JP2012248384A - 多孔質固体電解質の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚み方向に均一性の高い多孔質固体電解質を製造する。
【解決手段】造孔剤粒子及び電解質粒子を含む分散液を分散媒透過性支持体6により濾過して、当該分散媒透過性支持体上に造孔剤粒子及び電解質粒子を含む堆積物を形成する工程、及び、得られた堆積物を加熱して造孔剤粒子を除去する工程を含み、前記分散媒透過性支持体上に分散液を追加的に供給し、当該分散液の供給速度を、前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度に応じて調節する。
【選択図】図1
【解決手段】造孔剤粒子及び電解質粒子を含む分散液を分散媒透過性支持体6により濾過して、当該分散媒透過性支持体上に造孔剤粒子及び電解質粒子を含む堆積物を形成する工程、及び、得られた堆積物を加熱して造孔剤粒子を除去する工程を含み、前記分散媒透過性支持体上に分散液を追加的に供給し、当該分散液の供給速度を、前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度に応じて調節する。
【選択図】図1
Description
本発明は、全固体電池用電極をはじめ様々な用途に用いられる多孔質固体電解質の製造方法に関する。
二次電池は、化学反応に伴う化学エネルギーの減少分を電気エネルギーに変換し、放電を行うことができる他に、放電時と逆方向に電流を流すことにより、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄積(充電)することが可能な電池である。二次電池の中でも、リチウム二次電池に代表される金属二次電池は、エネルギー密度が高いため、ノート型のパーソナルコンピューターや、携帯電話機等の電源として幅広く応用されている。
液体状の電解質を使用している二次電池は、電解質の漏液などの問題を完全に解決することが難しいが、例えば、リチウム二次電池に関しては、そのエネルギー密度が高いことから、電池に異常が生じた際には電池が発熱する恐れがあり、そのため、電解質が不燃性であることが要求されている。
こうした問題を解決するものとして、液体電解質に代えて固体電解質を用いる全固体電池がある。この種の電池の構成要素はすべて固体であるため、電池の信頼性が向上するだけでなく、電池をより小型化および薄型化することが可能である。
従って、不燃性の固体材料で構成される固体電解質を用いた全固体電池の開発が望まれている。
しかし、全固体電池は電解質のイオン伝導度が液電池に比べ低い上、活物質及び電解質共に結晶質なものであることから界面の形成が難しくセル抵抗が大きいため、高容量化―高出力化するのが困難である。
そのため、活物質と電解質の接触面積を大きくして、活物質と電解質の間の抵抗を小さくし、高容量化―高出力化するための研究が行われている。
従って、不燃性の固体材料で構成される固体電解質を用いた全固体電池の開発が望まれている。
しかし、全固体電池は電解質のイオン伝導度が液電池に比べ低い上、活物質及び電解質共に結晶質なものであることから界面の形成が難しくセル抵抗が大きいため、高容量化―高出力化するのが困難である。
そのため、活物質と電解質の接触面積を大きくして、活物質と電解質の間の抵抗を小さくし、高容量化―高出力化するための研究が行われている。
例えば高容量化―高出力化するために、多孔質固体電解質の孔内に電極活物質が充填された電極部を有する全固体電池の製造方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1には、所定の基板上に造孔剤粒子を堆積させ、この堆積物中に固体電解質の前駆体であるゾルを充填し、ゾルをゲル化した後、焼成して造孔剤を除去することにより多孔質固体電解質を製造する方法が開示されている。
特許文献1には、所定の基板上に造孔剤粒子を堆積させ、この堆積物中に固体電解質の前駆体であるゾルを充填し、ゾルをゲル化した後、焼成して造孔剤を除去することにより多孔質固体電解質を製造する方法が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の多孔質固体電解質の製造方法は工程数が多いため生産性が良いとはいえない。
本発明は、上記実情を鑑み成し遂げられたものであり、工程数が少なく生産性が良い、高品質な多孔質固体電解質を得るための製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記実情を鑑み成し遂げられたものであり、工程数が少なく生産性が良い、高品質な多孔質固体電解質を得るための製造方法を提供することを目的とする。
本発明により提供される多孔質固体電解質の製造方法は、造孔剤粒子及び電解質粒子を含む分散液を分散媒透過性支持体により濾過して、当該分散媒透過性支持体上に造孔剤粒子及び電解質粒子を含む堆積物を形成する工程、及び、
