JP2012241527A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三元触媒は、パラジウム(Pd)と、三元機能を高めるセリア(CeO2)とが添加される内層とロジウム(Rh)が添加され、セリアが添加されない表層との2層で構成される。そして、空燃比変調制御は、エンジンの冷機状態であれば(S10)、変調制御の変調振幅を通常時より大きく(S12)、変調平均空燃比をリーンに(S14)、またリッチ度合いをリーン度合いより大きく(S16)、リーン空燃比である期間をリッチ空燃比である期間よりも長くする(S18)。そして、三元触媒下流の排気の空燃比により、変調平均空燃比をリッチ側或いはリーン側にシフトし、その後シフト前の変調平均空燃比に復帰する(S20-S28)。
【選択図】図2
Description
しかしながら、内燃機関の始動時や冷態時には、三元触媒は内燃機関からの排気の温度が低く排気浄化触媒を活性化されていないこともあって、十分に化学物質を除去することができない虞がある。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、コスト及び圧力損失の増大を抑制しつつ、排気浄化性能を向上させることのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
また、請求項3の内燃機関の排気浄化装置では、請求項1又は2において、前記空燃比変調制御手段は、リーン空燃比とリッチ空燃比との変調の1サイクルにおいて、リッチ空燃比での当量比と量論比との差の絶対値であるリッチ化度合いがリーン空燃比での当量比と前記量論比との差の絶対値であるリーン化度合いより大きいことを特徴とする。
また、請求項4の発明によれば、排気浄化触媒の状態がリーン雰囲気直後には空燃比の平均値をリッチ側にシフトし、排気浄化触媒の状態がリッチ雰囲気直後には空燃比の平均値をリーン側にシフトし、シフト後に空燃比の平均値をシフト前の空燃比の平均値に復帰するようにしており、例えば、アクセルOFF等で燃料カットがされると空燃比が過剰なリーン状態となり排気浄化触媒でO2が過剰となりリーン雰囲気後にはNOxの浄化効率が低下する。また、登坂路等での急激なアクセルONでの内燃機関の高負荷運転時には、空燃比が過剰なリッチ状態となりCO或いはTHCで排気浄化触媒の表面が覆われTHCの浄化効率が低下する。
また、請求項5の発明によれば、排気浄化触媒の下流の空燃比がリーン直後には空燃比の平均値をリッチ側にシフトし、空燃比がリッチ直後には空燃比の平均値をリーン側にシフトし、シフト後に空燃比の平均値をシフト前の空燃比の平均値燃比に復帰するようにしており、請求項3と同様に、空燃比の平均値をリーン直後にはリッチ側に、リッチ直後にはリーン側にシフトすることで、NOx或いはTHCの浄化効率を高くすることができる。
図1は、内燃機関の排気浄化装置が適用された吸気ポート燃料噴射エンジン(以下、エンジン1という)(内燃機関)の概略構成図である。
図1に示すように、エンジン1は、吸気マニホールド21に配設された燃料噴射弁22から吸気バルブ14に向け吸気ポート13内へ燃料を噴射する4サイクル直列4気筒型ガソリンエンジンである。図1にはエンジン1の1つの気筒についての縦断面が示されている。なお、他の気筒についても同様の構成をしているものとして図示及び説明を省略する。
シリンダブロック2には、エンジン1を冷却する冷却水の温度を検出する水温センサ4が設けられている。また、シリンダブロック2に形成されているシリンダ5内には上下摺動可能にピストン6が設けられている。当該ピストン6はコンロッド7を介してクランクシャフト8に連結されている。また、シリンダブロック2には、当該エンジン1の回転速度及びクランクシャフト8の位相を検出するクランク角センサ9が設けられている。また、シリンダヘッド3とシリンダ5とピストン6で燃焼室10が形成されている。
一方、シリンダヘッド3の吸気マニホールド21が接続された側面とは反対側の側面には、排気ポート13と連通するように排気マニホールド23が接続されている。排気マニホールド23の排気下流端には、排気管23が連通するように接続されている。そして、排気管23の排気下流には、排気中のTHC、CO及びNOxを浄化する機能を有する三元触媒25が備えられている。また、排気管23の三元触媒25の下流には、排気中の酸素濃度を検出するO2センサ(酸素濃度検出手段)26が配設されている。
水温センサ4、クランク角センサ9、カム角センサ20、吸気圧センサ、スロットルポジションセンサ、エアフローセンサ、O2センサ26及び車両の車速を検出する図示しない車速センサ等の各種センサ類は、車両に搭載されているECU30の入力側に電気的に接続されており、これらセンサ類からの検出情報がECU30に入力される。
次にECU30での空燃比制御について説明する。
図3に示すように、ステップS10では、水温センサ4の検出情報であるエンジン1の冷却水温度に基づき、エンジン1が冷機状態であるか、否かを判別する。例えば検出した冷却水温度が所定温度以下であるか否かを判別し、判別結果が真(Yes)でエンジン1が冷機状態であれば、ステップS12に進み、判別結果が偽(No)でエンジン1が冷機状態でなく温態状態であれば、ステップS32に進み、通常の空燃比変調制御を開始する。そして、本ルーチンをリターンする。なお、エンジンの冷機状態の判定は、三元触媒25の温度情報(温度センサや推定制御に基づく情報)を加味して設定してもよい。例えば、エンジン水温が高くても三元触媒25の温度が350℃未満の条件では冷機状態とみなすことも可能である。
ステップS12では、空燃比変調の変調振幅を通常時の空燃比変調制御の変調振幅よりも大きく設定する。そして、ステップS14に進む。
ステップS16では、図4に示すように、リッチ度合いをリーン度合いより大きく設定する。詳しくは、リーン空燃比AFleanでの空気過剰率λlean、即ちリーン空燃比AFleanの当量比から理論空燃比AFstでの空気過剰率λst、即ち量論比(=1)を減算し絶対値としてリーン度合いを算出する。次に、リッチ空燃比AFrichでの空気過剰率λrich、即ちリッチ空燃比AFrichの当量比から量論比(=1)を減算し絶対値としてリッチ度合いを算出する。そして、このように算出されるリッチ度合いをリーン度合いよりも大きく設定する。そして、ステップS18に進む。
