JP2012240164A - メタルボンド砥石 - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来のメタルボンド砥石と同等またはそれ以上の研削力と研削比を持ち、且つレジンボンド砥石と同等またはそれ以上の仕上げ面精度を達成できるメタルボンド砥石を提供する。
【解決手段】
本発明によれば、砥粒および第1の金属粉を含んでなるメタルボンド砥石であって、前記第1の金属粉を構成する金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10.0〜40.0であることを特徴とするメタルボンド砥石が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明はメタルボンド砥石に関するものである。
ダイヤモンド砥粒や立方晶窒化ホウ素砥粒(以下、CBN砥粒という)は、極めて硬度が高く、研削力とその持続性に優れており、砥石の材料として用いられることが多い。特に粒度の細かいダイヤモンド砥粒やCBN砥粒を用いた砥石は超硬合金、硬質セラミックス、合成樹脂、ガラス、レンズ等の光学部品、若しくはそれらの複合材料等の硬脆材料の高精度仕上げ加工用として汎く活用されている。
一般に砥石は、砥粒が結合剤により固定された構造を有している。そして、用いられている結合剤の種類により、メタルボンド砥石、レジンボンド砥石、ビトリファイドボンド砥石、電着砥石に区分されるが、これらの砥石は結合剤の種類および結合構造によって大きくその性能が変化する。例えば、レジンボンド砥石は、結合剤として熱硬化性樹脂等の有機高分子材料を使用しているものである。このタイプの砥石においては、結合剤が砥粒の緩衝材として作用し、他のタイプの砥石に比べて加工物に対する切れ味が優れ、研削後の加工物表面の精度がよく仕上げに適している。しかし、従来のレジンボンド砥石では砥粒と樹脂との固着力が不十分であることがあり、砥粒の脱落が非常に起き易く、その結果研磨性能が悪化することがある。また、ビトリファイドボンド砥石は、高温で焼成するため砥粒が劣化し易く、焼成物であるために品質が不安定であり、しかも焼成コストも高い。電着砥石は電解めっきを応用した方法により、砥層に相当する部分が台金やシャンクにコーティングされたものである。このタイプの砥石は様々な形状の台金またはシャンクを選択できるという利点があるが、砥層が薄い単層であることが多く、他のタイプの砥石に比べると寿命が短いという点で改良の余地があった。
一方、メタルボンド砥石は、結合剤として合金をベースにした金属性結合剤を含んでおり、レジンボンド砥石と比較して砥粒固着力、形状維持性能(耐久性、耐磨耗性)や研削性に優れているという特徴を有している。しかし、研削後の加工物表面の精度が粗く、レジンボンド砥石と比較すると仕上げ面精度が劣り、改良の余地があった。
このようなメタルボンド砥石の特性を改良するために種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、ダイヤモンド砥粒および金属微粉末からなるメタルボンド砥石が開示されている。これらの発明は、メタルボンド砥石に用いる金属粉の種類を調整することで研削後の加工物表面の仕上げ面精度を向上させようとするものである。しかし、これらの発明だけでは研削後の加工物表面の仕上げ面精度が十分に改良されておらず、レジンボンド砥石と比較すると研削後の加工物表面の仕上げ面精度に劣るため改良が望まれていた。
特開2010−76094号公報
そこで本発明の目的は、従来の問題点を改善し、従来のメタルボンド砥石と同等またはそれ以上の研削力と研削比を持ち、且つレジンボンド砥石と同等またはそれ以上の仕上げ面精度を達成できるメタルボンド砥石を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第一の態様では、砥粒および第1の金属粉を含んでなるメタルボンド砥石であって、第1の金属粉を構成する金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10.0〜40.0であることを特徴とするメタルボンド砥石を提供する。