得られた堆積物を加熱して造孔剤粒子を除去する工程を含み、
前記分散媒透過性支持体上に分散液を追加的に供給し、当該分散液の供給速度を、前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度に応じて調節することを特徴とするものである。
得られた堆積物を加熱して造孔剤粒子を除去する工程を含み、
前記分散媒透過性支持体上に分散液を追加的に供給し、当該分散液の供給速度を、前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度に応じて調節することを特徴とするものである。
上記本発明の一実施形態として、前記分散液中に造孔剤粒子及び電解質粒子を分散させる分散処理部、及び、前記分散媒透過性支持体を設けた濾過部を備えた濾過装置を準備し、
前記分散処理部から前記濾過部に分散液を送液して濾過を行うことができる。
前記分散処理部から前記濾過部に分散液を送液して濾過を行うことができる。
上記本発明の一実施形態として、前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度が小さくなった時に、当該分散媒透過性支持体への分散液の供給速度を小さくすることが好ましい。
前記造孔剤粒子は、加熱によって消失又は流出する樹脂からなるものであることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、造孔剤粒子及び電解質粒子を含む分散液を濾過することにより、工程を少なくして生産性を上げることができる。
本発明の製造方法によれば、堆積物から分離される濾液の量に応じて、分散媒透過性支持体に供給される分散液の量を調節することで、厚み方向に均一性の高い多孔質固体電解質を製造することができる。
以下、本発明の技術的構成及び実施態様について詳しく説明する。なお本発明は、図面及び実施例などにより詳しく説明されるが、本発明はこれら図面及び実施例に限定されない。
本発明により提供される多孔質固体電解質の製造方法は、造孔剤粒子及び電解質粒子を含む分散液を分散媒透過性支持体により濾過して、当該分散媒透過性支持体上に造孔剤粒子及び電解質粒子を含む堆積物を形成する工程、及び、
得られた堆積物を加熱して造孔剤粒子を除去する工程を含み、
前記分散媒透過性支持体上に分散液を追加的に供給し、当該分散液の供給速度を、前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度に応じて調節することを特徴とするものである。
本発明により提供される多孔質固体電解質の製造方法は、造孔剤粒子及び電解質粒子を含む分散液を分散媒透過性支持体により濾過して、当該分散媒透過性支持体上に造孔剤粒子及び電解質粒子を含む堆積物を形成する工程、及び、
得られた堆積物を加熱して造孔剤粒子を除去する工程を含み、
前記分散媒透過性支持体上に分散液を追加的に供給し、当該分散液の供給速度を、前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度に応じて調節することを特徴とするものである。
造孔剤粒子及び電解質粒子を含む分散液は、造孔剤粒子及び電解質粒子、さらに必要に応じて導電助剤としてのカーボンなどの他の成分を分散媒中に分散させた液体である。
電解質粒子は固体電解質からなる粒子であり、いかなる固体電解質からなる粒子を用いてもよいが、ペロブスカイト型結晶構造をとり得るもの(例えばLi3xLa2/3−xTiO3(x=0.033〜0.17)など)及び、ナシコン型結晶構造をとり得るもの(例えばLi1+yAlyTi2−y(PO4)3(y=0.05〜0.6)など)が好ましく用いられる。本発明に用いる固体電解質は、Li,Ge,Ti,La,Zr,P,Si,B,Fなどが化合物の状態で含まれていてもよい。
電解質粒子の平均粒径は分散性の観点から0.05〜1μmとすることが好ましい。
電解質粒子は固体電解質からなる粒子であり、いかなる固体電解質からなる粒子を用いてもよいが、ペロブスカイト型結晶構造をとり得るもの(例えばLi3xLa2/3−xTiO3(x=0.033〜0.17)など)及び、ナシコン型結晶構造をとり得るもの(例えばLi1+yAlyTi2−y(PO4)3(y=0.05〜0.6)など)が好ましく用いられる。本発明に用いる固体電解質は、Li,Ge,Ti,La,Zr,P,Si,B,Fなどが化合物の状態で含まれていてもよい。
電解質粒子の平均粒径は分散性の観点から0.05〜1μmとすることが好ましい。
固体電解質をゾル化することによって、分散液状の電解質粒子を調製できる。
固体電解質Li3xLa2/3−xTiO3を用いる場合、リチウム塩またはリチウムのアルコキシド、ランタン塩、チタンのアルコキシドを混合し、これを水または有機溶媒などに溶解させることによりゾルを調製する。
