いる二軸押出機100は、1箇所以上のベント16A、16Bを有することが望ましい。なお、ベント16A、16Bの数が多過ぎると、溶融樹脂がベントから溢れ出るおそれ、滞留劣化異物増加の懸念があるので、ベントは1箇所又は2箇所設けることが好ましい。
また、ベント付近の壁面に滞留した樹脂や析出した揮発成分が押出機100(バレル10)の内部に落下すると、製品に異物として顕在化する可能性があり、注意が必要である。滞留については、ベント蓋の形状の適正化や、上部ベント、側面ベントの適正な選定が有効であり、揮発成分の析出は、配管等の加熱で析出を防止する手法が一般的に用いられる。
例えば、PETを押出す場合、加水分解、熱分解、酸化分解の抑制が製品(フィルム)の品質に大きな影響を及ぼす。
例えば、樹脂供給口12を真空化したり、窒素パージを行うことで酸化分解を抑えることができる。
また、ベント16A、16Bを複数箇所に設けることで、原料水分量が2000ppm程度の場合でも、50ppm以下に乾燥した樹脂を単軸で押出した場合と同様の押出しが可能である。
また、剪断発熱による樹脂分解を抑えるため、押出と脱気が両立できる範囲でニーディング等のセグメントは極力設けないことが好ましい。
また、スクリュー出口(押出機出口)14の圧力が大きいほど剪断発熱が大きくなるため、ベント16A、16Bによる脱気効率と押出の安定性が確保できる範囲内で、押出機出口14の圧力は極力低くすることが好ましい。
−スクリュー−
バレル10内には、モータおよびギアを含む駆動手段21によって回転する2つのスクリュー20A、20Bが設けられている。
本発明の樹脂フィルムの製造方法においては、押出機100は、スクリューの直径をD〔mm〕とするとき、スクリュー径Dが、60mm以上であることが好ましく、140mm以上であることがより好ましい。スクリュー径Dを60mm以上とすることで押出機内における溶融樹脂の滞留を抑制することができ、樹脂フィルムの生産性を向上することができる。
スクリュー径Dを140mmとすると、樹脂フィルムの大量生産が可能である一方、樹脂の溶融ムラが生じ易い。しかし、本発明によれば140mm以上のスクリュー径Dを備えた大型の二軸押出機を用いる場合でも、第1の樹脂(樹脂A)および第2の樹脂(樹脂B)の供給量の既述の構成で押出機に供給することで、溶融ムラが抑制されるともに、加熱による末端COOHの増加を抑制することができる。大量生産の観点から、スクリュー径Dは、さらに好ましくは160mm以上である。一方、樹脂の溶融ムラを抑制する観点から、スクリュー径Dは200mm以下であることが好ましい。
また、スクリュー径Dは、樹脂フィルムの生産性と、第1の樹脂から第2の樹脂への切り替えの容易性との観点から、既述のQ(t)とQ(tfin)との差ΔQ(Δt)、及び、tとtfinとの差Δtが、下記式(I)を満たす大きさであることが好ましい。
−式(I)−
0.063×D〔kg/hr〕≦ΔQ(Δt)/Δt≦0.38×D〔kg/hr
ΔQ(Δt)/Δtが、0.38×D〔kg/hr〕以下であることで、第1の樹脂から第2の樹脂への切替時間を短くすることができ、生産性の低下を抑制することができる。ΔQ(Δt)/Δtが、0.063×D〔kg/hr〕以上であることで、流動性の急変による溶融樹脂の偏流および滞留を抑制することができ、切り替え速度が減少しにくい。
ΔQ(Δt)/Δtは、0.09×D〔kg/hr〕〜0.24×D〔kg/hr〕であることがより好ましい。
上記式(I)は、次のようにして求めた。
まず、スクリュー径Dが、69mm、105mm、140mm、および196mmであるときの、各スクリュー径Dにおける樹脂供給量差ΔQの好ましい範囲(Qmin1〜Qmax1)及び、より好ましい範囲(Qmin2〜Qmax2)を、座標軸にプロットし、プロットの回帰曲線を求めた。
スクリュー径Dが、69mm、105mm、140mm、および196mmであるときの、各スクリュー径Dにおける樹脂供給量差ΔQの好ましい範囲(Qmin1〜Qmax1)及び、より好ましい範囲(Qmin2〜Qmax2)を、表1に示す。
また縦軸(y軸)を樹脂供給量差ΔQ〔kg/hr〕、横軸(x軸)をスクリュー径D〔mm〕とするプロットおよび回帰曲線を図4および図5に示す。
図4には、Dに対するQmax1のプロットが黒四角(■)で示され、その回帰曲線は、y=0.0076x2.5として算出された。また、Dに対するQmin1のプロットが黒菱形(◆)で示され、その回帰曲線は、y=0.0011x2.5として算出された。
図5には、Dに対するQmax2のプロットが黒四角(■)で示され、その回帰曲線は、y=0.0071x2.5として算出された。また、Dに対するQmin2のプロットが黒菱形(◆)で示され、その回帰曲線は、y=0.0038x2.5として算出された。
次に、スクリュー径Dが、69mm、105mm、140mm、および196mmであるときの、各スクリュー径Dにおける時間差Δtの好ましい範囲(tmin1〜tmax1)及び、より好ましい範囲(tmin2〜tmax2)を、座標軸にプロットし、プロットの回帰曲線を求めた。
スクリュー径Dが、69mm、105mm、140mm、および196mmであるときの、各スクリュー径Dにおける時間差Δtの好ましい範囲(tmin1〜tmax1)及び、より好ましい範囲(tmin2〜tmax2)を、表2に示す。
また縦軸(y軸)を時間差Δt〔min〕、横軸(x軸)をスクリュー径D〔mm〕とするプロットおよび回帰曲線を図6および図7に示す。
図6には、Dに対するtmax1のプロットが黒四角(■)で示され、その回帰曲線は、y=3.6116x0.5として算出された。また、Dに対するtmax1のプロットが黒菱形(◆)で示され、その回帰曲線は、y=1.2039x0.5として算出された。
図7には、Dに対するtmax2のプロットが黒四角(■)で示され、その回帰曲線は、y=2.4077x0.5として算出された。また、Dに対するtmax2のプロットが黒菱形(◆)で示され、その回帰曲線は、y=1.8058x0.5として算出された。
上記表1および表2、ならびに、図4〜図7から、スクリュー径Dが、69mm、105mm、140mm、および196mmであるときの、各スクリュー径DにおけるΔQ/Δtの好ましい範囲(Q/tmin1〜Q/tmax1)及び、より好ましい範囲(Q/tmin2〜Q/tmax2)を求めて、座標軸にプロットし、プロットの回帰曲線を求めた。
スクリュー径Dが、69mm、105mm、140mm、および196mmであるときの、各スクリュー径DにおけるΔQ/Δtの好ましい範囲範囲(Q/tmin1〜Q/tmax1)及び、より好ましい範囲(Q/tmin2〜Q/tmax2)を、表3に示す。
