JP2012250177A - ロール及び洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期段階から油の除去性能が高く、慣らし使用を必要とすることなく、高いグリップ力を有するロール、及びそのロールを搭載した洗浄装置を提供する。
【解決手段】鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した油分を除去、搾取、洗浄する為のロール1において、前記ロール1は、ロール部2及び台座3を有し、前記ロール部2は不織布11からなる概円環状の複数枚のロール片4が前記台座3の外周に積層されて形成されてあり、前記不織布11は複数本の繊維12及び前記繊維12を結合する結合剤13からなり、前記結合剤13は高分子弾性体と、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤のうち少なくとも1種類以上の界面活性剤を有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した油分を除去、搾取、洗浄する為のロール、及びそのロールを搭載した洗浄装置に関するものである。
従来のこの種のロールに関しては、ドーナツ型に打ち抜かれた不織布を複数枚心棒に嵌入させて積層されてなるロールであって、該不織布がアクリル系樹脂を含有していることを特徴とする不織布ロール(例えば、特許文献1参照)がある。
また、研磨直後の表面粗度Raが0.1μmから2.5μmの範囲内であって、表面最大粗度Rmaxが1μmから20μmの範囲内にあることを特徴とする不織布絞りロール(例えば、特許文献2参照)もある。
さらに、ロール外表面にリング状の高分子重合体不織布をロール軸方向に圧粉積層し、該不織布の外径の表面硬度(ASTM(D))を75±2、表面粗度(Ra)を5±0.5に成形加工してなることを特徴とする高速通板用ロール(例えば、特許文献3参照)も考案されている。
特開平6−101711号公報 特開平11−226626号公報 特開平6−79328号公報
特許文献1の不織布ロールは、不織布がアクリル系樹脂を含有しているので、耐水性には優れているものの、耐油性は劣ることから、油分を除去、搾取、洗浄する為のロールとしては不向きである。また、吸水剤として界面活性剤が好適に用いられるが、吸水用途としては、親水基の強い界面活性剤が用いられることから、吸油用途としては不適である。親水基の強い界面活性剤としては、例えば、HLB値が16〜20の界面活性剤が挙げられる。HLBとは、界面活性剤の水と油への親和性の程度を表わす値で、親水親油バランスのことである。界面活性剤のHLB値は0〜20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。
特許文献2の不織布絞りロールは、研磨直後の表面粗度Raが0.1μmから2.5μmの範囲内にあることから、表面粗度Raの値が大きく、表面の粗いロールに比べて、金属冷間圧延条とロール表面の密着性が良好なので、初期の液体の絞り性能は高く、ロールの慣らし使用を必要としない。しかしながら、表面粗度Raの値が小さすぎることから、ロール表面は平滑で、ロールのグリップ力が劣り、摩擦係数が小さくなるので、金属冷間圧延条が蛇行するという課題を有していた。金属冷間圧延条が洗浄ライン内で蛇行した場合、ラインが停止し、生産工程における生産計画を予定通りに遂行できず、生産に支障をきたすことになる。
特許文献3の高速通板用ロールは、表面粗度Raが5±0.5であることから、長尺状の帯鋼等の洗浄搬送ラインにおいては、蛇行を防止することができる。しかしながら、ピース状の鋼板等が連続的に流れる洗浄ラインにおいては、表面粗度Raがなお小さく、蛇行しやすいという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、初期段階から油の除去性能が高く、慣らし使用を必要とすることなく、高いグリップ力を有するロール、及びそのロールを搭載した洗浄装置を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決する為に、請求項1の発明のロールは、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した油分を除去、搾取、洗浄する為のロールにおいて、前記ロールは、ロール部及び台座を有し、前記ロール部は不織布からなる概円環状の複数枚のロール片が前記台座の外周に積層されて形成されてあり、前記不織布は複数本の繊維及び前記繊維を結合する結合剤からなり、前記結合剤は高分子弾性体と、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤のうち少なくとも1種類以上の界面活性剤を有するもので、ロールを構成する不織布には界面活性剤が含有されている。界面活性剤は、不織布を構成する結合剤の中に高分子弾性体と共に含まれており、結合剤は繊維の表面に付着し、弾性繊維が形成される。その為、被洗浄面に付着した油分とロール部が接触すると、弾性繊維と油分の境界面における界面張力が低下し、弾性繊維と油分との湿潤性、及び濡れ性が増して、油分は弾性繊維に浸透しやすくなることから、ロール部による吸油性能が向上する。従って、ロールは初期の油分の除去性能が高く、慣らし使用が不要となる。
