JP2012251033A - (メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサンおよびこれを含有する硬化性樹脂組成物 - Google Patents

(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサンおよびこれを含有する硬化性樹脂組成物 Download PDF

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依慶 米山
Natsuki Hamada
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Abstract

【課題】硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる塗膜に、優れた密着性を維持させつつ、高硬度を与える。
【解決手段】1分子中に16個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサンおよびこれを含有する硬化性樹脂組成物に関する。
ガラスやポリカーボネート樹脂等のプラスチックの成型品は、その表面を損傷から保護する等の観点から塗膜(「トップコート」、「ハードコート」等とも呼ばれる)によって被覆されるのが一般的であり、塗膜を得るために用いられる硬化性樹脂組成物としては種々のものが知られている。
例えば、特許文献1には、「(メタ)アクリレート系重合体(A)、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシリコーン樹脂(B)、光硬化性樹脂(C)および光重合開始剤(D)を含有し…前記光硬化性樹脂(C)が1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を6〜15個有する硬化性樹脂組成物。」が記載され([請求項1])、「…合計質量に対して…前記硬化性樹脂(C)を60〜80質量%含有」することが記載されている([請求項6])。
特許文献1に記載の硬化性樹脂組成物によれば、「耐摩耗性および密着性に優れたトップコート層を形成することができる」とされている([0013])。
特開2011−016871号公報
本発明らが、従来公知の多官能の光硬化性樹脂(多官能アクリレート)を含有する硬化性樹脂組成物から得られる塗膜の検討を行ったところ、基材に対する密着性は良好であるものの、硬度については昨今要求されるレベルに達しておらず、実用上充分でないことを見出した。
そこで、本発明は、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる塗膜に、優れた密着性を維持させつつ、高硬度を与えることを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、所定の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサンを硬化性樹脂組成物に配合することで、得られる塗膜が、優れた密着性を維持しつつ、高硬度になることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)を提供する。
(1)1分子中に16個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン。
(2)1分子中に8個以上のメルカプト基を有するシルセスキオキサンと、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物と、を反応させて得られる、上記(1)1に記載の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン。
(3)上記(1)または(2)に記載の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサンと、光重合開始剤と、を含有する硬化性樹脂組成物。
(4)上記光重合開始剤の含有量が、上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン100質量部に対して、1〜20質量部である、上記(3)に記載の硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる塗膜に、優れた密着性を維持させつつ、高硬度を与えることができる。
[(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン]
本発明の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン(以下、「シルセスキオキサン(A)」ともいう)は、1分子中に16個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサンである。
ここで、「(メタ)アクリロイルオキシ基」は、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)および/またはメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を意味する。
以下、シルセスキオキサン(A)について詳細に説明する。
〔シルセスキオキサンの一般説明〕
まず、一般的な「シルセスキオキサン」について説明する。
シロキサン結合(Si−O−Si結合)で主鎖が構成される含ケイ素ポリマーを「ポリシロキサン」という。ケイ素原子には4つの結合手があるため、ポリシロキサンの基本構成単位としては、下記式に示すように、M単位、D単位、T単位、および、Q単位の4種が存在する(Rは有機基を示す)。
「シルセスキオキサン」は、基本構成単位がT単位であるポリシロキサンの総称である。シルセスキオキサン中において、ケイ素原子は3個の酸素原子と結合し、酸素原子は2個のケイ素原子と結合していることから、シルセスキオキサンは「(RSiO3/2n」という式で表される(Rは有機基を示し、nは整数を示す。)。
