JP2012247990A - 交通信号制御機の信号制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連動親機と連動子機とを備えて構成される信号機システムにおいて連動異常が発生した場合であっても、交通流の悪化を低減することができる技術を提供する。
【解決手段】連動親機101は、連動親機101のサイクル終了時に作成するサイクル情報を、自身の親機側履歴ログに記録するとともに、連動子機102に送信する。連動子機102は、連動親機101から送られてきたサイクル情報を子機読替部114の子機側履歴ログに格納する。子機側履歴ログは、例えば最長1週間分保存可能であり、1週間以上経過後に上書きされる。連動子機102は、連動異常を検出した場合、子機読替部114の履歴ログから、同じ曜日の同じ時刻のデータを読み出し、自走用のパターンとして適用する。
【選択図】図7

Description

本発明は、交通信号制御機の信号制御方法に係り、特に連動親機と連動子機によって構成される交通信号制御機の信号制御方法に関する。
図1に示すような第1の交差点C1と第2の交差点C2において、両交差点の信号灯器を連動して制御する交通信号制御機1が知られている。図2に交通信号制御機1の構成を示す。図示のように、この交通信号制御機1は、第1の交差点C1に配置され、第1の交差点C1の信号灯器1a〜1dと、第2の交差点C2の信号灯器1e〜1hの点灯を制御する。図3は、外線端子部5と信号灯器1a〜1hの信号線の配置を示している。
交通信号制御機1では、制御部2が点灯順序や点灯時間等を記憶しており、灯器開閉部4が制御部2から指令された点灯信号に対応する開閉素子を制御して電源部3から入力された点灯用電力を外線端子部5に出力することで、信号灯器1a〜1hの点灯状態を制御している。この交通信号制御機1では、信号灯器1a〜1h毎及び灯色毎にケーブルによる配線が行われている。つまり、第1の交差点C1と第2の交差点C2が比較的近いことから、第1の交差点C1だけでなく第2の交差点C2の信号灯器1e〜1hへも直接ケーブルによる配線がなされている。
また、交通信号制御機1は、交通管制センター13から伝送部6を介して専用回線等により接続されており、この接続により交通信号制御機1の制御及び動作状態の管理が交通管制センター13で行われている。
図6に示すように、第1の交差点C1と第2の交差点C2との距離が遠い場合には、図4に示す交通信号制御機10が設置され、交通流が制御される。この交通信号制御機10は、第1の交差点C1に設置される連動親機11と、第2の交差点C2に設置される連動子機12とから構成され、それらは連動線18によって連動可能に接続されている。また、連動親機11及び連動子機12は、独立した制御部2、2aや灯器開閉部4等を備えている。図5(a)に示すように、第1の交差点C1の信号灯器1a〜1dは、連動親機11の灯器開閉部4(親機外線端子部5a)に接続される。また、図5(b)に示すように、第2の交差点C2の信号灯器1e〜1hは、連動子機12の灯器開閉部4(子機外線端子部5b)に接続される。そして、連動子機12は連動親機11からの信号をもとにして連動親機11の動作に同期をとることによって、交通流が円滑に制御されることになる。
また、上記のような同期制御される交通信号制御機における、同期異常に対する対策技術として様々な技術が導入されている。例えば、太陽光パネル等の独立電源を備えた信号機システムがある(特許文献1参照)。この信号機システムでは、独立電源と商用電源との切り替えを制御するための制御装置と、独立電源の電圧等を測定するための独立電源状態測定部と、灯器の電圧値や電流値を測定するための灯器状態測定部とが備えられている。さらに、交通信号機を遠隔監視及び遠隔制御するための管理装置が遠方に設置され、交通信号機と管理装置とが電気通信回線を介して接続されて、独立電源状態測定部及び灯器状態測定部の各測定値が管理装置に配信されるようにしている。そして、灯器状態測定部の測定値から、交通信号機に設置されている灯器の劣化、不良等の状態を常時遠隔で監視可能としている。