界面張力とは、固体(弾性繊維)と液体(油分)が接している境界面において、接触面積を小さくする方向に働く張力のことをいう。従って、界面張力が低下するということは、固体と液体との接触面積が大きくなることであり、弾性繊維と油分との接触面積が大きくなると共に、接触角θが小さくなり、油分は弾性繊維に濡れやすくなるので、湿潤性が増し、弾性繊維に浸透しやすくなるのである。なお、繊維の浸透力を表わす式としては、一般的にルーカス・ウォッシュバーンの式が知られている。ルーカス・ウォッシュバーンの式では、繊維と液体の接触角θが小さくなると、繊維の浸透力が大きくなることを示しており、界面活性剤は繊維の浸透力の増大に寄与することになる。
本発明においては、油分の除去性能を向上させることを目的にしている為、界面活性剤のHLB値は0〜16の範囲内にて設定される。また、界面活性剤は、結合剤の中で3〜6%程度配合されるのが望ましい。3%未満の場合、界面張力の低下が不十分である。6%を超える場合、著しい界面張力の低下が期待できなくなると共に、コストの上昇につながる。
炭化水素系界面活性剤は、アルキル基(C2n+1)等の疎水基(親油基)と、親水基をあわせ持つ界面活性剤で、一般的に液体の界面張力を20〜30dyn/cm程度にまで下げることができる。コスト的には、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤に比べて安価である。
フッ素系界面活性剤は、炭化水素系界面活性剤のアルキル基鎖中の水素原子(H)を、フッ素原子(F)に置換した界面活性剤で、一般的に液体の界面張力を10〜15dyn/cm程度にまで下げることができる。コスト的には、炭化水素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤に比べて高価である。
シリコーン系界面活性剤は、親水性のポリオキシアルキレンを、疎水性のジメチルシリコーンのポリシロキサン構造中に導入した界面活性剤で、一般的に液体の界面張力を15〜20dyn/cm程度にまで下げることができる。コスト的には、炭化水素系界面活性剤に次いで安価である。
ロールは、吸油性能が向上し、油分が結合剤を構成する高分子弾性体と早期に接触するようになることから、高分子弾性体は油分により膨潤し、柔軟になる。その為、ロールの弾力性が向上し、吸排機能が高まり、ロールは一段と優れた吸油性能が発揮されるようになる。高分子弾性体の弾性率と膨潤度の関係は、弾性率は膨潤度の3/5乗に反比例するというフローリーのゴム弾性の理論が知られている。
ロールによる被洗浄面からの油分の除去機能の原理は、コンプレッサー等を介してエアー圧、油圧等の一定の圧力がかかりながら回転しているロールに、油分が付着した被洗浄面が接触することにより、油分を被洗浄面の両端部から流し去るダム機能と、ロールが回転しながら被洗浄面に接触して圧力により圧縮される圧縮ゾーンにおいて、ロール部の空隙部に吸収された油分を被洗浄面に一旦放出し、次いでロールが圧力による圧縮から開放される開放ゾーンにおいて、不織布を形成する繊維質の毛細管現象により被洗浄面の油分がロール部に吸い上げられ、ロール部の空隙部に放出される仕組みからなる吸排機能とから構成されている。前記ダム機能はゴムロール等にも発現する機能であるが、前記吸排機能は不織布ロールに特有の機能である。すなわち、不織布に充填された高分子弾性体が弾性変形する為、ロール部の空隙率が前記圧縮ゾーンで0%となり、前記開放ゾーンで元の空隙率に復元すると共に、復元した空隙部に繊維の毛細管現象により吸い上げられた油分が放出されることにより発現する機能である。