第1の金属粉が銅単体金属、または銅を含む混合金属もしくは合金からなる金属粉であることが好ましい。また、第1の金属粉が電解法で製造された金属粉であることが好ましく、なかでも電解銅粉であることが好ましい。第1の金属粉を、メタルボンド砥石の全体積を基準として40体積%以上含有することが好ましい。また、メタルボンド砥石が第1の金属粉とは別に第2の金属粉を含んでなり、第2の金属粉を構成する金属粒子の1粒子当たりの平均表面積X’と、第2の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Y’の比X’/Y’が10.0未満であることが好ましく、その場合、第1の金属粉と第2の金属粉の和から求められる体積を基準として、第2の金属粉の比率が30体積%未満であることが好ましい。
本発明によれば、従来のメタルボンド砥石と同等またはそれ以上の研削力と研削比を持ち、且つレジンボンド砥石と同等またはそれ以上の仕上げ面精度を達成できるメタルボンド砥石が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。尚、本発明に係るメタルボンド砥石は、結合剤として用いられる金属粉に主たる特徴を有するものであり、砥石の形状や寸法等は如何なるものであってもよい。例えば、台金の外周または端面に砥粒層を形成または固定した砥石であってもよいし、台金を使用せずに金属粉からなる結合層そのものによって砥石を形成したものであってもよい。また、砥石の形状はホイール型、カップ型、総型、セグメント砥石、内周研削砥石など従来使用されている如何なる形式であってもよい。すなわち、結合剤として用いられる金属粉以外の構成は、従来知られている砥石の構成を任意に組み合わせることができる。
本発明において使用することができる砥粒の種類は特に限定されず、従来知られている任意のものを用いることができる。このような砥粒としては、例えば、アルミナ系砥粒、炭化ケイ素系砥粒、ジルコニア系砥粒、酸化セリウム粒子、シリカ粒子、酸化クロム粒子、CBN砥粒、およびダイヤモンド砥粒が挙げられる。これらの砥粒は、単独で、または2種以上を混合して使用することができる。これらのうち高い硬度を有する超砥粒を使用することが好ましく、すなわち、CBN砥粒およびダイヤモンド砥粒のいずれかを使用することが好ましい。最も好ましい砥粒は、ダイヤモンド砥粒である。ここで砥粒は、砥粒とは別の材質からなる物質によって被覆される等して表面修飾されていてもよい。
本発明によるメタルボンド砥石中に含まれる砥粒の平均粒子径(体積平均径)の下限は、特に限定されない。一般に砥石に用いられる砥粒の平均粒子径の範囲内であればよく、砥石の研削速度を高くするという観点から、1.0μmであることが好ましく、1.5μmであることがより好ましく、3.0μmであることが特に好ましく、4.0μmであることが最も好ましい。砥粒の平均粒子径の下限がこのようなサイズであれば、レジンボンド砥石による被研削物の研削速度を実用上特に好適なレベルにまで向上させることができる。砥石の研削対象などに応じて適切に選択されるべきである。
本発明によるメタルボンド砥石中に含まれる砥粒の平均粒子径(体積平均径)の上限も、特に限定されない。一般に砥石に用いられる砥粒の平均粒子径の範囲内であればよく、メタルボンド砥石で被研削物を研削した後の被研削物の表面粗さを好適な範囲に維持するという観点から、100μmであることが好ましく、30μmであることがより好ましく、20μmであることが特に好ましい。
本発明において、砥粒の平均粒子径(体積平均径)は、例えばレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXII(日機装株式会社製)などの測定装置を用いて測定することができる。
本発明によるメタルボンド砥石中に含まれる砥粒の含有量の下限は、特に限定されない。一般に砥石に用いられる砥粒の含有量の範囲内であればよい。例えば、砥粒の含有量が多くなるにつれて、メタルボンド砥石による被研削物に対する研削力は向上する傾向にある。このため、本発明によるメタルボンド砥石中の砥粒の含有量の下限は、メタルボンド砥石の全体積を基準として0.5体積%であることが好ましく、1.0体積%であることがより好ましい。
本発明によるメタルボンド砥石中に含まれる砥粒の含有量の上限も、特に限定されない。一般に砥石に用いられる砥粒の含有量の範囲内であればよい。例えば、経済的な観点から、比較的高価な砥粒の含有量は少ないことが好ましい。また、過剰な量の砥粒を用いても、含有量にみあった特性が得られないこともある。このためにメタルボンド砥石中の砥粒の含有量の上限は、メタルボンド砥石の全体積を基準として30体積%であることが好ましく、10体積%であることがより好ましく、5.0体積%であることがさらに好ましい。
