JP2012254953A - 梅セラミド組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によれば、核(タネ)を取り除いた梅果実からセラミドを抽出することにより、アミグダリンを含まない、安全性の高い梅セラミド組成物を得ることができる。これにより、セラミドが持つ機能性を活かした安全な化粧品、医薬品、飲食物を提供することができる。
【選択図】図2
Description
Sieb.et Zucc)は、古くから梅干し、梅酒、梅肉エキスなどに加工され広く利用されてきた日本人には馴染みの深い果実である。クエン酸やアミノ酸、カリウムやポリフェノールなど我々の健康に貢献する有効成分を豊富に含んでいる。一方、未熟な梅果実にはアミグダリンが含まれており、このアミグダリンが梅果実中の酵素エルムシンの作用で加水分解されると、そのときに発生するシアン化水素が強い毒性を示すことが懸念される。したがって未熟果実の摂取には注意が必要であるが、梅果実が熟してくると、アミグダリンが分解されて糖に変わるため、果肉中のアミグダリンは消失し、中毒のような心配がないこと、また、適度に熟した梅果実を梅干しや梅酒などに加工することによっても、アミグダリンの分解を促進するため、日常的に食している梅加工品については、健康被害への影響はなく(農林水産省消費者の部屋 平成21年6月回答より)、梅加工品は、安全な食品として長年広く利用されてきた歴史がある。
(1)梅から抽出されるセラミドであって、アミグダリンを含まないことを特徴とする梅セラミド組成物、
(2)梅が水または水溶液に不溶性の画分である請求項1記載の梅セラミド組成物、
(3)梅が核(タネ)を取り除いた梅果肉である請求項1又は請求項2に記載の梅セラミド組成物、
(4)請求項1〜3のいずれかに記載の梅セラミド組成物を含有する化粧料、
(5)請求項1〜3のいずれかに記載の梅セラミド組成物を含有する医薬品、
(6)請求項1〜3のいずれかに記載の梅セラミド組成物を含有する飲食物、
(7)請求項1〜3のいずれかに記載の梅セラミド組成物の製造方法に関する。
本発明の梅セラミド組成物は、梅(Prunus mume Sieb.et Zucc)から抽出することを特徴とする。梅の品種は特に限定されないが、例えば南高、小粒南高、古城、白加賀、鶯宿などが挙げられる。梅の熟度は特に限定されないが、果実を加工する観点から、より軟化した完熟果実が好ましい。
食品としては、麺類、パン粉のような穀物加工品;味噌のような豆類加工品;米粉、小麦粉、きな粉のような粉類;即席麺、即席スープのような乾燥食品;スープ、カレーのようなレトルト食品;クッキー、ビスケット、スナック、ゼリー、ガム、グミ、飴、チョコレート、アイスクリームのような菓子などが挙げられる。調味料としては、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング、しょうゆ、ソース、つゆ、たれなどが挙げられる。
和歌山県産南高梅の完熟果を洗浄し、ペンチを用いて果実から丸のまま核(タネ)を取り除き、果汁を含んだ果肉を得た。果肉はミキサーにて破砕し、遠心分離機(日立工機社製 CR-22G)にて3000rpmで遠心搾汁することにより、搾汁後の梅果肉と梅果汁を得た。得られた梅果肉を水道水の流水中に1時間浸漬させ、水洗を行った。最終的に南高梅の完熟果10kgから梅果肉2.7kg、梅果汁6.0kg、核(タネ)1.3kgが得られた。
次に、水洗後の梅果肉2.7kgを遠赤外線乾燥機(ヴィアノーベ社製 V7513)に投入し、60℃で20時間乾燥させた。得られた梅果肉乾燥物(水分6.1質量%)をミルミキサー(大阪ケミカル社製
WDL-1)により粉末状に粉砕し、梅果肉乾燥粉末530gを得た。この梅果肉乾燥粉末に95%エタノールを加えて室温で攪拌後、懸濁液をろ紙(ADOVANTEC社製 FILTER PAPER QUALTIATIVE 2)でろ過した。得られたろ液をロータリーエバポレーター(yamato社製 RE400)で乾固し、梅セラミド画分を188.4g得た。
和歌山県産南高梅の完熟果を洗浄し、核(タネ)を含んだままの梅果実をミキサーにて破砕し、遠心分離(3000rpm)することにより、核(タネ)の粉砕物を含んだ梅果肉と梅果汁を得た。最終的に南高梅の完熟果10kgから搾汁後の梅果肉3.4kg、梅果汁6.6kgが得られた。
次に、搾汁後の梅果肉3.4kgを遠赤外線乾燥機(ヴィアノーベ社製 V7513)に投入し、60℃で20時間乾燥させた。得られた梅果肉乾燥物(水分6.1質量%)をミルミキサー(大阪ケミカル社製 WDL-1)により粉末状に粉砕し、梅果肉乾燥粉末830gを得た。この梅果肉乾燥粉末に95%エタノールを加えて室温で攪拌後、懸濁液をろ紙(ADOVANTEC社製 FILTER PAPER QUALTIATIVE 2)でろ過した。得られたろ液をロータリーエバポレーター(yamato社製 RE400)で乾固し、梅セラミド画分を193.2g得た。