請求項2の発明のロールは、特に、請求項1のロールにおいて、界面活性剤は炭化水素系界面活性剤と、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤からなるもので、炭化水素系界面活性剤に少量のフッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を添加することにより、炭化水素系界面活性剤の界面張力を著しく下げ、改善することができる。すなわち、炭化水素系界面活性剤を単独で用いた場合には、20〜30dyn/cm程度までしか油分の界面張力は下がらない。しかしながら、例えば、炭化水素系界面活性剤99〜90重量部にたいして、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤1〜10重量部を混合することにより、界面張力を15dyn/cm前後にまで下げることができる。フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を単独で用いた場合、量的に相当量使用する必要があり、ロールのコスト上昇につながる。従って、炭化水素系界面活性剤に少量のフッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を添加することにより、ロールのコスト上昇を極力抑えつつ、炭化水素系界面活性剤の界面張力の改善を図ることができる。その為、炭化水素系界面活性剤を単独で用いた場合に比べて、弾性繊維と油分との湿潤性、及び濡れ性が改善され、油分は弾性繊維に一層浸透しやすくなることから、ロール部による吸油性能が大幅に向上する。
請求項3の発明のロールは、特に、請求項1から2のロールにおいて、ロール部の表面粗度Ra(平均粗さ)が6.0μm以上9.5μm以下であるもので、優れたグリップ力が発揮され、被洗浄面の蛇行が防止されると共に、ロールと被洗浄面の密着性が上がり、ダム機能が効果的に発現するので、ロールは初期の油分の除去性能が飛躍的に向上する。
表面粗度Raが6.0μmより小さいと、ロール部の表面部が平滑となり、グリップ力が劣り、摩擦係数が小さくなるので、被洗浄面が蛇行しやすくなる。特に、ピース状の鋼板や非鉄金属板等において蛇行が顕著に現れる。一方、表面粗度Raが9.5μmより大きいと、ロール部の表面部の凹凸が顕著となり、ロール部と被洗浄面の密着性が劣り、ダム機能が弱くなることから、油分の除去性能が低下する。なお、表面粗度RaはJISB0601の規格により測定した値である。
請求項4の発明の洗浄装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載されたロールと、前記ロールを回転駆動する駆動手段を少なくとも有するもので、初期段階から優れた油分の除去性能を有すると共に、被洗浄面の蛇行が防止される洗浄装置が提供される。
請求項1の発明のロールは、慣らし使用を必要とすることなく、初期段階から効果的に吸排機能が発現し、優れた油分の除去性能を発揮することができる。
請求項2の発明のロールは、炭化水素系界面活性剤を単独で用いた場合に比べて、ロールのコストの上昇を極力抑えつつ、界面張力を著しく下げることができ、油分の除去性能が大幅に向上する。
請求項3の発明のロールは、優れたグリップ力を有し、被洗浄面の蛇行を防止することができると共に、初期段階から効果的にダム機能が発現し、油分の除去性能が飛躍的に向上する。
請求項4の発明の洗浄装置は、初期段階から優れた油分の除去性能が発揮されると共に、被洗浄面の蛇行が防止される。
本発明のロールの正面図である。 図1のA−A断面図である。 ロール片を前面側から見た斜視図である。 弾性繊維の部分拡大図である。 本発明のロールが搭載された洗浄装置の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1から図4を用いて、実施例1のロールについて説明する。
図1、及び図2において、ロール1は、台座3、止め金具5、プレート6、及び複数枚のロール片4からなるロール部2より構成されている。台座3は、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなり、外周にロール部2が形成される中実状の略円柱形状である。本実施例においては、台座3は中実状であるが、中空状であっても構わない。ロール部2は、複数枚のロール片4が台座3の外周に積層されると共に、重ね合わされて形成されてあり、両側から止め金具5、及びプレート6にて挟み付けられて形成されてある。止め金具5は、スナップリングが使用されている。
ロール部2の表面部の硬度は、40°〜90°程度に設定されるのが望ましい。硬度が40°未満の場合、硬度が低すぎて、被洗浄面の端面が繰り返しロール部2に当接すると、早期にロール部2が摩耗する。また、硬度が90°を超えると、硬度が高すぎて、油分の通気性が悪く、吸油性が劣る。なお、硬度とは物質の硬さを表わし、JISK6253加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法に記載のデュロメータ硬さ試験により測定した硬度である。
