JP2012250362A - 紫外線硬化型白色インクの硬化方法 - Google Patents

紫外線硬化型白色インクの硬化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱性の低い樹脂基板上で白色の紫外線硬化型インクを十分に硬化させて、密着性に優れた硬化膜を形成できる方法を提供することである。
【解決手段】 実施形態の硬化方法は、樹脂基板上に形成された白色の紫外線硬化型インクを含む層に紫外線を照射して、UV硬化膜を得る工程と、前記UV硬化膜を、前記樹脂基板の軟化点(tm)より高く前記樹脂基板の連続耐熱温度より低い第1の温度t1で第1の加熱時間s1加熱して、加熱硬化膜を得る第1加熱工程と、前記加熱硬化膜を、第2の温度t2で第2の加熱時間s2加熱して、前記加熱硬化膜と前記樹脂基板との密着性を高める第2加熱工程と、前記第2加熱後、第3の温度t3で第3の加熱時間s3加熱して、前記樹脂基板に変形耐性を与える第3加熱工程とを具備することを特徴とする。前記第1、第2および第3の温度はtm<t3<t2<t1を満たし、前記第1、第2および第3の時間はs3>s2>s1を満たす。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、紫外線硬化型白色インクの硬化方法に関する。
基板上に塗布された紫外線硬化型インク(UVインク)は、光を照射して硬化させることができる。光照射後に加熱を行なうことによって、硬化膜と基板との密着性が高められる。
UVインクのなかでもカチオン硬化型のインクは、比較的臭気が少なく安全性も高い。しかも、このタイプのUVインクは、ラジカル硬化型のUVインクに比べて収縮が小さく、種々の材質の基板上に硬化膜を形成できる。
酸化チタンなどの白色顔料を含有する白色のUVインクは光を反射するため、通常の光照射では硬化しにくい。光照射量を高めれば、こうした白色のUVインクを十分に硬化させることができるものの、光により黄変して白色が損なわれてしまう。白色インクの色を維持しつつ十分に硬化させて密着性に優れた硬化膜を得るためには、加熱によって十分なエネルギーを与えることが求められる。
特開2007−211101号公報
白色のUVインクが塗布される基板が耐熱性を有していれば、加熱により基板が変形しないので十分な加熱を行なうことができる。しかしながら、ガラス基板や金属基板などの耐熱性基板のみならず、樹脂基板上にも白色のUVインクは塗布される。
例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの樹脂基板は、耐熱性が低く加熱により変形しやすい。樹脂基板の変形を避けるために加熱の温度や時間は制限されて、十分な加熱を行なうことができない。このため、樹脂基板上では白色のUVインクを十分に硬化させることができず、得られる硬化膜の基板との密着性は乏しい。
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性の低い樹脂基板上で白色のUVインクを十分に硬化させて、密着性に優れた硬化膜を形成できる方法を提供することである。
実施形態の硬化方法は、樹脂基板上に形成された白色の紫外線硬化型インクを含む層に紫外線を照射して、UV硬化膜を得る工程と、前記UV硬化膜を、前記樹脂基板の軟化点(tm)より高く前記樹脂基板の連続耐熱温度より低い第1の温度t1で第1の加熱時間s1加熱して、加熱硬化膜を得る第1加熱工程と、前記加熱硬化膜を、第2の温度t2で第2の加熱時間s2加熱して、前記加熱硬化膜と前記樹脂基板との密着性を高める第2加熱工程と、前記第2加熱後、第3の温度t3で第3の加熱時間s3加熱して、前記樹脂基板に変形耐性を与える第3加熱工程とを具備することを特徴とする。前記第1、第2および第3の温度はtm<t3<t2<t1を満たし、前記第1、第2および第3の時間はs3>s2>s1を満たす。
一実施形態に用いられるインクジェット記録装置の概略図。 一実施形態における加熱の温度プロファイルを説明するグラフ図。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態においては、白色顔料を含むUVインクが用いられる。UVインクは、その反応型により、ラジカル反応型とカチオン硬化型とに分類される。ラジカル反応型インクにおいては、重合性化合物は主としてアクリル系化合物であり、光重合開始剤としてケトン類が用いられている。このラジカル反応型インクは、皮膚への刺激性が強いために使用には注意を要する。