特開2007−299201号公報
ところで、連動親機と連動子機との間の同期制御が、通信の不具合や機器の故障などの原因によって不調となり、いわゆる連動異常となることがある。特に、連動親機と連動子機との間の通信が無線で行われる様な場合、通信環境によっては一時的に通信品位が低下し、同期制御に不適切な状態になるおそれもある。当然、そのような状態に対する対策がなされているが、その場合、一般に、青に変わるタイミング等の所定の同期点で、タイムアウト秒数分だけ同期信号が来るまで待ち合わせる。そして連動異常となると、安全サイドに寄った予め定められた点灯制御に移行する。上述のように近年の交通信号システムでは、インテリジェント化が進み、交通量に応じて信号表示が一巡するのに要する時間(サイクル長)や、サイクル長に対する青時間の比率(スプリット)、隣接信号間での青信号開始時刻の差(オフセット)を可変に制御している。この場合、連動異常が発生しサイクル長等の可変制御が出来なくなると、交通流の悪化が大きくなってしまうことも想定され、対策が求められていた。
本発明は、以上のような状況に鑑みなされたものであって、上記課題を解決する技術を提供することにある。
本発明は、連動親機と連動子機とを備え、連動制御を行う交通信号制御機の信号制御方法であって、前記連動親機が、前記連動親機による制御対象である灯器の表示制御中のステップ番号を前記連動子機に送信するステップ番号送信工程と、前記連動子機が、前記ステップ番号を取得し、前記ステップ番号をもとに、前記連動子機による制御対象である灯器の灯色を切り替える子機灯色制御工程と、前記連動親機が、前記灯器の表示制御の1サイクルが終了したときに、サイクル開始時刻及び各ステップの秒数及びオフセット値とを含むサイクル情報を前記連動子機に送信するサイクル情報送信工程と、前記連動子機が、前記連動親機から取得した前記サイクル情報を記録するサイクル情報記録工程と、前記連動制御に連動異常が発生したときに、前記連動子機が、記録されている前記サイクル情報をもとに、前記連動子機の制御対象である灯器の表示制御を行う連動異常時子機表示制御工程と、を備える。
また、前記サイクル情報送信工程は、前記連動子機に送信した前記サイクル情報を記録する工程を含み、連動異常が発生したときに、前記連動親機が、前記サイクル情報をもとに、前記連動親機の制御対象である灯器の表示制御を行う連動異常時親機表示制御工程を備えてもよい。
以上、本発明によると、連動親機と連動子機とを備えて構成される交通信号制御機において連動異常が発生した場合であっても、交通流の悪化を低減することができる技術を提供することができる。
従来技術に係る、交差点における交通信号制御機の配置を示した図である。 従来技術に係る、交通信号制御機の構成を示した図である。 従来技術に係る、信号灯器と灯器開閉部との配線状態を示した図である。 従来技術に係る、同期制御を行う交通信号制御機の構成を示した図である。 従来技術に係る、信号灯器と灯器開閉部との配線状態を示した図である。 従来技術に係る、交差点における連動親機と連動子機の配置を示した図である。 実施形態に係る、交通信号制御機の構成を示す図である。 実施形態に係る、連動親機の動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る、連動子機の動作を示すフローチャートである。 実施形態の変形例に係る、交通信号制御機の構成を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
図7は、本実施形態に係る交通信号制御機100の構成を示す図であり、連動親機101と連動子機102とを備えて構成されている。この連動親機101と連動子機102は、それぞれ図6で示した第1の交差点C1の連動親機11及び第2の交差点C2の連動子機12の位置に設置される。そして、連動親機101と連動子機102とは、同期をとって制御されることで、円滑な交通流が実現される。ここでは、従来技術で示した同期用の連動線18は省かれている。また、同一構成部分には同一の符号を付して一部説明を略している。
