JP2012250478A - インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持部材を保持部材に確実に固定するとともに、電気接続部の剥離を防止し、接続信頼性を向上させることを目的とする。
【解決手段】液体が吐出される液体吐出口12と、圧力室16を構成する圧力室形成基板18と、エネルギー発生素子22と、エネルギー発生素子22に接続された接続端子部48と、を有するヘッド本体と、接続端子部48に当接され接続した支持部材配線が形成されたフレキシブル基板60を有する支持部材62と、ヘッド本体と接合し、支持部材62を保持する保持部材74と、を備え、支持部材62と保持部材74は、支持部材74に設けられた接合部材88を、保持部材74のヘッド本体とは反対側の面と接着剤90を介して接着させることで固定されていることを特徴とするインクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法に係り、特に、支持部材を用いて基板側の配線と支持部材側の配線を電気接続するインクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法に関する。
従来、可撓性のフレキシブル基板を用いて電気的な接続を行なう接続構造が知られている。電気的な接続には、フレキシブル基板を支持部材に貼り付けた板状部材を、配線部材保持孔を通して、流路基板側に形成されている配線に電気接続している。
このような接続構造を有する液体吐出ヘッドとして、下記の特許文献1には、配線基板に固定口が設けられ、配線基板と支持部材とが、固定口内に設けられた接着剤を介して接着されている液体噴射ヘッドが記載されている。
特開2009−255516号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている液体噴射ヘッドでは、電気接続部の構成は記載されておらず、接着性の無い導電性粒子を介して電気的に接続されていることが考えられる。この場合、支持部材と配線基板との位置関係を保持しておくことができず、保持部材に対して支持部材を接着しなければその位置を保持することができていなかった。
そのため、特許文献1の方法では、保持部材の固定口を貫通させて、圧力を加えながら保持部材の側面で支持部材を接着し、支持部材の上下方向への応力を意図的に残存させて配線接続信頼性を図っている。電気接続部に適度な応力を保持させ接続信頼性を得るには、比較的硬く、弾性率の高い(例えば、数GPa以上)接着剤が必要であった。
しかしながら、そのような接着剤を支持部材と保持部材との間に適用すると、基板同士の熱膨張係数の差により応力が生じやすく、保持部材と支持部材との接着部の剥離、クラックなどを生じる危険性があった。したがって、結果的に信頼性の高い電気接続構造を得ることは難しかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、支持部材を保持部材に確実に固定するとともに、電気接続部の剥離を防止し、接続信頼性を向上させることができるインクジェットおよびインクジェットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、液体が吐出される液体吐出口と、前記液体吐出口に連通する圧力室を構成する圧力室形成基板と、前記圧力室形成基板の前記液体吐出口の反対側に設けられたエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子に接続された接続端子部と、を有するヘッド本体と、前記接続端子部に当接され接続した支持部材配線が形成されたフレキシブル基板を有する支持部材と、前記ヘッド本体と接合し、前記支持部材を保持する保持部材と、を備え、前記支持部材と前記保持部材は、前記支持部材に設けられた接合部材を、前記保持部材の前記ヘッド本体とは反対側の面と接着剤を介して接着させることで固定されていることを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
本発明によれば、支持部材配線と接続端子部を確実に電気接続することができるとともに、保持部材のヘッド本体と反対側から支持部材に設けられた接合部材を、接着剤を介して接着されているので、支持部材を電気接触部に対して押す力を加えることができる。したがって、接続部の剥離を防止することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記接続端子部と前記支持部材配線との接続が、導電性粒子を含む異方性導電性フィルムまたは異方性導電性ペースト、もしくは、導電性粒子を含まない絶縁性ペーストにより行なわれていることが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドによれば、接続端子部と支持部材配線との接合に、上記材料を用いることにより、支持部材と保持部材との固定前に、接続端子部と支持部材配線の実装位置を確定することができるので、確実に電気接続することができ、かつ、接続部の剥離を防止することができる。