以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施の形態]
最初に第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における文字入力装置100の構成例を表わす図である。文字入力装置100は、第1〜第3の操作キー110〜130が適宜操作されることで、対応する文字を表示部145に表示させることができる。文字入力装置100は、第1の操作キー110と、第2の操作キー120と、第3の操作キー130と、制御部140、及び表示部145を備える。
第1の操作キー110と第2の操作キー120、及び第3の操作キー130は互いに異なる操作キーとなっている。第1の操作キー110は、例えば、文字を入力する文字入力キーである。第2の操作キー120及び第3の操作キー130は、変換機能を実行するための機能キーである。
制御部140は、第1の操作キー110の操作に応じて、表示部145に第1の文字を表示させ、第2の操作キー120の操作に応じて、表示部145に表示された第1の文字を、第1の文字と子音が同じで母音が異なる第2の文字に変換して表示部145に表示させ、第3の操作キー130の操作に応じて、表示部145に表示された第2の文字を、第2の文字と子音が同じで母音が異なる第3の文字に変換して表示部145に表示させる。
[CLR]ボタンの操作による場合は、表示された第2の文字に対して[◎]ボタンが押下されて第2の文字を確定させ、次いで[CLR]ボタンが押下されて第2の文字をクリアする。そして、訂正後の文字が入力される。第2の文字が表示されてから訂正後の文字を入力するまでに、3回以上のボタン操作が行われる。
一方、本第1の実施の形態においては、制御部140は、表示部145に表示された第2の文字に対して、第3の操作キー130が押下されると、第2の文字と子音が同じで母音が異なる第3の文字に変換して表示部145に表示させることができる。
よって、本第1の実施の形態では、例えば、第2の文字が表示されてから第3の文字を入力するまで第3の操作キー130による1回の操作である。従って、本文字入力装置100は、[CLR]ボタンによる場合の操作と比較して、少ないタッチ数で文字を入力することができる。
[第2の実施の形態]
<携帯電話機の構成例>
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、文字入力装置の一例として携帯電話機を例にして説明することにする。図2は携帯電話機10の外観構成例、図3(A)は携帯電話機10の内部構成例、図3(B)は操作キー15の構成例をそれぞれ表わす図である。
携帯電話機10は、図2に表わされるように、ディスプレイ(又は表示部)11と本体部12、及びヒンジ部13とを備える。
ディスプレイ11は、例えば操作キー15に対応する文字や、あるいはインターネットの閲覧サービスなどによる画像などを表示させることできる。本体部12は、操作キー15を備え、操作キー15の各ボタンが押下されることで、対応する文字をディスプレイ11に表示させることができる。ヒンジ部13は、ディスプレイ11と本体部12の双方に接続される。このヒンジ部13により、例えば、ディスプレイ11は本体部12に対して回転可能(または開閉可能)となる。
携帯電話機10は、図3(A)に表わされるように、ディスプレイ11、操作キー15、更に、記憶部17、及び制御部19とを備える。
制御部19は、操作キー15から出力された各ボタンに対応する信号を各ボタンが押下された回数(以下、「タッチ回数」)分入力し、当該信号と当該信号の入力回数(タッチ回数に対応する回数)とに対応する表示文字を記憶部17から読み出す。そして、制御部19は読み出した表示文字をディスプレイ11に出力することで、操作キー15に対応する文字をディスプレイ11に表示させることができる。そのため、記憶部17は、例えば、操作キー15に対応する信号とタッチ回数とに対応する表示文字を記憶する。これらの処理を実行するためのプログラムは記憶部17に記憶されており、制御部19がこれらのプログラムを読み出して実行することにより、以下に説明する各処理を実現するためのプロセスが起動される。なお、これらのプログラムは、必ずしも記憶部17に記憶されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたこのプログラムを、携帯電話機10が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を介して携帯電話機10に接続される他のコンピュータ(またはサーバ)等にこれらのプログラムを記憶させておいてもよい。この場合には、携帯電話機10がこれらからプログラムを読み出して実行する。
操作キー15は、図3(B)に表わされるように、操作ボタン(又はキー)151−1,152−1,…と、信号記憶部151−2,152−2,…と、スイッチ151−3,152−3,…と、端子151−4,152−4,…とを備える。
例えば、操作ボタン152−1が何も操作されていない状態のときは、スイッチ152−3は端子152−4と接続されていない状態となる。一方、例えば、操作ボタン151−1が押下されると、図3(B)の点線矢印で表わされるように、スイッチ151−3が端子151−4と接続される。このとき、信号記憶部151−2に記憶された操作ボタン151−1に対応する信号(例えば“1A”を表わす信号)が制御部19に出力される。操作ボタン151−1が複数回押下されると、操作ボタン151−1に対応する信号が複数回制御部19に出力される。また、操作ボタン153−3が押下されたときは、信号記憶部153−2に記憶された操作ボタン153−3に対応する信号(例えば“2B”を表わす信号)が制御部19に出力される。制御部19は、このように操作ボタン151−1,152−1,…に対応する信号と入力回数に応じた文字を記憶部17から読み出してディスプレイ11に表示させることができる。このとき制御部19は記憶部17に記憶されたテーブルから表示文字に対応する変換後の文字を読み出し、ディスプレイ11に出力する。記憶部17に記憶されたテーブルの例は後述する。
<キー配列>
次に本第2の実施の形態における携帯電話機10のキー配列の例について説明する。図4は携帯電話機10におけるキー配列の例を表わす図である。本第2の実施の形態においては、2つの入力モード(かな方式と2タッチ方式)に加え、新しい入力モード(以下、「ワンモード入力」)により文字入力が可能となっている。ワンモード入力では、[カナ]入力、[数字]入力、[英字]入力、[濁音]入力、[半濁音]入力、[小文字]入力、[他文字(カナ)小文字]入力、[他文字(英字)小文字]入力(以下、これらを総称して「入力モード」と称する)用の各キーが新規に割り当てられる。そして、テンキーが押下されて文字が入力された後、入力文字が確定又は次にテンキーが押下されるまでの間、ワンモード入力における「入力モード」に対応するキーが押下されると表示された文字を訂正させることができる。ワンモード入力での入力操作手順や訂正手順の詳細は後述する。