本発明によるメタルボンド砥石において、メタルボンド砥石中に含まれる第1の金属粉は、第1の金属粉を構成する金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10〜40であることを含むものである。
第1の金属粉の材質は、砥石の用途などを考慮して適切に選択されればよく、例えば銅、鉄、ブロンズ、錫およびアルミニウムなどの単体金属、合金またはそれらを含む混合金属が挙げられる。ここでいう混合金属とは、2種類以上の単体金属粉を単純に混合したものをいう。これらのうち、コストや工業用として広く入手可能である等の実用性の観点から、銅、鉄またはブロンズ単体金属またはそれらを含む混合金属もしくは合金であることが好ましく、銅単体金属、合金またはそれらを含む混合金属であることがより好ましい。また、第1の金属粉の製造方法も限定されないが、具体例としてはアトマイズ法、粉砕法、化学還元法、熱処理法、プラズマ回転電極法、均一液滴噴霧法または電解法が挙げられる。これらのうち、本発明における第1の金属粉の比X/Yが10〜40を達成しやすいという観点から、電解法または粉砕法で製造された金属粉が好ましく、なかでも電解法で製造された金属粉がより好ましい。すなわち、上記の第1の金属粉の材質とその製造方法を考慮すると、電解法で製造された銅粉(電解銅粉)が最も好ましい。
本発明に用いられる第1の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径(体積平均径)の下限は、特に限定されない。例えば、第1の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径が大きいほど、被研削物に対する研削比が大きくなる傾向にある。このような観点から、第1の金属粉の平均粒子径の下限は10μmであることが好ましく、20μmであることがより好ましく、40μmであることが最も好ましい。
本発明に用いられる第1の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径(体積平均径)の上限も、特に限定されない。例えば、第1の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径が小さいほど、砥粒の保持力が向上するため、被研削物に対する研削力が大きくなる傾向にある。このような観点から、第1の金属粉の平均粒子径の上限は130μmであることが好ましく、120μmであることがより好ましく、100μmであることが最も好ましい。なお、本発明において第1の金属粉の平均粒子径(体積平均径)はレーザー回折・散乱法により求められるものである。例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXII(日機装株式会社製)などにより測定することができる。
本発明における第1の金属粉は、粒子が非球状の形状を有しているものである。このような第1の金属粉の具体的な形状は、例えば楕円状、鎖状、扁平状、鱗片状等のアスペクト比の大きい形状や、金属粒子表面が金平糖状、樹枝状等の表面に微小な凹凸を有するものである。本発明においては、用いることのできる非球状粒子は以下のように定量的に定義される。
まず、第1の金属粉を構成する金属粒子の1粒子当たりの平均表面積をXとする。一方、前記第1の金属粉の平均粒子径(体積平均径)と同じ直径を有する真球の表面積をYとする。これらの比X/Yは、粒子形状が真球から遠ざかるほど大きくなる。そして、本発明においてはこの比X/Yが大きくなるほど被研削物に対する研削比が大きくなるので好ましい。加えて、被研削物の研削後の仕上げ面精度が向上するので好ましい。このような観点から、本発明における比X/Yの下限は10.0であることが必須であり、15.0であることが好ましく、18.0であることがより好ましい。
一方、本発明において第1の金属粉の比X/Yの上限は40.0である。第1の金属粉の比X/Yが大きすぎると砥石の製造に用いる型へ緻密に充填することが困難になり、本発明の効果が小さくなる。このような観点から、本発明における比X/Yの上限は40.0であることが必須であり、30.0であることが好ましい。