また、固体電解質としてLi1+yAlyTi2−y(PO4)3を用いる場合、リチウム塩またはリチウムのアルコキシド、アルミニウム塩、またはアルミニウムのアルコキシドやその他のアルミニウム化合物、チタンのアルコキシドまたはその他のチタン化合物、リン酸またはリン酸化合物を混合し、これを水または有機溶媒などに溶解させることによりゾルを調製する。
固体電解質Li3xLa2/3−xTiO3を用いる場合、リチウム塩またはリチウムのアルコキシド、ランタン塩、チタンのアルコキシドを混合し、これを水または有機溶媒などに溶解させることによりゾルを調製する。
また、固体電解質としてLi1+yAlyTi2−y(PO4)3を用いる場合、リチウム塩またはリチウムのアルコキシド、アルミニウム塩、またはアルミニウムのアルコキシドやその他のアルミニウム化合物、チタンのアルコキシドまたはその他のチタン化合物、リン酸またはリン酸化合物を混合し、これを水または有機溶媒などに溶解させることによりゾルを調製する。
造孔剤粒子は、加熱によって堆積物から除去できるものであれば特に制限されない。ここで「加熱によって除去できる」とは、加熱されると分解して揮発したり、化学的には分解されないが昇華したり、溶融して流出するなど何らかの変化を起こして、粒子として存在していた場所から除去されることを意味する。
造孔剤粒子としては、固体電解質が分解又は劣化しない程度の加熱でガス化(分解又は昇華)して消失するか、又は、溶融して流出する樹脂が好ましく用いられ、100〜600℃程度の温度で消失又は流出する樹脂が特に好ましい。
例えば、ポリスチレンやPMMAなどの高分子樹脂からなる粒子を用いることができる。これらの樹脂粒子は、凝集粒子(二次粒子)であってもよいし、単分散粒子(一次粒子)であってもよい。
造孔剤粒子の平均粒径によって、得られる多孔体の孔径を制御することが可能である。かかる観点から通常、造孔剤粒子の平均粒径は0.05〜100μmとすることが好ましい。
造孔剤粒子としては、固体電解質が分解又は劣化しない程度の加熱でガス化(分解又は昇華)して消失するか、又は、溶融して流出する樹脂が好ましく用いられ、100〜600℃程度の温度で消失又は流出する樹脂が特に好ましい。
例えば、ポリスチレンやPMMAなどの高分子樹脂からなる粒子を用いることができる。これらの樹脂粒子は、凝集粒子(二次粒子)であってもよいし、単分散粒子(一次粒子)であってもよい。
造孔剤粒子の平均粒径によって、得られる多孔体の孔径を制御することが可能である。かかる観点から通常、造孔剤粒子の平均粒径は0.05〜100μmとすることが好ましい。
分散媒としては、様々な溶媒を適宜用いることができ特に限定されないが、電解質粒子、造孔剤粒子が同種に帯電するものが好ましく、例えばエタノールなどが好ましく用いられる。
分散液中の各成分の含有量については、粒子径比率次第であるが、電解質粒子の含有量は好ましくは20〜40vol%であり、造孔剤粒子の含有量は好ましくは60〜80vol%である。
上記電解質粒子又はそのゾルと上記造孔剤粒子を分散媒に混合し、充分に攪拌することで、分散液を調製することができる。分散手段は特に制限されないが、例えば、超音波発生機などを利用することができる。
分散液中の各成分の含有量については、粒子径比率次第であるが、電解質粒子の含有量は好ましくは20〜40vol%であり、造孔剤粒子の含有量は好ましくは60〜80vol%である。
上記電解質粒子又はそのゾルと上記造孔剤粒子を分散媒に混合し、充分に攪拌することで、分散液を調製することができる。分散手段は特に制限されないが、例えば、超音波発生機などを利用することができる。
分散液を濾過するフィルターである分散媒透過性支持体としては、溶媒に依存するが例えば、エタノールの場合はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを利用することができる。
上記分散液を分散媒透過性支持体により濾過することによって、分散媒透過性支持体上に造孔剤粒子及び電解質粒子を含む堆積物を1回の濾過処理で形成することができる。
上述した特許文献1に記載された方法では、造孔剤粒子を含む分散液を濾過して造孔剤粒子のみからなる堆積物を形成し、その堆積物に電解質を充填するが、この方法と比べると本発明の方法は工程数が少ないため生産性が高い。
上述した特許文献1に記載された方法では、造孔剤粒子を含む分散液を濾過して造孔剤粒子のみからなる堆積物を形成し、その堆積物に電解質を充填するが、この方法と比べると本発明の方法は工程数が少ないため生産性が高い。
造孔剤粒子と電解質粒子を含む分散液を濾過する方法で堆積物を形成する場合の問題として、堆積物を充分な厚さとするために必要とされる分散液の全量を、濾過処理開始時点で一度に分散媒透過性支持体上に供給すると、堆積物中での造孔剤粒子と電解質粒子の分布が厚み方向に不均一となってしまうことが本発明者らの研究によって判明した。
