JP2012239958A - 湿式排煙脱硫装置と方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】石灰石-石膏法湿式排煙脱硫システムにおいて脱硫吸収液中の塩類濃度を増加させることなく、脱硫吸収塔での水使用量を効果的に低減させる湿式排煙脱硫装置と方法を提供すること。
【解決手段】湿式排煙脱硫装置の吸収塔本体1の上流に設置した加湿機能を備えたガス冷却器21において、ガス冷却器21内を流れる水を含む流体を高温排ガスの熱を利用して蒸気を発生させて蒸気分離器19から分離した蒸気をガス冷却器21より後流側の排ガス中に混合し、排ガス温度の低下と加湿を同時に行うことで効果的に達成される。本発明では加湿も同時に行うため、同じ交換熱量でも脱硫吸収塔での蒸発水量が更に低減される。塩濃度の高い水を主成分とした液体を熱媒体として用いた場合でも、脱硫吸収液中に塩類が混入することがないため、脱硫性能が低下することはない。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式排煙脱硫装置と方法に関わり、排ガスへの加湿機能を備えたガス冷却器を設けることで脱硫吸収液中の塩類濃度を増加させることなく、湿式排煙脱硫装置での水使用量を効果的に低減させる湿式排煙脱硫装置と方法に関するものである。
火力発電所等において、化石燃料の燃焼に伴い発生する排煙中の硫黄酸化物を取り除く脱硫システムは、湿式の石灰石−石膏法が主流を占めており、中でも信頼性の高いスプレ方式が多く採用されている。
スプレ方式を採用した従来の石灰石−石膏法湿式排煙脱硫システムの公知例として、脱硫システム構成の概要図を図4に示す。この石灰石−石膏法湿式排煙脱硫システムは、主に、脱硫吸収塔本体1、ミストエリミネーター2、補給水タンク3、石灰石スラリ供給設備4、石膏脱水機5、排水処理装置6等から構成される。
ボイラ(図示せず)から排出される排ガスは、除塵装置(EP)7を通過して除塵した後、吸収塔本体1に導入され、煙突8から排出される。この間、吸収液循環ポンプ9から送られる炭酸カルシウムを含んだ吸収液が脱硫吸収塔本体1の複数のスプレノズル10から噴射され、吸収液と排ガスの気液接触が行われ、排ガス中のSOを吸収する。SOを吸収した吸収液は、一旦循環タンク11に溜まり、酸化用撹拌機12によって撹拌されながら酸化空気供給管から供給される酸化空気13中の酸素により酸化され、硫酸カルシウム(石膏)生成する。
生成した石膏は吸収液抜出し管から石膏脱水機5に送られ、脱水して石膏14とろ液に分離される。ろ液はろ過水槽15に一旦溜められ、一部は排水処理装置6で処理されて排水される。残りの石膏脱水ろ液は石灰石スラリ供給設備4で再利用されたり、脱硫吸収塔本体1に戻される。また、連続的に脱硫吸収塔本体1へ導入される高温の排ガスと循環する吸収液の接触により、吸収液から水が蒸発し、排ガスに同伴して脱硫システム外へ排出される。このとき、脱硫吸収塔本体1で循環される総吸収液量を常に一定に保つ必要があるため、補給水タンク3から工業用水16が補給される。
また、図5に示すように、脱硫吸収塔本体1よりも上流側の排ガス流路に熱交換器17を設置して温度を低下させた排ガスを脱硫吸収塔本体1へ導入する場合もある。このとき、処理する排ガスの温度低下により、脱硫吸収塔本体1での蒸発水量が低減するので補給水量を低減することが可能である。
熱交換器17の代表的な構造としては、フィンを有する複数のチューブを規則的な配列で熱交換器17内に設置し、そのフィンチューブ内に水などの熱媒体18を流通させ、高温の排ガスと熱媒体の流通しているフィンチューブが接触することで熱交換が行われる。脱硫吸収塔本体1に導入する排ガス温度が低い方が吸収塔内での蒸発水量は低減されるが、熱交換器17の伝熱面積を大きくすると設備コストが高くなる。