最初にキー配列とその機能について説明する。図4に表わされるように、テンキー165は、例えば、文字を入力するためのボタンであり、[あ]ボタンから[わ]ボタンと、[*]ボタン、及び[#]ボタンがテンキーとなる。ワンモード入力における「入力モード」に対応するキーは、テンキー165と電源ボタン(図4の例ではK14ボタン)以外のキーにその機能を割り当てることにしている。テンキー165に対して、例えば[カナ]入力などの機能を割り当てると、文字入力や[カナ]入力によるカナ変換ができなくなる場合もあるからである。
図4の例では、[カナ]入力はK1ボタン151に割り当てる。[カナ]入力は、例えば、文字の種類をカタカナに変換するための機能であり、図4の例ではK1ボタン151にその機能が割り当てる。また、入力文字を確定するための[確定]キーをK14ボタン164としている。
図5(A)はK1ボタン151を用いたカタカナ変換の操作手順の例を表わしている。図5(A)を用いてカタカナ変換の例について説明する。初期入力文字として、ひらがなモードとして説明する。これは、日本国内で携帯電話機10が用いられる場合、一般に日本人は初期入力文字としてひらがなで入力できるようにしていることが他の入力モード(例えば、英字モード)よりも多いからである。なお、初期入力モードが英字モードの例については第3の実施の形態において説明することにする。
図5(A)に表わされるように、[あ]ボタンが3回押下されると、ひらがなの「う」がディスプレイ11に表示される。次いで、K1ボタン151が押下されると、カタカナの「ウ」(図5(A)の例では半角カタカナ)が表示される。次いで、[確定]キーであるK14ボタン164が押下されるか、又はテンキー165が押下されると、ディスプレイ11に表示されたカタカナの「ウ」が確定される。
図5(B)は記憶部17に記憶されるカナ変換テーブル171の例を表わす図である。制御部19は、ディスプレイ11に表示させた表示文字(図5(B)では「ディスプレイ表示文字」)に対して、K1ボタン151が押下されたことを表わす信号を操作キー15から入力すると、カナ変換テーブル171から、表示文字に対応する変換後の文字を読み出す。そして、制御部19は、カナ変換テーブル171から読み出した変換後の文字をディスプレイ11に出力する。これにより、ディスプレイ11にはカナ変換後の文字が表示される。
図4に戻り、[数字]入力は操作キー15のうち、K2ボタン152に割り当てられる。[数字]入力は、例えば、文字の種類を数字に変換するための機能である。
図6(A)はK2ボタン152を用いた数字変換の操作手順の例を表わしている。図6(A)において、[さ]ボタンが1回押下されると、ひらがなの「さ」がディスプレイ11に表示される。次いで、K2ボタン152が押下されると、数字の「3」(図6(A)の例では半角数字)がディスプレイ11に表示される。次いで、[確定]キーであるK14ボタン164が押下されるか、またはテンキー165が押下されると数字の「3」が確定される。
図6(B)は記憶部17に記憶される数字変換テーブル172の例を表わす図である。制御部19は、ディスプレイ11に表示された表示文字(図6(B)では「ディスプレイ表示文字」)に対して、K2ボタン152が押下されたことを表わす信号を入力すると、数字変換テーブル172から、表示文字に対応する変換後の文字を読み出す。そして、制御部19は、数字変換テーブル172から読み出した変換後の文字をディスプレイ11に出力する。これにより、ディスプレイ11には数字変換後の文字が表示される。
図4に戻り、[英字]入力は操作キー15のうち、K3ボタン153にその機能が割り当てられる。[英字]入力は、例えば、文字の種類を英字に変換するための機能である。
図7(A)はK3ボタン153を用いた英字変換の操作手順の例を表わしている。図7(A)において、[か]ボタンが3回押下されると、ひらがなの「く」がディスプレイ11に表示される。次いで、K3ボタン153が押下されると、英字の「C」(図7(A)の例では半角大文字)がディスプレイ11に表示される。次いで、[確定]キーであるK14ボタン164、またはテンキー165が押下されると英字の「C」が確定される。
図7(B)は記憶部17に記憶される英字変換テーブル173の例を表わす図である。制御部19は、ディスプレイ11に表示された表示文字(図7(B)では「ディスプレイ表示文字」)に対してK3ボタン153が押下されたことを表わす信号を入力すると、英字変換テーブル173から表示文字に対応する変換後の文字を読み出す。そして、制御部19は、英字変換テーブル173から読み出した変換後の文字をディスプレイ11に出力する。これにより、ディスプレイ11には英字変換後の文字が表示される。
なお、英字変換において、[あ]ボタン又は[わ]ボタンが押下されて、次いで、K3ボタン153が押下されても、制御部19は英字変換処理を行わない。この場合、ディスプレイ11には、K3ボタン153が押下されても、表示された「あ」行の文字、又は「わ」行の文字がそのまま表示される。
図4に戻り、[濁音]入力は操作キー15のうち、K4ボタン154にその機能が割り当てられる。[濁音]入力は、例えば、文字の種類を濁音に変換するための機能である。
図8(A)はK4ボタン154を用いた濁音変換の操作手順の例を表わしている。図8(A)に表わされるように、[は]ボタンが3回押下されると、ひらがなの「ふ」がディスプレイ11に表示される。次いで、K14ボタン164が押下されると、濁音の「ぶ」がディスプレイ11に表示される。次いで、[確定]キーであるK14ボタン164、またはテンキー165が押下されると濁音の「ぶ」が確定される。
図8(B)は記憶部17に記憶される濁音変換テーブル174の例を表わす図である。制御部19は、ディスプレイ11に表示された表示文字(図8(B)では「ディスプレイ表示文字」)に対してK14ボタン164が押下されたことを表わす信号を入力すると、濁音変換テーブル174から表示文字に対応する変換後の文字を読み出す。そして、制御部19は、濁音変換テーブル174から読み出した変換後の文字をディスプレイ11に出力する。これにより、ディスプレイ11には濁音変換後の文字が表示される。
なお、濁音変換において、[あ]ボタン、[な]ボタン、[ま]ボタン、[や]ボタン、[ら]ボタン、[わ]ボタンのいずれかが押下され、次いで、K14ボタン164が押下されても、制御部19は濁音への変換処理を行わない。この場合、ディスプレイ11には、表示された「あ」行の文字、「な」行の文字、「ま」行の文字、「や」行の文字、「ら」行の文字、「わ」行の文字が表示された状態のまま変換されない。
図4に戻り、[半濁音]入力は操作キー15のうちK5ボタン155にその機能が割り当てられる。[半濁音]入力は、例えば、文字に種類を半濁音に変換するための機能である。
