JP2012247080A - 貯湯タンクの断熱材構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱い易い真空断熱材でありながら接続部分のからの放熱を防止した貯湯タンクの断熱構造を提供する。
【解決手段】貯湯タンク7を包囲する外装ケースと、前記貯湯タンク7と外装ケースとの間の空間に前記貯湯タンク7の断熱を行う真空断熱材26を備えたもので、前記真空断熱材26は、貯湯タンク7の上部を覆う予め円筒状に成形された上部真空断熱材28と、貯湯タンク7の中間部を覆う予め円筒状に成形された中部真空断熱材30と、貯湯タンク7の下部を覆う予め円筒状に成形された下部真空断熱材29の少なくとも3部分に分割され、各真空断熱材26同士の下端及び上端の接続部分は、内方から外方へ向かう下り傾斜面を形成し、この下り傾斜面を真空断熱材26の外周を覆うお互いの被覆材がオーバーラップして覆うようにしたから、放熱を極力抑制して良好な断熱を長期に渡って得ることが出来るものである。
【選択図】図2

Description

この発明は、電気温水器やヒートポンプ式給湯機の貯湯タンクの保温、断熱を行う真空断熱材を備えた貯湯タンクの断熱材構造に関するものである。
従来よりこの種のものに於いては、貯湯タンクと外装ケースとの間に、上中下に3分割した発泡の断熱材を凹凸の嵌合で連結し、貯湯タンク内の湯水を断熱材で長時間に渡り良好に断熱するものであった。(特許文献1参照。)
又薄くて断熱効果が高い真空断熱材を、貯湯タンクの中央円筒部を覆うようにして使用しているものもある。(特許文献2参照。)
特許第3561239号公報 特許第4254902号公報
ところでこの従来のものでは、発泡保温材自体の製造誤差や組み立て誤差によって、連結部分の凹凸の嵌り込みが出来ず、連結部分に隙間が出来てこの隙間からの放熱が進んで保温効果が失われてしまうものであった。
又真空断熱材を使用したものでは、断熱材同士の接続部分が複雑となり容易に接続することが出来ないと言う課題を有するものであった。
この発明は上記課題を解決するために、特にその構成を、加熱手段で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクを包囲する外装ケースと、前記貯湯タンクと外装ケースとの間の空間に前記貯湯タンクの断熱を行う真空断熱材を備えたものに於いて、前記真空断熱材は、貯湯タンクの上部を覆う予め円筒状に成形された上部真空断熱材と、貯湯タンクの中間部を覆う予め円筒状に成形された中部真空断熱材と、貯湯タンクの下部を覆う予め円筒状に成形された下部真空断熱材の少なくとも3部分に分割され、各真空断熱材同士の下端及び上端の接続部分は、内方から外方へ向かう下り傾斜面を形成し、この下り傾斜面を真空断熱材の外周を覆うお互いの被覆材がオーバーラップして覆うようにしたものである。
以上のようにこの発明によれば、破損し易い真空断熱材を予め円筒状に成形し、且つこれを上下と中央に3分割したので、各真空断熱材を貯湯タンクに嵌め込めば良く取り扱い易く破損の心配もなく安心して使用出来、更に上下の真空断熱材と中央の真空断熱材との接続部分は、貯湯タンク側から外方に向かって下り傾斜しているので、下から上へ向かう熱気の動きには反しており、この部分からの熱気の放出が抑制され、しかもこの接続部分の入り口も出口も被覆材がオーバーラップしており、更に熱気が抜けにくくなっていて、真空断熱材の断熱効果も相俟って良好な断熱が得られ、長時間に渡って貯湯タンク内の湯水を高温に保持することが出来、極めて使用勝手が良いものである。
この発明の断熱構造が施される一実施形態を示す貯湯式給湯機の概略構成図。 貯湯タンクの断熱構造を示す説明図。 同要部の断面図。 同要部の拡大断面図。
次にこの発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は貯湯タンクユニットを構成する外装ケース、2はヒートポンプユニットよりなる加熱手段、3は給湯栓、4はリモートコントローラ、5は浴槽、6は電源である。