図6に示すように、脱硫補給水として海水22を利用することで水の使用量を低減する方法も知られている。この場合、脱硫吸収塔本体1における海水22が混合した脱硫吸収液と高温排ガスとの接触による水の蒸発と、補給水としての海水22の追加補給によって脱硫吸収液中の塩類濃度が増加することになる。脱硫吸収液中の塩類濃度が増加することで起こる問題の一つは脱硫性能の低下である。
また、湿式排煙脱硫装置での水使用量低減に関する発明について、以下の発明がある。(1)特開平9−103641号公報には、脱硫吸収塔入口や脱硫吸収液の熱を有効に回収し、熱利用設備で利用し、且つ吸収液に使用する用水量を低減することのできる排煙脱硫装置及びボイラ設備が開示されている。
(2)特開平6−142448号公報には、脱硫排液を脱硫吸収塔上流でスプレし、蒸発により濃縮した脱硫排水をダクト底部の液溜めに受けて系外へ抜出すことを特徴としている。脱硫吸収塔上流での排液スプレにより排ガスの温度を低下させ、且つ、湿度を増加させることで脱硫吸収塔での蒸発水量を低減することができる排煙脱硫装置が開示されている。
(3)実開平1−110824号公報には、湿式排煙脱硫装置において、石灰石スラリ供給系と補給水供給系へ供給する水として海水を用い、且つ該海水からスケール成分を除去する電着式海水スケール除去装置を設けたことを特徴としている。脱硫補給水として海水を利用することで、湿式脱硫装置での水使用量が低減され、且つ海水中の硬質スケール成分を極めて少ないエネルギーで除去することができ、用水確保が安価で可能となる海水利用湿式排煙脱硫装置が開示されている。
特開平9−103641号公報 特開平6−142448号公報 実開平1−110824号公報
上記特許文献に示す従来の石灰石-石膏法湿式排煙脱硫システムでは、脱硫吸収塔での蒸発水量や排水量などを補うための補給水が大量に必要であり、水の確保が困難な地域への設置には適さない。湿式排煙脱硫装置にて水の使用量を低減させるために、脱硫補給水に海水を用いる方法や熱交換器を脱硫システムよりも上流に設置して排ガス温度を低下させる方法が知られている。脱硫補給水に海水を用いた場合、脱硫吸収液を循環利用するため、脱硫吸収液中の塩類濃度が増加することになり、脱硫性能低下などの問題点がある。また、熱交換器を脱硫システムよりも上流に設置して排ガス温度を低下させた場合、設備コスト増加に見合った蒸発水量減少の効果を得ることは困難である。
本発明の課題は石灰石-石膏法湿式排煙脱硫システムにおいて脱硫吸収液中の塩類濃度を増加させることなく、脱硫吸収塔での水使用量を効果的に低減させる湿式排煙脱硫装置と方法を提供することである。
本発明の上記課題は、脱硫システムの上流に設置した加湿機能を備えたガス冷却器において、高温排ガスの熱を利用して蒸気を発生させて排ガス中に混合し、排ガス温度の低下と加湿を同時に行うことで効果的に達成される。従来の熱交換器では、排ガス温度を低下させるだけであるが、本発明では加湿も同時に行うため、同じ交換熱量でも脱硫吸収塔での蒸発水量が更に低減される。
このとき、加湿機能を備えたガス冷却器に用いる熱媒体は水を主成分とした液体であればよく、海水、脱硫排水、ボイラなどの付帯設備として設置されている海水淡水化装置からの温度の高い濃縮海水などを用いてもよい。また、塩濃度の高い水を主成分とした液体を熱媒体として用いた場合でも、脱硫吸収液中に塩類が混入することがないため、脱硫性能が低下することはない。
即ち、請求項1記載の発明は、ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスを導入し、該排ガスに吸収液を噴霧して気液接触させることにより、前記排ガス中に含まれる硫黄酸化物を吸収、除去する吸収塔を有する湿式排煙脱硫装置において、該吸収塔の前流側に排ガスと熱交換する水を主成分とする流体を流す伝熱管を有する排ガス冷却器と、該ガス冷却器で加熱された水を主成分とする前記流体から蒸気を分離する蒸気分離器を設け、該蒸気分離器で分離された蒸気を前記ガス冷却器の後流側の排ガスに混合することを特徴とする湿式排煙脱硫装置である。