一方のカチオン硬化型インクにおいては、重合性化合物は主としてエポキシ系化合物である。光重合開始剤としてはベンゼンを発生し難い化合物が用いられており、安全性に優れている。例えば、重合性化合物としてビニルエーテルを用いたカチオン硬化型インク(例えば、特許第4382364号、特許第4041146号)が挙げられる。
本実施形態においては、例えば、ビニルエーテル基を有する少なくとも1種の化合物を含み、酸の存在下で重合する溶媒と、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、白色顔料とを含有するインクを用いることができる。
酸の存在下で重合する溶媒(酸重合性溶媒)としては、具体的には、ビニルエーテル基を有する化合物の他に、脂環式骨格および/または脂肪族骨格を含むエポキシ化合物、オキシラン基含有化合物、およびオキセタン環含有化合物からなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。酸重合性溶媒としては、沸点が100℃以上で25℃における粘度が50mPa・s以下の脂環式骨格および/または脂肪族骨格を有する酸重合性化合物が好ましい。
特に、下記化学式で表わされる化合物が酸重合性溶媒として好ましい。かかる化合物は、AMES試験による変異原性が極めて低く安全性が高いとともに、硬化性にも優れている。こうした酸重合性溶媒を含有するインクを用いることにより、密着性の良好な硬化膜を種々の基板上に形成することができる。
Figure 2012250362
光照射により酸を発生する光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド化合物、有機ハロゲン化物、芳香族スルフォネート化合物、バイスルフォン化合物、スルフォニル化合物、スルフォネート化合物、スルフォニウム化合物、スルファミド化合物、ヨードニウム化合物、スルフォニルジアゾメタン化合物、およびそれらの混合物等を用いることができる。
光酸発生剤は、通常、正味で酸重合性溶媒の0.5〜12wt%程度の割合で用いられる。光酸発生剤の配合量は、酸重合性溶媒の1〜12wt%程度であることがより好ましい。
上述した成分に加えて、本発明の実施形態に用いられるUVインクには白色顔料が含有される。白色顔料としては、例えば、天然クレイ、鉛白、亜鉛華、炭酸マグネシウム、酸化バリウム、および酸化チタンなどが挙げられる。
白色顔料は、酸重合性溶媒の10〜30wt%程度の量で配合されることが望ましい。こうした範囲内であれば、インクの吐出性を損なうことなく充分な白さを確保することができる。
所定の成分を均一に混合し、フィルターなどを用いて濾過することによって、本実施形態で用いられる白色のUVインクが得られる。インクを安定して吐出させるために、インクの粘度は所定の範囲に調整されることが望まれる。例えば、本実施形態で用いられるインクは、25℃における粘度が50mPa・s以下であることが好ましく、30mPa・s以下がより好ましい。
本実施形態の方法により白色のUVインクを硬化させるには、例えば、図1に示すインクジェット記録装置を用いることができる。
図示するインクジェット記録装置1は、樹脂基板体2を搬送する搬送機構3を備えている。搬送機構3の移動方向に沿って上流側から下流側には、インクジェット式の記録ヘッド4、光源5、および加熱手段としてのヒーター6が順次配置されている。
樹脂基板2としては、例えばPETフィルムが挙げられる。フレキシブルな基板を用いることもできる。
搬送機構3は、例えば、樹脂基板2が記録ヘッド4、光源5、およびヒーター6の正面を順次通過するように樹脂基板2を搬送する。ここでは、搬送機構3は、樹脂基板2を、図中、右側から左側へ向けて搬送する。搬送機構3は、例えば、樹脂基板2を移動させるベルトおよび/またはローラと、それを駆動する駆動機構とによって構成することができる。また、搬送機構3には、樹脂基板2の移動を補助するガイド部材などをさらに設けてもよい。
記録ヘッド4は、画像信号に対応して樹脂基板2上に白色のUVインクを吐出して、インク層を形成する。記録ヘッド4としては、例えば、キャリッジに搭載されたシリアル走査型ヘッドや、樹脂基板2の幅以上の幅を有するライン走査型ヘッドを使用することができる。高速でインク層を形成できることから、通常、ライン走査型のほうが有利であるとされている。