また縦軸(y軸)をΔQ/Δt〔kg/hr〕、横軸(x軸)をスクリュー径D〔mm〕とするプロットおよび回帰曲線を図8および図9に示す。なお、図8および図9では、ΔQ/Δt〔kg/hr〕を、ΔQ/Δt〔kg/hr^2〕と示している。
図8には、Dに対するQ/tmax1のプロットが黒四角(■)で示され、その回帰曲線は、y=0.3781xとして算出された。また、Dに対するQ/tmin1のプロットが黒菱形(◆)で示され、その回帰曲線は、y=0.063xとして算出された。
図9には、Dに対するQ/tmax2のプロットが黒四角(■)で示され、その回帰曲線は、y=0.2352xとして算出された。また、Dに対するQ/tmin2のプロットが黒菱形(◆)で示され、その回帰曲線は、y=0.0945xとして算出された。
このようにして、式(I)におけるΔQ(Δt)/Δtの範囲「0.063×D〔kg/hr〕≦ΔQ(Δt)/Δt≦0.38×D〔kg/hr〕」および、ΔQ(Δt)/Δtのより好ましい範囲である「0.09×D〔kg/hr〕〜0.24×D〔kg/hr〕」は、上記図8および図9に示す回帰曲線から求めた。
なお、スクリュー径Dが180mmであるときは、ΔQ(Δt)/Δtは、2041〔kg/(hr・sec)〕〜12312〔kg/(hr・sec)〕であることが好ましい。
引き続き、図2および図3を用いて、押出機が備えるスクリューの好ましい態様について説明する。
二軸押出機は、2つのスクリュー20A、20Bの噛み合い型と非噛み合い型に大別され、噛み合い型のほうが、非噛み合い型よりも混練効果が大きい。本発明では、噛み合い型と非噛み合い型のいずれのタイプでも良いが、原料樹脂を十分混練して溶融ムラを抑制する観点から、噛み合い型を用いることが好ましい。
2つのスクリュー20A、20Bの回転方向もそれぞれ同方向と異方向に分かれる。異方向回転スクリュー20A、20Bは同方向回転型よりも混練効果が高く、同方向回転型は自己清掃効果を持っているため、押出機内の滞留防止には有効である。
さらに軸方向も平行と斜交があり、強いせん断を付与する場合に用いられるコニカルタイプの形状もある。
本発明で用いる二軸押出機では、様々な形状のスクリュセグメントが用いられる。スクリュー20A、20Bの形状としては、例えば、等ピッチの1条のらせん状フライト22が設けられたフルフライトスクリュが用いられる。
加熱溶融部に、ニーディングディスクやローターなどの剪断を付与するセグメントを用いることで、原料樹脂をより確実に溶融することができる。また、逆スクリューやシールリングを用いることにより、樹脂をせき止め、ベント16A、16Bを引く際のメルトシールを形成することができる。例えば、図2に示すように、ベント16A、16B付近に、上記のような原料樹脂の溶融を促進する混練部24A、24Bを設けることができる。
押出機100の後半では溶融樹脂を冷却するための温調ゾーン(冷却部)が有効である。剪断発熱よりもバレル10の伝熱効率が高い場合は、温調ゾーン(冷却部)にピッチの短いスクリュー28を設けることで、バレル10壁面の樹脂移動速度が高まり、温調効率を上げることができる。冷却効果を高める観点から、冷却部に位置するスクリュー28のピッチは、スクリュー径Dに対し、0.5D〜0.8Dであることが好ましい。
−温度制御手段−
バレル10の周囲には、温度制御手段30が設けられている。図2に示す押出機100では、原料供給口12から押出機出口14に向けて長手方向に9つに分割された加熱/冷却装置C1〜C9が温度制御手段30を構成している。このようにバレル10の周囲に分割して配置された加熱/冷却装置C1〜C9によって、例えば加熱溶融部C1〜C7と冷却部C8,C9の各領域(ゾーン)に区画し、バレル10内を領域ごとに所望の温度に制御することができる。
加熱は、通常バンドヒーターまたはシーズ線アルミ鋳込みヒーターが用いられるが、これらに限定されず、例えば熱媒循環加熱方法も用いることができる。一方、冷却はブロワーによる空冷が一般的であるが、バレル10の周囲に巻き付けたパイプに水または油を流す方法もある。
次に、押出機に供給する樹脂(第1の樹脂、および第2の樹脂)について具体的に説明する。以下、押出機に供給する樹脂を、原料樹脂とも称する。
本発明においては、第1の樹脂(樹脂A)の固有粘度が0.7dl/g以上0.9dl/g以下であり、第2の樹脂(樹脂B)の固有粘度が0.55dl/g以上0.7dl/g以下であり、かつ、第1の樹脂の固有粘度と第2の樹脂の固有粘度との差が、0.1dl/g以上0.3dl/g以下である。
‐原料樹脂‐
本発明では、原料樹脂として、少なくとも、第1の樹脂、および第2の樹脂を用いる。
原料樹脂としては、第1の樹脂、および第2の樹脂が、上記固有粘度の条件を満たすものであれば、特に制限されず、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル系又はポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体;スチレン・アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
第1の樹脂、および第2の樹脂は、同じであっても異なっていてもよい。さらに、第1の樹脂、および第2の樹脂以外の他の樹脂を用いてもよく、他の樹脂は、第1の樹脂、および第2の樹脂とは異なる樹脂であっても同じ樹脂であってもよい。
原料樹脂としては、以上の中でも、ポリエステルが好ましい。
以下、原料樹脂は、ポリエステルを代表に説明する。
原料樹脂の固有粘度(Interisic Viscosity;IV)は、高いほど混練によって発熱し易く、末端COOHが増加し易いが、本発明の方法によれば、二軸押出機を使用するため、加熱溶融部において原料樹脂を十分混練して溶融させることができるとともに、冷却部において過剰な加熱を抑制し、末端COOHの増加を抑制することができる。既述のように、本発明の樹脂フィルムの製造方法においては、第1の樹脂の固有粘度が0.7dl/g以上0.9dl/g以下であり、第2の樹脂の固有粘度が0.55dl/g以上0.7dl/g以下であり、かつ、第1の樹脂の固有粘度と第2の樹脂の固有粘度の差が0.1dl/g以上0.3dl/g以下である。
従来は、かかる粘度構成の第1の樹脂と第2の樹脂とが、上記粘度差であると、溶融樹脂をダイから排出したときに、ダイスジと称される膜欠陥を起こした。しかし、第1の樹脂と第2の樹脂とを、本発明の樹脂フィルムの製造方法によって、押出機に切り替えながら供給し、溶融樹脂を押出して、フィルムを成膜することで、ダイスジを低減し、また、予防することができる。
