JP2012246780A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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Yuji Yoshihara
裕二 吉原
Michihiko Masuda
道彦 増田
Yuichi Yano
裕一 矢野
Masaaki Tani
昌章 谷
Hidekazu Hioka
英一 日岡
Masaru Suzuki
勝 鈴木
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Abstract

【課題】シャフトの軸方向への移動をより精度よく検出することができる内燃機関の可変動弁機構を提供する。
【解決手段】可変動弁機構は、コントロールシャフト34を軸方向に移動させることにより機関バルブのバルブ特性を変更するとともに、コントロールシャフト34の外周面に設けられた検出片がセンサにて検出されることによりコントロールシャフト34の軸方向への移動が検出される。コントロールシャフト34にはピン48が固定されており、ブッシュ49にはピン48が挿入される挿入孔49aが形成されている。また、ブッシュ49が当接しながら移動することでコントロールシャフト34の軸方向への移動が伝達されるとともにコントロールシャフト34の周方向に回動可能なスライダを備える。そして、挿入孔49aを、コントロールシャフト34の周方向に延びる長孔形状で形成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の可変動弁機構に関するものである。
特許文献1に記載されているように、内燃機関に設けられた吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブ特性を機関運転状態に応じて変更する可変動弁機構が知られている。
例えば、特許文献1に記載の可変動弁機構は、アクチュエータに駆動連結されたシャフトと、このシャフトに連動して軸方向に移動するスライダギアとを備えている。スライダギアにはヘリカルスプラインが形成されており、このヘリカルスプラインに係合する入力アーム及び出力アームが備えられている。また、シャフトにはピンが固定されており、このピンは挿入孔が形成されたブッシュに挿入されている。そして、ブッシュはスライダギアの軸方向に当接されている。
この可変動弁機構では、アクチュエータによってシャフトが軸方向に移動されると、ブッシュがスライダギアに当接しながら軸方向に移動することにより、スライダギアは軸方向に移動し、入力アームのノーズと出力アームのノーズとの相対位相差が変更される。この相対位相差の変更により、出力アームにて開閉される機関バルブの最大リフト量が変更される。
また、特許文献2に記載の装置では、シャフトの外周面に検出片を設け、その検出片をセンサで検出することによりシャフトの軸方向への移動を検出するようにしている。
特開2006−257918号公報 特開2009−197766号公報
特許文献1に記載の可変動弁機構では、スライダギアがシャフトの周方向に回動すると、スライダギアに当接するブッシュも互いの摩擦力によって周方向に回動する。このようなブッシュの回動は、ピンを介してシャフトにも伝達されるため、シャフトも回動するようになる。
このようにシャフトが回動すると、特許文献2に記載の装置では、シャフトに設けられた検出片の位置が変動するため、シャフトの軸方向への移動をセンサで検出するときの検出精度が低下するおそれがある。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シャフトの軸方向への移動をより精度よく検出することができる内燃機関の可変動弁機構を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、シャフトを軸方向に移動させることにより機関バルブのバルブ特性を変更するとともに前記シャフトの外周面に設けられた検出片がセンサにて検出されることにより同シャフトの軸方向への移動が検出される内燃機関の可変動弁機構において、前記シャフトに固定されたピンと、前記ピンが挿入される挿入孔が形成されたブッシュと、前記ブッシュが当接しながら移動することにより前記シャフトの軸方向への移動が伝達されるとともに前記シャフトの周方向に回動可能なスライダとを備え、前記ブッシュには、前記スライダの回動が前記ピンに伝達されることを抑える伝達抑制部が設けられていることをその要旨とする。