また、ロール部2の表面粗度Ra(平均粗さ)は、6.0μm以上9.5μm以下にて設定される。表面粗度Raが6.0μmより小さいと、ロール部の表面部が平滑となり、グリップ力が劣り、摩擦係数が小さくなるので、被洗浄面が蛇行しやすくなる。特に、ピース状の鋼板や非鉄金属板等において蛇行が顕著に現れる。一方、表面粗度Raが9.5μmより大きいと、ロール部の表面部の凹凸が顕著となり、ロール部と被洗浄面の密着性が劣り、ダム機能が弱くなることから、油分の除去性能が低下する。なお、表面粗度RaはJISB0601の規格により測定した値である。
図2において、台座3の外周等分2箇所には、鉄、SUS、アルミニウム等の金属材料からなる略四角柱形状のキー7が、軸心方向に渡り搭載され、ネジ(図示せず)にて固定して装着されている。また、概円環状のロール片4の内周等分2箇所には、溝部8が形成され、溝部8はキー7に嵌合挿入されている。キー7は、ロール1の回転時におけるロール片4の回り止めとなる。
図3において、ロール片4は、複数本の弾性繊維14が絡合された不織布11からなり、端面には側縁部9、中心には穴部10、内周等分2箇所には溝部8が設けられた概円環状にて形成されている。
次に、図3、及び図4を用いて、不織布11について詳説する。
不織布11の重量、厚み等は、特に限定されるものではないが、例えば、重量は280±20g/m、厚みは1.3±0.3mm程度に設定される。
図3、及び図4において、不織布11を構成する弾性繊維14は、複数本の絡合された繊維12の表面に結合剤13が付着して形成されている。結合剤13は、繊維12の表面に付着することにより、絡合された繊維12を強固に接着し、不織布11の摩耗、剥離、切れ、ほつれ等を長期間に亘り防止する。繊維12と結合剤13の重量配合比率は、90:10〜30:70にて形成される。結合剤13の重量比率が10%未満の場合、ロール1は弾力性が発現しにくく、効果的なダム機能、及び吸排機能を発揮することができない。また、繊維12の重量比率が30%未満の場合、被洗浄面に付着した油分を吸い上げる繊維12の量が少ないので、油分を効率よく迅速に除去することができない。なお、より効果的にダム機能、及び吸排機能をロール1に発現させ、被洗浄面に付着している油分の量や粘度等に対応して、効率よく確実に油分を除去するには、繊維12と結合剤13の重量配合比率を、80:20〜55:45にて設定し、繊維12の比率を、結合剤13の比率より高く設定することが望ましい。
繊維12は、天然繊維、半合成繊維、合成繊維が単独使用、あるいは併用される。天然繊維は、綿、麻、リンネル等の植物繊維、羊毛、絹、カシミヤ等の動物繊維、石綿、ガラス繊維等の鉱物繊維が挙げられる。半合成繊維は、アセテート、トリアセテート、プロミックス等が挙げられる。合成繊維は、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ青化ビニリデン、ポリユリア、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリフルオロエチレン等が挙げられる。
繊維12の繊度は、特に限定されるものではなく、1デニール(d)未満のマイクロファイバー、1d以上のレギュラーファイバーのいずれでもよい。なお、1dとは9000mで1gとなる繊維12の太さである。
結合剤13は高分子弾性体、界面活性剤を有する。高分子弾性体と界面活性剤の重量配合比率は、97:3〜94:6にて設定される。界面活性剤の重量比率が3%未満の場合、界面張力の低下が不十分である。6%を超える場合、著しい界面張力の低下が期待できなくなると共に、コストの上昇につながる。
高分子弾性体は、アクリロニトリルブタジエンラバー(NBR)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、メタクリル酸メチルブタジエンラバー(MBR)、ポリウレタン等が挙げられるが、好ましくは耐油性、及び耐摩耗性に優れたNBR、ポリウレタンが単独使用、あるいは併用される。結合剤13は、高分子弾性体を有することから、繊維12を結合すると共に、ロール1に弾力性を付与することができる。その為、ロール1は効率よく確実にダム機能、及び吸排機能を発揮することができるのである。