固有粘度の差が0.3dl/g以下であることで、溶融粘度の差が大きくなりすぎず、第1の樹脂から第2の樹脂への切り替えを行い易い。また、固有粘度の差が0.1dl/g以上であることで、溶融粘度の差が小さくなりにくく、圧力変動を与え易い。
第1の樹脂と第2の樹脂の固有粘度の差は、0.13dl/g〜0.23dl/gであることが好ましい。
なお、固有粘度(IV)は、溶液粘度(η)と溶媒粘度(η0)の比ηr(=η/η0;相対粘度)から1を引いた比粘度(ηsp=ηr−1)濃度で割った値を濃度がゼロの状態に外挿した値である。IVは、ウベローデ型粘度計を用い、ポリエステルを1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(=2/3[質量比])混合溶媒に溶解させ、25℃の溶液粘度から求められる。
また、本発明の樹脂フィルムの製造方法においては、第1の樹脂の結晶化度が40%以上65%以下であり、第2の樹脂の結晶化度が0%以上40%以下であり、かつ、第1の樹脂の結晶化度と第2の樹脂の結晶化度との差が、1以上60以下であることが好ましい。
このように、第1の樹脂の結晶化度と第2の樹脂の結晶化度とに差を設けることで、供給変動が可塑化点の変動につながり、ダイの固着物を押出す効果につながる。
第1の樹脂の結晶化度と第2の樹脂の結晶化度との差は、35以上60以下であることがより好ましい。
なお、樹脂の結晶化度は、樹脂の密度から算出される値である。すなわち、樹脂の密度X(g/cm)、結晶化度0%での密度Y(g/cm)、結晶化度100%での密度Z(g/cm)を用いて、下記の計算式により導出される結晶化度Xc(%)である。密度の測定は、JIS K7112に準じて行なうことができる。
Xc={Z×(X−Y)}/{X×(Z−Y)}×100
また、原料樹脂は、末端COOH量(Acid Value;AV)が25eq/t(モル/トン)以下であることが好ましく、15eq/t以下がより好ましい。本発明の方法により原料樹脂を溶融押出ししてフィルムを製造する際、末端COOH量の増加は3eq/t以下に抑制されるため、末端COOH量が25eq/t以下の原料樹脂を用いれば、末端COOH量が少なく、高い耐加水分解性を有するポリエステルフィルムが得られる。ただし、例えば被着物との間の密着性が得られる観点から、原料樹脂の末端COOH量は2eq/t以上であることが望ましい。なお、「eq/t」は、1トンあたりのモル当量を表す。
末端COOH量は、以下の方法により測定される値である。すなわち、原料樹脂0.1gをベンジルアルコール10mlに溶解後、さらにクロロホルムを加えて混合溶液を得、これにフェノールレッド指示薬を滴下する。この溶液を、基準液(0.01N KOH−ベンジルアルコール混合溶液)で滴定し、滴下量から末端カルボキシル基量を求める。
なお、複数の種類の樹脂を混合して用いる場合は、前記原料樹脂の末端COOH量は、混合状態での量を表す。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)として、そのペレットの1種又は2種以上やPETフィルムの粉砕屑であるチップ材などを混合する場合、ペレットの末端COOH量の総量、又はペレットの末端COOH量とチップの末端COOH量との合計量である。
また、原料樹脂の融点Tmは、250℃〜260℃の範囲であることが好ましい。前記融点Tmは示差走査熱量測定により求められる値である。複数の樹脂の混合であるときは融点の平均値が上記範囲内にあることが好ましい。
原料樹脂の嵩比重としては、原料樹脂の押出し安定性、及び剪断発熱抑制の観点から、0.7g/cm以上0.9g/cm以下の範囲が好ましい。この嵩比重が0.7g/cm以上であると、押出しをより安定的に行なうことができる。嵩比重が0.9g/cm以下であると、局所的な発熱を効果的に抑制することができる。
原料樹脂の嵩比重とは、粉末を一定容積の容器の中に一定状態で入れる等して、所定形状にした粉末の質量を、そのときの体積で除算して求められる比重(単位体積あたりの質量)をいい、嵩比重が小さいほど嵩張る。
上記の中でも、押出時の発熱の抑制により末端COOHの増加をより抑える点で、原料樹脂の嵩比重は0.7g/cm以上0.75g/cm以下の範囲が特に好ましい。
本発明の樹脂フィルムの製造方法においては、第1の樹脂及び第2の樹脂の嵩密度が0.7g/cm以上0.9g/cm以下であるとき、さらに、嵩密度が0.3g/cm以上0.7g/cm以下であるフラフを、押出機に供給することが好ましい。
かかる構成とすることで、スクリューによる食い込み性に差が生じ、原料樹脂の供給変動が、樹脂の可塑化点の変動につながり、ダイの固着物を押出す効果につながる。フラフの嵩密度が0.3g/cm以上であることで、スクリューの食い込み不良を抑制し、フラフの嵩密度が0.7g/cm以下であることで、原料樹脂とフラフの嵩密度の差を大きくし、圧力変動を与える効果を減少し難い。
フラフの嵩密度は、0.4g/cm以上0.55g/cm以下であることがより好ましい。
なお、樹脂の嵩密度は、JIS K7365:1999の「プラスチック−規定漏斗から注ぐことができる材料の見掛け密度の求め方」に準拠した方法により測定することができる。
原料樹脂を構成するポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸又はそのエステル誘導体と、ジオール化合物とを公知の方法でエステル化反応及び/又はエステル交換反応させることによって得ることができる。
前記ジカルボン酸又はそのエステル誘導体としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等の芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸又はそのエステル誘導体が挙げられる。
前記ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、などの芳香族ジオール類等が挙げられる。
エステル化反応及び/又はエステル交換反応には、従来から公知の反応触媒を用いることができる。反応触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、リン化合物などが挙げられる。通常は、ポリエステルの製造方法が完結する以前の任意の段階において、重合触媒としてアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物を添加することが好ましい。このような方法としては、例えば、ゲルマニウム化合物を例に挙げると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加することが好ましい。
好ましいポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)であり、より好ましくはPETである。PETは、ゲルマニウム(Ge)系触媒、アンチモン(Sb)系触媒、アルミニウム(Al)系触媒、及びチタン(Ti)系触媒から選ばれる1種又は2種以上を用いて重合されるものが好ましく、より好ましくはTi系触媒である。
前記Ti系触媒は、反応活性が高く、重合温度を低くすることができる。そのため、特に重合反応中にPETが熱分解し、COOHが発生するのを抑制することが可能である。本発明においては、ポリエステルフィルムの末端COOH量を30eq/t以下の範囲に調整するのに好適である。
Ti系触媒を用いた重合により得たTi触媒系PETの製造には、例えば、特開2005−340616号公報、特開2005−239940号公報、特開2004−319444号公報、特許3436268号公報、特許3979866号公報、特許3780137号、特開2007−204538号公報等に記載の重合方法を用いることができる。
チタン(Ti)系化合物を、1ppm以上30ppm以下、より好ましくは2ppm以上20ppm以下、さらに好ましくは3ppm以上15ppm以下の範囲で用いて重合を行なうことが好ましい。この場合、本発明の方法によって製造されるポリエステルフィルムには、1ppm以上30ppm以下のチタンが含まれる。
Ti系触媒の量は、1ppm以上であると好ましいIVが得られ、30ppm以下であると、末端COOHを低く抑えることができ、耐加水分解性の向上に有利である。
また、原料樹脂は、樹脂フィルムの粉砕片を混合して調製されるのが好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルムが好適であり、原料樹脂中のポリエステル樹脂と同種のポリエステルのフィルムが好ましい。樹脂フィルムの粉砕片は、例えば不要となったフィルムを粉砕して小片(いわゆるチップ)や屑片等にした粉砕物であり、嵩高さを与え、嵩比重を例えばペレットのみの場合よりも低下させることができる。
この粉砕片のサイズとしては、嵩変化が与えられる範囲であれば制限はないが、厚みが20〜5000μmであるものが好ましい。中でも、嵩比重が大きくなり過ぎて充満率が低下しすぎないようにし、溶融不足を回避する観点から、100〜1000μmの範囲、更には100〜500μmの範囲がより好ましい。
また、成膜されるポリエステルフィルムの末端COOH量をより低減する点で、粉砕片のサイズのばらつきは小さい方が好ましく、例えば粉砕片の厚みでは、ばらつきは±100%以内であるのが好ましく、より好ましくは±50%以内であり、更には±10%以内である。粉砕片を用いる場合、厚みなどサイズばらつきを小さく抑えることで、得られるポリエステルフィルムの末端COOH量の変動を低く抑えることができる。
粉砕片の原料樹脂中における質量比率としては、原料樹脂の全質量に対して50%以下であるのが好ましく、その質量比率の下限値は、10%が望ましい。粉砕片の割合を50質量%以下にすることで、得られるポリエステルフィルムの末端COOH量の変動幅をより低く抑えることができる。中でも、同様の理由から、粉砕片の質量比率は10〜30%がより好ましく、20〜30%が特に好ましい。
‐原料樹脂の溶融混練‐
以上のような原料樹脂(第1の樹脂、第2の樹脂、ならびに、必要に応じて用いる他の樹脂およびフラフ)を用いて、既述の切り替え条件で押出機に供給する。
押出機100は、温度制御手段30によりバレル10を加熱するとともにスクリューを回転させ、供給口12から原料樹脂を供給する。なお、供給口12は、原料樹脂のペレット等が加熱されて融着しないようにすることと、モータなどのスクリュー駆動設備を保護するため、伝熱防止として冷却することが好ましい。
バレル内に供給された原料樹脂は、温度制御手段30による加熱のほか、スクリュー20A、20Bの回転に伴う樹脂同士の摩擦、樹脂とスクリュー20A、20Bやバレル10との摩擦などによる発熱によって溶融されるとともに、スクリューの回転に伴って押出機出口14に向けて徐々に移動する。
バレル内に供給された原料樹脂は融点Tm(℃)以上の温度に加熱されるが、樹脂温度が低過ぎると溶融押出時の溶融が不足し、ダイ40からの排出が困難になるおそれがあり、樹脂温度が高過ぎると熱分解によって末端COOHが著しく増加して耐加水分解性の低下を招くおそれがある。これらの観点から、温度制御手段30による加熱温度及びスクリュー20A、20Bの回転数を調整することにより、二軸押出機内の長手方向における最大樹脂温度Tmaxを(Tm+40)℃〜(Tm+60)℃にすることが好ましく、(Tm+40)℃〜(Tm+55)℃とすることがより好ましく、(Tm+45)℃〜(Tm+50)℃とすることがさらに好ましい。
二軸押出機内の長手方向における最大樹脂温度Tmaxは、二軸押出機100のスクリュー20A、20Bが配設されたバレル内で加熱されている原料樹脂の温度であり、剪断発熱があるときはその発熱による局所的高温部を含む温度である。Tmaxはバレル内の樹脂温度の測定により得られる。上記のTm及びTmaxの関係式において、Tmax[℃]は、末端COOHの増加を抑える観点から、310℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましい。また、Tmaxの下限温度は、樹脂の溶融不足を防止する観点から280℃とすることが好ましい。
‐ベント圧力‐
ベント16A、16Bを通じて真空引きをすることでバレル内の樹脂中の水分等の揮発成分を効率的に除去することができる。ベント圧力が低過ぎると溶融樹脂がバレル10の外に溢れ出るおそれがあり、ベント圧力が高過ぎると揮発成分の除去が不十分となり、得られたフィルムの加水分解が生じ易くなるおそれがある。溶融樹脂がベント16A、16Bから溢れ出ることを防ぐとともに揮発成分を選択的に除去する観点から、ベント圧力は0.01Torr〜5Torr(1.333Pa〜666.5Pa)とすることが好ましく、0.01Torr〜4Torr(1.333Pa〜533.2Pa)とすることがより好ましい。
‐平均滞留時間‐
バレル内で原料樹脂を加熱溶融し、押出機出口14を出た後、ダイ40からフィルム状に押出されるまでの平均滞留時間を10分〜20分とする。原料樹脂を加熱溶融して、押出機100の押出機出口14を出てからダイ40から押出されるまでの平均滞留時間が10分未満では未溶融樹脂が残留し易く、一方、20分を超えると、熱分解によって末端COOH量が増加して耐加水分解性が低下する。このような観点から、原料樹脂を加熱溶融して押出機出口14から押出され後の上記平均滞留時間は、10分〜20分が好ましく、10分〜15分がより好ましい。
ここで、平均滞留時間は、下記式で定義される。