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記支持部材と前記保持部材の間に空間を有することが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドによれば、支持部材と保持部材の間に空間を有するので、熱変形が生じても支持部材および保持部材に応力がかかることを防止することができるので、保持部材、支持部材の剥離、クラックの発生を防止することができる。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記接着剤は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、UV硬化樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂であることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドは、使用できる接着剤を例示したものであり、上記接着剤を用いることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記接合部材は、前記支持部材の周囲の少なくとも一部に形成されていることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドによれば、接合部材が支持部材の周囲の一部に設けられているのみであるため、支持部材配線と接続端子部との位置を確認しながら位置合わせを行なうことができる。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記接合部材は、前記支持部材の周囲全部に形成されていることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドによれば、接合部材が、支持部材の周囲全部に形成されているので、接合部材と保持部材の接着を均一に行なうことができる。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドは、前記接着剤は加熱により収縮することが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドによれば、接着剤が加熱により収縮することにより、加熱前と比較し、接合部材と接続部との距離を短くすることができる。したがって、支持部材が接続部を押すように応力をかけることができるので、接続信頼性を向上させることができる。
本発明は前記目的を達成するために、液体が吐出される液体吐出口を有するノズル基板と、前記液体吐出口に連通する圧力室を構成する圧力室形成基板と、前記圧力室形成基板の前記液体吐出口の反対側に設けられたエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子に接続された接続端子部と、からなるヘッド本体部を形成するヘッド本体形成工程と、支持部材に設けられたフレキシブル基板に形成された支持部材配線と、前記エネルギー発生素子に接続された接続端子部と、を当接し電気接続する電気接続工程と、前記支持部材に設けられた接合部材と、前記ヘッド本体に設けられた保持部材と、を前記保持部材の前記圧力室形成基板側と反対の面で、接着剤を介して固定する接合工程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法を提供する。
本発明によれば、支持部材と保持部材との接合を、支持部材に設けられた接合部材と、保持部材の電気接続部側と反対側の面とで固定しているので、支持部材を電気接触部に対して押す力を加えることができる。したがって、接続部の剥離を防止することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、前記接続端子部と前記支持部材配線との接続が、導電性粒子を含む異方性導電性フィルムまたは異方性導電性ペースト、もしくは、導電性粒子を含まない絶縁性ペーストにより行なわれていることが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法によれば、接続端子部と支持部材配線との接合に、上記材料を用いることにより、支持部材と保持部材との固定前に、接続端子部と支持部材配線の実装位置を確定することができるので、確実に電気接続することができ、かつ、接続部の剥離を防止することができる。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法は、前記接合部材は、複数の部材で形成されており、前記複数の部材のうち一部が、前記電気接続工程時に前記支持部材に設けられており、前記接合工程は、前記支持部材に設けられている一部の部材を固定した後、他の部材を接合することが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るインクジェットヘッドの製造方法によれば、まず、電気接続工程により支持部材に設けられた接合部材の一部を保持部材に接着させる。その際、支持部材には、接合部材が一部しか設けられていないので、接続端子部を確認しながら位置合わせを行なうことができる。その後、接合工程において、接合部材を構成する他の部材を接合することで、より強固に支持部材と保持部材を接合させることができる。