ロール1の弾力性、及び耐摩耗性の向上を目的に、高分子弾性体の分子間に橋架け構造を形成してもよい。結合剤13に架橋剤を加え、100〜150℃程度に加熱して高分子弾性体と反応させることにより、高分子弾性体の分子間に橋架け構造を形成することができる。架橋剤としては、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメラミン樹脂、ブロックイソシアネート等のイソシアネート樹脂、脂肪族エポキシ等のエポキシ樹脂が挙げられ、単独使用、あるいは併用される。架橋剤は、高分子弾性体の100重量部にたいして、0.5〜5重量部配合されるのが好ましい。0.5重量部未満の場合には、高分子弾性体の分子間全てに渡り、橋架け構造が形成されず、分子間に未架橋部分が生成され、高分子弾性体に一段と優れた弾力性を付与することができない。5重量部より多い場合には、高分子弾性体が硬くなり、却ってロール1の弾力性が劣ることになる。また、架橋剤に、有機アミン塩、複合金属塩等の架橋助剤を、架橋剤の使用量の10〜50%添加して用いてもよい。架橋助剤は、高分子弾性体の分子間に橋架け構造が形成されるのを促進する目的で添加されるものである。さらに、前記架橋剤を用いずに、高分子弾性体を加熱することにより、高分子間反応を起こし、高分子弾性体を自己架橋させて、橋架け構造を形成する方法を用いることもできる。
界面活性剤は、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が単独使用、あるいは併用される。併用される場合、炭化水素系界面活性剤99〜90重量部にたいして、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤1〜10重量部を混合することが望ましい。すなわち、炭化水素系界面活性剤を単独で用いた場合には、20〜30dyn/cm程度までしか油分の界面張力は下がらない。しかしながら、炭化水素系界面活性剤と、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を併用することにより、界面張力を15dyn/cm前後にまで下げることができる。フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を単独で用いた場合、量的に相当量使用する必要があり、ロール1のコスト上昇につながる。従って、炭化水素系界面活性剤に少量のフッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を添加することにより、ロール1のコスト上昇を極力抑えつつ、炭化水素系界面活性剤の界面張力の改善を図ることができる。
炭化水素系界面活性剤は、アルキル基(C2n+1)等の疎水基(親油基)と、親水基をあわせ持つ界面活性剤である。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン等の両イオン性界面活性剤が単独使用、あるいは併用されるが、浸透性の良好な非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤が好適に使用される。陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤は電荷が異なり、一般的に相溶性がないことから、併用することは好ましくない。なお、非イオン性界面活性剤とは水溶液中で電荷を帯びない界面活性剤、陰イオン性界面活性剤とは水溶液中で負の電荷を帯びる界面活性剤、陽イオン性界面活性剤とは水溶液中で正の電荷を帯びる界面活性剤、両イオン性界面活性剤とは水溶液中で等電点(水素イオン指数)により陽イオン性、非イオン性、陰イオン性と異なる性質を示す界面活性剤のことである。
フッ素系界面活性剤は、炭化水素系界面活性剤のアルキル基鎖中の水素原子(H)を、フッ素原子(F)に置換した界面活性剤である。例えば、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド等の非イオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン等の両イオン性界面活性剤が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤は、親水性のポリオキシアルキレンを、疎水性のジメチルシリコーンのポリシロキサン構造中に導入した界面活性剤で、ポリエーテル変性シリコーンオイルとも呼ばれる。例えば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。いずれも非イオン性界面活性剤である。
本発明においては、油分の除去性能を向上させることを目的にしている為、界面活性剤のHLB値は0〜16の範囲内にて設定される。