同構成では、スライダの回動がピンに伝達されることを抑える伝達抑制部をブッシュに設けるようにしている。そのため、スライダの回動がブッシュ及びピンを介してシャフトに伝達されることが抑制される。従って、スライダが回動してもシャフトは回動しにくくなり、検出片の位置変動も少なくなるため、シャフトの軸方向への移動をセンサにてより精度よく検出することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記伝達抑制部は、前記挿入孔が前記シャフトの周方向に延びる長孔形状にて形成されることにより構成されることをその要旨とする。
同構成によれば、ピンが挿入されるブッシュにおいて、ピンの挿入孔がシャフトの周方向に延びる長孔形状にて形成される。従って、スライダの回動に伴ってブッシュも回動する場合、ピンに対してブッシュは相対移動するため、ブッシュの回動がピンに伝達されることは抑えられる。このように同構成によれば、スライダの回動がピンに伝達されることを抑える上記伝達抑制部を簡易な構造にて具現化することができるようになる。
シャフトを軸方向に移動させることにより機関バルブのバルブ特性を変更する可変動弁機構の構成としては、請求項3に記載の発明によるように、前記スライダは、アクチュエータに駆動連結された前記シャフトに連動して軸方向に移動するスライダギアであり、前記スライダギアに設けられたヘリカルスプラインに係合されるヘリカルスプラインを有して軸周りに回転移動し、内燃機関のカムシャフトに形成されたカムと連動する入力アーム及び出力アームとを備え、前記シャフトに動力を付与し前記スライダギアを軸方向に移動させることで、前記入力アームのノーズと前記出力アームのノーズとの相対位相差を変更させ、前記出力アームにより開閉される機関バルブの最大リフト量を変更する、という構成を採用することができる。
本実施形態における可変動弁機構が適用されたエンジンの部分断面図。 シリンダヘッドにおけるカムシャフト及び可変動弁機構の配置関係を示す概略平面図。 仲介駆動機構の斜視図。 (a)は仲介駆動機構を正面側から見たときの部分破断斜視図、(b)は仲介駆動機構を背面側から見たときの部分破断斜視図。 仲介駆動機構の内部構造を示す部分遮断斜視図。 スライダギアの垂直遮断斜視図。 支持パイプ及びコントロールシャフトの主要部分の分解斜視図。 可変動弁機構の制御系統を示す模式図。 ブッシュの平面図。
以下、この発明にかかる内燃機関の可変動弁機構を具体化した一実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、エンジン11はシリンダヘッド12と、複数の気筒13を有するシリンダブロック14とを備えている。各気筒13内には、ピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッドを介しクランクシャフトに連結されている。
エンジン11の各気筒13には、シリンダブロック14、シリンダヘッド12、並びにピストン15によって燃焼室16が区画形成されている。シリンダヘッド12には、各燃焼室16に連通する一対の吸気ポート17、及び一対の排気ポート18が気筒13毎に設けられている。これら吸・排気ポート17,18を開閉するため、シリンダヘッド12には、気筒13毎に一対の吸気バルブ21、及び一対の排気バルブ22がそれぞれ往復動可能に支持されている。吸・排気バルブ21,22は、バルブスプリング23によって常に上方、即ち吸・排気ポート17,18を閉じる閉弁方向に付勢されている。
吸気バルブ21の上方には、気筒13毎に1つの吸気カム24を有する吸気カムシャフト20がシリンダヘッド12に形成された立壁部25,26により回転可能に支持されている。排気バルブ22の上方には、気筒13毎に1つの排気カムを有する排気カムシャフト27がシリンダヘッド12に回転可能に支持されている。吸・排気カムシャフト20,27は、タイミングチェーン19等を介してクランクシャフト10に駆動連結されている。このため、クランクシャフト10の回転がタイミングチェーン19等を介して吸・排気カムシャフト20,27に伝達されることで、同カムシャフト20,27が回転する。そして、両カムシャフト20,27の回転に伴い、吸・排気バルブ21,22が往復動され、吸・排気ポート17,18が開閉される。