尚、本発明において第1の金属粉を構成する金属粒子の1粒子当たりの表面積Xとは、金属粒子の平均粒子径(体積平均径)より算出した金属粒子の1粒子当たりの体積に、当該金属粒子を構成する金属の20℃での比重を乗じることで金属粒子の1粒子当たりの重量を算出し、その得られた値に比表面積の値を乗じて算出したものをいう。尚、ここでいう比表面積とは、ガス吸着法に基づき測定した金属粒子の単位重量当たりの表面積の値であり、具体的には流動式比表面積自動測定装置フローソーブII(株式会社島津製作所製)を使用して測定することができる。また、ここでいう第1の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径(体積平均径)より算出した真球としての1粒子当たりの表面積Yとは、第1の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径(体積平均径)をもつ真球1粒子当たりの表面積を算出したものをいう。
本発明において、メタルボンド砥石中の第1の金属粉の含有量は多いほど被研削物に対する研削比が大きくなる傾向にある。加えて、被研削物の研削後の仕上げ面精度が向上するので好ましい。このため第1の金属粉の含有量の下限は、メタルボンド砥石の全体積を基準として30体積%であることが好ましく、40体積%であることがより好ましく、50体積%であることが最も好ましい。
一方、メタルボンド砥石中の第1の金属粉の含有量が過度に多いと、研削比改善効果が飽和してしまい、さらには本発明の効果が低下してしまうことがある。このために、メタルボンド砥石中の第1の金属粉の含有量の上限は、メタルボンド砥石の全体積を基準として95体積%であることが好ましく、90体積%であることがより好ましく、85体積%であることがより好ましい。
本発明によるメタルボンド砥石は、上記したような第1の金属粉をメタルボンド砥石中に含むものであるが、この第1の金属粉は2種類以上の金属粉を組み合わせたものであってもよい。ここで、組み合わせる金属粉は、すべてが上記の条件を満たすものであっても、また一部もしくはすべてが上記の条件を満たさないものであってもよい。ただし、いずれの組み合わせにおいても、組み合わせたあとの比X/Yは上記までの条件を満たす必要がある。
本発明におけるメタルボンド砥石は、第1の金属粉以外の金属成分として、特定の条件を満たすものを用いると、メタルボンド砥石による研削力および被研削物の研削後の仕上げ面精度がさらに改良される。以下、本発明においてこのような第1の金属粉とは別の金属粉を第2の金属粉という。第2の金属粉は、それを構成する金属粒子の1粒子当たりの平均表面積X’と、第2の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径(体積平均径)と同じ直径を有する真球の表面積Y’の比X’/Y’が10.0未満、好ましくは7未満であるものである。すなわち、第2の金属粉は、前記した第1の金属粉に対して、形状が真球に近い金属粉であるといえる。
第2の金属粉の材質は、特に限定されないが、具体例としては、銅、鉄、ブロンズ、錫、亜鉛およびアルミニウムなどの単体金属、合金またはそれらを含む混合金属が挙げられる。ここでいう混合金属とは、2種類以上の単体金属粉を単純に混合したものをいう。これらのうち研削力促進の観点からは、第2の金属粉は第1の金属粉より硬い材質の金属であることが好ましく、鉄またはブロンズ単体金属またはそれらを含む混合金属もしくは合金であることが好ましい。また、被研削物を研削した後の被研磨物の表面粗さを好適な範囲に維持するという観点からは、第2の金属粉は第1の金属粉より柔らかい材質の金属であることが好ましく、錫または亜鉛の単体金属またはそれらを含む混合金属もしくは合金であることが好ましい。すなわち、第1の金属粉の硬さを基準に、目的にあわせた第2の金属粉の材質が選択されればよい。
第2の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径(体積平均径)の下限は、特に限定されない。主たる第1の金属粉に混合されたあと、全金属粉が必須条件を満たせばよい。しかし、第2の金属粉を構成する金属粒子の粒子径が大きいほうが研削力が向上する傾向にある。このため、第2の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径の下限は、0.5μmであることが好ましく、2.0μmであることがより好ましい。