実施例1で得られた梅セラミド画分と、比較例1で得られた梅セラミド画分について、セラミド定性試験と定量試験を行った。セラミド定性試験は薄層クロマトグラフィーにより行った。定性条件は各梅セラミド画分0.45gにクロロホルム2.5ml、メタノール2.5ml、メタノール性の0.8M水酸化カリウム5mlを加えて超音波処理を行い、42℃で30分間保温した後、クロロホルム10ml、蒸留水5mlを加えてよく混合し、3500rpmで15分間遠心分離した。クロロホルム層を乾固した。その後、0.5mlのクロロホルムと0.5mlのメタノールの混合溶液に溶解し、その1μlをTLC(ワットマン社製 FLEXIBLE PLATES FOR TLC)にスポットし、クロロホルム:メタノール:水(6.5:1.0:0.1)の混合溶液を展開溶媒として室温にて展開した。セラミド標品は大豆由来のグリコシルセラミド(Matereya社製)を使用した。TLCの展開後のスポットを図1に示す。実施例1および比較例1双方に、セラミド標品と同一のRf値にスポットが確認され、梅にセラミドが含まれていることが明らかとなった。定量方法は各スポットを画像処理ソフト Image
J(アメリカ国立衛生研究所製)に取り込み、スポットの発色強度を数値化し、あらかじめ作成した検量線から濃度を算出した。なお本定量法は、高速液体クロマトグラフ質量分析において得られる定量値とほぼ同一であることを確認している。
実施例1で得られたセラミド画分と、比較例1で得られたセラミド画分についてアミグダリン含有量を測定した。
アミグダリン含有量は、水蒸気蒸留により抽出後、ピリジンカルボン酸ピラゾロン定量
に準じて行った。すなわちセラミド画分1.8gに、クエン酸緩衝液100ml、β‐グルコシダーゼ酵素(4unit/ml)5mlを加えて混合後、密栓し38℃で4時間インキュベートした。その後、蒸留水100mlを加え、1%水酸化カリウム溶液を5ml入れた三角フラスコを受器として、蒸留液が80mlになるまで蒸留した。蒸留後、蒸留液を蒸留水で100mlに定容した。定容後の溶液2mlにリン酸緩衝液1ml、1.25%のクロラミンT溶液を0.2ml加えて25℃で5分間放置後、ピリジンカルボン酸ピラゾロン溶液1mlを加えて密栓し、38℃で40分間インキュベートした。その後、分光光度計(日立工機社製 U−3900)を用いて測定波長638nmで吸光度を測定し、シアン化カリウム標準液の測定値より定量計算を行った。
結果を表1、図2に示す。実施例1の梅セラミド組成物にはアミグダリンは検出されなかった。一方、比較例1の梅セラミド組成物では、高濃度のアミグダリンが検出され、その毒性の観点から産業上利用価値の無いことが明らかとなった。さらに、実施例1のセラミド量は比較例1のセラミド量より約1.5倍に濃縮されていることがわかった。
Claims (7)
- 梅から抽出されるセラミドであって、アミグダリンを含まないことを特徴とする梅セラミド組成物。
- 梅が水または水溶液に不溶性の画分である請求項1に記載の梅セラミド組成物。
- 梅が核(タネ)を取り除いた梅果肉である請求項1又は請求項2に記載の梅セラミド組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の梅セラミド組成物を含有する化粧料。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の梅セラミド組成物を含有する医薬品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の梅セラミド組成物を含有する飲食物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の梅セラミド組成物の製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2002010759A (ja) * | 2000-06-29 | 2002-01-15 | Wakayama Prefecture | 梅仁の処理方法及び食用梅仁 |
JP2006022006A (ja) * | 2004-07-06 | 2006-01-26 | Ichimaru Pharcos Co Ltd | スフィンゴ脂質含有美容健康用組成物 |
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2011
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