燃焼室16には、吸気バルブ21の開弁時に吸気ポート17を通じて吸入空気が導入される。各気筒13には、燃焼室16に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)、点火プラグ28がそれぞれ設けられている。燃焼室16では、燃料噴射弁から噴射された燃料と、吸気ポート17を通過して導入された吸入空気とが混合されて混合気になる。
図2に示すように、エンジン11には、各吸気バルブ21の最大リフト量及び作用角を連続的に変更可能な可変動弁機構31が設けられている。可変動弁機構31は、気筒13毎に設けられた仲介駆動機構32、各仲介駆動機構32に共通して配設された1本の支持パイプ33、1本のコントロールシャフト34及びアクチュエータ35を備えている。
支持パイプ33は各気筒13の配列方向に沿って配置され、立壁部25に貫通固定されている。尚、以下では、コントロールシャフト34の延びる方向を「軸方向」といい、その向きを矢印F又は矢印Rにて示す。支持パイプ33は軸方向(矢印F又はRで示す方向)へ移動不能、かつ回転不能に固定されている。
支持パイプ33内には、コントロールシャフト34が挿通支持されている。このコントロールシャフト34は、支持パイプ33内にて軸方向に移動可能に支持されている。アクチュエータ35はモータ等を備えており、その出力軸がコントロールシャフト34の端部に連結されている。これにより、アクチュエータ35を駆動させて、コントロールシャフト34を軸方向に移動させることで、その軸方向における位置を調整するようにしている。
仲介駆動機構32は、吸気カムシャフト20と、これに対応する一対の吸気バルブ21との間に配置されている。図3に示すように、仲介駆動機構32は、入力アーム36と、その軸方向両側に設けられた第1出力アーム41及び第2出力アーム42とを備えている。仲介駆動機構32の入力アーム36及び両出力アーム41,42は隣り合う立壁部25間に配置されている。入力アーム36は一対の支持片37を備え、両支持片37の先端には支持軸38を介してローラ39が支持されている。また、第1出力アーム41及び第2出力アーム42は、いずれもベース円部43と略三角形状をなすノーズ44とを備え、ノーズ44には凹状のカム面44aが湾曲形成されている。
先の図1に示すように、各仲介駆動機構32は、入力アーム36のローラ39と吸気カムシャフト20とが接触する位置に配置されている。これにより、各仲介駆動機構32の入力アーム36は、吸気カム24のカム形状に応じて支持パイプ33を支点として上下に揺動する。
また、吸気バルブ21と両出力アーム41,42との間にはロッカーアーム52が配設されている。このロッカーアーム52を介して、支持パイプ33を支点とした各出力アーム41,42の揺動がそれぞれ対応する吸気バルブ21に伝達される。また、各ロッカーアーム52は、基端部52aがアジャスタ54に支持されると共に、先端部52bが吸気バルブ21のステムエンド21aと接触する位置に配置されている。このため、バルブスプリング23の付勢力が吸気バルブ21を介してロッカーアーム52の先端部52bに加えられることで、ロッカーアーム52のローラ53が、両出力アーム41,42のベース円部43又はノーズ44に接触している。
図4(a),(b)及び図5に示すように、仲介駆動機構32において、支持パイプ33と、入力アーム36及び両出力アーム41,42との間には、スライダギア45が配置されている。スライダギア45は中央に貫通孔46を有し、貫通孔46内には支持パイプ33が摺動可能に挿入されている。このため、スライダギア45は、支持パイプ33上を軸周りに回動可能、つまりコントロールシャフト34の周方向に回動可能、かつコントロールシャフト34の軸方向へ移動可能に支持されている。
スライダギア45の外周面略中央部には、同スライダギア45の軸方向への移動時において、軸方向に作用する力を入力アーム36に伝達するためのヘリカルスプライン45aが形成されている。このヘリカルスプライン45aは、スライダギア45の中心軸に対し所定角度で傾斜するように形成されている。一方、入力アーム36の内周面には、スライダギア45のヘリカルスプライン45aに対応してヘリカルスプライン36aが形成されている。入力アーム36とスライダギア45とは、ヘリカルスプライン36aとヘリカルスプライン45aとが噛み合うことにより係合されている。