このような造孔剤粒子の分布が厚み方向で不均一な堆積物から造孔剤粒子を除去しても、細孔分布が不均一で、細孔の分布頻度が少ない領域を有する多孔質固体電解質しか得られない。ひいては、このような構造不均一の多孔質固体電解質に活物質を充填しても、充填量が不充分であり、且つ、充填された活物質の分布も不均一となり、これを固体電解質電池の電極として用いると容量及び出力の低下を招く。
このような造孔剤粒子の分布が厚み方向で不均一な堆積物から造孔剤粒子を除去しても、細孔分布が不均一で、細孔の分布頻度が少ない領域を有する多孔質固体電解質しか得られない。ひいては、このような構造不均一の多孔質固体電解質に活物質を充填しても、充填量が不充分であり、且つ、充填された活物質の分布も不均一となり、これを固体電解質電池の電極として用いると容量及び出力の低下を招く。
上記問題の原因としては、(1)分散液中での電解質粒子と造孔剤粒子の沈降速度の間に大きな差があるため、これら2つの粒子が分散液中で分離しやすいこと、及び、(2)堆積物を充分な厚さとするために必要とされる分散液の全量を濾過するために長時間を要し、吸引濾過を行ったとしても数時間を費やすこと、特に、濾過処理時間が経過すると分散媒透過性支持体の目詰まりによって濾過速度が徐々に減少し濾過時間を延長させてしまうこと、の2つの要素が複合している。
すなわち、分散液に含まれる電解質粒子と造孔剤粒子の沈降速度の間に大きな差があるため、分散液の分散媒透過性支持体上での滞在時間が長くなると造孔剤粒子が濾過処理の途中で分散液の上層側に分離してしまい、その結果、下層側は電解質粒子の含有割合が高く、上層側は造孔剤粒子の含有割合が高い分布不均一の堆積物になってしまう。このため、得られた堆積物を熱処理して造孔剤粒子を除去すると、下層側の細孔量が少ない構造不均一の多孔質固体電解質となってしまう。
すなわち、分散液に含まれる電解質粒子と造孔剤粒子の沈降速度の間に大きな差があるため、分散液の分散媒透過性支持体上での滞在時間が長くなると造孔剤粒子が濾過処理の途中で分散液の上層側に分離してしまい、その結果、下層側は電解質粒子の含有割合が高く、上層側は造孔剤粒子の含有割合が高い分布不均一の堆積物になってしまう。このため、得られた堆積物を熱処理して造孔剤粒子を除去すると、下層側の細孔量が少ない構造不均一の多孔質固体電解質となってしまう。
そこで本発明においては、濾過処理開始時に分散液の一部量のみ分散媒透過性支持体上に供給し、その後、分散液の残部を追加的に供給することとした。さらに、分散媒透過性支持体上への分散液の供給速度を、当該分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度に応じて調節することとした。
分散液を追加供給するときには、分散媒透過性支持体上に存在する分散液の滞在時間が許容範囲(例えば約1時間以内)を超えて長くならないように、濾液の流出速度を監視しながら追加分の供給速度を決定する。
通常、濾過処理時間が経過すると分散媒透過性支持体の目詰まりによって濾過速度が徐々に減少し、分散液の分散媒透過性支持体上での滞在時間が長くなっていく。このような濾過速度の減少率が、堆積物の分布の均一性の観点から許容できる規定値の範囲内(例えば濾過速度が約0.5cc/min以上)である場合には、分散液の供給速度を変えずに維持し、濾過速度の減少率が当該規定値の範囲を超えた場合(例えば濾過速度が約0.5cc/min未満)には、その変化率に応じて供給速度を落とす。このような制御を行うことによって、造孔剤粒子が厚み方向に均一に分布した堆積物が得られる。
分散液を追加供給するときには、分散媒透過性支持体上に存在する分散液の滞在時間が許容範囲(例えば約1時間以内)を超えて長くならないように、濾液の流出速度を監視しながら追加分の供給速度を決定する。
通常、濾過処理時間が経過すると分散媒透過性支持体の目詰まりによって濾過速度が徐々に減少し、分散液の分散媒透過性支持体上での滞在時間が長くなっていく。このような濾過速度の減少率が、堆積物の分布の均一性の観点から許容できる規定値の範囲内(例えば濾過速度が約0.5cc/min以上)である場合には、分散液の供給速度を変えずに維持し、濾過速度の減少率が当該規定値の範囲を超えた場合(例えば濾過速度が約0.5cc/min未満)には、その変化率に応じて供給速度を落とす。このような制御を行うことによって、造孔剤粒子が厚み方向に均一に分布した堆積物が得られる。
図1は、本発明の製造方法において堆積物形成工程を実施する濾過装置の構成例を、概略的に示したものである。図1の濾過装置1は、分散液中に造孔剤粒子及び電解質粒子を分散させる分散処理部2、分散処理部から濾過部へ分散液を送液する送液路3、送液ポンプ4及び、分散液を濾過して造孔剤粒子及び電解質粒子を含む堆積物を形成する濾過部5を備えている。
分散処理部2は、分散液を溜めておく分散槽2aと、分散槽を取り囲む超音波発生器2bを有している。濾過装置1は、造孔剤粒子のリザーバ(図示せず)及び電解質粒子のリザーバ(図示せず)を備えていてもよく、その場合には、これらのリザーバーを分散槽2aに接続し、各原料の必要量を適時、分散槽へ自動供給することができる。