図9(A)はK5ボタン155を用いた半濁音変換の操作手順の例を表わしている。図9(A)において、[は]ボタンが3回押下されると、ひらがなの「ふ」がディスプレイ11に表示される。次いで、K5ボタン155が押下されると、半濁音の「ぷ」がディスプレイ11に表示される。次いで、[確定]キーであるK14ボタン164、またはテンキー165が押下されると半濁音の「ぷ」が確定される。
図9(B)は記憶部17に記憶される半濁音変換テーブル175の例を表わす図である。制御部19は、ディスプレイ11に表示された表示文字(図9(B)では「ディスプレイ表示文字」)に対してK5ボタン155が押下されたことを表わす信号を入力すると、半濁音変換テーブル175から表示文字に対応する変換後の文字を読み出す。そして、制御部19は、半濁音変換テーブル175から読み出した変換後の文字をディスプレイ11に出力する。これにより、ディスプレイ11には半濁音変換後の文字が表示される。
なお、半濁音変換において、[は]ボタン以外のテンキー165が押下され、その後K5ボタン155が押下されても、制御部19は半濁音変換処理を行わない。この場合、ディスプレイ11には、[は]ボタン以外のテンキー165により表示された文字がそのまま表示された状態となる。
図4に戻り、[小文字]入力は操作キー15のうちK6ボタン156にその機能が割り当てられる。[小文字]入力は、例えば、文字の種類をひらがなの小文字に変換するための機能である。
図10(A)はK6ボタン156を用いた小文字変換の操作手順の例を表わしている。図10(A)において、[あ]ボタンが3回押下されると、ひらがなの「う」がディスプレイ11に表示される。次いで、K6ボタン156が押下されると、ひらがなの小文字である「ぅ」がディスプレイ11に表示される。次いで、K14ボタン164、またはテンキー165が押下されると小文字の「ぅ」が確定される。
図10(B)は記憶部17に記憶される小文字変換テーブル176の例を表わす図である。制御部19は、ディスプレイ11に表示された表示文字(図10(B)では「ティスプレイ表示文字」)に対してK6ボタン156が押下されたことを表わす信号を入力すると、小文字変換テーブル176から表示文字に対応する変換後の文字を読み出す。そして、制御部19は、小文字変換テーブル176から読み出した変換後の文字をディスプレイ11に出力する。これにより、ディスプレイ11には小文字変換後の文字が表示される。
なお、小文字変換において、[か]ボタン、[さ]ボタン、[た]ボタン、[な]ボタン、[は]ボタン、[ま]ボタン、[ら]ボタンを押下、その後K6ボタン156が押下されても、制御部19は小文字変換処理を行わない。または、ディスプレイ11に表示された文字が「を」または「ん」であり、次いで、K6ボタン156が押下されても、小文字変換処理を行わない。あるいは、ディスプレイ11に表示された文字が「つ」以外の「た」行の文字であり、次いで、K6ボタン156が押下されても制御部19は小文字変換処理を行わない。
この場合、[か]ボタン、[さ]ボタン、[た]ボタン、[な]ボタン、[は]ボタン、[ま]ボタン、[ら]ボタンによるそれぞれの表示、または、「を」或いは「ん」の夫々の表示、或いは「つ」以外の「た」行の表示は変換されずそのまま表示された状態となる。
図4に戻り、[他文字小文字(カナ)]入力は、操作キー15のうちK7ボタン157にその機能が割り当てられる。[他言語小文字(カナ)]入力は、例えば、文字の種類をカタカナの小文字に変換するための機能である。
図11(A)はK7ボタン157を用いたカタカナの小文字に変換する操作手順の例を表わしている。図11(A)において、[あ]ボタンが3回押下されて、次いで、K7ボタン157が押下されると、カタカナの小文字である「ゥ」がディスプレイ11に表示される。次いで、K14ボタン164またはテンキー165が押下されるとカタカナの小文字である「ゥ」が確定される。
図11(B)は記憶部17に記憶される他文字(カナ)小文字変換テーブル177の例を表わす図である。制御部19は、ディスプレイ11に表示された表示文字(図11(B)では「ディスプレイ表示文字」)に対してK7ボタン157が押下されたことを表わす信号を入力すると、他文字(カナ)小文字変換テーブル177から表示文字に対応する変換後の文字を読み出す。そして、制御部19は他文字(カナ)小文字変換テーブル177から読み出した変換後の文字をディスプレイ11に出力することで、ディスプレイ11には変換後のカタカナの小文字が表示される。
なお、[か]ボタン、[さ]ボタン、[た]ボタン、[な]ボタン、[は]ボタン、[ま]ボタン、[ら]ボタン、[わ]ボタンがそれぞれ押下され、次いで、K7ボタン157が押下されても、制御部19はカタカナの小文字への変換処理を行わない。または、ディスプレイ11に表示された文字が「を」または「ん」であり、次いで、K6ボタン156が押下されても、小文字変換処理を行わない。あるいは、ディスプレイ11に表示された文字が「つ」以外の「た」行の文字であり、次いで、K6ボタン156が押下されても制御部19は小文字変換処理を行わない。
この場合、[か]ボタン、[さ]ボタン、[た]ボタン、[な]ボタン、[は]ボタン、[ま]ボタン、[ら]ボタンによるそれぞれの表示、または、「を」或いは「ん」の夫々の表示、或いは「つ」以外の「た」行の表示は変換されずそのまま表示された状態となる。
図4に戻り、[他文字(英字)小文字]入力は、操作キー15のうちK8ボタン158にその機能が割り当てられる。[他文字(英字)小文字]入力は、例えば、文字の種類を英字の小文字に変換するための機能である。
図12(A)はK8ボタン158を用いた英字の小文字に変換する操作手順の例を表わしている。図12(A)において、[か]ボタンが3回押下されて、次いで、K8ボタン158が押下されると、英字の小文字である「c」が表示される。次いで、K14ボタン164、またはテンキー165が押下されると英字の小文字である「c」が確定される。
図12(B)は記憶部17に記憶される他文字(英字)小文字変換テーブル178の例を表わす図である。制御部19は、ディスプレイ11に表示された表示文字(図12(B)では「ディスプレイ表示文字」)に対してK8ボタン158が押下されたことを表わす信号を入力すると、他文字(英字)小文字変換テーブル178から表示文字に対応する変換後の文字を読み出す。そして、制御部19は他文字(英字)小文字変換テーブル178から読み出した変換後の文字をディスプレイ11に出力することで、ディスプレイ11には変換後の英字の小文字が表示される。
図4に戻り、本第2の実施の形態では、更に、テンキー165や、「入力モード」用のキー(K1ボタン151〜K8ボタン158)、及び電源キー以外のキーに対して、母音を意味するキーが新規に割り当てられる。母音を意味するキーによる操作については、例えば、文字が入力されるまでのタッチ数をワンモード入力における「入力モード」よりも少なくさせることができる。