次に、不織布11の製造方法について述べる。最初に複数本の繊維12を集積させ、ニードルパンチングと呼ばれる特殊な針を繊維12に突き刺すことにより、3次元に絡合されたウエッブと呼ばれる布状体を得る。次いで、高分子弾性体と界面活性剤等を混合した結合剤13をスプレー、浸漬、含浸等の方法を用いて繊維12の表面に付着させ、加熱することにより平板状の不織布11を形成する。結合剤13には、必要に応じて架橋剤、架橋助剤等を配合することができる。前記の製造方法は、一般的にケミカルボンド法と呼ばれている。
上記に示した不織布11の製造方法は代表的な例であり、上記以外にも、例えば、熱溶融した合成樹脂を連続的に紡糸して繊維12を形成し、繊維12を延伸しながら捕集ネット上に集積して熱ロールで加圧することにより繊維12を結合すると共に、結合剤13を付着させて不織布11を形成するスパンボンド法、熱溶融した合成樹脂を紡糸口から吐出する際、高温エアーで紡出し、捕集ネット上で加熱された繊維12を結合すると共に、結合剤13を付着させて不織布11を形成するメルトブロー法、塩化メチレン、フロン等の低沸点溶剤中に合成樹脂を溶解し、紡糸口から加熱、加圧状態で繊維12を紡糸すると同時に、前記低沸点溶剤を揮発させ、繊維12を捕集ネット上に集積し、熱ロールで加圧して繊維12を結合すると共に、結合剤13を付着させて不織布11を形成するフラッシュ紡糸法、融点の異なる複数の合成樹脂を溶融して融点の高い方の合成樹脂を紡糸して繊維12を形成し、溶融された融点の低い方の合成樹脂をバインダーとして繊維12を接着すると共に、結合剤13を付着させて不織布11を形成するファイバーボンド法やサーマルボンド法等により製造された不織布11を用いても構わない。
次に、ロール1の製作方法について説明する。
最初に、外周等分2箇所に略四角柱形状のキー7が、軸心方向に渡り搭載され、ネジにて固定して装着された台座3を用意する。次に、平板状の不織布11を用意し、不織布11をトムソン型、あるいはレーザーカッター等を用いて、2箇所の溝部8、側縁部9、及び穴部10を有する概円環状のロール片4に打ち抜く。次いで、ロール片4を複数枚重ね合わせて、穴部10を台座3にたいして貫通させると共に、溝部8をキー7に嵌合挿入することにより、台座3の外周にロール片4を積層する。そして、台座3の長手方向からプレス機にて所定長さだけ圧縮させた後、止め金具5、及びプレート6にて複数のロール片4を挟み付けて固定する。次に、所定時間放置することにより、重ね合わせた複数のロール片4の内部応力を均一化させ、側縁部9をバイト、ナイフ等により切削加工及び研磨加工する。最後に、粒度#100〜#1000程度のサンドペーパーやエメリーペーパー等の研磨紙、あるいは粒度#30〜#100程度のカッティングホイール等を用いて、ロール部2の表面粗度Ra(平均粗さ)が6.0μm以上9.5μm以下となるように仕上げ、ロール1が製作される。ロール部2の研磨方向の順目が被洗浄面に摺接するようにする。
上記の如く構成されたロール1の動作、作用は下記の通りである。
ロール1は、ロール部2、及び台座3を有し、ロール部2は、不織布11からなる概円環状の複数枚のロール片4が台座3の外周に積層されて形成されてあり、不織布11は複数本の繊維12、及び繊維12を結合する結合剤13からなり、結合剤13は高分子弾性体と、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤のうち少なくとも1種類以上の界面活性剤を有するもので、ロール1を構成する不織布11には界面活性剤が含有されている。界面活性剤は、不織布11を構成する結合剤13の中に高分子弾性体と共に含まれており、結合剤13は繊維12の表面に付着し、弾性繊維14が形成される。その為、被洗浄面に付着した油分とロール部2が接触すると、弾性繊維14と油分の境界面における界面張力が低下し、弾性繊維14と油分との湿潤性、及び濡れ性が増して、油分は弾性繊維14に浸透しやすくなることから、ロール部2による吸油性能が向上する。従って、ロール1は初期の油分の除去性能が高く、慣らし使用が不要となる。
炭化水素系界面活性剤に少量のフッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を配合した場合、炭化水素系界面活性剤の界面張力を著しく下げ、改善することができる。その為、炭化水素系界面活性剤を単独で用いた場合に比べて、弾性繊維14と油分との湿潤性、及び濡れ性が改善され、油分は弾性繊維14に一層浸透しやすくなることから、ロール部2による吸油性能が大幅に向上する。
ロール部2の表面粗度Ra(平均粗さ)が6.0μm以上9.5μm以下であるので、ロール1は優れたグリップ力が発揮され、被洗浄面の蛇行が防止されると共に、ロール1と被洗浄面の密着性が上がり、ダム機能が効果的に発現することから、ロール1は初期の油分の除去性能が飛躍的に向上する。