濾過部5は、液溜め部5a、液溜め部の底部開口に設けられたフィルター固定部5b、濾液を排出する排液路5c及び排液路に接続した真空引きポンプ(図示せず)を有する。フィルター固定部5bは、分散媒透過性支持体6を位置決め及び固定した時に、液溜め部の底部開口と分散媒透過性支持体と排液路の入口の間を気密状態とすることができ、これによって真空引きを行うことが可能である。
通常、濾過部5における分散液の移動方向は垂直(重力方向)とし、フィルターである分散媒透過性支持体6は、その面方向が水平(重力方向と直角)となるように液溜め部の底部開口に固定される。これによって分散液中の固形分は、分散媒透過性支持体6の支持面に対して垂直方向に堆積していく。
濾過部5の液溜め部は、適量の分散液を溜めることができれば、その寸法、容量、内部形状などは特に制限されない。液溜め部の底部開口付近の内部空間は、濾過処理中に分散媒透過性支持体の上に残った固形分が保持される部分であり、この部分の内部形状が堆積物の形状を決める。従って、液溜め部の底部開口付近の内部形状は、多孔質固体電解質に付与したい形状及び寸法とする。例えば、液溜め部の底部開口付近の内部形状を円筒状にすると、ペレット状(円形錠剤)の堆積物が形成され、これを焼成すると多孔質固体電解質ペレットが得られる。
濾過部5の液溜め部は、適量の分散液を溜めることができれば、その寸法、容量、内部形状などは特に制限されない。液溜め部の底部開口付近の内部空間は、濾過処理中に分散媒透過性支持体の上に残った固形分が保持される部分であり、この部分の内部形状が堆積物の形状を決める。従って、液溜め部の底部開口付近の内部形状は、多孔質固体電解質に付与したい形状及び寸法とする。例えば、液溜め部の底部開口付近の内部形状を円筒状にすると、ペレット状(円形錠剤)の堆積物が形成され、これを焼成すると多孔質固体電解質ペレットが得られる。
上記図1の濾過装置1及び図2の工程図を参酌しつつ、堆積物形成工程の実施方法を説明する。
先ず、分散処理部の分散槽2a内に分散液を準備する(手順1)。分散液は、前工程で予め調製してから分散槽2aに供給してもよいし、或いは、分散槽2aに造孔剤粒子、電解質粒子及び分散媒を供給し、分散槽内で分散液を調製してもよい。
次に、高分散化及び分散状態維持のため、濾過部5において分散処理を行う(手順2)。濾過部5に供給される分散液は、供給時に高分散状態を維持していることが必要である。そのため、少なくとも分散処理部から濾過部へ送液路を介して送液を実行している間は分散処理部において分散処理を実行し続けることが好ましく、堆積物形成工程の1サイクルを実行している間中、分散処理を実行し続けることがさらに好ましい。
先ず、分散処理部の分散槽2a内に分散液を準備する(手順1)。分散液は、前工程で予め調製してから分散槽2aに供給してもよいし、或いは、分散槽2aに造孔剤粒子、電解質粒子及び分散媒を供給し、分散槽内で分散液を調製してもよい。
次に、高分散化及び分散状態維持のため、濾過部5において分散処理を行う(手順2)。濾過部5に供給される分散液は、供給時に高分散状態を維持していることが必要である。そのため、少なくとも分散処理部から濾過部へ送液路を介して送液を実行している間は分散処理部において分散処理を実行し続けることが好ましく、堆積物形成工程の1サイクルを実行している間中、分散処理を実行し続けることがさらに好ましい。
次に、分散液の一部を、所定の供給速度で分散媒透過性支持体上に供給し、濾過処理を開始する(手順3)。濾過処理は重力による自然濾過を行なっても良いが、その場合には長時間を費やし、分散媒透過性支持体の目詰まりを起こしやすいので、濾過部を気密状態にして真空引き又は加圧の濾過を行うことが好ましい。
次に、濾過速度(分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度)を測定し(手順4)、濾過速度の変化が規定値範囲内(例えば基準速度の±5%以内)であるか否かを判定(手順5)する。この判定で、濾過速度の変化が規定値範囲内である場合には供給速度を維持する決定をし(手順6)、規定値範囲を超える場合には供給速度を変更する決定をし(手順7)、決定された供給速度で所定量の分散液を追加供給する(手順8)。
通常、濾過処理の時間経過に伴って分散媒透過性支持体の目詰まりが生じ、濾過速度が徐々に減少していくので、濾過速度の減少率に応じて分散液の供給速度を落とす決定が下される。
次に、濾過速度(分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度)を測定し(手順4)、濾過速度の変化が規定値範囲内(例えば基準速度の±5%以内)であるか否かを判定(手順5)する。この判定で、濾過速度の変化が規定値範囲内である場合には供給速度を維持する決定をし(手順6)、規定値範囲を超える場合には供給速度を変更する決定をし(手順7)、決定された供給速度で所定量の分散液を追加供給する(手順8)。