本発明のインクジェットヘッド、および、インクジェットヘッドの製造方法によれば、支持部材を電気接続部に向って応力がかかるように保持部材と接合させているので、電気接続部の剥離を防止することができる。また、接合部材を介して上面のみで接合されているので、周囲環境の変化などによる熱膨張により支持部材および保持部材の破壊を防止することができる。
インクジェットヘッドの電気接続構造を示す断面図である。 支持部材と保持部材の接続部の構造を示す(a)従来、(b)本発明の断面図である。 本発明の支持部材を示す斜視図である。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
はじめに、本発明のインクジェットヘッドの構造について説明する。図1は、インクジェットヘッドの断面図である。このインクジェットヘッド10は、ノズル開口部12を備えたノズル基板14と、該ノズル基板14の上面に接合され、圧力室16の隔壁部17を形成する圧力室形成基板18と、該圧力室形成基板18の上面に接合された振動板20と、振動板20の上面に接合された圧電素子22と、該圧電素子22の上部空間(変位空間)を確保しつつ圧電素子22の上方を覆うとともに、リザーバ24を形成するリザーバ形成基板26と、圧電素子22との電気接続を行なうためのフレキシブル基板60を有する支持部材62を備えている。
複数のノズル開口部12にそれぞれ対応するように複数形成されている圧力室16は、圧力室形成基板18による隔壁部17と、ノズル基板14と、振動板20とで囲まれた空間によって形成される。
リザーバ24は、不図示の液タンクに繋がる液導入口32から導入された液を一次的に保持(貯留)する液室であり、このリザーバ24から各圧力室16に液が供給される。すなわち、リザーバ24は、複数の圧力室16に対する共通の液保持室(共通液室)となっている。
リザーバ形成基板26によって形成されるリザーバ部34に連通する連通部36と、該連通部36を介してリザーバ24から各圧力室16に液を導く個別供給路38は、圧力室形成基板18によって形成される。
圧力室形成基板18の上面を覆う振動板20は、圧力室16側に面した弾性膜42と、該弾性膜42の上面に設けられた下部電極44とから構成される。下部電極44は各圧力室16に対応した複数の圧電素子22の共通電極として機能する。なお、本例では、弾性膜42の上に下部電極44を重ねた構造の振動板20を用いているが、かかる構成に代えて、金属製の振動板を用いるなどして、弾性膜42を省略した構造とし、共通電極を兼ねる振動板を採用してもよい。
圧電素子22は、下部電極44の上面に設けられた圧電体膜46と、その圧電体膜46の上面に設けられた上部電極48とを備えている。すなわち、下部電極44と、上部電極48と、両電極膜の間に介在する圧電体膜46とによって圧電素子22が構成される。圧電素子22は、各圧力室16ごとに設けられており、上部電極48は各圧電素子22の個別電極として機能する。
リザーバ形成基板26のうち、圧電素子22に対向する領域には、各圧電素子22の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部50が設けられている。このように、リザーバ形成基板26は、圧電素子22を外部環境と遮断して、圧電素子22を封止するための封止部材として機能している。
圧電素子保持部50によって封止されている圧電素子22のうち、上部電極48の一方の端部は、圧電素子保持部50の外側まで延びており、フレキシブル基板60の配線接続を行なうための接続端子部となっている。また、上部電極48を延ばすことにより下部電極44と接することが無いように、上部電極48と下部電極44との間には、絶縁膜58が形成されている。なお、図1においては、上部電極48を延設することで、配線としているが、他の方法、例えば、上部電極の上に、例えば、金(Au)等からなるリード電極を接続し、他方を圧電素子保持部50の外側に延ばし接続端子部とすることもできる。
また、リザーバ形成基板26には、リザーバ形成基板26を厚さ方向に貫通する貫通孔64が設けられている。貫通孔64は、本実施形態では圧電素子保持部50の間に設けられている。そして、各圧電素子22から引き出された上部電極48の端部は、貫通孔64内に露出するように設けられている。
圧電素子22との電気接続を行なうフレキシブル基板60は、下端部が上部電極48に接続されるとともにほぼ垂直に立ち上げられて支持部材62の側面に接着されている。なお、図示しないがフレキシブル基板60には、上部電極48に接続される支持部材配線が支持部材の下端部から側面にかけてそれぞれの上部電極48のパターン状に形成されている。本実施形態では、これらの支持部材62、フレキシブル基板60および駆動回路(図示せず)で配線基板が構成されている。また、支持部材62には、ヘッドケース74と接着することにより支持部材を固定する接合部材88が、支持部材62の周囲に形成されている。