本第2の実施の形態では、図4に表わされるように、K9ボタン159に対して母音の「あ」を意味するキーが割り当てられる。また、K10ボタン160には母音の「い」を意味するキー、K11ボタン161には母音の「う」を意味するキー、K12ボタン162には母音の「え」を意味するキー、そして、K13ボタン163には母音の「お」を意味するキーがそれぞれ割り当てられる。本ワンモード入力において、母音を意味するキーにより文字を入力することを、ワンモード入力による2タッチ入力と適宜称することにする。
図13はワンモード入力による2タッチ入力の操作手順の例を表わす図である。例えば、初期入力文字がひらがな入力において、カタカナの「ウ」を表示させる場合は以下のようになる。すなわち、[あ]ボタンが1回押下されると、ひらがなの「あ」がディスプレイ11に表示される。次いで、母音の「う」を意味するキーとして割り当てられたK11ボタン161が押下されると、「う」が表示される。次いで、[カナ]入力として割り当てられたK1ボタン151が押下されると、カタカナの「ウ」がディスプレイ11に表示される。同じカタカナの「ウ」を表示させるため、ワンモード入力における「入力モード」キーによる操作(例えば図5(A))では例えば5回の操作が行われる。一方、ワンモード入力における「2タッチ入力」の場合、4回の操作が行われ、ワンモード入力における「入力モード」の場合よりも、少ないタッチ数で文字が入力され、ディスプレイ11に表示させることができる。
これは、例えば、ワンモード入力における「入力モード」の場合、ひらがなの「う」を表示させるためには、[あ]ボタンが3回押下されることになる。一方、ワンモード入力における「2タッチ入力」の場合、[あ]ボタンが1回押下され、K11ボタン161が1回押下され合計2回押下されることでひらがなの「う」が表示され、例えば、母音を意味するキーの1回の操作で文字を表示させることができるからである。
図14は記憶部17に記憶されるワンモード入力による2タッチ入力の変換テーブル(以下、「2タッチ変換テーブル」)179の例を表わす図である。例えば、制御部19は、[た]ボタンが押下され、次いで、K11ボタン161が押下されたこと表わす信号をそれぞれ入力したとき、2タッチ変換テーブル179から、ひらがなの「つ」を読み出し、ディスプレイ11に表示させることができる。
また、例えば、ディスプレイ11に「た」が表示されている状態で、K10ボタン160が押下されると、制御部19は2タッチ変換テーブル179から、表示された子音「た」の母音「い」に対応する「ち」を読み出して表示させることもできる。2タッチ変換テーブル179において、例えば、[あ]ボタンと記載されているのは、ディスプレイ11では、「あ」行の文字が表示され、[か]ボタンと記載されているのは、ディスプレイ11では「か」行の文字が表示されている場合とすることもできる。
このように、制御部19は、例えば、ディスプレイ11に表示された子音(2タッチ変換テーブル179における「1〜0のボタン箇所」に対応するテンキー)に対して、操作された母音を意味するキー(母音ボタンに対応する母音)に対応する文字を2タッチ変換テーブル179から読み出すことができる。そして、制御部19は、読み出した文字をディスプレイ11に出力し、表示させることができる。
なお、ワンモード入力による2タッチ入力の場合、[わ]ボタンが押下され、次いで、K12ボタン162やK13ボタン163が押下されても、制御部19は変換処理を行わず、ディスプレイ11には「わ」が表示されたままの状態となる。また、[や]ボタンが押下され、次いで、K10ボタン160やK11ボタン161が押下されても、制御部19は変換処理を行わず、ディスプレイ11には「や」が表示されたままの状態となる。
<訂正手順の例>
次に、携帯電話機10による文字の訂正手順の例について説明する。図15(A)〜図15(F)は同じ母音の文字に訂正する場合の例であり、例えば、カタカナの小文字の「ゥ」をひらがなの小文字である「ぅ」に訂正する場合の操作手順の例を表わしている。また、図16(A)〜図16(G)は異なる母音の文字に訂正する場合の例であり、例えば、ひらがなの「う」をひらがなの小文字である「ぉ」に訂正する場合の操作手順の例を表わしている。同じ母音に訂正する場合は、ワンモード入力の「入力モード」による操作で訂正させることができ、異なる母音に訂正する場合はワンモード入力の「2タッチ入力」の操作で訂正させることができる。同じ母音に訂正するか、異なる母音に訂正するかにより操作手順が異なるため、別々の操作手順の例を表わしている。
表示文字が同じ母音の文字に訂正される場合の例は、例えば、以下のようになる。すなわち、ディスプレイ11に表示された入力画面において(例えば図15(A))、[あ]ボタンが押下されると、ディスプレイ11にはひらがなの「あ」が表示される(例えば図15(B))。
次いで、ワンモード入力の2タッチ入力による操作キー(以下、「Fn−1キー(またはファンクション−1キー)」と称す)でK11ボタン161が押下されると、K11ボタン161は母音の「う」を意味するキーのため、ひらがなの「う」が表示される(例えば図15(C))。
次いで、ワンモード入力の「入力モード」に対応する操作キー(以下、「Fn−2キー(またはファンクション−2キー)」と称す)でK7ボタン157が押下されると、K7ボタン157はカタカナの小文字への変換キーのため、カタカナの小文字の「ゥ」がディスプレイ11に表示される(例えば図15(D))。
なお、ディスプレイ11へのカタカナの小文字の「ゥ」の表示については、ワンモード入力における「2タッチ入力」ではなく「入力モード」により表示させることもできる。例えば、入力画面において[あ]ボタンが3回押下されて、次いで、K7ボタン157が押下されると、カタカナの小文字の「ゥ」が表示される。ワンモード入力の2タッチ入力は、図15(A)から図15(D)に表わされるように3回のタッチ数で表示される。一方、ワンモード入力の2タッチ入力が用いられない場合、4回のタッチ数で表示させることができ、前者の方が後者よりも少ないタッチ数で文字を表示させることができる。
カタカナの小文字である「ゥ」がディスプレイ11に表示され、この時点でユーザは間違いに気付いたとする。小文字のひらがなの「ぅ」に訂正させる場合、Fn−2キーの[小文字]入力キーに対応するキー(例えばK6ボタン156)が押下される。これにより、カタカナの小文字である「ゥ」がひらがなの小文字である「ぅ」に訂正されて、ディスプレイ11に表示される(例えば図15(E))。この場合でも、制御部19は、例えば、Fn−2キーに対応する信号を入力すると、当該信号に対応するテーブル171〜178から、ディスプレイ11に表示された文字に対応する変換後の文字を読み出し、ディスプレイ11に出力することで訂正後の文字が表示される。
次いで、[確定]キー(例えばK14キー164、以下「Fn−3(ファンクション−3)キー」と称す)またはテンキー165が押下されて、表示されたひらがなの小文字である「ぅ」が確定される(例えば図15(F))。