一方、第2の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径(体積平均径)の上限も、特に限定されない。例えば、小さいほうが研削後の被研削物の表面粗さが改善される傾向にある。このような観点から、第2の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径の上限は、100μm以であることが好ましく、40μmであることがより好ましく、20μmであることがより好ましい。ここで、第2の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径(体積平均径)は、前記した第1の金属粉と同様の方法により測定することができる。
第2の金属粉を用いる場合、第1の金属粉と第2の金属粉の和から求められる体積に対して第2の金属粉の配合比を多くすると研削力が改善される。しかし、第2の金属粉の配合比を過度に多くすると研削比および被研削物の研削後の仕上げ面精度が劣化することがある。このため、第2の金属粉の配合比の上限は、第1の金属粉と第2の金属粉の和から求められる体積を基準として30体積%であることが好ましく、20体積%であることがより好ましく、10体積%であることがより好ましく、5体積%であることが最も好ましい。
本発明によるメタルボンド砥石は、上記した成分を用いて、例えば次に記載する方法により製造することができる。
砥粒および第1の金属粉、必要に応じて第2の金属粉を含む原料混合物を準備する。各原料は混合前または混合後に必要に応じて破砕または混練して均一なものとされる。ここで必要に応じて、原料混合物に公知の添加剤を適宜選択して、配合することもできる。例えば、砥粒並びに金属粉の分散性を向上させるために増粘剤を添加することもできる。
次に、原料混合物を金型などに充填し、成形する。このとき必要に応じて、加圧したり、振動をあたえるなどして、混合物を緻密に充填することができる。この場合、台金などの表面に原料混合物を直接成形することもできる。引き続き、必要に応じて成形された原料混合物を加熱して硬化させる。ここでの加熱温度は、本発明によるメタルボンド砥石を使用する目的や被研磨物の材質に応じて設定され、好ましくは140〜1000℃である。第1の金属粉および必要に応じて第2の金属粉の種類によって設定され、例えば金属粉の種類の融点が低い場合は低い温度で加熱して硬化させることが好ましく、一方で金属粉の種類の融点が高い場合は高い温度で加熱して硬化させてもよい。この場合、加熱は大気圧条件下で行うほか、不活性雰囲気下や減圧条件下に行うこともできる。また、加圧しながら加熱することもできる。
このような方法により、本発明によるメタルボンド砥石を得ることができる。このような本発明によるメタルボンド砥石は、セラミックス、金属、合成樹脂、および光学ガラスなどのガラスなどを被研削体として研削するのに用いるのに好適なものである。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
砥粒および第1の金属粉、必要に応じて第2の金属粉を表3に示すとおりに組み合わせて、表1の方法に従ってメタルボンド砥石を具備した試料を作製した。そして、表2に示す条件で各メタルボンド砥石試料用いて研削試験、および各評価を実施した。
なお、砥粒には、平均粒子径6.8μm(日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXIIで測定)のダイヤモンド砥粒を用い、メタルボンド砥石の全体積に対する割合が2.7体積%になるように調整した。また、第2の金属粉を用いる場合には、平均粒子径(体積平均径、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXIIで測定)10μm、X’/Y’の比が10.0未満のアトマイズ錫粒子を用いた。また、参考例1として、一般に入手できる仕上げ用レジンボンド砥石(PR−35#1500、アルファーダイヤモンド工業株式会社製)を使用した。
Figure 2012240164
Figure 2012240164
得られた結果は表1に示すとおりであった。
Figure 2012240164