スライダギア45の外周面において、軸方向の各端部には、軸方向に作用する力を第1出力アーム41に伝達するためのヘリカルスプライン45bと、第2出力アーム42に伝達するためのヘリカルスプライン45cとがそれぞれ形成されている。スライダギア45のヘリカルスプライン45b,45cは、それぞれの歯すじの傾斜方向と上述したヘリカルスプライン45aの歯すじの傾斜方向とが逆向きに形成されている。
一方、第1出力アーム41の内周面には、スライダギア45のヘリカルスプライン45bに対応してヘリカルスプライン41bが形成されている。第1出力アーム41とスライダギア45とは、ヘリカルスプライン41bとヘリカルスプライン45bとが噛み合うことにより係合されている。また、第2出力アーム42の内周面には、スライダギア45のヘリカルスプライン45cに対応してヘリカルスプライン42cが形成されている。第2出力アーム42とスライダギア45とは、ヘリカルスプライン42cとヘリカルスプライン45cとが噛み合うことにより係合されている。
上述したように、スライダギア45と入力アーム36及び両出力アーム41,42とが、それぞれ対応するヘリカルスプラインを通じて係合された状態では、同スライダギア45が支持パイプ33上を軸方向に移動することによって、入力アーム36と両出力アーム41,42とに対し逆方向の回転力が伝達される。この回転力によって、入力アーム36と両出力アーム41,42とはそれらが互いに反対方向に回動され、入力アーム36のノーズ44と両出力アーム41,42のノーズ44との相対位相差が変更される。
図5〜図7に示すように、スライダギア45の内部には、貫通孔46の内周面に沿って周溝47が形成されている。スライダギア45には、この周溝47に連通するピン連通孔47aが形成されている。支持パイプ33において、上記仲介駆動機構32と対応する位置には軸方向に延びる長孔33a(図5、図7に図示)が形成されている。また、コントロールシャフト34において、各仲介駆動機構32と対応する位置には軸直角方向に延びる支持穴34a(図7に図示)が形成されている。
コントロールシャフト34の支持穴34aには、ピン48が固定されており、このピン48は、ブッシュ49の中央に貫通形成された挿入孔49aに挿入されている。ブッシュ49は矩形状をなしており、その軸方向における幅は周溝47の幅と略等しく設定されている。ブッシュ49は、それ自身の挿入孔49aにピン48を挿入した状態で、スライダギア45の内周面に形成された周溝47に挿入されている。このため、コントロールシャフト34を軸方向に移動させた場合、ピン48が支持パイプ33の長孔33a内を移動し、それに伴いブッシュ49も軸方向に移動する。このブッシュ49は、スライダギア45の周溝47に挿入されているため、ブッシュ49が軸方向に移動すると、ブッシュ49の軸方向の面が周溝47の軸方向の面に当接しながらスライダギア45を軸方向に移動させる。ままた、ブッシュ49は周溝47に沿って摺動可能に支持されているため、スライダギア45は、支持パイプ33の軸周りについては回動可能になっている。
そして、アクチュエータ35によってコントロールシャフト34の軸方向の位置を調整することで、入力アーム36のローラ39に対する第1及び第2出力アーム41,42のノーズ44の相対位相差が変更される。この変更に伴い、吸気バルブ21の最大リフト量及び作用角が連続的に変化する。より具体的には、相対位相差が大きくなるほど、吸気バルブ21の最大リフト量及び作用角は大きくなる。
図8に示すように、コントロールシャフト34とアクチュエータ35の出力軸35Aとは締結部材180を介して連結されている。
アクチュエータ35には、モータの回転量を検出する回転量センサ260が設けられている。また、コントロールシャフト34の近傍には、コントロールシャフト34の軸方向の位置を検出するセンサとしてのシャフトセンサ280が設置されている。シャフトセンサ280は、コントロールシャフト34の外周面に設けられたターゲット300(検出片)の位置を非接触で検出する。
アクチュエータ35のモータ、回転量センサ260、シャフトセンサ280は、電子制御装置500に接続されている。また、電子制御装置500には、クランク角センサ100によって検出された内燃機関の機関回転速度NE、エアフロメータ110によって検出された内燃機関の吸入空気量QA、スロットルセンサ120によって検出されたスロットル弁の開度(スロットル開度)TAが入力される。