[CLR]ボタン166による訂正手順では、カタカナの小文字である「ゥ」が表示された(例えば図15(D))後、[CLR]ボタン166が1回押下されて「ゥ」が確定され、次いで、[CLR]ボタン166が1回押下されて表示された「ゥ」をクリアした後、訂正文字が入力される。訂正文字の入力までのタッチ数は、最初の[CLR]ボタン166による確定操作と、次の[CLR]ボタン166による文字クリア操作の2回である。一方、本第2の実施の形態における訂正文字入力までのタッチ数は、Fn−2キーによる操作の1回である。
このように、母音が同じ文字の訂正に際して、本第2の実施の形態におけるタッチ数は、[CLR]ボタン166による操作手順と比較して、少ないタッチ数で文字が入力され表示させることができる。
次に母音が異なる場合の文字の訂正手順について説明する。カタカナの小文字である「ゥ」がディスプレイ11に表示されるまでの操作手順は、母音が同じ場合と同様である(図16(A)〜図16(D))。カタカナの小文字である「ゥ」が表示された時点でユーザは間違いに気付き、ひらがなの小文字の「ぉ」に訂正させる場合は例えば以下のようになる。すなわち、Fn−1キーにおける母音の「お」に変換させるキー(例えばK13ボタン163)が押下され、カタカナの小文字である「ゥ」がひらがなの「お」に訂正されて、ディスプレイ11に表示される。
このディスプレイ11への訂正された文字の表示について以下説明する。
制御部19は、例えば、表示された文字がFn−2キーにより表示された文字の場合、Fn−1キーが押下されたことを表わす信号を入力すると、各テーブル171〜178の「変換後の文字」(この文字が表示されている)から対応する「ディスプレイ表示文字」を読み出す。そして、制御部19は、「ディスプレイ表示文字」に対応する文字を2タッチ変換テーブル179において探索し、同一の子音においてFn−1キーに対応する母音に対応する文字を読み出す。制御部19は2タッチ変換テーブル179から読み出した文字を訂正後の文字としてディスプレイ11に表示させることができる。
例えば、Fn−2キーにより「3」が表示されているとき、制御部19は、数字変換テーブル172から「変換後の文字」である「3」に対応するディスプレイ表示文字である「さ」を読み出す。そして、制御部19は、2タッチ変換テーブル179から「さ」を探索し、Fn−1キーとして母音の「え」を意味するキー(例えばK12ボタン162)が押下されたときは、同じ子音の「さ」における母音「え」に対応する「せ」を2タッチ変換テーブル179から読み出し、ディスプレイ11に表示させる。
例えば、Fn−2キーにより小文字の「ぇ」が表示されているとき、母音の「お」を意味するキー(例えばK13ボタン163)が押下されると、制御部19は、小文字変換テーブル176の変換後の文字「ぇ」に対応するディスプレイ表示文字「え」を読み出す。そして、制御部19は、2タッチ変換テーブル179から子音「あ」における母音の「お」に対応する「お」を読み出してディスプレイ11に表示させる。
他方、制御部19は、例えば、表示された文字がFn−2キーによる表示されたものではなく、初期入力文字であるひらがな文字が表示されている場合、2タッチ変換テーブル179から対応するひらがな文字を探索する。そして、制御部19は、探索したひらがな文字と同一の子音において、押下されたFn−1キーに対応する母音に対応する文字を2タッチ変換テーブル179から読み出す。制御部19は読み出した文字をディスプレイ11に表示させることで訂正された文字が表示される。
例えば、ひらがなの「く」が表示されているとき、母音の「え」を意味するキー(例えばK12ボタン162)が押下されると、制御部19は2タッチ変換テーブル179から、同一子音の対応する母音の「け」を読み出してディスプレイ11に表示させることができる。
以上により、Fn−1キーによる文字の訂正とディスプレイ11への表示が行われる。例えば、図16(D)に示されるように、カタカナの小文字である「ゥ」が表示されたときに、母音の「お」を意味するFn−1キー(例えばK13ボタン163)が押下されると、ひらがなの「お」が表示される。
次いで、Fn−2キーの小文字変換キーであるK6ボタン156が押下されると、ひらがなの「お」がひらがなの小文字の「ぉ」に変換されてディスプレイ11に表示される(例えば図16(F))。
次いで、Fn−3キーまたはテンキー165が押下されて、表示された小文字の「ぉ」が確定される(例えば図16(G))。
母音が異なる場合でも、誤った文字が表示された後、訂正文字が入力されるまでのタッチ数は、Fn−1キーの操作による1回だけである(例えば図16(D))。一方、従来の操作手順では、最初の[CLR]ボタン166による操作で間違った文字が確定された後、次の[CLR]ボタン166による操作で文字がクリアされるまでの2回である。よって、母音が異なる場合でも、本第2の実施の形態では、[CLR]ボタン166による場合よりも少ないタッチ数で文字を入力し表示させることができる。
なお、上述した訂正手順は一例である。例えば、テンキー165やFn−1キー、Fn−2キーにより入力されてディスプレイ11に表示された文字が本来表示される文字とは異なる場合、本第2の実施の形態では、誤って表示された文字に対して、Fn−1キーまたはFn−2キーが押下される。誤って表示された文字に対して、Fn−1キーまたはFn−2キーが押下されることで、制御部19は、表示文字の母音が変換された文字又は「入力モード」が変換された文字をディスプレイ11に表示させることができる。「入力モード」が変換された文字は、例えば本来表示すべき文字である(例えば図15(A)〜図15(F))。また、表示文字の母音が変換された文字は、例えば本来表示すべき文字の場合もあるし、本来表示すべき文字でない場合はさらにFn−2キーの押下により「入力モード」が変更されることで本来表示すべき文字となる場合もある(例えば図16(A)〜図16(G))。
[動作例]
次に動作例について図17のフローチャートの例で説明する。上述した例と重複した説明となる部分についても簡単に説明することにする。図17のフローチャートは、例えば制御部19で主に行われる処理である。
携帯電話機10は、処理を開始すると(S10)、操作キー15の入力を待ち(S11)、次いでテンキー165が入力された否かを判別する(S12)。テンキー165が入力されたか否かは、例えば制御部19が操作キー15から入力された信号がテンキー165に対応するボタン(例えば[あ]ボタンなど)に対応する信号であればテンキー165が入力されたと判別し、そうでなければテンキー165が入力されないと判別できる。そのため、制御部19は、操作キー15の各ボタンに対応する信号の情報を保持することができる。
テンキー165が入力されたとき(S12でYes)、制御部19はテンキー165により押下された文字をディスプレイ11に表示させる(S13)。例えば、制御部19はテンキー165の各ボタンに対応する信号を操作キー15から入力すると、当該信号に対応する文字を記憶部17から読み出し、読み出した文字をディスプレイ11に出力することで、テンキー165により押下された文字を表示させる。