表3に示す“第1の金属粉”欄の”含有量”欄には、メタルボンド砥石中の第1の金属粉の含有量を示した。なお、含有量は、メタルボンド砥石の全体積を基準とした体積の割合を%単位で示した。
表3に示す“第1の金属粉”欄の”平均粒子径”欄には、第1の金属粉の平均粒子径(体積平均径)を、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3300EXII(日機装株式会社製)を使用してレーザー回折・散乱法に基づき測定した値を示した。
表3に示す“第1の金属粉”欄の”種類”欄には、第1の金属粉の材質を示す。なお、実施例1および2の第1の金属粉としての銅は、電解銅粉CE−6(福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。比較例1の第1の金属粉としての銅は、破砕銅粉MS−800(福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。また、比較例2の第1の金属粉としての銅は、真球状アトマイズ銅粉Cu−At−200(福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。
表3に示す“第1の金属粉”欄の”X”欄には、第1の金属粉中の金属粒子の平均粒子径(体積平均径)より算出した金属粒子の1粒子当たりの体積に、当該金属粒子を構成する金属の20℃での比重を乗じることで金属粒子の1粒子当たりの重量を算出し、その得られた値に比表面積の値を乗じて算出した第1の金属粉の1粒子当たりの平均表面積Xを示した。
表3に示す“第1の金属粉”欄の”Y”欄には、第1の金属粉中の金属粒子の平均粒子径(体積平均径)より算出した真球としての1粒子当たりの表面積を示した。尚、ここでいう比表面積は、流動式比表面積自動測定装置フローソーブII(株式会社島津製作所製)を使用してガス吸着法に基づき測定した金属粒子の単位重量当たりの表面積の値を用いた。
表3に示す“第2の金属粉”欄の”種類”欄には、第2の金属粉の材質を示す。なお、実施例2の第2の金属粉としての錫は、真球状錫粉Sn−At−600(福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。同欄中の“−(ハイフン)”は、第2の金属粉を含まないことを示す。
表3に示す“第2の金属粉”欄の“含有量”欄には、メタルボンド砥石中の第2の金属粉の含有量を示す。なお、含有量は、メタルボンド砥石の全体積を基準とした体積の割合を%単位で示した。
表3に示す“第2の金属粉”欄の“配合比”欄には、第1の金属粉と第2の金属粉の和から求められる体積に対する第2の金属粉のみの体積の割合から算出した全金属粉中の第2の金属粉の割合を%単位で示した。

Claims (7)

  1. 砥粒および第1の金属粉を含んでなるメタルボンド砥石であって、
    前記第1の金属粉を構成する金属粒子の1粒子当たりの平均表面積Xと、前記金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Yの比X/Yが10.0〜40.0であることを特徴とするメタルボンド砥石。
  2. 前記第1の金属粉が銅単体金属、または銅を含む混合金属もしくは合金からなる金属粉である、請求項1に記載のメタルボンド砥石。
  3. 前記第1の金属粉が電解法で製造された金属粉である、請求項1に記載のメタルボンド砥石。
  4. 前記第1の金属粉が電解銅粉である、請求項1〜3に記載のメタルボンド砥石。
  5. 前記第1の金属粉を、前記メタルボンド砥石の全体積を基準として40体積%以上含有する、請求項1〜4に記載のメタルンボンド砥石。
  6. 前記メタルボンド砥石が第1の金属粉とは別に第2の金属粉を含んでなり、
    前記第2の金属粉を構成する金属粒子の1粒子当たりの平均表面積X’と、前記第2の金属粉を構成する金属粒子の平均粒子径と同じ直径を有する真球の表面積Y’の比X’/Y’が10.0未満である、請求項1〜5に記載のメタルボンド砥石。
  7. 前記第1の金属粉と前記第2の金属粉の和から求められる体積を基準として、前記第2の金属粉の比率が30体積%未満である、請求項6に記載のメタルボンド砥石。
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