シャフトセンサ280には、検出素子としてホール素子が内蔵されている。そして、シャフトセンサ280の下をターゲット300が移動するときのホール素子の出力波形に対して所定の信号処理を施すことにより、シャフトセンサ280からは、ターゲット300が予め定められた特定位置に来たときにエッジ出力が発生される。このシャフトセンサ280からの信号の出力タイミングにより、コントロールシャフト34が正常に移動していることが検出される。一方、回転量センサ260は、アクチュエータ35のモータの回転量に比例した連続的な信号を出力する。電子制御装置500は、回転量センサ260の検出信号等を利用してコントロールシャフト34の位置制御、つまりバルブ特性の可変制御を行う。
吸気バルブ21の開閉動作時には、可変動弁機構31の仲介駆動機構32がコントロールシャフト34の周方向に揺動される。従って、この仲介駆動機構32の揺動によってスライダギア45もコントロールシャフト34の周方向に回動する。このようにスライダギア45が回動すると、スライダギア45の周溝47に当接するブッシュ49も互いの当接面での摩擦力によって周方向に回動する。このブッシュ49の回動がピン48を介してコントロールシャフト34に伝達されると、コントロールシャフト34も回動する。ここで、支持パイプ33は回転不能に固定されており、この支持パイプ33に形成された長孔33aにピン48は挿入されている。従って、ブッシュ49の回動に伴うピン48の回動は、支持パイプ33によって阻止されるのであるが、コントロールシャフト34の周方向における長孔33aとピン48との間には、ピン48の移動を許容するための隙間が設けられている。そのため、支持パイプ33が回転不能に固定されていても、長孔33aとピン48との隙間分だけはピン48も回動してしまい、その結果コントロールシャフト34も回動することになる。このようにしてコントロールシャフト34が回動すると、上述したようにターゲット300の位置が変動するため、コントロールシャフト34の軸方向への移動をシャフトセンサ280で検出するときの検出精度が低下するおそれがある。
このような検出精度の低下を抑えるために、本実施形態では、スライダギア45の回動がピン48に伝達されることを抑える伝達抑制部をブッシュ49に設けるようにしている。より具体的には、先の図6及び図7に示すように、ブッシュ49に形成される挿入孔49aを、コントロールシャフト34の周方向に延びる長孔形状で形成するようにしている。
次に、本実施形態による特有の作用、つまりブッシュ49に形成された挿入孔49aの作用を説明する。
図9に示すように、スライダギア45の回動に伴い、ブッシュ49がコントロールシャフト34の周方向に回動する(図9に示す矢印A方向や矢印B方向に回動する)場合には、ピン48が長孔形状の挿入孔49aに挿入されているため、ピン48に対してブッシュ49は相対移動する。そのため、ブッシュ49の回動がピン48に伝達されることは抑制され、コントロールシャフト34の回動も抑制される。このようにしてスライダギア45が回動してもコントロールシャフト34は回動しにくくなるため、コントロールシャフト34に固定されたターゲット300の位置変動も少なくなり、これによりコントロールシャフト34の軸方向への移動をシャフトセンサ280にて検出するときの精度が高まるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば次の効果を得ることができる。
(1)スライダギア45の回動がピン48に伝達されることを抑える伝達抑制部をブッシュ49に設けるようにした。そのため、スライダギア45の回動がブッシュ49及びピン48を介してコントロールシャフト34に伝達されることが抑制される。従って、スライダギア45が回動してもコントロールシャフト34は回動しにくくなり、ターゲット300の位置変動も少なくなるため、コントロールシャフト34の軸方向への移動をシャフトセンサ280にてより精度よく検出することができるようになる。