次に、本発明のロール1の油分除去性能、及びグリップ力について、下記要領にて試験した。本発明のロール1に使用した不織布11の組成を実施例1、比較対象として、比較例1から比較例5に使用した不織布11の組成を、それぞれ表1に示す。また、油分除去性能、及びグリップ力の試験結果を、それぞれ表2に示す。
Figure 2012250177
(油分除去性能)
外径が100mm、内径が70mm、全長が300mmのロール部2を有するロール1を、それぞれ2本ずつ製作し、洗浄装置に上下一対にて前記ロール1を設置した。ロール部2の表面部の硬度は83°にて設定した。次に、溶融亜鉛メッキ鋼板に、スギムラ化学工業株式会社製の洗浄油プレトンR−303PX2(動粘度5.0cSt/40℃)を30g/m塗布し、周速を毎分100mにて回転させた前記ロール1にたいして、線圧8kgf/cmの圧力を加えて押し付け、上下のロール1の間に溶融亜鉛メッキ鋼板を通過させた。
そして、溶融亜鉛メッキ鋼板の残油量を測定すると共に、1mあたりの残油量に換算し、下記基準により判定した。
○・・・残油量が1.5g/m以下であった。
△・・・残油量が1.5g/mを超え、3.0g/m以下であった。
×・・・残油量が3.0g/mを超えていた。
(グリップ力)
外径が120mm、内径が50mm、全長が190mmのロール部2を有するロール1を、それぞれ2本ずつ製作し、回転試験機に上下一対にて前記ロール1を設置した。ロール部2の表面部の硬度は83°にて設定した。次に、上側のロール1の両端部には、外径が40mmのエアーシリンダーを取り付け、それぞれのエアーシリンダーに1kg/cmのエアー圧力を供給した。次に、幅が150mm、長さが250mm、厚みが0.6mmの溶融亜鉛メッキ鋼板と、バネ量りを用意し、溶融亜鉛メッキ鋼板の一方の端部の略中央部に孔を開け、バネ量りのフックを溶融亜鉛メッキ鋼板の孔に掛け、バネ量りを回転試験機に固定した。次いで、溶融亜鉛メッキ鋼板を、上下一対にて回転試験機に取り付けられたロール1の間に挟み込むと共に、溶融亜鉛メッキ鋼板の表面に、スギムラ化学工業株式会社製の洗浄油プレトンR−303PX2(動粘度5.0cSt/40℃)を200cc付着させ、周速20mpmにて上下のロール1を回転させ、ロール1に溶融亜鉛メッキ鋼板を引っ張らせた。
そして、ロール1が溶融亜鉛メッキ鋼板を引っ張った引張力、すなわち摩擦力をバネ量りから読み取り、下記算出式にてロール1の摩擦係数を算出し、下記基準にてロール1のグリップ力を判定した。
○・・・摩擦係数が0.4以上であった
×・・・摩擦係数が0.4未満であった
なお、摩擦係数は、下記算出式に基づいて算出した。
F=μN
Fはロール1が溶融亜鉛メッキ鋼板を引っ張った時の引張力、すなわち摩擦力であり、μは摩擦係数、Nはロール1の垂直抗力である。なお、垂直抗力Nは、実施例1、及び比較例1から比較例5のロール1とも同じで、28.12kgである。垂直抗力Nは、ロール1の垂直方向に加わった力で、エアーシリンダーを介してロール1に加わったエアー圧力と、ロール1の重量の総和である。エアーシリンダーの外径は40mm、すなわち半径は2cmであり、面積は12.56cmであり、1cmあたり1kgのエアー圧力が供給されたので、1個のエアーシリンダーを介して、ロール1には12.56kgの力が付加されたことになり、エアーシリンダーはロール1の両端部に設置されていることから、2個のエアーシリンダーにより25.12kgの力がロール1に付加されたことになる。さらに、ロール1の重量、すなわち自重は3kgであることから、垂直抗力Nは、25.12kg+3kg=28.12kgとなる。
Figure 2012250177
上記試験結果より、実施例1のロール1は、界面活性剤を4.0%有する不織布11を使用し、ロール部2の表面粗度Raが7.0μmにて形成されているので、油分除去性能、及びグリップ力とも良好な結果が得られた。なお、摩擦係数の測定における摩擦力は11.9kgであった。
比較例1のロール1は、界面活性剤を2.0%有する不織布11を使用し、ロール部2の表面粗度Raが7.0μmにて形成されているので、グリップ力は良好な結果が得られたが、界面活性剤の量が少ないことから、油分除去性能はやや劣るものであった。なお、摩擦係数の測定における摩擦力は11.9kgであった。
比較例2のロール1は、界面活性剤を4.0%有する不織布11を使用し、ロール部2の表面粗度Raが10.0μmにて形成されているので、グリップ力は良好な結果が得られたが、ロール部2の表面粗度Raが高いことから、油分除去性能はやや劣るものであった。なお、摩擦係数の測定における摩擦力は12.1kgであった。