次いで、制御部19は、入力モードがワンモード入力か否かを判別する(S14)。ワンモード入力は、例えば本処理が開始される前において設定されるものである。図19(A)〜図19(D)は入力方式設定画面の例をそれぞれ表わしている。入力方式設定画面は、かな入力方式と2タッチ入力方式、さらに本第2の実施の形態で説明したワンモード入力方式の3つの方式が選択可能となっている。入力方式設定画面は、操作キー15が適宜押下されてディスプレイ11に表示させることができる。例えば、かな入力方式が設定されているときに(例えば図19(A))、K6ボタン156が押下されると、入力方式のプルダウンメニューが表示される(例えば図19(B))。そして、K2ボタン152又はK4ボタン154が押下されることで入力方式が選択され(例えば、図19(C))、K6ボタン156などが押下されて選択された入力方式が決定する(例えば図19(D))。制御部19は、例えば、押下されたボタンに応じてどの入力方式が選択されたかを表わすフラグ情報を記憶部17に保持する。フラグ情報は、例えば、かな入力方式が選択されたときはFlag=1、2タッチ入力方式が選択されたときはFlag=2、ワンモード入力が選択されたときはFlag=3となる。制御部19は、例えば、Flag=3のとき、記憶部19に記憶される各テーブル171〜179にアクセスして表示文字を読み出すなどの処理を行い、上述したワンモード入力による処理を行う。また、制御部19は、例えば、Flag=1または2のときは、記憶部19に記憶された各テーブル171〜179以外のテーブルにアクセスして表示文字を読み出すなどの処理を行い、かな入力方式や2タッチ方式による処理を行う。
入力モードがワンモード入力か否かは(S14)、例えば、制御部19が記憶部17に記憶されたフラグ情報を読み出し、ワンモード入力に対応するフラグ情報が記憶されているとき、ワンモード入力であると判別し、そうでないときワンモード入力でないと判別できる。
図17に戻り、入力モードがワンモード入力のとき(S14でYes)、制御部19は操作キー15の入力待ちの状態となり(S15)、操作キー15の各ボタンに対応する信号を入力すると次処理へ移行し、テンキー165が入力されたか否かを判別する(S16)。
ここでテンキー165が入力された否かを判別しているのは、すでにディスプレイ11に表示された文字が確定されるか否かを判別するためである。例えば、図5(A)の例において、表示文字を確定させるとき、[確定]キー以外に、テンキー165入力により確定させるようにしたが、本処理(S16)ではこの文字確定のためのテンキー165が押下されたか否かを判別している。
例えば、制御部19は、テンキー165の各ボタンに対応する信号を入力したときテンキー165が入力されたと判別し、当該信号を入力しないときテンキー165が入力されていないと判別できる。
テンキー165が入力されたとき(S16でYes)、制御部19は表示文字を確定させる(S17)。確定させる表示文字は、例えば、S12の処理により入力された文字か、直前のループ(S16でYesからS17、S18を経由してS15に移行するループ)におけるS16で入力された文字である。制御部19は、例えば、テンキー165の各ボタンに対応する信号を入力したとき、ディスプレイ11に表示されたプロンプトを次文字に移動させたり、ディスプレイ11に表示された白黒反転された文字を白背景の黒文字に変換するなどすることで、表示文字が確定されたことを表わす表示を行う。
次いで、制御部19は、押下された文字をティスプレイ11に表示させる(S18)。この場合の表示させる文字は、例えば、同一ループ内のテンキー165入力(S16でYes)により入力された文字である。制御部19は、例えば、記憶部17に記憶されたテーブルから、入力されたテンキー165のボタンに対応する表示文字を読み出して表示させる。そして、処理はS15の処理に移行する。
一方、テンキー165が入力されないとき(S16でNo)、制御部19はFn−3キーが押下されたか否かを判別する(S19)。制御部19は、例えば、[確定]キーが入力されたか否かを判別することで、テンキー165入力(S12またはS16でYes)により表示された文字を確定させるか否かを判別している。制御部19は、例えば、[確定]キー(例えばK14ボタン164)に対応する信号を入力したとき、Fn−3キーが押下されたと判別し、当該信号を入力しないとき、Fn−3キーが押下されないと判別できる。
Fn−3キーが押下されたとき(S19でYes)、制御部19は表示文字を確定させる(S24)。確定させる文字は、例えば、テンキー165入力(例えばS12またはS16でYes)により入力され、表示された文字である。制御部19は、例えば、プロンプトを次文字に移動させたり、白黒反転された文字を白背景の黒文字に変換するなどすることで、表示文字を確定させる。次いで、処理はS11に移行し、制御部19は上述した処理を繰り返す。
一方、Fn−3キーが押下されないとき(S19でNo)、制御部19はFn−1キーが押下されたか否かを判別する(S20)。制御部19は、本処理により、例えばワンモード入力における2タッチ入力に対応する操作キー(例えば、K9ボタン159〜K13ボタン163)が押下されたか否かを判別することで、表示文字に対して母音の変換または訂正が行われた否かを判別している(例えば、図13、図15(A)〜図15(B)、図16(D)〜図16(E))。制御部19は、Fn−1キー(例えば、K9ボタン159〜S13ボタン163)の各ボタンに対応する信号が入力されたときは、Fn−1キーが押下されたと判別し、当該信号が入力されないときはFn−1が押下されないと判別する。
Fn−1キーが押下されたとき(S20でYes)、表示文字に対応する変換後の文字をFn−1キーに割り当てられた対象の2タッチ変換テーブル179から読み出して、ディスプレイ11に表示させる(S21)。制御部19は、例えば、2タッチ変換テーブル179から対応する文字を読み出してディスプレイ11に表示させることで本処理が行われる。
一方、Fn−1キーが押下されないとき(S20でNo)、制御部19はS21の処理を行うことなくS22の処理を行う。
制御部19は、Fn−1キーが押下されないか(S20でNo)、又はFn−1キーの押下によりディスプレイ11への表示が終了すると(S21)、Fn−2キーが押下されたか否かを判別する(S22)。制御部19は、Fn−2キーが押下されたか否かを判別することで、例えば、ワンモード入力の「入力モード」による変換または訂正が行われたか否かを判別している。制御部19は、例えば、Fn−2キー(例えば、K1ボタン151〜K8ボタン158)のボタンに対応する信号を入力したとき、Fn−2キーが押下されたと判別し、当該信号を入力しないときFn−2キーが押下されていないと判別できる。
Fn−2キーが押下されたとき(S22でYes)、制御部19は表示文字に対応する変換後の文字を、Fn−2キーの各ボタンに割り当てられたテーブル171〜178から読み出して、ディスプレイ11に表示させる(図18のS23)。そして、処理はS11に移行して上述の処理を繰り返す。
一方、Fn−2キーが押下されないとき(S22でNo)、操作キー15の入力待ちの状態(S15)へ移行する。