平均滞留時間(秒)=押出機下流配管容積(cm)×溶融体密度(g/cm)×3600/1000÷押出量(kg/hr)
‐冷却‐
上記のように原料樹脂をバレル内で加熱溶融する一方、温度制御手段30によりバレル10の押出機出口14側の内壁がポリエステル樹脂(原料樹脂)の融点Tm(℃)以下の冷却部となるように制御する。バレル10の押出機出口14側の内壁を冷却部として原料樹脂の融点Tm(℃)以下に制御すれば、樹脂が過剰に加熱されて末端COOH量が増加することを抑制することができる。末端COOH量の増加を確実に抑制する観点から、かかる冷却部における温度は、(Tm−100)℃〜Tm℃の範囲内が好ましく、(Tm−50)℃〜(Tm−10)℃の範囲内がより好ましい。
冷却部の長さは、スクリュー径Dに対し、4D〜11Dにすることが好ましい。冷却部の長さが4D以上であれば、溶融加熱された樹脂を効果的に冷却して末端COOHの増加を抑制する。一方、冷却部の長さが11D以下であれば、樹脂を冷却し過ぎて固化することを防ぎ、溶融押出しを円滑に行うことができる。
なお、押出機出口14における樹脂温度ToutがTm+30℃以下となるようにすることが好ましい。ただし、押出機出口14における樹脂温度Toutが低過ぎると溶融樹脂の一部が固化するおそれもあるため、押出機出口14における樹脂温度ToutはTm〜(Tm+25)℃以下とすることがより好ましく、(Tm+10)℃〜(Tm+20)℃とすることがさらに好ましい。
〔成膜工程〕
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、押出機から押出した溶融樹脂をフィルム状に成膜する成膜工程を有する。
本発明の樹脂フィルムの製造方法においては、上記構成の樹脂供給工程を経た後、押出機から押出した溶融樹脂をフィルム状に成膜する。
押出機から押出した溶融樹脂は、図3に示すように、ギアポンプ44、フィルター42を介してダイ40から排出される。ダイ40の開口部の形状が長尺状の幅広な形状をしていることで、ダイ40から排出される溶融樹脂は、フィルム状に加工される。
−ダイ−
図2に示すバレル10の押出機出口14には、押出機出口14から押出された溶融樹脂をフィルム状(帯状)に排出するためのダイ40(図3)が設けられている。また、バレル10の押出機出口14とダイ40との間には、フィルムに未溶融樹脂や異物が混入することを防ぐためのフィルター42が設けられている。
ここで、ダイ40は、開口部の形状が、長尺状であり、前記開口部の長手方向端部における長手方向と直交する方向の長さが、前記開口部の長手方向の中間部における長手方向と直交する方向の長さよりも、0.05mm以上大きいことが好ましい。
ダイ40の開口部の形状について、図10を用いて説明する。
図10は、ダイの開口部の形状(輪郭)の一例を示す。
図10に示すダイの開口部は、点Cを有する短辺(辺Cという)、点Dを有する長辺(辺Dという)、点Eを有する短辺(辺Eという)、及び点Fを有する長辺(辺Fという)によって構成された長尺状の枠として示されている。
図10に示すダイの開口部においては、辺Dおよび辺Fは、共に枠の内側にへこむように弧状に曲がっている。また、辺Cの長さ及び辺Eは同じ長さは、ダイの開口部の長手方向と直交する方向の長さ(長さc)である。また、ダイの開口部の長手方向の長さは、Cと点Eとを結ぶ直線の最短距離として求められ、図10においては、長さdとして示してある。
点C〜Fは、それぞれ辺C〜Fの中間に位置している。従って、点Dおよび点Fは、長尺状の枠点の長さdの中間地点〔(1/2)d〕に位置する。
ここで、「開口部の長手方向端部」とは、図10では、点Cを有する辺C、および点Eを有する辺Eに相当し、「開口部の長手方向端部における長手方向と直交する方向の長さ」は、辺Cおよび辺Eの長さcに相当する。
また、「開口部の長手方向の中間部」は、辺Dにおける点Dおよび辺Fにおける点Fに相当する。従って、「開口部の長手方向の中間部における長手方向と直交する方向の長さ」とは、点Dと点Fを結んだ直線の長さに相当し、かかる長さをgとする。
本発明の樹脂フィルムの製造方法においては、長さcが、長さgよりも0.05mm以上大きいことが好ましい。長さcを、長さgよりも0.05mm以上大きくする〔0.05mm≦c−g〕ことで、ダイに滞留し、固着し易い溶融樹脂の粘度を下げることができる。従って、ダイにおける溶融樹脂の滞留や固着を抑制し、ダイの固着物に起因する樹脂フィルムのダイスジを抑制することができる。
また、ダイは、開口部の長手方向の中間部の温度よりも、開口部の長手方向の端部の温度が5℃以上20℃以下高いことが好ましい。すなわち、辺Dにおける点D付近および辺Fにおける点F付近における温度よりも、辺Cおよび辺Eにおける温度が高く、その温度差が、5℃以上20℃以下であることが好ましい。温度差が5℃以上であることで、溶融樹脂の滞留部の粘度をより下げ易く、温度差が20℃以下であることで、熱劣化物が生じにくく、ダイスジの原因となる固着物の発生を抑制し易い。
開口部の長手方向の中間部の温度と、開口部の長手方向の端部の温度との温度差は、
5℃〜15℃であることがより好ましい。
−ギアポンプ−
厚み精度を向上させるためには、押出量の変動を極力減少させることが重要である。押出量の変動を極力減少させるために押出機100とダイ40との間にギアポンプ44を設けてもよい。ギアポンプ44から一定量の樹脂を供給することにより、厚み精度を向上させることができる。特に、二軸スクリュー押出機を用いる場合には、押出機自身の昇圧能力が低いため、ギアポンプ44による押出安定化を図ることが好ましい。
ギアポンプ44を用いることにより、ギアポンプ44の2次側の圧力変動を1次側の1/5以下にすることも可能であり、樹脂圧力変動幅を±1%以内にできる。その他のメリットとしては、スクリュー先端部の圧力を上げることなしにフィルターによる濾過が可能なことから、樹脂温度の上昇の防止、輸送効率の向上、及び押出機内での滞留時間の短縮が期待できる。また、フィルターの濾圧上昇が原因で、スクリュから供給される樹脂量が経時変動することも防止できる。ただし、ギアポンプ44を設置すると、設備の選定方法によっては設備の長さが長くなり、樹脂の滞留時間が長くなることと、ギアポンプ部のせん断応力によって分子鎖の切断を引き起こすことがあり注意が必要である。
ギアポンプ44は1次圧力(入圧)と2次圧力(出圧)の差を大きくし過ぎると、ギアポンプ44の負荷が大きくなり、せん断発熱が大きくなる。そのため、運転時の差圧は20MPa以内、好ましくは15MPa、更に好ましくは10MPa以内とする。また、フィルム厚みの均一化のために、ギアポンプ44の一次圧力を一定にするために、押出機のスクリュー回転を制御したり、圧力調節弁を用いたりすることも有効である。