比較例3のロール1は、界面活性剤を4.0%有する不織布11を使用し、ロール部2の表面粗度Raが2.0μmにて形成されているので、油分除去性能は良好な結果が得られたが、ロール部2の表面粗度Raが低いことから、グリップ力は劣るものであった。なお、摩擦係数の測定における摩擦力は10.5kgであった。
比較例4のロール1は、界面活性剤を2.0%有する不織布11を使用し、ロール部2の表面粗度Raが10.0μmにて形成されているので、グリップ力は良好な結果が得られたが、界面活性剤の量が少なく、ロール部2の表面粗度Raが高いことから、油分除去性能は劣るものであった。なお、摩擦係数の測定における摩擦力は12.1kgであった。
比較例5のロール1は、界面活性剤を2.0%有する不織布11を使用し、ロール部2の表面粗度Raが2.0μmにて形成されているので、油分除去性能、グリップ力ともに劣るものであった。なお、摩擦係数の測定における摩擦力は10.5kgであった。
図5を用いて、実施例2の洗浄装置について説明する。なお、構成の説明を容易にする為に、各部品の軸受け部や、支持部品の図示、説明は省略することとする。また、ロールは、鋼板に付着した油分除去用として用いられるものとする。
ロール21a、21bは、洗浄装置20に上下一対で設置され、上部に位置するロール21aの台座23の両端部に一定の圧力が加えられ、駆動手段24により矢印の方向に回転駆動し、上部のロール21aと下部のロール21bの間を、両面に油分(図示せず)が付着したピース状の鋼板25が白抜き矢印の方向に送出されている。
上部に位置するロール21aは鋼板25の表面から油分を除去し、下部に位置するロール21bは鋼板25の裏面から油分を除去する。油分が付着した鋼板25は、ロール部22と接触すると、ロール21a、21bのダム機能により、油分が鋼板25の両端部から流れ去ると共に、吸排機能により、圧力による圧縮ゾーン(鋼板25の流れ方向、すなわち白抜き矢印の方向において、ロール21a、21bより鋼板25の上流側)においてロール部22から鋼板25に一旦、油分が放出され、圧力からの開放ゾーン(鋼板25の流れ方向、すなわち白抜き矢印の方向において、ロール21a、21bより鋼板25の下流側)においてロール部22を構成する不織布の有する繊維の毛細管現象が発現し、油分がロール部22に吸い上げられると共に、ロール部22の空隙に放出され、油分は鋼板25から除去される。なお、ロール21a、21bは、上記に示した実施例1のロール1と同一である。
上記の如く構成された洗浄装置20の動作、作用は下記の通りである。
洗浄装置20は、ロール21a、21bの慣らし運転を必要とすることなく、初期段階から優れた油分の除去性能が発揮されると共に、鋼板25の蛇行が防止される。
本発明のロールは、主に、鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した油分を除去、搾取、洗浄する目的以外にも、長期間に亘り、優れた耐久性を必要とするロールとして、広く好適に使用することができる。
1、21a、21b ロール
2、22 ロール部
3、23 台座
4 ロール片
5 止め金具
6 プレート
7 キー
8 溝部
9 側縁部
10 穴部
11 不織布
12 繊維
13 結合剤
14 弾性繊維
20 洗浄装置
24 駆動手段
25 鋼板

Claims (4)

  1. 鋼板、非鉄金属板、樹脂板、あるいはフィルム状の被洗浄面に付着した油分を除去、搾取、洗浄する為のロールにおいて、前記ロールは、ロール部及び台座を有し、前記ロール部は不織布からなる概円環状の複数枚のロール片が前記台座の外周に積層されて形成されてあり、前記不織布は複数本の繊維及び前記繊維を結合する結合剤からなり、前記結合剤は高分子弾性体と、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤のうち少なくとも1種類以上の界面活性剤を有することを特徴とするロール。
  2. 請求項1記載の構成よりなるロールにおいて、界面活性剤は炭化水素系界面活性剤と、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤からなることを特徴とするロール。
  3. 請求項1から2記載の構成よりなるロールにおいて、ロール部の表面粗度Ra(平均粗さ)が6.0μm以上9.5μm以下であることを特徴とするロール。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載されたロールと、前記ロールを回転駆動する駆動手段を少なくとも有する洗浄装置。
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