(2)ブッシュ49にピン48の挿入孔49aを形成するようにしており、特に上記伝達抑制部として、その挿入孔49aを、コントロールシャフト34の周方向に延びる長孔形状とした。そのため、スライダギア45の回動に伴ってブッシュ49も回動すると、ピン48に対してブッシュ49は相対移動するようになり、ブッシュ49の回動がピン48に伝達されにくくなる。従って、スライダギア45の回動がピン48に伝達されることを抑える上記伝達抑制部を簡易な構造にて具現化することができるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・シャフトセンサ280はホール素子を備えるセンサであったが、この他の検出素子を備えるものでもよい。例えば、電磁ピックアップコイルやMR(磁気抵抗)素子を備えるセンサでもよい。
・スライダギア45の回動がピン48に伝達されることを抑える伝達抑制部として、コントロールシャフト34の周方向に延びる長孔形状の挿入孔49aをブッシュ49に設けるようにしたが、この他の態様にて伝達抑制部を構成するようにしてもよい。例えば、ピン48とほぼ同径であってコントロールシャフト34の周方向に移動可能な挿入孔をブッシュ49に設けるようにしてもよい。
・上記実施形態における可変動弁機構は、吸気バルブ21の最大リフト量及び作用角を変更する機構であったが、排気バルブに設けられる機構であってもよい。また、最大リフト量や作用角以外のバルブ特性を変更する可変動弁機構であってもよい。
11…エンジン、12…シリンダヘッド、13…気筒、14…シリンダブロック、15…ピストン、16…燃焼室、17…吸気ポート、18…排気ポート、19…タイミングチェーン、20…吸気カムシャフト、21…吸気バルブ、21a…ステムエンド、22…排気バルブ、23…バルブスプリング、24…吸気カム、25、26…立壁部、27…排気カムシャフト、28…点火プラグ、31…可変動弁機構、32…仲介駆動機構、33…支持パイプ、33a…長孔、34…コントロールシャフト、34a…支持穴、35…アクチュエータ、35A…出力軸、36…入力アーム、36a…ヘリカルスプライン、37…支持片、38…支持軸、39…ローラ、41…第1出力アーム、41b…ヘリカルスプライン、42…第2出力アーム、42c…ヘリカルスプライン、43…ベース円部、44…ノーズ、44a…カム面、45…スライダギア、45a…ヘリカルスプライン、45b…ヘリカルスプライン、45c…ヘリカルスプライン、46…貫通孔、47…周溝、47a…ピン連通孔、48…ピン、49…ブッシュ、49a…挿入孔、52…ロッカーアーム、52a…基端部、52b…先端部、53…ローラ、54…アジャスタ、100…クランク角センサ、110…エアフロメータ、120…スロットルセンサ、180…締結部材、260…回転量センサ、280…シャフトセンサ、300…ターゲット、500…電子制御装置。

Claims (3)

  1. シャフトを軸方向に移動させることにより機関バルブのバルブ特性を変更するとともに前記シャフトの外周面に設けられた検出片がセンサにて検出されることにより同シャフトの軸方向への移動が検出される内燃機関の可変動弁機構において、
    前記シャフトに固定されたピンと、
    前記ピンが挿入される挿入孔が形成されたブッシュと、
    前記ブッシュが当接しながら移動することにより前記シャフトの軸方向への移動が伝達されるとともに前記シャフトの周方向に回動可能なスライダとを備え、
    前記ブッシュには、前記スライダの回動が前記ピンに伝達されることを抑える伝達抑制部が設けられている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 前記伝達抑制部は、前記挿入孔が前記シャフトの周方向に延びる長孔形状にて形成されることにより構成される
    請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記スライダは、アクチュエータに駆動連結された前記シャフトに連動して軸方向に移動するスライダギアであり、
    前記スライダギアに設けられたヘリカルスプラインに係合されるヘリカルスプラインを有して軸周りに回転移動し、内燃機関のカムシャフトに形成されたカムと連動する入力アーム及び出力アームとを備え、
    前記シャフトに動力を付与し前記スライダギアを軸方向に移動させることで、前記入力アームのノーズと前記出力アームのノーズとの相対位相差を変更させ、前記出力アームにより開閉される機関バルブの最大リフト量を変更する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
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