さらに、図1に示すように、リザーバ形成基板26上には、封止膜66および固定板68とからなるコンプライアンス基板70が接合されている。ここで、封止膜66は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜66によってリザーバ24の一方面が封止されている。また、固定板68は、金属等の硬質の材料(例えば、ステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板68のリザーバ24に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部72となっているため、リザーバ24の一方面は可撓性を有する封止膜66のみで封止されている。
さらに、コンプライアンス基板70上には、保持部材であるヘッドケース74が設けられている。ヘッドケース74には、インク導入口に連通してカートリッジ等のインク貯留手段からのインクをリザーバ24に供給するインク導入路が設けられている。また、ヘッドケース74には、開口部72に対向する領域に凹部が形成され、開口部72のたわみ変形が適宜行なわれるようになっている。さらに、ヘッドケース74には、リザーバ形成基板26に設けられた貫通孔64と連通する配線部材保持孔78が設けられており、支持部材62は、配線部材保持孔78内に挿通されて、フレキシブル基板60に形成された支持部材配線と上部電極48とが接続されている。ヘッドケース74と支持部材62とは、接合部材88により接着剤90を介してヘッドケース74に接合されている。
次に支持部材62と保持部材(ヘッドケース74)との接合方法について説明する。
図2に(a)従来の支持部材と保持部材との接続部の構造、(b)本発明の支持部材と保持部材との接続部の構造を示す。なお、図2においては、圧力室形成基板、圧電素子などについて簡略化して記載している。
図2(a)に示すように、従来の支持部材162の固定は、支持部材162の側部とヘッドケース174とを接着剤190を介して固定していた。しかしながら、このような構成で固定することにより、支持部材162とヘッドケース174との熱膨張係数の差により生じる応力により、支持部材62とヘッドケース74との接着部の剥離、クラックが生じ、電気接続部での接続が剥離する可能性があった。
本発明においては、図2(b)に示すように、支持部材62に接合部材88を設けて、この接合部材88とヘッドケース74を接着することで固定している。ヘッドケース74と接合部材88との接着は、ヘッドケース74の電気接続部側とは反対の面に接着剤90を塗布し、接合することで固定している。
ヘッドケース74と接合部材88との接合、および、支持部材配線と上部電極(接続端子部)との接合に用いられる接着剤としては、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系の樹脂、UV硬化樹脂からなる接着剤を用いことができる。この時、接合部材88とヘッドケース74の隙間を、接着剤90の厚み、接着箇所(接合部材の全面、あるいは、スポット)、接着剤90の収縮率などを考慮し、最適な範囲としておく。これにより、接着剤90を加熱し、硬化させることで、接合部材88とヘッドケース74との隙間を縮めることができる。すなわち、接合部材88をヘッドケース74側に引っ張る応力をかけることができるので、支持部材62を電気接続部側に押す力をかけることができ、電気接続部の接続信頼性を向上させることができる。
接着剤90の厚みは、数十〜500μmほどであることが好ましく、硬化前後の接着剤90の収縮率は数〜10%であることが好ましい。接着剤の収縮率は、接着剤に使用する樹脂の処方、例えば、フィラーの量や種類、形状などによって変動させることができる。また、所望の応力を得るために、接合部材の平面方向(ヘッドケースとの接合面方向)の大きさを変更し、接着面積を変えることで支持部材にかける応力を調整することもできる。
また、接合部材88とヘッドケース74との接着に用いられる接着剤90は、硬化後の接着剤が比較的柔軟な材料、例えば、弾性率が数〜数百[MPa]の接着剤を用いることが好ましい。弾性率が上記範囲の接着剤を用いることで、接着剤の収縮応力のみで電気接続部に充分な応力をかけることができない場合、または、熱応力による変形に対して強い構造にする場合に、外部から圧力をかけた状態で接合部材88とヘッドケース74を接着させることができる。
また、図2(b)に示すように、ヘッドケース74と支持部材62との間には、接着剤が極力流れ込まないように、意図的に空間を開けておくことが好ましい。空間を開けておくこと、硬化後の接着剤が柔軟な接着剤(弾性率が数〜数百[MPa])を用いることにより、熱膨張を起こしたときなどによる応力の伝達を最小限に抑えることができる。したがって、支持部材62とヘッドケース74との破壊を防止することができる。
支持部材配線と接続端子部の接続は、電気接続を確実にするために、電気接続部に導電粒子だけでなく、導電粒子を混合した熱硬化性接着剤などを含んだ、ACF(異方性導電性フィルム)、ACP(異方性導電性ペースト)、または、導電性粒子を含まないNCP(Non Conductive Paste:絶縁性ペースト)を用いて加熱・加圧により電気的に接続されていることが好ましい。電気接続部に上記材料を用いることにより、電気接続部で支持部材62と上部電極48とを固定させることができるので、支持部材62とヘッドケース74を固定させる前に電気接続部の実装位置を確定させることができる。