ステップS20では、O2センサ26の検出結果に基づき、三元触媒25下流の排気がリーンであるか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で三元触媒25下流の排気がリーンであれば、ステップS22に進み、判別結果が偽(No)で三元触媒25下流の排気がリーンでなければ、ステップS24に進む。
ステップS24では、O2センサ26の検出結果に基づき、三元触媒25下流の排気がリッチであるか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で三元触媒25下流の排気がリッチであれば、ステップS26に進み、判別結果が偽(No)で三元触媒25下流の排気がリッチ空燃比でなければ、本ルーチンをリターンする。
ステップS28では、所定時間経過後、変調平均空燃比AFaveをシフト前の変調平均空燃比に復帰する。そして、本ルーチンをリターンする。ここで、変調空平均燃比AFaveをリーン側にする所定時間は、三元触媒25の温度情報(温度センサや推定制御に基づく情報)に基づいて設定してもよい。これは、三元触媒25の温度上昇は車両の運転条件に依存するため、三元触媒25の温度を検出して変調期間を設定することで、より精密に排気を浄化することができる。
図5は、リッチ空燃比の期間をリーン空燃比の期間よりも短くした変調制御の排気浄化特性を示す図であり、白抜き丸がNOxを、白抜き四角がTHCを、一点鎖線がストイキをそれぞれ示している。また、図6は、エンジン始動後の空燃比変調制御の排気低減効果を示す図であり、図中細線が本実施例を、太線が従来例、詳しくは変調平均空燃比をストイキ近傍とした振幅の小さい変調制御を示している。また、図中の触媒中心温度は、三元触媒25の触媒中心温度を示している。
また、図6に示すように、本発明の空燃比変調制御を行うことにより、従来例と比べ本実施例では三元触媒25の触媒中心温度の昇温速度が早くなっている。そして、三元触媒25の触媒中心温度の上昇に伴いTHC、CO及びNOxの浄化効率も早く上昇し、THC、CO及びNOxの排出量が低減している。
また、O2センサ26の検出結果に基づき、三元触媒25の下流の空燃比がリーンであれば変調平均空燃比AFaveをリッチ側にシフトし、空燃比がリッチであれば変調平均空燃比AFaveをリーン側にシフトし、シフト後の所定時間経過後に最適な空燃比に変調平均空燃比AFaveを復帰するようにしている。
従って、三元触媒25下流の酸素濃度に基づいて、変調制御の変調平均空燃比をリーン直後にはリッチ側に、リッチ直後にはリーン側にシフトすることで、NOx或いはTHCの浄化効率を更に高くすることができる。
上記実施形態では、O2センサ26により三元触媒25の下流の酸素濃度を検出して、排気の空燃比によって、変調制御の変調平均空燃比を変化させるようにしているが、これに限定されるものではなく、触媒状態検出手段(例えば、リニアA/Fセンサ)によって三元触媒25の状態を検出して、検出結果に基づいて変調制御の変調平均空燃比を変化させるようにしても良い。
また、図1には、吸気ポート燃料噴射エンジンを示したが、筒内に直接燃料を噴射するインジェクタを備えた所謂直噴エンジンにも適用できる。
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
22 燃料噴射弁
24 排気管
25 三元触媒
26 O2センサ(酸素濃度検出手段)
30 ECU(空燃比変調制御手段)
Claims (5)
- 内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒と、
前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比との間で強制的に変調させる空燃比変調制御手段と、を備え、
前記排気浄化触媒は、貴金属としてパラジウムを主成分としセリウム酸化物を含む内層と、貴金属としてロジウムを主成分としセリウム酸化物を含まない表層とを有して構成される三元触媒であって、
前記空燃比変調制御手段は、前記空燃比の平均値を理論空燃比よりもリーン空燃比とし、更に前記空燃比の変調周期をリーン空燃比である期間をリッチ空燃比である期間よりも長くすることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記空燃比変調制御手段は、前記内燃機関が冷態時には温態時よりも、リーン空燃比とリッチ空燃比との変調の振幅を大きくすることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記空燃比変調制御手段は、リーン空燃比とリッチ空燃比との変調の1サイクルにおいて、リッチ空燃比での当量比と量論比との差の絶対値であるリッチ化度合いがリーン空燃比での当量比と前記量論比との差の絶対値であるリーン化度合いより大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記排気浄化触媒の状態を検出する触媒状態検出手段を備え、
前記空燃比変調制御手段は、前記触媒状態検出手段の検出結果に基づいて、前記排気浄化触媒がリーン雰囲気であれば前記空燃比の平均値をリッチ側にシフトし、リッチ雰囲気であれば前記空燃比の平均値をリーン側にシフトするとともに、当該シフト後に前記空燃比の平均値を当該シフト前の空燃比の平均値に復帰させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記排気浄化触媒の下流の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段を備え、
前記空燃比変調制御手段は、前記酸素濃度検出手段の検出結果に基づいて、前記排気浄化触媒下流の空燃比がリーンであれば前記空燃比の平均値をリッチ側にシフトし、前記空燃比がリッチであれば前記空燃比の平均値をリーン側にシフトするとともに、当該シフト後に前記空燃比の平均値を当該シフト前の空燃比の平均値に復帰させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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