また、テンキー165が入力されないとき(S12でNo)、制御部19は、従来の文字入力の動作を行う(S30)。例えば、絵文字の入力などの場合は、制御部19は、従来の文字入力の動作が行われる。
そして、文字入力が終了したとき(S31でYes)、制御部19は一連の処理を終了し(S32)、文字入力が終了しないとき(S31でNo)、操作キー15の入力待ちの状態(S11)に移行する。
<第3の実施の形態>
次に第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では初期入力文字は「ひらがな」として説明した。これは、例えば、日本国内で日本人が携帯電話機を使用するとき、初期入力文字として「ひらがな」を利用することがほとんどであると考えられるからである。これに対して、本第3の実施の形態は、初期入力文字が小文字の英字の場合の例である。この場合、初期に表示される文字が、小文字の英字として表示されるだけであって、Fn−2キーが押下されることでワンモード入力の「入力モード」として表示文字がカタカナに変換されたり、数字に変換されることができる。また、Fn−1キーが押下されることでワンモード入力の2タッチ入力として、表示文字の母音が変換されたりすることができる。
図20は、例えば記憶部17に記憶される英字(小文字)文字変換テーブル180の例を表わす図である。例えば、初期入力文字である英字の「/」はひらがな文字の「う」に対応し、初期入力文字である英字の「m」はひらがな文字の「は」に対応する。
例えば、ディスプレイ11において初期入力文字として表示される英字が「/」のとき、[カナ]入力の操作キー(例えばK1ボタン151)が押下されると、カタカナの「ウ」がディスプレイ11に表示される。制御部19は、例えば、英字(小文字)文字変換テーブル180から表示された英字に対応するひらがな文字を読み出す。そして、制御部19は、カナ変換テーブル171から読みだしたひらがな文字(「ディスプレイ表示文字」)に対応するカタカナを読み出してディスプレイ11に表示させることができる。このように制御部19は、英字(小文字)文字変換テーブル180とカナ変換テーブル171とから表示文字に対応する変換後の文字をディスプレイ11に表示させることができる。
制御部19は、例えば、他の入力モードについても同様に表示させることができる。例えば、[数字]入力の操作キー(例えばK2ボタン152)が押下されると、制御部19は、英字(小文字)文字変換テーブル180から表示された英字に対応するひらがな文字を読み出す。そして、制御部19は、数字変換テーブル172からひらがな文字(「ディスプレイ表示文字」)に対応する数字を読み出す。
[英字]入力、[濁音]入力、[半濁音]入力、[小文字]入力、[他文字(カナ)小文字]入力による変換ついても、制御部19は、例えば、それぞれ各テーブル173〜177と英字(小文字)文字変換テーブル180から対応する文字を読み出し表示させることができる。
なお、初期入力文字が小文字の英字の場合、ひらがな変換キーとして、K8ボタン158が割り当てられる。本第3の実施の形態では、第2の実施の形態における[他文字(英字)小文字]入力の機能がなく、例えば、K8ボタン158が押下されても、英字の小文字に変換されるわけではなく、ひらがな文字に変換される。本第3の実施の形態では、記憶部17には、他文字(英字)小文字変換テーブル178に代わり、他文字(漢字/ひらがな)変換テーブル181が記憶される。図21は他文字(漢字/ひらがな)変換テーブル181の例を表わす図である。例えば、制御部19は、ディスプレイ11に表示された小文字の英字に対して、K8ボタン158が押下された場合、表示文字に対応する変換後の文字を他文字(漢字/ひらがな)変換テーブル181から読み出してディスプレイ11に表示させることができる。ひらがな変換の場合では、英字(小文字)文字変換テーブル180が用いられず、他文字(漢字/ひらがな)変換テーブル181が用いられる。
次に、初期入力文字が小文字の英字の場合において、ワンモード入力の2タッチ入力の例について説明する。図22は、記憶部17に記憶された英字2タッチ文字変換テーブル182の例を表わす図である。本第3の実施の形態におけるワンモード入力の2タッチ入力は、例えばこの英字2タッチ文字変換テーブル182が用いられる。例えば、[さ]ボタンが1回押下されるとディスプレイ11には「d」が表示される。そして、母音の「う」を意味するキー(例えばK11ボタン161)が押下されると、ディスプレイ11には「f」が表示され、母音の「お」を意味するキー(例えばK13ボタン163)が押下されると「e」が表示される。例えば、制御部19は、押下されたテンキー165により表示された小文字の英字と、Fn−1キー操作に対応する母音とを英字2タッチ文字変換テーブル182から読み出して、ディスプレイ11に表示させることができる。
初期入力文字が英字の小文字の場合でも、最初に表示される文字が英字の小文字であって、本第3の実施の形態における本携帯電話機10も、図15(A)〜図18に表わされる操作や動作など行うことができる。従って、本第3の実施の形態においても、訂正文字の入力までのタッチ数は、Fn−2キー又はFn−1キーによる操作の1回であり、従来の[CLR]ボタンの2回操作による場合と比較して、少ないタッチ数で文字を入力することができる。
[第4の実施の形態]
次に第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、操作キー15がタッチパネル方式の場合の例である。例えば、携帯電話機10として多機能携帯電話機や電子書籍を表示することのできる端末などが該当する。図23は第4の実施の形態における携帯電話機10の構成例、図24はタッチパネル部150に表示される画面の例、図25(A)及び図25(B)はタッチパネルの動作例、図26及び図27は記憶部17に保持されたテーブルの例をそれぞれ表わしている。
本第4の実施の形態における携帯電話機10は、更に、タッチパネル部150と電圧・アナログ値変換部190を備える。タッチパネル部150は、例えば、抵抗膜方式によるタッチパネルであって、例えば図24に表わされるように操作キー15に対応する表示が液晶画面として表示される。
タッチパネル部150は、図25(A)及び図25(B)に表わされるように、フィルム150−1と、第1の透明導電膜(例えば金属薄膜)150−2と、第2の透明導電膜150−3と、ガラス150−4と、ドットスペーサ(または絶縁体)150−5とを備える。例えば、第1の透明導電膜150−2は電極に接続されて一定電圧がかけられており、ユーザがタッチパネル部150を押下すると、第1の透明導電膜150−2が第2の透明導電膜150−3に接触し、第2の透明導電膜150−3において位置に応じた電圧が発生する。図25(B)の例では、第2の透明導電膜150−3の縦横の位置(F,3)に応じた電圧が発生する。例えば、位置(F,3)と異なる位置が押下されたときは、位置(F,3)に応じた電圧とは異なる電圧が発生する。位置(F,3)において複数回押下されたときは、例えば、位置(F,3)に応じた電圧が複数回発生する。