なお、固有粘度(IV)が0.7dl/g以上の原料樹脂を用いる場合は、成膜工程においては、原料樹脂をバレル内で加熱溶融して押出機出口14から押出された後、10分〜20分の平均滞留時間を経て、スクリュー径Dを考慮してスクリュー回転数N(rpm)と押出量Q(kg/hr)を制御することで下記式(II)を満たす条件下でフィルム状に溶融押出しを行うことが好ましい。
6.0×10−6×D≦Q/N≦1.1×10−5×D ・・・式(II)
IVが0.7dl/g以上の原料樹脂を溶融する場合、Nを低下させることで溶融と脱気、樹脂冷却を同時に満たし易い。また、押出機出口14での樹脂温度を特に290℃以下に制御することで、特にその下流の配管滞留での末端COOHの増加抑制に大きな効果がある。
Q/Nが6.0×10−6×D以上とすることで、スクリュー20A、20Bの高回転による原料樹脂の過発熱を抑制し、押出機出口14における樹脂温度を290℃以下にし易く、ΔAVを3eq/t以下にし易い。また、Q/Nが1.1×10−5×D以下であることで、ベント直下の樹脂充填率が増加しにくく、ベント16A、16Bから溶融樹脂が溢れにくくなるほか、ベント圧が低下しにくいため、押出機内部での樹脂の加水分解が進行しにくく、末端COOHの発生を抑制し易い。さらに、未溶融樹脂がフィルムに混入しにくくなり、樹脂フィルムの強度が低下することを抑制することができるので、延伸工程におけるフィルム破断を抑制することができる。
上記溶融押出しは、下記式(III)に示す条件で行なうことがより好ましく、下記式(IV)に示す条件下で行うことがさらに好ましい。
7×10−6×D≦Q/N≦1×10−5×D ・・・式(III)
8×10−6×D≦Q/N≦9×10−6×D ・・・式(IV)
なお、スクリュー回転数Nが低過ぎると、温度制御手段30によって温度ムラが生じて未溶融樹脂が生じ易く、スクリュー回転数Nが高過ぎると、過度に発熱して末端COOH量の増加につながるため、スクリュー回転数Nは1.9×10×D−0.5rpm〜8.4×10×D−0.5rpmが好ましく、6.3×10×D−0.5rpm〜7.9×10×D−0.5rpmがより好ましい。
また、押出量Qが少な過ぎると過度に加熱され易くなり、多過ぎると未溶融樹脂が生じ易くなるため、押出量Qは1.1×10−3×D2.5kg/hr〜7.6×10−3×D2.5kg/hrが好ましく、3.8×10−3×D2.5kg/hr〜7.1×10−3×D2.5kg/hrがより好ましい。
バレル10の押出機出口14から押し出された樹脂をフィルター42に通してダイ40から(例えば冷却ロールに)押し出してフィルム状に成形する。
ダイ40からメルト(溶融樹脂)を押出した後、冷却ロールに接触させるまでの間(エアギャップ)は、湿度を5%RH〜60%RHに調整することが好ましく、15%RH〜50%RHに調整することがより好ましい。エアギャップでの湿度を上記範囲にすることで、フィルム表面のCOOH量やOH量を調節することが可能であり、低湿度に調節することで、フィルム表面のカルボン酸量を減少させることができる。
また、本発明の方法によれば、樹脂温度を一度上げてから冷却部で下げることで、末端COOH量の増加を抑制するとともに、未溶融異物の発生を抑制することができるほか、フィルムのヘイズ上昇を抑制する効果が得られる。特に厚手成膜をする際は冷却速度不足より、ヘイズ上昇しやすいが、その対策方法として用いることが可能である。
なお、フィルム厚は、2mm〜8mmが好ましく、より好ましくは2.5mm〜7mmであり、さらに好ましくは3mm〜6mmである。厚みを厚くすることで、押出されたメルトがガラス転移温度(Tg)以下に冷却するまでの所要時間を長くすることができる。この間に、フィルム表面のCOOH基はポリエステル内部に拡散され、表面COOH量を低減することができる。
上記工程により、原料の末端COOH量と溶融押出しされたフィルムの末端COOH量との差ΔAVが3eq/t(トン)以下のポリエステルフィルムを製造することができ、例えば、末端COOH量が25eq/t(トン)以下であるポリエステルフィルムが得られる。末端COOH量が25eq/t以下であると、耐加水分解性に優れており、長期耐久性が得られる。末端COOH量は、耐加水分解の点では低いことが望ましいが、フィルムを被着物に密着させる場合の密着性向上の点から、2eq/t以上が好ましい。中でも、10〜20eq/tの範囲がより好ましい。
末端COOH量の測定は、既述の方法と同様にして行なうことができる。
<ポリエステルフィルム>
本発明のポリエステルフィルムは、既述の本発明の樹脂フィルムの製造方法により製造することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の樹脂フィルムの製造方法により製造されるため、フィルム表面に、ダイに溶融樹脂の熱分解物が固着することに起因する膜欠陥(ダイスジ)が少ない。さらに、本発明のポリエステルフィルムは、本発明の樹脂フィルムの製造方法により製造されているため、溶融樹脂の熱分解物等の異物の含有量が小さいか、異物の大きさが小さい。従って、ポリエステルフィルムを縦延伸ないし横延伸した場合にも、異物の存在に起因する延伸ムラを抑制することができる。
本発明の方法により製造されるポリエステルフィルムは、光安定化剤、酸化防止剤などの添加剤を更に含有することができる。
光安定化剤を含有すると、紫外線劣化を防ぐことができる。光安定化剤とは、紫外線などの光線を吸収して熱エネルギーに変換する化合物、樹脂が光吸収して分解して発生したラジカルを捕捉し、分解連鎖反応を抑制する材料などが挙げられる。光安定化剤として好ましくは、紫外線などの光線を吸収して熱エネルギーに変換する化合物である。このような光安定化剤を含有することで、長期間継続的に紫外線の照射を受けても、部分放電電圧の向上効果を長期間高く保つことが可能になったり、樹脂中の紫外線による色調変化、強度劣化等が防止される。
例えば紫外線吸収剤は、ポリエステルの他の特性が損なわれない範囲であれば、有機系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤、及びこれらの併用のいずれも、特に限定されることなく好適に用いることができる。一方、紫外線吸収剤は、耐湿熱性に優れ、樹脂中に均一分散できることが望まれる。