記録ヘッド4からUVインクを吐出する方法は、特に限定されない。例えば、発熱体の熱により発生する蒸気の圧力を利用して、インク滴を飛翔させることもできる。あるいは、圧電素子によって発生する機械的な圧力パルスを利用して、インク滴を飛翔させてもよい。
光源5から樹脂基板2上のインク層に光を照射して、UV硬化膜が得られる。光源5としては、例えば、低、中、高圧水銀ランプのような水銀ランプ、タングステンランプ、アーク灯、エキシマランプ、エキシマレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、レーザと非線形光学結晶とを組み合わせたレーザシステム、高周波誘起紫外線発生装置、電子線照射装置、X線照射装置などを使用することができる。
なかでも、システムを簡便化できるため、高周波誘起紫外線発生装置、高・低圧水銀ランプや半導体レーザなどが好ましい。光源5には、集光用ミラーや走引光学系を設けてもよい。搬送時の搬送スピード、ランプの照射量(積算照射量、ピーク照射量)などを適宜選択して、最適なインクの硬化性を得ることができる。
ヒーター6においては、所定の温度プロファイルでUV硬化膜を加熱して、加熱硬化膜が得られる。本実施形態においては用いられるUVインクは白色顔料を含有しているので、十分に硬化させて基板との密着性に優れた硬化膜を得るためには、適切な加熱が必要である。
ヒーター6としては、例えば、オーブンのような個別タイプのものが挙げられる。また、連続炉(リフロー炉)のように樹脂基板を搬送しつつ連続して加熱するタイプのものを使用してもよい。例えば、異なる温度に設定された3つの温度炉を連続して設けて、ヒーター6を構成することができるが、ヒーターにおける温度プロファイルの詳細については後述する。
こうしたインクジェット記録装置1を用いて、例えば以下の方法により、樹脂基板上で白色のUVインクを硬化させて硬化膜を形成することができる。
まず、搬送機構3により樹脂基板2を、図中、右側から左側へ向けて搬送する。樹脂基板2の搬送速度は、例えば、5〜30m/min程度とすることができる。
樹脂基板2が記録ヘッド4の正面まで搬送されると、画像信号に対応して、記録ヘッド4から上述の白色のUVインクが吐出される。これにより、樹脂基板2上にインク層が形成される。
次に、樹脂基板2は光源5の正面へ搬送される。樹脂基板2が光源5の正面を通過する際、光源5から樹脂基板2上のインク層に光が照射され、インク層中に酸が発生する。インク層の表面における光照射量は、使用される光源の波長などに応じて異なるが、通常、200〜600mJ/cm2の範囲内である。光照射量は、用いられるUVインクの感度や樹脂基板2の搬送速度などに応じて、適宜設定することができる。
続いて、樹脂基板2は、ヒーター6内へ搬送される。このヒーター6においては、温度および時間の異なる条件で三段階の加熱が行なわれる。第1の温度t1、第2の温度t2、および第3の温度t3は、t1>t2>t3の関係を満たす。さらに、t1は樹脂基板の連続耐熱温度より低く、t3は樹脂基板の軟化点(tm)より高い。
第1の温度t1と第2の温度t2とは、5℃以上の差を有することが好ましい。第2の温度t2と第3の温度t3とも同様に、5℃以上の差を有することが好ましい。
樹脂基板の熱変形を防止するために、第1の温度t1は樹脂基板の連続耐熱温度より低く設定される。また、膜の硬化性を高めるために、第3の温度t3は樹脂基板の軟化点より高く設定される。
なお、軟化点とは、JIS K7121に準拠して求められ、連続耐熱温度は、次のように定義される。すなわち、UL規格のUL746Bにて規定される長期的な総合評価(耐熱性)を基準値として、大気中に放置した際、10万時間経過後の物性値が、基準値の50%に劣化する温度である。
それぞれの加熱の時間も異なり、第1の加熱時間s1、第2の加熱時間s2、および第3の加熱時間s3は、s1<s2<s3を満たす。
樹脂基板の耐熱性を考慮して、第2の時間s2は第1の時間s1より長く設定され、第3の時間s3は第2の時間s2より長く規定される。
温度t1で時間s1の第1の加熱によって、UV硬化膜は加熱硬化する。引き続いて、温度t2で時間s2の第2の加熱が行なわれることによって、加熱硬化膜においては、硬化反応がさらに進む。その結果、加熱硬化膜と樹脂基板との密着性が高められる。