シルセスキオキサンにおけるシロキサン結合の骨格の構造としては、ランダム構造、ラダー構造、カゴ構造が知られている。
ここで、カゴ構造とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができない構造のことをいう。
カゴ構造を有するシルセスキオキサンは、各ユニットである(RSiO3/2)どうしが、酸素原子が共有されて連結し、カゴ構造を形成しているシルセスキオキサンであり、具体的には、例えば、上記式中のnが8である下記式(A−1)で表されるシルセスキオキサン、上記式中のnが10である下記式(A−2)で表されるシルセスキオキサン、上記式中のnが12である下記式(A−3)で表されるシルセスキオキサン等が挙げられる。
〔シルセスキオキサン(A)の説明〕
本発明におけるシルセスキオキサン(A)は、上記のようなシルセスキオキサンであって、1分子中に16個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものであれば特に限定されない。
シルセスキオキサン(A)を含有する硬化性樹脂組成物においては、得られる塗膜が高硬度となり、さらに、基板に対する密着性にも優れる。
このとき、シルセスキオキサン(A)が有する(メタ)アクリロイルオキシ基どうしが重合することによって架橋点が増えることで、塗膜硬度が向上するものと考えられる。また、耐擦傷性の向上も期待される。
シルセスキオキサン(A)は、例えば、下記式(1)で表すことができる。
(R1−Y−X−SiO3/2n (1)
上記式(1)中、nは6以上の整数を示し、Xは単結合またはアルキレン基を示し、Yは単結合または硫黄原子(−S−)を示し、R1は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基を示す。複数のR1は同一であってもよく異なっていてもよい。
上記式(1)中のnが示す6以上の整数としては、6〜20であるのが好ましい。
上記式(1)中のnが8を示すシルセスキオキサン(A)は、具体的には、下記式(2)で表されるカゴ構造を有するシルセスキオキサンである。
上記式(1)または(2)中のXが示す単結合またはアルキレン基としては、アルキレン基の方が好ましい。Xが示すアルキレン基としては、例えば、炭素原子数1〜6のアルキレン基が挙げられ、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ヘプタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基が挙げられ、なかでも、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基であるのが好ましい。
上記式(1)または(2)中のYが示す単結合または硫黄原子(−S−)としては、硫黄原子の方が好ましい。
上記式(1)または(2)中のR1が示す、2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する基としては、例えば、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートに由来する基が挙げられ、その具体例としては、下記式(3)〜(6)で表される基等が挙げられる。なお、下記式中、Meはメチル基を示す(以下同様)。
このようなシルセスキオキサン(A)の具体例としては、1分子中にアクリロイルオキシ基を32個有する下記式(7)で表されるシルセスキオキサン、1分子中にアクリロイルオキシ基を16個有する下記式(8)で表されるシルセスキオキサン、1分子中にアクリロイルオキシ基を24個有する下記式(9)で表されるシルセスキオキサン等が挙げられる。
シルセスキオキサン(A)としては、より高硬度な塗膜が得られるという理由から、上記式(7)で表されるシルセスキオキサンであるのが好ましい。
〔シルセスキオキサン(A)の製造方法〕
このようなシルセスキオキサン(A)としては、例えば、1分子中に8個以上のメルカプト基を有するメルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)と、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(a2)と、を反応させて得られるシルセスキオキサンであるのが好ましい。
このとき、メルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)が有する各々のメルカプト基(−SH)と、化合物(a2)が有する1つの(メタ)アクリロイルオキシ基中の不飽和二重結合とが付加反応して結合され、1分子中に少なくとも16個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシルセスキオキサン(A)が得られる。
<メルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)>
シルセスキオキサン(A)の製造に用いるメルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)としては、1分子中に8個以上のメルカプト基(−SH)を有するシルセスキオキサンであれば特に限定されないが、例えば、1分子中に8個のメルカプト基を有する下記式(10)で表されるシルセスキオキサンが挙げられる。
上記式(10)中、Xは、上記式(1)または(2)中のXと同義である。
このような上記式(10)で表されるメルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)の具体例としては、Xがプロパン−1,3−ジイル基を示す下記式(11)で表されるシルセスキオキサンが挙げられる。
(メルカプト基を有するメルカプト基含有トリアルコキシシラン(a11))
メルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)は、例えば、メルカプト基を有するメルカプト基含有トリアルコキシシラン(a11)を加水分解重合させて得ることができる。