請求項2記載の発明は、ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスを吸収塔に導入し、吸収塔内で吸収液を噴霧して気液接触させることにより前記排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式排煙脱硫方法において、吸収塔に導入する前の排ガスに水を含む流体を接触させて排ガスの熱を回収して排ガス温度を低下させ、同時に水を含む流体で回収した排ガスの熱を利用して水を含む流体から蒸気を発生させ、発生させた蒸気を排ガス中に混合して吸収塔に導入することを特徴とする湿式排煙脱硫方法である。
請求項3記載の発明は、前記水を主成分とする流体を海水とすることを特徴とする請求項2に記載の湿式排煙脱硫方法である。
請求項4記載の発明は、前記水を主成分とする流体に脱硫排水又は海水淡水化装置から排出される塩類を含む液体を混合させることを特徴とする請求項2又は3記載の湿式排煙脱硫方法である。
(作用)
水の確保の困難な地域での脱硫装置として、従来の石灰石-石膏法湿式脱硫装置を適用する場合、水の使用量を大幅に低減する必要がある。この問題に対して本発明では、吸収塔の前流側の排ガス流路に加湿機能を備えたガス冷却器を設置する。この加湿機能を備えたガス冷却器では、高温排ガスの熱を該ガス冷却器に用いる熱媒体に吸収させ、発生した蒸気を排ガスに混合することにより、排ガス温度を低下させるとともに排ガス中水分濃度も高めることができる。これにより、脱硫吸収塔での蒸発水量を効果的に低減することが可能である。
熱媒体として塩を含有している海水などを利用する場合では、蒸発により塩類が濃縮され、飽和溶解度以上の濃度になると塩類の析出が起こる。冷却器内の伝熱面上で塩類の析出が起こると熱交換率が低下することになるため、冷却器へ連続供給する熱媒体流量と冷却器から回収される高温の熱媒体流量を監視しながら、濃縮率を調整することで、冷却器内での塩類の析出を防止する。このとき、塩類が脱硫吸収液中へ流入することはなく、脱硫性能が低下することはない。
以上、述べたように、本発明によれば、吸収塔での蒸発水量を低減させ、水の使用量を大幅に削減できる。また、従来の熱交換器の効果は排ガス温度を低下させるのみであったが、本発明では加湿を同時に行うため、水使用量低減効果は高く、熱交換器を設置する場合よりも設備のコンパクト化が可能となる。
本発明を実施した湿式排煙脱硫システムの一実施例を示す図で、吸収塔上流に、加湿機能を備えたガス冷却器を設置している。 図1に示す実施例を適用した場合における1,000MW規模のプラントでの水使用量低減率を示す図である。 本発明を適用した湿式排煙脱硫システムの一実施例を示す図であり、脱硫吸収塔上流に加湿機能を備えたガス冷却器を設置し、さらに水使用量低減を効果的に達成するために、脱硫補給水に海水を用いている例を示す。 従来の石灰石-石膏法湿式排煙脱硫システムの概要図を示す図である。 従来の石灰石-石膏法湿式排煙脱硫装置での水使用量を低減する方法として、脱硫吸収塔の上流に熱交換器を設置して脱硫吸収塔入口排ガス温度を低下させるシステムの概要図である。 従来の石灰石-石膏法湿式排煙脱硫システムでの脱硫補給水に海水を利用し、脱硫装置での水使用量を低減するシステムの概要図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明を適用した湿式排煙脱硫システムの一実施例を示す図である。図示しないボイラなどの燃焼装置から排出する排ガスは除塵装置7で除塵された後、加湿機能を備えたガス冷却器21で冷却されて、脱硫吸収塔本体1内に導入され、脱硫処理された後、煙突8から排出される。この間、吸収液循環ポンプ9から送られる炭酸カルシウムを含んだ吸収液が脱硫吸収塔本体1の複数のスプレノズル10から噴射され、吸収液と排ガスの気液接触が行われ、排ガス中のSOを吸収する。SOを吸収した吸収液は、一旦循環タンク11に溜まり、酸化用撹拌機12によって撹拌されながら酸化空気供給管から供給される酸化空気13中の酸素により酸化され、硫酸カルシウム(石膏)を生成する。