通常、濾過処理の時間経過に伴って分散媒透過性支持体の目詰まりが生じ、濾過速度が徐々に減少していくので、濾過速度の減少率に応じて分散液の供給速度を落とす決定が下される。
分散液の追加的供給は、供給すべき全量を2回以上に分割し断続的に行ってもよいし、濾過処理開始の供給分を除く残部を少量ずつ連続的に追加してもよい。或いは、濾過処理を開始した後、分散液の残部を少量ずつ連続的に追加する時期と、無供給の時期を交互に行ってもよい。
分割供給を行う場合の供給速度は、追加供給した分散液量を、当該追加分を供給した時点から次の追加供給を行う時点までの時間で割った平均速度として算出できる。
分割供給を行う場合の供給速度は、追加供給した分散液量を、当該追加分を供給した時点から次の追加供給を行う時点までの時間で割った平均速度として算出できる。
上記した手順4(濾過速度の測定)から手順9(追加的供給)を、分散液の追加分が尽きるまで繰り返す(手順9)。そして、分散液の追加分がなくなったときに供給を終了し、分散媒透過性支持体上の分散液がなくなり次第、堆積物形成工程を終了する(手順10)。
上記堆積物形成工程を経て得られた堆積物を焼成すると、電解質粒子が結晶化し、同時に、造孔剤粒子が除去されて細孔が生成し、厚み方向に均一に細孔が分布した多孔質固体電解質が得られる。
焼成処理は、セラミック電気炉などの装置又は方法で行うことができる。
Li3xLa2/a−xTiO3系の多孔質固体電解質を作製する場合、600℃以上で熱処理を行うことにより結晶化すればよく、特に1×10−4S/cm以上のリチウムイオン伝導性を示すLi3xLa2/3−xTiO3系の多孔質固体電解質を作製するためには700から1200℃で熱処理することが好ましい。
また、Li1+yAlyTi2−y(PO4)3系の多孔質固体電解質を作製する場合、400℃以上で熱処理を行うことにより結晶化すればよく、特に1×10−4S/cm以上のリチウムイオン伝導性を示すLi1+yAlyTi2−y(PO4)3系の多孔質固体電解質を作製するためには700から1200℃で熱処理することが好ましい。
多孔質固体電解質は、孔径が0.05〜100μmの細孔を有していることが好ましい。細孔は、独立孔であっても連通孔であってもよく、この両方が混在していてもよい。
焼成処理は、セラミック電気炉などの装置又は方法で行うことができる。
Li3xLa2/a−xTiO3系の多孔質固体電解質を作製する場合、600℃以上で熱処理を行うことにより結晶化すればよく、特に1×10−4S/cm以上のリチウムイオン伝導性を示すLi3xLa2/3−xTiO3系の多孔質固体電解質を作製するためには700から1200℃で熱処理することが好ましい。
また、Li1+yAlyTi2−y(PO4)3系の多孔質固体電解質を作製する場合、400℃以上で熱処理を行うことにより結晶化すればよく、特に1×10−4S/cm以上のリチウムイオン伝導性を示すLi1+yAlyTi2−y(PO4)3系の多孔質固体電解質を作製するためには700から1200℃で熱処理することが好ましい。
多孔質固体電解質は、孔径が0.05〜100μmの細孔を有していることが好ましい。細孔は、独立孔であっても連通孔であってもよく、この両方が混在していてもよい。
上記多孔質固体電解質の細孔に電池活物質を充填することにより、多孔質固体電解質−電池活物質複合体が得られる。
多孔質固体電解質と電池活物質との複合化は、例えばゾルゲル法によって行うことができる。
電池活物質としては公知の電池活物質を用いることができるが、複合化の手法との適合性からゾルゲル法で合成できる物質が好適である。正極活物質としてはLiMn2O4やLiCoO2などが好適である。また、負極活物質としてはLi4Ti5O12、アナターゼ型TiO2などが好適である。
多孔質固体電解質と電池活物質との複合化は、例えばゾルゲル法によって行うことができる。
電池活物質としては公知の電池活物質を用いることができるが、複合化の手法との適合性からゾルゲル法で合成できる物質が好適である。正極活物質としてはLiMn2O4やLiCoO2などが好適である。また、負極活物質としてはLi4Ti5O12、アナターゼ型TiO2などが好適である。
LiMn2O4及びLiCoO2をゾルゲル法で合成する場合、リチウム塩とマンガン塩またはコバルト塩を混合し、水または有機溶媒に溶解させることによりゾルを調製すればよい。また、これらのゾルに酢酸や高分子など有機物を添加してもよい。
また、Li4Ti5O12およびアナターゼ型TiO2をゾルゲル法で合成する場合、チタンのアルコキシドを水または有機溶媒に溶解させることによりゾルを調製すればよい。本発明において、このゾルにリチウムまたはリチウムアルコキシドを混合しても良い。また、これらのゾルに酢酸や高分子など有機物を添加してもかまわない。