連動親機101は、制御部112と、電源部3と、灯器開閉部4と、親機外線端子部5aと、伝送部6と、I/F部7とを備え、第1の交差点C1の信号灯器1a〜1dを制御する。
電源部3は、商用電源を用いて連動親機101の各構成要素の電力を供給する。伝送部6は、通信線19に接続され、連動子機102や交通管制センター13とIP(Internet Protocol)に基づく通信を行う。I/F部7は、親機外線端子部5aを介して感知器や押ボタン等に接続され、感知器や押ボタンからの信号を取得して制御部112に出力する。
親機外線端子部5aは、外部の装置(商用電源、信号灯器1a〜1d、感知器等)との接続端子である。
制御部112は、信号灯器1a〜1dの各灯器の点灯順序や点灯時間等を記憶し、灯器開閉部4へ制御信号を出力する。
また、制御部112は、親機読替部113を備える。親機読替部113は、連動親機101の灯色情報を、灯色の切り替わりタイミングで、連動子機102(子機読替部114)へ送信する。また、親機読替部113は、図8で後述するフローチャートの処理を行うことで、連動子機102の異常状態の発生を監視する。連動親機101と連動子機102における連動異常の発生条件と復旧条件は次の通りである。
1.連動異常発生条件:
連動親機101・・・連動子機102から連動異常の受信時又は連動子機102との通信異常発生時
連動子機102・・・連動親機101との通信異常発生時
2.連動異常復旧条件:
連動親機101・・・連動子機102から連動異常が返送されなくなった時点
連動子機102・・・連動親機101との通信異常復旧後、連動親機101との同期確立時点
連動子機102は、子機読替部114と、電源部3と、灯器開閉部4と、子機外線端子部5bと、伝送部6と、I/F部7とを備える。連動子機102の電源部3、灯器開閉部4、伝送部6は、連動親機101に備わる各装置と同様の機能を有する。また、子機外線端子部5bも親機外線端子部5aと同様の機能を有する。
子機読替部114は、親機読替部113からの灯色情報を受信及び監視し、連動子機102の灯色の切替自走した場合、親機読替部113に連動異常の送信を行う。
以上の構成による交通信号制御機100の動作について、図8の連動親機101の処理フロー及び図9の連動子機102の処理フローに基づき説明する。
連動親機101の親機読替部113は、自身の灯色情報を取得し(S11)、連動子機102との通信が確立されているか否かを判断する(S12)。連動子機102との通信が確立されている場合(S12のY)、連動異常からの復旧直後であれば、連動子機異常復旧処理を行い(S13)、つぎに、連動子機異常復旧処理の有無に拘わらず連動子機102に灯色情報(ステップ番号)を出力する(S14)。このとき、親機読替部113は、連動子機102に対して灯色情報の出力に対する返答要求も行う。連動子機102との通信が確立されていない場合(S12のN)や連動子機102側の子機読替部114から連動異常信号を受信した場合(S15のY)、連動子機異常処理を行う(S16)。S15の処理において、連動異常の返信がない場合(S15のN)、S11の処理に戻る。
連動子機102では、子機読替部114が連動親機101との通信が確立できたか否かを判断する(S21)。確立できた場合(S21のY)、子機読替部114は、親機読替部113からの灯色情報(ステップ番号)を取得し(S22のY)、復旧直後であれば連動異常復旧処理を行い(S23)、つづいて、連動異常復旧処理の有無に拘わらず、ステップ番号と灯色の読替処理を行う(S24)。そして、取得した灯色情報に応じて灯色を替える子機灯色制御工程がなされる(S25)。