紫外線吸収剤の例としては、有機系の紫外線吸収剤として、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系等の紫外線安定剤などが挙げられる。具体的には、例えば、サリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、トリアジン系として2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、ヒンダードアミン系のビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、そのほかに、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、及び2,4−ジ・t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ・t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、などが挙げられる。
これらの紫外線吸収剤のうち、繰り返し紫外線吸収に対する耐性が高いという点で、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。なお、これらの紫外線吸収剤は、上述の紫外線吸収剤単体でフィルムに添加してもよいし、有機系導電性材料や、非水溶性樹脂に紫外線吸収剤能を有するモノマーを共重合させた形態で導入してもよい。
光安定化剤のポリエステルフィルム中における含有量は、ポリエステルフィルムの全質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上7質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以上4質量%以下である。これにより、長期経時での光劣化によるポリエステルの分子量低下を抑止でき、その結果発生するフィルム内の凝集破壊に起因する密着力低下を抑止できる。
更に、本発明のポリエステルフィルムは、前記光安定化剤の他にも、例えば、易滑剤(微粒子)、紫外線吸収剤、着色剤、核剤(結晶化剤)、難燃化剤などを添加剤として含有することができる。
<太陽電池用バックシート>
本発明の方法により製造されるポリエステルフィルムは、太陽電池用ポリエステルフィルム、具体的には、太陽電池モジュールの太陽光入射側とは反対側の裏面に配置される裏面保護シート(太陽電池用バックシート)、バリアフィルム基材等の用途に好適である。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、太陽光が入射する透明性のフロント基板と、前記フロント基板の上に設けられ、太陽電池素子及び前記太陽電池素子を封止する封止材を有するセル構造部分と、前記セル構造部分の前記フロント基板が位置する側と反対側に設けられ、前記封止材と隣接して配置された、本発明の太陽電池用バックシートと、を備えて構成される。
太陽電池モジュールは、例えば、電気を取り出すリード配線で接続された発電素子(太陽電池素子)をエチレン・酢酸ビニル共重合体系(EVA系)樹脂等の封止剤で封止し、これを、ガラス等の透明基板と、本発明のポリエステルフィルム(バックシート)との間に挟んで互いに張り合わせることによって構成してもよい。
太陽電池素子の例としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜実施例8、比較例1〜比較例3〕
‐二軸押出機‐
押出機として、図2に示すように2箇所にベントが設けられたバレル内に、下記構成のスクリューを備え、バレルの周囲には長手方向に9つのゾーンに分割して温度制御を行うことができるヒータ(温度制御手段)を備えたダブルベント式同方向回転噛合型の二軸押出機を準備した。
スクリュー径D:196mm
スクリュー長L:スクリュー径Dとの比(L/D)が31.5となる長さ[mm]
(1ゾーンの幅:3.5D)
スクリュー形状:第1ベント直前に可塑化混練部、第2ベント直前に脱気促進混練部
二軸押出機の押出機出口以降には、図3に示すように、下記構成のギアポンプ、金属繊維フィルターおよびダイを接続し、ダイを加熱するヒーターの設定温度は280℃とし、平均滞留時間は10分とした。
ギアポンプ:2ギアタイプ
フィルター:金属繊維焼結フィルター(孔径20μm)
ダイ:図3における点C及び点Eの温度が290℃、点D及び点Fの温度が300℃
‐原料‐
原料樹脂としては、表4に示す特性を有する樹脂A(第1の樹脂)および樹脂B(第2の樹脂)のペレットを用いた。樹脂A、樹脂BともPETを用いた。PETペレットには、平均長径:4.5mm、平均短径:1.8mm、平均長さ:4.0mmのサイズのものを用いた。
−樹脂の供給条件(樹脂の供給、及び切り替え)−
表4に示す樹脂Aおよび樹脂Bを、表5に示す樹脂供給条件にて、押出機に供給した。樹脂の切り替えは、樹脂Aの供給量Qを減少しつつ、樹脂Bの供給量Qを増加することに切り替えることにより行い、いずれの実施例および比較例も、樹脂Aの供給量Qについてのみ変動を与え、樹脂Bの供給量Qには変動を与えなかった。従って、表5に示す変動量は、樹脂Aの供給量Qに与えた変動の大きさを表す。表5に示すΔQ(Δt)/Δtは、式(I)におけるΔQ(Δt)/Δtを表す。
なお、実施例6、実施例8及び比較例1においては、さらに、表4に示す嵩密度のフラフを供給した。フラフは、供給量Qの減少開始(t)から減少終了(tfin)まで、一定の割合(500〔kg/hr〕)で供給した。
押出機は、図2における供給口12側の1番目のゾーン(C1)は70℃に、2〜8番目のゾーン(C2〜C8)は270℃に、9番目のゾーン(C9)は250℃にそれぞれ温度設定を行った。
スクリューの回転数を60rpmに設定し、供給口12から、上記供給条件で原料樹脂を供給して加熱溶融し、押出量を3000kg/hrに設定して溶融押出を行った。
押出機出口から押出された溶融体(メルト)をギアポンプ、金属繊維フィルター(孔径20μm)を通した後、ダイから冷却(チル)ロールに押出した。押出されたメルトは、静電印加法を用いて冷却ロールに密着させた。冷却ロールは、中空のチルロールを用い、この中に熱媒として水を通して温調できるようになっている。
なお、ダイ出口から冷却ロールまでの搬送域(エアギャップ)は、この搬送域を囲い、この中に調湿空気を導入することにより、湿度を30%RHに調節してある。押出機の押出量の調整及びダイの開口部の形状を上記構成とすることにより、メルト厚みを3000μmとした。
以上のようにして、実施例1〜実施例8および比較例1〜比較例3の各PETフィルムを得た。
なお、表6〜表16に、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3における原料樹脂の供給条件を示した。表6〜表16中、QAは、時間tがt、t1、t2、・・・、tfinであるときの樹脂Aの各供給量を表し、QBは、時間tがt、t1、t2、・・・、tfinであるときの樹脂Bの各供給量を表す。Qallは、時間tがt、t1、t2、・・・、tfinであるときの樹脂Aおよび樹脂Bの各供給量の合計量を表す。「変動量」欄において、「FALSE」とあるのは、dQ(t)/dt≧0である連続する区間ではないことを表す。