当該電圧は、電圧・アナログ値変換部190に出力され、電圧・アナログ値変換部190は、入力電圧をアナログ値に変換して制御部19に出力する。制御部19は、アナログ値に対して、対比テーブル185から縦横マトリックス値を読み出し、さらに対比テーブル185から入力内容を獲得する。
図26は対比テーブル185の例を表わす図である。対比テーブル185は例えば記憶部17に記憶される。対比テーブル185における「入力内容」は、例えば、第2の実施の形態における操作キー15に割り当てられた機能と同一である。テンキー165に対応する入力内容もあるし、ワンモード入力の「入力モード」に対応する入力内容(「カナ」入力、「数字」入力、「英字」入力、「濁音」入力、「半濁音」入力、「小文字」入力、「他文字(カナ)小文字」入力、「他文字(英字)小文字」入力)もある。さらに、母音を意味する入力内容(母音「あ」、母音「い」、母音「う」、母音「え」、母音「お」)もあり、[確定]キーに対応する入力内容(確定ボタン)もある。
図27は、記憶部17に記憶されたタッチパネル方式におけるカナ変換テーブル186の例を表わす図である。タッチパネル方式のカナ変換テーブル186には、制御部19により対比テーブル185から獲得された縦横マトリックス値と、押下回数(又はタッチ回数)とがさらに記憶される。タッチパネル部150において同一位置が複数回押下されたとき、制御部19は、押下された回数分のアナログ値を電圧・アナログ値変換部190から入力する。そのため、制御部19は、例えば、この回数を押下回数としてカナ変換テーブル186から対応するカタカナを読み出すことができる。なお、この押下回数は、第2及び第3の実施の形態における各テーブル171〜182に含まれても良い。
例えば、図27のカナ変換テーブル186に表わされるように、ディスプレイ表示文字から変換後の文字への変換については、タッチパネル部150においてK1ボタン151が押下されることにより行われる。第2及び第3の実施の形態では操作キー15が押下されることで文字の変換などが行われたが、本第4の実施の形態では、タッチパネル部150における各ボタンに対応する位置または領域が押下されることで文字の変換が行われる。制御部19は、例えば、縦横マトリクス値により、タッチパネル部150においてどのボタンが押下されたかを確認することができる。その後のワンモード入力における「入力モード」や、ワンモード入力における「2タッチ方式」などは第2及び第3の実施の形態と同様に実施することができる。
本第4の実施の形態における携帯電話機10も、図15(A)〜図18に表わされる操作や動作など行うことができる。従って、本第4の実施の形態においても、訂正文字の入力までのタッチ数は、Fn−2キー又はFn−1キーの押下に対応するタッチ操作の1回であり、従来の[CLR]ボタンの2回操作による場合と比較して、少ないタッチ数で文字を入力することができる。
<その他の実施の形態>
次にその他の実施の形態について説明する。第2及び第3の実施の形態において、Fn−2キーとして、[カナ]入力用の操作ボタンはK1ボタン151、[数字]入力用の操作ボタンはK2ボタン152、[英字]入力用の操作ボタンはK3ボタン153、[濁音]入力用の操作ボタンはK4ボタン154を例にして説明した。さらに、[半濁音]入力用の操作ボタンはK5ボタン155、[小文字]入力用の操作ボタンはK6ボタン156、[他文字(カナ)小文字]入力用の操作ボタンはK7ボタン157、[他文字(英字)小文字]入力用の操作ボタンはK8ボタン158を例にして説明した。また、Fn−1キーとして、母音の[あ]を意味するキーはK9ボタン159、母音の[い]を意味するキーはK10ボタン160、母音の[う]を意味するキーはK11ボタン161として説明した。さらに、母音の[え]を意味するキーはK12ボタン162、母音の[お]を意味するキーはK13ボタン163として説明した。
例えば、Fn−2キーとFn−1キーに対応する操作ボタンの割り当ては一例であって、テンキー165と電源ボタン(例えばK14ボタン164)以外であって、Fn−2キーとFn−1キーの各ボタンが互いに重複しなければどのような操作ボタンに割り当てられてもよい。
例えば、[カナ]入力用の操作ボタンはK2ボタン152、[数字]入力用の操作ボタンはK3ボタン153などと割り当てることもできる。また、母音の[あ]を意味するキーはK13ボタン163、母音の[い]を意味するキーはK10ボタン160などとすることもできる。
さらに、これらの割り当てに関して、例えば、K1ボタン151を長押しすることによって、[カナ]入力用の操作ボタンから、[数字]入力用の操作ボタンとしてその機能をサイクリックに変更することもできる。変更後は、K2ボタン152が[数字]入力用の操作ボタン、K3ボタン153が[英字]入力用の操作ボタンなど、順次その機能が繰り上げられてボタンに対する割り当てが行われる。順次繰り下がるように割り当てが変更されてもよい。さらに、長押しすると、さらに順次その機能が繰り上げられて割り当てが行われるようになされてもよい。Fn−2キーの長押しのみならず、Fn−1キーの長押しでも各ボタンに割り当てられた機能が順次繰り上げるようにしたり、繰り下げるようにすることもできる。
例えば、制御部19は操作キー15の各ボタンに対応する信号を連続して一定期間入力したとき、当該ボタンに対応する機能を[数字]入力用から[英字]入力に順次繰り上げるように割り当てを変更し、変更した割り当てに応じて参照するテーブル171〜182を変更する。また、制御部19は、Fn−1キーが押下されたことを表わす信号を連続して一定期間入力したとき、割り当てを順次繰り上げて又は繰り下げてその機能を変更し、その割り当てを例えば記憶部19に保持し、以降は記憶部19に保持した割り当て情報から処理を行う。これにより、例えば、制御部19は割り当て変更後の操作ボタンに対応する文字をディスプレイ11に表示させることができる。
次に携帯電話機10の他の構成例について説明する。図18(A)は操作キー15を備える携帯電話機10の構成例、図18(B)はタッチパネル部150を備える携帯電話機10の構成例をそれぞれ表わしている。いずれの携帯電話機10も、さらに、CPU195とRAM196とを備える。CPU195は、例えば、第2から第4の実施の形態における制御部19に対応する。また、RAM196は、例えば第2から第4の実施の形態における記憶部17に対応する。
CPU195は、例えば、操作キー15の各ボタンに対応する信号を入力するとRAM196に記憶された各テーブル171〜182から対応する変換後の文字を読み出してディスプレイ11に表示させることができる。また、CPU195は、例えば、タッチパネル部150から操作位置に対応する電圧に対応するアナログ値とその入力回数、及び表示文字とから、対応する変換後の文字をRAM196に記憶された各テーブル171〜182から読み出してディスプレイ11に表示させることができる。