前記外装ケース1内には、湯水を貯湯する貯湯タンク7と、貯湯タンク7の上部に接続された出湯管8と、貯湯タンク7の下部に接続された給水管9と、出湯管8からの高温水と給水管9から分岐されたバイパス管10からの低温水とを混合するミキシング弁11と、ミキシング弁11の下流に接続された給湯管12と、給湯管12に設けられた給湯温度センサ13と、給湯管11に設けられた給湯流量センサ14と、給水管9に設けられた給水温度センサ15と、給湯管12から分岐され浴槽5に接続された湯張り管16と、この湯張り管16の開閉を行う湯張り弁17と、湯張り管16を流れる流量を積算する湯張り流量センサ18と、出湯管8から分岐して接続された貯湯タンク7の過圧を逃す過圧逃し弁19と、給水管9に設けられた給水圧を減圧する減圧弁20と、貯湯タンク7の側面上下方向に複数設けられた貯湯温度センサ21と、この外装ケース1内の各種機器の制御を行うマイクロコンピュータを主に構成される給湯制御部22と、貯湯タンク7と加熱手段2とを接続して湯水を循環させるヒーポン往き管23とヒーポン戻り管24からなる加熱循環回路25とを備えて構成されている。
26は貯湯タンク7と外装ケース1との間で、該貯湯タンク7の外郭のほぼ全面を覆う真空密閉された真空断熱材で、全周を大きめの透明のフィルムからなる被覆材27で覆われており、更にこの真空断熱材26は、貯湯タンク7の上部を覆うように予め円筒状に成形した上部真空断熱材28と、貯湯タンク7の下部を覆うように予め円筒状に成形した下部真空断熱材29と、貯湯タンク7の中央胴部を覆うように予め円筒状に成形した中部真空断熱材30の3つの部分に分割されているものである。
前記上部真空断熱材28の下端と中部真空断熱材30の上端及び、下部真空断熱材29の上端と中部真空断熱材30の下端のそれぞれの接続部分31は、上部真空断熱材28の下端と中部真空断熱材30の上端と、下部真空断熱材29の上端と中部真空断熱材30の下端とが斜めカットされ、貯湯タンク7側の内方から外方に向かって下り傾斜しており、熱気が下方から上方に向かって上昇するのに反していて、内方からの熱気の抜けを抑制して断熱効果を上げるようにしたものであり、又この接続部分31の内方の入り口32には、下側の真空断熱材29、30の被覆材27がオーバーラップして閉塞しており、更に接続部分31の外方の出口33には、上側の真空断熱材28、30の被覆材27がオーバーラップして閉塞しているので、更に熱気は抜け難くなり断熱効果が向上するものである。
前記加熱手段2は、二酸化炭素冷媒を圧縮するコンプレッサー34と、凝縮器としての冷媒水熱交換器35と、減圧器36と、蒸発器としての空気熱交換器37よりなるヒートポンプ回路38と、空気熱交換器37に送風する送風機39と、加熱循環回路25途中に設けられた能力可変の循環ポンプ40と、加熱循環回路25の冷媒水熱交換器35入口側に設けられ、冷媒水熱交換器35に流入する湯水の温度を検出する熱交入口温度センサ41と、加熱循環回路25の冷媒水熱交換器35出口側に設けられ、冷媒水熱交換器35から流出する湯水の温度を検出する熱交出口温度センサ42と、この加熱手段2の制御を行うマイクロコンピュータを主に構成される加熱制御部43とを備えて構成されている。
ここで、前記電源6は時間帯別電灯であり、夜間(ここでは23時から翌7時まで)が割安な電力料金設定となっているもので、この割安な夜間電力を用いて夜間に一日に必要な貯湯熱量を沸かし上げて使用するものであり、又この時間帯別電灯では昼間(7時から23時まで)にも電力は供給され、残湯量が少なくなったときに追加の沸き増しが行われるものである。なお、前記電源6は給湯制御部22に接続され、この給湯制御部22からリモートコントローラ4および加熱制御部43に有線にて通信信号が重畳されて電力供給されるものである。
そして、夜間時間帯になると前記給湯制御部22が翌日に必要な貯湯熱量を演算し、この目標となる貯湯熱量を夜間時間帯の終了時までに沸き上げるよう加熱制御部43に指示してヒートポンプ回路38を作動させ、加熱循環回路25の循環ポンプ40を駆動開始する。そして、循環ポンプ40の駆動により貯湯タンク7下部から取り出された湯水がヒーポン往き管23を通り加熱手段2の冷媒水熱交換器35に流入して加熱され、ヒーポン戻り管24を介して貯湯タンク7の上部に戻されることにより高温の湯が貯湯される。
更に貯湯タンク7の側面に設けられた貯湯温度センサ21が所定の量の高温水が貯湯されたことを検出するか、又は、熱交入口温度センサ41が所定温度以上を検出すると、給湯制御部22が加熱制御部43へ加熱動作の停止を指令し、ヒートポンプ回路38と循環ポンプ40の作動が停止され、夜間時間帯の終了時までに貯湯動作を終了するものである。
なお、ここで貯湯タンク7内に貯湯される熱量は給湯制御部22により、過去数日分の給湯負荷から適切と思われる熱量を目標貯湯熱量として算出されるもので、貯湯される湯水の温度は季節(又は給水温度センサ15で検出する給水温度)及び目標貯湯熱量の大小によって60℃〜90℃の範囲で変動するものである。