より具体的には、例えば、メルカプト基含有トリアルコキシシラン(a11)を反応系に仕込み、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液等の溶媒を徐々に加えた後、系内を室温で攪拌して加水分解縮合させ、攪拌終了後に溶媒を留去させることで、メルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)を得る方法が挙げられる。
なお、メルカプト基含有トリアルコキシシラン(a11)が有するアルコキシ基としては、特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、なかでも、メトキシ基、エトキシ基であるのが好ましい。
メルカプト基含有トリアルコキシシラン(a11)としては、市販品を用いることができ、その具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン[(CH3O)3SiC36SH](KBM−803、信越化学工業社製)等が挙げられる。
<化合物(a2)>
シルセスキオキサン(A)の製造に用いる化合物(a2)としては、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものであれば特に限定されず、例えば、3官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
3官能以上の(メタ)アクリレートである化合物(a2)の具体例としては、下記式(12)で表されるペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、下記式(13)で表されるジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、下記式(14)で表されるトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、下記式(15)で表されるジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート等が挙げられる。
これらのうち、入手が容易であり、得られる塗膜がより高硬度になる等の理由から、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートが好ましい。
上述したメルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)と、上述した化合物(a2)とを反応させてシルセスキオキサン(A)を得る方法としては、具体的には、例えば、メルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)と化合物(a2)とを、モル比(a1/a2)で1/8となるように、別々に酢酸ブチル等の溶媒に溶解させて溶液を得た後、メルカプト基含有シルセスキオキサン(a1)が溶解した溶液を攪拌させながら、化合物(a2)が溶解した溶液を添加し、トリエチルアミン等の硬化触媒を添加して、20〜80℃(例えば40℃)の条件で24〜72時間反応させて、シルセスキオキサン(A)を得る方法が挙げられる。
[硬化性樹脂組成物]
次に、本発明の硬化性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう)について説明する。本発明の組成物は、上述したシルセスキオキサン(A)と、光重合開始剤(B)とを含有する硬化性樹脂組成物である。なお、シルセスキオキサン(A)については、上述したとおりであるため、説明を省略する。
〔光重合開始剤(B)〕
本発明の組成物に含有される光重合開始剤(B)は、光によって例えばラジカル重合性官能基を有する化合物を重合させうるものであれば特に制限されない。
光重合開始剤(B)としては、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、ベンゾイン類、ベンゾインメチルエーテル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、光安定性、光開裂の高効率性、表面硬化性、樹脂との相溶性、低揮発、低臭気という観点から、アルキルフェノン系光重合開始剤であるのが好ましい。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられ、なかでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンであるのが好ましい。
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとしては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、イルガキュア184(BASF社製)が挙げられる。
光重合開始剤(B)の含有量は、本発明の組成物の硬化性が優れ、良好な塗膜が得られるという理由から、上述した化合物(A)100質量部に対して1〜20質量部であるのが好ましく、2〜10質量部であるのがより好ましい。
〔その他の成分〕
(溶剤)
本発明の組成物は、作業性等の観点から、溶剤を含有していてもよい。溶剤は、有機溶剤であり、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類;メチレンクロライド、クロロホルム、エチレンクロライド、クロロベンゼンなどのハロゲン化物;THF、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、ヘキサメチレンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、ブチルセルソルブなどのグリコールエーテル類;イソプロピルアルコールなどのアルコール類;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(添加剤)