また、Li4Ti5O12およびアナターゼ型TiO2をゾルゲル法で合成する場合、チタンのアルコキシドを水または有機溶媒に溶解させることによりゾルを調製すればよい。本発明において、このゾルにリチウムまたはリチウムアルコキシドを混合しても良い。また、これらのゾルに酢酸や高分子など有機物を添加してもかまわない。
前記した電池活物質のゾルを多孔質固体電解質中に充填し、電池活物質のゾルをゲル化させることにより多孔質固体電解質と電池活物質のゲルとの複合体が得られる。この複合体を熱処理することにより、最終的に多孔質固体電解質と電池活物質との複合体を作製することができる。このときの熱処理温度は300℃以上で行えばよく、400〜800℃で行うと良質の複合体を得ることができる。
このようにして得られた多孔状固体電解質と電池活物質との複合体は全固体リチウム二次電池等の全固体電池用の電極として好適に用いることができる。
このようにして得られた多孔状固体電解質と電池活物質との複合体は全固体リチウム二次電池等の全固体電池用の電極として好適に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
500W超音波ホモジナイザーを有する分散処理部と、真空引き濾過可能な濾過部を、送液ポンプを有する送液路で接続してなる濾過装置を用意した(図1参照)。
分散処理部に、ポリスチレンの単分散球状粒子(50%累積粒径3μm、かさ密度1g/cc)36mg、及び、Li0.35La0.55TiO3の固体電解質粒子(50%累積粒径0.1μm、かさ密度4.5g/cc)60mg、及び、エタノール40mgを投入し、500W超音波ホモジナイザーで攪拌して分散液を調製した。分散液の合計容量は40mlであった。
また、濾過部の底部開口にPTFEからなる分散媒透過性支持体を固定した。分散媒透過性支持体の寸法及び形状は直径18mmの円で、有効濾過面積(分散液と接触する部分)は2.5cm2であった。
500W超音波ホモジナイザーを有する分散処理部と、真空引き濾過可能な濾過部を、送液ポンプを有する送液路で接続してなる濾過装置を用意した(図1参照)。
分散処理部に、ポリスチレンの単分散球状粒子(50%累積粒径3μm、かさ密度1g/cc)36mg、及び、Li0.35La0.55TiO3の固体電解質粒子(50%累積粒径0.1μm、かさ密度4.5g/cc)60mg、及び、エタノール40mgを投入し、500W超音波ホモジナイザーで攪拌して分散液を調製した。分散液の合計容量は40mlであった。
また、濾過部の底部開口にPTFEからなる分散媒透過性支持体を固定した。分散媒透過性支持体の寸法及び形状は直径18mmの円で、有効濾過面積(分散液と接触する部分)は2.5cm2であった。
分散液中の粒子の凝集体サイズをコールター原理により測定し、当該凝集体サイズに基づいて終末沈降速度(エタノール溶媒中)を算出した(表1、図3)。
固体電解質粒子の凝集体サイズは6.82μm、終末沈降速度は5.15×10−5であった。
ポリスチレン粒子の凝集体サイズは8.84μm、終末沈降速度は5.02×10−6であった。よって、固体電解質粒子とポリスチレン粒子の終末沈降速度は、1桁の差があった。
固体電解質粒子の凝集体サイズは6.82μm、終末沈降速度は5.15×10−5であった。
ポリスチレン粒子の凝集体サイズは8.84μm、終末沈降速度は5.02×10−6であった。よって、固体電解質粒子とポリスチレン粒子の終末沈降速度は、1桁の差があった。
分散液(全量40ml)を4等分して分割供給し、真空引きを行った。すなわち、分散処理部中の分散液(全量40ml)を分散処理しながら、先ず分散液10mlを濾過部へ送液した。そして、濾液の流出速度を測定し、供給速度を1ml/min以上となるように管理しながら、分散液の残部を10mlずつ3回に分けて追加供給した。
本実施例においては、固体電解質粒子とポリスチレン粒子の終末沈降速度が、表1に示したように約10倍違っており、さらに、分散液を2時間静置すると沈殿が生じるという事実を確認した。この事実を考慮して、分散液が濾過されずに1時間以上液溜め部に滞在しないようにするために追加分の供給速度を、上記したとおり1ml/min以上に設定した。
得られた堆積物を1100℃で熱処理しポリスチレン粒子を除去し、多孔質固体電解質Li0.35La0.55TiO3のペレットを得た。
本実施例においては、固体電解質粒子とポリスチレン粒子の終末沈降速度が、表1に示したように約10倍違っており、さらに、分散液を2時間静置すると沈殿が生じるという事実を確認した。この事実を考慮して、分散液が濾過されずに1時間以上液溜め部に滞在しないようにするために追加分の供給速度を、上記したとおり1ml/min以上に設定した。
得られた堆積物を1100℃で熱処理しポリスチレン粒子を除去し、多孔質固体電解質Li0.35La0.55TiO3のペレットを得た。
(比較例1)
実施例1と同様の濾過装置を用意し、実施例1と同様に同組成の分散液を調製し、実施例1と同様の分散媒透過性支持体を用いた。
分散液(全量40ml)を、濾過処理の開始時に一括供給し、真空引きを行った。