前記リモートコントローラ4には、給湯設定温度を設定する温度設定スイッチ44、浴槽5への湯張りを指示する湯張りスイッチ45、湯張り量を設定する湯張り量設定スイッチ46、及び給湯可能な残時間を表示させる残時間表示スイッチ47とを有した操作部48と、ドットマトリクス型の蛍光表示管よりなる表示部49と、これら操作部48及び表示部49を制御すると共に、前記給湯制御部22と通信を行うマイクロコンピュータを主に構成されたリモコン制御部50を備えており、通常運転時は前記表示部49に操作部48で設定された給湯設定温度や時刻情報及び貯湯温度センサ21で検知する残り貯湯量等が表示されるものである。なお、前記表示部49はドットマトリクス型の液晶表示部としても良い。
次に給湯栓3を開くと、給水管9からの給水圧により貯湯タンク7上部の高温水が出湯管8に押し出され、給湯制御部22により制御されるミキシング弁11にて、バイパス管10の低温水と給湯温度センサ13の検出する温度が、前記リモートコントローラ4の操作部48で設定された給湯設定温度になるように混合されて、給湯管12を介して給湯されるものである。
もしも給湯量が通常よりも多くなってしまい、昼間電力時間帯にて貯湯温度センサ21で検出する残り貯湯量が少なくなったことを給湯制御部22が検知し、貯湯タンク7内に貯湯された湯の湯切れが予想される場合は、その時点にて昼間電力を利用して必要な熱量の沸き増しが行われるものである。
次に浴槽5に湯張りを行う際は、リモートコントローラ4の湯張りスイッチ45が操作されると、給湯制御部22が湯張り弁17を開いて湯張りを開始し、湯張りを開始してからの積算流量が湯張り量に達したことを検出すると湯張り弁17を閉じて湯張りを完了するものである。
次に真空断熱材26の組み付けは、貯湯タンク7の外周に円筒状に成形された下部真空断熱材29、中部真空断熱材30、上部真空断熱材28の順に被せて行き、そして下部真空断熱材29の上端と中部真空断熱材30の下端及び、中部真空断熱材30の上端と上部真空断熱材28の下端との接続部分31は、接合する各端部が斜めカットされているので、貯湯タンク7側の内方から外方に向かって下り傾斜状態となり、又接続部分31の内方の入り口32は、下側の真空断熱材29、30の被覆材27をオーバーラップさせて閉塞させ、更に接続部分31の外方の出口33は、上側の真空断熱材28、30の被覆材27をオーバーラップさせて閉塞させるものである。
この真空断熱材26の組み付けによって、断熱効果が向上すると共に、組み付けも予め円筒状に成形された下部真空断熱材29、中部真空断熱材30、上部真空断熱材28を順に貯湯タンク7に被せるだけで良いので、取り扱い易く組み付けが容易で破損の心配がないものであり、更に接続部分31の入り口32、出口33も被覆材27がオーバーラップして閉塞するので、ここから熱気が逃げる心配がなく、万一ここが開成されたとしても、接続部分31が内方から外方へ向かって下り傾斜しているので、貯湯タンク7からの放熱は、下り傾斜の接続部分31を通り抜けることが出来ず、接続部分31からの放熱を防止することが出来るものであり、真空断熱材26の断熱効果と相俟って長期に渡って強力なな断熱が行え、常に良好な貯湯が得られるものである。
1 外装ケース
2 加熱手段
7 貯湯タンク
26 真空断熱材
27 被覆材
28 上部真空断熱材
29 下部真空断熱材
30 中部真空断熱材
31 接続部分

Claims (1)

  1. 加熱手段で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクを包囲する外装ケースと、前記貯湯タンクと外装ケースとの間の空間に前記貯湯タンクの断熱を行う真空断熱材を備えたものに於いて、前記真空断熱材は、貯湯タンクの上部を覆う予め円筒状に成形された上部真空断熱材と、貯湯タンクの中間部を覆う予め円筒状に成形された中部真空断熱材と、貯湯タンクの下部を覆う予め円筒状に成形された下部真空断熱材の少なくとも3部分に分割され、各真空断熱材同士の下端及び上端の接続部分は、内方から外方へ向かう下り傾斜面を形成し、この下り傾斜面を真空断熱材の外周を覆うお互いの被覆材がオーバーラップして覆うようにした事を特徴とする貯湯タンクの断熱材構造。
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