例えば、連動親機101から取得した信号灯器1a、1bの灯色情報が「赤」であれば、連動子機102は、信号灯器1e、1fの灯色を「赤」に制御する。また、連動親機101の灯色が「青」であれば、連動子機102に送る信号は「青」となる。このように、予め決められた法則を連動子機102が保持し、連動親機101の灯色が切り替わると、それに従い連動子機102も切り替わる制御を行う。なお、本実施形態では、灯色情報として、ステップ番号を用いる。例えば、ステップ番号「1」には灯色「青」、ステップ番号「2」には灯色「黄」などのように、灯色が関連づけられている。なお、灯色情報に関連づけられたステップ番号を連動親機101から連動子機102へ送信する処理を、ステップ番号送信工程という。
親機読替部113から灯色情報(ステップ番号)を受信した連動子機102(子機読替部114)は、連動親機101の灯色に応じて連動子機102の灯色切替のタイミングを図る。つまり、連動子機102がいつ「青」から「黄」になるかのタイミングを図る。
連動子機102の子機読替部114は、連動親機101から灯色情報を受信した場合は、その灯色を連動子機102に出力する子機灯色制御工程を実行する(S24、S25)。通信の確立が出来ない場合やステップ番号の受信ができなかった場合は(S21のN、S22のN)、連動子機102は子機連動異常処理を行い(S26)、その子機連動異常処理にもとづいた自身の点灯制御を行う(S27)。その後、連動親機101との通信の復旧を監視する(S28)。確立出来た場合(S28のY)、連動子機102は連動異常である旨を送信し(S29)、S21の処理に戻る。また、確立出来ない場合(S28のN)、すぐにS21の処理に戻る。
子機連動異常表示制御に関して具体的には、予め連動子機102に設定された、青・黄・赤のステップ秒数の設定を保持することで、連動親機101との通信が途絶えた場合に、交通信号制御機100の制御ができなくなることを防止することができる。また、後述する履歴ログが使用できる場合は、後述するように履歴ログにもとづいた表示制御がなされる。
つぎに、連動親機101と連動子機102の間の通信異常時の動作連動に着目して説明する。
連動親機101は、連動子機102との通信が確立していないことを検出し、また、連動子機102からの連動異常信号を受信し、「連動異常」を親機側履歴ログに格納する。親機側履歴ログは、親機読替部113に備わり、連動異常時のみでなく、正常に連動している期間のサイクル情報も逐次記録する。サイクル情報に含まれる具体的な内容は、「サイクル開始時刻」「各ステップの秒数」「オフセット値」である。なお、他のデータが含まれてもよい。また、親機側履歴ログは、後日運用情報の収集のために必要とされるデータであり、異常検出するために記録されるものではないが、当然に異常検出に利用されても良い。
連動子機102では、子機読替部114が通信異常を検出し、予め設定されたステップ秒数にしたがって、灯色を変更する。また、子機読替部114は、連動親機101との通信が確立している場合、連動親機101に対して、「連動異常」を送信する。さらに、子機読替部114は、子機側履歴ログを備え、サイクル情報記録工程として、連動親機101から取得したサイクル情報を格納する。
つづいて、連動親機101の連動異常復旧時(S13)の動作について説明する。連動子機102との通信が確立され、連動子機102からの連動異常信号が受信されなくなった時点で、連動親機101は、「連動異常復旧」を親機側履歴ログに格納する。
連動子機102では、通信異常復旧を検出し、予め設定されたステップまで自走した後、連動親機101の灯色情報に従って、その灯色を連動子機102に出力する。異常が復旧したときの連動親機101と連動子機102の灯色の違いをいずれかのタイミングで吸収させないと、ズレが残存したままとなる。ズレの吸収を青開始ステップなどの長い秒数のステップで行う必要があることから、予め設定されたステップまで自走させる。一般に、長いステップ(青など)の秒数が数十秒長くなってもあまり目立つことは少ない、反面、短いステップ(黄・赤など)の秒数が数十秒長くなると目立ってしまう。そこで、長いステップのタイミングが選択される。
連動親機101と連動子機102間でやり取りするデータと、関連する処理を説明する。