また、図11〜図21に、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3における原料樹脂の時間tと供給量Qおよびtと供給量Qの関係を示す曲線ないし直線を示した。
<PETフィルムの評価>
1.膜欠陥(ダイスジ)
得られた実施例1〜実施例8および比較例1〜比較例3の各PETフィルムの表面を目視観察し、下記評価基準に基づき、ダイスジの有無を評価した。評価結果は表5に示した。
−評価基準−
○:ダイスジがほとんど認められない
△:ダイスジが認められる
×:ダイスジが著しい
2.原料樹脂の切り替え時間(切替時間)
得られた実施例1〜実施例8および比較例1〜比較例3の各PETフィルムの幅方向の最短距離を結ぶ直線上に均等間隔で5点取り、各点の固有粘度(IV)を測定した。表6〜表16に示される実施例1〜実施例8および比較例1〜比較例3の各tfinから、測定したIVの幅方向のバラツキが5%以内に入るまでの時間を、切り替え時間とした。結果は表5に示した。
表5からわかるように、実施例1〜実施例8の各PETフィルムは、表面にダイスジが確認されなかった。原料樹脂を樹脂Aから樹脂Bに切り替える際に、樹脂Aの供給量に変動を、本発明における(1)および(2)の条件で与えたことで、ダイに溶融樹脂の熱分解物が固着しなかったか、固着しても、その固着物を除去することができたものと考えられる。
〔実施例9〜実施例16〕
<太陽電池モジュールの作製>
実施例1〜実施例8の各PETフィルムを太陽電池用バックシートとして用い、次のようにして、実施例9〜実施例16の太陽電池モジュールを作製した。
厚さ3.2mmの強化ガラスと、EVAシート〔三井化学ファブロ社製のSC50B〕と、結晶系太陽電池セルと、EVAシート〔三井化学ファブロ社製のSC50B〕と、実施例1〜実施例8のPETフィルムのいずれか1枚とを、この順に重ね合わせ、真空ラミネータ〔日清紡社製、真空ラミネート機〕を用いてホットプレスすることにより、各部材とEVAシートとを接着させた。
作製した各太陽電池モジュールについて、発電運転をしたところ、いずれも太陽電池として良好な発電性能を示した。
10 バレル
12 供給口
14 押出機出口
16A、16B ベント
20A、20B スクリュー
30 温度制御手段
40 ダイ
42 フィルター
44 ギアポンプ
46 原料供給装置
100 二軸押出機
C1〜C9 加熱/冷却装置

Claims (10)

  1. 固有粘度が0.7dl/g以上0.9dl/g以下である第1の樹脂と、固有粘度が0.55dl/g以上0.7dl/g以下であり、前記第1の樹脂の固有粘度との差が、0.1dl/g以上0.3dl/g以下である第2の樹脂とを、前記第1の樹脂の供給量を減少させ、第2の樹脂の供給量を増加させながら、前記第1の樹脂から前記第2の樹脂に切り替えて、押出機に供給するにあたり、前記第2の樹脂の前記押出機への供給量を増加させるときをt〔hr〕とし、前記第1の樹脂の前記押出機への供給量を減少させ終わったときをtfin〔hr〕とするとき、
    時間t〔hr〕と、前記供給量Qとの関係を表す曲線において、
    (1)前記tから前記tfinまでの間に、dQ(t)/dt=0となる回数を4回以上15回以下とし、
    (2)dQ(t)/dt≧0である連続する区間における最大供給量と最小供給量との差の平均値を、前記tにおける供給量Q(t)と前記tfinにおける供給量Q(tfin)との差の10%以上30%以下として、
    前記押出機に、少なくとも、前記第1の樹脂および前記第2の樹脂を供給する樹脂供給工程、および、前記押出機から押出した溶融樹脂をフィルム状に成膜する成膜工程を有する樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記押出機が、直径D〔mm〕のスクリューを備え、
    前記D、前記Q(t)と前記Q(tfin)との差ΔQ(Δt)、及び、前記tと前記tfinとの差Δtが、下記式(I)を満たす前記第1に記載の樹脂フィルムの製造方法。
    0.063×D〔kg/hr〕≦ΔQ(Δt)/Δt≦ 0.38×D〔kg/hr〕・・・式(I)
  3. 前記第1の樹脂の結晶化度が40%以上65%以下であり、前記第2の樹脂の結晶化度が0%以上40%以下であり、かつ、前記第1の樹脂の結晶化度と前記第2の樹脂の結晶化度との差が、1%以上60%以下である請求項1または請求項2に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂が、ポリエステルである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  5. 前記押出機が、2軸押出機である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  6. 前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂の嵩密度が、0.7g/cm以上0.9g/cm以下であり、嵩密度が0.3g/cm以上0.7g/cm以下であるフラフを、さらに、前記押出機に供給する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  7. 前記押出機から押出した前記溶融樹脂は、少なくとも前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂の溶融樹脂を排出し、開口部の形状が、長尺状であり、前記開口部の長手方向の中間部の温度よりも、前記開口部の長手方向の端部の温度が5℃以上20℃以下高いダイを介して排出される請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法により製造されたポリエステルフィルム。
  9. 請求項8に記載のポリエステルフィルムを有する太陽電池用バックシート。
  10. 太陽光が入射する透明性のフロント基板と、
    前記フロント基板の上に設けられ、太陽電池素子及び前記太陽電池素子を封止する封止材を有するセル構造部分と、
    前記セル構造部分の前記フロント基板が位置する側と反対側に設けられ、前記封止材と隣接して配置された、請求項9に記載の太陽電池用バックシートと、
    を備えた太陽電池モジュール。
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