図3は、支持部材62に対する接合部材88の接合方法の例を示した斜視図である。図3(a)は、支持部材62の周囲に接合部材88を設けた例である。図3(a)に示すように、支持部材62の周囲に接合部材88を設けて保持部材に固定することで、均一に支持部材62と保持部材74の接着を行なうことができる。
また、図3(b)、(c)は接合部材88を支持部材62の周囲の一部に設けた例である。接合部材88を一部に設けることにより、支持部材配線と接続端子部との位置合わせを確認しながら行なうことができるので、確実に位置合わせを行なうことができる。接合部材88の位置は、電気接続部の位置を確認することができれば、図3(b)、(c)に限定されず、他の構成とすることもできる。また、電気接続部を確認することができれば良いため、接合部材88、接着剤が透明な材料、あるいは、接合部材88が透明で、接着剤をスポット接着することにより、図3(a)に示す接合部材88においても確認しながら位置合わせを行なうことができる。
図3(d)は、支持部材62に対する接合部材88のさらに他の接合方法の例を示した図である。図3(d)においては、まず、支持部材62の側部に接合部材88aを設け、支持部材配線と接続端子部の位置合わせを行いながら保持部材と接合部材88aとの接合を行なう。接合部材と保持部材とを固定した後、より強固に接合するため、接合部材88bを支持部材62および保持部材と接合する。接合部材88を複数の部材で構成し、別々に接合することで、アライメント位置を確認しながら、支持部材62と保持部材を接合することができるとともに、その後に他の部材を接合することで、強固に支持部材と保持部材の接合を行なうことができる。なお、図3(d)においては、接合部材として、支持部材の側面を先に接合し、その後、前面および背面を接合する構成で説明したが、これに限定されず、図3(d)に示す順番と逆でも良く、また、接合部材を構成する複数の部材も図3(d)に限定されない。
支持部材62の材料としては、圧力室形成基板18と熱膨張率が近いもしくは等しいものを用いることが好ましい。例えば、圧力室形成基板18の材料がSiなら、支持部材62の材料もSi、もしくは、熱膨張率が近いインバー(invar)を用いることが好ましい。また、支持部材62は、保持部材であるヘッドケース74と線膨張係数が同等の材料で形成することが好ましく、例えば、ステンレス鋼Siを用いることができる。支持部材62とヘッドケース74との線膨張係数が近い材料を用いることにより、インクジェットヘッドが熱により膨張・収縮した際に、ヘッドケース74と支持部材との線膨張係数の違いによる反りや破壊を防止することができる。
また、接合部材88に用いられる材料についても、ヘッドケース74、支持部材62、圧力室形成基板18との熱膨張係数の違いによる反りや破壊を防止するため、支持部材62と同様の材料を用いることが好ましい。
フレキシブル基板60は、図1においては、支持部材の両側面に連続した1枚のフレキシブル基板を用いているが、支持部材62の両側のそれぞれに、1枚ずつ設けても良く、片側の面にのみ設けることできる。また、支持部材の両側面にそれぞれ1枚ずつ設けた場合には、両側面で配線の位置を決定する必要があるが、連続した1枚の基板を用いることにより、このような位置決めを行なうこと無く、製造することができる。フレキシブル基板60の材料としては、ポリイミドが用いられる。
図1は、圧力室形成基板18に圧力室16が併設された列を2列設けたものであるが、この場合の列数には特別な制限は無い。1列であっても、3列以上であっても構わない。複数列の場合には、少なくとも2列一組を相対向させて設ければよい。
また、支持部材62が導電性材料で形成されている場合には、支持部材62を接地するようにしてもよい。支持部材62を接地することで、駆動回路などから発生するノイズをシールドすることができ、ノイズによる駆動信号などへの阻害を抑制することができる。また、支持部材62を接地することで、インクジェットヘッドの移動時に浮きメタルによるノイズの発生を低減することができる。
<インクジェットヘッドの製造方法>
次にインクジェットヘッドの製造方法について説明する。
(ヘッド本体形成工程)
図1に示したインクジェットヘッド10のうち支持部材62を除く他のヘッド本体部分、すなわち、ノズル基板14、圧力室形成基板18、圧電素子22、リザーバ形成基板26などの接合および組み付けなどによりヘッド本体の製造を行なう。
(電気接続工程)
上記で形成したヘッド本体の配線部材保持孔78の間に支持部材62を挿入し、支持部材62に形成された支持部材配線と接続端子部とを、治具を用いて位置調整を行なう。この際、電気接続部には、ACP、ACFなどの熱硬化性樹脂を含む異方性導電性部材、または、導電性材料を含まないNCPなどの樹脂を塗布しておくことが好ましい。上記樹脂を塗布しておくことで、次工程の接合工程の前に支持部材配線と接続端子部との実装位置を確定させることができる。
(接合工程)