その後、温度t3で時間s3の第3の加熱を行なうことにより、樹脂基板に変形耐性が与えられる。樹脂基板への変形耐性の付与は、温度が低められたことによる冷却効果である。こうした知見は、本発明者によって見出された。
このように特定の温度プロファイルで加熱が行なわれるので、白色のUVインクを樹脂基板上で十分に硬化させることが可能となった。形成されるのは、白色の硬化膜である。この硬化膜は、基板との密着性に優れ耐溶剤性も良好である。しかも、耐熱性の低い樹脂基板に変形が生じることもない。
以下に、紫外線硬化型白色インクの硬化方法の具体例を示す。
まず、エポキシ化合物(C3000、ダイセル化学社製)10質量部、オキセタン化合物(OXT−211、東亞合成社製)40質量部、およびビニルエーテル化合物(ISB−DVE、ダイセル化学社製)50質量部を配合して、酸重合性組成物を調製した。
用いた化合物を、下記化学式に示す。
Figure 2012250362
白色顔料としての酸化チタンは、アクリル樹脂と混練してミルベースとしておいた。ミルベース中における酸化チタンの量は、40wt%とした。得られたミルベース50質量部と、前述の酸重合性組成物40質量部とを混合し、混合物にはノニオン系界面活性剤(住友3M社製)および市販の分散剤(味の素ファインテクノ製、製品名アジスパー)を加えた。ノニオン系界面活性剤の添加量は、混合物の200ppmとし、分散剤の添加量は、顔料の30wt%とした。
さらに、光酸発生剤としてのESACURE1064(Lamberti社製)を6wt%添加した。
次いで、光酸発生剤の光感度を増大させる目的で、光酸発生剤の35wt%の量の増感剤を添加した。増感剤としては、川崎化成工業(株)製 ANTHRACURE UVS−1331を用いた。その構造を、下記化学式に示す。
Figure 2012250362
その後、これら混合物をペイントシェーカで一昼夜分散処理して、分散処理後の混合物を、5μmのPTFEフィルターで濾過することによって、白色のUVインクを得た。
樹脂基板としては厚さ100μmのPETフィルムを用意し、図1に示したインクジェット記録装置を用いて硬化膜を形成する。
まず、光源5からの紫外線の照射量および照射時間を種々変更して、得られる硬化膜の特性を調べた。ヒーター6の温度は120℃として加熱を行なった。
硬化膜の特性としては、硬化性、密着性、および耐溶剤性を調べた。硬化性は、JISK5400−5−4引っかき硬度試験に準拠して求め、以下の基準で評価した。
○…H以上; △…HB〜4B; ×…5B以下
密着性は、JISK5400−8.5 付着性−碁盤目試験に準拠して求め、以下の基準で評価した。
○…10〜8; △…7〜5; ×…4以下
耐溶剤性は、エタノールを浸した綿棒を用いた擦り試験を行なって、500までの回数を求め、以下の基準で評価した。
○…100回以上; △…99〜50回; ×…49回以下
硬化性、密着性および耐溶剤性の3つの特性は、全て“○”であることが求められる。
下記表1に結果を示す。
Figure 2012250362
上記表1に示されるように、照射量が200mJ/cm2と少ない場合には、30分間の照射を行なっても耐溶剤性の良好な硬化膜を形成することができない。しかも、この場合には、膜の硬化性も不十分である。
照射量が増えるにしたがって、硬化性および密着性は良好となる。500mJ/cm2の照射を10分間行なった場合には、硬化性、密着性および耐溶剤性の全てが良好な硬化膜が形成された。しかしながら、この500mJ/cm2の照射が15分以上となると、黄変して白色の硬化膜が得られない。
黄変なしに白色のUVインクを硬化させるためには、照射量は所定の範囲内に制限されることがわかる。
次に、UV照射量を400mJ/cm2に設定して、加熱温度および時間を種々変更して硬化膜を形成した。得られた硬化膜について、前述と同様に硬化性、密着性、および耐溶剤性を調べ、その結果を下記表2にまとめる。
Figure 2012250362
上記表2に示されるように、加熱温度が100℃未満の場合には、30分間の加熱を行なったところで、硬化性、密着性および耐溶剤性の特性は全て“×”である。本実施形態で用いられる白色のUVインクは、100℃未満の低い温度では硬化させることができない。110℃での加熱によって、硬化性および密着性は向上する。しかしながら、耐溶剤性は依然として不十分である。