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料等を含有することができる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、反応容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等の攪拌機を用いて十分に混練する方法等により製造することができる。
本発明の組成物は、ガラス基板またはプラスチック基材の表面を被覆する用途に用いることができ、例えば、ハードコート用組成物として使用できる。
ガラス基板としては、特に限定されず、種々のガラス基板を用いることができる。
プラスチック基材としては、熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックを問わず種々のプラスチック基材を用いることができ、具体的には、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、ポリカーボネート樹脂、PMMAであるのが好ましい。
本発明の組成物を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
なお、本発明の組成物の塗布量としては、硬化時の塗膜の膜厚が1〜30μmとなるようにするのが好ましい。
本発明の組成物の硬化は、紫外線により行うことができる。本発明の組成物を硬化させる際に使用する紫外線の照射量としては、速硬化性、作業性の観点から、500〜3000mJ/cm2が好ましい。本発明の組成物を紫外線照射により硬化させる際の温度は、20〜80℃であるのが好ましい。紫外線を照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
[成分(A)の製造]
まず、後述する各実施例および比較例において用いる成分(A)を製造した。
〔シルセスキオキサンA1〕
<メルカプト基含有シルセスキオキサンa1の製造>
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学工業社製、以下同様)35.4gを反応系に仕込み、約200gのテトラヒドロフラン(THF)溶媒に溶解させ、系内を攪拌しながら、5.1%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液10.81gを徐々に加えた後、系内を室温で24時間攪拌し、加水分解縮合させた。
攪拌終了後、系内に酢酸ブチル約200gを加え、分液ロートを用いて反応溶液を飽和塩化ナトリウム/塩化カリウム水溶液により洗浄した。分液ロート内の水層が中性になるまで水洗を繰り返した後、有機層を分取、無水硫酸マグネシウムで脱水した。その後、減圧下で酢酸ブチル等の溶媒を留去させることで生成物を得た。
生成物について、1H−NMR分析を行った結果、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803)のメトキシ基の消失、および、メルカプト基の存在(1.3ppm付近に観測される−SH基のシグナル)が確認された。
また、IR測定の結果、1110cm-1付近にSi−O−Si結合に由来する吸収が観測され、2500cm-1付近に−SH基に由来する吸収が確認された。
これらの分析結果から、生成物として、カゴ構造を有する、上記式(11)で表されるシルセスキオキサン(以下、「メルカプト基含有シルセスキオキサンa1」という)が得られたことが分かった。
<シルセスキオキサンA1の製造>
得られたメルカプト基含有シルセスキオキサンa1と、上記式(13)で表されるジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商品名M−403、東亞合成社製)とを、モル比で1:8の割合となるように、別々に酢酸ブチルに溶解させた。
具体的には、10.1gのメルカプト基含有シルセスキオキサンa1を酢酸ブチル約50gに溶解させて溶液1−1を得て、次に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート43.71gを酢酸ブチル約150gに溶解させて溶液1−2を得た。
次に、溶液1−1を攪拌させながら溶液1−2を添加し、その後、トリエチルアミンを1滴添加し、40℃の条件で48時間反応させ、生成物を得た。
得られた生成物について、IR分析を行った結果、2500cm-1付近に観測される−SH基に由来する吸収が消失していた。また、1H−NMR分析を行った結果、1.3ppm付近に観測される−SH基のシグナルの消失が確認された。
なお、この結果は、後述するシルセスキオキサンA2およびA3においても同様であった。
また、得られた生成物については、メルカプト基含有シルセスキオキサンa1において観測される−SiC 2CH2SHの積分値と、生成物において5.0〜6.0ppmに観測されるC 2CH2COOR−の積分値との比が1:35であった。
このような分析結果から、生成物として、上記式(7)で表される、1分子中にアクリロイルオキシ基を32個有するシルセスキオキサン(以下、「シルセスキオキサンA1」という)が得られたことが分かった。
〔シルセスキオキサンA2〕
メルカプト基含有シルセスキオキサンa1と、上記式(14)で表されるトリメチロールプロパントリアクリレート(商品名M−309、東亞合成社製)とを、モル比で1:8の割合となるように、別々に酢酸ブチルに溶解させた。
具体的には、10.8gのメルカプト基含有シルセスキオキサンa1を酢酸ブチル約50gに溶解させて溶液2−1を得て、次に、トリメチロールプロパントリアクリレート29.8gを酢酸ブチル約150gに溶解させて溶液2−2を得た。
次に、溶液2−1を攪拌させながら溶液2−2を添加し、その後、トリエチルアミンを1滴添加し、40℃の条件で48時間反応させ、生成物を得た。
得られた生成物については、メルカプト基含有シルセスキオキサンa1において観測される−SiC 2CH2SHの積分値と、生成物において5.0〜6.0ppmに観測されるC 2CH2COOR−の積分値との比が1:16であった。