生成した石膏は吸収液抜出し管から石膏脱水機5に送られ、脱水して石膏14とろ液に分離される。ろ液はろ過水槽15に一旦溜められ、一部は排水処理装置6で処理されて排水される。残りの石膏脱水ろ液は石灰石スラリ供給設備4で再利用されたり、脱硫吸収塔本体1に戻される。また、連続的に脱硫吸収塔本体1へ導入される高温の排ガスと循環する吸収液の接触により、吸収液から水が蒸発し、排ガスに同伴して脱硫システム外へ排出される。このとき、脱硫吸収塔本体1で循環される総吸収液量を常に一定に保つ必要があるため、補給水タンク3から工業用水16や海水22からなる補給水が供給される。
図1において、加湿機能を備えたガス冷却器21を設置し、該ガス冷却器21を通過した排ガスを脱硫吸収塔本体1に導入する。このとき、排ガスは該ガス冷却器21において温度が下げられ、さらに、脱硫吸収塔本体1の入口で排ガス中の水分濃度が上昇しているため、脱硫吸収塔本体1での蒸発水量が低減され、脱硫吸収塔本体1での補給水量を低減することが可能となる。
該ガス冷却器21内には熱媒体を流通させるチューブが設置されており、熱媒体は排ガス流れの下流側から上流側に向かって排ガスの熱を吸収しながら流れ、蒸気分離器19で蒸気と高温の熱媒体に分離される。蒸気分離器19で回収した蒸気20は該ガス冷却器21の下流で排ガスと混合して排ガス中の水分濃度を増加させる。一方、蒸気分離器19で分離された熱媒体は効率よく蒸気を回収するために、該ガス冷却器21の熱媒体として一部を循環使用することもできる。また、他の熱を必要とする機器に利用することもできる。図1では熱媒体に工業用水16や海水22を利用した場合について示しているが、水を主成分とした液体であればよく、海水22以外に、図示しない脱硫排水、ボイラなどの付帯設備として設置されている海水淡水化装置23(図3参照)からの温度の高い濃縮海水、図示しない造塩装置からの水などを用いてもよい。
このとき、塩の析出を防止するため、ガス冷却器21に連続供給される熱媒体流量と前記冷却器21から回収される高温の熱媒体流量を監視しながら塩の濃縮率を調整する。ガス冷却器21内を流れる熱媒体の流れは排ガスの対向流とするのが望ましい。フィンチューブを備えたガス冷却器21と排ガスを並行流で流通させると、熱媒体導入部でフィンチューブ表面が局所的な低温部となり、排ガス中の硫酸ミストなどの微量成分がフィンチューブ表面で凝縮するなど、腐食の原因となるほか、排ガスを加湿するための蒸気の回収が困難になるためである。
また、熱媒体を流通させるガス冷却器21のチューブは、フィンをつけるなどの伝熱面積を確保する構造にすることができる。また、ポンプなどを用いて蒸気を回収する際に、蒸気分離器19を負圧にすることで蒸気の回収を効率的にすることもできる。
図2に1,000MW規模のプラントにて、本発明を適用した場合の加湿機能を備えたガス冷却器21に導入する熱媒体量を変化させたときの脱硫装置での水使用低減率を示す。該ガス冷却器21に導入する排ガスは3,000,000mN/h(水分濃度8%)、140℃とした。該ガス冷却器21を設置しない場合の脱硫吸収塔1での水使用量内訳は蒸発水量が約140t/h、それ以外で約20t /hのトータル160/hである。本発明を適用し、熱媒体の供給量を200t/h、蒸発量を115t/hとした場合、該ガス冷却器出口での排ガス温度と排ガス中水分濃度はそれぞれ60℃、12vol%程度となる。該冷却器21での加湿分は、ガス冷却器21を設置しない場合の蒸発水量の約80%を補うことになり、脱硫吸収塔でのトータルの水使用量を約70%低減できる。