電気接続した後、支持部材62に設けられた接合部材88と、保持部材であるヘッドケース74とを接着剤90で固定する。接着剤90は、支持部材62を配線部材保持孔78に挿入する際に塗布しておいてもよく、電気接続した後に塗布してもよい。また、図3(d)に示すように、接合部材を複数の部材で構成し、電気接続部が確認できる程度に接合部材を設け、保持部材と接合した後、さらに、他の接合部材で支持部材と保持部材を接合させることもできる。このようにすることで、電気接続部の接続と位置合わせの信頼性を向上させることができる。
接合部材88とヘッドケース74を接合した後、治具を外すことで、電気接続を終了させ、インクジェットヘッドを製造することができる。
10…インクジェットヘッド、12…ノズル開口部、14…ノズル基板、16…圧力室、17…隔壁部、18…圧力室形成基板、20…振動板、22…圧電素子、24…リザーバ、26…リザーバ形成基板、32・・・液導入口、34…リザーバ部、36…連通部、38…個別供給路、42…弾性膜、44…下部電極、46…圧電体膜、48…上部電極、50…圧電素子保持部、60…フレキシブル基板、62…支持部材、64…貫通孔、66…封止膜、68…固定板、70…コンプライアンス基板、72…開口部、74…ヘッドケース(保持部材)、78…配線部材保持孔、88…接合部材、90…接着剤

Claims (10)

  1. 液体が吐出される液体吐出口と、前記液体吐出口に連通する圧力室を構成する圧力室形成基板と、前記圧力室形成基板の前記液体吐出口の反対側に設けられたエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子に接続された接続端子部と、を有するヘッド本体と、
    前記接続端子部に当接され接続した支持部材配線が形成されたフレキシブル基板を有する支持部材と、
    前記ヘッド本体と接合し、前記支持部材を保持する保持部材と、を備え、
    前記支持部材と前記保持部材は、前記支持部材に設けられた接合部材を、前記保持部材の前記ヘッド本体とは反対側の面と接着剤を介して接着させることで固定されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記接続端子部と前記支持部材配線との接続が、導電性粒子を含む異方性導電性フィルムまたは異方性導電性ペースト、もしくは、導電性粒子を含まない絶縁性ペーストにより行なわれていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記支持部材と前記保持部材の間に空間を有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記接着剤は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、UV硬化樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記接合部材は、前記支持部材の周囲の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記接合部材は、前記支持部材の周囲全部に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記接着剤は加熱により収縮することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 液体が吐出される液体吐出口を有するノズル基板と、前記液体吐出口に連通する圧力室を構成する圧力室形成基板と、前記圧力室形成基板の前記液体吐出口の反対側に設けられたエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子に接続された接続端子部と、からなるヘッド本体部を形成するヘッド本体形成工程と、
    支持部材に設けられたフレキシブル基板に形成された支持部材配線と、前記エネルギー発生素子に接続された接続端子部と、を当接し電気接続する電気接続工程と、
    前記支持部材に設けられた接合部材と、前記ヘッド本体に設けられた保持部材と、を前記保持部材の前記圧力室形成基板側と反対の面で、接着剤を介して固定する接合工程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 前記接続端子部と前記支持部材配線との接続が、導電性粒子を含む異方性導電性フィルムまたは異方性導電性ペースト、もしくは、導電性粒子を含まない絶縁性ペーストにより行なわれていることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 前記接合部材は、複数の部材で形成されており、前記複数の部材のうち一部が、前記電気接続工程時に前記支持部材に設けられており、
    前記接合工程は、前記支持部材に設けられている一部の部材を固定した後、他の部材を接合することを特徴とする請求項8または9に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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