親機読替部113の親機側履歴ログには、連動親機101のサイクル情報が格納される。また、子機読替部114の子機側履歴ログには、連動親機101から取得したサイクル情報が格納される。近年では交通流を円滑にすべく、従来のように決まったパターン(時間)で灯色の切替制御がなされるのではなく、交通量等を反映させて、サイクルが可変に制御されている。そこで、サイクルの履歴をサイクル情報として蓄積し、連動異常が発生したときに、履歴ログから現在時刻に適用するに適したパターンを読み取り自走させる。より具体的には、曜日、時間、天候、事故などの特殊要因の有無等を履歴ログに含めて記録し、連動異常時に、現在の時刻及び環境(天候・事故の有無)に最も近いパターンを抽出して、その抽出したパターンで自走する。または、例えば直近30分の履歴の平均的なパターンで自走する。
つぎに、連動子機102の連動異常復旧時(S23)の動作について説明する。従来は、同期点で待ち合わせる。その為、同期点の秒数が長くなってしまうという課題があった。そこで、本実施形態では、同期ずれ秒数を各スプリットの可変ステップで増減させる。
連動親機101と連動子機102との間で送受信するデータは、「ステップ番号」と「サイクル情報」である。
連動親機101は、制御部112が指令中のステップ番号を読み取り、連動子機102に送信する。連動子機102は、連動親機101から送られてきたステップ番号をもとに、連動子機102の灯色を切り替える。
連動親機101は、連動親機101のサイクル終了時に作成するサイクル情報を、自身の親機側履歴ログに記録するとともに、連動子機102に送信する。
連動子機102は、連動親機101から送られてきたサイクル情報を子機読替部114の子機側履歴ログに格納する。子機側履歴ログは、例えば最長1週間分保存可能であり、1週間以上経過後に上書きされる。
連動子機102は、連動異常を検出した場合、子機読替部114の履歴ログから、同じ曜日の同じ時刻のデータを読み出し、自走用のパターンとして適用する。データが存在しない場合は、所定の自走用の設定秒数とする。なお、履歴ログの記録容量によっては、保存期間を例えば1ヶ月や1年とすることも可能である。その場合、自走用パターンとして読み出すデータとして、サイクル情報の平均値を採用することもできる。また、履歴ログのデータを学習させた結果が反映されても良い。学習手法としては公知の技術を用いることができる。例えば、交通量が少ない夜間に、親機読替部113や子機読替部114が、履歴ログの前日以前のデータを用いた学習データから当日のデータを推定させ評価し、誤差を反映させる処理を行ってもよい。また、サイクル情報に、天候や周辺の事故情報等を盛り込ませた場合、自走用パターンとして、現在の交通状況に最も近似するパターンを適用することができる。
連動子機102は、連動異常復旧時、自装置のサイクルカウンタと親機のステップ番号を読み取り、同期点の差分を算出する。この差分(秒数)を解消すべく、予め設定された一定の変動秒数をプラス(マイナス)した秒数で数サイクル運用し、連動親機101と同期をさせる。連動親機101と同期した時点で連動異常復旧とする。なお、同期が取れていない場合は、連動子機102は連動親機101に連動異常を返送しつづける。
なお、連動親機101は、連動子機102との通信の異常等により連動異常が発生していることを把握することができるので、連動子機102において連動異常子機表示制御を行っていると想定される場合には、親機側履歴ログにもとづいて、連動異常親機表示制御を行ってもよい。つまり、親機側履歴ログと子機側履歴ログには同様のサイクル情報が記録されているので、連動子機102の自走用パターンの抽出ロジックが同じであれば、連動親機101で抽出するパターンは、連動子機102の自走用パターンに対応したものと同じか近似したものとなる。したがって、同期のズレを最小又はゼロにすることも可能となる。