以下、本発明の他の実施例について図面を用いて説明する。
図3は本発明を適用した湿式排煙脱硫システムの一実施例を示す図であり、水使用量低減を効果的に達成するために、脱硫補給水に海水22を用いている。図3において、脱硫吸収塔本体1の上流に設置した加湿機能を備えたガス冷却器21で、排ガスの低温化、水分濃度上昇の効果を得ていることから、脱硫吸収塔本体1での蒸発水量が低減されている。また、脱硫吸収液中の塩類濃度に応じて系外へ排出されていた脱硫排水を、主成分が水である流体、図3における海水22に混合し、加湿機能を備えたガス冷却器21で熱媒体として用いることができる。さらにボイラなどの付帯設備として設置されている海水22を導入する海水淡水化装置23から排出される濃縮海水25も上記熱媒体に混合して用いることができる。
海水淡水化装置23は、主に蒸発法や逆浸透法が挙げられるが、どちらの方式においても、得られた淡水24に応じた濃縮海水25が排水として発生し、特に蒸発法に関してはその温度が高いため、排水処理時に問題となる。本実施例では、このような濃縮海水25も該ガス冷却器21での熱媒体として利用しており、排水量が低減され、排水処理コストを削減することが可能となる。また、脱硫排水や蒸発法海水淡水化装置23からの排水は温度も高いため、該ガス冷却器21での熱媒体として混合することで効率よく蒸気を得ることができ、該ガス冷却器21がコンパクトになる。
1 吸収塔本体 2 ミストエリミネーター
3 補給水タンク 4 石灰石スラリ供給設備
5 石膏脱水機 6 排水処理装置
7 防塵装置 8 煙突
9 循環ポンプ 10 スプレノズル
11 循環タンク 12 攪拌機
13 酸化空気 14 石膏
15 ろ過水槽 16 工業用水
17 熱交換器 18 熱媒体
19 蒸気分離器 20 蒸気
21 ガス冷却器 22 海水
23 海水淡水化装置 24 淡水
25 濃縮海水

Claims (4)

  1. ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスを導入し、該排ガスに吸収液を噴霧して気液接触させることにより、前記排ガス中に含まれる硫黄酸化物を吸収、除去する吸収塔を有する湿式排煙脱硫装置において、
    該吸収塔の前流側に排ガスと熱交換する水を主成分とする流体を流す伝熱管を有する排ガス冷却器と、該ガス冷却器で加熱された水を主成分とする前記流体から蒸気を分離する蒸気分離器を設け、該蒸気分離器で分離された蒸気を前記ガス冷却器の後流側の排ガスに混合することを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
  2. ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスを吸収塔に導入し、吸収塔内で吸収液を噴霧して気液接触させることにより前記排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式排煙脱硫方法において、
    吸収塔に導入する前の排ガスに水を含む流体を接触させて排ガスの熱を回収して排ガス温度を低下させ、同時に水を含む流体で回収した排ガスの熱を利用して水を含む流体から蒸気を発生させ、発生させた蒸気を排ガス中に混合して吸収塔に導入することを特徴とする湿式排煙脱硫方法。
  3. 前記水を主成分とする流体を海水とすることを特徴とする請求項2に記載の湿式排煙脱硫方法。
  4. 前記水を主成分とする流体に脱硫排水又は海水淡水化装置から排出される塩類を含む液体を混合させることを特徴とする請求項2又は3記載の湿式排煙脱硫方法。
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