得られた堆積物を実施例1と同様に堆積物を熱処理し、多孔質固体電解質Li0.35La0.55TiO3のペレットを得た。
実施例1と同様の濾過装置を用意し、実施例1と同様に同組成の分散液を調製し、実施例1と同様の分散媒透過性支持体を用いた。
分散液(全量40ml)を、濾過処理の開始時に一括供給し、真空引きを行った。
得られた堆積物を実施例1と同様に堆積物を熱処理し、多孔質固体電解質Li0.35La0.55TiO3のペレットを得た。
(細孔観察)
実施例1及び比較例1で得られた各ペレット上面及び断面の細孔を電子顕微鏡で観測した。実施例1の結果を図4、図5に示し、比較例1の結果を図6、図7に示す。
分散液を濾過処理開始時に一括供給した比較例1のペレットは、図6に示すように上面の細孔量が少なく、図7に示すように断面において電解質の凝集箇所が多く見られた。これに対し、濾液の流出速度を考慮しながら分散液を分割供給した実施例1のペレットは、図4に示すように上面の細孔量が増加し、図5に示すように断面において電解質の凝集箇所が減少していた。
この結果から、濾液の流出速度に応じて分散液の供給速度を調節することによって、多孔質固体電解質の厚さ方向(濾過時の堆積方向)における細孔分布の均一性が高まり、固体電解質上面側領域の細孔量が増加することが確認できた。
実施例1及び比較例1で得られた各ペレット上面及び断面の細孔を電子顕微鏡で観測した。実施例1の結果を図4、図5に示し、比較例1の結果を図6、図7に示す。
分散液を濾過処理開始時に一括供給した比較例1のペレットは、図6に示すように上面の細孔量が少なく、図7に示すように断面において電解質の凝集箇所が多く見られた。これに対し、濾液の流出速度を考慮しながら分散液を分割供給した実施例1のペレットは、図4に示すように上面の細孔量が増加し、図5に示すように断面において電解質の凝集箇所が減少していた。
この結果から、濾液の流出速度に応じて分散液の供給速度を調節することによって、多孔質固体電解質の厚さ方向(濾過時の堆積方向)における細孔分布の均一性が高まり、固体電解質上面側領域の細孔量が増加することが確認できた。
1 濾過装置
2 分散処理部
3 送液路
4 送液ポンプ
5 濾過部
5a 液溜め部
5b フィルター固定部
5c 排液路
6 分散媒透過性支持体
2 分散処理部
3 送液路
4 送液ポンプ
5 濾過部
5a 液溜め部
5b フィルター固定部
5c 排液路
6 分散媒透過性支持体
Claims (4)
- 造孔剤粒子及び電解質粒子を含む分散液を分散媒透過性支持体により濾過して、当該分散媒透過性支持体上に造孔剤粒子及び電解質粒子を含む堆積物を形成する工程、及び、
得られた堆積物を加熱して造孔剤粒子を除去する工程を含み、
前記分散媒透過性支持体上に分散液を追加的に供給し、当該分散液の供給速度を、前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度に応じて調節することを特徴とする、
多孔質固体電解質の製造方法。 - 前記分散液中に造孔剤粒子及び電解質粒子を分散させる分散処理部、及び、前記分散媒透過性支持体を設けた濾過部を備えた濾過装置を準備し、
前記分散処理部から前記濾過部に分散液を送液して濾過を行うことを特徴とする、請求項1に記載の多孔質固体電解質の製造方法。 - 前記分散媒透過性支持体を通過する濾液の流出速度が小さくなった時に、当該分散媒透過性支持体への分散液の供給速度を小さくすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔質固体電解質の製造方法。
- 前記造孔剤粒子は、加熱によって消失又は流出する樹脂からなるものである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多孔質固体電解質の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011118833A JP2012248384A (ja) | 2011-05-27 | 2011-05-27 | 多孔質固体電解質の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018063809A (ja) * | 2016-10-12 | 2018-04-19 | 凸版印刷株式会社 | グリーンシート、積層体グリーンシート、連続積層体グリーンシート、全固体二次電池、並びにそれらの製造方法 |
JP2022500818A (ja) * | 2019-03-19 | 2022-01-04 | エルジー・ケム・リミテッド | 全固体電池用電解質膜及びその製造方法 |
-
2011
- 2011-05-27 JP JP2011118833A patent/JP2012248384A/ja not_active Withdrawn
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