加熱温度を高めても十分な耐溶剤性を確保することはできず、場合によってはPETフィルムが変形する。140℃で加熱した場合には10分間でフィルムが変形し、130℃で加熱した場合でも15分間でフィルムが変形している。
いずれの温度および時間で加熱した場合であっても、硬化性、密着性および耐溶剤性の全てを満たした硬化膜は得られない。要するに、PETフィルム等の樹脂基板上で白色のUVインクを十分に硬化させて、密着性および耐溶剤性の優れた硬化膜を得るためには、一定温度での加熱は適切ではない。
こうした結果に基づいて、本発明者は、樹脂基板上でUV白色インクを硬化させるための最適な温度プロファイルを見出した。その一例を、図2に示す。
まず、第1加熱工程においては、第1の温度t1で加熱される。上述したように、この第1の温度t1は、樹脂基板の軟化点(tm)より高く、樹脂基板の連続耐熱温度より低い。
第1の時間s1の間、第1の温度t1で加熱した後、第1の温度t1より低い第2の温度t2で加熱される。第1の時間s1より長い第2の時間s2の間、第2の温度t2で加熱した後、第2の温度t2より低い第3の温度t3で加熱される。第3の加熱は、第2の時間s2よりさらに長い第3の時間s3の間行なわれる。
なお、PETフィルムの場合には、軟化点は80℃であり、連続耐熱温度は150℃である。したがって、樹脂基板としてPETフィルムが用いられる場合には、第1の温度t1、第2の温度t2、および第3の温度t3は、150℃>t1>t2>t3>80℃の関係を満たすように設定される。
例えば、第1の温度t1は135℃±5℃とし、第2の温度t2は125℃±5℃とし、第3の温度t3は110℃±10℃とすることができる。第1の温度t1は133〜138℃が好ましく、第2の温度t2は123〜128℃が好ましく、第3の温度t3は105〜115℃が好ましい。
また、第1の時間s1は1〜2分とし、第2の時間s2は3〜5分とし、第3の時間s3は10〜20分とすることができる。第1の温度s1は1.5分程度が好ましく、第2の温度s2は4分程度が好ましく、第3の温度s3は15分程度が好ましい。
PETフィルムが用いられる場合の好ましい加熱の温度および時間を、下記表3にまとめる。
Figure 2012250362
加熱温度プロファイルが最適化されたので、本実施形態により、樹脂基板の変形を引き起こすことなく、この樹脂基板で白色のUVインクを十分に硬化させて、密着性の優れた硬化膜を得ることが可能となった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…インクジェット記録装置; 2…樹脂基板; 3…搬送機構
4…インクジェット式記録ヘッド: 5…光源; 6…ヒーター。

Claims (6)

  1. 樹脂基板上に形成された白色の紫外線硬化型インクを含む層に紫外線を照射して、UV硬化膜を得る工程と、
    前記UV硬化膜を、前記樹脂基板の軟化点(tm)より高く前記樹脂基板の連続耐熱温度より低い第1の温度t1で第1の加熱時間s1加熱して、加熱硬化膜を得る第1加熱工程と、
    前記加熱硬化膜を、第2の温度t2(tm<t2<t1)で第2の加熱時間s2(s2>s1)加熱して、前記加熱硬化膜と前記樹脂基板との密着性を高める第2加熱工程と、
    前記第2加熱後、第3の温度t3(tm<t3<t2)で第3の加熱時間s3(s3>s2)加熱して、前記樹脂基板に変形耐性を与える第3加熱工程と
    を具備することを特徴とする硬化方法。
  2. 前記樹脂基板は、ポリエチレンテレフタレート製であることを特徴とする請求項1に記載の硬化方法。
  3. 前記第1の温度t1は135℃±5℃であり、前記第2の温度t2は125℃±5℃であり、前記第3の温度t3は110℃±10℃であることを特徴とする請求項2に記載の硬化方法。
  4. 前記第1の加熱時間s1は1〜2分であり、前記第2の加熱時間s2は3〜5分であり、前記第3の加熱時間s3は10〜20分であることを特徴とする請求項3に記載の硬化方法。
  5. 前記樹脂基板は、フレキシブルであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化方法
  6. 前記紫外線硬化型インクは、カチオン硬化型インクであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の硬化方法。
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