以上、本実施形態によると、次の同期点までの間に、できるだけズレをなくすために、各スプリットの可変ステップを増減させることができる。その結果、連動異常が発生した場合でも、交通流の悪化を低減することができる。特に、近年のようにインテリジェント化が進み、周囲の交通状況に応じて連動制御が行われている交通インフラでは、固定のスプリットに置き換わって制御された場合、第1の交差点C1や第2の交差点C2において捌き残りが発生するおそれがあった。しかし、本実施形態によると、そのような捌き残りの発生は回避すること、又は発生しても少なくすることができる。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
図10は、変形例に係る交通信号制御機200の構成を示した図である。この交通信号制御機200では、図7の交通信号制御機100の構成と比較して、連動子機202の構成、特に、映像撮影部(画像感知器)222を備える点で異なる。
映像撮影部222は、連動親機101の信号灯器1a〜1dを撮影する。撮影結果は、子機外線端子部5bを介して子機読替部114に伝送される。子機読替部114は、撮影結果から、連動親機101の灯色情報を特定する。灯色情報の特定には、灯色自体を取得することで行ってもよいし、連動親機101の信号灯器1a〜1dの点灯箇所を検知することで行ってもよい。また、両方の手法を組み合わせることで高い精度の検知を行えるようにしてもよい。
そして、子機読替部114は、映像撮影部222から得た灯色情報を、連動子機102の自走用パターンの一つとして反映させる。また、灯色情報は、すでに用意されている自走用パターンを補正するパラメータとして使用されてもよい。
また、映像撮影部222を第2の交差点C2に到着する交通流を感知するために使用してもよい。つまり、子機読替部114は、映像撮影部222が撮影した映像に含まれる車両を検出し、交通流の滞留状態を判断する。車両検知処理については、公知の技術を用いることで実現できる。そして、子機読替部114は、滞留台数が多いときは青時間を少し伸ばしたり、滞留台数が少ないときは青時間を少し縮めたりする処理を行うことで、第2の交差点C2における捌き残り台数を低減することが可能になる。
1 交通信号制御機
1a〜1h 信号灯器
2、2a 制御部
3 電源部
4 灯器開閉部
5 外線端子部
5a 親機外線端子部
5b 子機外線端子部
6 伝送部
7 I/F部
10 交通信号制御機
11 連動親機
12 連動子機
13 交通管制センター
18 連動線
19 通信線
100 交通信号制御機
101 連動親機
102 連動子機
112 制御部
113 親機読替部
114 子機読替部
200 交通信号制御機
202 連動子機
222 映像撮影部
C1 第1の交差点
C2 第2の交差点

Claims (2)

  1. 連動親機と連動子機とを備え、連動制御を行う交通信号制御機の信号制御方法であって、
    前記連動親機が、前記連動親機による制御対象である灯器の表示制御中のステップ番号を前記連動子機に送信するステップ番号送信工程と、
    前記連動子機が、前記ステップ番号を取得し、前記ステップ番号をもとに、前記連動子機による制御対象である灯器の灯色を切り替える子機灯色制御工程と、
    前記連動親機が、前記灯器の表示制御の1サイクルが終了したときに、サイクル開始時刻及び各ステップの秒数及びオフセット値とを含むサイクル情報を前記連動子機に送信するサイクル情報送信工程と、
    前記連動子機が、前記連動親機から取得した前記サイクル情報を記録するサイクル情報記録工程と、
    前記連動制御に連動異常が発生したときに、前記連動子機が、記録されている前記サイクル情報をもとに、前記連動子機の制御対象である灯器の表示制御を行う連動異常時子機表示制御工程と、
    を備えることを特徴とする信号制御方法。
  2. 前記サイクル情報送信工程は、前記連動子機に送信した前記サイクル情報を記録する工程を含み、
    連動異常が発生したときに、前記連動親機が、前記サイクル情報をもとに、前記連動親機の制御対象である灯器の表示制御を行う連動異常時親機表示制御工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の信号制御方法。
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