このような分析結果から、生成物として、上記式(8)で表される、1分子中にアクリロイルオキシ基を16個有するシルセスキオキサン(以下、「シルセスキオキサンA2」という)が得られたことが分かった。
〔シルセスキオキサンA3〕
メルカプト基含有シルセスキオキサンa1と、上記式(15)で表されるジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(商品名M−408、東亞合成社製)とを、モル比で1:8の割合となるように、別々に酢酸ブチルに溶解させた。
具体的には、10.8gのメルカプト基含有シルセスキオキサンa1を酢酸ブチル約50gに溶解させて溶液3−1を得て、次に、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート39.42gを酢酸ブチル約150gに溶解させて溶液3−2を得た。
次に、溶液3−1を攪拌させながら溶液3−2を添加し、その後、トリエチルアミンを1滴添加し、40℃の条件で48時間反応させ、生成物を得た。
得られた生成物については、メルカプト基含有シルセスキオキサンa1において観測される−SiC 2CH2SHの積分値と、生成物において5.0〜6.0ppmに観測されるC 2CH2COOR−の積分値との比が1:22.3であった。
このような分析結果から、生成物として、上記式(9)で表される、1分子中にアクリロイルオキシ基を24個有するシルセスキオキサン(以下、「シルセスキオキサンA3」という)が得られたことが分かった。
〔シルセスキオキサンA4〕
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランに代えて、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業社製)41.2gを用いた以外は、メルカプト基含有シルセスキオキサンa1の製造と同様にして、加水分解縮合させて生成物を得た。
生成物について、1H−NMR分析を行った結果、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103)のメトキシ基の消失、および、アクリロイルオキシ基の存在が確認された。
また、IR測定の結果、1110cm-1付近にSi−O−Si結合に由来する吸収が観測された。
これらの分析結果から、生成物として、下記式(16)で表される、1分子中にアクリロイルオキシ基を8個有するシルセスキオキサン(以下、「シルセスキオキサンA4」という)が得られたことが分かった。
<実施例1〜3、比較例1,2>
下記第1表に示す配合量(単位:質量部)で、同表に示す各成分を、溶剤(イソプロピルアルコール:30質量%、酢酸ブチル:30質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル:20質量%、ジイソブチルケトン:20質量%の混合溶剤)に溶かし、攪拌機を用いて混合し、各硬化性樹脂組成物を得た。
<評価>
得られた各硬化性樹脂組成物を、ポリカーボネート基板またはPMMA基板に10〜30μmの膜厚となるようにスプレーを用いて塗布した。その後、オーブン乾燥(70℃、3分間)を経て、川口スプリング製作所社製のGS UV SYSTEMを用いて、ピーク強度が80mW/cm2、積算光量が1000mJ/cm2となるようにUV照射を行って塗膜を形成し、評価用サンプルを得た。
この評価用サンプルを用いて、各特性を以下の方法により評価した。
(鉛筆硬度)
得られた評価用サンプルを用いて、JIS K5600−5−4:1999に準拠して、塗膜の鉛筆硬度を測定した。結果を下記第1表に示す。
(密着性)
ポリカーボネート基板を用いた評価用サンプルの塗膜に、2mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、直ちにテープの一端をポリカーボネート基板に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。下記第1表には、残った基盤目の数を分子として、碁盤目の全数(100個)を分母として結果を記載した。
上記第1表に示すその他の成分は以下のとおりである。
・15官能アクリレート:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体とを反応させて得られる下記式(17)で表される15官能アクリレート。
・光重合開始剤:イルガキュア184(BASF社製)
上記第1表に示す結果から、シルセスキオキサンA1〜A3を用いた実施例1〜3の塗膜は、比較例1,2よりも高硬度であった。また、密着性も優れていた。
このとき、実施例1〜3を対比すると、シルセスキオキサンA1〜A3の官能基が多くなるほど、より高硬度になる傾向にあることが分かった。
また、8官能であるシルセスキオキサンA4を用いた比較例2では、充分な硬度が得られないだけでなく、密着性も劣ることが分かった。

Claims (4)

  1. 1分子中に16個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン。
  2. 1分子中に8個以上のメルカプト基を有するシルセスキオキサンと、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物と、を反応させて得られる、請求項1に記載の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン。
  3. 請求項1または2に記載の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサンと、
    光重合開始剤と、を含有する硬化性樹脂組成物。
  4. 前記光重合開始剤の含有量が、前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有シルセスキオキサン100質量部に対して、1〜20質量部である、請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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